JP2010002195A - センサ付き転がり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体側に固定される筒状の固定軌道輪と、この固定軌道輪の内部に回転自在に挿通され且つ車輪の取付部分を有する回転軌道輪と、これらの軌道輪の間に転動自在に配設される複列の転動体とを備えており、前記回転軌道輪の外周面とのギャップを検出するセンサ装置が、前記固定軌道輪に設けられてなるセンサ付き転がり軸受装置。前記センサ装置は、円周方向に沿って複数設けられた変位センサからなっている。前記転がり軸受装置は、さらに、前記複数の変位センサのうち、一方のセンサの出力信号を他方の変位センサの出力信号よりも増幅する増幅部を備えている。
【選択図】 図1
Description
fi:第1前センサの検出値
ri:第1後センサの検出値
ti:第1上センサの検出値
bi:第1下センサの検出値
fo:第2前センサの検出値
ro:第2後センサの検出値
to:第2上センサの検出値
bo:第2下センサの検出値
X1=fi−ri
X2=fo−ro
Z1=bi−ti
Z2=bo−to
Y1=(fo+ro+to+bo)−(fi+ri+ti+bi)
そして、このように定義した場合、5つの値X1、X2、Z1、Z2、及びY1と、転がり軸受装置に作用しているX方向の力の大きさ(Fx)、転がり軸受装置に作用しているY方向の力の大きさ(Fy)、転がり軸受装置に作用しているZ方向の力の大きさ(Fz)、車輪に作用しているX軸回りのモーメント荷重の大きさ(Mx)、及び、車輪に左右しているZ軸回りのモーメント荷重の大きさ(Mz)との間には、線形関係があり、次の式(1)が成立する。
したがって、式(1)から以下の式(2)が導かれる。
ところで、かかる転がり軸受装置において、X軸回りのモーメント荷重(Mx)が作用すると、前後のセンサに比べて上下のセンサが大きく反応するが、Y1は、すべてのセンサ出力から算出されるので、Mx入力時のY1出力が非線形出力となることがある。非線形出力の場合、前述した式(2)のような逆行列演算ができないので、線形化するための演算処理(補正演算)が必要になるが、かかる演算処理を行うとセンサの応答性が低下するという問題がある。
前記センサ装置は、円周方向に沿って複数設けられた変位センサからなっており、且つ、
前記転がり軸受装置は、更に、前記複数の変位センサのうち、一方の変位センサの出力信号を他方の変位センサの出力信号よりも増幅する増幅部を備えていることを特徴としている。
〔軸受装置の全体構造〕
図1は本発明の一実施の形態に係る軸受装置の側面断面図であり、図2はその軸受装置のセンサ部分の拡大断面図である。また、図3はその軸受装置を車両インナ側から見た図であり、図4は後述する蓋部材17を取り外した状態の軸受装置を車両インナ側から見た図である。なお、図1において、右側が車両アウタ側(車両の外側)であり、左側が車両インナ側(車両の内側)である。
本実施の形態の軸受装置100は、回転軌道輪に設けたターゲット部4の外周側面の変位に伴って変化する物理量(本実施の形態では、ターゲット部4の外周側面とのギャップによって変化するインダクタンス)を検出するためのセンサ装置14と、このセンサ装置14を固定軌道輪である外輪1に取り付けるためのケース部材15とを備えている。
図1及び図2に示されるように、前記ケース部材15は、短円筒状の筒部材16と円盤状の蓋部材17とで構成されている。筒部材16は軸方向に短い円筒状の金属部材からなり、その一端側の開口部において、外輪1の車両インナ側端部に止めネジ18によって当該外輪1と同軸心状となるように固定されている。蓋部材17は、筒部材16の他端側の開口部を閉塞する部材であり、軸受装置100の内部への異物の侵入を防止するものである。
図2及び図4に示されるように、本実施の形態のセンサ装置14は、ターゲット部4の外周側面における軸方向で離れた位置のギャップをそれぞれ検出する第1センサ部材21と第2センサ部材22とを備えている。なお、本明細書において、センサ装置14及びターゲット部4に関して、「第1」は車両インナ側を意味し、「第2」は車両アウタ側を意味する。
すなわち、車両インナ側の第1センサ部材21は、回転軌道輪の前後に配置された第1前センサ24f及び第1後センサ24rと、回転軌道輪の上下にそれぞれ配置された第1上センサ24t及び第1下センサ24bとを備えている。また、車両アウタ側の第2センサ部材22も、回転軌道輪の前後に配置された第2前センサ24f及び第2後センサ24rと、回転軌道輪の上下にそれぞれ配置された第2上センサ24t及び第2下センサ24bとを備えている。前記第1センサ部材21及び第2センサ部材22において、各4つの変位センサは円周方向において等間隔に配置されており、その結果、前後の変位センサは互いに対向する位置関係にあり、また上下の変位センサも互いに対向する位置関係にある。
また、ケース部材15を外輪1に取り付けることで、回転軌道輪のターゲット部4に対する各変位センサ24の周方向位置及び径方向位置がそれぞれ位置決めされるので、各変位センサ24をそれぞれ位置調整しながら取り付ける必要がなく、この点で軸受装置100の組み立てが極めて容易となっている。
更に、外輪1のインナ側端部にセンサ付きのケース部材15を取り付けた場合、外輪1のフランジ部12から比較的遠く離れた位置に変位センサ24が配置されることになるので、フランジ部12の周囲の歪の影響を受け難く、この点でギャップの変化を精度よく検出できるという利点もある。
L=A×μ×N2/d ・・・(a)
従って、ターゲット4までのギャップdが変化すると、変位センサ24のインダクタンスLが変化して出力電圧が変化するので、この出力電圧の変動を検出することにより、変位センサ24の検出面からターゲット部4までの径方向のギャップを検出することができる。
図1及び図2に示されるように、前記ターゲット部4は、内輪部材3のインナ側端部に外嵌して取り付けられた円筒部材からなる。このターゲット部4の外周側面には、車両インナ側の第1センサ部材21の検出面(磁極28の先端面)に対向する環状の第1被検出部34と、アウタ側の第2センサ部材22の検出面に対向する環状の第2被検出部35とが設けられている。本実施の形態では、これらの被検出部34、35は、ターゲット部4の周方向に沿って形成された第1及び第2環状溝により構成されている。
このため、回転軌道輪のターゲット部4が軸方向の例えば車両インナ側に距離δだけ変位したとすると、車両インナ側においては、第1センサ部材21と第1環状溝34との軸方向のラップ長が減少して、第1センサ部材21によるギャップの検出値が減少し、車両アウタ側においては、第2センサ部材22と第2環状溝35との軸方向のラップ長が増大して、第2センサ部材22によるギャップの検出値が増大する。
このように、本実施の形態のターゲット部4は、回転軌道輪が軸方向における同じ向きに変位した場合には、第1及び第2センサ部材21、22が検出する検出値に差を生じさせる、軸方向に離れた一対の環状溝34、35を外周側面に備えている。
従って、後述の制御装置37における検出値の演算方法でも明らかな通り、車両インナ側の第1センサ部材21の検出値と車両アウタ側の第2センサ部材22の検出値の差を取ることにより、回転軌道輪の軸方向への単位並進量に対する検出値が増幅され、これによってセンサ装置全体としての軸方向変位の検出感度を高めることができる。
前記第1及び第2センサ部材21、22を構成する各変位センサ24は、ケース部材15の蓋部材17を貫通する信号線36(図4参照)を介して例えば車体側のECUなどからなる制御装置37に接続されている。各センサから得られた出力電圧(検出値)は、その制御装置37において以下に述べる演算方法で演算され、これによって車輪に作用する各方向のモーメント荷重及び並進荷重が求められる。
以下、図6〜9を参照しつつ、制御装置37で行われる荷重の演算方法について説明する。なお、本実施の形態における各変位センサの配置位置とその検出値の定義は、図7〜8を用いて説明した従来のものと同じである。また、図6はセンサ変位量とY1出力との関係を示す図である。
図9に示されるように、車輪の前後水平方向をX軸方向、車輪の左右水平方向(軸方向)をY軸方向、車輪の上下方向をZ軸方向と定義する。
また、図7〜8に示されるように、車両インナ側(第1センサ部材21)のセンサの検出値に添え字「i」を使用し、車両アウタ側(第2センサ部材22)のセンサに添え字「o」を使用する。更に、前側のセンサの検出値を「f(front)」と定義し、後側のセンサの検出値を「r(rear)」定義し、上側のセンサの検出値を「t(top)」と定義し、下側のセンサの検出値を「b(bottom)」と定義する。
fi:第1前センサの検出値
ri:第1後センサの検出値
ti:第1上センサの検出値
bi:第1下センサの検出値
fo:第2前センサの検出値
ro:第2後センサの検出値
to:第2上センサの検出値
bo:第2下センサの検出値
X1=fi−ri
X2=fo−ro
Z1=bi−ti
Z2=bo−to
Y1=(fo+ro)−(fi+ri)
したがって、式(3)から以下の式(4)が導かれる。
2 内軸(回転軌道輪)
3 内輪部材(回転軌道輪)
4 ターゲット部
7 フランジ部(取付部分)
12 フランジ部(固定部分)
14 センサ装置
15 ケース部材
21 第1センサ部材
22 第2センサ部材
24 変位センサ
27 コイル素子
34 第1環状溝(第1被検出部)
35 第2環状溝(第2被検出部)
37 制御装置
Claims (3)
- 車体側に固定される筒状の固定軌道輪と、この固定軌道輪の内部に回転自在に挿通され且つ車輪の取付部分を有する回転軌道輪と、これらの軌道輪の間に転動自在に配設される複列の転動体とを備えており、前記回転軌道輪の外周面とのギャップを検出するセンサ装置が、前記固定軌道輪に設けられてなるセンサ付き転がり軸受装置であって、
前記センサ装置は、円周方向に沿って複数設けられた変位センサからなっており、且つ、
前記転がり軸受装置は、更に、前記複数の変位センサのうち、一方の変位センサの出力信号を他方の変位センサの出力信号よりも増幅する増幅部を備えていることを特徴とするセンサ付き転がり軸受装置。 - 前記センサ装置は、円周方向に沿って等間隔に4箇所設けられた変位センサからなる第1センサ部材と、この第1センサ部材と軸方向に離間しており且つ円周方向に沿って等間隔に4箇所設けられた変位センサからなる第2センサ部材とで構成されており、
第1センサ部材及び第2センサ部材の各4つの変位センサにおいて、前記一方のセンサ及び他方のセンサは、それぞれ互いに対向する2つの変位センサで構成されている請求項1に記載のセンサ付き転がり軸受装置。 - 前記一方のセンサが、車輪を基準として上下方向に設けられた変位センサからなり、前記他方のセンサが車輪を基準として前後水平方向に設けられた変位センサからなる請求項2記載のセンサ付き転がり軸受装置。
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JP2012172623A (ja) * | 2011-02-23 | 2012-09-10 | Ntn Corp | 転がり軸受および風力発電装置 |
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JPS55132926A (en) * | 1979-03-22 | 1980-10-16 | Lechler Gerhard | Power measuring apparatus |
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2008
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