JP2010031746A - 排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気の温度に関係なく、噴孔への尿素水の残留、およびこれにともなう噴孔の目詰まりを低減する排気浄化装置を提供する。
【解決手段】排気通路15を流れる排気に尿素水を噴射するインジェクタ11は、噴孔から尿素水を噴射した後、同一の噴孔から加圧された空気を噴射する。これにより、尿素水の噴射時に噴孔に残留した尿素水は、その後に噴射される空気によって噴孔から除去される。そのため、内燃機関14の運転の停止にともないインジェクタ11からの尿素水の噴射が終了した後、噴孔およびその周囲への尿素水の残留、および残留した尿素水を由来とする尿素の結晶の析出が低減される。したがって、排気の温度あるいは内燃機関14の運転状態に関わらず、析出した尿素の結晶による噴孔の目詰まりを低減することができ、確実な尿素水の噴射を確保することができる。
【選択図】図1
【解決手段】排気通路15を流れる排気に尿素水を噴射するインジェクタ11は、噴孔から尿素水を噴射した後、同一の噴孔から加圧された空気を噴射する。これにより、尿素水の噴射時に噴孔に残留した尿素水は、その後に噴射される空気によって噴孔から除去される。そのため、内燃機関14の運転の停止にともないインジェクタ11からの尿素水の噴射が終了した後、噴孔およびその周囲への尿素水の残留、および残留した尿素水を由来とする尿素の結晶の析出が低減される。したがって、排気の温度あるいは内燃機関14の運転状態に関わらず、析出した尿素の結晶による噴孔の目詰まりを低減することができ、確実な尿素水の噴射を確保することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、排気浄化装置に関し、特に排気中の窒素酸化物(NOx)を還元する排気浄化装置に関する。
内燃機関、特にディーゼルエンジンから排出されるNOxを還元する排気浄化装置として、SCR(Selective Catalytic Reduction)システムが公知である。SCRシステムを用いた排気浄化装置は、例えば尿素の水溶液である尿素水を還元剤として排気へ噴射することにより、排気に含まれるNOxを選択的に窒素や水に還元する。一方、尿素水は、水分が蒸発することにより、含まれている尿素が結晶として析出する。析出した尿素は、排気通路を形成する排気管や噴射弁などに堆積し、動作不良の原因となる。そこで、特許文献1では、尿素水を噴射する噴射弁を排気で加熱し、噴射弁に付着している尿素を熱分解している。これにより、特許文献1では、噴射弁に対する尿素の堆積の低減を図っている。
しかしながら、特許文献1の場合、噴射弁は排気によって加熱される。そのため、例えば内燃機関の運転を停止した後など、排気の温度が低いとき、噴射弁に付着した尿素を除去することは困難である。そのため、噴射弁の噴孔に付着した尿素が結晶となって析出し、噴孔の目詰まりを招くという問題がある。
特開2007−782号公報
そこで、本発明の目的は、排気の温度に関係なく、噴孔への尿素水の残留、およびこれにともなう噴孔の目詰まりを低減する排気浄化装置を提供することにある。
請求項1記載の発明では、切換機構部はインジェクタの噴孔へ尿素水または加圧気体のいずれか一方を切り換えて供給する。そのため、噴孔から尿素水を噴射した後、この噴孔から加圧気体を噴射することにより、噴孔に残留する尿素水は後に噴射される加圧気体によって除去される。これにより、噴孔から尿素水を噴射しても、引き続き噴射される加圧気体によって噴孔に残留する尿素水は低減する。したがって、排気の温度に関係なく、噴孔への尿素水の残留、およびこれにともなう噴孔の目詰まりを低減することができる。
請求項2記載の発明では、切換機構部は内燃機関が運転を停止しているとき、噴孔へ加圧気体を供給する。内燃機関が運転しているとき、インジェクタの噴孔からは継続的に尿素水が噴射される。そのため、尿素の結晶は、継続的な尿素水の噴射によって噴孔に堆積しにくい。一方、内燃機関が運転を停止すると、噴孔からの尿素水の噴射も停止する。そのため、噴孔に残留した尿素水は水分が蒸発し、尿素の結晶が噴孔に堆積しやすくなる。そこで、内燃機関が停止しているとき噴孔へ加圧気体を供給することにより、噴孔に残留する尿素水は加圧気体によって除去される。したがって、噴孔への尿素水の残留、およびこれにともなう噴孔の目詰まりを低減することができる。
請求項3から6のいずれか一項記載の発明では、インジェクタに第一ニードルおよび第二ニードルを設けることにより、尿素水または加圧気体のいずれか一方を、同一の噴孔から異なる時期に噴射する。これにより、尿素水を噴射した噴孔は、後に噴射される加圧気体によって洗浄される。したがって、排気の温度に関係なく、噴孔への尿素水の残留、およびこれにともなう噴孔の目詰まりを低減することができる。また、請求項3から8のいずれか一項記載の具体的な構成により、尿素水または加圧気体のいずれか一方に切り換えながら噴孔から噴射することができる。
以下、本発明による排気浄化装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による排気浄化装置を図1に示す。排気浄化装置10は、インジェクタ11、尿素水供給部12および加圧気体供給部13を備えている。排気浄化装置10は、尿素水供給部12から供給されてインジェクタ11から噴射された尿素水を用いて内燃機関14の排気通路15を流れる排気に含まれるNOxを分解する。内燃機関14は、例えばディーゼルエンジンをはじめとして、ガソリンエンジンあるいはガスタービンエンジンなどが適用される。排気管部16は、筒状であり、内側に排気通路15を形成している。排気通路15は、一方の端部が内燃機関14に接続している。また、排気通路15は、内燃機関14と反対側の端部が大気に開放されている。排気浄化装置10は、排気通路15においてインジェクタ11よりも大気への開放側にSCR触媒17を有している。排気浄化装置10の排気通路15には、SCR触媒17だけでなく、酸化触媒18およびDPF(Diesel Particulate Filter)19が設けられている。また、排気通路15には、その他の触媒およびフィルタを設けてもよい。内燃機関14から排出された排気は、排気管部16が形成する排気通路15を経由して大気中へ放出される。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による排気浄化装置を図1に示す。排気浄化装置10は、インジェクタ11、尿素水供給部12および加圧気体供給部13を備えている。排気浄化装置10は、尿素水供給部12から供給されてインジェクタ11から噴射された尿素水を用いて内燃機関14の排気通路15を流れる排気に含まれるNOxを分解する。内燃機関14は、例えばディーゼルエンジンをはじめとして、ガソリンエンジンあるいはガスタービンエンジンなどが適用される。排気管部16は、筒状であり、内側に排気通路15を形成している。排気通路15は、一方の端部が内燃機関14に接続している。また、排気通路15は、内燃機関14と反対側の端部が大気に開放されている。排気浄化装置10は、排気通路15においてインジェクタ11よりも大気への開放側にSCR触媒17を有している。排気浄化装置10の排気通路15には、SCR触媒17だけでなく、酸化触媒18およびDPF(Diesel Particulate Filter)19が設けられている。また、排気通路15には、その他の触媒およびフィルタを設けてもよい。内燃機関14から排出された排気は、排気管部16が形成する排気通路15を経由して大気中へ放出される。
尿素水供給部12は、尿素水タンク21、尿素水ポンプ22、圧力調整部23および尿素水通路部24を有している。尿素水タンク21は、尿素水すなわち尿素の水溶液を貯えている。尿素水ポンプ22は、尿素水タンク21に貯えられている尿素水をインジェクタ11へ供給する。圧力調整部23は、尿素水ポンプ22によってインジェクタ11へ供給される尿素水の圧力を調整する。尿素水通路部24は、尿素水タンク21とインジェクタ11との間を接続している。
加圧気体供給部13は、加圧気体ボンベ25、加圧気体ポンプ26、圧力調整部27および加圧気体通路部28を有している。加圧気体ボンベ25は、加圧気体を貯えている。加圧気体としては、例えば空気、または窒素やアルゴンなどの不活性気体などを適用可能である。加圧気体として例えば空気を用いる場合、内燃機関14を搭載する車両に設けられている図示しないコンプレッサなどから加圧した空気を加圧気体ボンベ25に供給する構成としてもよい。加圧気体ポンプ26は、加圧気体ボンベ25に貯えられている加圧気体をインジェクタ11へ供給する。圧力調整部27は、加圧気体ポンプ26によってインジェクタ11へ供給される加圧気体の圧力を調整する。加圧気体通路部28は、加圧気体ボンベ25とインジェクタ11との間を接続している。なお、加圧気体ボンベ25に貯えている加圧気体の圧力をインジェクタ11からの噴射圧力よりも高く設定している場合、加圧気体ポンプ26を設けなくてもよい。
排気浄化装置10は、例えばECU(Electronic Control Unit)などの制御部29を備えている。制御部29は、図示しないCPU、ROMおよびRAMから構成されているマイクロコンピュータを有している。制御部29は、例えば図示しないアクセルの開度を検出するアクセル開度センサや内燃機関14の回転数を検出する回転数センサなどに接続している。制御部29は、これらのアクセル開度センサや回転数センサなどから出力された信号に基づいて内燃機関14の運転状態を検出する。制御部29は、検出した内燃機関14の運転状態に基づいて、尿素水ポンプ22、圧力調整部23、加圧気体ポンプ26および圧力調整部27を制御する。これにより、制御部29は、尿素水タンク21からインジェクタ11へ供給される尿素水の圧力、および加圧気体ボンベ25からインジェクタ11へ供給される加圧された気体の圧力を内燃機関14の運転状態に基づいて制御する。
インジェクタ11は、排気通路15における排気の流れ方向において内燃機関14よりも下流側であって、SCR触媒17よりも上流側に設けられている。第1実施形態の場合、インジェクタ11は、排気通路15において酸化触媒18とSCR触媒17との間に設けられている。インジェクタ11は、排気通路15を流れる排気に尿素水を噴射する。これにより、インジェクタ11から噴射された尿素水は、排気に混合されてSCR触媒17へ流入する。
インジェクタ11は、排気通路15を流れる排気に尿素水供給部12から供給された尿素水または加圧気体供給部13から供給された加圧気体を異なる時期に噴射する。インジェクタ11は、図2に示すように第一ニードル41、第二ニードル42、ノズル43、ハウジング44、第一駆動部45および第二駆動部46を備えている。ノズル43は、図3に示すように筒状に形成されている。ノズル43は、内周側に先端に行くにつれて内径が縮小する円錐台状の内周壁47を有している。ノズル43は、この内周壁47と外周壁48とを接続する噴孔49を形成している。噴孔49は、一方の端部が内周壁47に開口し、他方の端部が外周壁48に開口している。インジェクタ11を排気管部16に取り付けたとき、噴孔49は排気管部16が形成する排気通路15に位置している。噴孔49は、ノズル43は、円錐台状の内周壁47において噴孔49の端部が開口する位置よりも大径側すなわち先端とは反対側に大径弁座51を有している。また、ノズル43は、円錐台状の内周壁47において噴孔49が開口する位置よりも小径側すなわち先端側に小径弁座52を有している。これにより、円錐台状の内周壁47は、先端側へ向けて大径弁座51、噴孔49および小径弁座52の順に有している。また、大径弁座51の内径は、小径弁座52の内径よりも大きくなる。ノズル43は、円錐台状の内周壁47の先端側にサック部53を有している。ノズル43は、サック部53と反対側の端部において、その径方向外側からさらにサック部53と反対側へ伸びる円筒状の内周壁54を有している。なお、ノズル43は、サック部53を有していなくてもよい。
ノズル43およびハウジング44の内側には、第一ニードル41および第二ニードル42が設けられている。第一ニードル41は、第二ニードル42の外周側に設けられている。第一ニードル41および第二ニードル42は、いずれもノズル43の円錐台状の内周壁47と同軸上に設けられている。第一ニードル41は、筒状に形成され、ノズル43との間すなわちノズル43の円筒状の内周壁54との間に第一流体通路55を形成している。第一ニードル41は、先端の円錐台状の外壁に第一シール部56を有している。第一シール部56は、ノズル43の内周壁47に形成されている大径弁座51に着座可能である。
第二ニードル42は、第一ニードル41の内周側に設けられている。第二ニードル42は、筒状に形成され、内側に第二流体通路57を形成している。第二ニードル42は、先端の円錐台状の外壁に第二シール部58を有している。第二シール部58は、ノズル43の内周壁47に形成されている小径弁座52に着座可能である。第二ニードル42の外径は、第一ニードル41の内径よりもわずかに小さい。これにより、第一ニードル41と第二ニードル42とは、摺動可能であり、相対的に軸方向へ移動可能である。
ハウジング44は、第一ニードル41および第二ニードル42をノズル43とともに収容している。ハウジング44は、図2に示すように内側に流体通路61、背圧室62、背圧通路63、リーク通路64および流体通路65を形成している。流体通路61は、一方の端部が第一流体通路55に接続するとともに、他方の端部が尿素水供給部12の尿素水通路部24に接続している。これにより、尿素水通路部24を経由してインジェクタ11に供給された尿素水は、流体通路61を経由して第一流体通路55へ供給される。流体通路61は、絞り66を経由して背圧室62に接続している。これにより、流体通路61へ供給された尿素水は、一部が背圧室62へ供給される。
背圧室62は、例えばコイルスプリングなどの弾性部材67を収容している。弾性部材67は、全長が増大する方向の力を有しており、一方の端部が第一ニードル41に接し、他方の端部が背圧室62に設けられているワッシャ68に接している。これにより、第一ニードル41は、弾性部材67によって第一シール部56が大径弁座51へ着座する方向へ押し付けられている。背圧室62は、背圧通路63を経由してリーク通路64に接続している。
第一駆動部45は、ハウジング44の内側に収容されている。第一駆動部45は、コイル71、リーク弁72および弾性部材73を有している。コイル71は、樹脂製のスプール74に巻かれており、制御部29によって通電がオンまたはオフされる。リーク弁72は、磁性体で形成され、背圧通路63とリーク通路64との接続部分を開閉する。背圧通路63のリーク通路64側の端部には、弁座75が設けられている。リーク弁72は、弁座75に着座することにより背圧通路63とリーク通路64との間を遮断し、弁座75から離座することにより背圧通路63とリーク通路64との間を開放する。弾性部材73は、リーク弁72を背圧通路63とリーク通路64との間を遮断する方向、すなわちリーク弁72を弁座75側へ押し付けている。
制御部29からコイル71へ通電すると、コイル71とリーク弁72との間に発生した磁気吸引力により、リーク弁72は弾性部材73の押し付け力に抗してコイル71側へ移動する。そのため、背圧通路63とリーク通路64とは接続される。リーク通路64は、背圧通路63とは反対側が尿素水タンク21に接続している。これにより、リーク弁72がコイル71側へ移動すると、背圧室62の尿素水は背圧通路63およびリーク通路64を経由してインジェクタ11の外部へ流出し、尿素水タンク21へ戻される。
第二駆動部46は、ハウジング44の内側に収容されている。第二駆動部46は、コイル76、ドライブピン77および弾性部材78を有している。コイル76は、樹脂製のスプール79に巻かれており、制御部29によって通電がオンまたはオフされる。ドライブピン77は、磁性体で形成され、コイル76とは反対側の端部が第二ニードル42の噴孔49とは反対側の端部に接続している。弾性部材78は、ドライブピン77を経由して第二ニードル42を小径弁座52側へ押し付けている。制御部29からコイル76へ通電すると、コイル76とドライブピン77との間に発生した磁気吸引力により、ドライブピン77および第二ニードル42は弾性部材78の押し付け力に抗してコイル76側へ移動する。ドライブピン77は、ハウジング44が形成する孔部81の内側を軸方向へ往復移動可能である。ドライブピン77は、軸方向の途中にガイド部82を有している。ガイド部82は、外壁の一部が孔部81を形成するハウジング44の内壁と摺動可能である。これにより、ドライブピン77は、ガイド部82によってハウジング44に案内されつつ軸方向へ移動する。また、第二ニードル42も、孔部81を形成するハウジング44の内壁と一部が摺動し、軸方向の移動が案内される。
第二ニードル42が形成する第二流体通路57は、噴孔49とは反対側の端部がハウジング44の孔部81の内側に形成される気体室83に接続している。気体室83は、第二ニードル42が形成する第二流体通路57に接続するとともに、ハウジング44を径方向へ貫く流体通路65に接続している。流体通路65は、ハウジング44が形成する気体室83と加圧気体供給部13の加圧気体通路部28とを接続している。これにより、加圧気体供給部13から供給される加圧気体は、流体通路65を経由して気体室83に供給される。ガイド部82は、一部が面取りされているため、気体室83へ供給された加圧気体は、ガイド部82の外壁とハウジング44の内壁との間を経由して第二ニードル42の第二流体通路57へ流入する。
上記の構成によるインジェクタ11の場合、第一ニードル41の第一シール部56がノズル43の大径弁座51から離座するとともに、第二ニードル42の第二シール部58がノズル43の小径弁座52に着座しているとき、第一流体通路55と噴孔49との間が接続し、第二流体通路57と噴孔49との間が遮断される。そのため、噴孔49は第一流体通路55とのみ接続し、噴孔49からは尿素水が噴射される。一方、第一ニードル41の第一シール部56がノズル43の大径弁座51に着座するとともに、第二ニードル42の第二シール部58がノズルの小径弁座52から離座しているとき、第一流体通路55と噴孔49との間が遮断され、第二流体通路57と噴孔49との間が接続する。そのため、噴孔49は第二流体通路57とのみ接続し、噴孔49からは加圧気体が噴射される。このように、インジェクタ11の噴孔49からは、尿素水または加圧気体が切り換えられつつ噴射される。すなわち、インジェクタ11は、特許請求の範囲の切換機構部を構成している。
次に、上記の構成による排気浄化装置10の作動について説明する。
第1実施形態の場合、インジェクタ11は、尿素水および加圧気体として空気を噴射する。制御部29は、内燃機関14が運転されているとき、インジェクタ11から尿素水を噴射する。尿素水は、インジェクタ11の噴孔49から噴射される。噴孔49から噴射された尿素水は、排気通路15を流れる排気に混合される。排気に混合された尿素水は、排気とともにSCR触媒17へ流入する。これにより、SCR触媒17では、排気に含まれるNOxが窒素および水に還元される。尿素水は、内燃機関14が運転されているとき、継続的に排気へ噴射される。
第1実施形態の場合、インジェクタ11は、尿素水および加圧気体として空気を噴射する。制御部29は、内燃機関14が運転されているとき、インジェクタ11から尿素水を噴射する。尿素水は、インジェクタ11の噴孔49から噴射される。噴孔49から噴射された尿素水は、排気通路15を流れる排気に混合される。排気に混合された尿素水は、排気とともにSCR触媒17へ流入する。これにより、SCR触媒17では、排気に含まれるNOxが窒素および水に還元される。尿素水は、内燃機関14が運転されているとき、継続的に排気へ噴射される。
内燃機関14が運転を停止すると、制御部29はインジェクタ11からの尿素水の噴射を停止するとともに、加圧された空気を噴射する。インジェクタ11から尿素水を噴射する場合、尿素水の一部はインジェクタ11の噴孔49に残留する。インジェクタ11は、噴孔49を含むノズル43の先端が排気通路15に露出しているため、噴孔49の近傍は高温の排気に晒される。その結果、尿素水の噴射が停止すると、噴孔49の近傍に残留する尿素水の水分は蒸発し、噴孔49には尿素水に含まれる尿素の結晶が析出する。噴孔49に析出した尿素の結晶は、噴孔49の目詰まりの原因となり、その後の尿素水の噴射を妨げるおそれがある。
第1実施形態の場合、インジェクタ11は、尿素水の噴射を停止した後、同一の噴孔49から加圧された空気を噴射する。これにより、噴孔49およびその周辺に残留する尿素水は、加圧された空気によって除去される。すなわち、噴孔49および噴孔49の周辺は、加圧された空気によって洗浄される。その結果、目詰まりの原因となる尿素の結晶の噴孔49への付着は低減される。
次に、インジェクタ11の作動について説明する。
制御部29は、インジェクタ11から尿素水を噴射する時期になるまで第一駆動部45のコイル71および第二駆動部46のコイル76に通電しない。第一駆動部45のコイル71が通電されていないとき、リーク弁72にはコイル71側から磁気吸引力が加わらない。そのため、リーク弁72は、弾性部材73の押し付け力により弁座75に着座している。これにより、リーク弁72は、背圧通路63とリーク通路64との間を遮断している。その結果、流体通路61を経由して尿素水通路部24から供給された尿素水は、背圧室62およびノズル43の第一流体通路55に貯えられている。この場合、背圧室62における尿素水の圧力と第一流体通路55における尿素水の圧力とは同一である。そのため、尿素水から第一ニードル41に加わる力は、軸方向の両端部においてほぼ同一となる。一方、第一ニードル41は、背圧室62に設けられている弾性部材67によって大径弁座51に着座する方向へ押し付けられている。これにより、第一ニードル41が閉弁方向すなわち第一シール部56が大径弁座51に着座する方向へ受ける力は、開弁方向すなわち第一シール部56が大径弁座51から離座する方向へ受ける力よりも大きくなる。したがって、図4(A)に示すように第一ニードル41の第一シール部56は大径弁座51に着座し、噴孔49からは尿素水が噴射されない。
制御部29は、インジェクタ11から尿素水を噴射する時期になるまで第一駆動部45のコイル71および第二駆動部46のコイル76に通電しない。第一駆動部45のコイル71が通電されていないとき、リーク弁72にはコイル71側から磁気吸引力が加わらない。そのため、リーク弁72は、弾性部材73の押し付け力により弁座75に着座している。これにより、リーク弁72は、背圧通路63とリーク通路64との間を遮断している。その結果、流体通路61を経由して尿素水通路部24から供給された尿素水は、背圧室62およびノズル43の第一流体通路55に貯えられている。この場合、背圧室62における尿素水の圧力と第一流体通路55における尿素水の圧力とは同一である。そのため、尿素水から第一ニードル41に加わる力は、軸方向の両端部においてほぼ同一となる。一方、第一ニードル41は、背圧室62に設けられている弾性部材67によって大径弁座51に着座する方向へ押し付けられている。これにより、第一ニードル41が閉弁方向すなわち第一シール部56が大径弁座51に着座する方向へ受ける力は、開弁方向すなわち第一シール部56が大径弁座51から離座する方向へ受ける力よりも大きくなる。したがって、図4(A)に示すように第一ニードル41の第一シール部56は大径弁座51に着座し、噴孔49からは尿素水が噴射されない。
また、第二駆動部46のコイル76が通電されていないとき、ドライブピン77にはコイル76側から磁気吸引力が加わらない。そのため、弾性部材78は、ドライブピン77および第二ニードル42を小径弁座52側へ押し付けている。これにより、図4(A)に示すように第二ニードル42の第二シール部58は、小径弁座52に着座している。このように、第一駆動部45および第二駆動部46に通電していないとき、噴孔49からは尿素水も加圧された空気も噴射されない。
内燃機関14の運転が開始され尿素水を噴射する時期になると、制御部29は第一駆動部45のコイル71に通電する。第一駆動部45のコイル71に通電すると、発生した磁気吸引力によりリーク弁72は弁座75から離座する。これにより、背圧通路63とリーク通路64とが接続され、背圧室62の尿素水は背圧通路63およびリーク通路64を経由して排出される。リーク通路64は大気圧の尿素水タンク21に接続しているため、背圧室62の尿素水は第一流体通路55の尿素水に比較して圧力が低下する。そのため、第一ニードル41は、背圧室62の尿素水から受ける力よりも、第一流体通路55の尿素水から受ける力の方が大きくなる。すなわち、第一ニードル41は、第一流体通路55の尿素水から背圧室62側へ力を受ける。この第一ニードル41が第一流体通路55の尿素水から背圧室62側へ受ける力が弾性部材67の押し付け力よりも大きくなると、第一ニードル41は背圧室62側へ移動する。その結果、図4(B)に示すように第一シール部56は大径弁座51から離座し、第一流体通路55と噴孔49とは接続する。このとき、第二駆動部46のコイル76には通電されていないため、第二ニードル42の第二シール部58は小径弁座52に着座している。そのため、第二流体通路57と噴孔49との間は、遮断されている。これにより、第一駆動部45のコイル71に通電すると、噴孔49から尿素水が噴射される。
制御部29が第一駆動部45のコイル71への通電を停止すると、コイル71とリーク弁72との間の磁気吸引力が消滅し、リーク弁72は弁座75に着座する。これにより、背圧通路63とリーク通路64との間が遮断され、背圧室62の尿素水の圧力は再び上昇する。そして、背圧室62の尿素水の圧力と第一流体通路55の尿素水の圧力とが等しくなると、弾性部材67の押し付け力により第一ニードル41の第一シール部56は大径弁座51に着座する。これにより、噴孔49からの尿素水の噴射は終了する。
尿素水の噴射が終了した後、制御部29は第二駆動部46のコイル76に通電する。第二駆動部46のコイル76に通電すると、発生した磁気吸引力によりドライブピン77および第二ニードル42は弾性部材78の押し付け力に抗してコイル76側へ移動する。これにより、図4(C)に示すように第二ニードル42の第二シール部58は小径弁座52から離座し、第二流体通路57と噴孔49とは接続される。このとき、第一駆動部45のコイル71には通電されていないため、第一ニードル41の第一シール部56は大径弁座51に着座している。そのため、第一流体通路55と噴孔49との間は、遮断されている。これにより、第二駆動部46のコイル76に通電すると、噴孔49から加圧された空気が噴射される。
第二駆動部46への通電を停止することにより、ドライブピン77および第二ニードル42は弾性部材78の押し付け力により再び小径弁座52側へ移動する。そして、第二ニードル42の第二シール部58は、ノズル43の小径弁座52に着座する。したがって、第二流体通路57と噴孔49との間が遮断され、加圧された空気の噴射が終了する。
第1実施形態では、インジェクタ11の第一ニードル41および第二ニードル42を独立して駆動することにより、噴孔49から尿素水を噴射した後、同一の噴孔49から加圧された空気が噴射される。これにより、尿素水の噴射時に噴孔49に残留した尿素水は、その後に噴射される空気によって噴孔49から除去される。そのため、内燃機関14の運転の停止にともないインジェクタ11からの尿素水の噴射が終了した後、噴孔49およびその周囲への尿素水の残留、および残留した尿素水を由来とする尿素の結晶の析出が低減される。したがって、排気の温度あるいは内燃機関14の運転状態に関わらず、析出した尿素の結晶による噴孔49の目詰まりを低減することができ、確実な尿素水の噴射を確保することができる。
また、第1実施形態では、インジェクタ11の第一ニードル41および第二ニードル42の独立した駆動によって、噴孔49からの尿素水または加圧された空気の噴射を切り換えている。そのため、インジェクタ11に尿素水および加圧された空気を供給することにより、同一の噴孔49から異なる時期に尿素水または加圧された空気のいずれか一方が噴射される。したがって、異なる種類の流体を個別に噴射することができる。
なお、第1実施形態では、第一流体通路55に尿素水を供給し、第二流体通路57に加圧された空気を供給する例について説明した。しかし、第一流体通路55に加圧された空気を供給し、第二流体通路57に尿素水を供給する構成としてもよい。
なお、第1実施形態では、第一流体通路55に尿素水を供給し、第二流体通路57に加圧された空気を供給する例について説明した。しかし、第一流体通路55に加圧された空気を供給し、第二流体通路57に尿素水を供給する構成としてもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるインジェクタのノズルを図5に示す。
第2実施形態によるインジェクタ11は、第一ニードル141、第二ニードル142およびノズル143を有している。ノズル143は、第1実施形態と同様にハウジング44と接続されている。ノズル143は、筒状に形成され、内周側に円錐台状の内周壁147を有している。円錐台状の内周壁147は、大径弁座151および小径弁座152を有している。小径弁座152は、大径弁座151よりも噴孔149側すなわち先端側に設けられている。これにより、大径弁座151の内径は、小径弁座152の内径よりも大きい。ノズル143は、この円錐台状の内周壁147の先端側にサック部153を有している。また、ノズル143は、円錐台状の内周壁147のサック部153とは反対側に円筒状の内周壁147を有している。さらに、ノズル143は、サック部153の先端において内周側と外周壁148とを接続する噴孔149を有している。
本発明の第2実施形態によるインジェクタのノズルを図5に示す。
第2実施形態によるインジェクタ11は、第一ニードル141、第二ニードル142およびノズル143を有している。ノズル143は、第1実施形態と同様にハウジング44と接続されている。ノズル143は、筒状に形成され、内周側に円錐台状の内周壁147を有している。円錐台状の内周壁147は、大径弁座151および小径弁座152を有している。小径弁座152は、大径弁座151よりも噴孔149側すなわち先端側に設けられている。これにより、大径弁座151の内径は、小径弁座152の内径よりも大きい。ノズル143は、この円錐台状の内周壁147の先端側にサック部153を有している。また、ノズル143は、円錐台状の内周壁147のサック部153とは反対側に円筒状の内周壁147を有している。さらに、ノズル143は、サック部153の先端において内周側と外周壁148とを接続する噴孔149を有している。
第一ニードル141および第二ニードル142は、第1実施形態と同様にノズル143の内側にノズル143と同軸上に設けられている。第一ニードル141は、筒状に形成され、ノズル143との間すなわちノズル143の円筒状の内周壁154との間に第一流体通路155を形成している。第一ニードル141は、外壁に第一シール部156を有している。第一シール部156は、ノズル143の内周壁147に形成されている大径弁座151に着座可能である。第一流体通路155は、加圧気体供給部13の加圧気体通路部28に接続している。
第二ニードル142は、第一ニードル141の内周側に設けられている。第二ニードル142は、柱状に形成されている。第二ニードル142は、外壁に第二シール部158を有している。第二シール部158は、ノズル143の内周壁147に形成されている小径弁座152に着座可能である。第二ニードル142の外径は、筒状の第一ニードル141の内径よりも小さい。これにより、第一ニードル141と第二ニードル142との間、すなわち第一ニードル141の内周壁と第二ニードル142の外周壁との間には、第二流体通路157が形成されている。第二流体通路157は、尿素水供給部12の尿素水通路部24に接続している。
第一ニードル141は、先端すなわちサック部153側の端部に封止部190が設けられている。封止部190は、第一ニードル141の先端に第一ニードル141と一体に設けられている。封止部190は、第一ニードル141から径方向内側すなわち第二ニードル142側へ突出している。第一ニードル141から突出する封止部190は、内周側の端部にシール面191を有している。このシール面191が第二ニードル142の外周壁に接することにより、第一ニードル141と第二ニードル142との間に形成される第二流体通路157は噴孔149側の端部が封止部190によって封止される。
上述した第一ニードル141および第二ニードル142は、第1実施形態と同様に第一駆動部45または第二駆動部46によって独立して駆動される。すなわち、第一ニードル141は第一駆動部45によって駆動され、第二ニードル142は第二駆動部46によって駆動される。なお、駆動部の構成は、第1実施形態と同様でもよく、周知の電磁的な駆動部の構成を適用してもよい。
上述した第一ニードル141および第二ニードル142は、第1実施形態と同様に第一駆動部45または第二駆動部46によって独立して駆動される。すなわち、第一ニードル141は第一駆動部45によって駆動され、第二ニードル142は第二駆動部46によって駆動される。なお、駆動部の構成は、第1実施形態と同様でもよく、周知の電磁的な駆動部の構成を適用してもよい。
次に、第2実施形態によるインジェクタ11の作動について説明する。
制御部29は、インジェクタ11から尿素水を噴射する時期になるまで第一駆動部45および第二駆動部46へ駆動指示を出力しない。そのため、図5(A)に示すように第一ニードル141は第一シール部156が大径弁座151に着座し、第二ニードル142は第二シール部158が小径弁座152に着座している。これにより、噴孔149からは尿素水も加圧された空気も噴射されない。
尿素水を噴射する時期になると、制御部29は第二駆動部46へ駆動の指示を出力する。これにより、第二駆動部46は、第二ニードル142を噴孔149とは反対側すなわち図5の上方へ駆動する。第二駆動部46が第二ニードル142を駆動することにより、図5(B)に示すように第二ニードル142の第二シール部158はノズル143の小径弁座152から離座する。一方、制御部29は、第一駆動部45へ駆動の指示を出力しない。これにより、第一駆動部45は、第一ニードル141を駆動しない。そのため、第一ニードル141の第一シール部156は、ノズル143の大径弁座151に着座している。
制御部29は、インジェクタ11から尿素水を噴射する時期になるまで第一駆動部45および第二駆動部46へ駆動指示を出力しない。そのため、図5(A)に示すように第一ニードル141は第一シール部156が大径弁座151に着座し、第二ニードル142は第二シール部158が小径弁座152に着座している。これにより、噴孔149からは尿素水も加圧された空気も噴射されない。
尿素水を噴射する時期になると、制御部29は第二駆動部46へ駆動の指示を出力する。これにより、第二駆動部46は、第二ニードル142を噴孔149とは反対側すなわち図5の上方へ駆動する。第二駆動部46が第二ニードル142を駆動することにより、図5(B)に示すように第二ニードル142の第二シール部158はノズル143の小径弁座152から離座する。一方、制御部29は、第一駆動部45へ駆動の指示を出力しない。これにより、第一駆動部45は、第一ニードル141を駆動しない。そのため、第一ニードル141の第一シール部156は、ノズル143の大径弁座151に着座している。
このように、第二駆動部46にのみ通電するとき、第二ニードル142のみが上方へ移動するとともに、第一ニードル141は第一シール部156と大径弁座151との着座状態を維持している。そのため、図5(B)に示すように、封止部190のシール面191は第二ニードル142の外周壁から離間し、封止部190による第二流体通路157の封止は解除される。その結果、第二流体通路157とサック部153との間は開放される。これにより、噴孔149からは、第二流体通路157から流入した尿素水が噴射される。
制御部29が第二駆動部46への通電を停止すると、第二ニードル142は再び噴孔149側へ移動し、第二シール部158が小径弁座152に着座する。これにより、封止部190のシール面191は第二ニードル142の外周壁に接し、第二流体通路157は封止部190によって封止される。その結果、噴孔149からの尿素水の噴射は停止される。
制御部29が第二駆動部46への通電を停止すると、第二ニードル142は再び噴孔149側へ移動し、第二シール部158が小径弁座152に着座する。これにより、封止部190のシール面191は第二ニードル142の外周壁に接し、第二流体通路157は封止部190によって封止される。その結果、噴孔149からの尿素水の噴射は停止される。
尿素水の噴射が停止すると、制御部29は第一駆動部45および第二駆動部46へ駆動の指示を出力する。これにより、第一駆動部45は第一ニードル141を噴孔149とは反対側すなわち図5の上方へ駆動し、第二駆動部46は第二ニードル142を噴孔149とは反対側すなわち図5の上方へ駆動する。第一駆動部45が第一ニードル141を駆動することにより第一ニードル141の第一シール部156はノズル143の大径弁座151から離座するとともに、第二駆動部46が第二ニードル142を駆動することにより第二ニードル142の第二シール部158はノズル143の小径弁座152から離座する。すなわち、第一駆動部45および第二駆動部46は、第一ニードル141および第二ニードル142を一体に駆動する。そのため、図5(C)に示すように、第一ニードル141および第二ニードル142は、封止部190のシール面191が第二ニードル142の外壁に接した状態を維持したまま上方へ移動する。
第一ニードル141および第二ニードル142が一体となって上方へ移動することにより、第一ニードル141の第一シール部156は大径弁座151から離座するとともに、第二ニードル142の第二シール部158も小径弁座152から離座する。このとき、上述のように第二流体通路157は、封止部190のシール面191と第二ニードル142の外周壁とが接することにより噴孔149側の端部が封止されている。そのため、サック部153は、第一流体通路155とのみ接続される。その結果、噴孔149からは、第一流体通路155から流入した加圧された空気が噴射される。
制御部29が第一駆動部45および第二駆動部46への通電を停止すると、第一ニードル141および第二ニードル142は再び噴孔149側へ移動し、第一シール部156が大径弁座151に着座し、第二シール部158が小径弁座152に着座する。これにより、噴孔149からの加圧された空気の噴射は停止される。
制御部29が第一駆動部45および第二駆動部46への通電を停止すると、第一ニードル141および第二ニードル142は再び噴孔149側へ移動し、第一シール部156が大径弁座151に着座し、第二シール部158が小径弁座152に着座する。これにより、噴孔149からの加圧された空気の噴射は停止される。
以上説明した第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、インジェクタ11から尿素水を噴射した後、同一の噴孔149から噴孔149を洗浄するための加圧された空気が噴射される。これにより、尿素水の噴射時に噴孔149に残留した尿素水は、その後に噴射される加圧された空気によって噴孔149から除去される。そのため、噴孔149およびその周囲への尿素の結晶の析出は低減される。したがって、析出した尿素の結晶による噴孔149の目詰まりを低減することができ、確実な尿素水の噴射を確保することができる。
なお、第2実施形態では、第一流体通路155に加圧された空気を供給し、第二流体通路157に尿素水を供給する例について説明した。しかし、第一流体通路155に尿素水を供給し、第二流体通路157に加圧された空気を供給する構成としてもよい。
なお、第2実施形態では、第一流体通路155に加圧された空気を供給し、第二流体通路157に尿素水を供給する例について説明した。しかし、第一流体通路155に尿素水を供給し、第二流体通路157に加圧された空気を供給する構成としてもよい。
(その他の実施形態)
以上説明した複数の実施形態では、内燃機関14の運転に応じた継続的な尿素水の噴射が終了した後、加圧された空気を噴射する例について説明した。すなわち、インジェクタ11の噴孔49、149は、内燃機関14の運転中に継続的に尿素水を噴射し、内燃機関14の運転の停止にともなって尿素水の噴射が停止された後、加圧された空気を噴射している。しかし、内燃機関14の運転に応じてインジェクタ11の噴孔49、149から断続的に尿素水を噴射し、その尿素水の噴射が停止されるごとに加圧された空気を噴射する構成としてもよい。内燃機関14は、その運転状態に応じて排気に含まれるNOxの含量が変化する。そのため、排気に含まれるNOxの含量が低いとき、インジェクタ11は尿素水の噴射を停止する場合がある。このような場合、尿素水の噴射が停止されるごとに加圧された空気をインジェクタ11の噴孔49、149から噴射することにより、断続的に尿素水の噴射が停止される場合でも、噴孔49、149に残留する尿素水は加圧された空気によって除去される。したがって、噴孔49、149の目詰まりを低減することができる。
以上説明した複数の実施形態では、内燃機関14の運転に応じた継続的な尿素水の噴射が終了した後、加圧された空気を噴射する例について説明した。すなわち、インジェクタ11の噴孔49、149は、内燃機関14の運転中に継続的に尿素水を噴射し、内燃機関14の運転の停止にともなって尿素水の噴射が停止された後、加圧された空気を噴射している。しかし、内燃機関14の運転に応じてインジェクタ11の噴孔49、149から断続的に尿素水を噴射し、その尿素水の噴射が停止されるごとに加圧された空気を噴射する構成としてもよい。内燃機関14は、その運転状態に応じて排気に含まれるNOxの含量が変化する。そのため、排気に含まれるNOxの含量が低いとき、インジェクタ11は尿素水の噴射を停止する場合がある。このような場合、尿素水の噴射が停止されるごとに加圧された空気をインジェクタ11の噴孔49、149から噴射することにより、断続的に尿素水の噴射が停止される場合でも、噴孔49、149に残留する尿素水は加圧された空気によって除去される。したがって、噴孔49、149の目詰まりを低減することができる。
また、上述の複数の実施形態では、インジェクタ11の第一ニードル41、141および第二ニードル42、142をそれぞれ独立して駆動することにより、同一の噴孔49、149から異なる時期に尿素水または加圧された空気を噴射する例について説明した。すなわち、上述の複数の実施形態では、インジェクタ11が尿素水の噴射と加圧された空気の噴射とを切り換える切換機構部を構成する例について説明した。しかし、インジェクタ11の尿素水供給部12および加圧気体供給部13側に、インジェクタ11と別体の切換機構部を設け、この切換機構部によりインジェクタ11へ尿素水または加圧された空気を切り換えて供給する構成としてもよい。この場合、インジェクタ11は、単一のニードルによって噴孔を開閉することにより、噴孔から尿素水または加圧された空気のいずれか一方を噴射する。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
図面中、10は排気浄化装置、11はインジェクタ(切換機構部)、14は内燃機関、15は排気通路、41は第一ニードル、42は第二ニードル、43はノズル、45は第一駆動部、46は第二駆動部、47は内周壁、48は外周壁、49は噴孔、51は大径弁座、52は小径弁座、55は第一流体通路、56は第一シール部、57は第二流体通路、58は第二シール部、141は第一ニードル、142は第二ニードル、143はノズル、147は内周壁、148は外周壁、149は噴孔、151は大径弁座、152は小径弁座、153はサック部、155は第一流体通路、156は第一シール部、157は第二流体通路、158は第二シール部、190は封止部、191はシール面を示す。
Claims (6)
- 内燃機関の排気通路を流れる排気に尿素水を噴射し、排気に含まれる窒素酸化物を還元する排気浄化装置であって、
先端に、前記排気通路に位置する噴孔を有するインジェクタと、
前記噴孔へ尿素水または加圧気体のいずれか一方を切り換えて供給する切換機構部と、
を備えることを特徴とする排気浄化装置。 - 前記切換機構部は、前記内燃機関が運転を停止しているとき、前記噴孔へ前記加圧気体を供給することを特徴とする請求項1記載の排気浄化装置。
- 前記切換機構部は、前記インジェクタに設けられ、
筒状に形成され、内周側と外周側とを接続する前記噴孔を有するノズルと、
前記ノズルの内周側に前記ノズルと同軸上に設けられている第一ニードルと、
前記第一ニードルの内周側に前記ノズルおよび前記第一ニードルと同軸上に設けられている第二ニードルと、を有することを特徴とする請求項1または2記載の排気浄化装置。 - 前記インジェクタは、前記第一ニードルおよび前記第二ニードルを独立して駆動する駆動部を有することを特徴とする請求項3記載の排気浄化装置。
- 前記切換機構部は、前記インジェクタに設けられ、
筒状に形成され、外周壁、先端に行くにつれて内径が縮小する円錐台状の内周壁、前記外周壁と前記内周壁とを接続する前記噴孔、前記噴孔よりも前記内周壁の大径側に設けられている大径弁座、および前記噴孔よりも前記内周壁の小径側に設けられている小径弁座を有するノズルと、
筒状に形成され、前記ノズルとの間に第一流体通路を形成し、外周壁に前記大径弁座に着座可能な第一シール部を有し、前記ノズルの内周側を軸方向へ往復移動して、前記第一シール部が前記大径弁座に着座することにより前記第一流体通路と前記噴孔との間を遮断し、前記第一シール部が前記大径弁座から離座することにより前記第一流体通路と前記噴孔との間を接続する第一ニードルと、
筒状に形成され、内周側に第二流体通路を形成し、外周壁に前記小径弁座に着座可能な第二シール部を有し、前記第一ニードルの内周側において前記第一ニードルと摺動しつつ軸方向へ往復移動して、前記第二シール部が前記小径弁座に着座することにより前記第二流体通路と前記噴孔との間を遮断し、前記第二シール部が前記小径弁座から離座することにより前記第二流体通路と前記噴孔との間を接続する第二ニードルと、
前記第一ニードルを駆動する第一駆動部と、
前記第二ニードルを前記第一ニードルと独立して駆動する第二駆動部と、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の排気浄化装置。 - 前記切換機構部は、前記インジェクタに設けられ、
筒状に形成され、外周壁、先端に行くにつれて内径が縮小する円錐台状の内周壁、前記円錐台状の内周壁の先端に接続しているサック部、前記サック部を形成する内周壁と前記外周壁とを接続する前記噴孔、前記内周壁において前記サック部側に設けられている小径弁座、前記内周壁において前記小径弁座よりも前記サック部とは反対側に設けられ前記小径弁座よりも内径が大きな大径弁座を有するノズルと、
筒状に形成され、前記ノズルとの間に第一流体通路を形成し、外周壁に前記大径弁座に着座可能な第一シール部を有し、前記ノズルの内周側を軸方向へ往復移動する第一ニードルと、
筒状に形成され、前記第一ニードルとの間に第二流体通路を形成し、外周壁に前記小径弁座に着座可能な第二シール部を有し、前記第一ニードルの内周側を軸方向へ往復移動する第二ニードルと、
前記第一ニードルの先端に前記第二ニードル側へ突出して設けられ、内周側のシール面が前記第二ニードルの外周壁と接することにより前記第二流体通路の前記噴孔側を封止する封止部と、
前記第一ニードルを駆動する第一駆動部と、
前記第二ニードルを前記第一ニードルと独立して駆動する第二駆動部と、を有し、
前記シール面が前記第二ニードルの外周壁に接したまま前記第一ニードルおよび前記第二ニードルのいずれもが前記噴孔側に駆動され、前記第一シール部が前記大径弁座に着座し、前記第二シール部が前記小径弁座に着座しているとき、前記第一流体通路および前記第二流体通路はいずれも前記噴孔との間が遮断され、
前記シール面が前記第二ニードルの外周面に接したまま前記第一ニードルおよび前記第二ニードルのいずれもが前記噴孔と反対側へ駆動され、前記第一シール部が前記大径弁座から離座し、前記第二シール部が前記小径弁座から離座し、前記封止部が前記第二流体通路の前記噴孔側を封止しているとき、前記第一流体通路と前記噴孔との間が接続され、
前記第一ニードルが前記噴孔側へ駆動されるとともに前記第二ニードルが前記噴孔と反対側へ駆動されることにより前記シール面と前記第二ニードルの外周面との接触が解除され、前記第一シール部が前記大径弁座に着座し、前記第二シール部が前記小径弁座から離座しているとき、前記第二通路と前記噴孔との間が接続されることを特徴とする請求項1または2記載の排気浄化装置。
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