以下、本実施の形態における無線通信装置と無線通信網の構成及びソフトウェア更新方法について図面を用いて詳細に説明する。
(第1のソフトウェア更新)
図1は、本実施の形態を適用する無線通信網の構成例を示すブロック図である。無線通信網(10)は、以下のように構成され端末間の通信を行う。
複数の移動可能な端末MS1、MS2(300−1、2)と、複数の無線通信装置(以下、基地局と称す)BS1〜BS8(110−1〜8)とは無線通信路(図示せず)で接続される。具体的には、各基地局BSは、セルラ(100−1〜8)と呼ばれる電波の到達範囲を備え、例えば端末MSとCDMAを用いた無線通信を行う。図示していないが、実際の各基地局のセルラは互いにオーバーラップしており、例えば、端末MS1(300−1)からは複数の基地局BS1と2(110−1、2)を介した通信路(900−2と910−2)が設定可能である。尚、本実施の形態では、これら複数の基地局BS1〜8(110−1〜8)が端末MSと通信できるエリアを移動体通信網400と称する。
移動体通信網(400−1)の各基地局BS1〜8(110−1〜8)は、基地局制御部(制御装置)(200−1)と主信号通信路(500−1)で接続される。基地局制御部(200)は、以下で詳述するが、例えば、3GPPのTR25.832の5.2.1章(非特許文献1参照)で定められたようなソフトハンドオーバを行うダイバーシティハンドオーバユニットDHT(210)を備え、複数の通信路(900、910)から通信品質の良い1つの通信路を選択して通信を行う。
端末MS1(300−1)からの着信先が同じ移動体通信網(400−1)にあれば、基地局制御部(200−1)は、配下の基地局BS1〜8(110−1〜8)のいずれかにDHT(210)が選択した信号(930)を戻して着信先端末MSと通信する。一方、基地局制御部(200−1)は、着信先が別の移動体通信網(400−2:詳細構成は400−1とほぼ同じなので省略する)の端末であれば、基地局制御部(200)同士を接続する通信網(150)を介し、基地局制御部(200−2)と移動体通信網(400−2)を用いて信号(930−2)送受信することにより、着信先端末と通信する。尚、上記通信網(150)は、公衆網、専用線網、私設網のいずれであっても構わない。また、移動体通信網(400−2)は、有線通信網とそれに固定的に設置される端末とで構成された所謂固定網であっても構わない。
網管理装置(250)は、通信網(10)に備えられた基地局BS(110)及び基地局制御部(200)と監視・保守等の制御信号を送受信する制御信号通信路(600)で接続され、例えば、基地局(110)のソフトウェアの更新を行う等、通信網(10)の設備全体を管理・制御するための装置である。尚、基地局BS(110)、基地局制御部(200)、網管理装置(250)は、図1に示す数に限らず、適宜の数備えることができる。
図2は、通信網に備えられた基地局の構成例を示すブロック図である。基地局(110)は以下のように構成され、端末および基地局制御部間の接続や網管理装置との通信を行う。
基地局(110)は、端末MS(300)から図示していない無線通信路を介して送信された信号(電波信号)をアンテナ(119)で受信すると、無線IFユニット(116)で電気信号への変換等終端処理を行う。終端処理後の信号に対して各種通信サービスを行う為の処理(例えば、呼制御等の通信処理)を通信処理ユニット(117)で実施し、回線IFユニット(118)で基地局制御部(200)とのインタフェース整合をとった後、この信号を主信号通信路(500)を介して基地局制御部(200)に送信する。基地局(110)は、基地局制御部(200)からの信号は上記プロセスと逆のプロセスにより端末MS(300)へ送信する。
基地局(110)のCPU(111)は、メモリ(112)に蓄積された制御プログラムや、記憶装置(113)に蓄積された無線通信網(10)の運用に必要なデータ(例えば、端末の情報他)を用いて基地局(110)全体を制御するものである。又、上記これらのユニット等は内部バス(115)で接続されている。内部バス(115)に接続されたI/O(114)は、網管理装置(250)とのインタフェースであり、通信網(10)の運用・保守等の制御に必要な制御信号(命令他)や各種データを制御信号通信路(600)を介して送受信するものである。尚、I/O(114)を備えずに主信号通信路(500)を用いて、主信号通信路(500)を介して送受信される信号にこれらの制御信号やデータを付加し、回線IFユニット(118)経由で送受信する構成としても良い。
この基地局(110)は、無線通信網(10)で提供する通信サービスの更新に伴い、CPU(111)が、メモリ(112)に格納されるソフトウェア(制御プログラム他)、あるいは、無線IFユニット(116)・通信処理ユニット(117)・回線IFユニット(118)に格納されるファームウェア(制御プログラム他)を、後述するような手順と動作で、基地局が使用中(運用中、あるいは、オンライン状態)のままで更新するものである。尚、以下の本実施の形態では、基地局が使用中のままで上述したようなソフトウェアやファームウェアを更新する動作をオンラインアップグレードと称することがある。
図3は、基地局制御部の構成例を示すブロック図である。基地局制御部(200)は以下のように構成され、基地局制御部(200)同士を接続する通信網(150)および基地局を接続し、また基地局(110)の制御も行う。
基地局制御部(200)は、各基地局(110)とのインタフェースである複数の回線IFユニット(206−1〜n)と、通信網(図1:150)とのインタフェースである複数の回線IFユニット(208−1〜m)と、3GPP等の規格(例えば、非特許文献1参照)で定められたソフトハンドオーバの処理を行う複数のダイバーシティハンドオーバユニットDHT(210−1、2)とをスイッチ(207)で接続して基地局(200)の通信を行うものである。尚、上記回線IFユニット(208)やDHT(210)は、通信網の規模によっては単数で構成することもある。
基地局制御部(200)のCPU(201)は、メモリ(202)に蓄積された制御プログラムや記憶装置(203)に蓄積された無線通信網(10)の運用に必要なデータ(例えば、端末や基地局の情報他)を用いながら基地局制御部(200)全体、ならびに、該基地局制御部(200)に接続された基地局(110)を制御する。又、上記これらのユニット等は内部バス(205)で接続されている。
更に、上記メモリ(202)あるいは記憶装置(203)は、基地局(110)でのオンラインアップグレードに必要なプログラム(ソフトウェアやファームウェア)を一時保管するものである。又、内部バス(205)に接続されたI/O(204)は、網管理装置(250)とのインタフェースであり、無線通信網(10)の運用・保守等の制御に必要な制御信号(命令他)や各種データを制御信号通信路(600)を介して送受信するものである。尚、I/O(204)を備えずに主信号通信路(500)等を用いて、主信号通信路(500)を介して送受信される信号にこれらの制御信号やデータを付加して回線IFユニット(206あるいは208)経由で送受信する構成としても良い。
次に、ハンドオーバーについて説明する。本実施の形態では、3GPP等の規格(例えば、非特許文献1参照)で定められたソフトハンドオーバの処理を基地局制御部(200)が実施するもので、具体的な動作を図1及び図3を参照して説明する。尚、DHT(210)としては、特開2001−16227号公報(特許文献5参照)に開示されたような構成と方法でダイバーシティハンドオーバ(ソフトハンドオーバ)を行うものを用いることができる(該公報の図面でDH(30)に相当する)。尚、該公報はATMで記載してあるが、非ATMの信号でも同様な構成と方法で処理できるものであり、本願発明の無線通信装置や無線通信網がATM信号を扱うものに限定されるものではない。
端末MS1(300−1)からの信号は、少なくとも2つの基地局を介して基地局制御部(200)に到達する。例えば、図1において、信号は通信路(900−2、910−2)を介して基地局制御部(200−1)に到達する。基地局制御部(200)は、回線IF(206)で受信された少なくとも2つの信号を、それぞれスイッチ(207)を介して同じDHT(210−1、2のいずれか)に入力する。
DHT(210)は、入力された少なくとも2つの信号に含まれる無線通信路の状態の情報に基づき、電波状態の良い方から受信した信号を選択する。例えば、DHT(210)は、基地局BS1(110−1)の電波状態が悪い場合には、通信路(900−2、910−2)を介して受信した信号のうち、電波状態の良い通信路(910−2)からの信号を選択する。DHT(210)で選択された信号は、スイッチ(207)と回線IF(206もしくは208)を介して宛先に向け出力される。具体的には、宛先が同じ移動体通信網400にあれば回線IF(206)を介して宛先の基地局(110)に出力し、その他の場合は回線IF(208)を介して選択した信号(図1:930−2)を通信網(図1:150)に出力する。なお、DHT(210)は、必要に応じて複数の受信信号を合成する場合もある。
DHT(210)は、選択結果(どの基地局(110)からの信号が選択されたか)を、呼の情報としてメモリ(202)もしくは記憶装置(203)に蓄積し、後述する基地局(110)のソフトウェア変更時に基地局を選択する情報として用いられるようにする。又、回線IF(206)を介する経路やI/O(204)で網管理装置(250)を介する経路を用いて、信号を送信してきた各基地局(110)及び/又は網管理装置(250)に選択結果を通知し、各基地局(110)及び/又は網管理装置(250)のメモリ(112、252)もしくは記憶装置(113、253)に呼の情報として蓄積する構成としても良い。
尚、メモリ(202)もしくは記憶装置(203)に蓄積する呼の情報としては、実際に基地局(110)と基地局制御部(200)とで送受信される呼の設定や切断等の制御信号に基づき作成して蓄積する構成としても良い。この場合は、基地局(110)自身でも呼の状態が管理出来るので、基地局制御部(200)から選択結果(呼の情報)を各基地局(110)に通知する必要はない。
図4は、網管理装置の構成例を示すブロック図である。網管理装置(250)は以下のように構成され、制御信号通信路(600)を介して基地局(110)もしくは基地局制御部(200)と通信し、及び、これらを制御する。
この網管理装置(250)は、複数の基地局(110)を収容する移動体通信網(400)を複数個備えて構成した無線通信網(10)全体の保守運用を管理する装置である。具体的には、網管理装置(250)は、例えば、複数のI/O(254)と、CPU(251)と、メモリ(252)と、記憶装置(253)と、キーボード(256)と、モニタ(257)とを備え、これらが内部バス(255)で接続されている。
I/O(254)は、無線通信網(10)に備えられた基地局(110)や基地局制御部(200)の通信インタフェースである。CPU(251)は、網管理装置(250)全体を制御し、I/O(254)を介して制御信号(命令他)やデータを送受信することで、基地局(110)を含む移動体通信網(400)全体も保守運用する。
メモリ(252)は、CPU(251)の動作プログラム等を格納する。記憶装置(253)は、網管理装置(250)で無線通信網(10)を運用するのに必要なデータ(例えば、端末や基地局の情報他)、ならびに、基地局(110)で新たに更新するソフトウェアやファームウェアを格納する。キーボード(256)は、例えば保守者からの指示を入力するための入力手段であり、モニタ(257)は、保守者に無線通信網(10)の運用状態等を通知するための表示手段である。
そして、例えば保守者の指示に従い、記憶装置(253)にオンラインアップグレードで更新すべきソフトウェアやファームウェアを格納した後、以下で説明する手順により、基地局(110)のオンラインアップグレードを支援する。
図5は、基地局BS1(110−1)およびBS8(110−8)の送信電波を図1に比べて下げた場合の無線通信網の構成および動作例を示すブロック図である。図1では基地局BS1(110−1)のセルラ(100−1)は、隣接する基地局BS2〜7(110−2〜7)のセルラ(100−2〜7)とオーバーラップしていたが、図5に示すような状態では基地局BS1(110−1)の送信電波を下げたためにセルラ(100−1)が狭まり、他のセルラとオーバーラップしない。基地局BS8(110−8)のセルラ(100−8)も同様に基地局BS2およびBS3(110−2と3)のセルラ(100−2と3)とオーバーラップしない。
これにより、端末MS1(300−1)は基地局BS1(110−1)との通信路(900−2)を設定できなくなり、基地局BS2(110−2)とのみ通信路を設定可能になる。端末MS1(300−1)は図1では通信品質のよい通信路(900−2)を選択していたが、図5に示すような状態では設定できなくなったため、基地局制御部(200−1)に備えられているDHT(210−2)により通信路(910−2)に切換えられる。端末MS2についても同様の理屈で通信路(900−1)から通信路(910−1)に切換えられる。また、基地局制御部(200−1)は、切り換えられた通信路からの信号(920−1、2)を用いて着信先端末と通信する。
このように基地局の送信電波を制御することにより、通信サービス提供中の通信路を特定の基地局から隣接の基地局に無瞬断で切換え、該基地局では通信サービスが提供されていない状態を作り出すことが可能になる。このような状態においてソフトウェアの更新を行い、ソフトウェア更新後は送信電波を元に戻す。この処理を、所定の規則でソフトウェアを更新する基地局の選択を繰返し行い、選択された基地局に対して実行することによって、通信サービスが途断することなく無線通信網内の基地局ソフトウェア更新が可能になる。
図6は、基地局のソフトウェア更新動作の一例を説明する動作説明図である。網管理装置(250)はまずソフトウェアを更新する基地局を所定の規則で選択する(グループ化)処理(7−1)を行う。以下、処理(7−1)において選択した基地局の集まりを基地局グループ1(800−1)と称する。なお、基地局選択の詳細については後述する。網管理装置(250)が基地局グループ1に対してソフトウェア転送を要求する処理(7−2)を行うと、基地局グループ1(800−1)に属する各基地局は新しいソフトウェアを網管理装置(250)から取得する処理(7−3)を行い、ソフトウェア転送完了応答を網管理装置(250)に送信する処理(7−4)を行う。網管理装置(250)は、基地局グループ1(800−1)以外の基地局(800−x)に対してサービス停止動作を禁止する処理(7−5)を行い、基地局グループ1(800−1)に対してソフトウェア更新要求を送信する処理(7−6)を行う。なお、上述の処理(7−5)は省略することもできる。
基地局グループ1(800−1)に属する基地局は、該要求を受信すると送信電力を徐々に下げる処理(7−7)を行う。これにより該基地局に接続されていた呼は順次隣接基地局にハンドオーバする。基地局グループ1(800−1)に属する基地局は、自基地局に接続されている呼(通信サービス提供中の通信路)がゼロになったことを確認する処理(7−9)を行う。なお、各基地局は、メモリ(112)もしくは記憶装置(113)に記憶されている呼の情報を参照することにより、または、基地局制御部(200)で管理されている呼の情報を参照することにより、自基地局に接続されている呼がゼロになったことを確認することができる。呼がゼロになったことの確認後、自基地局をリセットする処理(7−10)により新しいソフトウェアを読み込む処理(7−11)を行い、基地局を再開する処理(7−12)を行う。基地局グループ1(800−1)に属する基地局は、更に自基地局の送信電力を徐々に上げる処理(7−13)を行い、元の送信電力に達したところで網管理装置(250)へソフトウェア更新完了応答を送信する処理(7−14)を行う。
網管理装置(250)は、基地局グループ1(800−1)に属する全ての基地局からソフトウェア更新完了応答を受信した後に、ソフトウェアを更新する基地局を新たに選択(グループ化)する処理(7−15)を行う。以下、選択した基地局の集まりを基地局グループ2(800−2)と称する。網管理装置250はこの基地局グループ2(800−2)に対してソフトウェア転送を要求する処理(7−16)を行う。なお、処理(7−16)は、上述の処理(7−2)と同様である。網管理装置(250)は、基地局グループ1(800−1)に対して行った処理(7−2〜7−14)と同様の処理を基地局グループ2(800−2)に対しても行う。これらの処理をどの基地局グループにも属さない基地局がなくなるまで繰返すことによって、全ての基地局のソフトウェア更新を行うことができる。
ソフトウェアを更新する基地局に接続され、サービスが提供中である呼の通信路を隣接基地局に切換えるためには、隣接基地局を同時にソフトウェア更新しないほうがよい。よって、ソフトウェア更新対象基地局の選択には所定の規則が必要になる。
図7は、網管理装置における、ソフトウェアを更新する基地局の選択動作の一例を示す動作フロー図である。図7に示すフロー図は、図6における処理(7−1)および処理(7−15)の詳細フローである。図7に示す動作により、網管理装置(250)は、基地局グループn(nは1以上の整数)を選択作成する。
まず、網管理装置(250)は、メモリ(252)から呼接続数を読み込む処理(8−1)を行う。なお、網管理装置(250)は、呼接続数を基地局制御部(200)又は各基地局(110)から読み込んでも良い。次に、網管理装置(250)は、どのグループにも属していない基地局、かつ、処理8−4および処理8−8で選択候補から除外されていない基地局を基地局グループnの候補とする処理(8−2)を行い、その候補の中から呼接続数の最も小さな基地局(もしくはあらかじめ定められた呼接続数より呼接続数が少ない基地局)を割り出し、該基地局を「基地局A」とする処理(8−3)を行う。
次に、網管理装置(250)は、「基地局A」の呼接続数があらかじめ定められた値よりも大きい場合は、該基地局を選択候補から除外する処理(8−4)を行う。一方、大きくない場合は、網管理装置(250)は、「基地局A」を基地局グループnに属させる処理(8−6)を行い、「基地局A」の隣接基地局情報をメモリ(252)から取得する処理(8−7)を行う。「基地局A」の隣接基地局は、基地局グループnの候補から外す処理(8−8)により選択候補から除外される。なお、上述の処理(8−4)で該基地局を選択候補から除外した場合は、処理(8−6)から処理(8−8)までの処理は行わなくてもよい。
網管理装置(250)は、その後、基地局グループnの候補となる基地局が残っているかどうか判断する処理(8−9)を行い、その結果、候補となる基地局がまだ残っていると判断した場合は処理(8−2)へ戻り、再び処理(8−2)以下の処理を行う。一方、残っていない場合、網管理装置(250)は、基地局グループnの作成選択終了処理(8−10)を行う。
以上の処理を実行することにより、ソフトウェア更新を行う基地局の隣接基地局を同時にソフトウェア更新することがなくなるので、ソフトウェア更新を行う基地局にて通信サービス提供中の呼は、隣接基地局に通信路を切換えることが可能になる。
図8、9、10、11および12は、図7に示した基地局選択動作の様子を説明する説明図(1)〜(5)である。網管理装置(250)のメモリ(252)には、例えば、図8、9、10、11および12のいずれかに示すような、基地局番号、基地局に接続されている呼数(呼接続数)、隣接基地局番号およびグループ情報を含むテーブルが存在する。このテーブルを用いて、図7に示した処理を行うことにより、同時にソフトウェア更新を行う基地局のグループを選択することができる。以下に図8、9、10、11および12を用いて、基地局選択動作について説明する。
図8は、基地局グループ選択を行う前の状態を表す図である。まず、基地局グループ1の作成について説明する。図中の「グループ」列の「0」は未だその基地局がどのグループにも属していない、すなわち、選択候補となることを表している。網管理装置(250)は、図7の選択動作に従い、処理8−1〜8−6により最初に最も呼接続数が5と少ない基地局1(もしくはあらかじめ定められた呼接続数(この例では、例えば15)よりも呼接続数が少なくかつ最初にみつかった基地局1)を選択し、グループ番号欄に「1」を付与する。
次に、図7の処理8−7〜8−8により、基地局1に対応する隣接基地局番号を参照し、該基地局番号に該当する基地局のグループ番号欄に「×」を付与する。ここで、「×」は、選択候補から除外されていることを示す。
図9は、そのときの状態を表している。
さらに、図7の処理8−9により、網管理装置(250)は、選択候補となる基地局が残っているので、処理8−2以降の基地局の選択を再度行う。
網管理装置(250)は、「0」が付与された基地局(あるいは「1」および「×」が付与された基地局以外の基地局)から、最も呼接続数が6と少ない基地局21(もしくはあらかじめ定められた呼接続数(この例では、例えば15)よりも呼接続数が少なくかつ最初にみつかった基地局21)を選択し(処理8−2〜8−4)、グループ番号欄に「1」を付与し(処理8−6)、基地局21の隣接基地局番号22を参照して(処理8−7)、基地局22のグループ番号欄に「×」を付与する(処理8−8)。
更に、処理8−9を経て処理8−2以降により、グループ番号欄に「0」が付与された基地局(あるいは「1」および「×」が付与された基地局以外の基地局)から、最も呼接続数が11と少ない基地局8(もしくはあらかじめ定められた呼接続数(例えば15)よりも呼接続数が少なくかつ最初にみつかった基地局8)を選択し、グループ番号欄に「1」を付与する。この処理をグループ番号欄が「1」および「×」でない基地局がなくなるまで続けることによって基地局グループ1を作成選択することができる(その後、処理8−10へ移行)。
図10は、基地局グループ1の選択を完了したときの図である。網管理装置(250)は、グループ番号欄に「1」が付与されている基地局に対して、ソフトウェア更新の処理を行う。また、網管理装置(250)は、基地局グループ1に対するソフトウェア更新の終了後、グループ番号欄の「×」を、例えば「0」等の更新済み又は選択候補であることを示すデータに変更し、上述と同様にして基地局グループ2を選択する。この例では、グループ番号欄に記憶されている「0」は、ソフトウェアの更新がされていないこと(選択候補であること)を示し、「1」などのグループ番号はソフトウェアの更新がされていることを示す。
図11は、基地局グループ2の選択を完了したときの図である。図11においても、網管理装置(250)は、図10の基地局グループ1を選択した場合と同様にして、基地局を選択しグループ番号「2」もしくは「×」を付与する。図11の場合、基地局がグループ2に選択される順番は図7に示す選択動作(呼接続数が最小の基地局を選択する場合)に従うと基地局5、基地局22、基地局7、基地局3になる。
なお、図10と図11では基地局に接続している呼の数が異なる。これは基地局グループ1のソフトウェア更新時と基地局グループ2のソフトウェア更新時では時間に開きがあるために呼が移動するなどして接続呼数が変動していることを意味している。本実施の形態では、基地局グループの選択処理中に参照する呼接続数が変動しないように、選択処理中において呼接続数を読み込み、読み込んだ呼接続数を参照して選択処理を行っている。なお、これに限らず、変動する呼接続数を参照して選択処理を行ってもよい。
図12は、基地局グループ3の選択を完了したときの図である。図12においても網管理装置(250)は、図10および図11の基地局グループ1および2を選択した場合と同様にして、基地局を選択しグループ番号3もしくは「×」を付与する。図12の場合、基地局がグループ3に選択される順番は、図7に示す選択動作(呼接続数が最小の基地局を選択する場合)に従うと基地局6、基地局4、基地局2になる。図12のように、グループ選択を完了した時点でもはや「×」の基地局が存在しない場合は、全ての基地局にグループ番号が付与され、基地局グループ作成が完了したことを意味する。
図13は、ソフトウェアを更新する基地局における送信電力減少処理の動作例を示す動作説明図である。図13の動作例は、図6に示す処理(7−7)の詳細処理である。ソフトウェアを更新する基地局(110)では、網管理装置(250)からのソフトウェア更新要求を受けて、CPU(111)が送信電力減少処理(12−1)を開始する。CPU(111)は、あらかじめ定められている電力減少幅だけ送信電力を減少させるよう無線IF(116)に要求する処理(12−2)を行う。無線IF(116)は、該要求を受けて送信電力を減少させる処理(12−3)を実行し、送信電力減少後の送信電力値をCPU(111)に通知する処理(12−4)を行う。CPU(111)は、無線IF(116)から通知された電力値が予め設定された送信電力の下限値か否か判断する処理(12−5)を行い、下限値でなければ処理(12−2)に戻り、処理(12−2)以下の処理を再び行う。一方、CPU(111)は、通知された電力値が下限値に達していたら、送信電力減少の終了処理(12−6)を行う。
これらの処理により、基地局(110)は、自基地局の送信電力を徐々に下げ、自基地局にて通信サービスを提供している通信路を隣接基地局に切換え、自基地局では通信サービスが提供されていない状態を作り出すことが可能になる。
(第2のソフトウェア更新)
次に本実施の形態を適用するもう一つの無線通信網について以下に述べる。
図14は、本実施の形態を適用する無線通信網の構成例を示すブロック図である。無線通信網(10’)は、以下のように構成され端末間の通信を行う。
複数の移動可能な端末MS1、MS2(300−1、2)と、複数の無線通信装置(以下、基地局と称す)BS1〜BS8(110’−1〜8)とは無線通信路(図示せず)で接続される。具体的には、各基地局BSは、複数のセクタ(130−1〜3)と呼ばれる電波の到達範囲を備え端末MSとCDMAを用いた無線通信を行う。なお、この例ではαセクタ、βセクタ、γセクタの3つが示されるが、これに限らず、基地局は適宜のセクタ数を有することができる。図示していないが、実際の各基地局のセルラは互いにオーバラップしており、端末MS1(300−1)からは基地局BS1のαセクタとγセクタで通信路(900−2と910−2)が設定可能である。尚、本実施の形態では、これら複数の基地局BS1〜8(110’−1〜8)が端末MSと通信できるエリアを移動体通信網400’と称する。
移動体通信網(400’−1)の各基地局BS1〜8(110’−1〜8)は、基地局制御部(制御装置)(200−1)と主信号通信路(500−1)で接続される。基地局制御部(200)は、以下で詳述するが、例えば、3GPPのTR25.832の5.2.1章(非特許文献1参照)で定められたようなソフトハンドオーバを行うダイバーシティハンドオーバユニットDHT(210)を備え、複数の通信路(900、910)から通信品質の良い1つの通信路を選択して通信を行う。
端末MS1(300−1)からの着信先が同じ移動体通信網(400’−1)にあれば、基地局制御部(200−1)は、配下の基地局BS1〜8(110’−1〜8)のいずれかにDHT(210)が選択した信号(930)を戻して着信先端末MSと通信する。一方、基地局制御部(200−1)は、着信先が別の移動体通信網(400’−2:詳細構成は400’−1とほぼ同じなので省略する)の端末であれば、基地局制御部(200)同士を接続する通信網(150)を介して信号を基地局制御部(200−2)と移動体通信網(400’−2)を用いて着信先端末とを送受信する。尚、上記通信網(150)は、公衆網、専用線網、私設網のいずれであっても構わない。また、移動体通信網(400’−2)は、有線通信網とそれに固定的に設置される端末とで構成された所謂固定網であっても構わない。
網管理装置(250)は、通信網(10’)に備えられた基地局BS(110’)及び基地局制御部(200)と監視・保守等の制御信号を送受信する制御信号通信路(600)で接続され、例えば、基地局(110’)のソフトウェアの更新を行う等、通信網(10’)の設備全体を管理・制御するための装置である。尚、基地局BS(110’)、基地局制御部(200)、網管理装置(250)、各基地局BS内のセクタ数は、図14に示す数に限らず、適宜の数備えることができる。
図15は、通信網に備えられた基地局の構成例を示すブロック図である。基地局(110’)は以下のように構成され端末および基地局制御部間の接続や、網管理装置との通信を行う。
基地局(110’)は、端末MS(300)から図示していない無線通信路を介して送信された信号(電波信号)をアンテナ(119’−1)で受信すると、無線IFユニット(116−1)で電気信号への変換等終端処理を行う。終端処理後の信号に対して各種通信サービスを行う為の処理(例えば、呼制御等の通信処理)を通信処理ユニット(117−1)で実施し、回線IFユニット(118)で基地局制御部(200)とのインタフェース整合をとった後、この信号を主信号通信路(500)を介して基地局制御部(200)に送信する。基地局(110’)は、基地局制御部(200)からの信号は上記プロセスと逆のプロセスにより端末MS(300)へ送信する。以上はセクタα制御部(120−1)が信号(電波信号)を送受信した場合であるが、セクタβ御部(120−2)およびセクタγ制御部(120−3)が信号(電波信号)を送受信した場合も同様である。
基地局(110’)の装置管理部(121)のCPU(111−4)は、メモリ(112−4)に蓄積された制御プログラムや、記憶装置(113)に蓄積された無線通信網(10’)の運用に必要なデータ(例えば、端末の情報他)を用いて、各セクタ制御部(120−1〜3)および回線IF(118)などの基地局(110’)全体を制御するものである。
基地局(110’)の各セクタ制御部(120−1〜3)のCPU(111−1〜3)は、メモリ(112−1〜3)に蓄積された制御プログラムを用いて、装置管理部(121)からの指示を受けて、セクタそれぞれの無線IFユニット(116−1〜3)および通信処理(117−1〜3)を制御する。
又、上記これらのユニット等は内部バス(115)で接続されている。内部バス(115)に接続されたI/O(114)は、網管理装置(250)とのインタフェースであり、通信網(10’)の運用・保守等の制御に必要な制御信号(命令他)や各種データを制御信号通信路(600)を介して送受信するものである。尚、I/O(114)を備えずに主信号通信路(500)を用いて、主信号通信路(500)を介して送受信される信号にこれらの制御信号やデータを付加し、回線IFユニット(118)経由で送受信する構成としても良い。
この基地局(110’)は、無線通信網(10’)で提供する通信サービスの更新に伴い、装置管理部(121)のCPU(111−4)が、装置管理部(121)および各セクタ制御部(120−1〜3)のメモリ(112−1〜4)に格納されるソフトウェア(制御プログラム他)、あるいは、無線IFユニット(116−1〜3)・通信処理ユニット(117−1〜3)・回線IFユニット(118)に格納されるファームウェア(制御プログラム他)を、後述するような手順と動作で、基地局が使用中(運用中、あるいは、オンライン状態)のままで更新するものである。尚、以下の本実施の形態では、基地局が使用中のままで上述したようなソフトウェアやファームウェアを更新する動作をオンラインアップグレードと称することがある。
図16は各基地局BS1〜8(110’−1〜8)のαセクタ(120−1)の送信電波出力を図14に比べて下げた場合の無線通信網の構成および動作例を示すブロック図である。図14では基地局BS1(110’−1)のαセクタは、端末MS1(300−1)が位置するエリアをカバーしていたが、図16では各基地局のαセクタの送信電波出力を下げたために、基地局BS1(110’−1)のαセクタがカバーするエリアが狭まり端末MS1(300−1)が位置するエリアをカバーできなくなる。基地局BS8(110’−8)のαセクタも同様に端末MS2(300−2)が位置するエリアをカバーできない。これにより、端末MS1(300−1)は基地局BS1(110’−1)のαセクタとの通信路(900−2)を設定できなくなり、基地局BS1(110’−1)のγセクタとのみ通信路を設定可能になる。端末MS1(300−1)は図14では通信品質のよい通信路(900−2)を選択していたが、図16では設定できなくなったため、基地局制御部(200−1)に備えられているDHT(210−2)により通信路(910−2)に切換えられる。端末MS2についても同様の理屈で通信路(900−1)から通信路(910−1)に切換えられる。また、基地局制御部(200−1)は、切り換えられた通信路からの信号(920−1、2)を用いて着信先端末と通信する。
このように基地局の送信電波を制御することにより、通信サービス提供中の通信路を各基地局の特定セクタから無瞬断で切換え、該セクタでは通信サービスが提供されていない状態を作り出すことが可能になる。このような状態においてソフトウェアの更新を行い、ソフトウェア更新後は送信電波を元に戻すという処理を各基地局共に複数のセクタ(α、βおよびγ)制御部に対して順番に行うことによって、無線通信網内の基地局のソフトウェアを通信サービスが途断することなくソフトウェア更新が可能になる。
図17は基地局のソフトウェア更新動作の一例を説明する動作説明図である。網管理装置(250)は各基地局に対してソフトウェア転送指示処理(17−1)を行う。各基地局は新しいソフトウェアを取得する処理(17−2)により新しいソフトウェアを取得し、網管理装置(250)にソフトウェア転送完了を応答する処理(17−3)を行う。次に網管理装置(250)は各基地局に対してソフトウェア更新指示処理(17−4)を行う。セクタα制御部のソフトウェア更新処理(17−5)、セクタβ制御部のソフトウェア更新処理(17−6)、セクタγ制御部のソフトウェア更新処理(17−7)を順次行い、装置管理部(121)のソフトウェア更新処理(17−8)終了後、網管理装置へソフトウェア更新完了を応答する処理(17−9)を行う。各セクタ制御部のソフトウェア更新処理(17−5〜7)の詳細処理を図18に、更に詳細な処理を図19に示し、また装置管理部(121)のソフトウェア更新処理(17−9)の詳細処理を図20に示している。
図18は各セクタ制御部のソフトウェア更新処理(17−5〜7)の詳細処理を説明する動作フロー図である。まず装置管理部(121)はセクタX(Xはα、βまたはγ)制御部(120)に対して送信電力減少要求処理(18−1)を行う。セクタX制御部(120)は送信電力を徐々に下げる処理(18−2)を行う。これによりセクタXが処理していた呼は隣接するセクタにハンドオーバし、該呼の通信サービスが継続される。セクタX制御部(120)は、送信電力減少処理を完了すると、完了を装置管理部(121)に応答する処理(18−3)を行う。装置管理部(121)はセクタXに接続されている呼がゼロであることを確認する処理(18−4)を行った後にセクタX制御部(120)のソフトウェア更新をセクタX制御部(120)に要求する処理(18−5)を行う。セクタX制御部(120)はソフトウェア更新要求を受けると自身のリセット処理(18−6)を行うことによって、新しいソフトウェアを読込む処理(18−7)を行う。その後、セクタXの再開処理(18−8)およびセクタXの送信電力を徐々に上げる処理(18−9)をセクタX制御部(120)が行うことによって、セクタXの通信処理が再び可能になる。セクタXの送信電力を徐々に上げる処理(18−9)が完了したところで、セクタX制御部(120)は装置管理部(121)に対してソフトウェア更新完了を応答する処理(18−10)を行う。なお、図18の処理は、呼が隣接セクタへハンドオーバできるようにするために、各セクタ(α、βまたはγ)制御部に対して同時には行わず、図17の各セクタ制御部のソフトウェア更新処理(17−5〜7)に示すように順次行うこととする。
図19は、図18で示した送信電力を徐々に下げる処理(18−2)を詳しく説明した動作フロー図である。装置管理部のCPU(111−4)から送信電力減少要求(18−1)を受けて、セクタX制御部(120)のCPU(111−1〜3)が送信電力を減少する処理(19−1)を開始する。CPU(111−1〜3)はあらかじめ定められている電力減少幅だけ送信電力を減少させるよう無線IF(116−1〜3)に要求する処理(19−2)を行う。無線IF(116−1〜3)はそれを受けて送信電力減少処理(19−3)を実行し、送信電力減少後の送信電力値をCPU(111−1〜4)に通知する処理(19−4)を行う。CPU(111−1〜3)は無線IF(116−1〜3)から通知された電力値が送信電力の下限値か否か判断する処理(19−5)を行い、もしも下限値でなければ処理(19−2)を再び行う。もしも通知された電力値が下限値に達していたら送信電力減少の完了応答処理(18−3)を行う。
これらの処理により、基地局は自基地局内のセクタの送信電力を徐々に下げることができ、自基地局にて通信サービスを提供している通信路を隣接セクタもしくは隣接基地局に切換え、自基地局の該当セクタでは通信サービスが提供されていない状態を作り出した上でソフトウェアを更新することが可能になる。
図20は図17における基地局内装置管理部(121)のソフトウェア更新処理(17−9)の詳細を説明した動作フロー図である。装置管理部(121)は自身のリセット処理(20−1)により新しいソフトウェアを読込み(20−2)および装置管理部(121)の再開処理(20−3)を行う。装置管理部(121)をリセットしても主信号通信路(500)には影響しないため、装置管理部(121)のソフトウェア更新中においても通信サービスが途断することはない。
(第3のソフトウェア更新)
次に本実施の形態を適用する更にもう一つの無線通信網について以下に述べる。
図21は、本実施の形態を適用する無線通信網の構成例を示すブロック図である。無線通信網(10’’)は、以下のように構成され端末間の通信を行う。
複数の移動可能な端末MS1、MS2(300−1、2)と、複数の無線通信装置(以下、基地局と称す)BS1およびBS8(110’’−1、8)とは無線通信路(図示せず)で接続される。具体的には、各基地局BSは、複数のセクタ(130’−1〜3)と呼ばれる電波の到達範囲を複数の周波数別に備え、端末MSとCDMAを用いた無線通信を行う。図示の例では、端末MS1(300−1)からは基地局BS1の周波数f1(100’’−1−1)のγセクタと周波数f2(100’’−1−2)のγセクタで通信路(900−2と910−2)が設定可能である。また、端末MS2(300−2)からは基地局BS8の周波数f1(100’’−8−1)のαセクタと周波数f2(100’’−8−2)のαセクタで通信路(900−1と910−1)が設定可能である。尚、本実施の形態では、これら複数の基地局BS1および8(110’’−1と8)が端末MSと通信できるエリアを移動体通信網400’’と称する。尚、基地局(110’’)が備える周波数は図21に示す数に限らず、適宜の数備えることができる。また、基地局(110’’)が備える各周波数は互いに周波数帯域が異なっても構わない。例えば周波数f1が800MHz帯、周波数f2が2GHz帯の周波数であっても構わない。
移動体通信網(400’’−1)の各基地局BS1および8(110’’−1と8)は、基地局制御部(制御装置)(200−1)と通信路(500−1)で接続される。基地局制御部(200)は、以下で詳述するが、例えば、3GPPのTR25.832の5.2.1章(非特許文献1参照)で定められたようなソフトハンドオーバを行うダイバーシティハンドオーバユニットDHT(210)を備え、複数の通信路(900、910)から通信品質の良い1つの通信路を選択して通信を行う。
端末MS1(300−1)からの着信先が同じ移動体通信網(400’’−1)にあれば、基地局制御部(200−1)は、配下の基地局BS1および8(110’’−1と8)のいずれかにDHT(210)が選択した信号(930)を戻して着信先端末MSと通信する。一方、通信制御部(200−1)は、着信先が別の移動体通信網(400’’−2:詳細構成は400’’−1とほぼ同じなので省略する)の端末であれば、基地局制御部(200)同士を接続する通信網(150)を介して信号を基地局制御部(200−2)と移動体通信網(400’’−2)を用いて着信先端末とを送受信する。尚、上記通信網(150)は、公衆網、専用線網、私設網のいずれであっても構わない。また、移動体通信網(400’’−2)は、有線通信網とそれに固定的に設置される端末とで構成された所謂固定網であっても構わない。
網管理装置(250)は、通信網(10’’)に備えられた基地局BS(110’’)及び基地局制御部(200)と監視・保守等の制御信号を送受信する制御信号通信路(600)で接続され、例えば、基地局(110’’)のソフトウェアの更新を行う等、通信網(10’’)の設備全体を管理・制御するための装置である。尚、基地局BS(110’’)、基地局制御部(200)、網管理装置(250)は、図21に示す数に限らず、適宜の数備えることができる。
図22は、通信網に備えられた基地局の構成例を示すブロック図である。基地局(110’’)は以下のように構成され、端末(300)および基地局制御部(200)間の接続や、網管理装置(250)との通信を行う。
基地局(110’’)は、例えば、周波数毎の電波信号処理部(123−1、2)と、回線IF(118)と、装置管理部(121)とを備える。また、電波信号(周波数f1)処理部(123−1)は、セクタα、β、γについての無線IF(第1の無線IF)及び通信処理ユニット(第1の通信処理部)を有するセクタ処理部(122−1、2、3)と、セクタ制御部(120’−1)を備える。同様に、電波信号(周波数f2)処理部(123−2)は、セクタα、β、γについての無線IF(第2の無線IF)及び通信処理ユニット(第2の通信処理部)を有するセクタ処理部と、セクタ制御部を備える。
基地局(110’’)は、端末MS(300)から図示していない無線通信路を介して送信された信号(電波信号)をアンテナ(119’−1)で受信すると、電波信号(周波数f1)処理部(123−1)のセクタα処理部(122−1)の無線IFユニット(116−1)で電気信号への変換等終端処理を行う。終端処理後の信号に対して各種通信サービスを行う為の処理(例えば、呼制御等の通信処理)をセクタα処理部(122−1)の通信処理ユニット(117−1)で実施し、回線IFユニット(118)で基地局制御部(200)とのインタフェース整合をとった後、この信号を主信号通信路(500)を介して基地局制御部(200)に送信する。セクタ制御部(120’−1)は、CPU(111−5)およびメモリ(112−5)を用いてセクタα処理部(122−1)を制御する。基地局(110’’)は、基地局制御部(200)からの信号は上記プロセスと逆のプロセスにより端末MS(300)へ送信する。
以上は電波信号(周波数f1)処理部(123−1)のセクタα処理部(122−1)が信号(電波信号)を送受信した場合(信号が周波数f1の場合)であるが、電波信号(周波数f1)処理部(123−1)のセクタβ処理部(122−2)および電波信号(周波数f1)処理部(123−1)のセクタγ処理部(122−3)が信号(電波信号)を送受信した場合も同様である。また、電波信号(周波数f2)処理部(123−2)の各セクタ制御部(構成は電波信号(周波数f1)処理部(123−1)の各セクタ制御部と同様なので図示せず)が信号(電波信号)を送受信した場合(信号が周波数f2の場合)も同様である。
基地局(110’’)の装置管理部(121)のCPU(111−4)は、メモリ(112−4)に蓄積された制御プログラムや、記憶装置(113)に蓄積された無線通信網(10’’)の運用に必要なデータ(例えば、端末の情報他)を用いて、各電波信号処理部(123−1、2)および回線IF(118)などの基地局(110’’)全体を制御するものである。
基地局(110’’)の各電波信号処理部(123)のセクタ制御部(120’−1)のCPU(111−5)は、メモリ(112−5)に蓄積された制御プログラムを用いて、装置管理部(121)からの指示を受けて、セクタそれぞれの無線IFユニット(116−1〜3)および通信処理(117−1〜3)を制御する。
又、上記これらのユニット等は内部バス(115)で接続されている。内部バス(115)に接続されたI/O(114)は、網管理装置(250)とのインタフェースであり、通信網(10’’)の運用・保守等の制御に必要な制御信号(命令他)や各種データを制御信号通信路(600)を介して送受信するものである。尚、I/O(114)を備えずに主信号通信路(500)を用いて、主信号通信路(500)を介して送受信される信号にこれらの制御信号やデータを付加し、回線IFユニット(118)経由で送受信する構成としても良い。
この基地局(110’’)は、無線通信網(10’’)で提供する通信サービスの更新に伴い、装置管理部(121)のCPU(111−4)が、装置管理部(121)および各電波信号処理部(123−1、2)のセクタ制御部(120’−1)のメモリ(112−5)に格納されるソフトウェア(制御プログラム他)、あるいは、無線IFユニット(116−1〜3)・通信処理ユニット(117−1〜3)・回線IFユニット(118)に格納されるファームウェア(制御プログラム他)を、後述するような手順と動作で、基地局が使用中(運用中、あるいは、オンライン状態)のままで更新するものである。尚、以下の本実施の形態では、基地局が使用中のままで上述したようなソフトウェアやファームウェアを更新する動作をオンラインアップグレードと称することがある。
図23は、各基地局BS1および8(110’’−1、8)の周波数f1の送信電波を図21に比べて下げた場合の無線通信網の構成および動作例を示すブロック図である。図21では基地局BS1(110’’−1)の周波数f1(100’’−1−1)は、端末MS1(300−1)が位置するエリアをカバーしていたが、図23では各基地局の周波数f1の送信電波を下げたために、基地局BS1(110’’−1)の周波数f1(100’’−1−1)がカバーするエリアが狭まり端末MS1(300−1)が位置するエリアをカバーできなくなる。基地局BS8(110’’−8)の周波数f1(100’’−8−1)も同様に端末MS2(300−2)が位置するエリアをカバーできない。
これにより、端末MS1(300−1)は基地局BS1(110’’−1)の周波数f1(100’’−1−1)との通信路(900−2)を設定できなくなり、基地局BS1(110’’−1)の周波数f2(100’’−1−2)とのみ通信路を設定可能になる。端末MS1(300−1)は図21では通信品質のよい通信路(900−2)を選択していたが、図23では設定できなくなったため、基地局制御部(200−1)に備えられているDHT(210−2又は1)により通信路(910−2)に切換えられる。端末MS2についても同様の理屈で通信路(900−1)から通信路(910−1)に切換えられる。また、基地局制御部(200−1)は、切り換えられた通信路からの信号(920−1、2)を用いて着信先端末と通信する。
このように基地局の送信電波を制御することにより、通信サービス提供中の通信路を各基地局の特定周波数から無瞬断で切換え、該周波数では通信サービスが提供されていない状態を作り出すことが可能になる。このような状態においてソフトウェアの更新を行い、ソフトウェア更新後は送信電波を元に戻すという処理を各基地局共に複数の周波数(f1およびf2)処理部に対して順番に行うことによって、無線通信網内の基地局のソフトウェアを通信サービスが途断することなくソフトウェア更新が可能になる。
図24は、基地局のソフトウェア更新動作の一例を説明する動作説明図である。網管理装置(250)は、まずソフトウェアを更新する基地局を所定の規則で選択する(グループ化)処理(24−1)を行う。以下、処理(24−1)において選択した基地局の集まりを基地局グループ1(800−1)と称する。基地局の選択は例えば上述の図7〜図12及びその説明に示した方法を用いることで実現できる。なお、呼接続数は各セクタおよび各周波数毎に管理されており、基地局の呼接続数はこれらの合計値を用いることができる。
網管理装置(250)が基地局グループ1(800−1)に対してソフトウェア転送指示処理(24−2)を行うと、基地局グループ1(800−1)に属する各基地局は新しいソフトウェアを取得する処理(24−3)により新しいソフトウェアを、例えば、回線IF(118)を介して取得し、網管理装置(250)にソフトウェア転送完了を応答する処理(24−4)を行う。網管理装置(250)は、基地局グループ1(800−1)以外の基地局(800−x)に対してサービス停止動作を禁止する処理(24−5)を行い、基地局グループ1(800−1)に対してソフトウェア更新指示処理(24−6)を行う。なお、上述の処理(24−5)は省略することもできる。
基地局グループ1(800−1)に属する基地局は、該指示を受信すると電波信号(周波数f1)処理部のソフトウェア更新処理(24−7)、電波信号(周波数f2)処理部のソフトウェア更新処理(24−8)を順次行い、装置管理部(121)のソフトウェア更新処理(24−9)終了後、網管理装置へソフトウェア更新完了を応答する処理(24−10)を行う。各電波信号処理部のソフトウェア更新処理(24−7、8)の詳細処理を図25に、更に詳細な処理を図26に示している。なお、詳細な説明は後述する。また装置管理部(121)のソフトウェア更新処理(24−9)の詳細処理は、図20に示す各処理と同じである。なお、処理(24−7、8、9)は、適宜の順序で行うことができる。例えば、予め定められた周波数のうちのひとつを順次選択し、選択された周波数についてソフトウェア更新処理(24−7、8)を行うことができる。
網管理装置(250)は、基地局グループ1(800−1)に属する全ての基地局からソフトウェア更新完了応答を受信した後に、ソフトウェアを更新する基地局を新たに選択(グループ化)する処理(24−11)を行う。以下、選択した基地局の集まりを基地局グループ2(800−2)と称する。網管理装置250はこの基地局グループ2(800−2)に対してソフトウェア転送を要求する処理(24−12)を行う。なお、処理(24−12)は、上述の処理(24−2)と同様である。網管理装置(250)は、基地局グループ1(800−1)に対して行った処理(24−2〜24−10)と同様の処理を基地局グループ2(800−2)に対しても行う。これらの処理をどの基地局グループにも属さない基地局がなくなるまで繰返すことによって、全ての基地局のソフトウェア更新を行うことができる。
また、複数の周波数で通信可能な基地局(例えば、図22に示す構成)と、ひとつの周波数で通信可能な基地局(例えば、図2に示す構成)が混在する無線通信網においても、ソフトウェアを更新する基地局を上述のように選択することで、サービスを中断することなくソフトウェア更新が可能である。なお、本実施の形態は、基地局グループを作成しているが、グループを作成せずに、全ての基地局に対してソフトウェア更新を周波数毎に順次行ってもよい。この場合、上述の処理(24−1)は省略できる。
図25は各電波信号処理部のソフトウェア更新処理(24−7、8)の詳細処理を説明する動作フロー図である。まず装置管理部(121)は、電波信号(周波数fx:xは1または2)処理部(123−x)に対して全セクタの送信電力減少要求処理(25−1)を行う。電波信号(周波数fx)処理部(123−x)は、全セクタの送信電力を徐々に下げる処理(25−2)を行う。これにより周波数fxがカバーしていた呼は他の周波数にハンドオーバし、該呼の通信サービスが継続される。一方、周波数fxでは通信サービスを提供していない状態となる。電波信号(周波数fx)処理部(123−x)は、全てのセクタの送信電力減少処理を完了すると、完了を装置管理部(121)に応答する処理(25−3)を行う。
装置管理部(121)は、電波信号(周波数fx)処理部(123)の全セクタに接続されている呼がゼロであることを確認する処理(25−4)を行った後に、電波信号(周波数fx)処理部(123―x)のソフトウェア更新を電波信号(周波数fx)処理部(123−x)に要求する処理(25−5)を行う。電波信号(周波数fx)処理部(123−x)は、ソフトウェア更新要求を受けると自身のリセット処理(25−6)を行うことによって、新しいソフトウェアを読込む処理(25−7)を行う。ここで、読み込まれるソフトウェアは、例えば処理(24−3)で取得されたソフトウェアとすることができる。その後、電波信号(周波数fx)処理部(123−x)の再開処理(25−8)および電波信号(周波数fx)処理部(123−x)に含まれる全セクタの送信電力を徐々に上げる処理(25−9)を電波信号(周波数fx)処理部(123−x)が行うことによって、周波数f1の全セクタの通信処理が再び可能になる。
電波信号(周波数fx)処理部(123−x)に含まれる全セクタの送信電力を徐々に上げる処理(25−9)が完了したところで、電波信号(周波数fx)処理部(123−x)は装置管理部(121)に対してソフトウェア更新完了を応答する処理(25−10)を行う。なお、図25の処理は、呼が他の周波数の各セクタへハンドオーバできるようにするために、各電波信号処理部(123)に対して同時には行わず、図24の各電波信号処理部(123)のソフトウェア更新処理(24−7、8)に示すように順次行うことが可能である。
図26は、図25で示した全セクタの送信電力を徐々に下げる処理(25−2)を、周波数f1の場合について詳しく説明した動作フロー図である。なお、周波数f2の場合も同様である。装置管理部のCPU(111−4)から送信電力減少要求(25−1)を受けて、電波信号(周波数f1)処理部(123−1)のセクタ制御部(120’−1)のCPU(111−5)が送信電力を減少する処理(26−1)を開始する。CPU(111−5)はあらかじめ定められている電力減少幅だけ送信電力を減少させるよう無線IF(116−1〜3)に要求する処理(26−2)を行う。
無線IF(116−1〜3)はそれを受けて送信電力減少処理(26−3)を実行し、送信電力減少後の送信電力値をCPU(111−5)に通知する処理(26−4)を行う。CPU(111−5)は無線IF(116−1〜3)から通知された電力値が送信電力の下限値か否か判断する処理(26−5)を行い、一方、下限値でなければ処理(26−2)を再び行う。もしも通知された電力値が下限値に達していたら送信電力減少の終了処理(26−3)を行う。
これらの処理により、基地局は自基地局内全セクタの周波数fxの送信電力を徐々に下げることができ、自基地局にて通信サービスを提供している通信路を他の周波数に切換え、自基地局内全セクタの周波数fxでは通信サービスが提供されていない状態を作り出した上で周波数fxに関わるモジュール、すなわち電波信号(周波数fx)処理部のソフトウェアを更新することが可能になる。なお、上述の処理では、周波数fxの送信電力を前セクタについて増加及び減少しているが、各セクタを順次増加・減少してもよい。
(第4のソフトウェア更新)
次に本実施の形態を適用する更にもうひとつの無線通信網について以下に述べる。
図27は、本実施の形態を適用する他の無線通信網の構成例を示すブロック図である。無線通信網(10’’’)は、以下のように構成され端末間の通信を行う。
複数の移動可能な端末MS1、MS2(300−1、2)と、複数の無線通信装置(以下、基地局と称す)BS1、2、3およびBS8(110’’’−1、2、3および8)とは無線通信路(図示せず)で接続される。具体的には、各基地局BSは、複数のセクタ(130’−1〜3)と呼ばれる電波の到達範囲を複数の周波数別に備え、端末MSとCDMAを用いた無線通信を行う。図示の例では、端末MS1(300−1)からは、例えば、基地局BS1の周波数f1(100’’−1−1)のβセクタ、周波数f2(100’’−1−2)のβセクタおよび基地局BS2の周波数f2(100’’―2−2)のαセクタで通信路(900−2−1、900−2−2と910−2)が設定可能である。また、端末MS2(300−2)からは、例えば、基地局BS8の周波数f1(100’’−8−1)のαセクタ、周波数f2(100’’−8−2)のαセクタおよび基地局BS3の周波数f2(100’’−3−2)のβセクタで通信路(900−1−1、900−1−2と910−1)が設定可能である。
尚、本実施の形態では、これら複数の基地局BS1、2、3、および8(110’’’−1、2、3および8)が端末MSと通信できるエリアを移動体通信網400’’’と称する。尚、基地局(110’’’)が備える周波数は図27に示す数に限らず、適宜の数備えることができる。また基地局(110’’’)が備える各周波数は互いに周波数帯域が異なっても構わない。例えば周波数f1が800MHz帯、周波数f2が2GHz帯の周波数であっても構わない。
移動体通信網(400’’’−1)の各基地局BS1、2、3および8(110’’’−1、2、3および8)は、基地局制御部(制御装置)(200−1)と通信路(500−1)で接続される。基地局制御部(200)は、以下で詳述するが、例えば、3GPPのTR25.832の5.2.1章(非特許文献1参照)で定められたようなソフトハンドオーバを行うダイバーシティハンドオーバユニットDHT(210)を備え、複数の通信路(900、910)から通信品質の良い1つの通信路を選択して通信を行う。図中、実線で示す通信路(900−1−1、900−2−1)は、DHT(210)により選択されている通信路を示し、点線で示す通信路は、選択されていない通信路を示す。
端末MS1(300−1)からの着信先が同じ移動体通信網(400’’’−1)にあれば、基地局制御部(200−1)は、配下の基地局BS1、2、3および8(110’’’−1、2、3および8)のいずれかにDHT(210)が選択した信号(930)を戻して着信先端末MSと通信する。一方、通信制御部(200−1)は、着信先が別の移動体通信網(400’’’−2:詳細構成は400’’’−1とほぼ同じなので省略する)の端末であれば、基地局制御部(200)同士を接続する通信網(150)を介して信号を基地局制御部(200−2)と移動体通信網(400’’’−2)を用いて着信先端末とを送受信する。尚、上記通信網(150)は、公衆網、専用線網、私設網のいずれであっても構わない。また、移動体通信網(400’’’−2)は、有線通信網とそれに固定的に設置される端末とで構成された所謂固定網であっても構わない。
網管理装置(250)は、通信網(10’’’)に備えられた基地局BS(110’’’)及び基地局制御部(200)と監視・保守等の制御信号を送受信する制御信号通信路(600)で接続され、例えば、基地局(110’’’)のソフトウェアの更新を行う等、通信網(10’’’)の設備全体を管理・制御するための装置である。尚、基地局BS(110’’’)、基地局制御部(200)、網管理装置(250)は、図27に示す数に限らず、適宜の数備えることができる。
図28は、図27の通信網に備えられる基地局の構成例を示すブロック図である。基地局(110’’’)は以下のように構成され、端末(300)および基地局制御部(200)間の接続や、網管理装置(250)との通信を行う。
基地局(110’’’)は、例えば、周波数毎の信号処理部(124−1及び2)と、セクタ毎の電波信号処理部(125−1〜3)と、回線インタフェース(118)と、装置管理部(121)とを備える。
基地局(110’’’)は、端末MS(300)から図示していない無線通信路を介して送信された信号(電波信号)をアンテナ(119’−1)で受信すると、セクタα電波信号処理部(125−1)の無線IFユニット(116−1)で電気信号への変換等終端処理を行う。終端処理後の信号に対して各種通信サービスを行う為の処理(例えば、呼制御等の通信処理)を信号処理部(周波数f1用)(124−1)の通信処理ユニット(通信処理部)(117−4)で実施する。なお、受信された信号の周波数がf2の場合には、信号処理部(周波数f2用)(124−2)で通信処理が行われる。回線IFユニット(118)で基地局制御部(200)とのインタフェース整合をとった後、この信号を主信号通信路(500)を介して基地局制御部(200)に送信する。
基地局(110’’’)は、基地局制御部(200)からの信号は上記プロセスと逆のプロセスにより端末MS(300)へ送信する。以上はセクタαにて周波数f1の信号(電波信号)を送受信した場合であるが、セクタα、セクタβもしくはセクタγにて周波数f1もしくは周波数f2の信号(電波信号)を送受信した場合も同様である。また、各電波信号処理部(125−1〜3)は、周波数f1及びf2についての送信電波の出力をそれぞれ減少及び増加させることが可能である。
基地局(110’’’)の装置管理部(121)のCPU(111−4)は、メモリ(112−4)に蓄積された制御プログラムや、記憶装置(113)に蓄積された無線通信網(10’’’)の運用に必要なデータ(例えば、端末の情報他)を用いて、各セクタ電波信号処理部(125−1〜3)、各周波数用の信号処理部(124−1、2)および回線IF(118)などの基地局(110’’’)全体を制御するものである。
基地局(110’’’)の各セクタ電波信号処理部(125−1〜3)のCPU(111−11〜13)は、メモリ(112−11〜13)に蓄積された制御プログラムを用いて、装置管理部(121)からの指示を受けて、セクタそれぞれの無線IFユニット(116−1〜3)を制御する。また、各周波数用の信号処理部(124−1、2)のCPU(111−6)(周波数f2用はf1用と同様であり図示せず)は、メモリ(112−6)(周波数f2用は図示せず)に蓄積された制御プログラムを用いて、装置管理部(121)からの指示を受けて各周波数用の通信処理ユニット(117−4)(周波数f2用は図示せず)を制御する。
又、上記これらのユニット等は内部バス(115)で接続されている。内部バス(115)に接続されたI/O(114)は、網管理装置(250)とのインタフェースであり、通信網(10’’’)の運用・保守等の制御に必要な制御信号(命令他)や各種データを制御信号通信路(600)を介して送受信するものである。尚、I/O(114)を備えずに主信号通信路(500)を用いて、主信号通信路(500)を介して送受信される信号にこれらの制御信号やデータを付加し、回線IFユニット(118)経由で送受信する構成としても良い。
この基地局(110’’’)は、無線通信網(10’’’)で提供する通信サービスの更新に伴い、装置管理部(121)のCPU(111−4)が、装置管理部(121)、各セクタ電波信号処理部(125−1〜3)のメモリ(112−11〜13)および各周波数用の信号処理部(124−1等)のメモリ(112−6)に格納されるソフトウェア(制御プログラム他)、あるいは、無線IFユニット(116−1〜3)・通信処理ユニット(117−4)・回線IFユニット(118)に格納されるファームウェア(制御プログラム他)を、後述するような手順と動作で、基地局が使用中(運用中、あるいは、オンライン状態)のままで更新するものである。尚、以下の本実施の形態では、基地局が使用中のままで上述したようなソフトウェアやファームウェアを更新する動作をオンラインアップグレードと称することがある。図28に示すような基地局はセクタ毎のブロックと周波数毎のブロックを有し、セクタ毎のソフトウェアの更新と、周波数毎のソフトウェアの更新を併用することが可能である。
図29は各基地局BS1および8(110’’’−1および8)の周波数f1の送信電波を、図27に比べて下げた場合の無線通信網の構成および動作例を示すブロック図である。図27では基地局BS1(110’’’−1)の周波数f1(100’’−1−1)は、端末MS1(300−1)が位置するエリアをカバーしていたが、図29では各基地局の周波数f1の送信電波を下げたために、基地局BS1(110’’’−1)の周波数f1(100’’−1−1)がカバーするエリアが狭まり、端末MS1(300−1)が位置するエリアをカバーできなくなる。基地局BS8(110’’’−8)の周波数f1(100’’−8−1)も同様に端末MS2(300−2)が位置するエリアをカバーできない。これにより、端末MS1(300−1)は基地局BS1(110’’’−1)の周波数f1(100’’−1−1)との通信路(900−2−1)を設定できなくなり、基地局BS1(110’’’−1)の周波数f2(100’’−1−2)βセクタおよび基地局BS2(110’’’−2)の周波数f2(100’’−2−2)のαセクタとのみ通信路を設定可能になる。端末MS1(300−1)は図27では通信品質のよい通信路(900−2−1)を選択していたが、図29では設定できなくなったため、基地局制御部(200−1)に備えられているDHT(210−2)により、例えば通信路(900−2−2)に切換えられる。端末MS2についても同様の理屈で通信路(900−1−1)から通信路(900−1−2)に切換えられる。また、基地局制御部(200−1)は、切り換えられた通信路からの信号(920−1、2)を用いて着信先端末と通信する。
このように基地局の送信電波を制御することにより、通信サービス提供中の通信路を各基地局の特定周波数から無瞬断で切換え、該周波数では通信サービスが提供されていない状態を作り出すことが可能になる。このような状態において基地局内部における周波数毎に備えられたモジュール部のソフトウェアの更新を行い、ソフトウェア更新後は送信電波を元に戻すという処理を各基地局共に複数の周波数(f1およびf2)の信号処理部(124−1、2)に対して順番に行うことによって、無線通信網内の基地局内部における周波数毎に備えられたモジュール部(図28の場合は信号処理部(124))のソフトウェアを通信サービスが途断することなくソフトウェア更新が可能になる。
図30は、基地局BS1および8(110’’’−1および8)のセクタα電波信号処理部(125−1)の送信電波出力を、全周波数について図27に比べて下げた場合の無線通信網の構成および動作例を示すブロック図である。図27では基地局BS8(110’’’−8)のαセクタは、端末MS2(300−2)が位置するエリアをカバーしていたが、図30では各基地局のαセクタの送信電波出力を全周波数について下げたために、基地局BS8(110’’’−8)のαセクタがカバーするエリアが狭まり端末MS2(300−2)が位置するエリアをカバーできなくなる。これにより、端末MS2(300−2)は基地局BS8(110’’’−8)のαセクタの全周波数との通信路(900−1−1および900−1−2)を設定できなくなり、基地局BS3(110’’’−3)のβセクタとのみ通信路(910−1)を設定可能になる。
端末MS2(300−2)は図27では通信品質のよい通信路(900−1−1)を選択していたが、図30では設定できなくなったため、基地局制御部(200−1)に備えられているDHT(210−2)により通信路(910−1)に切換えられる。また、基地局制御部(200−1)は、切り換えられた通信路からの信号(940−1)を用いて着信先端末と通信する。
このように基地局の送信電波を制御することにより、通信サービス提供中の通信路を各基地局の特定セクタから無瞬断で切換え、該セクタでは通信サービスが提供されていない状態を作り出すことが可能になる。このような状態においてソフトウェアの更新を行い、ソフトウェア更新後は送信電波を元に戻すという処理を各基地局共に複数のセクタ(α、βおよびγ)の電波信号処理部(125−1〜3)に対して順番に行うことによって、無線通信網内の基地局内部におけるセクタ毎に備えられたモジュール部(図28の場合はセクタ電波信号処理部(125))のソフトウェアを通信サービスが途断することなくソフトウェア更新が可能になる。
上記図29および図30の仕組みを組み合わせて用いることによって、図28の構成を持つ基地局のソフトウェアを通信サービスが途断することなくソフトウェア更新が可能になる。
図31は基地局のソフトウェア更新動作の一例を説明する動作説明図である。網管理装置(250)は、まずソフトウェアを更新する基地局を所定の規則で選択する(グループ化)処理(31−1)を行う。以下、処理(31−1)において選択した基地局の集まりを基地局グループ1(800−1)と称する。基地局の選択は例えば図7〜図12及びその説明に示した方法を用いることで実現できる。なお、呼接続数(呼数)は各セクタおよび各周波数毎に管理されており、基地局の呼接続数はこれらの合計値を用いることができる。
網管理装置(250)が基地局グループ1(800−1)に対してソフトウェア転送指示処理(31−2)を行うと、基地局グループ1(800−1)に属する各基地局は新しいソフトウェアを取得する処理(31−3)により新しいソフトウェアを取得し、網管理装置(250)にソフトウェア転送完了を応答する処理(31−4)を行う。網管理装置(250)は、基地局グループ1(800−1)以外の基地局(800−x)に対してサービス停止動作を禁止する処理(31−5)を行い、基地局グループ1(800−1)に対してソフトウェア更新指示処理(31−6)を行う。なお、上述の処理(31−5)は省略することもできる。
基地局グループ1(800−1)に属する基地局は、該要求を受信すると信号処理部(周波数f1用)のソフトウェア更新処理(31−7)、信号処理部(周波数f2用)のソフトウェア更新処理(31−8)、セクタα電波信号処理部のソフトウェア更新処理(31−9)、セクタβ電波信号処理部のソフトウェア更新処理(31−10)およびセクタγ電波信号処理部のソフトウェア更新処理(31−11)を順次行い、装置管理部(121)のソフトウェア更新処理(31−12)終了後、網管理装置へソフトウェア更新完了を応答する処理(31−13)を行う。なお(31−7〜12)のソフトウェア更新順序は一例であり、任意の順序であっても構わない。例えば、予め定められた複数の周波数からひとつの周波数を順次選択し、選択された周波数に応じた信号処理部について、ソフトウェア更新を順次行うことができる。また、各セクタについても同様に順次選択し、選択されたセクタに応じた電波信号処理部についてソフトウェア更新を順次行うことができる。
各周波数用信号処理部(124−1、2)のソフトウェア更新処理(31−7、8)の詳細処理を図32に、更に詳細な処理を図33に示している。また各セクタ電波信号処理部(125−1〜3)のソフトウェア更新処理(31−9〜11)の詳細処理を図34に、更に詳細な処理を図35に示している。なお、装置管理部(121)のソフトウェア更新処理(31−12)の詳細処理は図20と同様である。
網管理装置(250)は、基地局グループ1(800−1)に属する全ての基地局からソフトウェア更新完了応答を受信した後に、ソフトウェアを更新する基地局を新たに選択(グループ化)する処理(31−14)を行う。基地局の選択については、図7〜12及びその説明の示した方法と同様とすることができる。以下、選択した基地局の集まりを基地局グループ2(800−2)と称する。網管理装置250はこの基地局グループ2(800−2)に対してソフトウェア転送を要求する処理(31−15)を行う。なお、処理(31−15)は、上述の処理(31−2)と同様である。網管理装置(250)は、基地局グループ1(800−1)に対して行った処理(31−2〜31−13)と同様の処理を基地局グループ2(800−2)に対しても行う。これらの処理をどの基地局グループにも属さない基地局がなくなるまで繰返すことによって、全ての基地局のソフトウェア更新を行うことができる。なお、基地局グループの選択は省略してもよい。
図32は各信号処理部のソフトウェア更新処理(31−7、8)の詳細処理を説明する動作フロー図である。まず装置管理部(121)は、各セクタ電波信号処理部(125−1〜3)に対して全セクタの周波数fxの送信電力減少要求処理(32−1)を行う。各セクタ電波信号処理部(125−1〜3)は、各セクタの周波数fx(f1又はf2)の送信電力を徐々に下げる処理(32−2)を行う。これにより周波数fxがカバーするエリアは図29に図示している基地局BS1および8(110’’’―1および8)の周波数f1がカバーするエリアのように狭まり、周波数fxがカバーしていた呼は他の周波数(図29では周波数f2)にハンドオーバし、該呼の通信サービスが継続される。各セクタのセクタ電波信号処理部(125−1〜3)は、周波数fxの送信電力減少処理を完了すると、完了を装置管理部(121)に応答する処理(32−3)をそれぞれ行う。
装置管理部(121)は、周波数fxの全セクタに接続されている呼がゼロであることを確認する処理(32−4)を行った後に、信号処理部(周波数fx用)(124―x)のソフトウェア更新を信号処理部(周波数fx用)(124―x)に要求する処理(32−5)を行う。
信号処理部(周波数fx用)(124―x)は、ソフトウェア更新要求を受けると自身のリセット処理(32−6)を行うことによって、新しいソフトウェアを読込む処理(32−7)を行って、再開処理(32−8)完了後に装置管理部(121)に信号処理部(周波数fx用)再開完了通知(32−9)を行う。ここで、読み込まれるソフトウェアは、例えば処理(31−3)で取得されたソフトウェアとすることができる。装置管理部(121)は信号処理部(周波数fx用)(124―x)から再開完了通知(32−9)を受けると、各セクタ電波信号処理部(125−1〜3)に対して周波数fxの全セクタ送信電力増加要求処理(32−10)を行う。各セクタ電波信号処理部(125)は、周波数fxの送信電力増加要求を受けて送信電力を徐々に上げる処理(32−11)を行う。これにより周波数fx(例えば、f1)の全セクタの通信処理が再び可能になる。
送信電力を徐々に上げる処理(32−11)が完了したところで、各セクタ電波信号処理部(125−1〜3)は装置管理部(121)に対して周波数fx送信電力増加完了を応答する処理(32−12)を行う。なお、図32の処理は、呼が他の周波数の各セクタへハンドオーバできるようにするために、各信号処理部(124)に対して同時には行わず、例えば図31の各信号処理部(124)のソフトウェア更新処理(31−7、8)に示すように周波数毎に順次行うこととする。例えば、図31の処理31−7では、図32の各処理をfx=f1として実行し、図31の処理31−8では、図32の各処理fx=f2として実行する。
図33は、図32で示した周波数fxの送信電力を徐々に下げる処理(32−2)を詳しく説明した動作フロー図である。なお、図33はセクタαについて示しているが、セクタβおよびセクタγの場合も同様である。装置管理部のCPU(111−4)から周波数fxの送信電力減少要求(32−1)を受けて、セクタα電波信号処理部(125−1)のCPU(111−11)が周波数fxの送信電力を減少する処理(33−1)を開始する。CPU(111−11)はあらかじめ定められている電力減少幅だけ周波数fxの送信電力を減少させるよう無線IF(116−1)に要求する処理(33−2)を行う。無線IF(116−1)はそれを受けて送信電力減少処理(33−3)を実行し、送信電力減少後の送信電力値をCPU(111−11)に通知する処理(33−4)を行う。
CPU(111−11)は、無線IF(116−1)から通知された電力値が送信電力の下限値か否か判断する処理(33−5)を行い、もしも下限値でなければ処理(33−2)を再び行う。一方、通知された電力値が下限値に達していたら送信電力減少の終了処理(32−3)を行う。例えば、CPU(111−11)は、装置管理部のCPU(111−4)に、周波数fx送信電力減少処理完了応答を通知する。
これらの処理により、基地局は自基地局内全セクタの周波数fxの送信電力を徐々に下げることができ、自基地局にて通信サービスを提供している通信路を他の周波数に切換え、自基地局内全セクタの周波数fxでは通信サービスが提供されていない状態を作り出した上で周波数fxに関わるモジュール、すなわち信号処理部(周波数fx用)のソフトウェアを更新することが可能になる。
図34は、セクタα電波信号処理部のソフトウェア更新処理(31−9)の詳細処理を説明する動作フロー図である。なお、セクタβおよびセクタγの場合の処理(31−10、31−11)も同様である。まず装置管理部(121)は、セクタα電波信号処理部(125−1)に対して全周波数の送信電力減少要求処理(34−1)を行う。セクタα電波信号処理部(125−1)はセクタαの全周波数の送信電力を徐々に下げる処理(34−2)を行う。これによりセクタαの全周波数がカバーするエリアは図30に図示している基地局BS1および8(110’’’−1および8)のセクタαがカバーするエリアのように狭まり、セクタαの全周波数がカバーしていた呼は他のセクタ(図30の端末MS2(300−2)では基地局BS3(110’’’−3)のβセクタ)にハンドオーバし、該呼の通信サービスが継続される。セクタα電波信号処理部(125−1)は、セクタαの全周波数の送信電力減少処理を完了すると、完了を装置管理部(121)に応答する処理(34−3)を行う。
装置管理部(121)は、全周波数のセクタαに接続されている呼がゼロであることを確認する処理(34−4)を行った後に、セクタα電波信号処理部(125−1)のソフトウェア更新をセクタα電波信号処理部(125−1)に要求する処理(34−5)を行う。セクタα電波信号処理部(125−1)は、ソフトウェア更新要求を受けると自身のリセット処理(34−6)を行うことによって、新しいソフトウェアを読込む処理(34−7)を行って、再開処理(34−8)完了後に全周波数の送信電力を徐々に上げる処理(34−9)を行う。ここで、読み込まれるソフトウェアは、例えば処理(31−3)で取得されたソフトウェアとすることができる。これによりセクタαの全周波数の通信処理が再び可能になる。
送信電力を徐々に上げる処理(34−9)が完了したところで、セクタα電波信号処理部(125−1)は、装置管理部(121)に対してセクタα電波信号処理部ソフトウェア更新完了を応答する処理(34−10)を行う。なお、図34の処理は、呼が他セクタへハンドオーバできるようにするために、各セクタ電波信号処理部(125)に対して同時には行わず、例えば図31の各セクタ電波信号処理部(125)のソフトウェア更新処理(31−9〜11)に示すように順次行うことが可能である。
図35は、図34で示したセクタαの全周波数の送信電力を徐々に下げる処理(34−2)を詳しく説明した動作フロー図である。なお、図35はセクタαについて示しているが、セクタβおよびセクタγの場合も同様である。装置管理部のCPU(111−4)から全周波数の送信電力減少要求(34−1)を受けて、セクタα電波信号処理部(125−1)のCPU(111−11)が全周波数の送信電力を減少する処理(35−1)を開始する。
CPU(111−11)は、あらかじめ定められている電力減少幅だけ送信電力を減少させるよう自電波信号処理部の無線IF(116−1)に要求する処理(35−2)を行う。無線IF(116−1)はそれを受けて全周波数の送信電力減少処理(35−3)を実行し、全周波数送信電力減少後の送信電力値をCPU(111−11)に通知する処理(35−4)を行う。
CPU(111−11)は、無線IF(116−1)から通知された電力値が送信電力の下限値か否か判断する処理(35−5)を行い、もしも下限値でなければ処理(35−2)を再び行う。一方、CPU(111−11)は、通知された電力値が下限値に達していたら送信電力減少の終了処理(34−3)を行う。例えば、CPU(111−11)は、全周波数送信電力減少処理完了応答を、装置管理部のCPU(111−4)に通知する。
これらの処理により、基地局は自基地局内のあるセクタの全周波数の送信電力を徐々に下げることができ、自基地局にて通信サービスを提供している通信路を他のセクタもしくは隣接基地局に切換え、自基地局内の該当セクタでは通信サービスが提供されていない状態を作り出した上で該当セクタに関わるモジュール、すなわちセクタ電波信号処理部のソフトウェアを更新することが可能になる。