JP2010004432A - 補聴器及び補聴器ユニット - Google Patents

補聴器及び補聴器ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2010004432A
JP2010004432A JP2008162914A JP2008162914A JP2010004432A JP 2010004432 A JP2010004432 A JP 2010004432A JP 2008162914 A JP2008162914 A JP 2008162914A JP 2008162914 A JP2008162914 A JP 2008162914A JP 2010004432 A JP2010004432 A JP 2010004432A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
signal
hearing aid
gain
sound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008162914A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Noguchi
展明 野口
Yasushi Imamura
泰 今村
Ichiro Kuwabara
一郎 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008162914A priority Critical patent/JP2010004432A/ja
Publication of JP2010004432A publication Critical patent/JP2010004432A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

【課題】不快に感じた音などを保存しておき、フィッティングの際に保存しておいた音を再生しながらフィッティングを行うことができる補聴器を提供する。
【解決手段】集音部101が取り込んだ周囲音を加工する信号処理部102と、信号処理部102が加工した音を本体外へ出力する音出力部103と、フィッティング装置を本体に接続する接続部104とを備えた補聴器において、信号処理部102は、集音部101の出力信号を保存する保存部106と、接続部104に接続されたフィッティング装置から指示されると保存部106の出力信号を選択して補聴処理部108に供給し、接続部104にフィッティング装置が接続されていない時には集音部101の出力信号を選択して補聴処理部108に供給する切替部107とを備え、補聴処理部108は、切替部107を介して供給された信号に補聴処理を施して音出力部103に出力する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、補聴器のフィッティングに関する。
近年の補聴器はデジタル化され、使用者の難聴の度合いに合わせた高品質な補聴処理が可能となっている。このようなデジタル方式の補聴器において、補聴器を模した装置を耳に装着して使用者の生活環境音を録音し、この生活環境音に応じてフィッティングを行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−008295号公報
上述のごとく使用者の生活環境音を利用してフィッティングの精度を向上させる試みは高く評価されるが、使用者の実生活においてはこれではまだ不十分である。即ち、従来の技術において録音を行う時はあくまでもテストモードであって、確かにその時は精度を高めることが出来る。しかしそれは一例に過ぎず、実使用モードで使用者が以降に対面する多くの音に対してフィッティングの精度を向上させることが出来ないという課題を有していた。
そこで本発明は、実使用モードにおける不快音を切り出すことが出来てフィッティングの精度を高められる補聴器及び補聴器ユニットを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の補聴器は、耳に装着可能形状となった本体に、この本体の周囲音を取り込む集音部と、この集音部が取り込んだ周囲音を加工する信号処理部と、この信号処理部が加工した音を前記本体外へ出力する音出力部と、前記信号処理部のフィッティングを行うためのフィッティング装置を前記本体に接続する接続部とを備えた補聴器において、前記信号処理部は、前記集音部の出力信号を保存する保存部と、前記接続部に接続された前記フィッティング装置から指示されるとこの保存部の出力信号を選択して補聴処理部に供給し、前記接続部に前記フィッティング装置が接続されていない時には前記集音部の出力信号を選択して前記補聴処理部に供給する切替部とを備え、前記補聴処理部は、前記切替部を介して供給された信号に補聴処理を施して前記音出力部に出力する構成としたことを特徴としたものである。
さらに本発明の補聴器ユニットは、補聴器とこの補聴器のフィッティングを行うフィッティング装置からなる補聴器ユニットであって、前記補聴器は、耳に装着可能形状となった本体に、この本体の周囲音を取り込む集音部と、この集音部が取り込んだ周囲音を加工する信号処理部と、この信号処理部が加工した音を前記本体外へ出力する音出力部と、前記フィッティング装置を接続する接続部とを備え、前記信号処理部は、前記集音部の出力信号を保存する保存部と、前記接続部に接続された前記フィッティング装置から指示されるとこの保存部の出力信号を選択して補聴処理部に供給し、前記接続部に前記フィッティング装置が接続されていない時には前記集音部の出力信号を選択して前記補聴処理部に供給する切替部とを備え、前記補聴処理部は、前記切替部を介して供給された信号に補聴処理を施して前記音出力部に出力する構成としたことを特徴としたものである。
本発明の補聴器及び補聴器ユニットによれば、補聴器に入力された音を保存するブロックを設けて補聴器の使用中に生活環境音を保存するようにしたので、実使用モードにおける不快音を切り出すことが出来て、フィッティングの精度を高められる。
以下に、本発明の補聴器の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における補聴器のブロック図を示す。図1に示すように、本実施の形態における補聴器は、集音部101と信号処理部102と音出力部103と接続部104で構成され、信号処理部102はさらにA/D(Analog to Digital)変換部105と保存部106と切替部107と補聴処理部108とD/A(Digital to Analog)変換部109で構成される。
集音部101は、補聴器本体に設けられた音口とこの音口に入ってきた周囲音を集音するマイクロホンで構成される。マイクロホンは集音した音響信号をアナログの電気信号に変換して出力する。本実施の形態では、集音部101には補聴器装用者に指向性を提供するために音口とマイクロホンが2組備えられ、それぞれアナログ入力信号110aと110bを出力する。
信号処理部102は、集音部101から出力されたアナログ入力信号110a、110bに補聴処理を施して、補聴器装用者の聴力特性に適合した音に調整し、アナログ出力信号111として音出力部103に出力する。
音出力部103は、導音口とスピーカーで構成される。スピーカーは信号処理部102が出力するアナログ出力信号111を音響信号に変換して出力する。補聴器が耳あな型の場合には、導音口はスピーカーが出力する音響信号を補聴器本体の外へ導くように設けられた孔である。補聴器が耳かけ型の場合には、導音口は補聴器が出力する音を補聴器装用者の耳に導くチューブの中に設けられた導音路と接続する孔である。
接続部104は、補聴器本体と、信号処理部102のフィッティングを行うフィッティング装置とを接続するブロックである。接続部104は、フィッティング装置が有線で接続される端子と、端子に接続されたフィッティング装置からの信号を受信する調整信号受信部で構成される。
調整信号送受信部は、フィッティング装置から伝達されたフィッティングに関するパラメータや、保存部106と補聴処理部108に対するコマンドを受信して調整信号112として出力する。さらに、フィッティング装置から指示があった時に補聴処理部108から出力される参照パラメータ信号113から補聴処理のパラメータを取得してフィッティング装置へ送信する。
なお、接続部104はフィッティング装置との接続を無線で行うものであっても良い。この場合には、端子は無線通信を行う無線通信部であり、無線信号の送受信と無線通信のための変復調を行う。そして調整信号受信部は、無線通信部が復調したフィッティング装置からの信号を受信する。
次に、信号処理部102について詳細に説明する。A/D変換部105は集音部101が出力するアナログ入力信号110a、110bをそれぞれデジタルサンプリングし、デジタル入力信号114a、114bとして保存部106及び切替部107へ出力する。
保存部106はA/D変換部105が出力するデジタル入力信号114a、114bを保存し、接続部104から入力される調整信号112から指示があった場合に、保存したデジタル信号をデジタル保存信号115a、115bとして切替部107へ出力する。
ここで、図2を用いて保存部106についてさらに詳細に説明する。図2に示すように、保存部106はA/D変換部105が出力するデジタル入力信号114a、114bを記憶する第一のメモリ200と、フィッティングの際に利用するデジタル信号系列を保存する第二のメモリ201と、第一のメモリ200から第二のメモリ201にデジタル信号系列を転送する保存トリガー信号210を出力するトリガー生成部202を具備する。さらに、第二のメモリ201はメモリ入力インターフェース203とメモリ出力インターフェース204を備え、第二のメモリ201へのデジタル信号系列の入出力を制御する。
第一のメモリ200は、FIFO(First−In First−Out)型のアレイメモリで構成され、デジタル入力信号114a、114bをそれぞれ、たとえば5秒間分記憶することができる容量を持ち、常に最新の5秒間のデジタル入力信号114a、114bを記憶するように制御されている。A/D変換部105におけるサンプリング周期が50マイクロ秒を1クロックとした場合、メモリの長さは100000クロック分になる。そしてデジタル入力信号が1クロック分入力されると、最も古いデジタル信号1クロック分が削除される。
第二のメモリ201は、フィッティングの際に利用するデジタル信号系列を複数保存できる容量を持ち、保存トリガー信号210により、第一のメモリ200から転送される2つ1組のデジタル信号系列を保存する。即ち、1つの行が第一のメモリ200と同じ長さの列を有し、保存したい数をNとすると2N個の行を有するメモリテーブルである。ここでは、デジタル入力信号114a、114bの2つの1組のデジタル信号系列を保存する行を1つのアドレスとし、第二のメモリ201は1からNのアドレスを有するものとして説明する。なお、第二のメモリ201は、フィッティングを行う前に補聴器の電源を遮断しても保存したデジタル信号系列が消えてしまわないように、不揮発性のメモリであることが望ましい。
トリガー生成部202は、例えば、補聴器本体上に設けられたプッシュスイッチで実現される。補聴器装用者がフィッティングを必要とする音が発生した時にプッシュスイッチを押すと、トリガー生成部202は保存トリガー信号210を第一のメモリ200と第二のメモリ201へ出力する。
トリガー生成部202から保存トリガー信号210が出力されると、第一のメモリ200は、その時に第一のメモリ200に記憶されている、各々のマイクロホンに対応した2つ1組のデジタル信号系列を、第二のメモリ201へと出力する。
メモリ入力インターフェース203は、保存トリガー信号210を受けると、第一のメモリ200が出力する1組のデジタル信号系列を第二のメモリ201のいずれかのアドレスに保存する。この時メモリ入力インターフェース203は、保存トリガー信号210を受ける毎に第二のメモリ201の1番目のアドレスから順にデジタル信号系列を保存していき、N番目のアドレスに到達すると再び1番目に戻り保存を継続する。保存先に既にデジタル信号が保存されている場合には上書きして保存する。
メモリ出力インターフェース204は、調整信号112に含まれるデジタル信号系列読み出しコマンドを受けると、第二のメモリ201内のデジタル信号系列読み出しコマンドにより指示されたアドレスに保存された1組のデジタル信号系列を取り出し、デジタル入力信号114aに相当するものをデジタル保存信号115a、デジタル入力信号114bに相当するものをデジタル保存信号115bとして出力する。この時メモリ出力インターフェース204は、出力対象となるデジタル信号系列が第一のメモリ200に記憶された順に、先に記憶されたものから1クロックに1つのデジタル信号を出力する。
なお、メモリ入力インターフェース203は保存トリガー信号210が所定の時間以上継続して入力されると、第一のメモリ200が出力するデジタル信号系列を必ず1番目のアドレスに保存するようにしても良い。あるいは、保存トリガー信号210が所定の時間以上継続した後に、特定の時間内に断続的なパターンで入力された時には、この断続的なパターンに対応したアドレスに保存するようにしても良い。例えば、保存トリガー信号210が所定の時間以上継続した後に断続的に2度入力された場合には2番目のアドレスに保存するといった具合である。
つまり、補聴器装用者がプッシュスイッチを長押しして保存トリガー信号210を継続させた後、特定のパターンでプッシュスイッチを押すと、特定のパターンに応じた場所に音情報を保存することが出来る。この様にすれば、補聴器装用者が意図したアドレスにフィッティングを必要とする音の信号を保存することが出来て、フィッティングの際に所望の信号を取り出すことが容易になる。
また、トリガー生成部202はプッシュスイッチではなく、無線通信のリモートコントロールにより保存トリガー信号210を生成するものであっても良い。この場合には、トリガー生成部202は無線信号受信部を備え、この無線信号受信部が無線通信で送られてくる指示に従って保存トリガー信号210を生成する。
この時、保存トリガー信号210はプッシュスイッチのように単一の信号だけではなく、第一のメモリ200から第二のメモリ201へとデジタル信号系列を移す指示と同時にメモリ入力インターフェース203に対してデジタル信号系列を第二のメモリ201のどのアドレスに保存するかを指定するものであっても良い。このようにすれば、補聴器装用者がリモートコントローラで第二のメモリ201のアドレスを直接指定してフィッティングを必要とする音の信号を保存することが出来て、利便性が向上する。
切替部107は、接続部104から入力される調整信号112がA/D変換部105の出力信号を選択するように指示した場合はデジタル入力信号114a、114bを選択し、調整信号112が保存部106の出力信号を選択するように指示した場合はデジタル保存信号115a、115bを選択してデジタル選択信号116a、116bとして補聴処理部108へ出力する。ここで、調整信号112が切替部107に対して指示をしていない、即ち接続部104にフィッティング装置が接続されていない時には、切替部107はA/D変換部105の出力信号を選択する。
即ち切替部107は、フィッティングを行うために補聴器本体に接続されたフィッティング装置から指示された時には保存部106が出力する信号を選択し、フィッティングを行わない通常の補聴時には集音部101からの信号を選択して、補聴処理部108へ供給する信号を切り替えるというものである。
補聴処理部108は、切替部107が出力するデジタル選択信号116a、116bに対して補聴処理を行い、デジタル補聴信号117として出力する。ここで図3を用いて補聴処理部108について詳細な説明を行う。図3は補聴処理部108のブロック図を示すもので、図3に示す通り補聴処理部108は、指向性合成部301と周波数分析部302とパワー算出部303とゲイン制御部304とゲイン調整部305と周波数合成部306で構成される。
指向性合成部301は、補聴器装用者に対して特定の方向からの音を拡大する、即ち特定の方向に補聴器の指向性を向けるようにデジタル選択信号116a、116bを加工して合成する。合成された信号は合成信号311として周波数分析部302へ出力される。この指向性合成部301は複数の適応フィルタと加算器で構成され、その演算係数を変更することで任意の向きに指向性を向けることが可能である。また全方向の音が均等に聞こえる無指向とすることも出来る。
周波数分析部302は、時系列に入力される合成信号311を時間領域の信号から周波数領域の信号へと変換し、複数の周波数帯域に分割して周波数信号群312として出力する。この方法としては、フーリエ変換した結果を分割する方式、またはサブバンド分割方式が用いられる。分割は、補聴器が扱う周波数の上限から下限の間を複数に分けることで行われ、例えば、10チャンネル(または10バンド)対応の補聴処理であれば、補聴器が扱う周波数領域が10分割される。そして、それぞれの周波数帯域毎に周波数信号を出力する。周波数分析部302はこの10個の周波数信号を周波数信号群312として出力する。
パワー算出部303は、周波数分析部302から出力される周波数信号群312の各帯域の周波数信号それぞれについてパワー値を計算する。ここでパワー値とは周波数分析部302に入力された信号の電力であり、集音部101に入力される音響信号の音圧レベルと相関を有する。即ち、音圧レベルが小さければパワー値は小さく、音圧レベルが大きければパワー値は大きくなる。計算された各帯域のパワー値はパワー値群313としてゲイン制御部304へと出力される。
ゲイン制御部304は、パワー値群313に基づいて各帯域の周波数信号に対するゲインを決定する。ゲインの決定には、ゲインテーブルが用いられる。聴覚のダイナミックレンジは補聴器装用者によって異なり、入力される音響信号の音圧レベルに対して、その補聴器装用者に応じた非線形なゲイン調整が必要となる。そこで、予めオージオグラム等で求めた補聴器装用者に必要なゲイン特性を入力音圧レベル即ちパワー値毎に定めたゲインテーブルを作成する。ゲイン制御部304は全ての周波数帯域についてこのゲインテーブルを備え、パワー値群313が入力されるとゲインテーブルを参照して対応するゲインを決定する。そしてこれらは、ゲイン制御信号群314としてゲイン調整部305へと出力される。さらにこの信号は参照パラメータ信号113として接続部104へと出力される。
ゲイン調整部305は、ゲイン制御信号群314に基づいて各帯域の周波数信号である周波数信号群312に乗算を行い、周波数信号のゲイン調整を行う。ゲイン調整が施された周波数信号は調整済周波数信号群315として周波数合成部306に出力される。
周波数合成部306は、分割された調整済周波数信号群315を合わせて周波数領域の信号から時間領域の信号へ変換する。周波数合成は、周波数分析がフーリエ変換であったならば逆フーリエ変換で、サブバンド分割であったならばサブバンド合成によって行われる。周波数合成された信号はデジタル補聴信号117として出力される。
D/A変換部109は、A/D変換部105と逆の変換を行い、デジタル信号であるデジタル補聴信号117をアナログ信号であるアナログ出力信号111へと変換する。
次に、この補聴器と接続して補聴器のフィッティングを行うフィッティング装置について説明する。ここで、補聴器とこのフィッティング装置により補聴器ユニットが構成される。図4は、フィッティング装置の概略構成図を示すものである。図4に示すようにフィッティング装置は、少なくともデータ入力部401と、演算部402と、表示部403と通信部404で構成される。
データ入力部401は、補聴器装用者の聴力データ、主な使用環境などの様々なデータを入力するものである。様々なデータは、補聴器装用者またはオペレーターによってキーボードやタッチパネル入力などを用いて入力される。
演算部402は、データ入力部401から入力される様々なデータに基づいて補聴器の各パラメータを演算するものである。また、これらのパラメータを演算するために必要な動作や、補聴器の補聴特性を変更するために必要なコマンドを発行するものでもある。さらに、表示部403が表示する内容を指定するコントローラの役目も担う。
表示部403は、演算部402が出力する補聴器の各パラメータを表示するものである。このほかにも、補聴器の調整状態を表示したり、データ入力部401がタッチパネル入力の場合には使用者に操作を促すためのアイコンを表示したりする。表示部403はこれらの情報を全て演算部402からの命令を受けて表示する。
通信部404は、補聴器の接続部104と接続して通信を確立し、補聴器との間でコマンドやパラメータの送受信を行うものである。前述の通り、通信部404と補聴器104との間の接続は有線でも無線でも良く、通信部404はそれぞれの接続方式で必要な構成を備えている。
ここでフィッティング装置が調整を行うゲイン制御部304について詳細に説明する。図5は、ゲイン制御部304のブロック図を示したものである。図5に示すようにゲイン制御部304は、ゲインテーブル501とゲイン更新部502で構成される。
ゲインテーブル501は、パワー算出部303が出力するパワー値群313を受信し、テーブルを参照して各周波数帯域のパワー値に対応するゲイン値を選択し、ゲイン制御信号群314として出力する。
ゲイン更新部502は、接続部104が出力する調整信号112を受信し、その中に含まれるフィッティング装置が指定するテーブルデータをゲインテーブル501の所定の場所に書き込み、ゲインテーブル501を更新する。
以上のように構成された補聴器とフィッティング装置の動作について説明する。ここでは、補聴器とフィッティング装置が有線で接続されることを前提とする。まず補聴器装用者がこの補聴器を使い始める初期化時には、予めオージオグラム等で測定分析された補聴器装用者の補聴特性を、オペレーターがフィッティング装置のデータ入力部401から入力する。
補聴特性を入力後、オペレーターがゲインの演算をデータ入力部401から指示すると、演算部402は補聴特性に基づいたゲイン値を各周波数帯域について求め、テーブルデータを作成する。演算部402はテーブルデータの作成が完了すると、表示部403にゲインテーブル更新の準備が出来たことと、フィッティング装置と補聴器を接続することを促す。
オペレーターが補聴器とフィッティング装置とを接続し、データ入力部401を介してテーブルデータの転送を指示すると、演算部402はテーブルデータとゲイン更新部502に対するテーブル更新のコマンドを通信部404へ送り、補聴器へ転送させる。補聴器に転送されたテーブルデータとテーブル更新のコマンドは、調整信号112として接続部104からゲイン更新部502へと送られる。
テーブル更新のコマンドを受けたゲイン更新部502は、テーブルデータをゲインテーブル501に書き込む。書き込みが完了するとゲインテーブル501が出力するゲイン制御信号群314にテーブルデータが反映されるため、演算部402は接続部104を介して参照パラメータ信号113を取得して、テーブルデータと比較して書き込みの完了を検知する。書き込みの完了を検知した演算部402は、フィッティングの完了と補聴器との接続を切断する内容の表示を表示部403に指示する。
次に、補聴器装用者が補聴器にフィッティング装置を接続せずに通常使用している場合、即ち実使用モードについて説明する。通常使用時には、補聴器の切替部107はA/D変換部105の出力信号を選択し、集音部101が集音した周囲音が、その音圧レベルに応じてゲイン調整が行われて音出力部103から出力される。この時、保存部106にはA/D変換部105の出力信号が入力されており、第一のメモリ200は常に直近の5秒間分の信号を記憶している。
この通常使用時に、フィッティングを必要とする音が発生して補聴器装用者がトリガー発生部202を構成するプッシュスイッチを押すと、第一のメモリ200に記憶された直近の5秒間分の信号は第二のメモリ201のアドレス1に保存される。その後も、補聴器装用者がプッシュスイッチを押すたびに第一のメモリ200に記憶された直近の5秒間の信号が第二のメモリ201の2番目以降のアドレスに保存されていく。このアドレスの切り替えをメモリ入力インターフェース203が調停する。このようにして補聴器装用者は、フィッティングの際に利用する音の信号を補聴器の中に保存していく。
次に、補聴器の中に保存した音を利用してフィッティングを行う場合について説明する。まず、オペレーターは補聴器とフィッティング装置を接続し、補聴器装用者はこのフィッティング装置と接続した補聴器を耳に装着する。そして、オペレーターがフィッティング開始をデータ入力部401から入力すると、演算部402は切替部107に対して保存部106の出力信号を選択するコマンドを発行する。そしてメモリ出力インターフェース204に対して、第二のメモリ201の一つのアドレスに保存された信号を読み出してデジタル保存信号115a、115bとして出力するコマンドを発行する。同時に表示部403に、第二のメモリ201のどのアドレスから信号を読み出しているかを表示させる。
このようにして、第二のメモリ201の指定されたアドレスに保存された信号が切替部107を介して補聴処理108へと入力され、補聴処理が行われる。補聴器装用者は、この補聴処理が行われた信号を補聴器から音響信号として聞き取り、フィッティングを行う所望の信号が選択されているかどうかを確認して結果をオペレーターに伝える。オペレーターはそのアドレスが正しければ、そのアドレスで確定するようにデータ入力部401に入力する。アドレスが正しくない場合には、正しいアドレスが選択されるまでデータ入力部401にアドレスの切り替えを入力する。アドレスの切り替えが入力されると、演算部402はメモリ出力インターフェース204に対して第二のメモリ201の次のアドレスから信号を読み出すように指示する。
アドレスが確定すると、次はゲイン調整の工程に移る。演算部402は、目的のアドレスに保存した信号を再生した時のゲイン値を参照パラメータ信号113から取得する。演算部402は表示部403に、取得した各周波数帯域のゲイン値と、ゲイン値の増加、減少のボタンを表示する。ここで、オペレーターが補聴器装用者の要望を聞きながらゲイン値の増減を修正する。
例えば、「低音がうるさい」と言う場合には低周波領域のゲイン値を減少させるように入力する。これらの入力はデータ入力部401から演算部402へと伝えられる。演算部402はその指示に応じて最初に取得したゲインを修正する演算を行ってテーブルデータを作成する。ゲインの演算が終了すると、表示部403へ演算の終了とテスト実行を表示させる。
オペレーターがテスト実行をデータ入力部401に与えると、演算部402はテーブルデータとゲインテーブル501更新のコマンドをゲイン更新部502へ送る。このコマンドを受けてテーブルデータ更新部502はゲインテーブル501を更新する。次にメモリ出力インターフェース204に対して第二のメモリ201に保存された信号を読み出すように指示する。
ゲイン制御部304は、この更新されたゲインテーブル501を用いてゲインを決定する。次にゲイン調整部305においては、演算部402で修正されたゲインテーブル501から得られたゲイン値を周波数信号群312に乗算してゲイン調整が行われる。このように調整された保存部106に蓄えられた音信号は音出力103から補聴器装用者へと提供される。補聴器装用者はこの調整された音の評価を行い、さらに修正が必要か、どのような修正を要するかをオペレーターに伝える。オペレーターは補聴器装用者の要望に従ってゲインの修正と確認を繰り返して、所望のゲイン特性が得られるように作業を行う。
所望のゲイン特性が得られると、オペレーターはデータ入力部401にフィッティングの完了を入力する。演算部402は、フィッティングの完了が指示されると、選択部107に対してA/D変換部105が出力する信号を選択するように指示した後、表示部403にフィッティング終了と補聴器とフィッティング装置の接続解除を促す表示を行う。フィッティング装置が切断された補聴器は、切替部107がA/D変換部105の出力する信号を選択するようになり、更新されたゲインテーブル501を反映した補聴器としての通常動作に戻る。
以上のように本実施の形態における補聴器及び補聴器ユニットは、補聴器が集音した周囲音を保存する保存部を設けて、この保存した周囲音を繰り返し再生しながら補聴器のゲイン設定を修正するようにしたので、オージオグラム等の診断分析結果やサンプル音による調整だけでは調整しきれない、補聴器装用者毎に異なる日常の生活環境音に対して最適なゲイン特性を得ることが可能となり、フィッティングの精度を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態においては、ゲインテーブル501を修正したゲイン値で上書き更新するようにしたが、初期のゲインテーブルと修正したゲイン値によるゲインテーブルの両方を記憶し、例えば補聴器本体に取付けたスイッチにより、どちらかのゲインテーブルを選択して利用できるようにしてもよい。このようにすれば、ある特定の時間や場所だけはゲイン特性を変えるということが実現できる。
また、フィッティングのゲイン修正を行う際に周波数帯域毎にゲインの増減を指定するようにしたが、「低音を大きく/小さく」という条件を入力すると演算部402が所定の法則で各周波数帯域のゲインを演算するようにしても良い。このようにすれば、専門技術を有するオペレーターだけでなく、一般の補聴器装用者でも適切なゲイン特性を得ることが出来るようになる。
本発明にかかる補聴器及び補聴器ユニットは、補聴器装用者が不快に感じた音に対するフィッティングの精度を高めることが出来て、聴覚補償装置等として有用である。
本発明の第1の実施の形態における補聴器のブロック図 保存部のブロック図 補聴処理部のブロック図 フィッティング装置の概略構成図 ゲイン制御部のブロック図
符号の説明
101 集音部
102 信号処理部
103 音出力部
104 接続部
105 A/D変換部
106 保存部
107 切替部
108 補聴処理部
109 D/A変換部
110a、b アナログ入力信号
111 アナログ出力信号
112 調整信号
113 参照パラメータ信号
114a、b デジタル入力信号
115a、b デジタル保存信号
116a、b デジタル選択信号
117 デジタル補聴信号
200 第一のメモリ
201 第二のメモリ
202 トリガー生成部
203 メモリ入力インターフェース
204 メモリ出力インターフェース
210 保存トリガー信号
301 指向性合成部
302 周波数分析部
303 パワー算出部
304 ゲイン制御部
305 ゲイン調整部
306 周波数合成部
311 合成信号
312 周波数信号群
313 パワー値群
314 ゲイン制御信号群
315 調整済周波数信号群
401 データ入力部
402 演算部
403 表示部
404 通信部
501 ゲインテーブル
502 ゲイン更新部

Claims (9)

  1. 耳に装着可能形状となった本体に、
    この本体の周囲音を取り込む集音部と、
    この集音部が取り込んだ周囲音を加工する信号処理部と、
    この信号処理部が加工した音を前記本体外へ出力する音出力部と、
    前記信号処理部のフィッティングを行うためのフィッティング装置を前記本体に接続する接続部とを備えた補聴器において、
    前記信号処理部は、
    前記集音部の出力信号を保存する保存部と、
    前記接続部に接続された前記フィッティング装置から指示されるとこの保存部の出力信号を選択して補聴処理部に供給し、前記接続部に前記フィッティング装置が接続されていない時には前記集音部の出力信号を選択して前記補聴処理部に供給する切替部とを備え、
    前記補聴処理部は、前記切替部を介して供給された信号に補聴処理を施して前記音出力部に出力する構成とした補聴器。
  2. 前記保存部は、
    前記集音部の出力信号の保存を指示する保存トリガー信号を生成するトリガー生成部と、
    前記集音部の出力信号を一時的に記憶する第一のメモリと、
    前記保存トリガー信号が入力されると前記第一のメモリに一時的に記憶した信号を保存する第二のメモリとを備えた請求項1に記載の補聴器。
  3. 前記補聴処理部は、
    前記切替部から供給された信号に指向性合成を行って合成信号を出力する指向性合成部と、
    前記合成信号を周波数領域の信号に変換して複数の周波数帯域に分割した周波数信号を出力する周波数分析部と、
    前記分割した周波数信号から前記合成信号の電力を算出するパワー算出部と、
    前記パワー算出部で算出した電力に基づいて前記分割した周波数信号に対するゲインを求めるゲイン制御部と、
    前記ゲイン制御部で求めたゲインを前記分割した周波数信号に乗算するゲイン調整部と、
    前記ゲイン調整部が出力するゲイン調整が行われた周波数信号を合成して時間領域の信号に変換する周波数合成部とを備えた請求項1に記載の補聴器。
  4. 前記ゲイン制御部は、
    前記パワー算出部で算出した電力に基づいて前記分割した周波数信号に対するゲインを求める際に参照するゲインテーブルと、
    前記接続部に接続されたフィッティング装置の指示により前記ゲインテーブルを更新するゲイン更新部とを備えた請求項3に記載の補聴器。
  5. 補聴器とこの補聴器のフィッティングを行うフィッティング装置からなる補聴器ユニットであって、
    前記補聴器は、
    耳に装着可能形状となった本体に、
    この本体の周囲音を取り込む集音部と、
    この集音部が取り込んだ周囲音を加工する信号処理部と、
    この信号処理部が加工した音を前記本体外へ出力する音出力部と、
    前記フィッティング装置を接続する接続部とを備え、
    前記信号処理部は、
    前記集音部の出力信号を保存する保存部と、
    前記接続部に接続された前記フィッティング装置から指示されるとこの保存部の出力信号を選択して補聴処理部に供給し、前記接続部に前記フィッティング装置が接続されていない時には前記集音部の出力信号を選択して前記補聴処理部に供給する切替部とを備え、
    前記補聴処理部は、前記切替部を介して供給された信号に補聴処理を施して前記音出力部に出力する構成とした補聴器ユニット。
  6. 前記保存部は、
    前記集音部の出力信号の保存を指示する保存トリガー信号を生成するトリガー生成部と、
    前記集音部の出力信号を一時的に記憶する第一のメモリと、
    前記保存トリガー信号が入力されると前記第一のメモリに一時的に記憶した信号を保存する第二のメモリとを備えた請求項5に記載の補聴器ユニット。
  7. 前記補聴処理部は、
    前記切替部から供給された信号に指向性合成を行って合成信号を出力する指向性合成部と、
    前記合成信号を周波数領域の信号に変換して複数の周波数帯域に分割した周波数信号を出力する周波数分析部と、
    前記分割した周波数信号から前記合成信号の電力を算出するパワー算出部と、
    前記パワー算出部で算出した電力に基づいて前記分割した周波数信号に対するゲインを求めるゲイン制御部と、
    前記ゲイン制御部で求めたゲインを前記分割した周波数信号に乗算するゲイン調整部と、
    前記ゲイン調整部が出力するゲイン調整が行われた周波数信号を合成して時間領域の信号に変換する周波数合成部とを備えた請求項5に記載の補聴器ユニット。
  8. 前記ゲイン制御部は、
    前記パワー算出部で算出した電力に基づいて前記分割した周波数信号に対するゲインを求める際に参照するゲインテーブルと、
    前記接続部に接続されたフィッティング装置の指示により前記ゲインテーブルを更新するゲイン更新部とを備えた請求項7に記載の補聴器ユニット。
  9. 前記フィッティング装置は、
    補聴器装用者の補聴特性入力とフィッティングの際の指示入力を行うデータ入力部と、
    前記データ入力部の入力内容に基づいて前記補聴処理部の補聴パラメータを演算する演算部と、
    フィッティングの状況を表示する表示部と、
    前記接続部と通信して補聴器との間で前記補聴パラメータの受け渡しを行う通信部とを備えた請求項5に記載の補聴器ユニット。
JP2008162914A 2008-06-23 2008-06-23 補聴器及び補聴器ユニット Pending JP2010004432A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008162914A JP2010004432A (ja) 2008-06-23 2008-06-23 補聴器及び補聴器ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008162914A JP2010004432A (ja) 2008-06-23 2008-06-23 補聴器及び補聴器ユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010004432A true JP2010004432A (ja) 2010-01-07

Family

ID=41585726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008162914A Pending JP2010004432A (ja) 2008-06-23 2008-06-23 補聴器及び補聴器ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010004432A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103081513A (zh) * 2010-07-19 2013-05-01 福纳克有限公司 听力装置的基于视觉的选配
US9232904B2 (en) 2011-02-10 2016-01-12 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Electroencephalogram recording apparatus, hearing aid, electroencephalogram recording method, and program thereof
CN114513733A (zh) * 2020-11-16 2022-05-17 合世生医科技股份有限公司 具智能音量调整的辅听装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103081513A (zh) * 2010-07-19 2013-05-01 福纳克有限公司 听力装置的基于视觉的选配
US9232904B2 (en) 2011-02-10 2016-01-12 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Electroencephalogram recording apparatus, hearing aid, electroencephalogram recording method, and program thereof
CN114513733A (zh) * 2020-11-16 2022-05-17 合世生医科技股份有限公司 具智能音量调整的辅听装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9531338B2 (en) Signal processing apparatus, signal processing method, program, signal processing system, and communication terminal
KR101779641B1 (ko) 보청기를 가진 개인 통신 장치 및 이를 제공하기 위한 방법
US7933419B2 (en) In-situ-fitted hearing device
EP3016410B1 (en) Measurement device and measurement system
EP2884769B1 (en) Measuring apparatus, measuring system and measuring method
EP1617705B1 (en) In-situ-fitted hearing device
US7957549B2 (en) Acoustic apparatus and method of controlling an acoustic apparatus
US20090154741A1 (en) System for customizing hearing assistance devices
US9247356B2 (en) Music player watch with hearing aid remote control
US9743173B2 (en) Signal processing device, signal processing method, and computer program
US11115759B1 (en) System and method for aiding hearing
JP2009288555A (ja) 音響特性測定装置、音響特性補正装置および音響特性測定方法
US11277709B2 (en) Headphone
JP2010004432A (ja) 補聴器及び補聴器ユニット
CN105554663B (zh) 用于估计听力装置的反馈通路的听力系统
JP2013247559A (ja) 聴覚補装具送信機及び聴覚補装具
JP6234082B2 (ja) 計測システム
JP2016158212A (ja) 測定システム及び測定方法
JP5377030B2 (ja) マイクロホン装置
JP4077436B2 (ja) 補聴器調整システム及び補聴器調整装置
KR101391855B1 (ko) 보청기 선택을 위한 시뮬레이터
CN114630223B (zh) 一种优化听戴式设备功能的方法及听戴式设备
JP2010200259A (ja) 携帯端末、プログラムおよび情報処理装置
JP2019020676A (ja) 録音機、録音方法及び録音のためのプログラム