JP2009540844A - 磁気共鳴画像法に用いる造影剤の送達 - Google Patents

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Abstract

低張緩衝液を用いた透析にさらされた赤血球は、超常磁性酸化鉄のナノ粒子を安定に取り込み、MRI造影剤として使用できる。そのような赤血球は、薬物送達媒体としても使用できる。

Description

本発明は、MRI造影剤の製剤と、そのような製剤の調製および使用とに関する。
臓器損傷または病理学的変異の検出、リンパ節の状態およびサイズ、出血をもたらす胃腸病変の検出、脳または他の組織における腫瘍塊の存在、腎病変、ならびに循環系の画像化を含む様々な用途に多くのMRI造影剤が利用可能である。
より一般的に使用されているMRI造影剤はガドリニウム(Gd)キレートであるが、これらは、非特異的な傾向があり、肝臓での急速な蓄積を伴い、それにより、短時間の画像化表示しか許容されない(Kubaska、2001年)。ガドリニウムキレートは、間質への迅速な血液浸出を示し、腎臓によって迅速に放出される(t1/2≒1.5時間−Allkemper、2002年)。したがって、その使用は、必要な血管対組織造影(contrast)を提供するために、迅速な画像化技術と併用する必要がある。
近年、超常磁性ナノ粒子が生産され、MRI造影剤として使用されている。超常磁性ナノ粒子は、ガドリニウム誘導体に優る、優れたMRI造影剤である。しかし、それらの界面化学および生体適合性を改善する多くの努力にもかかわらず、循環系におけるそれらの半減期は短く、そのような物質を貪食する組織マクロファージによって迅速に取り込まれる。
典型的なSPIO造影剤の緩和度は、ガドリニウムなどの他の常磁性分子の緩和度より実質的に大きい(Jung、1995年)。超常磁性酸化鉄の粒子は、最初に臨床的に承認された肝臓特異的な造影剤であり(Low、1997年;Halavaara、2002年)、最近の数年間では、腸造影(bowel contrast)、脾臓画像化、リンパ節画像化、骨髄画像化、灌流画像化(perfusion imaging)、およびMRI血管造影を含む、生命科学、生物工学、および生物医学的な用途のほとんどすべての領域で使用されている(Wang、2001年)。
生物医学的用途に用いる磁性粒子の重要な特性には、無毒性、生体適合性、注入可能性(injectability)、および標的組織または臓器における高レベルな蓄積が含まれ、ナノ技術は今では、臨床用途のための磁性ナノ粒子の機能的特性を作製し、特徴付け、特異的に適合させることを可能にする段階にまで発展している。これは磁気共鳴画像法の質の改良と、様々な酸化鉄粒子の製造とをもたらした。
酸化第一鉄または酸化第二鉄は磁性粒子の主要成分であり、それらは、高磁束密度に誘引される場合には、薬物ターゲッティングおよび細胞選別(Ito、2005年)を含む生物分離(bioseparation)に使用される。粒径はばらつきが大きく、それらの物理化学的および薬物動態学的な特性に影響を与える(Allkemper、2002年)。現在、超常磁性薬剤の2つの主要な群、すなわち、サイズがコーティングを含めて50nm超であるSPIO(超常磁性酸化鉄)と、50nmより小さいUSPIO(微小超常磁性酸化鉄)との間で区別がなされている(Bonnemain、1995年)。サイズにおけるこの違いは、R2/R1緩和度の比における有意差によって反映されるだけではなく、血漿中半減期および生体分布における有意差によっても反映される(Bonnemain、1998年;Reimer、1998年)。
磁鉄鉱ナノ粒子に伴う引力による凝集は、静電二重層を生成させることによって、典型的には、ジメルカプトコハク酸(DMSA)(Morais、2004年)、多糖重合体(デキストランまたはデキストラン誘導体)、デンプン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)などの立体安定化剤として機能する高分子界面活性剤を用いることによって、あるいはクエン酸またはシリカコーティングで等電点を修正することによって妨げられる(Cornell、1991年;Bacri、1990年)。最も一般的に使用される酸化鉄ナノ粒子は、デキストランコーティングされたものであり、生理的に良好に許容される(Babincova、2000年)。
磁性体上に固定された薬物は、血管系を介して輸送され、外部磁場の作用の下に体内の特定の点に濃縮することができるので、磁性ナノ粒子は、所与の病状のための潜在的な標的特異的薬剤である。標的特異性を高めるために、上記薬物は、通常、標的部位に特異的に認識および結合できる別の分子に連結される。最も一般的なタイプの連結分子は、抗体(およびそれらの断片)、レクチン、タンパク質、ホルモン、荷電分子、および葉酸などの一部の低分子量リガンドである(Sudimack、2000年;Petri-Fink、2005年)。磁気薬物送達の広く公表されている例は、化学療法による治療/放射線療法による治療を代替するもの、または強化するものである(Lubbe、2001年;Hilger、2002年;Zhou、2006年)。
SPIOは、対象とする領域に上記粒子を輸送するために、血液循環を頼って静脈内注入してもよい。あるいは、多くの場合、治療が望まれている一般領域に上記粒子の懸濁液(磁性流体)を直接注入する。これらの経路はいずれも、粒子が凝集して、それら自体の拡散を阻止することがないという要件を有する。
一般組織塊への拡散は、おそらく、血管から組織空間への圧力勾配によって補助される。直径50〜100nmのより大きな粒子は、この方法では輸送されず、血流内に残留したか、血管系の壁に付着して、血栓症の危険性が附随した(Berry、2003年)。
さらに、SPIOの静脈内投与の後、SPIOは血漿タンパク質によって迅速にコーティングされる(Davis、1997年)。このオプソニン化過程は、上記粒子を、身体の主要な防御系である細網内皮系(RES)によって認識可能なものにする。RESは、肝臓、脾臓、およびリンパ節の結合組織構成と結びついた、特殊化した食細胞の拡散系である(Kreuter、1994年;Araujo、1999年)。肝臓および脾臓のマクロファージ(クッペル)細胞は、オプソニン化された粒子の排除で重要な役割を演じている。したがって、in vivoでのナノ粒子の適用には、粒子がRESに対して確実に安定となるようにする表面の改変が必要となる。文献は、様々な分子を用いたナノ粒子のコーティングと、血漿成分のオプソニン化を阻害して、それによって、より長い循環時間を可能にするのを試みる戦略との両方を報告している(Brigger、2002年;Moghimi、2001年)。
細網内皮系へのSPIOの取込み速度は、その粒径と逆の関係にある(Allkemper、2002年)ので、粒子表面を最小にすることは、タンパク質吸着の低減をもたらし、これは粒子の食作用を低減させ、終には血管内での保持の長期化をもたらす。
磁性流体のパラメータ、注入時間および速度などの注入経路、ならびに生理的パラメータが何であれ、これらの新しい形態の薬理学的適用に関して、それらを考慮する必要がある。さらに、磁力によって誘導される薬物ターゲッティングの使用に関連した根本的な問題がある。例えば特定の細胞種へのターゲッティングは誘導コーティングを用いて可能となりうるが、細胞は受容体介在性エンドサイトーシスを自動的に開始する傾向があるので、いかなる長さの時間であれ、細胞膜の近傍に上記粒子を保持することは困難である(Wilhelm、2003年)。
循環時間を長くするため、またはナノ粒子の標的特異性を高めるために、広範囲のサイズおよび材料が探索されてきたが、それらの適用は、循環している異物を除去する効率が高いRESによって制限されており、これの効果的な回避はいまだ可能となっていない(Gaur、2000年)。
エントラップされた薬物の作用部位へのターゲッティングを得るために、赤血球に封入された(encapsulated)磁性流体に関する研究も行われている。Sprandelらは、赤血球ゴーストの磁化について記述しており、Vyasらは、プレ・スウェル(pre-swell)技術を用いて、イブプロフェンおよび磁鉄鉱を赤血球に充填した。これらの研究は、in vitroで行われ、赤血球に薬物および磁鉄鉱を封入することが可能であると報告した。しかし、該研究では、赤血球への磁鉄鉱の細胞傷害性および溶血性作用のため、封入された磁鉄鉱のほとんどすべての非常に高い流出が示された(Vyas、1994年)。
赤血球は、新規な薬物担体として提唱されており、薬物、酵素、およびペプチドなどの様々な生理活性物質の潜在的な生体適合性ベクターとして認識されている(Magnani、2002年)。例えば米国特許第6139836号(Magnaniら)に記載の方法によって、薬物または生理活性薬剤の封入を行うことができる。一部の研究は、磁鉄鉱など、ある種の磁性流体と共に薬物を同時封入することによる、薬物ターゲッティング用の磁気反応性の赤血球の調製物を報告した(Vyas、1994年)。担体赤血球のさらに別の用途は、MRIの造影剤としてのそれらの潜在的な使用であり、例えば、ガドリニウムDTPAジメグルミン(Gd−DTPA)がヒトおよびラット赤血球内に封入されている(Johnson、1998年)。
超常磁性酸化鉄(SPIO)ナノ粒子を組み込んだ造影剤は、MRIを用いて標識細胞を可視化する手段としての展望を示している。最近、SPIOナノ粒子は、限定されるものではないが、アテローム性動脈硬化、血栓症、および虚血を含む様々な心臓血管疾患の診断およびモニタリングに、ならびに細胞癌治療に提供されている。SHU 555A(Resovist(登録商標)、Schering社)などの市販されている標準的なSPIOは、プロトン緩和の極めて強力な賦活薬であるが、それらは数分間以内に血液から迅速に除去され、肝臓および脾臓の細網内皮細胞の中に蓄積されるので、静脈内投与後における極めて短い有用な半減期を有する。
米国特許出願公開第2005/0261575号は、磁気で標識付けした細胞、対象物、および組織の陽性造影(positive contrast)MRIを開示する。
国際公開第2006/012201号は、アテローム硬化斑を画像化するためのナノ粒子を開示する。
米国特許出願公開第2004/0076586号は、ナノ粒子を用いて薬学的に活性な物質を送達するための組成物および方法を開示する。
米国特許第6933331号は、薬物送達、造影剤、および生物医学インプラントに関するナノ技術を開示する。
米国特許第4669481号は、クロム標識された赤血球を用いた磁気共鳴画像法を開示する。
国際公開第2006/048321号は、生体細胞内に導入できる、ナノ粒子を含む診断用作用物質を開示する。
国際公開第91/16080号は、造影剤として赤血球内に封入できるガドリニウムまたはヨウ素のキレートを開示する。
米国特許第5928958号は、3〜50nmの範囲および10〜100nmの範囲のサイズを有する、鉄ベースの超常磁性粒子を記載する。
米国特許出願公開第2006/0078502号は、Gd3+、Dy3+、およびFe3+など、常磁性陽イオンの錯体を含むMRI造影剤を記載する。
薬物の誘導輸送および調節放出のための生体適合性磁気担体の開発において、鋭意努力がなされている。
驚いたことに、本発明者らはついに、透過性にする量の低張透析溶液の使用を介して、超常磁性酸化鉄の粒子を赤血球に封入できることを見出した。
したがって、第1の態様では、本発明は、ナノ粒子形態にあるサイトゾル超常磁性酸化鉄を含有する生存可能な(viable)赤血球を提供する。
超常磁性酸化鉄(SPIO)の量は、複数のそのような赤血球からなる調製物が個体に注入された際に、磁気共鳴画像法(MRI)を可能にするのに十分な量で上記赤血球内に存在することが好ましい。上記赤血球内のSPIOの濃度が比較的低い場合、あるいはより少ない量の赤血球が使用される場合、MRIは、外部の磁気源を用いてSPIO含有赤血球を特定の位置に誘引した後でのみ可能となりうる。熟練した者ならば適切なレベルを容易に認識できるであろうが、上記赤血球内のSPIOの量は、指針として、鉄の量に関して約1mMから40mMの間でなければならず、好ましい範囲は約3mMから20mMの間である。
本発明は、サイトゾルSPIOを含有する赤血球の調製物を提供することが理解されよう。そのような調製物は、MRIの目的で患者に注入するための即時使用に適切でありうる。または、そのような使用のために、後で調製してもよく、例えば、凍結乾燥された状態であってもよい。凍結乾燥される場合には、プロピレングリコールなど、膜分解を阻害または防止する1種以上の物質を上記調製物中に組み入れることが望ましい。
「サイトゾル」は、上記SPIO粒子が、例えば、エンドサイトーシスまたは食作用の過程によって得られるものなど、エンドサイトーシス小胞ではなくて、サイトゾル内に存在していることを意味する。
本発明の赤血球は、薬物送達媒体として上記赤血球を使用できるように、1種以上の薬物を含むことがさらに好ましい。そのような薬物は、上述の通りに使用してもよく、SPIO粒子に連結させても、赤血球表面または赤血球内に保持させてもよい。上記薬物は、外部の磁気の使用によって赤血球が特定の領域にターゲッティングされた場合に有効であるようなものであることが特に好ましく、外部の磁気の印加によって、SPIO粒子への作用を介して赤血球を破裂させるなどによって、上記薬物が放出されうることがさらに好ましい。
上記SPIO粒子は、限定されるものではないが、抗炎症薬および免疫抑制薬、すなわち、糖質コルチコイド類似体など;抗ウイルス薬または抗レトロウイルス薬、すなわち、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、プロテアーゼ阻害剤、および/または融合もしくは進入阻害剤など;抗癌剤、すなわち、化学療法薬、例えば、アントラサイクリン、インターカレート剤、チロシンキナーゼ阻害薬、メチルトランスフェラーゼ阻害剤、デアセチラーゼ阻害剤、およびプロテアソーム阻害剤など;オリゴヌクレオチド;モノクローナル抗体、ペプチドおよびペプチド核酸;光感作薬(photosensitizing drugs);ならびに赤外蛍光剤を含むいくつかの部類の薬学的活性物質、成分、または薬物のうちの少なくとも1種と共に赤血球内に同時封入されうることが好ましい。上記のもののうちの任意のものの組合せまたは混合物も使用できることも好ましい。前記薬物の具体的な例は当業者には既知であろう。
例えば封入物質が外部放射線で局所加熱を引き起こす場合、薬物ターゲッティングおよび/または薬物放出および/または細胞破壊のために、ナノ粒子と、薬物および/または他のナノ材料とを赤血球内に同時封入することができる。
このようにして、その他の点では、非特異的であり、かつ他の組織に対して毒性でありうる薬物を慎重にターゲッティングすることができる。したがって、毒物、化学療法薬、および抗体は、本発明で使用することが好ましい薬物である。
「生存可能な」という用語は、赤血球を注入した宿主により未だ生存可能であると認識される赤血球を意味する。当技術分野で調製された鋸歯状赤血球(crenated erythrocytes)などの生存不能な赤血球、すなわち死んだ赤血球は、生存不能であると直ちに認識され、宿主系から排除される。本発明の赤血球の利点は、それらが排除されずに、何日間も生き残ることができ、しばしば、未処置の赤血球のものに匹敵する寿命を有することである。この点で、RBC(赤血球)を安定した赤血球と呼ぶことができる。特に、上記RBCは免疫クリアランスを実質的に回避できること、および充填RBCのほぼ少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%から少なくとも70%または80%が、未改変のRBCのものに匹敵する統計的に有意なin vivo寿命を有することが好ましい。
RBCおよび赤血球という用語は、本明細書では同義的に使用される。
サイトゾル超常磁性酸化鉄は、本明細書では、封入または実質的に内在化された超常磁性酸化鉄、または封入または実質的に内在化されたSPIOも指し、小胞またはミセルSPIOとは区別される。上記粒子のサイズは、本明細書中において下記に論じるが、SPIOに限定されず、サイズの範囲にはUSPIOが含まれる。デキストランなどのいかなるコーティングも含めた各粒子の全サイズが、80〜90nm以下、好ましくは20から60nmの間、より好ましくは3から50nmの間、より好ましくは10から100nmの間、より好ましくは10から30nmの間、より好ましくは20から50nmより好ましくは50から80nmの間、そして、最も好ましくは40〜60nmの間であることが好ましい。
本発明のナノ粒子をSPION(SPIOナノ粒子)ともいうことができることを理解されたい。
実施例の結果セクション内でさらに論じる通り、従来技術での以前の試みでは、細胞表面上に造影材料を示す赤血球をもたらした。
この膜修飾は、上記赤血球のオプソニン化による免疫クリアランスをもたらす。しかし、本発明は、造影剤ナノ粒子を赤血球の細胞質中に実質的に内在化させることによってこれを回避する。国際公開第2006/048321号は、哺乳動物細胞(血球、したがって赤血球を含める)におけるナノ粒子の形態にある作用物質および診断作用物質の取込みに関する。しかし、同じ出願人および他者の最近の論文(Nano Letters 6, 2505-2509、2006年)は、提案された方法が、膜に結合したナノ粒子を含有する赤血球を生成することを実証している。したがって、上記赤血球は表面が修飾されており、細胞表面の吸着された造影剤ナノ粒子の存在は免疫クリアランスをもたらす。したがって、この方法は生存可能な赤血球または安定血球をもたらさない。
国際公開第91/16080号(Guerbet)は、古く公開されたものであり、溶解再封技術によって赤血球内に封入された造影剤に関する。この出願の焦点は、造影剤としてのガドリニウムまたはヨウ素のキレートの使用に対するものである。超常磁性コロイドを含む造影剤に関する短い言及があるが、分散などの問題が無視されているという事実によって証明されるように、そのことのさらなる議論もなければ、これに関する実験的研究もない。さらに、ナノ粒子に関する言及もなされておらず、実際、これらの超常磁性コロイドの可能なサイズに関する参照も報告されていない。
この公開以来、超常磁性コロイドが実際に赤血球の相互作用および損傷をもたらしうることが明らかになっている。したがって、この公開は、生存可能な赤血球について教示しておらず、また、ナノ粒子の使用も記載していない。さらに、それらの封入方法は、溶解再封技術である。著者らは、ガドリニウムおよびヨウ素を用いたそれらの研究に基づいて、酸化鉄を含む他の造影剤も同様な挙動に従っていた可能性があると推測しているに過ぎない。しかし、最近の証拠(上記のNano Lettersの論文を含める)は、これに反することを教示しており、いまでは、ガドリニウムキレートおよびヨウ素含有分子に適したものに基づく条件は、SPIOナノ粒子には適していないことが明確である。
対照的に、本発明者らは、驚くべきことに、SPIOが以下の別々であるが相補的な利点のうちの少なくとも1つを提供できることを見出した。まず第一に、本発明の赤血球は、常磁性物質を充填された際に免疫系によって除去されない。これは、少量でさえ、それらの細胞表面に結合した常磁性物質を有する赤血球に優る重要な利点である。これは、改善されたin vivo寿命を本発明の赤血球に提供し、それゆえ、遅延が起こりうる臨床環境におけるMRI診断に著しく役立ち、赤血球が体組織の深部に入るのを可能にするものでもある。実際、上記赤血球の安定性および生存率の増大は、同一の患者を経時的に何度もの機会において画像化することを可能にし、それによって、薬物効力を数日間わたってまたは何週間にさえわたって検査するのに使用できる継時撮影(time-lapsed)データセットを得ることが可能となる。
別の、そしてかなり予想外であった利点は、RBC内に封入、すなわち充填された超常磁性ナノ粒子が、同一RBC(赤血球)の懸濁液またはインタクトな血液に同量のナノ粒子を添加することによって測定したシグナルより有意に低減したT 緩和時間を生じる(同一条件下で)ことを本発明者らが発見したことである。T 緩和時間を低減させることによって、MRI画像の解像度が改善される。これは、例えば、医師がさらに小さい腫瘍を検出するのに役立つ。
上記超常磁性ナノ粒子は、一般式Fe 3+2+Oを有することが特に好ましく、式中、M2+は、二価鉄イオン、マンガン、ニッケル、コバルト、またはマグネシウムなどの二価金属陽イオンである。
好ましくは、SPIOは磁鉄鉱である。これは、金属イオン(M2+)が二価鉄イオン(Fe2+)であり、化学式FeFeの超常磁性ナノ粒子を生じる場合に起こる。したがって、M2+が二価鉄イオン(Fe2+)であることが好ましい。
しかし、上記SPIOは二価鉄イオンの代替物を含むことも好ましい。但し、これはM2+に関するものであり、SPIOは依然として酸化鉄であることが理解されよう。換言すれば、SPIOの一般式Fe 3+2+OのFe 3+要素ではなく、M2+のみが置換される。したがって、他の非磁鉄鉱ベースのSPIOも好ましい。
したがって、M2+が、以下の二価陽イオンのうちの少なくとも1つであること、すなわちマンガン、ニッケル、コバルト、およびマグネシウムからなる群から選択されることが特に好ましい。これは、Nature Medicine、第13巻、第1号、95〜99頁、2007年1月(Jae-Hyun Leeら)、およびEur.Radiol.第11巻、2319〜2331頁、2001年(Yi-Xiang J.Wangら)に教示されている、MnFe、NiFe、CoFe、およびMgFeを与える。マンガンは、その高い緩和値のため、強い磁気共鳴造影効果を提供するので特に好ましく、これはMnFeを与える。
本発明は、本明細書で定義する1つ以上の赤血球を調製する方法をさらに提供し、前記方法は、前記赤血球を透過性にするのに十分な低張緩衝液に対して前記赤血球の調製物を透析すること(ここで、前記調製物は単分散SPIOを含む)と、その後赤血球を再封することとを含む。
本発明の手順を用いた、赤血球への磁性ナノ粒子の充填は、低張緩衝液中でのRBC懸濁液の透析から生じるRBC膜の穴を介して起こる。これは以前の報告に記載されているものとは異なる。著者らは、限定的な安定性を有する鋸歯状ゴースト細胞(Jain、1994年)を産生する技術によって赤血球内への磁性流体の封入を報告している。
「単分散」という用語は、SPIOの粒子が凝集しないように処理されていることを示し、赤血球の調製中にSPIOを処理するのではなく、そのような様態で予め調製されたSPIOを得ることが好ましい。SPIOナノ粒子は、十分に小さくて、それらが低張緩衝液にさらされて多孔性になった際に、赤血球内に容易に入ることができることが特に好ましい。そのようなナノ粒子は、デキストランでコーティングされていることが好ましい。しかし、本発明は、単分散を得るためのいかなる他の手段も想定している。G.Kisker GbR社販売の単分散磁気ナノ材料PMP−50が好ましい。特に好ましい磁性流体は、SHU 555A(Resovist(登録商標))としてSchering社によって販売されているものである。
上記低張緩衝液は、赤血球の穿孔を実現するのに適したいかなる濃度で存在してもよい。低張緩衝液のモル浸透圧濃度が高過ぎる場合には、穿孔は起こらない可能性がある。一方、モル浸透圧濃度が低過ぎる場合には、赤血球に過度の損傷が生じて、十分な生存可能な細胞が回収されない可能性がある。それゆえ、指針として、60から120mOsmの間のモル浸透圧濃度が好ましく、70から110mOsmの範囲がさらに好ましい。
十分に高い内部濃度のSPIOを獲得し、上記赤血球の浸透圧が処置後に90mOsm未満に低下しない状態で、低張緩衝液にさらされた赤血球の70%を超える回収率が実現できることが見出された。
赤血球の調製物に対する比率として、緩衝液の体積は、約15から無限大の間が好ましく、約20から100の間の範囲がさらに好ましく、40〜80の範囲が特に好ましい。
上記処置後に生存する赤血球の数を著しく低減させるか、あるいは望ましくない様式で患者に毒性となるような在り方で患者の赤血球に有害とならない限り、緩衝液の性質は特に重要でない。適した緩衝液には、炭酸緩衝液およびリン酸緩衝液が含まれる。
満足できる程度の赤血球生存率を得るには、穿孔中における赤血球の持続的に良好な状態を確実にする成分を含む低張緩衝液を用いることが好ましい。この点では、グルコースおよびATPと共に、好ましくは約7.4で、平衡状態にあるpHの存在が好ましい。生存可能な赤血球の生存率および回収率を高めるために、グルタチオンなどの他の成分も組み込まれていてもよい。
低張緩衝液に赤血球を曝す期間は、望む限りの長さでよいが、20分間から5時間の間が好ましく、30分間から4時間の間が、より好ましく、1時間から3時間がさらに好ましい。穿孔された(porated)赤血球は脆弱なので、曝す量は、最大量のSPIOの取込みを確実にしながらできる限り最小となることが特に好ましい。
処置された赤血球の再封は、透析緩衝液を除去した後に、既知な技術によって行う。再封の後、いかなる細胞外SPIOも除去するために、赤血球を洗浄することが好ましい。適した洗浄液は、HEPES緩衝液である。その後、赤血球は、使用する前にHEPES緩衝液、または人工血漿などの任意の他の適した溶液中に保存できる。
本発明は、磁気共鳴画像化技術における、本明細書に定義する赤血球の調製物の使用をさらに提供する。
本発明は、状態(condition)の治療における、本明細書に定義する赤血球の調製物の使用であって、治療される領域の近傍に本発明の赤血球が外部磁力によって局在化可能である使用をさらに提供する。
赤血球はいかなる動物に由来するものでもよいが、哺乳動物由来であることが好ましく、ヒト由来であることが好ましいことが理解されよう。同様に、治療または画像化される対象は、動物であってもよいが、哺乳動物が好ましく、ヒトが特に好ましい。患者から得られた赤血球を用いることが好ましいが、適合供血者から、特に好ましくは万能供血者から調製された赤血球を用いることも許容できる。
本発明は、患者から赤血球を取り出し、それらを他の血球および任意選択で血清から任意選択で分離し、SPIOを赤血球に充填し、上記赤血球を患者内に再導入する方法をさらに提供する。赤血球はどの段階でも保存できることが好ましく、例えば、緊急事態で有用な充填赤血球の事前調製された保存物の存在が可能となるように、SPIOを充填した後に保存できることが最も好ましい。そのような場合、上記赤血球は、万能供血者、血液型Oのものであることが好ましい。
本発明のSPIO充填RBCを投与することを含む、共鳴画像化の方法も提供する。上記方法はまた、好ましくは、患者から赤血球を取り出すことと、それらを他の血球から、また任意選択で血清から任意選択で分離することと、SPIOを赤血球に充填することと、上記赤血球を患者内に再導入することとを含む。上記赤血球は、上記の通り、どの段階でも保存できることが好ましく、SPIOを充填した後に保存できることが最も好ましい。
超常磁性酸化鉄のT 緩和時間を、赤血球に該超常磁性酸化鉄を封入することにより低減する方法であって、前記封入赤血球は生存可能である方法も提供する。
さらに別の態様では、生存可能な赤血球に超常磁性酸化鉄を封入することによって、超常磁性酸化鉄の共鳴画像化の解像度を増大させる方法を提供する。
さらに別の態様では、共鳴画像化のために患者に投与するのに適した、生存可能な赤血球に封入された超常磁性物質を含む薬理学的に活性な調製物を提供する。
したがって、本発明者らはついに、RESクリアランスを回避し、かつ血管内薬物送達および血液プールの画像化のための新規アプローチを提供する方法で、ヒト赤血球にSPIOナノ粒子を充填する戦略を見出した。本発明者らは、予想外にも、造影剤として有用であるのに十分に多い量でヒト赤血球内に超常磁性ナノ粒子を封入できること、およびこれらの構築物が安定であることを見出した。超常磁性ナノ粒子とは対照的に、これらの粒子充填赤血球は、その生理的寿命の終わりでない限り、あるいは特異的に修飾されていない限り、マクロファージによって認識されない。
これらの超常磁性酸化鉄充填赤血球は、造影剤として、特に循環系の画像化、および閉塞した血管、または特定の身体領域における血管新生の変化、または出血をもたらす血管損傷の検出に有用な人工構築物である。
本発明は、MRI造影剤として、特に循環系の画像化に有用な超常磁性ナノ粒子充填されたヒト赤血球を提供する。前記赤血球は、前記超常磁性ナノ粒子と共に同時封入された1種以上の薬物も含有でき、封入された薬物を選択された臓器内または選択された身体領域で優先的に放出するように、外部磁場によって誘導することができる。
これより、以下の非限定的実施例を参照して、本発明を説明する。本明細書に引用されたすべての参考文献を、別段のことが明らかでない限り、そして本願の教示の補完となる程度に、参照により本明細書に組み込む。
材料および方法
材料
赤血球に充填する手順は、Schering pharmaceutical社から入手した市販の磁性流体であるSHU 555A(Resovist(登録商標)、0.5mmol Fe/ml)を用いて行った。SHU 555Aは、カルボキシデキストランコーティングされた直径60nmの超常磁性酸化鉄ナノ粒子からなる。
この粒子懸濁液は、通常、磁気共鳴画像(MRI)検査法からのシグナルを強化するのに用いられる。約40〜140nmのサイズを有する、シリカコーティングされた磁鉄鉱ナノ粒子懸濁液であるSiMagn(27mg/ml)も用いた。
ヒト赤血球内への磁性ナノ粒子の封入
ヒト血液は、健常志願者からヘパリン化チューブ内に収集した。
赤血球(RBC)は、新規に採取した血液から、4℃、1400g、10分間の遠心処理によって単離した。血清およびバフィーコートを除去し、沈降赤血球をHEPES緩衝液(10mM HEPES、140mM NaCl、5mMグルコース、pH7.4)で3回洗浄し、その後、70%ヘマトクリットの同一緩衝液中に再懸濁した。12〜14kDaカットオフを有するチューブを使用し、磁性ナノ粒子の存在下、2mM ATPおよび3mM還元グルタチオンを含有する50倍体積の10mM NaHCO、10mM NaHPO、20mMグルコース、4mM MgCl、pH7.4中で75分間、これらの細胞を透析した。透析緩衝液のモル浸透圧濃度は64mOsmであった。
これらすべての手順を、無菌条件下、4℃で行った。RBCの再封は、透析されたRBC 1倍体積あたり0.1倍体積の5mMアデニン、100mMイノシン、2mM ATP、100mMグルコース、100mMピルビン酸ナトリウム、4mM MgCl、194mM NaCl、1.606M KCl、35mM NaHPO、pH7.4(PIGPA)を添加することによって、そして37℃で45分間インキュベートすることによって得た。
再封された赤血球を400gの遠心処理によって回収し、封入されなかった磁性粒子を除去するため、HEPES緩衝液で4回洗浄した。
それらを磁性体の非存在下で透析したことを除いては同一の手順に従って、非充填(unloaded)赤血球(UL−RBC)を調製した。
その後、充填(loaded)赤血球(L−RBC)の磁化率および他の様々なパラメータを評価した。
磁鉄鉱濃度
様々な量のSHU 555A(0.5mmol Fe/ml、すなわち28mg/ml)を用いて、赤血球に充填した。
1mlのRBCを5.6mgのFe(200μl)の存在下(L1−RBC)、および22.4mgのFe(800μl)の存在下(L2−RBC)の両方で透析した。充填効率を様々なパラメータによって評価した。
SHU 555A充填赤血球のin vitroでの特徴付け;
細胞回収パーセント
細胞回収パーセントは、磁鉄鉱充填の前後にインタクトな赤血球の総数を血球計算盤を用いて計数することによって測定した。
細胞完全性の評価
充填赤血球が天然赤血球の特性を保持しているかどうか判定するために、細胞完全性のいくつかの特徴を検査した。平均赤血球体積、平均ヘモグロビン濃度、および平均血球ヘモグロビン濃度を、自動化された血球計算器(型式MICROS O.T、HoribaABX Diagnostics社、イタリア国所在)で測定した。
磁気反応性
1×10の充填赤血球をミクロチューブ内に入れ、3000ガウスの磁石の近傍におけるインキュベーションによって、それらの磁気反応性を評価した。磁石適用部位に局在化した磁気赤血球を、HEPES緩衝液で洗浄することによって、誘引されなかったRBCから分離し、収集し、自動化された血球計算器で計数し、赤血球の初期数に対する、誘引された赤血球のパーセントを計算した。
充填赤血球懸濁液のNMR緩和測定および封入された磁鉄鉱濃度の測定
既知量のSHU 555A造影剤をヒトおよびマウス血液試料に添加することによって作成した用量反応曲線を用いて、充填赤血球内の磁鉄鉱濃度をNMR緩和測定によって決定した。試験した濃度範囲は、0〜15mM Feであり、少なくとも9つの濃度レベルを有していた。44%ヘマトクリットでのこれらの試料の縦(T)および横(T)緩和時間を、AC−200 NMR−Brukerスペクトロメーターを用いて、4.7テスラの磁場強度、37℃で測定した。Tは、少なくとも5×Tの固定緩和遅延を用いた180°−τ−90°反転回復シークエンスを使用して測定した。反転時間(T)は、概算されたT値を基礎にして選択した。Tは、Carr−Purcell−Meiboom−Gill法(CPMG)を用いて測定した。エコー時間は、概算されたT値を基礎にして選択した。
(1/T −1/T )の値(式中、T は造影剤の濃度[c]における緩和時間であり、T はSHU 555A非存在下におけるRBC試料の緩和時間である)を、SHU 555Aの濃度に対してプロットし、最小二乗法で直線に適合させた。この勾配が縦緩和度(rl)である。
2つの濃度範囲で2つの異なったr1値が得られた。すなわち、0.1mM<[c]<1mMの範囲ではr1=2.49sec−1mM−1であり、1mM<[c]<15mMの範囲ではr1=1.95sec−1mM−1であった。
[c]に対して(1/T −1/T )の値をプロットすることによって、0.1mM<[c]<0.3mMの間隔において同様な方法で横緩和度(r2)を計算し、その結果、r2=153.6sec−1mM−1を得た。すべての分析をExcel(Microsoft社)で行った。
線形であると考慮されるべき相関関係に関して、以下の判定規準を定義した。すなわち、相関係数(Rの2乗)が0.990超であり、かつ回帰曲線周辺の点の分布がランダムに分布していなければならない。
結果として、逆算式である[c]=(1/T−1/T )/r1および[c]=(1/T−1/T )/r2を用いることによって、44%のヘマトクリットにおける充填赤血球懸濁液の、測定されたT値およびT値に対応した、赤血球内に封入されているSHU 555Aの濃度を推定することが可能であった。
本発明者らは、対照RBC、L1−RBCの懸濁液試料において、そしてL1−RBCが組み入れられている同量のSHU 555A薬剤に混合された対照RBCの試料において、37℃で測定されたNMR FIDから得られたT 値も決定した。
形態
透過電子顕微鏡法(TEM)および走査電子顕微鏡法(SEM)によって、正常な未充填赤血球および充填赤血球を検査した。TEM分析用には、細胞を、0.1Mゼーレンセンリン酸緩衝液、pH7.3中で迅速に洗浄し、600gで沈降させ、直ちに2.5%グルタルアルデヒドを含有する同一緩衝液で1時間固定した。その後、細胞を、1%OsOを含有するリン酸緩衝液中で後固定し、エタノールで脱水し、アラルダイト中に包埋した。切片をニッケルグリッド上に収集し、酢酸ウラニルおよびクエン酸鉛で染色し、Philips社製CM10電子顕微鏡で分析した。SEM分析用には、RBCを洗浄し、2.5%グルタルアルデヒドを含有するゼーレンセン緩衝液との懸濁液中で固定し、この懸濁液の液滴をポリリジンコーティングされたカバーグラス上に沈着させた。付着を終夜、4℃の密封された湿室中で行った。その後、スライドを洗浄し、1%OsO4を含有するリン酸緩衝液中で1時間、後固定した。
穏やかな進行性のアルコール脱水を行い、標本を臨界点乾燥させた。
従来のSEMスタブ上に銀接着(silver glue)によってマウントした後、スパッタリング装置を用いてスライドに金コーティングをした。観察はPhilips社製515走査電子顕微鏡で行った。
in vitro安定性
5mMグルコースを含有する、リン酸緩衝食塩水すなわちPBS(154mM NaCl、5mM KHPO/NaHPO、pH7.4)中に充填赤血球を6%ヘマトクリットで再懸濁し、ペトリ皿内にプレーティングし、37℃でインキュベートした。様々な時間間隔で試料を取り出し、600g、10分間の遠心処理で沈殿させた。
試料上清中に放出された血色素を、540nmで分光光度測定し、上清の吸光度を、蒸留水中での同数の細胞数の完全溶血の後に得られた吸光度と比較することによって溶血のパーセントを決定した。
さらに、HEPES緩衝液中に44%ヘマトクリットで希釈されたこれらの試料のペレットを、緩和度NMR測定によって特徴付けた。
ヒトマクロファージによる、磁気ナノ粒子充填RBCの認識
健常供血者の血液試料から得られたヒト単球由来のマクロファージを、Lymphoprep(商標)溶液(比密度1.077;Axis-Shield PoC AS社、ノルウェー国所在)中での分離によって得た。
終夜、37℃でのプラスチック皿への付着によって、単球をリンパ球から分離した。洗浄の反復によって非付着細胞を除去した後、加湿された5%CO雰囲気中、37℃の、10%(v/v)熱不活性化ウシ胎児血清(FCS)、1%抗生物質(ペニシリン/ストレプトマイシン)、および2mM L−グルタミンを補充したRPMI 1640培地中で細胞を培養した。培地を2日毎に交換し、7日間の培養の後に、付着細胞の大部分がマクロファージに分化した。磁性ナノ粒子充填RBCは、6mgのSHU 555AまたはSiMagnナノ粒子懸濁液の存在下における、RBCの透析によって調製した。
1マクロファージあたり100RBCの比率で、1×10のマクロファージを、SHU 555A充填RBCもしくはSiMagn充填RBCまたは未充填RBCの存在下で16時間インキュベートした。この時間の後、洗浄の反復によってRBCを慎重に除去し、メタノール中でマクロファージを固定し、May−Grunwald Giemsa染色した後にOlympus社IX51光学顕微鏡によって観察した。
in vivo研究
動物の準備
雌のBalb/Cマウス(Nossan社、イタリア国ミラノ(Milan)所在)を、12時間の明/暗サイクルの下、22±1℃、湿度60±5%、12空気交換/hで飼育した。
薬物動態学的な実験では、1.5μmol常磁性鉄/ml RBCを含有する赤血球懸濁液から得られた10%ヘマトクリットの充填RBC懸濁液250μlを各マウスに腹腔内投与した。
注入終了後、2、3、6、10、13日目に、眼動脈からの血液試料の採取を行い、全血のアリコートをNMR測定で分析した。
結果
図1に示す結果は、ヒト赤血球内、とりわけ40〜60nmの平均サイズを有するものに単分散磁気ナノ材料を封入することが可能であること、およびその結果得られる細胞は、上記手順の後に正常な形態を有することを示している。実際、走査電子顕微鏡法(SEM)で観察された細胞形態には、対照の赤血球と比較して有意な相違が観測されなかった。赤血球の大部分は、両凹の円盤形態を有しているように見え、口唇状赤血球が時々、よりまれには有棘赤血球が伴った。
電子透過顕微鏡分析を用いて、少なくとも10フレームで、ナノ粒子の存在を評価した。各視野について、赤血球が均質的に分布して現れている、標本の中心領域を選択した。顕微鏡分析は、すべてのRBC添加試料で同様な形態学的様相を示した。すなわち、各視野は、少なくとも60%の、細胞質中に分散した磁性ナノ粒子を含有する赤血球を示した(図1A)。
充填赤血球は、未処置の赤血球より、平均的にわずかに小さく(それぞれL1−RBCおよびL2−RBCに関して、MCVが、87flに対して78.5および60fl)、1細胞あたりの血色素が少ない(MCHが28pgに対して20.1および16pg)が、ほぼ正常な平均細胞ヘモグロビン濃度を有する(MCHCが33g/dlに対して31および28g/dl)。上記に報告したMCVの低減は、これらの充填手順で適用されたRBCの希釈(すなわち、L2 RBCでは、70%ヘマトクリットのRBC 1mlを800μlのSHU 555Aで希釈)によるものであり、同一希釈を用いて未充填赤血球を調製した際に同様な値が観測されたので、SHU 555Aの使用によるものではないことに留意するべきである。
全調製手順の結果、通常、60%から70%の範囲にある充填赤血球の細胞回収が得られた。これは未充填赤血球のものと同様のものである。細胞回収のこのパーセントは、他の著者らによって得られた値より高い(Vyas、1994年;Johnson、1998年)。充填赤血球は、外部磁場に対して反応性であった。また、それらの磁化率を数日間維持する。
赤血球内にナノ材料を封入しようとした以前のすべての試みは、少なくとも一部のナノ粒子が外側の赤血球膜に結合する結果となったことを、従来技術は教示しているので、得られた結果は予想外である。しかし、表面に結合したナノ粒子の存在は、RESを介した即時の免疫クリアランスをもたらす。
例えば、国際公開第2006/048321号は、生体細胞内に導入することができる、ナノ粒子を含む診断作用物質を開示するが、これらのナノ粒子は、赤血球膜の外側表面に部分的に吸着される。これは、同一の発明者らによる、Nano Letters 6、2006年、2505〜2509頁に明確に記録されている。これは、ナノ材料がシリカコーティングされた超常磁性ナノ粒子から作製されている(図1B)か、ナノ粒子が単分散でない場合に起こる。
換言すれば、本発明者らは、SPIOが細胞表面に吸着されるのではなく、赤血球サイトゾル中に存在することを確実にする方法と組み合わせたSPIO使用のみが、赤血球のクリアランスを実質的に回避するのに十分であり、したがって、改善された保持時間をもたらすことを発見した。
細網内皮系(RES)に存在するマクロファージは血液循環からのそれらの迅速な除去を引き起こすため、外側の赤血球膜に結合したナノ粒子の存在は、組織マクロファージによる充填RBCの認識を活性化するので、この状態は、血管系のMRI画像化が目的である場合には重要な現象である。実際、ヒトマクロファージによる充填RBCの取込みを試験するために行われたin vitro実験は、外側の赤血球膜に結合したナノ粒子を含有するシリカ磁鉄鉱充填RBCがマクロファージによって活発に認識され、貪食される一方で、SHU 555A充填RBCは貪食されないことを示す(図2)。
図2は、未充填赤血球(a)、SHU 555A充填赤血球(b)、およびSiMagn充填赤血球(c)と37℃で16時間インキュベートされ、PBSで洗浄されたヒトマクロファージを示す。「材料および方法」で報告した通りに固定された細胞をMay−Grunwald Giemsa法で染色し、40×の倍率で観察した。画像は、未充填赤血球との比較において、SiMagn充填RBCのマクロファージ膜相互作用および食作用を示しているが、SHU 555A充填RBCのものを示していない。
本発明者らは、材料および方法で記載された検量線から得られたr1値およびr2値を用いたNMR分析によって、ヒト赤血球内の磁性体の最終濃度を推算した(同上)。SHU 555Aは、1mlのRBCを5.6mgのFeを用いて透析した際には、4.64mM±2の量、そして赤血球を22.4mgのFeを用いて透析した際には、15.2mM±4の量で、ヒト赤血球内に組み入れられた。
結果は、封入される磁性ナノ粒子の濃度が、RBCと共にインキュベートされた造影剤の量の増大と、透析緩衝液のミリモル浸透圧濃度の低減との両方と共に増大するが、透析時間によっては影響されないことを示している(表1および表2)。
超常磁性ナノ粒子を充填されたRBC(44%ヘマトクリット)のT 値のNMR測定値は、血清から取り出された未透析(ND)同一ヘマトクリットの全血および赤血球の値(それぞれ21.9および30ms)より低い(0.38ms)。
Figure 2009540844
この値(0.38ms)が、全血(0.5ms)または未透析RBC(0.64ms)に添加された同濃度のSHU 555A薬剤を含有している懸濁液のT よりも極めて有意に低いという発見も、特に予想外であった(表3)。したがって、本発明は、血中でのナノ粒子の存在によって測定されるものより低いT 値を得ることを可能にする。この結果は、MRI画像化における解像度の向上である。
本発明者らは、未処置血における充填RBC試料の希釈の、T値およびT値への影響も評価した。成人身体への20mlの充填RBCの注入に相当する、試験された最大希釈(1:250)では、T値が全血のTより300ミリ秒(msec)低い結果となった(表4)。さらに未処置血中に1:125および1:250で希釈された充填RBC(L1−RBC)のT 値は、封入されていない造影剤をL1−RBCと同一濃度で含有している全血の同一希釈時の値より低い(それぞれ14.92対16.65ms、および17.32対19.79ms)(表3)。
Figure 2009540844
Figure 2009540844
Figure 2009540844
37℃の生理的緩衝液中で数回インキュベートされた充填赤血球のin vitro安定性をNMR測定によって特徴付けた(図3)。得られた結果は、充填RBCのT値が、対照細胞のものより低い状態で数日間維持されることを示した。
対照赤血球と比較して有意な量の血色素が充填赤血球から放出されていないことは注目に値する(未透析の対照赤血球が2.7%であるのに対して、充填赤血球は3.7%−図4)。
マウス赤血球に同一の充填手順を適用し、1.5mMから3.75mMの範囲の常磁性鉄濃度に相当するResovistの封入を得た(100μlのResovistで処置された500μlのRBCに関して)、表5。
Figure 2009540844
血管系における磁気ナノ粒子充填RBCの存在を検査するためにBALB/Cマウスでin vivo実験を行った。長時間(何日も)の間隔中における採血試料をNMR分析によって評価した。
図5に示した結果は、全血の充填RBC画分における磁性ナノ粒子の生物学的半減期は、未処置のマウス赤血球の半減期(12日間)と同様であったが、等量の遊離Resovist懸濁液をマウスに注入した場合、数時間しか、測定可能なTを生じず、24時間以内に循環血から完全に消失することを示している。
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Claims (28)

  1. サイトゾル超常磁性ナノ粒子酸化鉄を含有する、生存可能な赤血球。
  2. 請求項1に記載の赤血球を複数含む調製物であって、前記調製物中に存在する超常磁性酸化鉄の量が、前記調製物が磁気共鳴画像法の造影剤として有用であるのに十分である、調製物。
  3. 前記赤血球のSPIOの量が約1mMから40mMの間、好ましくは約3mMから20mMの間である、請求項1または2に記載の赤血球またはその調製物。
  4. 平均全粒径が80〜90nm以下であり、好ましくは20から60nmの間である、前記請求項のいずれかに記載の赤血球またはその調製物。
  5. 前記赤血球が1種以上の薬物を含む、前記請求項のいずれかに記載の赤血球またはその調製物。
  6. 前記薬物が、抗炎症薬および免疫抑制薬、抗ウイルス薬もしくは抗レトロウイルス薬、抗癌剤、オリゴヌクレオチド、モノクローナル抗体、ペプチドおよびペプチド核酸、光感作薬、赤外線蛍光剤、またはこれらの混合物のうちの少なくとも1種から選択される、請求項5に記載の赤血球またはその調製物。
  7. 前記SPIO粒子がデキストランでコーティングされている、前記請求項のいずれかに記載の赤血球またはその調製物。
  8. 前記超常磁性ナノ粒子が一般式Fe 3+2+Oを有し、式中、M2+が二価金属陽イオンである、前記請求項のいずれかに記載の赤血球またはその調製物。
  9. 前記SPIOが磁鉄鉱である(M2+が二価鉄イオンである)、請求項8に記載の赤血球またはその調製物。
  10. 2+が、マンガン、ニッケル、コバルト、およびマグネシウムからなる群から選択される、請求項8に記載の赤血球またはその調製物。
  11. 前記請求項のいずれかに記載の1つ以上の赤血球を調製する方法であって、前記赤血球を透過性にするのに十分な低張緩衝液に対して前記赤血球の調製物を透析すること(ここで、前記調製物は単分散SPIOを含み、前記透析は前記赤血球による前記SPIOの少なくとも一部の取込みを可能にするのに十分な時間で行う)と、その後前記赤血球を再封することとを含む方法。
  12. 前記低張緩衝液が60から120mOsmの間、好ましくは70から110mOsmのモル浸透圧濃度を有する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記赤血球の浸透圧が処置後に90mOsm未満に低下しない、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記低張緩衝液が、穿孔中における前記赤血球の生存性を高める成分を含む、請求項11から13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記緩衝液が、平衡状態にあるpH、グルコース、およびATPを有する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記緩衝液が約7.4のpHを有する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記低張緩衝液に前記赤血球を曝す時間が20分から5時間の間、好ましくは30分間から4時間の間、好ましくは1時間から3時間である、請求項8から16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記処置された赤血球を再封し、好ましくはその後洗浄して余分なSPIOを除去する、請求項11から16のいずれかに記載の方法。
  19. 磁気共鳴画像化技術における、前記請求項のいずれかに記載の調製物の使用。
  20. 状態の治療における、前記請求項のいずれかに記載の調製物の使用であって、治療される領域の近傍に前記赤血球が外部磁力によって局在化可能である使用。
  21. 生存可能な赤血球への封入によって、超常磁性酸化鉄のT を低減する方法。
  22. 患者から赤血球を取り出し、前記赤血球にSPIOを充填して請求項1から10のいずれかに記載の赤血球を産生し、前記赤血球を前記患者内に再導入する方法。
  23. 前記赤血球を他の血球から任意選択で分離することを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記赤血球にSPIOを充填した後に前記赤血球を保存する、請求項22または23に記載の方法。
  25. 請求項1から10のいずれかに記載の赤血球を投与することを含む、共鳴画像化の方法。
  26. 患者から赤血球を取り出すことと、前記赤血球を他の血球から分離することと、前記赤血球にSPIOを充填して請求項1から10のいずれかに記載の赤血球を産生することと、前記充填赤血球を前記患者に再導入することとを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 超常磁性酸化鉄の共鳴画像化の解像度を増大させる方法であって、前記超常磁性酸化鉄を生存可能な赤血球内に封入することと、前記赤血球をin vivoで共鳴画像化することとを含む方法。
  28. 共鳴画像化のために患者に投与するのに適した、請求項1から6のいずれかに記載の生存可能な赤血球に封入された超常磁性物質を含む薬理学的に活性な調製物。
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