以下に添付図面を参照して、このテスタおよび情報処理装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。このテスタおよび情報処理装置では、電力線通信を利用して、電子機器を接続しようとしている送配電系統が正しいものであるかを検査することにより、人手による複雑な手作業と目視確認を排除し、設置作業にかかる作業時間および作業負荷を軽減させる。
(実施の形態1)
(データセンタの構成)
まず、実施の形態1にかかるデータセンタの構成について説明する。図1は、データセンタの構成図(その1)である。図1において、データセンタ100は、複数台の電子機器(たとえば、サーバ)を設置可能な施設であり、運用上の仕様(性能)が異なる複数の送配電系統K1〜Kn(図1中、「系統K1〜Kn」)を備えている。
テスタ101は、CE(Customer Engineer)による電子機器の設置作業を支援するコンピュータ装置である。情報処理装置102−1〜102−nは、各送配電系統K1〜Knに1台ずつ取り付けられており、CEが使用するテスタ101と第1のネットワークを介して電力線通信可能なコンピュータ装置である。
電力線通信とは、電気を送る電力線に特定の周波数で変調したデータ信号を重畳して送信する通信技術である。電力線通信としては、たとえば、PLC(Power Line Communication)がある。なお、CEとは、電子機器の搬入、設置、保守(点検、修理)などをおこなう作業員である。
各送配電系統K1〜Knには、電子機器(テスタ101を含む)の電源ケーブルと各送配電系統K1〜Knの電力線とを接続するためのコンセントC1〜Cnが備え付けられている。これらコンセントC1〜Cnにテスタ101の電源プラグを挿入することで、各情報処理装置102−1〜102−nとテスタ101との間で電力線通信可能となる。
また、情報処理装置102−1〜102−nは、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどの第2のネットワークに接続されている。情報処理装置102−1〜102−n同士は、この第2のネットワークを介して相互に通信可能である。
個々の電子機器は、電力供給を受けるために送配電系統K1〜Knに接続して使用することとなるが、使用目的や電圧、周波数などに応じて適切な送配電系統K1〜Knに接続する必要がある。ところが、データセンタ100の巨大化、高度複雑化により、送配電系統K1〜Knが複雑化するとともに、電子機器の設置台数が膨大なものとなってきている(たとえば、1万台)。
このため、電子機器の設置時における人手による測定機器、ラベル、系統図などを用いた目視確認が煩雑なものとなり、設置作業にかかる作業負担および作業時間が増大している。さらに、人手による目視確認では誤認識の可能性を排除することができないばかりか、参照すべきラベルの付け間違いや系統図の作成ミスがおこる可能性があった。
これでは、主系統の故障時における副系統への切り替えや停電時のバックアップ機能の起動など、不慮の電源切断時に期待する動作が適切におこなわれず、電子機器故障やデータ損失といった最悪の事態を引き起こす可能性があり、ひいてはデータセンタが提供するサービスの品質低下を招くという問題があった。
なお、ラベル(目印)や系統図に誤りがないことを確認することで初歩的なミスを削減することができるが、この確認作業には大がかりな点検作業が必要となる。このため、送配電系統の増設や性能変更などに合わせて、頻繁に確認作業をおこなうことは難しい。このようなことから、従来のように、CEが作業手順書を確認しながら、すべての設置作業を手作業でおこなうことは難しくなってきている。
そこで、実施の形態1では、電子機器の設置作業時に、テスタ101を用いて各送配電系統K1〜Knの系統情報を提示する、あるいは、これから接続しようとしている送配電系統K1〜Knが正しいものであるか否かを自動検査することにより、CEによる複雑な手作業と目視確認を排除し、設置作業にかかる作業時間および作業負荷を軽減させる手法を提案する。
(テスタの外観)
つぎに、実施の形態1にかかるテスタ101の外観について説明する。テスタ101には、持ち運び可能な可搬型と、電子機器に据え付けられる内蔵型とがあるが、ここでは可搬型のテスタの外観について説明する。
図2は、テスタの外観を示す斜視図である。図2において、テスタ101の筐体前面210には、ディスプレイ201と操作パネル202とが設けられている。また、テスタ101の筐体側面220には、各送配電系統K1〜KnのコンセントC1〜Cn(図1参照)に挿入可能な電源プラグ204を有する電源ケーブル203が取り付けられている。
さらに、テスタ101の筐体側面230には、リムーバブルメディアや接続ケーブルなどを挿入可能なジャック205が設けられている。このジャック205に、データセンタ100のシステムを構築するための作業手順情報を保持するリムーバブルメディアを挿入することで、テスタ101に作業手順情報を取り込むことができる。
CEは、電源プラグ204をコンセントC1〜Cnに挿入することで、各送配電系統K1〜Knの系統情報を確認することができる。このとき、テスタ101と各情報処理装置102−1〜102−nとの間では、各送配電系統K1〜Knの電力線を介した電力線通信がおこなわれている。
なお、テスタ101は、各送配電系統K1〜Knから電力供給を受けることとしてもよく、また、テスタ101に内蔵されたバッテリー(不図示)から電力供給を受けることとしてもよい。
(条件テーブルの記憶内容)
つぎに、テスタ101に用いられる条件テーブルの記憶内容について説明する。図3は、条件テーブルの記憶内容の一例を示す説明図である。図3において、条件テーブル300には、複数台の電子機器の設置作業に関する一連の作業全体に含まれる作業手順ごとに、各電子機器を接続すべき送配電系統の条件を示す作業手順情報300−1〜300−mが記憶されている。
具体的には、作業手順情報300−1〜300−mは、作業手順番号、電子機器名、送配電系統ID、電圧、周波数およびUPS(Uninterruptible Power Systems)に関する情報を有している。作業手順番号は、作業手順を特定する番号である。電子機器名は、電子機器の名称である。
送配電系統IDは、送配電系統K1〜Knを識別する識別子である。電圧/周波数は、各送配電系統K1〜Knで使用される設計上の電圧/周波数[V/Hz]である。UPSは、停電や電源変動などの電源トラブルが発生した場合に、内部バッテリーを電源として、電子機器に電源を供給する装置の有無を示す情報である。
ここで、作業手順情報300−1を例に挙げると、電子機器「host_1」は、電圧が200[V]、周波数が60[Hz]であり、UPS有りの送配電系統K2に接続する条件が示されている。なお、一つの電子機器に複数系統を用いる場合には、複数系統(たとえば、主系統、副系統)の作業手順情報を有することとしてもよい。
また、各作業手順情報300−1〜300−mには、電圧/周波数の誤差範囲(たとえば、±10[%])、見込まれる瞬停時間(たとえば、20[ms]以下、)、UPSのバックアップ時間、供給可能な電気容量、故障率、消費電力、力率、リップル電流/電圧などの設計値(誤差範囲を含む)を有することとしてもよい。
さらに、現在の各送配電系統K1〜Knの状況をあらわす情報として、実際に現在供給している電圧、電流、周波数の測定値や、残りのバックアップ可能時間、停電・その他障害発生の有無を示す情報を有することとしてもよい。
これら作業手順情報300−1〜300−mは、データセンタ100に構築するシステムの物理設計情報から抽出することができる。具体的には、たとえば、CAD(Computer Aided Design)にシステムの論理設計情報を与えることで、設計手順情報と物理設計情報とを作成する。
そして、物理設計情報から電子機器と送配電系統との結線情報を抽出することで、設計手順情報から特定される一連の作業全体に含まれる作業手順ごとの作業手順情報300−1〜300−mを作成することができる。このようにして作成された作業手順情報300−1〜300−mは、たとえば、リムーバブルメディアを介してテスタ101に取り込まれる。
なお、図示は省略するが、条件テーブル300には、データセンタ100にシステムを構築する際にCEが参照する作業手順書を識別する作業手順書IDが保持されていてもよい。作業手順書とは、一連の作業全体に含まれる各作業手順において、CEがおこなうべき作業内容を示す手順書である。ここでは、作業手順書ID「DCCE−A」が保持されていることとする。
(コンピュータ装置のハードウェア構成)
つぎに、実施の形態1にかかるコンピュータ装置(テスタ101、情報処理装置102−1〜102−n)のハードウェア構成について説明する。図4は、実施の形態1にかかるコンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4において、コンピュータ装置は、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read‐Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、ディスプレイ408と、I/F(Interface)409と、操作パネル410と、を備えている。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU401は、コンピュータ装置の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記憶する。
光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク407に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
ディスプレイ408は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ408は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイなどを採用することができる。
インターフェース(以下、「I/F」と略する。)409は、通信回線(電力線を含む)を通じてネットワーク414(たとえば、第1および第2のネットワーク)に接続され、このネットワーク414を介して他の装置に接続される。そして、I/F409は、ネットワーク414と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。
操作パネル410(たとえば、図2に示したテスタ101の操作パネル202)は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。
(テスタの機能的構成)
つぎに、図1に示したテスタ101の機能的構成について説明する。まず、図5は、テスタの機能的構成を示すブロック図である。図5において、テスタ101は、入力部501と、検出部502と、送信部503と、受信部504と、比較/判定部505と、出力部506と、を含む構成である。
この制御部となる機能(入力部501〜出力部506)は、具体的には、たとえば、図4に示したROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU401に実行させることにより、または、I/F409により、その機能を実現する。また、図5中矢印で示した接続先の機能は、接続元の機能からの出力データを記憶領域から読み込んで、当該機能に関するプログラムをCPU401に実行させるものとする。
テスタ101は、第1のネットワーク(電力線通信ネットワーク)を構成する各送配電系統K1〜Knに取り付けられた情報処理装置102−1〜102−nと電力線通信可能である。このテスタ101は、持ち運び可能な可搬型であってもよく、また、電子機器に据え付ける内蔵型であってもよい。
まず、入力部501は、電子機器を接続すべき送配電系統の条件の入力を受け付ける機能を有する。条件とは、送配電系統の電圧、周波数、UPSの有無、バックアップ時間、瞬停時間などを規定する情報である。送配電系統の条件は、たとえば、図2に示した操作パネル202(410)をユーザが操作することで入力することとしてもよく、また、外部装置(たとえば、後述する管理装置1801)から取得することとしてもよい。
このとき、データセンタ100に設置する全電子機器についての条件を一括して入力することとしてもよい。この場合、データセンタ100内のシステム構築にかかる一連の作業全体に含まれる作業手順と関連付けて、送配電系統の条件(たとえば、図3に示した作業手順情報300−1〜300−m)を入力することとしてもよい。
なお、入力された作業手順情報300−1〜300−mは、図4に示したRAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶領域によって実現される条件テーブル300に記憶される。
また、入力部501は、現在の作業手順を特定する作業手順番号の入力を受け付けることとしてもよい。この場合、比較/判定部505により、条件テーブル300の中から、入力部501によって入力された作業手順番号と関連付けて記憶されている作業手順情報300−1〜300−mが抽出されることとなる。
検出部502は、電子機器を設置するデータセンタ100に配設されたコンセント群C1〜Cnから選ばれた任意のコンセントCi(i=1,2,…,n)に、テスタ101の電源プラグ204が接続されたことを検出する機能を有する。具体的には、たとえば、テスタ101に対する送配電系統Kiからの電気の供給が検出された時点で、電源プラグ204がコンセントCiに接続されたことを検出することとしてもよい。
送信部503は、複数の送配電系統K1〜Knのうち、検出部502によって電源プラグ204の接続が検出されたコンセントCiを末端とする送配電系統Kiに、送配電系統Ki固有の系統情報に関するリクエストをブロードキャストする機能を有する。このリクエストのヘッダには、系統情報に関するリクエストをあらわすフラグが設定されている。
送配電系統Kiにブロードキャストされると、送配電系統Kiに接続されているすべての電子機器(情報処理装置102−iを含む)にリクエストが配信される。また、リクエストを受信した情報処理装置102−iは、ヘッダに設定されているフラグにより、テスタ101からの系統情報のリクエストを認識することができる。
なお、送信部503による送信タイミングは、任意に設定することができる。たとえば、電源プラグ204の挿入が検出されると自動送信することとしてもよく、また、電源プラグ204の挿入が検出された結果、ユーザにより操作パネル202の開始ボタンが押下されると送信することとしてもよい。
受信部504は、送信部503によってリクエストがブロードキャストされた結果、送配電系統Kiに取り付けられた情報処理装置102−iから送配電系統Ki固有の系統情報を受信する機能を有する。ここで、送配電系統固有の系統情報の具体例について説明する。図6は、送配電系統固有の系統情報の具体例を示す説明図である。
図6において、系統情報600には、送配電系統K1に関する送配電系統ID、電圧、周波数およびUPSに関する情報が示されている。この系統情報600によれば、送配電系統K1は、電圧が200[V]、周波数が60[Hz]であり、UPSを備えていることを認識することができる。
出力部506は、受信部504によって受信された送配電系統Ki固有の系統情報を出力する機能を有する。具体的には、たとえば、図6に示した系統情報600を出力する。出力形式としては、たとえば、ディスプレイ408への表示、I/F409による外部装置への送信がある。また、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶領域に記憶することとしてもよい。なお、ディスプレイ408に表示される画面例については、図7〜図10を用いて後述する。
比較/判定部505は、現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の条件と、受信部504によって受信された送配電系統Ki固有の系統情報と、を比較する機能を有する。現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の条件は、たとえば、操作パネル202を操作して、現在の作業手順番号を入力することで、条件テーブル300の中から抽出することができる。
なお、電子機器に内蔵型のテスタ101の場合には、その電子機器を接続すべき送配電系統の条件が、上記記憶領域に予め記憶されていてもよい。この場合、比較/判定部505は、上記記憶領域に記憶されている送配電系統の条件と、受信部504によって受信された送配電系統Ki固有の系統情報と、を比較することとなる。
より具体的には、たとえば、比較/判定部505は、現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統と、テスタ101が現在接続されている送配電系統Kiと、の送配電系統ID、電圧、周波数、瞬停時間、UPSの有無、バックアップ時間、電気容量、故障率、消費電力、力率、リップル電流/電圧のうち少なくともいずれかの設計値を比較することとしてもよい。
また、出力部506は、比較/判定部505によって比較された比較結果を出力することとしてもよい。具体的には、たとえば、上記設計値の比較結果をディスプレイ201(408)に表示する。これにより、CEは、ディスプレイ201を確認するだけで、正しい送配電系統に接続されているか否かを判断することができる。
また、比較/判定部505は、上記比較結果に基づいて、テスタ101が正しい送配電系統に接続されているか否かを判定する機能を有する。具体的には、たとえば、上記設計値の一致判定をおこない、一致する場合に正しい送配電系統に接続されていると判定してもよい。たとえば、電圧、周波数は同一であるが運用上の仕様が異なることを考慮して、電圧、周波数およびUPSの有無が一致する場合にのみ、正しい送配電系統に接続されていると判定してもよい。
また、各設計値の誤差範囲を考慮して、正しい送配電系統に接続されているか否かを判定してもよい。たとえば、電子機器を接続すべき送配電系統の条件が、電圧:100[V]、周波数:60[Hz]、各誤差範囲:10[%]であったとする。この例では、送配電系統Kiの電圧が90〜110[V]、周波数が54〜66[Hz]であった場合に、電圧および周波数が誤差範囲内に収まっているため正しい送配電系統に接続されていると判定する。
さらに、現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統と、テスタ101が現在接続されている送配電系統Kiとの送配電系統IDが異なる場合であっても、他の設計値が一致する、あるいは、誤差範囲内である場合には、正しい送配電系統に接続されていると判定してもよい。
また、出力部506は、比較/判定部505によって判定された判定結果を出力することとしてもよい。具体的には、たとえば、正しい送配電系統に接続されているか否かを示すメッセージをディスプレイ408に表示する。これにより、CEは、ディスプレイ408を確認するだけで、正しい送配電系統に接続されているか否かを把握することができる。
また、送信部503は、比較/判定部505によってテスタ101が誤った送配電系統に接続されていると判定された場合、現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の探索要求を、送配電系統Kiにブロードキャストすることとしてもよい。この探索要求のヘッダには、送配電系統の探索要求をあらわすフラグが設定されており、ボディには現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の条件が記述されている。
また、受信部504は、送信部503によって上記探索要求がブロードキャストされた結果、テスタ101を接続すべき送配電系統の設置位置に関する位置情報を情報処理装置102−iから受信することとしてもよい。送配電系統の設置位置に関する位置情報とは、データセンタ100における各送配電系統K1〜KnのコンセントC1〜Cnの設置位置をあらわす情報である。
この位置情報の具体例としては、データセンタ100内のフロア番号、シマ番号、ラック番号などであってもよく、また、各送配電系統K1〜KnのコンセントC1〜Cnに貼付されているラベルの色(たとえば、赤、青など)であってもよい。さらに、フロア内の送配電系統の設置位置を強調表示するフロア画像であってもよい。
なお、上記探索要求がブロードキャストされた結果、条件を満たす送配電系統が探索されなかった場合には、テスタ101を接続すべき送配電系統が存在しない旨のメッセージ情報を情報処理装置102−iから受信することとしてもよい。
また、出力部506は、受信部504によって受信されたテスタ101を接続すべき送配電系統の位置情報を出力することとしてもよい。具体的には、たとえば、テスタ101を接続すべき送配電系統の位置を特定する位置情報をディスプレイ408に表示する。これにより、CEは、ディスプレイ408を確認するだけで、接続すべき送配電系統の位置を把握することができる。
以下、電子機器の設置作業時に、可搬型のテスタ101のディスプレイ201(408)に表示される画面例について説明する。図7は、テスタのディスプレイに表示される画面例(その1)である。図7において、まず、テスタ101の電源が投入されると、作業手順書IDの確認画面710がディスプレイ201に表示される。
ここで、CEにより、作業手順書に記載されている作業手順書IDと、ディスプレイ201に表示された作業手順書IDと、が一致しているか否かを確認する。これは、テスタ101の条件テーブル300に記憶されている作業手順情報300−1〜300−mと、作業手順書の記載内容との不整合を防ぐためである。
ここで一致する場合、CEにより、操作パネル202を操作することで、これからおこなう作業手順の作業手順番号を入力する。ここでは、作業手順番号「j」が入力されている(j=1,2,…,m)。つぎに、CEにより、テスタ101の電源プラグ204を任意のコンセントC1〜Cnに挿入する。ここでは、コンセントC1に挿入されている。
電源プラグ204がコンセントC1に挿入されると、送配電系統K1固有の系統情報(たとえば、図6に示した系統情報600)に関するリクエストがテスタ101から送配電系統K1にブロードキャストされ、問い合わせ中を示す待機画面720がディスプレイ201に表示される。
このあと、送配電系統K1に取り付けられた情報処理装置102−1からレスポンスがあり、かつ、そのレスポンスに系統情報が含まれている場合には、ディスプレイ201に系統情報画面730が表示される。これにより、CEは、現在接続中の送配電系統K1の系統情報を確認することができる。
さらに、この送配電系統K1の系統情報と、作業手順書に記載されている作業手順番号jの作業内容とを照らし合わせることで、電子機器「host_j」を接続しようとしている送配電系統K1が正しいものであるか否かを判断することができる。
つぎに、正しい送配電系統に接続されているか否かを自動判定する場合にディスプレイ201に表示される画面例について説明する。図8は、テスタのディスプレイに表示される画面例(その2)である。
図8において、まず、情報処理装置102−1から送配電系統K1の系統情報を受信すると、テスタ101が正しい送配電系統に接続されているか否かの判定処理が開始され、検査中を示す待機画面810がディスプレイ201に表示される。ここでは、作業手順番号jの作業手順情報300−jと、送配電系統K1の系統情報との比較/判定処理が実行される。
ここで、正しい送配電系統に接続されていると判定された場合には、その旨のメッセージとともに検査終了を示す終了画面820がディスプレイ201に表示される。一方、誤った送配電系統に接続されていると判定された場合には、電子機器「host_j」を接続すべき送配電系統の探索開始を示す開始画面830がディスプレイ201に表示される。
つぎに、電子機器「host_j」を接続すべき送配電系統の探索要求が送配電系統K1にブロードキャストされた結果、ディスプレイ201に表示される画面例について説明する。図9は、テスタのディスプレイに表示される画面例(その3)である。
図9において、電子機器「host_j」を接続すべき送配電系統の探索要求がテスタ101から送配電系統K1にブロードキャストされると、探索中を示す待機画面910がディスプレイ201に表示される。
このあと、電子機器「host_j」を接続すべき送配電系統の設置位置に関する位置情報を情報処理装置102−1から受信すると、ディスプレイ201に位置情報画面920が表示される。これにより、CEは、電子機器「host_j」を接続すべき送配電系統の設置位置を把握することができる。
一方、電子機器「host_j」を接続すべき送配電系統が探索されなかった場合には、その旨のメッセージとともに検査終了を示す終了画面930がディスプレイ201に表示される。なお、位置情報として、電子機器「host_j」を接続すべき送配電系統の設置位置を強調表示するフロア画像を表示することとしてもよい。
図10は、テスタのディスプレイに表示される画面例(その4)である。図10において、電子機器「host_j」を接続すべき送配電系統の設置位置を示す位置情報画面1000がディスプレイ201に表示されている。
この位置情報画面1000には、電子機器「host_j」を接続すべき送配電系統の設置位置を強調表示1010するフロア画像1000が表示されている。CEは、このフロア画像1010を視認することにより、電子機器「host_j」を接続すべき送配電系統の設置位置を直感的に把握することができる。
(情報処理装置の機能的構成)
つぎに、情報処理装置102−1〜102−n(以下、単に「情報処理装置102」と表記する)の機能的構成について説明する。図11は、情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。図11において、情報処理装置102は、第1の受信部1101と、第1の送信部1102と、判定部1103と、第2の送信部1104と、第2の受信部1105と、出力部1106と、を含む構成である。
この制御部となる機能(第1の受信部1101〜出力部1106)は、具体的には、たとえば、図4に示したROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU401に実行させることにより、または、I/F409により、その機能を実現する。また、図11中矢印で示した接続先の機能は、接続元の機能からの出力データを記憶領域から読み込んで、当該機能に関するプログラムをCPU401に実行させるものとする。
情報処理装置102は、第1のネットワーク(電力線通信ネットワーク)を構成する送配電系統K1〜Kn(以下、単に「送配電系統K」と表記する)に取り付けられ、送配電系統Kを介してテスタ101と電力線通信可能である。また、情報処理装置102は、インターネット、LAN、WANなどの第2のネットワークを介して他の情報処理装置102と相互に通信可能である。
また、情報処理装置102には、送配電系統K固有の系統情報が予め設定されている。なお、この系統情報は、図4に示したROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶領域に記憶されている。
まず、第1の受信部1101は、電子機器を設置するデータセンタ100内に配設された送配電系統KのコンセントCに、テスタ101の電源プラグ204が接続された結果、送配電系統K固有の系統情報に関するリクエストをテスタ101から受信する機能を有する。具体的には、リクエストのヘッダに設定されているフラグにより、送配電系統Kの系統情報に関するリクエストを認識することができる。
第1の送信部1102は、第1の受信部1101によってリクエストが受信された場合、予め設定された送配電系統K固有の系統情報をテスタ101に送信する機能を有する。具体的には、上記記憶領域から系統情報を読み出して、リクエストの送信元のテスタ101に系統情報を送信する。
また、第1の受信部1101は、現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の探索要求をテスタ101から受信することとしてもよい。具体的には、探索要求のヘッダに設定されているフラグにより、送配電系統の探索要求を認識することができる。また、探索要求のボディの記述内容により、探索対象の送配電系統の条件を認識することができる。
判定部1103は、第1の受信部1101によって受信された探索要求に含まれている現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の条件と、送配電系統K固有の系統情報とを比較することにより、送配電系統Kが上記条件を満たしているか否かを判定する機能を有する。なお、判定部1103による判定処理は、上述したテスタ101の比較/判定部505による判定処理と同様のため説明を省略する。
また、第1の送信部1102は、判定部1103によって判定された判定結果をテスタ101に送信することとしてもよい。具体的には、たとえば、上記条件を満たしている場合には、正しい送配電系統に接続されている旨のメッセージを送信し、一方、上記条件を満たしていない場合には、誤った送配電系統に接続されている旨のメッセージを送信する(図8参照)。
第2の送信部1104は、判定部1103によって送配電系統Kが上記条件を満たしていないと判定された場合、第1の受信部1101によって受信された探索要求を他の情報処理装置102に送信する機能を有する。具体的には、たとえば、上記探索要求を第2のネットワークにブロードキャストする。また、他の情報処理装置102のアドレスを保持している場合には、そのアドレスを宛先として探索要求を送信することとしてもよい。
第2の受信部1105は、他の情報処理装置102に上記探索要求が送信された結果、上記条件を満たす送配電系統の設置位置に関する位置情報を、当該送配電系統に取り付けられた他の情報処理装置102から受信する機能を有する。そして、第1の送信部1102は、第2の受信部1105によって受信された位置情報をテスタ101に送信する。
なお、他の情報処理装置102から位置情報を受信できなかった場合には、上記条件を満たす送配電系統が探索されなかった旨のメッセージをテスタ101に送信することとしてもよい。
また、判定部1103は、第2の受信部1105によって他の情報処理装置102からの探索要求を受信した場合には、その探索要求に含まれる送配電系統の条件と、自系統固有の系統情報とを比較することにより、自系統が条件を満たしているか否かを判定することとなる。
ここで、自系統が条件を満たしている場合、第2の送信部1104は、自系統の設置位置に関する位置情報を探索要求の送信元の他の情報処理装置102に送信する。一方、自系統が条件を満たしていない場合には、その旨を示すメッセージを送信元の他の情報処理装置102に送信することとしてもよい。
出力部1106は、判定部1103によって送配電系統Kが上記条件を満たしていると判定された場合、送配電系統KのコンセントCに設けられた発光装置(たとえば、LED:Light Emitting Diode)に点灯信号を出力する機能を有する。なお、情報処理装置102と発光装置とは、送配電系統Kの電力線によって接続されていてもよく、他の専用回線によって接続されていてもよい。
ここで、発光装置の具体例について説明する。図12は、発光装置の具体例を示す説明図である。図12において、発光装置1200は、データセンタ100内に配設されたコンセントC上部に設けられたLEDである。この発光装置1200は、情報処理装置102からの点灯信号を受信すると、一定期間(たとえば、5分間)LEDを発光させる機能を有している。
CEは、データセンタ100内において、点灯している発光装置1200を探し出すことにより、現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の設置位置を把握することができる。
なお、情報処理装置102に設定される送配電系統K固有の系統情報は、送配電系統Kの系統性能に変更があった場合などに、外部装置(たとえば、後述する管理装置1801)からの更新要求に応じて更新される。また、図4に示した操作パネル410をユーザが操作することで、更新情報を情報処理装置102に直接入力することとしてもよい。
(テスタの作業支援処理手順)
つぎに、実施の形態1にかかるテスタ101の作業支援処理手順について説明する。図13および図14は、テスタの作業支援処理手順の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートにおいて、まず、入力部501により、現在の作業手順を特定する作業手順番号が入力されたか否かを判断する(ステップS1301)。
ここで、作業手順番号が入力されるのを待って(ステップS1301:No)、入力された場合(ステップS1301:Yes)、比較/判定部505により、条件テーブル300の中から、入力された作業手順番号と関連付けて記憶されている作業手順情報300−1〜300−mを抽出する(ステップS1302)。
このあと、検出部502により、データセンタ100に配設されたコンセント群C1〜Cnから選ばれた任意のコンセントCiに、テスタ101の電源プラグ204が接続されるのを待って(ステップS1303:No)、接続が検出された場合(ステップS1303:Yes)、送信部503により、送配電系統K1〜Knのうち、電源プラグ204の接続が検出されたコンセントCiを末端とする送配電系統Kiに、送配電系統Ki固有の系統情報に関するリクエストをブロードキャストする(ステップS1304)。
そして、受信部504により、一定時間内にリクエストに対するレスポンスを受信したか否かを判断する(ステップS1305)。なお、レスポンスの待機時間(上記一定時間)は、図4に示した操作パネル410をユーザが操作することで予め任意に設定されている。
ここで、一定時間内にレスポンスを受信した場合(ステップS1305:Yes)、そのレスポンスに送配電系統Ki固有の系統情報が含まれているか否かを判断し(ステップS1306)、含まれている場合(ステップS1306:Yes)、比較/判定部505により、送配電系統Ki固有の系統情報と、ステップS1302において抽出された作業手順情報300−1〜300−mから特定される送配電系統の条件とを比較する(ステップS1307)。
さらに、比較/判定部505により、その比較結果に基づいて、テスタ101が正しい送配電系統に接続されているか否かを判定する(ステップS1308)。ここで、正しい送配電系統に接続されている場合には(ステップS1308:Yes)、出力部506により、正しい送配電系統に接続されている旨のメッセージを出力して(ステップS1309)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、誤った送配電系統に接続されている場合には(ステップS1308:No)、出力部506により、誤った送配電系統に接続されている旨のメッセージを出力して(ステップS1310)、図14に示すステップS1401に移行する。
また、ステップS1305において、一定時間内にレスポンスを受信しなかった場合(ステップS1305:No)、リクエストのブロードキャスト回数が規定回数に到達したか否かを判断し(ステップS1311)、規定回数に到達していない場合には(ステップS1311:No)、ステップS1304に戻る。
一方、規定回数に到達した場合には(ステップS1311:Yes)、出力部506により、リクエストに対するレスポンスがない旨のエラーメッセージを出力して(ステップS1312)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
また、ステップS1306において、送配電系統Ki固有の系統情報が含まれていない場合(ステップS1306:No)、出力部506により、レスポンスに系統情報が含まれていない旨のエラーメッセージを出力して(ステップS1312)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
つぎに、図14のフローチャートにおいて、まず、送信部503により、現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の探索要求を、送配電系統Kiにブロードキャストする(ステップS1401)。そして、受信部504により、一定時間内に探索要求に対するレスポンスを受信したか否かを判断する(ステップS1402)。
ここで、一定時間内にレスポンスを受信した場合(ステップS1402:Yes)、そのレスポンスにテスタ101を接続すべき送配電系統の設置位置に関する位置情報が含まれているか否かを判断し(ステップS1403)、含まれている場合(ステップS1403:Yes)、出力部506により、送配電系統の設置位置に関する位置情報を出力して(ステップS1404)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
また、ステップS1402において、一定時間内にレスポンスを受信しなかった場合(ステップS1402:No)、探索要求のブロードキャスト回数が規定回数に到達したか否かを判断し(ステップS1405)、規定回数に到達していない場合には(ステップS1405:No)、ステップS1401に戻る。
一方、規定回数に到達した場合には(ステップS1405:Yes)、出力部506により、探索要求に対するレスポンスがない旨のエラーメッセージを出力して(ステップS1406)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
また、ステップS1403において、位置情報が含まれていない場合(ステップS1403:No)、出力部506により、テスタ101を接続すべき送配電系統が探索されなかった旨のエラーメッセージを出力して(ステップS1406)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
(情報処理装置の作業支援処理手順)
つぎに、実施の形態1にかかる情報処理装置102の作業支援処理手順について説明する。図15〜図17は、情報処理装置の作業支援処理手順の一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートにおいて、まず、第1の受信部1101により、送配電系統K固有の系統情報に関するリクエストをテスタ101から受信したか否かを判断する(ステップS1501)。
ここで、リクエストを受信するのを待って(ステップS1501:No)、受信した場合(ステップS1501:Yes)、送配電系統K固有の系統情報が設定されているか否かを判断し(ステップS1502)、設定されている場合(ステップS1502:Yes)、第1の送信部1102により、送配電系統K固有の系統情報をリクエストの送信元のテスタ101に送信して(ステップS1503)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方、送配電系統K固有の系統情報が設定されていない場合(ステップS1502:No)、第1の送信部1102により、送配電系統K固有の系統情報が設定されていない旨のメッセージをリクエストの送信元のテスタ101に送信して(ステップS1504)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
つぎに、第1のネットワークを介して受信されたテスタ101からの探索要求を、第2のネットワークを介して他の情報処理装置102に転送する場合の作業支援処理手順について説明する。
図16のフローチャートにおいて、まず、第1の受信部1101により、現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の探索要求をテスタ101から受信したか否かを判断する(ステップS1601)。
ここで、探索要求を受信するのを待って(ステップS1601:No)、受信した場合(ステップS1601:Yes)、第2の送信部1104により、受信された探索要求を他の情報処理装置102にブロードキャストする(ステップS1602)。
そして、第2の受信部1105により、一定時間内に探索要求に対するレスポンスを受信したか否かを判断する(ステップS1603)。ここで、一定時間内にレスポンスを受信した場合(ステップS1603:Yes)、そのレスポンスに探索要求を満たす送配電系統の設置位置に関する位置情報が含まれているか否かを判断する(ステップS1604)。
ここで、位置情報が含まれている場合(ステップS1604:Yes)、第1の送信部1102により、探索要求を満たす送配電系統の設置位置に関する位置情報を、探索要求の送信元のテスタ101に送信して(ステップS1605)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
また、ステップS1603において、一定時間内にレスポンスを受信しなかった場合(ステップS1603:No)、探索要求のブロードキャスト回数が規定回数に到達したか否かを判断し(ステップS1606)、規定回数に到達していない場合には(ステップS1606:No)、ステップS1602に戻る。
一方、規定回数に到達した場合には(ステップS1606:Yes)、第1の送信部1102により、探索要求を満たす送配電系統が探索されなかった旨のエラーメッセージを送信して(ステップS1607)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
つぎに、第2のネットワークを介して他の情報処理装置102から探索要求を受信する場合の作業支援処理手順について説明する。
図17のフローチャートにおいて、まず、第2の受信部1105により、現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の探索要求を他の情報処理装置102から受信したか否かを判断する(ステップS1701)。
ここで、探索要求を受信するのを待って(ステップS1701:No)、受信した場合(ステップS1701:Yes)、判定部1103により、受信された探索要求に含まれる送配電系統の条件と、予め設定されている自系統固有の系統情報とを比較し、(ステップS1702)、自系統が送配電系統の条件を満たしているか否かを判定する(ステップS1703)。
ここで、送配電系統の条件を満たしている場合(ステップS1703:Yes)、第2の送信部1104により、自系統の設置位置に関する位置情報を探索要求の送信元の他の情報処理装置102に送信して(ステップS1704)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。一方、送配電系統の条件を満たしていない場合は(ステップS1703:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態1によれば、電子機器の設置作業時に、テスタ101と情報処理装置102−1〜102−nとの電力線通信を利用して、テスタ101が接続された送配電系統K1〜Knの系統情報を提示することができる。
これにより、CEは、現在接続中の送配電系統K1〜Knの系統情報を確認することができる。また、この送配電系統K1〜Knの系統情報と、作業手順書に記載されている現在の作業手順番号の作業内容とを照らし合わせることで、電子機器を接続しようとしている送配電系統K1〜Knが正しいものであるか否かを判断することができる。
また、テスタ101に記憶されている電子機器を接続すべき送配電系統の条件を用いて、これから接続しようとしている送配電系統K1〜Knが正しいものであるか否かを自動検査することができる。これにより、CEによる作業手順書を見ながらの目視確認が不要となるため、確認ミスを防ぐとともに作業負担を軽減させることができる。
さらに、これから接続しようとしている送配電系統K1〜Knが誤ったものである場合には、接続すべき送配電系統K1〜Knの設置位置を提示することができる。これにより、CEは、正しい送配電系統K1〜Knの設置位置を把握することができ、系統探索にかかる手間を削減することができる。
このようなことから、電子機器の設置作業時において、CEによる測定機器、ラベル(目印)、系統図などを用いた複雑な手作業と目視確認を排除することが可能となり、設置作業にかかる作業時間および作業負荷を軽減させることができる。なお、ラベルや系統図の点検作業にテスタ101を利用することにより、ラベルや系統図に誤りがないことを確認する点検作業の簡単化を図ることができる。
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態1では、可搬型のテスタ101について説明したが、実施の形態2では、テスタ101を各送配電系統K1〜Knに接続される電子機器に内蔵する場合について説明する。なお、実施の形態1において説明した箇所と同一箇所については、同一符号を付して説明を省略する。
(データセンタの構成)
まず、実施の形態2にかかるデータセンタの構成について説明する。図18は、データセンタの構成図(その2)である。図18において、データセンタ1800は、管理装置1801と、サーバ1802−1〜1802−kと、情報処理装置102−1〜102−nと、から構成されている。
各サーバ1802−1〜1802−kには、テスタ101−1〜101−k(テスタ101に相当)がそれぞれ内蔵されている。管理装置1801と、テスタ101−1〜101−kと、情報処理装置102−1〜102−nとは、LAN、WAN、インターネットなどの第3のネットワークを介して相互に通信可能である。
管理装置1801は、データセンタ1800の管理者が使用するコンピュータ装置であり、各テスタ101−1〜101−kの動作を制御する機能を有している。また、管理装置1801は、各送配電系統K1〜Knに取り付けられた情報処理装置102−1〜102−nに系統情報の更新要求を送信する機能を有している。
ここでは、各サーバ1802−1〜1802−kにそれぞれ内蔵されているテスタ101−1〜101−kと情報処理装置102−1〜102−nとは、サーバ1802−1〜1802−kの電源ケーブルを介して相互に電力線通信をおこなう。
各テスタ101−1〜101−kには、各サーバ1802−1〜1802−kを接続すべき送配電系統の条件が設定されている。この条件は、各サーバ1802−1〜1802−kの設置作業時にCEが設定することとしてもよく、また、各サーバ1802−1〜1802−kの出荷時(たとえば、電子機器のスペックから決まる条件)に設定することとしてもよい。
さらに、各テスタ101−1〜101−kには、各サーバ1802−1〜1802−kが現在設置されている設置位置に関する位置情報が記憶されている。この位置情報は、たとえば、送配電系統K1〜KnのコンセントC1〜Cnに設定されており、サーバ1802−1〜1802−kの電源ケーブルを介して各テスタ101−1〜101−kに取り込まれることとしてもよい。
(管理装置のハードウェア構成)
つぎに、実施の形態2にかかる管理装置1801のハードウェア構成について説明する。図19は、実施の形態2にかかる管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図19において、管理装置1801は、CPU1901と、ROM1902と、RAM1903と、磁気ディスクドライブ1904と、磁気ディスク1905と、光ディスクドライブ1906と、光ディスク1907と、ディスプレイ1908と、I/F1909と、キーボード1910と、マウス1911と、スキャナ1912と、プリンタ1913と、を備えている。また、各構成部はバス1900によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU1901は、管理装置1801の全体の制御を司る。ROM1902は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM1903は、CPU1901のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ1904は、CPU1901の制御にしたがって磁気ディスク1905に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク1905は、磁気ディスクドライブ1904の制御で書き込まれたデータを記憶する。
光ディスクドライブ1906は、CPU1901の制御にしたがって光ディスク1907に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク1907は、光ディスクドライブ1906の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク1907に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
ディスプレイ1908は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ1908は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
インターフェース(以下、「I/F」と略する。)1909は、通信回線を通じてネットワーク1914(たとえば、第3のネットワーク)に接続され、このネットワーク1914を介して他の装置に接続される。そして、I/F1909は、ネットワーク1914と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F1909には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
キーボード1910は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス1911は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
スキャナ1912は、画像を光学的に読み取り、管理装置1801内に画像データを取り込む。なお、スキャナ1912には、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ1913は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ1913には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
(管理装置の機能的構成)
つぎに、図18に示した管理装置1801の機能的構成について説明する。図20は、管理装置の機能的構成を示すブロック図である。図20において、管理装置1801は、入力部2001と、送信部2002と、受信部2003と、出力部2004と、を含む構成である。
この制御部となる機能(入力部2001〜出力部2004)は、具体的には、たとえば、図19に示したROM1902、RAM1903、磁気ディスク1905、光ディスク1907などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU1901に実行させることにより、または、I/F1909により、その機能を実現する。
まず、入力部2001は、データセンタ1800に設置済みのサーバ1802−1〜1802−kが正しい送配電系統K1〜Knに接続されているか否かを検査する検査開始指示の入力を受け付ける機能を有する。検査開始指示は、たとえば、図19に示したキーボード1910やマウス1911をユーザが操作することで入力する。
送信部2002は、入力部2001によって検査開始指示が入力された場合、各サーバ1802−1〜1802−kが正しい送配電系統K1〜Knに接続されているか否かを検査する検査要求を、各サーバ1802−1〜1802−kに内蔵されたテスタ101−1〜101−kに送信する機能を有する。
なお、各テスタ101−1〜101−kは、管理装置1801から検査要求を受信すると、自装置が正しい送配電系統に接続されているか否かを判定する比較/判定処理を実行し、その判定結果を検査結果として管理装置1801に送信することとなる。
受信部2003は、送信部2002によって検査要求が送信された結果、各サーバ1802−1〜1802−kが正しい送配電系統K1〜Knに接続されているか否かの検査結果を、各テスタ101−1〜101−kから受信する機能を有する。この検査結果には、各サーバ1802−1〜1802−kが現在設置されている設置位置に関する位置情報が含まれていてもよい。
出力部2004は、受信部2003によって受信された検査結果を出力する機能を有する。出力部2004による出力形式としては、たとえば、ディスプレイ1908への表示、プリンタ1913への印刷出力、I/F1909による外部装置への送信がある。また、RAM1903、磁気ディスク1905、光ディスク1907などの記憶領域に記憶することとしてもよい。
また、入力部2001は、各送配電系統K1〜Kn固有の系統情報に関する更新要求の入力を受け付けることとしてもよい。この更新要求には、更新後の各送配電系統K1〜Kn固有の系統情報が含まれている。
また、送信部2002は、入力部2001によって入力された更新要求を、更新対象となる系統情報が設定された情報処理装置102−1〜102−nに送信することとしてもよい。これにより、各送配電系統K1〜Kn固有の系統情報を、送配電系統K1〜Knの系統性能の変更などに応じて任意に設定することができる。
なお、各情報処理装置102−1〜102−nは、更新要求を受信すると、その更新要求に従って設定されている系統情報を更新し、更新完了のレスポンスを管理装置1801に送信することとなる。これにより、管理装置1801において、情報処理装置102−1〜102−nの系統情報の更新処理が正常に実行されたことを認識することができる。
ここで、ディスプレイ1908に表示される検査結果テーブルの具体例について説明する。図21は、検査結果テーブルの具体例を示す説明図である。図21において、検査結果テーブル2100には、検査対象となる各サーバ1802−1〜1802−kの検査結果2100−1〜2100−kが示されている。
具体的には、各検査結果2100−1〜2100−kは、電子機器名、検査結果および設置位置に関する情報を有している。電子機器名は、各サーバ1802−1〜1802−kの名称である。検査結果は、正しい送配電系統K1〜Knに接続されているか否かを示す結果である。
ここでは、正しい送配電系統K1〜Knに接続されている場合には「OK」、誤った送配電系統K1〜Knに接続されている場合には「NG」と表記される。なお、図示は省略するが、検査要求に対するレスポンスがなかった場合には、検査結果の欄に「レスポンスなし」と表記される。
設置位置は、誤った送配電系統K1〜Knに接続されているサーバ1802−1〜1802−kの現在の設置位置を示す位置情報である。ここでは例として、サーバ1802−2が設置されているフロア番号「3F」、シマ番号「4」、ラック番号「2」が表記されている。なお、正しい送配電系統K1〜Knに接続されている場合には、設置位置の欄に「Null」と表記される。
CEは、検査結果テーブル2100を確認することにより、データセンタ1800内に設置済みの全サーバ1802−1〜1802−kの接続状況を一括管理することができる。さらに、誤った送配電系統K1〜Knに接続されているサーバ1802−2の現在の設置位置が提示されるため、送配電系統K1〜Knを変更すべきサーバ1802−2を迅速かつ的確に見つけ出すことができる。
ここでは図示は省略するが、検査結果テーブル2100には、各サーバ1802−1〜1802−kが現在接続されている送配電系統K1〜Knや、接続すべき正しい送配電系統K1〜Knを特定する情報が検査結果として記憶されていてもよい。これらの情報は、検査結果として各テスタ101−1〜101−kから受信することができる。
なお、管理装置1801は、テスタ101−1〜101−kの比較/判定部505の機能を備えることとしてもよい。この場合、管理装置1801において、各テスタ101−1〜101−kから、接続すべき送配電系統の条件と、現在接続されている送配電系統K1〜Kn固有の系統情報とを収集することで、各サーバ1802−1〜1802−kが正しい送配電系統K1〜Knに接続されているか否かを一括検査することができる。
(管理装置の作業支援処理手順)
つぎに、実施の形態2にかかる管理装置1801の作業支援処理手順について説明する。図22は、管理装置の作業支援処理手順の一例を示すフローチャートである。図22のフローチャートにおいて、まず、入力部2001により、データセンタ1800に設置済みのサーバ1802−1〜1802−kが正しい送配電系統K1〜Knに接続されているか否かを検査する検査開始指示が入力されたか否かを判断する(ステップS2201)。
ここで、検査開始指示が入力されるのを待って(ステップS2201:No)、入力された場合(ステップS2201:Yes)、送信部2002により、各サーバ1802−1〜1802−kが正しい送配電系統K1〜Knに接続されているか否かを検査する検査要求を、各サーバ1802−1〜1802−kに内蔵されたテスタ101−1〜101−kに送信する(ステップS2202)。
このあと、受信部2003により、サーバ1802−1〜1802−kが正しい送配電系統K1〜Knに接続されているか否かの検査結果を、テスタ101−1〜101−kから受信したか否かを判断する(ステップS2203)。
ここで、検査結果を受信した場合(ステップS2203:Yes)、検査要求のすべての送信先のテスタ101−1〜101−kから検査結果を受信したか否かを判断し(ステップS2204)、受信していない場合(ステップS2204:No)、検査要求を送信してから一定時間経過したか否かを判断する(ステップS2205)。また、ステップS2203において、検査結果を受信していない場合にも(ステップS2203:No)、ステップS2205に移行する。
ここで、一定時間経過していない場合(ステップS2205:No)、ステップS2203に戻る。一方、一定時間経過した場合(ステップS2205:Yes)、出力部2004により、ステップS2203において受信された検査結果を出力して(ステップS2206)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
また、ステップS2204においてすべての送信先のテスタ101−1〜101−kから検査結果を受信した場合(ステップS2204:Yes)、出力部2004により、ステップS2203において受信された検査結果を出力して(ステップS2206)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
実施の形態2によれば、データセンタ1800内に設置済みのサーバ1802−1〜1802−kの接続状況を、管理装置1801において一括管理することができる。これにより、CEが検査のために各サーバ1802−1〜1802−kが設置されている場所まで足を運ぶことなく、正しい送配電系統K1〜Knに接続されているか否かを確認することができる。
また、検査結果として、誤った送配電系統K1〜Knに接続されているサーバ1802−1〜1802−kの現在の設置位置を提示することができる。これにより、膨大な台数のサーバ1802−1〜1802−kの中から、誤った送配電系統K1〜Knに接続されているサーバ1802−1〜1802−kを的確に見つけ出すことができる。
なお、本実施の形態で説明した作業支援方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な媒体であってもよい。
上述した実施の形態1,2に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)電力線通信ネットワークを構成する複数の送配電系統にそれぞれ取り付けられた情報処理装置と、前記各送配電系統を介して電力線通信可能なテスタであって、
電子機器を設置する施設内に配設されたコンセント群から選ばれた任意のコンセントに、前記テスタの電源プラグが接続されたことを検出する検出手段と、
前記複数の送配電系統のうち、前記検出手段によって前記電源プラグの接続が検出されたコンセントを末端とする一の送配電系統に、当該一の送配電系統固有の系統情報に関するリクエストをブロードキャストする送信手段と、
前記送信手段によって前記リクエストがブロードキャストされた結果、前記一の送配電系統に取り付けられた一の情報処理装置から前記一の送配電系統固有の系統情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された系統情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするテスタ。
(付記2)現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の条件と、前記受信手段によって受信された一の送配電系統固有の系統情報と、を比較する比較手段を備え、
前記出力手段は、
前記比較手段によって比較された比較結果を出力することを特徴とする付記1に記載のテスタ。
(付記3)複数台の電子機器の設置作業に関する一連の作業全体に含まれる作業手順と、前記各電子機器を接続すべき送配電系統の条件と、を関連付けて記憶するテーブルと、
特定の作業手順と関連付けて記憶された送配電系統の条件を前記テーブルの中から抽出する抽出手段と、を備え、
前記比較手段は、
前記抽出手段によって抽出された送配電系統の条件と、前記一の送配電系統固有の系統情報と、を比較することを特徴とする付記2に記載のテスタ。
(付記4)
前記比較手段は、
前記一の送配電系統の電圧および周波数と、前記現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の電圧および周波数とを比較することを特徴とする付記2または3に記載のテスタ。
(付記5)前記比較手段は、
前記一の送配電系統の瞬停時間と、前記現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の瞬停時間とを比較することを特徴とする付記2〜4のいずれか一つに記載のテスタ。
(付記6)前記比較手段は、
前記一の送配電系統のUPS(Uninterruptible Power Supply)の有無と、前記現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統のUPSの有無とを比較することを特徴とする付記2〜5のいずれか一つに記載のテスタ。
(付記7)前記比較手段は、
前記一の送配電系統のバックアップ時間と、前記現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統のバックアップ時間とを比較することを特徴とする付記2〜6のいずれか一つに記載のテスタ。
(付記8)前記比較手段によって比較された比較結果に基づいて、前記テスタが正しい送配電系統に接続されているか否かを判定する判定手段を備え、
前記出力手段は、
前記判定手段によって判定された判定結果を出力することを特徴とする付記2〜7のいずれか一つに記載のテスタ。
(付記9)前記送信手段は、
前記現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の探索要求を、前記一の送配電系統にブロードキャストし、
前記受信手段は、
前記送信手段によって前記探索要求がブロードキャストされた結果、前記テスタを接続すべき送配電系統の設置位置に関する位置情報を前記一の情報処理装置から受信し、
前記出力手段は、
前記受信手段によって受信された位置情報を出力することを特徴とする付記8に記載のテスタ。
(付記10)前記送信手段は、
前記判定手段によって前記テスタが正しい送配電系統に接続されていないと判定された場合、前記探索要求を前記一の情報処理装置に送信することを特徴とする付記9に記載のテスタ。
(付記11)前記受信手段は、
前記送信手段によって前記探索要求が送信された結果、前記テスタを接続すべき送配電系統が存在しない旨のメッセージ情報を前記一の情報処理装置から受信し、
前記受信手段によって受信されたメッセージ情報を出力することを特徴とする付記9または10に記載のテスタ。
(付記12)電力線通信ネットワークを構成する一の送配電系統に取り付けられ、当該一の送配電系統を介してテスタと電力線通信可能な情報処理装置であって、
電子機器を設置する施設内に配設された前記一の送配電系統のコンセントに、前記テスタの電源プラグが接続された結果、前記一の送配電系統固有の系統情報に関するリクエストを前記テスタから受信する受信手段と、
前記受信手段によって前記リクエストが受信された場合、予め設定された前記一の送配電系統固有の系統情報を前記テスタに送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
(付記13)前記一の送配電系統が特定の電子機器を接続すべき送配電系統の条件を満たしているか否かを判定する判定手段を備え、
前記受信手段は、
現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の条件を前記テスタから受信し、
前記判定手段は、
前記受信手段によって受信された送配電系統の条件と、前記一の送配電系統固有の系統情報とを比較することにより、前記一の送配電系統が前記条件を満たしているか否かを判定し、
前記送信手段は、
前記判定手段によって判定された判定結果を前記テスタに送信することを特徴とする付記12に記載の情報処理装置。
(付記14)前記判定手段によって前記一の送配電系統が前記条件を満たしていると判定された場合、前記一の送配電系統のコンセントに設けられた発光装置に点灯信号を出力する出力手段を備えることを特徴とする付記13に記載の情報処理装置。
(付記15)前記送配電系統ごとに取り付けられた情報処理装置間を接続する通信ネットワークを介して、他の情報処理装置と通信する通信手段を備え、
前記通信手段は、
前記判定手段によって前記一の送配電系統が前記条件を満たしていないと判定された場合、前記現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の探索要求を前記他の情報処理装置に送信することを特徴とする付記13または14に記載の情報処理装置。
(付記16)前記受信手段は、
前記現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の探索要求を前記テスタから受信し、
前記通信手段は、
前記受信手段によって前記探索要求が受信された場合、当該探索要求を前記他の情報処理装置に送信することを特徴とする付記13〜15のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(付記17)前記通信手段は、
前記他の情報処理装置に前記探索要求が送信された結果、前記条件を満たす送配電系統の設置位置に関する位置情報を、当該送配電系統に取り付けられた他の情報処理装置から受信し、
前記送信手段は、
前記通信手段によって受信された位置情報を前記テスタに送信することを特徴とする付記16に記載の情報処理装置。
(付記18)前記通信手段は、
前記現在設置作業中の電子機器を接続すべき送配電系統の探索要求を前記他の情報処理装置から受信し、
前記判定手段は、
前記通信手段によって受信された探索要求に含まれる送配電系統の条件と、前記一の送配電系統固有の系統情報とを比較することにより、前記一の送配電系統が前記条件を満たしているか否かを判定することを特徴とする付記13〜17のいずれか一つに記載の情報処理装置。