JP2010008290A - 生体高分子測定用メンブレンの製造方法および生体高分子またはその相互作用の測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】標識を用いることなく、簡便かつ迅速に、メンブレンに固定化した生体高分子またはその相互作用を測定することができる生体高分子測定用メンブレンの製造方法および生体高分子またはその相互作用の測定方法を提供する。
【解決手段】メンブレン面に対して、測定対象の生体高分子に対する固定化能を局所的に高める処理を施すことにより、測定対象の生体高分子に対する固定化能がメンブレン面における他の領域よりも局所的に高い部分である少なくとも1つの生体高分子固定化領域を形成する。好ましい態様では、PVDFなどの疎水性メンブレンに局所的にアルコール処理等の親水化処理を施して生体高分子固定化領域を形成する。
【選択図】なし
【解決手段】メンブレン面に対して、測定対象の生体高分子に対する固定化能を局所的に高める処理を施すことにより、測定対象の生体高分子に対する固定化能がメンブレン面における他の領域よりも局所的に高い部分である少なくとも1つの生体高分子固定化領域を形成する。好ましい態様では、PVDFなどの疎水性メンブレンに局所的にアルコール処理等の親水化処理を施して生体高分子固定化領域を形成する。
【選択図】なし
Description
本発明は、生体高分子測定用メンブレンの製造方法および生体高分子またはその相互作用の測定方法に関するものである。
近年、病気になってからの治療ではなく、病気を未然に防ぐ「予防」の重要性が高まっている。そして病気の予防を有効に行うために、大人数から発症リスクの高い人を選別する手法の確立が望まれている。
このような手法の一つとして、自己抗体による発症リスク予測が検討されており、現在では一部の自己免疫疾患において、特定の自己抗体の有無を調べることにより、その病気の将来の発症リスクを予測できることが明らかにされている。例えば、インスリン、グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD65)、膵島抗原-II(IA-2)の3つの抗原については、当該抗原に対する自己抗体の有無を調べることで、1型糖尿病の発症リスクを予測できることが知られている。
一般に、抗原と抗体との相互作用などのような、蛋白質、DNAなどの生体高分子の相互作用を検出する技術としては、生体高分子をメンブレンなどの支持体上に固定化し、固定化された生体高分子を、別の生体高分子あるいはそれ以外の化合物と接触させ、これにより生じる特異的な相互作用を何らかの手法を用いて検出することが行われている。このような技術には、遺伝子解析や創薬スクリーニングなどの幅広い分野への応用が検討されているバイオチップが用いられる(特許文献1、2参照)。
また、支持体としてのメンブレン上に固定された生体高分子の検出には、従来、発光、化学発光、化学蛍光、RIなどのいわゆる標識を利用した方法が一般に行われている。
特開2006−153532号公報
特開2005−522219号公報
しかしながら、標識を利用した方法では、相互作用を検出するための工程において、煩雑で時間が掛かる操作を要し、あるいは試薬が多く必要であるなどの問題があった。そのため、例えば上記したような自己抗体による発症リスク予測への適用に際しては、大人数を対象とする検査には不向きであるという問題点があった。
このような点に鑑み、本発明者らは、メンブレンに固定化した生体高分子を、標識を用いずに直接に光検出することを検討しているが、これまでの標識を用いた検出などにおいては、ポリフッ化ビニリデンなどの疎水性メンブレンに親水性の蛋白質などの生体高分子を固定化する場合に、そのままではメンブレンの疎水性が強過ぎて生体高分子が吸着しにくいため、予めメタノールなどを用いて疎水性メンブレンの全体を親水化処理していた。しかしながら、このメンブレンに固定化した生体高分子を直接に光検出しようとしても、ノイズレベルに信号が埋もれてしまい目的とする生体高分子の検出ができないという問題点があった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、標識を用いることなく、簡便かつ迅速に、メンブレンに固定化した生体高分子またはその相互作用を測定することができる生体高分子測定用メンブレンの製造方法および生体高分子またはその相互作用の測定方法を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1:測定対象の生体高分子を吸着して固定化し、固定化された当該生体高分子またはその相互作用を測定するための生体高分子測定用メンブレンの製造方法であって、メンブレン面に対して、測定対象の生体高分子に対する固定化能を局所的に高める処理を施すことにより、測定対象の生体高分子に対する固定化能がメンブレン面における他の領域よりも局所的に高い部分である少なくとも1つの生体高分子固定化領域を形成する工程を含むことを特徴とする生体高分子測定用メンブレンの製造方法。
第2:メンブレンが疎水性メンブレンであり、疎水性メンブレンに対して局所的に親水化処理を施すことにより、測定対象の生体高分子に対する固定化能がメンブレン面における他の領域よりも局所的に高い部分である生体高分子固定化領域を形成することを特徴とする上記第1の生体高分子測定用メンブレンの製造方法。
第3:疎水性メンブレンがポリフッ化ビニリデンからなることを特徴とする上記第2の生体高分子測定用メンブレンの製造方法。
第4:親水化処理がアルコール処理であることを特徴とする上記第2または第3の生体高分子測定用メンブレンの製造方法。
第5:上記第1から第4のいずれかの方法により製造された生体高分子測定用メンブレンを用いた生体高分子の測定方法であって、生体高分子測定用メンブレンにおける生体高分子固定化領域に測定対象の生体高分子を固定化する工程と、生体高分子測定用メンブレンに測定光を照射し、生体高分子測定用メンブレンからの透過光を検出する工程とを含むことを特徴とする生体高分子の測定方法。
第6:上記第1から第4のいずれかの方法により製造された生体高分子測定用メンブレンを用いた生体高分子の相互作用の測定方法であって、生体高分子測定用メンブレンにおける生体高分子固定化領域に測定対象の生体高分子を固定化する工程と、生体高分子固定化領域に固定化された生体高分子に特異的に結合する分子を相互作用させる工程と、生体高分子測定用メンブレンに測定光を照射し、生体高分子測定用メンブレンからの透過光を検出する工程とを含むことを特徴とする生体高分子の相互作用の測定方法。
第7:測定対象の生体高分子が蛋白質、糖蛋白質、およびペプチドから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記第6の生体高分子の相互作用の測定方法。
第8:測定対象が抗原であり、当該抗原に特異的に結合する抗体を相互作用させることを特徴とする上記第7の生体高分子の相互作用の測定方法。
第9:測定対象の抗原を生体高分子固定化領域に固定化した後、ブロッキング処理する工程をさらに含むことを特徴とする上記第8の生体高分子の相互作用の測定方法。
第10:測定対象が抗原であり、当該抗原を生体高分子固定化領域に固定化した後、当該抗原に血清検体を相互作用させることを特徴とする上記第8の生体高分子の相互作用の測定方法。
第11:メンブレンが疎水性メンブレンであり、生体高分子固定化領域が、疎水性メンブレンに局所的に親水化処理して形成されたものであることを特徴とする上記第6から第10のいずれかの生体高分子の相互作用の測定方法。
第12:疎水性メンブレンがポリフッ化ビニリデンからなることを特徴とする上記第11の生体高分子の相互作用の測定方法。
第13:親水化処理がアルコール処理であることを特徴とする上記第11または第12の生体高分子の相互作用の測定方法。
第14:測定光がテラヘルツ波であることを特徴とする上記第6から第13のいずれかの生体高分子の相互作用の測定方法。
本発明によれば、測定対象の生体高分子に対する固定化能がメンブレン面における他の領域よりも局所的に高い部分である少なくとも1つの生体高分子固定化領域を設けるようにしたので、測定対象の生体高分子以外の夾雑成分のメンブレンへの吸着を抑制することができる。そのため、透過光測定などの光測定における夾雑成分の光吸収によるノイズレベルを大幅に低減することができ、発光、化学発光、化学蛍光、RIなどのための標識を用いることなく、生体高分子固定化領域に固定化された生体高分子またはその相互作用を透過光測定などにより直接に、そして簡便かつ迅速に検出することができる。
特に、PVDFメンブレンなどの疎水性メンブレンを用いて、アルコール処理などの親水化処理を施して生体高分子固定化領域を形成し、抗原などの蛋白質またはその相互作用の検出を行う場合には、ブロッキング剤や、抗体を含有する血清検体中のアルブミンなどのメンブレンへの吸着を有効に抑制することができ、可視光や近紫外光などの電磁波や、テラヘルツ波などによる透過光検出が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるメンブレンとしては、例えば、ポアサイズが0.5μm以下の有機ポリマーのメンブレンなどが挙げられる。具体的には、例えばセルロース系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、ジエン系ポリマー、フッ素系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリアリーレン系ポリマーなどが挙げることができるが、抗原などの測定対象の生体高分子を親水化処理によって吸着させ固定化することができると共に、ブロッキング剤や血清検体中のアルブミンなどの夾雑成分の吸着を抑制し透過光測定時におけるノイズレベルを有効に低減できる点からは、疎水性メンブレンが好ましく、中でもポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる疎水性メンブレンが好ましい。
ここで疎水性メンブレンにおける疎水性の指標としては、n-オクタノールを用いたClogP値で好ましくは10以上である。
本発明の方法によって生体高分子測定用メンブレンのメンブレン面に設けられる生体高分子固定化領域は、図1に示したように、生体高分子測定用メンブレン1におけるメンブレン面2において、1つまたは複数の生体高分子固定化領域3として形成することができ、同図のように複数の生体高分子固定化領域3、3・・・を形成する場合には、測定目的に応じてそれぞれを適切な距離だけ離間させて配置することが望ましい。
好ましい態様では、疎水性メンブレンにおける生体高分子固定化領域を形成すべき位置に親水化処理を施して、蛋白質などの測定対象の生体高分子を効率的に吸着して固定化できるように、親水性の生体高分子固定化領域が形成される。
親水化処理は、例えば、PVDFメンブレンなどの疎水性メンブレンに、アルコールなどの極性有機溶媒をスポットして行うことができる。親水化処理に用いるアルコールとしては、メタノールが好ましい。
なお、親水化処理は、測定対象の生体高分子の固定化前に行い予め生体高分子固定化領域を形成してもよく、あるいは、親水化処理に用いる極性有機溶媒に測定対象の生体高分子を溶解または分散させた溶液を疎水性メンブレンにブロットすることで、親水化処理による生体高分子固定化領域の形成と生体高分子の固定化とを同時に行うようにしてもよい。
以上に説明した生体高分子測定用メンブレンを用いて、例えば次の方法により、生体高分子またはその相互作用を測定することができる。最初に、予め親水化処理によって疎水性メンブレンに形成された生体高分子固定化領域に、測定対象の生体高分子をブロットし、生体高分子を吸着して固定化させる。あるいは上記したように、親水化処理に用いる極性有機溶媒に測定対象の生体高分子を溶解または分散させた溶液を疎水性メンブレンにブロットすることで、親水化処理による生体高分子固定化領域の形成と生体高分子の固定化とを同時に行うようにしてもよい。
疎水性メンブレンを用いた測定には、生体高分子として、蛋白質を好適に用いることができる。蛋白質として抗原を用い、抗体との相互作用を測定する場合には、好ましい態様として、抗体や他の夾雑成分の非特異的な吸着によるノイズレベルの増加を抑制するためにブロッキング剤を用いることができる。ブロッキング剤としては、用いる抗原や抗体の種類に応じて適宜のものを選択することができ、例えばスキムミルクなどを用いることができる。
また、抗原の有無を検査する目的などにより血清検体を用いる場合には、生体高分子固定化領域に抗原を固定化した後、ブロッキング剤を用いずに血清検体をブロットすることもできる。
本発明では、従来のように疎水性メンブレンのメンブレン面全体に親水化処理するのではなく、疎水性メンブレンに局所的に親水化処理して生体高分子固定化領域を形成しているので、図2に示すように、抗原などの生体高分子を固定化した生体高分子固定化領域3の周囲のメンブレン面2は疎水性であるためブロッキング剤または血清検体中のアルブミンなどの測定対象外の非特異蛋白質成分4の吸着が抑制され、その結果、透過光測定時におけるノイズレベルが大幅に低減され目的とする生体高分子の検出が可能となる。
透過光測定には、可視光や近紫外光などの電磁波、あるいはテラヘルツ波を利用した測定が可能であり、カメラを用いた分析も可能である。テラヘルツ波の周波数帯域としては、例えば0.01〜500THz、好ましくは0.1〜10THzの範囲内の周波数帯域を利用することができる。測定結果は、2次元画像として可視化することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
メタノール:緩衝液=6:4溶液にインスリン(Human, Recombinant, Expressed in yeast. SIGMA社製)を溶解させたインスリン溶液をPVDFメンブレン(Hybond-P、GEヘルスケア社製)にブロットし、親水化処理とブロットを同時に行った。
<実施例1>
メタノール:緩衝液=6:4溶液にインスリン(Human, Recombinant, Expressed in yeast. SIGMA社製)を溶解させたインスリン溶液をPVDFメンブレン(Hybond-P、GEヘルスケア社製)にブロットし、親水化処理とブロットを同時に行った。
次いで、ブロッキング剤(スキムミルク、Blotting grade、Wako社製)の溶液にメンブレンを浸漬してブロッキング処理し、洗浄、乾燥後、一次抗体(Insulin-Human, Rabit, IgG. SCB社製)溶液とインキュベートした。
次いで、インキュベート後のメンブレンについて、テラヘルツ時間領域分光イメージング装置を用いて透過光測定を行った。
透過光測定結果を図3に示す。なお、図3では、16箇所にブロットしているが、右上4箇所は1.5μg/dot、右下4箇所は750ng/dot、左上4箇所は375ng/dot、左下4箇所は188ng/dotでブロットした。同図に示されるように、ブロットの様子が確認できた。
また、上記と同様にして4箇所にインスリンをブロットしたものをテラヘルツ波を用いて測定した。具体的には、分光装置THz-TDSを用いて画像測定を行い、周波数分解能を25GHzとして測定したマルチスペクトル画像のうち、2THzで切り出した画像を得た(空間分解能:200μm)。その結果を図4(a)に示す。また、図4(b)はメンブレン全面に親水化処理したものである。このように、メンブレン面において局所的に親水化処理した場合にのみブロットの様子が確認できた。
また、上記と同様にしてインスリンをブロットしたメンブレンを蛍光灯で透かした画像を図5に示す。同図に示されるように、ブロットの様子が確認できた。
<比較例1>
疎水性メンブレンとして、PVDFメンブレン(ポアサイズ0.2μm、BIO-RAD社製)、PVDFメンブレン(ポアサイズ0.45μm、GEヘルスケア社製)、ニトロセルロースメンブレン(ポアサイズ0.2μm、BIO-RAD社製)を用いて、メンブレン全体にメタノールによる親水化処理を施したものを用意した。このメンブレンにインスリンをブロットし、実施例1と同様にして透過光測定を行ったが、ブロットの様子を確認することはできなかった。
<参考例1>
実施例1で用いた疎水性メンブレンにメタノールで親水化処理したものと、親水化処理しないものを用意し、それぞれのメンブレンをブロッキング剤(スキムミルク、Blotting grade、Wako社製)で処理した。
<比較例1>
疎水性メンブレンとして、PVDFメンブレン(ポアサイズ0.2μm、BIO-RAD社製)、PVDFメンブレン(ポアサイズ0.45μm、GEヘルスケア社製)、ニトロセルロースメンブレン(ポアサイズ0.2μm、BIO-RAD社製)を用いて、メンブレン全体にメタノールによる親水化処理を施したものを用意した。このメンブレンにインスリンをブロットし、実施例1と同様にして透過光測定を行ったが、ブロットの様子を確認することはできなかった。
<参考例1>
実施例1で用いた疎水性メンブレンにメタノールで親水化処理したものと、親水化処理しないものを用意し、それぞれのメンブレンをブロッキング剤(スキムミルク、Blotting grade、Wako社製)で処理した。
親水化処理メンブレンは、メタノールによる親水化処理、1%スキムミルクの中でインキュベート(3時間)、TBSによる洗浄(5分×5回)、蒸留水による洗浄(5分×5回)を順に行った後、デシケータ内で乾燥することにより作製した。
親水化未処理メンブレンは、メタノールによる親水化処理を行わなかった以外は上記と同じ手順にて作製した。
ブロッキング処理後の上記各メンブレンについて、FT-IRで透過率(%)を測定した。その結果を図6に示す。親水化処理メンブレンは、親水化未処理メンブレンに比べて透過率が減少しており、ブロッキング蛋白質の吸着量が増加していた。
これに対して親水化未処理メンブレンでは、ブロッキング蛋白質の吸着量が抑制され、透過光測定におけるバックグラウンド低減効果が得られることが明らかとなった。
<参考例2>
実施例1で用いた疎水性メンブレンにメタノールで親水化処理したものと、親水化処理しないものを用意し、それぞれのメンブレンを7.5%ウシ血清アルブミン(BSA)溶液で処理した。
<参考例2>
実施例1で用いた疎水性メンブレンにメタノールで親水化処理したものと、親水化処理しないものを用意し、それぞれのメンブレンを7.5%ウシ血清アルブミン(BSA)溶液で処理した。
親水化処理メンブレンは、メタノールによる親水化処理、7.5% BSA中でインキュベート(3時間)、TBSによる洗浄(5分×5回)、蒸留水による洗浄(5分×5回)を順に行った後、デシケータ内で乾燥することにより作製した。
親水化未処理メンブレンは、メタノールによる親水化処理を行わなかった以外は上記と同じ手順にて作製した。
BSA処理後の上記各メンブレンについて、FT-IRで透過率(%)を測定した。その結果を図7に示す。親水化処理メンブレンは、親水化未処理メンブレンに比べて透過率が減少しており、BSAの吸着量が増加していた。
これに対して親水化未処理メンブレンでは、BSAの吸着が抑制されており、透過光測定におけるバックグラウンド低減効果が得られることが明らかとなった。すなわち、血清検体を用いた抗原との相互作用の光測定において、ブロッキング剤を用いずともバックグラウンドを大幅に低減できることを示唆した。
1 生体高分子測定用メンブレン
2 メンブレン面
3 生体高分子固定化領域
4 非特異蛋白質成分
2 メンブレン面
3 生体高分子固定化領域
4 非特異蛋白質成分
Claims (14)
- 測定対象の生体高分子を吸着して固定化し、固定化された当該生体高分子またはその相互作用を測定するための生体高分子測定用メンブレンの製造方法であって、メンブレン面に対して、測定対象の生体高分子に対する固定化能を局所的に高める処理を施すことにより、測定対象の生体高分子に対する固定化能がメンブレン面における他の領域よりも局所的に高い部分である少なくとも1つの生体高分子固定化領域を形成する工程を含むことを特徴とする生体高分子測定用メンブレンの製造方法。
- メンブレンが疎水性メンブレンであり、疎水性メンブレンに対して局所的に親水化処理を施すことにより、測定対象の生体高分子に対する固定化能がメンブレン面における他の領域よりも局所的に高い部分である生体高分子固定化領域を形成することを特徴とする請求項1に記載の生体高分子測定用メンブレンの製造方法。
- 疎水性メンブレンがポリフッ化ビニリデンからなることを特徴とする請求項2に記載の生体高分子測定用メンブレンの製造方法。
- 親水化処理がアルコール処理であることを特徴とする請求項2または3に記載の生体高分子測定用メンブレンの製造方法。
- 請求項1から4のいずれかに記載の方法により製造された生体高分子測定用メンブレンを用いた生体高分子の測定方法であって、生体高分子測定用メンブレンにおける生体高分子固定化領域に測定対象の生体高分子を固定化する工程と、生体高分子測定用メンブレンに測定光を照射し、生体高分子測定用メンブレンからの透過光を検出する工程とを含むことを特徴とする生体高分子の測定方法。
- 請求項1から4のいずれかに記載の方法により製造された生体高分子測定用メンブレンを用いた生体高分子の相互作用の測定方法であって、生体高分子測定用メンブレンにおける生体高分子固定化領域に測定対象の生体高分子を固定化する工程と、生体高分子固定化領域に固定化された生体高分子に特異的に結合する分子を相互作用させる工程と、生体高分子測定用メンブレンに測定光を照射し、生体高分子測定用メンブレンからの透過光を検出する工程とを含むことを特徴とする生体高分子の相互作用の測定方法。
- 測定対象の生体高分子が蛋白質、糖蛋白質、およびペプチドから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の生体高分子の相互作用の測定方法。
- 測定対象が抗原であり、当該抗原に特異的に結合する抗体を相互作用させることを特徴とする請求項7に記載の生体高分子の相互作用の測定方法。
- 測定対象の抗原を生体高分子固定化領域に固定化した後、ブロッキング処理する工程をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の生体高分子の相互作用の測定方法。
- 測定対象が抗原であり、当該抗原を生体高分子固定化領域に固定化した後、当該抗原に血清検体を相互作用させることを特徴とする請求項8に記載の生体高分子の相互作用の測定方法。
- メンブレンが疎水性メンブレンであり、生体高分子固定化領域が、疎水性メンブレンに局所的に親水化処理して形成されたものであることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の生体高分子の相互作用の測定方法。
- 疎水性メンブレンがポリフッ化ビニリデンからなることを特徴とする請求項11に記載の生体高分子の相互作用の測定方法。
- 親水化処理がアルコール処理であることを特徴とする請求項11または12に記載の生体高分子の相互作用の測定方法。
- 測定光がテラヘルツ波であることを特徴とする請求項6から13のいずれかに記載の生体高分子の相互作用の測定方法。
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