JP2010029820A - 化学反応装置 - Google Patents

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宏明 田中
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Abstract

【課題】比較的低コストかつ省スペースで安定した任意の特性を有する流体分岐が行われる化学反応装置を実現すること。
【解決手段】流体に化学反応を生じさせる複数の化学反応部が形成されたリアクタ板と、前記流体を前記各化学反応部に分岐して注入するように複数の微細穴が形成され前記リアクタ板上に積層される流体分岐板と、前記複数の微細穴を共通に連結して前記流体を前記複数の微細穴に拡散させる拡散流路として機能する切り抜き溝が形成され前記流体分岐板上に積層される拡散板、を含むことを特徴とするもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流体の化学反応を行わせる微小流路を有する化学反応装置に関し、詳しくは流体の分岐構造に関する。
従来から、化学反応や生化学反応などの分野では、微量の化学合成、分解反応、DNA分析などを行うために、触媒スクリ−ング装置、化学合成装置などの微小流路を有するマイクロリアクタを利用した化学反応装置が用いられている。また、複数のマイクロリアクタを並列に接続して並列運転できるようにした化学反応装置も用いられている。
このような化学反応装置を利用して化学反応を行わせるのにあたり、たとえば分析中に各微小流路に流れる流体の単位時間当たりの体積流量が変化すると、化学反応に影響を与えて分析結果に偏差(ばらつき)を与えてしまうことがある。これを防ぐため、化学反応条件に合わせて微小流路を流れる流体の流量を制御することが求められており、また複数のマイクロリアクタを並列に接続した構成の化学反応装置では、各微小流路を流れる流体の流量を等しく制御することも求められている。
マイクロリアクタを利用した化学反応装置に関連する先行技術文献としては、次のようなものがある。特許文献1、2には従来の化学反応装置における流体制御に関する技術が記載されている。
特開2006−263546号公報 特開2006−272230号公報
図8は従来の化学反応装置の一例を示す構成図である。図8において、送液部1はポンプやマスフローコントローラなどから構成され、所定の流量の流体を供給する。圧力計2は、送液部1から供給される流体の配管内の圧力を測定する。流体の流路は、圧力計2の下流で複数のチャンネル#1〜#nに分岐される。
各チャンネル#1〜#nは、たとえば長さと内径が同一のキャピラリーチューブよりなる固定抵抗部31〜3n、固定抵抗部31〜3nを介して流入される流体に化学反応を行わせる微小流路を有するマイクロリアクタ41〜4n、マイクロリアクタ41〜4nの各微小流路内に塗布、充填または固着された触媒51〜5n、マイクロリアクタ41〜4nから流出する各流体が流れる配管内の圧力を測定する圧力計61〜6nから構成されている。
すなわち、チャンネル#1は固定抵抗部31とマイクロリアクタ41と触媒51と圧力計61で構成され、チャンネル#2は固定抵抗部32とマイクロリアクタ42と触媒52と圧力計62で構成され、チャンネル#3は固定抵抗部33とマイクロリアクタ43と触媒53と圧力計63で構成され、チャンネル#nは固定抵抗部3nとマイクロリアクタ4nと触媒5nと圧力計6nで構成されている。
なお、各チャンネル#1〜#nのマイクロリアクタ41〜4nの微小流路は同一形状・同一特性であるが、各微小流路に塗布または充填される触媒51〜5nの種類・量は同一であっても異なってもよい。
ここで、各チャンネル#1〜#nを流れる流体の流量は、圧力P1、出口圧力P2、チャンネルの抵抗値(配管抵抗)に基づいて決定されるが、各マイクロリアクタ41〜4nの微小流路や配管などの各個体の寸法誤差などにより各チャンネル#1〜#nの抵抗値にばらつきがあり、流体の流量にばらつきを生じることがある。このような流体の流量のばらつきは、化学反応に影響を与えて分析結果に偏差を与えてしまうことがあり、好ましくない。
図8に示す従来の化学反応装置によれば、比較的簡単にキャピタリーチューブの長さや内径を調整して固定抵抗部31〜3nの抵抗値をマイクロリアクタやその他配管の抵抗値よりも十分に大きくすることができ、固定抵抗部31〜3nの抵抗値の偏差をマイクロリアクタ41〜4nの抵抗値の偏差に比べて小さくしてチャンネル全体の抵抗値の偏差を小さくできる。これにより、各マイクロリアクタに流れる流体流量の偏差を改善でき、分析結果の均一性を高めることができる。
しかしながら、従来の化学反応装置では、流体の流路を複数のチャンネル#1〜#nに分岐するのにあたり、多数のキャピラリーチューブを用いているので継手などの部品も必要になり、組立加工作業工数を含めてコストがかかるとともに、比較的大きなスペースを占めてしまうという問題点もあった。
本発明はこれらの問題点を解決するものであり、その目的は、比較的低コストかつ省スペースで安定した任意の特性を有する流体分岐が行われる化学反応装置を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
流体に化学反応を生じさせる複数の化学反応部が形成されたリアクタ板と、
前記流体を前記各化学反応部に分岐して注入するように複数の微細穴が形成され前記リアクタ板上に積層される流体分岐板と、
前記複数の微細穴を共通に連結して前記流体を前記複数の微細穴に拡散させる拡散流路として機能する切り抜き溝が形成され前記流体分岐板上に積層される拡散板、
を含むことを特徴とする化学反応装置である。
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の化学反応装置において
前記複数の微細穴の穴径は、等しく形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、
請求項2記載の化学反応装置において、
前記複数の微細穴の穴径は、異なる大きさに形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の化学反応装置において、
前記複数の化学反応部には、化学反応用の触媒が設けられていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の化学反応装置において、
前記流体分岐板および拡散板には、前記各化学反応部で化学反応が生じた流体を外部に取り出すための複数の流体流出穴が形成されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、
請求項1〜請求項5のいずれかに記載の化学反応装置において、
前記複数の微細穴の穴径は、前記拡散流路の幅よりも小さく形成され、前記各化学反応部の抵抗値よりも十分に大きい抵抗値を有することを特徴とする。
本発明に係る化学反応装置によれば、比較的低コストで小型化が図れ、省スペースで安定した任意の特性を有する流体分岐が実現できる。
図1は本発明に係る化学反応装置の一実施例を示す構成斜視図である。本発明に係る化学反応装置は、リアクタ板100とガスケット板200と流体分岐板300と拡散板400とリアクタカバー500を位置決めしながら順次重ね合わせて積層固定することにより構成される。リアクタカバー500には、流体流入パイプ601および流体流出パイプ602〜617が接続されている。
図2は、図1のリアクタ板100の上面図である。リアクタ板100は、たとえば金属で4隅が切除された矩形状であって板状に形成されている。リアクタ板100の平面には、長手方向に沿って等間隔に配列された長円形状の8個のチャンネル溝101〜108よりなる第1のチャンネル溝列Aと、この第1のチャンネル溝列Aと一定の間隔を保って平行に配列された長円形状の8個のチャンネル溝109〜116よりなる第2のチャンネル溝列Bが設けられている。なお、これらチャンネル溝101〜116には、必要に応じて化学反応用の触媒が充填される。
第1のチャンネル溝列Aの下側にはチャンネル溝列Aと平行に位置決め穴を兼ねた取付穴117〜120が設けられ、第2のチャンネル溝列Bの上側にはチャンネル溝列Bと平行に位置決め穴を兼ねた取付穴121〜124が設けられている。
図3は、図1のガスケット板200の上面図である。ガスケット板200は、たとえばグラファイト、ゴム、金属で4隅が切除された矩形状に形成されていて、位置決めをしながらリアクタ板100に重ね合わせて積層固定することにより、チャンネル溝101〜116からの流体の漏れやチャンネル溝101〜116への外部からの異物の侵入を防止する。
ガスケット板200の平面には、長手方向に沿って等間隔に配列された8個の貫通穴201〜208よりなる第1の流体流入穴列Cと、第1の流体流入穴列Cと一定の間隔を保って平行に配列された8個の貫通穴209〜216よりなる第1の流体流出穴列Dと、第1の流体流出穴列Dと一定の間隔を保って平行に配列された8個の貫通穴217〜224よりなる第2の流体流入穴列Eと、第2の流体流入穴列Eと一定の間隔を保って平行に配列された8個の貫通穴225〜232よりなる第2の流体流出穴列Fが設けられている。
第1の流体流入穴列Cの下側には第1の流体流入穴列Cと平行に位置決め穴を兼ねた取付穴233〜236がリアクタ板100の取付穴117〜120と一致するように設けられ、第2の流体流出穴列Fの上側には第2の流体流出穴列Fと平行に位置決め穴を兼ねた取付穴237〜240がリアクタ板100の取付穴121〜124と一致するように設けられている。
これら流体流入穴列C,Eおよび流体流出穴列D,Fは、リアクタ板100の第1のチャンネル溝列Aと第2のチャンネル溝列Bに対して、リアクタ板100の取付穴117〜120,121〜124とガスケット板200の取付穴233〜236,237〜240が一致するようにリアクタ板100にガスケット板200を重ね合わせたとき、各チャンネル溝101〜116内の下部近傍には流体流入穴として機能する貫通穴201〜208,217〜224がそれぞれ開口し上部近傍には流体流出穴として機能する貫通穴209〜216,225〜232がそれぞれ開口する位置関係になるように形成されている。
また、リアクタ板100にガスケット板200が積み重ねることにより、リアクタ板100のチャンネル溝101〜116の開口部分がガスケット基板200で覆われて、流体に化学反応を生じさせる複数の化学反応部が構成されることになる。
図4は、図1の流体分岐板300の上面図である。流体分岐板300は、たとえば金属で4隅が切除された矩形状に形成されている。流体分岐板300の平面には、長手方向に沿って等間隔に配列された8個の微細な貫通穴301〜308よりなる第1の微細穴列Gと、第1の微細穴列Gと一定の間隔を保って平行に配列された8個の貫通穴309〜316よりなる第1の流体流出穴列Hと、第1の流体流出穴列Hと一定の間隔を保って平行に配列された8個の微細な貫通穴317〜324よりなる第2の微細穴列Iと、第2の微細穴列Iと一定の間隔を保って平行に配列された8個の貫通穴325〜332よりなる第2の流体流出穴列Jが設けられている。
第1の微細穴列Gの下側には第1の微細穴列Gと平行に位置決め穴を兼ねた取付穴333〜336がリアクタ板100の取付穴117〜120およびガスケット板200の取付穴233〜236と一致するように設けられ、第2の流体流出穴列Jの上側には第2の流体流出穴列Jと平行に位置決め穴を兼ねた取付穴337〜340がリアクタ板100の取付穴121〜124およびガスケット板200の取付穴237〜240と一致するように設けられている。
これら微細穴列G,Iの各貫通穴301〜308,317〜324および流体流出穴列H,Jの各貫通穴309〜316,325〜332は、互いの取付穴が一致するようにしてリアクタ板100に重ね合わされたガスケット板200に設けられている流体流入穴列C,Eの貫通穴201〜208,217〜224および流体流出穴列D,Fの貫通穴209〜216,225〜232と連通するように設けられている。
なお、微細穴301〜308,317〜324の穴径はそれぞれ等しいものであってもよいし、異なる流量をそれぞれに対応するチャンネル溝101〜116に流す目的のために意図的に異ならせたものであってもよい。
図5は、図1の拡散板400の上面図である。拡散板400はガスケットとしての機能を有しており、以下、拡散用ガスケット板という。拡散用ガスケット板400も前述のガスケット板200と同様にたとえばグラファイト、ゴム、金属など形成され、4隅が切除された矩形状に形成されていて、位置決めをしながら流体分岐板300に重ね合わせて積層固定することにより、積層固定体からの流体の漏れや積層固定体内部への外部からの異物の侵入を防止する。
拡散用ガスケット板400の平面には、長手方向に沿って等間隔に配列された8個の貫通穴401〜408よりなる第1の流体流出穴列Kと、第1の流体流出穴列Kと一定の間隔を保って平行に配列された8個の貫通穴409〜416よりなる第2の流体流出穴列Lと、第1の流体流出穴列Kを一端から囲むようにコ字形に形成された切り抜き溝417が設けられている。
切り抜き溝417の下側には切り抜き溝417の下辺と平行に位置決め穴を兼ねた取付穴418〜421がリアクタ板100の取付穴117〜120、ガスケット板200の取付穴233〜236および流体分岐板300の取付穴333〜336と一致するように設けられ、第2の流体流出穴列Lの上側には第2の流体流出穴列Lと平行に位置決め穴を兼ねた取付穴422〜425がリアクタ板100の取付穴121〜124、ガスケット板200の取付穴237〜240および流体分岐板300の取付穴337〜340と一致するように設けられている。
これら第1の流体流出穴列Kの各貫通穴401〜408および第2の流体流出穴列Lの貫通穴409〜416は、互いの取付穴が一致するようにしてガスケット板200に重ね合わされた流体分岐板300に設けられている流体流出穴列Hの各貫通穴309〜316および流体流出穴列Jの各貫通穴325〜332と連通するように設けられている。
そして、切り抜き溝417は、流体分岐板300に設けられている微細穴列G,Iの各貫通穴301〜308,317〜324を共通に連結するように設けられていて、拡散流路として機能する。
図6は、図1のリアクタカバー500の上面図である。リアクタカバー500はたとえば金属で矩形に形成されている。
リアクタカバー500の平面には、流体流入パイプ601と、長手方向に沿って等間隔に配列された8個の流体流出パイプ602〜609よりなる第1の流出パイプ列Mおよび第1の流出パイプ列Mと一定の間隔を保って平行に配列された8個の流体流出パイプ610〜617よりなる第2の流出パイプ列Nが設けられている。
流体流入パイプ601の下側には第1の流出パイプ列Mと平行に位置決め穴を兼ねた取付穴518〜521がリアクタ板100の取付穴117〜120、ガスケット板200の取付穴233〜236、流体分岐板300の取付穴333〜336および拡散用ガスケット板400の取付穴418〜421と一致するように設けられ、第2の流出パイプ列Nの上側には第2の流出パイプ列Nと平行に位置決め穴を兼ねた取付穴522〜525がリアクタ板100の取付穴121〜124、ガスケット板200の取付穴237〜240、流体分岐板300の取付穴337〜340および拡散用ガスケット板400の取付穴422〜425と一致するように設けられている。
流体流入パイプ601は、互いの取付穴が一致するようにして流体分岐板300に重ね合わされたガスケット板400に設けられている切り抜き溝417と連通するように設けられている。流体流出穴列Hの各貫通穴309〜316および流体流出穴列Jの各貫通穴325〜332と連通するように設けられている。第1の流出パイプ列Mの流出パイプ601〜608および第2の流出パイプ列Nの流出パイプ609〜616は、拡散用ガスケット板400に設けられている第1の流体流出穴列Kの貫通穴401〜408および第2の流体流出穴列Lの貫通穴409〜416と連通するように設けられている。
本発明に係る化学反応装置の組み立てについて説明する。前述のように、リアクタ板100とガスケット板200と流体分岐板300と拡散用ガスケット板400とリアクタカバー500のそれぞれに設けられている取付穴が一致するように位置決めしながら順次重ね合わせて積層し、たとえばボルト・ナットで固定することにより構成される。このときリアクタカバー500は、リアクタ板100とガスケット板200と流体分岐板300と拡散用ガスケット板400とを覆うように拡散用ガスケット板400上に積み重ねられる。
なお、図1において、流体流入パイプ601の他端にはポンプ、マスフローコントローラなどから構成され流体を供給する図示しない送液部が接続され、また流体流出パイプ601〜617の他端には流体にかかる圧力を所定の状態にコントロールしたり、圧力を減じたりするための圧力制御弁などが接続される。
次に本発明に係る化学反応装置の動作例を説明する。図示しない送液部から送出されたNガスや液体ガスなどの流体は、流体流入パイプ601→拡散用ガスケット板400の切り抜き溝417(拡散流路)→流体分岐板300の微細穴列G,Iの各貫通穴301〜308,317〜324の経路で16個に分岐され、さらに、ガスケット板200の流体流入穴列C,Eの貫通穴201〜208,217〜224→リアクタ板100のチャンネル溝列A,Bのチャンネル溝101〜116の経路で各チャンネル溝101〜116に流入する。
ここで、微細穴列G,Iの各貫通穴301〜308,317〜324の穴径は、他の貫通穴の穴径や切り抜き溝417(拡散流路)の幅よりも小さいため、本発明の化学反応装置を構成するその他の配管部分・構成部分よりも大きな抵抗が発生する。すなわち、微細穴列G,Iの各貫通穴301〜308,317〜324の穴径を小さくし抵抗値を各流路やその他配管の抵抗値よりも十分に大きいものとすることにより、チャンネル全体の抵抗値の偏差を少なくできる。
そして、流体は、各チャンネル溝101〜116に充填(または塗布)された化学反応用の触媒などにより、各チャンネル溝101〜116内で化学反応する。
さらに、各チャンネル溝101〜116内で化学反応した流体は、ガスケット板200の流体流出穴列D,Fの各貫通穴209〜216,225〜232→流体分岐板300の流体流出穴列H,Jの各貫通穴309〜316,317〜324→拡散用ガスケット板400の流体流出穴列K,Lの各貫通穴401〜408,409〜416→リアクタカバー500の流出パイプ列M,Nの流出パイプ602〜609,610〜617の経路を経て流体流出パイプ602〜617から外部に流出する。
このように本発明に係る化学反応装置は、流体流出穴列H,Jの各貫通穴309〜316,317〜324、流体流出穴列D,Fの各貫通穴209〜216,225〜232、チャンネル溝101〜116が連通するように、リアクタ板100、ガスケット板200、流体分岐板300、拡散用ガスケット板400、リアクタカバー500を順次積み重ねて固定することにより、簡易および低コストで流体分岐を可能とする化学反応装置の作製ができ、省スペースで流体分岐ができる。
また、従来からの問題である各チャンネルの抵抗値にばらつきがあり、流体の流量にばらつきが生じて化学反応に影響を与えてしまうことに対しては、本発明に係る化学反応装置は、流体分岐板300の微細穴列G,Iの各貫通穴301〜308,317〜324の穴径を小さくして抵抗値をマイクロリアクタやその他配管の抵抗値よりも十分に大きいものとすることにより、チャンネル全体の抵抗値の偏差を少なくできる。これにより、各チャンネルに流れる流体流量の偏差を改善でき、分析結果の均一性を高めることができる。
また、本発明に係る化学反応装置によれば、流体分岐板300の複数の微細穴列G,Iの各貫通穴301〜308,317〜324により流体を分岐させることにより、各チャンネル溝101〜116で反応を並列的に同時に進行させることができる。
また、各チャンネル溝101〜116に触媒を充填することにより、触媒スクリーニング装置として、反応を並列的に同時に進行させることができる。
なお、微細穴列G,Iの各貫通穴301〜308,317〜324の穴径はそれぞれ等しいものであってもよいし、異なる流量を各チャンネル溝101〜116に流す目的のためにそれぞれ意図的に異ならせてもよい。分岐チップの穴径を等しくする場合には、流体の流量を等流量に分岐することができる。
図7は、微細穴列G,Iの各貫通穴301〜308,317〜324の穴径が等しい場合の流体流出パイプ602〜617における測定流量の一例である。図2では、微細穴列G,Iの各貫通穴301〜308,317〜324の直径は30μmで全て等しく形成した場合の測定流量を示している。この場合、流体分岐チップの厚さを0.2mmとし、流体流入パイプ601より96ml/minでN(窒素分子)を流通させると、図2のように各流体流出パイプ602〜617からは6ml/min(±2%)で等分岐されていることが確認できる。このように、分岐チップの穴径を等しくする場合には、流体の流量を等流量に分岐することができる。
なお上述の実施例では、図1にてリアクタカバー500は板状に形成されているものとして説明したが、リアクタカバー500は積層されたリアクタ板100とガスケット板200と流体分岐板300と拡散用ガスケット板400を収納できるようにケース状に形成されたものであってもよい。いいかえればリアクタカバー500は、リアクタ板100とガスケット板200と流体分岐板300と拡散用ガスケット板400を収納可能な収容部が設けられるものでもよい。また、この収容部の4隅にはアール部が形成されるものでもよい。
この場合、化学反応装置の組み立ては、リアクタ板100とガスケット板200と流体分岐板300と拡散用ガスケット板400とリアクタカバー500の積層固定の際には、たとえばリアクタカバー500の収容部の開口部分を上に向け、収容部に拡散用ガスケット板400と流体分岐板300とガスケット板200とリアクタ板100とを順次重ね合わせてボルト・ナットで固定することにより構成される。
このように、リアクタカバー500に収容部が設けられていると、拡散用ガスケット板400と流体分岐板300とガスケット板200とリアクタ板100を順次収容部に入れ込むだけでよいため、取付穴が一致するように位置決めしながら各基板を積み重ねる必要がなく、簡易および低コストで流体分岐を可能とする化学反応装置の作製ができる。
また、収容部の4隅にアール部が形成されることにより、リアクタカバー500の強度が増し、リアクタ板100、ガスケット板200、流体分岐板300、拡散用ガスケット板400の収容時に円滑に収容部に誘導することができる。
また本発明に係る化学反応装置は、流体流出穴列H,Jの各貫通穴309〜316,317〜324、流体流出穴列D,Fの各貫通穴209〜216,225〜232、チャンネル溝101〜116が連通するように、リアクタ板100、ガスケット板200、流体分岐板300、拡散用ガスケット板400、リアクタカバー500が順次積み重ねられてたとえばボルト・ナットで固定できるものであれば、リアクタカバー500の形状は平面板状のものでもどのような形状であっても構わない。
また上述の実施例では、リアクタ板100、ガスケット板200、流体分岐板300、拡散用ガスケット板400は、4隅が切除された矩形状に形成されていると説明したが、特にこれに限定するものではなく、流体流出穴列H,Jの各貫通穴309〜316,317〜324、流体流出穴列D,Fの各貫通穴209〜216,225〜232、チャンネル溝101〜116が連通するように、リアクタ板100、ガスケット板200、流体分岐板300、拡散用ガスケット板400、リアクタカバー500が順次積み重ねられて固定できるものであればどのような形状であってもよい。
以上説明したように、本発明に係る化学反応装置は、従来のようなキャピラリーチューブや継手などの部品が不要になるとともに、量産加工可能な基板類を順次重ね合わせて積層固定することから比較的低コストで小型化が図れ、省スペースで安定した任意の特性を有する流体分岐が実現でき、化学や生化学における化学合成、分解反応の分析やDNA分析などの微量分析への貢献が期待できる。
図1は本発明に係る化学反応装置の一実施例を示す構成斜視図である。 図1のリアクタ板100の上面図である。 図1のガスケット板200の上面図である。 図1の流体分岐板300の上面図である。 図1のガスケット板400の上面図である。 図1のリアクタカバー500の上面図である。 微細穴301〜308,317〜324の穴径が等しい場合の流体流出パイプ602〜617における測定流量の一例である。 従来の化学反応装置の一例を示す構成図である。
符号の説明
100 リアクタ板
101〜116 チャンネル溝
117〜124 取付穴
200 ガスケット板
201〜208,217〜224 流体流入穴
209〜216,225〜232 流体流出穴
233〜240 取付穴
300 流体分岐板
301〜308,317〜324 微細穴
309〜316,325〜332 流体流出穴
333〜340 取付穴
400 ガスケット板(拡散用)
401〜416 流体流出穴
417 切り抜き溝
418〜425 取付穴
500 リアクタカバー
518〜525 取付穴
601 流体流入パイプ
602〜617 流体流出パイプ

Claims (6)

  1. 流体に化学反応を生じさせる複数の化学反応部が形成されたリアクタ板と、
    前記流体を前記各化学反応部に分岐して注入するように複数の微細穴が形成され前記リアクタ板上に積層される流体分岐板と、
    前記複数の微細穴を共通に連結して前記流体を前記複数の微細穴に拡散させる拡散流路として機能する切り抜き溝が形成され前記流体分岐板上に積層される拡散板、
    を含むことを特徴とする化学反応装置。
  2. 前記複数の微細穴の穴径は、等しく形成されていることを特徴とする請求項1記載の化学反応装置。
  3. 前記複数の微細穴の穴径は、異なる大きさに形成されていることを特徴とする請求項1記載の化学反応装置。
  4. 前記複数の化学反応部には、化学反応用の触媒が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の化学反応装置。
  5. 前記流体分岐板および拡散板には、前記各化学反応部で化学反応が生じた流体を外部に取り出すための複数の流体流出穴が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の化学反応装置。
  6. 前記複数の微細穴の穴径は、前記拡散流路の幅よりも小さく形成され、前記各化学反応部の抵抗値よりも十分に大きい抵抗値を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の化学反応装置。
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