JP2010001595A - 多孔性タンパク質繊維の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、多孔性タンパク質 繊維を安価に製造することができる多孔性タンパク質繊維の製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法は、タンパク質分解工程、抽出工程および乾燥工程を備える。タンパク質分解工程では、タンパク質繊維中の一部のタンパク質が分解されて一部分解タンパク質繊維が製造される。抽出工程では、タンパク質の分解成分が抽出されて多孔性タンパク質繊維が製造される。乾燥工程では、多孔性タンパク質繊維が乾燥される。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法は、タンパク質分解工程、抽出工程および乾燥工程を備える。タンパク質分解工程では、タンパク質繊維中の一部のタンパク質が分解されて一部分解タンパク質繊維が製造される。抽出工程では、タンパク質の分解成分が抽出されて多孔性タンパク質繊維が製造される。乾燥工程では、多孔性タンパク質繊維が乾燥される。
【選択図】図1
Description
本発明は、多孔性タンパク質繊維の製造方法に関する。
過去に「天然タンパク質繊維を酸処理した後に、その酸処理後の天然タンパク質を加圧して多孔性タンパク質繊維を製造する方法」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この方法を利用するためには、耐圧容器や圧力調整器などの高価な設備が必要となり、多孔性タンパク質繊維の製造コストが高くなってしまうという問題がある。
本発明の課題は、多孔性タンパク質 繊維を安価に製造することができる多孔性タンパク質繊維の製造方法を提供することにある。
本発明の課題は、多孔性タンパク質 繊維を安価に製造することができる多孔性タンパク質繊維の製造方法を提供することにある。
第1発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法は、タンパク質分解工程、抽出工程および乾燥工程を備える。タンパク質分解工程では、タンパク質繊維中の一部のタンパク質が分解されて一部分解タンパク質繊維が製造される。抽出工程では、タンパク質の分解成分が抽出されて多孔性タンパク質繊維が製造される。乾燥工程では、多孔性タンパク質繊維が乾燥される。
このため、この多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、耐圧容器や圧力調整器などの高価な設備を導入することなく、多孔性タンパク質繊維を安価に製造することができる。
第2発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法は、第1発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法であって、タンパク質分解工程では、重量減少率が12重量%以上85重量%以下となるようにタンパク質繊維中の一部のタンパク質が分解されて一部分解タンパク質繊維が製造される。
ところで、この製造方法において、重量減少率が12重量%未満であるとタンパク質繊維を十分に多孔化することができず、重量減少率が85重量%を越えると多孔性タンパク質繊維の機械的特性が低下する。
このため、この多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、良質な多孔性タンパク質繊維を製造することができる。
このため、この多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、良質な多孔性タンパク質繊維を製造することができる。
第3発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法は、第1発明または第2発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法であって、タンパク質分解工程では、タンパク質繊維がタンパク質分解液に浸漬される。
このため、この多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、タンパク質繊維の浸漬時間や、タンパク質分解液の溶質濃度、タンパク質分解液の温度などを適宜調節することによって、タンパク質繊維中のタンパク質の分解度合いをコントロールすることができる。
第4発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法は、第3発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法であって、タンパク質分解液は、水、アルカリ溶液、酸溶液のいずれか一つである。
このため、この多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、安価且つ容易にタンパク質繊維中の一部のタンパク質を分解することができる。
このため、この多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、安価且つ容易にタンパク質繊維中の一部のタンパク質を分解することができる。
第5発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法は、第1発明から第4発明のいずれかに係る多孔性タンパク質繊維の製造方法であって、抽出工程では、一部分解タンパク質繊維が極性有機溶媒に浸漬される。
このため、この多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、一部分解タンパク質繊維からタンパク質の分解成分を効率よく抽出することができる。
このため、この多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、一部分解タンパク質繊維からタンパク質の分解成分を効率よく抽出することができる。
第6発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法は、第5発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法であって、極性有機溶媒は、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール及びブタノールよりなる群から選択される少なくとも1つである。
このため、この多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、安価且つ容易に一部分解タンパク質繊維からタンパク質の分解成分を効率よく抽出することができる。
第1発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、耐圧容器や圧力調整器などの高価な設備を導入することなく、多孔性タンパク質繊維を安価に製造することができる。
第2発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、良質な多孔性タンパク質繊維を製造することができる。
第2発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、良質な多孔性タンパク質繊維を製造することができる。
第3発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、タンパク質繊維の浸漬時間や、タンパク質分解液の溶質濃度、タンパク質分解液の温度などを適宜調節することによって、タンパク質繊維中のタンパク質の分解度合いをコントロールすることができる。
第4発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、安価且つ容易にタンパク質繊維中の一部のタンパク質を分解することができる。
第5発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、一部分解タンパク質繊維からタンパク質の分解成分を効率よく抽出することができる。
第4発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、安価且つ容易にタンパク質繊維中の一部のタンパク質を分解することができる。
第5発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、一部分解タンパク質繊維からタンパク質の分解成分を効率よく抽出することができる。
第6発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法を利用すれば、安価且つ容易に一部分解タンパク質繊維からタンパク質の分解成分を効率よく抽出することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法について説明する。
<原料>
<原料>
本発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法では、例えば、羊や、モヘア、アルパカ、カシミヤ、ラマ、ビキューナ、キャメル、およびアンゴラ等の獣毛を構成する単繊維(モノフィラメント)や、絹糸、その他の動物性天然タンパク質繊維が原料となり得る。また、この原料の形態は特に限定されず、繊維のままであってもよいし、織物にされていてもよいし、撚糸にされていてもよい。
<多孔性タンパク質繊維の製造方法>
<多孔性タンパク質繊維の製造方法>
本発明の実施の形態に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法は、主に、タンパク質分解工程、抽出工程および乾燥工程から構成される。以下、これらの工程について詳述する。
(1)タンパク質分解工程
(1)タンパク質分解工程
タンパク質分解工程では、原料である動物性天然タンパク質繊維が、所定溶質濃度、所定温度に調節されたタンパク質分解液に浸漬され、動物性天然タンパク質繊維のケラチンタンパク表皮の一部が除去される。なお、タンパク質分解液としては、水、アルカリ溶液、酸溶液、タンパク質分解酵素溶液などが挙げられる。
なお、酸溶液としては、特に限定されないが、例えば、塩酸水溶液・硫酸水溶液・硝酸水溶液などの無機酸水溶液、ギ酸水溶液・酢酸水溶液などの有機酸水溶液などが挙げられる。
また、アルカリ溶液としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム水溶液などの無機アルカリ水溶液などが挙げられる。
また、アルカリ溶液としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム水溶液などの無機アルカリ水溶液などが挙げられる。
また、タンパク質分解酵素溶液としては、特に限定されないが、例えば、微生物起源のアスパギイラス、リイゾパス、細菌起源の枯草菌プロテアーゼ、
植物起源のパパイン、キモパパイン、プロメライン、フイシン、放射菌プロテアーゼなどの水溶液が挙げられる。なお、これらのタンパク質分解酵素の中でもパパインが好ましい。また、タンパク質分解液としてタンパク質分解酵素溶液を用いる場合、予め酸化剤などを用いて動物性天然タンパク質繊維のキューティクルとコルテックスの接合部分を前処理しておいてもよい。
また、このタンパク質分解工程では、タンパク質分解液を30〜90度Cに加熱して徐々にケラチンタンパク質の表皮を除去するのが好ましい。
植物起源のパパイン、キモパパイン、プロメライン、フイシン、放射菌プロテアーゼなどの水溶液が挙げられる。なお、これらのタンパク質分解酵素の中でもパパインが好ましい。また、タンパク質分解液としてタンパク質分解酵素溶液を用いる場合、予め酸化剤などを用いて動物性天然タンパク質繊維のキューティクルとコルテックスの接合部分を前処理しておいてもよい。
また、このタンパク質分解工程では、タンパク質分解液を30〜90度Cに加熱して徐々にケラチンタンパク質の表皮を除去するのが好ましい。
また、このタンパク質分解工程では、動物性
天然タンパク質繊維をタンパク質分解液に静置して浸漬してもよいし、タンパク質分解液を攪拌しながら動物性天然タンパク質繊維を浸漬してもよい。
天然タンパク質繊維をタンパク質分解液に静置して浸漬してもよいし、タンパク質分解液を攪拌しながら動物性天然タンパク質繊維を浸漬してもよい。
また、このタンパク質分解工程では、抽出工程後の乾燥重量が原毛の乾燥重量の12重量%以上85重量%以下の範囲、より好ましくは20重量%以上75重量%以下の範囲まで減少するように動物性天然タンパク質繊維中のタンパク質を分解させるのが好ましい。原毛の重量減少率が12重量%未満であると動物性天然タンパク質繊維を十分に多孔質化することができず、原毛の重量減少率が85重量%を越えると動物性天然タンパク質繊維の機械的特性が低下することになり好ましくないからである。なお、動物性天然タンパク質繊維中のタンパク質を最終製品の仕様に応じて適度に分解させるには、タンパク質分解液の溶質濃度や温度、動物性天然タンパク質繊維のタンパク質分解液中の浸漬時間等を適宜調節すればよい。
なお、以下、このタンパク質分解工程で得られる動物性天然タンパク質繊維を「一部分解タンパク質繊維」という。
(2)抽出工程
なお、以下、このタンパク質分解工程で得られる動物性天然タンパク質繊維を「一部分解タンパク質繊維」という。
(2)抽出工程
抽出工程では、一部分解タンパク質繊維が極性有機溶媒に
浸漬されて多孔性タンパク質繊維が製造される。なお、極性有機溶媒としては、炭素数2〜5のアルコールが好ましく、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノールの群れから選ばれる少なくとも1つのアルコールであることが特に好ましい。
浸漬されて多孔性タンパク質繊維が製造される。なお、極性有機溶媒としては、炭素数2〜5のアルコールが好ましく、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノールの群れから選ばれる少なくとも1つのアルコールであることが特に好ましい。
なお、一部分解タンパク質繊維がタンパク質分解工程から抽出工程に移されるとき、一部分解タンパク質繊維が水分を含んだ状態で、極性有機溶媒中に投入される必要がある。なお、ここにいう「水分を含んだ状態」とは、一部分解タンパク質繊維の乾燥重量に基づいた含水率が5重量%以上である状態である。この含水率が5重量%未満である場合、下記乾燥工程後の多孔性タンパク質繊維が硬化し、風合いが損なわれてしまう。
(3)乾燥工程
(3)乾燥工程
乾燥工程では、上記多孔性タンパク質繊維が乾燥処理される。なお、乾燥方法としては、100度C以下の温度で乾燥する方法が好ましい。また、100度Cより高い温度で多孔性タンパク質繊維を乾燥させる場合は、乾燥時間をできるだけ短くするのが好ましい。
<多孔性タンパク質繊維の応用例>
<多孔性タンパク質繊維の応用例>
この多孔性タンパク質繊維は、綿(わた)状で使用されてもよいし、他の繊維と混紡あるいは複合化されて使用されてもよい。また、この多孔性タンパク質繊維や多孔性タンパク質繊維を主成分とする混紡繊維から
織物や、編物、不織布などを製造することも可能である。
<実施例>
以下に、本発明の実施例を示す。
織物や、編物、不織布などを製造することも可能である。
<実施例>
以下に、本発明の実施例を示す。
水2リットル中に羊毛繊維100%(平均繊維径19.9μm)の48番手双糸(以下「羊毛繊維糸」という)100gを浸漬し、続いてその水にテキスポートSN10(日華化学社製)10gと酢酸6gとを水1リットルに溶解した液を加えた後、その羊毛繊維糸を10分間その液に浸漬した。次に、バソランD.C(ビーエーエスエフジャパン(株)製)8gを水2リットルに溶解した液を先の液に加え、常温で50分間反応させた後に水洗して、羊毛繊維糸のスケールオフ加工を行った。次に、スケールオフ加工済みの羊毛繊維糸を、0.4重量%の水酸化ナトリウム水溶液(pH12.7)3リットルに浸漬し、40度Cで120時間羊毛繊維糸のタンパク質分解処理を行った。次に、タンパク質分解処理を行った羊毛繊維糸を水洗いした後に乾燥させることなく濡れたまま常温のイソプロピルアルコールに浸し、その羊毛繊維糸を10分間攪拌した後に30分間放置してタンパク質の分解成分の抽出を行った。その後、100度Cの温度で20分間乾燥して多孔性タンパク質繊維を作製した。なお、この多孔性タンパク質繊維の乾燥重量は原毛の乾燥重量に比べて37重量%減少していた。また、このようにして得られた多孔性タンパク質繊維の長手方向に直交する断面の写真図を図1に示した。また、比較のために、出発原料である羊毛の長手方向に直交する断面の写真図を図2に示した。
実施例1と同様の手順で羊毛繊維糸のスケールオフ加工を行った後、スケールオフ加工済みの羊毛繊維糸を76重量%のギ酸溶液3リットルに浸漬して60度Cで12時間、羊毛繊維糸のタンパク質分解処理を行った。また、実施例1と同様の手順で、タンパク質分解処理を行った羊毛繊維糸を水洗いした後に乾燥させることなく濡れたまま常温のイソプロピルアルコールに浸し、その羊毛繊維糸を10分間攪拌した後に30分間放置してタンパク質の分解成分の抽出を行った。その後、その羊毛繊維糸を100度Cの温度で20分間乾燥して多孔性タンパク質繊維を作製した。なお、この多孔性タンパク質繊維の乾燥重量は原毛の乾燥重量に比べて28重量%減少していた。また、このようにして得られた多孔性タンパク質繊維の長手方向に直交する断面の写真図を図3に示した。
タンパク質の分解成分の抽出をn−ブタノールで行った以外は、実施例1と同様の手順で多孔性タンパク質繊維を作製した。なお、この多孔性タンパク質繊維の乾燥重量は原毛の乾燥重量に比べて37重量%減少していた。また、このようにして得られた多孔性タンパク質繊維の長手方向に直交する断面の写真図を図4に示した。
実施例1と同様の手順で羊毛繊維糸のスケールオフ加工を行った後、スケールオフ加工済みの羊毛繊維糸を0.8重量%の水酸化ナトリウム水溶液3リットルに浸漬して40度Cで24時間、羊毛繊維糸のタンパク質分解処理を行った。また、実施例1と同様の手順で、タンパク質分解処理を行った羊毛繊維糸を水洗いした後に乾燥させることなく濡れたまま常温のイソプロピルアルコールに浸し、その羊毛繊維糸を10分間撹拌した後に30分間放置してタンパク質の分解成分の抽出を行った。その後、その羊毛繊維糸を100度Cの温度で20分間乾燥して多孔性タンパク質繊維を作製した。なお、この多孔性タンパク質繊維の乾燥重量は原毛の乾燥重量に比べて52重量%減少していた。
実施例1と同様の手順で羊毛繊維糸のスケールオフ加工を行った後、スケールオフ加工済みの羊毛繊維糸を38重量%の塩酸水溶液3リットルに浸漬して常温で2時間、羊毛繊維糸のタンパク質分解処理を行った。また、実施例1と同様の手順で、タンパク質分解処理を行った羊毛繊維糸を水洗いした後に乾燥させることなく濡れたまま常温のイソプロピルアルコールに浸し、その羊毛繊維糸を10分間撹拌した後に30分間放置してタンパク質の分解成分の抽出を行った。その後、その羊毛繊維糸を100度Cの温度で20分間乾燥して多孔性タンパク質繊維を作製した。なお、この多孔性タンパク質繊維の乾燥重量は原毛の乾燥重量に比べて39重量%減少していた。
実施例1と同様の手順で羊毛繊維糸のスケールオフ加工を行った後、スケールオフ加工済みの羊毛繊維糸を水3リットルに浸漬して常温で30日間、羊毛繊維糸のタンパク質分解処理を行った。また、実施例1と同様の手順で、タンパク質分解処理を行った羊毛繊維糸を乾燥させることなく濡れたまま常温のイソプロピルアルコールに浸し、その羊毛繊維糸を10分間撹拌した後に30分間放置してタンパク質の分解成分の抽出を行った。その後、その羊毛繊維糸を100度Cの温度で20分間乾燥して多孔性タンパク質繊維を作製した。なお、この多孔性タンパク質繊維の乾燥重量は原毛の乾燥重量に比べて37重量%減少していた。
(比較例1)
(比較例1)
スケールオフ加工を行うことなく、羊毛繊維糸100gを0.2重量%の水酸化ナトリウム水溶液3リットルに浸漬して25度Cで24時間、羊毛繊維糸のタンパク質分解処理を行った。また、実施例1と同様の手順で、タンパク質分解処理を行った羊毛繊維糸を水洗いした後に乾燥させることなく濡れたまま常温のイソプロピルアルコールに浸し、その羊毛繊維糸を10分間撹拌した後に30分間放置してタンパク質の分解成分の抽出を行った。その後、その羊毛繊維糸を100度Cの温度で20分間乾燥して多孔性タンパク質繊維を作製した。しかし、この多孔性タンパク質繊維には、空孔が形成されておらず、原毛に対する重量減少も見られなかった。なお、このように作製された羊毛繊維糸の長手方向に直交する断面の写真図を図5に示した。
本発明に係る多孔性タンパク質繊維の製造方法は、多孔性タンパク質繊維を安価に製造することができるという特徴を有しており、多孔性タンパク質繊維の代替製造方法として有用である。
Claims (6)
- タンパク質繊維中の一部のタンパク質を分解して一部分解タンパク質繊維を製造するタンパク質分解工程と、
前記タンパク質の分解成分を抽出して多孔性タンパク質繊維を製造する抽出工程と、
前記多孔性タンパク質繊維を乾燥する乾燥工程と
を備える多孔性タンパク質繊維の製造方法。 - 前記タンパク質分解工程では、重量減少率が12重量%以上85重量%以下となるように前記タンパク質繊維中の一部のタンパク質が分解されて一部分解タンパク質繊維が製造される
請求項1に記載の多孔性タンパク質繊維の製造方法。 - 前記タンパク質分解工程では、前記タンパク質繊維がタンパク質分解液に浸漬される
請求項1または2に記載の多孔性タンパク質繊維の製造方法。 - 前記タンパク質分解液は、水、アルカリ溶液、酸 溶液のいずれか一つである
請求項3に記載の多孔性タンパク質繊維の製造方法。 - 前記抽出工程では、前記一部分解タンパク質繊維が極性有機溶媒に浸漬される
請求項1から4のいずれかに記載の多孔性タンパク質繊維の製造方法。 - 前記極性有機溶媒は、メチルアルコール、 エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール及びブタノールよりなる群から選択される少なくとも1つである
請求項5に記載の多孔性タンパク質繊維の製造方法。
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JP2009122669A JP2010001595A (ja) | 2008-05-22 | 2009-05-21 | 多孔性タンパク質繊維の製造方法 |
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JP2008134729 | 2008-05-22 | ||
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JP (1) | JP2010001595A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011246828A (ja) * | 2010-05-24 | 2011-12-08 | Ist Corp | 抗菌性獣毛繊維構造物の製造方法、抗菌性獣毛繊維構造物、抗菌性獣毛紡績糸及び抗菌性獣毛布帛 |
US20160145770A1 (en) * | 2014-11-26 | 2016-05-26 | The United States Of America, As Represented By The Secretary Of Agriculture | Electrospun Fibers, Mats, and Methods of Making Fibers and Mat |
-
2009
- 2009-05-21 JP JP2009122669A patent/JP2010001595A/ja active Pending
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US11155948B2 (en) | 2014-11-26 | 2021-10-26 | The United States Of America, As Represented By The Secretary Of Agriculture | Electrospun fibers, mats, and methods of making fibers and mat |
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