JP2010025604A - 曲管の応力評価方法および曲管の応力評価装置 - Google Patents

曲管の応力評価方法および曲管の応力評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 他の埋設物などが近接して曲管部を直接測定することができない場合であっても、曲管の断面扁平の影響を受けず、精度よく曲管に生じる軸方向および円周方向応力を評価することが可能な、曲管の応力評価方法および曲管の応力評価装置を提供する。
【解決手段】 制御部7は、あらかじめ入力された管路情報に基づき、露出した直管35a、35bそれぞれに、管路に応じた適切な応力測定部41a、41bを設定する。応力測定部41aは、曲管37と直管35aとの接続部である管接続部43aから直管35aの方向に、管径45の3〜5倍の測定部距離47a離れた位置に設定される。
【選択図】図4

Description

本発明は、直管と曲管とが接続された管路において、曲管に生じる応力を評価することが可能な曲管の応力評価方法および曲管の応力評価装置に関するものである。
従来、埋設管が地盤沈下などの影響を受け、埋設管に応力が発生すると、この応力が一定値を超えないように、適宜管路上の土砂を取り除き、管路の沈下分を持ち上げて、応力を低減する応力解放工事が行われる。したがって、管路の応力評価は重要である。
一方、管路は、障害物を避けたり埋設工事の施工条件等のため、直管と曲管とが組み合わされて形成される。前述の通り、埋設管が地盤沈下の影響を受けると、通常、管路に生じる応力は、曲管の中央部において最大応力が発生することが多い。したがって、曲管の中央部における応力評価は特に重要である。
図8は、地面81に埋設された管路における曲管85の応力評価方法を示す図である。直管83aと直管83bとの間に曲管85が接続される。前述の通り、管路が地盤沈下等の影響を受けると、曲管85の特に中央部(図中矢印X部近傍)に最大応力が発生することが多い。
曲管85の応力を知るためには、図8に示すように地面81を掘削し、曲管85を露出させる。その後、露出した曲管85の応力を直接測定することで、精度よく曲管85の応力を知ることができる。
このような、曲管の応力評価方法としては、例えば、曲管の周方向に磁気異方性センサを移動させながら主応力差の分布を測定し、その値をカルマンの式に回帰させることで曲管に発生する応力を推定する方法がある(特許文献1)。
また、隠蔽部分に曲管部が設けられ、曲管部に接続された直管部が露出しており、直管部の応力を磁歪装置で測定し、曲管部の応力またはひずみを推定する方法がある(特許文献2)。
また、管路の応力を測定する方法として、直管部にモーメントが作用した場合の管表面に発生する応力を材料力学的に評価し、磁気異方性センサの出力を周期360°の余弦関数に回帰することにより、余弦関数の振幅成分と位相角とから曲げ応力の大きさ、方向を求める方法がある(特許文献3)。
特開2003−177066号公報 特開平5−281062号公報 特開平1−308933号公報
しかし、特許文献1に記載された手法では、曲管に生じる応力を極めて精度よく測定することが可能ではあるが、曲管の周囲に他の埋設物がある場合や、曲管が構造物の壁内などに設けられる場合などのように、曲管へアクセスすることが困難な場合には、曲管の応力を直接測定することができないという問題がある。
また、特許文献2に記載された手法は、あらかじめ実験によって直管部に発生する周方向応力・ひずみと、診断したい曲管に発生する応力との関係を求めておき、現場で磁歪装置によって直管部の周方向応力を求め、実験値と照らし合わせることで曲管部の応力を診断するものである。
しかし、磁歪装置の出力とsinθ近似値との各角度における偏差に近似するsin2θによって、変形による影響を近似させて応力を得るものであり、このようにみなした場合に、実際の応力との乖離の程度は明確ではないという問題がある。すなわち、曲管の断面扁平の影響がある直管部における軸方向の応力を高い精度で求めることができないため、その結果として曲管に生じる軸方向および円周方向の応力を高い精度で推定することはできないという問題がある。
また、特許文献3に記載の手法では、管の断面変形がない場合の測定方法を示したものであり、曲管部に影響が及ばない位置での測定が前提であるものの、どのようにすれば曲管部に影響がない条件で測定が可能であるかについては記載がなく、曲管の応力を精度よく測定することが困難であるという問題がある。すなわち、測定された管に生じる主応力差から、曲管に生じる軸方向および円周方向の応力を正確に測定することはできないという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、他の埋設物などが近接して曲管部を直接測定することができない場合であっても、曲管の断面扁平の影響を受けず、精度よく曲管に生じる軸方向応力および円周方向応力を評価することが可能な、曲管の応力評価方法および曲管の応力評価装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、直管と曲管とが接続された管路における曲管の応力評価方法であって、前記直管と前記曲管との接続部から前記直管側に前記直管の径の3〜5倍の位置に応力測定部を設定する工程(a)と、前記応力測定部で直管に生じる主応力差を測定する工程(b)と、前記主応力差に基づいて、曲管の軸方向応力および円周方向応力を算出する工程(c)と、を具備することを特徴とする曲管の応力評価方法である。
前記工程(b)は、磁気異方性センサにより前記直管の主応力差が測定されてもよい。
ここで、管に生じる主応力差とは、管の軸方向の応力と周方向の応力の差をいう。通常、磁気異方性センサを用いて管の応力を測定する場合には、管の直交2方向の応力差、すなわち主応力差が測定される。
第1の発明によれば、曲管との接続部から前記直管側に前記直管の径の3〜5倍の位置で直管の応力を測定するため、曲管の扁平による影響を受けることなく、精度よく曲管の応力を評価することができる。特に、直管の応力測定に磁気異方性センサを使用すれば、簡易に直管の応力を知ることができる。
第2の発明は、直管と曲管とが接続された管路における曲管の応力評価装置であって、前記直管と前記曲管との接続部から前記直管側に前記直管の径の3〜5倍の位置に応力測定部を設定する手段と、前記応力測定部における前記直管に生じる主応力差を測定する手段と、前記主応力差に基づいて、曲管の軸方向および円周方向応力を算出する手段と、を具備することを特徴とする曲管の応力評価装置である。
第2の発明によれば、曲管との接続部から前記直管側に前記直管の径の3〜5倍の位置に直管の応力測定部を設定するため、曲管の扁平による影響を受けることなく、精度の高い曲管の応力評価装置を提供することができる。
本発明によれば、他の埋設物などが近接して曲管部を直接測定することができない場合であっても、曲管の断面扁平の影響を受けず、精度よく曲管の軸方向および円周方向応力を評価することが可能な、曲管の応力評価方法および曲管の応力評価装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る曲管の応力評価装置1を実現するハードウェア構成図である。曲管の応力評価装置1は、主に解析装置3と主応力差測定器5等から構成される。解析装置3はコンピュータであり、主応力差測定器5は例えば磁気異方性センサである。なお、主応力差の測定方法としては、磁気異方性センサによる測定以外にも、音弾性法を用いた測定装置を使用してもよい。
解析装置3は、制御部7、記憶部9、メディア入出力部11、通信制御部13、入力部15、表示部17、周辺機器I/F部19等から構成され、それらがバス21を介して接続される。
制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
CPUは、記憶部9、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス21を介して接続された各装置を駆動制御し、曲管の応力評価装置1が行う処理を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部9、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部7が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
記憶部9は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部7が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラムや、後述の処理に相当するアプリケーションプログラムが格納されている。
これらの各プログラムコードは、制御部7により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
メディア入出力部11(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CDドライブ(−ROM、−R、RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置を有する。
通信制御部13は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワークを介して、他のコンピュータ間との通信制御を行う。
入力部15は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。
入力部15を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
表示部17は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
周辺機器I/F(インタフェース)部19は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部19を介してコンピュータは周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部19は、USBやIEEE1394やRS−232C等で構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。
周辺機器I/F部19には、主応力差測定器5が接続される。主応力差測定器5からの測定データは、周辺機器I/F部19から解析装置3へ入力され、記憶部9等へ保存される。なお、周辺機器I/F部19と主応力差測定器5との接続形態は有線、無線を問わない。
バス21は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
次に、曲管の応力評価装置1の動作について説明する。図2は、曲管の応力評価装置1による曲管の応力を評価する工程を示すフローチャートである。
まず、制御部7は、あらかじめ記憶部9に保存されている測定対象である管径の情報に基づいて、主応力差を測定する主応力差測定部を設定する(ステップ101)。
主応力差測定部の設定に当たっては、まず、地面を掘削して管路を露出させる。図3、図4は、直管35a、35b、曲管37がそれぞれ接続された管路を示す図である。図3に示すように、曲管37は直管35a、35bと接続され、地面33に埋設されている。図3では、曲管37近傍には、他の埋設管39が埋設されている例を示す。前述の通り、曲管37の中央部(図中矢印A)近傍の応力を直接測定することが可能であれば、従来の方法で正確に曲管37の軸方向および円周方向応力を知ることができる。しかし、曲管37近傍に埋設管39が存在するため、曲管37の軸方向および円周方向応力を直接測定することができない。
図4は、直管35a、35bが露出するように、地面33を掘削した状態を示す図である。埋設管39がなければ、曲管37が露出するように地面33を掘削すれば良いが、曲管37の応力測定が不可能である場合には、直管35a、35bの主応力差から曲管の軸方向および円周方向応力を評価しなくてはならない。
制御部7は、あらかじめ入力され、記憶部9に保持された管路情報に基づき、露出した直管35a、35bそれぞれに、管路に応じた適切な応力測定部41a、41bを設定する。応力測定部41aは、曲管37と直管35aとの接続部である管接続部43aから直管35aの方向に、管径45の3〜5倍の測定部距離47a離れた位置に設定される。
同様に、直管35bの応力測定部41bは、曲管37と直管35bとの接続部である管接続部43bから直管35bの方向に、管径45の3〜5倍の測定部距離47b離れた位置に設定される。
ここで、測定部距離47a、47bを管径45の3倍よりも小さくし、応力測定部41a、41bを曲管37側に設定すると、応力測定部41a、41bは直管35a、35bの断面変形の影響を受けるため、測定された主応力差としては、周方向の応力の影響が大きくなる。したがって、曲管37の軸方向および円周方向応力を正確に評価することができない。
一方、測定部距離47a、47bを管径45の5倍よりも大きくし、応力測定部41a、41bを曲館37から遠い位置に設定すると、直管35a、35bに生じる応力が小さくなり、曲管37における応力を正確に評価することができない。したがって、応力測定部41a、41bは、管接続部43a、43bからそれぞれ直管35a、35bの側へ、管径45の3倍〜5倍の間の位置に設定することが望ましく、更に望ましくは管径45の略4倍の位置に設定する。
なお、最も望ましい測定部距離47a、47bは、厳密にはパイプ係数(管の半径をr、曲管の曲率半径をR、肉厚をtとした時にtR/rによりあらわされる係数)により異なる。このため、測定対象のパイプ形状に応じて、上述の範囲内であらかじめ最適測定部距離を求めておき、記憶部9にパイプ係数毎に最適測定部距離が保存されていることが望ましい。
この場合、制御部7は、対象となるパイプに応じて、管径に対する上述の測定部距離の範囲内で、特に望ましい最適測定部距離を、記憶部9から抽出して設定することができる。なお、パイプ係数による最適測定部距離の設定方法については後述する。
次に、制御部7は、主応力差測定器5により応力測定部41a、41bにおける直管35a、35bに生じる応力を測定する(ステップ102)。主応力差測定器5は、例えば磁気異方性センサによるものである。磁気異方性センサを用いる場合には、測定部における直管の円周方向の応力は、例えば特開平5−281057に記載の方法で測定される。
次に、制御部7は、主応力差測定器5によって測定された直管35a、35bの主応力差を入力し、記憶部9に保存する(ステップ103)。たとえば、直管35a、35bの各位置(角度)における磁気異方性センサによる出力値を解析装置3に入力し、データを記憶部9に保存する。データの入力は、周辺機器I/F部19によって、主応力差測定器5からのデータを記憶部9へ保存してもよく、また、入力部15を介して行っても良い。また、メディア入出力部11を用いても良い。また、ネットワークを介して、他のコンピュータからデータを送信しても良い。
次に、制御部7は、ステップ103で取り込まれた直管35a、35bの主応力差データと、あらかじめ記憶部9に保存されている埋設管の情報(例えば、直管35a、35bおよび曲管37の材質、径や厚み等に応じた管の強度、弾性係数および管路の形状などの曲管の応力算出に必要なデータ)から、曲管37に生じる応力を算出する(ステップ104)。
なお、直管35a、35bの主応力差から曲管37の軸方向および円周方向応力の算出に当たっては、あらかじめ記憶部9に保持されている管路の形状等のデータを用いて、式(1)に回帰させてモーメントMを算出する。
σ=(P/A)+(M/z)・cos(φ―θ) ・・・(1)
式(1)は、直管35a、35bに軸力Pと曲げモーメントMが作用した時の管表面の応力分布を表している。ここで、式中、Aは管の断面積、zは管の断面係数、θはcos(φ―θ)=1となる円周方向位置(角度)であり曲げの方向を示す。
ステップ103により取り込まれた直管35a、35bの円周方向に沿った主応力差の分布を(1)式に回帰させれば、直管35a、35bが断面変形のない梁とみなした応力分布を知ることができる。すなわち、曲管37が扁平すると曲管37に接続される直管35a、35bも断面変形が生じるが、直管35a、35bの変形の影響を受けない部位においては、円周方向応力がほぼゼロになるため、式(1)を適用して曲げ応力(軸方向応力)を知ることができる。
制御部7は、あらかじめ入力された管路情報に基づき管路をモデル化し、直管35a、35bの曲げ応力(軸方向応力)を境界条件として、有限要素法により曲管37の軸方向および円周方向応力を算出する。
ここで、測定部距離47a、47bは、前述の通り、管径45の3倍〜5倍の間で設定される。このため、直管35a、35bにおいては、周方向応力の影響が、軸方向応力に対して、無視することができる程度に極めて小さくなる。すなわち、応力測定部41a、41bにおける主応力差の測定データは、従来の方法のベースである梁理論による理論値との差がきわめて小さくなり、曲管断面扁平(周方向応力)の影響は、軸方向応力に対して無視できるほど小さいため、(1)式を適用して、精度よく曲管37の曲げ応力(軸方向応力)を算出することができる。
次に、制御部7は、ステップ104により算出された曲管37の軸方向および円周方向応力を所定の方法で出力する(ステップ105)。なお、算出データの出力は、表示部17を介してディスプレイ装置に表示しても良い。また、適当なファイル形式によるファイルに出力しても良い。また、ネットワークを介して、他のコンピュータにデータの送信を行っても良い。以上により、曲管37の軸方向および円周方向応力を得ることができる。
本発明にかかる曲管の応力評価装置1によって算出された曲管の軸方向および円周方向応力について、その妥当性を検証した。図5は、実験に用いた管路モデルを示す模式図である。
直管51aと直管51bとの間に、90°の開き角度でまがった曲管53を接続して実験に供した。直管51a、51bは外径が318.5mmで肉厚が9.9mmの鋼管を用いた。曲管53は、外径318.5mmで肉厚が11.8mm、曲率半径が457.2mmの鋼管を用いた。直管51a、51bと曲管53との接続は溶接によって接合した。
直管51a、51bのそれぞれの、曲管53との接合部である管接続部57と反対側の端部にはフランジ63a、63bが設けられ、フランジ63bによって、直管51bを床65に対して垂直に固定した。
直管51aの端部(フランジ63a)に対して、図示を省略したジャッキによって、矢印Wの方向に荷重を加え、直管51a、曲管53それぞれの応力を測定した。なお、矢印Wは、直管51aに垂直かつ曲管53の曲がりの方向である。
直管51aの応力測定部67は、管接続部57から直管51aの側に測定部距離61(=L)だけ離れた位置に設定した。なお、応力測定部67は、管径59(=D)の1倍〜7倍の位置で設定した(L=D〜7D)。ただし、磁気異方性センサによる応力測定は、1D、3D、6Dの位置のみで行った。また、磁気異方性センサによる直管の応力測定は、特開平5−281057に記載の方法でおこなった。
図5に示す試験体の所定の位置には図示を省略したひずみゲージを貼り付けた。また、測定された応力は、事前に図5と同様のモデルによって解析された有限要素法による計算結果と比較した。
図6(a)〜図6(d)は、それぞれの応力測定部67における、ひずみゲージによる結果と、有限要素法による計算結果を示す図である。なお、図中白丸(S)は有限要素法による主応力差の算出結果を示し、図中黒三角(T)はひずみゲージによる測定結果から計算される主応力差である。図6(a)〜図6(d)において、SとTはよく一致した。すなわち、応力測定結果は、FEM解析結果を基準として評価することができる。
また、図中、細線は有限要素法により算出された軸方向応力69を示し、太線は有限要素法により求められたSに基づいて、式(1)で回帰して得られた主応力差71を示す。
図6(a)は、測定部距離61が、管接続部57から直管51a側へ管径Dの1倍である場合(L=D)の結果を示す図である。前述の通り、有限要素法による主応力差の算出結果Sとひずみゲージによる測定結果から計算される主応力差Tはよく一致している。
しかし、有限要素法により算出された軸方向応力69と有限要素法による主応力差の算出結果Sとは大きく異なる。すなわち、L=1Dの部位では、周方向応力の影響が大きく、主応力差Sから周方向応力を無視することはできない。このため、主応力差71と軸方向応力69との間にも乖離がみられた。
同様に図6(b)は、L=3Dの部位での主応力差71等の結果を示す図である。L=3Dの部位では、多少の差は見られるものの、概ね軸方向応力69は、S点および主応力差71と一致する。すなわち、L=3Dの部位では、周方向応力の影響が軸方向応力に対して小さくなっていることが分かる。したがって、円周方向に沿った主応力差の測定値から回帰して求められる主応力差71によって、直管の軸方向応力を知ることができる。
同様に図6(c)は、L=5Dの部位での主応力差71等の結果、図6(d)は、L=6Dの部位での主応力差71等の結果を示す図である。L=5D、6Dの部位では、軸方向応力69は、S点および主応力差71と極めてよく一致する。すなわち、L=5D、6Dの部位では、周方向応力の影響が軸方向応力に対して極めて小さくなっていることが分かる。
ただし、L=6Dの部位では、応力測定部67が管接続部57からかなり離れているため、応力の大きさが小さくなる。すなわち、応力測定部67がL=5Dを超えると、曲管53の応力を正確に評価することがかえって困難となる。したがって、測定部距離61はL=5Dまでとすることが望ましい。
図7は、図6の結果を曲管端部からの距離(測定部距離61)について整理した図である。
図中黒丸(P)は磁気異方性センサによる測定値に基づいて(1)式で回帰した点であり、白三角(R)は有限要素法により求められた円周方向に沿った軸および周方向の応力から主応力差を求め、その値を式(1)で回帰して得られた点(図6の主応力差71に相当)であり、白四角(Q)は、有限要素法により求められた最大軸方向応力である。また、実線は管頂ラインの主応力差73および管底ラインの主応力差75を示す。また、破線は、梁理論に基づいた曲げ応力(軸方向応力77)を示す。
L/Dが3では、P(またはR)とQは概ね一致する。すなわち、前述の通りL/Dが3であれば、直管の円周方向に沿っての主応力差の分布を測定し、式(1)へ回帰させることで、概ね従来の梁理論に基づく曲げ応力(軸方向応力77)を知ることができる。直管の軸方向応力77を正確に知ることで、曲管の軸方向および円周方向応力を正確に評価することができる。
なお、前述の通り、L/Dが大きくなるにつれ、P(またはR)は軸方向応力77とよく一致する。しかし、L/Dが6以上では、応力の絶対値が小さくなりすぎるため望ましくない。測定の精度を考慮すると、L/D=3〜5が望ましく、図5に示した、最も使用頻度の高い形状の直管35a、35bおよび曲管37のサイズにおいては、L/D=4が最も望ましい応力測定部67であるといえる。
なお、一般的な管路における望ましい応力測定部67はL/D=3〜5であるが、管路に応じた最も望ましい最適測定部距離は、前述の通り、厳密には管路を形成する管体のパイプ係数により異なる。すなわち、図5に示した管形状でのパイプ係数では、L/D=4が望ましい応力測定部67となるが、管形状や曲管の開き角度が異なる場合には、以下の方法で最適応力測定部67を求めることができる。
まず、対象の曲管について、曲管の両側に10D程度の直管を取り付けた試験体のメッシュ分割を行う。
次に、自重および集中荷重(一定モーメントではなく)を直管端部に加え、曲管中央断面と曲管端部から例えば1D、3D、5D、7Dの断面位置の管軸方向応力、主応力差等の分布を図6のようにプロットする。
次に、主応力差の分布を余弦関数に回帰した曲線を同図にプロットし、この回帰線から180°の位置における値を抽出する。
次に、図7に対応する図を作成し、破線と実線およびQがほぼ一致する最小のL/Dを読み取る。この値が、対象となる管路に最適測定部距離となる。
以上本発明の実施の形態によれば、直管に接続された曲管の応力が直接測定できない場合であっても、精度よく曲管の応力を測定することができる。
直管の応力は磁気異方性センサを用いることで精度よく測定することができる。また、円周方向に沿った主応力差の測定値を式(1)に回帰させることで、直管の曲げ応力を算出することが可能であり、回帰曲線が梁理論に基づく軸方向応力と一致する位置で直管の応力を測定するため、直管に生じる断面変形の影響をほとんど受けることがない。特に、直管の応力測定位置を、直管と曲管の接続部から直管側に直管径の3〜5倍の位置に設定することで、回帰曲線は梁理論に基づく軸方向応力とよく一致するため、直管の応力から容易に精度よく曲管の応力を算出することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
曲管の応力評価装置1を実現するハードウェア構成図。 曲管の応力評価装置1による応力の評価工程を示すフローチャート。 直管35a、35bの応力測定方法を示す図。 直管35a、35bの応力測定方法を示す図。 直管51aの測定位置と応力との関係を調べるための試験体を示す図。 直管51aの測定位置による、直管の円周方向に沿った応力分布と主応力差等の関係を示す図。 直管51aの測定位置による、主応力差と軸方向応力との関係を示す図。 従来の曲管の応力測定方法を示す図。
符号の説明
1………曲管の応力評価装置
3………解析装置
5………主応力差測定器
7………制御部
9………記憶部
11………メディア出力部
13………通信制御部
15………入力部
17………表示部
19………周辺機器I/F部
21………バス
33………地面
35a、35b………直管
37………曲管
39………埋設管
41a、41b………応力測定部
43a、43b………管接続部
45………管径
47a、47b………測定部距離
51a、51b………直管
53………曲管
57………管接続部
59………管径
61………測定部距離
63………フランジ
65………床
67………応力測定部
69………軸方向応力
71………主応力差
73………管頂ライン主応力差
75………管底ライン主応力差
77………軸方向応力
81………地面
83a、83b………直管
85………曲管

Claims (3)

  1. 直管と曲管とが接続された管路における曲管の応力評価方法であって、
    前記直管と前記曲管との接続部から前記直管側に前記直管の径の3〜5倍の位置に応力測定部を設定する工程(a)と、
    前記応力測定部で直管に生じる主応力差を測定する工程(b)と、
    前記主応力差に基づいて、曲管の軸方向応力および円周方向応力を算出する工程(c)と、
    を具備することを特徴とする曲管の応力評価方法。
  2. 前記工程(b)は、磁気異方性センサにより前記直管の主応力差が測定されることを特徴とする請求項1記載の曲管の応力評価方法。
  3. 直管と曲管とが接続された管路における曲管の応力評価装置であって、
    前記直管と前記曲管との接続部から前記直管側に前記直管の径の3〜5倍の位置に応力測定部を設定する手段と、
    前記応力測定部における前記直管に生じる主応力差を測定する手段と、
    前記主応力差に基づいて、曲管の軸方向応力および円周方向応力を算出する手段と、
    を具備することを特徴とする曲管の応力評価装置。
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