JP2010011866A - 湿式処理装置、並びに、難溶性蛋白質の分解方法、クラゲ分解組成物及びそれを用いたクラゲの分解方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この湿式処理装置(クラゲ分解装置)は、被処理対象物(クラゲ蛋白質)を収容し、流入する液状物(クラゲ分解用組成物)と接触処理させる第一の処理容器(分解槽1及び仕切槽2)と、分解槽1に流入する液状物が所定量に達した際に分解槽1内の液状物を外部に移送させる第一の液状物移送手段(サイフォン管3)とを少なくとも有し、好ましくは更に、サイフォン管3により外部に移送された液状物を収容し処理する第二の処理容器(循環・加温槽5)と、循環・加温槽5内の液状物を分解槽1内に移送させる第二の液状物移送手段(配管)とを更に有する。
【選択図】図1
Description
<1> 被処理対象物を収容し、流入する液状物と接触処理させる第一の処理容器と、該第一の処理容器に流入する液状物が所定量に達した際に該第一処理容器内の液状物を外部に移送させる第一の液状物移送手段とを少なくとも有することを特徴とする湿式処理装置である。
該湿式処理装置においては、前記第一の処理容器が、前記被処理対象物を収容し、流入する液状物と接触処理させる。このとき、前記被処理対象物は、前記第一の処理容器内に流入する前記液状物による流圧を受けた状態で該液状物により接触処理される。そして、前記液状物中に前記被処理対象物を分解等させる酵素等の成分を含有させておくと、前記接触処理の際に前記被処理対象物が分解等される。前記第一の液状物移送手段が、前記第一の処理容器内に流入しかつ所定量に達した液状物を外部に移送させる。このとき、前記第一の処理容器内には前記液状物が無くなるため、前記被処理対象物は、自重で落下し、該第一の処理容器の底面に衝突し、その際の衝撃等により破損等し小片化する。そして、必要に応じてこれを繰り返すと、前記被処理対象物は完全に又は所望の程度にまで分解等される。
<2> 第一の液状物移送手段により外部に移送された液状物を収容する第二の処理容器と、該第二の処理容器内の液状物を前記第一の処理容器内に移送させる第二の液状物移送手段とを更に有する前記<1>に記載の湿式処理装置である。
該湿式処理装置においては、前記第二の処理容器が、前記第一の液状物移送手段により外部に移送された液状物を収容する。前記第二の液状物移送手段が、前記第二の処理容器内の液状物を前記第一の処理容器内に移送させる。その結果、前記被処理対象物が分解等して含んでいる前記液状物が前記第一の処理容器内に流入され、該液状物により前記第一の処理容器内に存在する前記被処理対象物が再度、接触処理される。この接触処理後の前記液状物は、前記被処理対象物をより高濃度に含有する。
<3> 被処理対象物が難分解性蛋白質である前記<1>から<2>のいずれかに記載の湿式処理装置である。該湿式処理装置においては、前記第一の処理容器が、前記難分解性蛋白質を収容し、流入する液状物と接触処理させる。このとき、前記難分解性蛋白質は、前記第一の処理容器内に流入する前記液状物による流圧を受けた状態で該液状物により接触処理される。そして、前記液状物中に前記難分解性蛋白質を分解等させる酵素等の成分を含有させておくと、前記接触処理の際に前記難分解性蛋白質が分解等される。前記第一の液状物移送手段が、前記第一の処理容器内に流入しかつ所定量に達した液状物を外部に移送させる。このとき、前記第一の処理容器内には前記液状物が無くなるため、前記難分解性蛋白質は、自重で落下し、該第一の処理容器の底面に衝突し、その際の衝撃等により破損等し小片化する。そして、必要に応じてこれを繰り返すと、前記難分解性蛋白質は完全に又は所望の程度にまで分解等される。
<4> 難分解性蛋白質がクラゲ蛋白質である前記<3>に記載の湿式処理装置である。該湿式処理装置においては、前記第一の処理容器が、前記クラゲ蛋白質を収容し、流入する液状物と接触処理させる。このとき、前記クラゲ蛋白質は、前記第一の処理容器内に流入する前記液状物による流圧を受けた状態で該液状物により接触処理される。そして、前記液状物中に前記クラゲ蛋白質を分解等させる酵素等の成分を含有させておくと、前記接触処理の際に前記クラゲ蛋白質が分解等される。前記第一の液状物移送手段が、前記第一の処理容器内に流入しかつ所定量に達した液状物を外部に移送させる。このとき、前記第一の処理容器内には前記液状物が無くなるため、前記クラゲ蛋白質は、自重で落下し、該第一の処理容器の底面に衝突し、その際の衝撃等により破損等し小片化する。そして、必要に応じてこれを繰り返すと、前記クラゲ蛋白質は完全に又は所望の程度にまで分解等される。
<5> 第一の処理容器が、被処理対象物を上方に向けて移動させるようにして液状物を下部から流入させる前記<1>から<4>のいずれかに記載の湿式処理装置である。該湿式処理装置においては、前記第一の処理容器が、前記被処理対象物を収容し、下部から流入する液状物と接触処理させる。このとき、前記被処理対象物は、前記第一の処理容器の下部から内部に流入する前記液状物により、上方に押し上げられるようにして接触処理される。即ち、前記被処理対象物は重力方向に落下しようとするのに対し、前記液状物は、この落下しようとする被処理対象物を押し上げるようにして接触する。このため、前記被処理対象物に付加される重力と、前記液状物の流圧との相乗効果により、前記接触処理が効果的に行われ、前記被処理対象物が完全に又は所望の程度にまで効率よく分解等される。
<6> 第一の処理容器が、液状物が流入する液状物流入口と、液状物が流出する液状物流出口とを有してなり、
被処理対象物を収容し、液状物流入口及び液状物流出口の少なくともいずれかを該被処理対象物が閉塞するのを防ぐ内側槽を備えた前記<1>から<5>のいずれかに記載の湿式処理装置である。
該湿式処理装置においては、前記第一の処理容器における前記液状物流入口及び前記液状物流出口の径よりも大きい径の前記被処理対象物を処理する場合であっても、該被処理対象物が前記液状物流入口及び前記液状物流出口の径よりも大きな径を有している間は、前記内側槽内にトラップされる。その結果、前記被処理対象物が前記第一の処理容器における前記液状物流入口及び前記液状物流出口を閉塞してしまうことによる、処理の中断等の問題が生ずることがなく、処理効率に優れる。
<7> 内側槽が、液状物流入口及び液状物流出口の径よりも小さな径の網目を有する籠体である前記<6>に記載の湿式処理装置である。該湿式処理装置においては、前記第一の処理容器における前記液状物流入口及び前記液状物流出口の径よりも大きい径の前記被処理対象物を処理する場合であっても、該被処理対象物が前記液状物流入口及び前記液状物流出口の径よりも大きな径を有している間は、前記籠体の網目を通過することができないため、該籠体内にトラップされる。その結果、前記被処理対象物が前記第一の処理容器における前記液状物流入口及び前記液状物流出口を閉塞してしまうことによる、処理の中断等の問題が生ずることがなく、処理効率に優れる。
<8> 接触処理が、分解処理及び抽出処理の少なくともいずれかである前記<1>から<7>のいずれかに記載の湿式処理装置である。該湿式処理装置においては、前記被処理対象物の種類、目的等に応じて、前記液状物の種類や該液状物に添加する成分等を適宜選択等することにより、前記接触処理としての分解処理又は抽出処理が行われる。
<9> 液状物が、被処理対象物の分解酵素及び抽出溶剤の少なくともいずれかを含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の湿式処理装置である。該湿式処理装置においては、前記液状物が前記被処理対象物の分解酵素及び/又は抽出溶剤を含有しているので、前記接触処理としての分解処理及び/又は抽出処理が行われる。
<10> 第一の液状物移送手段が、サイフォンの原理により第一処理容器内の液状物を移送させる前記<1>から<9>のいずれかに記載の湿式処理装置である。該湿式処理装置においては、前記第一の液状物移送手段が前記サイフォンの原理により前記第一の処理容器内の前記液状物を移送させ、ポンプ等の機械的かつ要動力な手段を使用することなく、低コストで簡便かつ効率的に前記液状物の移送が行われる。
<11> 第二の処理容器が、第一の液状物移送手段により移送された液状物を内部で加温しながら循環させる前記<1>から<10>のいずれかに記載の湿式処理装置である。該湿式処理装置においては、前記第二の処理容器が、その内部で前記液状物を加温しながら循環させるので、該液状物中に含まれる前記被処理対象物の小片等が、更に分解等されて該液状物中で均一に溶解乃至分散等される。
<12> クラゲ分解装置であり、被処理対象物がクラゲ蛋白質であり、液状物がクラゲ蛋白質の分解酵素及び該分解酵素を産生する微生物の少なくともいずれかを含む前記<1>から<11>のいずれかに記載の湿式処理装置である。該湿式処理装置としてのクラゲ分解装置においては、前記第一の処理容器が、前記クラゲ蛋白質を収容し、流入する液状物と接触処理させる。このとき、前記クラゲ蛋白質は、前記第一の処理容器内に流入する前記液状物による流圧を受けた状態で該液状物により接触処理される。そして、前記液状物は前記クラゲ蛋白質の分解酵素を含有しているので、前記接触処理の際に前記クラゲ蛋白質が効率よく分解される。前記第一の液状物移送手段が、前記第一の処理容器内に流入しかつ所定量に達した液状物を外部に移送させる。このとき、前記第一の処理容器内には前記液状物が無くなるため、前記クラゲ蛋白質は、自重で落下し、該第一の処理容器の底面に衝突し、その際の衝撃等により破損等し小片化する。そして、必要に応じてこれを繰り返すと、前記クラゲ蛋白質は完全に又は所望の程度にまで分解等される。
<13> クラゲ蛋白質の分解酵素が、放線菌が産生するプロテアーゼである前記<12>に記載の湿式処理装置である。該湿式処理装置においては、前記クラゲの分解酵素が、前記放線菌が産生するプロテアーゼであるため、クラゲ蛋白質が極めて効率的に分解等される。
<14> 放線菌が、ストレプトミセス属放線菌から選択される前記<13>に記載の湿式処理装置である。
<15> ストレプトミセス属放線菌が、エスピー種放線菌から選択される前記<14>に記載の湿式処理装置である。
<16> エスピー種放線菌が、99−GP−2D−5株(FERM P−19336)及びその誘導菌株から選択される前記<15>に記載の湿式処理装置である。
<17> 可搬式である前記<1>から<16>のいずれかに記載の湿式処理装置である。該湿式処理装置は、移設が可能であるので、必要時にのみ所望の場所に移動させて処理を行うことができる。特に、該湿式処理装置が前記クラゲ分解装置等である場合、被処理対象物であるクラゲは、常時発生するものではなく季節的に発生し、また、突然大発生することもあり、必要な時にだけ移設可能であることが望まれ、該湿式処理装置は可搬式であるので、設置場所等の点で有利である。
<18> 放線菌が産生するプロテアーゼを含むことを特徴とするクラゲ分解用組成物である。該クラゲ分解用組成物においては、放線菌が産生するプロテアーゼを含むため、該クラゲ分解用組成物を用いてクラゲの分解処理を行うと、該クラゲのクラゲ蛋白質が極めて効率的に分解等される。
<19> 放線菌が、ストレプトミセス属放線菌から選択される前記<18>に記載のクラゲ分解用組成物である。
<20> ストレプトミセス属放線菌が、エスピー種放線菌から選択される前記<19>に記載のクラゲ分解用組成物である。
<21> エスピー種放線菌が、99−GP−2D−5株(FERM P−19336)及びその誘導菌株から選択される前記<20>に記載のクラゲ分解用組成物である。
<22> クラゲに対し、前記<18>から<21>のいずれかに記載のクラゲ分解用組成物を接触処理させることを特徴とするクラゲの分解方法である。該クラゲの分解方法においては、特定の前記クラゲ分解用組成物を用いるので、前記クラゲの分解処理が効率的に行われる。
<23> 第一の処理容器に収容した難分解性蛋白質に対し、該第一処理容器の下部から、難分解性蛋白質の分解酵素を含む液状物を流入させて接触処理させる接触処理工程と、第一の処理容器内で所定量に達した該液状物を第二の処理容器に移送し、該第二の処理容器内で加温しながら循環させる加温循環工程と、該第二の処理容器内の液状物を前記第一の処理容器内に移送させ循環させる液状物循環工程とを含むことを特徴とする難分解性蛋白質の分解方法である。
前記難分解性蛋白質の分解方法においては、前記接触処理工程において、前記第一の処理容器に収容した前記難分解性蛋白質が、前記第一の処理容器内に流入させた、難分解性蛋白質の分解酵素を含む前記液状物により接触処理される。前記加温循環工程において、前記第一の処理容器内に流入することにより、その体積が増加し所定量に達した前記液状物が、前記第二の処理容器に移送され、そこで加温されつつ循環される。その結果、前記液状物中に含まれる前記難分解性蛋白質及びその小片等がより完全にかつ均一に分解等される。そして、必要に応じてこれらの工程を繰り返すと、前記難分解性蛋白質は完全に又は所望の程度にまで分解等される。
<24> 難分解性蛋白質が、過塩素酸可溶性蛋白質(PSP)、異常プリオン蛋白質、及びクラゲ蛋白質から選択される少なくとも1種である前記<17>に記載の難分解性蛋白質の分解方法である。該難分解性蛋白質の分解方法においては、前記過塩素酸可溶性蛋白質(PSP)、前記異常プリオン蛋白質、及び前記クラゲ蛋白質から選択される少なくとも1種が、効率的に分解される。
<25> 難分解性蛋白質の分解酵素を含む液状物が、放線菌が産生するプロテアーゼを含む前記<23>から<24>のいずれかに記載の難分解性蛋白質の分解方法である。該難分解性蛋白質の分解方法においては、前記液状物が放線菌が産生するプロテアーゼを含むため、前記難分解性蛋白質が極めて効率的に分解される。
<26> 放線菌が、ストレプトミセス属放線菌から選択される前記<25>に記載の難分解性蛋白質の分解方法である。
<27> ストレプトミセス属放線菌が、エスピー種放線菌から選択される前記<26>に記載の難分解性蛋白質の分解方法である。
<28> エスピー種放線菌が、99−GP−2D−5株(FERM P−19336)及びその誘導菌株から選択される前記<27>に記載の難分解性蛋白質の分解方法である。
本発明の湿式処理装置は、第一の処理容器と、第一の液状物移送手段とを少なくとも有してなり、好ましくは第二の処理容器と、第二の液状物移送手段とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記第一の処理容器としては、被処理対象物を収容し、流入する液状物と接触処理させることが可能な容器であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記液状物が内部に流入する液状物流入口と、前記液状物が外部に流出する液状物流出口とを備えているものなどが挙げられ、前記被処理対象物を上方に向けて移動させるようにして液状物を下部から流入可能であるものが好ましく、具体的には、前記液状物流入口を下部に備えているものが好ましい。
この好ましい態様の場合、前記被処理対象物は、前記第一の処理容器の下部に設けられた前記液状物流入口から内部に流入する前記液状物により、上方に押し上げられるようにして接触処理される。即ち、前記被処理対象物は重力方向に落下しようとするのに対し、前記液状物は、前記第一の処理容器の下部に設けられた液状物流入口から該第一の処理容器の上方に向かって流れるため、この落下しようとする被処理対象物を押し上げるようにして接触する。このため、前記被処理対象物に付加される重力と、前記液状物の流圧との相乗効果により、前記接触処理を効果的に行うことができ、前記被処理対象物を完全に又は所望の程度にまで効率よく分解等することができる。
前記第一の液状物移送手段としては、前記第一の処理容器に流入する液状物が所定量に達した際に該第一処理容器内の液状物を外部に移送させることができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、その一端が前記液状物流出口に接続され、サイフォンの原理により前記第一処理容器内の液状物を移送させることができるものが好ましく、前記第一の処理容器の下部に設けられた前記液状物流出口に接続され、該第一の処理容器の内部に流入する前記液状物の量が、所定量に達した時に、前記サイフォンの原理により、前記第一の処理容器内の前記液状物を前記液状物流出口から外部に移送可能なものが特に好ましい。
このような第一の液状物移送手段の具体例としては、両端開口の管状構造物であって、その一端が前記第一の処理容器の下部に設けられた前記液状物流出口に前記液状物が流出不能に接続され、該一端の近傍で略垂直方向かつ上向きに屈曲し、前記第一の処理容器において、内部に収容される前記液状物の最大高さよりも低い任意の高さ位置で、その他端が重力がかかる方向でかつ前記第二の処理容器に対向する方向に向けて屈曲しているものが好適に挙げられる。このような第一の液状物移送手段の場合、ポンプ等を用いた場合に比し、前記サイフォンの原理を利用するので、駆動エネルギーを要さず、構造が簡単で、メインテナンスも不要な点で有利であり、また、前記第一の処理容器内で前記液状物が所定量に達するまでの間、該液状物と前記被処理対象物とを接触処理させることができる点で有利である。
前記第二の処理容器としては、前記第一の液状物移送手段により外部に移送された液状物を収容することが可能な容器であれば、特に制限はなく、その材質、形状、構造、大きさ、色等については、目的に応じて適宜選択することができる。
前記材質としては、例えば、機械的強度、耐熱性、耐薬品性等に優れているものが好ましく、樹脂、ガラス等のセラミックス、金属などが挙げられる。前記形状乃至構造としては、例えば、公知の水槽のような形状などが挙げられる。前記大きさとしては、処理量等に応じて適宜選択することができる。前記色としては、例えば、透明が好適に挙げられる。
前記処理として混合処理を行うと、前記液状物を均一な溶液乃至分散液とすることができ、該液状物を用いて更に前記被処理対象物を接触処理させた際の処理効率に優れる等の点で有利である。
なお、前記混合処理は、混合手段を用いて好適に行うことができ、例えば、前記第二の処理容器内の前記液状物を攪拌等したり、前記第二の処理容器内の前記液状物をポンプ等を用いて循環させること等により行うことができる。
前記処理として加熱処理を行うと、前記被処理対象物を前記液状物中に十分に溶解させることができる点で有利である。
なお、前記加熱処理は、例えば、前記第二の処理容器内にヒーター等を設置すること等により行うことができる。前記加熱処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記被処理対象物がクラゲであり、前記液状物が本発明のクラゲ分解用組成物を含む場合には、45℃以上が好ましく、50〜70℃がより好ましい。この場合、前記クラゲの分解を短時間で効率よく行うことができる点で有利である。
前記処理として混合処理及び加熱処理を行うと、前記第一の液状物移送手段により移送されてきた前記液状物を内部で加温しながら循環させることができ、前記被処理対象物を前記液状物中に十分に溶解させ、該液状物を均一な溶液乃至分散液とすることができる点で有利である。
前記第二の液状物移送手段としては、前記第二の処理容器内の液状物を前記第一の処理容器内に移送させることができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することできるが、例えば、一端が前記第二の処理容器内の前記液状物に浸漬された状態で該第二の処理容器内に配され、他端が前記第一の処理容器における前記液状物流入口に接続された配管であって、ポンプ等によって前記第二の処理容器内の前記液状物を汲み上げて前記第一の処理容器内に移送可能なもの、などが好適に挙げられる。
前記配管の材質、径、長さ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記材質としては、樹脂、金属などが挙げられるが、配管内の蒸気やオゾン等による殺菌乃至滅菌処理等に対する耐久性等を考慮すると、ステンレス製であるのが好ましい。
前記分岐管は、バルブを有していても有していなくともよいが、バルブを少なくとも1つ有しているのが好ましい。該バルブとしては、手動バルブであってもよいし、電磁バルブであってもよい。該分岐管が前記バルブを有していると、前記液状物の前記第一の処理容器と前記第二の処理容器との間での移送(循環)、前記配管内の殺菌乃至滅菌処理、前記液状物の取り出し、等の操作を効率よく行うことができる等の点で有利である。
なお、前記分岐管の前記配管への接続の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶接、へルールやカプラー等を用いての接続、などのいずれであってもよい。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記第一の処理容器、前記第一の液状物移送手段、前記第二の処理容器、前記第二の液状物移送手段などを一体的に固定させる固定手段(例えば、フレーム、箱体等)、前記湿式処理装置を移動可能な可搬式とするための移動手段(例えば、車輪等)、前記第二の処理容器における加熱手段や混合手段、前記第二の液状物移送手段におけるポンプ等の駆動を制御する制御手段(例えば、コンピュータ等)、前記接触処理後の前記液状物を外部に廃棄処分する際に環境基準(例えば、COD、BODなどの基準)を充たす程度に処理するための廃棄手段、などが挙げられる。
なお、前記湿式処理装置が前記固定手段を有していると、取扱性に優れ、前記湿式処理装置が前記移動手段を有していると、所望のタイミングでのみ該湿式処理装置を所望の場所に設置することができる点で好ましく、前記湿式処理装置が前記制御手段を有していると、処理効率等に優れる点で好ましい。
前記廃棄手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オゾン発生装置、などが挙げられる。なお、該オゾン発生装置により発生されたオゾンは、直接、前記第二の処理容器内に移送し、溶解可能に設計してもよいし、エアレーター等の気泡発生装置を利用してオゾンを前記第二の処理容器内に移送し、溶解可能に設計してもよい。
本発明の湿式処理装置において、前記被処理対象物としては、特に制限はなく、接触処理の種類、目的等に応じて適宜選択することができるが、例えば、被分解処理対象物、被抽出処理対象物、被メッキ処理対象物、被培養処理対象物、などが挙げられる。
前記被分解処理対象物としては、例えば、難溶解性蛋白質を含有する物、厨芥、排水、有機廃液、産業廃棄物、などが挙げられる。前記難分解性蛋白質としては、例えば、過塩素酸可溶性蛋白質(PSP)、異常プリオン蛋白質、クラゲ蛋白質などが挙げられる。これらは、1種単独で被処理対象物としてもよいし、2種以上を被処理対象物としてもよい。これらの中でも、本発明の湿式処理装置は、前記クラゲ蛋白質を前記被処理対象物とすることが好ましく、この場合の該湿式処理装置は「クラゲ分解装置」として機能する。
なお、前記クラゲ蛋白質を前記被処理対象物とする場合、該クラゲ蛋白質を有するクラゲとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、スイナロクラゲ、ビゼンクラゲ、ミズクラゲ、エチゼンクラゲ、サカサクラゲ、キタユウレイクラゲ、アンドンクラゲ、アカクラゲ、などが挙げられる。また、前記クラゲ蛋白質の構成成分としては、例えば、コラーゲン、などが挙げられる。また、前記クラゲとしては、成体クラゲのみならず、例えば、ミズクラゲで言えば、エフィラ、ストロビラ、プラヌラ、ポリプ等の状態にある生活史のものも含まれる。
前記被抽出処理対象物としては、例えば、植物、昆虫、魚等の動物、これらの小片、などが挙げられる。
前記被メッキ処理対象物としては、例えば、金属基板等の金属構造物、などが挙げられる。
前記被培養処理対象物としては、例えば、微生物などが好適に挙げられ、具体的には、放線菌、カビ、細菌、酵母、などが挙げられる。
前記被処理対象物の前記液状物による接触処理としては、特に制限はなく、前記被処理対象物の種類、目的等に応じて適宜選択することができるが、例えば、分解処理、抽出処理、メッキ処理、培地接触処理(培養処理)、などが挙げられる。これらの接触処理は、1種単独を目的としてもよいし、2種以上を目的としてもよい。これらの中でも、分解処理及び抽出処理の少なくともいずれかが好ましい。
前記接触処理の時間、温度等の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記第一の処理容器内での前記被処理対象物と前記液状物との接触処理の時間は、前記第一の処理容器における前記液状物流入口から流入する前記液状物の流速を適宜調節することにより、具体的には、前記第二の液状物移送手段による前記液状物の移送速度を適宜調節することにより、行うことができる。
前記液状物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被処理対象物の分解酵素、抽出溶剤、メッキ剤、培地などを含むものが挙げられる。該液状物は、油性であってもよいし、水性であってもよいが、廃棄処理等の観点からは水性であるのが好ましく、水溶液であるのが好ましい。
また、前記難溶解性蛋白質及び前記クラゲ蛋白質の少なくともいずれかの分解酵素を産生する微生物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、放線菌が好適に挙げられる。
前記ストレプトミセス属放線菌としては、例えば、エスピー種放線菌から選択されるものが好ましい。なお、前記ストレプトミセス・エスピー(Streptomyces sp.)は、土壌に多く存在し、病原性は確認されていない。
前記エスピー種放線菌としては、例えば、以下のA〜C、好ましくはA〜Dの菌学的性質を有するものが好適に挙げられ、99−GP−2D−5株(FERM P−19336)及びその誘導菌株から選択されるものがより好適に挙げられる。
A.形態的性質
(1)分枝した基生菌糸より、比較的長い波状の気菌糸を伸長し、まれにかぎ状あるいはル−プ状を呈する。
(2)成熟した胞子鎖は10〜50個の卵円形の胞子を連鎖し、胞子の大きさは約0.6〜0.7×0.8〜1.0ミクロンである。
(3)胞子の表面は平滑である。
(4)輪生枝、菌束糸、胞子のうおよび運動性胞子は認められない。
B.細胞壁組成としてLL型の2,6−ジアミノピメリン酸を含有する。
C.16SリボゾームRNA遺伝子の部分塩基配列(400〜500bp)によるストレプトミセス属放線菌に対する相同性90%以上、好ましくは95%以上。
D.各種培地における生育状態
(1)イ−スト・麦芽寒天培地(ISP−培地2、27℃培養)、うす黄[2ea, LtWheat]の発育上に、灰白[1 dc, Putty]〜明るいオリーブ灰[1 1/2 ge,Lt Olive Gray]の気菌糸をわずかに着生し、可溶性色素は認められない。
(2)オートミール寒天培地(ISP−培地3、27℃培養)、無色〜うす黄[1 1/2 ca, Cream]の発育上に、白の気菌糸をわずかに着生し、可溶性色素は認められない。
(3)スタ−チ・無機塩寒天培地(ISP−培地4、27℃培養)、無色の発育上に、白の気菌糸をわずかに着生し、可溶性色素は認められない。
(4)グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP−培地5、27℃培養)、発育は無色、気菌糸は着生せず、可溶性色素は認められない。
(5)シュクロ−ス・硝酸塩寒天培地(27℃培養)、無色の発育上に、白の気菌糸をうっすらと着生し、可溶性色素は認められない。
本発明の「クラゲ分解用組成物」における前記クラゲの分解酵素の含有量としては、100質量%であってもよいし、それ以下であってもよく、100質量%未満である場合、前記酵素以外の成分としては、例えば、培養液成分、水、海水などが挙げられる。
前記微生物の培養の結果として得られた培養液は、前記分解酵素(前記難溶解性蛋白質の分解酵素乃至クラゲ蛋白質の分解酵素)を含んでおり、本発明において前記液状物としての「クラゲ分解用組成物」として好適に使用することができる。
前記難分解性蛋白質の分解酵素及び前記クラゲ蛋白質の分解酵素の中でも、プロテアーゼが好ましく、N末端のアミノ酸配列として、YDLVGGDAYYIG、を含むプロテアーゼがより好ましい。
本発明のクラゲの分解方法は、前記クラゲに対し、本発明の上述した「クラゲ分解用組成物」を上述したように接触処理させることを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の処理を含む。
前記その他の処理としては、例えば、廃液処理などが挙げられる。
前記クラゲの分解方法は、公知の装置を使用して適宜実施することができ、例えば、容器中に前記クラゲを収容させておき、該容器内に前記クラゲ分解用組成物を添加し、前記クラゲと該クラゲ分解用組成物とを接触処理することにより実施することができるが、上述した本発明の湿式処理装置を用いて特に好適に実施することができる。
本発明の難分解性蛋白質の分解方法は、上述した第一の処理容器に収容した、上述の難分解性蛋白質に対し、該第一処理容器の下部から、上述した難分解性蛋白質の分解酵素を含む液状物を流入させて上述の接触処理させる接触処理工程と、前記第一の処理容器内で所定量に達した該液状物を上述した第二の処理容器に移送し、該第二の処理容器内で加温しながら循環させる加温循環工程と、該第二の処理容器内の液状物を上述した第一の処理容器内に移送させ循環させる液状物循環工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の処理を含む。
前記その他の処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記液状物の抜き取り処理、廃液処理、前記第一の処理容器等の殺菌乃至滅菌処理、洗浄処理などが挙げられる。
なお、前記液状物は、上述した難分解性蛋白質の分解酵素を含むのが好ましく、また、該難分解性蛋白質の分解方法は、本発明の上述した湿式処理装置を用いて好適に実施することができる。
分解槽1の内部には、前記液状物流入口及び前記液状物流出口の径よりも小さな網目を有する前記籠体としての仕切槽2が配されている。
前記第一の分岐管は、ここでは、ステンレス製であり、前記配管内を殺菌乃至滅菌するためのオゾンを供給するオゾン供給装置に一端が接続され、他端が前記配管に接続され、前記バルブとしての仕切弁11と、前記オゾンの逆流を防止可能な逆流防止弁12とを備えている。
前記第二の分岐管は、ここでは、ステンレス製であり、前記液状物を最終的に取り出すための分岐管であって、一端が前記配管に接続され、他端が活性炭処理筒15を介して開口しており、仕切弁13を備えている。
前記第三の分岐管は、ここでは、ステンレス製であり、一端が前記配管に接続され、他端が循環・加温槽5における加温管8内に流体流通可能に配されており、仕切弁7を備えている。
前記第四の分岐管は、ここでは、ステンレス製であり、一端が前記配管に接続され、他端がドレインとして機能し、仕切弁6を備えている。
前記クラゲ分解用組成物としては、ここでは、独立行政法人産業技術総合研究所の特許生物寄託センターに「ストレプトミセス・エスピー99−GP−2D−5」の名前で寄託されている株(受託番号;FERM P−19336)が産生する酵素(クラゲ蛋白質分解酵素)を含有する培養液である。
魚肉エキス(極東製薬工業社製)・・・・・・・・・・・1.0g
酵母エキス(Difco社製)・・・・・・・・・・・・1.0g
グルコース(和光純薬工業社製)・・・・・・・・・・・2.0g
硫酸マグネシウム7水和物(和光純薬工業社製)・・・0.05g
炭酸カルシウム(和光純薬工業社製)・・・・・・・・0.32g
脱イオン水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100ml
また、HP G1005A Protein Sequencing System(ヒューレット・パッカード社製)を用いたエドマン分解法により、N末端のアミノ酸配列を調べたところ、YDLVGGDAYYIG、を含んでいることが判った。
前記オゾン処理により、分解処理後の前記クラゲ分解用組成物(分解したクラゲ蛋白質を含有している)中の有機物が、排出可能な水質基準に達した後、仕切弁13を「開」にし、仕切弁6及び仕切弁14を「閉」にしておき、送液ポンプ4を駆動させて活性炭処理筒15を通過させることにより、環境中に排出可能な処理液18として外部に排出することができる。
また、本発明の難分解性蛋白質の分解方法、クラゲの分解方法によれば、前記難分解性蛋白質である前記クラゲ蛋白質を、短時間で効率よく、低コストで完全に分解することができる。
本発明のクラゲ分解用組成物は、前記クラゲの分解処理に好適に使用することができる。
本発明の難分解性蛋白質の分解方法は、クラゲ蛋白質等の前記難分解性蛋白質の分解処理に好適に使用することができる。
本発明のクラゲ蛋白質の分解方法は、各種クラゲの分解処理に好適に使用することができる。
2・・・・仕切槽
3・・・・サイフォン管
4・・・・送液ポンプ
5・・・・循環・加温槽
6・・・・仕切弁
7・・・・仕切弁
8・・・・加温管
9・・・・ヒーター
10・・・オゾン発生装置
11・・・仕切弁
12・・・逆止弁
13・・・仕切弁
14・・・仕切弁
15・・・活性炭処理筒
16・・・クラゲ分解処理水
17・・・サイフォン管通過処理液出口
18・・・活性炭処理筒通過清浄排水
Claims (4)
- 放線菌が産生するプロテアーゼを含むことを特徴とするクラゲ分解用組成物。
- 放線菌が、ストレプトミセス属放線菌から選択される請求項1に記載のクラゲ分解用組成物。
- ストレプトミセス属放線菌が、エスピー種放線菌から選択される請求項2に記載のクラゲ分解用組成物。
- エスピー種放線菌が、99−GP−2D−5株(FERM P−19336)及びその誘導菌株から選択される請求項3に記載のクラゲ分解用組成物。
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