JP2010012184A - 医療用縫合針付き縫合糸 - Google Patents

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Abstract

【課題】 白内障患者の白内障摘出手術及び眼内レンズ嚢内移植をより安全に行ない、特にチン小帯の脆弱又は断裂した患者の、術後視力を安定させる水晶体嚢保持縫合糸を開発すること。
【解決手段】 眼科用縫合針に水晶体嚢保持糸を付け、白内障摘出手術及び眼内レンズ嚢内移植時に使用し、術中術後の水晶体嚢を保持する。特に脆弱或いは断裂しているチン小帯のある白内障患者の白内障手術に本考案の水晶体嚢保持糸となる縫合糸の付いた縫合針を用いる。本考案の水晶体嚢保持糸の付いた縫合針の縫合糸は移植され、術後の水晶体嚢を安定させ、患者の術後視力安定に寄与する。
【選択図】図1

Description

本発明の医療用縫合針付き縫合糸は、水晶体の支えとなるチン小帯が弱い時の白内障手術及び眼内レンズ移植手術の術中術後の水晶体嚢の保持に用いる。
特許公開2004−337551号公報 特許公開2007−021147号公報 米国特許5843184 米国特許6183480
白内障患者の白内障手術において、チン小帯が弱い時の白内障手術や術中に水晶体嚢が破嚢した場合には眼内レンズ毛様溝縫着手技が必要と言われている。毛様溝縫着術は硝子体出血を起こし易く、網膜剥離の誘因となる可能性が高くなるとされている。
本発明者は特許文献1の特許公開2004−337551号公報及び特許文献2の特許公開2007−021147号公報で水晶体嚢保持具を開示している。この水晶体嚢保持具は白内障手術中のみの使用であり、又、この水晶体嚢保持具は角膜縁から瞳孔を通って水晶体嚢内に向かって挿入される。
水晶体嚢の赤道部を円形に確保するには、水晶体嚢拡張リングや眼内レンズ支持部(ハプティック)がある。水晶体嚢拡張リングは水晶体前嚢上皮細胞の後嚢への増殖伸展阻止による後発白内障予防用であり、眼内レンズは視力補正用である。水晶体嚢拡張リングや眼内レンズはチン小帯が断裂すると硝子体腔中に落下し、再手術となる可能性がある。米国特許No.5843184で開示しているリングは大きく、脆弱な、又は断裂したチン小帯を持つ水晶体嚢への移植には困難であり、更なるチン小帯断裂を起こす可能性が大きい。脆弱な、又は断裂したチン小帯へは機械的に静かに白内障手術を施行しなければならないことは良く知られている。この米国特許No.5843184で開示しているリングは水晶体摘出術後の眼内レンズ眼内移植直前に移植され、水晶体摘出術中は使用できない。
米国特許No.6183480で開示している水晶体嚢固定器も牽引部位が切開後の前嚢縁のみで、充分な水晶体嚢の袋状を確保出来ず、切開後の前嚢縁に亀裂があると使用出来ない。この水晶体嚢固定器は移植されない。
白内障手術を安全に行なうための条件の一つに良好な散瞳状態を保つことが上げられる。散瞳には通常、点眼薬を用いるが、緑内障やぶどう膜炎の既往を持つ症例では点眼薬に反応しなく、充分に散瞳を得られない場合がある。
この様な小瞳孔例には、強制的に瞳孔を拡張することができる虹彩レトラクターと呼ばれる手術補助器具が従来から用いられている。虹彩レトラクターをチン小帯脆弱・断裂例に使用する場合、虹彩の縁(瞳孔縁)と前嚢切開後の前嚢とを一緒に牽引して水晶体嚢を牽引するが、牽引部位が切開後の前嚢縁のみで、充分な水晶体嚢の袋状を確保出来ない。
白内障手術時に患者の水晶体嚢が正常に確保出来ない場合、一般的に眼内レンズは毛様溝に固定し、移植される。しかし、水晶体嚢が正常に確保されれば眼内レンズは嚢内に固定出来る。 移植眼内レンズとぶどう膜である毛様溝組織とは直接接触しない方が眼内の炎症度合いが少なく、術後視力に良いことはよく知られている。第一の課題は、眼内レンズ移植を水晶体嚢内固定とすること。
健常眼球ではレンズである水晶体とぶどう膜は離れ、チン小帯で繋がっており、水晶体はトランポリン様に懸架している。毛様溝固定眼内レンズの固定位置の不具合や眼内レンズと眼内組織との余計な接触は出血や炎症を生じ、術後視力に影響を及ぼす。第二の課題は、眼内レンズ移植、特にチン小帯が脆弱な、或いは一部断裂した水晶体嚢を懸架・保持し、眼内レンズ水晶体嚢内移植術をより安全に、確実に行ない、術後合併症を軽減すること。
第三の課題は、眼内移植可能な、体積、表面積、重量等、物理的最小限の器具により水晶体嚢を温存・保持すること。チン小帯の脆弱例や断裂例は、白内障手術の中でも難治症例として扱われており、水晶体核摘出が難しく、水晶体脱落、水晶体後嚢破嚢、眼内レンズ偏位や眼内レンズの硝子体腔中への落下等が合併症として知られている。
白内障患者に於いて、図1の様に縫合針Bに水晶体嚢保持糸Tが付いた医療用縫合針付き縫合糸を用いて白内障手術及び眼内レンズ移植手術を施行する。従来、縫合針と水晶体嚢を保持する縫合糸が一体となった縫合針付き縫合糸は無かった。本発明は、縫合針付き縫合糸の物理的に最小の縫合糸に水晶体嚢保持機能を持たせ、更に、その縫合糸を眼内に移植可能としたことを特徴とする。
縫合針Bに、全長が15.0mm以上で太さが0.01〜1.0mmの範囲から選ばれた太さの縫合糸Tで先端が鋭角に折れ曲がり、その折れ曲がりから線状に上下或いは左右に分岐した形状のパッドPrとPlが設けられ、その折れ曲がり頂点Wから分岐Sまでの長さが少なくとも1.0mm以上で、線状に分岐しパッドを構成するその線は太さ0.01〜1.0mmの範囲から選ばれた太さであり、上下或いは左右の分岐パッド先端間Hの幅が1.0mm以上で15.0mm以下の範囲から選ばれたパッド幅の糸が付いた縫合針B付き糸Tを用いて白内障手術及び眼内レンズ移植手術を施行する。
白内障手術において、チン小帯脆弱或いは断裂を伴う白内障手術時の水晶体嚢赤道部の保持をパッドで行い、患者に安全に又、確実に水晶体の超音波破砕吸引術を行なうことを目的として水晶体嚢赤道部を保持する糸付き縫合針を用いる。図2右の水晶体嚢赤道部保持糸Tで示した様に保持糸Tの片端は切断され、毛様溝上の強膜Sc内に縫埋され水晶体嚢赤道部保持糸Tは移植される。
更に、眼内レンズ移植手術において、患者のチン小帯脆弱或いは断裂を伴う白内障手術時の水晶体嚢赤道部の支持をパッドで行い、安全に又、更なるチン小帯の断裂を防いで確実に眼内レンズを水晶体嚢内に移植し、術後の患者視力を維持する。
白内障・眼内レンズ移植手術において、患者のチン小帯脆弱或いは部分断裂時の水晶体嚢赤道部の保持を行うために、図1の様に縫合糸Tの全長Nが15.0mm以上で、太さが0.01mmから1.0mmまでの縫合糸Tであり、先端が鋭角に折れ曲がり、その折れ曲がり頂点Wから1.0mm以上のSで分岐し、分岐の先端が線状のパッドPrとPlであり、その線は太さ0.01〜1.0mmでパッド幅Hが1.0〜15.0mmである、水晶体嚢赤道部保持糸Tを用いる。
その水晶体嚢赤道部保持糸の折れ曲がりの先端が線状パッドで、その線が左右や上下に放射状に分岐し分岐の幅Hが1.0〜15.0mmのパッドとし、図2の様に水晶体嚢赤道部Eqを赤道に沿ってパッドPrとPlで押し広げ、後嚢Pcによる袋状を確保する。尚、水晶体嚢赤道部保持糸の先端折れ曲がり角度、図1のA、は鋭角で、角度5度以上、80度未満が好ましい。
本発明の水晶体嚢赤道部保持糸は毛様溝Csを通過して移植される。半層切開した強膜弁(フラップ)側に出た本発明の水晶体嚢赤道部保持糸Tを図3の様に持針器や縫合鑷子のプラットホームで平たく潰しDとし、強膜から強膜に近いTm側の潰れた糸の首の部分Deに10−0縫合糸を結紮し水晶体嚢赤道部保持糸Tを強膜に固定する。潰れた糸の首の外Tb側部分は切断し、結紮した10−0縫合糸と潰れた糸Dは図2右の様に強膜弁Scc下、強膜Sc内に縫埋する。更に、結膜Ctを被せて手術を終える。この水晶体嚢赤道部保持糸により、眼内レンズ移植手術予後の眼内レンズ偏位や眼内レンズの硝子体腔中への落下を防止し、患者術後視力を維持する。
本発明の水晶体嚢赤道部保持糸Tは主に合成樹脂である、ポリプロピレン、ナイロン、テフロン、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、形状記憶樹脂から選ばれた糸状の材料であるが、人体に安全で手術に有効である材料ならこれ以外のアクリル樹脂、絹糸等の有機材料等も使用できる。しかしながら、ポリグリコール酸縫合糸の様な生体吸収性縫合糸は本発明の様な縫合糸の移植には適さない。
縫合針Bは従来使用されている、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、形状記憶金属から選ばれた医療用縫合針が好ましい。縫合針Bの針先を誘導するための注射針は、強膜Scから毛様溝Cs、虹彩I下を通り前嚢切開後の切開孔Pa上に出ると角膜K側から術者がその針先を視認出来る。術者は縫合糸Tの移植位置で穿刺した注射針の針穴にこの縫合針Bの針先を入れ、穿刺孔から強膜の外へ注射針ごと縫合針を引き抜く(図示していない)。縫合糸は縫合針を抜いた毛様溝の位置の水晶体嚢赤道部に移植される。
以上述べた様に、本発明の水晶体嚢赤道部保持糸となる縫合糸T付き縫合針Bは、水晶体嚢赤道部Eqの確保が最も重要な目的である。本発明の縫合糸付き縫合針は、従来の虹彩レトラクター、水晶体嚢固定器、水晶体嚢拡張リング、そして水晶体嚢赤道部保持器具等とは形状、使用方法、作用が異なる。
白内障患者の白内障摘出手術に於いて、術者は水晶体嚢前嚢切開時にチン小帯が部分的に脆弱又は断裂しているかが水晶体の動きで判別できる。この前嚢切開後に行われる水晶体嚢と水晶体核の水流分離後に本発明の縫合針付き縫合糸を用いると、更に続く白内障摘出手術が行い易くなる。一般的に、白内障摘出には水晶体超音波破砕吸引術が施行される。チン小帯が部分的に脆弱又は断裂している時の水晶体超音波破砕吸引術は、本発明の縫合針付き縫合糸の使用により、より安全に施行できる。チン小帯が脆弱又は断裂している時、水晶体嚢を保持する工夫の無い時に水晶体超音波破砕吸引を行うと、更にチン小帯を傷め、破嚢や水晶体核落下を招くこととなる。本発明の縫合針付き縫合糸の使用により、術中での更なるチン小帯脆弱化や断裂が防止できる。
白内障患者の白内障摘出手術、眼内レンズ移植手術後、日を追って患者のチン小帯が更に脆弱化又は断裂し始めても、本発明の縫合糸が眼内レンズ移植された患者水晶体嚢を懸架、保持していると眼内レンズが嚢ごと硝子体中に落下したり、偏位する事が防止でき、長く患者視力を維持できる。
チン小帯が脆弱な又は断裂し、水晶体が亜脱臼又は脱臼している白内障患者への眼内レンズ移植を水晶体嚢内移植とすることが出来るので、眼内レンズ毛様溝縫着固定が避けられ、眼内レンズ支持部によるぶどう膜組織の擦過による副作用が防止できる。
従来の移植物である水晶体嚢拡張リングに比べて本発明の縫合糸は、体積、重量、表面積等、物理的に格段に小さく、眼内組織との接触も格段に少ない。本発明の縫合糸は眼内でより安全に使用出来る事を示唆している。
本発明の縫合糸は移植出来る水晶体嚢保持器具ともなる。この縫合糸に縫合針が付く事により、縫合糸移植を容易にし、縫合糸片端を強膜内に縫埋出来ることとした。縫合針は強膜から毛様溝への一回の穿刺で縫合糸を眼内に誘導できるため、創傷は最小限とすることが出来る。
眼科手術において、第一に、白内障患者の特に水晶体超音波破砕吸引術及び眼内レンズ移植術時の手術補助器具として本発明の縫合針付き水晶体嚢赤道部保持糸を用いる。 第二に、本発明の縫合針付き水晶体嚢赤道部保持糸は眼内に移植され、患者の術後視力の維持にも寄与する。本発明の縫合針付き縫合糸の形状の一例は図1の通りで、縫合針Bと縫合糸Tよりなる。縫合針Bは弱弯した通常の眼科用縫合針が好ましい。縫合糸Tの縫合針B付け根より縫合糸T先の折れ曲がり部Wまでの長さNは少なくとも15.0mm以上必要である。
縫合糸Tの折れ曲がり部Wからの折れ曲がりは分岐Sに向かって鋭角Aで、角度5度以上、80度未満が好ましい。縫合糸Tは分岐Sから更にパッドとなるパッドPrとPlに分かれている。パッドPrとパッドPlは水晶体嚢赤道部を保持する様に分岐Sから放射状に二つに分岐している。本発明の説明では分岐は左右の様に二つであるが、分岐数には拘らない。縫合糸Tの折れ曲がり部Wから分岐Sの折れ曲がり長さは約1.0mm以上必要で最長5.0mm程度迄が好ましい。
眼内での縫合糸Tの移植位置は図2左右の縫合糸Tの様に毛様溝上強膜Scから、縫合糸T先端は水晶体嚢赤道部Eqに位置する。
図2の右側の縫合糸Tは眼内水晶体嚢内に挿入後、嚢の内側赤道部Eqに先端パッド、が当てられている図であり、縫合針側(図示していない)の縫合糸T断端は強膜Sc内に縫埋されている図である。図2左右のチン小帯Zはブドウ膜Uより断裂していても、本器はこの右図の様に移植され、水晶体超音波破砕吸引術そして眼内レンズ移植が行なわれる。
本発明の縫合針と縫合糸を眼内に挿入する前に、硬めの核を持つ水晶体では水圧による核と皮質の水流分離を行なう。核分離の後、本発明の器具を嚢内に装着すると図2の様に先端パッドPrとPlが嚢赤道部皮質と接触することとなる。この時、超音波破砕吸引針でパッドPrとPl下の皮質も吸引することとなり、これらパッドを含む縫合糸は揺れるが皮質吸引の妨げとはならない。
図1及び図2の先端Pr及びPlのパッドは説明のため、縫合糸Tの5−0縫合糸の先端部長さ凡そ1.0mmを分岐まで太さの半分に縦割りし、分岐し、パッド幅Hを約2.0mmとして図示した。本発明ではこのパッド幅Hは1.0mm〜15.0mmの範囲より選び、この幅で赤道部Epを保持する。形状は加熱成形する。
図1の様な長さNが40.0mmの5−0(φ0.12mm)眼科用縫合糸Tに長さGが15.0mmの弱弯針Bが付いた針糸を作成した。縫合糸Tの断端は水晶体嚢が保持出来る形状とした。縫合糸Tの先端保持部折れ曲がりからの長さ、WからS、は1.25mmで分岐先端Hは2.0mmの幅で折れ曲がりに対してT字型に水晶体嚢赤道に沿う様に、放射状に、左右に分割分岐した。糸の材質は通常の眼科手術の縫合に用いられているポリプロピレンで作成した。針Bは通常の縫合に用いられているステンレス製の弱弯針とした(株式会社河野製作所)。
屠殺後の摘出豚眼を用いて実施例1の様に製作した3本の縫合針付き縫合糸の作用を試験した。
強角膜縁より25G前嚢切開針で前嚢切開した後、毛様溝上と思える結膜の3箇所、12時、4時、8時と120度毎に結膜を剥離切開し、それら結膜下強膜を半層切開し強膜弁をそれぞれ作成した。次に、水晶体嚢と水晶体核とを水流分離した。12時に縫合針を通過させ4時より穿刺した誘導用の25G(ゲージ)注射針の針穴に縫合針先端を入れ縫合針を4時より抜き、4時の位置の水晶体嚢内に縫合糸先端を位置させた。この様に次々と3箇所に縫合糸を位置させた。それぞれの縫合糸パッドを水晶体嚢内赤道部に位置させた後、図3の様に強膜に出た縫合糸Tを持針器のプラットホームで潰しDの様にし、25G縫合糸を潰された縫合糸の強膜側Deを絡めそれぞれの縫合糸近位の強膜に縫着した。潰された縫合糸の強膜側Tmとは反対の縫合針側Tbを切断し、図2右の縫合糸Tの様に、潰され強膜に縫着された縫合糸Dを強膜弁Scc下に埋めた。更に剥離切開した結膜Ctを強膜弁Sccに被せた。3箇所の縫合糸の移植後に超音波水晶体破砕吸引、水晶体皮質吸引を行った。
そして眼内レンズ移植が可能となり、作成した強角膜縁3.0mm創口より眼内レンズを嚢内に挿入した。
豚眼を用い、本発明の縫合針付き縫合糸により、水晶体嚢が袋状を維持し、安全そして確実に白内障・眼内レンズ移植術が行なえることが確認出来た。豚眼のチン小帯を術者が故意に切断した更なる実施例に於いても、本発明者は縫合針付き縫合糸の有意さ、有効さ、移植方法を確認した。
本発明の水晶体嚢赤道部保持糸である縫合糸はチン小帯の脆弱な或いは部分的に断裂している白内障患者の手術後の眼内レンズ固定補助具として使用できる。本発明の縫合糸は、白内障・眼内レンズ移植手術中の更なるチン小帯の断裂を阻止すると共に、移植された眼内レンズの位置をそのまま固定し、患者の術後視力維持を助ける。
図2の右の縫合糸Tの様に縫合糸Tを強膜Sc内に縫着する。この本発明の縫合針付き縫合糸の使用で、眼内レンズの偏位や眼内レンズが硝子体Vit中へ落下すると言った様な更なる合併症を引き起こす懸念が無くなることを実施例2で確認出来た。
本発明の医療用縫合針付き縫合糸は眼内移植に使用されるので、当然、手術前には滅菌状態でなければならない。
上述したように本発明の医療用縫合針付き縫合糸により、白内障手術時の眼内レンズの嚢内移植を確実に施行することができ、安全度の高い白内障手術及び眼内レンズ移植手術を提供できる。
先端が左右に分岐したパッドを持つ水晶体嚢赤道部保持糸を持つ縫合針付き縫合糸の外観図である。 図1の縫合針付き縫合糸の術中術後の使用例を説明するための眼球前眼部断面及び摸式図である。 図2で縫合糸である保持糸が強膜内に縫埋固定される時、糸を潰し、固定を確実にすることを説明するための糸の潰した部分の正面図である。
符号の説明
T 縫合糸
B 縫合針
N 縫合糸の、縫合針付け根より鋭角に折れ曲がった部分までの長さ
G 弯曲した縫合針の長さ
W 縫合糸の折れ曲がり部
A 縫合糸の折れ曲がり部の角度
S 縫合糸の鋭角に折れ曲がった水晶体嚢赤道部に向かう先端付け根である分岐点
H 縫合糸の水晶体嚢赤道部に向かう先端パッド幅
Tb 縫合糸の縫合針方向
Tm 縫合糸の先端方向
Pr 縫合糸の水晶体嚢赤道部に向かう先端パッドの赤道接線右側
Pl 縫合糸の水晶体嚢赤道部に向かう先端パッドの赤道接線左側
Pa 切開された前嚢部位
Cs 毛様溝
Ct 結膜
Eq 水晶体赤道部
K 角膜
I 虹彩
Pc 水晶体後嚢
Sc 強膜
Scc 強膜弁
U ぶどう膜
Vit 硝子体

Claims (5)

  1. 縫合針に水晶体嚢保持糸が付いたことを特徴とする医療用縫合針付き縫合糸。
  2. 水晶体嚢保持糸の全長が15.0mm以上で太さが0.01〜1.0mmの範囲から選ばれた縫合糸で先端が鋭角に折れ曲がり、その折れ曲がりから線状に上下或いは左右に分岐した形状のパッドが設けられ、その折れ曲がり頂点から分岐までの長さが少なくとも1.0mm以上で、線状に分岐しパッドを構成するその線は太さ0.01〜1.0mmの範囲から選ばれた太さであり、上下或いは左右の分岐パッド先端間の幅が1.0〜15.0mmの範囲から選ばれたパッド幅の糸が設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の医療用縫合針付き縫合糸。
  3. 縫合糸の先端の折れ曲がりが鋭角で、角度5度以上、80度未満であることを特徴とする、請求項2に記載の医療用縫合針付き縫合糸。
  4. 縫合糸が、ポリプロピレン、ナイロン、テフロン、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、形状記憶樹脂、有機材料から選ばれた請求項1及び請求項2に記載の医療用縫合針付き縫合糸。
  5. 縫合針が、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、形状記憶金属から選ばれた請求項1及び請求項2に記載の医療用縫合針付き縫合糸。
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