図1は、この発明に係るミキシング装置の全体構成の一実施例を示すハード構成ブロック図である。本実施例に示すミキシング装置は例えばオーディオ信号制御用のミキサであって、該ミキサのハードウェア構成例はコンピュータを用いて構成されており、そこにおいて、CPU1は複数の楽音入力機器7Aから入力された入力信号(オーディオ信号)を適宜に組み合わせて混合した出力信号(ミキシング信号)を生成し、該生成した出力信号を1乃至複数の楽音出力機器8Aのいずれかから出力するように当該ミキサ全体を制御する。ただし、この実施の形態では、複数の入力信号をミキシングするように当該ミキサ全体を1個のCPU1によって制御し、実際のミキシング処理や入力信号及び出力信号に対する信号制御処理については信号制御用に別途用意された専用のデジタル信号処理回路(DSP:Digital Signal Processor)DPにより実行されるものを例に説明する。また、ここでは必要最小限の資源を用いた場合を示している。
詳しくは後述するが、この実施例においては、CPU1及びROM2及びRAM3からなるマイクロコンピュータが所定の制御プログラムを含むソフトウェアを実行することにより、操作者による所定動作に伴う多点タッチ式ディスプレイ6C上における画面へのタッチ操作に従って特定される楽音出力機器8Aと楽音入力機器7Aとの組み合わせに関し、前記楽音出力機器8Aに対する前記楽音入力機器7Aからの入力信号の音量レベル(ボリューム)を変更するようにデジタル信号処理回路DPに対して指示する。これに応じて、デジタル信号処理回路DPは入力信号をミュートする又は音量を下げることから楽音出力機器8Aから発生される楽音が変化することから、この変化に基づき操作者がハウリングを生じている機器(つまりはループ状態にある楽音入力機器7Aと楽音出力機器8A)の特定を行うことができるようにしている。勿論、こうした制御はコンピュータソフトウェアの形態に限らず、信号のミキシング等を実行する信号制御用のデジタル信号処理回路DPとは別のDSP(図示せず)によって処理されるマイクロプログラムの形態でも実施可能であり、またこの種のプログラムの形態に限らず、ディスクリート回路又は集積回路若しくは大規模集積回路等を含んで構成された専用ハードウェア装置の形態で実施してもよい。
CPU1に対しては通信バス(例えば、データ及びアドレスバス等)1Dを介して、ROM2、RAM3、検出回路4,6A、表示回路5,6B、デジタル信号処理回路(DSP)DP、記憶装置9、MIDIインタフェース10、通信インタフェース11がそれぞれ接続されている。更に、CPU1には、タイマ割込み処理(インタラプト処理)における割込み時間や各種時間を計時するタイマ1Aが接続されている。例えば、タイマ1Aはクロックパルスを発生し、発生したクロックパルスをCPU1に対して処理タイミング命令として与えたり、あるいはCPU1に対してインタラプト命令として与える。CPU1は、これらの命令に従って各種処理を実行する。
ROM2は、CPU1により実行される各種プログラムや各種データを格納するものである。RAM3は、CPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、メモリなどとして利用される。
操作子4Aは、デジタル信号処理回路DPで実行されるミキシング処理に関連する入力或いは出力の各信号の信号制御に関して制御値などの各種設定を行うための、複数の入出力チャンネルそれぞれに対応した複数の設定操作子からなる操作子群であって、本体パネルを兼ねるミキシングコンソール上に多数配設されている。従来知られているように、操作子4Aとしては、例えば操作対象とするチャンネルを選択/指定する有効無効設定操作子、パンコントロールを行う制御値を調整するロータリーエンコーダ、制御値をより詳細に設定できるようにする切り替え用のセレクタスイッチ、試聴用のキュー(CUE)スイッチ、入力信号の音量レベル(入力ボリューム)やミキシングした信号をメインの出力信号として出力する際の出力音量レベル(出力ボリューム)などの音量に関する制御値を設定する音量レベル調整用フェーダ、発振する周波数を減衰させるイコライザ、楽音出力を遅らせるディレイなど、ボタン式、回転式、スライド式あるいはジョグシャトルなど各種のものがある。検出回路4は上記操作子4Aの操作状態を検出し、その操作状態に応じた制御値(音量レベルなど)の変更指示をデータ及びアドレスバス1Dを介してCPU1やRAM3やデジタル信号処理回路DPなどの所定レジスタに出力する。
表示回路5はCPU1の制御状態、操作子4Aの操作に応じて現在設定されている制御値などの各種情報を、例えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成される表示器5Aに表示する。前記表示器5Aは従来知られたミキサに広く用いられている一般的なディスプレイであり、操作子4Aなどと共にミキシングコンソール上に配設される。
他方、表示回路6Bは、表示器5Aとは別に設けられた多点タッチ式ディスプレイ6Cの表示を制御する。表示回路6Bは操作子4Aの操作に応じて現在設定されている制御値などの各種情報を文字として表示できるのは勿論であるが、こうした制御値などを文字そのもので表示するのではなく図形イメージ(後述するように、例えば各機器に相当する機器表示など)で表示することができるようになっている。また、多点タッチ式ディスプレイ6Cは単に文字や図形イメージ等を表示する表示機能を具えているだけでなく、操作者が画面上をタッチ操作することにより、該タッチした画面位置に対応して予め決められている各種制御を行う所謂タッチパネル機能をも具えている(例えば、図形イメージ等がソフトスイッチとして機能する)。検出回路6Aは、操作者による動作に伴いタッチされた画面位置を特定する。こうした多点タッチ式ディスプレイ6Cにおける画面表示例及び多点タッチ式ディスプレイ6Cを用いた入力信号の音量レベル制御についての詳細な説明は後述する(後述する図2参照)。なお、操作子4A、検出回路4、表示器5A、表示回路5を省略して、全ての表示や操作検出をすべて多点タッチ式ディスプレイ6Cで行うようにしてもよい。
デジタル信号処理回路DPは、CPU1とは独立してミキシング処理や入力信号及び出力信号に対する信号制御を実行する信号制御用の回路であって、入力信号インタフェース7を介して当該ミキサ外部に接続された複数の楽音入力機器7Aそれぞれから楽音信号を取得する。入力信号インタフェース7は、複数の楽音入力機器7Aそれぞれから楽音信号(例えばオーディオ信号)を取得するために複数入力チャンネル分用意されているインタフェース機器である。このデジタル信号処理回路DPで実行される入力信号の信号制御に関する各種設定の変更指示は、操作子4Aが操作されることに応じて行われるのは勿論のこと、後述する多点タッチ式ディスプレイ6C上における操作者による画面のタッチ操作に応じて行われるようになっている。デジタル信号処理回路DPでは前記操作に応じて設定された音量レベルなどの制御値に基づき、入力機器7Aから取得した複数の入力信号それぞれの信号制御を行ってからミキシング処理を実行する。デジタル信号処理回路DPにより生成されたミキシング処理済みの出力信号(ミキシング信号)は、出力信号インタフェース8を介して当該ミキサ外部に接続された1乃至複数の楽音出力機器8Aに出力される。出力信号インタフェース8は、1乃至複数の楽音出力機器8Aそれぞれに対して出力信号を供給するために複数出力チャンネル分用意されているインタフェース機器である。こうしたミキシング処理する際におけるミキシングする対象として入力する入力信号の組み合わせと、該ミキシング後の信号をどの楽音出力機器に対して出力するかを指定する楽音信号のミキシング入出力経路については予め操作者により任意に決められている。
記憶装置9は、各種データやCPU1が実行する各種制御プログラム等を記憶する。なお、上述したROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この記憶装置9(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それをRAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の機能をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、記憶装置9はハードディスク(HD)に限られず、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD‐ROM・CD‐RAM)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versatile Disk)等の様々な形態の記憶媒体を利用する記憶装置であればどのようなものであってもよい。あるいは、フラッシュメモリなどの半導体メモリであってもよい。
MIDIインタフェース(I/F)10は、外部接続された他のMIDI機器10A(例えばシーケンサや外部鍵盤など)からMIDIデータを当該装置へ入力したり、あるいは当該装置からMIDIデータを他のMIDI機器10Aへ出力するためのインタフェースである。他のMIDI機器10Aは、MIDIデータを発生する機器であればどのようなものであってもよい。
通信インタフェース(I/F)11は、例えばLANやインターネット、電話回線等の有線あるいは無線の通信ネットワークXに接続されており、該通信ネットワークXを介してサーバ装置11Aと接続され、当該サーバ装置11Aから制御プログラムあるいは各種データなどをミキサ本体側に取り込むためのインタフェースである。また、ROM2や記憶装置9(例えば、ハードディスク)等に制御プログラムや各種データが記憶されていない場合には、サーバ装置11Aから制御プログラムや各種データをダウンロードするために用いられる。こうした通信インタフェース11は、有線あるいは無線のものいずれかでなく双方を具えていてよい。
なお、上述した多点タッチ式ディスプレイ6Cは自らが発光して表示を行うことのできるものに限らず、プロンプターやリアプロジェクタのようにミキシングコンソールなどに別途設けられた投影器などから投射された情報を表示することのできる表示パネルであってもよい。また、有機EL(Electro Luminescenceの略)などを用いて構成した有機ELディスプレイなどであってもよい。こうした有機ELディスプレイを使用した場合には光源を設けずに発光させて表示を行うことが可能であることから、ディスプレイをより薄く形成することができるようになる。さらに、多点タッチ式ディスプレイ6Cに図形イメージや文字を表示するには電子的な制御によるもののみに限らず、ホログラム等の準光学的な制御によるものであってもよい。すなわち、表示とタッチ操作による検出とができるものであれば、どのようなものであってもよい。
なお、上述したミキシング装置は、操作子4A、表示器5A、多点タッチ式ディスプレイ6C、記憶装置9などを1つの装置本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するように構成されたものにも同様に適用できることはいうまでもない。
次に、上記した多点タッチ式ディスプレイ6Cの画面表示例及び該画面表示を利用してハウリングを生じている機器の特定を行うための画面上でのユーザ操作態様について、図2を用いて説明する。図2は、多点タッチ式ディスプレイ6Cにおける画面表示の一例を示す概念図である。なお、ここでは説明を理解しやすくするために、楽音入力機器として4つのマイクロフォンa〜d(7A)を、楽音出力機器として4つのモニタスピーカA〜D(8A)をそれぞれ使用する場合の表示例を示す。
多点タッチ式ディスプレイ6Cは操作子4Aや表示器5A等を含むミキサ本体Zとは別体に構成されてなり、ミキサ本体Zに含まれる検出回路6A及び表示回路6B(図1参照)とはケーブル等を用いて接続されている。ミキサ本体Zと接続された多点タッチ式ディスプレイ6Cには、ミキサ本体Zに入力ケーブル等を含んでなる入力信号インタフェース7を介して接続された信号の送信元の楽音入力機器7A、ミキサ本体Zに出力ケーブル等を含んでなる出力信号インタフェース8を介して接続された信号の出力先の楽音出力機器8Aに対応して、これらの機器に相当する図形イメージ(アイコンなど)が、操作者が実際のステージ上に配置されている各楽音入力機器及び楽音出力機器の相対的な配置位置関係を一見して理解することができるように、それらが実施に配置されているステージ全体を俯瞰したような表示態様にて表示される。この実施例では、マイクロフォンa〜dに対応する図形イメージとしてマイク表示Ma〜Mdが表示されており、モニタスピーカA〜Dに対応する図形イメージとしてスピーカ表示Da〜Ddが表示されている。
なお、多点タッチ式ディスプレイ6Cに表示する上記した図形イメージ(マイク表示Ma〜Md,スピーカ表示Da〜Dd)は、その表示が対応する機器を一見して理解できる形状で表示するようにしてもよいし、また図形イメージだけでなく対応する機器を表す補助的な文字表示(図中のMONITOR A〜DやMIC a〜dなど)を各図形イメージの近傍などに表示するようにしてもよい。また、実際の各機器において制御可能な音量レベルの範囲(つまりは制御量の大小)に応じて、相対的に制御量が大きなものは大きく、相対的に制御量が小さなものは小さくといったようにして、図形イメージの大きさを異ならせて表示するようにしてもよい(制御量が同じものは同じ大きさで表示される)。
操作者は、多点タッチ式ディスプレイ6C上において所定動作に伴う画面のタッチ操作を行うことで、ミキサ本体Zに設定されている入力信号の音量レベルを変更することができる。上記多点タッチ式ディスプレイ6Cにおける所定動作とは、画面上で少なくとも任意のマイク表示Ma〜Mdいずれかとスピーカ表示Da〜Ddいずれかとの間に手をかざす動作を行うことであり、図2ではマイク表示Mcとスピーカ表示Daとの間に手をかざしている例を示している。
画面上に表示された各マイク表示Ma〜Mdとスピーカ表示Da〜Ddとの間には、ミキサ本体Zにおいて予め決められている楽音信号のミキシング入出力経路(信号の送信元・出力先に関する設定情報)に従って決定される各機器に関連した入力信号の信号経路が画面の座標に対応付けられる(一例として、図示において点線で示す信号線L1〜L4であって、この信号線L1〜L4は画面上に表示しなくてもよいし表示してもよい)。なお、上記楽音信号のミキシング入出力経路は例えば各モニタスピーカA〜D毎にマイクロフォンaからの入力信号の音量レベルを調整するフェーダCH1、マイクロフォンbからの入力信号の音量レベルを調整するフェーダCH2、マイクロフォンcからの入力信号の音量レベルを調整するフェーダCH3、マイクロフォンdからの入力信号の音量レベルを調整するフェーダCH4、モニタスピーカA〜Dのいずれかから出力する出力信号の音量レベルを調整するフェーダOUTといったミキサ本体Zの操作子4Aそれぞれに対して操作対象とする信号の割り当てを行う際に参照されるデータでもある。
例えば楽音信号のミキシング入出力経路(設定情報)として、ミキシングする対象の信号を4つのマイクロフォンa〜d(MIC a〜d)から入力された入力信号とし、これらの入力信号を混合したミキシング信号の出力先としてモニタスピーカA(MONITOR A)が割り当てられている場合には、該設定情報に従って図示したような4つの各マイクロフォン(MIC a〜d)に相当する各マイク表示Ma〜MdからモニタスピーカA(MONITOR A)に相当するスピーカ表示Daへと向かう4つの信号線L1〜L4が画面の座標に対応付けられる。すなわち、ミキシングする楽音信号の送信元と出力先との対応関係が多点タッチ式ディスプレイ6C上の表示においても対応付けられていることになる。
操作者は上記したような多点タッチ式ディスプレイ6C上において手をかざすような動作を行ってそのまま画面に触れることにより、手をかざした一方の側のスピーカ表示Da〜Ddのいずれかに対応する楽音出力機器8Aに対して入力されている、手をかざしたもう一方の側のマイク表示Ma〜Mdのいずれかに対応する楽音入力機器7Aからの入力信号をミュートするあるいは音量を下げるようにして、予め決めてある所定量だけ入力信号の音量レベルを変更する信号制御を行うようデジタル信号処理回路DPに対して指示する。例えば操作者がスピーカ表示Daとマイク表示Mcとの間に手をかざし、その手が触れた範囲に相当する画面上の箇所(座標)Hがマイク表示Mcからスピーカ表示Daへと向かう信号線L1(座標)と交差する場合には、マイクロフォンcからモニタスピーカAへと入力される入力信号の音量レベルが変更される。
なお、多点タッチ式ディスプレイ6Cに表示されたマイク表示Ma〜Mdやスピーカ表示Da〜Ddのいずれかを指等により任意にタッチしたまま、そのタッチしている指等を画面上でスライド操作することで、タッチされている図形イメージを画面上の任意の位置に移動できてよい(所謂タッチ&ドラッグ)。この場合、移動された図形イメージに関連する信号線L1〜L4についても前記図形イメージの移動にあわせて適宜に座標を更新することは言うまでもない。
なお、多点タッチ式ディスプレイ6C上においてタッチ操作されたか否か、またタッチされた多点タッチ式ディスプレイ6C上の画面位置(詳しくは座標)を求める方式としては、赤外線光を利用する方式、抵抗膜方式、静電容量方式など種々の方式がある。これらの各方式については公知のどのような技術を用いてもよいことから、ここでの説明を省略した。
次に、上記したような操作者による多点タッチ式ディスプレイ6C上での手をかざす動作に従って、入力信号の音量レベルを変更して出力信号に反映させる「メイン処理」について、図3を用いて説明する。図3は、図2に示したミキシング装置が実行するメイン処理の一実施例を示すフローチャートである。この「メイン処理」は図1に示したCPU1において実行される処理であり、当該ミキシング装置本体の電源オン時に開始されて電源オフ時に終了される。なお、ここでは楽音入力機器としてマイクロフォンa〜d(7A)を、楽音出力機器としてモニタスピーカA〜D(8A)を用いた図2を適宜に参照しながら説明する。
まず、ステップS1は、実際にステージ上などに配置された楽音入力機器に相当する実在のマイクロフォンa〜d及び楽音出力機器に相当する実在のモニタスピーカA〜Dの相対的な配置位置に対応させて、これらに相当する図形イメージ(マイク表示Ma〜Md,スピーカ表示Da〜Dd)を表示すべき多点タッチ式ディスプレイ6Cにおける座標(表示位置)を決める。この座標はミキサ本体Z側において、操作者が任意の座標を適宜に指定することによってもいいし、予め用意された図形イメージの配置を表す複数のテンプレートの中からいずれかを指定することによってもいい。また、ミキサ本体Zにおいて予め決められている楽音信号のミキシング入出力経路(信号の送信元・出力先に関する設定情報)に従って決定される各機器に関連した入力信号の信号経路を画面の座標に対応付けておく。
ステップS2は、各マイクロフォンa〜dから各モニタスピーカA〜Dへ送信する複数の入力信号の音量レベルそれぞれを記憶する所定の音量レジスタに、操作子4Aを操作するなどして機器に設定されている設定値を初期値として記憶する。上記ステップS1〜S2までの処理によって、多点タッチ式ディスプレイ6C上における操作者による手をかざす動作に伴って入力信号の音量レベルを変更するための準備が行われ、多点タッチ式ディスプレイ6C上にはマイクロフォンa〜d及びモニタスピーカA〜Dに相当する図形イメージ(マイク表示Ma〜Md,スピーカ表示Da〜Dd)が表示される。
ステップS3は、操作者による操作として多点タッチ式ディスプレイ6C上において手をかざす動作が行われており、該動作に伴い画面上においてタッチされているタッチ点(図2に示す手が触れた範囲に相当する画面上の箇所(座標)H)からいずれか1点(1〜複数座標)を順に選択する。ステップS4は、マイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dの組み合わせを1つずつ順に選択する。ステップS5は、前記選択されたマイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dの1つの組み合わせにおいて、組み合わされたマイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dとが前記設定情報に基づくミキシングする楽音信号の送信元と出力先との対応関係にある場合には、画面上に表示されたそれらに相当する図形イメージを結ぶ信号線L1〜L4の線分(座標)上に、前記選択したタッチ点がある(含まれている)か否かを判定する。
信号線L1〜L4の線分上に前記選択した1点が含まれていると判定した場合には(ステップS5のyes)、前記選択された組み合わせのマイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dとを結ぶ入力信号の信号経路に関して、その入力信号の音量レベルを一時的に変更する(ステップS6)。例えば図2に示すように、手が触れた範囲に相当する画面上の箇所(座標)Hがマイク表示Mcからスピーカ表示Daへと向かう信号線L1と交差しているような場合には、マイクロフォンcからモニタスピーカAへ入力される入力信号をミュートするあるいは予め決められている制御量だけ音量を下げるように音量レベルを一時的に変更する。
一方、前記信号線L1〜L4の線分上に前記選択したタッチ点が含まれていないと判定した場合には(ステップS5のno)、前記選択された組み合わせのマイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dとを結ぶ入力信号の信号経路に関して既にその入力信号の音量レベルが一時的に変更されていたら、その一時的な変更状態を解除するよう入力信号の音量レベルを変更前に戻す(ステップS7)。例えば、手が触れた範囲に相当する画面上の箇所(座標)Hがマイク表示Mcからスピーカ表示Daへと向かう信号線L1と交差していた状態が解除された場合には、マイクロフォンCからモニタスピーカAへと入力されている入力信号をミュートあるいは音量を下げるようにしてその音量レベルが一時的に変更されていた状態から、ミュート前あるいは音量を下げる前の状態の音量に戻す。なお、入力信号の音量レベルが一時的に変更されていない場合には当該処理を行わない。
ステップS8は、マイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dの組み合わせ全てについて上記ステップS4〜ステップS7までの処理を行ったか否かを判定する。マイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dの組み合わせ全てについて上記処理を行っていないと判定した場合には(ステップS8のno)、ステップS4の処理へ戻り上記ステップS4〜ステップS7までの処理を繰り返し実行する。マイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dの組み合わせ全てについて上記処理を行ったと判定した場合には(ステップS8のyes)、操作者による手をかざす動作に伴い画面上においてタッチされているタッチ点(図2に示す手が触れた範囲に相当する画面上の箇所(座標)H)全てについて上記ステップS3〜ステップS8までの処理を行ったか否かを判定する(ステップS9)。全てのタッチ点について上記処理を行っていないと判定した場合には(ステップS9のno)、ステップS3の処理へ戻り上記ステップS3〜ステップS8までの処理を繰り返し実行する。
全てのタッチ点について上記処理を行ったと判定した場合には(ステップS9のyes)、マイク表示Ma〜Md又はスピーカ表示Da〜Ddのタッチ&ドラッグ操作に応じて、選択されたマイクロフォンa〜d又はモニタスピーカA〜Dに相当する図形イメージを表示する座標を更新し、選択されたマイクロフォン7A又はモニタスピーカ8Aに相当する図形イメージ(マイク表示Ma〜Md,スピーカ表示Da〜Dd)の表示位置及び信号線L1〜L4の座標に反映する(ステップS10)。ステップS11は、ミキサ本体Zの操作子4Aの操作に応じて所望の信号経路における入力信号(又は出力信号)の音量レベルの設定を変更する。ステップS11の処理を終了するとステップS3の処理に戻って、上記ステップS3〜ステップS11までの処理を繰り返し実行する。
以上のようにすると、モニタスピーカA〜Dのいずれかにハウリングが生じている場合、操作者は画面上で任意のマイク表示Ma〜Mdいずれかとスピーカ表示Da〜Ddいずれかとの間に手をかざす動作をマイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dの組み合わせに従い順次に行っていくことで、ハウリングを生じている機器つまりはループ状態にある機器を特定することができる。例えば、モニタスピーカAとマイクロフォンcとがループ状態にありモニタスピーカAがハウリングを生じている機器だと仮定した場合、該モニタスピーカAとループ状態にあるマイクロフォンcからの入力信号をミュートするあるいは音量を下げると、ループ状態が解消されてモニタスピーカAからハウリングが生じなくなる。そこで、操作者が画面上で手をかざす動作をマイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dの組み合わせに従い順次に行っていくと、モニタスピーカAとマイクロフォンcとの組み合わせ以外の他の組み合わせでは例えマイクロフォンa〜dの入力信号の音量レベルが変更されたとしても、モニタスピーカAからのハウリングが解消されることがない。したがって、操作者は現在手をかざしているマイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dの組み合わせについて、これらの機器はハウリングを生じている機器でないと判断することができる。
他方、モニタスピーカAとマイクロフォンcとの組み合わせのときには、つまりモニタスピーカAに入力信号を供給しているマイクロフォンcに関してその音量レベルが変更された場合にのみ、モニタスピーカAからのハウリングが解消されることになる。したがって、操作者は現在手をかざしているマイクロフォンcとモニタスピーカAの組み合わせについて、これらの機器はハウリングを生じている機器であると判断することができる。
このようにして、操作者は入力信号の音量レベルを調整するために割り当てられた操作子4Aの各フェーダCH1〜CH4を順次に操作しなくとも、画面上での手をかざす動作(詳しくはそれに伴うタッチ操作)を行うだけで、どのモニタスピーカA〜Dがハウリングを生じているものか、どのマイクロフォンa〜dからの信号の影響を受けてハウリングを生じているのかといった、ハウリングを生じている機器つまりはループ状態にある楽音入力機器と楽音出力機器との組み合わせを特定することが簡単にできることになる。
上述した実施例では、多点タッチ式ディスプレイ6Cを用いて操作者による手をかざす動作に基づくタッチ操作を検知して、画面上(平面上)での手の接触状態/位置に応じて該当する楽音入力機器において入力信号の音量レベルを変更して、操作者がハウリングを生じている機器を特定することができるようにしたミキシング装置を示したが勿論これに限らない。例えば、多点タッチ式ディスプレイ6Cを用いることなしに、操作者による手をかざす動作を空間内で検知することができるようにしておき、この検知した空間内での手をかざす動作に従って特定の楽音入力機器7Aからの入力信号の音量を変更する(ミュートするあるいは音量レベルを下げるなど)ようにしてもよい。以下では、そうしたミキシング装置について説明する。図4は、操作者の動作を検知して入力信号の音量レベルに反映するこの発明に係るミキシング装置の別の実施例を示す概念図である。図5は、図4に示したミキシング装置を構成するスピーカ操作パッドEa〜Ed,マイク操作パッドFa〜Fdの全体構成の一実施例を示すハード構成ブロック図である。
図4に示すように、このミキシング装置は大きく分けてミキサ本体Zと立体的な形状をなす操作パッド(スピーカ操作パッドEa〜Ed,マイク操作パッドFa〜Fd)とからなる。操作パッドはステージ上に配置されている実際の楽音入力機器及び楽音出力機器に対応して同じ数だけ用意されるものであって、ステージ上での前記各機器の相対的な位置関係を一見して理解することができるように、操作者は個々の操作パッドをステージと同じような位置に載置板Yの上に適宜に動かして載置することができる。なお、載置板Yはあってもなくてもよい。
図4では説明を理解しやすくするために、ステージ上において楽音入力機器として4つのマイクロフォンa〜dを、楽音出力機器として4つのモニタスピーカA〜Dを使用する場合であって、マイクロフォンa〜dに対応するマイク操作パッドFa〜FdとモニタスピーカA〜Dに対応するスピーカ操作パッドEa〜Edをそれぞれ配置した場合の構成例を示している。これらマイク操作パッドFa〜Fd及びスピーカ操作パッドEa〜Edとミキサ本体Zとは無線通信により相互にデータ送受信を行うべく、ワイヤレスUSBやブルートゥース(商標)などの短距離無線通信用のインタフェースとして、操作パッドにおいては無線通信インタフェースMM(図5参照)を,ミキサ本体Zにおいては操作パッドインタフェースPI(図4参照)をそれぞれ具備している。なお、ミキサ本体Zのその他の構成については、図1に示したハード構成のうち多点タッチ式ディスプレイ6Cと検出回路6Aと表示回路6Bとを除いたものとほぼ同一構成であってよいことから、ここでの説明を省略する。
図5(A)に示すように、マイク操作パッドFa〜Fdは無線通信インタフェースMMの他に、制御回路MCと赤外線送信器MOとを具える。赤外線送信器MOは、外部に向かって無指向性の赤外線を発生する。制御回路MCは、ミキサ本体Zから無線通信インタフェースMMを介して取得した所定のビット列に基づくタイミング毎に赤外線を発生するように赤外線送信器MOを制御する。図4に示す例では、マイク操作パッドFcから3つのスピーカ操作パッドEa〜Ecに向かってそれぞれ単指向性の赤外線Rを発生している。こうした無指向性の赤外線を発生する場合には、特定のスピーカ操作パッドEa〜Edのみに向かって赤外線を発生せずに四方八方に赤外線を発生してよい。ただし、この場合には、前記所定のビット列(つまりは赤外線発生タイミング)をマイク操作パッドFa〜Fd毎に異ならせ、スピーカ操作パッドEa〜Edによる赤外線の受信の際にどのマイク操作パッドFa〜Fdから発生された赤外線であるかを判断できるようにしておく必要があることは言うまでもない。
他方、図5(B)に示すように、スピーカ操作パッドEa〜Edは無線通信インタフェースMMの他に、制御回路MCと赤外線受信器MIとを具える。赤外線受信器MIは、マイク操作パッドFa〜Fdの赤外線送信器MOから外部に向かって発生された無指向性の赤外線を受信する。制御回路MCは、受信した赤外線に基づくタイミング毎に所定のビット列を生成し、これを無線通信インタフェースMMを介してミキサ本体Zに送信する。
図4に示したミキシング装置においていずれかのモニタスピーカA〜Dからハウリングが生じている場合、操作者は配置してあるスピーカ操作パッドEa〜Ed毎に、各マイク操作パッドFa〜Fdとの間に手をかざすような動作を行う。すると、手をかざした一方の側のスピーカ表示Da〜Ddのいずれかに対応する楽音出力機器8Aに対して入力されている、手をかざしたもう一方の側のマイク表示Ma〜Mdのいずれかに対応する楽音入力機器7Aからの入力信号をミュートするあるいは音量を下げるように音量レベルが変更されて、これに伴い該変更された音量レベルに基づく信号制御を行うようデジタル信号処理回路DPに対して指示される。この音量レベルの変更に基づきハウリングが解消された場合には、手をかざしている操作パッドに対応する両機器をハウリングを生じている機器として特定する。一方、この音量レベルの変更に基づきハウリングの発生が解消されない場合には、手をかざしている操作パッドに対応する機器以外がハウリングを生じている機器であることから、さらに他の機器の組み合わせに従って操作パッド間に手をかざす動作を引き続き行っていく必要がある。
例えば図4において、モニタスピーカA(MONITOR A)とマイクロフォンc(MIC c)とがループ状態にあって、モニタスピーカA(MONITOR A)からハウリングを生じていると仮定する。その場合に、操作者がモニタスピーカA(MONITOR A)以外の他のモニタスピーカB〜D(MONITOR B〜D)に対応するスピーカ操作パッドEb〜Edと各マイクロフォンa〜d(MIC a〜d)に対応するマイク操作パッドFa〜Fdとの全ての組み合わせにおいて手をかざす動作を行うと、各マイク操作パッドFa〜Fdから各スピーカ操作パッドEb〜Edに向かって発生されていた赤外線Rが各スピーカ操作パッドEb〜Edに到達せずに正しく受信されなくなることに応じて、各マイクロフォンa〜d(MIC a〜d)から各モニタスピーカB〜D(MONITOR B〜D)へと入力されている入力信号の音量レベルが変更されるが、モニタスピーカA(MONITOR A)から生じているハウリングが解消されることはない。また、モニタスピーカA(MONITOR A)に対応するスピーカ操作パッドEaとマイク操作パッドEb〜Edとの組み合わせについて手をかざす動作を行ったとしても、モニタスピーカA(MONITOR A)から生じているハウリングは解消されない。したがって、操作者は現在手をかざしているマイクロフォンcとモニタスピーカAの組み合わせ以外の組み合わせについて、これらの機器はハウリングを生じている機器でないと判断することができる。
一方、操作者がスピーカ操作パッドEaとマイク操作パッドFcとの組み合わせにおいて手をかざした場合には、マイク操作パッドFcからスピーカ操作パッドEaに向かって発生されていた赤外線Rがスピーカ操作パッドEaに到達せずに正しく受信されなくなることに応じて、マイクロフォンcからモニタスピーカAへと入力されている入力信号の音量レベルが変更される。すると、この場合においてはモニタスピーカA(MONITOR A)から生じているハウリングが解消される。したがって、操作者は現在手をかざしているマイクロフォンcとモニタスピーカAの組み合わせについて、これらの機器はハウリングを生じている機器であると判断することができる。
次に、操作パッド間に操作者が手をかざす動作を行うことにあわせて、該当する入力信号の音量レベルを変更して出力信号に反映させる「メイン処理」について、図6を用いて説明する。図6は、図4に示したミキシング装置が実行するメイン処理の一実施例を示すフローチャートである。この「メイン処理」は、当該ミキシング装置本体の電源オン時に開始されて電源オフ時に終了される。
ステップS21は、各マイクロフォンa〜dから各モニタスピーカA〜Dへと送信する複数の入力信号の音量レベルそれぞれを記憶する所定の音量レジスタに、操作子4Aを操作するなどして機器に設定されている設定値を初期値として記憶する。ステップS22は、各マイクロフォンa〜dと各モニタスピーカA〜Dとの組み合わせの中から1つの組み合わせを順に選択する。この各マイクロフォンa〜dと各モニタスピーカA〜Dとの組み合わせは、ミキサ本体Zにおいて予め決められている楽音信号のミキシング入出力経路(信号の送信元・出力先に関する設定情報)に基づき順次に選択される。ステップS23は、前記選択されたマイクロフォンa〜dのいずれかに相当するマイク操作パッドFa〜Fdに、赤外線を発生するように指示する。ステップS24は、前記選択されたモニタスピーカA〜Dのいずれかに相当するスピーカ操作パッドEa〜Edから、赤外線を受光することに応じて生成された受信信号を取得する。
ステップS25は、前記赤外線を発生するよう指示されたマイク操作パッドFa〜Fdから発生された赤外線が、前記選択されたスピーカ操作パッドEa〜Edに届いていないか否かを判定する。すなわち、操作者による操作として前記選択されたマイク操作パッドFa〜Fdとスピーカ操作パッドEa〜Edとの間において手をかざす動作が行われており、該動作に伴い前記選択されたマイク操作パッドFa〜Fdから発生された赤外線が、前記選択されたスピーカ操作パッドEa〜Edに正しく到達したか否かを、前記取得した受信信号に基づき判定する。
前記選択されたマイク操作パッドFa〜Fdから発生された赤外線が、前記選択されたスピーカ操作パッドEa〜Edに正しく到達していないと判定した場合には(ステップS25のyes)、前記選択されたマイク操作パッドFa〜Fdに相当するマイクロフォンa〜dのいずれかに関して、前記選択されたスピーカ操作パッドEa〜Edに相当するモニタスピーカA〜Dのいずれかに対する入力信号の音量を一時的にミュートする(ステップS26)。他方、前記選択されたマイク操作パッドFa〜Fdから発生された赤外線が、前記選択されたスピーカ操作パッドEa〜Edに正しく到達したと判定した場合には(ステップS25のyes)、前記選択されたマイク操作パッドFa〜Fdに相当するマイクロフォンa〜dのいずれかに関して、前記選択されたスピーカ操作パッドEa〜Edに相当するモニタスピーカA〜Dのいずれかに対する入力信号の音量が一時的にミュートされていれば、そのミュートを解除してミュート前の音量に戻す(ステップS27)。
ステップS28は、マイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dの組み合わせ全てについて上記ステップS22〜ステップS27までの処理を行ったか否かを判定する。マイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dの組み合わせ全てについて上記処理を行っていないと判定した場合には(ステップS28のno)、ステップS22の処理へ戻り上記ステップS22〜ステップS27までの処理を繰り返し実行する。マイクロフォンa〜dとモニタスピーカA〜Dの組み合わせ全てについて上記処理を行ったと判定した場合には(ステップS28のyes)、ミキサ本体Zの操作子4Aの操作に応じて所望の信号経路についてマイクロフォンa〜dからの入力信号の音量レベルの設定を変更する(ステップS29)。ステップS29の処理を終了するとステップS22の処理に戻って、上記ステップS22〜ステップS29までの処理を繰り返し実行する。
以上のようにすると、モニタスピーカA〜Dのいずれかからハウリングが生じている場合に、操作者は任意のマイク操作パッドFa〜Fdいずれかとスピーカ操作パッドEa〜Edいずれかとの間に手をかざす動作を順次に行っていくことで、ハウリングを生じている機器つまりはループ状態にある機器を特定することがすばやくできる。これにより、操作者は入力信号の音量レベルを調整するために割り当てられた操作子4Aの各フェーダCH1〜CH4を順次に操作しなくとも、各操作パッド間での手をかざす動作を行うだけで、どのモニタスピーカA〜Dがハウリングを生じているものか、どのマイクロフォンa〜dからの信号の影響を受けてハウリングを生じているのかといった、ハウリングを生じている機器つまりはループ状態にある楽音入力機器と楽音出力機器との組み合わせを特定することが簡単に楽しくできることになる。
なお、操作パッド間でのビット列の送受信は赤外線等の光によるものに限らず、電波や超音波等によるものであってもよい。
なお、手をかざす動作によることに限らずに、多点タッチ式ディスプレイ6C上あるいは操作パッド間に何らかの障害物を置くなどすることに従い、ハウリングを生じている機器を特定できることは言うまでもない。また、多点タッチ式ディスプレイ6C上においては置いた障害物の重さに従って、操作パッド間においては置いた障害物の厚さや大きさ等に従って、変更すべき音量の制御量を決定するようにしてよい。勿論、こうした場合においては、多点タッチ式ディスプレイ6Cや各操作パッドをそれにあわせた構成とすることは言うまでもない。
なお、上述した実施例1ではタッチパネルにマイクロフォンやスピーカに対応する図形イメージを表示し、それをドラッグ操作して配置を決めるようにしたが、それに替えて、それぞれがマイクロフォンやスピーカに対応付けてある、底面が固有の形状をしているパッドをタッチパネル上に配置し、その図形(底面の形状)をタッチパネルで検出することにより各パッド位置を検出し、タッチパネルのパッド間位置に信号の経路を表示して、上記した実施例1と同様の制御を行うことができるようにしてもよい。
なお、上述した実施例においてはハウリングが生じている機器の特定後に、操作子4Aを操作して入力信号の音量レベルを変更することによりハウリングを解消するようにしたが(図3のステップ11又は図6のステップS29参照)、これに限らない。例えば、ハウリングが生じている機器として特定したマイクロフォンとモニタスピーカの相対的な向きを変える、距離を遠ざける等してそれらの配置位置を調整する、あるいは操作子4Aを用いて発振する周波数を減衰させる、楽音の出力を遅らせるなどの公知の方法に従ってよい。
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4(6A)…検出回路、4A…操作子、5(6B)…表示回路、5A…表示器、6C…多点タッチ式ディスプレイ、DP…デジタル信号処理回路(DSP)、7…入力信号インタフェース、7A…楽音入力機器、8…出力信号インタフェース、8A…楽音出力機器、9…記憶装置、10…MIDIインタフェース、10A…MIDI機器、11…通信インタフェース、11A…サーバ装置、X…通信ネットワーク、1D…通信バス(データ及びアドレスバス)、Da(Db,Dc,Dd)…スピーカ表示、Ma(Mb,Mc,Md)…マイク表示、L1(L2〜L4,L1´,L3´)…信号線、Z…ミキサ本体、Ea(Eb,Ec,Ed)…スピーカ操作パッド、Fa(Fb,Fc,Fd)…マイク操作パッド、R…赤外線、Y…載置板、PI…操作パッドインタフェース、MI…赤外線受信器、MO…赤外線送信器、MC…制御回路、MM…無線通信インタフェース