JP2010023845A - 液体用紙容器およびその製造方法 - Google Patents

液体用紙容器およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体用紙容器としての性能は維持しつつ、使用後に紙基材層とバリア層とを剥離することができるリサイクル効率の高い液体用紙容器を提供すること。
【解決手段】オレフィン系樹脂からなる最外層1、紙基材層2、接着調整層3、接着樹脂層4、アルミニウムを含むバリア層5、樹脂フィルム層6およびオレフィン系樹脂からなる最内層7が順次積層された積層体を製函してなることを特徴とする液体用紙容器である。接着調整層3は、アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体またはアクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−スチレン共重合体により形成することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、酒、焼酎、ワイン等の包装に好適な液体用紙容器およびその製造方法に関する。
従来、酒、焼酎、ワイン、牛乳、ジュース等の包装に液体用紙容器が使用されている。このような液体用紙容器は、内容物の酸化劣化を防止するため、紙容器を形成する積層体中に、アルミニウム箔層、アルミニウム蒸着層等のバリア層を介在させている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−321495号公報
しかしながら、このような積層体を使用した液体用紙容器では、高いバリア性が得られるものの、紙基材層とバリア層とが強固に接着しているため紙基材層とバリア層とを容易に剥離することができず、リサイクル効率が低いという問題があった。
従って、本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、液体用紙容器としての性能は維持しつつ、使用後に紙基材層とバリア層とを剥離することができるリサイクル効率の高い液体用紙容器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための第一の発明は、オレフィン系樹脂からなる最外層、紙基材層、接着調整層、接着樹脂層、アルミニウムを含むバリア層、樹脂フィルム層およびオレフィン系樹脂からなる最内層が順次積層された積層体を製函してなることを特徴とする液体用紙容器である。
ここで、接着調整層は、アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体またはアクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−スチレン共重合体からなることが好ましく、また、接着樹脂層は、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体またはエチレン−マレイン酸共重合体からなることが好ましい。さらに、接着樹脂層の接着調整層と接する側の表面をオゾン処理することも好ましい。
第二の発明は、オレフィン系樹脂からなる最外層、紙基材層、接着調整層、接着樹脂層、アルミニウムを含むバリア層、樹脂フィルム層およびオレフィン系樹脂からなる最内層が順次積層された積層体を製函してなる液体用紙容器の製造方法であって、最外層が積層された紙基材層の紙基材層側に、アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体またはアクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−スチレン共重合体を溶解させた水系組成物を塗布して接着調整層を形成させた後、この接着調整層と、バリア層が積層された樹脂フィルム層との間に、接着樹脂層を構成する樹脂材料を溶融押出してサンドイッチラミネートする工程を含むことを特徴とする液体用紙容器の製造方法である。この製造方法では、溶融押出しされた樹脂材料にオゾンを吹付けながらサンドイッチラミネートしてもよい。
本発明によれば、液体用紙容器としての性能は維持しつつ、使用後に紙基材層とバリア層とを剥離することができるリサイクル効率の高い液体用紙容器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る液体用紙容器を形成するための積層体の模式断面図である。図1に示すように、本実施の形態における積層体は、オレフィン系樹脂からなる最外層1、紙基材層2、接着調整層3、接着樹脂層4、アルミニウムを含むバリア層5、樹脂フィルム層6およびオレフィン系樹脂からなる最内層7がこの順に積層されてなるものである。本実施の形態に係る積層体は、紙基材層2と接着樹脂層4との間に接着調整層3を介在させることで、接着樹脂層4の紙基材層2に対する接着強度を弱めた(阻害した)ことに特徴がある。このような積層順とすることで、積層体を紙容器に加工する際および加工された紙容器を使用する際には層間剥離は起こらず、使用後には人間の力程度で紙基材層2側とバリア層5側とを分離することができる。
本発明における最外層1および最内層7を構成するオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、チーグラー系低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン等が挙げられる。低温シール性、透明性、加工適性という観点から、オレフィン系樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。最外層1の厚さは、5μm〜50μmであることが好ましい。また、最内層7の厚さは、10μm〜100μmであることが好ましい。なお、最外層1および最内層7には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、染料、顔料等を適宜添加してもよい。
本発明における接着樹脂層4は、主に、エチレンとメタクリル酸等の酸変性樹脂材料から構成される。このような樹脂材料の具体例としては、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体またはエチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの材料の中でも、バリア層5のアルミニウムと強い接着性が得られるとともに、加工適性に優れ、これらの材料の中では価格が比較的安価であるという点で、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体およびエチレン−マレイン酸共重合体が好ましい。接着樹脂層4の厚さは、5μm〜80μmであることが好ましい。
本発明における接着調整層3は、接着樹脂層4の紙基材層2に対する強固な接着を阻害する役割を果たす層である。この接着調整層3は、紙基材層2との接着性が良好で、且つ接着樹脂層4との接着性が、接着樹脂層4と紙基材層2との接着力よりもある程度低くなるような樹脂材料から構成されていればよく、その具体例としては、アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−スチレン共重合体等が挙げられる。これらの材料の中でも、接着樹脂層4を構成する材料として、上述したエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)またはエチレン−マレイン酸共重合体を用いる場合には、アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体およびアクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−スチレン共重合体が好ましい。これらの共重合体を構成する(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基の炭素数は4〜8であることが好ましい。
本発明における紙基材層2を構成する紙基材としては、コートボール、カード紙、アイボリー紙、マニラボール等の板紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙、クラフト紙、上質紙等の公知の紙を用いることができる。紙基材の坪量は、紙容器の形態に応じて適宜決定すればよいが、通常、100g/m2〜500g/m2である。
また、紙基材層2上に最外層1または接着調整層3を積層させる前に、紙基材層2となる紙基材の表面にコロナ放電処理、フレーム処理、オゾン処理、アンカーコート剤処理等を施してもよい。これらの処理を施すことで層間の接着強度を向上させることができる。コロナ放電処理は、公知のコロナ放電処理器を用い、発生させたコロナ雰囲気中に紙基材を通過させることにより行うことができる。フレーム処理は、公知のフレーム処理器を用い、紙基材表面を火で炙ることにより行うことができる。オゾン処理は、公知のオゾン処理器を用い、発生させたオゾン雰囲気中に紙基材を通過させることにより行うことができる。アンカーコート剤処理は、紙基材表面にグラビア印刷等で公知の水系アンカーコート剤を塗布することにより行うことができる。
本発明における樹脂フィルム層6は、製函する際に積層体に吹き付けられる熱風の熱に耐え得るとともに、外部からの物理的ストレスに耐え得る物理的強度を有する樹脂材料から構成される。このような材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等が挙げられる。樹脂フィルム層6の厚さは、5μm〜30μmであることが好ましい。
本発明におけるバリア層5は、主に、水蒸気、水、ガス等を透過させない性質を有するアルミニウムを含む材料から構成される。このような材料の具体例としては、アルミニウム箔が挙げられるが、アルミニウム箔の代わりに、真空蒸着またはスパッタリングによって樹脂フィルム層6上に形成されたアルミニウム蒸着膜であってもよい。
バリア層5としてアルミニウム箔を用いる場合、ウレタン系接着剤、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等のラミネート用接着剤を用いて樹脂フィルム層6上に積層させることが好ましい。アルミニウム箔の厚さは、3μm〜20μmであることが好ましい。接着剤の塗布量は、接着剤の厚さが乾燥皮膜として0.1g/m2〜5g/m2となるように適宜設定すればよい。また、バリア層5としてアルミニウム蒸着膜を用いる場合、アンカーコート剤処理された樹脂フィルム層6上にアルミニウム蒸着膜を形成することが好ましい。アルミニウム蒸着膜の厚さは、100Å〜1000Åであることが好ましい。
上記のように構成された積層体における接着調整層3と接着樹脂層4との間の接着強度は、0.2N/15mm幅〜1.5N/15mm幅であることが好ましく、0.5N/15mm幅〜1N/15mm幅であることが更に好ましい。接着強度が、0.2N/15mm幅未満であると、積層体を紙容器に加工する際および加工された紙容器を使用する際に層間剥離が起こる場合があり、また、接着強度が1.5N/15mm幅を超えると、リサイクルする際に紙基材の内部から剥離が起こってリサイクル効率が低下する場合がある。なお、接着強度の測定は、まず積層体を15mm幅にて100mm切り出して試験片とし、切り出した試験片の一方から紙基材層2と接着樹脂層4とを50mmまで剥がし、引張り試験機の両チャックにそれぞれチャッキングする。チャック間距離は100mmとする。そして25℃雰囲気下、50mm/minの引張り速度で180度方向に剥がし、最大荷重を測定する。測定は5回行い、その算術平均を接着調整層3と接着樹脂層4との間の接着強度とする。
このように規定される接着強度は、接着樹脂層4および接着調整層3に用いる材料の組み合わせを変更したり、接着樹脂層4の接着調整層3と接する側の表面をオゾン処理したりすることによって、適宜増大ないし減少させることが可能である。オゾン処理は、接着樹脂層4を構成するEMAA等の樹脂材料の表面に、公知のオゾン処理器を用いて発生させたオゾンを吹付けることにより行うことができる。
以下に、本実施の形態に係る液体用紙容器の製造方法について説明する。
本実施の形態における積層体は、上記した材料を用いて、包装材料分野で公知の方法により製造することができる。具体的には、紙基材層2の一方の面にオレフィン系樹脂を押出コーティングして最外層1を形成し、次に、紙基材層2の他方の面に、接着調整層3を構成する樹脂材料を溶解させた水系組成物を塗布して接着調整層3を形成し、この接着調整層3と、バリア層5が形成された樹脂フィルム層6との間に、接着樹脂層4を構成する樹脂材料を溶融押出してサンドイッチラミネートし、最後に、樹脂フィルム層6上にアンカーコート剤を塗布した後、オレフィン系樹脂を押出コーティングして最内層7を形成することにより製造することができる。なお、ここで用いる水系組成物には、水やイソプロピルアルコール等が水系溶剤として含有され、上記した共重合体が固形分として5質量%〜20質量%含有されることが好ましい。樹脂固形分が、5質量%未満であると、適度な膜厚を有する接着調整層3を形成するのが困難となる場合があり、一方、20質量%を超えると、水系組成物の流動性が低下して塗布が困難となる場合がある。水系組成物の塗布量は、接着調整層3が乾燥重量で0.25g/m2〜1.5g/m2となるように適宜設定すればよい。水系組成物の塗布方法としては、公知のグラビア印刷、平版印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等を用いることができる。これらの中でも塗布量が安定していること、生産性が高いこと等から、グラビア印刷を採用することが好ましい。
また、上記した積層体の製造において、溶融押出しされた接着樹脂層4を構成する樹脂材料にオゾンを吹付けながらサンドイッチラミネートすることで、紙基材層2と接着樹脂層4との間の接着強度を増大させることができる。このときのオゾン濃度は、10g/Nm3〜20g/Nm3であることが好ましく、また、風量は、2.5g/時間〜4.0g/時間であることが望ましい。
得られた積層体を製函して、ゲーブルトップ型、ブリック型等種々の形状の液体用紙容器を製造することができる。具体的には、まず、積層体を所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートを得る。次に、フレームシールまたはホットエアーシールにより最内層7または最外層1を構成する樹脂材料を溶融し、胴部を貼り合わせて、筒状のスリーブを得る。続いて、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、液体を充填し、トップ部をシールするという公知の方法により製造することができる。
本発明による液体用紙容器は、日本酒、焼酎、ワインなどのアルコール類、牛乳などの乳飲料、オレンジジュースやお茶などの清涼飲料等の食品からカーワックス、シャンプーや洗剤などの化学製品にわたる液体状のもの全般の包装に好適に用いることができる。
[実施例1]
二液硬化型ウレタン系接着剤を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(樹脂フィルム層)と厚さ6μmのアルミニウム箔(バリア層)とをドライラミネーション法により積層し、ラミネートフィルムを作製した。一方、坪量400g/m2の板紙(紙基材層)の一方の表面に厚さ22μmの高圧法低密度ポリエチレン(最外層)を押出ラミネーション法により積層し、板紙の他方の表面にアクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体(共重合体を構成する(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基の炭素数4〜8)を含有する水系組成物(固形分10質量%)を乾燥重量で1.0g/m2となるように塗布して乾燥し、アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体からなる層(接着調整層)を形成した。続いて、板紙のアクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体からなる層が形成された面を、先に作製したラミネートフィルムのアルミニウム箔面と対向させ、その間に厚さ20μmのエチレン−メタクリル酸共重合体(接着樹脂層)を295℃で溶融押出してサンドイッチラミネートした。最後に、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に2液硬化型のウレタン系アンカーコート剤を塗布した後、厚さ60μmの高圧法低密度ポリエチレン(最内層)を押出ラミネーション法により積層し、高圧法低密度ポリエチレン/板紙/アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体/エチレン−メタクリル酸共重合体/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレートフィルム/高圧法低密度ポリエチレンという層構成の積層体を得た。
得られた積層体を所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、35%アルコール水溶液を充填し、トップ部をシールすることにより実施例1のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
[実施例2]
サンドイッチラミネートする際に、板紙のアクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体からなる層が形成された面をインラインでオゾン処理(オゾン濃度15g/Nm3、風量2.5g/時間)しつつ、ラミネートフィルムのアルミニウム箔面と対向させ、その間に厚さ20μmのエチレン−メタクリル酸共重合体(接着樹脂層)を295℃で溶融押出する以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、35%アルコール水溶液を充填し、トップ部をシールすることにより実施例2のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
[実施例3]
アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体を含有する水系組成物の代わりに、アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−スチレン共重合体(共重合体を構成する(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル基の炭素数4〜8)を含有する水系組成物(固形分10質量%)を乾燥重量で0.5g/m2となるように塗布する以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、35%アルコール水溶液を充填し、トップ部をシールすることにより実施例3のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
[実施例4]
サンドイッチラミネートする際に、板紙のアクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−スチレン共重合体からなる層が形成された面をインラインでオゾン処理(オゾン濃度15g/Nm3、風量2.5g/時間)しつつ、ラミネートフィルムのアルミニウム箔面と対向させ、その間に厚さ20μmのエチレン−メタクリル酸共重合体(接着樹脂層)を295℃で溶融押出する以外は、実施例3と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、35%アルコール水溶液を充填し、トップ部をシールすることにより実施例4のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
[実施例5]
ラミネートフィルムの代わりに、アルミニウムが蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルム(アルミニウム蒸着膜の厚さ500Å、ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さ12μm)を用いる以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、35%アルコール水溶液を充填し、トップ部をシールすることにより実施例5のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
[実施例6]
ラミネートフィルムの代わりに、アルミニウムが蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルム(アルミニウム蒸着膜の厚さ500Å、ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さ12μm)を用いる以外は、実施例2と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、35%アルコール水溶液を充填し、トップ部をシールすることにより実施例6のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
[実施例7]
ラミネートフィルムの代わりに、アルミニウムが蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルム(アルミニウム蒸着膜の厚さ500Å、ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さ12μm)を用いる以外は、実施例3と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、35%アルコール水溶液を充填し、トップ部をシールすることにより実施例7のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
[実施例8]
ラミネートフィルムの代わりに、アルミニウムが蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルム(アルミニウム蒸着膜の厚さ500Å、ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さ12μm)を用いる以外は、実施例4と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、35%アルコール水溶液を充填し、トップ部をシールすることにより実施例8のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
[比較例1]
アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体からなる層(接着調整層)を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、35%アルコール水溶液を充填し、トップ部をシールすることにより比較例1のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
[比較例2]
アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体からなる層(接着調整層)を形成しなかった以外は、実施例5と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を所定の形状に打ち抜くと同時に必要箇所に罫線を設けてブランクシートとし、次いで、フレームシールにより胴部を貼り合わせて筒状スリーブとし、この筒状スリーブを充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、35%アルコール水溶液を充填し、トップ部をシールすることにより比較例2のゲーブルトップ型の紙容器を作製した。
<接着強度の測定>
35%アルコール水溶液を充填する前の積層体の接着強度を測定した。具体的には、実施例1〜8および比較例1〜2と同様にして積層体をそれぞれ作製し、これらから幅15mm、長さ100mmの試験片を切り出し、切り出した試験片の一端から測定対象とする層間を50mm剥がし、テンシロン引張り試験機の両チャックにそれぞれチャッキングした。25℃雰囲気下、50mm/minの引張り速度で180度方向に剥がし、最大荷重を測定した。測定は5回行い、その算術平均を接着強度として結果を表1に示した。
Figure 2010023845
<加工適性の評価>
積層体を紙容器に加工する際に不都合がないか確認した。具体的には、実施例1〜8および比較例1〜2と同様にして積層体をそれぞれ作製し、これらを用いてスリーブ状カートンを作製した。いずれの積層体を用いた場合にも、加工工程において捲れや浮きの発生は認められなかった。
<耐久性の評価>
実施例1〜8および比較例1〜2で作製したゲーブルトップ型の紙容器を50℃にて1.5ヶ月(常温で1年に相当する)保管した後、紙容器を分解し、上記した接着強度の測定と同様の方法で接着強度を測定した。結果を表2に示した。
Figure 2010023845
<耐ピンホール性の評価>
充填機において紙容器のトップ部およびボトム部をシールする際の炙り温度を変化させ、ピンホールが発生するまでの温度を測定した。結果を表3に示した。
Figure 2010023845
以上のことから、実施例1〜8の紙容器は、紙容器としての性能(加工適性、耐久性および耐ピンホール性)は比較例1および2と同等であり、使用後には紙基材層側とバリア層側とを容易に分離することができ、リサイクル効率の高いものであると言える。
実施の形態に係る液体用紙容器を形成するための積層体の模式断面図である。
符号の説明
1 オレフィン系樹脂からなる最外層、2 紙基材層、3 接着調整層、4 接着樹脂層、5 アルミニウムを含むバリア層、6 樹脂フィルム層、7 最内層。

Claims (6)

  1. オレフィン系樹脂からなる最外層、紙基材層、接着調整層、接着樹脂層、アルミニウムを含むバリア層、樹脂フィルム層およびオレフィン系樹脂からなる最内層が順次積層された積層体を製函してなることを特徴とする液体用紙容器。
  2. 前記接着調整層が、アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体またはアクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−スチレン共重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器。
  3. 前記接着樹脂層が、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体またはエチレン−マレイン酸共重合体からなることを特徴とする請求項1または2に記載の液体用紙容器。
  4. 前記接着樹脂層の前記接着調整層と接する側の表面が、オゾン処理されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体用紙容器。
  5. オレフィン系樹脂からなる最外層、紙基材層、接着調整層、接着樹脂層、アルミニウムを含むバリア層、樹脂フィルム層およびオレフィン系樹脂からなる最内層が順次積層された積層体を製函してなる液体用紙容器の製造方法であって、
    最外層が積層された紙基材層の紙基材層側に、アクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル共重合体またはアクリル酸−アクリル酸アルキル−メタクリル酸アルキル−スチレン共重合体を溶解させた水系組成物を塗布して接着調整層を形成させた後、この接着調整層と、バリア層が積層された樹脂フィルム層との間に、接着樹脂層を構成する樹脂材料を溶融押出してサンドイッチラミネートする工程を含むことを特徴とする液体用紙容器の製造方法。
  6. 前記溶融押出しされた樹脂材料にオゾンを吹付けながらサンドイッチラミネートすることを特徴とする請求項5に記載の液体用紙容器の製造方法。
JP2008183923A 2008-07-15 2008-07-15 液体用紙容器およびその製造方法 Active JP5200718B2 (ja)

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