図1は本発明の第1実施例の電圧無印加時の液晶表示装置10を示す断面図、図2は図1の液晶表示装置10の電圧印加時を示す断面図である。図1及び図2において、本発明の液晶表示装置10は、第1及び第2の対向する透明なガラス基板12、14と、第1及び第2の基板12、14の間に封入された液晶層16とを備える。第1の基板12はカラーフィルタ(図示せず)を含むカラーフィルタ基板であり、第2の基板14はTFTを含むTFT基板である。液晶パネルは一対の基板12、14及び液晶層16によって形成される。
第1の基板12は該第1の基板12を実質的に全面的に覆うように形成されたベタの透明電極18と垂直配向膜20とを有する。第2の基板14は複数の(図1では1つのみ示される)互いに平行に延びるストライプ状の電極22と垂直配向膜24とを有する。液晶層16の液晶は垂直配向され、正の誘電率異方性を有する。一対の偏光子26、28が液晶パネルの両側に配置される。
図3は第2の基板14に形成されるアクティブマトリクスの一部を示す。アクティブマトリクスは、ゲートバスライン30、データバスライン32、及びTFT34を有する。ゲートバスライン30とデータバスライン32とで囲まれる領域が1画素に相当する。2つのストライプ状の電極22はTFT34に接続され、データバスライン32のACのデータ電圧を受ける。図3においては、2つのストライプ状の電極22が1画素に設けられている。ベタの透明電極18はITOやNESA等の実質的に透明になる材料で形成されるが、ストライプ状の電極22はゲートバスライン30又はデータバスライン32と同じメタルで形成される。
図4は偏光子26、28の吸収軸26a、28aの関係を示す。吸収軸26a、28aはクロスニコルの関係で、すなわち互いに直交するように配置される。吸収軸26a、28aは図3に示されるゲートバスライン30、データバスライン32、及びストライプ状の電極22に対して45度の角度をなすように配置される。
この構成においては、図1に示されるように、電圧を印加していないときには、液晶分子は基板面に対してほぼ垂直に配向する。図2に示されるように、電圧が印加されると(例えば、ベタの透明電極18はグランドに接続され、ストライプ状の電極22はデータの電圧が交流で印加される)、各ストライプ状の電極22からベタの透明電極18へ向かう電界(電気力線)が形成される。多くの電界(電気力線)は矢印FOで示されるように各ストライプ状の電極22からベタの透明電極18へ向かって斜めに走る。従って、正の誘電率異方性を有する液晶分子は、電圧印加時には斜め電界FOに平行に配向する。
このため、液晶分子は基板面に対して斜め方向に傾くようになり、複屈折が生じて、入射光の偏光状態を変化させる。従って、ほとんどの液晶分子が斜め電界に沿ってスムーズに配向し、ディスクリネーションが生じることがない。偏光子26、28はクロスニコルの関係で配置されているので、電圧印加時には白表示が実現される。ストライプ状の電極22の直ぐ近くにおいては電界(電気力線)は矢印FNで示されるように基板面に対して垂直になっているが、ストライプ状の電極22はメタルであるので遮光性があり、この部分の液晶の挙動は問題ではない。なお、このような構造の液晶表示装置の視角特性はTN液晶表示装置の視角特性よりも良好である。
図5は液晶表示装置の比較例を示す図である。図5においては、第1の基板12には電極がなく、第1の電極23a及び第2の電極23bが第2の基板14のみに設けられている。液晶層16は垂直配向型で且つ正の比誘電率の異方性を有する液晶を含む。従って、電圧が印加されないときには、液晶分子は基板面に対してほぼ垂直に配向する。電圧が印加されると、図5(B)に矢印で示されるように、第1の電極23aから第2の電極23bへ向かう横電界が形成される。液晶分子は横電界に平行になるように配向する。しかし、2つの電極23a、23b間の中間部に位置する液晶分子は、右端部側の液晶分子の配向方向に従うのか左端部側の液晶分子の配向方向に従うのか不明確であり、液晶の配向が不安定になる。従って、図5(C)に示されるように、液晶表示装置の1画素領域10bの中央部にディスクリネーションDが生じる。なお、C領域はメタルからなる第1の電極23a及び第2の電極23bで遮光された領域である。本願の発明は、ディスクリネーションDを低減する。
図6は本発明の第2実施例の電圧無印加時の液晶表示装置10を示す断面図、図7は図6の液晶表示装置10の電圧印加時を示す断面図である。液晶表示装置10は、図1及び図2の実施例と同様に、第1及び第2の対向する透明なガラス基板12、14と、第1及び第2の基板12、14の間に封入された液晶層16と、偏光子26、28を備える。
第1の基板12は該第1の基板12を実質的に全面的に覆うように形成されたベタの透明電極18と垂直配向膜20とを有する。第2の基板14は複数の互いに平行に且つ交互に延びる第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bと垂直配向膜24とを有する。第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bは互いに異なった電圧を印加されるようになっている。実施例では、第1のグループのストライプ状の電極22aは交流のデータの電圧(例えば±5V)を印加され、第2のグループのストライプ状の電極22bはベタの透明電極18と同じ電圧を印加される。この場合、ベタの透明電極18はACのデータ電圧のほぼ中間の電圧(グランド)を印加される。
さらに、誘電体層(絶縁体層)36がベタの透明電極18と垂直配向膜20との間に配置されている。ベタの透明電極18は第1の基板12の内面に設けられ、誘電体層36はベタの透明電極18の上に設けられる。基本的には、誘電体層36はベタの透明電極18と液晶層16との間に設けられる。好ましくは、誘電体層36が光硬化樹脂、熱硬化樹脂、ポリ型又はネガ型のレジスト、ポリアミック酸、その他の有機樹脂(例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂等)、SiO、SiO2、SiNのグループの1つからなる。
この構成においては、図6に示されるように、電圧を印加していないときには、液晶分子は基板面に対してほぼ垂直に配向する。図7に示されるように、電圧が印加されると、第1のグループのストライプ状の電極22aの各々からベタの透明電極18へ向かう電界(電気力線)が形成される。多くの電界(電気力線)は矢印FOで示されるように第1のグループのストライプ状の電極22aの各々からベタの透明電極18へ向かって斜めに走る。従って、正の誘電率異方性を有する液晶分子は、電圧印加時には斜め電界FOに平行に配向する。
さらに、第1のグループのストライプ状の電極22aの各々から第2のグループのストライプ状の電極22bの各々へ向かって横電界FTが形成される。この横電界FTは第1のグループの各ストライプ状の電極22aからベタの透明電極18へ向かう斜め電界FOの形成を助ける作用をする。すなわち、図2の構成においては、斜め電界FOはストライプ状の電極22からの横方向の距離が大きくなるにつれて急激に弱くなるが、図7においては、斜め電界FOはストライプ状の電極22aからの距離が大きくなってもあまり弱くならない。
液晶分子は斜め電界FOに平行になるように配向し、基板面に対して斜め方向に傾くようになり、複屈折が生じて、入射光の偏光状態を変化させる。従って、ほとんどの液晶分子が斜め電界に沿ってスムーズに配向し、例えば図5のディスクリネーションDがかなり防止できる。そして、誘電体層36がベタの透明電極18と液晶層16との間に設けられると、斜め電界FOの形成がさらに助けられ、良好な表示を実現することができる。誘電体層36の効果を図8及び図9を参照して説明する。
図8及び図9は誘電体層36の作用を説明する図である。図8は誘電体層36がない場合の電界の形成を示す図であり、図9は誘電体層36がある場合の電界の形成を示す図である。図8及び図9においては、ストライプ状の電極22aのまわりに形成される等電位線が示されている。図8においては、電界が第1のグループのストライプ状の電極22aの各々の近傍に集中しすぎてしまい、等電位線が液晶層16内に留まっている。従って、液晶層16内においては透明電極18の法線方向に向かう電界の作用が強く、斜め電界は法線方向の成分が強いものになり、十分に斜めにならない。従って、液晶は十分に複屈折性を発揮しない。
図9においては、等電位線が液晶層16から誘電体層36へ広がり、液晶層16内での電界の集中を緩和している。従って、液晶層16内においては透明電極18の法線方向に向かう電界の作用が弱くなる。そのため、斜め電界は法線方向の成分が弱いものになり、十分に斜めになる。従って、液晶分子は十分に横に倒れる。
図10(A)は誘電体層36がないことを除くと図6の液晶表示装置と同様の液晶表示装置を示す図である。図10(B)は図10(A)の液晶表示装置による表示の例を示す図である。この例では、ディスクリネーションはなくなるが、表示は比較的に全体的に暗い。図11(A)は透明電極18を有する基板12を逆にして取り付けた液晶表示装置を示す図である。図11(B)は図11(A)の液晶表示装置による表示の例を示す図である。ハッチングのある領域は暗い部分を示し、ハッチングのない領域は明るい部分を示す。この例では、ハッチングのない明るい部分の中に、線状のディスクリネーションがある。
図12(A)は誘電体層36がある図6の液晶表示装置と同様の液晶表示装置を示す図である。図1212(B)は図12(A)の液晶表示装置による表示の例を示す図である。この例では、ディスクリソーションもなく、表示は全体的に明るくなっている。従って、図1212の構成によれば、より小さい駆動電圧でより明るい、ディスクリソーションのない表示を実現することができる。
図13は誘電体層36及び透明電極18がない液晶表示装置に6Vの電圧を印加した場合の透過率(T)を示す図である。図13から図16において、横軸xは位置であり、曲線の谷はストライプ状の電極22a、22b、23a、23b、あるいはディスクリネーションDの位置に相当する。図14は誘電体層36及び透明電極18がない液晶表示装置に10Vの電圧を印加した場合の透過率(T)を示す図である。図13及び図14においては、透過率の高い領域にディスクリネーションがある。
図15は誘電体層36及び透明電極18がある液晶表示装置に6Vの電圧を印加した場合の透過率(T)を示す図である。図16は誘電体層36及び透明電極18がある液晶表示装置に10Vの電圧を印加した場合の透過率(T)を示す図である。図15及び図16においては、ディスクリネーションがない。
図17は誘電体層36の厚さと透過率(輝度)との関係を示す図である。誘電体層36の厚さが0の場合には、透過率が低いが、誘電体層36の厚さが大きくなるにつれて透過率が高くなる。しかし、誘電体層36の厚さが3〜4μm程度で透過率が最も高く、誘電体層36の厚さが4μmより大きくなると透過率は次第に低くなっていく。誘電体層36の厚さが4μmより大きくなると、ベタの透明電極18の影響が薄れてしまう。基本的には、誘電体層36の厚さは3μm±3μmの範囲内にあるのが望ましい。
誘電体層36の厚さは誘電体層36の比誘電率に依存する。誘電体層36の比誘電率が3±1の範囲にある場合には、誘電体層36の厚さが0.1μm以上5μm以下であるのがよい。また、誘電体層36の比誘電率が5±1の範囲にある場合には、誘電体層36の厚さが0.5μm以上10μm以下であるのがよい。すなわち、誘電体層36の比誘電率が3程度の場合には、誘電体層36の厚さが1μm〜4μmであるのがよい。また、誘電体層36の比誘電率が7程度の場合には、誘電体層36の厚さが3μm〜6μmであるのがよい。これは図9の等電位線の形成の仕方に係わる。
図18から図21は誘電体層36の種々の例を示す。図18では、第1の基板12の内面にカラーフィルタ38が設けられ、カラーフィルタ38の上にベタの透明電極18が設けられ、ベタの透明電極18の上に誘電体層36が設けられ、誘電体層36の上に垂直配向膜20が設けられている。図19では、第1の基板12の内面にカラーフィルタ38が設けられ、カラーフィルタ38の上にベタの透明電極18が設けられ、ベタの透明電極18の上に誘電体層36兼垂直配向膜20が設けられている。この場合、通常の垂直配向膜20を厚く形成して、上記した誘電体層36に適した厚さにする。
図20では、第1の基板12の内面にベタの透明電極18が設けられ、ベタの透明電極18の上に誘電体層36兼カラーフィルタ38が設けられ、カラーフィルタ38の上に垂直配向膜20が設けられている。図21では、第1の基板12の内面にベタの透明電極18が設けられ、ベタの透明電極18の上に誘電体層36兼カラーフィルタ38兼垂直配向膜20が設けられている。この場合、カラーフィルタ38の母材として垂直配向性を示すポリイミド等を用いることにより、このようて構成が可能になる。図18の構成では、別に誘電体層36を追加する必要があるが、図19から図21の構成では、別に誘電体層36を追加する必要がない。別に誘電体層36を追加する場合には、ベタの透明電極18を第2の基板14の取り出し電極に接続するためのトランスファー電極を設けるために誘電体層36をパターニングする工程が増加する。さらに、誘電体層36が後で説明する位相差フィルムの性質を備えていると好都合である。
図22は第2の基板14に形成される第1及び第2のストライプ状の電極22a、22b及びアクティマトリクスの一例を示す図である。アクティブマトリクスは、ゲートバスライン30、データバスライン32、及びTFT34を有する。ゲートバスライン30とデータバスライン32とで囲まれる領域が1画素に相当する。第1のグループの2つのストライプ状の電極22aは接続電極22cによってTFT34に接続され且つ互いに接続され、データバスライン32のACのデータ電圧を受ける。さらに、ゲートバスライン30と平行にコモンバスライン40が設けられ、第2のグループの3つのストライプ状の電極22bは接続電極22dによってコモンバスライン40に接続され且つ互いに接続される。第1の2つのストライプ状の電極22aと第2の3つのストライプ状の電極22bとは交互に配置され、横電界を形成する。図6及び図7を参照して説明したように、この横電界は第1のグループのストライプ状の電極22aと第1の基板12のベタの透明電極18との間に形成される斜め電界の形成を助けるものである。
図23は第2の基板14に形成される第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22b及びアクティブマトリクスの他の例を示す図である。この例でも、第1のグループのストライプ状の電極22aは接続電極22cによってTFT34に接続され、第2のグループのストライプ状の電極22bは接続電極22dによってコモンバスライン40に接続される。第1のグループのストライプ状の電極22aと第2のグループのストライプ状の電極22bとは交互に配置され、横電界を形成する。ストライプ状の電極22a、22bは、ゲートバスライン30及びデータバスライン32に対して45度の角度で形成されている。さらに、第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bはそれぞれ延びる方向が互いに90度異なる二つのサブグループの直線部分に分けられている。すなわち、接続電極22cは、ゲートバスライン30と平行に延びる接続電極部分22cxと、データバスライン32と平行に且つ画素の中心線に沿って延びる接続電極部分22cyとを有する。接続電極22dは、同様に、接続電極部分22dx、22dyを有する。第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bは接続電極部分22cyの両側で2つのサブグループに分けられている。各サブグループ内では、第1のグループのストライプ状の電極22a各々の両側にある液晶分子は互いに反対方向に向かって倒れ(図7参照)、液晶の配向が異なるようになる。このため、画素は2×2の4つの領域に分けられる。この構成によれば、液晶分子の傾く方向が4方向となるため、視角特性はさらによくなる。
図22及び図23に示した第2の基板は図1818から図21に示した第1の基板12と組み合わせることができる。図24は図6及び図7(及び図18から図23まで)の液晶表示装置10を簡単化して示す図である。液晶表示装置10を液晶層16を挟持した一対のガラス基板12、14からなる液晶パネルと、液晶パネルの両側に配置される一対の偏光子26、28とを備える。偏光子26、28の吸収軸26a、28aは互いに直交するように配置される。吸収軸26a、28aはゲートバスライン30、データバスライン32、及びストライプ状の電極22に対して45度の角度をなすように配置されることができる。
図25は図24の構成に少なくとも1つの位相差フィルム42を加えた液晶表示装置10を示す図である。少なくとも1つの位相差フィルム42は一対の偏光子26、28の間のあらゆる位置に設けられることができる。この実施例における位相差フィルム42は、位相差フィルム42の主屈折率nx 、ny 、nz のうち、フィルム面方向の屈折率をnx 、ny (隣接する偏光子の吸収軸に直交する方向の屈折率をnx 、平行な方向の屈折率をny )、フィルム法線方向の屈折率をnz としたとき、 nx ≧nz 、ny ≧nz (ただし、nx =ny =nz を除く)(1)
の関係が成り立つ性質を備えているものとする。屈折率nx 、ny の間に例えばnx >ny の関係が成り立つとき、x方向を遅相軸と言う。ここで、位相差フィルム42の厚さをdとしたとき、RxZ=(nx −nz )d、RYZ=(nY −nz)dと定義する。
図26は典型的な偏光子44の構成を示す図である。偏光子44は偏光機能を有するPVA(ポリビニルアルコール)フィルムを支持フィルムであるTAC(トリアセチルセルロース)フィルム等により挟んだ偏光フィルムとして構成される。図27に示すように、このような偏光子44が液晶表示装置10の偏光子26、28として用いられるとき、PVAフィルムのみを実際の偏光子26、28とみなし、PVAフィルムよりも内側に位置するTACフィルムが上記nx ≧nz 、ny ≧nz の関係を満たすとき、そのTACフィルムは一対の偏光子26、28の間に挿入された位相差フィルムとみなす。また、本発明では、位相差を有する層として形成されたものであれば、位相差フィルムの代りに用いることができる。位相差を有する層はフィルム状の物質として形成されるのが好ましく、カラーフィルタ層、あるいは樹脂層、あるいは配向膜層も含まれることができる。
図28は図24の液晶表示装置の視角特性を示す図である。曲線46は液晶パネルをあらゆる方位で見たときのコントラスト10となる等コントラスト曲線である。この等コントラスト曲線46から、TN型液晶表示装置の視角特性よりも広い視角で良好なコントラストが得られることが分かる。この等コントラスト曲線46では、45度、135度、225度、315度の方位でコントラスト10となる視角は、38度である。
図29は図25の液晶表示装置の視角特性を示す図である。曲線48は液晶パネルをあらゆる方位で見たときのコントラスト10となる等コントラスト曲線である。この等コントラスト曲線48では、45度、135度、225度、315度の方位でコントラスト10となる視角は、約70度である。従って、位相差フィルム42を挿入することによって良好な視角特性を得ることができる。
まず、図25の構成において、1枚の位相差フィルム42を挿入し、RxZ、RYZをさまざまに変化させて視角特性を調べた。RxZ、RYZを変化させて、45度の方位においてコントラストが10となる視角を求めた。図30はコントラストが10となる等視角曲線を示す図である。視角が70度、60度、50度、40度になる曲線がRxZ−RYZ座標にプロットされている。図23のストライプ状の電極22a、22bを有する液晶表示装置では、四方向の視角特性は同じであるので、135度、225度、315度の方位でも同様の結果が得られる。
上記したように、図28において、45度の方位でコントラストが10になる視角は38度である。従って、図30においてコントラストが10になる視角が38度以上となる範囲では、位相差フィルム42を追加した効果がある、ということになる。図30においてコントラストが10になる視角が38度以上となるのは、RxZ、RYZについて下記の条件が満たされるときである。
RYZ≧RxZ−230nm
RYZ≦RxZ+130nm
RYZ≦−RxZ+1060nm
これらの条件を書き換えると、以下のようになる。
−130nm≦(nx −ny )d≦230nm
((nx +ny )/2−nz )d≦530nm
ここで、R=(nx −ny )d、Rt =((nx +ny )/2−nz )dとすると、位相差フィルム42の満たすべき条件は、
−130nm≦R≦230nm (2)
Rt ≦530nmになる。
液晶パネルのΔndLC(dLCは液晶層の厚さ)を変化させて同様にR、Rt の最適条件を求めた結果、Rの最適条件は液晶パネルのΔndLCに依らずに常に、
−130nm≦R≦230nm (2)
であることが分かった。一方、Rt の最適条件は液晶パネルのΔndLCに依存する。ΔndLCとRt の最適条件の上限との関係を調べたところ、図31に示す関係が得られた。液晶パネルのΔndLC=RLCとすると、Rt の最適条件の上限は1.6×RLCの関係がある。従って、Rt はこの上限よりも下の範囲にあればよい。すなわち、
Rt ≦1.6×RLCである。
以上は、一対の偏光子26、28の間に1枚の位相差フィルム42を挿入した場合の考察である。この考察は、一対の偏光子26、28の間に複数の位相差フィルムを挿入した場合にも拡張される。例えば、図26及び図27を参照して説明したように、偏光子26、28がPVCフィルムとTACフィルムとを積層した構造のものである場合には、内側のTACフィルムが本願の式(1)で定義した位相差フィルムの作用をする。従って、図27の構成の場合には、3枚の位相差フィルムが一対の偏光子26、28の間に挿入されていることになる。
そこで、N枚の位相差フィルムが一対の偏光子26、28の間に挿入されている場合について、上記と同様にして検討した。N個の位相差フィルムのRをR1、R2 、・・・RN とし、Rt をRt1、Rt2、・・・RtNとすると、最適条件は以下の関係が同時に満たされるときであることが分かった。
−130nm≦R1 ≦230nm (2)
…
−130nm≦RN ≦230nm
Rt1+Rt2+・・・RtN≦1.6×RLC (3)
以上は、コントラストが10になる視角が38度以上となる条件についてであった。これをさらに拡大して、コントラストが10になる視角が50度以上となる条件について検討すると、下記の関係が同時に満たされるときであることが分かった。
nx ≧nz 、ny ≧nz (ただし、nx =ny =nz を除く)(1)
−50nm≦R1 ≦150nm (4)
…
−50nm≦RN ≦150nm
Rt1+Rt2+・・・RtN≦1.3×RLC (5)
図29は、図27に示される構成において、ΔndLC=RLC=330nm、R=(nx −ny )d=50nm、Rt =200nmとしたときの等コントラスト曲線を示している。位相差フィルム42は日本合成ゴム製のARTONフィルム(R=50nm、Rt =200nm)を用い、その遅相軸が隣接する偏光子の吸収軸と直交となるように配置した。
図32は本発明の第3実施例の液晶表示装置を示す断面図である。液晶表示装置10は、対向する第1及び第2のガラス基板12、14と、これらの基板12、14の間に封入された液晶層16とを有する。第1のガラス基板12はカラーフィルタ基板であり、第2の基板14はTFT基板である。第1のガラス基板12は全面ベタの透明電極18と、誘電体層36と、垂直配向膜20とを有する。第2のガラス基板14は、互いに平行に延びる第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bと、絶縁体層50と、垂直配向膜24とを有する。偏光子26、28は示されていないが、図1及び図6に示されるように設けられることができる。なお、以後に説明する実施例は、図1から図4に示される実施例ばかりでなく、図5に示される横電界のみを利用する液晶表示装置にも適用することができる。
絶縁体層50は、第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bを覆い且つ配向膜24の下に設けられている。絶縁体層50は図面に示される単一の絶縁体層とは限らず、複数の絶縁体層の組み合わせとすることができる。例えば、絶縁体層50は次の第1及び第2の絶縁体層の組み合わせとすることができる。コモン電圧を供給される第2のグループのストライプ状の電極22bはガラス基板14の上に形成され、第1の絶縁体層がTFTのゲート絶縁体層と同層に第2のグループのストライプ状の電極22bを覆って形成され、データ電圧を供給される第1のグループのストライプ状の電極22aが第1の絶縁体層の上に形成され、第2の絶縁体層がTFTの保護層と同層とに第1のグループのストライプ状の電極22aを覆って形成される。絶縁体層50又は第1及び第2の絶縁体層はSiNx、SiO2 、レジスト、樹脂、アクリル樹脂、などの絶縁物質からなる。
図33は図32の液晶表示装置の変形例を示す図である。この例では、絶縁体層50は、第2のグループのストライプ状の電極22bを覆い且つ配向膜24の下に設けられている。第1のグループのストライプ状の電極22aは絶縁体層50の上で且つ配向膜24の下に設けられている。図32及び図33の絶縁体層50は例えばSiNによりTFTの形成工程の間に設けられることができる。
図34は図32の液晶表示装置の比較例を示す図である。図34では、図32及び図33の絶縁体層50は設けられていない。図32から図34に示されるような第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bを有する液晶表示装置では、第1のストライプ状の電極22aはTFTに接続されてデータ電圧を供給され、第2のストライプ状の電極22bはコモン電圧を供給される。
図34の液晶表示装置では、第1のグループのストライプ状の電極22aと第2のグループのストライプ状の電極22bとの間に直流電圧成分が長くかかると、画面の焼きつきが生じる可能性がある。しかし、図32及び図33の液晶表示装置では、絶縁体層50を設けることによって、直流電圧成分によって生じる画面の焼きつきを防止することができる。
図44は液晶表示装置に印加される電圧の例を示し、VG はゲート電圧を示し、V Dはデータ電圧を示し、VC はコモン電圧を示す。液晶にかかる電圧VLCはデータ電圧VD に等しいが、ゲートがオフになった直後に容量結合による電圧降下があるので、データ電圧VD よりも少し低くなる。コモン電圧VC はこの電圧降下分を見込んで液晶にかかる電圧VLCの平均値となるように決定される。液晶は交流で駆動されるので、通常は、第1のストライプ状の電極22aと第2のストライプ状の電極22bとの間に直流電圧成分が長い時間かかることはない。しかし、コモン電圧VC が液晶にかかる電圧VLCの平均値からずれていると、第1のストライプ状の電極22aと第2のストライプ状の電極22bとの間に直流電圧がかかることになる。そのために、図34の液晶表示装置では、直流電圧成分のために画面の焼きつきの生じる可能性がある。
図35は電圧印加時の図32の液晶表示装置を示す図である。図35は、第1のグループのストライプ状の電極22aに1ボルトを印加し、第2のグループのストライプ状の電極22bに0ボルトを印加した直後の電位分布を示している。図35内の曲線は等電位線である。V1 は第1のストライプ状の電極22aの上方において液晶層16と配向膜22との間の界面における電圧、V1 ′は第1のストライプ状の電極22aの上方においてと配向膜22と絶縁体層50との間の界面における電圧を示す。同様に、V2 は第2のストライプ状の電極22bの上方において液晶層16と配向膜22との間の界面における電圧、V2 ′は第2のストライプ状の電極22bの上方においてと配向膜22と絶縁体層50との間の界面における電圧を示す。
図36(A)、(B)、(C)は図32から図34の液晶表示装置の第1及び第2のグループのストライプ状の電極間に1ボルトの直流電圧が印加された場合の電圧の変化を示す図である。図36(A)は図32R>2の液晶表示装置に関し、図36(B)は図33の液晶表示装置に関し、図36(C)は、図34の液晶表示装置に関する。
図36(A)及び図36(B)においては、V1 とV2 との電圧の差、つまり液晶層16に印加される直流電圧成分は時間の経過とともに小さくなり、10秒〜20秒経過後に0に収束する。従って、絶縁体層50が設けられていると、直流電圧成分があっても、画面の焼きつきの生じる可能性は小さくなる。図36(C)においては、V1 とV2 との電圧の差は時間が経過しても小さくならず、画面の焼きつきの生じる可能性がある。
画面の焼きつきを防止するためには、絶縁体層50を設けるとともに、次のことに留意するのがよい。(a)V1 とV2 との電圧の差、つまり液晶層16に印加される直流電圧成分が0に収束するまでの時間が、数秒から数100秒であること。V1 とV2 との電圧の差が0に収束するまでの時間が短いほど、液晶層16に直流電圧成分が印加される時間が短くなり、画面の焼きつきを防止するのにきわめて有利である。ただし、収束する時間があまりにも短いと、液晶の電圧保持率が低下するので、収束する時間は数秒から数100秒がよい。(b)V1 とV1 ′との電圧の差、及びV2 とV2 ′との電圧の差、つまり配向膜22の近傍の電界の強さができまだけ0に近いこと。これにより、液晶層16と配向膜22との界面において、イオン吸着等による残留DC電圧を低減することができる。これらの2つの条件は、液晶セルの構成部材の体積抵抗率を適切に選択することにより満足することができる。
図37(A)〜(F)は、図32の液晶表示装置10の配向膜22の体積抵抗率を1010Ωmとして、液晶層16の体積抵抗率を変えた場合の電圧の変化を示す図である。図37(A)は液晶層16の体積抵抗率VRLCが108 Ωmの場合であり、図37(B)は液晶層16の体積抵抗率VRLCが109 Ωmの場合であり、図37(C)は液晶層16の体積抵抗率VRLCが1010Ωmの場合であり、図37(D)は液晶層16の体積抵抗率VRLCが1011Ωmの場合であり、図37(E)は液晶層16の体積抵抗率VRLCが1012Ωmの場合であり、図37(F)は液晶層16の体積抵抗率VRLCが1013Ωmの場合である。
図38(A)〜(F)は、同様に配向膜22の体積抵抗率を1012Ωmとして、液晶層16の体積抵抗率を変えた場合の電圧の変化を示す図である。図38(A)はVRLCが108 Ωm、図38(B)はVRLCが109 Ωm、図38(C)はVRLCが1010Ωm、図3838(D)はVRLCが1011Ωm、図38(E)はVRLCが1012Ωm、図38(F)はVRLCが1013Ωmの場合である。
図39(A)〜(F)は、同様に配向膜22の体積抵抗率を1014Ωmとして、液晶層16の体積抵抗率を変えた場合の電圧の変化を示す図である。図39R>9(A)はVRLCが108 Ωm、図39(B)はVRLCが109 Ωm、図39(C)はVRLCが1010Ωm、図3939(D)はVRLCが1011Ωm、図39(E)はVRLCが1012Ωm、図39(F)はVRLCが1013Ωmの場合である。
図37から図39においては、配向膜22の体積抵抗率が一定であれば、液晶の体積抵抗率VRLCが小さいほど、V1 とV2 との電圧の差が0に収束するまでの時間が小さくなる。液晶の体積抵抗率VRLCは109 Ωm以上で1012Ωm以下であるのが好ましく、109 Ωm以上で1010Ωm以下であるのがより好ましい。
さらに、図37から図39においては、配向膜22の体積抵抗率が小さいほど、V1 とV2 との電圧の差が0に収束するまでの時間が小さくなり、かつ、V1とV1 ′との電圧の差及びV2 とV2 ′との電圧の差は小さくなる。従って、配向膜22の体積抵抗率はできるだけ小さいほうがよく、配向膜22の体積抵抗率が液晶層16の体積抵抗率VRLCよりも低い方がよい。配向膜22の体積抵抗率が1010Ωm以上で1012Ωm以下であるのがよく、特に配向膜22の体積抵抗率が1010Ωm以上で1011Ωm以下であるのが好ましい。
絶縁体層50の体積抵抗率は液晶層16及び配向膜22の体積抵抗率よりも大きいのがよい。図40R>0(A)〜(D)は図32の液晶表示装置10の液晶層16及び配向膜22の体積抵抗率を1010Ωmとして、絶縁体層50の体積抵抗率を変えた場合の電圧の変化を示す図である。図40(A)は絶縁体層50の体積抵抗率が1012Ωm、図40(B)は絶縁体層50の体積抵抗率が1013Ωm、図40(C)は絶縁体層50の体積抵抗率が1014Ωm、図40(D)は絶縁体層50の体積抵抗率が1016Ωmである。
図41(A)〜(D)図32の液晶表示装置10の液晶層16及び配向膜22の体積抵抗率を1011Ωmとして、絶縁体層50の体積抵抗率を変えた場合の電圧の変化を示す図である。図41(A)は絶縁体層50の体積抵抗率が1012Ωm、図41(B)は絶縁体層50の体積抵抗率が1013Ωm、図41(C)は絶縁体層50の体積抵抗率が1014Ωm、図41(D)は絶縁体層50の体積抵抗率が1016Ωmである。
図40及び図41において、絶縁体層50の体積抵抗率が大きいほど、V1 とV2 との電圧の差が0に収束するまでの時間が小さくなる。絶縁体層50の体積抵抗率は1013Ωm以上であるのが好ましいことが分かった。図42は図32の液晶表示装置10の絶縁体層50の体積抵抗率が1014Ωmの場合に第1のストライプ状の電極22a上にある絶縁体層50の部分の厚さT1 を変えた場合の電圧の変化を示す図である。第1のストライプ状の電極22a上にある絶縁体層50の部分の厚さT1 が第2のストライプ状の電極22bと第1のストライプ状の電極22aとの間にある絶縁体層50の部分の厚さと等しい場合には、絶縁体層50の全体の厚さは2T1 になる。
図42(A)は絶縁体層50の部分の厚さT1 が0.2μm、図42(B)は絶縁体層50の部分の厚さT1 が0.4μm、図42(C)は絶縁体層50の部分の厚さT1 が0.8μmの場合である。図42(A)〜(C)では、絶縁体層50の部分の厚さT1 は直流電圧成分を低減させるのに十分な厚さをもっており、絶縁体層50の各部分の厚さT1 はもっと小さくてもよい。絶縁体層50の部分の厚さT1 は50nm以上であるのが好ましいことが分かった。
図43は図33の液晶表示装置10の絶縁体層50の体積抵抗率が1014Ωmの場合に第2のストライプ状の電極22b上にある絶縁体層50の部分の厚さT2 を変えた場合の電圧の変化を示す図である。図33R>3では絶縁体層50は第2のストライプ状の電極22bのみを覆っており、第1のストライプ状の電極22aは絶縁体層50で覆われていない。
図43においてV1 とV2 との電圧の差が0に収束するまでの時間は図42(A)においてV1 とV2 との電圧の差が0に収束するまでの時間とほぼ等しい。従って、画面の焼きつきを防止する効果から見て、図43の絶縁体層50の厚さは図42(A)の絶縁体層50の厚さと同等ということができる。言い換えると、図42(A)において第1のストライプ状の電極22a上にある絶縁体層50の部分の厚さT1 と、第2のストライプ状の電極22b上にある絶縁体層50の部分の厚さT1 との平均の厚さは、図43において第1のストライプ状の電極22a上にある絶縁体層50の部分の厚さ(この場合には0)と、第2のストライプ状の電極22b上にある絶縁体層50の部分の厚さT2 との平均の厚さと等しい。そして、絶縁体層50の厚さT2 は50nm以上であるのが好ましい。
図45は一定のパターンで配置された第1及び第2のグループのストライプ状の電極を含む画素をもつ液晶表示装置の例を示す平面図である。液晶表示装置10は縦横にマトリクス状に並んだ画素52を有し、各画素52は、一方の基板に設けられた第1のグループのストライプ状の電極22aと第2のグループのストライプ状の電極22bとを含む。このような電極構成を有する液晶表示装置はこれまでに説明した実施例と基本的に同様の作用を行う。
各画素52内において、第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bの各々は、図45において左側を向いた屈曲部を有する形状に形成されている。全ての画素52の全ての第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bは左側を向いた屈曲部を有する。従って、図45の液晶表示装置では、画面全体にわたって、第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bは左側を向いて屈曲している。
図46(A)は図45の第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bをもった液晶表示装置の画面54の例を示す図である。画面54内には電圧を印加することにより画像54aが形成されている。図46(B)は図46(A)の画面54を全体的に灰色に表示したときに画面の焼きつき54bが生じた例を示す図である。画面の焼きつき54bは同じ画像54aを長い時間形成した後に画像54aの一部の跡として生じることが多い。
このような画面の焼きつき54bは、画素構成の非対称性に起因して生じることが多い。すなわち、図46(A)の画面54は図45の第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bをもった画素52で形成されており、第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bは左側を向いて屈曲している。このような非対称性をもった液晶表示装置では、液晶が図46(A)に矢印で示されるように非対称性に従って流れ、画像54aの外形部分において液晶の流れの度合いが異なるために液晶に含まれる不純物の滞留が生じ、駆動電圧に違いが生じ、画面の焼きつき54bとして観察されるようになる。
図47は図45及び図46を参照して説明した問題点を解決するために本発明の第4実施例によるパターンで配置された第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bの画素をもつ液晶表示装置を示す平面図である。液晶表示装置10は図1、図5、図6と同様の基本的な構成を有する。液晶表示装置10は縦横にマトリクス状に並んだ画素52を有し、各画素52は、一方の基板に設けられた第1のグループのストライプ状の電極22aと第2のグループのストライプ状の電極22bとを含む。第1のストライプ状の電極22aはデータ電圧を受け、第2のグループのストライプ状の電極22bはコモン電圧を受ける。従って、このような電極構成を有する液晶表示装置はこれまでに説明した実施例と基本的に同様の作用を行う。
各画素52内において、第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bの各々は、一方向に向いた形状を有する。つまり、第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bの各々は、90度に曲げられた屈曲部を有する形状に形成されている。しかし、1つの領域において、例えば図47で1段目の行にある画素52では、第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bの各々は、左側を向いて屈曲している。他の領域において、例えば図47R>7で2段目の行にある画素52では、第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bの各々は、右側を向いて屈曲している。画面全体にわたって見ると、電極が左側を向いて屈曲している前記一領域と電極が右側を向いて屈曲している前記他の領域とは交互に配置されている。
従って、図47では、図45を参照して説明したような非対称性がなくなり、図46を参照して説明した画素構成の非対称性に起因して生じる画面の焼きつき54bが改善される。図48及び図49は図47の液晶表示装置の変形例を示す図である。これらの図においても、液晶表示装置10は縦横にマトリクス状に並んだ画素52を有し、各画素52は、一方の基板に設けられた第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bを含む。第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bの各々は、90度に曲げられた屈曲部を有する形状に形成されている。
図48においては、各画素52内において、1つの領域において、例えば図48で1番右の列にある画素52では、第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bの各々は、左側を向いて屈曲している。他の領域において、例えば図48で右から2番目の列にある画素52では、第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bの各々は、右側を向いて屈曲している。画面全体にわたって見ると、電極が左側を向いて屈曲している一領域と電極が右側を向いて屈曲している他の領域とは交互に配置されている。
図49においては、1つの領域において、例えば図47で右上に位置する画素52と、上から2段目で右から2番目に位置する画素52では、第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bの各々は、右側を向いて屈曲している。他の領域において、例えば図48R>8で上から1段目で右から2番目に位置する画素52と、上から2段目で右から1番目に位置する画素52では、第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bの各々は、左側を向いて屈曲している。画面全体にわたって見ると、電極が左側を向いて屈曲している前記一領域と電極が右側を向いて屈曲している前記他の領域とは交互に配置されている。つまり、画素52は市松模様で配置されている。
従って、図48及び図49でも、画素構成が対称的になり、図46を参照して説明した画素構成の非対称性に起因して生じる画面の焼きつき54bが改善される。図50は図47から図49の液晶表示装置の1画素の例を示す平面図である。図51は図50の第1のストライプ状の電極22aを示す平面図である。図52は図50の第2のストライプ状の電極22bを示す平面図である。この画素の特徴は他の実施例にも適用可能である。
液晶表示装置10では、図23にも示されているように、一方の基板14が、ゲートバスライン30と、データバスライン32と、TFT34とを含むアクティブマトリクスを有する。さらに、コモンバスライン40がある。ゲートバスライン30とデータバスライン32とで囲まれた概略矩形状の画素52内には、第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bが設けられている。第1のグループのストライプ状の電極22aは第1の接続電極22cによってTFT34に接続されている。第2のグループのストライプ状の電極22bは第2の接続電極22dによってコモンバスライン40に接続されている。
図50及び図51において、第1のグループのストライプ状の複数の電極22aは、互いに平行な第1のサブグループの直線部分(図50及び図51の水平な中央線よりも上の要素)と、互いに平行で該第1のサブグループの直線部分に対して角度をなした第2のサブグループの直線部分(図50及び図51の水平な中央線よりも下の要素)を含む。全ての直線部分はデータバスライン32に対して2度から88°の角度をなす。好ましくは、全ての直線部分はデータバスライン32に対して45度の角度をなす。
第1のサブグループの直線部分と第2のサブグループの直線部分とは互いに90度をなすように配置されている。つまり、第1のグループのストライプ状の電極22aは直角の屈曲部を有する。第1のサブグループの直線部分は図50及び図51の水平な中央線に関して第2のサブグループの直線部分と線対称に配置される。第1のサブグループの直線部分は第2のサブグループの直線部分と点対称に配置されることもできる。第1及び第2のサブグループの直線部分の幾つかは概ね矩形形状の画素の一方の長辺から対向する長辺へ折れ曲がりなくまっすぐに延びる。
図50及び図52において、第2のグループのストライプ状の複数の電極22bは、互いに平行な第3のサブグループの直線部分(図50及び図52の水平な中央線よりも上の要素)と、互いに平行で該第3のサブグループの直線部分に対して角度をなした第4のサブグループの直線部分(図50及び図52の水平な中央線よりも下の要素)を含む。第3のサブグループの直線部分と第4のサブグループの直線部分とは互いに90度をなすように配置されている。第3のサブグループの直線部分は図50及び図52の水平な中央線に関して第4のサブグループの直線部分と線対称に配置される。第3及び第4のサブグループの直線部分の幾つかは概ね矩形形状の画素の一方の長辺から対向する長辺へ折れ曲がりなくまっすぐに延びる。
一画素内において、第1の接続電極22cは画素52の周辺部(画素52を規定するゲートバスライン30とデータバスライン32のわずかに内寄りの領域)に設けられ、第1のグループのストライプ状の電極22aを一緒に接続し、そして、第2の接続電極22dが画素52の周辺部に設けられ、第2のグループのストライプ状の電極22bを一緒に接続する。第1の接続電極22cは第2の接続電極22dと絶縁体層56を介して少なくとも部分的にオーバーラップしている(図55参照)。この絶縁体層56は図32及び図33の絶縁体層50と同じである。
図50に示されるように、第2の接続電極22dの幅は第1の接続電極22cの幅よりも大きく、第1の接続電極22cは第2の接続電極22dの内方エッジに載るように位置し、短絡を防止するために第1の接続電極22cがゲートバスライン30及びデータバスライン32から少しでも離れるようになっている。第1の接続電極22cの詳細について説明する。第1の接続電極22cは第1のグループのストライプ状の電極22aの第1及び第2の直線部分の端部を一緒に接続する接続電極部分22cp、22cqを含む。接続電極部分22cpは画素52の周辺部においてゲートバスライン30と平行に延び、該第1及び第2の直線部分の端部同志を接続する。接続電極部分22cqは画素52の周辺部においてデータバスライン32と平行に断片的に延び、第1のグループのストライプ状の電極22aの第1及び第2の直線部分のうちの少なくとも2つの直線部分の端部同志を接続する。
特に、接続電極部分22cqが画素52の周辺部においてデータバスライン32と平行に設けられる構成により、例えば図23に示される画素の中央を長手方向に延びる接続電極部分22cyをなくすことができる。画素の中央を長手方向に延びる接続電極部分22cyは画素の開口率をかなり低下させるが、画素52の周辺部に接続電極部分22cqを設けることによって画素の開口率を改善することができる。
接続電極部分22cqをゲートバスライン30と平行に断片的に設けることにより、ゲートバスライン30の近くにある接続電極部分22cqの量を少なくし、接続電極部分22cqとゲートバスライン30との短絡の可能性を低減する。第1の接続電極22cはさらに画素52の水平な中央線に沿って断片的に設けられた接続電極部分22crを有する。この接続電極部分22crは特に必要ではないが、接続電極部分22crは第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bの屈曲部において液晶の配向が乱れてディストリネーションが生じるのを防止することができる。
第1のグループのストライプ状の電極22aの1つの直線部分の端部(図51にaで示される)が画素の短辺の角に位置し、もう1つの直線部分の端部(図51にbで示される)が画素のもう1つの短辺の角に位置している。端部aを有する直線部分から、その他のほとんどの直線部分及び第1の接続電極の接続電極部分22cqを通って、端部bを有するもう1つの直線部分へいたる実質的に連続的なシリーズの電気経路が形成されている。つまり、第1の接続電極の接続電極部分22cqは第1のグループのストライプ状の電極22aの電気的な接続を達成するのに必要な最小の部分にのみ設けられる。
第2の接続電極22dは第2のグループのストライプ状の電極22bの第3及び第4の直線部分の端部を一緒に接続するために画素52の周辺部においてゲートバスライン30と平行に延びる接続電極部分22dpと、画素52の周辺部においてデータバスライン32と平行に延びる接続電極部分22dqとを有する。第2の接続電極22dはさらに画素の水平な中央線に沿って配置された補助容量電極として作用する接続電極部分22drを有する。接続電極部分22drは第1及び第2のストライプ状の電極22a、22bの屈曲部において液晶の配向が乱れてディストリネーションが生じるのを防止することもできる。接続電極部分22drはなくてもよい。第2の接続電極22dはさらに複数の点において隣接の画素の同様の接続電極と接続するための外方突起22dsを有する。これらの外方突起22dsは図5050のコモンバスライン40の一部である。つまり、1画素の第2の接続電極22dは複数のコモンバスライン40により隣接の画素の第2の接続電極に接続される。
図53は第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22b及び第1及び第2の接続電極22c、22dの変形例を示す平面図である。図54は第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22b及び第1及び第2の接続電極22c、22dの変形例を示す平面図である。図53及び図54においては、第1及び第2の接続電極22c、22dの接続電極部分22cq、22dqは画素の周辺部にのみ設けられ、画素の内部には接続電極部分はない。従って、開口率の大きな明るい液晶表示装置を実現することができる。
画素周辺部に設けられ、第1のグループのストライプ状の電極22aを接続する電極接続部分22cqのうち、一方のデータバスライン32と平行な電極接続部分22cqの合計の長さと、対向するもう一方のデータバスライン32と平行な電極接続部分22cqの合計の長さとが、ほぼ同じになるように配置されているのが好ましい。こうすれば、一方のデータバスライン32と電極接続部分22cqとの間のクロストークの可能性を減少できる。
一画素内で、データバスライン32に対して2度から88°の角度をなす第1のグループのストライプ状の電極22aの第1の直線部分が設けられた領域の面積と、その補角をなす角度をなす第2の直線部分が設けられた領域の面積とが、ほぼ等しいのが好ましい。図55(A)は図56の実施例の比較例を示す図である。図55(B)は図55(A)の線55B−55Bを通る断面図である。前に説明したように、第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bを有する液晶表示装置では、第1のグループのストライプ状の電極22aと第2のグループのストライプ状の電極22bとの間に横電界FT が形成される。これは、対向基板12の全面ベタの透明電極18がある場合でも、対向基板12の全面ベタの透明電極18がない場合でも同様である。
ところが、第1のグループのストライプ状の電極22aの1つが第1の接続電極22cの接続電極部分22cqとが鋭角又は直角で交差する位置では、第1のグループのストライプ状の電極22aは第1の接続電極22cの接続電極部分22cqとは同電位であるために、これらの2つの部材の間には横電界FT が形成されず、液晶が十分に駆動されないという問題が生じた。同様に、第2のグループのストライプ状の電極22bの1つが第2の接続電極22dの接続電極部分22dqとが鋭角又は直角で交差する位置では、第2のグループのストライプ状の電極22bは第2の接続電極22dの接続電極部分22dqとは同電位であるために、これらの2つの部材の間には横電界FT が形成されず、液晶が十分に駆動されないという問題が生じた。従って、横電界FT が形成されず、液晶が十分に駆動されないために、液晶表示装置の輝度が低下し、開口率が低下する。または、第2の接続電極22dの接続電極部分22dqが第1の接続電極22cの接続電極部分22cqとオーバーラップする関係で存在していれば、第1のグループのストライプ状の電極22aと第2の接続電極22dの接続電極部分22dqとの間に横電界が形成されることになるが、第1の接続電極22cの接続電極部分22cqがこの横電界の形成の妨げになることが分かった。
図56(A)は本発明の第5実施例による液晶表示装置の一部を示す図である。図56(B)は図5656(A)の線56B−56Bを通る断面図である。この例では、図55(A)において第1のグループのストライプ状の電極22aの1つが第1の接続電極22cの接続電極部分22cqとが鋭角又は直角で交差するような場合に、接続電極部分22cqのあった位置に、駆動用補正電極部分22mが設けられる。これを一般的に表現すると、次のようになる。第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bのうちの一方のグループの1つのストライプ状の電極22aと直角または鋭角で交差する駆動用補正電極部分22mを含み、該駆動用補正電極部分22mは、該1つのストライプ状の電極22aが属するグループとは異なったグループの1つのストライプ状の電極22bに接続され、且つ該第1及び第2の接続電極のうちで、該異なったグループの1つのストライプ状の電極22bのための接続電極22dと同じ層にある。
つまり、第1のストライプ状の電極22aと、第1のストライプ状の電極22aとは異なった層にある第2のストライプ状の電極22bと同じ層にある駆動用補正電極部分22mとが、鋭角又は直角で交差し、第1のグループのストライプ状の電極22aと駆動電極部分22mとは異なった電位にあり、これらの2つの部材の間には横電界FT が形成されるので、液晶を駆動することができ、開口率を改善することができる。
図57は図55の構成及び図56の液晶表示装置の透過率を示す図である。曲線Nは図55の液晶表示装置の透過率を示す図であり、曲線Oは図56の液晶表示装置の透過率を示す図である。図56の液晶表示装置によれば、液晶の駆動できる部分が増加するので明るい表示を得ることができるようになる。図58は図56R>6の原理に基づいた第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22b及び第1及び第2の接続電極22c、22dをもつ液晶表示装置を示す平面図である。この例では、接続電極22cyは画素の中央に形成され、駆動用補正電極部分22mは画素の周辺部に配置されている。駆動用補正電極部分22mは、第2の接続電極22dの接続電極部分22dqに相当するように見えるが、駆動用補正電極部分22mは第2のグループのストライプ状の電極22b同志を接続していない。
図59は画素が接続電極22cyによって長手方向に4分割された例を示す。図58と同様に、駆動用補正電極部分22mは画素の周辺部に配置されている。図58及び図59の構成では接続電極を画素の周辺部に設けることはできないが、次に説明する例では、接続電極を画素の周辺部に設け、且つ駆動用補正電極部分22mも画素の周辺部に配置することができる。
図60は第1及び第2のグループのストライプ状の電極22a、22bが第1及び第2の接続電極22c、22dと鋭角で交差し、そして、駆動補正用電極部分22mを含む例を示す図である。図60は画素の周辺部のデータバスライン32に平行な第1及び第2の接続電極22c、22dの接続電極部分22cq、22dqの近傍の部分を示している。
図60から図66の実施例においては、第1のグループのストライプ状の電極22a及び第1の接続電極22cが第2のグループのストライプ状の電極22b及び第2の接続電極22dの上の層に位置するので、第1のグループのストライプ状の電極22a及び第1の接続電極22cが実線で示され、第2のグループのストライプ状の電極22b及び第2の接続電極22dが破線で示されている。
図60においては、2つの駆動補正用電極部分22m1、22m2が示されている。図61は駆動補正用電極部分22m1を詳細に示している。図62は22m1を通り、図61の線62─62に沿った断面図である。図63は駆動補正用電極部分22m2を通り、図60の線63─63に沿った断面図である。図60、61、62において、第1のグループのストライプ状の電極22aの第1及び第2の直線部分のうちの2つがデータバスライン32に平行な第1の接続電極22cの接続電極部分22cqで接続されている。駆動用補正電極部分20m1はこの接続電極部分22cqと一体的にこの接続電極部分22cqと一直線上に延びる。
図60の中央に位置する第1のグループのストライプ状の電極22aの直線部分の1つ(かりに中央の直線部分と呼ぶ)から見ると、接続電極部分22cqはこの中央の直線部分とその上に位置する直線部分とを接続し、駆動補正用電極部分22m1は中央の直線部分とその下に位置する直線部分とを接続していない。駆動補正用電極部分22m1は中央の直線部分の下に位置する第2のグループのストライプ状の電極22bの直線部分とともに鋭角を形成している。駆動補正用電極部分22m1とその下に位置する第2のグループのストライプ状の電極22bの直線部分とは、異なった電圧を供給される。
言い換えると、第1のグループのストライプ状の電極22aの第1及び第2の直線部分のうちの1つがデータバスライン32に平行な第1の接続電極22cの接続電極部分22cqに接続され、第1の接続電極22cの接続電極部分22cqは該1つの直線部分と該接続電極部分との接続部から一方向に延び、駆動用補正電極部分20m1はデータバスライン32に平行に該接続電極部分22cqとは反対方向に延び且つ最も近い第2のストライプ状の複数の電極22bの1つの直線部分とオーバーラップする位置で終端する。従って、第2のグループのストライプ状の電極22bの1つの直線部分と駆動用補正電極部分20m1とは鋭角で交差するが、互いに異なった電圧を印加されるので、液晶の駆動できる部分が増加するので明るい表示を得ることができるようになる。
図62に示されるように、駆動用補正電極部分22m1は上から見て第2の接続電極22dの接続電極部分22dqよりも突出量Lだけ内側に突出している。このように駆動用補正電極部分22m1を第2の接続電極22dの接続電極部分22dqよりも内側に突出させることは、鋭角をなす駆動用補正電極部分20m1と第2のグループのストライプ状の電極22bの直線部分との間で横電界FTを有効にする上で重要である。実施例では、第1の接続電極22cの接続電極部分22cqも駆動用補正電極部分22m1とともに第2の接続電極22dの接続電極部分22dqよりも内側に突出している。
図60及び図63において、第2のグループのストライプ状の電極22bの1つの直線部分がゲートバスライン32に平行な第2の接続電極22dの接続電極部分22dqに接続され、駆動用補正電極部分22m2は第2の接続電極22dの接続電極部分22dqの内側に接続される。従って、第1のグループのストライプ状の電極22aの1つの直線部分と駆動用補正電極部分20m2とは鋭角で交差するが、互いに異なった電圧を印加されるので、液晶の駆動できる部分が増加し、明るい表示を得ることができるようになる。図63に示されるように、駆動用補正電極部分20m2は上から見て第1のグループのストライプ状の電極22aの直線部分よりも突出量Lだけ内側に突出している。このように駆動用補正電極部分20m2を突出させることは横電界FT を有効にする上で重要である。
図64は図61と同様に駆動補正用電極部分22m1が第1のグループのストライプ状の電極22aから延長され、第1の接続電極22cの接続電極部分22cqの内側エッジは第2の接続電極22dの接続電極部分22dqの内側エッジと同一垂直平面内にくるようになっている。しかし、駆動補正用電極部分22m1の位置する第2の接続電極22dの接続電極部分22dqの部分の内側エッジが窪ませられている。従って、駆動補正用電極部分22m1は第2の接続電極22dの接続電極部分22dqよりも横に突出することになる。
図65では、第1のグループのストライプ状の電極22aの直線部分のテーパーを駆動補正用電極部分22m1のデータバスライン32側の外側エッジまで延ばし、データバスライン32と同層にある駆動補正用電極部分22m1のデータバスライン32と近接する部分の面積をできるだけ減少するようにしている。それによって、駆動補正用電極部分22m1がデータバスライン32と短絡する可能性を減少させる。
図66は駆動補正用電極部分22m3が第1の接続電極22dの接続電極部分22cpが窪ませられ、よって第2の接続電極22dの接続電極部分22cpが第1の接続電極22dの接続電極部分22cpよりも内側に突出していることによって形成されている例を示す図である。第1のグループのストライプ状の電極22aの直線部分が駆動補正用電極部分22m3と鋭角で交差する。
駆動補正用電極部分22m1、駆動補正用電極部分22m2、駆動補正用電極部分22m3は、図5050にも示されている。図50にはさらに、駆動補正用電極部分22m4も示されている。図67は図61の構成において図62の駆動補正用電極部分22m1の突出量Lが0の場合の液晶表示装置の透過率を示す図である。第2のグループのストライプ状の電極22bと駆動補正用電極部分22m1とが鋭角で交差する位置にMで示す透過率の落ち込みが見られる。
図68は図61の構成において図62の突出量Lが2μmの場合の液晶表示装置の透過率を示す図である。図67の位置Mの透過率の落ち込みが解消されている。図69は図60の構成において図63の駆動補正用電極部分22m2の突出量Lが0の場合の液晶表示装置の透過率を示す図である。第1のグループのストライプ状の電極22aと駆動補正用電極部分22m2とが鋭角で交差する位置にNで示す透過率の落ち込みが見られる。
図70は図60の構成において図63の突出量Lが4μmの場合の液晶表示装置の透過率を示す図である。図69の位置Nの透過率の落ち込みが解消されている。図71は駆動補正用電極部分22m1の突出量Lと駆動補正用電極部分22m2の突出量Lと液晶表示装置の光の透過率との関係を示す図である。駆動補正用電極部分22m1の突出量Lは0.5μm以上であるのが好ましいことが分かった。また、駆動補正用電極部分22m2の突出量L1は3μm以上であるのが好ましいことが分かった。
図72は図73の液晶表示装置の比較例を示す図である。図72は図32の実施例と同様な液晶表示装置10を示している。ただし、図72では、配向膜及び偏光子は省略されている。図32を参照して説明したように、絶縁体層50があると、画面の焼きつきを防止することができる。しかし、絶縁体層50があると、印加電圧が絶縁体層50で分圧され、液晶にかかる電圧が低下するので、液晶の駆動電圧を高くしなければならなという問題がある。
図72には、電圧印加時の液晶分子の配向が示されている。斜め電界が第1のグループのストライプ状の電極22aと全面ベタの透明電極18との間で形成され、前記斜め電界を助ける横電界が第1のグループのストライプ状の電極22aと第2のグループのストライプ状の電極22bとの間に形成される。図73は本発明の第6実施例による液晶表示装置10を示す断面図である。図73は図32及び図72の液晶表示装置と同様に絶縁体層50を設けた液晶表示装置10を示している。この絶縁体層50は、コモン電圧を供給される第2のグループのストライプ状の電極22bを覆う第1の絶縁体層50aと、データ電圧を供給される第1のグループのストライプ状の電極22aを覆う第2の絶縁体層50bとの合計である。
図73では、絶縁体層50を設けた後で、絶縁体層50の一部を局部的に除去している。すなわち、第2のグループのストライプ状の電極22bの周辺の絶縁体層50の部分がドライエッチングにより除去されている。図78は図73の第2のストライプ状の電極22bの近傍を示す平面図である。絶縁体層50は第2のストライプ状の電極22bを露出させる開口部50xを有する。従って、第1のグループのストライプ状の電極22aと第2のグループのストライプ状の電極22bとの間に形成される横電界が絶縁体層50によって邪魔される程度が小さくなり、液晶の駆動電圧が低下するのを防止することができる。
図74は図73の液晶表示装置10の変形例を示す図である。図74では、絶縁体層50を設けた後で、絶縁体層50の一部を局部的に除去している。すなわち、第1のグループのストライプ状の電極22aの周辺の絶縁体層50(第2の絶縁体層50b)の部分がドライエッチングにより除去されている。従って、第1のグループのストライプ状の電極22aと全面ベタの透明電極18との間で形成される斜め電界が絶縁体層50によって邪魔されなくなり、液晶の駆動電圧が低下するのを防止することができる。
絶縁体層50を設けた後で、第1のグループのストライプ状の電極22aの周辺の絶縁体層50の部分及び第2のグループのストライプ状の電極22bの周辺の絶縁体層50の部分をともに除去するのも有効である。図75から図77はそれぞれ図72から図74の液晶表示装置の光の透過率を示す図である。図75では例えば電圧が6ボルトのときに光の透過率は約15%である。図76では例えば電圧が6ボルトのときに光の透過率は約15%であり、図75の結果とあまり変わらなかった。図76では例えば電圧が6ボルトのときに光の透過率は約20%であり、図74の結果と大きな差があり、駆動電圧を低下することができることが分かる。
図72に示す液晶表示装置では、第1のストライプ状の電極22aから対向基板12の全面ベタの透明電極18へ向かって斜め電界が形成されるが、電界は第1のストライプ状の電極22aの近傍では全面ベタの透明電極18に対してほとんど垂直になる。そこで、図79に示すように、全面ベタの透明電極18の代わりに、第2のグループのストライプ状の電極22bと対向する対向基板12の位置に、第3のグループのストライプ状の電極18aを設ける。こうすれば、第1のストライプ状の電極22aと第3のグループのストライプ状の電極18aとの間で効率よく斜め電界を形成することができる。しかしながら、図79の構成では、両基板12、14の間で位置ずれが生じると、電極間の位置ずれが生じ、電圧と透過率との関係が大きくずれてしまうという問題があった。
図80は本発明の第7実施例による液晶表示装置を示す断面図である。この実施例では、一方の基板14は第1のグループのストライプ状の電極22aと第2のグループのストライプ状の電極22bとを有し、もう一方の基板12は全面ベタの透明電極18と第2のグループのストライプ状の電極22bと対向する位置に第3のグループのストライプ状の電極18aとを有する。つまり、全面ベタの透明電極18だけの部分は抵抗の高い電極部分18xを構成し、全面ベタの透明電極18と第3のグループのストライプ状の電極18aとが重なった部分は抵抗の低い電極部分18yを構成する。全面ベタの透明電極18は例えばITOを200〜300オングストロームの厚さにスパッタリングし、エッチング液で取れないように熱処理する。次に第3のグループのストライプ状の電極18aを例えばITOを2000オングストロームの厚さにスパッタリングし、マスクを用いてエッチングを行った。
電圧を印加すると、抵抗の低い電極部分18yに最初に電荷が蓄積され、抵抗の低い電極部分18yと第1のグループのストライプ状の電極22aとの間で電界が形成され、液晶はまずこの電界に応じて動く。抵抗の高い電極部分18xは実際には抵抗の低い電極部分18yと電位が同じであるため、時間が経過するとともに、抵抗の高い電極部分18xにも電荷が溜まり、すなわち電界が形成されて液晶が応答する。従って、図79R>9の液晶表示装置は図79の液晶表示装置と同様に低い駆動電圧で作用することができる。そして、図80の液晶表示装置は全面ベタの透明電極18を含んでいるため、基板間の位置ずれがあっても、電圧─透過率特性が大きく変わることはない。
図81から図84は図80の液晶表示装置の変形例を示す図である。これらの例では、図81に示されるように、全面ベタの透明電極を利用するのではなく、同一の抵抗を有する複数の透明なストライプ状の線を含むストライプ状あるいはメッシュ状の構造により、抵抗の高い電極部分18xと、抵抗の低い電極部分18yを構成している。抵抗の低い電極部分18yは線幅の太い線とし、抵抗の低い電極部分18yは線幅の狭い線とする。
図82及び図83はストライプ状の線構造により、抵抗の高い電極部分18xと、抵抗の低い電極部分18yとを構成した例を示す。線幅の狭い線からなる構造を第1のグループのストライプ状の電極22aを覆うように設け、線幅の太い線からなる構造を第2のグループのストライプ状の電極22bに合わせて対向させる。幅が太い線は、第2のグループのストライプ状の電極22bと同程度の太さが望ましい。具体的には、幅が太い線は、第2のグループのストライプ状の電極22bの太さの1/2以上、2倍以下に設定することが有効であった。
図84はメッシュ状の線構造により、抵抗の高い電極部分18xと、抵抗の低い電極部分18yとを構成した例を示す。図83及び図84において、波線より上の図は対向基板上のパターンを示しており、波線より下の図はTFT基板上のパターンを示している。第2のグループのストライプ状の電極22bに対応する部分には太いストライプ状の電極を設けて、抵抗として低くなるように設定している。一方、その間には細いストライプ状の電極が設けられているが、細いために抵抗が高くなり、直ぐには電荷が溜まらないので、電界がなかなか形成されない。図84のメッシュ状の線構造は、図83のストライプ状の線構造よりもより均一に電界を印加することができるようになる。抵抗の高い電極部分18xにおいては、ストライプ状又はメッシュ状の線構造の線幅は3μm以下とし、抵抗の低い電極部分18yにおいては、ストライプ状又はメッシュ状の線構造の線幅は3μm以上とするのがよい。
図85は図86の液晶表示装置の問題点を説明するための液晶表示装置を示す略図である。液晶表示装置は第1及び第2の基板12、14(例えば図1参照)が周辺シール66によって張り合わせられている。周辺シール66は一端部に液晶注入口68を有し、液晶注入口68は液晶を注入した後で閉じられる。液晶注入口68から液晶が注入され、液晶注入口68とは反対側の端部に向かって流れる際に、配向膜に付着していた不純物が液晶とともに流れ、液晶注入口68とは反対側の端部に集まる。このため、液晶注入口68とは反対側の領域70には、電圧保持率の低下により、表示不良領域となることがある。
図86及び図87は本発明の第8実施例による液晶表示装置を示す断面図である。一方の基板12は誘電体層36を有し、他方の基板14は絶縁体層50を有する。誘電体層36及び絶縁体層50は液晶注入口68とは反対側の領域70において除去され、液晶注入口68とは反対側の領域70は液晶セルのセル空間の広い領域となっている。さらに、ブラックマトリクス72が液晶注入口68とは反対側の領域70を覆い、この領域を表示領域外に設定している。
誘電体層36はJSR製のPC403の樹脂であり、その厚さは3μmから5μmであった。絶縁体層50はSiNである。従って、液晶層16の厚さが4μmであるのに対して、液晶注入口68とは反対側の領域70のセル空間の間隙の距離は約8μmになる。このため、液晶注入口68とは反対側の領域70の幅を4mmから2mmに減少させることができた。それによって、表示領域の面積を変えることなく、液晶注入口68とは反対側の領域70をブラックマトリクス72で覆うことができるようになった。なお、液晶注入口68とは反対側の領域70は、液晶注入口68のある辺に対向する辺に隣接し、及びこの辺に隣接する辺の近傍にすることができる。
本発明による液晶表示装置は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された1画素当り複数のストライプ状の電極と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように(少くとも表示領域をカバーするように)形成された透明電極とを備えたことを特徴とするものである。
上記構成においては、電界が1つのストライプ状の電極とベタの透明電極との間に形成される。この電界は、各ストライプ状の電極からベタの透明電極に向かって斜め方向に走る斜め電界である。従って、液晶分子は、電圧無印加時には基板面に対して垂直に配向し、電圧印加時には斜め電界に平行に配向する。従って、ほとんどの液晶分子が斜め電界に沿ってスムーズに配向し、ディスクリネーションが生じることがない。
好ましくは、複数のストライプ状の電極が互いに隣接する第1及び第2のグループのストライプ状の電極を有し、第1のグループのストライプ状の電極は第1の電圧を受け、第2のグループのストライプ状の電極は第1の電圧とは異なった第2の電圧を受ける。この場合、第1のグループのストライプ状の電極はデータ電圧を印加され、第2のグループのストライプ状の電極は異なる電圧が印加される。
好ましくは、複数のストライプ状の電極が形成されている基板はTFTを有する。液晶は正の誘電率異方性を有し、かつ、電圧が印加されていない初期配向状態が垂直配向である。好ましくは、誘電体層が透明電極と液晶層との間に設けられる。この場合、誘電体層は透明電極に接して設けられ、液晶を配向させる配向膜が該誘電体層の上に形成されている。該誘電体層が光硬化樹脂、熱硬化樹脂、レジスト、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、SiO、SiO2 、SiNのグループの1つからなる。また、該誘電体層はカラーフィルター層からなる。
好ましくは、液晶の初期配向が垂直配向であって、該一対の基板を含む液晶パネルがクロスニコルの偏光子で挟まれている。複数のストライプ状の電極は第1及び第2のグループのストライプ状の電極からなり、第1のグループのストライプ状の電極は互いに平行な直線部分を有し、第2のグループのストライプ状の電極は互いに平行な直線部分を有し、第1のグループのストライプ状の電極の直線部分は第2のグループのストライプ状の電極の直線部分に対して平行である。また、第1及び第2のグループのストライプ状の電極の各々は2以上のサブグループの直線部分に分けられ、各サブグループの直線部分は互いに平行であって、一つのグループ内の2つのサブグループの直線部分は互いに90度をなしている。該一対の基板はポリイミド、ポリアミック酸、シランカップリング剤のグループの1つからなる配向膜を含む。
好ましくは、吸収軸が互いに直交するように配置された一対の偏光子が該一対の基板を含む液晶パネルの両側に配置され、少なくとも1つの位相差層が少なくとも一方の偏光子と液晶パネルとの間に配置されている。この場合、液晶パネルの液晶の初期配向が垂直配向であり、位相差層の主屈折率nx 、ny 、nz のうち、位相差層の面方向の屈折率をnx 、ny 、位相差層の法線方向の屈折率をnz 、隣接する偏光子の吸収軸に直交する方向の屈折率をnx 、平行な方向の屈折率をny としたとき、 nx ≧nz 、ny ≧nz (ただし、nx =ny =nz を除く) (1)
の関係が成り立つ。
好ましくは、液晶パネルの液晶の初期配向が垂直配向であり、位相差層の主屈折率nx 、ny 、nz のうち、位相差層の面方向の屈折率をnx 、ny 、位相差層の法線方向の屈折率をnz 、隣接する偏光子の吸収軸に直交する方向の屈折率をnx 、平行な方向の屈折率をny としたとき、 nx ≧nz 、ny ≧nz (ただし、nx =ny =nz を除く) (1)
の関係が成り立つN個の位相差層を備え、位相差層の厚さをd、液晶パネルのΔndLCをRLC、R=(nx −ny )d、Rt = ((nx +ny )/2−nz )dとし、N個の位相差層のRをR1 、R2 …RN とし、Rt をRt1、Rt2…RtNとしたとき、 −130nm≦R1 ≦230nm (2)
… −130nm≦RN ≦230nm Rt1+Rt2+…RtN≦1.6×RLC (3)
が同時に満たされる。
あるいは、好ましくは、液晶パネルの液晶の初期配向が垂直配向であり、位相差層の主屈折率nx 、ny 、nz のうち、位相差層の面方向の屈折率をnx 、ny 、位相差層の法線方向の屈折率をnz 、隣接する偏光子の吸収軸に直交する方向の屈折率をnx 、平行な方向の屈折率をny としたとき、 nx ≧nz 、ny ≧nz (ただし、nx =ny =nz を除く) (1)
の関係が成り立つN個の位相差層を備え、位相差層の厚さをd、液晶パネルのΔndLCをRLC、R=(nx −ny )d、Rt = ((nx +ny )/2−nz )dとし、N個の位相差層のRをR1 、R2 …RN とし、Rt をRt1、Rt2…RtNとしたとき、 −50nm≦R1 ≦150nm (4)
… −50nm≦RN ≦150nm Rt1+Rt2+…RtN≦1.3×RLC (5)
が同時に満たされる。
さらに、本発明は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に形成された配向膜とを備え、該複数のストライプ状の電極が互いに平行な第1及び第2のグループのストライプ状の電極を含み、第1のグループのストライプ状の電極は第1の電圧を受け、第2のグループのストライプ状の電極は第1の電圧とは異なった第2の電圧を受け、絶縁体層が第1及び第2のグループのストライプ状の電極の少なくとも一方を覆い且つ配向膜の下に設けられていることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
さらに、本発明は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に形成された配向膜とを備え、該複数のストライプ状の電極が互いに平行な第1及び第2のグループのストライプ状の電極を含み、第1のグループのストライプ状の電極は第1の電圧を受け、第2のグループのストライプ状の電極は第1の電圧とは異なった第2の電圧を受け、一領域にある第1及び第2のグループのストライプ状の電極の各々は一方向に向いた形状を有し、他の領域にある第1及び第2のグループのストライプ状の電極の各々は前記一領域にある電極の形状と同じで且つ該一方向とは反対方向に向いた形状を有することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
さらに、本発明は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に形成された配向膜とを備え、該複数のストライプ状の電極が互いに平行な第1及び第2のグループのストライプ状の電極を含み、第1のグループのストライプ状の電極は第1の電圧を受け、第2のグループのストライプ状の電極は第1の電圧とは異なった第2の電圧を受け、一画素内において、画素の周辺部に設けられた第1の接続電極が第1のグループのストライプ状の電極を一緒に接続し、画素の周辺部に設けられた第2の接続電極が第2のグループのストライプ状の電極を一緒に接続し、第1の接続電極は第2の接続電極と絶縁体層を介して少なくとも部分的にオーバーラップしていることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
さらに、本発明は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に形成された配向膜と、ゲートバスラインと、データバスラインと、TFTとを備え、該複数のストライプ状の電極が互いに平行な第1及び第2のグループのストライプ状の電極を含み、第1のグループのストライプ状の電極は第1の電圧を受け、第2のグループのストライプ状の電極は第1の電圧とは異なった第2の電圧を受け、一画素内において、画素の周辺部に設けられた第1の接続電極が第1のグループのストライプ状の電極を一緒に接続し、画素の周辺部に設けられた第2の接続電極が第2のグループのストライプ状の電極を一緒に接続し、第1の接続電極は第2の接続電極と絶縁体層を介して少なくとも部分的にオーバーラップし、第1及び第2のグループのストライプ状の電極のうちの一方のグループの1つのストライプ状の電極と直角または鋭角で交差する駆動用補正電極部分を含み、該駆動用補正電極部分は、該1つのストライプ状の電極が属するグループとは異なったグループの1つのストライプ状の電極に接続され、且つ該第1及び第2の接続電極のうちで、該異なったグループの1つのストライプ状の電極のための接続電極と同じ層にあることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
好ましくは、ゲートバスラインと、データバスラインと、TFTとを備え、第1のグループのストライプ状の電極はTFTに接続され、第1のグループのストライプ状の電極のうちの1つがデータバスラインに平行な第1の接続電極の部分に接続され、該第1の接続電極の部分は該1つのストライプ状の電極と該第1の接続電極の部分との接続部から一方向に延び、該駆動用補正電極部分はデータバスラインに平行に該第1の接続電極の部分とは反対方向に延び且つ最も近い第2のグループのストライプ状の電極の1つとオーバーラップする位置で終端する。
好ましくは、該駆動用補正電極部分は、オーバーラップした第1及び第2の接続電極の部分の一方と同層にあり、且つオーバーラップした第1及び第2の接続電極の部分の他方から内側へ突出している。さらに、本発明は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に形成された配向膜とを備え、該複数のストライプ状の電極が互いに平行な第1及び第2のグループのストライプ状の電極を含み、第1のグループのストライプ状の電極は第1の電圧を受け、第2のグループのストライプ状の電極は第1の電圧とは異なった第2の電圧を受け、絶縁体層が第1及び第2のグループのストライプ状の電極を覆い且つ配向膜の下に設けられ、該絶縁体層は第1及び第2のグループのストライプ状の電極の少なくとも1つの近傍において部分的に除去されていることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
さらに、本発明は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に形成された全面的に広い透明電極と配向膜とを備え、該複数のストライプ状の電極が互いに平行な第1及び第2のグループのストライプ状の電極を含み、第1のグループのストライプ状の電極は第1の電圧を受け、第2のグループのストライプ状の電極は第1の電圧とは異なった第2の電圧を受け、該全面的に広い透明電極は抵抗の高い領域と抵抗の低い領域と有することを特徴とする液晶表示装置を提供する。全面的に広い透明電極は少くとも幾つかのストライプ状の電極を覆う領域よりも広い。
さらに、本発明は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように形成された透明電極と配向膜と、封鎖された液晶の注入口とを備え、誘電体層が該透明電極と液晶層との間に設けられ、該誘電体層は液晶の注入口とは反対側にある液晶表示装置の辺の近傍の領域で部分的に除去されていることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
さらに、本発明は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に該他方の基板を実質的に全面的に覆うように形成された透明電極と配向膜と、封鎖された液晶の注入口とを備え、絶縁体層が該複数のストライプ状の電極を覆い且つ該配向膜の下に設けられ、該絶縁体層は液晶の注入口とは反対側にある液晶表示装置の辺の近傍の領域で部分的に除去されていることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
さらに、本発明は、一対の基板と、該一対の基板の間に封入されている液晶と、一方の基板に形成された複数のストライプ状の電極及び配向膜と、他方の基板に形成された配向膜と、TFTを備え、該複数のストライプ状の電極が互いに平行な第1及び第2のグループのストライプ状の電極を含み、第1のグループのストライプ状の電極は第1の電圧を受け、第2のグループのストライプ状の電極は第1の電圧とは異なった第2の電圧を受け、一画素内において、画素の周辺部に設けられた第1の接続電極が第1のグループのストライプ状の電極を一緒に接続し、画素の周辺部に設けられた第2の接続電極が第2のグループのストライプ状の電極を一緒に接続し、第1の接続電極はTFTに接続され、第2の接続電極は複数の一画素のコモンバスラインにより隣接する画素の第2の接続電極と接続されていることを特徴とする液晶表示装置を提供する。