JP2010029822A - 水蒸気改質触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】改質時の触媒表面への炭素析出の虞が低減されつつ、低い温度条件下にて水素選択性の高い水蒸気改質反応を促進し得る水蒸気改質触媒を提供すること。
【解決手段】水蒸気改質触媒は、燃料を水蒸気改質反応により改質するための触媒であって、格子酸素を有する無機酸化物と、該格子酸素を有する無機酸化物に担持されたコバルトと、該格子酸素を有する無機酸化物に担持された添加物とを含む。
該添加物の担持量は、該格子酸素を有する無機酸化物と該コバルトと該添加物との全量に対して金属換算で0.03〜2質量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、水蒸気改質触媒に関する。更に詳細には、格子酸素を有する無機酸化物にコバルトと添加物とを担持して成る水蒸気改質触媒に関する。
近年、種々の水素−酸素燃料電池が開発されており、中でも、低温(通常100℃以下)で作動可能な固体高分子形燃料電池が注目を集め、自動車用低公害動力源としての実用化が検討されている。
固体高分子形燃料電池においては、純粋な水素を燃料源として用いることがエネルギ効率の観点からは好ましいが、安全性やインフラの普及、車両への適用などを考慮すると、メタン、ガソリン、軽油等の炭化水素や、メタノール、エタノール等のアルコール類を燃料源として用い、これらを改質装置において水素リッチな改質ガスに転換する方法も有望な候補である。特に、エタノールは毒性が低く、植物等のバイオマス資源を原料として再生可能なエネルギ源である。このため、エタノールは水素リッチな改質ガスを得る際の燃料として好適である。
改質ガスを得るための燃料改質形態の1つとして、水蒸気改質が知られている。この水蒸気改質反応は、部分酸化反応等の他の燃料改質形態と比べて、水素収率が高いという利点を有している。
そして、燃料を水蒸気改質反応により改質する水蒸気改質触媒としては、ペロブスカイト型酸化物を含む無機担体に触媒成分が担持されて成る水蒸気改質触媒が開示されている(特許文献1参照。)。
特開2006−346598号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の水蒸気改質触媒においては、水素選択性が十分なものとは言えず、改善の余地があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、改質時の触媒表面への炭素析出の虞が低減されつつ、低い温度条件下にて水素選択性の高い水蒸気改質反応を促進し得る水蒸気改質触媒を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねたところ、格子酸素を有する無機酸化物にコバルトと添加物とを担持することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の水蒸気改質触媒は、燃料を水蒸気改質反応により改質するための触媒であって、格子酸素を有する無機酸化物と、該格子酸素を有する無機酸化物に担持されたコバルトと、該格子酸素を有する無機酸化物に担持された添加物とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、格子酸素を有する無機酸化物にコバルトと添加物とを担持することなどとしたため、改質時の触媒表面への炭素析出の虞が低減されつつ、低い温度条件下にて水素選択性の高い水蒸気改質反応を促進し得る水蒸気改質触媒を提供することができる。
以下、本発明の水蒸気改質触媒について詳細に説明する。
上述の如く、本発明の水蒸気改質触媒は、燃料を水蒸気改質反応により改質するための触媒であって、格子酸素を有する無機酸化物と、該格子酸素を有する無機酸化物に担持されたコバルトと、該格子酸素を有する無機酸化物に担持された添加物とを含む。
このような構成とすることにより、改質時の触媒表面への炭素析出の虞が低減されつつ、低い温度条件下にて水素選択性の高い水蒸気改質反応が可能となる。
ここで、燃料としては、例えば、メタン、イソオクタン、ガソリン、軽油、ナフサ、LPG(液化石油ガス)等の炭化水素系燃料や、メタノール、エタノール等のアルコール系燃料、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等の含酸素化合物系燃料などが用いられ得る。場合によっては、その他の燃料が用いられてもよい。本発明の水蒸気改質触媒は、特にアルコール含有燃料に対する改質効率に優れる。また、エタノールはバイオマス資源を原料として得られる再生可能なエネルギ源であることから、環境に対する負荷を低減させるという観点からも、エタノールのみ又はエタノール含有燃料を燃料として用いることが好ましい。
なお、格子酸素を有する無機酸化物にコバルトと添加物とを担持することにより上述した効果が得られるメカニズムは完全には明らかとなっていないが、以下のメカニズムが推定されている。
一般に、格子酸素を有する無機酸化物(例えば、ペロブスカイト型酸化物、セリウム含有酸化物などが挙げられる。)は、その格子酸素の移動により酸素イオン伝導性を示すことが知られている。この水蒸気改質反応においては、コバルトは、無機酸化物の格子酸素を利用して、燃料を酸化する。そして、酸化により消費された格子酸素は、燃料とともに供給される水により補充される。このようにして、格子酸素が関与する一連のサイクルが終了する。
上記サイクルが効率良く回ることにより、水素選択性が向上し、且つ炭素析出を低減することができる。一方、上記サイクルが効率良く回らないと、好ましくない反応が進行する場合がある。例えば、炭素が析出する反応、メタンが生成する反応などが進行する場合がある。
この水蒸気改質反応においては、添加物は、コバルトの酸化状態を適切に保つものとして機能する。この添加物が触媒中に含まれると、水蒸気改質反応において上記サイクルが効率良く回る。
また、上記サイクルがより効率良く回るためには、水を活性化すること、消費された格子酸素の補充を促進すること、燃料の酸化反応を促進することなどが重要であると考えられる。従って、例えば、添加物は、無機酸化物の格子酸素をコバルトより取り込みやすいものであることが望ましい。また、添加物は、水を活性化し、消費された格子酸素の補充を促進するものであることが望ましい。
但し、上記のメカニズムはあくまでも推測に基づくものである。従って、上記のメカニズム以外のメカニズムにより上述のような効果が得られていたとしても、本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
上記添加物の担持量は、上記格子酸素を有する無機酸化物と上記コバルトと上記添加物との全量に対して金属換算で好ましくは0.03〜2質量%であり、より好ましくは0.03〜1.5質量%であり、更に好ましくは0.05〜1.2質量%である。
上記範囲内の担持量とすると、炭素析出の虞がより低減されつつ、水素選択性のより高い水蒸気改質反応が可能となる。
また、上記コバルトの担持量は、上記格子酸素を有する無機酸化物と上記コバルトと上記添加物との全量に対して金属換算で好ましくは2〜15質量%である。コバルトの担持量が少なすぎると、十分な触媒活性が得られない虞がある。一方、コバルトの担持量が多すぎると、担持量の増加に見合った活性の上昇が認められなくなり、製造コストの高騰を招く虞がある。但し、上記の範囲を外れる量のコバルトが担持されても、もちろんよい。
本願において、コバルトや添加物の担持量は特記しない限り、金属換算した上での質量%をいう。例えば、コバルトが酸化物として含有されている場合には、酸化コバルトの質量により計算するのではなく、酸化コバルト中のコバルト部分の質量により計算する。
なお、コバルトや添加物は水蒸気改質反応などに用いる時以外には酸化物状態であっても、水蒸気改質反応に用いる時には、還元雰囲気ガスに曝されるので、少なくとも一部が金属にまで還元される。このことを考慮すれば、コバルトや添加物が酸化物の状態で存在する場合であっても、当該水蒸気改質触媒が本発明の範囲に属することに疑義はないであろう。
上記添加物としては、例えば鉄(Fe)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)などを含むものを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。
なお、コバルトや添加物の形状や大きさは特に限定されるものではないが、改質触媒の触媒成分について従来公知の形態が同様に採用され得る。ただし、触媒活性に優れるという観点からは、コバルトや添加物は粒子状であることが望ましい。
上記格子酸素を有する無機酸化物としては、例えば一般式ABOで表されるペロブスカイト型酸化物を挙げることができる。ここで、無機酸化物がペロブスカイト型構造を有しているか否かは、例えば、X線回折(XRD)法という手法により特定可能である。
ペロブスカイト型酸化物においては、Aサイトに1〜3価のイオン半径の比較的大きい元素が配置し、Bサイトに3〜5価のイオン半径の比較的小さい元素が配置している。そして、Aサイトにアルカリ土類金属元素又はランタノイド元素が配置するペロブスカイト型酸化物は、数多く発見されている。その中でも、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、コバルト酸ランタン(LaCoO)、マンガン酸ランタン(LaMnO)、アルミン酸ランタン(LaAlO)、クロム酸ランタン(LaCrO)などが、還元雰囲気下においても安定な化合物として報告されている。但し、これらのみに限定されず、その他のペロブスカイト型酸化物を用いることもできる。
上記ペロブスカイト型酸化物の中でも、チタン酸ストロンチウムを用いると、エタノールの水蒸気改質反応において、特に400〜600℃でのエタノールの水蒸気改質反応において、炭素析出の虞が更に低減されつつ、水素選択性の更に高い水蒸気改質反応が可能となる。また、400〜600℃という温度は所望する低い温度範囲とほぼ一致するため望ましい。
また、上記格子酸素を有する無機酸化物としては、例えばセリウム含有酸化物を挙げることができる。セリウム含有酸化物を用いると、幅広い温度域での水蒸気改質触媒特性を向上させることができる。
セリウム含有酸化物としては、例えば、酸化セリウムジルコニウム(Ce−ZrO)、酸化セリウムプラセオジム(Ce−PrO)、酸化セリウムジルコニウムイットリウム(Ce−Zr−YO)など様々な複合酸化物を挙げることができる。
これらのような複合酸化物は、所望する反応温度の範囲内で格子酸素を利用することができることを要するが、複合酸化物の各成分の比率を変えることにより、格子酸素を利用することができる温度範囲を変えることも可能であることから、適した比率の複合酸化物を利用すればよい。
なお、上述したペロブスカイト型酸化物やセリウム含有酸化物は組み合わせて用いることもできる。
また、格子酸素を有する無機酸化物をシリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア等の多孔質担体に担持させて、比表面積を大きくすることもできる。
格子酸素を有する無機酸化物の比表面積は、特に限定されるものではない。但し、格子酸素を有する無機酸化物の比表面積は、好ましくは50〜250m/g、より好ましくは70〜220m/g、更に好ましくは80〜200m/gである。格子酸素を有する無機酸化物の比表面積がこのような範囲内の値であると、格子酸素を有する無機酸化物の表面にコバルトと添加物とが高分散に担持され、触媒活性に優れる。
ここで、「比表面積」は、例えば、窒素吸着によるBET比表面積を測定することにより算出することができる。
格子酸素を有する無機酸化物の平均粒子径についても、特に限定されるものではない。但し、格子酸素を有する無機酸化物の平均粒子径は、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは1〜4μmである。この平均粒子径が小さすぎると、飛散性が上昇して取扱いが煩雑となる場合がある。一方、この平均粒子径が大きすぎると、格子酸素を有する無機酸化物の比表面積の減少に伴ってコバルトや添加物の分散性が低くなり、触媒性能が低下する虞がある。また、触媒の成形性が低下し、例えば触媒をモノリス担体に塗布して使用する場合などに剥離し易くなる虞がある。
以下、上述した水蒸気改質触媒の製造方法を若干の例を挙げて説明するが、本発明の水蒸気改質触媒は、これらの製造方法で製造されたものに限定されるものでない。
例えば、上述した水蒸気改質触媒の製造方法の一例としては、格子酸素を有する無機酸化物にコバルトと添加物とを順次担持させる方法を挙げることができる。
まず、格子酸素を有する無機酸化物を準備する。格子酸素を有する無機酸化物は、自ら調製したものを用いてもよいし、商品が市販されている場合には、当該商品を購入して用いてもよい。
格子酸素を有する無機酸化物の一例であるペロブスカイト型酸化物は、例えば構成元素を含む炭酸塩、酸化物の粉末を出発原料として、ボールミルにより混合し、更に焼成することによって、簡便に製造することができる。また、ペロブスカイト型酸化物は、各構成元素のクエン酸水溶液などを出発原料として、加熱し、水分蒸発によって、金属有機物錯塩を含むゾルを調製し、熱分解し、焼成することによって、簡便に製造することもできる。溶液を出発原料とする場合には、粉末を出発原料とする場合に比べて、元素混合状態が良好となるため、より低温で焼成を行うことができ、触媒の比表面積の低下を防ぐことができる。
また、格子酸素を有する無機酸化物の他の例であるセリウム含有酸化物は、例えば炭酸セリウム粉末に水を添加してスラリーとした後、硝酸ジルコニウムを溶解した溶液を添加し、撹拌し、乾燥し、焼成することによって、簡便に製造することができる。セリウム含有酸化物は、この製造方法に限定されるものではなく、共沈法などの公知方法を用いて調製することもできる。
次に、準備した格子酸素を有する無機酸化物にコバルトと添加物とを担持させる。
まず、コバルトが溶解した溶液(以下、単に「コバルト含有溶液」ということがある。)を調製する。このコバルト含有溶液は、コバルトを格子酸素を有する無機酸化物に担持させる目的で、後述する担持工程において用いられる。
このコバルト含有溶液を調製する工程では、まず、原料であるコバルト含有化合物を準備する。更に、この化合物を溶解させるための溶媒を準備する。その後、準備した溶媒に原料であるコバルト含有化合物を添加し、必要に応じて撹拌して、コバルト含有溶液を調製する。
原料であるコバルト含有化合物としては、金属塩の形態の化合物が挙げられ、例えば、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、アセチルアセトナト錯体、塩化物等が挙げられる。これらの化合物の水和物なども同様に用いられ得る。これらの塩は、入手が容易で触媒調製時の原料として広く用いられており、担体へ担持する際の取扱いも容易である。
コバルト含有溶液の調製に用いられる溶媒としては、水やエタノール、アセトンなどを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、コバルト含有溶液中のコバルトの濃度は、特に限定されるものではなく、後述する担持工程において用いられる格子酸素を有する無機酸化物の量や所望の担持量、担持方法などを考慮して、適宜調節され得る。
また、添加物が溶解した溶液(以下、単に「添加物含有溶液」ということがある。)を調製する。この添加物含有溶液は、添加物を格子酸素を有する無機酸化物に担持させる目的で、後述する担持工程において用いられる。
この添加物含有溶液を調製する工程では、まず、原料である添加物含有化合物を準備する。更に、この化合物を溶解させるための溶媒を準備する。その後、準備した溶媒に原料である添加物含有化合物を添加し、必要に応じて撹拌して、添加物含有溶液を調製する。
原料である添加物含有化合物としては、金属塩の形態の化合物が挙げられ、例えば、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、アセチルアセトナト錯体、塩化物等が挙げられる。これらの化合物の水和物なども同様に用いられ得る。これらの塩は、入手が容易で触媒調製時の原料として広く用いられており、担体へ担持する際の取扱いも容易である。
添加物含有溶液の調製に用いられる溶媒としては、水やエタノール、アセトンなどを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、添加物含有溶液中の添加物の濃度は、特に限定されるものではなく、後述する担持工程において用いられる格子酸素を有する無機酸化物の量や所望の担持量、担持方法などを考慮して、適宜調節され得る。
但し、後述する担持工程のように、コバルトを担持した後に、添加物をする場合には、コバルトと格子酸素を有する無機酸化物との好ましい担持状態を維持し得るように、添加物含有溶液に用いる金属塩と溶媒を適宜選択することが望ましい。例えば、硝酸塩を用い、硝酸水溶液を用いてしまうと、格子酸素を有する無機酸化物が溶解してしまう場合があり得る。
次に、調製したコバルト含有溶液に溶解しているコバルトを、準備した格子酸素を有する無機酸化物担体に担持させる。
担持させるための具体的な手法としては、例えば含浸法、共沈法、競争吸着法などの触媒調製分野において従来公知の手法を採用することができる。処理条件は採用される手法に応じて適宜選択することができるが、通常は、常温〜80℃にて0.5〜4時間程度、格子酸素を有する無機酸化物とコバルト含有溶液とを接触させればよい。
次に、格子酸素を有する無機酸化物担体にコバルトを担持させた後、必要に応じてこれを乾燥させる。乾燥させるための具体的な手法としては、例えば、自然乾燥、蒸発乾固法のほか、ロータリーエバポレータや送風乾燥機などを用いた乾燥などを採用することができる。乾燥時間は、採用される手法に応じて適宜設定することができる。場合によっては、この乾燥工程を省略し、後述する焼成工程において乾燥させることとしてもよい。
次いで、必要に応じて、コバルトが担持された格子酸素を有する無機酸化物を焼成する。焼成に用いられる装置や条件(焼成雰囲気、焼成温度、焼成時間)は特に限定されるものではなく、触媒調製分野において従来公知の手法を採用することができる。一例を挙げると、焼成条件は、窒素又は大気雰囲気下、400〜600℃で1〜4時間である。この焼成を経て、コバルトが担持された格子酸素を有する無機酸化物が得られる。
続いて、調製した添加物含有溶液に溶解している添加物を、調製したコバルトが担持された格子酸素を有する無機酸化物に担持させる。
担持させるための具体的な手法としては、例えば含浸法、共沈法、競争吸着法などの触媒調製分野において従来公知の手法を採用することができる。処理条件は採用される手法に応じて適宜選択することができるが、通常は、常温〜80℃にて0.5〜4時間程度、格子酸素を有する無機酸化物と添加物含有溶液とを接触させればよい。
コバルトが担持された格子酸素を有する無機酸化物に添加物を担持させた後、必要に応じてこれを乾燥させる。乾燥させるための具体的な手法としては、例えば、自然乾燥、蒸発乾固法のほか、ロータリーエバポレータや送風乾燥機などを用いた乾燥などを採用することができる。乾燥時間は、採用される手法に応じて適宜設定することができる。場合によっては、この乾燥工程を省略し、後述する焼成工程において乾燥させることとしてもよい。
次に、コバルトと添加物とが担持された格子酸素を有する無機酸化物を焼成する。焼成に用いられる装置や条件(焼成雰囲気、焼成温度、焼成時間)は特に限定されるものではなく、触媒調製分野において従来公知の手法を採用することができる。一例を挙げると、焼成条件は、窒素又は大気雰囲気下、400〜600℃で1〜4時間である。この焼成を経て、コバルトと添加物とが担持された格子酸素を有する無機酸化物が得られる。
このようにして、水蒸気改質触媒を得ることができる。
なお、コバルトと添加物の担持順序を入れ替えることも可能である。
また、例えば、上述した水蒸気改質触媒の製造方法の他の例としては、格子酸素を有する無機酸化物にコバルトと添加物とを併せて担持させる方法を挙げることができる。
この場合、まず、コバルトと添加物とが溶解した溶液(以下、単に「コバルト・添加物含有溶液」ということがある。)を調製する。このコバルト・添加物含有溶液は、コバルトと添加物とを上記同様の準備した格子酸素を有する無機酸化物に担持させる目的で、後述する担持工程において用いられる。
このコバルト・添加物含有溶液を調製する工程では、まず、原料であるコバルト含有化合物と添加物含有化合物とを準備する。更に、これらの化合物を溶解させるための溶媒を準備する。その後、準備した溶媒に原料であるコバルト含有化合物と添加物含有化合物とを添加し、必要に応じて撹拌して、コバルト・添加物含有溶液を調製する。
原料であるコバルト含有化合物や添加物含有化合物としては、金属塩の形態の化合物が挙げられ、例えば、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、アセチルアセトナト錯体、塩化物等が挙げられる。これらの化合物の水和物なども同様に用いられ得る。これらの塩は、入手が容易で触媒調製時の原料として広く用いられており、担体へ担持する際の取扱いも容易である。
コバルト・添加物含有溶液の調製に用いられる溶媒としては、水やエタノール、アセトンなどを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、コバルト・添加物含有溶液中のコバルトや添加物の濃度は、特に限定されるものではなく、後述する担持工程において用いられる格子酸素を有する無機酸化物の量や所望の担持量、担持方法などを考慮して、適宜調節され得る。
次に、調製したコバルト・添加物含有溶液に溶解しているコバルトと添加物とを、準備した格子酸素を有する無機酸化物担体に担持させる。
担持させるための具体的な手法としては、例えば含浸法、共沈法、競争吸着法などの触媒調製分野において従来公知の手法を採用することができる。処理条件は採用される手法に応じて適宜選択することができるが、通常は、常温〜80℃にて0.5〜4時間程度、格子酸素を有する無機酸化物とコバルト・添加物含有溶液とを接触させればよい。
格子酸素を有する無機酸化物にコバルトと添加物とを担持させた後、必要に応じてこれを乾燥させる。乾燥させるための具体的な手法としては、例えば、自然乾燥、蒸発乾固法のほか、ロータリーエバポレータや送風乾燥機などを用いた乾燥などを採用することができる。乾燥時間は、採用される手法に応じて適宜設定することができる。場合によっては、この乾燥工程を省略し、後述する焼成工程において乾燥させることとしてもよい。
次いで、コバルトと添加物とが担持された格子酸素を有する無機酸化物を焼成する。焼成に用いられる装置や条件(焼成雰囲気、焼成温度、焼成時間)は特に限定されるものではなく、触媒調製分野において従来公知の手法を採用することができる。一例を挙げると、焼成条件は、窒素又は大気雰囲気下、400〜600℃で1〜4時間である。この焼成を経て、コバルトと添加物とが担持された格子酸素を有する無機酸化物が得られる。
このようにして、水蒸気改質触媒を得ることができる。
更に、例えば、上述した水蒸気改質触媒の製造方法の更に他の例としては、格子酸素を有する無機酸化物として、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア等の多孔質担体に格子酸素を有する無機酸化物を担持させて、比表面積を大きくした格子酸素を有する無機酸化物を用いる方法を挙げることができる。
なお、このような格子酸素を有する無機酸化物担体は、ペロブスカイト型酸化物やセリウム含有酸化物などの各構成元素を含む溶液やゾルを用いて、通常行われる含浸や混練などにより、多孔質担体の表面に格子酸素を有する無機酸化物を担持させることにより調製することができる。
更にまた、例えば上述した水蒸気改質触媒の製造方法の更に他の例としては、別個の格子酸素を有する無機酸化物に、コバルトと添加物とをそれぞれ担持させ、それらを混合する方法を挙げることができる。
このとき、コバルトを担持させる格子酸素を有する無機酸化物と添加物を担持させる格子酸素を有する無機酸化物とは、同一組成のものであっても、異なる組成のものであってもよい。
しかる後、必要であれば、焼成後に、得られた水蒸気改質触媒粉末に対して、粉砕や篩分けといった加工を施してもよい。
また、必要であれば、本発明の水蒸気改質触媒を使用環境に適した形状に加工することができる。例えば、本発明の水蒸気改質触媒を含むスラリーを調製し、このスラリーをモノリス担体に塗布して得られる形態を挙げることができる。モノリス担体としては、例えば、セラミックスハニカム、メタルハニカム、セラミックスフォーム、メタルフォームなどを挙げることができる。
なお、本発明の水蒸気改質触媒を用いる場合には、必要に応じて、水素含有ガスに接触させることによる還元処理を前処理として行ってもよい(後述する実施例を参照。)。このような還元処理の具体的な形態は特に限定されるものではなく、水蒸気改質触媒についての従来公知の知見を適宜採用することができる。但し、このような前処理が施された後に使用される形態のみに本発明の水蒸気改質触媒が限定されるものではなく、場合によっては、このような処理を施さずに使用した方が改質性能に優れることもあり得る。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<無機酸化物の調製>
錯体重合法により調製した。
まず、前駆体であるチタニウムテトライソプロポキシド([(CHCHO]Ti)を蒸留水中に入れ、Ti金属のモル数の3倍量にあたるクエン酸、エチレングリコールを蒸留水に溶解させたものと混合し、スターラー上で24時間撹拌し、溶解させた。
一方で、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)を蒸留水に溶解させ、Sr金属のモル数の3倍量にあたるクエン酸、エチレングリコールを蒸留水に溶解させたものと混合した。
その後、上記二つの前駆体溶液を混合し、混合溶液をウォーターバスで溶液の温度を80℃に保ちながら20時間かけてゲル状になるまで蒸発乾固させた。その後、ホットスターラー上に移して粉末状になるまで加熱撹拌を行なった。得られた物質をめのう乳鉢で粉砕後、400℃で2時間マッフル炉にて仮焼成を行い、その後流通式焼成炉にて、850℃で10時間本焼成を行なって、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)を得た。
<無機酸化物へのコバルト及び添加物の担持>
次に、硝酸コバルト・六水和物を蒸留水に溶解したコバルト含有溶液を用い、チタン酸ストロンチウムに含浸させた。コバルトの担持量が、得られる水蒸気改質触媒(格子酸素を有する無機酸化物とコバルトと添加物)の全量に対して5質量%(金属換算)となるように含浸させた。
含浸操作には、エバポレーターを用い、チタン酸ストロンチウムを25℃にて2時間脱気した。その後、上記担持量になるように秤量した硝酸コバルト・六水和物を蒸留水に溶解させ、脱気したチタン酸ストロンチウムを加え、2時間撹拌後、ホットスターラー上で加熱撹拌し、蒸発乾固した。その後、得られた粉末を120℃の恒温槽にて12時間乾燥後、400℃で1時間マッフル炉にて焼成し、コバルト担持チタン酸ストロンチウムを調製した。
次に、添加物の担持を行なった。まず、コバルト担持チタン酸ストロンチウムにアセトンを加え、2時間撹拌した。その後、前駆体であるアセチルアセトナトFe錯体を所定量秤量し、アセトンに溶解させ、用意したコバルト担持チタン酸ストロンチウムアセトン溶液に加え、2時間撹拌後、ホットスターラー上で加熱撹拌し、蒸発乾固させた。得られた粉末を120℃の恒温槽にて12時間乾燥後、400℃で1時間マッフル炉にて焼成した。鉄の担持量が、得られる水蒸気改質触媒(格子酸素を有する無機酸化物とコバルトと添加物)の全量に対して0.03質量%(金属換算)となるようにした。
以上により、本例の水蒸気改質触媒(鉄0.03質量%コバルト5質量%担持チタン酸ストロンチウム)を得た。
<モノリス担体への塗布>
次に、得られた水蒸気改質触媒の粉末、バインダとしてのアルミナゾル、及び溶媒としての水を磁性ボールミルポット中に仕込み、2時間混合及び粉砕して、スラリーを調製した。
次に、調製したスラリーを、モノリス担体であるセラミックスハニカムに塗布し、130℃で通風乾燥し、400℃で1時間焼成して、本例の水蒸気改質触媒を含む触媒層を、モノリス担体の内表面に形成して、モノリス触媒を得た(以下、「触媒1」という。)。
この際、スラリーの塗布量を、スラリー中に含有される触媒の質量(バインダとしてアルミナゾルを除く)がモノリス担体の体積に対して120g/Lとなるように調節した。
(実施例2〜9)
添加物を担持する際に、鉄の担持量が、得られる水蒸気改質触媒(格子酸素を有する無機酸化物とコバルトと添加物)の全量に対して、金属換算で、それぞれ0.11質量%、0.22質量%、0.33質量%、0.44質量%、0.88質量%、1.1質量%、1.6質量%、2.2質量%となるように含浸させたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、各例の水蒸気改質触媒を得た。
また、得られた水蒸気改質触媒の粉末を用いて、実施例1と同様の操作を繰り返し、各例のモノリス触媒を得た(以下、「触媒2〜9」という。)。
(実施例10)
添加物を担持する際に、アセチルアセトナトFe錯体に替えてアセチルアセトナトCr錯体を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作を繰り返し、本例の水蒸気改質触媒を得た。
また、得られた水蒸気改質触媒の粉末を用いて、実施例5と同様の操作を繰り返し、本例のモノリス触媒を得た(以下、「触媒10」という。)。
(実施例11)
添加物を担持する際に、アセチルアセトナトFe錯体に替えてアセチルアセトナトMn錯体を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作を繰り返し、本例の水蒸気改質触媒を得た。
また、得られた水蒸気改質触媒の粉末を用いて、実施例5と同様の操作を繰り返し、本例のモノリス触媒を得た(以下、「触媒11」という。)。
(実施例12〜15)
まず、硝酸コバルト・六水和物を蒸留水に溶解したコバルト含有溶液を用い、コバルトを酸化セリウムに含浸させた。コバルトの担持量が、得られる水蒸気改質触媒(格子酸素を有する無機酸化物とコバルトと添加物)の全量に対して5質量%(金属換算)となるように含浸させた。
含浸操作では、上記担持量になるように秤量した硝酸コバルト・六水和物を蒸留水に溶解させ、酸化セリウムの粉末を加え、室温で2時間撹拌した。しかる後、150℃で4時間乾燥させ、500℃で1時間焼成して、コバルト担持酸化セリウムを調製した。
次に、硝酸鉄・九水和物を蒸留水に溶解した鉄含有溶液を用い、鉄を調製したコバルト担持酸化セリウムに含浸させた。鉄の担持量が、得られる水蒸気改質触媒(格子酸素を有する無機酸化物とコバルトと添加物)の全量に対して、金属換算で、それぞれ0.22質量%、0.44質量%、0.66質量%、1.0質量%となるように含浸させた。しかる後、150℃で4時間乾燥させ、500℃で1時間焼成して、各例の水蒸気改質触媒を得た。
また、得られた水蒸気改質触媒の粉末を用いて、実施例1と同様の操作を繰り返し、各例のモノリス触媒を得た(以下、「触媒12〜15」という。)。
(実施例16、17)
まず、硝酸コバルト・六水和物を蒸留水に溶解したコバルト含有溶液を用い、コバルトを酸化セリウムに含浸させた。コバルトの担持量が、得られる水蒸気改質触媒(格子酸素を有する無機酸化物とコバルトと添加物)の全量に対して5質量%(金属換算)となるように含浸させた。
含浸操作では、上記担持量になるように秤量した硝酸コバルト・六水和物を蒸留水に溶解させ、酸化セリウムの粉末を加え、室温で2時間撹拌した。しかる後、150℃で4時間乾燥させ、500℃で1時間焼成して、コバルト担持酸化セリウムを調製した。
次に、硝酸マンガン・六水和物を蒸留水に溶解したマンガン含有溶液を用い、マンガンを調製したコバルト担持酸化セリウムに含浸させた。マンガンの担持量が、得られる水蒸気改質触媒(格子酸素を有する無機酸化物とコバルトと添加物)の全量に対して、金属換算で、それぞれ0.22質量%、0.44質量%となるように含浸させた。しかる後、150℃で4時間乾燥させ、500℃で1時間焼成して、各例の水蒸気改質触媒を得た。
また、得られた水蒸気改質触媒の粉末を用いて、実施例1と同様の操作を繰り返し、各例のモノリス触媒を得た(以下、「触媒16、17」という。)。
(実施例18)
まず、硝酸コバルト・六水和物及び硝酸鉄・九水和物を溶媒に溶解したコバルト・鉄含有溶液を用い、コバルト及び鉄を酸化セリウムに含浸させた。コバルト及び鉄の担持量が、得られる水蒸気改質触媒(格子酸素を有する無機酸化物とコバルトと添加物)の全量に対して10質量%及び1質量%(金属換算)となるように含浸させた。しかる後、150℃で4時間乾燥させ、500℃で1時間焼成して、本例の水蒸気改質触媒(コバルト10質量%鉄1質量%担持酸化セリウム)を得た。
また、得られた水蒸気改質触媒の粉末を用いて、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のモノリス触媒を得た(以下、「触媒18」という。)。
(実施例19)
コバルト及び鉄を担持する際に、酸化セリウムに替えて酸化セリウムジルコニウムを用いたこと以外は、実施例18と同様の操作を繰り返し、本例の水蒸気改質触媒を得た。
また、得られた水蒸気改質触媒の粉末を用いて、実施例18と同様の操作を繰り返し、本例のモノリス触媒を得た(以下、「触媒19」という。)。
(実施例20)
コバルト及び鉄を担持する際に、酸化セリウムに替えて酸化セリウムプラセオジムを用いたこと以外は、実施例18と同様の操作を繰り返し、本例の水蒸気改質触媒を得た。
また、得られた水蒸気改質触媒の粉末を用いて、実施例18と同様の操作を繰り返し、本例のモノリス触媒を得た(以下、「触媒20」という。)。
(比較例1)
鉄を担持しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の水蒸気改質触媒(コバルト5質量%担持チタン酸ストロンチウム)を得た。
また、得られた触媒の粉末を用いて、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のモノリス触媒を得た(以下、「触媒21」という。)。
(比較例2)
硝酸コバルトを溶媒に溶解したコバルト含有溶液を用い、コバルトをγ−酸化アルミニウムに含浸させた。コバルトの担持量が、得られる水蒸気改質触媒(無機酸化物とコバルトと添加物)の全量に対して5質量%(金属換算)となるように含浸させた。しかる後、150℃で4時間乾燥し、500℃で1時間焼成して、本例の水蒸気改質触媒(コバルト5質量%担持γ−アルミナ)を得た。
また、得られた触媒の粉末を用いて、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のモノリス触媒を得た(以下、「触媒22」という。)。
(比較例3)
硝酸コバルトを溶媒に溶解したコバルト含有溶液を用い、コバルトを酸化セリウムに含浸させた。コバルトの担持量が、得られる水蒸気改質触媒(格子酸素を有する無機酸化物とコバルトと添加物)の全量に対して5質量%(金属換算)となるように含浸させた。しかる後、150℃で4時間乾燥し、500℃で1時間焼成して、本例の水蒸気改質触媒(コバルト5質量%担持酸化セリウム)を得た。
また、得られた触媒の粉末を用いて、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のモノリス触媒を得た(以下、「触媒23」という。)。
上記各例の仕様の一部を表1に示す。
[性能評価]
<前処理>
10体積%H/Nバランスガスの気流中、500℃の条件下に、上記各例の触媒1〜23を1時間置いた。
<評価試験>
次に、エタノール及び水の混合物(反応液)を、S/C=3.0、及び液空間速度(LHSV:エタノールの流量(cm/h)/モノリス触媒体積(cm))=20h−1となるように上記各例の触媒1〜23に供給した。
なお、「S/C」とは、エタノール(炭素原子換算)の供給速度に対する水の供給速度の比、即ち、HO供給速度(モル/秒)/(エタノール供給速度(モル/秒)×2)をいう。
入口ガス温度を500℃に維持し、温度が安定してから1時間経過後(定常状態)において、下記数式(1)に従ってエタノール転化率を算出した。得られた結果を表1に併記する。
Figure 2010029822
また、出口における水素の乾燥濃度(dry(体積%))を併せて測定した。得られた結果を表1に併記する。
なお、「水素の乾燥濃度」とは、水を除く出口ガスの全体積対する水素の体積割合をいう。
Figure 2010029822
表1から、本発明の範囲に属する実施例1〜20の水蒸気改質触媒は、格子酸素を有する無機酸化物に、コバルト及び添加物を担持した構造を有しており、低い温度条件下における水蒸気改質性能及び水素選択性に優れていることが分かる。また、改質時の触媒表面への炭素析出も少ないため、長期間安定した性能を保つことができる。
更に、本発明の水蒸気改質触媒は、この水蒸気改質触媒を例えば燃料改質装置や燃料電池システムなどの装置に組み込むことにより、これらの装置の小型化を図ることができる。
更にまた、本発明の水蒸気改質触媒は、貴金属を必須成分としないため、低コスト化を図ることができる。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態や実施例においては、モノリス担体に水蒸気改質触媒を担持する場合について説明したが、水蒸気改質触媒をペレット状に加工して用いることもできる。
本願の水蒸気改質触媒は、例えば燃料改質装置や燃料電池システムなどの装置に組み込んで使用することができる。また、自動車において内燃機関の燃料供給系に組み込んで使用することができる。このときは、生成した水素をガソリンエンジン若しくはディーゼルエンジンに供給することにより燃費の向上を図ることができ、生成した水素を排ガス処理に使用することにより排気浄化率を向上させることができる。

Claims (6)

  1. 燃料を水蒸気改質反応により改質するための水蒸気改質触媒であって、
    格子酸素を有する無機酸化物と、
    上記格子酸素を有する無機酸化物に担持されたコバルトと、
    上記格子酸素を有する無機酸化物に担持された添加物と、
    を含む、ことを特徴とする水蒸気改質触媒。
  2. 上記添加物の担持量が、上記格子酸素を含む無機酸化物と上記コバルトと上記添加物との全量に対して金属換算で0.03〜2質量%である、ことを特徴とする請求項1に記載の水蒸気改質触媒。
  3. 上記添加物が、鉄、クロム及びマンガンから成る群より選ばれた少なくとも1種を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の水蒸気改質触媒。
  4. 上記格子酸素を有する無機酸化物が、ペロブスカイト型酸化物である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の水蒸気改質触媒。
  5. 上記ペロブスカイト型酸化物が、チタン酸ストロンチウムである、ことを特徴とする請求項4に記載の水蒸気改質触媒。
  6. 上記格子酸素を有する無機酸化物が、セリウム含有酸化物である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の水蒸気改質触媒。
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