JP2010016245A - 被接続物の接続方法およびそれを用いた太陽電池モジュールの製造方法ならびに接合状態検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被接続物の接続が確実に行われる被接続物の接続方法と、それを用いた太陽電池モジュールの製造方法等を提供する。
【解決手段】太陽電池セル2は基板ステージ50に載置され、p型電極16およびn型電極13のそれぞれに接触するように、インターコネクタ5がそれぞれ配置される。K−熱電対64,65によってレーザ光線が照射された際の太陽電池セル2の温度の時間変化を測定することで、太陽電池セル2の昇温プロファイルがそれぞれ求められる。その昇温プロファイルに基づいて、接続の良否が判断される。
【選択図】図17
【解決手段】太陽電池セル2は基板ステージ50に載置され、p型電極16およびn型電極13のそれぞれに接触するように、インターコネクタ5がそれぞれ配置される。K−熱電対64,65によってレーザ光線が照射された際の太陽電池セル2の温度の時間変化を測定することで、太陽電池セル2の昇温プロファイルがそれぞれ求められる。その昇温プロファイルに基づいて、接続の良否が判断される。
【選択図】図17
Description
本発明は、被接続物の接続方法およびそれを用いた太陽電池モジュールの製造方法ならびに接合状態検査方法に関し、特に、接続材料に熱を加えることによって被接続物同士を接続する被接続物の接続方法と、それを用いた太陽電池モジュールの製造方法と、接合状態の良否を判定する接合状態検査方法とに関するものである。
太陽電池セルに結晶シリコンを適用した太陽電池モジュールは、古くから生産されてきており、現在でも生産されている太陽電池モジュールのほとんどの太陽電池セルに結晶シリコンが用いられている。
太陽電池モジュールでは、一の太陽電池セルのp型電極と他の太陽電池セルのn型電極とをインターコネクタによって接続する態様で、複数の太陽電池セルが直列に接続されている。太陽電池セルのp(n)型電極とインターコネクタとの接続には、はんだが広く用いられている。その一例として、たとえば、特許文献1には、インターコネクタの表面をあらかじめはんだで被覆しておき、インターコネクタを接続する際にそのはんだを溶融させてインターコネクタとp(n)型電極とを接続させる手法が提案されている。
特開2007−109960号公報
しかしながら、上述した方法では次のような問題点があった。まず、はんだを溶融してインターコネクタとp(n)型電極とを接続する方法ではボイド等が発生しやすい。そして、そのようなボイドが発生してしまうと、たとえば、接触不良や接続部分の強度不足など、しばしば不良の原因となった。これまで、この種の問題を解決するために多くの方法が採られてきたが、いずれの手法も解決には十分ではなかった。
また、接続部分の接続状態の良否を判定するために、インターコネクタとp(n)型電極との接続強度を測定したり、接続部分を断面観察したりすること等がこれまで行われてきた。ところが、これらの方法はいずれも破壊検査であるために、全数検査が行えないという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、一つの目的は、被接続物の接続が確実に行われる被接続物の接続方法を提供することであり、他の目的は、それを用いた太陽電池モジュールの製造方法を提供することであり、さらに他の目的は、接合状態の良否を判定する接合状態検査方法を提供することである。
本発明に係る被接続物の接続方法は、所定の接続材料によって、一の被接続物と他の被接続物とを接続させる被接続物の接続方法であって、以下の工程を備えている。一の被接続物と他の被接続物との間に、所定の接続材料を介在させる。その接続材料を加熱し、一の被接続物および他の被接続物の所定の位置における温度の時間変化を測定する。接続材料の加熱を開始してから、所定の位置における温度がピークに達するまでの時間と到達温度に基づいて、一の被接続物と他の被接続物との接続良否を判断する。
この方法によれば、接続材料の加熱を開始してから、被接続物の所定の位置における温度がピークに達するまでの時間と到達温度を測定して、一の被接続物と他の被接続物との接続が良好な場合の時間と到達温度と比較することで、接続の良否を容易に判断することができ、接続不良と判断されたものについては、再度接続処理を行うなどして被接続物同士を確実に接続することができる。
接続材料と被接続物の具体的態様の一つとして、接続材料は低融点金属材料であり、一の被接続物と他の被接続物とは金属であることが好ましい。接続材料が低融点金属材料である場合には、はんだを含むことがより好ましい。
また、接続材料の具体的態様の他の一つとして、接続材料は熱硬化型接続材であることが好ましい。
さらに、具体的な温度の測定の仕方としては、熱電対を用いてもよいし、あるいは、たとえば、赤外線を観測するなどの被接触態様で測定するようにしてもよい。
また、接続良否を判断する工程において、接続不良と判断された一の被接続物と他の被接続物とに対し、接続材料を用いて一の被接続物と他の被接続物とを再度接合する工程を備えていることが好ましい。
これにより、材料の有効利用を図ることができる。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、複数の太陽電池セルをインターコネクタによって接続することにより太陽電池ストリングを形成して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法であって、以下の工程を備えている。太陽電池セルとインターコネクタとの間に低融点金属材料を介在させる。低融点金属材料を加熱し、太陽電池セルおよびインターコネクタの所定の位置における温度の時間変化を測定する。低融点金属材料の加熱を開始してから、所定の位置における温度がピークに達するまでの時間と到達温度に基づいて、太陽電池セルとインターコネクタとの接続良否を判断する。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、複数の太陽電池セルをインターコネクタによって接続することにより太陽電池ストリングを形成して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法であって、以下の工程を備えている。太陽電池セルとインターコネクタとの間に低融点金属材料を介在させる。低融点金属材料を加熱し、太陽電池セルおよびインターコネクタの所定の位置における温度の時間変化を測定する。低融点金属材料の加熱を開始してから、所定の位置における温度がピークに達するまでの時間と到達温度に基づいて、太陽電池セルとインターコネクタとの接続良否を判断する。
この方法によれば、低融点金属材料の加熱を開始してから、太陽電池セルおよびインターコネクタの所定の位置における温度がピークに達するまでの時間と到達温度を測定して、太陽電池セルとインターコネクタとの接続が良好な場合の時間と到達温度と比較することで、接続の良否を容易に判断することができ、接続不良と判断されたものについては、再度接続処理を行うなどしてインターコネクタを太陽電池セルに確実に接続することができる。
より具体的に、低融点金属材料を加熱する工程では、太陽電池セルは所定のステージに載置され、ステージには、インターコネクタの直下の所定の位置に太陽電池セルを露出する開口部が形成されていることが好ましい。
これにより、開口部を介して太陽電池セルの温度遅延を測定することができる。
その太陽電池セル等の温度の時間変化を測定する工程では熱電対が用いられることが好ましい。
その太陽電池セル等の温度の時間変化を測定する工程では熱電対が用いられることが好ましい。
また、低融点金属材料としては、はんだを含んでいることが好ましい。
本発明に係る接合状態検査方法は、所定の接続材料によって一の被接続物と他の被接続物とを接合させる被接続物の接合において、接合状態の良否を判定する接合状態検査方法であって、第1判定基準と第2判定基準とに基づいて接合状態が判定される。第1判定基準では、一の被接続物と他の被接続物との間に所定の接続材料を介在させて接続材料を加熱し、一の被接続物または他の被接続物の所定の位置における温度が、接合状態が良好と判断される所定の温度に達しているか否かを判定する。第2判定基準では、第1判定基準により、接合状態が良好と判断されたものについて、到達温度が観測されるまでの時間が、接合状態が良好と判断される時間内であるかどうかを判定する。
本発明に係る接合状態検査方法は、所定の接続材料によって一の被接続物と他の被接続物とを接合させる被接続物の接合において、接合状態の良否を判定する接合状態検査方法であって、第1判定基準と第2判定基準とに基づいて接合状態が判定される。第1判定基準では、一の被接続物と他の被接続物との間に所定の接続材料を介在させて接続材料を加熱し、一の被接続物または他の被接続物の所定の位置における温度が、接合状態が良好と判断される所定の温度に達しているか否かを判定する。第2判定基準では、第1判定基準により、接合状態が良好と判断されたものについて、到達温度が観測されるまでの時間が、接合状態が良好と判断される時間内であるかどうかを判定する。
この方法によれば、接合状態が良好と判断される所定の温度に達しているか否かと、到達温度が観測されるまでの時間が、接合状態が良好と判断される時間内であるか否かに基づいて接合状態の良否を判定することで、接合状態の良否の判断を容易に行うことができる。
実施の形態1
ここでは、太陽電池セルをインターコネクタによって互いに接続することによって太陽電池モジュールを製造する製造方法について説明する。図1にその製造フローを示す。まず、ステップS1では、太陽電池セルが製造される。図2に示すように、太陽電池セル2の一方の面にセル電極3が形成され、他方の面にもセル電極(図示せず)が形成される。次に、ステップS2では、太陽電池セルをインターコネクタによって接続することによって太陽電池ストリングが形成される。図3に示すように、一の太陽電池セル2の一方の面のセル電極3と他の太陽電池セル2の他方の面のセル電極(図示せず)とをインターコネクタ5によって接続する態様で、所定数の太陽電池セル2が直列に接続されて、太陽電池ストリング20が形成される。
ここでは、太陽電池セルをインターコネクタによって互いに接続することによって太陽電池モジュールを製造する製造方法について説明する。図1にその製造フローを示す。まず、ステップS1では、太陽電池セルが製造される。図2に示すように、太陽電池セル2の一方の面にセル電極3が形成され、他方の面にもセル電極(図示せず)が形成される。次に、ステップS2では、太陽電池セルをインターコネクタによって接続することによって太陽電池ストリングが形成される。図3に示すように、一の太陽電池セル2の一方の面のセル電極3と他の太陽電池セル2の他方の面のセル電極(図示せず)とをインターコネクタ5によって接続する態様で、所定数の太陽電池セル2が直列に接続されて、太陽電池ストリング20が形成される。
次に、ステップS3では、太陽電池ストリングとモジュールを形成するための所定の部材とが所定の位置関係になるように配置される。図4に示すように、モジュールを形成するための所定の部材として下から、受光面保護用のガラス板31、EVA(Ethylene Vinyl Acetate)32、EVA32、バックフィルム34が配設され、EVA32とEVA21との間に太陽電池ストリング20が挟み込まれる。次に、ステップS4では、太陽電池ストリングの封止処理が行われる。図5に示すように、EVA32とEVA33との間に挟み込まれた太陽電池ストリング20(図4参照)が封止される。ステップS5では、太陽電池ストリングを封止した所定の部材に、枠等の部品が取り付けられて、太陽電池モジュールとして完成する(ステップS6)。
次に、上述した太陽電池モジュールの一連の製造方法のうち、太陽電池セルにインターコネクタを接続するステップS2について、さらに具体的に説明する。図6に示すように、太陽電池セル2の一方の面には、セル電極3としてp型電極およびn型電極のいずれかの電極または双方の電極が形成されている。セル電極3の材料としては、セル電極3とインターコネクタ5とをはんだ4によって接続する場合には、はんだの濡れ性が高い銀(Ag)や銅(Cu)等を用いることが好ましい。また、はんだ以外の低融点金属材料によってセル電極3とインターコネクタ5とを接続する場合には、セル電極3の材料として、その低融点金属材料と相性のよい金属を用いることが好ましい。
この相性のよい金属は、低融点金属材料(接続材料)に含まれる、特に、導電性をもたせるための金属粒子によって決まる。たとえば、銀(Ag)を含む接続材料では、銀(Ag)や銅(Cu)などの金属と相性がよい。一方、インターコネクタ5の材料としては、たとえば、銅(Cu)等の導電性の高い金属を基材とするものが好ましいが、接続材料との相性を考慮した最適な材料を用いることが好ましい。
インターコネクタをセル電極に接続する工程では、まず、太陽電池セル2が、所定の基板ステージ50に載置される。太陽電池セル2の上方の所定の位置には加熱装置52が配置され、太陽電池セル2の下方の所定の位置には温度測定器53が配置されている。
インターコネクタ5は、セル電極3に接触するように太陽電池セル2における所定の位置に配置される。このとき、上方からインターコネクタ5を所定の加重にて押さえ付けて太陽電池セル2に仮固定することによって、インターコネクタ5がセル電極3に対して位置がずれてしまったり、インターコネクタ5のねじれによってインターコネクタ5とセル電極3との接触不良等が生じるのを防止することができる。
次に、加熱装置52によってインターコネクタ5に熱を供給することによって、インターコネクタ5とセル電極3との間にあるはんだ(接続材料)4が加熱される。この加熱装置52の熱源としては、レーザ光線が最も好ましい。レーザ光線はインターコネクタ5等に対して非接触であるため、太陽電池セル2が割れにくいというメリットがある。また、ガルバノミラーなどの特殊なミラーを用いることで、加熱装置52から出射するレーザ光線の光路を容易に操作することができ、加熱装置52自体を移動させることなく、操作範囲内の任意の位置を加熱すことができる。
さらに、レーザ光線では加熱させたい部分だけを局所的に加熱することができるので、熱膨張係数の異なる材料同士を接続する場合でも応力があまり発生しない。そのため、太陽電池セルには反りがほとんど発生せず、太陽電池セルが割れてしまう等の不良を低減することができる。なお、熱源としては、レーザ光線の他に、たとえば、ハンダゴテやリフロー炉等を適用してもよい。この場合には、太陽電池セルが反ってしまわないように、たとえば、圧縮空気ガスなどで加熱部位の周辺を絶えず冷却するなどして、局所的に加熱する必要がある。
接続材料としてのはんだ4は、たとえば、ペースト状のはんだをスクリーン印刷やディスペンサー等によって塗布することによってセル電極3上に供給される。塗布されたペースト状のはんだを、温度約200〜300℃程度のもとで加熱することによって、はんだペースト内の溶剤成分が蒸発して、セル電極3上にはんだ4だけを残すことができる。また、レーザ照射によるはんだ付けと同時に、はんだペーストの溶剤成分を蒸発させることも可能である。この場合には、はんだペーストの粘性によってインターコネクタをセル電極に仮固定しやすくなる。
また、インターコネクタにあらかじめはんだを被覆させておいてもよい。この場合には、セル電極の表面の酸化被膜を除去するためのフラックスを、インターコネクタまたはセル電極に塗布しておくことで、インターコネクタとセル電極との接続をより確実に行うことができる。また、あるいは、太陽電池セルを溶融したはんだに浸漬させて、セル電極の表面にはんだを被覆させるようにしてもよい。
一方、接続材料としてはんだ以外の接続材を適用する場合には、ペースト状の接続材をスクリーン印刷やディスペンサー等によって塗布することによって、接続材がセル電極3上に供給される。接続材の場合には、接続材が一旦加熱されて固化してしまうと、再度加熱しても接続材は再び溶融はしない。そのため、接続材を塗布した後にインターコネクタを配置し、インターコネクタと電極とに接続材が挟まれた状態で加熱して固化する必要がある。
加熱装置52によって供給された熱によってはんだ(接続材料)が加熱され、太陽電池セル2に熱が伝導して太陽電池セル2の温度が上昇する。太陽電池セル2の温度は温度測定器53によって測定される。温度の測定箇所(ポイント)は、熱が供給される位置から少し離れたインターコネクタ5の部分あるいは太陽電池セル2の部分とされる。これは、熱が供給される位置に近ければ近いほど、最高到達温度が高くなるため、判定基準を決め易くなる一方、近すぎれば温度遅延が短くなり過ぎて、判定が難しくなるからである。
本実施の形態では、熱が供給される位置に対応する基板ステージ50の部分に、太陽電池セル2を露出させる開口部51が形成され、その開口部51を介して太陽電池セル2の温度が測定される。具体的には、基板ステージ50の開口部512を通して太陽電池セル2にK−熱電対などの熱電対を取り付けて測定する方法がある。また、開口部51から発せられる赤外線を測定する方法がある。
温度を測定することによって、インターコネクタとセル電極との接続の良否の判定を行うことができる。接続が否と判断されると、加熱装置52によりレーザをインターコネクタに向けて再び照射し、接続が良と判断されるまでこの操作が繰り返して行われる。接続の良否の判定基準として、次の項目が挙げられる。
項目(1):太陽電池セルの最高到達温度
項目(2):熱を供給してから太陽電池セルが最高到達温度に達するまでの時間
項目(3):最高到達温度から規定温度に降温するまでの時間(冷却時間)、または、冷却速度
インターコネクタとセル電極との接続に何らかの不良があった場合には、上記項目(1)〜項目(3)のうちの少なくとも1つに変化がみられるので、この場合には接続不良と判断される。
項目(2):熱を供給してから太陽電池セルが最高到達温度に達するまでの時間
項目(3):最高到達温度から規定温度に降温するまでの時間(冷却時間)、または、冷却速度
インターコネクタとセル電極との接続に何らかの不良があった場合には、上記項目(1)〜項目(3)のうちの少なくとも1つに変化がみられるので、この場合には接続不良と判断される。
実際の生産工程などで適用する場合において不良と判断された場合には、再び熱を加えるようにシーケンサーを組み込むことで、インターコネクタ5を太陽電池セルのセル電極に良好に接続することができる。また、後述するように、不良の原因が、太陽電池セルそのものやインターコネクタそのものにある場合には、これらを排除するようにシーケンサを組み込んでもよい。
こうして、一の太陽電池セル2のセル電極3にインターコネクタ5の一端側の部分を接続し、他の太陽電池セル2のセル電極にそのインターコネクタ5の他端側の部分を接続する態様で、所定数の太陽電池セル2を直列に接続することによって、太陽電池ストリング20(図3参照)が形成される。
なお、上述した項目(1)〜項目(3)に示される良否の判定基準は、太陽電池セル2の厚み、太陽電池セル2の構造、インターコネクタ5の厚み、インターコネクタ5の材料、セル電極3に使用するペースト、はんだ4の塗布量、はんだ4の厚みなどに依存するため、これらのパラメータを変更する場合には、判定基準の値を変える必要がある。
以上のようにしてステップS2では、インターコネクタ5をセル電極3に確実に接続することができる。こうして、インターコネクタ5によって複数の太陽電池セルが直列に接続された太陽電池ストリングが形成されて、その太陽電池ストリングを、EVA等によって封止することで、太陽電池モジュールが完成する。
実施の形態2
ここでは、セル電極上にはんだ層を形成するのではなく、あらかじめはんだが被覆されたインターコネクタをセル電極に接合(接続)する場合の接合判定方法について説明する。温度測定器は、前述した図6に示すように、基板ステージ50の下方に設置してもよいが、本実施の形態では、図7に示すように、太陽電池セル2の上方に配置される場合を例に挙げて説明する。この場合の利点としては、基板ステージ50に温度計測をするための開口部を開ける必要がないことが挙げられる。
ここでは、セル電極上にはんだ層を形成するのではなく、あらかじめはんだが被覆されたインターコネクタをセル電極に接合(接続)する場合の接合判定方法について説明する。温度測定器は、前述した図6に示すように、基板ステージ50の下方に設置してもよいが、本実施の形態では、図7に示すように、太陽電池セル2の上方に配置される場合を例に挙げて説明する。この場合の利点としては、基板ステージ50に温度計測をするための開口部を開ける必要がないことが挙げられる。
温度測定器53として、非接触式の赤外線カメラまたは赤外放射温度計などを用いることが可能である。太陽電池セル2上には、あらかじめはんだが被覆されたインターコネクタ3をセル電極に接触させる。また、図8に示すように、太陽電池セル2の表面にソルダーレジスト40が形成されており、ソルダーレジスト40とセル電極3との段差によって、インターコネクタ5をそのまま配置しただけではセル電極3との接触が確保できない場合は、ソルダーレジスト40とセル電極3との高低差に合わせて、インターコネクタ5を凹型に加工することで、良好な接触状態を保つことが可能となる。
インターコネクタ5をセル電極3に接触させた状態で加熱装置52により、インターコネクタ5のはんだを局所的に加熱してインターコネクタ5をセル電極3に接合する。このときの太陽電池セル2の温度を温度測定器53によって測定し、接合の良否判定を行う。
図9に接合良否判定のフローチャートと判定基準を示す。まず、ステップS1では、インターコネクタと太陽電池セルとの接触状態を確保する。次に、ステップS2では、加熱装置によってレーザ光線の照射を開始する直前から太陽電池セルの温度の計測を開始し、ステップS3では、さらにレーザ光線を照射する前の太陽電池セルの温度を取得する。
次に、ステップS4では、インターコネクタとセル電極との接触部分にレーザ光線の照射を開始し、インターコネクタと太陽電池セルのセル電極とを接合する。このとき、レーザ光線を所定時間照射した直後までの時間の経過とともに変化する太陽電池セルの温度を測定し、接合判定のシーケンスを開始する。
まず、ステップS6では、判定1として、太陽電池セルの温度が所定の温度以上に上昇しているか判定される。すなわち、レーザ光線を照射することによって、太陽電池セルの温度が、レーザ光線を照射する前の温度に対して、所定の温度X1以上に上昇しているか否かが判定される。判定1の結果、所定の温度X1以上に上昇していると判定される場合には、判定2が行われる。
太陽電池セルの温度上昇のみで接合の良否を判定する従来の方法では、太陽電池セルの温度は所定の温度にまで上昇しているものの、実際にはインターコネクタがセル電極に接合できていない場合にも接合が良好であると判定してしまう場合が存在する。たとえば、レーザ光線の照射中にインターコネクタに穴が開いてしまう場合や、インターコネクタと太陽電池セルの接合面積が極端に小さい場合などがこの場合に相当する。このような接合不良を判定するために、判定1の条件を満たしている場合に対してさらに判定2を行う。
次に、ステップS7では、判定2として、太陽電池セルの温度が最高温度に達するまでの時間が所定の時間内であるか判定される。すなわち、太陽電池セルの温度が、レーザ光線の照射を開始してから所定の時間T1〜T2内に最高温度に到達しているか否かが判定される。判定2の条件を満たしている場合は、ステップS8において、接合は良好に行われたと判定される。
一方、条件を満たさない場合は接合は不良と判定される。この場合には、インターコネクタを新たなものと交換するか、あるいは、セル電極に対するインターコネクタの位置を修正するなどして、あらためてインターコネクタを太陽電池セルに接触させて接合をやり直す処理が行なわれることになる。
次に、判定1の基準となる太陽電池セルの温度について説明する。図10に、レーザ光線を照射する直前から照射後までの太陽電池セルの温度の変化の2つのグラフ(ケースA,B)と、レーザ光線照射のトリガ波形とを示す。レーザ光線照射トリガの開始時間T0より太陽電池セルの温度が上昇を始める。レーザ光線の照射により、インターコネクタとセル電極が正常に接合した場合には、投入熱量は即座に接合部を介して太陽電池セルの側に伝わるため、太陽電池セル温度が大きく上昇することになる(ケースA)。したがって、太陽電池セルの温度が所定の温度X1以上に上昇しているかどうかが判定基準となる。本実施の形態では、太陽電池セルの温度がレーザ光線を照射する前の温度よりも5℃以上上昇しているかどうかを判定基準とした。なお、ケースBは所定の温度X1にまで上昇していない場合の例を示す。
次に、判定2の基準となる太陽電池セルの温度の時間経過について説明する。図11に、判定1の条件を満たした温度経過のグラフとして、3つのグラフ(ケースC〜E)を示す。従来の温度上昇だけを判定基準とする方法では、いずれも接合状態は良好なものと判定される。しかし、実際には接合状態が良好でない場合が存在する。例として、レーザ光線の照射により、インターコネクタに穴が開いた場合の太陽電池セルの温度推移をケースCに示す。インターコネクタに穴が開いた場合では、レーザ光線の照射によって太陽電池セルの電極へ直接熱が投入されるために太陽電池セルの温度が急激に上昇し、太陽電池セルの温度が最大値に到達するまでの時間は、正常な場合(ケースD)の時間と比べて早く到達することになる。
また、別の接合不良例として、レーザ光線の照射によって接合面積が極端に小さくなる場合の温度推移をケースEに示す。接合面積が小さくなる要因として、インターコネクタと太陽電池セル電極の接触が十分確保されてない状態でレーザ光線を照射した場合が考えられる。たとえば、レーザ光線の照射によってはんだが溶融し、インターコネクタとセル電極との間のギャップを埋めるように、溶融はんだがセル電極側に到達したとする。この際、投入された熱が太陽電池セル側に伝達するには、レーザ光線の照射後に一定の時間を要する。また、接合部の面積が小さい場合では、熱伝達抵抗が大きくなり太陽電池セルの温度が最大値に到達するまでの時間は、正常に接合される場合(ケースD)に比べて遅延が生じる。
判定基準として、レーザ光線の照射によって穴が生じる場合(穴あき)には、T0<Tc<T1となる。一方、正常に接合された場合には、T1<Td<T2となる。また、接合部が点付け状態の場合には、T2<Teとなる。T1、T2の閾値設定は、事前に作製したサンプルの接合状態と温度経過の相関関係から設定しておくことができる。本実施の形態では、10msecオーダーの閾値設定を行い判定を行った。
図12、図13および図14は、接合部分が極端に小さい場合における、レーザ光線照射時のはんだの一連の溶融状態を示すものである。まず、図12に示すように、インターコネクタ5とセル電極3との間にわずかにギャップがある状態でレーザ光線による接合を試みた場合、図13に示すように、レーザ光線の照射によって、インターコネクタ5のCu層5aを被覆するはんだ層5b、5cのうち、セル電極3と対向するはんだ層5cが溶融し、そして、溶融したはんだが自重によって下方へと垂れ下がる。
溶融はんだは、インターコネクタ5とセル電極3との間のギャップを埋めるように、その先端の一部がセル電極3側に到達してセル電極3に接触する。図14に示すように、この状態で溶融したはんだが凝固してセル電極3と接合した場合、見かけ上はセル電極3にインターコネクタ5が接合しているが、接合強度は極端に小さく、信頼性が著しく低下する要因となる。したがって、接合面積が極端に小さい場合には接合不良として判定する必要があり、本発明の接合良否判定方法をもって、その判別が可能となる。
このようにして、複数枚の太陽電池セルをレーザ光線を照射して順次直列に接続することによって、太陽電池ストリングが作製される。作製された太陽電池ストリングでは、インターコネクタとセル電極とが確実に接続され、インターコネクタの接続による反りの増加が殆どないことが確認された。その後、この太陽電池ストリングを、EVAなどの封止材に封止することによって、太陽電池モジュールを得ることができる。
実施の形態3
上述した各実施の形態では、接続材料としてはんだを例に挙げて、インターコネクタをセル電極に接続する場合について説明した。ここでは、はんだ以外の接続材料について、一の被接続物と他の被接続物とを接続させる場合について説明する。
上述した各実施の形態では、接続材料としてはんだを例に挙げて、インターコネクタをセル電極に接続する場合について説明した。ここでは、はんだ以外の接続材料について、一の被接続物と他の被接続物とを接続させる場合について説明する。
接続材料を、たとえば熱硬化型接続材(接着剤)とし、被接続物をプラスチックなどの合成樹脂とする。この場合にも、接続材料を加熱することによって、一の被接続物と他の被接続物とが互いに接続される。
まず、一の被接続物としての合成樹脂の表面に熱硬化型接続材が塗布される。次に、他の被接続物が、塗布された熱硬化型接続材を一の被接続物と他の被接続物とで挟み込む態様で配置される。次に、たとえばレーザ光線等を照射することによって、熱硬化型接続材が加熱される。このとき、所定の位置に配置されたK−熱電対等によって温度の時間変化が測定される。その測定の結果、前述した項目(1)〜項目(3)が所定の範囲内にあれば、一の被接続物と他の被接続物との接続が良好に行われたと判断される。
上述した実施の形態では、被接続物としてプラスチックなどの合成樹脂を例に挙げた。被接続物としては、合成樹脂に限られず、加熱によって温度遅延を観測することができる材料であればよく、たとえば木材などでもよい。一方、熱伝導係数が大き過ぎて温度遅延がほとんど観測されないような材料や、反対に、熱伝導係数が小さ過ぎて熱がほとんど伝導せずに温度遅延が観測されないような材料は好ましくない。
ここでは、太陽電池セルとして、バックコンタクト型の太陽電池セルを適用して太陽電池モジュールを製造する場合について具体的に説明する。
図15に示すように、バックコンタクト型の太陽電池セル2は、たとえば、一辺約156.5cm、厚さ約200μm程度の半導体基板(p型半導体層)11から形成される。半導体基板11には、半導体基板11を貫通するスルーホール17が形成され、そのスルーホール17の側壁を含む半導体基板の表面に、n+拡散層12が形成されている。そのn+拡散層12に接触してスルーホール17を充填するn型電極13が、表面と裏面とに露出するように形成されている。そして、半導体基板11の裏面側の表面上にp型電極16が形成されている。また、半導体基板の裏面側にはp+拡散層15が形成され、そのp+型拡散層15上に裏面アルミニウム電極14が形成されている。
この種の太陽電池セル2は、図16に示す比較例に係る太陽電池セル102と比べると、受光面積を広げることができて、より多くの出力電流を得ることができる。これは、次の理由による。比較例に係る太陽電池セル102では、半導体基板111にスルーホールが形成されておらず、n型電極113は受光面に形成され、p型電極116は裏面に形成されている。
そのため、比較例に係る太陽電池セル102では、インターコネクタの一端側の部分をn型電極に接続するためには、インターコネクタを太陽電池セル102の受光面側に配設する必要がある。これに対して、図15に示す太陽電池セル2では、インターコネクタを受光面側に配設する必要がない。したがって、太陽電池セル2では、インターコネクタを受光面側に配設する必要がない分、受光面積を広げることができる。
また、この太陽電池セル2では、インターコネクタは太陽電池セルの裏面側だけに配設すればよく、太陽電池セル2の一方の面を反転させる必要がない。さらに、インターコネクタによって、一の太陽電池セルのp型電極と他の太陽電池セルのn型電極とを1度に接続することができる。
インターコネクタの接続には、加熱装置の熱源としてレーザ光線が用いられる。一般的に、リフローによるはんだ付けなどの方法では、太陽電池セルとインターコネクタの全体が加熱されてしまう。太陽電池セルの熱膨張係数とインターコネクタの熱膨張係数との差が大きければ大きいほど、太陽電池セルに応力が作用することになり、太陽電池セルが反ってしまったり、太陽電池セルが割れてしまうことになる。
特に、バックコンタクト型の太陽電池セルでは、インターコネクタは太陽電池セルの裏面側にだけ配設されるため、太陽電池セルの受光面が凸になるように太陽電池セルが反ってしまうことになる。このため、インターコネクタの太陽電池セルへの取り付けに、加熱装置の熱源としてレーザ光線を用いることで、局所的な加熱が可能となり太陽電池セルの反りの低減を図ることができる。
このバックコンタクト型の太陽電池セルへのインターコネクタの接続に際して、図17に示すように、太陽電池セル2は、受光面を下に向けて所定の基板ステージ50に載置される。基板ステージ50には、n型電極13およびp型電極16のそれぞれに対応する位置に、受光面を露出させる開口部51が形成されている。基板ステージ50の上方にはレーザ照射装置61が配置されている。レーザー照射装置61の内部にはガルバノミラーが配置されている。そのガルバノミラーを制御することで、太陽電池セル2の面内の任意の位置にレーザ光線を照射することができる。
太陽電池セル2に接続されるインターコネクタ5は、銅を基材とし、はんだによって被覆されている。基材の銅の厚みは約100μm程度とされ、はんだの厚みは約10μm程度とされる。また、太陽電池セル2のp型電極16およびn型電極13のそれぞれの表面には、あらかじめディスペンサーによってはんだペーストが塗布され、温度約250℃のもとで約2分程度加熱することによってペーストの溶剤成分が除去されている。
基板ステージ50に載置された太陽電池セル2のp型電極16およびn型電極13のそれぞれに接触するように、インターコネクタ5が所定の位置にそれぞれ配置される。基板ステージ50の開口部51を介して、載置された太陽電池セル2にK−熱電対64が取り付けられる。また、インターコネクタ5においてレーザ光線が照射される位置の近傍にもK−熱電対65が取り付けられる。K−熱電対64,65によってレーザ光線が照射された際の太陽電池セル2の温度の時間変化を測定することで、太陽電池セル2の昇温プロファイルがそれぞれ求められる。
レーザ照射装置61にて、照射エネルギー15J、照射時間20msecのもとで、インターコネクタ5における所定の位置にレーザ光線62を照射した。レーザ光線62の照射を開始してから、太陽電池セル2の温度の時間変化をK−熱電対64,65によって測定した。
その結果を図18に示す。同図では、インターコネクタ5側(レーザ照射位置直近)のK−熱電対65によって測定された温度の時間変化のグラフAと、太陽電池セル2の受光面側のK−熱電対64によって測定された温度の時間変化のグラフBとが示されている。縦軸は温度であり、レーザ光線を照射する前の温度を1とする比率として示される。横軸は時間であり、レーザ光線の照射を開始した時が0秒とされる。
グラフAに示すように、インターコネクタ側の測定位置、すなわち、レーザ光線が照射されるインターコネクタの近傍では、レーザ光線を照射してほぼ同時に温度のピークが観測されることがわかる。一方、グラフBに示すように、受光面側の測定位置では、レーザ光線の照射を開始してから約1秒後に温度のピークが観測され、温度の遅延が認められることがわかる。
次に、昇温プロファイルが求められた試料について、インターコネクタ5とp(n)型電極16,13との接続強度を引っ張り試験によって評価した。この引っ張り試験において、太陽電池セル2が割れた試料については、インタコネクタ5とp(n)型電極16,13との接続強度は十分に大きく、良好な接続が形成されていると判断した。
複数の試料について引っ張り試験を行ったところ、接続強度と昇温プロファイルには相関関係が認められた。すなわち、良好な接続が形成された試料の昇温プロファイルは、図18に示される昇温プロファイルとほぼ同じ昇温プロファイルを示すことが確認された。
これに対して、図18に示される昇温プロファイル(基準昇温プロファイル)とは異なる昇温プロファイルを示した試料では、インタコネクタとp(n)型電極との接続強度が十分ではなく、接続状態が不良であることが判明した。
これについて、図19を用いて説明する。まず、レーザ光線を照射した部分の昇温プロファイルを点線で示す。このとき、図19に示す4つの昇温プロファイル(a)〜(d)のうち、良好な接続が得られた場合の昇温プロファイル(a)を基準昇温プロファイルとする。そうすると、たとえば、レーザ光線の照射による熱が、インターコネクタからはんだへ十分に伝導しないような場合には、基準昇温プロファイル(a)と比べて、昇温プロファイル(c)に示すように、項目(1)の温度が設定した閾値を越えないため不良(NG)となる。
また、基準昇温プロファイル(a)と比べて、昇温プロファイル(d)に示すように、項目(1)の温度は閾値を超え、項目(2)の時間も設定された範囲内にあるにもかかわらず、項目(3)で設定した温度の閾値まで冷却される時間が短い、もしくは、温度変化の傾きがより急峻となる場合も、不良(NG)となる。一方、レーザ光線の照射による熱が、インターコネクタからはんだへ伝導し過ぎる場合には、基準昇温プロファイル(a)と比べて、昇温プロファイル(b)に示すように、項目(1)の温度は閾値を超えているが、項目(2)の時間が短いため不良(NG)となる。
熱がインターコネクタからはんだへ十分に伝導しないような場合としては、たとえば、インターコネクタとはんだとの間に隙間が生じている場合や、異物が混入している場合等が想定される。特に、異物が混入している場合に、異物を除去できないような場合には、インターコネクタあるいは太陽電池セルを排除することが望ましい。
一方、熱がインターコネクタからはんだへ伝導し過ぎる場合としては、図20に示すように、たとえば、p(n)型電極13,16の直下の半導体基板の領域にクラック70が生じており、電極材料がそのクラック70の内部にまで入り込んでいる場合が想定される。この場合には、クラック70に電極材料が入り込んでいることで電極の裏側へ熱が伝わりやすくなる。このような太陽電池セルについては、太陽電池セルそのものが不良であるためこれを排除することが望ましい。
また、熱がインターコネクタからはんだへ伝導し過ぎる場合としては、インターコネクタがp(n)型電極に対し、所定の位置に配置されていないような場合が想定される。この場合には、インターコネクタが途中で切れているような場合や、インターコネクタがねじれている場合等が考えられる。このようなインターコネクタについては、インターコネクタそのものが不良であるためこれを排除することが望ましい。
その他、熱がインターコネクタからはんだへ伝導し過ぎる場合としては、インターコネクタの表面が汚染している場合が想定される。この場合には、レーザ光線の照射による吸収熱量が大きくなり、結果として、はんだへ伝導する熱量が大きくなることが考えられる。このようなインターコネクタについては、インターコネクタそのものが不良であるためこれを排除することが望ましい。
接続状態が不良であると判断されたもののうち、太陽電池セルそのものやインターコネクタそのものに原因のあるものを排除した後の残りのインターコネクタ等について、再度、インターコネクタを太陽電池セルへ接続し直す処理を行なった。インターコネクタの位置、ねじれを確認するなどしてから、再度レーザ光線を照射し、基準の昇温プロファイルが得られるまでこの処理を繰り返して行うことで、インターコネクタによって太陽電池セルを直列に接続した太陽電池ストリングを得た。この後、得られた太陽電池ストリングをEVA等の封止材によって封止することで、太陽電池モジュールを得た。
以上のようにして得られた太陽電池ストリングでは、インターコネクタと太陽電池セルのp(n)型電極とが確実に接続されて、インターコネクタの接続による反りはほとんどないことが確認された。
実際の生産工程では、接続処理が連続して行われること、そして、太陽電池セル内において他のp(n)型電極の熱の影響を考慮して、項目(1)〜項目(3)のうち、項目(1)と項目(3)については、たとえば、規定値の約±30%程度の範囲内にあり、項目(2)については規定値の約±10%程度の範囲内にあれば、インターコネクタが太陽電池セルに良好に接続されたと判断するようにしてもよい。
また、接続不良と判断されたものについては、太陽電池セルあるいはインターコネクタそのものに不具合があるものを排除したうえで、インターコネクタを太陽電池セルに再接続させる処理を行うように、生産システムにプログラムを組み込むことも可能である。
今回開示された実施の形態および実施例は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 太陽電池セル、3 セル電極、4 はんだ、5 インターコネクタ、11 半導体基板、12 n+拡散層、13 n型電極、14 裏面アルミニウム電極、15 p+拡散層、16 p型電極、17 スルーホール、20 太陽電池ストリング、25 太陽電池モジュール、31 ガラス板、32,33 EVA、34 バックフィルム、40 ソルダーレジスト、50 基板ステージ、51 開口部、52 加熱装置、53 温度測定器、54 レーザ照射装置、61 レーザ照射装置、62 レーザ光線、63 温度測定器、64 K−熱電対。
Claims (12)
- 所定の接続材料によって、一の被接続物と他の被接続物とを接続させる被接続物の接続方法であって、
一の被接続物と他の被接続物との間に、所定の接続材料を介在させる工程と、
前記接続材料を加熱し、前記一の被接続物および前記他の被接続物の所定の位置における温度の時間変化を測定する工程と、
前記接続材料の加熱を開始してから、前記所定の位置における温度がピークに達するまでの時間と到達温度に基づいて、前記一の被接続物と前記他の被接続物との接続良否を判断する工程と
を備えた、被接続物の接続方法。 - 前記接続材料は低融点金属材料であり、
前記一の被接続物と前記他の被接続物とは金属である、請求項1記載の被接続物の接続方法。 - 前記低融点金属材料ははんだを含む、請求項2記載の被接続物の接続方法。
- 前記接続材料は熱硬化型接着剤であり、
前記一の被接続物と前記他の被接続物は樹脂を含む、請求項1記載の被接続物の接続方法。 - 温度の時間変化を測定する工程では熱電対が用いられる、請求項1〜4のいずれかに記載の被接続物の接続方法。
- 温度の時間変化を測定する工程では、非接触態様で測定される、請求項1〜4のいずれかに記載の被接続物の接続方法。
- 前記接続良否を判断する工程において、接続不良と判断された一の被接続物と他の被接続物とに対し、前記接続材料を用いて前記一の被接続物と前記他の被接続物とを再度接合する工程を備えた、請求項1〜4のいずれかに記載の被接続物の接続方法。
- 複数の太陽電池セルをインターコネクタによって接続することにより太陽電池ストリングを形成して太陽電池モジュールを製造する太陽電池モジュールの製造方法であって、
太陽電池セルとインターコネクタとの間に低融点金属材料を介在させる工程と、
前記低融点金属材料を加熱し、前記太陽電池セルおよび前記インターコネクタの所定の位置における温度の時間変化を測定する工程と、
前記低融点金属材料の加熱を開始してから、前記所定の位置における温度がピークに達するまでの時間と到達温度に基づいて、前記太陽電池セルと前記インターコネクタとの接続良否を判断する工程と
を備えた、太陽電池モジュールの製造方法。 - 前記低融点金属材料を加熱する工程では、前記太陽電池セルは所定のステージに載置され、
前記ステージには、前記インターコネクタ直下の所定の位置に前記太陽電池セルを露出する開口部が形成された、請求項8記載の太陽電池モジュールの製造方法。 - 前記温度の時間変化を測定する工程では熱電対が用いられる、請求項8または9に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 前記低融点金属材料ははんだを含む、請求項8〜10のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
- 所定の接続材料によって一の被接続物と他の被接続物とを接合させる被接続物の接合において、接合状態の良否を判定する接合状態検査方法であって、
一の被接続物と他の被接続物との間に所定の接続材料を介在させて前記接続材料を加熱し、前記一の被接続物または前記他の被接続物の所定の位置における温度が、接合状態が良好と判断される所定の温度に達しているか否かを判定する第1判定基準と、
前記第1判定基準により、接合状態が良好と判断されたものについて、前記到達温度が観測されるまでの時間が、接合状態が良好と判断される時間内であるかどうかを判定する第2判定基準と
に基づいて接合状態の良否を判定する、接合状態検査方法。
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JP2012064871A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-03-29 | Nippon Avionics Co Ltd | 太陽電池用接続部材の接続方法および接続装置 |
WO2012169626A1 (ja) | 2011-06-08 | 2012-12-13 | デクセリアルズ株式会社 | 太陽電池モジュール、太陽電池モジュールの製造方法、接着フィルムの貼り合わせ方法、接着フィルムの検査方法 |
JP2021118223A (ja) * | 2020-01-23 | 2021-08-10 | 株式会社カネカ | 太陽電池モジュール製造方法 |
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-
2008
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