JP2010015472A - 歩行者性別判定装置、歩行者性別判定方法、歩行者性別判定プログラムおよびその記録媒体 - Google Patents

歩行者性別判定装置、歩行者性別判定方法、歩行者性別判定プログラムおよびその記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 撮像装置をもって多方向から撮影された画像を用いて、精度良く歩行者の性別を判定する。
【解決手段】 性別判定装置1には複数の撮像装置をもって歩行者を撮影した画像が時系列に入力されている。この性別判定装置1の歩行者領域抽出部12は、入力画像に映っている歩行者の位置の画素と、背景画像の前記歩行者に対応する位置の画素とで値の差分からシルエット画像を生成する。人物モデル構築部13は、前記シルエット画像を用いて3次元人物モデルを構築し、各関節の角度と関節間の長さをパラメータとして取得する。歩行周期切り出し部15は、前記パラメータから歩行周期を算出する。特徴量抽出部16は、歩行周期毎に切り出されたパラメータ列から肩部および腰部の関係により性別の特徴量を得る。性別判定部18は、前記特徴量をあらかじめ性別のラベルが付与された特徴量と比較して性別を判定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、撮像装置(例えばカメラ、ビデオカメラなど)で撮影された映像から、画像処理により歩行者の性別を判定する技術に関する。
周知のように、カメラなどで撮影された映像から歩行者の人物属性を識別する技術は、様々な分野で利用されている。例えば、映像から歩行者の性別を判定するシステムを商店街やデパートなどに設置すれば、時間帯や売場ごとの男女別入店客数などの有用なマーケティング情報を得ることができる。この性別判定技術としては、特許文献1〜3の手法が知られている。
特許文献1記載の人物属性識別装置では、あらかじめ大量の人物の正面顔画像を性別毎に部分空間法を用いて学習しておき、カメラから入力された歩行者の顔画像がどのグループに最も近いのかを判定することにより、男女を識別している。
また、特許文献2記載の人物属性検出装置では、歩行中の人物の靴底の圧力および足音をセンサなどから取り込み、これらをトリガーとしてある特定周期の足画像をカメラから取り込む。この足画像の形状特徴・色特徴をあらかじめ学習しておいた複数人のデータと照合することにより、男女を識別している。
また、特許文献3記載の物体属性検出方法では、男女の服装や髪型の違いに着目し、歩行中の人物の横方向のシルエット画像を図形とみなして図形分解を行い、その結果得られるパターンスペクトラムをあらかじめ学習しておいた複数人のデータのパターンスペクトラムと照合することにより、男女を識別している。
特開平11−175724号公報 特開平7−160883号公報 特開平8−249444号公報 Z.Zhang,"A flexible new technique for camera calibration".IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence,22(11):1330−1334,2000. M.Mitchell,"An Introduction to Genetic Algorithms",MIT Press.1996.
しかしながら、特許文献1記載の判定方法では、歩行者の顔画像が正面方向から撮影される必要があることから、カメラ配置の自由度が制限され、システムの利用場面が限定されるおそれがある。
また、特許文献2記載の判定方法では、歩行者の歩行中の靴底の圧力、足音などを取得するセンサやマイクロホンなどの特別な装置が必要となることから、システムを構築するためのコストが増大してしまう。
また、特許文献3記載の判定方法では、歩行中の人物のシルエット画像が横方向から撮影される必要があり、やはりカメラ配置の自由度が制限されるおそれがある。さらに、歩行者の服装や髪型によって必ずしも男女の差を表現できるとは限らないため、高い識別能力が期待できないおそれもある。
そこで、本発明は、このような問題に鑑み、撮像装置をもって多方向から撮影した画像から精度良く歩行者の性別を判定することを解決課題としている。
本発明は、前記課題を解決するために創作された技術的思想であって、複数の撮像画像から3次元人物モデルを構築したうえで、性別によって差異の表れる領域の動きに着目して男女間の差異を表す特徴量を抽出し、性別の判定を行っている。
具体的には、請求項1記載の発明は、複数の撮像装置をもって歩行者を撮影した画像から、歩行者の性別を判定する歩行者性別判定装置であって、前記各撮像装置から順次入力された撮像画像をベースに性別判定対象である歩行者領域を抽出したシルエット画像を生成する歩行者領域抽出手段と、前記シルエット画像を用いて3次元人物モデルを構築し、該人物モデルの可動領域に関するパラメータを取得する人物モデル構築手段と、前記パラメータから歩行周期を算出し、該歩行周期ごとに前記パラメータの列を抽出する歩行周期切り出し手段と、前記歩行周期ごとのパラメータ列から、性別により差異の現れる領域の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、前記特徴量を、予め性別ラベルが付与された特徴量と比較して歩行者の性別を判定し、該判定結果を出力する性別判定手段とを備えることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、前記人物モデル構築手段が、前記人物モデルの関節の角度と関節間の長さを前記パラメータとして取得するとともに、前記歩行周期切り出し手段が、前記パラメータを時系列に格納するデータベースを参照して前記歩行周期を算出することを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、前記特徴量抽出手段が、前記人物モデルの肩部および腰部の関係を前記特徴量として抽出するとともに、前記性別判定手段が、前記性別ラベルの付与された複数のサンプルデータを格納するデータベースを参照し、前記特徴量抽出手段の抽出した前記特徴量に最も近い前記サンプルデータを探索して歩行者の性別を判定することを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、複数の撮像装置をもって歩行者を撮影した画像から、歩行者の性別を判定する歩行者性別判定方法であって、歩行者領域抽出手段が、前記各撮像装置から順次入力された撮像画像をベースに性別判定対象である歩行者領域を抽出したシルエット画像を生成する第1ステップと、人物モデル構築手段が、前記シルエット画像を用いて3次元人物モデルを構築し、該人物モデルの可動領域に関するパラメータを取得する第2ステップと、歩行周期切り出し手段が、前記パラメータから歩行周期を算出し、該歩行周期ごとに前記パラメータの列を抽出する第3ステップと、特徴量抽出手段が、前記歩行周期ごとのパラメータ列から性別により差異の現れる領域の特徴量を抽出する第4ステップと、性別判定手段が、前記特徴量と予め性別ラベルが付与された特徴量とを比較して歩行者の性別を判定し、該判定結果を出力する第5ステップとを有することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、前記第2ステップで前記人物モデルの関節の角度と関節間の長さを前記パラメータとして取得するとともに、前記第3ステップで前記パラメータが時系列に格納されたデータベースを参照して前記歩行周期を算出することを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、前記第4ステップで前記人物モデルの肩部および腰部の関係を前記特徴量として抽出するとともに、前記第5ステップで前記性別ラベルの付与された複数のサンプルデータを格納するデータベースを参照し、前記第4ステップで抽出した前記特徴量に最も近い前記サンプルデータを探索して歩行者の性別を判定することを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、歩行者性別判定プログラムであり、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歩行者性別判定装置を構成する各手段として、コンピュータを機能させることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、コンピュータの読み取り可能な記録媒体であり、請求項7記載の歩行者性別判定プログラムを記録したことを特徴としている。
請求項1〜8記載の発明によれば、撮像装置の撮像画像をベースに歩行者の性別を判定していることから、特別な装置が不要となり、システム構築のコストが抑制される。
また、3次元人物モデルから性別により差異の表れる領域の動きに着目して特徴量を抽出していることから、撮像装置と人物の方向が限定されることなく、判定結果の精度も向上する。
本発明は、所定位置に固定された複数台の撮像装置を使用して、それぞれ撮像装置の内部パラメータおよび外部パラメータを撮像装置間で同じ座標系を用いて求めている。これは例えば非特許文献1のような手法によって取得可能である。
このとき各撮像装置は、歩行者を中心に配置され(例えば水平面の円状に配置するなど)、各撮像装置間は同じ撮影間隔で同期されているものとする。ここでは前記撮像装置で撮影された画像(フレーム画像)が歩行者性別判定装置に時系列的に入力される状況(静止画系列や映像ストリームなど)を想定して説明する。
また、本実施形態では、前記歩行者性別判定装置がパーソナルコンピュータ(PC)により構成された例を説明する。もっとも、歩行者性別判定装置はこれに限定されるものではなく、例えば性別判定の処理ロジックを実装したIC(Integrated Circuit)チップを備えた計算機などであれば足りる。
(1)構成例
図1は、本発明の実施形態に係る歩行者の性別判定装置1を示し、この性別判定装置1には、複数台のカメラ2で撮影された画像データがネットワークを介して時系列に入力されている。ここではカメラ2には、デジタルカメラあるいはデジタルビデオカメラが使用されているものとする。
前記性別判定装置1は、図1に示すように、キーボードやマウスなどの入力部3と、固定データなどを記憶する読み取り専用メモリ(ROM)4と、各部の制御や演算処理などを行う処理部(CPU:Central Processor Unit)5と、処理データなどを一時記憶する書き換え可能なメモリ(RAM)6と、前記各カメラ2とネットワーク接続する通信インタフェース部(I/F)7と、処理データなどを保存するハードディスクドライブ装置などの外部記憶部8と、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体10を読み込む記録媒体駆動部9と、処理データを表示するディスプレイなどの表示部11とを備えている。
前記各構成要素3〜9は、図2に示すように、歩行者領域抽出部12、人物モデル構築部13、人物モデルパラメータ記憶部14、歩行周期切り出し部15、特徴量抽出部16、辞書特徴量記憶部17、性別判定部18として機能している。この機能ブロック12〜18は、前記処理部(CPU)5が前記ハードディスクドライブ装置に格納された性別判定プログラムを読み込んで実現されている。このうち前記各記憶部14.17は、前記ハードディスクドライブ装置にデータベースとして構築されている。
具体的には、前記歩行者領域抽出部12には、図3に示すように、異なるアングルで撮影された各カメラ2の画像データが順次入力され、該画像データから性別判定対象の歩行者領域を抽出して歩行者領域の画像データ群を前記人物モデル構築部13に出力する。
前記人物モデル構築部13は、入力された前記歩行者領域の画像データ群を用いて3次元人物モデルを当てはめ、該人物モデルのパラメータを前記人物モデルパラメータ記憶部14へ時系列に出力する。
前記人物モデルパラメータ記憶部14は、前記パラメータを時系列に記憶しておき、該パラメータ列を前記歩行周期切り出し部15に出力する。
前記歩行周期切り出し部15は、入力された複数フレーム分の前記パラメータ列から歩行周期を抽出して、該歩行周期毎に切り出された前記パラメータ列を前記特徴量抽出部16に出力する。
前記特徴量抽出部16は、入力された歩行周期毎に切り出された前記パラメータ列から肩および腰部分の関係より特徴量を抽出して、前記性別判定部18に出力する。
前記性別判定部18は、前記特徴量抽出部16から入力された特徴量と前記辞書特徴量記憶部17に記憶された性別のラベルが付与された特徴量とを比較して性別を判定し、判定結果を前記表示部11などに出力している。なお、前記各機能ブロック12〜18の入出力データの詳細を表1に示しておく。
Figure 2010015472
(2)性別判定装置1の処理内容
以下、前記各機能ブロック12〜18の実行する処理ステップを、図4のフローチャートに基づき説明する。
S01:まず、歩行者領域抽出部12は、各カメラ2で撮影された歩行者の映っている現時点の入力画像データと、あらかじめ各カメラ2で撮影された歩行者の映っていない背景画像の画像データとを対比する。この背景画像の画像データは、前記ハードディスクドライブ装置などに格納されているものとする。
具体的には、歩行者領域抽出部12は、現時点の画像データに映っている歩行者の位置の画素と、背景画像の画像データの前記歩行者に対応する位置の画素とで値の差分を計算する。この差分値の絶対値が設定された閾値以上である画素を歩行者領域の画素とし、歩行者のシルエット画像を作成する。
このシルエット画像は2値のデータとなっており、例えば、歩行者領域が1、それ以外は0となっている。ここで、歩行者領域の画像データの一部が背景の画素値と近い値を持つ場合には、差分が小さくなり、部分的に歩行者領域が欠損してしまうケースが発生する。このような部分的な欠損を抑制する処理として、画像データ間の画素値の差分を検出した後、その差分値の画像データにおいてモルフォロジフィルタを施すことにより、部分的な欠損を抑制することができる。このモルフォロジフィルタの例としては、膨張処理と収縮処理をセットで行う「closing」処理などが挙げられる。
また、前記の歩行者領域を検出する処理は、背景画像と現時点での画像との画素値の差分を取る代わりに、画素値の比を算出し、その比が所定範囲から外れる部分を歩行者領域として算出する方法を用いてもよい。
なお、作成されたシルエット画像のデータは、前記メモリ(RAM)6に一時記憶してもよく、また前記外部記憶部8に保存してもよい。
S02:人物モデル構築部13は、S01で生成されたシルエット画像、即ち異なるアングルからの複数のシルエット画像を用いて、図5の3次元人物モデルMを構築する。具体的には、各シルエット画像の中心を通るように前記3次元人物モデルMを当てはめる。
この3次元人物モデルMでは、関節Kに数字で示す角度の自由度(全身で16関節20自由度)と、各関節K間の長さLの自由度(全身で15自由度)があるが、これは一例であり、後述する肩部と腰部の特徴を出せるモデルであれば、その形態は問わないこととする。
前記3次元人物モデルMの当てはめは、ランダムに各関節の長さ・角度を変えて生成した複数の骨格のうち、どれが最も各カメラからのシルエットの中心を通っているのかを評価して、行う。
具体的には、たとえば、それぞれの関節間の部位において、骨とそれと直交する方向でのシルエットの輪郭との間の距離を計算し、それができるだけ直交する方向でのシルエットの幅を半分に分割する(シルエットの中央を通る)ように、全身として評価することで、複数の骨格から最適な一つを選ぶ。
これにより最適な3次元人物モデルMが決定され、該人物モデルMの可動領域に関するパラメータ(各関節Kの角度・各関節K間の長さL)が取得される。
連続するフレームにおいては、次のフレームにおいて現フレームの人物モデルを考慮し、非特許文献2のような手法を用いて、新たに生成された人物モデルを用い、最適化計算をすることで人物モデルの構築を行ってもよい。この際には人物モデルの長さは変わらないものとする。
なお、構築された3次元人物モデルMは、前記メモリ(RAM)6などに一時記憶してもよく、また前記外部記憶部8に保存してもよい。
S03.S04:つぎに人物モデル構築部13は、S02で得られた3次元人物モデルMの前記パラメータを、前記人物モデルパラメータ記憶部14に保存する(S03)。
そして、S03の保存後にパラメータ取得処理の終了条件を満たしたかを確認する(S04)。すなわち、実行時に指定された指定時刻や指定処理フレーム枚数などの終了条件を満たした場合には、次のS05の処理を行い、そうでない場合にはS01へ戻り、終了条件を満たすまでS01〜S03の処理を繰り返す。
S05:S01〜S03を前記終了条件まで繰り返したときには、前記人物モデルパラメータ記憶部14には、3次元人物モデルMの前記パラメータが時系列で蓄積されている。この蓄積されたパラメータ群を3次元人物モデルMのパラメータ列と呼ぶ。このパラメータ列から前記歩行周期切り出し部15が歩行者の歩行周期を検出する。
すなわち、前記パラメータ列を前記人物モデルパラメータ記憶部14から読み出し、周期的に角度が変化する部分に着目して、これを周期の検出ポイントとする。
例えば、足の膝部分の角度であれば、時系列で、ある極小値が表れてから次に極小値が表れるまでが半周期、その次の極小値が表れるまでが一周期となる。この周期の検出ポイントは、これに限定されるものではなく、周期的に角度が変化する部分であればその部分は問わないものとする。
これにより前記歩行周期毎に前記パラメータ列が切り出され、一周期分の前記パラメータ列が取得される。このパラメータ列は、前記メモリ(RAM)6に一時記憶してもよく、また前記外部記憶部8に保存してもよい。
S06:前記特徴量抽出部16が、S05で取得した一周期分のパラメータ列から性別を特定する特徴量を抽出する。ここでは前記特徴量を性別により動作に差異の表れる肩部と腰部とで表現している。この肩部・腰部は図6中の太線F1.F2で示されている。
図7(a)は、人物の進行方向に沿った軸における右肩の位置の変位、即ち背中部Bに対する右肩部RSの相対的位置の変位を示し、図7(b)は、同様に背中部Bに対する右腰部RHの相対的位置の変位を示している。
ここでは右肩部RSと右腰部RHの相対的位置の変位は男女により異なり、その相互の関係において大きな差異が表れている。すなわち、周期Tでの右肩部RSの変位は男性の方が大きく、右腰部RHの変位は女性の方が大きくなる傾向が表れている。
したがって、図8に示すように、周期Tにおける右肩部RSの変位の分散Vsおよび右腰部RHの変位の分散Vhを求め、その比をもって男女の特徴量を表現することができる。この特徴量は式(1)で表現される。この式(1)は、前記性別判定装置1のプログラムに定義されているものとする。
Figure 2010015472
このとき右肩部RSおよび右腰部RHに代えて左肩部LSと左腰部LHの変位を求めれば、位相は異なるものの、図8と同様の波形を示す。このように相対的位置の変位の分散が算出できれば、左右どちらの部分を用いてもよい。
ここでは相対的位置を求める基準を背中部Bとしたが、この基準は右肩部RS(あるいは左肩部LS)と右腰部RH(あるいは左腰部LH)の相対的位置の変位が計測できる部分であればよく、例えば肩部RS.LSについては肩中央部CS、腰部RH.LHについては腰中央部CHを基準としてもよい。
また、肩部および腰部の相対的位置の変位を用いて特徴量Fを求めているが、この他に両部の速度・加速度を用いてもよいし、角度の変化量、角速度・角加速度を用いてもよい。
このようにして肩部と腰部の相互の関係を用いることにより、従来技術と比べ性別による差異をより明確に表すことができる。これにより性別判定に有効な特徴量が抽出される。抽出された特徴量は、前記メモリ(RAM)6に一時記憶してもよく、また前記外部記憶部8に保存してもよい。
S07:前記性別判定部18は、前記辞書特徴量記憶部17に保存された複数人分の性別ラベルが付与された一周期分の特徴量の辞書データ(サンプルデータ)を用いて、S06で得られた特徴量と最も近いものを探索することにより、性別を判定する。
例えばS06で得られた特徴量とあらかじめ得ておいた性別ラベルの付いた特徴量において、統計分類の一手法である最近傍探索を行って性別を判定する。この判定の評価式は式(2)で表現される。
Figure 2010015472
この評価式を最小にする「i」のラベルが判定結果となる。なお、この特徴量の比較には、パターン認識の分野において他にも様々な手法があるが、ここではそれを限定しない。また、前記評価式は、前記性別判定装置1のプログラムに定義されているものとする。
この判定結果は、前記表示部11に表示される。この表示部11には、S01〜S06の処理経過も適宜に表示させてもよい。また、判定結果のデータは前記メモリ(RAM)6に一時記憶してもよく、また前記外部記憶部8に保存してもよい。
このように本実施形態の性別判定装置1によれば、カメラ2の撮像画像のみから性別による歩行の差異を表す特徴量が抽出されることから、特許文献2のようにセンサやマイクロホンなどの特別な装置を用いる必要がなく、この点でシステム構築のコストが抑制される。
また、3次元人物モデルMを構築して特徴量が抽出されることから、多方向の撮影画像から歩行者の性別を判定でき、特許文献1のようにカメラ配置の自由度が制限されることはない。
さらに、歩行者の肩部と腰部の相互の関係を用いて特徴量が算出されることから、特許文献3のように歩行者の服装や髪型などの外面的要素に影響されることがなく、より高精度の性別判定結果が得られる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えばコンピュータを前記性別判定装置1の各機能ブロック12〜18として機能させる性別判定プログラムとしても提供することができる。このプログラムは、S01〜S07の全ての処理ステップをコンピュータに実行させるものでもよく、あるいは一部の処理ステップを実行させるものであってもよい。
このプログラムは、Webサイトなどからのダウンロードによってコンピュータに提供される。また、前記プログラムは、CD−ROM,DVD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−R,DVD−RW,MO,HDD,Blu−ray Disk(登録商標)などの記録媒体10に格納してコンピュータに提供してもよい。この記録媒体10から読み出されたプログラムコードが、S01〜S07の処理をコンピュータに実行させるので、該記録媒体10も本発明を構成する。
本発明の実施形態に係る性別判定装置の構成図。 同 主要機能ブロックの概略図。 同 主要機能ブロックの入出力データ図。 同 処理フロー図。 同 3次元人物モデルの構築例。 同 3次元人物モデルの肩部と腰部の位置を示す図。 (a)は性別による肩部の変位を示すグラフ、(b)は性別による腰部の変位を示すグラフ。 (a)は肩部の分散を示すグラフ、(b)は腰部の分散を示すグラフ。
符号の説明
1…性別判定装置
2…カメラ(撮像装置)
3…入力部
4…読み取り専用メモリ(ROM)
5…処理部(CPU)
6…書き換え可能メモリ(RAM)
7…通信インタフェース部
8…外部記憶部
9…記録媒体駆動部
10…記録媒体
11…表示部
12…歩行者領域抽出部
13…人物モデル構築部
14…人物モデルパラメータ記憶部
15…歩行周期切り出し部
16…特徴量抽出部
17…辞書特徴量記憶部
18…性別判定部
M…3次元人物モデル
K…関節部
L…関節間の長さ
B…背中部
F1…肩部
RS…右肩部
LS…左肩部
CS…肩中央部
F2…腰部
RH…右腰部
LH…左腰部
CH…腰中央部
T…一歩行周期
Vs…肩部における分散
Vh…腰部における分散

Claims (8)

  1. 複数の撮像装置をもって歩行者を撮影した画像から、歩行者の性別を判定する歩行者性別判定装置であって、
    前記各撮像装置から順次入力された撮像画像をベースに性別判定対象である歩行者領域を抽出したシルエット画像を生成する歩行者領域抽出手段と、
    前記シルエット画像を用いて3次元人物モデルを構築し、該人物モデルの可動領域に関するパラメータを取得する人物モデル構築手段と、
    前記パラメータから歩行周期を算出し、該歩行周期ごとに前記パラメータの列を抽出する歩行周期切り出し手段と、
    前記歩行周期ごとのパラメータ列から、性別により差異の現れる領域の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
    前記特徴量を、予め性別ラベルが付与された特徴量と比較して歩行者の性別を判定し、該判定結果を出力する性別判定手段と、
    を備えることを特徴とする歩行者性別判定装置。
  2. 前記人物モデル構築手段が、前記人物モデルの関節の角度と関節間の長さを前記パラメータとして取得するとともに、
    前記歩行周期切り出し手段が、前記パラメータを時系列に格納するデータベースを参照して前記歩行周期を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の歩行者性別判定装置。
  3. 前記特徴量抽出手段が、前記人物モデルの肩部および腰部の関係を前記特徴量として抽出するとともに、
    前記性別判定手段が、前記性別ラベルの付与された複数のサンプルデータを格納するデータベースを参照し、
    前記特徴量抽出手段の抽出した前記特徴量に最も近い前記サンプルデータを探索して歩行者の性別を判定する
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の歩行者性別判定装置。
  4. 複数の撮像装置をもって歩行者を撮影した画像から、歩行者の性別を判定する歩行者性別判定方法であって、
    歩行者領域抽出手段が、前記各撮像装置から順次入力された撮像画像をベースに性別判定対象である歩行者領域を抽出したシルエット画像を生成する第1ステップと、
    人物モデル構築手段が、前記シルエット画像を用いて3次元人物モデルを構築し、該人物モデルの可動領域に関するパラメータを取得する第2ステップと、
    歩行周期切り出し手段が、前記パラメータから歩行周期を算出し、該歩行周期ごとに前記パラメータの列を抽出する第3ステップと、
    特徴量抽出手段が、前記歩行周期ごとのパラメータ列から性別により差異の現れる領域の特徴量を抽出する第4ステップと、
    性別判定手段が、前記特徴量と予め性別ラベルが付与された特徴量とを比較して歩行者の性別を判定し、該判定結果を出力する第5ステップと、
    を有することを特徴とする歩行者性別判定方法。
  5. 前記第2ステップは、前記人物モデルの関節の角度と関節間の長さを前記パラメータとして取得するとともに、
    前記第3ステップは、前記パラメータが時系列に格納されたデータベースを参照して前記歩行周期を算出する
    ことを特徴とする請求項4記載の歩行者性別判定方法。
  6. 前記第4ステップは、前記人物モデルの肩部および腰部の関係を前記特徴量として抽出するとともに、
    前記第5ステップは、前記性別ラベルの付与された複数のサンプルデータを格納するデータベースを参照し、
    前記第4ステップで抽出した前記特徴量に最も近い前記サンプルデータを探索して歩行者の性別を判定する
    ことを特徴とする請求項4または5のいずれか1項に記載の歩行者性別判定方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の歩行者性別判定装置を構成する各手段として、コンピュータを機能させることを特徴とする歩行者性別判定プログラム。
  8. 請求項7記載の歩行者性別判定プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータの読み取り可能な記録媒体。
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