JP2010003505A - 蛍光体被膜の形成方法および蛍光体被膜の形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス管バルブ内面への蛍光体被膜の形成に際し、蛍光体被膜への浮遊微粒子状物質などの不純ガスの付着を低減して、蛍光ランプの点灯経過に伴う光束の低下などランプのパフォーマンス(働程)特性の低下を抑制することのできる蛍光体被膜の形成方法および蛍光体被膜の形成装置を提供する。
【解決手段】ガラス管バルブBの内面に蛍光体微粉末を主成分とする物質と揮発性有機化合物溶剤とからなる蛍光体スラリーを塗布する工程と、上記ガラス管バルブB内にVOC処理装置から排出した清浄な気体を吹き込み蛍光体スラリー塗布膜を乾燥させる工程と、上記蛍光体スラリー塗布膜を焼成してバルブB内面に蛍光体被膜を形成する工程とを具備している蛍光体被膜の形成方法および被膜の形成装置1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光ランプに用いられるガラス管バルブの内面に蛍光体被膜を形成する方法およびその形成装置に関する。
近時、地球環境対策の推進がはかられ長く家庭などの照明用光源として用いられてきていた電球も、特殊なものを除き電球より発光効率や寿命特性に優れた蛍光ランプへの切り替えが推奨され、これからは蛍光ランプが主として用いられるようになる。
蛍光ランプはガラス管バルブの内面に形成された蛍光体被膜が紫外線をうけてバルブ外へ可視光線を放射する構成とされている。
一般的にはこの蛍光体被膜の形成は蛍光体を主成分とする微粉末を酢酸ブチルなどの揮発性有機化合物を溶剤として懸濁したスラリーを用い、この蛍光体スラリー(懸濁液)をガラス管バルブの上方から流し込むとともにバルブ内面に付着したスラリーの塗布膜に大気(空気)を吹き付けることにより乾燥し、さらに、この乾燥した塗布膜が設けられたバルブをベーキング(焼成)することにより得ている。
この蛍光ランプ分野においても、さらに発光特性や寿命特性の向上が望まれていて、ランプ設計から製造方法や製造設備などの各段階での見直しがすすめられている。
そこで、本発明者が着目したのは蛍光ランプなどの管球においては、管球の点灯経過時間とともにバルブ、マウント(電極部材)や蛍光体被膜などのバルブ内部品からの不純ガスの発生および電極部材の蒸発消耗による劣化などで発光特性が初期値より徐々に低下していく、いわゆるパフォーマンス(働程)特性の低下を極力抑えることにより高い発光特性を維持して省エネルギー化や省資源化がはかれることである。
上述したようにガラス管バルブ内面に蛍光体被膜を形成する際には、酢酸ブチルなどの引火性の高い揮発性有機化合物を溶剤として用いているため、この工程(設備)は安全性を配慮した防爆対策がされた建屋や部屋あるいは仕切りの内部において作業が行われている。しかし、この作業場内は他と仕切られているとはいえ、諸設備(機械)やバルブなどの部材の搬出入などで生じる浮遊微粒子状物質あるいは機械油や薬品類からの揮発物が漂っていて特に汚染された雰囲気ではないが、完全なクリーンな環境ではない。
そして、ガラス管バルブ内面に形成された蛍光体スラリー塗布膜の乾燥には、この作業場内の空気を取り込みブロアーでバルブ内に吹き込んでいる。この吹き込む空気中に揮発物などの不純ガス成分や浮遊微粒子状物質などが多いと、蛍光体スラリー塗布膜にこの不純ガス成分などの微粒子状物質の付着が増える。また、特に生乾き状態にある蛍光体スラリー塗布膜にこの不純ガス成分などの微粒子状物質が付着すると表面にめり込み剥がれ落ち難くなる。
そして、次工程のベーキング(焼成)工程において溶剤などの有機化合物成分の分解が行われるが、付着物質の種類あるいは付着量によっては有機物が増加し分解しないでカーボンとして残留し、この残留物質が完成した蛍光ランプ内において経時とともに不純ガスを発生し光束(lm)などパフォーマンス(働程)特性の悪化を来たす要因となる。
なお、上記蛍光体スラリー塗布膜の乾燥室においては、この塗布膜の乾燥により気化した酢酸ブチルなどの揮発性有機化合物を含む気体を吸引して、フィルターなどを介し濾過して清浄な気体を外部に排出させるとともにフィルターなどに吸着した酢酸ブチルなどを回収する揮発性有機化合物(VOC)処理装置が設けられていて、大気汚染の防止、排出ガスの抑制と作業環境の保全がはかられている。
本発明は、上記課題に対処するためになされたもので、ガラス管バルブ内面への蛍光体被膜の形成に際し、蛍光体被膜への浮遊微粒子状物質などの不純ガスの付着を低減して、蛍光ランプの点灯経過に伴う光束の低下などランプのパフォーマンス(働程)特性の低下を抑制することのできる蛍光体被膜の形成方法および蛍光体被膜の形成装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の蛍光体被膜の形成方法は、ガラス管バルブの内面に蛍光体微粉末を主成分とする物質と揮発性有機化合物溶剤とからなる蛍光体スラリーを塗布する工程と、上記ガラス管バルブ内にVOC処理装置から排出した清浄な気体を吹き込み蛍光体スラリー塗布膜を乾燥させる工程とを具備していることを特徴とする。
請求項1の形成方法によれば、ガラス管バルブ内に塗付された蛍光体スラリー塗布膜の乾燥にVOC(揮発性有機化合物)処理装置から排出した清浄な気体(空気)を吹き込み使用するようにしたことにより、蛍光体スラリー塗布膜に浮遊微粒子状物質やVOC(揮発性有機化合物)ガスなどの不純物の付着を抑制することができるとともに完成したランプの蛍光体被膜からの不純ガスの発生を低減できる。
なお、本発明で用いられる蛍光体スラリーは、蛍光体微粉末、揮発性有機化合物溶剤の他、アルミナ(酸化アルミニウム)やチタニア(酸化チタン)などの被膜補強物質、ニトロセルロースやエチルセルロースなどのバインダー、あるいはカルシウムバリウムボレート、低融点ガラスやリン酸カルシウムなどの結着剤などの物質が混練されたものである。
また、VOC(揮発性有機化合物)処理装置は、VOCの有害性や大気汚染の防止、作業環境の保全をなすため開発されたもので、メタノールやエタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸メチルや酢酸ブチルなどのエステル類あるいはアセトンなどのケトン類などの揮発性有機化合物を扱う現場において多く設置され、VOC含有ガスの大気中への拡散を防止して清浄な空気を排出するとともに材料を回収して再利用をはかる装置である。
本発明の請求項2に記載の蛍光体被膜の形成装置は、ガラス管バルブを保持するヘッドが複数組設けられるとともにガラス管バルブを移動する搬送機構と、ガラス管バルブの開口部に対応して配設された蛍光体スラリーの塗布ノズルを備えた蛍光体スラリー塗布室と、上記塗布室に連接して設けられ、ガラス管バルブの開口部に対応して配設された蛍光体スラリー乾燥用の気体吹き出し口を備えた乾燥室と、上記乾燥室内から排出されたVOC含有ガスを濾過、回収するVOC処理装置と、上記VOC処理装置の気体排出口と上記乾燥室の気体吹き出し口とを接続する気体排出導管と、上記乾燥室に連接して設けられたベーキング炉とを具備していることを特徴とする。
この被膜形成装置は、無端状のチェーンなどの搬送機構に取り付けられたヘッドにガラス管バルブを保持させ、チェーンなどの回動でガラス管バルブが移動して蛍光体スラリーの塗布およびこの塗布膜に気体(空気)を吹き付け塗布膜の乾燥を行わせ、ついで、このバルブをベーキング炉で加熱して塗布膜を焼成し蛍光体被膜を形成する装置である。
そして、本発明が特徴としているところは、これら被膜形成装置において併設されているVOC(揮発性有機化合物)処理装置を利用し、このVOC処理装置から排出された清浄な気体(空気)を蛍光体スラリー塗布膜の乾燥に用いたところである。
すなわち、蛍光体スラリー塗布膜の乾燥を、この乾燥室から吸引したVOC含有ガスをフィルターで濾過および吸着させたうちの気体(空気)を外部に放出することなく排出口でとらえ、この排出口と乾燥室の気体吹き付口とを導管で接続してある。
そして、この設備における気体の流れは、乾燥室内−ブロアー−導入導管−VOC処理装置本体内(フィルター)−排出口−循環導管−乾燥室内の分配管−吹き出し口−乾燥室内と循環した流れで、乾燥には排出口から排出した清浄な気体が供給される上記請求項1に記載と同様な作用を奏する。
なお、蛍光体スラリー塗布室と、蛍光体スラリー乾燥室と、ベーキング炉とは、それぞれが独立して仕切られたものであってもよいが、蛍光体スラリー塗布室と乾燥室とは同じスラリーが使われているところから同じ室(仕切り)内であった方が上記VOC処理装置との接続関係などから好ましく、ベーキング炉は高温となるので別体がよい。
請求項1記載の発明によれば、併設や既設されているVOC処理装置を利用することによって、作業場などに浮遊する粒子状物質が蛍光体被膜中に残存することを低減できるので、この被膜形成方法により製造された蛍光ランプは、発光特性や寿命特性、特に点灯経過後のパフォーマンス(働程)特性の向上がはかれる。
請求項2記載の発明によれば、併設や既設されているVOC処理装置を利用することができるので安いコストで整備が可能であるとともに、この被膜の形成装置により製造された蛍光ランプは上記請求項1に記載と同様の効果を奏することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は蛍光ランプのガラス管バルブに蛍光体被膜を形成する装置の概略を模式的に示す説明図である。
図において1は蛍光体スラリー(懸濁液)の塗布・乾燥装置で、実際は上方からみて外形が小判状や円形状などをなしているが、ここでは平面的に図示してあり、また、搬送機構3に取り付けられガラス管バルブBを直立した状態で支持するヘッド2も等間隔で複数個有するがここでは要部のヘッド2を示し一部ヘッドは省略してある。
この塗布・乾燥装置1は、実線枠で示す部屋または仕切り11内に塗布室12と乾燥室13とが連設されている。なお、この塗布室12と乾燥室13とはそれぞれが独立して設けられていても、図示のように特に仕切りされていなくてもよい。
搬送機構3は少なくとも一対の駆動軸および支持軸(いずれも図示しない。)に装架支持された無端状(エンドレス)のチェーン31,31を有し、両チェ−ン31,31には所定の間隔を隔て一対の部材が開閉することによりガラス管バルブBを直立して保持するチャック21,…を備えたヘッド2,…が設けられていて、塗布室12と乾燥室13とを縦断するようなかたちで回動する。また、上記塗布室12と乾燥室13に設けられるチェーン31,31の出入り口はできる限り小さいのが好ましい。
4は蛍光体スラリー(懸濁液)を収容したタンクで、下方には一定した所定量の蛍光体スラリー(懸濁液)を吐出する塗布ノズル41が設けられている。また、51は蛍光体スラリー塗布液を乾燥させる気体(空気)の分配管で、この分配管51の下方にはノズル状の気体(空気)の吹き出し口52,…が複数箇所に設けられている。
また、6は、揮発性有機化合物処理装置(以下、VOC処理装置という。)で、この装置6は内部にVOC含有ガスを吸着させる活性炭などからなるフィルター(図示しない。)などを収容した本体61、溶剤を分離回収するコンデンサ62、溶剤の貯留部63、VOC含有ガスの導入導管64、気体の排出口65、気体の循環導管66などからなり、この気体の排出口65は上記循環導管66を介し乾燥室13内の分配管51と接続してある。
また、7はベーキング炉で、耐熱性の金網などで無端状(エンドレス)に造られたコンベアー71がホイール72に駆動され炉7内を通過させることができるよう構成されている。
また、図中、15は流下した蛍光体スラリーの受皿、67は開閉コック、81,82はブロアーで、上記塗布・乾燥装置1、ベーキング炉7、VOC装置6などを主体として蛍光体被膜形成装置が構成されている。
つぎに、上記蛍光体の塗布・乾燥装置1の動作について説明する。駆動軸および支持軸(いずれも図示しない。)に装架支持されたチェーン31,31は、矢印K方向に間欠的(インデックス)または連続的(コンティニアス)に、ここでは間欠的(インデックス)に回動される。また、ガラス管バルブBの開口端部と蛍光体スラリー(懸濁液)の塗付ノズル41や気体(空気)の吹き出し口52,…とは、両者の中心軸に沿って対応するよう調整して配設されている。
また、VOC処理装置6およびブロアー81,82も運転され、一体的にある塗付室内および乾燥室13内の気体はブーロワー81に吸引され導入導管64を介し本体61内に送られ、フィルターを通過した気体は排出口65から循環導管66、ブロアー82、分配管51を経て再び吹き出し口52,…から乾燥室13内に送られ、この気体の流れは上記各所を矢印R,…で示すように循環している。なお、この気体を循環させるブロアー81,82は、所定の風量に調整できるようにしておくのが好ましい。
まず、塗布室12外のポジションSの位置において、洗浄されたガラス管バルブBの上方側部分と下方側部分を、ヘッド2のバルブチャック21,21を開閉することにより直立した状態で保持させる。
つぎに、駆動機構3のチェーン31,31の回動によりガラス管バルブBが塗布室12内に移動し蛍光体スラリー(蛍光体微粉末、酢酸ブチル、ニトロセルロースなどの懸濁液)の塗付ノズル41の直下にきたら、この塗付ノズル41から所定量の蛍光体スラリー(懸濁液)をバルブB上方側の開口部から吐出させる。この吐出により蛍光体スラリー(懸濁液)はバルブB上方側の内面に付着するとともにバルブB内面の下方側へと流下して行き、バルブBの全内面に蛍光体スラリーの塗布膜が形成される。このとき流下した余分の蛍光体スラリー(懸濁液)は、バルブB下方側の開口部から落ち受皿15へ入り回収することができる。
さらに、チェーン31,31が回動し、バルブB下方側の開口部から余分の蛍光体スラリーの落下がなくなりガラス管バルブBが乾燥室13内に移動しノズル状の気体の吹き出し口52,…のポジションにくると、バルブB内には吹き出し口52,…からの気体が吹きかけられることにより蛍光体スラリー塗布膜の乾燥が促進される。
この吹き出し口52,…による乾燥は数ポジションのヘッド2,…において行われ、ガラス管バルブBが乾燥室13外に出たポジションEでヘッド2のバルブチャック21,21を開閉することによりバルブBはヘッド2から外される。
また、蛍光体スラリー塗付膜乾燥用の気体は、上述したように乾燥室13の出口側に接続されたVOC処理装置6で処理されたものが用いられる。すなわち、この乾燥室13において蛍光体スラリー塗布膜を乾燥する際に生じる揮発性ガスは、乾燥室13の出口側に設けられたブロアー81により吸引して本体61内に送られ活性炭などのフィルターを通過した気体は排出口65に送られる。
この排出口65に送られてきた気体はVOC成分および浮遊微粒子状物質を含有しない清浄な空気であって、本発明ではこの気体(空気)を循環導管66に導き分配管51を介し吹き出しノズル52,…と接続して乾燥用の気体としている。一方、フィルターに吸着されたVOC成分は、スチームを用い脱着してコンデンサ62に送られ冷却凝縮処理することにより水蒸気(水分)と溶剤分を貯留部63に 回収することができる。貯留部63にて回収された溶剤は、不純物成分の混入が少ないので再利用が可能となる。
なお、このガラス管バルブB内に形成された乾燥状態にある蛍光体スラリー塗布膜のうち両端部近傍の部分は、後工程である封止作業時に支障をきたさないよう必要に応じ塗布膜がバフなどにより剥離される。
つぎに、上記ガラス管バルブBは、ほぼ水平状態にしてベーキング炉7のコンベアー71上に移送され、炉7内を回転しながら通過させることによって乾燥状態にある蛍光体スラリー塗布膜を加熱し、塗布膜中に残存している有機溶剤などのVOC成分などを気化放散させるとともに焼成して蛍光体被膜が形成されたガラス管バルブBを得ることができる。
そして、上述した設備および工程を経て得られたガラス管バルブBは、電極を有するマウントとの封止工程、(バルブBを環形やU字形などの非直線形状にする場合はベンディング工程)、バルブB内の排気と放電媒体の封入などの排気工程、バルブB端部への口金付けなどの通常の工程を経て蛍光ランプが完成される。
本発明は、ガラス管バルブB内面への蛍光体被膜形成時に、大気汚染の防止、作業環境の保全や有機溶剤の回収などに使用しているVOC処理装置6から排出される従来は外部に放出していた清浄な気体(空気)を利用して蛍光体塗布膜を乾燥させることができた、処理装置6の他用途への活用をはかった蛍光体被膜の形成方法および形成装置である。
また、この形成方法および形成装置を用い製造された蛍光ランプは、作業場などに浮遊する粒子状物質が蛍光体被膜中に残存することを低減できるので、発光特性や寿命特性、特に点灯経過後のパフォーマンス(働程)特性の向上がはかれる。
青色領域、緑色領域、赤色領域に発光ピークを有する複数種の蛍光体微粉末、結着剤としてアルミナおよび金属ホウ酸塩の微粉末、バインダーとしてニトロセルロース、溶剤として酢酸ブチルを用意し、これらを混練して蛍光体スラリー(懸濁液)を調製し、この蛍光体スラリー(懸濁液)を内径が約30mm、全長が約560〜580mmのガラス管バルブB内に上述した方法にて塗布し、本発明に関わるVOC処理装置6から排出された気体(空気)を用い乾燥させた後、500〜600℃で加熱し焼成して蛍光体被膜を得たバルブBを用い、通常の方法でFCL(環形)30W形の蛍光ランプを製造し、この蛍光ランプの点灯経過に伴うパフォーマンス(働程)特性(光束維持率(%))を調べた。
図2はこの蛍光ランプの点灯経過時間に伴う光束(lm)の変化を示したもので、横軸に点灯時間、縦軸に光束維持率(%)を対比してある。なお、図中、実線は本発明方法により製造したランプ、点線は従来の製造方法に係る比較用のランプで、蛍光体スラリー塗布膜の乾燥を作業場内から取り込んだ気体(空気)を用い、他は本発明と同一の条件で製造し、各30本のランプを測定した平均値である。
図2からも明らかなように本発明の蛍光ランプは、従来乾燥方式のランプに比べ光束(lm)維持率が、点灯経過3000時間後で約2%、6000時間後で約3%の向上がみられ、また、蛍光体被膜の視感による観察では両者間に変色差はみられなかった。(なお、エージング点灯100時間後の安定点灯時の光束(lm)値を100%としてある。)
なお、本発明は上記実施の形態に示す蛍光体被膜の形成方法および形成装置に限るものではない。
例えばガラス管バルブは直管形状をしたものについて説明したが、ガラス管を略U字形状などに折曲したり、並行する2本の直管形状のガラス管の端部近傍で短尺のガラス管を介し略コ字形状に接続するなど非直線形状のバルブに蛍光体被膜を形成する場合にも、バルブ内に蛍光体スラリーの塗布膜を形成した後、バルブの一端側の開口部から乾燥用の清浄な気体を吹き込んで乾燥させるなど本発明を適用できる。
また、蛍光体スラリーの材料成分は、ランプの発光特性に合せて3波長発光形の希土類蛍光体や連続波長発光形のハロリン酸塩蛍光体などの微粉末、酢酸ブチルなどの揮発性有機化合物溶剤の他、アルミナ(酸化アルミニウム)やチタニア(酸化チタン)などの被膜補強や紫外線吸収などの物質の微粉末、ニトロセルロースやエチルセルロースなどのバインダーあるいはカルシウムバリウムボレート、低融点ガラスやリン酸カルシウムなどの結着剤などの物質が混練されたものを用いることができる。
また、蛍光体被膜形成装置の上方からみた外形は長円状、円状、四角状などでガラス管バルブを保持する各ヘッドがエンドレスに回動して、前半の当初で蛍光体スラリーの塗布、前半中頃から後半にかけて乾燥が行われるポジションなどの設定がなされていればよく、蛍光体スラリーの塗布前にガラス管洗浄のポジションが設けられていてもよい。
また、ガラス管バルブを保持するヘッド部やヘッドが取り付けられる部分の構造は上記実施の形態に示すものに限らず他の構造であってもよい。
また、蛍光体被膜の形成に際し実施の形態では、ガラス管バルブを直立させて蛍光体スラリーの塗布・乾燥を行わせたが、バルブを傾斜や水平にして回転させながら作業を行うようにしてもよく、また、ベーキング炉も、ガラス管バルブを水平にして焼成するものに限らず、バルブを直立や傾斜して焼成するものであってもよい。
また、乾燥室とVOC処理装置とをつなぐ導入導管、VOC処理装置の排出口やこの排出口と分配管とをつなぐ循環導管などに気体を圧送したり吸引するブロアーを適宜個所に設け気体の循環を調整できるようにしておくことも差し支えなく、また、外気導入部などには清浄な気体(空気)が得られるように適宜フィルターを設けるようにしておいてもよい。
さらに、本発明は各種定格の蛍光ランプのガラス管バルブへの蛍光体被膜を形成するのに適用することができるとともに点灯経過に伴う光束維持率の向上に寄与することが確認できた。
本発明に関わる蛍光ランプのガラス管バルブに蛍光体被膜を形成する装置の概略を模式的に示す説明図である。 蛍光ランプの点灯経過に伴う光束(lm)の変化を示したグラフで、横軸に点灯時間、縦軸に光束維持率(%)を対比してある。
符号の説明
B:ガラス管バルブ
1:塗布・乾燥装置ガラスバルブ
12:塗布室
13:乾燥室
2:ヘッド
3:搬送機構
41:塗付ノズル
51:分配管
52:気体(空気)吹き出し口
6:揮発性有機化合物処理装置(VOC処理装置)
65:気体の排出口
66:循環導管

Claims (2)

  1. ガラス管バルブの内面に蛍光体微粉末を主成分とする物質と揮発性有機化合物溶剤とからなる蛍光体スラリーを塗布する工程と;
    上記ガラス管バルブ内にVOC処理装置から排出した清浄な気体を吹き込み蛍光体スラリー塗布膜を乾燥させる工程と;
    を具備していることを特徴とする蛍光体被膜の形成方法。
  2. ガラス管バルブを保持するヘッドが複数組設けられるとともに、ガラス管バルブを移動する搬送機構と;
    ガラス管バルブの開口部に配設された蛍光体スラリーの塗布ノズルを備えた蛍光体スラリー塗布室と;
    上記塗布室に連接して設けられ、ガラス管バルブの開口部に対応して配設された蛍光体スラリー乾燥用の気体吹き出し口を備えた乾燥室と;
    上記乾燥室内から排出されたVOC含有ガスを濾過、回収するVOC処理装置と;
    上記VOC処理装置の気体排出口と上記乾燥室の気体吹き出し口とを接続する気体排出導管と;
    上記乾燥室に連接して設けられたベーキング炉と;
    を具備していることを特徴とする蛍光体被膜の形成装置。
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