JP2010013703A - 構造体、パターニング方法および接合方法 - Google Patents
構造体、パターニング方法および接合方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】一部の領域を加圧することにより、加圧した領域と加圧していない領域との間に材料特性の差異を生じさせることが可能な機能性の高い多孔質膜を有する構造体、前記多孔質膜を簡単にパターニングすることができるパターニング方法、および、加圧した領域の前記多孔質膜を導電性の接合膜として、基材と被着体とを効率よく接合可能な接合方法を提供すること。
【解決手段】構造体1は、基材20と、この上に設けられ、複数の金属粒子101、102が複数の空孔105を囲うように配列した多孔質膜13とを有し、この多孔質膜13は、各金属粒子101、102と複数の樹脂粒子とを含む液状材料を基材20上に供給し、各金属粒子を自己組織化させた後、前記各樹脂粒子を除去することにより、被膜中に空孔105を形成して作製されたものである。この多孔質膜13は、一部の領域を加圧すると、加圧領域と非加圧領域とで材料特性の差異を発現するものである。
【選択図】図2
【解決手段】構造体1は、基材20と、この上に設けられ、複数の金属粒子101、102が複数の空孔105を囲うように配列した多孔質膜13とを有し、この多孔質膜13は、各金属粒子101、102と複数の樹脂粒子とを含む液状材料を基材20上に供給し、各金属粒子を自己組織化させた後、前記各樹脂粒子を除去することにより、被膜中に空孔105を形成して作製されたものである。この多孔質膜13は、一部の領域を加圧すると、加圧領域と非加圧領域とで材料特性の差異を発現するものである。
【選択図】図2
Description
本発明は、構造体、パターニング方法および接合方法に関するものである。
従来、被膜を所望の形状にパターニングするためには、被膜を覆うように所定パターンのレジスト膜を形成し、このレジスト膜をマスクとして用いて、被膜をエッチングすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1には、被膜をエッチングする方法として、まず、シリコン基板上にシリコン酸化膜を形成し、このシリコン酸化膜を覆うようにレジスト膜を形成する。次いで、このレジスト膜にフォトリソグラフィーを行うことにより、レジスト膜をパターニングする。これにより、レジスト膜に所定パターンの開口領域を形成する。その後、シリコン酸化膜をエッチング液を用いてエッチングすることにより、レジスト膜の開口領域におけるシリコン酸化膜が選択的にエッチングされる。以上のようにして、シリコン酸化膜(被膜)を所望の形状にパターニングすることができる。
ところが、レジスト膜の形成は、例えば、被膜上へのレジスト材料の供給、乾燥、ベーク処理、露光、現像、洗浄、乾燥等の多段階の工程を要する。
このような工程は、極めて煩雑であり、従来、被膜のパターニングには多大な時間と手間を要していた。
この特許文献1には、被膜をエッチングする方法として、まず、シリコン基板上にシリコン酸化膜を形成し、このシリコン酸化膜を覆うようにレジスト膜を形成する。次いで、このレジスト膜にフォトリソグラフィーを行うことにより、レジスト膜をパターニングする。これにより、レジスト膜に所定パターンの開口領域を形成する。その後、シリコン酸化膜をエッチング液を用いてエッチングすることにより、レジスト膜の開口領域におけるシリコン酸化膜が選択的にエッチングされる。以上のようにして、シリコン酸化膜(被膜)を所望の形状にパターニングすることができる。
ところが、レジスト膜の形成は、例えば、被膜上へのレジスト材料の供給、乾燥、ベーク処理、露光、現像、洗浄、乾燥等の多段階の工程を要する。
このような工程は、極めて煩雑であり、従来、被膜のパターニングには多大な時間と手間を要していた。
本発明の目的は、一部の領域を加圧することにより、加圧した領域と加圧していない領域との間に物理的特性または化学的特性の差異を生じさせることが可能な機能性の高い多孔質膜を有する構造体、前記多孔質膜を簡単にパターニングすることができるパターニング方法、および、加圧した領域の前記多孔質膜を導電性の接合膜として、基材と被着体とを効率よく接合可能な接合方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の構造体は、基材と、該基材上に設けられ、複数の金属粒子が複数の空孔を囲うように三次元的に配列してなる多孔質膜とを有し、
前記多孔質膜は、前記複数の金属粒子および複数の樹脂粒子が分散媒に分散してなる液状材料を、前記基材上に供給することにより、前記各樹脂粒子が核となり、その周りに各金属粒子が存在する状態から、前記各樹脂粒子を除去することにより前記空孔を形成して得られた前記複数の金属粒子の三次元集合体であり、
前記多孔質膜は、一部の領域を加圧して前記空孔を押し潰すことにより、加圧された加圧領域と加圧されていない非加圧領域との間で、物理的特性または化学的特性の差異を発現するものであることを特徴とする。
これにより、一部の領域を加圧することにより、加圧した領域と加圧していない領域との間に物理的特性または化学的特性の差異を生じさせることが可能な機能性の高い多孔質膜を有する構造体が得られる。
本発明の構造体は、基材と、該基材上に設けられ、複数の金属粒子が複数の空孔を囲うように三次元的に配列してなる多孔質膜とを有し、
前記多孔質膜は、前記複数の金属粒子および複数の樹脂粒子が分散媒に分散してなる液状材料を、前記基材上に供給することにより、前記各樹脂粒子が核となり、その周りに各金属粒子が存在する状態から、前記各樹脂粒子を除去することにより前記空孔を形成して得られた前記複数の金属粒子の三次元集合体であり、
前記多孔質膜は、一部の領域を加圧して前記空孔を押し潰すことにより、加圧された加圧領域と加圧されていない非加圧領域との間で、物理的特性または化学的特性の差異を発現するものであることを特徴とする。
これにより、一部の領域を加圧することにより、加圧した領域と加圧していない領域との間に物理的特性または化学的特性の差異を生じさせることが可能な機能性の高い多孔質膜を有する構造体が得られる。
本発明の構造体では、前記各金属粒子は、前記三次元集合体を構築する際に、前記自己組織化作用により、前記各樹脂粒子を核として配列することが好ましい。
これにより、各金属粒子と各樹脂粒子とが、比重の差があっても均一に分散することができる。このため、多孔質膜は均質なものとなり、物理的特性または化学的特性の差異も均一に発現する。
これにより、各金属粒子と各樹脂粒子とが、比重の差があっても均一に分散することができる。このため、多孔質膜は均質なものとなり、物理的特性または化学的特性の差異も均一に発現する。
本発明の構造体では、前記各樹脂粒子の平均粒径は、前記各金属粒子の平均粒径の1.2〜20倍であることが好ましい。
これにより、多孔質膜中に、各金属粒子の粒径に比べて大きな径の空孔が形成される。その結果、多孔質膜は、特に可塑性に富んだものとなるため、加圧領域と非加圧領域との間に生じる物理的特性または化学的特性の差異がより顕著なものとなる。また、加圧領域と非加圧領域との境界がより明瞭となる。
これにより、多孔質膜中に、各金属粒子の粒径に比べて大きな径の空孔が形成される。その結果、多孔質膜は、特に可塑性に富んだものとなるため、加圧領域と非加圧領域との間に生じる物理的特性または化学的特性の差異がより顕著なものとなる。また、加圧領域と非加圧領域との境界がより明瞭となる。
本発明の構造体では、前記各金属粒子の平均粒径は、10nm〜200μmであることが好ましい。
これにより、多孔質膜の可塑性をより高めることができる。
本発明の構造体では、前記各樹脂粒子の除去は、前記各樹脂粒子を熱分解する方法および前記各樹脂粒子を溶媒で溶解する方法の少なくとも一方により行うことが好ましい。
熱分解する方法によれば、各樹脂粒子は気化(燃焼)して被膜から脱離するので、各金属粒子の配列を乱すことなく被膜中から各樹脂粒子を効率よく除去することができる。また、溶媒で溶解する方法によれば、各樹脂粒子が溶媒中に溶け出し、各金属粒子の配列を乱すことなく被膜中から効率よく除去される。
これにより、多孔質膜の可塑性をより高めることができる。
本発明の構造体では、前記各樹脂粒子の除去は、前記各樹脂粒子を熱分解する方法および前記各樹脂粒子を溶媒で溶解する方法の少なくとも一方により行うことが好ましい。
熱分解する方法によれば、各樹脂粒子は気化(燃焼)して被膜から脱離するので、各金属粒子の配列を乱すことなく被膜中から各樹脂粒子を効率よく除去することができる。また、溶媒で溶解する方法によれば、各樹脂粒子が溶媒中に溶け出し、各金属粒子の配列を乱すことなく被膜中から効率よく除去される。
本発明の構造体では、前記各樹脂粒子は、合成樹脂ラテックスで構成されていることが好ましい。
このような材料で構成された各樹脂粒子は、表面に親水性のサイトが散在しているため、この親水性のサイトに各金属粒子が吸着し易い。このため、各樹脂粒子を覆うように、各金属粒子を容易に(自発的に)かつ均一に配列することができる。その結果、各金属粒子と各樹脂粒子との存在比が均一になり、前記被膜をより均質なものとすることができる。
このような材料で構成された各樹脂粒子は、表面に親水性のサイトが散在しているため、この親水性のサイトに各金属粒子が吸着し易い。このため、各樹脂粒子を覆うように、各金属粒子を容易に(自発的に)かつ均一に配列することができる。その結果、各金属粒子と各樹脂粒子との存在比が均一になり、前記被膜をより均質なものとすることができる。
本発明の構造体では、前記多孔質膜を加圧する際の圧力は、10〜250MPaであることが好ましい。
これにより、多孔質膜や基材が損傷するのを防止しつつ、多孔質膜を加圧して十分に緻密化することができる。
本発明の構造体では、前記多孔質膜は、加圧により前記空孔を押し潰す際の圧縮率は、5〜70%であることが好ましい。
これにより、多孔質膜の加圧領域と非加圧領域との間で十分な疎密差が得られるため、この疎密差が反映される加圧領域と非加圧領域との間でも、十分なエッチング速度差が得られることとなる。その結果、輪郭がより明瞭なエッチング加工が可能になる。
これにより、多孔質膜や基材が損傷するのを防止しつつ、多孔質膜を加圧して十分に緻密化することができる。
本発明の構造体では、前記多孔質膜は、加圧により前記空孔を押し潰す際の圧縮率は、5〜70%であることが好ましい。
これにより、多孔質膜の加圧領域と非加圧領域との間で十分な疎密差が得られるため、この疎密差が反映される加圧領域と非加圧領域との間でも、十分なエッチング速度差が得られることとなる。その結果、輪郭がより明瞭なエッチング加工が可能になる。
本発明の構造体では、前記多孔質膜の加圧前の平均厚さは、1〜5000μmであることが好ましい。
これにより、加圧領域と非加圧領域との境界がさらに明瞭になり、これらの領域の間の物理的特性または化学的特性の差異が特に顕著になる。
本発明の構造体では、前記各金属粒子は、その表面の一部が、隣接する前記空孔に露出していることが好ましい。
このような多孔質膜は、比表面積が特に高くなり、放熱性が高くなるとともに、エッチング速度が特に速くなる。このため、加圧領域と非加圧領域との間のエッチング速度や放熱性の差異が特に顕著なものとなる。
これにより、加圧領域と非加圧領域との境界がさらに明瞭になり、これらの領域の間の物理的特性または化学的特性の差異が特に顕著になる。
本発明の構造体では、前記各金属粒子は、その表面の一部が、隣接する前記空孔に露出していることが好ましい。
このような多孔質膜は、比表面積が特に高くなり、放熱性が高くなるとともに、エッチング速度が特に速くなる。このため、加圧領域と非加圧領域との間のエッチング速度や放熱性の差異が特に顕著なものとなる。
本発明の構造体では、前記物理的特性または化学的特性の差異は、導電性であり、
前記加圧領域は、前記非加圧領域に比べて導電性が高くなることが好ましい。
これにより、加圧領域を介して基材に効率よく通電することができる。
本発明の構造体では、前記物理的特性または化学的特性の差異は、エッチングする際のエッチング速度であり、
前記多孔質膜は、前記非加圧領域におけるエッチング速度が、前記加圧領域におけるエッチング速度よりも速いことを利用して、前記非加圧領域を選択的に除去し、これによりパターニング可能なものであることが好ましい。
これにより、構造体を所定時間エッチングすることにより、非加圧領域を選択的に除去し、加圧領域を残存させることができる。すなわち、加圧領域を単に加圧することのみで、多孔質膜を所望の形状に簡単にパターニングすることができる。
前記加圧領域は、前記非加圧領域に比べて導電性が高くなることが好ましい。
これにより、加圧領域を介して基材に効率よく通電することができる。
本発明の構造体では、前記物理的特性または化学的特性の差異は、エッチングする際のエッチング速度であり、
前記多孔質膜は、前記非加圧領域におけるエッチング速度が、前記加圧領域におけるエッチング速度よりも速いことを利用して、前記非加圧領域を選択的に除去し、これによりパターニング可能なものであることが好ましい。
これにより、構造体を所定時間エッチングすることにより、非加圧領域を選択的に除去し、加圧領域を残存させることができる。すなわち、加圧領域を単に加圧することのみで、多孔質膜を所望の形状に簡単にパターニングすることができる。
本発明の構造体では、前記複数の金属粒子は、第1の金属材料で構成された第1の金属粒子と、前記第1の金属材料より融点が低い第2の金属材料で構成された第2の金属粒子とを含んでおり、
前記多孔質膜は、一部の領域を加圧して前記空孔を押し潰した後、前記第2の金属粒子を溶融し、これにより前記加圧領域に他の被着体との接着性が発現するとともに、前記加圧領域の導電性が前記非加圧領域より高くなるものであることが好ましい。
これにより、第2の金属粒子の融点以上でかつ第1の金属粒子の融点未満の温度で加熱されると、第2の金属粒子のみが溶融し、溶融した第2の金属粒子は、接合に供される基材と他の被着体との間の隙間に流れ込んでろう材となる。その結果、基材と他の被着体との間の密着性が高くなり、また、溶融せずに残存する第1の金属粒子により、ろう材自体の機械的特性が高くなるため、結果として基材と被着体との接合強度を高めることができる。
前記多孔質膜は、一部の領域を加圧して前記空孔を押し潰した後、前記第2の金属粒子を溶融し、これにより前記加圧領域に他の被着体との接着性が発現するとともに、前記加圧領域の導電性が前記非加圧領域より高くなるものであることが好ましい。
これにより、第2の金属粒子の融点以上でかつ第1の金属粒子の融点未満の温度で加熱されると、第2の金属粒子のみが溶融し、溶融した第2の金属粒子は、接合に供される基材と他の被着体との間の隙間に流れ込んでろう材となる。その結果、基材と他の被着体との間の密着性が高くなり、また、溶融せずに残存する第1の金属粒子により、ろう材自体の機械的特性が高くなるため、結果として基材と被着体との接合強度を高めることができる。
本発明の構造体では、前記第2の金属材料は、前記第1の金属材料よりイオン化エネルギーが小さいことが好ましい。
これにより、第2の金属材料は、第1の金属材料よりも酸化され易くなる。このため、仮に第1の金属材料で構成された第1の金属粒子が酸化していたとしても、第2の金属材料が還元剤として作用するため、酸化された第1の金属材料を還元し、第1の金属粒子の導電性および熱伝導性を高めることができる。
これにより、第2の金属材料は、第1の金属材料よりも酸化され易くなる。このため、仮に第1の金属材料で構成された第1の金属粒子が酸化していたとしても、第2の金属材料が還元剤として作用するため、酸化された第1の金属材料を還元し、第1の金属粒子の導電性および熱伝導性を高めることができる。
本発明の構造体では、前記第1の金属材料は、銅であり、前記第2の金属材料は、インジウムであることが好ましい。
これにより、酸化された銅粒子を還元し、銅粒子の導電性および熱伝導性を高めることができる。また、銅とインジウムは、比較的広い比率で固溶体を形成し易いので、インジウムが溶融した際に、銅粒子とインジウム粒子の溶融物との親和性が高くなる。その結果、銅粒子とインジウムの溶融物とが相互に拡散し、これらの全体の機械的特性が高くなるとともに、導電性および熱伝導性の向上を図ることができる。
これにより、酸化された銅粒子を還元し、銅粒子の導電性および熱伝導性を高めることができる。また、銅とインジウムは、比較的広い比率で固溶体を形成し易いので、インジウムが溶融した際に、銅粒子とインジウム粒子の溶融物との親和性が高くなる。その結果、銅粒子とインジウムの溶融物とが相互に拡散し、これらの全体の機械的特性が高くなるとともに、導電性および熱伝導性の向上を図ることができる。
本発明のパターニング方法は、本発明の構造体を用意する第1の工程と、
前記多孔質膜の一部の領域を加圧して前記空孔を押し潰す第2の工程と、
前記多孔質膜に対してエッチング処理を施すことにより、前記非加圧領域を選択的に除去し、前記多孔質膜をパターニングする第3の工程とを有することを特徴とする。
これにより、加圧領域を単に圧縮することのみで、多孔質膜を所望の形状に簡単にパターニングすることができる。
前記多孔質膜の一部の領域を加圧して前記空孔を押し潰す第2の工程と、
前記多孔質膜に対してエッチング処理を施すことにより、前記非加圧領域を選択的に除去し、前記多孔質膜をパターニングする第3の工程とを有することを特徴とする。
これにより、加圧領域を単に圧縮することのみで、多孔質膜を所望の形状に簡単にパターニングすることができる。
本発明の接合方法は、本発明の構造体と、該構造体との接合に供される前記他の被着体とを用意する準備工程と、
前記多孔質膜と前記他の被着体とが密着するように、前記構造体と前記他の被着体とを重ね合わせ、仮接合体を得る積層工程と、
前記仮接合体中の前記第2の金属粒子を溶融し、これにより前記構造体と前記他の被着体とを前記加圧領域において部分的に接合するとともに、これらの間を導通する溶融工程とを有することを特徴とする。
これにより、基材と他の被着体との間を効率よく接合するとともに、これらの間を確実に導通することができる。
前記多孔質膜と前記他の被着体とが密着するように、前記構造体と前記他の被着体とを重ね合わせ、仮接合体を得る積層工程と、
前記仮接合体中の前記第2の金属粒子を溶融し、これにより前記構造体と前記他の被着体とを前記加圧領域において部分的に接合するとともに、これらの間を導通する溶融工程とを有することを特徴とする。
これにより、基材と他の被着体との間を効率よく接合するとともに、これらの間を確実に導通することができる。
本発明の接合方法では、前記第2の金属粒子を溶融する方法は、前記多孔質膜を前記第2の金属材料の融点以上の温度で加熱する方法、または、前記多孔質膜に超音波を照射する方法であることが好ましい。
加熱する方法によれば、第2の金属粒子をムラなく溶融することができるので、基材と被着体との接合強度を高めることができる。また、超音波を照射する方法によれば、アルミニウムのような通常の加熱方法では接合し難い金属材料であっても、確実に溶融し、基材と被着体との接合強度を高めることができる。また、基材や被着体の表面が酸化膜で覆われている場合でも、酸化膜を除去することができるので、強固な接合が可能である。
加熱する方法によれば、第2の金属粒子をムラなく溶融することができるので、基材と被着体との接合強度を高めることができる。また、超音波を照射する方法によれば、アルミニウムのような通常の加熱方法では接合し難い金属材料であっても、確実に溶融し、基材と被着体との接合強度を高めることができる。また、基材や被着体の表面が酸化膜で覆われている場合でも、酸化膜を除去することができるので、強固な接合が可能である。
以下、本発明の構造体、パターニング方法および接合方法を、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
構造体1(本発明の構造体)は、基材20と、基材20上に設けられ、後述する所定の方法で作製された多孔質膜13とを有し、この多孔質膜13の一部を厚さ方向に加圧することにより、加圧した領域(加圧領域)と加圧していない領域(非加圧領域)との間に、物理的特性または化学的特性の差異を発現するものである。このような機能性を有する構造体1によれば、この物理的特性または化学的特性の差異を、例えばエッチング速度の差異や導電性の差異に反映させることができる。このため、多孔質膜13を効率よくパターニングしたり、部分的に導電性の高い領域を簡単に形成することができる。
構造体1(本発明の構造体)は、基材20と、基材20上に設けられ、後述する所定の方法で作製された多孔質膜13とを有し、この多孔質膜13の一部を厚さ方向に加圧することにより、加圧した領域(加圧領域)と加圧していない領域(非加圧領域)との間に、物理的特性または化学的特性の差異を発現するものである。このような機能性を有する構造体1によれば、この物理的特性または化学的特性の差異を、例えばエッチング速度の差異や導電性の差異に反映させることができる。このため、多孔質膜13を効率よくパターニングしたり、部分的に導電性の高い領域を簡単に形成することができる。
<構造体>
まず、本発明の構造体の実施形態について説明する。
図1および図2は、本発明の構造体の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図1および図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
本実施形態にかかる構造体の製造方法は、[1]複数の金属粒子(複数の第1の金属粒子101および複数の第2の金属粒子102)および複数の樹脂粒子103が分散媒104に分散してなる液状材料10を用意する準備工程と、[2]液状材料10を基材20上に供給し、液状被膜11を形成する塗布工程と、[3]液状被膜11を乾燥させ、被膜12を得る乾燥工程と、[4]被膜12中の各樹脂粒子103を除去し、基材20上に多孔質膜13を成膜してなる構造体1を得る脱脂工程とを有する。
まず、本発明の構造体の実施形態について説明する。
図1および図2は、本発明の構造体の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図1および図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
本実施形態にかかる構造体の製造方法は、[1]複数の金属粒子(複数の第1の金属粒子101および複数の第2の金属粒子102)および複数の樹脂粒子103が分散媒104に分散してなる液状材料10を用意する準備工程と、[2]液状材料10を基材20上に供給し、液状被膜11を形成する塗布工程と、[3]液状被膜11を乾燥させ、被膜12を得る乾燥工程と、[4]被膜12中の各樹脂粒子103を除去し、基材20上に多孔質膜13を成膜してなる構造体1を得る脱脂工程とを有する。
以下、各工程について順次説明する。
[1]まず、分散媒104中に複数の第1の金属粒子101、複数の第2の金属粒子102および複数の樹脂粒子103を分散させる。これにより、図1(a)に示す液状材料10を調製する(準備工程)。
ここで、液状材料10中の金属粒子は、1種類でもよいが、本実施形態では、第1の金属粒子101と第2の金属粒子102の2種類とした。
[1]まず、分散媒104中に複数の第1の金属粒子101、複数の第2の金属粒子102および複数の樹脂粒子103を分散させる。これにより、図1(a)に示す液状材料10を調製する(準備工程)。
ここで、液状材料10中の金属粒子は、1種類でもよいが、本実施形態では、第1の金属粒子101と第2の金属粒子102の2種類とした。
第1の金属粒子101および第2の金属粒子102は、それぞれいかなる金属材料で構成されたものでもよく、その構成材料としては、例えば、Fe、Ni、Co、Cr、Mn、Zn、Pt、Au、Ag、Cu、Pd、Al、W、Ti、Ta、V、Mo、Nb、Zr、Pr、Nd、Smのような金属元素の単体または化合物(酸化物、硫化物、炭化物、窒化物、有機金属等)、またはこれらの2種以上を含む合金が挙げられる。
一方、液状材料10中の複数の樹脂粒子103を構成する樹脂材料は、後述する脱脂工程において除去可能なものであれば、いかなるものでもよく、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、ポリスチレンラテックス(PSL)、スチレンブタジエンラテックス(SBR)、アクリルスチレンラテックス、メタクリレートブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタジエンラテックスのような合成樹脂ラテックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アラミド系樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体等が挙げられる。
このうち、各金属粒子101、102との間で確実な自己組織化作用を生じる樹脂材料としては、合成樹脂ラテックスが好ましく用いられ、ポリスチレンラテックスがより好ましく用いられる。このような材料で構成された樹脂粒子103は、表面に親水性のサイトが散在しているため、この親水性のサイトに各金属粒子101、102が吸着し易い。このため、各樹脂粒子103を覆うように、各金属粒子101、102を容易にかつ均一に配列させることができる。その結果、後述する工程において液状被膜を形成した際に、各金属粒子101、102と樹脂粒子103との存在比が均一になり、均質な被膜12を形成することができる。
金属粒子(第1の金属粒子101および第2の金属粒子102)の樹脂粒子103に対する割合は、樹脂粒子103を1としたとき、体積比で0.3〜10程度であるのが好ましく、0.5〜5程度であるのがより好ましい。各金属粒子101、102と樹脂粒子103との比率を前記範囲内としたことにより、後述した工程において各金属粒子101、102と樹脂粒子103とが自己組織化した際に、各樹脂粒子103の表面に沿って各金属粒子101、102が過不足なく自発的に配列し、各樹脂粒子103の表面を必要かつ十分に覆うことができる。これにより、後述する構造体1を確実に形成することができる。
また、第1の金属粒子101の第2の金属粒子102に対する割合は、第2の金属粒子102を1としたとき、体積比で0.3〜2程度であるのが好ましく、0.5〜1.5程度であるのがより好ましい。これにより、例えば構造体1を後述する多孔質膜13を介して他の被着体に対して接合させる場合、第1の金属粒子101と第2の金属粒子102との比率を前記範囲内とすることにより、多孔質膜13の接合性および導電性の両立を図ることができる。
[2]次に、図1(a)に示すように、液状材料10を基材20の上面21上に供給する。これにより、図1(b)に示すように、基材20の上面21上に液状被膜11を得る(塗布工程)。
液状材料10を基材20の上面21上に供給する方法としては、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法のような各種塗布法が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、インクジェット法を用いるのが好ましい。かかる方法によれば、比較的容易に、かつ優れた精度で、液状材料10を基材20の上面21上に選択的に供給することができる。
液状材料10を基材20の上面21上に供給する方法としては、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法のような各種塗布法が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、インクジェット法を用いるのが好ましい。かかる方法によれば、比較的容易に、かつ優れた精度で、液状材料10を基材20の上面21上に選択的に供給することができる。
このようにして得られた液状被膜11中では、液状被膜11の形成後、時間経過とともに分散媒104が徐々に揮発し、それに伴って液状被膜11の体積が次第に減少する。この過程では、液状被膜11の体積減少に伴って各金属粒子101、102と各樹脂粒子103との離間距離が小さくなり、接触するものが現れる。そして、一定時間経過後には、各金属粒子101、102および各樹脂粒子103の自己組織化作用により、各樹脂粒子103の表面を覆うように各金属粒子101、102が配列する。
このような自己組織化作用は、以下のようなメカニズムにより生じると推察される。
液状被膜11中では、各粒子間の分散媒104に生じるメニスカスにより、粒子間に分散媒104の表面張力による引力が発生する。この際、各金属粒子101、102と各樹脂粒子103との間に生じる相互作用により、各樹脂粒子103を中心にして各金属粒子101、102が自発的に集合する。その結果、図1(c)に示すように、各樹脂粒子103の表面を覆うように各金属粒子101、102が三次元的に配列する。また、各金属粒子101、102や各樹脂粒子103は、基材20の上面21の面方向および厚さ方向に沿って規則的かつ緻密に配列する。これにより、各金属粒子101、102および各樹脂粒子103は、三次元的に広がる三次元ネットワークを構築する。
液状被膜11中では、各粒子間の分散媒104に生じるメニスカスにより、粒子間に分散媒104の表面張力による引力が発生する。この際、各金属粒子101、102と各樹脂粒子103との間に生じる相互作用により、各樹脂粒子103を中心にして各金属粒子101、102が自発的に集合する。その結果、図1(c)に示すように、各樹脂粒子103の表面を覆うように各金属粒子101、102が三次元的に配列する。また、各金属粒子101、102や各樹脂粒子103は、基材20の上面21の面方向および厚さ方向に沿って規則的かつ緻密に配列する。これにより、各金属粒子101、102および各樹脂粒子103は、三次元的に広がる三次元ネットワークを構築する。
また、基材20の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アラミド系樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等の樹脂系材料、Fe、Ni、Co、Cr、Mn、Zn、Pt、Au、Ag、Cu、Pd、Al、W、Ti、V、Mo、Nb、Zr、Pr、Nd、Smのような金属、またはこれらの金属を含む合金、炭素鋼、ステンレス鋼、インジウム錫酸化物(ITO)、ガリウムヒ素のような金属系材料、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコンのようなシリコン系材料、ケイ酸ガラス(石英ガラス)、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛(アルカリ)ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラスのようなガラス系材料、アルミナ、ジルコニア、フェライト、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステンのようなセラミックス系材料、グラファイトのような炭素系材料、またはこれらの各材料の1種または2種以上を組み合わせた複合材料等が挙げられる。
また、基材20は、その表面に、Niめっきのようなめっき処理、クロメート処理のような不働態化処理、窒化処理等を施したものであってもよい。
また、基材20は、その表面に、Niめっきのようなめっき処理、クロメート処理のような不働態化処理、窒化処理等を施したものであってもよい。
[3]次に、図1(d)に示すように、液状被膜11を乾燥させる。これにより、液状被膜11中から分散媒104が揮発・除去される。その結果、図2(e)に示すように、複数の第1の金属粒子101、複数の第2の金属粒子102および複数の樹脂粒子103が集合してなる被膜12が得られる。
液状被膜11の乾燥方法としては、例えば、凍結乾燥、通気乾燥、表面乾燥、流動乾燥、気流乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥、赤外線乾燥、高周波乾燥、超音波乾燥、微粉砕乾燥等の各種乾燥方法により行うことができるが、凍結乾燥により行うのが好ましい。凍結乾燥では、分散媒104を固体から気体へ昇華させることにより乾燥させるため、各金属粒子101、102や樹脂粒子103で構成される前述の三次元ネットワークの形状を損なうことなく、液状被膜11の内側も確実に乾燥させることができる。
液状被膜11の乾燥方法としては、例えば、凍結乾燥、通気乾燥、表面乾燥、流動乾燥、気流乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥、赤外線乾燥、高周波乾燥、超音波乾燥、微粉砕乾燥等の各種乾燥方法により行うことができるが、凍結乾燥により行うのが好ましい。凍結乾燥では、分散媒104を固体から気体へ昇華させることにより乾燥させるため、各金属粒子101、102や樹脂粒子103で構成される前述の三次元ネットワークの形状を損なうことなく、液状被膜11の内側も確実に乾燥させることができる。
[4]次に、図2(f)に示すように、被膜12中の複数の樹脂粒子103を除去(脱脂)する。これにより、図2(g)に示すように、各樹脂粒子103が存在していた部分が空孔105となり、複数の空孔105を内包する多孔質膜13が得られる。
複数の樹脂粒子103を除去する方法(脱脂方法)としては、例えば、[4−1]各樹脂粒子103を熱分解する方法、[4−2]各樹脂粒子103を溶媒により溶解する方法等が挙げられる。以下、これらの方法について順次説明する。
複数の樹脂粒子103を除去する方法(脱脂方法)としては、例えば、[4−1]各樹脂粒子103を熱分解する方法、[4−2]各樹脂粒子103を溶媒により溶解する方法等が挙げられる。以下、これらの方法について順次説明する。
[4−1]各樹脂粒子103を熱分解する場合、各樹脂粒子103を構成する樹脂材料の熱分解温度以上の温度で、被膜12を加熱する。熱分解した各樹脂粒子103は、気化(燃焼)して被膜12から脱離する。その結果、被膜12中から各樹脂粒子103を効率よく除去することができる。
被膜12の加熱温度は、各樹脂粒子103を構成する樹脂材料の熱分解温度に応じて適宜設定されるが、一般的には、300〜700℃程度とされる。
被膜12の加熱温度は、各樹脂粒子103を構成する樹脂材料の熱分解温度に応じて適宜設定されるが、一般的には、300〜700℃程度とされる。
また、被膜12の加熱雰囲気には、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気、空気、酸素等の酸化性ガス雰囲気等を用いることができる。このうち、不活性ガス雰囲気を用いることにより、各金属粒子101、102の酸化を防止しつつ、各樹脂粒子103を熱分解することができる。また、酸化性ガス雰囲気を用いることにより、各樹脂粒子103を炭化させることなく、確実に熱分解することができるので、被膜12中に炭化物が残存するのを抑制することができる。
[4−2]各樹脂粒子103を溶媒に溶解する場合、各樹脂粒子103を溶解可能な溶媒に被膜12を浸漬するか、または、被膜12に対して溶媒を噴霧する。これにより、被膜12中の各樹脂粒子103が溶媒中に溶け出し、被膜12中から効率よく除去することができる。
各樹脂粒子103を溶解する溶媒としては、各樹脂粒子103の構成材料に応じて適宜選択されるが、一般的には、アンモニア、水、過酸化水素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等を用いることができる。
各樹脂粒子103を溶解する溶媒としては、各樹脂粒子103の構成材料に応じて適宜選択されるが、一般的には、アンモニア、水、過酸化水素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等を用いることができる。
このうち、例えば、各樹脂粒子103がポリスチレンラテックス製の粒子である場合、これを溶解する溶媒にはトルエン等が好ましく用いられる。
以上のような[4−1]または[4−2]により、被膜12中の各樹脂粒子103が除去される。その結果、基材20と、基材20の上面21上に設けられた多孔質膜13とを有する構造体(本発明の構造体)1が得られる。
以上のような[4−1]または[4−2]により、被膜12中の各樹脂粒子103が除去される。その結果、基材20と、基材20の上面21上に設けられた多孔質膜13とを有する構造体(本発明の構造体)1が得られる。
このような構造体1が有する多孔質膜13は、複数の第1の金属粒子101および複数の第2の金属粒子102が連なることにより構築された三次元ネットワークを有しており、また、この三次元ネットワーク中には、多数の空孔105を内包している。
このような構造の多孔質膜13は、可塑性を有するものとなるため、所定以上の圧力で多孔質膜13を加圧すると、三次元ネットワークが破壊されて圧縮される。このため、例えば、多孔質膜13の一部の領域を厚さ方向に加圧した場合、加圧した領域(加圧領域)と加圧していない領域(非加圧領域)とで多孔質膜13に密度差が生じることとなる。この密度差は、多孔質膜13の加圧領域と非加圧領域との間の物理的特性または化学的特性の差異に反映される。
このような構造の多孔質膜13は、可塑性を有するものとなるため、所定以上の圧力で多孔質膜13を加圧すると、三次元ネットワークが破壊されて圧縮される。このため、例えば、多孔質膜13の一部の領域を厚さ方向に加圧した場合、加圧した領域(加圧領域)と加圧していない領域(非加圧領域)とで多孔質膜13に密度差が生じることとなる。この密度差は、多孔質膜13の加圧領域と非加圧領域との間の物理的特性または化学的特性の差異に反映される。
すなわち、構造体1が有する多孔質膜13は、一部の領域を単に加圧して圧縮することのみで、加圧領域と非加圧領域との間で、物理的特性または化学的特性の差異を形成することができる。
ここで、加圧領域と非加圧領域との間で差異が生じる物理的特性または化学的特性としては、例えば、エッチング速度(被エッチング速度)、熱伝導性(熱伝達性)、導電性、空孔率、比表面積等が挙げられる。
ここで、加圧領域と非加圧領域との間で差異が生じる物理的特性または化学的特性としては、例えば、エッチング速度(被エッチング速度)、熱伝導性(熱伝達性)、導電性、空孔率、比表面積等が挙げられる。
これらを具体的に説明すると、一部の領域を加圧した後の多孔質膜13にエッチングを施した場合、非加圧領域におけるエッチング速度(エッチングレート)は、加圧領域におけるエッチング速度よりも大きくなる。このため、加圧後の多孔質膜13を所定時間エッチングすることにより、非加圧領域を選択的に除去し、加圧領域を残存させることができる。すなわち、加圧領域を単に選択的に加圧することのみで、多孔質膜13を所望の形状に簡単にパターニングすることができる。
また、一部の領域を加圧した後の多孔質膜13では、加圧領域の熱伝導性(熱伝達性)が非加圧領域に比べて大きくなる。このため、例えば、基材20の一部に存在する熱源に対応して加圧領域を設定することにより、熱源からの熱を効率よく多孔質膜13側に移動させることができ、熱源の放熱を速やかに行うことができる。一方、非加圧領域の比表面積は加圧領域に比べて大きくなるため、非加圧領域は放熱性に優れている。このため、多孔質膜13側に移動した熱は、非加圧領域から効率よく排熱されることとなる。すなわち、非加圧領域は、放熱性に優れたヒートシンク(放熱体)として機能することができる。
さらに、加圧領域は、非加圧領域に比べて導電性が高くなる。このため、加圧領域を介して基材20に効率よく通電することができる。また、非加圧領域の導電性は、加圧領域に比べて低いため、この非加圧領域は抵抗素子や比表面積の大きな電極(例えば、色素増感太陽電池の電極、二次電池の電極、バイオセンサの電極等)として利用し、この電極に接続する配線として加圧領域を利用することができる。
また、このような多孔質膜13は、前述したような金属粒子(第1の金属粒子101および第2の金属粒子102)や樹脂粒子103が前述した自己組織化作用に基づいて規則正しく配列して構築されたものであるため、各金属粒子101、102は、それぞれ各樹脂粒子103に隣接し易くなる。このため、この各樹脂粒子103が除去されてなる多孔質膜13では、各金属粒子101、102は、空孔105に露出する確率が高くなる。このような多孔質膜13は、比表面積が特に高くなり、前述した放熱性が高くなるとともに、エッチング速度が特に速くなる。このため、加圧領域と非加圧領域との間の、前述したエッチング速度や放熱性の差異が特に顕著なものとなる。
また、自己組織化作用によれば、各金属粒子101、102と各樹脂粒子103とが、比重の差があっても均一に分散する。このため、多孔質膜13は、均質なものとなり、前述したような特性の差異も均一に発現する。
また、多孔質膜13中の各樹脂粒子103の平均粒径は、各金属粒子101、102の平均粒径より大きいのが好ましい。これにより、多孔質膜13中には、各金属粒子101、102の粒径に比べて大きな径の空孔105が形成される。その結果、多孔質膜13は、特に可塑性に富んだものとなるため、前述したような加圧領域と非加圧領域との間に生じる物理的特性または化学的特性の差異がより顕著なものとなる。また、加圧領域と非加圧領域との境界がより明瞭となる。
また、多孔質膜13中の各樹脂粒子103の平均粒径は、各金属粒子101、102の平均粒径より大きいのが好ましい。これにより、多孔質膜13中には、各金属粒子101、102の粒径に比べて大きな径の空孔105が形成される。その結果、多孔質膜13は、特に可塑性に富んだものとなるため、前述したような加圧領域と非加圧領域との間に生じる物理的特性または化学的特性の差異がより顕著なものとなる。また、加圧領域と非加圧領域との境界がより明瞭となる。
なお、この場合、各樹脂粒子103の平均粒径は、各金属粒子101、102の平均粒径の1.2〜20倍程度であるのが好ましく、2〜10倍程度であるのがより好ましい。各樹脂粒子103の平均粒径を前記範囲内とすることにより、前出した加圧領域と非加圧領域との間の物理的特性または化学的特性の差異がさらに顕著なものとなる。
また、各金属粒子101、102の平均粒径は、10nm〜200μm程度であるのが好ましく、50nm〜100μm程度であるのがより好ましい。各金属粒子101、102の平均粒径を前記範囲内とすることにより、多孔質膜13の可塑性をさらに高めることができる。
また、各金属粒子101、102の平均粒径は、10nm〜200μm程度であるのが好ましく、50nm〜100μm程度であるのがより好ましい。各金属粒子101、102の平均粒径を前記範囲内とすることにより、多孔質膜13の可塑性をさらに高めることができる。
なお、このような多孔質膜13の加圧前の平均厚さは、1〜5000μm程度であるのが好ましく、3〜3000μm程度であるのがより好ましい。多孔質膜13の平均厚さを前記範囲内とすることにより、加圧領域と非加圧領域との境界がさらに明瞭になり、これらの領域の間の物理的特性または化学的特性の差異が特に顕著になる。
また、本工程において、各樹脂粒子103の全てを除去するのではなく、樹脂成分の一部を残すようにしてもよい。これにより、残存した樹脂成分は、各金属粒子101、102同士の間を接着するバインダとして機能する。このため、多孔質膜13の機械的特性が向上し、多孔質膜13の保形性を高めることができる。
また、本工程において、各樹脂粒子103の全てを除去するのではなく、樹脂成分の一部を残すようにしてもよい。これにより、残存した樹脂成分は、各金属粒子101、102同士の間を接着するバインダとして機能する。このため、多孔質膜13の機械的特性が向上し、多孔質膜13の保形性を高めることができる。
<パターニング方法および接合方法>
以下、このような構造体1(本発明の構造体)を用いて、多孔質膜13をパターニングする方法(本発明のパターニング方法)および構造体1を他の被着体30と接合する接合方法(本発明の接合方法)について説明する。
図3および図4は、本発明のパターニング方法の実施形態を説明するための図(縦断面図)、図5は、本発明の接合方法の実施形態を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図3ないし図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、このような構造体1(本発明の構造体)を用いて、多孔質膜13をパターニングする方法(本発明のパターニング方法)および構造体1を他の被着体30と接合する接合方法(本発明の接合方法)について説明する。
図3および図4は、本発明のパターニング方法の実施形態を説明するための図(縦断面図)、図5は、本発明の接合方法の実施形態を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図3ないし図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
多孔質膜13のパターニング方法は、[5]構造体1を用意する第1の工程と、[6]多孔質膜13の一部の領域(加圧領域131)を加圧する第2の工程と、[7]多孔質膜13に対してエッチング処理を施すことにより、多孔質膜13をパターニングする第3の工程とを有する。
また、パターニングされた多孔質膜13を備える構造体1を他の被着体30と接合する接合方法は、[8]他の被着体30を用意する第4の工程(準備工程)と、[9]多孔質膜13と他の被着体30とが密着するように、構造体1と他の被着体30とを重ね合わせ、仮接合体50を得る第5の工程(積層工程)と、[10]仮接合体50中の第2の金属粒子102を溶融し、構造体1と他の被着体30とを加圧領域131において部分的に接合(ろう接)するとともに、これらの間を導通する第6の工程(溶融工程)とを有する。
また、パターニングされた多孔質膜13を備える構造体1を他の被着体30と接合する接合方法は、[8]他の被着体30を用意する第4の工程(準備工程)と、[9]多孔質膜13と他の被着体30とが密着するように、構造体1と他の被着体30とを重ね合わせ、仮接合体50を得る第5の工程(積層工程)と、[10]仮接合体50中の第2の金属粒子102を溶融し、構造体1と他の被着体30とを加圧領域131において部分的に接合(ろう接)するとともに、これらの間を導通する第6の工程(溶融工程)とを有する。
以下、これらの各工程について順次説明する。
≪パターニング方法≫
[5]まず、基材20とその上面21上に成膜された多孔質膜13とを有する構造体1(本発明の構造体)を用意する(第1の工程)。
[6]次に、多孔質膜13の一部の領域(加圧領域131)を加圧する(第2の工程)。
≪パターニング方法≫
[5]まず、基材20とその上面21上に成膜された多孔質膜13とを有する構造体1(本発明の構造体)を用意する(第1の工程)。
[6]次に、多孔質膜13の一部の領域(加圧領域131)を加圧する(第2の工程)。
多孔質膜13の加圧領域131を図3(a)に示すように加圧すると、加圧領域131は図3(b)に示すように圧縮される。その結果、多孔質膜13の加圧領域131は緻密化される。一方、多孔質膜13の加圧領域131以外の領域(非加圧領域132)は、加圧領域131に比べて相対的に疎になる。すなわち、このような加圧工程を経ることにより、多孔質膜13の加圧領域131と非加圧領域132との間で疎密差を設けることができる(図3(c)参照)。この疎密差は、後述するエッチング工程において、エッチング速度の差に反映されることになる。
加圧領域131を加圧する方法としては、特に限定されないが、図3(a)に示すように圧子40を用いて押圧する方法が好ましい。このような方法によれば、特殊な設備や複雑なプロセスを経ることなく、加圧領域131のみを簡単に加圧することができる。
また、圧子40の押圧面41は、加圧領域131に対応する形状であるのが好ましい。これにより、加圧領域131全体において、多孔質膜13を均一な圧力で加圧することができる。その結果、加圧領域131における疎密ムラを抑制することができる。
また、圧子40の押圧面41は、加圧領域131に対応する形状であるのが好ましい。これにより、加圧領域131全体において、多孔質膜13を均一な圧力で加圧することができる。その結果、加圧領域131における疎密ムラを抑制することができる。
また、図3(a)では、圧子40の押圧面41の面積と加圧領域131の面積とは同程度であるが、圧子40の押圧面41は加圧領域131より小さくてもよい。この場合、圧子40を加圧領域131に押圧しつつ加圧領域131全体を走査するようにすれば、加圧領域131がいかなる形状であっても、1種類の圧子40で対応することができるので、加圧処理をより簡単に行うことができる。また、圧子40の汎用性を高めることができる。
このような圧子40としては、基材20よりも高硬度のものが好ましい。このような圧子40であれば、加圧処理によって圧子40自体が変形してしまうのを防止することができ、加圧領域131を確実に加圧して緻密化することができる。また、圧子40が研削され、研削物が異物として構造体1上に残存するのを防止することができる。
圧子40の構成材料は、基材20の構成材料に応じて適宜選択されるが、例えば、ダイヤモンド、サファイア、水晶等の結晶性材料、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミックス材料、超硬合金、タングステン合金、モリブデン合金等の金属材料等が挙げられる。このうち、ダイヤモンドまたは超硬合金で構成された圧子40を用いるのが好ましい。ダイヤモンドは、最も高硬度な材料であるため、基材20の構成材料によらず、圧子40が変形するのを確実に防止することを可能にする。また、超硬合金は、粉末冶金技術を用いて所望の形状の圧子40を得ることを可能にする。このため、ある程度広くてかつ平滑性の高い押圧面41を有する圧子40を得ることができ、この圧子40を用いることで、加圧領域131を効率よく均一に加圧することができる。その結果、加圧領域131における疎密差を抑制することができる。
圧子40の構成材料は、基材20の構成材料に応じて適宜選択されるが、例えば、ダイヤモンド、サファイア、水晶等の結晶性材料、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミックス材料、超硬合金、タングステン合金、モリブデン合金等の金属材料等が挙げられる。このうち、ダイヤモンドまたは超硬合金で構成された圧子40を用いるのが好ましい。ダイヤモンドは、最も高硬度な材料であるため、基材20の構成材料によらず、圧子40が変形するのを確実に防止することを可能にする。また、超硬合金は、粉末冶金技術を用いて所望の形状の圧子40を得ることを可能にする。このため、ある程度広くてかつ平滑性の高い押圧面41を有する圧子40を得ることができ、この圧子40を用いることで、加圧領域131を効率よく均一に加圧することができる。その結果、加圧領域131における疎密差を抑制することができる。
なお、加圧領域131を加圧する際の圧力は、10〜250MPa程度であるのが好ましく、20〜200MPa程度であるのがより好ましい。圧力を前記範囲内とすることにより、圧子40が多孔質膜13や基材20を損傷するのを防止しつつ、多孔質膜13を加圧して十分に緻密化することができる。
また、多孔質膜13は、多数の空孔105を含んでいるため、優れた可塑性を有している。このため、加圧に伴って容易に圧縮されるが、この際の圧縮率は、5〜70%程度であるのが好ましく、10〜50%程度であるのがより好ましい。多孔質膜13の圧縮率が前記範囲内であれば、多孔質膜13の加圧領域131と非加圧領域132との間で十分な疎密差が得られるため、この疎密差が反映される加圧領域131と非加圧領域132との間で、十分なエッチング速度差が得られることとなる。これにより、輪郭がより明瞭なエッチング加工が可能になる。
また、多孔質膜13は、多数の空孔105を含んでいるため、優れた可塑性を有している。このため、加圧に伴って容易に圧縮されるが、この際の圧縮率は、5〜70%程度であるのが好ましく、10〜50%程度であるのがより好ましい。多孔質膜13の圧縮率が前記範囲内であれば、多孔質膜13の加圧領域131と非加圧領域132との間で十分な疎密差が得られるため、この疎密差が反映される加圧領域131と非加圧領域132との間で、十分なエッチング速度差が得られることとなる。これにより、輪郭がより明瞭なエッチング加工が可能になる。
[7]次に、図4(d)に示すように、多孔質膜13に対してエッチング処理を施すことにより、多孔質膜13をパターニングする(第3の工程)。
このようにして多孔質膜13の部分ごとに疎密差が形成されると、この疎密差に基づいて、加圧領域131と非加圧領域132との間でエッチング速度(エッチングレート)に差が生じる。これにより、図4(e)に示すように、非加圧領域132が選択的にエッチングされる一方、加圧領域131がほとんどエッチングされない。その結果、一定時間経過すると、非加圧領域132のみが除去され、図4(f)に示すように加圧領域131のみが、緻密な金属膜14として残存する。このようにして多孔質膜13をパターニングすることができる。
このようにして多孔質膜13の部分ごとに疎密差が形成されると、この疎密差に基づいて、加圧領域131と非加圧領域132との間でエッチング速度(エッチングレート)に差が生じる。これにより、図4(e)に示すように、非加圧領域132が選択的にエッチングされる一方、加圧領域131がほとんどエッチングされない。その結果、一定時間経過すると、非加圧領域132のみが除去され、図4(f)に示すように加圧領域131のみが、緻密な金属膜14として残存する。このようにして多孔質膜13をパターニングすることができる。
なお、多孔質膜13の疎密差がエッチング速度差に反映されるメカニズムとしては、以下のようなものが考えられる。
多孔質膜13の加圧領域131は、図4(d)に示すように、各金属粒子101、102同士が密着しているため、エッチング液やエッチングガスに曝され難く、エッチングの起点となるサイトが少ないことからエッチング速度が小さいと考えられる。一方、非加圧領域132は、各金属粒子101、102が空孔105に隣接しているため、空孔105を介して各金属粒子101、102がエッチング液やエッチングガスに曝され易く、エッチング速度が大きいと考えられる。
多孔質膜13の加圧領域131は、図4(d)に示すように、各金属粒子101、102同士が密着しているため、エッチング液やエッチングガスに曝され難く、エッチングの起点となるサイトが少ないことからエッチング速度が小さいと考えられる。一方、非加圧領域132は、各金属粒子101、102が空孔105に隣接しているため、空孔105を介して各金属粒子101、102がエッチング液やエッチングガスに曝され易く、エッチング速度が大きいと考えられる。
以上のようなメカニズムにより、多孔質膜13に生じさせた疎密差を、エッチング速度の際に反映させることができる。これにより、多孔質膜13を、単に加圧領域131を選択的に加圧するのみで容易にパターニングすることができ、所望の形状の多孔質膜13を効率よく安価に形成することができる。
また、本発明によれば、従来のように、パターニングに際してレジスト膜を形成する必要がなく、それに伴うレジスト材料の供給、乾燥、ベーク処理、露光、現像、洗浄、乾燥等の複数の工程が必要なくなるので、工程の簡素化を図ることができる。
また、本発明によれば、従来のように、パターニングに際してレジスト膜を形成する必要がなく、それに伴うレジスト材料の供給、乾燥、ベーク処理、露光、現像、洗浄、乾燥等の複数の工程が必要なくなるので、工程の簡素化を図ることができる。
また、特に、構造体1(本発明の構造体)では、各空孔105を覆うように各金属粒子101、102が規則正しく配列しているため、多孔質膜13全体における各空孔105の分布や各金属粒子101、102の分布が一様になり易い。このため、非加圧領域132におけるエッチング速度が均一になり、エッチング量のバラツキを抑制することができる。
このような多孔質膜13に対するエッチング処理は、例えば、ドライエッチング法またはウェットエッチング法により行われる。これらの方法によれば、多孔質膜13を確実にエッチングすることができる。さらにドライエッチング法によれば、寸法精度の高いパターニングを行うことができる。一方、ウェットエッチング法によれば、ドライエッチングのように真空雰囲気を用意する必要がないので、多孔質膜13に対して簡単にエッチング処理を施すことができる。
このうち、ドライエッチング法は、反応性の気体(エッチングガス)やイオン、ラジカル等の活性種により、被処理物をエッチングする方法である。
具体的には、反応性ガスエッチング、反応性イオンエッチング、イオンビームエッチング、反応性イオンビームエッチング、反応性レーザービームエッチング等が挙げられるが、特にイオンビームエッチング等の物理エッチングが好ましく用いられる。物理エッチングによれば、多孔質膜13中の各金属粒子101、102の構成材料によらず、多孔質膜13をエッチングすることが可能である。
具体的には、反応性ガスエッチング、反応性イオンエッチング、イオンビームエッチング、反応性イオンビームエッチング、反応性レーザービームエッチング等が挙げられるが、特にイオンビームエッチング等の物理エッチングが好ましく用いられる。物理エッチングによれば、多孔質膜13中の各金属粒子101、102の構成材料によらず、多孔質膜13をエッチングすることが可能である。
一方、ウェットエッチング法は、被処理物を腐食溶解する性質を有する薬液(エッチング液)を用いて被処理物をエッチングする方法である。
用いるエッチング液は、多孔質膜13中の各金属粒子101、102の構成材料に応じて適宜選択すればよいが、例えば、第1の金属粒子101および第2の金属粒子102のいずれかが銅を主成分とする場合、塩化第二鉄、塩化第二銅のような酸性エッチング液等が挙げられる。このようなエッチング液は、銅に対するエッチング特性が高いので、多孔質膜13の非加圧領域132を速やかにエッチングすることができる。
用いるエッチング液は、多孔質膜13中の各金属粒子101、102の構成材料に応じて適宜選択すればよいが、例えば、第1の金属粒子101および第2の金属粒子102のいずれかが銅を主成分とする場合、塩化第二鉄、塩化第二銅のような酸性エッチング液等が挙げられる。このようなエッチング液は、銅に対するエッチング特性が高いので、多孔質膜13の非加圧領域132を速やかにエッチングすることができる。
≪接合方法≫
[8]まず、多孔質膜13をパターニングされて得られた金属膜14を介して基材20との接合に供される他の被着体30を用意する(第4の工程)。
被着体30の構成材料は、前述した基材20の構成材料と同様とされるが、後述する工程において、第2の金属粒子102を溶融する際に、十分な耐熱性を有するものとされる。なお、基材20の構成材料も同様に十分な耐熱性を有するものとされる。
[8]まず、多孔質膜13をパターニングされて得られた金属膜14を介して基材20との接合に供される他の被着体30を用意する(第4の工程)。
被着体30の構成材料は、前述した基材20の構成材料と同様とされるが、後述する工程において、第2の金属粒子102を溶融する際に、十分な耐熱性を有するものとされる。なお、基材20の構成材料も同様に十分な耐熱性を有するものとされる。
ここで、金属膜14は、多孔質膜13をパターニングして得られたものであるが、この多孔質膜13は、前述したように、各金属粒子101、102および各樹脂粒子103による自己組織化作用を利用して得たものである。このような自己組織化作用によれば、第1の金属粒子101と第2の金属粒子102との間、および、各金属粒子101、102と各樹脂粒子103との間に、それぞれ比重の差があっても均一に分散することができる。このため、均質な多孔質膜13および金属膜14を得ることができる。
また、基材20の多孔質膜13が形成される面や、接合される際に多孔質膜13に接する被着体30の面には、あらかじめ第2の金属粒子102の溶融物との親和性を高める表面処理を施すのが好ましい。これにより、第2の金属粒子102の溶融物が基材20や被着体30の表面に対して高度に密着し、最終的に基材20と被着体30とを強固に接合することができる。
このような表面処理としては、例えば、基材20や被着体30がガラス材料やセラミックス材料のように、金属材料との親和性が低い材料で構成されている場合には、基材20や被着体30の表面にめっき処理、メタライズ処理、蒸着処理、溶射処理等の表面改質処理が挙げられる。
このような表面処理としては、例えば、基材20や被着体30がガラス材料やセラミックス材料のように、金属材料との親和性が低い材料で構成されている場合には、基材20や被着体30の表面にめっき処理、メタライズ処理、蒸着処理、溶射処理等の表面改質処理が挙げられる。
[9]次に、図5(a)に示すように、金属膜14と他の被着体30とが密着するように、構造体1と他の被着体30とを重ね合わせる。これにより、図5(b)に示す仮接合体50を得る(第5の工程)。
[10]次に、図5(c)に示すように、仮接合体50中の金属膜14を加熱する。これにより、第2の金属粒子102が溶融し、溶融物が基材20と他の被着体30との間に広がり、その後固化することによって、図5(d)に示すように、基材20と他の被着体30とが接合される(第6の工程)。その結果、基材20と他の被着体30との間が第2の金属粒子102の溶融物102’により充填される。また、この溶融物102’中には第1の金属粒子101が分散した状態となる。すなわち、基材20と被着体30とは、第2の金属粒子102の溶融物102’中に第1の金属粒子101が分散してなる「ろう材15」により接合される。これにより、接合体5が得られる。
[10]次に、図5(c)に示すように、仮接合体50中の金属膜14を加熱する。これにより、第2の金属粒子102が溶融し、溶融物が基材20と他の被着体30との間に広がり、その後固化することによって、図5(d)に示すように、基材20と他の被着体30とが接合される(第6の工程)。その結果、基材20と他の被着体30との間が第2の金属粒子102の溶融物102’により充填される。また、この溶融物102’中には第1の金属粒子101が分散した状態となる。すなわち、基材20と被着体30とは、第2の金属粒子102の溶融物102’中に第1の金属粒子101が分散してなる「ろう材15」により接合される。これにより、接合体5が得られる。
ここで、第2の金属粒子102は、第1の金属粒子101よりも低融点の材料で構成されている。すなわち、第2の金属粒子102を構成する第2の金属材料は、第1の金属粒子101を構成する第1の金属材料より融点が低いものである。
このような融点の異なる材料で構成された複数種の金属粒子101、102を含んでいることにより、金属膜14は、接合膜として用いたときに、接合強度および導電性に優れたものとなる。すなわち、このような融点の異なる複数種の金属粒子101、102を含んだ金属膜14は、第2の金属粒子102の融点以上でかつ第1の金属粒子101の融点未満の温度で加熱されると、第2の金属粒子102のみが溶融し、溶融した第2の金属粒子102は、接合に供される基材20と他の被着体30との間の隙間に流れ込んで「ろう材15」となる。その結果、基材20と他の被着体30との間の密着性が高くなり、また溶融せずに残存する第1の金属粒子101が補強材として機能し、ろう材15自体の機械的特性が高くなるため、結果として基材20と被着体30との接合強度を高めることができる。特に、金属膜14は、前述したように第1の金属粒子101と第2の金属粒子102とが均一に分散しているため、ろう材15中において、補強材となる第1の金属粒子101が均一に存在し、機械的特性のバラツキを抑制することができる。
このような融点の異なる材料で構成された複数種の金属粒子101、102を含んでいることにより、金属膜14は、接合膜として用いたときに、接合強度および導電性に優れたものとなる。すなわち、このような融点の異なる複数種の金属粒子101、102を含んだ金属膜14は、第2の金属粒子102の融点以上でかつ第1の金属粒子101の融点未満の温度で加熱されると、第2の金属粒子102のみが溶融し、溶融した第2の金属粒子102は、接合に供される基材20と他の被着体30との間の隙間に流れ込んで「ろう材15」となる。その結果、基材20と他の被着体30との間の密着性が高くなり、また溶融せずに残存する第1の金属粒子101が補強材として機能し、ろう材15自体の機械的特性が高くなるため、結果として基材20と被着体30との接合強度を高めることができる。特に、金属膜14は、前述したように第1の金属粒子101と第2の金属粒子102とが均一に分散しているため、ろう材15中において、補強材となる第1の金属粒子101が均一に存在し、機械的特性のバラツキを抑制することができる。
また、第1の金属粒子101の構成材料として高導電性の材料を選択することにより、ろう材15の導電性を高めることができる。
また、各金属粒子101、102は、平均粒径が前述したような範囲にある場合、粒径が十分に小さいので表面エネルギーが支配的となり、融点の降下作用が顕著になる。その結果、第2の金属粒子102の融点を下げることができ、溶融作業を容易にするとともに、溶融作業時の基材20や被着体30への熱影響を抑制することができる。
ここで、第1の金属材料と第2の金属材料との好ましい組み合わせの一例として、銅とインジウムが挙げられる。
銅は、融点が約1083℃と比較的高温であるが、導電性および熱伝導性に優れているため、第1の金属材料として好適である。
また、各金属粒子101、102は、平均粒径が前述したような範囲にある場合、粒径が十分に小さいので表面エネルギーが支配的となり、融点の降下作用が顕著になる。その結果、第2の金属粒子102の融点を下げることができ、溶融作業を容易にするとともに、溶融作業時の基材20や被着体30への熱影響を抑制することができる。
ここで、第1の金属材料と第2の金属材料との好ましい組み合わせの一例として、銅とインジウムが挙げられる。
銅は、融点が約1083℃と比較的高温であるが、導電性および熱伝導性に優れているため、第1の金属材料として好適である。
一方、インジウムは、融点が約157℃と低温であるため、溶融作業時に基材20や被着体30に対する熱影響を抑制することができる。このため、基材20や被着体30の構成材料の選択の幅を広げることができ、第2の金属材料として好適である。また、インジウムは銅よりもイオン化エネルギーが小さいため、比較的酸化され易い。このため、仮に銅粒子(第1の金属粒子101)が酸化していたとしても、インジウムが酸化銅を還元する還元剤として作用し、その結果、銅粒子の導電性および熱伝導性を高めることができる。なお、上記の理由から、第1の金属材料および第2の金属材料を選択する際には、第2の金属材料として、第1の金属材料よりもイオン化エネルギーが小さいものから適宜選択されるのが好ましい。
また、銅とインジウムは、比較的広い比率で固溶体を形成し易いので、ろう材15中において第1の金属粒子101と第2の金属粒子102の溶融物102’との親和性が高くなる。これにより、第1の金属粒子101と溶融物102’とが相互に拡散し、ろう材15全体の機械的特性が高くなるとともに、導電性および熱伝導性の向上を図ることができる。
さらに、第1の金属材料と第2の金属材料との組み合わせとして銅とインジウムを用いることにより、基材20や被着体30のろう材15に接する面が酸化インジウムスズ(ITO)等の酸化インジウムを含む材料で構成されている場合には、基材20や被着体30に対するろう材15の濡れ性が向上し、基材20と被着体30との接合強度を高めることができる。また、この他の組み合わせとしては、第1の金属材料として、アルミニウム、銀、金、白金、ニッケル等が、第2の金属材料として、スズ、アンチモン等が好ましく用いられ、これらのうちから適宜選択して組み合わされる。
なお、ITO等は、透明導電膜として多用されていることから、本発明の接合方法は、このような透明導電膜と被着体とを導通させつつ接合する場合に特に有用である。
また、仮接合体50中の第2の金属粒子102を溶融する方法としては、例えば、電気炉等の加熱炉を用いて加熱する方法、超音波を照射する方法、ホットプレス法、レーザ光を照射する方法等が挙げられる。
また、仮接合体50中の第2の金属粒子102を溶融する方法としては、例えば、電気炉等の加熱炉を用いて加熱する方法、超音波を照射する方法、ホットプレス法、レーザ光を照射する方法等が挙げられる。
このうち、仮接合体50を加熱する方法によれば、金属膜14全体で第2の金属粒子102をムラなく溶融することができ、金属膜14全体が均質なものとなる。これにより、基材20と被着体30との接合強度を高めることができる。
この場合、加熱温度は、第2の金属材料の融点以上で、第1の金属材料の融点未満であればよいが、第2の金属材料の融点をTm[℃]としたとき、Tm以上、Tm+100以下であるのが好ましい。
この場合、加熱温度は、第2の金属材料の融点以上で、第1の金属材料の融点未満であればよいが、第2の金属材料の融点をTm[℃]としたとき、Tm以上、Tm+100以下であるのが好ましい。
また、超音波を照射する方法によれば、第2の金属材料が通常の加熱方法では接合し難い金属材料である場合でも、確実に溶融し、基材20と被着体30との接合強度を高めることができる。また、基材20や被着体30の表面が酸化膜で覆われている場合でも、フラックス等を用いることなく酸化膜を除去することができるので、強固な接合が可能である。
以上のような接合方法は、種々の複数の部材同士を接合するのに用いられる。
この接合に供される部材としては、例えば、例えば、トランジスタ、ダイオード、メモリのような半導体素子、水晶発振子のような圧電素子、反射鏡、光学レンズ、回折格子、光学フィルターのような光学素子、太陽電池のような光電変換素子、半導体基板とそれに搭載される半導体素子、絶縁性基板と配線または電極、インクジェット式記録ヘッド、マイクロリアクタ、マイクロミラーのようなMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)部品、圧力センサ、加速度センサのようなセンサ部品、半導体素子や電子部品のパッケージ部品、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光記録媒体のような記録媒体、液晶表示素子、有機EL素子、電気泳動表示素子のような表示素子用部品、燃料電池用部品等が挙げられる。
また、本発明の接合方法によれば、特に、配線パターンが形成された基材同士を接合するとともに、配線パターン間を電気的に接続することができる。
この接合に供される部材としては、例えば、例えば、トランジスタ、ダイオード、メモリのような半導体素子、水晶発振子のような圧電素子、反射鏡、光学レンズ、回折格子、光学フィルターのような光学素子、太陽電池のような光電変換素子、半導体基板とそれに搭載される半導体素子、絶縁性基板と配線または電極、インクジェット式記録ヘッド、マイクロリアクタ、マイクロミラーのようなMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)部品、圧力センサ、加速度センサのようなセンサ部品、半導体素子や電子部品のパッケージ部品、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光記録媒体のような記録媒体、液晶表示素子、有機EL素子、電気泳動表示素子のような表示素子用部品、燃料電池用部品等が挙げられる。
また、本発明の接合方法によれば、特に、配線パターンが形成された基材同士を接合するとともに、配線パターン間を電気的に接続することができる。
図6は、配線基板同士の接続に本発明の接合方法を適用した例を示す斜視図である。
図6に示す第1の配線基板60は、絶縁性基板61と、その表面上の一部に設けられた2つの導電膜62aとにより構成されている。一方、図6に示す第2の配線基板70は、絶縁性基板71と、その表面上の一部に設けられた2つの導電膜72aとにより構成されている。
図6に示す第1の配線基板60は、絶縁性基板61と、その表面上の一部に設けられた2つの導電膜62aとにより構成されている。一方、図6に示す第2の配線基板70は、絶縁性基板71と、その表面上の一部に設けられた2つの導電膜72aとにより構成されている。
また、2つの導電膜62aおよび2つの導電膜72aはそれぞれが帯状をなしており、これらがストライプ状に配設されていることにより第1の配線パターン62および第2の配線パターン72が構成されている。なお、2つの導電膜62aおよび2つの導電膜72aは互いに離間して設けられており、互いに絶縁されている。
また、これらの第1の配線パターン62および第2の配線パターン72は、その寸法およびピッチがほぼ同じであり、各導電膜62aとその各々に対応する各導電膜72aとが、互いに対向するようになっている。
そして、第1の配線基板60と第2の配線基板70とを、本発明の接合方法により接合する。これにより、第1の配線基板60と第2の配線基板70とが接合されるとともに、第1の配線パターン62と第2の配線パターン72とが電気的に接続される。
また、これらの第1の配線パターン62および第2の配線パターン72は、その寸法およびピッチがほぼ同じであり、各導電膜62aとその各々に対応する各導電膜72aとが、互いに対向するようになっている。
そして、第1の配線基板60と第2の配線基板70とを、本発明の接合方法により接合する。これにより、第1の配線基板60と第2の配線基板70とが接合されるとともに、第1の配線パターン62と第2の配線パターン72とが電気的に接続される。
以上のように、本発明の接合方法は、特に、各種半導体装置や電子部品の回路基板への実装、回路基板同士や配線同士の接続等に好適である。これにより、高密度での実装や接続が簡単に実現することができる。
以上、本発明の構造体、パターニング方法および接合方法について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明のパターニング方法および接合方法では、必要に応じて、任意の工程を追加することができる。
以上、本発明の構造体、パターニング方法および接合方法について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明のパターニング方法および接合方法では、必要に応じて、任意の工程を追加することができる。
1……構造体 5……接合体 10……液状材料 101……第1の金属粒子 102……第2の金属粒子 102’……第2の金属粒子の溶融物 103……樹脂粒子 104……分散媒 105……空孔 11……液状被膜 12……被膜 13……多孔質膜 131……加圧領域 132……非加圧領域 14……金属膜 15……ろう材 20……基材 21……上面 30……被着体 40……圧子 41……押圧面 50……仮接合体 60……第1の配線基板 61……絶縁性基板 62……第1の配線パターン 62a……導電膜 70……第2の配線基板 71……絶縁性基板 72……第2の配線パターン 72a……導電膜
Claims (18)
- 基材と、該基材上に設けられ、複数の金属粒子が複数の空孔を囲うように三次元的に配列してなる多孔質膜とを有し、
前記多孔質膜は、前記複数の金属粒子および複数の樹脂粒子が分散媒に分散してなる液状材料を、前記基材上に供給することにより、前記各樹脂粒子が核となり、その周りに各金属粒子が存在する状態から、前記各樹脂粒子を除去することにより前記空孔を形成して得られた前記複数の金属粒子の三次元集合体であり、
前記多孔質膜は、一部の領域を加圧して前記空孔を押し潰すことにより、加圧された加圧領域と加圧されていない非加圧領域との間で、物理的特性または化学的特性の差異を発現するものであることを特徴とする構造体。 - 前記各金属粒子は、前記三次元集合体を構築する際に、前記自己組織化作用により、前記各樹脂粒子を核として配列する請求項1に記載の構造体。
- 前記各樹脂粒子の平均粒径は、前記各金属粒子の平均粒径の1.2〜20倍である請求項1または2に記載の構造体。
- 前記各金属粒子の平均粒径は、10nm〜200μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の構造体。
- 前記各樹脂粒子の除去は、前記各樹脂粒子を熱分解する方法および前記各樹脂粒子を溶媒で溶解する方法の少なくとも一方により行う請求項1ないし4のいずれかに記載の構造体。
- 前記各樹脂粒子は、合成樹脂ラテックスで構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の構造体。
- 前記多孔質膜を加圧する際の圧力は、10〜250MPaである請求項1ないし6のいずれかに記載の構造体。
- 前記多孔質膜は、加圧により前記空孔を押し潰す際の圧縮率は、5〜70%である請求項1ないし7のいずれかに記載の構造体。
- 前記多孔質膜の加圧前の平均厚さは、1〜5000μmである請求項1ないし8のいずれかに記載の構造体。
- 前記各金属粒子は、その表面の一部が、隣接する前記空孔に露出している請求項1ないし9のいずれかに記載の構造体。
- 前記物理的特性または化学的特性の差異は、導電性であり、
前記加圧領域は、前記非加圧領域に比べて導電性が高くなる請求項1ないし10のいずれかに記載の構造体。 - 前記物理的特性または化学的特性の差異は、エッチングする際のエッチング速度であり、
前記多孔質膜は、前記非加圧領域におけるエッチング速度が、前記加圧領域におけるエッチング速度よりも速いことを利用して、前記非加圧領域を選択的に除去し、これによりパターニング可能なものである請求項1ないし11のいずれかに記載の構造体。 - 前記複数の金属粒子は、第1の金属材料で構成された第1の金属粒子と、前記第1の金属材料より融点が低い第2の金属材料で構成された第2の金属粒子とを含んでおり、
前記多孔質膜は、一部の領域を加圧して前記空孔を押し潰した後、前記第2の金属粒子を溶融し、これにより前記加圧領域に他の被着体との接着性が発現するとともに、前記加圧領域の導電性が前記非加圧領域より高くなるものである請求項12に記載の構造体。 - 前記第2の金属材料は、前記第1の金属材料よりイオン化エネルギーが小さい請求項13に記載の構造体。
- 前記第1の金属材料は、銅であり、前記第2の金属材料は、インジウムである請求項13または14に記載の構造体。
- 請求項12に記載の構造体を用意する第1の工程と、
前記多孔質膜の一部の領域を加圧して前記空孔を押し潰す第2の工程と、
前記多孔質膜に対してエッチング処理を施すことにより、前記非加圧領域を選択的に除去し、前記多孔質膜をパターニングする第3の工程とを有することを特徴とするパターニング方法。 - 請求項13ないし15のいずれかに記載の構造体と、該構造体との接合に供される前記他の被着体とを用意する準備工程と、
前記多孔質膜と前記他の被着体とが密着するように、前記構造体と前記他の被着体とを重ね合わせ、仮接合体を得る積層工程と、
前記仮接合体中の前記第2の金属粒子を溶融し、これにより前記構造体と前記他の被着体とを前記加圧領域において部分的に接合するとともに、これらの間を導通する溶融工程とを有することを特徴とする接合方法。 - 前記第2の金属粒子を溶融する方法は、前記多孔質膜を前記第2の金属材料の融点以上の温度で加熱する方法、または、前記多孔質膜に超音波を照射する方法である請求項17に記載の接合方法。
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JP2008175020A JP2010013703A (ja) | 2008-07-03 | 2008-07-03 | 構造体、パターニング方法および接合方法 |
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