JP2010008254A - 攪拌方法および該攪拌方法を用いた分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便に微量な溶液の攪拌を可能にする攪拌方法を提供すること。
【解決手段】溶液を攪拌する方法であって、2以上の電極を用いて、分極可能な粒子を含む溶液に、前記粒子が進行波誘電泳動(traveling wave Dielectrophoresis(tw−DEP))を行う電圧未満の交流電圧を印加して、前記粒子を前記電極端部で環状運動させることにより前記溶液を攪拌する攪拌方法を提供する。該攪拌方法は、簡便に微量な溶液を攪拌することができるため、各種分析における検出精度向上、検出時間の短縮、検出効率の改善などを図り、あらゆる分野におけるターゲット物質の検出、若しくは含有量、構成成分、又は機能等の解析などに利用することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶液の攪拌方法に関する。より詳しくは、誘電泳動の原理を用いて、簡便に微量な溶液の攪拌を可能にする攪拌方法、および該攪拌方法を用いた相互作用検出方法に関する。
近年、基板などの表面(界面)に形成した微小空間等において、物質間の相互作用や反応を進行させて、これらを物理的手段や光学的手段等によって分析する技術が進展している。当該技術は、疾病診断、薬物等の化合物スクリーニング、法医学、遺伝情報の網羅的解析、生体物質の機能解析、プロテオーム解析、生体内反応の解析などの分野では、既に重要な基幹技術となりつつある。
分析目的とされる相互作用(あるいは反応)は、例えば、核酸鎖(相補鎖)間のハイブリダイゼーション、タンパク質間の相互作用、抗原抗体反応、酵素反応、ホルモン応答反応、低分子化合物が関与する諸反応など様々である。
具体的な一例としては、例えば、DNAチップやタンパク質を集積したプロテインチップなどに代表されるような、検出用物質(プローブと称されることが多い。)とターゲット物質との間の特異的な相互作用を利用して、ターゲット物質の含有量、構成成分、効力を調べるセンサーチップ技術がある。
このような微小空間内における分析では、前記の各種反応がスムーズに進行しない場合、未反応の物質等におけるノイズが、微小空間であるが故に問題になることが多い。また、微量の試料であるために、各種反応が十分に行われないと、正確な分析を行うことができない等の問題が生じることがあった。
最近では、このような微小空間における分析の効率化を図るために、微小空間内での溶液の攪拌方法の技術開発が進んでいる。例えば、特許文献1では、容器中に超音波振動子を配置し、超音波振動子が発生する超音波によって生じた音響流によって混合したい複数の試料溶液を攪拌混合する技術が開示されている。
特許文献2には、反応液中に含まれる磁気ビーズに反応容器の外部から磁場の変動を与えることで反応液を攪拌する技術が開示されている。
特許文献3には、電極に交流電流を印加し、試薬分子を構成する成分あるいは試料中の成分を移動させて微小容積空間での試薬の溶解と混合を行うことにより、試料中にあらかじめ磁気物質など攪拌物質を内在化させることなく攪拌することができる技術が開示されている。この方法は、誘電泳動の原理を用いて、試料中の分子の往復運動を起こさせることにより試料液の流動を引き起こし、試薬の溶解と混合を行う方法であるが、分子の往復運動を起こさせるために、誘電泳動用の電極の位相を何度も変更させなければならないので、煩雑であった。
その他の方法として、微小流路に複数の折り曲げ部(ジグザグ部)を設けることにより、微小流路内の溶液を攪拌する従来技術も存在するが、流路回路が複雑になってしまい、そのために、流路回路を作成するためのコストが上昇してしまうという問題もあった。
ここで、本発明に関わりのある「進行波誘電泳動(traveling wave Dielectrophoresis(tw−DEP))」について、説明する。
「進行波誘電泳動(traveling wave Dielectrophoresis(tw−DEP))」とは、誘電泳動の一種であり、隣り合う電極の交流電流の周波数位相を90°ずつ変化させることにより生じた進行波電場内で起こる誘電泳動をいう。この進行波誘電泳動は、下記の数式1で示すことができる。
特開平11−347392号公報。 特開2003−248008号公報。 特開2008−51508号公報。
前記の通り、微小空間内での溶液の攪拌方法の技術開発は進んでいるが、その方法は、攪拌するための操作工程や、複雑な回路を作成するための製造工程などが煩雑であるのが現状である。
そこで、本発明では、微小空間における分析方法で、従来から用いられていた技術を応用することにより、簡便に溶液の攪拌を行うことができる新規方法を提供することを主目的とする。
本願発明者らは、前記目的を解決するために、微量な溶液を攪拌する方法について鋭意研究した結果、従来から各種分析方法の際の試料の搬送に用いられている進行波誘電泳動法(traveling wave Dielectrophoresis(tw−DEP))に着目することにより、微量な溶液の攪拌に成功し、本発明を完成させるに至った。
本発明では、まず、溶液を攪拌する方法であって、
2以上の電極を用いて、分極可能な粒子を含む溶液に、前記粒子が進行波誘電泳動(traveling wave Dielectrophoresis(tw−DEP))を行う電圧未満の交流電圧を印加して、前記粒子を前記電極端部で環状運動させることにより前記溶液を攪拌する攪拌方法を提供する。
前記電極は、交流電流を流すことができれば、その種類は特に限定されないが、本発明に係る攪拌方法には、進行波発生用の電極を用いることが好ましい。
前記粒子は、交流電圧を印加されることにより前記電極端部で環状運動できれば、その粒径は特に限定されないが、本発明に係る攪拌方法では、1μm以上であることが好ましい。
本発明では、次に、溶液中における物質間の相互作用を検出する方法であって、
2以上の電極を用いて、前記物質および分極可能な粒子を含む溶液に、前記粒子が進行波誘電泳動(traveling wave Dielectrophoresis(tw−DEP))を行う電圧未満の交流電圧を印加して、前記粒子を前記電極端部で環状運動させることにより前記溶液を攪拌する攪拌工程を少なくとも行う相互作用検出方法を提供する。
本発明に係る攪拌方法は、簡便に微量な溶液を攪拌することができるため、微小空間での反応効率を上昇させ、各種分析における検出精度向上、検出時間の短縮、検出効率の改善などを図ることができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<攪拌方法>
図1は、本発明に係る攪拌方法に用いることができる流路1の断面模式図である。本実施形態では、ガラスの基板2上に形成した流路1を用いているが、本発明に係る攪拌方法を行い得る流路1等の形態は、流路1内の溶液に所定の交流電圧を印加できれば特に限定されず、自由に設計することができる。
また、前記流路1の流路幅、流路深さ、流路断面形状も、特に限定されず、後述する攪拌粒子4の大きさや電極間隔等に応じて自由に設計することができる。例えば、流路幅1mm以下のマイクロ流路においても、本発明に係る攪拌方法を行うことが可能である。
流路1内には、複数の電極3を設けている。この電極3も、流路1内の溶液に交流電圧を印加できればその形状、大きさ、素材も特に限定されず、自由に設計することができる。例えば、本実施形態では、厚み0.15μmの断面形状が略長方形のモリブテン(Mo)からなる電極3を用いている。その他、外部と電気的に接続可能な素材であれば、例えば、Pt、Ag、Au、Ru、Rh、Os、Nb、In、Ir、Zn、Mn、Fe、Co、Ti、V、Cr、Pd、Re、Ta、W、Zr、Ge、Hfなどの金属、アルメル、真ちゅう、ジュラルミン、青銅、ニッケリン、白金ロジウム、ハイパーコ、パーマロイ、パーメンダー、洋銀、リン青銅などの合金類、ポリアセチレン類などの導電性高分子、IZO(登録商標、Indium Zinc Oxide)やITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極、グラファイト、カーボンブラックなどの炭素材、HfB2、NbB、CrB2、B4Cなどのホウ化物、TiN、ZrNなどの窒化物、VSi2、NbSi2、MoSi2、TaSi2などのケイ化物、及びこれらの合材等を用いることができる。
また、流路1に設ける電極3の個数、間隔も特に限定されず、自由に設計することができる。例えば、本実施形態では、交流波発生用の電極3として、その間隔は、30μmに設計しているが、後述する分極可能な粒子4の環状運動を効率的に行うには、例えば、粒径1μm以上の攪拌粒子4を用いる場合、電極3間の間隔は、10〜60μmが好ましく、15〜30μmが特に好ましい。
また、電極の形状も特に限定されず、隣り合う電極を平行に配置した電極であって、攪拌粒子4を環状運動させることが可能な形態であれば、自由に設計することができる。例えば、図1に示すように平行なストレート電極に限らず、渦巻き状の電極を用いることも可能である。
電極3の配設方法も特に限定されず、例えば、図1及び図2に示すように、基板2上に直接、配設することができる。図1のように、基板2上に電極3を直接配置した場合には、電極3と流路1の間には、漏電を防止するために絶縁膜5を介在させることが好ましい。
また、図3に示すように、絶縁膜51等に電極3を配設し、該絶縁膜51をガラス基板1上に載せることで、電極3を簡単に配設することができる(図4参照)。基板2上に電極3を直接配設すると、製造コストの上昇が考えられるが、電極3を配設した絶縁膜51等を用いることにより、コスト削減を達成することができる。
また、目的のサンプルを変更する場合には、通常、流路1の洗浄を行う必要があるが、前記の電極3を配設した絶縁膜51等の取り外し可能なものを用いることで、絶縁膜51のみを洗浄することにより、他のサンプルの各種測定等を迅速に行うことが可能となる。
更に、電極3を配設した取り外し可能な絶縁膜51等を用いることで、攪拌が必要な部分のみに該絶縁膜51を設置し、流路1中の溶液を部分的に攪拌することも可能となる。
なお、本実施形態では、絶縁膜51としてアクリル樹脂からなる膜を用いているが、その素材は特に限定されず、電極3による交流電圧の印加に影響がなければ、あらゆる公知の素材を用いることができる。例えば、ポリイミド(PDMS)、SU−8等のエポキシ樹脂、アクリル樹脂(PMMA)等が上げられる。また透明性のあるSiO2膜やSiN膜の積層も有効である。さらに、電極の上に酸化タンタルなど絶縁性のある物質を積層しても良い。
流路1内には、分極可能な攪拌粒子4を配置する。この粒子4が、後述する環状運動をすることで、流路1内の溶液が攪拌される。本実施形態では、分極可能な粒子として、マイクロビーズ4を用いている。
マイクロビーズ(攪拌粒子)4の素材は特に限定されず、誘電分極可能であれば、公知の素材からなる粒子を自由に用いることができる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などの高分子や、SiO、TiOなどの半導体材料、セラミックス、酸化タンタル、チタン酸バリウムなどを用いることができる。その他、タンパク質や細胞などの生体組織も絶縁性があることから環状運動させることができる。
また、平均粒径も特に限定されず、溶液中の攪拌目的の物質の大きさに応じて、自由に設計することができる。本発明に係る攪拌方法では、粒径が1μm以上のマイクロビーズ(攪拌粒子)4を用いることが好ましい。より具体的には、1μm未満の物質を溶液中で攪拌する場合、用いるマイクロビーズ(攪拌粒子)4の平均粒径は、1μm以上が好ましい。溶液内でマイクロビーズ(攪拌粒子)4のみを環状運動させるための電圧設定が容易になるからである。
マイクロビーズ(攪拌粒子)4は、前記電極3を用いて流路1中の溶液に所定の交流電圧を印加することにより、電極端部31付近において環状運動する。以下、マイクロビーズ(攪拌粒子)4の環状運動の原理について、詳しく説明する。
図5は、本発明に係る攪拌方法の原理を説明する概念図であって、流路1を断面から視た場合の電極線の幅を1としたときに生じる進行波力の向きを示す断面概念図である。図5中の矢印は、進行波誘電泳動法を用いて粒子を搬送させる場合における進行波の力の方向を示している。
より具体的に本実施形態の進行波誘電泳動法を説明すると、隣り合う電極3の周波数位相を90°ずつ変化させることで(図2参照)、分極可能な粒子を図5中矢印の方向へ搬送する方法である。
図5の破線楕円X内に示す通り、1/2の電極線幅の高さ以下においては、進行波力の方向が一定方向ではなく、電極端部31(電極のエッジ部分)で渦を巻くような方向になっている。そのため、従来の進行波誘電泳動法では、電圧の大きさを調節して、搬送目的の粒子を1/2の電極線幅以上の高さで搬送するのが一般的である。
しかし、本願発明者は、従来の技術常識から発想の転換を行うことにより、1/2の電極線幅の高さ以下の進行波力の方向に注目して、マイクロビーズ等の分極可能な粒子をこの範囲内で環状運動させることに成功し、これを利用して微量溶液を攪拌できる方法を見出した。
ここで、分極可能な粒子に交流電圧を印加すると、該粒子は負の誘電泳動(negative-DEP)力と重力とのバランスから、下記数式(2)の高さに搬送される。
前記数式1に示す通り、分極可能な粒子を含有する溶液に、交流電圧を印加すると、粒子の質量密度や電圧等に応じて、粒子の高さが決定される。従って、攪拌に用いる粒子4の質量密度に応じて、攪拌粒子4が進行波誘電泳動(traveling wave Dielectrophoresis(tw−DEP))を行う電圧未満、即ち、攪拌粒子4の高さを1/2の電極線幅以下となるように印加電圧等の大きさを制御することで、攪拌粒子4を電極端部31で環状運動させることにより、流路1内の溶液および溶液内に存在する物質等を攪拌することができる。
具体的な一例として、例えば、流路1内で、核酸鎖(相補鎖)間のハイブリダイゼーションやタンパク質間の相互作用の進行を促進させるために、本発明に係る攪拌方法を用いる場合を説明する。本実施形態では、粒径が1μm以上のマイクロビーズ4を攪拌粒子として用いている。
核酸鎖やタンパク質はナノオーダーの微小物質であり、また、溶媒のブラウン運動の作用も働くことにより、粒径が1μm以上のマイクロビーズ4を進行波誘電泳動(traveling wave Dielectrophoresis(tw−DEP))させるよりも大きな電圧を印加しなければ、誘電泳動させることができない。そのため、1μm以上のマイクロビーズ4が進行波誘電泳動(traveling wave Dielectrophoresis(tw−DEP))を行う電圧未満の交流電圧(以下「環状運動電圧」と称する。)を溶液へ印加しても、核酸鎖やタンパク質は誘電泳動することはない。
そのため、核酸鎖やたんぱく質、及びマイクロビーズ4が存在する溶液に、前記環状運動電圧を印加すると、核酸鎖やタンパク質が誘電泳動を起こすことなく、マイクロビーズ4のみを、電極端部31において環状運動させることができる。
そして、この環状運動により、溶液及び溶液中に存在する核酸鎖やタンパク質の攪拌を行うことができる。その結果、溶液内での核酸鎖(相補鎖)間のハイブリダイゼーションやタンパク質間の相互作用の進行を促進させることが可能となる。
このように、マイクロビーズ4等の攪拌粒子と、核酸鎖やタンパク質等の溶液内に存在する攪拌対象物質との大きさ(質量密度)の差を利用して、攪拌粒子のみを環状運動させ得る電圧への制御を行うことにより、攪拌を行うことができる。
また、攪拌粒子と溶液内に存在する攪拌対象物質の大きさ(質量密度)に差がない場合であっても、攪拌粒子および攪拌対象物質の両方を環状運動させ得る電圧に制御することにより、攪拌を行うことも自由である。
以上説明した攪拌方法で攪拌することが可能な物質は、細胞や微生物、リポソーム、DNA、タンパク質などの生体関連微小粒子、あるいはラテックス粒子やゲル粒子、工業用粒子などの合成粒子、蛍光色素等の蛍光物質、抗体、放射性物質、マイクロビーズ、あるいは、固体に限らずpH調整液、濃度調整液、溶血液、生理食塩水などあらゆる試薬や調製液、薬液など、溶液中に存在する物質であれば、全て包含する。
また、本発明に係る攪拌方法で攪拌することにより、前記の溶液内での核酸鎖(相補鎖)間のハイブリダイゼーションやタンパク質間の相互作用の進行を促進させるのみならず、例えば、抗原抗体反応、酵素反応、ホルモン応答反応、低分子化合物が関与する諸反応、溶液同士の混合、物質の化学的又は物理的修飾などを促進させることにも貢献できる。
<相互作用検出方法>
本発明に係る相互作用検出方法は、2以上の電極を用いて、相互作用を起こす物質および分極可能な粒子を含む溶液に所定の交流電圧を印加して、該粒子を前記電極端部で環状運動させることにより前記溶液を攪拌する攪拌工程を少なくとも行う方法である。
本発明に係る相互作用検出方法は、物質間の相互作用が溶液内において進行するものであれば、あらゆる相互作用を検出することができる。一例としては、核酸鎖(相補鎖)間のハイブリダイゼーション、タンパク質間の相互作用、抗原抗体反応、酵素反応、ホルモン応答反応、低分子化合物が関与する諸反応、物質の化学的又は物理的修飾等が挙げられる。
本発明に係る相互作用検出方法の具体的な一例として、核酸鎖(相補鎖)間のハイブリダイゼーションを検出する方法について、図6を用いて説明する。
図6は、図1に示す流路1を用いて本発明に係る相互作用検出方法を行う場合の断面模式図である。図6中破線円で示す拡大図は、流路1の溶液中に存在する物質を拡大した拡大模式図である。
図6に示すように、流路1に満たされた溶液中には、核酸鎖Aと核酸鎖Bが存在する。この核酸鎖Aには、光学的検出を可能とするために、蛍光物質Fで予め標識している。なお、本実施形態では、核酸鎖Aを蛍光物質Fで予め標識しているが、核酸鎖Aを蛍光物質Fによる標識を行う段階で、本発明に係る攪拌方法を用いて、標識(修飾)速度等の向上を図ることも可能である。
蛍光物質Fの種類は特に限定されず、公知のあらゆる蛍光物質Fを用いることができる。例えば、Cascade Blue、Fluorescein isothiocyanate(FITC)、Phycoerythrin(PE)、Phycoerythrin-Cy5(PE-Cy5)、Phycoerythrin-Cy7(PE-Cy7)、Texas Red、Allophycocyanin(APC)、Allophycocyanin-Cy7 (APC-Cy7)等が挙げられる。
溶液内には、核酸鎖Aおよび核酸鎖Bとは別に、攪拌粒子となるマイクロビーズ4を存在させる。そして、この溶液に、電極3を用いて所定の電圧を印加することにより、マイクロビーズ4を電極端部31において、環状運動させる。この環状運動によって、溶液中に存在する核酸鎖Aと核酸鎖Bとが攪拌されることにより、核酸鎖AB間のハイブリダイゼーションが確実に進行する。
なお、マイクロビーズ(攪拌粒子)4の環状運動の原理、及び、環状運動させるための電圧の制御方法については、前述した攪拌方法と同一であるため、ここでは説明を割愛する。
前記のように攪拌によってハイブリダイゼーションが進行させた後、2本鎖となった核酸鎖ABから発せられる蛍光を光学的に検出することにより核酸鎖Aおよび核酸鎖Bのハイブリダイゼーションの有無を検出することが可能となる。
このように、本発明に係る相互作用検出方法では、溶液中に存在する物質が攪拌されることにより、物質間の相互作用が効率的且つ迅速に進行するため、迅速且つ正確な検出を行うことが可能となる。
本実施形態では、検出のための標識物質として蛍光物質Fを用いたが、標識物質は特に限定されず、公知のあらゆる標識物質を用いることができる。例えば、図7に示すように、インターカレーターを用いて、核酸鎖AB間のハイブリダイゼーションの有無を検出することもできる。インターカレーターとは、二本鎖核酸の相補鎖部位に結合して蛍光等を発する物質であって、例えば、POPO−1やTOTO−3、SYBR(登録商標)GreenI、PicoGreen、Hoechst33258などを挙げることができる。
また、本実施形態では、蛍光測定を用いて相互作用を検出しているが、検出方法は特に限定されず、公知のあらゆる方法を自由に採用することができる。例えば、その他の光学的方法、電気的方法、磁気的方法などを挙げることができる。
光学的方法としては、蛍光測定の他にも、例えば、散乱光測定、透過光測定、反射光測定、回折光測定、紫外分光測定、赤外分光測定、ラマン分光測定、FRET測定、FISH測定その他各種スペクトラム測定等の方法が挙げられる。また、電荷結合素子(CCD)やComplementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)などのエリア撮像素子を用いて検出を行えば、一画面全体の核酸鎖ABから発せられるイメージを光電変換することができる。
電気的方法としては、例えば、溶液中に存在する物質に関する抵抗値、容量値(キャパシタンス値)、インダクタンス値、インピーダンス、電極間の電界の変化値等の測定を行う方法が挙げられる。
磁気的方法としては、例えば、溶液中に存在する物質の表面に磁性体を修飾し、磁化、磁界変化、磁場変化等の測定を行う方法が挙げられる。
更に、本実施形態では、核酸鎖Aおよび核酸鎖Bのいずれも溶液内に遊離した状態で検出を行っているが、例えば、図8に示すように、絶縁膜51や基板2の表面に核酸鎖Aを固定した状態で行ってもよい。本発明に係る攪拌は、電極端部31の近傍を攪拌粒子が環状運動することにより行うため、図8のように、電極3の近傍に、核酸鎖A等を固定することで、相互作用の反応効率も上昇すると考えられる。
物質の固定を行う場合には、前記のように絶縁膜51や基板2上に固定することに限定されず、図9に示すように、攪拌粒子となるマイクロビーズ4自体に直接固定することも可能である。なお、図9は、マイクロビーズ4に抗体Cを固定し、溶液中に遊離している抗原Dとの抗原抗体反応を検出する方法を示す模式図である。
このように、攪拌粒子自体に相互作用を行い得る物質を固定することで、攪拌を行いながらより効率的且つ迅速な相互作用の進行が実現できる。
以上説明した相互作用検出方法は、検出精度向上、検出時間の短縮、検出効率の改善などを図り、あらゆる分野におけるターゲット物質の検出、若しくは含有量、構成成分、又は機能等の解析などに利用することができる。
本実施例では、様々な粒径を持つ攪拌粒子4を用いて、環状運動を行うための条件について調べた。具体的には、図10に示すように、ガラスで形成された基板上に、深さ約40μmの流路を形成し、電極としてMo電極及びIZO(登録商標、Indium Zinc Oxide)透明電極、絶縁膜としてアクリル樹脂膜を用いた。攪拌粒子としては、下記表1に示す粒径のポリスチレン、又はSiOからなるマイクロビーズを用いた。電圧4.0、8.0Vp-p、印加電圧周波数0.89、2.9、10、50、200、800kHzで行った。
各ビーズの粒径と、各ビーズが環状運動した条件を表1に示す。
なお、各実施例1〜6のビーズが環状運動を行う条件は一例にすぎないが、本実施例では、全ての実施例1〜6におけるビーズについて、環状運動を確認することができた。
本発明に係る攪拌方法に用いることができる流路1の断面模式図である。 本発明に係る攪拌方法に用いることができる流路1を形成するための基板2の斜視模式図である。 本発明に係る攪拌方法に用いることができる電極3を配設した絶縁膜51の斜視模式図である。 本発明に係る攪拌方法に用いることができる図1とは異なる流路1の断面模式図である。 本発明に係る攪拌方法の原理を説明する概念図であって、流路1を断面から視た場合の電極線の幅を1としたときに生じる進行波力の向きを示す断面概念図である。 図1に示す流路1を用いて本発明に係る相互作用検出方法の一実施形態を示す断面模式図であり、図中破線円で示す拡大図は、流路1の溶液中に存在する物質を拡大した拡大模式図である。 図1に示す流路1を用いて本発明に係る相互作用検出方法を行う場合の図6とは異なる実施形態を示す断面模式図であり、図中破線円で示す拡大図は、流路1の溶液中に存在する物質を拡大した拡大模式図である。 図4に示す流路1を用いて本発明に係る相互作用検出方法の一実施形態を示す断面模式図であり、図中破線円で示す拡大図は、流路1の溶液中に存在する物質を拡大した拡大模式図である。 図1に示す流路1を用いて本発明に係る相互作用検出方法を行う場合の図6及び図7とは異なる実施形態を示す断面模式図であり、図中破線円で示す拡大図は、流路1の溶液中に存在する物質を拡大した拡大模式図である。 実施例で用いた流路の断面模式図である。
符号の説明
1 流路
2 基板
3 電極
31 電極端部
4 マイクロビーズ(攪拌粒子)
5、51 絶縁膜
A 核酸鎖
B 核酸鎖
C 抗体
D 抗原
F 蛍光物質
I インターカレーター
X 環状運動

Claims (4)

  1. 溶液を攪拌する方法であって、
    2以上の電極を用いて、分極可能な粒子を含む溶液に、前記粒子が進行波誘電泳動(traveling wave Dielectrophoresis(tw−DEP))を行う電圧未満の交流電圧を印加して、前記粒子を前記電極端部で環状運動させることにより前記溶液を攪拌する攪拌方法。
  2. 前記電極は、進行波発生用の電極である請求項1記載の攪拌方法。
  3. 前記粒子の粒径が、1μm以上である請求項1又は2に記載の攪拌方法。
  4. 溶液中における物質間の相互作用を検出する方法であって、
    2以上の電極を用いて、前記物質および分極可能な粒子を含む溶液に、前記粒子が進行波誘電泳動(traveling wave Dielectrophoresis(tw−DEP))を行う電圧未満の交流電圧を印加して、前記粒子を前記電極端部で環状運動させることにより前記溶液を攪拌する攪拌工程を少なくとも行う相互作用検出方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010106989A1 (ja) * 2009-03-16 2010-09-23 東レ株式会社 分析チップ、分析方法及び溶液の攪拌方法
JP2014204488A (ja) * 2013-04-02 2014-10-27 株式会社東芝 電気機器用コーティング材、電気機器用コーティング材の製造方法および密閉型絶縁装置

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