JP2010017810A - ロボットアーム駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロボットのアーム駆動装置において、モータの回転をアーム側に伝達するベルト伝動機構のベルトが切れても、アームが不用意に回転することのないようにする。
【解決手段】駆動プーリ14および従動プーリ15とは別に、モータの回転軸17および減速装置の入力軸18にそれぞれ歯付きプーリからなる補助プーリ19,20を取り付け、これら両補助プーリ19,20間に歯付きベルトからなる補助ベルト22を緩んだ状態にして掛け渡す。伝動ベルト16が切れると、補助ベルト22の歯22aが補助プーリ19の歯19aおよび補助プーリ20の歯20aと噛み合って回転軸17と入力軸18との間を動力伝達状態にする。
【選択図】図1

Description

本発明はモータの回転をベルト伝動機構によりアームに伝える構成のロボットのアーム駆動装置に関する。
ロボットでは、モータの回転軸に電磁ブレーキを連結し、この電磁ブレーキによってアームを制動すると共に、停止状態の保持を行うようにしている。
モータの回転をアームに伝達する機構として、ベルト伝動機構を用いたロボットがある。このロボットも、同様に、モータの回転軸に電磁ブレーキが連結されており、電磁ブレーキが制動状態になると、その制動力がベルト伝動機構を介してアームに作用し、アームが制動されると共に、停止位置に保持される。
ロボットとは関係ないが、特許文献1には、電子写真像形成装置のフレキシブルな静電写真像形成ベルトを一対のローラ間に掛け渡す構成が開示されている。これは、一対のローラに、予め、ベルト状のフレキシブルなシームレスキャリア支持スリーブが掛け渡されており、このシームレスキャリア支持スリーブの外周に、該スリーブよりも小さい内周のフレキシブルな静電写真像形成ベルトを掛け渡す場合、一対のローラのうちの一方のローラを他方のローラに近付けてシームレスキャリア支持スリーブを緩ませた状態にし、この状態で静電写真像形成ベルトを、シームレスキャリア支持スリーブを取り巻くようにして一対のローラ間に掛け、その後、一方のローラを他方のローラから離す方向に移動させて、シームレスキャリア支持スリーブおよび静電写真像形成ベルトを引き伸ばすようにするというものである。
特開平6−124055号公報
ベルト伝動機構では、長期使用によりベルト切れの問題がある。ロボットの場合、ベルトが切れると、アームにモータの回転力或いは制動力が伝達されなくなるため、アームが自重で回転する恐れがある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、モータの回転をアーム側に伝達するベルト伝動機構のベルトが切れても、アームが不用意に回転する恐れのないロボットアーム駆動装置を提供することにある。
請求項1の発明では、ロボットのベルト伝動機構において、駆動プーリおよび従動プーリとは別に、駆動軸および従動軸にそれぞれ歯付きプーリからなる補助プーリを取り付け、これら両補助プーリ間に歯付きベルトからなる補助ベルトを緩んだ状態にして掛け渡したので、張力を持って、駆動プーリと従動プーリとの間に掛け渡した本来の動力伝達用の伝動ベルトの方が、緩んで掛け渡された補助ベルトよりも先に傷む。そして、伝動ベルトが切れると、補助ベルトの歯が駆動軸および従動軸にそれぞれ取り付けられた補助プーリの歯と噛み合って駆動軸と従動軸との間を動力伝達状態にする。このため、モータの回転力或いは制動力がアームに伝達され、アームが自重で回動したりする恐れはない。
請求項2の発明では、補助ベルトは、駆動軸および従動軸が水平方向に並んだとき、両補助プーリ間での緩み部分の最下部が駆動プーリおよび従動プーリ間に掛け渡された伝動ベルトの最下部と同レベルまたはそれよりも上位に位置しているので、ベルト伝動機構を収納する空間の容積増加を防止することができる。
請求項3の発明では、ベルト伝動機構の本来の伝動ベルトが切れたとき、モータを停止させる異常検出手段が設けられているので、緩んだ状態に欠けられた補助ベルトによってロボットのアームが動作され続けることの不具合を未然に防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図2に示すようにロボット装置1は、垂直多関節型のロボット本体2と、このロボット本体2を制御する制御装置(制御手段)3と、この制御装置3に接続されティーチング作業を行なう際に使用するティーチングペンダント4とから構成されている。
ロボット本体2は、例えば6軸の垂直多関節型のものとして構成され、ベース5と、このベース5に水平方向に旋回可能に支持されたショルダ部6と、このショルダ部6に上下方向に旋回可能に支持された下アーム7と、この下アーム7に上下方向に旋回可能に支持された第1の上アーム8と、この第1の上アーム8の先端部に捻り回転可能に支持された第2の上アーム9と、この第2の上アーム9に上下方向に回転可能に支持された手首10と、この手首10に回転(捻り動作)可能に支持されたフランジ11とから構成されている。
ベース5を含め、ショルダ部6、下アーム7、第1の上アーム8、第2の上アーム9、手首10、フランジ11は、ロボットにおけるリンクとして機能し、ベース5を除く各リンクは、下段のリンクに対し回転関節によって回転可能に連結されている。なお、最先端のリンクであるフランジ11には、ワークを把持する図示しないハンドが取り付けられるようになっている。
ベース5を除く各リンク6〜11は、モータの回転を減速して出力するロボットアーム駆動装置によって回転駆動される。各リンク6〜11のロボットアーム駆動装置は、前段のリンク内に収容されている。ここで、本発明のロボットアーム駆動装置を、例えば第1の上アーム8のものについて説明する。この第1の上アーム8のロボットアーム駆動装置は、下段のリンクである下アーム7内に配設されている。
第1の上アーム8のロボットアーム駆動装置は、モータ12の回転をベルト伝動機構13を介して図示しない減速機構に伝達され、更に、この減速機構の出力回転によって第1の上アーム8を関節軸を中心にして回転駆動する構成となっている。
上記ベルト伝動機構13は、図1に示すように、駆動プーリ14、この駆動プーリ14と同径の従動プーリ15、伝動ベルト16から構成される。駆動プーリ14は、モータ12の回転軸(駆動軸)17に取着され、従動プーリ15は図示しない減速機構の入力軸(従動軸)18に取着されている。そして、駆動プーリ14と従動プーリ15との間に、前記伝動ベルト16が所定の張力をもって巻きかけられている。なお、駆動プーリ14および従動プーリ15は歯付きプーリからなり、伝動ベルト16は駆動プーリ14および従動プーリ15の歯に噛合する歯を有した歯付きベルトからなる。
上記駆動プーリ14および従動プーリ15の軸方向両端部のうち一方の端部に、それぞれ同径の歯付きプーリからなる補助プーリ19および20が同心にしてボルト21により固定されている。そして、これら2個の補助プーリ19および20間に、歯付きベルトからなる補助ベルト22が緩んだ状態にして巻きかけられている。補助ベルト22の緩みは、2個の補助プーリ19および20間に渡されている2辺部分の両方に設けられ、それら2辺部分は弛みによって緩やかな円弧状に曲がっている。勿論、補助ベルト22の緩みの程度は、補助プーリ19および20間で回転を伝達する状態になったとき、補助ベルト22の歯22aが補助プーリ19の歯19aおよび補助プーリ20の歯20aを乗り越えることのない程度に抑えられている。
上記両補助プーリ19および20は、駆動プーリ14および従動プーリ15よりも径小で、回転軸17と入力軸18とが水平方向に並んだとき、補助ベルト22の両補助プーリ19および20間での緩み部分の最下部が伝動ベルト16の最下部と同レベルまたはそれよりも上位に位置するように構成されている。
ここで、図3に基づいてモータ12の制御について簡単に説明すると、モータ12は前記制御装置3によって制御される駆動回路(駆動手段)23により駆動される。モータ12には、その回転軸17の回転位置を検出するロータリエンコーダ(位置検出手段)24が設けられており、ロータリエンコーダ24の位置検出信号は制御装置3に入力される。制御装置3は、内部に位置指令出力部と、加算器とを有している。
位置指令出力部は、モータ12の回転位置を指令する指令信号を出力する。そして、加算器は、位置指令出力部から出力される指令信号とロータリエンコーダ24からの位置検出信号とに基づいて、指令された回転位置と実際の回転位置とを比較し、その偏差に応じた信号を駆動回路23に与える。駆動回路23は、加算器から与えられた信号に応じた駆動電流をモータ12に流し、回転軸17の回転位置が指令された回転位置となるように当該モータ12を駆動する。
また、モータ12には、電磁ブレーキ25が設けられている。この電磁ブレーキ25は、制御装置3により制御され、ロボット本体2の停止時には、断電にされてモータ12の回転軸17を制動した状態を保持し、ロボット本体2の動作時には、通電されてその制動を解除するように構成されている。
上記構成において、ロボット本体2の動作時には、モータ12の回転が駆動プーリ14から伝動ベルト16を介して図示しない減速装置に伝達され、その減速装置の出力回転によって第1の上アーム8が回転される。さて、長期にわたり使用していると、伝動ベルト16および補助ベルト22は傷む。しかしながら、伝動ベルト16は、張力が与えられた状態で駆動プーリ14の回転を従動プーリ15に伝動しているのに対し、補助ベルト22は、緩んでいて動力伝達は行わない。このため、補助ベルト22に比べて伝動ベルト16の方が傷みの進行度合いは大きく、切れるならば、伝動ベルト16の方が先に切れるようになる。
しかも、伝動ベルト16の切断は、動力伝達時に起きることがほとんどであり、ロボット本体2の停止時に切れることは稀である。ロボット本体2の動作時に伝動ベルト16が切れると、モータ12の回転軸17と減速装置の入力軸18との間には、一瞬ではあるが、回転数差を生ずる。この回転数差によって、補助ベルト22の両補助プーリ19および20間に渡されている2辺部分のうち、一方の緩みが吸収されて引っ張られた状態となるため、補助ベルト22を通じて、モータ12の回転が回転軸17側の補助プーリ19から図示しない減速装置の入力軸18側の補助プーリ20に伝えられるようになる。この補助ベルト22による動力伝達により、第1の上アーム8が自重で下方に回動するといった事態を生じる恐れはなくなる。
ところで、補助ベルト22は当初緩んで巻きかけられているため、その2個の補助プーリ19および20間に掛け渡されている2辺のうちの一方の緩みが吸収されて緊張した動力伝達状態になるまでの間、モータ12の負荷が軽減されるため、回転軸17の回転位置が指令位置よりも異常に進んだ状態になる。すると、制御装置3の加算器が異常に大きい偏差を検出するため、異常信号を制御装置3の制御部に出力する。これにより、制御部は、異常発生を検出し(異常検出手段)、駆動回路23に停止信号を出力してモータ12を断電すると同時に電磁ブレーキ25をも断電する。
これにより、モータ12の回転軸17が電磁ブレーキ25により制動された状態となるため、その制動力は、回転軸17側の補助プーリ19から補助ベルト22を介して減速装置の入力軸18側の補助プーリ20に伝達される。したがって、第1の上アーム8はその時点で動作を停止し、停止した位置で静止することとなる。
勿論、上記の停止信号は他のリンクの駆動回路にも出力される。このため、伝動ベルト16が切れると、ロボット本体2はその動作を停止し、停止した位置で静止することとなる。
また、制御装置3は、異常検出すると、図示しないブザーなどの報知手段によって異常発生を報知する。この異常報知により、ユーザは伝動ベルト16が切れたことを知り、伝動ベルト16の交換を行う。
ところで、伝動ベルト16の切断は、ロボット本体2の動作時ばかりでなく、稀には停止時に生ずることがある。この場合も同様にして電磁ブレーキ25の制動力が減速装置の入力軸18に伝達されるため、第1の上アーム8が不用意に回転する恐れはない。勿論、補助ベルト22の2個の補助プーリ19および20間に掛け渡されている2辺部分のうちの一方の緩みが吸収されて緊張するまでに、第1の上アーム8は侍従で若干の回転するものの、その回転はほんの僅かであって問題はない。
しかしながら、この場合には、伝動ベルト16の切断を直ちに検出することはできない。しかし、制御装置3は、ロボット本体2の動作が再開され、モータ12が正逆回転すると、補助ベルト22の緩みが吸収される方向にモータ12が回転する際に、上述したと同様にして制御装置3による異常検出が行われて伝動ベルト16の切断が報知されるものである。
このように本実施形態によれば、伝動ベルト16が切れても、第1の上アーム8が不用意に回転する恐れがない。
また、補助プーリ19,20を駆動プーリ14および従動プーリ15よりも径小とし、回転軸17と入力軸18とが水平方向に並んだ状態のとき、補助ベルト22が補助ベルト22の両補助プーリ19および20間での緩み部分の最下部が伝動ベルト16の最下部と同レベルまたはそれよりも上位に位置するように構成したので、ベルト伝動機構13の周囲に存在する他部材が補助ベルト22の緩み部分に触れないようにするために、当該他部材をベルト伝動機構13から補助ベルト22の緩みを見込んで余分に離して設けるなどせずとも済み、ベルト伝動機構13を収容する下アーム7の外殻を大形にしなくとも済む。
更に、伝動ベルト16が切れたとき、これを制御装置3が異常として検出し、報知するので、伝動ベルト16が切れたまま放置される恐れがなくなる。
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施形態に限定されるものではなく、次のような拡張或いは変更が可能である。
駆動プーリ14と従動プーリ15とは互いに同径、2個の補助プーリ19および20は互いに同径としたが、駆動プーリ14と従動プーリ15とを異径、2個の補助プーリ19および20を、駆動プーリ14と従動プーリ15の径比と同じ径比の異径としても良い。
駆動プーリ14、従動プーリ15、伝動プーリ16は、歯付きでなくとも良い。
本発明を適用するベルト伝動機構は、第1の上アーム8を駆動するものに限られない。
本発明の一実施形態におけるベルト伝動機構を示すもので、(a)は側面図、(b)は駆動軸側の断面図、(c)は従動軸側の断面図 ロボット装置の斜視図 アーム駆動モータの制御構成を示すブロック図
符号の説明
図面中、3は制御装置(異常検出手段)、8は第1の上アーム、12はモータ、13はベルト伝動機構、14は駆動プーリ、15は従動プーリ、16は伝動ベルト、17は回転軸(駆動軸)、18は入力軸(従動軸)、19,20は補助プーリ、22は補助ベルト、25は電磁ブレーキを示す。

Claims (3)

  1. 駆動軸に取り付けられた駆動プーリと従動軸に取り付けられた従動プーリとの間に伝動ベルトを掛け渡してなるベルト伝動機構により、モータの回転を前記駆動軸から前記従動軸に伝達し、該従動軸の回転によってアームを駆動するロボットアーム駆動装置において、
    前記駆動プーリおよび前記従動プーリとは別に、前駆駆動軸および前記従動軸にそれぞれ歯付きプーリからなる補助プーリを取り付け、これら両補助プーリ間に歯付きベルトからなる補助ベルトを緩んだ状態にして掛け渡したことを特徴とするロボットアーム駆動装置。
  2. 前記補助ベルトは、前記駆動軸および前記従動軸が水平方向に並んだとき、前記両補助プーリ間での緩み部分の最下部が前記駆動プーリおよび前記従動プーリ間に掛け渡された前記伝動ベルトの最下部と同レベルまたはそれよりも上位に位置していることを特徴とする請求項1記載のロボットアーム駆動装置。
  3. 前記ベルト伝動機構の前記伝動ベルトが切れたとき、前記モータを停止させる異常検出手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のロボットアーム駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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