JP2010015487A - 透明電極及びその形成方法とそれを用いた表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 所要のパターン形状をなした透明電極膜34上に導電性微粒子35bが膜表面に分散して突出した透過性の異方性導電保護膜35を積層して透明電極33を構成する。異方性導電保護膜35は透明な樹脂35aに導電性微粒子35bを分散したものからなり、樹脂35aは透明なポリイミド樹脂又はウレタン系樹脂を用いて0.5〜1.5μmの膜厚に形成する。導電性微粒子35bは金、カーボン、金メッキ微粒子などの材料からなって1〜10μm粒径のものを用い、1〜5重量%の範囲で配合する。
【選択図】 図3
Description
また、異方性導電保護膜は導電性微粒子が膜表面に分散し、且つ、膜表面から突出している。このため、透明電極膜と導電性微粒子は導通性が取られていて、膜面に対して垂直方向に導電性微粒子が電極としての役割を果たしている。つまり、垂直方向に対してのみ異方性を持った導電機能を果たしている。
また、異方性導電保護膜は透過性を有する。本発明においては、80%を超える透過率を持っていて、表示画像の視認性を悪くしないようにしている。
また、本発明においては、導電性微粒子の粒径の大きさを1〜10μmの範囲に制限する。これは、粒径が1μmより小さいと樹脂の膜表面から沈むものが現れたり、突出量が微小となって突出した頭に樹脂が被覆して導通が得られなくなる。また、10μmより大きいと、対向させて設ける基板の透明電極同士に接触が起こる危険性が現れる。また、導電性微粒子の固定力も低下して導電性微粒子が剥離し易くなる。本発明では許容できる範囲として最大10μmまでと規定している。
そして、樹脂の膜厚0.5〜1.5μmの範囲と導電性微粒子の粒径1〜10μmの範囲の中から膜の表面から導電性微粒子が突出するように適宜な膜厚、適宜な粒径を選択して使用する。
また、金メッキ微粒子はプラスチックやセラミック、金属などからなる微粒子にメッキを施したもので、最表面層が金メッキを施したものからなるものである。
前記形成した透明電極膜上に導電性微粒子を分散した異方性導電保護膜を印刷法で所要のパターン形状に形成する工程と、
前記異方性導電保護膜を硬化する工程と、
前記異方性導電保護膜が形成されていない部分の前記透明電極膜をエッチング法で除去する工程と、
を有することを特徴とするものである。
Vapor Deposition)法で透明電極膜を形成する工程は従来の透明電極膜を形成する工程と全く同じ工程をとるが、その後の後工程において、異方性導電保護膜の印刷工程と異方性導電保護膜の硬化工程、透明電極膜のエッチング工程でもって本発明の透明電極を形成するものである。
従来の形成工程にあった露光工程、フォトレジスト膜の剥離工程などの工程が無くなり、製作コストも大幅にダウンすることができる。
また、本発明の透明電極の形成工程にあっては、異方性導電保護膜の印刷工程で透明電極の形状を形成する。印刷方法としてスクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法などを採用することができるが、グラビアオフセット印刷法にあっては透明電極の形状精度を10μm前後の精度誤差で仕上げることが可能である。これは、フォトリソグラフィ法によって形成した場合に得られる精度に近いものであり、精度的にも余り劣らない形状精度が得られる。
異方性導電保護膜を形成する印刷法は製品の求められる精度に応じて適宜に選択すると良い。
このように規制したことによる作用・効果は前述の透明電極の構成の欄で説明した内容と同じ内容であるのでこの場での説明は省略する。
また、表示装置を本発明の透明電極の形成方法の下で形成することにより、透明電極が安いコストで製作できるので表示装置自体の製作コストも安くすることができる。また、製作手番短縮などの効果も得られる。
特に、基板の撓みを利用して駆動操作を行うタッチパネルにあっては長期にわたって品質保証が可能となり、また、安いコストでの提供が可能になる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る表示装置は液晶表示パネルを備えたタッチパネルで、このタッチパネルについて図1〜5を用いて説明する。図1は第1実施形態に係るタッチパネルの上基板ユニットと下基板ユニットの斜視図を示している。また、図2は第1実施形態に係るタッチパネルの要部断面図、図3は図2におけるA部の拡大断面図と斜視図で、図3の(a)は拡大断面図、図3の(b)は下面側から見た斜視図である。また、図4は操作時における作用を説明する説明図を示している。また、図5は図2における透明電極の形成方法を説明する工程図を示している。
透明電極膜24は、図1において、横方向に4列をなしている検出部24aとそれぞれの検出部24aから引き廻した接続配線部24bに分かれている。
透明電極33は、図1において、縦方向に4列をなしている検出部33aとそれぞれの検出部33aから引き廻した接続配線部33bと、更に、下基板ユニット21の透明電極膜24の接続配線部24bに接続されるところの下基板用接続配線部33cとに分かれている。そして、接続配線部33b並びに下基板用接続配線部33cは上基板32に設けた延設部32bまで延びて設けられている。
上基板ユニット31の延設部32bに設けた透明電極33である接続配線部33bと下基板用接続配線部33cはシール材38の外側に延びており、FPC取付部となる部位になっている。この部位にFPCが取付けられて外部と電気的に接続するようになっている。
なお、図示はしていないが、下基板用接続配線部33cは下基板ユニット21の接続配線部24bとシール材38の外側で導電材を介して接続されるようになっている
また、下基板ユニット21の透明電極膜24はITO膜からなるが、この透明電極膜24はPVD法で下基板22の全面にITO膜を形成し、その後に、フォトリソグラフィ法で所要の形状、つまり、図1に示した検出部24a、接続配線部24bを持った形状に形成する。
また、上基板ユニット31の透明電極33の透明電極膜34はITO膜からなり、異方性導電保護膜35は透明な樹脂に導電性微粒子を分散したものからなっている。
樹脂35aの膜厚は0.5〜1.5μmの範囲で形成する。これは、膜厚が0.5μmより薄いと導電性微粒子の固定力が弱くなって、導電性微粒子が基板から剥離する危険が生じる。また、1.5μmより厚くなると突出する導電性微粒子の突出部分(頭部分)に樹脂膜が被覆し、導通が取れなくなる危険が生じる。導電性微粒子の周りは樹脂の膜厚が多少厚目になるために導電性微粒子を被覆し易くなる。
導電性微粒子35bの粒径は樹脂35aの膜厚より大きいものを用い、導電性微粒子35bが樹脂35aの膜表面から突出するようにする。導電性微粒子35bは透明電極膜34と接触しているので、突出した部分の導電性微粒子35bは透明電極膜34と電気的に導通する。
タッチパネルにおいては高抵抗値を求められることから、一般的に、透明電極膜34の厚みは20〜200nmの範囲に形成する。これは、下基板ユニット21の透明電極膜24の厚みについても同様である。
透明電極膜34は真空蒸着法やスパッタリング法などのPVD法で上基板32の下面に形成する。PVD法は低温で処理するのでPETフィルムからなる上基板32の熱変化には影響を与えない。
本発明においては、分散した導電性微粒子35bを介して、つまり、分散した導電性微粒子35bを樹脂35aの膜表面から突出させることで、抵抗値を変えることなく上基板32が撓んだ時に突出した導電性微粒子35bが対向する下基板ユニット21の透明電極膜24と接触して導通するようにしている。
樹脂35aの膜厚0.5〜1.5μmの範囲と導電性微粒子35bの粒径1〜10μmの範囲の中から膜の表面から導電性微粒子35bが突出するように適宜な膜厚、適宜な粒径を選択して使用するのが良い。
導電性微粒子35bの配合量が少ないと透過率は向上するが、反面分散(分布)密度が粗くなって導電性が得られないという問題が起きる。導電性が確保できる範囲として1重量%以上に規定している。一方、配合量が多いと透過率が低下する。本発明においては、タッチパネルの透過率は80%を超えるようにしている。従って、少なくとも透過率が80%得られる配合量として5重量%に規定している。なお、導電性微粒子35bの分散は均一な分布をなして分散するのが好ましいので、場合によっては分散促進剤を用いることも可能である。
このように、導電性微粒子35bの配合量を1〜5重量%にすることで所要の透過率が得られ、また、良好な導電性が得られる。
なお、耐熱性が要求される場合は200μm厚みのマイクロシートガラスを用いるのが好ましい。
このドットスペーサ27は直径30〜50μm、高さ5〜20μm、ドット間隔は1〜8mmの範囲の中で形成する。高さとドット間隔、及び上下基板間の間隙量(これは、後述するシール材38の高さに相当する)は作動力(押圧力)に影響を及ぼす。所要の作動力で操作が行えるように上記範囲の中で適宜な値を設定するのが好ましい。
なお、上基板32にマイクロシートガラスを用いた場合はドットスペーサ27の高さは2〜5μmの範囲に設定するのが好ましい。
シール材38の高さによって上基板32と下基板22との隙間が設定される。第1実施形態においては、上基板32にPETフィルムを用いているので、高さは75〜200μmの範囲の中で適宜に設定する。この高さは分散させたスペーサボールの外径寸法によって決める。
なお、上基板32にマイクロシートガラスを用いた場合は、シール材38の高さは概ね10数μmの高さが選ばれる。
また、所要の透過率も得られるので、液晶表示パネル100の表示画像の視認性も問題は生じない。
前述の従来技術にあっては金属電極被膜を設けた構成をなすものであったが、本発明においては、接続用の金属電極被膜を特別に設ける必要はない。このことで、製作コストの低減効果が得られる。
最初に、図5の(a)の透明電極膜の形成工程において、PETフィルムからなる上基板32の下面(図5の(a)においては上面側に当たる)全域にITO膜からなる透明電極膜34を形成する。ここでは、透明電極膜34は上基板32の下面全域に設けているが、特に全域に限るものではなく、不要面はマスキングして必要とする主要面にのみ形成しても良いものである。
透明電極膜34は真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などのPVD法で形成する。透明電極膜34は高抵抗を要することから、厚みは20〜200nmの範囲内で形成する。
前述したことではあるが、異方性導電保護膜35は、透明な樹脂35aに導電性微粒子35bを分散したものからなる。異方性導電保護膜の所要のパターン形状は図1に示した上基板ユニット31の透明電極33のパターン形状と同じである。
紫外線硬化型のポリイミド樹脂やウレタン系樹脂などの透明な樹脂35aに金、カーボン、金メッキ微粒子などの微粒子からなる導電性微粒子35aを1〜5重量%配合してインクを生成する。
印刷方法はスクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法などが採用できるが、パターン形状の精度によって印刷法を選択するのが望ましい。例えば、スクリーン印刷法であると50μm前後の精度誤差が発生する。オフセット印刷法の場合であると25μm前後の精度誤差が生じ、グラビアオフセット印刷法であると10μm前後の精度誤差で仕上げることが可能である。
グラビアオフセット印刷法で形成した場合の形状精度はフォトリソグラフィ法によって形成した場合の精度に近いものが得られる。
何れにしても、異方性導電保護膜を形成する印刷法は製品の求められる精度に応じて適宜に選択すると良い。
本発明の透明電極の形成工程は、前述の従来技術で有していた金属電極被膜形成工程、露光、洗浄工程、金属電極被膜のエッチング工程、ホォトレジスト膜の除去工程もなく、僅か4工程で形成できるので、各段と形成工数は小さくなって製作コストは大幅に低減することができる。
しかしながら、下基板側にも本発明の透明電極を設ける構成をとることも可能である。上下基板両方に異方性導電保護膜を設ける構成は透明電極膜が露出しないので、透明電極膜の電蝕防止効果も得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る表示装置について図6を用いて説明する。なお、図6は本発明の第2実施形態に係る表示装置の要部断面図を示している。第2実施形態の表示装置は分散型EL(Electro Luminescence)表示パネルである。
EL表示パネル40は可撓性を有する透明なPETフィルムからなる上基板52の下面に所要の画像パターン形状に形成した透明電極53を設け、その上に発光体層47、誘電体層46、背面電極44、絶縁膜42を積層した構成をなしている。また、上基板52には一部分に延設部52bを設けており、この延設部52bがFPC取付部になって各画像の接続配線部をなす透明電極53が設けられていて、FPCと接続するようになっている。
この透明電極53は発光の画像パター形状をなして形成されており、更に、各画像パターンからはFPC取付部まで接続配線部が引き廻して設けられている。
透明電極53の形成方法は前述の第1実施形態で説明した形成方法と同じである。
EL表示パネル40は総厚として1mm以下に納まり、パネル全体を湾曲させた状態で画像表示を行うことができる。
また、FPC取付部においては、感圧接着剤を介してFPCを異方性導電保護膜55に取付けるだけで電気的に接続可能になるので、特別に金属膜なる端子部を設ける必要もなくなり、コスト低減ができる。
21 下基板ユニット
22 下基板
24a、33a 検出部
24b、33b、33c 接続配線部
24、34、54 透明電極膜
27 ドットスペーサ
31 上基板ユニット
32、52 上基板
32b、52b 延設部
33、53 透明電極
35、55 異方性導電保護膜
35a、55a 樹脂
35b、55b 導電性微粒子
38 シール材
40 EL表示パネル
42 絶縁膜
44 背面電極
46 誘電体層
47 発光体層
Claims (15)
- 基板上に有して所要のパターン形状をなした透明電極膜上に導電性微粒子が膜表面に分散して突出した透過性の異方性導電保護膜を有することを特徴とする透明電極。
- 前記異方性導電保護膜は透明な樹脂に導電性微粒子を分散したものからなり、前記樹脂の膜厚が0.5〜1.5μmの範囲にあって、前記導電性微粒子の粒径が1〜10μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
- 前記導電性微粒子の配合量は1〜5重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明電極。
- 前記導電性微粒子は金、カーボン、金メッキ微粒子の少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の透明電極。
- 前記透明な樹脂はポリイミド樹脂又はウレタン系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明電極。
- 前記基板は可撓性を有することを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
- 前記基板はFPC取付部を有し、前記透明電極膜上に有する前記異方性導電保護膜は前記FPC取付部にも設けられており、前記FPC取付部上でFPCと前記異方性導電保護膜が接続することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の透明電極。
- 平坦面をなす基板の主要面上にPVD法で透明電極膜を形成する工程と、
前記形成した透明電極膜上に導電性微粒子を分散した異方性導電保護膜を印刷法で所要のパターン形状に形成する工程と、
前記異方性導電保護膜を硬化する工程と、
前記異方性導電保護膜が形成されていない部分の前記透明電極膜をエッチング法で除去する工程と、
を有することを特徴とする透明電極の形成方法。 - 前記異方性導電保護膜は透明な樹脂に導電性微粒子を分散したものからなり、前記樹脂の膜厚が0.5〜1.5μmの範囲にあって、前記導電性微粒子の粒径が1〜10μmの範囲にあることを特徴とする請求項8に記載の透明電極の形成方法。
- 前記導電性微粒子の配合量は1〜5重量%であることを特徴とする請求項8又は9に記載の透明電極の形成方法。
- 前記導電性微粒子は金、カーボン、金メッキ微粒子の少なくとも1種からなることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の透明電極の形成方法。
- 前記透明な樹脂はポリイミド樹脂又はウレタン系樹脂であることを特徴とする請求項8又は9に記載の透明電極の形成方法。
- 可撓性を有する基板を備えた表示装置において、前記基板に前記請求項1乃至7のいずれかに記載の透明電極を有することを特徴とする表示装置。
- 可撓性を有する基板を備えた表示装置において、前記基板に前記請求項8乃至12のいずれかに記載の透明電極の形成方法によって形成した透明電極を有することを特徴とする表示装置。
- 前記表示装置は液晶表示パネルを備えたタッチパネルであることを特徴とする請求項13又は14に記載の表示装置。
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