JP2009538623A - 視床下部プロオピオメラノコルチン(pomc)由来生物活性ペプチドに関連する障害の処置において有用な、視床下部プロオピオメラノコルチン(pomc)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子を同定するための方法における、gpr101受容体の使用 - Google Patents

視床下部プロオピオメラノコルチン(pomc)由来生物活性ペプチドに関連する障害の処置において有用な、視床下部プロオピオメラノコルチン(pomc)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子を同定するための方法における、gpr101受容体の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、候補化合物を視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子としてスクリーニングするためにGPR101 Gタンパク質結合受容体(GPCR)を使用する方法に関する。GPR101受容体の調節因子は、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を調節し、およびPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患の治療において有用である。POMC由来生物活性ペプチドとしては、α−メラニン細胞刺激ホルモン(α−MSH)、β−メラニン細胞刺激ホルモン(β−MSH)およびγ−メラニン細胞刺激ホルモン(γ−MSH)が挙げられるが、これらに限定されない。

Description

発明の分野
本発明は、視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として候補化合物をスクリーニングするためにGPR101Gタンパク質結合受容体(GPCR)を使用する方法に関する。GPR101受容体の調節因子は、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を調節し、およびPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患の治療において有用である。POMC由来生物活性ペプチドとしては、α−メラニン細胞刺激ホルモン(α−MSH)、β−メラニン細胞刺激ホルモン(β−MSH)およびγ−メラニン細胞刺激ホルモン(γ−MSH)が挙げられるが、これらに限定されない。GPR101受容体のアゴニストおよび部分アゴニストは、視床下部α−MSH、β−MSHおよびγ−MSH分泌を刺激し、ならびに例えば、肥満およびそれに関連した状態(2型糖尿病、インスリン抵抗性、およびメタボリック症候群を含むが、これらに限定されない)、炎症関連障害および発熱の治療および予防において有用である。GPR101受容体の逆アゴニストおよびアンタゴニストは、α−MSH、β−MSHおよびγ−MSH分泌を阻害し、ならびに例えば、悪液質などの疾患の治療および予防において有用である。
(発明の背景)
以下の議論は、本発明の理解を容易にするために意図されるが、本発明に対する先行技術であることが意図されるのではなく、そのことが認められるわけでもない。
A.肥満
脂肪組織の重量の増加によって定義される肥満は、2型糖尿病、高脂血症、および冠性心疾患などの心臓血管性障害および代謝性障害の高いリスク、ならびに付随する罹患率および死亡率を与える。循環器病の多重リスク要因であるメタボリック症候群は、肥満、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール、高血圧および空腹時高グルコース(high fasting glucose)に関連するものを含む、5つの判断基準に基づいて定義される[非特許文献1]。
肥満は今や、西欧諸国における主要な保健医療問題であり、いくつかの第三世界諸国において増加しつつある。肥満の人数の増加は高脂肪含量の食事の嗜好の増加に大部分起因するが、これはまた、より重要な要因、多くの人々の生活における活動の減少であり得る。最近10年間で、米国において肥満の発生率は30%増加しており、現在米国の人口の約30%が肥満と考えられている。
ある人が過体重または肥満に分類されるか否かは、一般的に、身長の平方(m)で体重(kg)を除算することによって計算される、肥満度指数(BMI)に基づいて決定される。このように、BMIの単位はkg/mであり、人生の各10年間における最小死亡率と関連するBMI範囲を計算することが可能である。過体重は、25.0〜29.9kg/mの範囲のBMIとして定義され、肥満は30kg/m以上のBMIとして定義される(以下の表Aを参照のこと)。
表A 肥満度指数(BMI)による体重の分類
Figure 2009538623
BMIが増加するに従って、他のリスク要因とは独立している種々の原因からの死亡のリスクが増加する。肥満に伴う最も一般的な疾患は、循環器病(特に高血圧)、糖尿病(肥満は糖尿病の発生を悪化させる)、胆嚢疾患、癌、および生殖疾患である。研究は、体重の適度な減少さえもが、冠性心疾患を発症するリスクの有意な減少に相当し得ることを示してきた。
しかし、脂肪(脂肪組織)に対する、筋肉である体重の割合を考慮に入れていないという点で、BMIの定義に伴う問題点が存在している。この点を考慮するために、肥満は、体脂肪含量に基づいて定義することもできる:男性では25%より上、女性では30%より上である。
肥満は、同様に、循環器病を発症するリスクを顕著に増加させる。冠不全、アテローム性疾患、および心不全は、肥満によって誘導される心血管系の合併症の最前線にある。全体の集団が理想体重であるならば、冠不全のリスクは25%減少し、心不全のリスクおよび脳血管発作のリスクは35%減少すると見積もられている。冠動脈疾患の発生は、30%過体重である50歳未満の被験体において2倍である。糖尿病患者は、寿命の30%減少に直面している。45歳以後、糖尿病の人は、糖尿病でない人よりも、顕著な心臓病になる可能性が約3倍であり、脳卒中になる可能性が約5倍までである。これらの知見は、2型糖尿病および冠性心疾患のリスク要因と、肥満の予防に基づくこれらの状態の予防に対する複合的なアプローチの潜在的な価値との間の相互関連を強調する[非特許文献2]。
糖尿病は、腎臓病、眼疾患、および神経系の問題の発生にもまた関係付けられてきた。腎症とも呼ばれる腎臓病は、腎臓の「フィルター機構」が損傷し、タンパク質が尿中に過剰量で漏れ出し、最終的には腎臓が機能しなくなるときに起こる。糖尿病は、眼の後ろの網膜に対する損傷の主要原因でもあり、白内障および緑内障のリスクを増加する。最後に、糖尿病は、痛みを感じる能力に干渉し、深刻な感染に寄与する、とりわけ、脚および足の神経損傷に関連する。まとめると、糖尿病合併症は、国家の主要な死因の1つである。
第1の治療は、患者に対して、彼らの食事の脂肪含量を減少すること、および彼らの身体的活動を増加することなどの、食事およびライフスタイルのアドバイスを提供することである。しかし、多くの患者はこのことが困難であることを見出し、これらの努力からの結果を維持するために、薬物治療からのさらなる援助を必要とする。
大部分の現在市販されている製品は、効力の欠如または受け入れ難い副作用プロフィールのせいで、肥満のための治療としては成功していなかった。これまでに最も成功した薬物は、間接的に作用する5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)アゴニストであるd−フェンフルラミン(レダックス(Redux)(登録商標))であったが、しかし患者の3分の1までにおける心臓弁欠損の報告が、1998年にFDAによるその取り消しを招いた。
加えて、2種類の薬物が、米国および欧州において最近参入してきた:膵リパーゼの阻害によって脂肪の吸収を妨害する薬物であるオーリスタット(Orlistat)(ゼニカル(Xenical)(登録商標))、および5−HT/ノルアドレナリン再取り込み阻害剤であるシブトラミン(Sibutramine)(レダクチル(Reductil)(登録商標))である。しかし、これらの製品に付随する副作用は、これらの長期的な有用性を制限する可能性がある。ゼニカル(登録商標)を用いる治療は、ある患者においては胃腸障害を誘導すると報告されているのに対して、シブトラミンは、ある患者においては血圧の上昇と関連付けられてきた。
安全に体重を減少させる薬剤についての医学的な満たされていない必要性が存在している。本発明は、この重要な目的、ならびに他の重要な目的に向けられている。
B.視床下部におけるプロオピオメラノコルチン(POMC)
視床下部弓状核は、1つは食事摂取量を大いに増加させ(食欲促進性)および1つは食事摂取量を減少させる(食欲不振誘発性)、2つの別個のニューロンサブセットを含有する。食事摂取量を増加させるニューロンのサブセットは、2つの食欲促進性分子、神経ペプチドY(NPY)とアグーチ関連ペプチド(AgRP)、を共発現する。食事摂取量を減少させるニューロンのサブセットは、プロオピオメラノコルチン(POMC)を発現する。
POMCは、視床下部において副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、β−エンドルフィン、α−MSH、β−MSHおよびγ−メラニン細胞刺激ホルモン(γ−MSH)を含む(しかし、これらに限定されない)多数の生物活性ペプチドをタンパク質分解によってもたらすプロホルモンである。齧歯動物は、ほとんどの種とは異なり、β−MSHのためのN末端タンパク質分解性切断部位を有さず、従って、β−MSH欠損体である。α−MSHおよびβ−MSHは、同等に高い親和性でメラノコルチン−4受容体(MC4R)に結合し(MC4Rに対するアゴニストであり)、ならびにγ−MSHは、排他的にメラノコルチン−3受容体(MC3R)に結合する(MC3Rに対するアゴニストである)。α−MSHおよびβ−MSHが食欲不振誘発性であることが証明された。細胞内cAMPの上昇は、POMC発現およびPOMC由来生物活性ペプチドの分泌を刺激する。(例示的POMC mRNAおよびアミノ酸配列は、ヒトについてはGenBank(登録商標)アクセッション番号BC065832、マウスについてはGenBank(登録商標)アクセッション番号BC061215、およびラットについてはGenBank(登録商標)アクセッション番号BC058443で見つけることができる)(例示的NPY mRNAおよびアミノ酸配列は、ヒトについてはGenBank(登録商標)アクセッション番号NM_000905、マウスについてはGenBank(登録商標)アクセッション番号NM_023456、およびラットについてはGenBank(登録商標)アクセッション番号NM_012614で見つけることができる)。
すべてのPOMC由来ペプチドを遺伝的に欠くヒトおよびマウスは、重度に肥満である。MC4Rを欠くヒトおよびマウスは、著しく肥満および過食症性である。MC4Rの共優性突然変異は、ヒトにおける早期発症、重症肥満の5%以下についての原因であり、従って、ヒトにおける重症肥満の最も一般的な1遺伝子的原因である。最近、ヒトにおけるβ−MSHのミスセンス突然変異は、早期発症、重症肥満および過食症、MC4R欠損症の特徴、につながることが証明された。
ACTHおよびα−MSHは、解熱性である(熱、すなわち発熱、を下げる)ことが証明された。
α−MSH(これは、ニューロンにおいてばかりでなく、下垂体細胞、ケラチノサイトおよびマクロファージにおいても発現される)およびγ−MSH、ならびにMC1RおよびMC3Rに対する他のアゴニストは、抗炎症性であることが証明された。
例えば、Pritchardら、J Endocrinol(2002)172:411−421;Barshら、Nature Reviews(2002)3:589−600;Cone,Nature Neuroscience(2005)8:571−578;Schwartz,Obesity(2006)14:1S−8S;Yangら、Brain Research(1996)706:243−248;Boutillierら、Pituitary(1998)1:33−43;Leeら、Cell Metabolism(2006)3:135−140;Biebermannら、Cell Metabolism(2006)3:141−146;Leibel,Cell Metabolism(2006)3:79−81;Henekaら、Peptides(2006)114:8−18;Yoonら、J Biol Chem(2003)278:32914−32920;Murphyら、Science(1983)221:192−193;およびUsuiら、Mol Cell Endocrinol(1989)62:141−146を参照のこと。
C.GPR101
CPR101は、視床下部において発現されると報告されている(Leeら、Gene(2001)275:183−91)およびGとの結合と一致して細胞内cAMPを上昇させると報告されている(特許文献1)オーファンGタンパク質結合受容体(GPCR)である。脳におけるGPR101の発現は、視床下部をはじめとする個別の核において主として検出されている(Batesら、Brain Res(2006))。GPR101についてのコーディング領域は、単一エキソンの中に含まれる。
D.Gタンパク質結合受容体
多数の受容体クラスがヒトにおいて存在しているが、圧倒的に最も大量にあり、かつ治療的に関連性があるものは、Gタンパク質結合受容体(GPCR)クラスに代表される。ヒトゲノムの中には約30,000〜40,000個の遺伝子が存在すると見積もられており、これらの中のおよそ2%がGPCRをコードすると見積もられている。
GPCRは、医薬品の開発のための重要な領域を表している:100個の既知のGPCRの中の約20個から、すべての処方医薬品の約60%が開発されてきた。例えば、1999年には、上位100種類の処方薬物の商品名の中で、以下の薬物がGPCRと相互作用する(その薬物に関連して治療される主要な疾患および/または障害を括弧内に示す):
クラリチン(Claritin)(登録商標)(アレルギー)
プロザック(Prozac)(登録商標)(うつ病)
バソテック(Vasotec)(登録商標)(高血圧)
パキシル(Paxil)(登録商標)(うつ病)
ゾロフト(Zoloft)(登録商標)(うつ病)
ジプレキサ(Zyprexa)(登録商標)(精神異常)
コザール(Cozaar)(登録商標)(高血圧)
イミトレックス(Imitrex)(登録商標)(片頭痛)
ザンタック(Zantac)(登録商標)(逆流)
プロプルシド(Propulsid)(登録商標)(逆流性疾患)
リスパーダル(Risperdal)(登録商標)(統合失調症)
セレベント(Serevent)(登録商標)(喘息)
ペプシド(Pepcid)(登録商標)(逆流)
ガスター(Gaster)(登録商標)(潰瘍)
アトロベント(Atrovent)(登録商標)(気管支痙攣)
エフェクソル(Effexor)(登録商標)(うつ病)
デパコート(Depakote)(登録商標)(てんかん)
カージュラ(Cardura)(登録商標)(前立腺肥大)
アレグラ(Allegra)(登録商標)(アレルギー)
ルプロン(Lupron)(登録商標)(前立腺癌)
ゾラデックス(Zoladex)(登録商標)(前立腺癌)
ディプリバン(Diprivan)(登録商標)(知覚麻痺)
ブスパー(BuSpar)(登録商標)(不安)
ベントリン(Ventolin)(登録商標)(気管支痙攣)
ハイトリン(Hytrin)(登録商標)(高血圧)
ウェルブトリン(Wellbutrin)(登録商標)(うつ病)
ジルテック(Zyrtec)(登録商標)(鼻炎)
プラビックス(Plavix)(登録商標)(MI/脳卒中)
トプロール(Toprol)−XL(登録商標)(高血圧)
テノーミン(Tenormin)(登録商標)(アンギナ)
キサラタン(Xalatan)(登録商標)(緑内障)
シングレア(Singulair)(登録商標)(喘息)
ディオバン(Diovan)(登録商標)(高血圧)
ハルナール(Harnal)(登録商標)(前立腺肥大)
(Med Ad News 1999データ)。
GPCRは、7個のαヘリックスを形成する22個から24個の間の疎水性アミノ酸の7個の配列を有する、共通の構造モチーフを共有し、その各々が膜を貫通する(各貫通は、数字によって、すなわち、膜貫通−1(TM−1)、膜貫通−2(TM−2)などによって同定される)。これらの膜貫通ヘリックスは、膜貫通−2と膜貫通−3の間、膜貫通−4と膜貫通−5の間、および膜貫通−6と膜貫通−7の間の、細胞膜の外部、すなわち、「細胞外」側のアミノ酸の鎖(これらは、それぞれ、「細胞外」領域1、2、および3(EC−1、EC−2、およびEC−3)と呼ばれる)によって結合されている。膜貫通ヘリックスは、膜貫通−1と膜貫通−2の間、膜貫通−3と膜貫通−4の間、および膜貫通−5と膜貫通−6の間の、細胞膜の内部、すなわち、「細胞内」側のアミノ酸の鎖(これらは、それぞれ、「細胞内」領域1、2、および3(IC−1、IC−2、およびIC−3)と呼ばれる)によってもまた結合されている。受容体の「カルボキシ」(「C」)末端は細胞内の細胞内空間に存在し、受容体の「アミノ」(「N」)末端は細胞の外部の細胞外空間に存在する。
一般的に、リガンドが受容体と結合するとき(しばしば、受容体の「活性化」と呼ばれる)、細胞内領域と細胞内「Gタンパク質」の間の結合を容易にする受容体のコンホメーションの変化が存在する。GPCRがGタンパク質に関して「乱交性」であること、すなわち、GPCRが1種類より多くのGタンパク質と相互作用し得ることが報告されてきた。Kenakin、Life Sciences(1988)43:1095−1101を参照のこと。他のGタンパク質が存在しているが、現在、Gq、Gs、Gi、Gz、およびGoが同定されているGタンパク質である。リガンドによって活性化される、Gタンパク質とのGPCRの結合は、シグナルカスケードプロセスを開始する(「シグナル伝達」と呼ばれる)。通常の条件下では、シグナル伝達は、最終的には、細胞活性化または細胞阻害を生じる。理論に束縛されることを望まないが、受容体のIC−3ループならびにカルボキシ末端がGタンパク質と相互作用すると考えられている。
Gs共役GPCRは細胞内cAMPレベルを上昇させる。Gi、Go、またはGzに結合したGPCRは細胞内cAMPレベルを低下させる。Gq−共役GPCRは、細胞内IPおよびCa2+レベルを上昇させる。
G15もしくはG16などの、ホスホリパーゼC経路にいくつかのクラスのGPCRを共役させるらしい乱交性のGタンパク質[OffermannsおよびSimon、J Biol Chem(1995)270:15175−80]、または同じ経路、例えば、ホスホリパーゼC経路に多数の異なるGPCRを共役させるように設計されたキメラGタンパク質[MilliganおよびRees、Trends in Pharmaceutical Sciences(1999)20:118−24]もまた存在する。ホスホリパーゼC経路に共役されたGPCRは、細胞内IPおよびCa2+レベルを上昇させる。
生理的条件下では、GPCRは、2つの異なるコンホメーション:「不活性状態」と「活性状態」の間の平衡状態で、細胞膜中に存在する。不活性状態の受容体は、生物学的応答に導くシグナル伝達を開始するために、細胞内シグナル伝達経路に連結することができない。受容体のコンホメーションを活性状態に変化させることは、シグナル伝達経路への連結を可能にし(Gタンパク質を介して)、そして生物学的応答を生じる。
受容体は、リガンド、または薬物のような化合物によって、活性化状態で安定化される可能性がある。受容体のアミノ酸配列に対する修飾を含むがこれに排他的に限定されない最近の発見は、受容体を活性状態のコンホメーションにあるように促進または安定化するための、リガンドまたは薬物以外の手段を提供している。これらの手段は、受容体へのリガンド結合の効果を刺激することによって、活性状態の受容体を安定化する。リガンドから独立したこのような手段による安定化は、「構成的受容体活性化」と呼ばれている。
国際公開第01/36471号パンフレット
Grundyら、Circulation(2004)109:433−438 Perryら、BMJ(1995)310:560−564
ヒトGPR101ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は配列番号1に示され;上記コードされたヒトGPR101ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号2に示される。マウスGPR101ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は配列番号3に示され;上記コードされたマウスGPR101ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号4に示される。ラットGPR101ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は配列番号5に示され;上記コードされたラットGPR101ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号8に示される。
意外にも、本出願人は、視床下部弓状核内のGPR101受容体が食欲不振誘発性POMCニューロンサブセットによって発現されること、および少なくとも食欲促進性NPY/AgRPニューロンサブセットに関してその発現が選択的であることを発見した。GPR101受容体の調節因子は、POMC由来生物活性ペプチドの分泌を調節し、およびPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患の治療において有用である。POMC由来生物活性ペプチドとしては、α−メラニン細胞刺激ホルモン(α−MSH)、β−メラニン細胞刺激ホルモン(β−MSH)およびγ−メラニン細胞刺激ホルモン(γ−MSH)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、候補化合物をPOMC由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子としてスクリーニングするためにGPR101を使用する方法、およびPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患の治療における前記調節因子の使用に関する。GPR101のアゴニストおよび部分アゴニストは、視床下部α−MSH、β−MSHおよびγ−MSH分泌を刺激し、ならびに肥満およびそれに関連した状態(2型糖尿病、インスリン抵抗性、およびメタボリック症候群を含むが、これらに限定されない)の治療および予防において有用である。GPR101のアゴニストおよび部分アゴニストは、満腹を促進するのに有用である。GPR101のアゴニストおよび部分アゴニストは、過食症の治療および予防において有用である。GPR101のアゴニストおよび部分アゴニストは、発熱の治療および予防において有用である。GPR101のアゴニストおよび部分アゴニストは、炎症関連障害の治療および予防において有用である。GPR101のアゴニストおよび部分アゴニストは、体重を減少させる際、脂肪蓄積(adiposity)を減少させる際、体脂肪率を減少させる際、および食事摂取量を減少させる際に有用である。GPR101の逆アゴニストおよびアンタゴニストは、視床下部α−MSH、β−MSHおよびγ−MSH分泌を阻害し、ならびに悪液質などの疾患の治療および予防において有用である。GPR101の逆アゴニストおよびアンタゴニストは、体重を増加させる際、脂肪蓄積を増加させる際、体脂肪率を増加させる際、および食事摂取量を増加させる際に有用である。
第一の態様において、本発明は、候補化合物を視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として同定する方法を特徴とし、この方法は、
(a)(i)配列番号2のアミノ酸配列;
(ii)特異的プライマー配列番号7および配列番号8を使用してヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(iii)配列番号4のアミノ酸配列;
(iv)配列番号6のアミノ酸配列;
(v)配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(vi)配列番号2、配列番号4または配列番号6に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(vii)配列番号2、配列番号4または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(viii)(i)から(vii)のうちのいずれか1つの生物活性フラグメント
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むGPCR(該受容体は、Gタンパクに結合する)と候補化合物を接触させる工程;および
(b)前記GPCRの機能性を阻害または刺激する前記化合物の能力を決定する工程
を含み、ここで、
前記GPCRの機能性を阻害または刺激するその化合物の能力が、その化合物が視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子であることの指標となる。
一定の実施形態において、前記GPCRは、配列番号2のアミノ酸配列、または配列番号2に対して少なくとも約70%の同一性を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列を含む。
一定の実施形態において、前記POMC由来生物活性ペプチドは、ACTH、β−エンドルフィン、α−MSH、β−MSHおよびγ−MSHからなる群より選択される。POMC由来生物活性ペプチドは、本発明の実施形態に個々に含まれる場合もあり、任意の組み合わせで含まれる場合もあると、明白に考えられる。
加えて、本発明は、この第一の態様の工程(a)および(b)を含み、さらに、
(c)工程(b)における受容体の機能性を阻害または刺激する化合物を場合によっては合成する工程;
(d)工程(b)における受容体の機能性を阻害または刺激する化合物と、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞とを、または脊椎動物視床下部細胞とを、または脊椎動物視床下部組織とをインビトロで接触させる工程;および
(e)本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞からの、または脊椎動物視床下部細胞からの、または脊椎動物視床下部組織からのPOMC由来生物活性ペプチドの分泌を、その化合物が調節するかどうかを決定する工程
を含む、候補化合物を視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として同定する方法を特徴とし、この場合、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞からの、または脊椎動物視床下部細胞からの、または脊椎動物視床下部組織からのPOMC由来生物活性ペプチドの分泌を調節するその候補化合物の能力が、その化合物がPOMC由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子であることの指標となる。
加えて、本発明は、この第一の態様の工程(a)および(b)を含み、さらに、
(c)工程(b)における受容体の機能性を阻害または刺激する化合物を場合によっては合成する工程;
(d)工程(b)における受容体の機能性を阻害または刺激する化合物を脊椎動物に投与する工程;および
(e)その化合物が、その脊椎動物におけるPOMC由来生物活性ペプチドの分泌を調節するかどうかを決定する工程
を含む、候補化合物を視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として同定する方法を特徴とし、この場合、その脊椎動物におけるPOMC由来生物活性ペプチドの分泌を調節するその候補化合物の能力が、その化合物がPOMC由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子であることの指標となる。
加えて、本発明は、この第一の態様の工程(a)および(b)を含み、さらに、
(c)工程(b)における受容体の機能性を阻害または刺激する化合物を場合によっては合成する工程;
(d)工程(b)における受容体の機能性を阻害または刺激する化合物と、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMCポリペプチドもしくはmRNAを発現できる細胞とを、または脊椎動物視床下部細胞とを、または脊椎動物視床下部組織とをインビトロで接触させる工程;および
(e)本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMCポリペプチドもしくはmRNAを発現できる細胞における、または脊椎動物視床下部細胞における、または脊椎動物視床下部組織におけるPOMCポリペプチドまたはmRNAの発現を、その化合物が調節するかどうかを決定する工程
を含む、候補化合物を視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として同定する方法を特徴とし、この場合、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMCポリペプチドもしくはmRNAを発現できる細胞における、または脊椎動物視床下部細胞における、または脊椎動物視床下部組織におけるPOMCポリペプチドまたはmRNAの発現を調節するその候補化合物の能力が、その化合物がPOMC由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子であることの指標となる。
加えて、本発明は、この第一の態様の工程(a)および(b)を含み、さらに、
(c)工程(b)における受容体の機能性を阻害または刺激する化合物を場合によっては合成する工程;
(d)工程(b)における受容体の機能性を阻害または刺激する化合物を脊椎動物に投与する工程;および
(e)その化合物が、その脊椎動物におけるPOMCポリペプチドまたはmRNAの発現を調節するかどうかを決定する工程
を含む、候補化合物を視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として同定する方法を特徴とし、この場合、その脊椎動物におけるPOMCポリペプチドまたはmRNAの発現を調節するその候補化合物の能力が、その化合物がPOMC由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子であることの指標となる。
一定の実施形態において、工程(e)のPOMC由来生物活性ペプチドは、ACTH、β−エンドルフィン、α−MSH、β−MSHおよびγ−MSHからなる群より選択される。POMC由来生物活性ペプチドは、本発明の実施形態に個々に含まれる場合もあり、任意の組み合わせで含まれる場合もあると、明白に考えられる。
一定の実施形態において、本発明のGタンパク質結合受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体であり、または配列番号2に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有する内因性もしくは非内因性Gタンパク質結合受容体である。
一定の実施形態において、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞、または本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMCポリペプチドもしくはmRNAを発現できる細胞は、視床下部細胞、下垂体細胞、皮膚細胞または白血球である。一定の実施形態において、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞、または本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMCポリペプチドもしくはmRNAを発現できる細胞は、不死化細胞である。一定の実施形態において、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞、または本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMCポリペプチドもしくはmRNAを発現できる細胞は、不死化細胞でない。
一定の実施形態において、その化合物がPOMC由来生物活性ペプチドの分泌を調節するかどうかの前記判定は、視床下部スライスアッセイを含む方法によって行われる。一定の実施形態において、前記視床下部スライスアッセイは、ラット視床下部スライスアッセイである。一定の実施形態において、前記視床下部スライスは、POMCニューロンを含む。一定の実施形態において、前記視床下部スライスは、GPR101を含むPOMCニューロンを含む。
一定の実施形態において、前記脊椎動物視床下部組織は、哺乳動物視床下部組織である。一定の実施形態において、哺乳動物視床下部組織は、ラットまたはマウス視床下部組織などの(しかし、これらに限定されない)、非ヒト哺乳動物視床下部組織である。一定の実施形態において、前記脊椎動物視床下部組織は、ヒト視床下部組織である。
一定の実施形態において、その化合物が脊椎動物におけるPOMC mRNAの発現を調節するかどうかの前記判定は、インサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析を含む方法によって行われる。一定の実施形態において、その化合物が脊椎動物におけるPOMC mRNAの発現を調節するかどうかの前記判定は、視床下部組織のインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析を含む方法によって行われる。一定の実施形態において、その化合物が脊椎動物におけるPOMC mRNAの発現を調節するかどうかの前記判定は、視床下部弓状核組織を含む視床下部組織のインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析を含む方法によって行われる。一定の実施形態において、その化合物が脊椎動物におけるPOMC mRNAの発現を調節するかどうかの前記判定は、視床下部組織から作製された連続切片を用いて行われるインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析を含む方法によって行われる。
一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRのアゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRの部分アゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記候補化合物は、肥満またはそれに関連した状態のための医薬としてスクリーニングされる。一部の実施形態において、前記肥満に関連した状態は、高血圧、うっ血性心筋症、静脈瘤、肺塞栓症、冠性心疾患、卒中、特発性頭蓋内圧亢進、異常感覚性大腿痛、呼吸困難、閉塞性睡眠時無呼吸症、低換気症候群、ピックウィック症候群、喘息、不動(immobility)、変性骨関節炎、腰痛、線条萎縮すなわち「伸展裂創」、下肢の静脈うっ血、リンパ浮腫、蜂巣炎、間擦疹、癰、黒色表皮腫、懸垂線維腫、胃食道逆流障害、非アルコール性脂肪肝/脂肪性肝炎、胆石症、ヘルニア、大腸癌、緊張性失禁、肥満関連糸球体症、乳および子宮癌、うつ病および低い自己評価、生活の質の悪化、メタボリック症候群、インスリン抵抗性、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性硬化症、女性の高アンドロゲン血症、多嚢胞卵巣症候群、月経困難症、不妊症、妊娠合併症、および男性性腺機能低下症からなる群より選択される。一部の実施形態において、前記肥満に関連した状態は、高血圧、インスリン抵抗性、メタボリック症候群、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性硬化症、冠性心疾患、および卒中からなる群より選択される。肥満の関連した個々の状態それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。
一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRのアゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRの部分アゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記候補化合物は、満腹を促進するための医薬としてスクリーニングされる。
一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRのアゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRの部分アゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記候補化合物は、過食症のための医薬としてスクリーニングされる。
一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRのアゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRの部分アゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記候補化合物は、発熱のための医薬としてスクリーニングされる。
一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRのアゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRの部分アゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記候補化合物は、炎症関連障害のための医薬としてスクリーニングされる。一定の実施形態において、前記炎症関連障害は、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)、炎症性関節炎(例えば、関節リウマチおよび乾癬性関節炎)、乾癬、喘息、慢性閉塞性肺疾患、敗血症性ショック、虚血/再潅流傷害、播種性血管内凝固、アテローム性硬化症、骨粗しょう症、再狭窄、全身性エリテマトーデス、急性移植拒絶反応、心筋梗塞、膵炎、肝炎、静脈血栓症、多発性損傷、うっ血性心不全、末梢神経損傷、および脳炎症関連障害からなる群より選択される。一部の実施形態において、前記炎症関連障害は、炎症性腸疾患、炎症性関節炎、敗血症ショック、虚血/再潅流傷害、アテローム性硬化症、骨粗しょう症、再狭窄、心筋梗塞、うっ血性心不全、および脳炎症関連障害からなる群より選択される。個々の炎症関連障害それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。一部の実施形態において、前記脳炎症関連障害は、脳の傷害または外傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、プリオン関連疾患、脳虚血、AIDSによる認知症およびアルツハイマー病からなる群より選択される。個々の脳炎症関連障害それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。
一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRのアゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRの部分アゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記候補化合物は、体重、脂肪蓄積、体脂肪率および食事摂取量からなる群より選択されるエネルギー恒常性関連パラメータを減少させる薬剤としてスクリーニングされる。一定の実施形態において、前記候補化合物は、体重を減少させる薬剤としてスクリーニングされる。一定の実施形態において、前記候補化合物は、脂肪蓄積を減少させる薬剤としてスクリーニングされる。一定の実施形態において、前記候補化合物は、体脂肪率を減少させる薬剤としてスクリーニングされる。一定の実施形態において、前記候補化合物は、食事摂取量を減少させる薬剤としてスクリーニングされる。
一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRのアゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRの部分アゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記候補化合物は、POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを増加させることによって改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患のための医薬としてスクリーニングされる。一定の実施形態において、前記分泌レベルは、視床下部分泌レベルである。
一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRの逆アゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRのアンタゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記候補化合物は、悪液質のための医薬としてスクリーニングされる。一部の実施形態において、前記悪液質は、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少からなる群より選択される。AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少は、本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。
一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRの逆アゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRのアンタゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記候補化合物は、体重、脂肪蓄積、体脂肪率および食事摂取量からなる群より選択されるエネルギー恒常性関連パラメータを増加させる薬剤としてスクリーニングされる。一定の実施形態において、前記候補化合物は、体重を増加させる薬剤としてスクリーニングされる。一定の実施形態において、前記候補化合物は、脂肪蓄積を増加させる薬剤としてスクリーニングされる。一定の実施形態において、前記候補化合物は、体脂肪率を増加させる薬剤としてスクリーニングされる。一定の実施形態において、前記候補化合物は、食事摂取量を増加させる薬剤としてスクリーニングされる。
一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRの逆アゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、前記GPCRのアンタゴニストの同定を含む。一定の実施形態において、前記候補化合物は、POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを減少させることによって改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患のための医薬としてスクリーニングされる。一定の実施形態において、前記分泌レベルは、視床下部分泌レベルである。
一定の実施形態において、前記GPCRの機能性を刺激する候補化合物は、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を刺激する化合物である。前記GPCRのアゴニストおよび部分アゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を刺激し、ならびに肥満またはそれに関連した状態のための医薬として有用である。前記GPCRのアゴニストおよび部分アゴニストは、POMC由来生物活性ペプチドを刺激し、ならびに満腹を促進するための医薬として有用である。前記GPCRのアゴニストおよび部分アゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を刺激し、ならびに過食症のための医薬として有用である。前記GPCRのアゴニストおよび部分アゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を刺激し、ならびに発熱のための医薬として有用である。前記GPCRのアゴニストおよび部分アゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を刺激し、ならびに炎症関連障害のための医薬として有用である。前記GPCRのアゴニストおよび部分アゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を刺激し、ならびに体重を減少させるための医薬として有用である。前記GPCRのアゴニストおよび部分アゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を刺激し、ならびに脂肪蓄積を減少させるための医薬として有用である。前記GPCRのアゴニストおよび部分アゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を刺激し、ならびに体脂肪率を減少させるための医薬として有用である。前記GPCRのアゴニストおよび部分アゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を刺激し、ならびに食事摂取量を減少させるための医薬として有用である。
一定の実施形態において、GPCRの機能性を阻害する候補化合物は、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を阻害する化合物である。前記GPCRの逆アゴニストおよびアンタゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を阻害し、ならびに悪液質のための医薬として有用である。前記GPCRの逆アゴニストおよびアンタゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を阻害し、ならびに体重を増加させるための医薬として有用である。前記GPCRの逆アゴニストおよびアンタゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を阻害し、ならびに脂肪蓄積を増加させるための医薬として有用である。前記GPCRの逆アゴニストおよびアンタゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を阻害し、ならびに体脂肪率を増加させるための医薬として有用である。前記GPCRの逆アゴニストおよびアンタゴニストは、視床下部POMC由来生物活性ペプチドの分泌を阻害し、ならびに食事摂取量を増加させるための医薬として有用である。
一定の実施形態において、前記方法は、その候補化合物が前記受容体のアゴニストであるかどうかの判定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、その候補化合物が、前記受容体の部分アゴニストであるかどうかの判定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、その候補化合物が前記受容体の逆アゴニストであるかどうかの判定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、その候補化合物が前記受容体のアンタゴニストであるかどうかの判定を含む。
一定の実施形態において、前記受容体は、組換え体である。
一定の実施形態において、前記接触は、候補化合物と、組換え型前記受容体を含む宿主細胞との、または組換え型前記受容体を含む宿主細胞の膜との接触を含む。一部の実施形態において、前記宿主細胞は、前記受容体をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む。一定の実施形態において、前記宿主細胞は、真核細胞である。一部の実施形態において、前記真核細胞は、酵母細胞である。一部の実施形態において、前記真核細胞は、メラニン保有細胞である。一部の実施形態において、前記真核細胞は、哺乳動物宿主細胞である。一部の実施形態において、前記哺乳動物細胞は、HEK−293細胞、COS−7細胞またはCHO細胞である。
一部の実施形態において、前記判定は、前記GPCRを含む膜を用いて行われる。一定の実施形態において、前記GPCRを含む膜は、単離される。
一定の実施形態において、前記GPCRは、検出可能なレベルの構成的活性を示す。一部の実施形態において、前記構成的活性は、細胞内cAMPレベルを増加させる活性である。一部の実施形態において、前記構成的活性は、Gに結合するGPCRと一致して細胞内cAPMレベルを増加させる活性である。一部の実施形態において、前記構成的活性は、メラニン保有細胞を色素分散させる活性である。
一部の実施形態において、前記接触は、前記GPCRの公知リガンドが不在の状態で行われる。例証として、および限定としてではなく、一部の実施形態において、前記接触は、前記受容体の公知アゴニストが不在の状態で行われる。一部の実施形態において、前記同定は、直接的同定である。
一部の実施形態において、前記接触は、前記GPCRの公知リガンドが存在する状態で行われる。一部の実施形態において、前記接触は、前記GPCRの公知調節因子が存在する状態で行われる。一部の実施形態において、前記接触は、前記GPCRの公知アゴニストが存在する状態で行われる。一部の実施形態において、前記GPCRの前記公知アゴニストは、内因性ヒトGPR101の公知アゴニストである。前記GPCRの公知アゴニストが存在する状態での前記接触と関連がある一部の実施形態において、前記候補化合物は、その公知アゴニストを前記GPCRと接触させる前に、前記GPCRと接触させる。前記GPCRの公知アゴニストが存在する状態での前記接触と関連がある一部の実施形態において、前記候補化合物は、その公知アゴニストを前記GPCRと接触させる数分前までの間に、前記GPCRと接触させる。前記GPCRの公知アゴニストが存在する状態での前記接触と関連がある一部の実施形態において、前記候補化合物は、その公知アゴニストを前記GPCRと接触させる約5分前まで、約10分前まで、または約30分前までの間に、前記GPCRと接触させる。
一定の実施形態において、前記PCRは、ゲノムPCRである。一定の実施形態において、前記ヒトDNAは、ヒトゲノムDNAである。
一部の実施形態において、PCRは、RT−PCRである。一部の実施形態において、前記ヒトDNAは、GPR101を発現する組織または細胞に由来するヒトcDNAである。一部の実施形態において、前記ヒトcDNAは、脳または視床下部に由来する。一部の実施形態において、前記ヒトcDNAは、POMCニューロン細胞に由来する。
一部の実施形態において、特異的プライマー配列番号7および配列番号8を使用してヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体は、内因性GPR101 Gタンパク質結合受容体である。
一部の実施形態において、前記GPCRは、内因性である。一部の実施形態において、前記内因性GPCRは、脊椎動物GPCRである。一部の実施形態において、前記内因性GPCRは、哺乳動物GPCRである。一部の実施形態において、前記内因性GPCRは、ヒトGPCRである。一定の実施形態において、前記内因性脊椎動物、哺乳動物またはヒトGPCRは、GPR101である。一部の実施形態において、前記GPCRは、非内因性である。
一部の実施形態において、配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体は、内因性GPCRである。一部の実施形態において、前記内因性GPCRは、脊椎動物GPCRである。一部の実施形態において、前記内因性GPCRは、哺乳動物GPCRである。一部の実施形態において、前記内因性GPCRは、ヒトGPCRである。一定の実施形態において、前記内因性脊椎動物、哺乳動物またはヒトGPCRは、GPR101である。一部の実施形態において、配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体は、非内因性GPCRである。
一定の実施形態において、前記判定は、第二メッセンジャーのレベルの測定を含む方法によるものである。一部の実施形態において、前記判定は、サイクリックAMP(cAMP)、サイクリックGMP(cGMP)、イノシトール1,4,5−三リン酸(IP)、ジアシルグリセロール(DAG)、MPAキナーゼ活性、MAPK/ERKキナーゼ キナーゼ−1(MEKK1)活性、およびCa2+からなる群より選択される第二メッセンジャーのレベルの測定を含む方法によるものである。一部の実施形態において、前記第二メッセンジャーは、cAMPである。一定の実施形態において、前記第二メッセンジャーは、cAMPである。
一定の実施形態において、前記判定は、メラニン保有細胞アッセイの使用を含む方法によるものである。一定の実施形態において、前記判定は、メラニン保有細胞色素分散レベルの測定を含む方法によるものである。
一部の実施形態において、前記判定は、GPCRを含む膜に結合するGTPγSのレベルの測定を含む方法によるものである。
一部の実施形態において、前記判定は、cAMP応答性レポーターアッセイの使用を含む方法によるものである。
一部の実施形態において、前記候補化合物は、脊椎動物GPR101受容体のリガンドであることが分かっている化合物ではない。一部の実施形態において、前記候補化合物は、脊椎動物GPR101受容体に対するアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストまたはアンタゴニストであることが分かっている化合物ではない。一部の実施形態において、前記脊椎動物は、哺乳動物である。一部の実施形態において、前記脊椎動物は、ヒトである。
一定の実施形態において、前記候補化合物は、小分子である。一部の実施形態において、前記候補化合物は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または脂質でないことを条件とする。一部の実施形態において、前記候補化合物は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチドでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記候補化合物は、小分子であるが、但し、その小分子が抗体またはその抗原結合フラグメントでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記候補化合物は、小分子であるが、その小分子が脂質でないことを条件とする。
一部の実施形態において、前記方法は、候補化合物に起因する前記受容体の調節と、前記受容体とその公知調節因子の接触に起因する前記受容体の第二の調節とを比較する工程をさらに含む。
一部の実施形態において、前記方法は、前記調節因子を医薬組成物に調合する工程をさらに含む。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの逆アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアンタゴニストである。
一部の実施形態において、前記方法は、前記調節因子の合成をさらに含む。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの逆アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアンタゴニストである。
一部の実施形態において、前記方法は、場合によっては、前記調節因子の構造を決定する工程;および前記調節因子または前記調節因子の名前もしくは構造を提供する工程をさらに含む。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの逆アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアンタゴニストである。
一部の実施形態において、前記方法は、場合によっては、前記調節因子の構造を決定する工程;場合によっては、前記調節因子または前記調節因子の名前もしくは構造を提供する工程;および前記調節因子を製造または合成する工程をさらに含む。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの逆アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアンタゴニストである。
第二の態様において、本発明は、第一の態様の方法に従って同定することができる調節因子を特徴とする。
一部の実施形態において、前記調節因子は、第一の態様の方法に従って同定される。
一定の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、またはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの逆アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアンタゴニストである。一部の実施形態において、GPCRは、脊椎動物GPR101受容体である。一部の実施形態において、前記GPCRは、哺乳動物GPR101受容体である。一部の実施形態において、前記GPCRは、ヒトGPR101受容体である。
一定の実施形態において、前記調節因子は、小分子である。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または脂質でないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチドでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子が抗体またはその抗原結合フラグメントでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、その小分子が脂質でないことを条件とする。
一部の実施形態において、前記調節因子は、ヒト、マウスまたはラットGPR101に対して、好ましくはヒトGPR101に対して、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから10μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから1μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから100nMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、トランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるGTPγS結合アッセイで、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞において行われる色素分散アッセイで、トランスフェクトされたCHO細胞においてもしくはトランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるcAMPアッセイで、またはトランスフェクトされた293細胞において行われるcAMPアッセイで、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである(この場合、該トランスフェクトされたCHO細胞、または該トランスフェクトされたメラニン保有細胞、または該トランスフェクトされた293細胞は、配列番号2、配列番号4および配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有する組換えGPR101受容体を発現する)。一部の実施形態において、前記組換えGPR101受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約10μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約1μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約100nMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。
一部の実施形態において、前記調節因子は、ヒト、マウスまたはラットGPR101に対して、好ましくはヒトGPR101に対して、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから10μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから1μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから100nMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、トランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるGTPγSアッセイで、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞において行われる色素分散アッセイで、トランスフェクトされたCHO細胞においてもしくはトランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるcAMPアッセイで、またはトランスフェクトされた293細胞において行われるcAMPアッセイで、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである(この場合、該トランスフェクトされたCHO細胞、または該トランスフェクトされたメラニン保有細胞、または該トランスフェクトされた293細胞は、配列番号2、配列番号4および配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有する組換えGPR101受容体を発現する)。一部の実施形態において、前記組換えGPR101受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約10μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約1μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約100nMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。
本発明の1つの態様において、前記GPR101調節因子は、選択的GPR101調節因子であり、この場合の選択的GPR101調節因子は、GPR161よりGPR101受容体に対して少なくとも約10倍の、少なくとも約100倍のまたは少なくとも約1000倍の選択性を有する。
一定の実施形態において、前記調節因子は、経口活性である。
一定の実施形態において、前記調節因子は、血液脳関門を横断することができる。
第三の態様において、本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物を特徴とする。一部の実施形態において、前記脊椎動物は、哺乳動物である。一部の実施形態において、前記脊椎動物は、ヒトである。一部の実施形態において、前記ヒトGPR101受容体の調節因子は、配列番号2のアミノ酸配列を有するヒトGPR101の調節因子である。
一部の実施形態において、前記調節因子は、第二の態様によるものである。
一定の実施形態において、前記脊椎動物GPR101受容体の調節因子は、前記脊椎動物GPR101受容体のアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一定の実施形態において、前記脊椎動物GPR101受容体の調節因子は、前記脊椎動物GPR101受容体のアゴニストである。一定の実施形態において、前記脊椎動物GPR101受容体の調節因子は、前記脊椎動物GPR101受容体の部分アゴニストである。一定の実施形態において、前記脊椎動物GPR101受容体の調節因子は、前記脊椎動物GPR101受容体の逆アゴニストである。一定の実施形態において、前記脊椎動物GPR101受容体の調節因子は、前記脊椎動物GPR101受容体のアンタゴニストである。
一定の実施形態において、前記調節因子は、小分子である。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または脂質でないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチドでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子が抗体またはその抗原結合フラグメントでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、その小分子が脂質でないことを条件とする。
一部の実施形態において、前記調節因子は、ヒト、マウスまたはラットGPR101に対して、好ましくはヒトGPR101に対して、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから10μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから1μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから100nMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、トランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるGTPγSアッセイで、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞において行われる色素分散アッセイで、トランスフェクトされたCHO細胞においてもしくはトランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるcAMPアッセイで、またはトランスフェクトされた293細胞において行われるcAMPアッセイで、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである(この場合、該トランスフェクトされたCHO細胞、または該トランスフェクトされたメラニン保有細胞、または該トランスフェクトされた293細胞は、配列番号2、配列番号4および配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有する組換えGPR101受容体を発現する)。一部の実施形態において、前記組換えGPR101受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約10μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約1μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約100nMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。
一部の実施形態において、前記調節因子は、ヒト、マウスまたはラットGPR101に対して、好ましくはヒトGPR101に対して、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから10μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから1μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから100nMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、トランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるGTPγS結合アッセイで、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞において行われる色素分散アッセイで、トランスフェクトされたCHO細胞においてもしくはトランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるcAMPアッセイで、またはトランスフェクトされた293細胞において行われるcAMPアッセイで、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである(この場合、該トランスフェクトされたCHO細胞、または該トランスフェクトされたメラニン保有細胞、または該トランスフェクトされた293細胞は、配列番号2、配列番号4および配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有する組換えGPR101受容体を発現する)。一部の実施形態において、前記組換えGPR101受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約10μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約1μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約100nMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。
本発明の1つの態様において、前記GPR101調節因子は、選択的GPR101調節因子であり、この場合の選択的GPR101調節因子は、GPR161よりGPR101受容体に対して少なくとも約10倍の、少なくとも約100倍のまたは少なくとも約1000倍の選択性を有する。
一定の実施形態において、前記調節因子は、経口活性である。
一定の実施形態において、前記調節因子は、血液脳関門を横断することができる。
第四の態様において、本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子と医薬的に許容される担体とを混合することを含む、医薬組成物の作製方法を特徴とする。一部の実施形態において、前記脊椎動物は、哺乳動物である。一部の実施形態において、前記脊椎動物は、ヒトである。一部の実施形態において、前記ヒトGPR101受容体の調節因子は、配列番号2のアミノ酸配列を有するヒトGPR101の調節因子である。
一部の実施形態において、前記調節因子は、第二の態様によるものである。
一定の実施形態において、前記脊椎動物GPR101受容体の調節因子は、前記脊椎動物GPR101受容体のアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一定の実施形態において、前記脊椎動物GPR101受容体の調節因子は、前記脊椎動物GPR101受容体のアゴニストである。一定の実施形態において、前記脊椎動物GPR101受容体の調節因子は、前記脊椎動物GPR101受容体の部分アゴニストである。一定の実施形態において、前記脊椎動物GPR101受容体の調節因子は、前記脊椎動物GPR101受容体の逆アゴニストである。一定の実施形態において、前記脊椎動物GPR101受容体の調節因子は、前記脊椎動物GPR101受容体のアンタゴニストである。
一定の実施形態において、前記調節因子は、小分子である。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または脂質でないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチドでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子が抗体またはその抗原結合フラグメントでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、その小分子が脂質でないことを条件とする。
一部の実施形態において、前記調節因子は、ヒト、マウスまたはラットGPR101に対して、好ましくはヒトGPR101に対して、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから10μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから1μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから100nMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、トランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるGTPγS結合アッセイで、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞において行われる色素分散アッセイで、トランスフェクトされたCHO細胞においてもしくはトランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるcAMPアッセイで、またはトランスフェクトされた293細胞において行われるcAMPアッセイで、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである(この場合、該トランスフェクトされたCHO細胞、または該トランスフェクトされたメラニン保有細胞、または該トランスフェクトされた293細胞は、配列番号2、配列番号4および配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有する組換えGPR101受容体を発現する)。一部の実施形態において、前記組換えGPR101受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約10μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約1μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約100nMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。
一部の実施形態において、前記調節因子は、ヒト、マウスまたはラットGPR101に対して、好ましくはヒトGPR101に対して、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから10μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから1μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから100nMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、トランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるGTPγS結合アッセイで、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞において行われる色素分散アッセイで、トランスフェクトされたCHO細胞においてもしくはトランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるcAMPアッセイで、またはトランスフェクトされた293細胞において行われるcAMPアッセイで、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである(この場合、該トランスフェクトされたCHO細胞、または該トランスフェクトされたメラニン保有細胞、または該トランスフェクトされた293細胞は、配列番号2、配列番号4および配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有する組換えGPR101受容体を発現する)。一部の実施形態において、前記組換えGPR101受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約10μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約1μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約100nMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。
本発明の1つの態様において、前記GPR101調節因子は、選択的GPR101調節因子であり、この場合の選択的GPR101調節因子は、GPR161よりGPR101受容体に対して少なくとも約10倍の、少なくとも約100倍のまたは少なくとも約1000倍の選択性を有する。
一定の実施形態において、前記調節因子は、経口活性である。
一定の実施形態において、前記調節因子は、血液脳関門を横断することができる。
第五の態様において、本発明は、視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を増加させる方法を特徴とし、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。
本発明は、POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを増加させることによって改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患を治療または予防する方法も提供し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。一定の実施形態において、前記分泌レベルは、視床下部分泌レベルである。
本発明は、肥満またはそれに関連した状態を治療または予防する方法にも関し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。一部の実施形態において、前記肥満に関連した状態は、高血圧、うっ血性心筋症、静脈瘤、肺塞栓症、冠性心疾患、卒中、特発性頭蓋内圧亢進、異常感覚性大腿痛、呼吸困難、閉塞性睡眠時無呼吸症、低換気症候群、ピックウィック症候群、喘息、不動、変性骨関節炎、腰痛、線条萎縮すなわち「伸展裂創」、下肢の静脈うっ血、リンパ浮腫、蜂巣炎、間擦疹、癰、黒色表皮腫、懸垂線維腫、胃食道逆流障害、非アルコール性脂肪肝/脂肪性肝炎、胆石症、ヘルニア、大腸癌、緊張性失禁、肥満関連糸球体症、乳および子宮癌、うつ病および低い自己評価、生活の質の悪化、メタボリック症候群、インスリン抵抗性、2型糖尿病、異脂肪血症、アテロー性硬化症、女性の高アンドロゲン血症、多嚢胞卵巣症候群、月経困難症、不妊症、妊娠合併症、および男性性腺機能低下症からなる群より選択される。一部の実施形態において、前記肥満に関連した状態は、高血圧、インスリン抵抗性、メタボリック症候群、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性硬化症、冠性心疾患、および卒中からなる群より選択される。肥満の関連した個々の状態それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。
本発明は、満腹を促進する方法にも関し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、肥満である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、過体重である。
本発明は、過食症を治療または予防する方法にも関し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、肥満である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、過体重である。
本発明は、発熱を治療または予防する方法にも関し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。
本発明は、炎症関連障害を治療または予防する方法にも関する。一定の実施形態において、前記炎症関連障害は、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)、炎症性関節炎(例えば、関節リウマチおよび乾癬性関節炎)、乾癬、喘息、慢性閉塞性肺疾患、敗血症性ショック、虚血/再潅流傷害、播種性血管内凝固、アテローム性硬化症、骨粗しょう症、再狭窄、全身性エリテマトーデス、急性移植拒絶反応、心筋梗塞、膵炎、肝炎、静脈血栓症、多発性損傷、うっ血性心不全、末梢神経損傷、および脳炎症関連障害からなる群より選択される。一部の実施形態において、前記炎症関連障害は、炎症性腸疾患、炎症性関節炎、敗血症ショック、虚血/再潅流傷害、アテローム性硬化症、骨粗しょう症、再狭窄、心筋梗塞、うっ血性心不全、および脳炎症関連障害からなる群より選択される。個々の炎症関連障害それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。一部の実施形態において、前記脳炎症関連障害は、脳の傷害または外傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、プリオン関連疾患、脳虚血、AIDSによる認知症およびアルツハイマー病からなる群より選択される。個々の脳炎症関連障害それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。
本発明は、体重を減少させる方法にも関し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、肥満である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、過体重である。
本発明は、脂肪蓄積を減少させる方法にも関し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、肥満である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、過体重である。
本発明は、体脂肪率を減少させる方法にも関し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、肥満である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、過体重である。
本発明は、食事摂取量を減少させる方法にも関し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、肥満である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、過体重である。
一定の実施形態において、前記脊椎動物は、哺乳動物である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、ヒトである。一部の実施形態において、前記ヒトGPR101受容体の調節因子は、配列番号2のアミノ酸配列を有するヒトGPR101の調節因子である。
一部の実施形態において、前記調節因子は、第二の態様によるものである。
一定の実施形態において、前記調節因子は、アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、部分アゴニストである。
一定の実施形態において、前記調節因子は、小分子である。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または脂質でないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチドでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子が抗体またはその抗原結合フラグメントでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、その小分子が脂質でないことを条件とする。
一部の実施形態において、前記調節因子は、ヒト、マウスまたはラットGPR101に対して、好ましくはヒトGPR101に対して、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから10μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから1μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから100nMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、トランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるGTPγS結合アッセイで、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞において行われる色素分散アッセイで、トランスフェクトされたCHO細胞においてもしくはトランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるcAMPアッセイで、またはトランスフェクトされた293細胞において行われるcAMPアッセイで、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである(この場合、該トランスフェクトされたCHO細胞、または該トランスフェクトされたメラニン保有細胞、または該トランスフェクトされた293細胞は、配列番号2、配列番号4および配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有する組換えGPR101受容体を発現する)。一部の実施形態において、前記組換えGPR101受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約10μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約1μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約100nMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。
本発明の1つの態様において、前記GPR101調節因子は、選択的GPR101調節因子であり、この場合の選択的GPR101調節因子は、GPR161よりGPR101受容体に対して少なくとも約10倍の、少なくとも約100倍のまたは少なくとも約1000倍の選択性を有する。
一定の実施形態において、前記調節因子は、経口活性である。
一定の実施形態において、前記調節因子は、血液脳関門を横断することができる。
第六の態様において、本発明は、視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を減少させる方法を特徴とし、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬組成物とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。
本発明は、POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを減少させることによって改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患を治療または予防する方法も提供し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。一定の実施形態において、前記分泌レベルは、視床下部分泌レベルである。
本発明は、悪液質を治療または予防する方法にも関する。一部の実施形態において、前記悪液質は、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少からなる群より選択される。AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少は、本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。
本発明は、体重を増加させる方法にも関し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。
本発明は、脂肪蓄積を増加させる方法にも関し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。
本発明は、体脂肪率を増加させる方法にも関し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。
本発明は、食事摂取量を増加させる方法にも関し、この方法は、その必要がある脊椎動物に、脊椎動物GPR101の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。
一定の実施形態において、前記脊椎動物は、哺乳動物である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、ヒトである。一部の実施形態において、前記ヒトGPR101受容体の調節因子は、配列番号2のアミノ酸配列を有するヒトGPR101の調節因子である。
一部の実施形態において、前記調節因子は、第二の態様によるものである。
一定の実施形態において、前記調節因子は、逆アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、アンタゴニストである。
一定の実施形態において、前記調節因子は、小分子である。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または脂質でないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチドでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子が抗体またはその抗原結合フラグメントでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、その小分子が脂質でないことを条件とする。
ある実施形態において、調節因子は、ヒト、マウス、またはラットのGPR101、好ましくはヒトGPR101に対して、約10μM未満、約1μM未満、約100nM未満、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。ある実施形態において、調節因子は、約10nMから10μMまでの間隔から選択される値未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。ある実施形態において、調節因子は、約10nMから1μMまでの間隔から選択される値未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。ある実施形態において、調節因子は、約10nMから100nMまでの間隔から選択される値未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。ある実施形態において、調節因子は、トランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて実行されるGTPγS結合アッセイにおいて、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞中で実行される色素分散アッセイにおいて、またはトランスフェクトされたCHO細胞もしくはトランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて実行されるcAMPアッセイまたはトランスフェクトされた293細胞中で実行されるcAMPアッセイにおいて、約10μM未満、約1μM未満、約100nM未満、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストであり、ここで、トランスフェクトされたCHO細胞、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞、またはトランスフェクトされた293細胞は、配列番号2、配列番号4、および配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有する組換えGPR101受容体を発現する。ある実施形態において、組換えGPR101受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。ある実施形態において、調節因子は、上記のアッセイにおいて、約10μM未満、約1μM未満、約100nM未満、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。ある実施形態において、調節因子は、上記のアッセイにおいて、約10nMから10μMまでの間隔から選択される値未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。ある実施形態において、調節因子は、上記のアッセイにおいて、約10nMから1μMまでの間隔から選択される値未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。ある実施形態において、調節因子は、上記のアッセイにおいて、約10nMから100nMまでの間隔から選択される値未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。
本発明の1つの態様において、前記GPR101調節因子は、選択的GPR101調節因子であり、この場合の選択的GPR101調節因子は、GPR161よりGPR101受容体に対して少なくとも約10倍の、少なくとも約100倍のまたは少なくとも約1000倍の選択性を有する。
一定の実施形態において、前記調節因子は、経口活性である。
一定の実施形態において、前記調節因子は、血液脳関門を横断することができる。
第七の態様において、本発明は、プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を増加させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用を特徴とする。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物においてプロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を増加させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用を特徴とする。
本発明は、POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを増加させることによって改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物においてPOMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを増加させることによって改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。一定の実施形態において、前記分泌レベルは、視床下部分泌レベルである。
本発明は、肥満またはそれに関連した状態を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。ある実施形態において、肥満に関連する状態は以下からなる群より選択される:高血圧、うっ血性心筋症、静脈瘤、肺塞栓症、冠性心疾患、脳卒中、特発性頭蓋内高血圧症、知覚異常性大腿神経痛、呼吸困難、閉塞性睡眠時無呼吸、低換気症候群、ピックウィック症候群、喘息、不動、変形性関節症、腰痛、線条萎縮すなわち「伸展裂創」、脚の静脈うっ滞、リンパ浮腫、蜂巣炎、間擦疹、癰、黒色表皮症、軟性線維腫、胃食道逆流障害、非アルコール性脂肪肝/脂肪性肝炎、胆石症、ヘルニア、結腸癌、緊張性尿失禁、肥満関連糸球体症、乳癌および子宮癌、うつ病および低い自己評価、損なわれた生活の質、メタボリック症候群、インスリン抵抗性、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、女性の高アンドロゲン血症、多嚢胞性卵巣症候群、月経困難症、不妊症、妊娠合併症、および男性の性腺機能低下症。ある実施形態において、肥満に関連する状態は、高血圧、インスリン抵抗性、メタボリック症候群、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、冠性心疾患、および脳卒中からなる群より選択される。脂肪に関連した個々の状態それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において肥満またはそれに関連した状態を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
本発明は、満腹を促進するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において満腹を促進するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
本発明は、過食症を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において過食症を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
本発明は、発熱を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において発熱を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
本発明は、炎症関連障害を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一定の実施形態において、前記炎症関連障害は、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)、炎症性関節炎(例えば、関節リウマチおよび乾癬性関節炎)、乾癬、喘息、慢性閉塞性肺疾患、敗血症性ショック、虚血/再潅流傷害、播種性血管内凝固、アテローム性硬化症、骨粗しょう症、再狭窄、全身性エリテマトーデス、急性移植拒絶反応、心筋梗塞、膵炎、肝炎、静脈血栓症、多発性損傷、うっ血性心不全、末梢神経損傷、および脳炎症関連障害からなる群より選択される。一部の実施形態において、前記炎症関連障害は、炎症性腸疾患、炎症性関節炎、敗血症ショック、虚血/再潅流傷害、アテローム性硬化症、骨粗しょう症、再狭窄、心筋梗塞、うっ血性心不全、および脳炎症関連障害からなる群より選択される。個々の炎症関連障害それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。一部の実施形態において、前記脳炎症関連障害は、脳の傷害または外傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、プリオン関連疾患、脳虚血、AIDSによる認知症およびアルツハイマー病からなる群より選択される。個々の脳炎症関連障害それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において炎症関連障害を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。
本発明は、体重を減少させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において体重を減少させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
本発明は、脂肪蓄積を減少させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において脂肪蓄積を減少させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
本発明は、体脂肪率を減少させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において体脂肪率を減少させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
本発明は、食事摂取量を減少させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において食事摂取量を減少させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
一定の実施形態において、前記脊椎動物は、哺乳動物である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、ヒトである。一部の実施形態において、前記ヒトGPR101受容体の調節因子は、配列番号2のアミノ酸配列を有するヒトGPR101の調節因子である。
一部の実施形態において、前記調節因子は、第二の態様によるものである。
一定の実施形態において、前記調節因子は、アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、部分アゴニストである。
一定の実施形態において、前記調節因子は、小分子である。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または脂質でないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチドでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子が抗体またはその抗原結合フラグメントでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、その小分子が脂質でないことを条件とする。
一部の実施形態において、前記調節因子は、ヒト、マウスまたはラットGPR101に対して、好ましくはヒトGPR101に対して、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから10μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから1μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから100nMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、トランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるGTPγS結合アッセイで、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞において行われる色素分散アッセイで、トランスフェクトされたCHO細胞においてもしくはトランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるcAMPアッセイで、またはトランスフェクトされた293細胞において行われるcAMPアッセイで、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである(この場合、該トランスフェクトされたCHO細胞、または該トランスフェクトされたメラニン保有細胞、または該トランスフェクトされた293細胞は、配列番号2、配列番号4および配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有する組換えGPR101受容体を発現する)。一部の実施形態において、前記組換えGPR101受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約10μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約1μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約100nMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。
本発明の1つの態様において、前記GPR101調節因子は、選択的GPR101調節因子であり、この場合の選択的GPR101調節因子は、GPR161よりGPR101受容体に対して少なくとも約10倍の、少なくとも約100倍のまたは少なくとも約1000倍の選択性を有する。
一定の実施形態において、前記調節因子は、経口活性である。
一定の実施形態において、前記調節因子は、血液脳関門を横断することができる。
第八の態様において、本発明は、プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を減少させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用を特徴とする。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物においてプロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を減少させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用を特徴とする。
本発明は、POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを減少させることによって改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物においてPOMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを減少させることによって改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。一定の実施形態において、前記分泌レベルは、視床下部分泌レベルである。
本発明は、悪液質を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、前記悪液質は、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少からなる群より選択される。AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少は、本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において悪液質を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
本発明は、体重を増加させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において体重を増加させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
本発明は、脂肪蓄積を増加させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において脂肪蓄積を増加させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
本発明は、体脂肪率を増加させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において体脂肪率を増加させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
本発明は、食事摂取量を増加させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用にも関する。一部の実施形態において、本発明は、脊椎動物において食事摂取量を増加させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101の調節因子の使用に関する。
一定の実施形態において、前記脊椎動物は、哺乳動物である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、ヒトである。一部の実施形態において、前記ヒトGPR101受容体の調節因子は、配列番号2のアミノ酸配列を有するヒトGPR101の調節因子である。
一部の実施形態において、前記調節因子は、第二の態様によるものである。
一定の実施形態において、前記調節因子は、逆アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、アンタゴニストである。
一定の実施形態において、前記調節因子は、小分子である。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または脂質でないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチドでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子が抗体またはその抗原結合フラグメントでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記調節因子は、小分子であるが、その小分子が脂質でないことを条件とする。
一部の実施形態において、前記調節因子は、ヒト、マウスまたはラットGPR101に対して、好ましくはヒトGPR101に対して、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから10μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから1μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから100nMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、トランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるGTPγS結合アッセイで、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞において行われる色素分散アッセイで、トランスフェクトされたCHO細胞においてもしくはトランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるcAMPアッセイで、またはトランスフェクトされた293細胞において行われるcAMPアッセイで、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである(この場合、該トランスフェクトされたCHO細胞、または該トランスフェクトされたメラニン保有細胞、または該トランスフェクトされた293細胞は、配列番号2、配列番号4および配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有する組換えGPR101受容体を発現する)。一部の実施形態において、前記組換えGPR101受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約10μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約1μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約100nMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。
本発明の1つの態様において、前記GPR101調節因子は、選択的GPR101調節因子であり、この場合の選択的GPR101調節因子は、GPR161よりGPR101受容体に対して少なくとも約10倍の、少なくとも約100倍のまたは少なくとも約1000倍の選択性を有する。
一定の実施形態において、前記調節因子は、経口活性である。
一定の実施形態において、前記調節因子は、血液脳関門を横断することができる。
第九の態様において、本発明は、視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子を同定するために化合物をスクリーニングする方法を特徴とし、この方法は、
(a)配列番号2のアミノ酸配列、
(b)特異的プライマー配列番号7および配列番号8を使用してヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列、
(c)配列番号4のアミノ酸配列、
(d)配列番号6のアミノ酸配列、
(e)配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列、
(f)配列番号2、配列番号4または配列番号6に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列、
(g)配列番号2、配列番号4または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列、
(h)(a)から(g)のうちのいずれか1つの生物活性フラグメント
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むGPCRの使用を特徴とし;
(a’)候補化合物と前記GPCRを、該受容体と該候補化合物との相互作用を可能にする条件下で、接触させる工程、および
(b’)前記化合物の前記受容体への結合を検出する工程
を含む。
一定の実施形態において、前記GPCRは、配列番号2のアミノ酸配列、または配列番号2に対して少なくとも約70%の同一性を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列を含む。
一定の実施形態において、前記POMC由来生物活性ペプチドは、ACTH、β−エンドルフィン、α−MSH、β−MSHおよびγ−MSHからなる群より選択される。POMC由来生物活性ペプチドは、本発明の実施形態に個々に含まれる場合もあり、任意の組み合わせで含まれる場合もあると、明白に考えられる。
加えて、本発明は、この第九の態様の工程(a’)および(b’)を含み、さらに、
(c’)工程(b’)における受容体に結合する化合物を場合によっては合成する工程;
(d’)工程(b’)における受容体に結合する化合物と、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞とを、または脊椎動物視床下部細胞とを、または脊椎動物視床下部組織とをインビトロで接触させる工程;および
(e’)本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞からの、または脊椎動物視床下部細胞からの、または脊椎動物視床下部組織からのPOMC由来生物活性ペプチドの分泌を、その化合物が調節するかどうかを決定する工程
を含む、候補化合物を視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として同定する方法を特徴とし、この場合、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞からの、または脊椎動物視床下部細胞からの、または脊椎動物視床下部組織からのPOMC由来生物活性ペプチドの分泌を調節するその候補化合物の能力が、その化合物がPOMC由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子であることの指標となる。
加えて、本発明は、この第九の態様の工程(a’)および(b’)を含み、さらに、
(c’)場合によっては、工程(b’)における受容体に結合する化合物を合成する工程;
(d’)工程(b’)における受容体に結合する化合物を脊椎動物に投与する工程;および
(e’)その化合物が、その脊椎動物におけるPOMC由来生物活性ペプチドの分泌を調節するかどうかを決定する工程
を含む、候補化合物を視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として同定する方法を特徴とし、この場合、その脊椎動物におけるPOMC由来生物活性ペプチドの分泌を調節するその候補化合物の能力が、その化合物がPOMC由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子であることの指標となる。
加えて、本発明は、この第九の態様の工程(a’)および(b’)を含み、さらに、
(c’)場合によっては、工程(b’)における受容体に結合する化合物を合成する工程;
(d’)工程(b’)における受容体に結合する化合物と、本発明のGタンパク質受容体を発現し、POMCポリペプチドもしくはmRNAを発現できる細胞とを、または脊椎動物視床下部細胞とを、または脊椎動物視床下部組織とをインビトロで接触させる工程;および
(e’)本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞における、または脊椎動物視床下部細胞における、または脊椎動物視床下部組織におけるPOMCポリペプチドまたはmRNAの発現を、その化合物が調節するかどうかを決定する工程
を含む、候補化合物を視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として同定する方法を特徴とし、この場合、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞における、または脊椎動物視床下部細胞における、または脊椎動物視床下部組織におけるPOMCポリペプチドまたはmRNAの発現を調節するその候補化合物の能力が、その化合物がPOMC由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子であることの指標となる。
加えて、本発明は、この第九の態様の工程(a’)および(b’)を含み、さらに、
(c’)場合によっては、工程(b’)における受容体に結合する化合物を合成する工程;
(d’)工程(b’)における受容体に結合する化合物を脊椎動物に投与する工程;および
(e’)その化合物が、その脊椎動物におけるPOMCポリペプチドまたはmRNAの発現を調節するかどうかを決定する工程
を含む、候補化合物を視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として同定する方法を特徴とし、この場合、その脊椎動物におけるPOMCポリペプチドまたはmRNAの発現を調節するその候補化合物の能力が、その化合物がPOMC由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子であることの指標となる。
一定の実施形態において、工程(e’)のPOMC由来生物活性ペプチドは、ACTH、β−エンドルフィン、α−MSH、β−MSHおよびγ−MSHからなる群より選択される。POMC由来生物活性ペプチドは、本発明の実施形態に個々に含まれる場合もあり、任意の組み合わせで含まれる場合もあると、明白に考えられる。
一定の実施形態において、本発明のGタンパク質結合受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体であり、または配列番号2に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有する内因性もしくは非内因性Gタンパク質結合受容体である。
一定の実施形態において、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞、または本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMCポリペプチドもしくはmRNAを発現できる細胞は、視床下部細胞、下垂体細胞、皮膚細胞または白血球である。一定の実施形態において、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞、または本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMCポリペプチドもしくはmRNAを発現できる細胞は、不死化細胞である。一定の実施形態において、本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMC由来生物活性ペプチドを分泌できる細胞、または本発明のGタンパク質結合受容体を発現し、POMCポリペプチドもしくはmRNAを発現できる細胞は、不死化細胞でない。
一定の実施形態において、その化合物がPOMC由来生物活性ペプチドの分泌を調節するかどうかの前記判定は、視床下部スライスアッセイを含む方法によって行われる。一定の実施形態において、前記視床下部スライスアッセイは、ラット視床下部スライスアッセイである。一定の実施形態において、前記視床下部スライスは、POMCニューロンを含む。一定の実施形態において、前記視床下部スライスは、GPR101を含むPOMCニューロンを含む。
一定の実施形態において、前記脊椎動物視床下部組織は、哺乳動物視床下部組織である。一定の実施形態において、前記哺乳動物視床下部組織は、ラットまたはマウス視床下部組織などの(しかし、これらに限定されない)、非ヒト哺乳動物視床下部組織である。一定の実施形態において、前記脊椎動物視床下部組織は、ヒト視床下部組織である。
一定の実施形態において、その化合物が脊椎動物におけるPOMC mRNAの発現を調節するかどうかの前記判定は、インサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析を含む方法によって行われる。一定の実施形態において、その化合物が脊椎動物におけるPOMC mRNAの発現を調節するかどうかの前記判定は、視床下部組織のインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析を含む方法によって行われる。一定の実施形態において、その化合物が脊椎動物におけるPOMC mRNAの発現を調節するかどうかの前記判定は、視床下部弓状核組織を含む視床下部組織のインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析を含む方法によって行われる。一定の実施形態において、その化合物が脊椎動物におけるPOMC mRNAの発現を調節するかどうかの前記判定は、視床下部組織から作製された連続切片を用いて行われるインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析を含む方法によって行われる。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を刺激する化合物についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのアゴニストについてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRの部分アゴニストについてのスクリーニングである。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を阻害する化合物についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRの逆アゴニストについてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのアンタゴニストについてのスクリーニングである。
一定の実施形態において、前記受容体は、組換え体である。
一定の実施形態において、前記接触は、候補化合物と、組換え型前記受容体を含む宿主細胞との、または組換え型前記受容体を含む宿主細胞の膜との接触を含む。一部の実施形態において、前記宿主細胞は、前記受容体をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む。一定の実施形態において、前記宿主細胞は、真核細胞である。一部の実施形態において、前記真核細胞は、酵母細胞である。一部の実施形態において、前記真核細胞は、メラニン保有細胞である。一部の実施形態において、前記真核細胞は、哺乳動物宿主細胞である。一部の実施形態において、前記哺乳動物細胞は、HEK−293細胞、COS−7細胞またはCHO細胞である。
一部の実施形態において、前記判定は、前記GPCRを含む膜を用いて行われる。
一部の実施形態において、前記候補化合物は、脊椎動物GPR101受容体のリガンドであることが分かっている化合物ではない。一部の実施形態において、前記候補化合物は、脊椎動物GPR101受容体に対するアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストまたはアンタゴニストであることが分かっている化合物ではない。一部の実施形態において、前記脊椎動物は、哺乳動物である。一部の実施形態において、前記脊椎動物は、ヒトである。
一定の実施形態において、前記候補化合物は、小分子である。一部の実施形態において、候補化合物は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または脂質でないことを条件とする。一部の実施形態において、候補化合物は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチドでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記候補化合物は、小分子であるが、但し、その小分子が抗体またはその抗原結合フラグメントでないことを条件とする。一部の実施形態において、前記候補化合物は、小分子であるが、但し、その小分子が脂質でないことを条件とする。
一定の実施形態において、前記方法は、その候補化合物が前記受容体のアゴニストであるかどうかの判定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、その候補化合物が、前記受容体の部分アゴニストであるかどうかの判定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、その候補化合物が前記受容体の逆アゴニストであるかどうかの判定を含む。一定の実施形態において、前記方法は、その候補化合物が前記受容体のアンタゴニストであるかどうかの判定を含む。
一部の実施形態において、前記方法は、前記調節因子を医薬組成物に調合する工程をさらに含む。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの逆アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアンタゴニストである。
一部の実施形態において、前記方法は、前記調節因子の合成をさらに含む。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの逆アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアンタゴニストである。
一部の実施形態において、前記方法は、場合によっては、前記調節因子の構造を決定する工程;および前記調節因子または前記調節因子の名前もしく構造を提供する工程をさらに含む。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの逆アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアンタゴニストである。
一部の実施形態において、前記方法は、場合によっては、前記調節因子の構造を決定する工程;場合によっては、前記調節因子または前記調節因子の名前もしくは構造を提供する工程;および前記調節因子を製造または合成する工程をさらに含む。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRの逆アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記GPCRのアンタゴニストである。
第十の態様において、本発明は、
(a)配列番号2のアミノ酸配列、
(b)特異的プライマー配列番号7および配列番号8を使用してヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列、
(c)配列番号4のアミノ酸配列、
(d)配列番号6のアミノ酸配列、
(e)配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列、
(f)配列番号2、配列番号4または配列番号6に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列、
(g)配列番号2、配列番号4または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列、
(h)(a)から(g)のうちのいずれか1つの生物活性フラグメント
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むGPCRのリガンドとして候補化合物を同定する方法を特徴とし、この方法は、
(a’)前記GPCRとそのGPCRの場合によっては標識されている公知リガンドとを候補化合物が存在するまたは不在の状態で接触させる工程、
(b’)前記公知リガンドと前記GPCRとの複合体を検出する工程;および
(c’)その候補化合物が不在の状態においてより少ない複合体が、その候補化合物が存在する状態で形成されるかどうか決定する工程
を含み、ここで、前記決定が、前記受容体のリガンドである候補化合物の指標となる。本発明は、候補化合物をPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患のための医薬としてスクリーニングする方法も特徴とし、この方法は、
(a)候補化合物とGPCRとを、該受容体と該候補化合物との相互作用を可能にする条件下で接触させる工程(この場合、前記受容体は、
(i)配列番号2のアミノ酸配列;
(ii)特異的プライマー配列番号7および配列番号8を使用してヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(iii)配列番号4のアミノ酸配列;
(iv)配列番号6のアミノ酸配列;
(v)配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(vi)配列番号2、配列番号4または配列番号6に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(vii)配列番号2、配列番号4または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;および
(viii)(i)から(vii)のうちのいずれか1つの生物活性フラグメント
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む);および
(b)前記GPCRに結合するリガンドを検出する工程
を含む。
一定の実施形態において、前記GPCRは、配列番号2のアミノ酸配列、または配列番号2に対して少なくとも約70%の同一性を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列を含む。
一定の実施形態において、前記POMC由来生物活性ペプチドは、ACTH、β−エンドルフィン、α−MSH、β−MSHおよびγ−MSHからなる群より選択される。POMC由来生物活性ペプチドは、本発明の実施形態に個々に含まれる場合もあり、任意の組み合わせで含まれる場合もあると、明白に考えられる。
一定の実施形態において、前記受容体は、組換え体である。
一定の実施形態において、前記接触は、候補化合物と、組換え型前記受容体を含む宿主細胞との、または組換え型前記受容体を含む宿主細胞の膜との接触を含む。一部の実施形態において、前記宿主細胞は、前記受容体をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む。一定の実施形態において、前記宿主細胞は、真核細胞である。一部の実施形態において、前記真核細胞は、酵母細胞である。一部の実施形態において、前記真核細胞は、メラニン保有細胞である。一部の実施形態において、前記真核細胞は、哺乳動物宿主細胞である。一部の実施形態において、前記哺乳動物細胞は、HEK−293細胞、COS−7細胞またはCHO細胞である。
一部の実施形態において、前記判定は、前記GPCRを含む膜を用いて行われる。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記POMC由来生物活性ペプチドは、ACTH、β−エンドルフィン、α−MSH、β−MSHおよびγ−MSHからなる群より選択される。POMC由来生物活性ペプチドは、本発明の実施形態に個々に含まれる場合もあり、任意の組み合わせで含まれる場合もあると、明白に考えられる。
一定の実施形態において、候補化合物は、肥満もしくはそれに関連した状態の危険があるか、または肥満もしくはそれに関連した状態に進行している脊椎動物を特定するための放射線イメージング剤としてスクリーニングされる。一定の実施形態において、正常レベルより下の脳内でのGPR101受容体の発現レベルは、その脊椎動物が、肥満もしくはそれに関連した状態の危険があるか、または肥満もしくはそれに関連した状態に進行している、あるいは炎症関連障害の危険があるまたは炎症関連障害に進行していることの指標となる。一定の実施形態において、正常レベルより下の視床下部におけるGPR101受容体の発現レベルは、その脊椎動物が、肥満もしくはそれに関連した状態の危険があるか、または肥満もしくはそれに関連した状態に進行していることの指標となる。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、哺乳動物である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、ヒトである。
第十一の態様において、本発明は、視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として候補化合物をスクリーニングするためのGPCRの使用を特徴とし、この場合のGPCRは、
(a)配列番号2のアミノ酸配列;
(b)特異的プライマー配列番号7および配列番号8を使用してヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(c)配列番号4のアミノ酸配列;
(d)配列番号6のアミノ酸配列;
(e)配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(f)配列番号2、配列番号4または配列番号6に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(g)配列番号2、配列番号4または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(h)(a)から(g)のうちのいずれか1つの生物活性フラグメント
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
一定の実施形態において、前記GPCRは、配列番号2のアミノ酸配列、または配列番号2に対して少なくとも約70%の同一性を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列を含む。
一定の実施形態において、前記POMC由来生物活性ペプチドは、ACTH、β−エンドルフィン、α−MSH、β−MSHおよびγ−MSHからなる群より選択される。POMC由来生物活性ペプチドは、本発明の実施形態に個々に含まれる場合もあり、任意の組み合わせで含まれる場合もあると、明白に考えられる。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を刺激する化合物についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのアゴニストについてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRの部分アゴニストについてのスクリーニングである。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、肥満またはそれに関連した状態のための医薬についてのスクリーニングである。一部の実施形態において、前記肥満に関連した状態は、高血圧、うっ血性心筋症、静脈瘤、肺塞栓症、冠性心疾患、卒中、特発性頭蓋内圧亢進、異常感覚性大腿痛、呼吸困難、閉塞性睡眠時無呼吸症、低換気症候群、ピックウィック症候群、喘息、不動、変性骨関節炎、腰痛、線条萎縮すなわち「伸展裂創」、下肢の静脈うっ血、リンパ浮腫、蜂巣炎、間擦疹、癰、黒色表皮腫、懸垂線維腫、胃食道逆流障害、非アルコール性脂肪肝/脂肪性肝炎、胆石症、ヘルニア、大腸癌、緊張性失禁、肥満関連糸球体症、乳および子宮癌、うつ病および低い自己評価、生活の質の悪化、メタボリック症候群、インスリン抵抗性、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性硬化症、女性の高アンドロゲン血症、多嚢胞卵巣症候群、月経困難症、不妊症、妊娠合併症、および男性性腺機能低下症からなる群より選択される。一部の実施形態において、前記肥満に関連した状態は、高血圧、インスリン抵抗性、メタボリック症候群、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性硬化症、冠性心疾患、および卒中からなる群より選択される。肥満の関連した個々の状態それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのアゴニストについてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRの部分アゴニストについてのスクリーニングである。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、満腹を促進する医薬についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのアゴニストについてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRの部分アゴニストについてのスクリーニングである。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、過食症のための医薬についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのアゴニストについてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRの部分アゴニストについてのスクリーニングである。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、発熱のための医薬についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのアゴニストについてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRの部分アゴニストについてのスクリーニングである。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、炎症関連障害のための医薬についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記炎症関連障害は、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)、炎症性関節炎(例えば、関節リウマチおよび乾癬性関節炎)、乾癬、喘息、慢性閉塞性肺疾患、敗血症性ショック、虚血/再潅流傷害、播種性血管内凝固、アテローム性硬化症、骨粗しょう症、再狭窄、全身性エリテマトーデス、急性移植拒絶反応、心筋梗塞、膵炎、肝炎、静脈血栓症、多発性損傷、うっ血性心不全、末梢神経損傷、および脳炎症関連障害からなる群より選択される。一部の実施形態において、前記炎症関連障害は、炎症性腸疾患、炎症性関節炎、敗血症ショック、虚血/再潅流傷害、アテローム性硬化症、骨粗しょう症、再狭窄、心筋梗塞、うっ血性心不全、および脳炎症関連障害からなる群より選択される。個々の炎症関連障害それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。一部の実施形態において、前記脳炎症関連障害は、脳の傷害または外傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、プリオン関連疾患、脳虚血、AIDSによる認知症およびアルツハイマー病からなる群より選択される。個々の脳炎症関連障害それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのアゴニストについてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRの部分アゴニストについてのスクリーニングである。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、体重、脂肪蓄積、体脂肪率および食事摂取量からなる群より選択されるエネルギー恒常性関連パラメータを減少させる薬剤についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、体重を減少させる薬剤についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、脂肪蓄積を減少させる薬剤についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、体脂肪率を減少させる薬剤についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、食事摂取量を減少させる薬剤についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのアゴニストについてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRの部分アゴニストについてのスクリーニングである。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、その調節因子が前記GPCRのアゴニストであるかどうかの判定を含む。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、その調節因子が、前記GPCRの部分アゴニストであるかどうかの判定を含む。
一定の実施形態において前記スクリーニングは、視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を阻害する化合物についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRの逆アゴニストについてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのアンタゴニストについてのスクリーニングである。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、悪液質のための医薬についてのスクリーニングである。一部の実施形態において、前記悪液質は、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少からなる群より選択される。AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少は、本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRの逆アゴニストについてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのアンタゴニストについてのスクリーニングである。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、体重、脂肪蓄積、体脂肪率および食事摂取量からなる群より選択されるエネルギー恒常性関連パラメータを増加させる薬剤についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、体重を増加させる薬剤についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、脂肪蓄積を増加させる薬剤についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、体脂肪率を増加させる薬剤についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、食事摂取量を増加させる薬剤についてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRの逆アゴニストについてのスクリーニングである。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのアンタゴニストについてのスクリーニングである。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、その調節因子が、前記GPCRの逆アゴニストであるかどうかの判定を含む。一定の実施形態において、前記スクリーニングは、その調節因子が、前記GPCRのアンタゴニストであるかどうかの判定を含む。
本発明は、POMC由来生物活性ペプチド関連疾患のための医薬として候補化合物をスクリーニングするためのGPCRの使用にも関し、この場合のGPCRは、
(a)配列番号2のアミノ酸配列;
(b)特異的プライマー配列番号7および配列番号8を使用してヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(c)配列番号4のアミノ酸配列;
(d)配列番号6のアミノ酸配列;
(e)配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(f)配列番号2、配列番号4または配列番号6に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(g)配列番号2、配列番号4または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(h)(a)から(g)のうちのいずれか1つの生物活性フラグメント
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
一定の実施形態において、前記GPCRは、配列番号2のアミノ酸配列、または配列番号2に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列を含む。
一定の実施形態において、前記POMC由来生物活性ペプチドは、ACTH、β−エンドルフィン、α−MSH、β−MSHおよびγ−MSHからなる群より選択される。POMC由来生物活性ペプチドは、本発明の実施形態に個々に含まれる場合もあり、任意の組み合わせで含まれる場合もあると、明白に考えられる。
一定の実施形態において、前記POMC由来生物活性ペプチド関連疾患は、POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを増加させることによって改善される。一定の実施形態において、POMC由来生物活性ペプチド関連疾患は、POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを減少させることによって改善される。一定の実施形態において、前記分泌レベルは、視床下部分泌レベルである。
一定の実施形態において、前記スクリーニングは、前記GPCRのリガンドについてのスクリーニングである。
出願人らは、本発明の実施形態のいずれかから任意の1種以上の候補化合物を除外する権利を保持している。出願人らは、本発明の実施形態のいずれかから任意の1種以上の調節因子を除外する権利を保持している。例として、かつ限定としてではなく、出願人らは、本発明の実施形態のいずれかから任意の1種以上のアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストまたはアンタゴニストを除外する権利を保持している。出願人らは、本発明の実施形態のいずれかから任意のポリヌクレオチドおよびポリペプチドを除外する権利を保持している。出願人らは、さらに、本発明の実施形態のいずれかから任意の肥満に関連する状態、任意の炎症関連障害、任意の悪液質またはエネルギー恒常性に関連する任意のパラメータを除外する権利を保持している。本発明の肥満に関連する状態を、個別に1つの実施形態に、または任意の組み合わせのいずれかに含め得ること、本発明の肥満に関連する状態を、個別に1つの実施形態に、または任意の組み合わせのいずれかに含め得ること、任意の炎症関連障害を、個別に1つの実施形態に、または任意の組み合わせのいずれかに含め得ること、任意の悪液質を、個別に1つの実施形態に、または任意の組み合わせのいずれかに含め得ること、およびエネルギー恒常性に関連する任意のパラメータを、個別に1つの実施形態に、または任意の組み合わせのいずれかに含め得ることもまた明確に意図される。
さらなる労力を伴うことなく、当業者は、先の記載を使用して、本発明をその全文の内容まで実施することができると考えられる。前述の詳細な説明は、理解の明確化のみのために与えられ、そこからの不必要な制限と理解されるべきではない。本発明の範囲内での改変が、当業者には明らかになり得るからである。
本願の全体にわたって、種々の刊行物、特許、および公開特許出願が引用される。本願において引用されるこれらの刊行物、特許、および公開特許出願の開示は、参照によりそれらの全体が本明細書で本開示に援用される。刊行物、特許、または公開特許出願の出願人による本明細書での引用は、出願人による、上記刊行物、特許、または公開特許出願の先行技術としての認可ではない。
本願は、示された日付に米国速達郵便で米国特許商標庁に出願した、以下の仮特許出願からの優先権の利益を請求する:2006年5月31日出願、米国仮特許出願番号60/809,634。前述の仮特許出願の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
例証として、および限定としてではなく、図1は、GPR101と関連のない内因性、構成的活性G結合GPCRのGα融合タンパク質構築物である「ターゲット受容体」に対する候補化合物の第一スクリーニングからの結果を示すものである。「化合物A」についての結果をウェルA2に提供する。「化合物「B」についての結果をウェルG9に提供する。(実施例6参照)。 GPR101は、細胞内cAMPのレベルを増加させる検出可能な構成的活性を示す(実施例12参照)。 ラット組織におけるGPR101発現のRT−PCR分析。(実施例13参照)。 B.視床下部弓状核を含む、ラット脳におけるGPR101発現のインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析。(実施例13参照)。 C.視床下部弓状核を含む、ラット脳におけるGPR101発現の免疫組織化学分析。(実施例13参照)。 ラット視床下部弓状核のPOMCニューロンによるGPR101の発現の分析。(実施例14)。 ラット視床下部弓状核のNPY/AgRPニューロンによるGPR101の発現の分析。(実施例14)。 マウス組織におけるGPR101発現のTaqMan分析。(実施例15参照)。 A.POMCおよび副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)の発現との比較でのヒト視床下部におけるGPR101の発現のインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析。B.ヒト視床下部弓状核におけるPOMCニューロンでのGPR101の発現。矢印は、GPR101を発現する領域内のPOMCニューロンを示す。三角形は、GPR101を検出可能に発現しない領域内のPOMCニューロンを示す。(実施例16参照)。 A.POMCおよび副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)の発現との比較でのヒト視床下部におけるGPR101の発現のインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析。B.ヒト視床下部弓状核におけるPOMCニューロンでのGPR101の発現。矢印は、GPR101を発現する領域内のPOMCニューロンを示す。三角形は、GPR101を検出可能に発現しない領域内のPOMCニューロンを示す。(実施例16参照)。 A.食事誘発肥満およびdb/dbマウスにおけるGPR101発現のTaqMan分析。B.食事誘発肥満およびdb/dbマウスにおけるGPR101発現のインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析分析(実施例17参照)。 A.食事誘発肥満およびdb/dbマウスにおけるGPR101発現のTaqMan分析。B.食事誘発肥満およびdb/dbマウスにおけるGPR101発現のインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析分析(実施例17参照)。 肥満Fa/Fa ZuckerラットにおけるGPR101の視床下部発現の分析(実施例18参照)。
詳細な説明
定義
脂肪蓄積とは、本明細書で使用される場合、体脂肪をいう。
アゴニストとは、GPCRによって媒介される細胞内応答を誘発するために、GPCRへの結合によってGPCRを活性化する因子(例えば、リガンド、候補化合物)を意味する。
アルツハイマー病は、1つより多くの認知領域における機能の有意な喪失を特徴とする、および多くの場合、行動または人格の変化を随伴する、進行性神経変性疾患である。アルツハイマー病は、認知症の最も一般的な原因である。一部の実施形態において、アルツハイマー病は、軽度認知障害(MCI)を包含する。
本明細書で使用されるアミノ酸の省略形は表Bに示す:
(表B)
Figure 2009538623
アンタゴニストとは、アゴニストまたは部分アゴニストとほぼ同じ部位でGPCRに結合し、好ましくは、競合的に結合するが、活性型のGPCRによって開始される細胞内応答を活性化せず、それによって、アゴニストまたは部分アゴニストによる細胞内応答を阻害可能である因子(例えば、リガンド、候補化合物)を意味する。アンタゴニストは、代表的には、アゴニストまたは部分アゴニストの非存在下でベースライン細胞内応答を減少しない。
抗体は、本明細書では、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を含めることを意図する。本発明の抗体は、当該分野で公知である任意の適切な方法によって調製されてもよい。
GPCRポリペプチドまたはアミノ酸配列の生物学的に活性なフラグメントとは、天然に存在するGPCRの構造的な機能および生化学的な機能を有するポリペプチドまたはアミノ酸配列のフラグメントを意味する。特定の実施形態において、生物学的に活性なフラグメントは、Gタンパク質と共役する。特定の実施形態において、生物学的に活性なフラグメントは、リガンドに結合する。
脳炎症関連障害は、脳の傷害または外傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、プリオン関連疾患、脳虚血(例えば、虚血性発作)、AIDSによる認知症およびアルツハイマー病を含む(しかし、これらに限定されない)と解釈する。
悪液質は、慢性疾患または情動障害の過程で発生する一般的な体重減少および衰弱を意味するものとする。
候補化合物とは、スクリーニング技術が受け入れ可能である分子(例えば、非限定的に、化学化合物)を意味し、本明細書では、試験化合物と交換可能に使用される。
脳虚血は、血管の狭窄または閉塞に起因する脳への血液供給不足を意味するものとする。
コドンとは、一般的に、リン酸基に結合されたヌクレオシド[アデノシン(A)、グアノシン(G)、シチジン(C)、ウリジン(U)、およびチミジン(T)]を含み、翻訳されるときにアミノ酸をコードする、3個のヌクレオチド(またはヌクレオチドの等価物)の集団を意味する。
組成物とは、少なくとも1つの成分を含む物質を意味する。
化合物の効力または効力とは、受容体の結合親和性とは対照的に、Gタンパク質結合受容体の機能性を刺激または阻害する化合物の能力の尺度を意味する。化合物の効力を測定する例示的な手段は、本特許文書の実施例の節に開示されている。
肥満に関連する状態は、以下を含むことを意図するがこれらに限定されない:高血圧、うっ血性心筋症、静脈瘤、肺塞栓症、冠性心疾患、脳卒中、特発性頭蓋内高血圧症、知覚異常性大腿神経痛、呼吸困難、閉塞性睡眠時無呼吸、低換気症候群、ピックウィック症候群、喘息、不動、変形性関節症、腰痛、線条萎縮すなわち「伸展裂創」、脚の静脈うっ滞、リンパ浮腫、蜂巣炎、間擦疹、癰、黒色表皮症、軟性線維腫、胃食道逆流障害、非アルコール性脂肪肝/脂肪性肝炎、胆石症、ヘルニア、結腸癌、緊張性尿失禁、肥満関連糸球体症、乳癌および子宮癌、うつ病および低い自己評価、損なわれた生活の質、メタボリック症候群、インスリン抵抗性、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、女性の高アンドロゲン血症、多嚢胞性卵巣症候群、月経困難症、不妊症、妊娠合併症、および男性の性腺機能低下症。ある実施形態において、肥満に関連する状態は、高血圧、インスリン抵抗性、メタボリック症候群、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、冠性心疾患、および脳卒中からなる群より選択される。
構成的に活性な受容体とは、受容体のリガンドまたはその化学的等価物への受容体の結合を通して以外の手段によって、活性状態で安定化されている受容体を意味する。構成的に活性な受容体は、内因性または非内因性であり得る。
構成的に活性化された受容体とは、構成的に活性であるように、または構成的により活性であるように修飾されている内因性受容体を意味する。
構成的な受容体活性化とは、受容体のリガンドまたはその化学的等価物への結合の非存在下での受容体の活性化を意味する。
接触するまたは接触とは、インビトロ系においてまたはインビボ系においてに関わらず、少なくとも2つの部分が一緒にされることを意味する。
直接的に同定するまたは直接的に同定されるとは、語句「候補化合物」または「試験化合物」との関連において、Gタンパク質結合受容体への既知のリガンド(例えば、既知のアゴニスト)の非存在下での、Gタンパク質結合受容体に対する化合物のスクリーニングを意味する。
異脂肪血症とは、本明細書で使用される場合、異常な濃度の血清脂質、例えば、HDL(低濃度)、LDL(高濃度)、VLDL(高濃度)、トリグリセリド(高濃度)、リポタンパク質(a)(高濃度)、遊離脂肪酸(高濃度)、および他の血清脂質、またはその組み合わせをいう。
内因性は、脊椎動物(例えば、哺乳動物またはヒトであるが、これらに限定されない)が天然に産生する物質を意味する。例えば、しかし、非限定的に、用語「受容体」と関連する内因性は、脊椎動物(例えば、哺乳動物またはヒトであるが、これらに限定されない)によって天然に産生される物質を意味する。内因性は、遺伝子の対立遺伝子改変体、ならびにそのようにコードされている対立遺伝子ポリペプチド改変体を含むことが理解される。本明細書で使用される場合、「内因性GPCR」および「ネイティブGPCR」は交換可能に使用される。対照的に、非内因性という用語は、この状況において、脊椎動物(例えば、哺乳動物またはヒトであるが、これらに限定されない)によって天然に産生されない物質を意味する。
発現ベクターは、発現ベクターのための適切な組換え宿主細胞中で、クローニングされたDNAの転写および転写されたmRNAの翻訳のために必要とされるDNA配列を意味する。適切に構築された発現ベクターは、宿主細胞中での自律的な複製のための複製起点、選択マーカー、限られた数の有用な制限酵素部位、高コピー数のための潜在能力、および活性なプロモーターを含むべきである。転写されるためにクローニングされるDNAは、発現ベクターの中の構成的にまたは条件的に活性なプロモーターに作動可能に連結される。
Gタンパク質結合受容体融合タンパク質およびGPCR融合タンパク質は、本明細書に開示される本発明の状況において、各々が、少なくとも1つのGタンパク質、最も好ましくは、このようなGタンパク質のアルファ(α)サブユニット(これはGTPを結合するサブユニットである)に融合された、内因性の構成的に活性なGPCR、または非内因性の構成的に活性化されたGPCRを含む、非内因性タンパク質を意味し、このGタンパク質は、好ましくは、内因性GPCRと天然に共役するGタンパク質と同じ型である。好ましい型において、Gタンパク質は、GPCRのC末端に直接的に融合可能であり、または2つの間にスペーサーが存在してもよい。
宿主細胞は、そこに組み込まれたベクターを有することが可能である細胞を意味する。現在の状況において、ベクターは、代表的には、GPCRまたはGPCR融合タンパク質の発現が起こることを可能にするために、適切なプロモーター配列との作動可能な接続にあるGPCRまたはGPCR融合タンパク質をコードする核酸を含む。
本明細書において用いる場合、耐糖能障害(IGT)は、真性2型糖尿病と正常耐糖能(NGT)の中間であるインスリン抵抗性に関連した状態を示すと解釈する。IGTは、罹患者の食後ブドウ糖反応を食事の2時間後のブドウ糖レベルによって評価して異常であると判定する手順によって診断する。この試験では、測定した量のブドウ糖をその患者に与え、血糖レベルを定期的に、通常、最初の2時間は半時間ごとにおよびその後は1時間ごとに、測定する。「正常」または非IGT被験者の場合、ブドウ糖レベルは、最初の2時間の間に140mg/dL未満のレベルに上昇し、その後、急速に降下する。IGT被験者の場合、血糖レベルは、より高く、降下レベルは、より低速である。
予防または治療の必要があるとは、本明細書で使用される場合、介護者(例えば、ヒトの場合においては医師、看護師、ナース・プラクティショナーなど;非ヒト哺乳動物を含む動物の場合においては獣医)によって行われる、被験体または動物が治療を必要としているか、または治療から利益を受ける判断をいう。この判断は、介護者の経験の範囲にあるが、本発明の化合物によって治療可能である状態の結果として、被験体または動物が病気であるか、または病気になるであろうという知識を含む、種々の要因に基づいて行われる。
炎症関連障害は、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)、炎症性関節炎(例えば、関節リウマチおよび乾癬性関節炎)、乾癬、喘息、慢性閉塞性肺疾患、敗血症性ショック、虚血/再潅流傷害、播種性血管内凝固、アテローム性硬化症、骨粗しょう症、再狭窄、全身性エリテマトーデス、急性移植拒絶反応、心筋梗塞、膵炎、肝炎、静脈血栓症、多発性損傷、うっ血性心不全、末梢神経損傷、および脳炎症関連障害を含む(しかし、これらに限定されない)と解釈する。一部の実施形態において、炎症関連障害は、炎症性腸疾患、炎症性関節炎、敗血症ショック、虚血/再潅流傷害、アテローム性硬化症、骨粗しょう症、再狭窄、心筋梗塞、うっ血性心不全、および脳炎症関連障害からなる群より選択される。
阻害するまたは阻害とは、用語「応答」との関連において、化合物の非存在下においてとは反対に、化合物の存在下で、応答が減少または妨害されることを意味する。
本明細書において用いる場合、インスリン抵抗性は、静脈耐糖能試験または空腹時インスリンレベルの測定をはじめとする(しかし、これらに限定されない)多数の方法のいずれかによって行われるインスリン抵抗性の通常の診断を包含すると解釈する。空腹時インスリンレベルの高さとインスリン抵抗性度の間には卓越した相関関係があることは周知である。従って、どの正常耐糖能(NGT)被験者がインスリン抵抗性を有するかを特定するために、上昇した空腹時インスリンレベルをインスリン抵抗性の代用マーカーとして使用することができる。インスリン抵抗性の診断は、正常血糖グルコースクランプ試験を使用して行うこともできる。
逆アゴニストとは、GPCRに結合し、活性型の受容体によって開始されたベースライン細胞内応答を、アゴニストまたは部分アゴニストの非存在下で観察される正常な基礎レベル活性より下に阻害する因子(例えば、リガンド、候補化合物)を意味する。
リガンドとは、本明細書で使用される場合、GPCRに特異的に結合する分子を意味する。内因性リガンドは、ネイティブGPCRに結合する内因性分子である。GPCRのリガンドは、GPCRのアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、またはアンタゴニストである可能性があるが、これらに限定されない。
メタボリック症候群とは、本明細書で定義されるように、および成人治療パネルIII(ATP III;National Institutes of Health:Third Report of the National Cholesterol Education Program Expert Panel on Detection,Evaluation,and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults(Adult Treatment
Panel III),Executive Summary;Bethesda,Md.,National Institutes of Health,National Heart,Lung and Blood Institute,2001(NIH pub.No 01−3670))に従って、ヒトが、肥満、高トリグリセリド血症、低HDLグリセロール、高血圧、および空腹時高血糖に関連する5つの判断基準の内の3つ以上に合致する場合に起こる。
本明細書で使用される場合、調節するまたは修飾するという用語は、特定の活性、機能、または分子の量、質、または効果の増加または減少をいうことを意味する。
調節因子は、本明細書中上記で定義されたアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、およびアンタゴニストを含むと理解される。
肥満は、本明細書で使用される場合、体重のWHO分類に従って、30.0以上の肥満度指数(BMI)として定義される[Kopelman,Nature(2000)404:635−643;この開示はその全体が参照により本明細書に援用される]。特定の実施形態において、肥満は、体脂肪含量に基づいて定義される:男性では25%より上、女性では30%より上である。
過体重とは、本明細書で使用される場合、27〜29.9の肥満度指数(BMI)として定義される。
パーキンソン病は、運動症状、例えば、振戦、運動緩慢、筋肉硬直、歩行機能不全および姿勢不安定を特徴とする慢性、進行性神経変性疾患である。研究者たちにより、黒質におけるドーパミン作動性ニューロンの変性が主病態生理メカニズムとして特定された。
部分アゴニストとは、完全アゴニストよりも少ない範囲または程度ではあるが、GPCRによって媒介される細胞内応答を誘発するために、GPCRへの結合によってGPCRを活性化する因子(例えば、リガンド、候補化合物)を意味する。
薬学的組成物は、少なくとも1つの活性成分を含み、それによって、組成物が、哺乳動物(例えば、ヒトであるがこれに限定されない)における特定の有効な結果のための治験に受け入れ可能である組成物を意味する。当業者は、例えば、当業者の必要性に基づいて、活性成分が所望の有効な結果を有するか否かを決定するために適切な技術を理解および評価する。
ポリヌクレオチドとは、一本鎖または二重鎖型のいずれかである1つより多くのヌクレオチドのRNA、DNA、またはRNA/DNAハイブリッド配列をいう。本発明のポリヌクレオチドは、合成、組換え、エキソビボ生成、またはこれらの組み合わせ、ならびに当該分野で公知の任意の精製方法利用することを含む任意の公知の方法によって調製されてもよい。
ポリペプチドとは、ポリマーの長さに関わらず、アミノ酸のポリマーをいう。従って、ペプチド、オリゴペプチド、およびタンパク質は、ポリペプチドの定義の中に含まれる。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾を特定または除外しない。例えば、グリコシル基、アセチル基、リン酸基、脂質基などの共有結合を含むポリペプチドは、ポリペプチドという用語に明確に含まれる。
本明細書において用いる場合、POMC由来生物活性ペプチドは、生物活性を刺激または阻害できる、POMCのタンパク質分解的切断を含む方法などにより、POMCから得られるペプチドを指すものとする。例証として、および限定としてではなく、前記生物活性は、GPCRの活性化であり得る。
本明細書において用いる場合、POMC由来生物活性ペプチド関連疾患は、POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを増加または減少させることによって改善される疾患を指すものとし、この場合、前記分泌レベルは、視床下部分泌レベルを包含するが、必ずしも視床下部分泌レベルに限定されないものと解釈する。
プライマーは、標的ヌクレオチド配列に相補的である特定のヌクレオチド配列を示すために本明細書で使用され、標的ヌクレオチド配列にハイブリダイズするために使用される。プライマーは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、または逆転写酵素によって触媒されるヌクレオチド重合のための開始点として働く。
受容体機能とは、遺伝子転写の調節、イオンの流入もしくは流出の調節、触媒反応をもたらすこと、および/またはGタンパク質を通しての活性の調節、例えば、二次メッセンジャー応答を誘発することを含むがこれらに限定されない、細胞内で刺激を受け取り、効果を調節するための受容体の正常の操作をいう。
二次メッセンジャーは、受容体活性化の結果として生じる細胞内応答を意味する。二次メッセンジャーには、例えば、イノシトール1,4,5−三リン酸(IP)、ジアシルグリセロール(DAG)、サイクリックAMP(cAMP)、サイクリックGMP(cGMP)、MAPキナーゼ活性、MAPK/ERKキナーゼキナーゼ−1(MEKK1)活性、およびCa2+を含めることができる。二次メッセンジャー応答は、受容体活性化の決定のために測定することができる。加えて、二次メッセンジャー応答は、例えば、受容体の逆アゴニスト、部分アゴニスト、アゴニスト、およびアンタゴニストとしての候補化合物の同定のために測定することができる。
本明細書において用いる場合、選択的GPR101リガンドは、GPR161(RE2受容体としても知られている;例えば、ヒトGPR161についてはGenBank(登録商標)アクセッション番号CAI22624を参照のこと)などの1つまたはそれ以上の密接に関連した受容体よりもGPR101受容体に対して選択性を有するGPR101のリガンドを指す。
本明細書において用いる場合、選択的GPR101調節因子は、GPR161(RE2受容体としても知られている;例えば、ヒトGPR161についてはGenBank(登録商標)アクセッション番号CAI22624を参照のこと)などの1つまたはそれ以上の密接に関連した受容体よりもGPR101受容体に対して選択性を有するGPR101の調節因子を指す。例証として、および限定としてではなく、選択的GPR101調節因子は、選択的GPR101アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストまたはアンタゴニストであり得る。
小分子とは、モルあたり約10,000グラム未満の分子量を有する化合物を意味と解釈され、これには、ペプチド、ペプチド模倣物、アミノ酸、アミノ酸アナログ、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドアナログ、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、有機化合物または無機化合物(すなわち、ヘテロ有機化合物または有機金属化合物を含む)、およびその塩、エステル、および他の薬学的に受容可能な型が含まれる。特定の好ましい実施形態において、小分子は、モルあたり約5,000グラム未満の分子量を有する有機化合物または無機化合物である。特定の実施形態において、小分子は、モルあたり約1,000グラム未満の分子量を有する有機化合物または無機化合物である。特定の好ましい実施形態において、小分子は、モルあたり約500グラム未満の分子量を有する有機化合物または無機化合物である。
刺激するまたは刺激とは、用語「応答」との関連において、化合物の非存在下においてとは反対に、化合物の存在下で、応答が増加されることを意味する。
卒中は、脳に血液を供給する血管に影響を及ぼす心血管疾患であり、本明細書では、脳血栓、卒中の最も一般的なタイプ、を含むと解釈する。脳血栓は、脳部分に血液をもたらす動脈内に血餅(血栓)が形成し、血流を遮断すると発生する。血餅は、通常、アテローム性硬化症によって損傷された動脈内で形成する。
本明細書において用いる場合、被験者は、好ましくは脊椎動物であり、該脊椎動物としては、魚類(例えば、商業養殖魚、ペット用魚類など)、両生類(例えば、カエル、ヒキガエル、ペット用両生類)、爬虫類(例えば、ヘビ、トカゲ、カメ、ペット用爬虫類など)、鳥類(例えば、ニワトリ、シチメンチョウ、ペット用鳥類など)および哺乳類(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ブタ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、非ヒト霊長類(例えば、アカゲザルおよびチンパンジー)、非ヒト哺乳動物、ペット用非ヒト哺乳動物、ヒトなど)が挙げられるが、これらに限定されない。一定の実施形態において、被験者は、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ブタ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、非ヒト霊長類またはヒトである(これらは、本発明の実施形態に個々に含まれる場合もあり、任意の組み合わせで含まれる場合もある)。一定の実施形態において、被験者は、人間の愛玩動物(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ニワトリなど)、競技用動物(例えば、ウマ、イヌなど)、荷物運搬用動物(例えば、ラバ、ラクダなど)または外来動物(例えば、動物園において見出される動物など)であり、これらは、本発明の実施形態に個々に含まれる場合もあり、任意の組み合わせで含まれる場合もある。一定の実施形態において、被験者は、哺乳動物である。一定の実施形態において、被験者は、非ヒト哺乳動物である。一定の実施形態において、被験者は、ヒトである。
治療有効量とは、本明細書で使用される場合、研究者、獣医、医師、または他の臨床家によって探索される、組織、系、動物、被験体、またはヒトにおいて生物学的応答または医薬品の応答を誘発する活性化合物または医薬品の量をいい、この応答は以下の1つ以上を含む:
(1)疾患を予防すること;例えば、疾患、状態、または障害になる素因を有する可能性があるが、その疾患の病理または徴候をまだ経験していないかまたは示していない被験体において、疾患、状態、または障害を予防すること、
(2)疾患を抑制すること;例えば、疾患、状態、または障害の病理または徴候を経験しているかまたは示している被験体において、疾患、状態、または障害を抑制すること(すなわち、病理および/または徴候のさらなる発生を阻止すること)、および
(3)疾患を改善すること;例えば、疾患、状態、または障害の病理または徴候を経験しているかまたは示している被験体において、疾患、状態、または障害を改善すること(すなわち、病理および/または徴候を逆転すること)。
改変体は、この用語が本明細書で使用される場合、参照ポリヌクレオチドまたはポリペプチドからそれぞれ異なるが、本質的な特性を保持しているポリヌクレオチドまたはポリペプチドである。ポリヌクレオチドの代表的な改変体は、別の参照ポリヌクレオチドとはヌクレオチド配列が異なる。改変体のヌクレオチド配列の変化は、参照ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させてもよいし、または変化させなくてもよい。ポリペプチドの代表的な改変体は、別の参照ポリペプチドとはアミノ酸配列が異なる。改変体および参照ポリペプチドは、任意の組み合わせの1つ以上の置換、付加、欠失によってアミノ酸配列が異なってもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの改変体は、対立遺伝子改変体などの天然に存在するものであってもよいし、または天然に存在することが知られていない改変体であってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの天然に存在しない改変体は、変異誘発技術または直接的合成によって作製されてもよい。
A.緒言
以下の節の順番は、提示の効率のために示され、本開示または添付の特許請求の範囲に対する限定として意図されておらず、そのように解釈されるべきでもない。
B.受容体発現
1.目的のGPCRポリペプチド
本発明のGPCRは、以下からなる群より選択されるアミノ酸配列またはその改変体または生物学的に活性なフラグメントを含み得る:
(a)配列番号2のアミノ酸配列;
(b)特異的プライマー配列番号7および配列番号8を使用してヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(c)配列番号4のアミノ酸配列;
(d)配列番号6のアミノ酸配列;
(e)配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(f)配列番号2、配列番号4または配列番号6に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(g)配列番号2、配列番号4または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
(h)(a)から(g)のうちのいずれか1つの生物活性フラグメント
からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むことができる。
一定の実施形態において、本発明のGPCRは、配列番号2のアミノ酸配列を含む。
一定の実施形態において、ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体は、内因性Gタンパク質結合受容体である。一部の実施形態において、ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされている、および内因性Gタンパク質結合受容体である、Gタンパク質結合受容体は、ヒトGタンパク質結合受容体である。一部の実施形態において、ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされている、および内因性Gタンパク質結合受容体である、Gタンパク質結合受容体は、ヒトGPR101受容体である。一定の実施形態において、ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体は、配列番号2またはその対立遺伝子である。一定の実施形態において、ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体は、配列番号2の対立遺伝子である。一部の実施形態において、ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体は、検出可能なレベルの構成的活性を示す。一部の実施形態において、前記構成的活性は、Gに結合するGタンパク質結合受容体と一致して細胞内cAPMレベルを増加させる活性である。一部の実施形態において、前記構成的活性は、メラニン保有細胞を色素分散させる活性である。一部の実施形態において、ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体は、Gに結合する。
一部の実施形態において、前記ヒトDNAは、ゲノムDNAである。
一部の実施形態において、前記ポリメラーゼ連鎖反応は、逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)である。RT−PCR技術は、当業者に周知である。一部の実施形態において、前記ヒトDNAは、GPR101を発現する組織または細胞に由来するヒトcDNAである。一部の実施形態において、前記GPR101を発現するヒト組織は、脳または視床下部である。一定の実施形態において、前記cDNAは、GPR101を発現するヒト細胞からのものである。一部の実施形態において、前記cDNAは、POMCニューロン細胞からのものである。一部の実施形態において、前記細胞は、細胞株である。
一部の実施形態において、本発明のGPCRは、組換え体である。一部の実施形態において、前記組換え型GPCRは、組換え型ヒトGPR101である。
一定の実施形態において、本主題方法において使用することができるGPCRは、検出可能なレベルの構成的活性を示す。一部の実施形態において、前記構成的活性は、Gに結合するGPCRと一致して細胞内cAMPのレベルを増加させる活性である。一部の実施形態において、前記構成的活性は、メラニン保有細胞を色素分散させる活性である。一部の実施形態において、前記GPCRは、Gに結合する。
一部の実施形態において、本発明のGPCRは、内因性である。一部の実施形態において、本発明のGPCRは、哺乳動物GPR101である。一部の実施形態において、内因性である本発明のGPCRは、哺乳動物GPR101である。一部の実施形態において、内因性である本発明のGPCRは、ヒトGPR101である。
一部の実施形態において、本発明のGPCRは、非内因性である。
例証として、および限定としてではなく、N末端メチオニン残基の欠失は、本主題発明において使用することができ生物活性フラグメントをもたらすと考えられる。例証として、および限定としてではなく、配列番号2のアミノ酸2−508、配列番号4のアミノ酸2−511および配列番号6のアミノ酸2−508は、本発明の範囲内の生物活性フラグメントであると明白に考えられる。一部の実施形態において、本発明の生物活性フラグメントは、その末端が、N末端メチオニン残基と検出可能なレベルの構成的活性を示すHAエピトープタグとを含むペプチドに場合によっては融合している、フラグメントである。一部の実施形態において、前記構成的活性は、Gに結合する生物活性フラグメントと一致して細胞内cAMPのレベルを増加させる活性である。一部の実施形態において、前記構成的活性は、メラニン保有細胞を色素分散させる活性である。一部の実施形態において、本発明の生物活性フラグメントは、そのN末端が、N末端メチオニン残基とHAエピトープタグとを含むペプチドに場合によっては融合している、フラグメントであり、Gに結合する。一定の実施形態において、前記フラグメントは、そのN末端で、N末端メチオニン残基とHAエピトープタグから本質的に成るペプチドに融合している。N末端メチオニン残基とHAエピトープタグから本質的に成るペプチドをポリペプチドフラグメントのN末端に融合させるための技術は、当該技術分野において周知であり、市場で入手することができる(例えば、カリフォルニア州、マウンテン・ビューのClontech)。
配列番号2のヒトGPR101の、または配列番号4のマウスGPR101の、または配列番号6のラットGPR101の対立遺伝子変異体は、本発明の範囲内であると考えられる。ヒトGPR101は、本発明の範囲内であると考えられる。
配列番号2のヒトGPR101の脊椎動物オルソログである変異体は、本発明の範囲内であると考えられる。配列番号2のヒトGPR101の哺乳動物オルソログは、本発明の範囲内であると考えられる。例証として、および限定としてではなく、マウスGPR101(例えば、配列番号4)、ラットGPR101(例えば、配列番号6)、ウシGPR101(例えば、GenBank(登録商標)アクセッション番号XP_582650)、イヌGPR101(例えば、GenBank(登録商標)アクセッション番号XP_549287)および非ヒト霊長類GPR101は、本発明の範囲内であると考えられる。
一定の実施形態において、配列番号2のアミノ酸配列の変異体、配列番号4のアミノ酸配列の変異体、または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体は、検出可能なレベルの構成的活性を示す。一定の実施形態において、配列番号2のアミノ酸配列の変異体、配列番号4のアミノ酸配列の変異体、または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体は、構成的に活性である。一部の実施形態において、前記構成的活性は、細胞内cAMPのレベルを増加させる活性である。一部の実施形態において、前記構成的活性は、Gに結合するGタンパク質結合受容体と一致して細胞内cAMPのレベルを増加させる活性である。一部の実施形態において、前記構成的活性は、メラニン保有細胞を色素分散させる活性である。一部の実施形態において、配列番号2のアミノ酸配列の変異体、配列番号4のアミノ酸配列の変異体、または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体は、Gに結合する。
配列番号2、配列番号4または配列番号6とそれぞれ少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の同一性を有する配列番号2、配列番号4または配列番号6の変異体は、本発明の範囲内であると考えられる。一定の実施形態において、配列番号2、配列番号4または配列番号6とそれぞれ少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の同一性を有する配列番号2、配列番号4または配列番号6の変異体は、GPCRである。一部の実施形態において、前記配列番号2、配列番号4または配列番号6の変異体は、内因性GPCRである。一部の実施形態において、前記配列番号2、配列番号4または配列番号6の変異体は、非内因性GPCRである。一部の実施形態において、内因性GPCRである前記配列番号2、配列番号4または配列番号6の変異体は、哺乳動物GPCRである。一部の実施形態において、配列番号2、配列番号4または配列番号6とそれぞれ少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の同一性を有する配列番号2、配列番号4または配列番号6の変異体は、検出可能なレベルの構成的活性を示す。一部の実施形態において、前記構成的活性は、Gに結合するその変異体に一致して細胞内cAMPのレベルを増加させる活性である。一部の実施形態において、前記構成的活性は、メラニン保有細胞を色素分散させる活性である。一定の実施形態において、配列番号2、配列番号4または配列番号6とそれぞれ少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の同一性を有する配列番号2、配列番号4または配列番号6の変異体は、Gに結合する。同一性パーセントは、公知のコンピュータプログラムを使用して従来どおり決定することができる。
一定の実施形態において、本主題方法において使用することができる変異体GPCRは、配列番号2に対して少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する。例えば、配列番号2との95%の「同一性」を有する変異体GPCRとは、その変異体のアミノ酸配列が、配列番号2の100のアミノ酸それぞれにつき5以下のアミノ酸改変を含む場合があることを除き、配列番号2のアミノ酸1−508と同一であることを意味する。従って、例えば、配列番号2のアミノ酸配列との少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を得るために、配列番号2のアミノ酸1−508と比較して、その配列内のアミノ酸残基の5%(100のうち5)以下に挿入、欠失または別のアミノ酸での置換があってもよい。これらの改変は、アミノもしくはカルボキシ末端で行われる場合もあり、または主としてその配列内の残基の間にもしくはその配列内の1つ以上の隣接する基の中に散在する、末端位置の間のどこかで行われる場合もある。
一部の実施形態において、本主題方法において使用することができる変異体GPCRは、配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGPCRである。一部の実施形態において、本主題方法において使用することができる変異体GPCRは、配列番号1の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGPCRである。一部の実施形態において、前記配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGPCRは、内因性GPCRである。一部の実施形態において、前記配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGPCRは、非内因性GPCRである。一部の実施形態において、前記配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされており、内因性GPCRであるGPCRは、哺乳動物内因性GPCRである。一部の実施形態において、前記配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGPCRは、配列番号2もしくはその対立遺伝子、配列番号4もしくはその対立遺伝子、または配列番号6もしくはその対立遺伝子である。一部の実施形態において、前記配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGPCRは、配列番号2、配列番号4または配列番号6の脊椎動物オルソログである。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、哺乳動物である。一定の実施形態において、前記配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGPCRは、検出可能なレベルの構成的活性を示す。一部の実施形態において、前記構成的活性は、Gに結合するGPCRと一致して細胞内cAMPのレベルを増加させる活性である。一部の実施形態において、前記構成的活性は、メラニン保有細胞を色素分散させる活性である。一定の実施形態において、前記配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGPCRは、Gに結合する。ハイブリダイゼーション技術は、当業者には周知である(例えば、Maniatis T.ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1989)Cold Spring Harbor Laboratoryを参照のこと)。例示的ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、50%ホルムアミド、5×SSC(1×SSC=150mM NaCl、15mM クエン酸ナトリウム)、および1% SDSを含む溶液中、42℃でのハイブリダイゼーション反応の実施、ならびに0.1〜0.2×SSCおよび0.1% SDSを含む溶液中、65℃での洗浄を含む。一定の実施形態において、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、0.1〜0.2×SSCを含む溶液中、55〜65℃での洗浄を含む。一定の実施形態において、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、0.1〜0.2×SSCおよび0.1% SDSを含む溶液中、55℃での洗浄を含む。一定の実施形態において、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、0.1〜0.2×SSCおよび0.1% SDSを含む溶液中、60℃での洗浄を含む。一定の実施形態において、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、0.1〜0.2×SSCおよび0.1% SDSを含む溶液中、65℃での洗浄を含む。一定の実施形態において、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、0.1×SSCを含む溶液中での洗浄を含む。一定の実施形態において、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、0.1×SSCおよび0.1% SDSを含む溶液中での洗浄を含む。一定の実施形態において、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、0.2×SSCを含む溶液中での洗浄を含む。一定の実施形態において、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、0.2×SSCおよび0.1% SDSを含む溶液中での洗浄を含む。
一部の実施形態において、本主題方法において使用することができるGPCRは、配列番号2のアミノ酸位置398のアラニンがアラニン以外のアミノ酸で置換されている配列番号2のアミノ酸配列を含む、非内因性、構成的活性受容体である。一部の実施形態において、前記アラニン以外のアミノ酸は、リシンである。一部の実施形態において、前記アラニン以外のアミノ酸は、アルギニンである。一部の実施形態において、前記アラニン以外のアミノ酸は、ヒスチジンである。
一定の実施形態において、本発明のGPCRは、Gタンパク質との融合タンパク質の一部を構成する。
a.配列同一性
特定の実施形態において、同一性パーセントは、当該分野において周知であるBasic Local Alignment Search Tool(「BLAST」)を使用して評価される[例えば、KarlinおよびAltschul、Proc Natl Acad Sci USA(1990)87:2264−2268;Altschulら、J Mol Biol(1990)215:403−410;Altschulら、Nature Genetics(1993)3:266−272;ならびにAltschulら、Nucleic Acids Res(1997)25:3389−3402を参照のこと;この各々の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される]。BLASTプログラムは、デフォルトパラメータを用いて、またはユーザーによって提供される改変パラメータを用いて使用されてもよい。好ましくは、パラメータはデフォルトパラメータである。
一部の実施形態において、グローバル配列アラインメントとも呼ばれる、照会配列(例えば、配列番号2のアミノ酸配列)と取り調べる配列の間の最高の全体的な一致を決定するための好ましい方法は、Brutlagら[Comp App Biosci(1990)6:237−245;この開示はその全体が参照により本明細書に援用される]のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータプログラムを使用して決定することができる。配列アラインメントにおいて、照会配列と取り調べる配列の両方がアミノ酸配列である。上記グローバル配列アラインメントの結果は同一性パーセントである。FASTDBアミノ酸配列アラインメントにおいて使用される好ましいパラメータは以下の通りである:マトリックス(Matrix)=PAM 0、k−組(tuple)=2、ミスマッチペナルティー(Mismatch Penalty)=l、結合ペナルティー(Joining Penalty)=20、ランダム化グループ(Randomization Group)=25、長さ(Length)=0、カットオフスコア(Cutoff Score)=l、ウィンドウサイズ(Window Size)=配列長、ギャップペナルティー=5、ギャップサイズペナルティー=0.05、ウィンドウサイズ=247または取り調べるアミノ酸配列の長さのうちのどちらか短い方。
取り調べる配列が、内部欠失によってではなくN末端またはC末端の欠失に起因して照会配列よりも短い場合、同一性パーセントの結果は、手動で補正されなければならない。なぜなら、FASTDBプログラムは、グローバル同一性パーセントを計算するときに、取り調べる配列のN末端またはC末端の短縮を考慮しないからである。照会配列と比較して、N末端またはC末端において短縮された取り調べる配列については、照会配列の全体の塩基のパーセントとして、対応する取り調べる配列の残基と一致/アラインされない取り調べる配列のN末端およびC末端である照会配列の残基の数を計算することによって、同一性パーセントは補正される。残基が一致/アラインされるか否かは、FASTDB配列アラインメントの結果によって決定される。次いで、このパーセンテージは、同一性パーセントから減算され、特定のパラメータを使用して上記のFASTDBプログラムによって計算されて、最終同一性パーセントスコアに到達する。この最終同一性パーセントスコアが、本発明の目的のために使用されるものである。照会配列と一致/アラインされない取り調べる配列のN末端およびC末端に対する残基のみが、同一性パーセントスコアを手動で調整する目的のために考慮される。これは、取り調べる配列の最も遠いN末端またはC末端の残基の外側の照会(querey)アミノ酸残基のみである。
例えば、90アミノ酸残基の取り調べる配列が、同一性パーセントを決定するために、100残基の照会配列とアラインされる。欠失が取り調べる配列のN末端に存在し、それゆえに、FASTDBアラインメントは、N末端の最初の残基とは一致/アラインしない。10個の不対残基は配列の10%を表し(N末端およびC末端で一致しない残基の数/照会配列中の残基の総数)、それゆえに、10%は、FASTDBプログラムによって計算される同一性パーセントスコアから減算される。残りの90%が完全に一致した場合、最終同一性パーセントは90%になる。
別の例において、90残基の取り調べる配列は、100残基の照会配列と比較される。今回は、欠失は内部であり、それゆえに、照会配列と一致/アラインしない取り調べる配列のN末端またはC末端には残基は存在しない。この場合、FASTDBによって計算される同一性パーセントは手動で補正されない。再度、照会配列と一致/アラインしない、FASTDBアラインメントにおいて示されるような対象の配列のN末端またはC末端の外側の残基の位置のみが、手動で補正される。他の補正は、本発明の目的のためには行われない。
b.融合タンパク質
特定の実施形態において、目的のポリペプチドは融合タンパク質であり、例えば、親和性タグドメインまたはレポータードメインを含み得る。適切な親和性タグは、別の部分、通常は別のポリペプチド、最も通常は抗体に特異的に結合し得る任意のアミノ酸配列を含む。適切な親和性タグには、当該分野において公知であるように、エピトープタグ、例えば、V5タグ、FLAGタグ、HAタグ(赤血球凝集素インフルエンザウイルス由来)、mycタグなどが含まれる。適切な親和性タグには、当該分野において公知であるように、そのための結合する基質が知られているドメイン、例えば、HISタグ、GSTタグ、およびMBPタグ、ならびに特定の結合パートナー、例えば、抗体、特に、モノクローナル抗体がそのために利用可能である他のタンパク質からのドメインもまた含まれる。適切な親和性タグは、適切な結合パートナー、例えば、IgG Fc受容体を使用して特異的に結合されかつ検出され得る、IgG Fc領域などの任意のタンパク質−タンパク質相互作用ドメインもまた含む。このような融合タンパク質は、そのN末端メチオニン残基が欠失されたか、または代替的なアミノ酸で置換されたかのいずれかであるGPCRとインフレームで融合された異種N末端ドメイン(例えば、エピトープタグ)を含み得ることが明確に意図される。
適切なレポータードメインには、ポリペプチドの存在下でレポート可能である任意のドメインが含まれる。親和性タグは、例えば、タグに特異的に結合する標識抗体を使用してポリペプチドの存在レポートするために使用され得ることが認識されているが、発光レポータードメインがより通常使用される。適切な発光レポータードメインには、ルシフェラーゼ(例えば、ホタル、Vargula、Renilla reniformis、またはRenilla muelleri由来)、またはその発光改変体が含まれる。他の適切なレポータードメインには、蛍光タンパク質(例えば、クラゲ、サンゴ、および他の腔腸動物から、Aequoria種、Renilla種、Ptilosarcus種、Stylatula種からのこのような蛍光タンパク質として)、またはその発光改変体が含まれる。これらのレポータータンパク質の発光改変体は、当該分野において非常に周知であり、ネイティブなレポータータンパク質と比較して、より明るく、より薄暗く、または異なる励起および/もしくは発光スペクトルを有する可能性がある。例えば、ある改変体は、当該分野において公知であるように、これらがもはや、緑色に見えず、そして青色、シアンブルー色、黄色、濃い黄赤色(それぞれ、BFP、CFP、YFP eYFP、およびRFPと呼ばれる)に見ることができ、または他の発光スペクトルを有するように、変化される。他の適切なレポータードメインは、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、および分泌型胚性アルカリホスファターゼなどの、生化学的なまたは色の変化を通してポリペプチドの存在をレポートし得るドメインを含む。
これもまた当該分野において公知であるように、親和性タグまたはレポータードメインは、目的のポリペプチド中の任意の位置に存在し得る。しかし、多くの実施形態において、これらは、目的のポリペプチドのC末端またはN末端に存在する。
2.目的のGPCRポリペプチドをコードする核酸
核酸を操作するための遺伝コードおよび組換え技術は公知であるので、および目的のGPCRポリペプチドのアミノ酸配列が上記のように記載されるので、目的のGPCRポリペプチドをコードする核酸の設計および産生は、十分に当業者の範囲内にある。特定の実施形態において、標準的な組換えDNA技術(Ausubelら、Short Protocols in Molecular Biology,第3版,Wiley & Sons,1995;Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版(1989)Cold Spring Harbor,N.Y.)の方法が使用される。例えば、GPCRコード配列は、本明細書に記載される必要がない種々の組換え方法の任意の1つまたはその組み合わせを使用して、GPCRコード配列のライブラリーから単離されてもよい。タンパク質をコードしている核酸配列中でのヌクレオチドの引き続く置換、欠失、および/または付加もまた、標準的な組換えDNA技術を使用して行われてもよい。
例えば、部位特異的変異誘発およびサブクローニングが、目的のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド中で核酸残基を導入/欠失/置換するために使用されてもよい。他の実施形態において、PCRが使用されてもよい。目的のポリペプチドをコードする核酸はまた、オリゴヌクレオチドから化学合成によって完全に作製されてもよい(例えば、Celloら、Science(2002)297:1016−8)。
ある実施形態において、目的のポリペプチドをコードする核酸のコドンは、特定の種、特に哺乳動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター、非ヒト霊長類、またはヒトの種の細胞中での発現のために最適化される。ある実施形態において、目的のポリペプチドをコードする核酸のコドンは、特定の種、特に両生類種の細胞中での発現のために最適化される。
a.ベクター
本発明はさらに、対象の核酸を含むベクター(「構築物」とも呼ばれる)を提供する。本発明の多くの実施形態において、対象の核酸配列は、配列が、例えば、プロモーターを含む発現制御配列に作動可能に連結された後で宿主中で発現される。対象の核酸はまた、代表的には、宿主染色体DNAのエピソームとして、またはその不可欠な部分としてのいずれかで、宿主細胞中で複製可能な発現ベクター中にも配置される。通例、発現ベクターは、所望のDNA配列で形質転換された細胞の検出を可能にするために、選択マーカー、例えば、テトラサイクリンまたはネオマイシンを含む(例えば、米国特許第4,704,362号を参照のこと、これは、参照により本明細書に援用される)。単一発現ベクターまたは二重発現カセットベクターを含むベクターは、当該分野において周知である(Ausubelら、Short Protocols in Molecular Biology,第3版,Wiley & Sons,1995;Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,(1989)Cold Spring Harbor,N.Y.)。適切なベクターには、ウイルスベクター、プラスミド、コスミド、人工染色体(ヒト人工染色体)、細菌人工染色体、酵母人工染色体など)、ミニ染色体などが含まれる。レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、およびアデノ関連ウイルスベクターが使用されてもよい。
種々の発現ベクターが、細胞中で目的のポリペプチドを産生する目的のために当業者に利用可能であり、そしてこれには、市販されている(例えば、Invitrogen,Carlsbad,CA;Clontech,Mountain View,CA;Stratagene,La Jolla,CAから)発現ベクターが含まれる。市販されている発現ベクターには、非限定的な例として、CMVプロモーターベースのベクターが含まれる。1つの適切な発現ベクターはpCMVである。発現ベクターはアデノウイルスであり得る。例示的なアデノウイルスベクターは、AdEasyTMとしてQbiogene(Carlsbad,CA)から購入し得る[He TCら、Proc Natl Acad Sci USA(1998)95:2509−2514;および米国特許第5,922,576号;これらの各々の開示はその全体が参照により本明細書に援用される]。他の適切な発現ベクターは、当業者に容易に明らかである。
対象の核酸は、通常、目的の対象のポリペプチドをコードする単一のオープンリーディングフレームを含むが、しかし、特定の実施形態において、目的のポリペプチドの発現のための宿主細胞は、真核生物細胞、例えば、ヒト細胞などの哺乳動物細胞であり得、オープンリーディングフレームはイントロンによって中断され得る。対象の核酸は、代表的には、対象核酸に加えて、RNAの安定性、翻訳効率などを方向付け得る3’および5’非翻訳領域(UTR)を含み得る、転写単位の一部である。対象の核酸は、対象の核酸に加えて、目的のポリペプチドの転写および発現を方向付けるプロモーター、および転写ターミネーターを含む発現カセットの一部でもあり得る。
真核生物プロモーターは、真核生物宿主細胞中で機能的である任意のプロモーターであり得、これらには、ウイルスプロモーターおよび真核生物遺伝子に由来するプロモーターが含まれる。例示的な真核生物プロモーターには以下が含まれるがこれらに限定されない:マウスメタロチオネインI遺伝子配列のプロモーター(Hamerら、J.Mol.Appl.Gen.1:273−288,1982);ヘルペスウイルスのTKプロモーター(McKnight、Cell 31:355−365,1982);SV40初期ウイルスプロモーター(Benoistら、Nature(London)290:304−310,1981);酵母gall遺伝子配列プロモーター(Johnstonら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)79:6971−6975,1982);Silverら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)81:5951−59SS,1984)、CMVプロモーター、EF−1プロモーター、エクジソン応答性プロモーター、テトラサイクリン応答性プロモーターなど。ウイルスプロモーターは、これらが一般的に特に強力なプロモーターであるので、特に目的のものであり得る。特定の実施形態において、標的病原体のプロモーターであるプロモーターが使用される。本発明における使用のためのプロモーターは、これらが導入される細胞型(および/または動物)において機能的であるように選択される。特定の実施形態において、プロモーターはCMVプロモーターである。
特定の実施形態において、対象のベクターは、選択マーカーの発現もまた提供し得る。適切なベクターおよび選択マーカーは当該分野で周知であり、Ausubelら(Short Protocols in Molecular Biology,第3版,Wiley & Sons,1995)およびSambrookら、(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第3版,(2001)Cold Spring Harbor,N.Y.)において議論されている。種々の異なる遺伝子が選択マーカーとして利用され、対象のベクターの中で選択マーカーとして利用される特定の遺伝子が、便宜上、主に選択される。既知の選択マーカー遺伝子には以下が含まれる:チミジンキナーゼ遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、キサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子、CAD、アデノシンデアミナーゼ遺伝子、アスパラギンシンテターゼ遺伝子、抗生物質耐性遺伝子、例えば、tert、ampr、Cmrもしくはcat、kanrもしくはneor(アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子)、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ遺伝子など。
上述のように、目的のポリペプチドは、親和性ドメインおよび/またはレポータードメインを含む融合タンパク質であり得る。例えば、GPCRのC末端またはN末端においてレポーターまたはタグとGPCRの間の融合物を作製するための方法は十分に当業者の範囲内であり(例えば、McLeanら、Mol.Pharma.Mol Pharmacol.1999 56:1182−91;Ramsayら、Br.J.Pharmacology,2001,315−323)、これ以上の説明はしない。このような融合タンパク質は、そのN末端メチオニン残基が欠失しているか、または代わりのアミノ酸で置換されているかのいずれかであるGPCRとインフレームで融合している異種N末端ドメイン(例えば、エピトープタグ)を含んでもよいことが明確に意図される。目的のポリペプチドは、ネイティブなポリペプチドから最初に作製されてもよく、次いで、上記のような適切なレポータータグに作動可能に連結されることが認識される。
対象の核酸は、通常、目的のポリペプチドをコードしている核酸の構築を容易にするために、制限部位、マルチプルクローニングサイト、プライマー結合部位、ライゲーション可能末端、組換え部位などもまた含み得る。
b.宿主細胞
本発明はさらに、対象の核酸を含むベクターを含む宿主細胞を提供する。適切な宿主細胞には、原核生物細胞、例えば、細菌細胞(例えば、E.coli)ならびに真核生物細胞、例えば、動物細胞(例えば、昆虫、哺乳動物、魚類、両生類、鳥類、または爬虫類細胞)、植物細胞(例えば、トウモロコシまたはシロイヌナズナ細胞)、または真菌細胞(例えば、酵母細胞、S.cerevisiae細胞)が含まれる。特定の実施形態において、目的のポリペプチドをコードしている核酸の発現のために適切な任意の細胞が宿主細胞として使用され得る。通常、動物宿主細胞株が使用され、その例は以下の通りである:サル腎臓細胞(COS細胞)、SV40により形質転換されたサル腎臓CVI細胞(COS−7、ATCC CRL 165 1);ヒト胚腎臓細胞(HEK−293[「293」]、Grahamら、J.Gen Virol.36:59(1977));HEK−293T[「293T」]細胞;ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO、UrlaubおよびChasin、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)77:4216,(1980);シリアゴールデンハムスター細胞MCB3901(ATCC CRL−9595);マウスセルトリ細胞(TM4、Mather,Biol.Reprod.23:243−251(1980));サル腎臓細胞(CVI ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC CRL−1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK,ATCC CCL 34);バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(hep G2,HB 8065);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562,ATCC CCL 51);TRI細胞(Matherら、Annals N.Y.Acad.Sci 383:44−68(1982));NIH/3T3細胞(ATCC CRL−1658);およびマウスL細胞(ATCC CCL−I)。
特定の実施形態において、メラニン保有細胞が使用される。メラニン保有細胞は、下等脊椎動物において見出される皮膚細胞である。関連する材料および方法は、米国特許第5,462,856号および米国特許第6,051,386号の開示に従う。これらの特許の開示は、それらの全体が参照により本明細書に援用される。
さらなる細胞株は当業者に明らかになり、広範な種々の細胞株が、American Type Culture Collection,10801 University Boulevard,Manassas,Va.20110−2209から利用可能である。
C.候補化合物のスクリーニング
1.一般的GPCRスクリーニングアッセイ技術
Gタンパク質受容体が活性になるとき、これは、Gタンパク質(例えば、Gq、Gs、Gi、Gz、Go)に結合し、Gタンパク質へのGTPの結合を刺激する。次いで、Gタンパク質はGTPaseとして働き、GTPをGDPにゆっくりと加水分解し、それによって、受容体は、通常の条件下で、非活性化される。しかし、活性化された受容体はGDPをGTPに交換することを継続する。GTPの加水分解不可能なアナログである[35S]GTPγSは、活性化受容体を発現する膜への結合の増強をモニターするために使用することができる。[35S]GTPγSは、リガンドの非存在下および存在下での膜へのGタンパク質への結合をモニターするために使用できることが報告されている。このモニタリングの当業者に周知でありかつ利用可能である数ある例の中で、1つの例は、TraynorおよびNahorskiによって1995年に報告された。このアッセイ系の好ましい使用は、候補化合物の初期のスクリーニングのためである。なぜなら、この系は、受容体の細胞内ドメインと相互作用する特定のGタンパク質に関わりなく、すべてのGタンパク質結合受容体に一般的に適用可能であるからである。
2.特定のGPCRスクリーニングアッセイ技術
一旦、化合物が、「一般的」Gタンパク質結合受容体アッセイ(すなわち、アゴニストまたは逆アゴニストである化合物を選択するためのアッセイ)を使用して同定されると、ある実施形態において、化合物が受容体部位において相互作用したことを確認するためのさらなるスクリーニングが好ましい。例えば、「一般的」アッセイによって同定された化合物は受容体に結合しないかもしれないが、しかし、その代わりに、細胞内ドメインからGタンパク質を単に「取り外す」可能性がある。
a.Gs、Gz、およびGi
Gsは、酵素アデニリルシクラーゼを刺激する。他方、Gi(およびGzおよびGo)はアデニリルシクラーゼを阻害する。アデニリルシクラーゼはATPのcAMPへの転換を触媒し;従って、Gsタンパク質を結合する活性型GPCRは細胞レベルのcAMPの増加と関連する。他方、Gi(またはGz、Go)タンパク質を結合する活性型GPCRは、細胞レベルのcAMPの減少と関連する。一般的には、「Indirect Mechanisms of Synaptic Transmission」第8章,From Neuron To Brain(第3版)Nichols,J.G.ら編、Sinauer Associates,Inc.(1992)を参照のこと。従って、cAMPを検出するアッセイは、候補化合物が、例えば、受容体に対する逆アゴニスト(すなわち、このような化合物はcAMPのレベルを減少させる)であるか否かを決定するために利用することができる。cAMPを測定するための当該分野で公知である種々のアプローチが利用できる;ある実施形態において、好ましいアプローチは、ELISAベースの形式での抗cAMP抗体の使用に依存する。利用可能な別の型のアッセイは、全細胞二次メッセンジャーレポーター系アッセイである。遺伝子上のプロモーターは、特定の遺伝子がコードするタンパク質の発現を駆動する。サイクリックAMPは、cAMP応答性DNA結合タンパク質または転写因子(CREB)の結合を促進することによって遺伝子発現を駆動し、これが次には、cAMP応答性エレメントと呼ばれる特定の部位でプロモーターに結合し、遺伝子の発現を駆動する。レポーター遺伝子、例えば、β−ガラクトシダーゼまたはルシフェラーゼの前に、複数のcAMP応答性エレメントを含むプロモーターを有するレポーター系を構築することができる。従って、活性化されたGs結合受容体はcAMPの蓄積を引き起こし、これは次には、遺伝子を活性化し、レポータータンパク質の発現を活性化する。次いで、β−ガラクトシダーゼまたはルシフェラーゼなどのレポータータンパク質は、標準的な生化学的アッセイを使用して検出できる(Chenら、1995)。
b.GoおよびGq
GqおよびGoは酵素ホスホリパーゼCの活性化に関連し、これは次には、リン脂質PIPを加水分解し、2種の細胞内メッセンジャー:ジアシルグリセロール(DAG)およびイノシトール1,4,5−三リン酸(IP)を放出する。IPの蓄積の増加は、Gq−およびGo−関連受容体の活性化に関連する。一般的には、「Indirect Mechanisms of Synaptic Transmission」第8章,From Neuron To Brain(第3版)Nichols,J.G.ら編、Sinauer Associates,Inc.(1992)を参照のこと。IPの蓄積を検出するアッセイは、候補化合物が、例えば、GqまたはGo関連受容体に対する逆アゴニスト(このような化合物はIPのレベルを減少させる)であるか否かを決定するために利用することができる。Gq関連受容体は、Gq依存性ホスホリパーゼCが、AP1エレメントを含む遺伝子の活性化を引き起こすという点で、AP1レポーターアッセイを使用して試験することもできる;従って、活性化されたGq−関連受容体はこのような遺伝子の発現の増加を証明し、それによって、それに対する逆アゴニストがこのような発現の減少を証明し、アゴニストはこのような発現の増加を証明する。このような検出のための商業的に利用可能なアッセイが利用可能である。
3.GPCR融合タンパク質
逆アゴニストまたはアゴニストの直接的同定のための候補化合物のスクリーニングにおける使用のための、内因性で構成的に活性なGPCRまたは非内因性で構成的に活性化されたGPCRの使用は、定義により、受容体がそれに結合した内因性リガンドの非存在下においてさえ活性であるという点で、興味深いスクリーニングの課題を提供する。従って、例えば、候補化合物の存在下での非内因性受容体と、その化合物の非存在下での非内因性受容体の間を区別するために、このような化合物が逆アゴニストもしくはアゴニストであり得るか、またはこのような受容体に対して効果を有さないか否かに関する理解を可能にするためのこのような区別の目的で、ある実施形態において、このような区別を増強し得るアプローチを利用することが好ましい。ある実施形態において、好ましいアプローチは、GPCR融合タンパク質の使用である。
一般的に、一旦、非内因性GPCRが上記のアッセイ技術(ならびに当業者に公知の他の技術)を使用して構成的に活性化されたことが決定されると、内因性GPCRと結合する優勢なGタンパク質を決定することが可能である。GPCRへのGタンパク質の結合は、評価することができるシグナル伝達経路を提供する。ある実施形態において、スクリーニングは、哺乳動物またはメラニン保有細胞発現系を使用して行うことが好ましい。このような系は、その中に内因性Gタンパク質を有することが予想されるからである。従って、定義により、このような系において、非内因性で構成的に活性化されたGPCRは、継続的にシグナル伝達を行う。ある実施形態において、例えば、受容体に対する逆アゴニストの存在下で、特にスクリーニングの状況下で、逆アゴニストと接触されるときに、受容体間でより容易に区別できる可能性がより高いように、このシグナルが増強されることが好ましい。
GPCR融合タンパク質は、GPCRとのGタンパク質結合の効率を増強することが意図される。GPCR融合タンパク質は、内因性で構成的に活性なGPCRまたは非内因性で構成的に活性化されたGPCRのいずれかを用いるスクリーニングのために好ましくあり得る。なぜなら、このようなアプローチは、このようなスクリーニング技術において生成されるシグナルを増加するからである。このことは、顕著な「シグナル対ノイズ」比を容易にする際に重要であり;このような顕著な比は、本明細書に開示されるような候補化合物のスクリーニングのために好ましい。
GPCR融合タンパク質の発現のために有用な構築物の構築は、当業者の範囲内にある。市販の発現ベクターおよび系は、研究者の特定の必要性に合致し得る種々のアプローチを提供する。このようなGPCR融合タンパク質構築物の構築における重要な判断基準には以下が含まれるがこれらに限定されない:GPCR配列とGタンパク質配列の両方がインフレームにあること(好ましくは、内因性GPCRのための配列は、Gタンパク質の上流である)、およびGPCRの発現に際して、Gタンパク質もまた発現可能であるように、GPCRの「終止」コドンが欠失または置換されること。GPCRはGタンパク質に直接的に連結することができ、またはこれらの2つの間にスペーサー残基が存在し得る(好ましくは、約12を超えない残基であるが、この数は当業者によって容易に確認できる)。利便性に基づき、スペーサーを使用することが好ましい。ある実施形態において、非内因性GPCRに結合するGタンパク質が、GPCR融合タンパク質構築物の作製の前に同定されていることが好ましい。同定されているGタンパク質がわずかなので、Gタンパク質の配列を含む構築物(すなわち、ユニバーサルGタンパク質構築物、以下の実施例4(a)を参照のこと)がその中のGPCR配列の挿入のために利用可能であることが好ましい;これは、異なる配列を有する種々の異なるGPCRの大スケールスクリーニングの状況においてさらなる効率を提供する。
上記に述べたように、Gi、Gz、およびGoに結合する活性型GPCRは、これらの型のGPCRのチャレンジに基づき、cAMP作製アッセイの形成を阻害することが予想される[すなわち、cAMPシグナルは活性化の際に減少し、従って、例えば、アゴニスト(これはこのシグナルをさらに減少させる)チャレンジの直接的な同定を行う]。本明細書に開示されるように、これらの型の受容体については、実行可能なシクラーゼベースのアッセイを確立するための試みにおいて、GPCRの内因性Gタンパク質に基づかないGPCR融合タンパク質を作製することが可能であることが確認された。従って、例えば、内因性Gi結合受容体は、Gsタンパク質−このような融合構築物に融合可能であり、発現の際に、内因性GPCRを「駆動」または「強制」して、例えば、「天然の」Giタンパク質ではなくGsタンパク質と結合して、その結果、シクラーゼベースのアッセイを確立することができる。従って、Gi、Gz、およびGo結合受容体については、ある実施形態において、GPCR融合タンパク質が使用され、アッセイがアデニリルシクラーゼ活性の検出に基づく場合、融合構築物はGs(または酵素アデニリルシクラーゼの形成を刺激する等価なGタンパク質)を用いて確立されることが好ましい。
(表C)
Figure 2009538623
同等の効果があるものは、Gs、Gi、Gz、またはGoタンパク質と融合されたGqタンパク質を利用するGタンパク質融合構築物である。ある実施形態において、好ましい融合構築物は、Gタンパク質αサブユニット(「Gαq」)の最初の6個のアミノ酸が欠失しており、GαqのC末端の最後の5個のアミノ酸が、目的のGタンパク質のGαの対応するアミノ酸で置き換えられているGqタンパク質を用いて達成することができる。例えば、融合構築物は、Giタンパク質と融合したGq(6アミノ酸欠失)を有することができ、「Gq/Gi」融合構築物を生じる。この融合構築物は、二次メッセンジャー、例えば、イノシトール三リン酸またはジアシルグリセロールがcAMP産生の代わりに測定可能であるように、内因性Gi結合受容体をその非内因性Gタンパク質、Gqに結合させる。
4.シグナルエンハンサーGs結合GPCRとの標的Gi結合GPCRの同時トランスフェクション(cAMPベースアッセイ)
Gi結合受容体はアデニリルシクラーゼを阻害することが知られており、それゆえに、cAMP産生のレベルを減少し、これは、cAMPレベルの評価を困難にし得る。特定の実施形態において、活性化の際にGiを優勢に結合する受容体の活性化の表示として、cAMPの産生の減少を測定する際の有効な技術は、シグナルエンハンサー、例えば、活性化の際にGsと優勢に結合する、非内因性で構成的に活性化された受容体(例えば、TSHR−A623I;以下を参照のこと)を、Gi結合GPCRとともに同時トランスフェクトによって達成することができる。明白であるように、Gs結合受容体の活性化は、cAMPの産生の増加に基づいて決定することができる。Gi結合受容体の活性化は、cAMP産生の減少に導く。従って、同時トランスフェクションアプローチは、これらの「反対の」影響を有利に利用することが意図される。例えば、非内因性で構成的に活性化されたGs結合受容体(「シグナルエンハンサー」)の、発現ベクター単独との同時トランスフェクションは、ベースラインcAMPシグナルを提供する(すなわち、Gi結合受容体はcAMPレベルを減少させるが、この「減少」は、構成的に活性化されたGs共役シグナルエンハンサーによって確立されるcAMPレベルの実質的な増加と関連する)。「標的受容体」とのシグナルエンハンサーの同時トランスフェクションまでには、Gi共役標的受容体の逆アゴニストは測定されるcAMPレベルを増加させるのに対して、Gi共役標的受容体のアゴニストはこのシグナルを減少させる。
このアプローチを使用して直接的に同定される候補化合物は、これらが受容体を増強するシグナルを標的としないこと確実にするために独立して評価されるべきである(このことは、同時トランスフェクトされた受容体に対するスクリーニングの前またはその後で行うことができる)。
D.医薬品化学
候補化合物
当該分野で公知である任意の分子を、本明細書のGPCRの活性を調節(増加または減少)するその能力について試験することができる。活性を調節する化合物を同定するために、候補化合物は、受容体を発現する細胞に直接的に提供することができる。
本発明のこの実施形態は、受容体の量または活性を調節、例えば、これを阻害、これに拮抗、またはこれを作用させる分子の化学ライブラリーをスクリーニングするために十分に適している。化学ライブラリーは、ペプチドライブラリー、ペプチド模倣物ライブラリー、化学合成ライブラリー、組換え、例えば、ファージディスプレイライブラリー、およびインビトロ翻訳に基づくライブラリー、他の非ペプチド合成有機ライブラリーなどであり得る。本発明のこの実施形態は、血漿および組織抽出物を含むがこれらに限定されない、内因性候補化合物を含有する生物学的材料をスクリーニングするため、ならびに生物学的活性を有することが知られている内因性化合物のライブラリーをスクリーニングするためにも十分に適している。
ある実施形態において、候補化合物の直接的同定は、コンビナトリアルケミストリー技術を介して生成される化合物とともに実施され、それによって、数千もの化合物が、このような分析のためにランダムに調製される。候補化合物は、化学ライブラリーのメンバーであり得る。これは、任意の便宜的な数の対象メンバー、例えば、10個から数百個、数千個、数百万個までの適切な化合物、例えば、ペプチド、ペプトイド、および他のオリゴマー性化合物(環状または直鎖状)、ならびに鋳型に基づく小分子、例えば、ベンゾジアゼピン、ヒダントイン、ビアリール、炭素環式化合物および多環式化合物(例えば、ナフタレン、フェノチアジン、アクリジン、ステロイドなど)、炭水化物およびアミノ酸誘導体、ジヒドロピリジン、ベンズヒドリル、ならびに複素環(例えば、トリジン、インドール、チアゾリジンなど)を含み得る。引用される数字および列挙される化合物の型は、例示であるが限定ではない。好ましい化学ライブラリーは、低分子量の化学化合物および潜在的な治療剤を含む。
例示的な化学ライブラリーは、いくつかの供給元から市販されている(ArQule,Tripos/PanLabs,ChemDesign,Pharmacopoeia)。ある場合において、これらの化学ライブラリーは、メンバー化合物が付着された基材上のライブラリーの各メンバーの同一性をコードするコンビナトリアルストラテジーを使用して生成され、従って、有効な調節因子である分子の直接的かつ即時的な同定を可能にする。従って、多くのコンビナトリアルアプローチにおいて、化合物のプレート上での位置が化合物の組成を特定する。また、1つの例において、単一のプレート位置は、目的の相互作用を含むウェルへの投与によってスクリーニング可能である1〜20種の化学物質を有し得る。従って、調節が検出されるならば、相互作用する対のますます小さなプールが調節活性のためにアッセイできる。このような方法によって、多くの候補化合物がスクリーニングできる。
使用のために適切な多くの多様なライブラリーは当該分野で公知であり、本発明に従って試験される化合物を提供するために使用できる。代替的には、ライブラリーは、標準的な方法を使用して構築できる。さらに、より一般的な、構造的に制約された、有機的な多様性(例えば、非ペプチド)ライブラリーもまた使用できる。例として、ベンゾジアゼピンライブラリー(例えば、Buninら、1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:4708−4712を参照のこと)が使用されてもよい。
本発明の別の実施形態において、コンビナトリアルケミストリーは、本発明のGPCRの調節因子を同定するために使用できる。コンビナトリアルケミストリーは、その多くが構造的に類似している可能性がある数百万もの化合物を含むライブラリーを作製することが可能である。高スループットスクリーニングプログラムは、既知の標的についての親和性のためにこれらの膨大なライブラリーをスクリーニングすることが可能であるが、より小さな寸法のライブラリーを達成するが最大の化学的多様性を提供する新たなアプローチが開発されてきた(例えば、Matter、1997,Journal of Medicinal Chemistry 40:1219−1229を参照のこと)。
コンビナトリアルケミストリーの1つの方法である、親和性フィンガープリンティングは、タンパク質の規定されたパネルの結合親和性について、小分子の個別のライブラリーを試験するために以前に使用されてきた。スクリーニングによって得られるフィンガープリントは、他のタンパク質または目的の受容体(本発明においては、本発明の受容体)についての対象のライブラリーメンバーの親和性を予測するために使用される。このフィンガープリントは、ライブラリー化合物が同様に反応し得るか否かを予測するために、目的のタンパク質と反応することが知られている他の化合物から得られたフィンガープリントと比較される。例えば、複合体またはタンパク質成分との相互作用について、大きなライブラリー中のすべてのリガンドを試験するよりはむしろ、その活性を有することが知られている他の化合物と類似のフィンガープリントを有するリガンドのみを試験することができる(例えば、Kauvarら、1995,Chemistry and Biology 2:107−118;Kauvar、1995,Affinity fingerprinting,Pharmaceutical Manufacturing International.8:25−28;およびKauvar、Toxic−Chemical Detection by Pattern Recognition in New Frontiers in Agrochemical Immunoassay,D.Kurtz.L.StankerおよびJ.H.Skerritt.編,1995,AOAC:Washington,D.C.,305−312を参照のこと)。
ある実施形態において、候補化合物はポリペプチドである。ある好ましい実施形態において、候補化合物は小分子である。ある実施形態において、候補化合物は抗体でもその抗原結合フラグメントでもない。
調節因子として同定された候補化合物
一般的に、このようなスクリーニングの結果は、独特なコア構造を有する化合物であり;その後、これらの候補化合物は、その医薬品特性をさらに増強するために、好ましいコア構造の周辺にさらなる化学修飾を受けてもよい。このような技術は当業者に公知であり、本特許文書中で詳細には扱わない。
特定の実施形態において、本発明の調節因子は経口で有効である。当業者に利用可能である多数のコンピュータによるアプローチが、薬物の経口的な生物学的利用能の予測のために開発されてきた[Oomsら、Biochim Biophys Acta(2002)1587:118−25;ClarkおよびGrootenhuis、Curr OpinDrug Discov Devel(2002)5:382−90;Chengら、J Comput Chem(2002)23:172−83;NorinderおよびHaeberlein,Adv Drug Deliv Rev(2002)54:291−313;Matterら、Comb Chem High Throughput Screen(2001)4:453−75;PodlogarおよびMuegge、Curr Top Med Chem(2001)1:257−75;これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される)。さらに、ポジトロン放出断層撮影(PET)が、非ヒト霊長類およびヒトの身体を含む、薬物の経口投与後の哺乳動物の身体の中で、経口生物学的利用能の評価を含む、薬物分布の直接的測定を得るために多くのグループによって首尾よく使用されてきた[Nodaら、J Nucl Med(2003)44:105−8;Gulyasら、Eur J Nucl Med MoI Imaging(2002)29:1031−8;Kanervaら、Psychopharmacology(1999)145:76−81;これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される]。ある実施形態において、本発明の調節因子は経口で有効である。
特定の実施形態において、経口で有効である本発明の調節因子は、血液脳関門を通過することが可能である。当業者に利用可能である多数のコンピュータによるアプローチが、血液脳関門の浸透の予測のために開発されてきた[Oomsら、Biochim Biophys Acta(2002)1587:118−25;ClarkおよびGrootenhuis、Curr OpinDrug Discov Devel(2002)5:382−90;Chengら、J Comput Chem(2002)23:172−83;NorinderおよびHaeberlein、Adv Drug Deliv
Rev(2002)54:291−313;Matterら、Comb Chem High Throughput Screen(2001)4:453−75;PodlogarおよびMuegge、Curr Top Med Chem(2001)1:257−75;これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される)。多数のインビトロ方法が、薬物の血液脳関門の浸透性を予測するために開発されてきた[Lohmannら、J Drug Target(2002)10:263−76;Hansenら、J Pharm Biomed Anal(2002)27:945−58;Otisら、J Pharmocol Toxicol Methods(2001)45:71−7;Dehouckら、J Neurochem(1990)54:1798−801;これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される]。さらに、多数のストラテジーが、血液脳関門を通過する薬物送達を増強するために開発されてきた[Scherrmann、Vascul Pharmacol(2002)38:349−54;Pardridge、Arch Neurol(2002)59:35−40;Pardridge、Neuron(2002)36:555−8;これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される]。最後に、ポジトロン放出断層撮影(PET)が、非ヒト霊長類およびヒトの身体を含む、哺乳動物の身体の中で、脳内でのそれを含む薬物分布の直接的測定を得るために多くのグループによって首尾よく使用されてきた。[Nodaら、J Nucl Med(2003)44:105−8;Gulyasら、Eur J Nucl Med Mol Imaging(2002)29:1031−8;Kanervaら、Psychopharmacology(1999)145:76−81;これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される]。
ある実施形態において、上記調節因子はGPR101に対して選択的であり、ここで、GPR101に対して選択的である調節因子は、1種以上の密接に関連する受容体、例えば、GPR161(GenBank(登録商標)登録番号CAI22624)を超えて、GPR101に対する選択性を有する調節因子をいうことが理解される。特定の実施形態において、GPR101選択性調節因子は、GPR161よりも、GPR101に対して少なくとも約10倍、少なくとも約100倍または少なくとも約1000倍の選択性を有するGPR101選択性アゴニストまたは部分アゴニストである。特定の実施形態において、GPR101選択性調節因子は、GPR161よりも、GPR101に対して少なくとも約10倍、少なくとも約100倍または少なくとも約1000倍の選択性を有するGPR5選択性逆アゴニストまたはアンタゴニストである。ある好ましい実施形態において、GPR101はヒトGPR101である。
ある実施形態において、調節因子は、ヒト、マウス、またはラットのGPR101、好ましくはヒトGPR101に対して、約10μM未満、約1μM未満、約100nM未満、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。ある実施形態において、調節因子は、約10nMから10μMまでの間隔から選択される値未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。ある実施形態において、調節因子は、約10nMから1μMまでの間隔から選択される値未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。ある実施形態において、調節因子は、約10nMから100nMまでの間隔から選択される値未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、トランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるGTPγS結合アッセイで、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞において行われる色素分散アッセイで、トランスフェクトされたCHO細胞においてもしくはトランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるcAMPアッセイで、またはトランスフェクトされた293細胞において行われるcAMPアッセイで、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである(この場合、該トランスフェクトされたCHO細胞、または該トランスフェクトされたメラニン保有細胞、または該トランスフェクトされた293細胞は、配列番号2、配列番号4および配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有する組換えGPR101受容体を発現する)。一部の実施形態において、前記組換えGPR101受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから10μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから1μMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから100nMの間隔から選択される値より小さいEC50を有するアゴニストまたは部分アゴニストである。
一部の実施形態において、前記調節因子は、ヒト、マウスまたはラットGPR101に対して、好ましくはヒトGPR101に対して、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、約10nMから10μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから1μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、10nMから100nMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、トランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるGTPγSアッセイで、またはトランスフェクトされたメラニン保有細胞において行われる色素分散アッセイで、トランスフェクトされたCHO細胞においてもしくはトランスフェクトされたCHO細胞からの膜を用いて行われるcAMPアッセイで、またはトランスフェクトされた293細胞において行われるcAMPアッセイで、約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである(この場合、該トランスフェクトされたCHO細胞、または該トランスフェクトされたメラニン保有細胞、または該トランスフェクトされた293細胞は、配列番号2、配列番号4および配列番号6から選択されるアミノ酸配列を有する組換えGPR101受容体を発現する)。一部の実施形態において、前記組換えGPR101受容体は、配列番号2のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10μM未満の、約1μM未満の、約100nM未満の、または約10nM未満のIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約10μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約1μMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、前記アッセイにおいて約10nMから約100nMの間隔から選択される値より小さいIC50を有する逆アゴニストまたはアンタゴニストである。
E.医薬組成物
本発明は、治療(および予防)(および調節、例えば増加または減少)方法を提供するものであり、この方法は、前記治療(または予防)(または調節)が必要な被験者に本発明の化合物(例えば、調節因子またはリガンド)の治療有効量を投与することによる(例えば、2002年8月29日に国際公開第02/066505号として公開されたされたPCT出願番号PCT/IB02/01461も参照のこと;この開示は、その全体が本明細書に参照として取り入れられている)。1つの態様において、前記調節因子またはリガンドは、小分子である。1つの態様において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチド、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または脂質でないことを条件とする。1つの態様において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子がポリペプチドでないことを条件とする。1つの態様において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子が抗体またはその抗原結合フラグメントでないことを条件とする。1つの態様において、前記調節因子は、小分子であるが、但し、その小分子が脂質でないことを条件とする。1つの態様において、前記調節因子は、本発明のGPCRのアゴニストまたは部分アゴニストである。1つの態様において、前記調節因子は、脊椎動物GPR101受容体のアゴニストまたは部分アゴニストである。1つの態様において、前記調節因子は、哺乳動物GPR101受容体のアゴニストまたは部分アゴニストである。1つの態様において、前記調節因子は、ヒトGPR101受容体のアゴニストまたは部分アゴニストである。1つの態様において、前記調節因子は、アゴニストである。1つの態様において、前記調節因子は、部分アゴニストである。1つの態様において、前記調節因子は、本発明のGPCRの逆アゴニストまたはアンタゴニストである。1つの態様において、前記調節因子は、脊椎動物GPR101受容体の逆アゴニストまたはアンタゴニストである。1つの態様において、前記調節因子は、哺乳動物GPR101受容体の逆アゴニストまたはアンタゴニストである。1つの態様において、前記調節因子は、ヒトGPR101受容体の逆アゴニストまたはアンタゴニストである。1つの態様において、前記調節因子は、逆アゴニストである。1つの態様において前記調節因子は、アンタゴニストである。1つの態様において、前記調節因子またはリガンドは、実質的に精製されている。1つの態様において、前記被験者は、脊椎動物である。1つの態様において、前記被験者は、哺乳動物である。1つの態様において、前記被験者は、ヒトである。
本発明の調節因子およびリガンドは、単独で、または当業者周知の技術を用いてそれらが適する担体もしくは賦形剤(単数もしくは複数)と混合されている医薬組成物で、非ヒト脊椎動物(例えば、非ヒト哺乳動物)(下の実施例を参照のこと)および/またはヒトに投与することができる。適切な医薬的に許容される担体を当業者は利用することがでる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th Edition,1980,Mack Publishing Co.,(Osloら、eds.)を参照のこと。
その後、その医薬組成物を治療有効用量で提供する。治療有効用量は、例証として、および限定としてではなく、本明細書に記載する方法によって決定されるような疾患の症状または生理状態の予防または改善をもたらすために十分な調節因子またはリガンドの量を指し、この場合の疾患の症状または生理状態の予防または改善としては、POMC由来生物活性ペプチド関連疾患の治療または予防、肥満またはそれに関連した状態の治療または予防、満腹の促進、過食症の治療または予防、発熱の治療または予防、炎症関連障害の治療または予防、被験者における体重の減少、被験者における脂肪蓄積の減少、体脂肪率の減少、食事摂取量の減少、および悪液質の治療または予防が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の調節因子は、単独で提供することができ、または他の医薬的にもしくは生理的に許容される化合物との組み合わせで提供することができると明白に考えられる。POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを増加させることによって改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患、肥満およびそれに関連した状態、過食症、発熱、脳炎症関連障害ならびに悪液質をはじめとする(しかし、これらに限定されない)本発明の疾患を治療するための他の化合物は、現在、当該技術分野において周知である。一定の実施形態において、前記分泌レベルは、視床下部分泌レベルである。
本発明の化合物は、単独の活性医薬品として投与できる(すなわち、単独療法)のに対して、本発明の化合物は、本明細書に記載される疾患/状態/障害の治療のための他の医薬品と組み合わせて使用することもできる(すなわち、組み合わせ治療)。それゆえに、本発明の別の態様は、本明細書に記載されるような1種以上のさらなる医薬品と組み合わせて、脊椎動物(例えば、哺乳動物、ヒト)GPR101受容体のアゴニストまたは部分アゴニスト(これらに限定されない)のような本発明の化合物(例えば、調節因子、リガンド)の治療有効量を、治療の必要がある被験体に投与する工程を包含する治療の方法を含む。他の医薬品との本発明の化合物の組み合わせ治療の範囲は、本明細書中、上記または下記に列挙したものに限定されないことが理解されるが、しかし、被験体における本発明の疾患、状態、または障害の治療のために有用である任意の医薬品または薬学的組成物との任意の組み合わせを原理的には含む。
本発明の1つの態様において、他の薬学的または生理学的に受容可能な化合物は、以下のような抗肥満剤である:アポリポタンパク質−β分泌/ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(apo−B/MTP)阻害剤、MCR−4アンタゴニスト、コレシストキニン(cholescystokinin)−A(CCK−A)アゴニスト、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(例えば、シブトラミン)、交感神経様作動薬、β3アドレナリン作動性受容体アゴニスト、ドーパミンアゴニスト(例えば、ブロモクリプチン)、メラニン細胞刺激ホルモン受容体アナログ、カンナビノイド1受容体アンタゴニスト[例えば、SR141716;N−(ピペリジン−1−イル)−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド]、メラニン凝集ホルモンアンタゴニスト、レプトン(OBタンパク質)、レプチンアナログ、レプチン受容体アゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、リパーゼ阻害剤(テトラヒドロリプスタチン、すなわち、オーリスタット(Orlistat)など)、食欲抑制剤(ボンベシンアゴニストなど)、ニューロペプチド−Yアンタゴニスト、甲状腺ホルモン様剤、ジヒドロエピアンドロステロンまたはそのアナログ、糖質コルチコイド受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、オレキシン受容体アンタゴニスト、ウロコルチン結合タンパク質アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1受容体アゴニスト、毛様体神経栄養因子(Regeneron Pharmaceuticals,Inc.,Tarrytown,NYおよびProcter & Gamble Company,Cincinnati,OHから利用可能であるAxokine(商標)など)、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)アンタゴニスト、選択的5−HT2Cセロトニン受容体アゴニスト(例えば、塩酸ロルカセリン)、グレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニストまたは逆アゴニスト、ニューロメディンU受容体アゴニスト、ノルアドレナリン作動性食欲減退剤(例えば、フェンテルミン、マジンドールなど)、および食欲抑制剤(例えば、ブプロピオン)。ある実施形態において、抗肥満剤は、オーリスタット、シブトラミン、ブロモクリプチン、エフェドリン、レプチン、プソイドエフェドリンおよび選択的5−HT2Cセロトニン受容体アゴニスト(例えば、塩酸ロルカセリン)からなる群より選択される。
本発明の1つの態様において、前記他の医薬的にもしくは生理的に許容される化合物は、抗炎症剤、例えば、非ステロイド系抗炎症薬(例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ)、アミノサリチレート(例えば、スルファサラジン、メサラミン、アゾジサリチレート、バラサラジド)、ヒドロキシクロロキン、金チオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム、オーラノフィン、ペニシリン、レフルノミド、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、ブデソニド、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン)、免疫抑制剤(例えば、アザチオプリン、シクロスポリン、メトトレキサート、6−メルカプトプリン)および生物学的薬剤(例えば、エタネルセプト、インフリキシマブ、アジポネクチン、またはそれらの経口活性類似体)である。
本発明の1つの態様において、前記他の医薬的にもしくは生理的に許容される化合物は、解熱剤(anti−pyrexia agent)、例えば、アセトアミノフェンおよびイブプロフェンである。
本発明の態様に従って、本発明の化合物は、本明細書に引用される医薬品、または1種以上のクラスの薬物に属する薬剤と組み合わせて使用することができる。
投与の経路
投与の適切な経路には、当該分野で公知である方法を使用する、経口、鼻、直腸、経粘膜、経皮、または腸の投与、筋肉内、皮下、髄内注射を含む非経口送達、ならびに、くも膜下腔内、直接的脳室内、静脈内、腹腔内、鼻内、肺内(吸入)、または眼球内の注射が含まれる。他の特に好ましい投与の経路は、エアロゾルおよびデポー製剤である。持続放出製剤、特に、本発明の医薬のデポーは明確に意図される。特定の実施形態において、投与の経路は経口である。
組成物/製剤
本発明に従う使用のための薬学的または生理学的に受容可能な組成物および医薬は、賦形剤および助剤を含む、1種以上の薬学的または生理学的に受容可能なキャリアを使用する従来的な様式で製剤化されてもよい。本発明の化合物(例えば、調節因子、リガンド)は、当該分野で周知の技術を使用して薬学的に受容可能な組成物に製剤化することができる。適切な製剤は、選択される投与の経路に依存する。
本明細書に記載される特定の医薬には、薬学的または生理学的に受容可能なキャリアおよび少なくとも1種の本発明の調節因子が含まれる。注射のためには、本発明の薬剤は、水溶液中で、好ましくは、Hanks液、Ringer液、または生理食塩水緩衝液、例えば、リン酸もしくは重炭酸緩衝液などの生理学的に適合可能な緩衝液中で製剤化されてもよい。経粘膜投与のためには、障壁に透過されるために適切な浸透剤が製剤中で使用される。このような浸透剤は、一般的に当該分野で公知である。
経口的に摂取することができる薬学的にまたは生理学的に受容可能な調製物には、ゼラチン製の押し込み型カプセル、ならびにゼラチン製のソフト密封カプセル、およびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤が含まれる。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および選択的に、安定剤と混合した活性成分を含み得る。ソフトカプセル中では、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体中に溶解または懸濁されてもよい。加えて、安定剤が加えられてもよい。経口投与のためのすべての製剤は、このような投与のために適切な投薬量であるべきである。口腔投与のためには、組成物は、従来的な様式で製剤化した錠剤またはロゼンジの型で摂取されてもよい。
吸入による投与のためには、本発明に従う使用のための化合物は、噴霧器のための加圧パックからのエアロゾルスプレー提示の型で首尾よく送達され、適切な気体噴霧剤、例えば、二酸化炭素の使用を伴う。加圧エアロゾルの場合においては、投薬量単位は、定量した量を送達するためのバルブを提供することによって決定されてもよい。化合物の粉末混合物および適切な粉末基剤、例えば、ラクトースまたはデンプンを含む、吸入剤または吸入器における使用のための、例えば、ゼラチンのカプセルおよびカートリッジが製剤化されてもよい。
化合物は、注射によって、例えば、ボーラス注射または連続的注入によって、非経口投与のために製剤化されてもよい。注射のための製剤は、単位投薬量で、例えば、アンプルまたは複数用量容器中で、保存剤の添加を伴って、提示されてもよい。組成物は、水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルジョンのような型を取り得、懸濁剤、安定剤、および/または分散剤のような処方剤を含んでもよい。
非経口投与のための薬学的または生理学的に受容可能である製剤には、水溶型の活性化合物の水溶液が含まれる。水性懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、懸濁液の粘性を増加させる物質を含んでもよい。任意選択で、懸濁液は、適切な安定剤、または、高度に濃縮された溶液の調製を可能にするために化合物の溶解度を増加する薬剤もまた含んでもよい。
代替的には、活性成分は、使用前に、滅菌した、ピロゲンを含まない水などの適切なビヒクルとの構成のための粉末型または凍結乾燥型であってもよい。
以前に記載された製剤に加えて、化合物は、デポー調製物としても製剤化され得る。このような長時間作用する製剤は、移植によって(例えば、皮下または筋肉内に)、または筋肉内注射によって投与されてもよい。従って、例えば、化合物は、適切なポリマー性もしくは疎水性材料(例えば、受容可能な油中のエマルジョンとして)もしくはイオン交換樹脂とともに、または溶けにくい誘導体として、例えば、溶けにくい塩として製剤化されてもよい。
特定の実施形態において、化合物は、制御放出系を経由して送達できる。1つの実施形態において、ポンプが使用されてもよい(Langer、前出;Sefton、1987,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201−240;Buchwaldら、1980,Surgery 88:507−516;Saudekら、1989,N.Engl.J.Med.321:574−579)。別の実施形態において、ポリマー材料が使用できる(Medical Applications of Controlled Release,LangerおよびWise編,CRC Press,Boca Raton,Florida,1974;Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance,SmolenおよびBall編,Wiley,New York,1984;RangerおよびPeppas、1983,Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61;Levyら、1985,Science 228:190−192;Duringら、1989,Ann.Neurol.25:351−356;Howardら、1989,J.Neurosurg.71:858−863)。他の制御放出系は、Langer(1990,Science 249:1527−1533)による概説において議論されている。
加えて、化合物は、治療剤を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスなどの持続放出系を使用して送達されてもよい。種々の持続放出材料が確立されており、当業者に周知である。持続放出カプセルは、それらの化学的性質に依存して、数週間から100日を超えるまでの期間、化合物を放出する可能性がある。
治療試薬の化学的性質および生物学的安定性に依存して、調節因子安定化のためのさらなるストラテジーが利用されてもよい。
薬学的または生理学的に受容可能な組成物は、適切な固相またはゲル相のキャリアまたは賦形剤もまた含んでもよい。このようなキャリアまたは賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれるがこれらに限定されない。
有効投薬量
本発明における使用のために適切な薬学的または生理学的に受容可能な組成物には、活性成分がそれらの意図される目的を達成するための有効量で含まれる組成物が含まれる。より具体的には、治療有効量は、治療される被験体の徴候の発生を予防するため、または既存の徴候を改善するために有効な量を意味する。有効量の決定は、とりわけ、本明細書に提供される詳細な開示に鑑みて、十分に当業者の能力内にある。
本発明の方法において使用される任意の化合物について、治療有効量は、最初に細胞培養アッセイから見積もることができる。例えば、用量は、インビトロアッセイにおいて、GPR101を含む細胞中のcAMPの細胞内レベルを増加することが示された濃度の点または範囲を含むかまたは網羅する循環濃度範囲を達成するために、動物モデルの中で処方することができる。このような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用することができる。
治療有効量とは、患者における徴候の改善を生じる化合物の量をいう。このような化合物の毒性および治療効力は、例えば、LD50(試験集団の50%に対して致死的である用量)およびED50(試験集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するために、細胞培養または実験用動物において、標準的な薬学的手順によって決定することができる。毒性効果と治療効果の間の用量比が治療指数であり、LD50とED50の間の比として表現することができる。高い治療指数を示す化合物が好ましい。
これらの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のための投薬量の範囲を処方する際に使用することができる。このような化合物の投薬量は、好ましくは、毒性をほとんど伴わないか、または全く伴わないED50を含む循環濃度の範囲内にある。この投薬量は、利用される剤形および利用される投与の経路に依存して、この範囲内で変動し得る。正確な処方、投与の経路、および投薬量は、患者の状態を考慮して、担当医が選択することができる(例えば、Finglら、1975,「The Pharmacological Basis of Therapeutics」所収、第1章を参照のこと)。
投薬量および投薬間隔は、患者の状態に依存して、本発明の障害を予防または治療するために十分である活性化合物の血漿レベルを提供するために、従属的に調整されてもよい。これらの効果を達成するために必要な投薬量は、対象の特性および投与の経路に依存する。
投薬間隔もまた、最小有効濃度の値を使用して決定することができる。化合物は、そのときの10〜90%、好ましくは、30〜99%の間、および最も好ましくは50〜90%について、最小有効濃度より上の血漿レベルを維持するレジメンを使用して投与されるべきである。局所的投与または選択的取り込みの場合において、薬物の有効局所的濃度は、血漿濃度とは関連しなくてもよい。
当然、投与される組成物の量は、治療される被験体、被験体の体重、苦痛の重篤度、投与の様式、および処方する担当医の判断に依存している。
所望の結果を達成するために、毎日または規則的な基準で投与可能である本発明の調節因子の量についての好ましい投薬量範囲は、0.1〜100mg/kg体重である。他の好ましい投薬量範囲は、0.1〜30mg/kg体重である。他の好ましい投薬量範囲は、0.1〜10mg/kg体重である。他の好ましい投薬量範囲は、0.1〜3.0mg/kg体重である。当然、これらの毎日の投薬量は、一日の経過の間に定期的に、少量で送達または投与することができる。これらの投薬量範囲は、好ましい範囲であるのみであって、本発明に対する限定であることは意味しないことが注目される。上記所望の結果には、被験体の視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の分泌の増大、被験体の満腹の促進、被験体の体重の減少、被験体の脂肪蓄積の減少、被験体の体脂肪率の減少、被験体の食物摂取の減少、肥満またはそれに関連する状態の予防または治療、過食症の予防または治療、発熱の予防または治療、および炎症関連障害の予防または治療が含まれるがこれらに限定されない。
F.治療方法
本発明は、とりわけ、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を増加させる方法をはじめとする(しかし、これらに限定されない)方法を特徴とする。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを増加させることにより改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患の治療または予防方法も特徴とする。POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを増加させることによって改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患は、肥満またはそれに関連した状態、過食症、発熱および炎症関連障害を含む(しかし、これらに限定されない)と解釈するものとする。一定の実施形態において、前記分泌レベルは、視床下部分泌レベルである。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、肥満またはそれに関連した状態の治療または予防方法も特徴とする。ある実施形態において、肥満に関連する状態は以下からなる群より選択される:高血圧、うっ血性心筋症、静脈瘤、肺塞栓症、冠性心疾患、脳卒中、特発性頭蓋内高血圧症、知覚異常性大腿神経痛、呼吸困難、閉塞性睡眠時無呼吸、低換気症候群、ピックウィック症候群、喘息、不動、変形性関節症、腰痛、線条萎縮すなわち「伸展裂創」、脚の静脈うっ滞、リンパ浮腫、蜂巣炎、間擦疹、癰、黒色表皮症、軟性線維腫、胃食道逆流障害、非アルコール性脂肪肝/脂肪性肝炎、胆石症、ヘルニア、結腸癌、緊張性尿失禁、肥満関連糸球体症、乳癌および子宮癌、うつ病および低い自己評価、損なわれた生活の質、メタボリック症候群、インスリン抵抗性、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、女性の高アンドロゲン血症、多嚢胞性卵巣症候群、月経困難症、不妊症、妊娠合併症、および男性の性腺機能低下症。特定の実施形態において、肥満に関連する状態は、高血圧、インスリン抵抗性、メタボリック症候群、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、冠性心疾患、および脳卒中からなる群より選択される。肥満に関連した個々の状態それぞれは、本発明の範囲内の独立した実施形態であると明白に考えられる。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、満腹を促進する方法も特徴とする。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、過食症を治療または予防する方法も特徴とする。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、発熱を治療または予防する方法も特徴とする。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、炎症関連障害を治療または予防する方法も特徴とする。一定の態様において、前記炎症関連障害は、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)、炎症性関節炎(例えば、関節リウマチおよび乾癬性関節炎)、乾癬、喘息、慢性閉塞性肺疾患、敗血症性ショック、虚血/再潅流傷害、播種性血管内凝固、アテローム性硬化症、骨粗しょう症、再狭窄、全身性エリテマトーデス、急性移植拒絶反応、心筋梗塞、膵炎、肝炎、静脈血栓症、多発性損傷、うっ血性心不全、末梢神経損傷、および脳炎症関連障害からなる群より選択される。一部の実施形態において、前記炎症関連障害は、炎症性腸疾患、炎症性関節炎、敗血症ショック、虚血/再潅流傷害、アテローム性硬化症、骨粗しょう症、再狭窄、心筋梗塞、うっ血性心不全、および脳炎症関連障害からなる群より選択される。個々の炎症関連障害それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。一部の実施形態において、前記脳炎症関連障害は、脳の傷害または外傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、プリオン関連疾患、脳虚血、AIDSによる認知症およびアルツハイマー病からなる群より選択される。個々の脳炎症関連障害それぞれは本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、体重を減少させる方法も特徴とする。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、脂肪蓄積を減少させる方法も特徴とする。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、体脂肪率を減少させる方法も特徴とする。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、食事摂取量を減少させる方法も特徴とする。一定の実施形態において、前記調節因子は、アゴニストまたは部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、部分アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、経口活性である。一部の実施形態において、前記経口活性調節因子は、さらに、血液脳関門を横断することができる。一部の実施形態において、前記調節因子は、医薬組成物で被験者に投与される。一部の実施形態において、前記調節因子は、医薬組成物で被験者に提供される。一部の実施形態において、前記調節因子は、経口摂取される医薬組成物で被験者に提供される。一部の実施形態において、前記脊椎動物は、哺乳動物である。一定の実施形態において、前記哺乳動物は、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、またはヒトである。一部の実施形態において、前記被験者は、非ヒト哺乳動物である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、ヒトである。
本発明は、とりわけ、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を減少させる方法をはじめとする(しかし、これらに限定されない)方法を特徴とする。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを減少させることにより改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患の治療または予防方法も特徴とする。POMC由来生物活性ペプチドの分泌レベルを減少させることにより改善されるPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患は、悪液質を含む(しかし、これに限定されない)と解釈するものとする。一定の実施形態において、前記分泌レベルは、視床下部分泌レベルである。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、悪液質を治療または予防する方法も特徴とする。一部の実施形態において、前記悪液質は、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少からなる群より選択される。AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少は、本発明の範囲内の独立した実施形態であると、明白に考えられる。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、体重を増加させる方法も特徴とする。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、脂肪蓄積を増加させる方法も特徴とする。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、体脂肪率を増加させる方法も特徴とする。本発明は、脊椎動物GPR101受容体の調節因子のまたは該調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量をその必要がある脊椎動物に投与することを含む、食事摂取量を増加させる方法も特徴とする。一定の実施形態において、前記調節因子は、逆アゴニストまたはアンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、逆アゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、アンタゴニストである。一部の実施形態において、前記調節因子は、経口活性である。一部の実施形態において、前記経口活性調節因子は、さらに、血液脳関門を横断することができる。一部の実施形態において、前記調節因子は、医薬組成物で被験者に投与される。一部の実施形態において、前記調節因子は、医薬組成物で被験者に提供される。一部の実施形態において、前記調節因子は、経口摂取される医薬組成物で被験者に提供される。一部の実施形態において、前記脊椎動物は、哺乳動物である。一定の実施形態において、前記哺乳動物は、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、またはヒトである。一部の実施形態において、前記被験者は、非ヒト哺乳動物である。一定の実施形態において、前記脊椎動物は、ヒトである。
G.他の有用性
哺乳動物GPR101などの本発明のGPCRの受容体機能を調節する(すなわち、阻害または刺激する)薬剤は、GPCRと候補化合物を接触させる工程、および受容体機能に対する候補化合物の効果を決定することによって同定されてもよい。ヒトGPR101などの哺乳動物のGPR101の機能を調節する化合物の選択性は、1種以上の他のGタンパク質結合受容体に対するその効果に対して、GPR101に対するその効果を比較することによって評価することができる。特定の実施形態において、GPR101調節因子は、GPR161受容体よりも、GPR101に対して少なくとも約10倍、少なくとも約100倍、または少なくとも約1000倍の選択性を有する、選択的GPR101調節因子(例えば、アゴニストまたは部分アゴニストだが、これらに限定されない)である。GPR101の機能を調節する化合物の同定後、このような候補化合物は、それらの活性を確認または定量するために、インビボモデルを含むがこれに限定されない他のアッセイにおいてさらに試験されてもよい。GPR101機能の調節因子は、例えば、正常なまたは異常なGPR101の機能が含まれる疾患および生理学的状態の治療において、治療的に有用である。
哺乳動物GPR101などの哺乳動物のGPCRのリガンドである薬剤は、GPCRと候補化合物を接触させる工程、および候補化合物が受容体に結合するか否かを決定することによって同定されてもよい。ヒトGPR101などの哺乳動物GPR101に結合する化合物の選択性は、1種以上の他のGタンパク質結合受容体に対するその結合に対して、GPR101に対するその結合を比較することによって評価することができる。一部の実施形態において、GPR101リガンドは、GPR161受容体よりも、GPR101に対して少なくとも約10倍、少なくとも約100倍、または少なくとも約1000倍の選択性を有する、選択的GPR101リガンドである。GPR101受容体機能の調節因子であるリガンドは、正常なまたは異常なGPR101の機能が含まれる疾患および生理学的状態の治療において、治療的に有用である。
本発明は、哺乳動物GPR101などの本発明のGPCRの調節因子またはリガンドとして同定された本発明の化合物の放射性同位体標識バージョンにも関し、これらは、放射線イメージングにおいて有用であろうし、ヒトをはじめとする組織サンプル中のGPR101を局在定位および定量するための、ならびにGPR101の公知リガンドなどの放射性同位体標識化合物の結合の阻害に関する方法においてまたは直接結合する方法においてGPR101リガンドを同定するための、インビトロおよびインビボ、両方でのアッセイにおいても有用であろう。本発明のさらなる目的は、そうした放射性同位体標識化合物を含む本発明のGPCR、例えば、哺乳動物GPR101、例えばヒトGPR101に関する新規アッセイを開発することである。例証として、および限定としてではなく、放射線イメージングによって可視化される正常範囲より下の低減された脳GPR101によって、肥満もしくはそれに関連した状態の危険がある、または炎症関連障害の危険がある被験者が特定される。一部の実施形態において、前記脳GPR101は、視床下部GPR101である。一部の実施形態において、前記脳GPR101は、視床下部弓状核GPR101である。一部の実施形態において、前記被験者は、ヒトである。
本発明は、放射線イメージング法にも関し、この方法は、該放射線イメージングが必要な哺乳動物に、哺乳動物GPR101受容体の調節因子またはリガンドである放射性標識化合物を投与することを含む。1つの態様において、前記哺乳動物GPR101受容体のリガンドは、その哺乳動物GPR101受容体の調節因子ではない。一部の実施形態において、前記哺乳動物は、ヒトである。一部の実施形態において、前記放射線イメージング法は、その哺乳動物が、肥満もしくはそれに関連した状態の危険があるかどうか、または肥満もしくはそれに関連した状態に進行しているかどうかを特定するための方法であり、この場合、その哺乳動物における正常範囲より下の脳GPR101レベルは、その哺乳動物に肥満もしくはそれに関連した状態の危険があることまたは肥満もしくはそれに関連した状態に進行していることの指標となる。一部の実施形態において、前記放射線イメージング法は、哺乳動物GPR101のアゴニストもしくは部分アゴニストでまたは該アゴニストもしくは部分アゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物で肥満またはそれに関連した状態を予防または治療する哺乳動物を特定するための方法であり、この場合、哺乳動物における正常範囲より下の脳GPR101レベルによって、哺乳動物GPR101のアゴニストもしくは部分アゴニストでまたは該アゴニストもしくは部分アゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物で肥満またはそれに関連した状態を予防または治療する哺乳動物が特定される。一部の実施形態において、前記放射線イメージング法は、その哺乳動物が、炎症関連障害の危険があるかどうか、または炎症性関連疾患に進行しているかどうかを特定するための方法であり、この場合、その哺乳動物における正常範囲より下の脳GPR101レベルは、その哺乳動物に炎症関連障害の危険があることまたは炎症関連障害に進行していることの指標となる。一部の実施形態において、前記放射線イメージング法は、哺乳動物GPR101のアゴニストもしくは部分アゴニストでまたは該アゴニストもしくは部分アゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物で炎症関連障害を予防または治療する哺乳動物を特定するための方法であり、この場合、哺乳動物における正常範囲より下の脳GPR101レベルによって、哺乳動物GPR101のアゴニストもしくは部分アゴニストでまたは該アゴニストもしくは部分アゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物で炎症関連障害を予防または治療する哺乳動物が特定される。一部の実施形態において、前記脳GPR101は、視床下部GPR101である。一部の実施形態において、前記脳GPR101は、視床下部弓状核GPR101である。放射線イメージング技術は、当業者に周知である(例えば、Campbell,Q J Nucl Med(1997)41:163−9を参照のこと)。
本発明は、本発明のGPCR、例えば、哺乳動物GPR101、例えばヒトGPR101、の調節因子またはリガンドとして同定された本発明の化合物の放射性同位体標識バージョンを包含する。
本発明は、哺乳動物GPR101、例えば、ヒトGPR101などの本発明のGPCRに結合するリガンドを検出するために有用である試験化合物の放射性標識されたバージョンにも関する。ある実施形態において、本発明は、哺乳動物GPR101、例えば、ヒトGPR101などの本発明のGPCRに結合するリガンドを検出するために有用である上記放射性標識された試験化合物のライブラリーを明確に意図する。特定の実施形態において、上記ライブラリーは、少なくとも約10個、少なくとも約10個、少なくとも約10個、少なくとも約10個、または少なくとも約10個の上記放射性標識された試験化合物を含む。このような放射性同位元素標識された試験化合物を含む、哺乳動物GPR101、例えば、ヒトGPR101などの本発明のGPCRに関連する新規なアッセイを開発することは本発明のさらなる目的である。
ある実施形態において、化合物の放射性標識されたバージョンは、1つ以上の原子が、典型的には天然に見出される(すなわち、天然に存在する)原子量または質量数とは異なる原子量または質量数を有する原子によって置き換えまたは置換されているという事実を別にすれば、その化合物と同一である。本発明の化合物中に取り込まれ得る適切な放射性核種には、H(ジューテリウム)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I、および131Iが含まれるがこれらに限定されない。即時性の放射性標識化合物に取り込まれる放射性核種は、その放射性標識される化合物の特定の適用に依存する。例えば、インビトロGPR101受容体標識および競合アッセイのためには、H、14C、82Br、125I、131I、または35Sを取り込んでいる化合物が一般的に最も有用である。放射性イメージング適用のためには、11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Br、または77Brが一般的に最も有用である。ある実施形態において、放射性核種は、H、11C、18F、14C、125I、124I、131I、35S、および82Brからなる群より選択される。
放射性同位元素を有機化合物に取り込むための適切な方法は、本発明の化合物に適用可能であり、当該分野で周知である。これらの合成方法、例えば、活性レベルのトリチウムを標的分子に取り込むことは、以下の通りである:
A.トリチウムガスを用いる触媒還元−この手順は、通常、高比活性生成物を生じ、ハロゲン化または不飽和前駆体を必要とする。
B.水素化ホウ素ナトリウム[H]を用いる還元−この手順はやや高価であり、アルデヒド、ケトン、ラクトン、エステルなどのような還元可能な官能基を含む前駆体を必要とする。
C.水素化アルミニウムリチウム[H]を用いる還元−この手順は、ほぼ理論的な比活性で生成物を提供する。これもまた、アルデヒド、ケトン、ラクトン、エステルなどのような還元可能な官能基を含む前駆体を必要とする。
D.トリチウムガス曝露標識−この手順は、適切な触媒の存在下で、交換可能なプロトンを含む前駆体をトリチウムガスに曝露することを含む。
E.ヨウ化メチル[H]を使用するN−メチル化−この手順は、通常、高比活性ヨウ化メチル[H]で適切な前駆体を処理することによって、O−メチルまたはN−メチル(H)生成物を調製するために利用される。この方法は、一般的に、より高い比活性、例えば、約70〜90Ci/mmolなどを可能にする。
活性レベルの125Iを標的分子に取り込むための合成方法には以下が含まれる:
A.Sandmeyerおよび同様の反応−この手順は、アリールまたはヘテロアリールアミンを、ジアゾニウム塩、例えば、テトラフルオロホウ酸塩に転換し、続いて、Na125Iを使用して125I標識化合物に転換する。代表的な手順は、Zhu,D.−G.および共同研究者により、J.Org.Chem.2002,67,943−948において報告された。
B.フェノールのオルト125ヨウ素化−この手順は、Collier,T.L.および共同研究者によってJ.Labeled Compd Radiopharm.1999,42,S264−S266において報告されたように、フェノールのオルト位における125ヨウ素の取り込みを可能にする。
C.臭化アリールおよび臭化ヘテロアリールの125Iとの交換−この方法は、一般的に、2段階プロセスである。第1段階は、ハロゲン化トリアルキルスズまたはヘキサアルキル二スズ[例えば、(CHSnSn(CH]の存在下で、例えば、Pd触媒反応を使用して[すなわち、Pd(PhP)]、またはアリールまたはヘテロアリールリチウムを通しての、臭化アリールおよび臭化ヘテロアリールの、対応するトリアルキルスズ中間体への転換である。代表的な手順は、Bas,M.−D.および共同研究者によって、J.Labeled Compd Radiopharm.2001,44,S280−S282において報告された。
ある実施形態において、化合物の放射性標識されたバージョンは、放射性核種を含む1つ以上の置換基の付加を別にすれば、その化合物と同一である。さらなるある実施形態において、化合物はポリペプチドである。さらなるある実施形態において、化合物は、抗体またはその抗原結合フラグメントである。さらなるある実施形態において、上記抗体はモノクローナルである。適切な上記放射性核種には、H(ジューテリウム)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I、および131Iが含まれるがこれらに限定されない。即時性の放射性標識化合物に取り込まれる放射性核種は、その放射性標識される化合物の特定の適用に依存する。例えば、インビトロGPR101受容体標識および競合アッセイのためには、H、14C、82Br、125I、131I、または35Sを取り込んでいる化合物が一般的に最も有用である。放射性イメージング適用のためには、11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Br、または77Brが一般的に最も有用である。ある実施形態において、放射性核種は、H、11C、18F、14C、125I、124I、131I、35S、および82Brからなる群より選択される。
放射性核種を含む1個以上の置換基を付加するための方法は当業者の範囲内にあり、酵素的方法[Marchalonic JJ、Biochemical Journal(1969)113:299−305;Thorell JIおよびJohansson BG、Biochimica et Biophysica Acta(1969)251:363−9;これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される]による、およびまたはクロラミン(Chloramine)−T/ヨードゲン(Iodogen)/ヨードビーズ(Iodobead)法[Hunter WMおよびGreenwood FC、Nature(1962)194:495−6;Greenwood FCら、Biochemical Journal(1963)89:114−23;これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される]による、放射性同位元素ヨウ素の付加を含むがこれに限定されない。
上記の技術は、例示的であり、限定するものではないことが意図される。試験化合物または本発明のGタンパク質結合受容体のリガンドであることが知られている化合物を放射性標識する他の技術は、当業者に周知である。
開示された受容体および方法の他の使用は、とりわけ、本特許文書の再検討に基づき当業者に明らかになる。
以下の実施例は、本発明の説明のために提示され、限定のためではない。特定の核酸配列およびアミノ酸配列が本明細書に開示されるが、当業者は、以下に報告されるものと同じかまたは実質的に同様の結果を達成しながら、これらの配列に対してわずかな修飾を作成する能力があると考えられる。このような修飾アプローチは、本開示の範囲内にあると見なされる。さらなる労力を伴うことなく、当業者は、先の記載を使用して、その最も完全な程度まで、本発明を実施することができると考えられている。以下の詳細な実施例は、単に例示として解釈されるべきであり、いかなる場合においても、何であれ、先の開示の限定であると解釈されるべきではない。当業者は、これらの手順からの適切なバリエーションを即座に認識する。
本発明の対象に関連し、かつ当業者に公知である組換えDNA技術は、例えば、Maniatis Tら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1989)Cold Spring Harbor Laboratory;米国特許第6,399,373号;およびWO 02/066505として2002年8月29日に公開されたPCT出願番号PCT/IB02/01461において見出すことができ;これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
実施例1
内因性ヒトGPR101の全長クローニング
内因性ヒトGPR101をコードするポリヌクレオチドは、
プライマー5’−GCTGTTGCCATGACGTCCACCTGCAC−3’(配列番号7;センス)および
5’−GGACAGTTCAAGGTTTGCCTTAGAAC−3’(配列番号8;アンチセンス)、
ならびに鋳型としてヒトゲノムDNA(Clontech)を使用する、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってクローニングした。TaqPlus Precision DNA DNAポリメラーゼ(Stratagene)を、以下のサイクルによって、ステップ2からステップ4を35回反復して、増幅のために使用した:
94℃、3分間;94℃、20秒間;65℃、20秒間;72℃、2分間;72℃、7分間。
1.5Kb PCRフラグメントを単離し、pCRII−TOPOベクターにクローニングし、ABI Big Dye Terminatorキット(P.E. Biosystem)を使用して完全に配列決定した。ヒトGPR101の核酸配列を配列番号1に示し、ヒトGPR101のコードされたアミノ酸配列を配列番号2示す。
実施例2
受容体発現
タンパク質の発現の技術のために種々の細胞が利用可能である(酵母細胞、哺乳動物細胞およびメラニン保有細胞が挙げられるが、これらに限定されない)。特定の実施形態において、酵母細胞が使用される。特定の実施形態において、哺乳動物細胞が使用される。特定の実施形態において、メラニン保有細胞が使用される。哺乳動物細胞のCHO、COS−7、MCB3901、293、および293T細胞は特に好ましいが、利用される特定の哺乳動物細胞は、当業者の特定の必要性に基礎を置くことができる。実施例9を含む、メラニン保有細胞に関連するような下記を参照のこと。
a.一過性トランスフェクション
1日目に、10cmディッシュあたり4×10個の293細胞をプレートする。2日目に、2つの反応チューブを調製する(各チューブについての以下の割合はプレートあたりである):チューブAは、0.5mL無血清DMEM(Gibco BRL)中で4μg DNA(例えば、pCMVベクター;本発明のGPCRをコードするポリヌクレオチドを含むpCMVベクターなど)を混合することによって調製し;チューブBは、0.5mL無血清DMEM中で24μLリポフェクタミン(Gibco BRL)を混合することによって調製する。チューブAおよびBは、逆さまにすること(数回)によって混合し、続いて、室温で30〜45分間のインキュベーションを行う。この混合物は、「トランスフェクション混合物」と称する。プレートした293細胞は、1×PBSで洗浄し、続いて5mL無血清DMEMの添加を行う。1mLのトランスフェクション混合物を細胞に加え、続いて37℃/5% COで4時間のインキュベーションを行う。トランスフェクション混合物は吸引によって取り出し、10mLのDMEM/10%ウシ胎仔血清の添加を行う。細胞は37℃/5% COでインキュベートする。48時間のインキュベーション後、細胞を収集し、分析のために利用する。
b.安定な細胞株
約12×10個の293細胞を、15cm組織培養プレートにプレートする。10%のウシ胎仔血清、ならびに1%のピルビン酸ナトリウム、L−グルタミン、および抗生物質を含むDME高グルコース培地中で増殖させる。293細胞のプレーティングの24時間後(または〜80%コンフルエンシーまで)、細胞を、12μgのDNA(例えば、本発明のGPCRをコードするポリヌクレオチドを含むpCMV−neoベクター)を使用してトランスフェクトする。12μgのDNAを、60μLのリポフェクタミンおよび血清を含まない2mLのDME高グルコース培地と合わせる。培地をプレートから吸引し、細胞を1回、血清を含まない培地で洗浄する。DNA、リポフェクタミン、および培地の混合物を、血清を含まない10mLの培地とともにプレートに加える。37℃で4時間から5時間のインキュベーション後、培地を吸引し、血清を含まない25mLの培地を加える。トランスフェクションの24時間後、培地を再度吸引し、血清を含む新鮮な培地を加える。トランスフェクションの48時間後、培地を吸引し、500μg/mLの最終濃度でジェネティシン(G418薬物)を含む、血清を含む培地を加える。トランスフェトした細胞は、ここで、G418耐性遺伝子を含むポジティブにトランスフェクトした細胞の選択を受ける。培地は、選択を行うときに、4日から5日毎に置き換える。選択の間、細胞は、安定なプールを作製するため、または安定なクローン選択のために分けるために増殖させる。
実施例3
GPCR活性化の決定のためのアッセイ(例えば、スクリーニングアッセイ)
種々のアプローチが、目的のGPCRまたは「標的GPCR」の活性化を評価するために利用可能である。以下は例示である;当業者は、当業者の必要性のために優先的に有益であるこれらの技術を決定する能力があると考えられている。
1.膜結合アッセイ:[35S]GTPγSアッセイ
Gタンパク質結合受容体がその活性状態にあるときに、リガンド結合または構成的活性化のいずれかの結果として、受容体はGタンパク質に結合し、GDPの放出を刺激し、続いてGタンパク質へのGTPの結合を刺激する。Gタンパク質受容体複合体のαサブユニットはGTPaseとして働き、GTPをGDPにゆっくりと加水分解し、その時点で、受容体は通常非活性化される。活性化された受容体はGDPをGTPに交換することを継続する。GTPの加水分解不可能なアナログである[35S]GTPγSは、活性化受容体を発現する膜への[35S]GTPγSの結合の増強を実証するために使用することができる。活性化を測定するために[35S]GTPγS結合を使用することの利点は以下の点である:(a)これは、一般的にすべてのGタンパク質結合受容体に適用可能であること;(b)これは、膜の表面に近接しており、細胞内カスケードに影響を与える分子を拾い上げる可能性をより少なくすること。
このアッセイは、関連する受容体を発現している膜への[35S]GTPγSの結合を刺激する、Gタンパク質結合受容体の能力を利用する。それゆえに、このアッセイは、GPCRの調節因子として候補化合物をスクリーニングするために使用することができる。このアッセイは一般的であり、すべてのGタンパク質結合受容体において薬物発見への適用を有する。
35S]GTPγSアッセイは、20mM HEPESおよび1〜約20mMの間のMgCl(この量は結果の最適化のために調整可能であるが、20mMが好ましい)、pH7.4、約0.3〜約1.2nMの間の[35S]GTPγS結合緩衝液(この量は結果の最適化のために調整可能であるが、1.2が好ましい)、および12.5〜75μg膜タンパク質(例えば、本発明のGPCRを発現している293細胞;この量は最適化のために調整可能である)、および10μM GDP(この量は結果の最適化のために調整可能である)中で、1時間インキュベートする。次いで、コムギ胚芽凝集素ビーズ(25μL;Amersham)を加え、この混合物をさらに30分間、室温でインキュベートする。次いで、チューブを1500×gで5分間、室温にて遠心分離し、次いで、シンチレーションカウンターで計数する。
2.アデニリルシクラーゼ
細胞ベースのアッセイのために設計されたFlash Plate(商標)アデニリルシクラーゼキット(New England Nuclear;カタログ番号SMP004A)は、粗原形質膜を用いる使用のために改変することができる。Flash Plateウェルは、シンチラントコーティングを含むことができ、これはまた、cAMPを認識する特異的抗体を含む。ウェル中で生成したcAMPは、cAMP抗体への放射活性cAMPトレーサーの結合に対する直接的競合によって定量することができる。以下は、受容体を発現する全細胞中でのcAMPレベルの変化の測定のための短いプロトコールとして役立つ。
トランスフェクトされた細胞は、一過性トランスフェクションの約24時間から48時間後に収集する。培地を注意深く吸引して除き、廃棄する。10mLのPBSを、細胞の各ディッシュに穏やかに加え、その後注意深く吸引する。1mLのSigma細胞脱離緩衝液および3mLのPBSを各プレートに加える。細胞を、ピペットを用いてプレートから取り出し、細胞懸濁液を、50mLコニカル遠心分離チューブに収集する。次いで、細胞を、室温にて1,100rpmで5分間遠心分離する。細胞ペレットを、適切な量(約3mL/プレート)のPBSに注意深く再懸濁する。次いで、血球計を使用して細胞を計数し、さらなるPBSを加えて、適切な数の細胞を得る(約50μL/ウェルの最終量)。
cAMP標準および検出緩衝液(11mL検出緩衝液に対して1μCiのトレーサー[125I]cAMP(50μL)を含む)を調製し、製造業者の指示書に従って維持する。アッセイ緩衝液をスクリーニングのために新鮮に調製し、これは50μLの刺激緩衝液、3μLの試験化合物(12μM最終アッセイ濃度)および50μL細胞を含む。アッセイ緩衝液は、利用するまで氷上に保存する。例えば、96ウェルプレート中で好ましく実行されるアッセイは、適切なウェルへの50μLのcAMP標準の添加、続いてウェルH−11およびH12への50μLのPBSの添加によって開始する。50μLの刺激緩衝液はすべてのウェルに加える。DMSO(または選択した候補化合物)は、3μLの化合物溶液を分散可能であるピンツール(pin tool)を使用して適切なウェルに加え、試験化合物は12μMの最終アッセイ濃度および100μLの全体のアッセイ容量となる。次いで、細胞をウェルに加え、室温で60分間インキュベートする。次いで、トレーサーcAMPを含む100μLの検出ミックスをウェルに加える。次いで、プレートは、さらに2時間インキュベートし、続いて、Wallac MicroBetaシンチレーションカウンター中で計数する。次いで、cAMP/ウェルの値は、各アッセイプレート中に含まれる標準cAMP曲線から外挿する。
3.Gi共役標的GPCRのための細胞ベースのcAMPアッセイ
TSHRは、活性化の際にcAMPの蓄積を引き起こすGs共役GPCRである。TSHRは、アミノ酸残基623を変異させること(すなわち、アラニン残基をイソロイシン残基に変化させること)によって継続的に活性化される。Gi結合受容体は、アデニリルシクラーゼを阻害し、それゆえに、cAMP産生のレベルを減少させることが予想され、このことがcAMPレベルの評価を困難にする可能性がある。Gi結合受容体の活性化の指標としてのcAMPの産生の減少を測定するための有効な技術は、最も好ましくは、ベースラインレベルのcAMPを確立するためのGi共役標的GPCRとともに、「シグナルエンハンサー」としての、非内因性で構成的に活性化されたTSHR(TSHR−A623I)(または、内因性で構成的に活性なGs結合受容体)を同時トランスフェクトすることによって達成することができる。Gi結合受容体は、シグナルエンハンサーとともに同時トランスフェクトされ、スクリーニングのために使用できるのはこの物質である。このようなアプローチは、cAMPアッセイが使用される場合に効果的にシグナルを生成するために利用できる。ある実施形態において、このアプローチは、Gi結合受容体に対抗する候補化合物の同定において好ましく使用される。Gi共役GPCRについては、このアプローチが使用される場合、標的GPCRの逆アゴニストがcAMPシグナルを増加し、アゴニストがcAMPシグナルを減少することが注目される。
1日目に、10cmディッシュあたり4×10個の293細胞をプレートする。2日目に、2つの反応チューブを調製する(各チューブについての以下の割合はプレートあたりである):チューブAは、0.5mL無血清DMEM(Irvine Scientific,Irvine,CA)中で、全体で4μgDNA(例えば、pCMVベクター;変異誘発THSR(TSHR−A623I)を有するpCMVベクター;TSHR−A623Iおよび標的GPCRなど)のために、トランスフェクトされた各受容体の2μgDNAを哺乳動物細胞に混合することによって調製し;チューブBは、0.5mL無血清DMEM中で、24μLリポフェクタミン(Gibco BRL)を混合することによって調製する。次いで、チューブAおよびBは、逆さまにすること(数回)によって混合し、続いて、室温で30〜45分間のインキュベーションを行う。この混合物は、「トランスフェクション混合物」と称する。プレートした293細胞は、1×PBSで洗浄し、続いて5mL無血清DMEの添加を行う。次いで、1.0mLのトランスフェクション混合物を細胞に加え、続いて、37℃/5%COで4時間のインキュベーションを行う。次いで、トランスフェクション混合物は、吸引によって取り出し、続いて、10mLのDMEM/10%ウシ胎仔血清の添加を行う。次いで、細胞は37℃/5%COでインキュベートする。約28〜48時間のインキュベーション後、次いで、細胞を収集し、分析のために利用する。
Flash Plate(商標)アデニリルシクラーゼキット(New England Nuclear;カタログ番号SMP004A)は、細胞ベースのアッセイのために設計されているが、当業者の必要性に依存して、粗原形質膜を用いる使用のために改変することができる。Flash Plateウェルは、シンチラントコーティングを含み、これはまた、cAMPを認識する特異的抗体を含む。ウェル中で生成したcAMPは、cAMP抗体への放射性cAMPトレーサーの結合についての直接的競合によって定量することができる。以下は、受容体を発現する全細胞中でのcAMPレベルの変化の測定のための短いプロトコールとして役立つ。
トランスフェクトされた細胞は、一過性トランスフェクションの約24時間から48時間後に収集する。培地を注意深く吸引して除き、廃棄する。10mLのPBSを、細胞の各ディッシュに穏やかに加え、その後注意深く吸引する。1mLのSigma細胞脱離緩衝液および3mLのPBSを各プレートに加える。細胞をピペットを用いてプレートから取り出し、細胞懸濁液を、50mLコニカル遠心分離チューブに収集する。次いで、細胞を、室温にて1,100rpmで5分間遠心分離する。細胞ペレットを、適切な量(約3mL/プレート)のPBSに注意深く再懸濁する。次いで、血球計を使用して細胞を計数し、さらなるPBSを加えて、適切な数の細胞を得る(約50μL/ウェルの最終量)。
cAMP標準および検出緩衝液(11mL検出緩衝液に対して1μCiのトレーサー[125I]cAMP(50μL)を含む)を調製し、製造業者の指示書に従って維持する。アッセイ緩衝液をスクリーニングのために新鮮に調製し、これは50μLの刺激緩衝液、3μLの試験化合物(12μM最終アッセイ濃度)および50μL細胞を含むべきである。アッセイ緩衝液は、利用するまで氷上に保存することができる。アッセイは、適切なウェルへの50μLのcAMP標準の添加、続いてウェルH−11およびH12への50μLのPBSの添加によって開始することができる。50μLの刺激緩衝液はすべてのウェルに加える。選択した候補化合物(例えば、TSH)は、3μLの化合物溶液を分散可能であるピンツールを使用して適切なウェルに加え、12μMの最終アッセイ濃度の試験化合物および100μLの全体のアッセイ容量となる。次いで、細胞をウェルに加え、室温で60分間インキュベートする。次いで、トレーサーcAMPを含む100μLの検出ミックスをウェルに加える。次いで、プレートは、さらに2時間インキュベートし、続いて、Wallac MicroBetaシンチレーションカウンター中で計数する。次いで、cAMP/ウェルの値は、各アッセイプレート中に含まれる標準cAMP曲線から外挿する。
4.レポーターベースのアッセイ
a.CRE−Lucレポーターアッセイ(Gs関連受容体)
293および293T細胞は、ウェルあたり2×10細胞の密度で、96ウェルプレート上にプレートし、翌日に、リポフェクタミン試薬(BRL)を使用して、製造業者の指示書に従ってトランスフェクトした。DNA/液体混合物は、以下のようにして各6ウェルトランスフェクションについて調製する:100μLのDMEM中260ngのプラスミドDNAを、100μLのDMEM中の2μLの液体と穏やかに混合する(260ngのプラスミドDNAは、200ngの8×CRE−Lucレポータープラスミド、内因性受容体または非内因性受容体またはpCMV単独を含む50ngのpCMV、および10ngのGPRS発現プラスミド(pcDNA3(Invitrogen)中のGPRS)からなる)。8×CRE−Lucレポータープラスミドは、以下のようにして調製した:ベクターSRIF−β−galは、pβgal−Basicベクター(Clontech)中のBglV−HindIII部位においてラットソマトスタチンプロモーター(−71/+51)をクローニングすることによって得た。8コピーのcAMP応答エレメントを、アデノウイルス鋳型AdpCF126CCRE8からPCRによって入手し[Suzukiら、Hum Gene Ther(1996)7:1883−1893;この開示はその全体が参照により本明細書に援用される)、Kpn−BglV部位においてSRIF−β−galベクターにクローニングし、8×CRE−β−galレポーターベクターを生じた。8×CRE−Lucレポータープラスミドは、8×CRE−β−galレポーターベクター中のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を、HindIII−BamHI部位においてpGL3−基本ベクター(Promega)から得られたルシフェラーゼ遺伝子で置き換えることによって生成した。30分間の室温でのインキュベーション後、DNA/脂質混合物は、400μLのDMEMで希釈し、100μLの希釈混合物を各ウェルに加える。10% FCSを有する100μLのDMEMを、4時間のインキュベーション後に、細胞培養インキュベーター中で各ウェルに加える。翌日、トランスフェクトされた細胞は、10% FCSを有する200μL/ウェルのDMEMで交換する。8時間後、ウェルは、PBSを用いる1回の洗浄後、フェノールレッドを含まない100μL/ウェルのDMEMに交換する。ルシフェラーゼ活性は、翌日、製造業者の指示書に従って、LucLite(商標)レポーター遺伝子アッセイキット(Packard)を使用して測定し、1450 MicroBeta(商標)シンチレーションおよび発光カウンター(Wallac)上で読み取る。
b.AP1レポーターアッセイ(Gq−関連受容体)
Gq刺激を検出するための方法は、遺伝子のプロモーター中にAP1エレメントを含む遺伝子の活性化を引き起こす、Gq依存性ホスホリパーゼCの既知の特性に依存する。Pathdetect(商標)AP−1シス−レポーティング系(Stratagene、カタログ番号219073)は、リン酸カルシウム沈殿の成分が、410ng pAPl−Luc、80ng pCMV−受容体発現プラスミド、および20ng CMV−SEAP(分泌性アルカリホスファターゼ発現プラスミド;アルカリホスファターゼ活性は、サンプル間のトランスフェクション効率の変動について制御するために、トランスフェクション細胞の培地中で測定する)であったこと以外は、CREBレポーターアッセイに関して、上記に示すプロトコールに従って利用することができる。
c.SRF−Lucレポーターアッセイ(Gq−関連受容体)
Gq刺激を検出するための1つの方法は、遺伝子のプロモーター中に血清応答因子を含む遺伝子の活性化を引き起こす、Gq依存性ホスホリパーゼCの既知の特性に依存する。Pathdetect(商標)SRF−Luc−レポーティング系(Stratagene)は、例えば、COS7細胞中でのGq共役活性についてアッセイするために利用することができる。細胞は、この系のプラスミド成分、および内因性または非内因性GPCRをコードする示された発現プラスミドを用いて、製造業者の指示書に従って、Mammalian Transfection(商標)キット(Stratagene、カタログ番号200285)を使用してトランスフェクトする。手短に述べると、410ng SRF−Luc、80ng pCMV−受容体発現プラスミド、および20ng CMV−SEAPを、製造業者の指示書に従って、リン酸カルシウム沈殿中で合わせる。沈殿物の半分を、96ウェルプレートの3ウェルに対して均一に分配し、無血清培地中の細胞上に24時間保持した。最後の5時間に、細胞は、例えば、1μM試験化合物とともにインキュベートする。次いで、細胞を溶解し、製造業者の指示書に従って、Luclite(商標)キット(Packard、カタログ番号6016911)および「Trilux 1450 Microbeta」液体シンチレーションおよび発光カウンター(Wallac)を使用して、ルシフェラーゼ活性についてアッセイする。データは、GraphPad Prism(商標)2.0a(GraphPad Software Inc.)を使用して分析することができる。
d.細胞内IP3蓄積アッセイ(Gq−関連受容体)
1日目に、受容体(内因性または非内因性)を含む細胞を、24ウェルプレートに、通常は1×10細胞/ウェル(この数は最適化することができる)でプレートすることができる。2日目に、細胞は、50μL無血清DMEM/ウェル中の0.25μg DNAおよび50μL無血清DMEM/ウェル中の2μLリポフェクタミンを最初に混合することによってトランスフェクトすることができる。溶液を穏やかに混合し、室温で15〜30分間インキュベートする。細胞を0.5mL PBSで洗浄し、そして400μLの無血清培地をトランスフェクション培地と混合し、細胞に加える。次いで、細胞は、37℃/5%COで3〜4時間インキュベートし、次いで、トランスフェクション培地を除去し、1mL/ウェルの通常増殖培地で置き換える。3日目に、H−ミオ−イノシトールで細胞を標識する。手短に述べると、培地を除去し、細胞を0.5mL PBSで洗浄する。次いで、ウェルあたり0.5mLイノシトールなし/血清なし培地(inositol−free/serum free media)(GIBCO BRL)を、0.25μCiのH−ミオ−イノシトール/ウェルで加え、細胞は、37℃/5% COにて、16〜18時間で一晩インキュベートする。4日目に、細胞は0.5mL PBSで洗浄し、イノシトールなし/血清なし培地、10μM パーギリン、10mM塩化リチウム、または0.4mLのアッセイ培地および任意に50μLの試験化合物を10μMの最終濃度まで含む0.45mLのアッセイ培地を加える。次いで、細胞を30分間、37℃でインキュベートする。次いで、細胞を、0.5mL PBSで洗浄し、ウェルあたり200μLの新鮮な/氷冷停止溶液(1M KOH;18mMホウ酸Na;3.8mM EDTA)を加える。この溶液を、5〜10分間、または細胞が溶解するまで氷上に保持し、次いで、細胞が200μLの新鮮な/氷冷中和溶液(7.5% HCL)によって中和する。次いで、この溶解物を1.5mLエッペンドルフチューブに移し、チューブあたり1mLのクロロホルム/メタノール(1:2)を加える。この溶液を15秒間ボルテックスし、上相をBiorad AGl−X8(商標)陰イオン交換樹脂(100〜200メッシュ)に適用する。最初に、樹脂を1:1.25W/Vの水で洗浄し、0.9mLの上相をカラムにロードする。このカラムを、10mLの5mM ミオ−イノシトール、および10mLの5mMホウ酸Na/60mMギ酸Naで洗浄する。イノシトール三リン酸を、2mLの0.1Mギ酸/1Mギ酸アンモニウムを用いて、10mLのシンチレーションカクテルを含むシンチレーションバイアルに溶出させる。カラムを10mLの0.1Mギ酸/3Mギ酸アンモニウムを用いる洗浄により再生し、ddHOで2回すすぎ、水中にて4℃で保存する。
実施例4
融合タンパク質の調製
a.GPCR:Gs融合構築物
GPCR−Gタンパク質融合構築物の設計は、以下のようにして達成することができる:ラットGタンパク質Gsα(長鎖型;Itoh,H.ら、83 PNAS 3776(1986))の5’末端と3’末端の両方を、その上にHindIII(5’−AAGCTT−3’)配列を含むように操作する。正確な配列(隣接するHindIIIを含む)の確認後、全体の配列を、このベクターのHindIII制限部位を使用するサブクローニングによってpcDNA3.1(−)(Invitrogen、カタログ番号V795−20)にシャトルする。Gsα配列の正確な方向を、pcDNA3.1(−)へのサブクローニング後に決定する。次いで、HindIII配列においてラットGsα遺伝子を含む修飾pcDNA3.1(−)を確証する;このベクターは、ここで、「汎用」Gsαタンパク質ベクターとして利用可能である。pcDNA3.1(−)ベクターは、HindIII部位の上流に種々の周知の制限部位を含み、従って、Gsタンパク質の上流に、内因性で構成的に活性なGPCRのコード配列を挿入する能力を有利に提供する。この同じアプローチは、他の「汎用」Gタンパク質ベクターを作製するために利用することができ、そして、当然ながら、当業者に公知である他の市販のまたは私有のベクターが利用可能である−重要な判断基準は、GPCRの配列が上流にあり、Gタンパク質の配列とインフレームにあることである。
b.Gq(6アミノ酸欠失)/Gi融合構築物
Gq(欠失)/Gi融合構築物はキメラGタンパク質であり、それによって、Gqタンパク質αサブユニット(「Gαq」)の最初の6アミノ酸が欠失し、GαqのC末端の最後の5アミノ酸が、Gαiサブユニットの最後のアミノ酸と置き換えられる。Gq(欠失)Gi融合構築物は、内因性Gi結合受容体を、その非内因性Gタンパク質、Gq(Gq(欠失)/Giの型である)に結合させ、その結果、二次メッセンジャー、例えば、イノシトール三リン酸またはジアシルグリセロールまたはCa2+が、cAMP産生の代わりに測定できる。
Gq(欠失)/Gi融合構築物は以下のようにして設計した:TLESIM(配列番号9)の配列を有する、GαqサブユニットのN末端の6アミノ酸(アミノ酸2〜7)を欠失させ、配列EYNLV(配列番号10)を有するC末端の5アミノ酸を、配列DCGLF(配列番号11)を有する、Gαiタンパク質の対応するアミノ酸で置き換えた。この融合構築物は、以下のプライマー:
5’−gatcaagcttcCATGGCGTGCTGCCTGAGCGAGGAG−3’(配列番号12)および
5’−gatcggatccTTAGAACAGGCCGCAGTCCTTCAGGTTCAGCTGCAGGATGGTG−3’(配列番号13)
ならびに、ヘマグルチニンタグとともにマウスGαq野生型バージョンを含む、鋳型としてのプラスミド63313(ATCC(登録商標)番号63313)を使用するPCRによって得た。小文字のヌクレオチドには、Hindlll/BamHIのクローニング部位およびスペーサーが含まれる。
TaqPlus Precision DNAポリメラーゼ(Stratagene)を、以下のサイクルによって、ステップ2からステップ4を35回反復して、増幅のために利用した:95℃、2分間;95℃、20秒間;56℃、20秒間;72℃、2分間;および72℃、7分間。PCR産物は、pCRII−TOPOベクター(Invitrogen)にクローニングし、ABI Big Dye Terminatorキット(P.E.Biosystems)を使用して配列決定した。融合構築物の配列を含むTOPOクローンからの挿入物は、2段階クローニングプロセスにより、HindIII/BamHI部位で発現ベクターpcDNA3.1(+)にシャトルした。Gq(欠失)/Gi構築物の核酸配列については配列番号14を、そのコードされるアミノ酸配列については配列番号15を参照のこと。
実施例5
35S]GTPγSアッセイ
1.膜の調製
ある実施形態において、標的GPCRを含み、および、例えば、逆アゴニスト、アゴニスト、またはアンタゴニストとしての候補化合物の同定における使用のための膜は、好ましくは、以下のように調製する。
a.方法
「膜かき取り緩衝液(Membrane Scrape Buffer)」は、20mM HEPESおよび10mM EDTA、pH7.4から構成され;「膜洗浄緩衝液」は、20mM HEPESおよび0.1mM EDTA、pH7.4から構成され;「結合緩衝液」は、20mM HEPES、100mM NaCl、および10mM MgCl、pH7.4から構成される。
b.手順
すべての材料は、手順の全体を通して氷上に保持する。最初に、培地を、コンフルエントな細胞の単層から吸引し、続いて、10mL冷PBSですすぎ、続いて吸引する。その後、5mLの膜かき取り緩衝液を、細胞をかき取るために加える;これに続き、50mL遠心チューブへの細胞抽出物の移動を行う(20,000rpmにて4℃、17分間、遠心分離する)。その後、上清を吸引し、ペレットを30mL膜洗浄緩衝液に再懸濁し、続いて、20,000rpmで17分間、4℃の遠心分離を行う。次いで、上清を吸引し、ペレットを結合緩衝液に再懸濁する。次いで、これを、Brinknan Polytron(商標)ホモジナイザーを使用して均質化する(すべての物質が懸濁するまで15〜20秒間のバースト)。これを、本明細書では「膜タンパク質」と称する。
2.Bradfordタンパク質アッセイ
均質化後、膜のタンパク質濃度は、Bradfordタンパク質アッセイを使用して決定する(タンパク質は、約1.5mg/mLに希釈し、アリコートとし、そして後での使用のために凍結する(−80℃)ことができ、凍結する場合、使用のためのプロトコールは以下の通りである:アッセイの日に、凍結した膜タンパク質を室温にて融解し、続いてボルテックスし、次いで、Polytronを用いて、約12×1,000rpmで約5〜10秒間均質化する;複数の試料のためには、ホモジナイザーは、異なる調製物の均質化の間に徹底的に洗浄するべきであることが注意される)。
a.材料
結合緩衝液(上記に従う);Bradford色素試薬;Bradfordタンパク質標準を、製造業者の指示書に従って利用する(Biorad、カタログ番号500−0006)。
b.手順
2つ組のチューブを調製し、1つは膜を含み、1つは対照「ブランク」としてである。各々が800μL結合緩衝液を含んだ。その後、10μLのBradfordタンパク質標準(lmg/mL)を各チューブに加え、次いで、10μLの膜タンパク質を一方のチューブのみに加える(ブランクには加えない)。その後、200μLのBradford色素試薬を各チューブに加え、続いて、各々のボルテックスを行う。5分後、チューブを再ボルテックスし、その中の物質をキュベットに移す。次いで、このキュベットを、595nmの波長にて、CECIL 3041分光光度計を使用して読み取る。
3.同定アッセイ
a.材料
GDP緩衝液は、37.5mL結合緩衝液および2mg GDP(Sigma、カタログ番号G−7127)から構成され、次いて、0.2μM GDPを得るために、結合緩衝液中での一連の希釈を行う(各ウェル中のGDPの最終濃度は0.1μM GDPであった);候補化合物を含む各ウェルは、100μL GDP緩衝液(最終濃度、0.1μM GDP)、結合緩衝液中の50μL膜タンパク質、および結合緩衝液中の50μL[35S]GTPγS(0.6nM)(10mL結合緩衝液あたり2.5μL[35S]GTPγS)からなる200μLの最終容量を有する。
b.手順
候補化合物は、好ましくは、96プレート形式を使用してスクリーニングする(これらは−80℃で凍結可能である)。膜タンパク質(または対照として、標的GPCRを除外している発現ベクターを有する膜)は、懸濁するまで手短に均質化する。次いで、タンパク質濃度を、上記のようなBradfordタンパク質アッセイを使用して決定する。次いで、膜タンパク質(および対照)を、結合緩衝液中で0.25mg/mLまで希釈する(最終アッセイ濃度、12.5μg/ウェル)。その後、100μL GDP緩衝液を、Wallac Scintistrip(商標)(Wallac)の各ウェルに加える。次いで、5μLピンツールを使用して、5μLの候補化合物をこのようなウェルに移す(すなわち、200μLの全体のアッセイ容量中5μLは、1:40比率であり、その結果、候補化合物の最終スクリーニング濃度は10μMである)。再度、夾雑を回避するために、各移動工程後、ピンツールは、水(1×)、エタノール(1×)、および水(2×)を含む3つのリザーバー中ですすぐべきであり−過剰の液体は、各すすぎ後にツールから振り落とし、紙およびキムワイプを用いて乾燥させるべきである。その後、50μLの膜タンパク質を各ウェルに加え(標的GPCRなしの膜を含む対照ウェルもまた利用する)、室温にて5〜10分間、プレインキュベートする。その後、結合緩衝液中の50μLの[35S]GTPγS(0.6nM)を各ウェルに加え、続いて、室温にて60分間、シェーカー上でのインキュベーションを行う(再度、この例においては、プレートをホイルで覆った)。次いで、プレートを、22℃にて、4000RPMで15分間遠心分離することによって、アッセイを停止させる。次いで、プレートを、8チャンネルマニフォールドを用いて吸引し、プレートカバーで密封する。次いで、プレートを、設定「Prot.#37」を使用して、Wallac 1450上で読み取る(製造業者の指示書に従う)。
実施例6
サイクリックAMPアッセイ
例えば、逆アゴニスト、アゴニスト、またはアンタゴニストのような候補化合物を同定するための別のアッセイアプローチは、シクラーゼベースのアッセイを利用することによって達成する。候補化合物をそのように同定することに加えて、このアッセイアプローチは、前出の実施例5に示されるような[35S]GTPγSアプローチからの結果の確認を提供するための独立したアプローチとして利用することができる。
修飾したFlash Plate(商標)アデニリルシクラーゼキット(New England Nuclear;カタログ番号SMP004A)を、以下のプロトコールに従って、標的GPCRの調節因子としての候補化合物の同定のために好ましく利用する。
標的GPCRでトランスフェクトした細胞は、トランスフェクションの約3日後に収集する。膜は、20mM HEPES、pH7.4および10mM MgClを含む緩衝液中での懸濁細胞の均質化によって調製する。均質化は、Brinkman Polytron(商標)を使用して、約10秒間、氷上で実施する。得られるホモジネートは、4℃にて、49,000×gで15分間遠心分離する。次いで、得られるペレットは、20mM HEPES、pH7.4および0.1mM EDTAを含む緩衝液中に再懸濁し、10秒間均質化し、続いて、4℃にて、49,000×gで15分間の遠心分離を行う。次いで、得られるペレットを、利用するまで−80℃で保存する。直接的同定スクリーニングの日に、膜ペレットは、室温でゆっくりと融解し、20mM HEPES、pH7.4および10mM MgClを含む緩衝液に再懸濁して、0.60mg/mLの最終タンパク質濃度を生じる(再懸濁した膜は、使用するまで氷上に配置する)。
cAMP標準および検出緩衝液(11mLの検出緩衝液中に2μCiのトレーサー{[125I]cAMP(100μL)を含む)は、製造業者の指示書に従って、調製および維持する。アッセイ緩衝液は、スクリーニングのために新鮮に調製し、20mM HEPES、pH7.4、10mM MgCl、20mMホスホクレアチン(Sigma)、0.1単位/mLクレアチンホスホキナーゼ(Sigma)、50μM GTP(Sigma)、および0.2mM ATP(Sigma)を含み;次いで、アッセイ緩衝液は、利用されるまで氷上で保存する。
候補化合物は、40μL膜タンパク質(30μg/ウェル)および50μLのアッセイB緩衝液とともに、好ましくは、例えば、96ウェルプレートウェル(3μL/ウェル;12μM最終アッセイ濃度)に加える。次いで、この混合物は、穏やかに振盪しながら、室温で30分間インキュベートした。
インキュベーション後、100μLの検出緩衝液を各ウェルに加え、続いて、2〜24時間のインキュベーションを行う。次いで、プレートを、「Prot.#31」を使用して、Wallac MicroBeta(商標)プレートリーダー中で計数する(製造業者の指示書に従う)。
例として、かつ限定としてではなく、得られた例示的なスクリーニングアッセイプレート(96ウェル形式)の結果は、図1に提示する。各バーは、各ウェル中で異なる化合物についての結果を表し、「標的GPCR」は、GPR101とは無関係の、内因性で構成的に活性なGs共役GPCRのGsα融合タンパク質構築物である。図1に提示した結果は、各プレートの平均結果(m)に基づく標準偏差もまた提供し、そして、一次スクリーニングからの「リード」としての逆アゴニストの選択のための、平均プラス2つの任意の選択は、少なくとも平均プレート応答マイナス2標準偏差でパーセント応答を減少する候補化合物の選択を含む。逆に、一次スクリーニングからの「リード」としてのアゴニストの選択のための任意選択は、少なくとも平均プレート応答プラス2標準偏差でパーセント応答を増加する候補化合物の選択を含む。これらの選択プロセスに基づいて、以下のウェルの候補化合物は、それぞれ、ウェルA2およびG9において、上記内因性GPCRに対する推定の逆アゴニスト(化合物A)およびアゴニスト(化合物B)として直接的に同定した。図1を参照のこと。明確化のために以下のことに注意のこと:これらの化合物は、このGPCRの内因性リガンドのいかなる治験もなしで直接的に同定した。受容体機能に基づき、化合物の結合親和性に基づかないアッセイ技術に焦点を当てることによって、この受容体の機能的活性を減少可能な化合物(化合物A)ならびに受容体の機能的活性を増加可能な化合物(化合物B)を確認することが可能である。
実施例7
細胞内カルシウム濃度の測定のための蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)アッセイ
標的受容体(実験用)およびpcMV(陰性対照)が安定にトランスフェクトされた、それぞれのクローン性株からの細胞を、翌日のアッセイのために、完全培養培地(10% FBS、2mM L−グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウムを有するDMEM)を有するウェルあたり、5.5×10細胞で、ポリ−D−リジンで前処理した96ウェルプレート(Becton−Dickinson,#356640)に播種する。Fluo4−AM(Molecular Probe,#F14202)インキュベーション緩衝液ストックを調製するために、1mg Fluo4−AMを、467μL DMSOおよび467μLプルオロニック酸(Pluoronic acid)(Molecular Probe,#P3000)に溶解して1mMストック溶液を得、これは、1ヶ月間、−20℃で保存可能である。Fluo4−AMは、蛍光カルシウム指標色素である。
候補化合物は、洗浄緩衝液(1×HBSS/2.5mMプロベニシド(Probenicid)/20mM HEPES、pH7.4)中で調製する。
アッセイの時点で、培養培地はウェルから除去し、細胞に、100μLの4μM Fluo4−AM/2.5mMプロベニシド(Sigma,#P8761)/20mM HEPES/完全培地、pH7.4をロードする。37℃/5% COでのインキュベーションは、60分間進行することを許容する。
1時間のインキュベーション後、Fluo4−AMインキュベーション緩衝液を除去し、細胞は100μL洗浄緩衝液で2回洗浄する。各ウェルに、100μL洗浄緩衝液を残す。プレートを、37℃/5% COで60分間、インキュベーターに戻す。
FLIPR(Fluorometric Imaging Plate Reader;Molecular Device)は、30秒で50μL候補化合物を加えるために、および次の150秒間の間に候補化合物によって誘発される細胞内カルシウム濃度(「Ca2+」)の一過性の変化を記録するために、プログラムする。全体の蛍光変化の計数は、FLIPRソフトウェアを使用してアゴニスト活性を決定するために使用する。機器のソフトウェアは、蛍光の読み取りを標準化して、ゼロ点における等価な初期の読み取りを与える。
例示として、かつ限定ではなく、当業者は、既知のアゴニストとの引き続く接触によって誘発される細胞内(「Ca2+」)の一過性の増加を阻害する候補化合物の能力を評価することによって、候補化合物が受容体の逆アゴニストとしてスクリーニング可能であることを認める。
ある実施形態において、標的受容体を含む細胞は、Gα15、Gα16、またはGq(欠失)/GiキメラGタンパク質をさらに含む。
前述は、安定にトランスフェクトされた細胞を使用してアゴニスト活性についてのFLIPRアッセイを提供するが、当業者は、アンタゴニスト活性を特徴付けするためにアッセイを容易に改変可能である。当業者は、代替的に、一過性にトランスフェクトされた細胞が使用可能であることもまた容易に認識する。
実施例8
MAPキナーゼアッセイ
MAPキナーゼ(マイトジェン活性化キナーゼ)が、受容体活性化を評価するためにモニターされてもよい。MAPキナーゼは、いくつかのアプローチによって検出することができる。1つのアプローチは、非リン酸化(不活性型)またはリン酸化(活性型)のいずれかである、リン酸化状態の評価に基づく。リン酸化タンパク質は、SDS−PAGEでより遅い移動度を有し、それゆえに、ウェスタンブロッティングを使用して、刺激されていないタンパク質と比較することができる。代替として、リン酸化タンパク質に特異的な抗体(New England Biolabs)が利用可能であり、これは、リン酸化キナーゼの増加を検出するために使用することができる。いずれの方法においても、細胞は試験化合物を用いて刺激し、次いで、Laemmli緩衝液で抽出する。可溶性画分は、SDS−PAGEゲルに適用し、タンパク質は、ニトロセルロースまたはイモビリン(Immobilin)に電気泳動的に転写する。免疫反応性バンドは、標準的なウェスタンブロッティング技術によって検出する。可視シグナルまたは化学発光シグナルはフィルム上に記録し、デンシトメトリーによって定量され得る。
別のアプローチは、リン酸化アッセイを介するMAPキナーゼ活性の評価に基づく。細胞は、試験化合物を用いて刺激し、可溶性抽出物を調製する。この抽出物は、γ−32P−ATP、ATP再生系、およびMAPキナーゼの特異的基質、例えば、インスリンまたはPHAS−1によって調節されるリン酸化される熱および酸安定性タンパク質とともに、30℃で10分間インキュベートする。反応は、HPOの添加によって終結させ、サンプルは氷に移す。アリコートを、Whatman P81クロマトグラフィーペーパーにスポットし、これは、リン酸化タンパク質を保持する。このクロマトグラフィーペーパーを洗浄し、液体シンチレーションカウンターによって32Pを計数する。代替として、細胞抽出物は、γ−32P−ATP、ATP再生系、およびフィルター支持体にストレプトアビジンによって結合されたビオチン化ミエリン塩基性タンパク質とともにインキュベートする。ミエリン塩基性タンパク質は、活性化MAPキナーゼの基質である。リン酸化反応は、30℃で10分間実行する。次いで、リン酸化ミエリン塩基性タンパク質を保持しているフィルターを通して、抽出物を吸引することができる。このフィルターを洗浄し、液体シンチレーションカウンターによって32Pを計数する。
実施例9
メラニン保有細胞技術
メラニン保有細胞は、下等脊椎動物において見出される皮膚細胞である。これらは、メラノソームと呼ばれる、色素を有するオルガネラを含む。メラニン保有細胞は、Gタンパク質結合受容体(GPCR)活性化の際に、微小管ネットワークに沿ってこれらのメラノソームを再分配可能である。この色素移動の結果は、細胞の見かけの明化または暗化である。メラニン保有細胞の中では、Gi結合受容体の活性から生じる細胞内cAMPのレベルの減少は、メラノソームが細胞の中心部に移動することを引き起こし、色の劇的な明化を生じる。次いで、cAMPレベルが上昇すると、Gs結合受容体の活性化の後に、メラノソームが再分配され、細胞は再度暗く見える。Gq結合受容体の活性化から生じるジアシルグリセロールのレベルの増加もまた、この再分配を誘導することができる。加えて、この技術は、特定の受容体型チロシンキナーゼの研究にもまた適している。メラニン保有細胞の応答は、受容体活性化の数分以内に起こり、単純で強固な色の変化を生じる。この応答は、従来的な吸収マイクロプレートリーダーまたは適当なビデオイメージングシステムを使用して、容易に検出することができる。他の皮膚細胞とは異なり、メラニン保有細胞は神経堤に由来し、シグナル伝達タンパク質の完全な相補物を発現するようである。特に、この細胞は極度の広範囲のGタンパク質を発現し、それゆえに、ほとんどすべてのGPCRを機能的に発現可能である。
メラニン保有細胞は、天然のリガンドを含む、GPCRに対する化合物を同定するために利用することができる。この方法は、特定の刺激に応答する細胞の色素を分散または凝集することが可能である色素細胞株の試験細胞を導入すること、およびGCPRをコードする外因性クローンを発現させることによって、実施することができる。刺激剤、例えば、メラトニンは、色素配置の初期状態を設定し、GPCRの活性化が色素分散を誘導する場合、色素は試験細胞中で凝集する。しかし、色素配置の初期状態を設定するために刺激剤を用いて細胞を刺激するとき、GPCRの活性化が色素凝集を誘導する場合、色素は分散する。次いで、試験細胞は、化学化合物と接触され、細胞中の色素配置が、色素配置の初期の状態から変化したか否かを決定する。GPCRに結合するリガンドを含むがこれに限定されない候補化合物に起因する色素細胞の分散はペトリディッシュ中で暗く見えるのに対して、色素細胞の凝集は明るく見える。
材料および方法は、米国特許第5,462,856号および同第6,051,386号の開示に従うことができる。これらの特許の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
細胞は、例えば、96ウェル形式(プレートあたり1種の受容体)でプレートする。トランスフェクションの48時間後、各プレート上の細胞の半分を、10nMメラトニンで処理する。メラトニンは、メラニン保有細胞中の内因性Gi結合受容体を活性化し、これらの色素が凝集することを引き起こす。細胞の残りの半分は、無血清培地0.7×L−15(Gibco)に移す。1時間後、無血清培地中の細胞は色素分散状態のままであるが、メラトニン処理細胞は色素凝集状態である。この時点で、細胞を、試験/候補化合物の用量反応で処理する。プレートしたGPCRは試験/候補化合物に結合し、メラニン保有細胞は、化合物に応答して色の変化を受けることが予想される。受容体がGsまたはGqのいずれかの結合受容体であるならば、メラトニンが凝集したメラニン保有細胞は色素分散を受ける。対照的に、受容体がGi結合受容体であるならば、色素分散細胞は、用量依存性色素凝集を受けることが予測される。
(実施例10)
GPR101調節因子(例えば、アゴニスト)活性についての酵母レポーターアッセイ
酵母細胞系レポーターアッセイは、以前に文献に記載されている(例えば、Miretら、J Biol Chem(2002)277:6881−6887;Campbellら、Bioorg Med Chem Lett(1999)9:2413−2418;Kingら、Science(1990)250:121−123;WO 99/14344;WO 00/12704;および米国特許第6,100,042号を参照のこと)。簡単に言うと、内因性酵母G−アルファ(GPA1)を欠失させ、多数の技術を用いて構築されたGタンパク質キメラで置換したような酵母細胞を設計作製した。加えて、内因性酵母アルファ−細胞GPCR、Ste3を欠失させて、選択した哺乳動物GPCRの相同発現を可能にした。酵母の場合、真核細胞において保存されるフェロモンシグナル伝達経路(例えば、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ経路)の要素は、Fus1の発現を駆動する。Fus1プロモータ(Fus1p)の制御下でβ−ガラクトシダーゼ(LacZ)を置換することにより、受容体活性化が酵素の読取値をもたらすシステムが開発された。
Agatepらによって記載された酢酸リチウム法(Agatepら、1998,Transformation of Saccharomyces cerevisiae by the lithium acetate/single−stranded carrier DNA/polyethylene glycol(LiAc/ss−DNA/PEG)protocol.Technical Tips Online,Trends Journals,Elsevier)を適応させることにより、酵母細胞を形質転換させる。簡単に言うと、酵母細胞を酵母トリプトンプレート(YT)上で一晩増殖させる。担体1本鎖DNA(10μg)、それぞれ2μgの2つのFus1p−LacZレポータープラスミド(1つはURA選択マーカーを有し、1つはTRP選択マーカーを有する)、酵母発現ベクター(2μgの複製起点)中の2μgのGPR101(例えば、ヒト受容体)および酢酸リチウム/ポリエチレングリコール/TE緩衝液をピペットでエッペンドルフ管に移す。前記受容体を含有する酵母発現プラスミド/受容体なし対照の酵母発現プラスミドは、LEUマーカーを有する。酵母細胞をこの混合物に接種し、30℃で60分間、反応を進行させる。その後、それらの酵母細胞に42℃で15分間、熱ショックを与える。その後、それらの細胞を洗浄し、選択プレート上に広げる。前記選択プレートは、LEU、URAおよびTRPを含まない合成酵母培地(SD−LUT)である。30℃で2〜3日間、インキュベートした後、選択プレート上で増殖するコロニーをLacZアッセイで試験する。
β−ガラクトシダーゼについての蛍光酵素アッセイを行うために、本主題GPR101受容体を有する酵母細胞を液体SD−LUT培地中で一晩、不飽和濃度まで増殖させる(すなわち、細胞は、まだ分裂中であり、静止期に達していない)。それらを新たな培地で最適なアッセイ濃度に希釈し、90μLの酵母細胞を96ウェル黒色ポリスチレンプレート(Costar)に添加する。DMSOに溶解し、10%DMSO溶液で10X濃度に希釈した試験化合物をそれらのプレートに添加し、プレートを30℃で4時間置いておく。4時間後、β−ガラクトシダーゼのための基質をそれぞれのウェルに添加する。これらの実験では、フルオレセイン ジ(β−D−ガラクトピラノシド)(FDG;蛍光読取りを可能にする、フルオレセインを放出する酵素のための基質)を使用する。ウェル当たり20μLの500μM FDG/2.5% Triton X100を添加する(前記界面活性剤は、細胞を透過性にするために必要である)。細胞をその基質と共に60分間インキュベートした後、ウェル当たり20μLの1M 炭酸ナトリウムを添加して反応を停止させ、蛍光シグナルを強化する。その後、それらのプレートを蛍光計において485/535nmで読み取る。
空ベクターで形質転換された酵母細胞におけるものに対する、および1% DMSOが存在する状態で化合物を用いずに得られたシグナルに対する、GPR101形質転換酵母細胞における蛍光シグナルの増加は、試験化合物が、GPR101受容体の機能性を刺激する化合物、例えば、該受容体のアゴニストまたは部分アゴニストであることの指標となる。
空ベクターで形質転換された酵母細胞におけるものに対する、および1% DMSOが存在する状態で化合物を用いずに得られたシグナルに対する、GPR101形質転換酵母細胞における蛍光シグナルの減少は、試験化合物が、GPR101受容体の機能性を阻害する化合物、例えば、該受容体の逆アゴニストまたはアンタゴニストであることの指標となる。
(実施例11)
受容体結合アッセイ
試験化合物を、本発明のGタンパク質結合受容体のリガンドであることが分かっている化合物と該受容体との複合体の形成を減少させるその能力について評価することができる。一定の実施形態において、前記既知リガンドを放射性標識する。その放射性標識された既知リガンドを、化合物を同定/評価するためのスクリーニングアッセイにおいて使用することができる。一般的に言うと、新たに合成または同定する化合物(すなわち、試験化合物)を、前記放射性標識既知リガンドと前記受容体との複合体の形成を減少させるその能力により、前記受容体への前記放射性標識既知リガンドの結合を減少させるその能力について評価することができる。
他の態様では、試験化合物を放射性標識し、本発明の主題GPCRのリガンドであることを、本主題GPCRを含む細胞にまたは本主題GPCRを含む膜に結合するその能力を評価することによって証明することができる。
試験化合物が不在の状態での放射性標識既知リガンドの特異的結合レベルより低い、試験化合物が存在する状態での放射性標識既知リガンドの特異的結合レベルは、前記放射性標識既知リガンドと前記受容体とで形成される複合体が、試験化合物が不在の状態でより試験化合物が存在する状態でのほうが少ないことの指標となる。
本発明のGタンパク質結合受容体のリガンドであることが分かっている化合物と該受容体との複合体を検出するためのアッセイプロトコル
A.受容体の作製
60uLのリポフェクタミン(15cm皿1枚当たり)を使用して、本発明のGタンパク質結合受容体をコードするポリヌクレオチドを含む10ugの発現ベクターで293細胞を一過的にトランスフェクトする。それらの一過的にトランスフェクトされた細胞をその皿の中で、培地交換して、24時間増殖させ(集密度75%)、10mL/皿のHepes−EDTA緩衝液(20mM Hepes + 10mM EDTA、pH7.4)で除去する。その後、それらの細胞をBeckman Coulter遠心機で20分間、17,000rpm(JA−25.50ローター)で遠心分離する。その後、そのペレットを、20mM HEPES + 1mM EDTA、pH7.4に再懸濁させ、50mL Dounceホモジナイザーで均質化し、再び遠心分離する。上清を除去した後、ペレットを、結合アッセイにおいて使用するまで、−80℃で保管する。前記アッセイにおいて使用するとき、氷上で20分間、膜を解凍し、その後、10mLのインキュベーション緩衝液(20mM Hepes、1mM MgCl、100mM NaCl、pH7.4)を添加する。その後、それらの膜を渦攪拌してその粗膜ペレットを再懸濁させ、Brinkmann PT−3100 Plytronホモジナイザーで15秒間、設定6で均質化する。BRL Bradfordタンパク質アッセイを用いて、膜タンパク質の濃度を決定する。
B.結合アッセイ
全結合については、50uLの適切に希釈した膜(50mM Tris HCl(pH7.4)、10mM MgCl、および1mM EDTAを含有するアッセイ緩衝液で希釈;5〜50ugのタンパク質)の全量を96ウェルポリプロピレンマイクロタイタープレートに添加し、その後、100uLのアッセイ緩衝液および50uLの放射性標識既知リガンドを添加する。非特異的結合については、100uLの代わりに50uLのアッセイ緩衝液を添加し、50μLの前記放射性標識既知リガンドを添加する前に、放射性標識されていない追加の50uLの前記既知リガンド(10uM)を添加する。その後、プレートを室温で60〜120分間インキュベートする。Brandell 96ウェルプレートハーベスターでMicroplate Devices GF/C Unifilter濾過プレートによりアッセイプレートを濾過することによって結合反応を停止させ、その後、0.9% NaClを含有する冷たい50mMのTris HCl、pH7.4で洗浄する。その後、その濾過プレートの底を封止し、50uLのOptiphase Supermixをそれぞれのウェルに添加し、プレートの上部を封止し、Trilux MicroBetaシンチレーションカウンタでプレートをカウントする。前記放射性標識既知リガンドと前記受容体との複合体が、試験化合物が存在する状態で、より少なく形成されるかどうかを判定するために、100uLのアッセイ緩衝液を添加する代わりに、100uLの適切に希釈された前記試験化合物を適するウェルに添加し、その後、50uLの前記放射性標識既知リガンドを添加する。
(実施例12)
内因性GPR101は、細胞内cAMPレベルを増加させる構成的活性を阻害する
ヒトHEK293細胞を、pCMVベクターで、または内因性ヒトGPR101をコードする一定量のcDNAプラスミドで、ヒトHEK293細胞を一過的にトランスフェクトした。トランスフェクションは、リポフェクタミン(Invitrogen)を使用して行った。トランスフェクションの48時間後、Perkin ElmerからのAdenylyl Cyclase Flashplate Assayキット[カタログ#:SMP004B]を使用して、下で説明するとおり、全細胞cAMPを判定した。
トランスフェクトされた細胞を抗cAMP抗体コーティングウェルに入れた。すべての条件は、三重反復で試験した。125I−cAMPを含有するDetection Mix(Perkin Elmerキットの中に供給されていたもの)をそれぞれのウェルに添加し、そのプレートを1時間、室温でインキュベートさせておいた。その後、それらのウェルを吸引して未結合の125I−cAMPを除去した。Wallac Microbeta Counterを使用して、結合した125I−cAMPを検出した。それぞれのサンプル中のcAMPの量は、そのプレートの幾つかのウェルに既知濃度のcAMPを配置することによって得た標準曲線との比較によって決定した。結果を図2に提示する。
図2に示すように、内因性ヒトGPR101は、検出可能に構成的活性であり、Gに結合するのと一致して、細胞内cAMPレベルを増加させる用量依存性構成的活性を示す。
(実施例13)
ラットにおけるGPR101の発現
A.ラット組織におけるGPR101発現のRT−PCR分析
ラット組織におけるGPR101の発現をRT−PCRによって調査した。様々な組織から単離されたラットRNAをZyagen(カリフォルニア州、サンディエゴ)から入手した。BioRadからのiScript cDNA合成キットをその製造業者のプロトコルに従って使用して、全RNAからcDNAを合成した。以下のプライマーを使用するRT−PCRを用いて、GPR101発現を評価した:
5’−CTTTCTTCTGGCCTCTCAACATCC−3’(配列番号16;センス)および
5’−CAGAAGGCATTACGGTCATCAAAA−3’(配列番号17;アンチセンス)。
結果を図3Aに提示する。予想265bp増幅産物の位置を示す。ラットGPR101は、視床下部をはじめとする脳において選択的に発現されることが判明した。
B.視床下部弓状核をはじめとするラット脳におけるGPR101発現のインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析
ラット脳におけるGPR101の発現を、インサイチュハイブリダイゼーション組織化学によって調査した。インサイチュハイブリダイゼーション組織化学は、下で説明するとおりに行った(例えば、Bagnolら,J Neurosci(1999)19:RC26(1−7)を参照のこと)。
Charles River Laboratories,Inc.(マサチューセッツ州、ウィルミントン)から入手した300gから350gの雄Sprague−Dawleyラットを用いて、インサイチュハイブリダイゼーションを行った。迅速な断頭術によってラットを死亡させた。脳を除去し、イソペンタン(−40℃)中で凍結させ、−80℃で保管した。クリオスタットを用いて視床下部およびpomsの10μmの連続切片を作製し、ポリリシンを下塗りしたスライドに解凍マウントし、加工するまで−80℃で保管した。
RNasin(40単位)、DTT(2mM)、ATP、CTPおよびGTP(0.33mM)、[α−33P]−UTP(Perkin Elmer、50μCi、NEG307 H001MC)ならび適切なポリメラーゼ(T7、50単位、またはT3、20単位)を含有する転写緩衝液中で線形化プラスミド(配列番号5を有するラットcDNAを挿入したプラスミド)をインキュベートすることによるインビトロ転写によって、センスおよびアンチセンス32P−放射性標識プローブを生成した。プローブをDNアーゼで処理し、エタノール沈殿法によって精製し、2Xハイブリダイゼーションミックス(8X SET、2X デンハルト溶液、0.4% SDS、200mM ジチオトレイトール(DTT)、500ug/mL tRNA、50ug/mL ポリA、および50ug/mL ポリC)に再懸濁させた。
冷凍庫から組織切片を取り出し、30分間、放置して空気乾燥させた。その後、切片を、室温で30分間、リン酸緩衝液(0.1M、pH7.4)中4%のパラホルムアルデヒドで固定し、1X PBSで3回すすぎ、0.1Mトリエタノールアミン(TEA)、pH8.0中で2時間、アセチル化し、その後、0.25%無水酢酸を含有する同緩衝液中で短時間、インキュベートした。その後、スライドを1X PBSで5分間すすぎ、濃度勾配のあるアルコール系列によって脱水し、空気乾燥させた。放射性標識プローブを2Xハイブリダイゼーション緩衝液で希釈して、スライドあたり8×10cpmの近似濃度にした。硫酸デキストラン/ホルムアミド(20%)を、2Xハイブリダイゼーション緩衝液とで1:1の比になるように添加した。希釈されたプローブをスライド上に配置し、カバーガラスをかぶせ、1X PBSで加湿したプラスチックトレーの中で、16〜18時間、55℃でインキュベートした。1mM DTT/4X SSC(600mM 塩化ナトリウムおよび60mM クエン酸ナトリウム、pH7.2)でカバーガラスを浮かせて外し、その後、切片を10分間、4X SSCで1回洗浄し、ロッカーを用いて室温で60分間、リボヌクレアーゼA(200ug/mL)中でインキュベートし、その後、2X、1Xおよび0.5X SSCでそれぞれ5分間すすいだ。1時間、65℃で0.1X SSCの最終ストリンジェンシーまで切片を洗浄し、その後、0.1X SSCで2回洗浄して、それらを室温に冷却した。その後、300mM 酢酸アンモニウムを含有する濃度勾配のあるアルコール(70%および95%)によってスライドを脱水し、2〜7日間、X線感受性フィルム(Bio−Max,Kodak、ニューヨーク州、ロチェスターのEastman Kodak Co.)に曝露し、写真乳剤(IB1654433、Kodak)に浸漬し、乾燥させ、発現レベルに依存して2〜4週間、4℃で乾燥剤と共にスライドボックス内に保管した。それらの浸漬スライドを製造業者の推奨基準(Kodak D19)に従って現像した後、それらの切片を水で広範に洗浄し、チオニンで染色し、アルコールで脱水し、顕微鏡検査用のキシレン系マウント剤で封入した。銀粒子分布により暗視野で放射活性プローブを可視化した。
標識アンチセンスプローブを使用した結果を図3Bに示す。GPR101の発現が、尾状核−被殻(Caudate−Putamen:CP);線条体底(FS);傍線条核(Parastrial nucleus:PS);視索上核(SO);内側視索前核(MPO);視床下部傍室核(PHV);視交叉後部(RCH);視床下部背内側核(DMH);視床下部弓状核(ARH);視床下部後核(PH);扁桃内側核(MEA);および傍小脳脚内側核(medial parabranchial nucleus:MPB)において検出された。ハイブリダイゼーションの特異性をセンスプローブを使用する対照実験によって確認し、この条件下では特異的ハイブリダイゼーションシグナルは観察されなかった。
C.視床下部弓状核をはじめとするラット脳におけるGPR101発現の免疫組織化学分析
ラット、マウスおよびヒトGPR101受容体のカルボキシ末端に特異的なプロテインA親和性精製ウサギ抗ペプチドポリクローナル抗体を使用して、免疫組織化学により、ラット脳におけるGPR101の発現を調査した。免疫組織化学は、下で説明するとおりに行った(Wilsonら、Endocrinology(1999)140:2387−2397を参照のこと)。
Charles River Laboratories,Inc.(マサチューセッツ州、ウィルミントン)から入手した300gから350gの雄Sprague−Dawleyラットを用いて、免疫組織化学を行った。組織標本作製のために、ラットに麻酔をし、その後、250mL 0.9% NaClおよび2.2%亜硝酸ナトリウムで潅流し、その後、0.1M リン酸緩衝液中4%のパラホルムアルデヒド(500mL)で潅流した。脳を除去し、同固定液中で2時間、4℃でインキュベートし、その後、20%リン酸緩衝サッカロース溶液で一晩、4℃で凍結保護した。クリオスタットによって作製した視床下部(30μm)の連続切片を、使用するまで、凍結保存溶液(50mM カリウムPBS中、30%のスクロースおよび30%のエチレングリコール)中、−20℃で保管した。
免疫組織化学のために、浮動性切片を50mM カリウムPBS(KPBS)で洗浄し、0.3%過酸化水素と共にインキュベートし(30分)、50mM KBPSですすぎ、ブロッキング溶液(カリフォルニア州、バーリンゲームのVector Laboratories)と共に15分間、1:5希釈でインキュベートした。50mM KPBS、0.4% Triton X−100、1% BSAおよび1%正常ヤギ血清から成る抗体希釈液中で30分間、22℃で切片をインキュベートし、その後、GPR101抗体に移した。4℃で48時間後、0.02% Triton X−100を伴う50mMのKPBSで組織を洗浄し、ビオチン化ヤギ抗ウサギIgG(Vector Laboratories,Inc.)と共に1時間、22℃でインキュベートし、その後、ホースラディッシュペルオキシダーゼに結合したアビジン−ビオチン複合体と共に1時間、22℃でインキュベートした。0.1M酢酸ナトリウムに溶解した、0.04% 3,3’−ジアミノベンジジン四塩酸塩、2.5%塩化ニッケルおよび0.01% Hでそのホースラディッシュペルオキシダーゼ反応生成物を可視化した。0.9% NaClで2回続けて洗浄することによって反応を停止させ、その後、浮動性組織をゼラチンコーティングスライドにマウントした。最後に、それらの切片を濃度勾配のあるアルコールおよびキシレンで処理し、その後、Permountを用いてカバーガラスをかぶせた。
結果を図3Cに示す。GPR101の発現が、尾状核−被殻(CP);分界条床核(BSTad)、前部、前外側領域;分界条床核(BSTdm)、前部、背内側領域;分界条床核(BSTav)、前部、前腹側領域;前交連(ac);外側視索前領域(LPO);分界条床核(BST);内側視索前核(MPN);視交叉上核(SCH);視索上核(SO);視交叉後部(RCH);視床下部前核(AHN);視床下部傍室核(PHVmpd)、内側小細胞部、腹側ゾーン;視床下部傍室核(PHVlp)、外側小細胞部;視床下部背内側核(DMHa)、前部;視床下部弓状核(ARH);脳弓周囲領域(PeF);外側視床下部領域(LHA);隆起核(TU);視床下部後核(PH);視床下部後傍室核(PVp);および腹側乳頭前核(PMv)において検出された。ブロッキング免疫ペプチドを使用する対照実験によって免疫染色の特異性を確認した。
(実施例14)
ラット視床下部弓状核におけるNPY/AgRPニューロンに勝るPOMCニューロンにおけるGPR101の選択的発現
GPR101のための放射性標識アンチセンスプローブとPOMCまたはNPYのためのジゴキシゲニン(Dig)標識アンチセンスプローブとを併用して、インサイチュハイブリダイゼーションにより、視床下部弓状核におけるPOMCニューロンによるおよびNPY/AgRPニューロンによるGPR101の発現を調査した。ラットGPR101プローブは、配列番号5のヌクレオチド配列に対応するものであった。ラットPOMCプローブは、ラットPOMCコーディング配列に対応するものであった(例えば、GenBank(登録商標)アクセッション番号BC058443を参照のこと)。ラットNPYプローブは、ラットNPYコーティング配列に対応するものであった(例えば、GenBank(登録商標)アクセッション番号NM_012614を参照のこと)。インサイチュハイブリダイゼーションは、本質的には下で説明するとおりに行った(Wilsonら、Endocrinology(1999)140:2387−2397を参照のこと)。
明サイクルの開始の1〜2時間後、迅速な断頭術によってラットを死亡させた。脳を除去し、イソペンテン(−40℃)中で凍結させ、−80℃で保管した。視床下部弓状核からの10μm連続切片をクリオスタットで作製し、ポリリシンを下塗りしたスライドに解凍マウントし、加工するまで−80℃で保管した。
RNasin(40単位)、DTT(2mM)、ATP、CTPおよびGTP(0.33mM)、[α−33P]−UTP(Perkin Elmer、50μCi、NEG307 H001MC)ならび適切なポリメラーゼ(T7、50単位、またはT3、20単位)を含有する転写緩衝液中で線形化プラスミドをインキュベートすることによるインビトロ転写によって、センスおよびアンチセンス32P−放射性標識GPR101プローブプローブを生成した。プローブをDNアーゼで処理し、エタノール沈殿法によって精製し、2Xハイブリダイゼーションミックス(8X SET、2X デンハルト溶液、0.4% SDS、200mM ジチオトレイトール(DTT)、500ug/mL tRNA、50ug/mL ポリA、および50ug/mL ポリC)に再懸濁させた。ジゴキシゲニン標識プローブは、同様の仕方で生成したが、140〜320μM ジゴキシゲニン−UTP(インディアナ州、インディアナポリスのBoehringer Mannheim)を用い;反応物に400μMの最終濃度までコンジュゲート化UTPを補足した。Sephadex G−50カラムを用いてRNAプローブを遊離ヌクレオチドから分離した。ハイブリダイゼーションの特異性は、センスプローブを使用する対照試験によって確認した。センスプローブを使用して特異的ハイブリダイゼーションは観察されなかった。
ハイブリダイゼーション前、切片を15分間、空気乾燥させ、1時間、22℃で、PBS中4%のパラホルムアルデヒドで固定した。それらの切片を2×SSC(300mM 塩化ナトリウムおよび30mM クエン酸ナトリウム、pH7.2)で3回、蒸留水で1回すすぎ(5分/すすぎ)、その後、0.1M トリエタノールアミン、pH8.0、および無水酢酸(0.25%)で10分間、22℃で処理した。それらの切片を水ですすぎ、濃度勾配のあるアルコールによって脱水し、放置して空気乾燥させた。
放射性標識およびジゴキシゲニン標識プローブを一緒にハイブリダイゼーション緩衝液(50%ホルムアミド、10%硫酸デキストラン、3×SSC、50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)、1×デンハルト溶液、0.1mg/mL 酵母トランスファーRNA、および10mM ジチオトレイトール)で希釈して、2〜2.5×10cpm/70μLの近似濃度にした。非放射活性プローブのための近似希釈度は、予備実験から推定した。希釈したプローブ(70μL)をそれぞれのスライド上に配置し、それらの切片にカバーガラスをかぶせた。50%ホルムアミド−50%水で湿らせた濾紙で覆ったプラスチックトレーの中に切片を配置した。トレーを封止し、55℃で16時間インキュベートした。カバーガラスを2×SSCで浮かせて外し、切片を2×SSCで3回すすぎ、リボヌクレアーゼA(200μg/mL)中で60分間、37℃でインキュベートし、その後、2、1、0.5および0.1×SSCですすいだ。70℃で60分間の0.1×SSCの最終ストリンジェンシーまで切片を洗浄し、その後、放置して室温に冷却した。
ハイブリダイゼーションおよび洗浄後、ジゴキシゲニン標識プローブの検出のために、150mM NaClを含有する0.1M リン酸緩衝液、pH7.5でのすすぎ、およびブロッキング溶液(150mM NaClおよび0.5%カゼインを含有する0.1M リン酸緩衝液、pH7.5)中、2〜4時間、室温でのインキュベーションによって切片を処理した。ブロッキング溶液で1:300希釈した、アルカリホスファターゼにコンジュゲートさせたヒツジ抗ジゴキシゲニン抗体(Fabフラグメント、Boehringer Mannheim)と共に切片を2時間、室温でインキュベートした。その後、切片を0.1M リン酸緩衝液で3回、Tris緩衝食塩水で2回、およびアルカリ基質緩衝液(100mM Tris、150mM NaCl、および50mM MgCl、pH9.5)で1回洗浄し、その後、5%ポリビニルアルコール、0.025%レバニソール、0.45% 4−ニトロブルーテトラゾリウムクロライド、および0.35% 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ホスフェート,4−トルイジン塩を含有するアルカリ基質緩衝液中で呈色反応を行った。切片を暗所で12〜24時間、室温でインキュベートし、顕微鏡で検査して、反応完了を判定した。その後、スライドを水で広範に洗浄し、0.1M グリシンおよび0.5% Triton X−100、pH2.2中で10分間、室温でインキュベートして抗体を除去し、その後、水で洗浄した。最後に、切片を1時間、2.5%グルタルアルデヒドで固定し、水で洗浄し、空気乾燥させた。切片を、先ず、1〜7日間、X線フィルムに曝露し、その後、乳剤(KD−5、ニュージャージー州、パラマスのIlford)に浸漬し、光を通さない箱の中で7〜35日間、4℃で保管した。浸漬したスライドの現像(Kodak D−19、ニューヨーク州、ロチェスターのEastman Kodak Co.)後、切片を一般にはアルコールで脱水し、顕微鏡写真撮影のためにキシレン系マウント剤(Permount、ニューヨーク州、フェアローンのFisher Scientific)で封入した。
ビデオカメラ(NTSC 750CE)に接続したOlympus BX51顕微鏡を使用し、Stereoinvestigator(登録商標)v6.55.2ソフトウェア(Microbrightfield、VT)を使用して、GPR101およびPOMCまたはNPY mRNAのいずれかを含有する細胞の分布の画像を得た。非放射活性リボプローブは、明視野で紫色の沈殿として可視化し、放射活性プローブは、銀粒子分布により暗視野で可視化した。
結果を図4A(POMCについて)および図4B(NPYについて)に提示する。視床下部弓状核におけるPOMCニューロンの極めて大多数がGPR101を発現することが認められた(図4A)のに対し、NPYニューロンによるGPR101の発現は本質的に検出できなかった(図4B)。下の表Dは、120μM離れた位置の多数の連続切片について観察された、GPR101を発現するラット視床下部弓状核の体軸方向伸長でのPOMCニューロンの百分率を示す。
表D ラット視床下部弓状核におけるPOMCニューロンによるGPR101の発現
Figure 2009538623
(実施例15)
マウス組織でのマウスにおけるGPR101発現のTaqMan分析
マウス組織におけるGPR101の発現をTaqMan分析によって調査した。様々な組織(C57B1/6J脳および膵臓を除く)から単離されたマウスRNAをZyagen(カリフォルニア州、サンディエゴ)から入手した。定量的PCR(qPCR)分析のために、BioRadからのiScript cDNA合成キットをその製造業者のプロトコルに従って使用して、全RNAからcDNAを合成した。C57B1/6J脳および膵臓を研究所内で回収し、Trizol標準手順を用いてRNAを抽出した。
qPCR反応は、以下の温度および時間でABI Prism 7900HTマシーンを使用して行った:
50℃、2分間;95℃、10分間;その後、40サイクルの95℃、15秒および60℃、1分。
マウスGPR101のqPCR分析のために使用したプライマーおよびプローブ配列は、以下のとおりであった:
フォワードプライマー − 5’−TCAGGCTAGCAGCGCAAAG−3’(配列番号18)
リバースプライマー − 5’−AATGTTGCACTGATTGGCATCT−3’(配列番号19)
TaqMan MGBプローブ−6FAM − 5’−CAGACACCGGCCGC−3’(配列番号20)
結果を図5に提示する。マウスGPR101は、視床下部をはじめとする脳において選択的に発現されることが判明した。
(実施例16)
ヒト視床下部におけるGPR101の発現の分析
A.POMCおよび副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)の発現との比較でのヒト視床下部におけるGPR101の発現のインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析
GPR101発現とPOMC発現(POMCニューロン)およびCRH発現(CRHニューロン)の間のヒト視床下部内での共局在化を、死後にドナーから得た視床下部組織から作製した連続切片を用いて行ったインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析によって調査した。アンチセンスプローブは、本質的には実施例13Bにおいて説明したとおりに合成した。ヒトGPR101プローブは、配列番号1のヌクレオチド配列に対応するものであった。ヒトPOMCプローブは、ヒトPOMCコーディング配列に対応するものであった(例えば、GenBank(登録商標)アクセッション番号BC065832を参照のこと)。ヒトCRHプローブは、ヒトCRHコーディング配列に対応するものであった(例えば、GenBank(登録商標)アクセッション番号BC011031を参照のこと)。
連続的に切断したヒト視床下部のインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析は、本質的には実施例13Bにおいて説明したとおりに行った。銀粒子分布により暗視野で放射活性プローブを可視化した。
BMI27を有する65歳の男性から死後に得た視床下部組織についての代表的結果を図6Aに示す。番号160および177の連続切片についてはGPR101発現を示す。番号153の連続切片についてはCRH発現を示す。番号171の切片についてはPOMC発現を示す。図6Aの点検から、ヒト視床下部におけるGPR101発現は、CRH発現とよりPOMC発現とのほうが空間的に一致することは明白である。
GPR101は、ヒト脳における尾状核、被殻、淡蒼球においておよび孤束核においても検出された。
B.ヒト視床下部弓状核におけるPOMCニューロンでのGPR101の発現
GPR101のための放射性標識(33P標識)アンチセンスプローブとPOMCのためのジゴキシゲニン(Dig)標識アンチセンスプローブとを併用して、インサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析により、ヒト視床下部弓状核におけるPOMCニューロンによるGPR101の発現を調査した。この分析は、本質的には実施例14において説明したとおり、死後のドナーから得たヒト視床下部弓状核から作製した連続切片を用いて行った。ヒトGPR101プローブは、配列番号1のヌクレオチド配列に対応するものであった。ヒトPOMCプローブは、ヒトPOMCコーディング配列に対応するものであった(例えば、GenBank(登録商標)アクセッション番号BC065832を参照のこと)。
結果を図6Bに提示する。ヒト視床下部弓状核内の多くのPOMCニューロンがGPR101を発現することが判明した。
(実施例17)
食事誘発肥満およびdb/dbマウスにおけるGPR101の視床下部発現の分析
A.TaqMan分析
食事誘発肥満マウスおよびdb/dbマウスの視床下部をはじめとする脳領域におけるGPR101の発現をTaqMan分析によって調査した。前記脳領域は、視床下部(Hypo)、尾状核−被殻(Cpu)および皮質であった。すべての組織は、研究所内でC57B1/6Jおよびdb/db雄マウス(db/dbマウスは、レプチン受容体遺伝子の突然変異から重度過食症および肥満を有する)から回収し、Trizol標準手順を用いてRNAを抽出した。食事誘発肥満(DIO)には、59%Kcal/gmの脂肪を含有する高脂肪食(Bio−Serve S3282)を25週間にわたって給餌し、これに対して対照(Control)マウスには、固形飼料(Teklab 8604)を給餌した。定量的PCR(qPCR)分析のために、BioRadからのiScript cDNA合成キットをその製造業者のプロトコルに従って使用して、全RNAからcDNAを合成した。
qPCR反応は、以下の温度および時間でABI Prism 7900HTマシーンを使用して行った:
50℃、2分;95℃、10分;その後、40サイクルの95℃、15秒および60℃、1分。
マウスGPR101のqPCR分析のために使用したプライマーおよびプローブ配列は、以下のとおりであった:
フォワードプライマー − 5’−TCAGGCTAGCAGCGCAAAG−3’(配列番号18)
リバースプライマー − 5’−AATGTTGCACTGATTGGCATCT−3’(配列番号19)
TaqMan MGBプローブ−6FAM − 5’−CAGACACCGGCCGC−3’(配列番号20)
ベータ−アクチン(b−アクチン)の発現を内部対照として使用した。
結果を図7Aに提示する。対照マウスについて観察されたGPR101の視床下部発現は、食事誘発肥満マウスおよびdb/dbマウスにおいて維持された。食事誘発肥満マウスおよびdb/dbマウスは、本発明の化合物、例えばマウスGPR101に対するアゴニストまたは部分アゴニスト活性を有する化合物、での治療的介入についての肥満の動物モデルとしても使用することができる。
B.インサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析
食事誘発肥満マウスおよびdb/dbマウスにおけるGPR101の発現は、視床下部から作製した連続切片を用いて行ったインサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析によって調査した。インサイチュハイブリダイゼーション組織化学分析は、本質的には実施例13Bにおいて説明したとおりに行った。配列番号3のヌクレオチド1197−1536に対応するポリヌクレオチドを使用して、アンチセンスプローブを作製した。
結果を図7Bに提示する。対照マウスについて観察されたGPR101の発現は、食事誘発肥満マウスおよびdb/dbマウスにおいて維持された。食事誘発肥満マウスおよびdb/dbマウスは、本発明の化合物、例えばマウスGPR101に対するアゴニストまたは部分アゴニスト活性を有する化合物、での治療的介入についての肥満の動物モデルとしても使用することができる。
(実施例18)
肥満Fa/Fa ZuckerラットにおけるGPR101の視床下部発現の分析
肥満Fa/Fa Zucker雄ラットの視床下部をはじめとする脳領域におけるGPR101の発現をTaqMan分析によって調査した。前記脳領域は、視床下部(Hypo)、尾状核−被殻(Cpu)および皮質であった。すべての組織は、研究所内でSprague Dawley(SD)、痩せたfa/Fa Zucler、および肥満Fa/Fa Zucker雄ラットから回収し、Trizol標準手順を用いてRNAを抽出した。定量的PCR(qPCR)分析のために、BioRadからのiScript cDNA合成キットをその製造業者のプロトコルに従って使用して、全RNAからcDNAを合成した。
qPCR反応は、以下の温度および時間でABI Prism 7900HTマシーンを使用して行った:
50℃、2分;95℃、10分;その後、40サイクルの95℃、15秒および60℃、1分。
ラットGPR101のqPCR分析のために使用したプライマーおよびプローブ配列は、以下のとおりであった:
フォワードプライマー − 5’−GGGCTGGAACTGAGCACTGA−3’(配列番号21)
リバースプライマー − 5’− CG GTCCGTGTTTGCCTTT−3’(配列番号22)
TaqMan MGBプローブ−6FAM − 5’−TCCAGGCTAGCAGCG−3’(配列番号23)
ベータ−アクチン(b−アクチン)の発現を内部対照として使用した。
結果を図8に提示する。対照マウスについて観察されたGPR101の視床下部発現は、肥満Fa/Fa Zuckerラットにおいて維持された。肥満Fa/Fa Zuckerラットは、本発明の化合物、例えばラットGPR101に対するアゴニストまたは部分アゴニスト活性を有する化合物、での治療的介入についての肥満の動物モデルとしても使用することができる。
(実施例19)
GPR101アゴニストによる視床下部α−MSH分泌のエクスビボ刺激
インビトロ視床下部スライスアッセイ(例えば、Fongら、Neurosci Lett(2000)283:5−8およびAbbottら、Endocrinology(2003)144:3943−3949を参照のこと)を用いて、本発明の化合物、例えば、ラットGPR101に対するアゴニスト活性を有する化合物がα−MSHなどのPOMC由来生物活性ペプチドの視床下部分泌を刺激することを証明することができる。
ラットを迅速な断頭術によって死亡させ、脳を除去する。Vibratomeと氷冷低カルシウム培地(次の成分から成る:10mM D−グルコース、26mM NaHCO、114mM NaCl、5mM KCl、1.2mM KHPO、10mM HEPES、9.1mM MgSO、0.2mM CaCl;pH7.4)を使用して、全ラット視床下部からスライス(400μm厚)を作製する。それらのスライスをその低カルシウム培地中で放置して室温にする。その後、それらのスライスを人工脳脊髄液(aCSF;10mM D−グルコース、26mM NaHCO、114mM NaCl、5mM KCl、1.2mM KHPO、10mM HEPES、1.3mM MgSO、2.4mM CaCl;pH7.4)に移し、1時間、37℃で放置して平衡させる。その後、それらのスライスを、本発明の化合物(例えばラットGPR101に対するアゴニスト活性を有する化合物)が存在する状態または不在の状態(ビヒクルのみ)で1時間、37℃でインキュベートする。前記化合物の好ましい濃度は、0.001〜100μMである。他の好ましい濃度は、1nM、10nM、100nM、1μM、10μM、25μM、50μMおよび100μMからなる群より選択される。その1時間のインキュベーションの後、上清を回収し、凍結させる。
その後、それらの上清サンプルをC18カラムに通し、凍結乾燥させる。Phoenix Pharmaceuticalsから入手したELISAキットを使用して、α−MSH分泌(その上清に放出されたα−MSHの量)を測定する。その上清へのα−MSHの放出を、視床下部スライスアッセイにおいて56nM KClの作用によって惹起される最大放出に対する百分率として表す。
(実施例20)
マウスにおいて高脂肪食によって誘発される脂肪蓄積増加に対するGPR101アゴニストのインビボ効果
GPR101受容体のアゴニストは、高脂肪食によって誘発される脂肪蓄積増加からの防御をもたらすことを証明することができる。年齢および性別を合わせた週齢5〜30週の野生型C57B1/6Jマウスの2つの群を個別に収容し、水および食餌を自由に入手できるようにする。それらのマウスを人工的明(12時間)/暗(12時間)サイクルで維持し、一定の湿度(70%)および温度(22℃)条件下で飼育する。4〜15週間にわたってマウスが高脂肪食(例えば、D12266B、Research Diet、31.8%脂肪/Kcal;またはBio−Serve S3282、59%Kcal/gmの脂肪)を自由に入手できるようにする。この4〜15週間の過程を通して、マウスGPR101受容体に対するアゴニスト活性を有するGPR101受容体のアゴニストまたはビヒクルのみを毎日、尾静脈に注射する。GPR101アゴニストの好ましい用量は、0.1〜100mg/kgである。他の好ましい用量は、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3.0mg/kg、10mg/kg、30mg/kgおよび100mg/kgからなる群より選択される。
その4〜15週間の終了時、マウスをCO吸入によって安楽死させ、精巣上体および鼠径部の脂肪パッドを回収し、脂肪蓄積の尺度として計量する。これらの結果は、前記GPR101アゴニストが、高脂肪食によって誘導される脂肪蓄積増加(精巣上体および鼠径部の脂肪パッドの重量増加)からの防御をもたらす(すなわち、減少させる)ことの証拠となり得る。
前記GPR101アゴニストは、選択的GPR101アゴニストであり得ると明白に考えられる。31.8%より少ないまたは多い脂肪/Kcalを有する高脂肪食を使用することもできると明白に考えられる。前記アゴニストの投与は静脈投与以外である場合もある、例えば、前記アゴニストの投与は腹腔内または経口投与である場合もあると明白に考えられる。週齢5週より若いまたは週齢30週より高齢のマウスを使用することもできると明白に考えられる。注射の期間は、4週より短い場合もあり、または15週より長い場合もあると明白に考えられる。マウス以外の非ヒト哺乳動物、例えばラット、を使用することもできると明白に考えられる。
固形飼料食(例えば、Teklab 8604)を給餌した肥満db/dbマウスにおいておよび肥満Fa/Fa ZuckerラットにおいてGPR101アゴニストが脂肪蓄積を減少させることを証明できることも明白に考えられる。
(実施例21)
マウスにおいて高脂肪食によって誘発される体脂肪率増加に対するGPR101アゴニストのインビボ効果
GPR101受容体のアゴニストは、高脂肪食によって誘発される体脂肪率増加からの防御をもたらすことを証明することができる。年齢および性別を合わせた週齢5〜30週の野生型C57B1/6Jマウスの2つの群を個別に収容し、水および食餌を自由に入手できるようにする。それらのマウスを人工的明(12時間)/暗(12時間)サイクルで維持し、一定の湿度(70%)および温度(22℃)条件下で飼育する。4〜15週間にわたってマウスが高脂肪食(例えば、D12266B、Research Diet、31.8%脂肪/Kcal;またはBio−Serve S3282、59%Kcal/gmの脂肪)を自由に入手できるようにする。この4〜15週間の過程を通して、マウスGPR101受容体に対するアゴニスト活性を有するGPR101受容体のアゴニストまたはビヒクルのみを毎日、尾静脈に注射する。GPR101アゴニストの好ましい用量は、0.1〜100mg/kgである。他の好ましい用量は、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3.0mg/kg、10mg/kg、30mg/kgおよび100mg/kgからなる群より選択される。
その4〜15週間の終了時、マウスをCO吸入によって安楽死させ、二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)(Lunar PIXImus、ウィスコンシン州、マディソンのLunar PIXImus Corp.)を使用する密度計測によって体組成を判定することにより体脂肪率を評価する。Lunar PIXImus 2.2.0ソフトウェアをその製造業者の説示に従って使用して、データを分析する。これらの結果は、前記GPR101アゴニストが、高脂肪食によって誘導される体脂肪率増加からの防御をもたらす(すなわち、減少させる)ことの証拠となり得る。
前記GPR101アゴニストは、選択的GPR101アゴニストであり得ると明白に考えられる。31.8%より少ないまたは多い脂肪/Kcalを有する高脂肪食を使用することもできると明白に考えられる。前記アゴニストの投与は静脈投与以外である場合もある、例えば、前記アゴニストの投与は腹腔内または経口投与である場合もあると明白に考えられる。週齢5週より若いまたは週齢30週より高齢のマウスを使用することもできると明白に考えられる。注射の期間は、4週より短い場合もあり、または15週より長い場合もあると明白に考えられる。マウス以外の非ヒト哺乳動物、例えばラット、を使用することもできると明白に考えられる。
固形飼料食(例えば、Teklab 8604)を給餌した肥満db/dbマウスにおいておよび肥満Fa/Fa ZuckerラットにおいてGPR101アゴニストが体脂肪率を減少させることを証明できることも明白に考えられる。
(実施例22)
マウスにおいて高脂肪食によって誘発される体重増加に対するGPR101アゴニストのインビボ効果
GPR101受容体のアゴニストは、高脂肪食によって誘発される体重増加からの防御をもたらすことを証明することができる。年齢および性別を合わせた週齢5〜30週の野生型C57B1/6Jマウスの2つの群を個別に収容し、水および食餌を自由に入手できるようにする。それらのマウスを人工的明(12時間)/暗(12時間)サイクルで維持し、一定の湿度(70%)および温度(22℃)条件下で飼育する。4〜15週間にわたってマウスが高脂肪食(例えば、D12266B、Research Diet、31.8%脂肪/Kcal;またはBio−Serve S3282、59%Kcal/gmの脂肪)を自由に入手できるようにする。この4〜15週間の過程を通して、マウスGPR101受容体に対するアゴニスト活性を有するGPR101受容体のアゴニストまたはビヒクルのみを毎日、尾静脈に注射する。GPR101アゴニストの好ましい用量は、0.1〜100mg/kgである。他の好ましい用量は、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3.0mg/kg、10mg/kg、30mg/kgおよび100mg/kgからなる群より選択される。
その4〜15週間の過程を通して週に1度、マウスを計量する。これらの結果は、前記GPR101アゴニストが、高脂肪食によって誘導される体重増加からの防御をもたらす(すなわち、減少させる)ことの証拠となり得る。
前記GPR101アゴニストは、選択的GPR101アゴニストであり得ると明白に考えられる。31.8%より少ないまたは多い脂肪/Kcalを有する高脂肪食を使用することもできると明白に考えられる。前記アゴニストの投与は静脈投与以外である場合もある、例えば、前記アゴニストの投与は腹腔内または経口投与である場合もあると明白に考えられる。週齢5週より若いまたは週齢30週より高齢のマウスを使用することもできると明白に考えられる。注射の期間は、4週より短い場合もあり、または15週より長い場合もあると明白に考えられる。マウス以外の非ヒト哺乳動物、例えばラット、を使用することもできると明白に考えられる。
固形飼料食(例えば、Teklab 8604)を給餌した肥満db/dbマウスにおいておよび肥満Fa/Fa ZuckerラットにおいてGPR101アゴニストが体重を減少させることを証明できることも明白に考えられる。水を自由に入手できるようにし、ペレット状固形飼料(例えば、Sasakiら、J Vet Med Sci(1998)60:465−469を参照のこと)を給餌したイヌにおいてGPR101アゴニストが体重増加を減少させることを証明できることも明白に考えられる。
(実施例23)
ラットにおける食餌摂取量に対するGPR101アゴニストのインビボ効果
GPR101受容体のアゴニストが絶食ラットにおける食餌摂取量を抑制することを証明することができる。雄(体重250〜275g)Sprague−Dawly(SD)ラットをHarlan(カリフォルニア州、サンディエゴ)から購入し、温度制御された環境で、17時間/7時間の明/暗サイクル(午前10:00に消灯)で、ケージ当たり4匹収容する。2週間の間、水および固形飼料(LabDiet 8604)を無制限に入手できる。この期間に、2つの機会に動物を慣らした。試験の朝、動物を食事および敷きわらなしで個々に収容し、消灯の30分前に尾静脈への注射によって化合物またはビヒクルを投与する。消灯時、予め計量した量の固形飼料を動物に与え、餌入れの近くに動物を配置する。2時間後、残りの固形飼料を計量し、試験を終了する。
GPR101アゴニストの好ましい用量は、0.1〜100mg/kgである。他の好ましい用量は、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3.0mg/kg、10mg/kg、30mg/kgおよび100mg/kgからなる群より選択される。前記GPR101アゴニストは、選択的GPR101アゴニストであり得ると明白に考えられる。前記アゴニストの投与は静脈投与以外である場合もある、例えば、前記アゴニストの投与は腹腔内または経口投与である場合もあると明白に考えられる。ラット以外の非ヒト哺乳動物、例えばマウスまたは非ヒト霊長類、を使用することもできると明白に考えられる。
絶食させた肥満db/dbマウスにおいておよび肥満Fa/Fa ZuckerラットにおいてGPR101アゴニストが食餌摂取量を減少させることを証明できることも明白に考えられる。
(実施例24)
ウサギにおける発熱に対するGPR101アゴニストのインビボ効果
本発明の化合物、例えば、GPR101に対するアゴニスト活性を有する化合物は、ここで説明する発熱のウサギモデル(例えば、Murphyら、Science(1983)221:192−193を参照のこと)を使用して熱を下げること(すなわち、解熱活性を有すること、発熱の治療に有効であること)を証明することができる。成体ニュージーランド・ホワイトラビットの側脳室にカニューレを内植し、23℃の人工気候室内に従来のストックで拘束する。サーミスタプローブ(Yellow Springs No.701)を直腸の中に10cm挿入し、適所でテーピングする。Dataloggerデジタル温度記録計(United Systems)に接続されたMINC 11コンピュータを用いて10分間隔で自動的に温度測定を行う。1時間ベースライン温度を決定した後、白血球性発熱物質を静脈内注射する。例えばGPR101に対するアゴニスト活性を有する化合物の、解熱効果の試験は、同じ動物に対して2回の別個の実験で行い、それぞれの実験前にそれぞれの動物について白血球性発熱物質に対する対照(ビヒクルのみ)応答を判定する。その化合物のそれぞれの用量を、発熱物質の試験注射の30分後に脳室内注射し、その後4時間にわたって10分間隔で温度を測定する。発熱物質のすべての注射は、耐性の発現を最小にするために少なくとも48時間離す。
前記GPR101アゴニストの好ましい用量は、0.1〜100mg/kgである。他の好ましい用量は、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3.0mg/kg、10mg/kg、30mg/kgおよび100mg/kgからなる群より選択される。前記GPR101アゴニストは、選択的GPR101アゴニストであり得ると明白に考えられる。前記化合物の投与は脳室内投与以外である場合もある、例えば、前記化合物の投与は静脈内、腹腔内または経口投与である場合もあると明白に考えられる。
ウサギ以外の非ヒト哺乳動物、例えばマウス、ラットまたは非ヒト霊長類、を使用することもできると明白に考えられる。例示的ラットモデルは、Qin−Hengら、Am J Physiol(1998)275(Regulatory Integrative Comp Physiol 44:)R524−R530において見出すことができる。
(実施例25)
マウスにおけるアテローム発生に対するGPR101アゴニストのインビボ効果
雄アポE−/−マウス(メイン州、バーハーバーのJackson Laboratory)に正常固体飼料を給餌する。アポリポタンパクE欠損(アポE−/−)マウスは、固形飼料食を用いて広範なアテローム硬化性病変を発現する、アテローム性硬化症の確立された動物モデルである(Zhangら、Science(1992)258:468−471)。週齢12週の時点で、マウスGPR101に対するアゴニスト活性を有するGPR101のアゴニストまたはビヒクルのみを尾静脈に毎日注射する。前記GPR101アゴニストの好ましい用量は、0.1〜100mg/kgである。他の好ましい用量は、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3.0mg/kg、10mg/kg、30mg/kgおよび100mg/kgからなる群より選択される。
そのGPR101アゴニスト注射の14日後、ペントバルビタール(50mg/kg)の腹腔内注射でマウスを麻酔し、大動脈洞および大動脈弓を含む心臓を回収する。実験開始時に注射をしていないマウスからも心臓を回収する。3つの実験群のそれぞれに10匹のマウスを使用する。
10%ホルマリンで一晩固定した後、最適切断温度(Optimal Cutting Temperature:OCT;Sakura Finetechnical Co., Ltd)コンパウンド包埋された大動脈洞の凍結断面(10μm厚)をスライドにマウントする。プラークサイズの分析のために、それぞれのマウスからの(100μm離れた)3つの断片をOil Red Oで染色した。病変サイズおよび病変内の脂質滴の直径を画像分析用コンピュータソフトウェアで定量し、平均値を決定する。GPR101アゴニストを注射した群についての平均値を、ビヒクルのみを注射したグループの平均値と比較する。
データを平均±SEMとして提示し、ならびにそれらの分布パターンに依存してスチューデントt検定またはマン−ホイットニーU検定によって分析する。p<0.05の値を統計的に有意とみなす。例えば、Okamotoら、Circulation(2002)106:2767−2770を参照のこと)。
これらの結果は、前記GPR101アゴニストがアテローム発生の阻害剤であることの証拠となり得る。
他の実施形態では、非観血的インビボ技術(例えば、Fayadら、Circulation(1998)98:1541−1547を参照のこと)を用いて、GPR101アゴニストがアポE−/−マウスにおけるアテローム発生の阻害剤であることを証明できると明白に考えられる。他の実施形態では、前記アゴニストの投与が静脈投与以外である、例えば、前記アゴニストの投与が腹腔内または経口投与であると明白に考えられる。他の実施形態では、週齢12週以外で、週齢12週より早くまたは遅く、治療を始めることが明白に考えられる。他の実施形態では、14日より短いまたは長い間、治療を継続することが明白に考えられる。注射は1日1回以外である場合もあると明白に考えられる。
(実施例26)
マウスにおける慢性炎症性関節炎に対するGPR101アゴニストのインビボ効果
週齢13〜14週の雄と雌の両方のMRL−lprマウス(メイン州、バーハーバーのJackson Laboratory)を使用する。MRL−lprマウスは、細胞浸潤、パンヌス形成、骨および軟骨破壊、ならびに血清リウマチ因子の存在をはじめとするヒト関節リウマチに類似した特徴を有する慢性炎症性関節炎を自然発現する。通常、この疾病は、その動物の寿命の終わりのほうで発現するが、フロイント完全アジュバント(CFA)の注射は、早期発症を起こさせ、その関節炎の重症度を増す(Rakayら、J Immunol(1993)151:5081−5087)。
それぞれの実験の第0日に、すべての群のマウスの胸部および鼠径部にCFAを皮内注射する(0.05mLのCFAに1mL当たり10mgの熱不活化結核菌(Mycobacterium tuberculosis)H37 Ra(ミシガン州、デトロイトのDifco)を補足)。直ちに、マウスGPR101に対するアゴニスト活性を有するGPR101のアゴニストまたはビヒクルのみを尾静脈に毎日注射する。前記GPR101アゴニストの好ましい用量は、0.1〜100mg/kgである。他の好ましい用量は、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3.0mg/kg、10mg/kg、30mg/kgおよび100mg/kgからなる群より選択される。
治療は、30日間継続する。腫脹を定量するために、マイクロメーターで足首幅を測定する。スチューデントt検定を用いて、足首幅測定値の対のセットの統計的比較を行う。
組織病理分析
CFAプライミング後30日の時点で、後足を緩衝ホルマリンで固定する。48時間、10%ギ酸中で脱石灰した後、パラフィン包埋のために組織を処理する。足根中足関節の連続切片を5mm厚に切断し、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色する。実験プロトコルについて知らない人物が切片を検査する。最低10個の切片/関節を評価し、評点付けして、滑膜下(subsynovial)炎症(0、正常;1、限局性炎症性浸潤;2、細胞組織構造の優位を占める炎症性浸潤)、骨膜過形成(0、正常;1、1つの関節に見られる連続する最低3層の厚さの骨膜表層;2、幾つかの関節において検出される最低3層の厚さの骨膜表層)、パンヌス形成および軟骨侵食(0、正常;1、顕性軟骨消失を伴わない軟骨表面を部分的に覆うパンヌス;2、顕性軟骨消失につながるパンヌス)、骨破壊(0、正常;1、パンヌスまたは破骨細胞活性による骨の検出可能な破壊;2、パンヌスおよび破骨細胞活性が骨の有意な部分を破壊した)の半定量測定値を得、最終的に、総合病理は、これらの基準についての値の合計によって導出される総合評価である[例えば、Gongら、J Exp Med(1997)186:131−137を参照のこと]。スチューデントt検定を用いて組織病理の統計的分析を行う。
これらの結果は、前記GPR101アゴニストが慢性炎症性関節炎の阻害剤であること、例えば、前記GPR101アゴニストが、関節リウマチの阻害剤であることの証拠となり得る。
他の実施形態では、前記アゴニストの投与が静脈投与以外である、例えば、前記アゴニストの投与が腹腔内または経口投与であると明白に考えられる。他の実施形態では、週齢13〜14週以外で、週齢13〜14週より早くまたは遅く、治療を始めることが明白に考えられる。他の実施形態では、30日より短いまたは長い間、治療を継続することが明白に考えられる。注射は1日1回以外である場合もあると明白に考えられる。

Claims (62)

  1. 候補化合物を視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として同定する方法であって、該方法は、
    (a)GPCRを含む組換え宿主細胞またはその膜と該候補化合物を接触させる工程であって、ここで、該受容体は、
    (i)配列番号2のアミノ酸配列;
    (ii)特異的プライマー配列番号7および配列番号8を使用してヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
    (iii)配列番号4のアミノ酸配列;
    (iv)配列番号6のアミノ酸配列;
    (v)配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
    (vi)配列番号2、配列番号4または配列番号6に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
    (vii)配列番号2、配列番号4または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;および
    (viii)(i)から(vii)のうちのいずれか1つの生物活性フラグメント
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、かつ該受容体は、Gタンパク質に結合する、工程、および
    (b)該GPCRの機能性を阻害または刺激する該化合物の能力を決定する工程
    を含み、ここで、
    該GPCRの機能性を阻害または刺激する該化合物の能力が、その化合物が視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子であることを示す

    方法。
  2. 前記GPCRが、配列番号2のアミノ酸配列、または配列番号2に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記GPCRの機能性を刺激する前記化合物の能力が、該化合物が視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を刺激する化合物であることを示す、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記POMC由来生物活性ペプチドが、ACTH、β−エンドルフィン、α−MSH、β−MSHおよびγ−MSHからなる群より選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記GPCRのアゴニストを同定する工程を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記GPCRの部分アゴニストを同定する工程を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記候補化合物が、肥満またはそれに関連した状態を治療または予防するための医薬としてスクリーニングされる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記肥満に関連した状態が、高血圧、インスリン抵抗性、メタボリック症候群、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性硬化症、冠性心疾患および卒中からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記候補化合物が、満腹を促進するための医薬としてスクリーニングされる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記候補化合物が、過食症を治療または予防するための医薬としてスクリーニングされる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記候補化合物が、発熱を治療または予防するための医薬としてスクリーニングされる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記候補化合物が、炎症関連障害を治療または予防するための医薬としてスクリーニングされる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記GPCRの逆アゴニストを同定する工程を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記GPCRのアンタゴニストを同定する工程を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記候補化合物が、悪液質を治療または予防するための医薬としてスクリーニングされる、請求項1から4、13および14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記悪液質が、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少からなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記候補化合物が、体重、脂肪蓄積、体脂肪率および食事摂取量からなる群より選択されるエネルギー恒常性関連パラメータを調節するための医薬としてスクリーニングされる、請求項1から6、13および14のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記アゴニストまたは部分アゴニストを医薬として調合する工程をさらに含む、請求項5から12および17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記逆アゴニストまたはアンタゴニストを医薬として調合する工程をさらに含む、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記決定する工程が、第二メッセンジャーのレベルの測定によるものである、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記第二メッセンジャーが、cAMPである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記決定する工程が、メラニン保有細胞アッセイの使用を含む方法によるものであるか、または前記GPCRを含む膜へのGTPγSの結合の測定を含む方法によるものであるか、またはcAMP応答性レポーターアッセイの使用を含む方法によるものである、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  23. 請求項1から22のいずれか一項に記載の方法に従って同定することができる調節因子。
  24. 脊椎動物GPR101受容体の調節因子と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  25. 脊椎動物GPR101受容体の調節因子と医薬的に許容される担体を混合することを含む、医薬組成物の作製方法。
  26. 視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を増加させる方法であって、該方法は、増加を必要とする脊椎動物に、該脊椎動物GPR101受容体のアゴニストもしくは部分アゴニストの治療有効量または該アゴニストもしくは部分アゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
  27. 肥満またはそれに関連した状態を治療または予防する方法であって、該方法は、治療または予防を必要とする脊椎動物に、該脊椎動物GPR101受容体のアゴニストもしくは部分アゴニストの治療有効量または該アゴニストもしくは部分アゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
  28. 前記肥満に関連した状態が、高血圧、インスリン抵抗性、メタボリック症候群、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性硬化症、冠性心疾患および卒中からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 脊椎動物において満腹を促進する方法であって、該方法は、満腹を必要とする脊椎動物に、該脊椎動物GPR101受容体のアゴニストもしくは部分アゴニストの治療有効量または該アゴニストもしくは部分アゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
  30. 過食症を治療または予防する方法であって、該方法は、治療または予防を必要とする脊椎動物に、該脊椎動物GPR101受容体のアゴニストもしくは部分アゴニストの治療有効量または該アゴニストもしくは部分アゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
  31. 発熱を治療または予防する方法であって、該方法は、治療または予防を必要とする脊椎動物に、該脊椎動物GPR101受容体のアゴニストもしくは部分アゴニストの治療有効量または該アゴニストもしくは部分アゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
  32. 炎症関連障害を治療または予防する方法であって、該方法は、治療または予防を必要とする脊椎動物に、該脊椎動物GPR101受容体のアゴニストもしくは部分アゴニストの治療有効量または該アゴニストもしくは部分アゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
  33. 体重を減少させる、脂肪蓄積を減少させる、体脂肪率を減少させる、または食事摂取を減少させる方法であって、該方法は、減少を必要とする脊椎動物に、該脊椎動物GPR101受容体のアゴニストもしくは部分アゴニストの治療有効量または該アゴニストもしくは部分アゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
  34. 前記脊椎動物が、哺乳動物またはヒトである、請求項26から33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を減少させる方法であって、該方法は、減少を必要とする脊椎動物に、該脊椎動物GPR101受容体の逆アゴニストもしくはアンタゴニストの治療有効量または該逆アゴニストもしくはアンタゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
  36. 悪液質を治療または予防する方法であって、該方法は、治療または予防を必要とする脊椎動物に、該脊椎動物GPR101受容体の逆アゴニストもしくはアンタゴニストの治療有効量または該逆アゴニストもしくはアンタゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
  37. 前記悪液質が、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少からなる群より選択される、請求項36に記載の方法。
  38. 体重を増加させる、脂肪蓄積を増加させる、体脂肪率を増加させる、または食事摂取を増加させる方法であって、該方法は、増加を必要とする脊椎動物に、該脊椎動物GPR101受容体の逆アゴニストもしくはアンタゴニストの治療有効量または該逆アゴニストもしくはアンタゴニストと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、方法。
  39. 前記脊椎動物が、哺乳動物またはヒトである、請求項35から38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を増加させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101受容体のアゴニストまたは部分アゴニストの使用。
  41. 肥満またはそれに関連した状態を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101受容体のアゴニストまたは部分アゴニストの使用。
  42. 前記肥満に関連した状態が、高血圧、インスリン抵抗性、メタボリック症候群、2型糖尿病、異脂肪血症、アテローム性硬化症、冠性心疾患および卒中からなる群より選択される、請求項41に記載の使用。
  43. 満腹を促進するための薬物の製造における脊椎動物GPR101受容体のアゴニストまたは部分アゴニストの使用。
  44. 過食症を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101受容体のアゴニストまたは部分アゴニストの使用。
  45. 発熱を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101受容体のアゴニストまたは部分アゴニストの使用。
  46. 炎症関連障害を治療または予防するための薬物の製造における脊椎動物GPR101受容体のアゴニストまたは部分アゴニストの使用。
  47. 体重を減少させるための、脂肪蓄積を減少させるための、体脂肪率を減少させるための、または食事摂取量を減少させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101受容体のアゴニストまたは部分アゴニストの使用。
  48. 視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌を減少させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101受容体の逆アゴニストまたはアンタゴニストの使用。
  49. 脊椎動物において悪液質を治療または予防するための薬物の製造における該脊椎動物GPR101受容体の逆アゴニストまたはアンタゴニストの使用。
  50. 前記悪液質が、AIDS関連体重減少、癌関連体重減少および食欲不振関連体重減少からなる群より選択される、請求項49に記載の使用。
  51. 体重を増加させるための、脂肪蓄積を増加させるための、体脂肪率を増加させるための、または食事摂取量を増加させるための薬物の製造における脊椎動物GPR101受容体の逆アゴニストまたはアンタゴニストの使用。
  52. POMC由来生物活性ペプチド関連疾患のための医薬として候補化合物をスクリーニングする方法であって、該方法は、
    (a)GPCRを含む組換え宿主細胞またはその膜と候補化合物を、該受容体と該候補化合物との相互作用を可能にする条件下で接触させる工程であって、該受容体は、
    (i)配列番号2のアミノ酸配列;
    (ii)特異的プライマー配列番号7および配列番号8を使用してヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
    (iii)配列番号4のアミノ酸配列;
    (iv)配列番号6のアミノ酸配列;
    (v)配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
    (vi)配列番号2、配列番号4または配列番号6に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
    (vii)配列番号2、配列番号4または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;および
    (viii)(i)から(vii)のうちのいずれか1つの生物活性フラグメント
    からなる群より選択されるアミノ酸を含む、工程、および
    (b)該GPCRに結合するリガンドを検出する工程
    を含む、
    POMC由来生物活性ペプチド関連疾患のための医薬として候補化合物をスクリーニングする方法。
  53. 前記GPCRが、配列番号2、または配列番号2に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列を含む、請求項52に記載の方法。
  54. 前記POMC由来生物活性ペプチドが、ACTH、β−エンドルフィン、α−MSH、β−MSHおよびγ−MSHからなる群より選択される、請求項52または請求項53に記載の方法。
  55. 前記スクリーニングが、肥満もしくはそれに関連した状態の危険があるか、または肥満もしくはそれに関連した状態に進行している脊椎動物を特定するための放射線イメージング剤についてのスクリーニングである、請求項52から54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 視床下部プロオピオメラノコルチン(POMC)由来生物活性ペプチドの分泌の調節因子として、またはPOMC由来生物活性ペプチド関連疾患のための医薬として候補化合物をスクリーニングするためのGPCRの使用であって、該GPCRは、
    (a)配列番号2のアミノ酸配列;
    (b)特異的プライマー配列番号7および配列番号8を使用してヒトDNAサンプルに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅することができるポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
    (c)配列番号4のアミノ酸配列;
    (d)配列番号6のアミノ酸配列;
    (e)配列番号1、配列番号3または配列番号5の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされているGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
    (f)配列番号2、配列番号4または配列番号6に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
    (g)配列番号2、配列番号4または配列番号6のアミノ酸配列の変異体を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列;
    (h)(a)から(g)のうちのいずれか1つの生物活性フラグメント
    からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、使用。
  57. 前記GPCRが、配列番号2のアミノ酸配列、または配列番号2に対して少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するGタンパク質結合受容体のアミノ酸配列を含む、請求項56に記載の使用。
  58. 前記POMC由来生物活性ペプチドが、ACTH、β−エンドルフィン、α−MSH、β−MSHおよびγ−MSHからなる群より選択される、請求項56または請求項57に記載の使用。
  59. 前記スクリーニングが、前記GPCRのアゴニストについてのスクリーニングである、請求項56から58のいずれか一項に記載の使用。
  60. 前記スクリーニングが、前記GPCRの部分アゴニストについてのスクリーニングである、請求項56から59のいずれか一項に記載の使用。
  61. 前記スクリーニングが、前記GPCRの逆アゴニストについてのスクリーニングである、請求項56から58のいずれか一項に記載の使用。
  62. 前記スクリーニングが、前記GPCRのアンタゴニストについてのスクリーニングである、請求項56から58のいずれか一項に記載の使用。
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