JP2009536826A - Dna組換え接合部の検出 - Google Patents

Dna組換え接合部の検出 Download PDF

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Abstract

本発明は、核酸内の組込み挿入ポリヌクレオチドの存否を検出するための方法、組成物およびキットを提供する。該組成物、方法およびキットは、例えば、細菌において抗生物質に対する耐性を付与する組込み挿入ポリヌクレオチドの検出において用いられる。方法に関して、本発明は、標的ポリヌクレオチド配列内の接合部位での組込み挿入ポリヌクレオチドの存否を決定する方法を提供する。組成物に関して、本発明は、標的ポリヌクレオチド内の第1標的配列と第2標的配列との接合部位での組込み挿入ポリヌクレオチドの存否を決定するための反応混合物および溶液を含む組成物を提供する。キットに関して、本発明は、標的ポリヌクレオチド内の第1標的配列と第2標的配列との接合部位での組込み挿入ポリヌクレオチドの存否を決定するためのキットを提供する。

Description

(関連する特許出願への相互参照)
本特許出願は、2006年5月12日に出願された米国仮特許出願第60/800,104号の利益を主張し、米国仮特許出願第60/800,104号の全体の開示は、本明細書において全ての目的のために参考として援用される。
(発明の背景)
組込み挿入ヌクレオチド配列の検出は、多くの状況において重要である。例えば、組込みヌクレオチド配列は、哺乳動物において腫瘍遺伝子、細菌において抗生物質耐性遺伝子、および植物において同定可能な形質を運搬し得る遺伝子を輸送できる。細菌の抗生物質耐性は、世界的な臨床上の問題および公衆衛生の懸念である(例えば非特許文献1および非特許文献2を参照されたい)。明らかに、組込み挿入ヌクレオチドの存否を検出する効率的で感度が高くかつ信頼できる方法は、臨床診断および他の状況において価値がある。
組込み挿入ヌクレオチド配列を検出する方法が開発されている。あるアプローチにおいて、組込み挿入ヌクレオチドは、一方のプライマーが標的核酸配列とハイブリッド形成し、他方のプライマーが挿入ヌクレオチドとハイブリッド形成するPCRを用いて検出される。単位複製配列が検出されることは、挿入ポリヌクレオチドの存在を示す。この方法は、挿入ヌクレオチドの配列がしばしば変動可能であるので、擬陰性または検出されない挿入ヌクレオチドの結果をもたらし得る。利用可能なプライマーは、挿入ポリヌクレオチドとハイブリッド形成し得るか、またはし得ない。例えば、カリフォルニア州サンディエゴのGeneOhm SciencesによるIDI−MRSA(商標)テストを参照されたい。
別のアプローチにおいて、組込み挿入ヌクレオチドは、両方のプライマーが挿入ポリヌクレオチドとハイブリッド形成するPCRを用いて検出される。再び、単位複製配列が検出されることは、組込み挿入ポリヌクレオチドの存在を示す。この方法も、組込み挿入ヌクレオチドの多形性により、擬陰性の結果をもたらし得るという欠点を有する。また、フォワードおよびリバースのプライマーがともに挿入ポリヌクレオチドとハイブリッド形成したときに、挿入ポリヌクレオチドが、標的核酸配列に組込まれているのか明確でない。例えば、非特許文献3およびカリフォルニア州アラミダRoche DiagnosticsによるLightCycler(登録商標)MRSA検出キットを参照されたい。
さらなるアプローチにおいて、組込み挿入ポリヌクレオチドの存否は、一方のプライマーが標的核酸配列とハイブリッド形成し、かつ他方のプライマーが標的核酸配列と挿入ポリヌクレオチドとの間の組込み部位にまたがる配列とハイブリッド形成するPCRを用いて同定される。ここで、単位複製配列が検出されないこと(増幅の欠如)は、組込み挿入ポリヌクレオチドの存在を示す。この方法は、陰性のシグナルが挿入ポリヌクレオチドの陽性の組込みを示すという不利な点を有する(例えば特許文献1を参照されたい)。
米国特許第6,156,507号明細書 Sheldon、Clin Lab Sci(2005年)18巻:170頁 French、Adv Drug Deliv Rev(2005年)57巻:1514頁 Kreiswirthら、J Clin Microbiol(2005年)43巻:4585頁
陽性のシグナルが挿入ポリヌクレオチドの組込みを示す、組込み挿入ポリヌクレオチドを検出するための効率的で感度が高い方法に対する必要性が、まだ存在している。
(発明の概要)
本発明は、核酸内の挿入ポリヌクレオチドの存否を検出するための組成物(例えば溶液、反応混合物)、方法およびキットを提供する。該組成物、方法およびキットは、例えば、細菌において抗生物質に対する耐性を付与する組込み挿入ポリヌクレオチドの検出において用いられる。
方法に関して、本発明は、標的ポリヌクレオチド配列内の接合部位での組込み挿入ポリヌクレオチドの存否を決定する方法を提供する。いくつかの実施形態において、該方法は、標的ポリヌクレオチドを、第1プライマー、第2プライマー、ブロッカーポリヌクレオチド、ポリメラーゼおよび1つまたは複数のヌクレオチド3リン酸と接触させるステップを含み、
(i)標的ポリヌクレオチドが、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合に、一方の側に第1標的配列が、他方の側に前記第1標的配列と連続する第2標的配列がまたがる接合部位を含むポリヌクレオチド鎖を含み、
(ii)ブロッカーポリヌクレオチドが、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合に、連続する第1標的配列および第2標的配列とハイブリッド形成し、
(iii)第1プライマーが、接合部位に近位の第1標的配列の第1領域とハイブリッド形成することにより、
(iv)第1標的配列の第1および第2領域を含む第1標的配列のコピーの合成を開始可能である第2プライマーが、接合部位に遠位の第1標的配列の第2領域とハイブリッド形成する
ことにより、接合部位に組込み挿入配列が存在する場合は、第1および第2プライマーが第1標的配列の第1および第2領域の指数関数的増幅を支持し、接合部位に組込み挿入配列が存在しない場合は、ブロッカーポリヌクレオチドが、第1標的配列の第1および第2領域の増幅が阻害されるように、連続する第1および第2標的配列とハイブリッド形成し、このことにより標的ポリヌクレオチド内の接合部位での組込み挿入ポリヌクレオチドの存否が決定される。
組成物に関して、本発明は、標的ポリヌクレオチド内の第1標的配列と第2標的配列との接合部位での組込み挿入ポリヌクレオチドの存否を決定するための反応混合物および溶液を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、該組成物は、標的ポリヌクレオチドと、第1プライマーと、第2プライマーと、ブロッカーポリヌクレオチドとを含み、
(i)標的ポリヌクレオチドが、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合に、一方の側に第1標的配列が、他方の側に第1標的配列と連続する第2標的配列がまたがる接合部位を含むポリヌクレオチド鎖を含み、
(ii)ブロッカーポリヌクレオチドが、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合に、連続する第1および第2標的配列とハイブリッド形成し、
(iii)第1プライマーが、接合部位に近位の第1標的配列の第1領域とハイブリッド形成することにより、
(iv)第1標的配列の第1および第2領域を含む第1標的配列のコピーの合成を開始可能である第2プライマーが、接合部位に遠位の第1標的配列の第2領域とハイブリッド形成する
ことにより、接合部位に組込み挿入配列が存在する場合は、第1および第2プライマーが第1標的配列の第1および第2領域の指数関数的増幅を支持し、接合部位に組込み挿入配列が存在しない場合は、ブロッカーポリヌクレオチドが、第1標的配列の第1および第2領域の増幅が阻害されるように、連続する第1および第2標的配列とハイブリッド形成する。
キットに関して、本発明は、標的ポリヌクレオチド内の第1標的配列と第2標的配列との接合部位での組込み挿入ポリヌクレオチドの存否を決定するためのキットを提供する。いくつかの実施形態において、該キットは、第1プライマーと、第2プライマーと、ブロッカーポリヌクレオチドを含み、ここで、
(i)標的ポリヌクレオチドが、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合に、一方の側に第1標的配列が、他方の側に第1標的配列と連続する第2標的配列がまたがる接合部位を含むポリヌクレオチド鎖を含み、
(ii)ブロッカーポリヌクレオチドが、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合に、連続する第1および第2標的配列とハイブリッド形成し、
(iii)第1プライマーが、接合部位に近位の第1標的配列の第1領域とハイブリッド形成することにより、
(iv)第1標的配列の第1および第2領域を含む第1標的配列のコピーの合成を開始可能である第2プライマーが、接合部位に遠位の第1標的配列の第2領域とハイブリッド形成する
ことにより、接合部位に組込み挿入配列が存在する場合は、第1および第2プライマーが第1標的配列の第1および第2領域の指数関数的増幅を支持し、接合部位に組込み挿入配列が存在しない場合は、ブロッカーポリヌクレオチドが、第1標的配列の第1および第2領域の増幅が阻害されるように、連続する第1および第2標的配列とハイブリッド形成する。
方法、組成物およびキットのさらなる実施形態に関して、いくつかの実施形態において、第1プライマーの全長は、ブロッカーと競合的に第1標的配列とハイブリッド形成する。いくつかの実施形態において、第1プライマーの一部分は、ブロッカーと競合的に第1標的配列とハイブリッド形成する。
いくつかの実施形態において、第1標的配列の第1領域は、接合または組込み部位の近辺に存在し得る逆方向反復の領域の外側にある。いくつかの実施形態において、第1標的配列の第1領域は、接合部位から少なくとも20、30、40以上のヌクレオチド塩基離れている。
いくつかの実施形態において、第1プライマーおよびブロッカーポリヌクレオチドのそれぞれは、標的ポリヌクレオチド内の第1領域に実質的に相補的であり、第1プライマーは、標的ポリヌクレオチド内の第1領域に対して、ブロッカーポリヌクレオチドよりも少ない数のミスマッチヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態において、第1プライマーは、標的ポリヌクレオチド内の第1領域に完全に相補的であり、ブロッカーポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチドの第1領域に比較して少なくとも1つの内部ミスマッチを有する。
いくつかの実施形態において、第1標的配列および第2標的配列はStaphylococcus aureus orfXの一部分であり、接合部位はattB組込み部位であり、挿入ポリヌクレオチドはSCCmec複合体の少なくとも一部分であり、標的ポリヌクレオチドはStaphylococcus aureus由来のDNAである。
いくつかの実施形態において、ブロッカーは伸長不可能である。いくつかの実施形態において、ブロッカーポリヌクレオチドは、その3’末端に、リン酸およびヘキシルアミンからなる群より選択される部分を含む。いくつかの実施形態において、ブロッカーポリヌクレオチドは、少なくとも1つの核酸類似体塩基を含む。
いくつかの実施形態において、ヌクレオチド3リン酸は、dNTPヌクレオチドである。
いくつかの実施形態において、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼ、例えばTaqポリメラーゼである。
方法、組成物およびキットは、組込み挿入ポリヌクレオチドの存否について複数の標的ポリヌクレオチドを同時に評価するために設計され得る。いくつかの実施形態において、方法は、多重フォーマットで行われる。
いくつかの実施形態において、方法は、反応混合物または標的ポリヌクレオチドを、増幅条件にさらすステップをさらに含む。いくつかの実施形態において、増幅は、PCRによる。いくつかの実施形態において、方法は、マルチプレックスPCRにより行われる。いくつかの実施形態において、増幅は、リアルタイムPCRにより検出される。
いくつかの実施形態において、挿入ポリヌクレオチドは、少なくとも10ヌクレオチド塩基長である。いくつかの実施形態において、挿入ポリヌクレオチドは、接合部位に組込まれている。いくつかの実施形態において、挿入ポリヌクレオチドは、接合部位に組込まれていない。
いくつかの実施形態において、キットは、第1標的配列と第2標的配列とを含む対照標的ポリヌクレオチドをさらに含む。
定義
「挿入ポリヌクレオチド」または「挿入配列」は、交換可能に、特定の挿入部位に天然には位置しないが、標的ポリヌクレオチド配列内に挿入することができ、かつ標的ポリヌクレオチド配列内で連続する配列になり得るポリヌクレオチドのことをいう。挿入ポリヌクレオチドは、同じ配列内の別の位置を起源とすることができるか(例えばトランスポゾン)、または別の生物のゲノムに由来し得る(例えばウイルス)。組込み挿入ポリヌクレオチドは、生物によってその子孫に伝達され得る。挿入ポリヌクレオチドの限定しない例は、トランスポゾン、移動性遺伝因子、およびレトロウイルスベクターを含む。挿入ポリヌクレオチドの組込みは、検出可能な表現型をもたらし得るが、それを必須としない。例えば、挿入ポリヌクレオチドは、細菌において抗生物質耐性を付与する核酸配列も含み得る。挿入ポリヌクレオチドは、DNA転位事象(例えば、c−erb−B2 RNAスプライスバリアント;bcr/abl融合;およびBcl−2またはBcl−10に影響する転位を含む転位性腫瘍マーカー)によっても創出され得るか、またはDNA組換え事象により創出される任意の他のマーカー接合部であり得る。図1および2を参照されたい。
「接合部」または「接合部位」は、交換可能に、標的ポリヌクレオチド配列内の第1標的配列が第2標的配列と接する部位のことをいう。接合部は、組込み部位ともいう。挿入配列は、接合または組込み部位にて標的ポリヌクレオチド配列内に挿入される。図1および2を参照されたい。
「接合部をまたぐ」とは、一方のポリヌクレオチドの5’末端および他方のポリヌクレオチドの3’末端とハイブリッド形成することにより、接合部を形成する2つのポリヌクレオチドとハイブリッド形成するポリヌクレオチドの能力のことをいう。2つの配列の接合部をまたぐポリヌクレオチドは、第1配列の3’末端と、第2配列の5’末端とにハイブリッド形成し、第1配列の3’ヌクレオチドと第2配列の5’ヌクレオチドとは互いに直接接する。
用語「近位の」または「近接する」は、交換可能に、標的ポリヌクレオチド配列内の接合部位に関して、第1プライマーに実質的に相補的でかつハイブリッド形成可能な標的ポリヌクレオチド配列内の領域の位置のことをいう。第1プライマーとハイブリッド形成可能な領域と接合部位とは、1〜約20ヌクレオチド、例えば約1〜10ヌクレオチドにより分離され得る。いくつかの実施形態において、第1プライマーがハイブリッド形成可能な領域と接合部位とは、互いに直接接する。
「増幅条件」または「伸長条件」は、交換可能に、その条件の下で、ポリヌクレオチドの3’末端にポリメラーゼがヌクレオチドを付加し得る条件のことをいう。このような増幅または伸長条件は、当該技術において公知であり、例えば、SambrookおよびRussell、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版、2001年、Cold Spring Harbor Laboratory PressおよびAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology、1987年〜2007年、John Wiley & Sonsに記載されている。
「実質的に相補的」とは、本明細書で用いる場合、問題の配列中のヌクレオチドの20%以下(例えば15、10または5%以下)が、標的配列と不適当に組み合わされた配列のことをいう。いくつかの実施形態において、2つのポリヌクレオチドは、1、2、3、4、5以上のヌクレオチドミスマッチを有する。
「ミスマッチヌクレオチド」とは、対象の配列と標的配列とを増幅反応においてハイブリッド形成させたときに、対応する配列内の対応するヌクレオチドの相補体でない対象の配列内のヌクレオチドのことをいう。Cの相補体はGであり、Aの相補体はTである。当業者は、ワトソン−クリック結合特性を有する種々の合成ヌクレオチドが知られており、相補的合成ヌクレオチドは、この定義に含まれることが意図されることを認識するであろう。
「ブロッカーポリヌクレオチド」は、挿入ポリヌクレオチドについて組込み部位(すなわち接合部)をまたぐ標的ポリヌクレオチド配列とハイブリッド形成するポリヌクレオチドのことをいう。組込み挿入ポリヌクレオチドの不在下では、ブロッカーポリヌクレオチドが、標的ポリヌクレオチド配列の第1標的配列と第2標的配列の両方とハイブリッド形成する。いくつかの実施形態において、ブロッカーポリヌクレオチドは、ポリメラーゼにより伸長可能でない。
本明細書で用いる場合、用語「核酸」および「ポリヌクレオチド」は、長さにより限定されず、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含む)、およびプリンもしくはピリミジン塩基または修飾プリンもしくはピリミジン塩基の任意の他のN−グリコシドの直鎖状ポリマーの総称である。これらの用語は、二本鎖および一本鎖DNA、ならびに二本鎖および一本鎖RNAを含む。
核酸配列またはポリヌクレオチドは、ホスホジエステル結合、または限定されないが、ホスホトリエステル、ホスホラミデート、シロキサン、カーボネート、カルボキシメチルエステル、アセトアミデート、カルバメート、チオエーテル、架橋ホスホラミデート、架橋メチレンホスホネート、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート、架橋ホスホロチオエートまたはスルホン結合を含む修飾結合、ならびにこのような結合の組合せを含み得る。
核酸配列またはポリヌクレオチドは、5つの生物学的に発生する塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシンおよびウラシル)および/または5つの生物学的に発生する塩基以外の塩基を含み得る。これらの塩基は、例えばハイブリッド形成を安定化または不安定化する;プローブ変性を促進または阻害する;あるいは検出可能部分またはクエンチャー部分の付着点としてのいくつかの目的のためになり得る。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、限定されないが、N−メチル−アデニン、N−tert−ブチル−ベンジル−アデニン、イミダゾール、置換イミダゾール、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ−D−ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチルアデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータ−Dマンノシルキューオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル(すなわちチミン)、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、2,6−ジアミノプリンおよび5−プロピニルピリミジンを含む1つまたは複数の修飾、非標準または誘導体化塩基部分を含み得る。修飾、非標準または誘導体化塩基部分の他の例は、それぞれの全体が参照により本明細書に組込まれる米国特許第6001611号;第5955589号;第5844106号;第5789562号;第5750343号;第5728525号;および第5679785号に見出し得る。
さらに、核酸配列またはポリヌクレオチドは、限定されないが、アラビノース、2−フルオロアラビノース、キシルロースおよびヘキソースを含む1つまたは複数の修飾糖部分を含み得る。
「ハイブリッド形成融解温度」または「Tm」は、ポリヌクレオチド二重鎖が、50%が一本鎖の形であり、50%が二本鎖の形である具体的な条件の下での温度のことをいう。ハイブリッド形成融解温度は、短いDNA二重鎖に当てはめ得る最近接2値モデル
Tm(℃)=(ΔH°/(ΔS°+Rln[オリゴ]))−273.15
(式中、ΔH°(エンタルピー)およびΔS°(エントロピー)は、配列および発表された最近接熱力学パラメータから計算される融解パラメータであり、Rは理想気体定数(1.987calK−1モル−1)であり、[オリゴ]はポリヌクレオチドのモル濃度であり、定数−273.15は、温度をケルビンからセ氏に変換する)を用いて計算する。DNA/DNA塩基対の最近接パラメータは、Allawiら、Biochemistry(1997年)36巻:10581頁;Allawiら、Biochemistry(1998年)37巻:2170頁;Allawiら、Biochemistry(1998年)37巻:9435頁;およびPeyretら、Biochemistry(1999年)38巻:3468頁から得られる。Tmは、溶媒の1価の塩濃度([Na])に依存する。[Na]の初期設定濃度は50mMである。Tmを計算するためのソフトウェアプログラムは、例えばアイオワ州コーラルビルのIntegrated DNA Technologiesから容易に入手可能である。
(発明の詳細な説明)
本発明は、組込み挿入ポリヌクレオチドの存否を決定するための方法、組成物およびキットを提供する。本発明は、組込み挿入ポリヌクレオチドに近接する核酸配列の増幅を可能にし、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在する場合に陽性の検出シグナルを与え、組込み挿入ポリヌクレオチドが不在の場合に陰性の検出シグナルを与える。
上記の方法は、組込み部位(すなわち接合部)に接するポリヌクレオチド配列を増幅することにより、標的ポリヌクレオチド配列内の組込み挿入ポリヌクレオチドの存在を決定することに向けられている。組込み挿入ポリヌクレオチドの存在を示すプライマーからの陽性の増幅シグナルは、組込み挿入ポリヌクレオチドの不在下で接合部をまたぐ標的ポリヌクレオチド配列とハイブリッド形成するブロッカーポリヌクレオチドを用いることにより達成される。図2を参照されたい。好ましくは、ブロッカーはポリメラーゼにより伸長可能でない。
ブロッカーポリヌクレオチドは、組込み部位に近接するポリヌクレオチド配列を増幅するために用いられる第1プライマーと、標的ポリヌクレオチド配列へのハイブリッド形成について競合する(すなわちフォワードまたはリバースのいずれかの「競合プライマー」)。組込み挿入ポリヌクレオチドの不在下では、ブロッカーポリヌクレオチドが、第1(すなわち競合)プライマーのハイブリッド形成融解温度よりも相対的に高いハイブリッド形成融解温度を有する。よって、組込み挿入ポリヌクレオチドの不在下では、ブロッカーポリヌクレオチドが標的ポリヌクレオチド配列にアニールし、ポリヌクレオチド配列は増幅されず、このことは、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しないことを示す。組込み挿入ポリヌクレオチドの存在下では、ブロッカーポリヌクレオチドが、第1(すなわち競合)プライマーのハイブリッド形成融解温度よりも相対的に低いハイブリッド形成融解温度を有する。よって、組込み挿入ポリヌクレオチドの存在下では、第1(すなわち競合)プライマーが標的ポリヌクレオチド配列にアニールし、単位複製配列が第1(すなわち競合)プライマーおよび第2(すなわち非競合)プライマーから増幅され、このことは、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在することを示す。図2を参照されたい。
いくつかの実施形態において、第1プライマーとブロッカーポリヌクレオチドとは、第2プライマーのハイブリッド形成部位と接合部の同じ側にある標的ポリヌクレオチド配列内の部分配列へのハイブリッド形成について競合する。図1を参照にして、この実施形態において、第1プライマーとブロッカーポリヌクレオチドとは、第1標的配列内の配列へのハイブリッド形成について競合する。第2プライマーも、第1標的配列とハイブリッド形成する。組込み挿入ポリヌクレオチドの存在下では、単位複製配列は組込み挿入ポリヌクレオチドの配列を含まない。
いくつかの実施形態において、第1プライマーとブロッカーポリヌクレオチドとは、第2プライマーのハイブリッド形成部位とは接合部の反対側にある標的ポリヌクレオチド配列内の部分配列へのハイブリッド形成について競合する。図1を参照にして、この実施形態において、第1プライマーとブロッカーポリヌクレオチドとは、第2標的配列内の配列へのハイブリッド形成について競合するが、一方、第2プライマーは第1標的配列とハイブリッド形成する。組込み挿入ポリヌクレオチドの存在下では、単位複製配列は、組込み挿入ポリヌクレオチドの配列を含む。この実施形態において、挿入ポリヌクレオチド配列は、実際に増幅可能な長さであり、例えば約2kb未満である。
場合によっては、ブロッカーポリヌクレオチドおよび第1プライマーの相対的ハイブリッド形成Tmは、組込み挿入ポリヌクレオチドが不在の場合に増幅が生じるように、逆転させ得る。この場合、第1プライマーおよびブロッカーポリヌクレオチドは、接合部に近位の第1標的配列内の共通配列とハイブリッド形成し、ここで、該ブロッカーは、挿入ポリヌクレオチドが接合部に組込まれている場合には第1プライマーよりも共通配列へのハイブリッド形成についてより高いTmを有し、ブロッカーポリヌクレオチドは、組込み挿入ポリヌクレオチドが接合部に存在しない場合には第1プライマーよりも共通配列へのハイブリッド形成についてより低いTmを有することにより、組込まれた挿入が不在の場合に増幅を可能にする。
方法
上記の方法は、限定されないが可動性遺伝因子、トランスポゾン、転位性融合配列(例えば腫瘍遺伝子、腫瘍マーカー融合配列、CRE/LOX部位を含む導入遺伝子挿入部位)またはレトロウイルスゲノム配列を含む組込み挿入ポリヌクレオチドの標的ポリヌクレオチド配列内での存否を決定するために用い得る。
標的ポリヌクレオチド配列
標的ポリヌクレオチド配列は、第1標的配列と第2標的配列との接合部と、場合によっては、挿入ポリヌクレオチドとを含む(図1を参照されたい)。いくつかの実施形態において、挿入ポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド配列と同じゲノムに由来する(例えばトランスポゾン、転位性融合配列)。いくつかの実施形態において、上記の方法は、腫瘍マーカー転位性融合配列、例えばc−erb−B2 RNAスプライスバリアント;bcr/abl融合;およびBcl−2またはBcl−10に影響する転位の存否を決定するために用いられる。
いくつかの実施形態において、挿入ポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド配列とは異なるゲノムからである(例えば移動性遺伝因子、レトロウイルスゲノム配列)。異なるゲノムは、同じまたは異なる生物に由来し得る。いくつかの実施形態において、上記の方法は、抗生物質耐性を付与する細菌宿主ゲノムに組込まれた移動性遺伝因子の存否を決定するために用いられる。
いくつかの実施形態において、上記の方法は、標的宿主ゲノムに組込まれた挿入ポリヌクレオチドの存否を同定するために行われ得る。宿主ゲノムは、任意の供給源に由来し得る。ゲノムDNAは、原核生物または真核生物のものであり得る。これは、細菌、真菌、植物または動物に由来し得る。宿主ゲノムDNAは、病原菌から植物または動物の宿主まで、例えばウイルス、細菌、真菌または寄生体に由来し得る。ゲノムDNAは、例えば、Staphylococcus属、Streptococcus属、Escherichia coli、Mycobacterium属、Bacillus属、Enterococcus属、Enterobacter属、Haemophilus属、Pseudomonas属、Klebsiella属、Acinetobacter属、Listeria属、Helicobacter属、Salmonella属、Neisseria属、Legionella属などを含む動物宿主に対して病原性でありかつ抗菌物質に対する耐性を生じ得る細菌属に由来し得る。いくつかの実施形態において、宿主ゲノムDNAは、Staphylococcus属の種、例えばStaphylococcus aureus、Staphylococcus haemolyticus、Staphylococcus saprophyticus、Staphylococcus epidermidis、Staphylococcus xylosus、Staphylococcus warneri、Staphylococcus vitulinus、Staphylococcus succinus、Staphylococcus simulans、Staphylococcus sciuriに由来する。
宿主ゲノムDNAは、動物宿主に由来し得る。動物は、ヒトまたは非ヒトであり得、家畜および農業用の動物を含む哺乳動物であり得る。家畜は、イヌ、ネコ、げっ歯類、ウサギ、ハムスター、チンチラ、ラット、マウスを含む。農業用の動物は、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタおよびニワトリを含む。ゲノムDNAは、適切であれば、細胞または組織から試験され得る。
宿主ゲノムDNAは、例えばSambrookおよびRussell、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版、2001年、Cold Spring Harbor Laboratory PressおよびAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology、1987年〜2007年、John Wiley & Sonsに記載されるもののような当該技術において公知の技術に従って精製および/または単離され得る。
挿入ポリヌクレオチド
挿入ポリヌクレオチドは、2つの連結されるポリヌクレオチド配列の間に挿入され得る任意の核酸配列であり得る。挿入ポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド配列に組込まれたときに宿主において検出可能な表現型の形質を運び得るが、これは必須ではない。例えば、上記のように、挿入ポリヌクレオチドは、レトロウイルスゲノム配列、トランスポゾン、転位性融合配列または移動性遺伝因子であり得る。
いくつかの実施形態において、挿入ポリヌクレオチドは、抗菌物質に対する耐性を与える移動性遺伝因子である。ゲノムDNAに組込まれたときに細菌において抗生物質に対する耐性を運ぶ移動性遺伝因子は、ベータ−ラクタムおよびアミノグリコシド抗生物質の抗菌機構を中和する配列をコードするものを含む。
例えば、ペニシリン結合タンパク質をコードする移動性遺伝因子は、ベータラクタム抗生物質に対する耐性を細菌に与え得る。ベータラクタム抗生物質の例は、メチシリン、ペニシリン類(例えばペニシリンG、ペニシリンV)、アモキシシリン、アンピシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、ナフシリン、カルベニシリン、チカルシリン、メズロシリン、アズロシリン、ピペラシリンなどを含む。ベータラクタム抗生物質は、例えば、Goodman and Gilman’s Pharmacological Basis of Therapeutics、HardmanおよびLimbird編、2001年、McGraw−Hillの第45章に記載される。ベータラクタム抗生物質に対する耐性を運ぶ移動性遺伝因子のある例は、ペニシリン結合タンパク質をコードし、かつ細菌宿主ゲノムに組込まれたときにメチシリン、ペニシリン類および他のベータラクタム抗生物質に対する耐性を細菌に与えるmecA複合体である。ペニシリン結合タンパク質ポリペプチド配列のGenBankアクセッション番号の例は、YP_252006;CAH17594、AAY60807;BAB07108;CAC95693;AAK39559;NP_716793;およびAAU27457を含む。ペニシリン結合タンパク質ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列のGenBankアクセッション番号の例は、NC_007168(遺伝子ID3482097);AY894415;AP006716;AM048803;Y13096;EFY17797;EFA290435;およびAE17323を含む。ペニシリン結合タンパク質は、MecA_N(pfam05223)、PBP_ダイマー(pfam03717)、およびトランスペプチダーゼ(pfam00905)を含むいくつかの共通のタンパク質構造モチーフにより特徴付けることができる。
アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼまたはアミノグリコシドアセチルトランスフェラーゼをコードする移動性遺伝因子は、アミノグリコシド抗生物質に対する細菌の耐性を与え得る。アミノグリコシド抗生物質の例は、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシンおよびネオマイシンを含む。アミノグリコシド抗生物質は、例えば、上記のGoodman and Gilman’sの第46章に記載されている。アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼおよびアセチルトランスフェラーゼのポリペプチド配列のGenBankアクセッション番号の例は、YP_253526;NP_115315;CAD60196;AAC53691;AAX82584;AAK63041;AAT61777;AAG13458;AAK63040;およびCAH19071を含む。アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼおよびアセチルトランスフェラーゼのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列のGenBankアクセッション番号の例は、NC_007168(遺伝子ID3482424)を含む。アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼおよびアセチルトランスフェラーゼは、APH(ホスホトランスフェラーゼ酵素ファミリー、pfam01636)およびAcetyltransf_1(アセチルトランスフェラーゼ(GNAT)ファミリー、pfam00583)を含む共通のタンパク質構造モチーフにより特徴付けることができる。
挿入ポリヌクレオチドは、少なくとも約10ヌクレオチド塩基長、例えば約10、20、50、100、500、1000、1500、2000以上のヌクレオチド塩基長である。
組込み部位
挿入ポリヌクレオチドが組込まれやすい標的ポリヌクレオチド配列は、1つまたは複数の組込み部位を有する。組込み部位は、標的ポリヌクレオチド配列、または挿入ポリヌクレオチドの性質により決定され得る。上記の方法は、通常、限定されないがloxP(例えばloxP2、loxP3、loxP23、loxP511、loxB、loxC2、loxL、loxR)、frt、dif、flpおよびatt標的組込み配列を含む部位特異的リコンビナーゼ(例えばCre、FlpまたはPhiC31インテグラーゼ)の認識部位で組込まれた挿入配列を検出するのに適する。これらは、当該技術において知られている(例えばSorrellおよびKolb、Biotechnol. Adv.(2005年)23巻:431頁を参照されたい;また、FluitおよびSchmitz、Clin Microbiol Infect (2004年)10巻:272頁も参照されたい)。
Staphylococcusにおいて、mecA遺伝子を有するSCCmec複合体の組込みのための部位(すなわち接合部位)は、orfXオープンリーディングフレーム内のattB部位である。Staphylococcus orfXオープンリーディングフレーム配列の例は、GenBankアクセッション番号NC_007168(遺伝子ID3482010);NC_002758(遺伝子ID1119986);およびNC_007350(遺伝子ID3615252)を含む。
プライマー
本発明のプライマーは、核酸鎖に相補的なプライマー伸長生成物の合成が誘導される増幅を可能にする条件下、すなわち、適切な緩衝液中の4つの異なるヌクレオシド3リン酸および伸長のための物質(例えばDNAポリメラーゼまたは逆転写酵素)の存在下、および適切な温度にて、DNA合成の開始点として作用し得る(例えばMolecular Diagnostic PCR Handbook、Viljoenら編、2005年Kluwer Academic Pub.;PCR Protocols、Bartlettら編、2003年、Humana Press;およびPCR Primer: A Laboratory Manual、Dieffenbachら編、2003年、Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照されたい)。プライマーは、一本鎖DNAが好ましい。プライマーの適切な長さは、例えば意図するハイブリッド形成融解温度(Tm)、およびプライマーの位置に依存するが、典型的には、10〜50ヌクレオチド、好ましくは15〜35または18〜22ヌクレオチドの範囲である。短いプライマー分子は、鋳型と十分に安定なハイブリッド複合体を形成するために、通常、より低い温度を必要とする。プライマーは、鋳型核酸の厳密な配列を反映する必要はないが、鋳型とハイブリッド形成するために十分に相補的でなければならない。いくつかの実施形態において、本発明のプライマーは、ミスマッチを有さないか、ブロッカーポリヌクレオチドに比較して同じ数のミスマッチ(例えば0、1、2、3、4、5など)、またはより少ない数のハイブリッド形成ミスマッチを有し得る。本発明のプライマーは、ハイブリッド形成ミスマッチを有さなくてもよい。所与の標的配列の増幅のための適切なプライマーの設計は、当該技術において公知であり、例えば本明細書中で引用する文献に記載されている。
本発明の第1(フォワードまたはリバース)プライマーは、標的ポリヌクレオチド配列内の共通配列へのハイブリッド形成についてブロッカーポリヌクレオチドと競合する(例えば相対的Tmに基づく競合的置換)。第1プライマーは、挿入ヌクレオチドが存在しない場合に、ブロッカーポリヌクレオチドのハイブリッド形成融解温度に比較して、相対的により低いハイブリッド形成融解温度を有するように設計される。第1プライマーは、さらに、挿入ポリヌクレオチドが存在する場合に、ブロッカーポリヌクレオチドのハイブリッド形成融解温度に比較して、相対的により高いハイブリッド形成融解温度を有するように設計される。
いくつかの実施形態において、第1(すなわち競合的)プライマーのハイブリッド形成融解温度は、適切である場合に、ブロッカーポリヌクレオチドに比較して、約5℃〜15℃の間でより高いかまたはより低い。いくつかの実施形態において、第1プライマーのハイブリッド形成融解温度は、適切である場合に、ブロッカーポリヌクレオチドに比較して、約5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃または15℃より高いかまたはより低い。いくつかの実施形態において、ハイブリッド形成融解温度の差は、この例示した範囲よりも大きくてもよく、または小さくてもよい。
本発明の第1および第2プライマーは、例えば約50℃〜約65℃、約55℃〜約60℃の間の範囲のハイブリッド形成融解温度を有し得る。いくつかの実施形態において、プライマーのハイブリッド形成融解温度は、約50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃または65℃である。しかし、第1および第2プライマーのハイブリッド形成融解温度は、この温度範囲よりも高くてもよく、または低くてもよい。
所望のハイブリッド形成融解温度を有するためにポリヌクレオチドを設計する方法は、プライマーおよびブロッカーの両方に用いられ、かつ当該技術において知られている。ハイブリッド形成融解温度は、例えば、グアノシン(G)またはシチジン(C)ヌクレオシドの数、ポリヌクレオチドの長さの調節、または標的ポリヌクレオチド配列と不適当に組み合わされた1もしくは複数の塩基の取り込みにより調節され得る。通常、GもしくはCヌクレオシドの数が多い、長さがより長い、または適合するヌクレオシドの数がより多いポリヌクレオチドは、より高いハイブリッド形成融解温度を有する。いくつかの実施形態において、第1プライマーとブロッカーとの間のハイブリッド形成融解温度の差は、第1プライマー配列に比較して、ブロッカー配列の中により多い数の標的ポリヌクレオチドと不適当に組み合わされた塩基を導入することにより調節される。例えば、いくつかの実施形態において、第1プライマーは、標的ポリヌクレオチド配列と不適当に組み合わされた塩基を有さず、ブロッカーは、標的ポリヌクレオチド配列と不適当に組み合わされた1つまたは複数の塩基を有する。
いくつかの実施形態において、ブロッカーポリヌクレオチドおよび第1プライマーは、第1プライマーの全長を含む接合部に近位または近接する第1標的配列内の共通配列とハイブリッド形成する。いくつかの実施形態において、ブロッカーポリヌクレオチドおよび第1プライマーは、例えば第1プライマーの5’末端または3’末端の50%、60%、70%、80%または90%のような第1プライマーの一部分に相補的な接合部に近接する共通配列とハイブリッド形成する。ブロッカー配列および第1プライマーにより競合的にハイブリッド形成される共通配列は、10〜30塩基長、例えば12〜25または15〜20塩基長、例えば10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30塩基長、あるいはそれより長くてもよく、または短くてもよい。
第1プライマーは、挿入ポリヌクレオチドについての組込み部位に近位または近接する標的ポリヌクレオチド配列内の核酸配列にアニールするように設計される。第1プライマーとブロッカーポリヌクレオチドとが、第1標的内列内の共通配列へのハイブリッド形成を競合する実施形態において、第1プライマーの5’末端は、組込み部位の例えば約30、25または20ヌクレオチド塩基以内の位置、例えば組込み部位の約15、10または5ヌクレオチド塩基以内の位置または時には組込み部位に接する位置にアニールできる。第1プライマーとブロッカーポリヌクレオチドとが、第2標的内列内の共通配列へのハイブリッド形成を競合する実施形態において、第1プライマーの5’末端は、組込み部位の例えば約40、35または30ヌクレオチド塩基以内の位置、例えば組込み部位の約25、20または15ヌクレオチド塩基以内の位置にアニールできる。第2プライマーは、第1および第2プライマーから増幅される単位複製配列が確実に検出できるように、標的ポリヌクレオチド配列内の核酸配列にアニールする。いくつかの実施形態において、単位複製配列は、約100、200、300、400、500、600、800、1000、1500、2000核酸塩基長、または約100〜2000の任意の整数の核酸塩基長であるが、適宜それより短くてもよく、または長くてもよい。
いくつかの実施形態において、第1および第2プライマーは、Staphylococcus標的ポリヌクレオチド配列内のorfX遺伝子配列にアニールする。いくつかの実施形態において、第1プライマーは、
Figure 2009536826
からなる群より選択される配列を含むリバースプライマーである。いくつかの実施形態において、第2プライマーは、
Figure 2009536826
の配列を含むフォワードプライマーである。
プライマーは、プライマーの検出または固定を可能にするが、プライマーの基本的な特性、すなわち、DNA合成の開始点として働く特性は変化しない付加的な特徴を取り込み得る。例えば、プライマーは、標的ポリヌクレオチドとハイブリッド形成しないが、増幅生成物のクローニングを促進する付加的な核酸配列を5’末端に含んでよい。ハイブリッド形成する鋳型に十分に相補的なプライマーの領域は、本明細書において、ハイブリッド形成領域という。いくつかの実施形態において、第1プライマーおよび/または第2プライマーは、その5’末端に約1〜10個の連続するシトシンまたはグアノシン塩基(配列番号11)を、例えば5’末端にハイブリッド形成領域に先行して1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の連続するシトシンまたはグアノシン塩基を含む。
第1および第2プライマーは、天然に存在するDNAおよびRNAで見出される通常の2’−デオキシ−D−リボースでもD−リボースでもない糖を含む少なくとも1つのヌクレオチドで修飾され、かつこれを含んでいてもよい。同様に、本明細書で用いる場合、「修飾ポリヌクレオチド」は、天然に存在するDNAおよびRNAで見出される通常の2’−デオキシ−D−リボースでもD−リボースでもない糖を含むポリヌクレオチドのことであり、糖が側基の付加または置換により修飾されているか、または糖が天然に存在するDNAおよびRNAで見出される通常の2’−デオキシ−D−リボースまたはD−リボースの立体異性体であるか、またはその両方であるヌクレオチドを含む。この用語は、修飾プライマーまたはヌクレオチドが修飾の経過の生成物であることを示すために用いられるのではなく、むしろ、天然に存在するDNAまたはRNAに関してポリヌクレオチド主鎖に違いが存在することを示すために用いられる。特に、最初に通常のヌクレオチドのみを含むプライマーの化学修飾が他の合成を与え得るが、本発明のプライマーは、修飾ヌクレオチドを含んで合成され得る。
ブロッカーポリヌクレオチド
本発明のブロックまたはブロッカーポリヌクレオチド(「ブロッカー」)は、第1および第2プライマーが伸長点として働く増幅または伸長条件の下で、伸長点として働かない。いくつかの実施形態において、これは、ブロッカーがそれらの3’末端に付着されたブロック部分を有するからであるか、またはブロッカーがそれらの3’末端に付着された求核性部分(例えばヒドロキシ部分)を欠くからである。ブロッカーポリヌクレオチドは、好ましくは一本鎖DNAである。ブロッカーポリヌクレオチドの適切な長さは、例えば、意図するハイブリッド形成融解温度(Tm)およびブロッカーの位置に依存するが、典型的には、25〜60ヌクレオチド、好ましくは約30〜50もしくは35〜45ヌクレオチドの範囲、またはこれらの範囲内の任意の整数のヌクレオチド塩基である。より短いブロッカーポリヌクレオチドは、通常、鋳型と十分に安定なハイブリッド複合体を形成するために、より低い温度を必要とする。ブロッカーポリヌクレオチドは、鋳型核酸の厳密な配列を反映する必要はないが、鋳型とハイブリッド形成するのに十分に相補的でなければならない。ブロッカーポリヌクレオチドは、第1プライマーよりも、第1標的配列のより長いまたはより短い配列セグメントとハイブリッド形成できる。ブロッカーポリヌクレオチドは、第1プライマーより長くてもよく、または短くてもよい。
ブロッカーポリヌクレオチドのTmは、例えばその長さ、それがハイブリッド形成する標的ポリヌクレオチドの位置および相補配列(すなわちハイブリッド形成条件)、ならびに内部ミスマッチの数を含むいくつかのパラメータの1つまたは複数を調節することにより変動させ得る。本発明のブロッカーポリヌクレオチドは、例えば、標的ポリヌクレオチド配列と0、1、2、3、4以上の内部ミスマッチヌクレオチド塩基を有し得る。ミスマッチ塩基は、好ましくは、第1または第2標的配列がアニールするブロッカーの領域、すなわち、第1プライマーとブロッカーとがハイブリッド形成について競合する標的ポリヌクレオチド配列内の部分配列に局在する。標的ヌクレオチド配列とハイブリッド形成するポリヌクレオチド配列の設計は、当該技術において公知であり、例えば本明細書に引用される文献に記載されている。
ブロッカーポリヌクレオチドは、本発明の第1プライマーと、標的ポリヌクレオチド配列内の第1または第2標的部分配列内の共通配列へのハイブリッド形成について競合する。図1および2を参照されたい。ブロッカーポリヌクレオチドと第1プライマーとが競合的にハイブリッド形成する共通標的配列は、第1プライマーの全長または第1プライマーの一部分と相補的であり得る。ブロッカーポリヌクレオチドは、挿入ヌクレオチドが存在しない場合に、第1プライマーのハイブリッド形成融解温度に比較して、相対的により高いハイブリッド形成融解温度を有するように設計される。ブロッカーポリヌクレオチドは、挿入ポリヌクレオチドが存在する場合に、第1プライマーのハイブリッド形成融解温度に比較して、相対的により低いハイブリッド形成融解温度を有するようにさらに設計される。いくつかの実施形態において、ブロッカーポリヌクレオチドのハイブリッド形成融解温度は、適切であれば、第1プライマーに比較して、約5℃〜15℃より高いかまたはより低い。いくつかの実施形態において、ブロッカーポリヌクレオチドのハイブリッド形成融解温度は、適切であれば、第1プライマーに比較して、約5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃または15℃より高いかまたはより低い。いくつの実施形態において、ハイブリッド形成融解温度の差は、この例示した範囲よりも大きくてもよく、または小さくてもよい。
例えば、本発明のブロッカーポリヌクレオチドは、挿入ヌクレオチドが存在しない場合に、約60℃〜約70℃、例えば約65℃〜約70℃の範囲のハイブリッド形成融解温度を有し得る。いくつかの実施形態において、挿入ヌクレオチドが存在しない場合のブロッカーポリヌクレオチドのハイブリッド形成融解温度は、約60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃または75℃である。ブロッカーポリヌクレオチドは、挿入ヌクレオチドが存在する場合に、約40℃〜約55℃、例えば約45℃〜約50℃のハイブリッド形成融解温度を有し得る。いくつかの実施形態において、挿入ヌクレオチドが存在する場合のブロッカーポリヌクレオチドのハイブリッド形成融解温度は、約40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃または55℃である。
ブロッカーポリヌクレオチドは、挿入ポリヌクレオチドの組込み部位とオーバーラップする標的ポリヌクレオチド配列内の核酸配列にアニールするように設計される。ブロッカーポリヌクレオチドは、組込み部位または接合部位をまたぐ約30、25、20、15または10ヌクレオチド塩基の位置にアニールできる。
いくつかの実施形態において、ブロッカーポリヌクレオチドは、attB組込み部位にまたがるStaphylococcus宿主ゲノム内のorfX遺伝子配列にアニールする。いくつかの実施形態において、ブロッカーポリヌクレオチドは、
Figure 2009536826
からなる群より選択される1つまたは複数のポリヌクレオチド配列を含む。
共通核酸配列とハイブリッド形成するブロッカーポリヌクレオチドと第1プライマー(ここではリバースプライマー)の対の例は、以下の表1に列挙するものを含む。
Figure 2009536826
ブロッカーポリヌクレオチドは、好ましくは、その伸長を妨げるブロック部分を、その3’末端に含む。ブロック部分の例は、3’末端ヒドロキシル基を水素、アミノまたはリン酸基で置換したものを含む。いくつかの実施形態において、ブロッカーポリヌクレオチド上のブロック部分は、リン酸またはヘキシルアミンである。
修飾ポリヌクレオチド
プライマーおよびブロッカーポリヌクレオチドは、ともに、ホスホジエステル結合を通常含むが、いくつかの場合においては、本明細書に概説するように、例としてかつ限定することなくホスホラミド(それぞれ参照により組込まれるBeaucageら(1993年)Tetrahedron49巻(10号):1925頁およびその中の参考文献;Letsinger(1970年)J. Org. Chem.35巻:3800頁;Sprinzlら(1977年)Eur. J. Biochem.81巻:579頁;Letsingerら(1986年)Nucl. Acids Res.14巻:3487頁;Sawaiら(1984年)Chem. Lett.805頁;Letsingerら(1988年)J. Am. Chem. Soc.110巻:4470頁;ならびにPauwelsら(1986年)Chemica Scripta26巻:1419頁)、ホスホロチオエート(ともに参照により組込まれるMagら(1991年)Nucleic Acids Res.19巻:1437頁;および米国特許第5644048号)、ホスホロジチオエート(参照により組込まれるBriuら(1989年)J. Am. Chem. Soc.111巻:2321頁)、O−メチルホホロアミダイト(O−methylphophoroamidite)結合(参照により組込まれるEckstein、Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach、Oxford University Press(1992年)を参照されたい);ならびにペプチド核酸(PNA)主鎖およびロックド核酸主鎖(LNA)および結合(それぞれ参照により組込まれるEgholm(1992年)J. Am. Chem. Soc.114巻:1895頁;Meierら(1992年)Chem. Int. Ed. Engl.31巻:1008頁;Nielsen(1993年)Nature365巻:566頁;およびCarlssonら(1996年)Nature380巻:207頁、Demidov、Trends Biotechnol(2003年)21巻:4〜7頁;ならびにVesterおよびWengel、Biochemistry(2004年)43巻:13233〜41頁を参照されたい)を含む代替の主鎖を有してよい核酸類似体を用い得る。
他の類似体核酸は、正に荷電された主鎖を有するもの(参照により組込まれるDenpcyら(1995年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA92巻:6097頁);非イオン性主鎖を有するもの(それぞれ参照により組込まれる米国特許第5386023号、第5637684号、第5602240号、第5216141号および第4469863号;Angew(1991年)Chem. Intl. Ed. English30巻:423頁;Letsingerら(1988年)J. Am. Chem. Soc.110巻:4470頁;Letsingerら(1994年)Nucleoside & Nucleotide13巻:1597頁;2章および3章、ASC Symposium Series 580、Y. S. SanghviおよびP. Dan Cook編;Mesmaekerら(1994年)Bioorganic & Medicinal Chem. Lett.4巻:395頁;Jeffsら(1994年)J. Biomolecular NMR34巻:17頁;ならびにTetrahedron Lett.37巻:743頁(1996年))、ならびにそれぞれ参照により組込まれる米国特許第5235033号および第5034506号ならびに第6章および7章、ASC Symposium Series 580、Y. S. SanghviおよびP. Dan Cook編に記載されるものを含む非リボース主鎖を有するものを含む。1つまたは複数の炭素環式糖を含む核酸も、核酸の定義に含まれる(参照により組込まれるJenkinsら(1995年)Chem. Soc. Rev.169〜176頁を参照されたい)。いくつかの核酸類似体が、例えば、参照により組込まれるRawls、C & E News1997年6月2日、35頁にも記載されている。リボース−リン酸主鎖のこれらの修飾を用いて、標識のような付加的な部分の付加を促進するか、または生理的環境におけるこのような分子の安定性および半減期を変更することができる。
核酸中に典型的に見出される天然に存在する複素環塩基(例えばアデニン、グアニン、チミン、シトシンおよびウラシル)に加えて、核酸類似体は、天然に存在しない複素環または修飾塩基を有するものを含み、これらの多くは、本明細書に記載されるか、または言及される。特に、多くの天然に存在しない塩基は、例えば、それぞれ参照により組込まれるSeelaら(1991年)Helv. Chim. Acta74巻:1790頁、Greinら(1994年)Bioorg. Med. Chem. Lett.4巻:971〜976頁およびSeelaら(1999年)Helv. Chim. Acta82巻:1640頁にさらに記載される。さらに説明すると、融解温度(Tm)調節因子として作用するヌクレオチド中に用いられる特定の塩基が、場合によっては含まれる。例えば、これらのいくつかは、7−デアザプリン(例えば7−デアザグアニン、7−デアザアデニンなど)、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、プロピニル−dN(例えばプロピニル−dU、プロピニル−dCなど)などを含む。例えば参照により組込まれる米国特許第5990303号を参照されたい。その他の代表的な複素環塩基は、例えばヒポキサンチン、イノシン、キサンチン;2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシンおよびキサンチンの8−アザ誘導体;アデニン、グアニン、2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシンおよびキサンチンの7−デアザ−8−アザ誘導体;6−アザシトシン;5−フルオロシトシン;5−クロロシトシン;5−ヨードシトシン;5−ブロモシトシン;5−メチルシトシン;5−プロピニルシトシン;5−ブロモビニルウラシル;5−フルオロウラシル;5−クロロウラシル;5−ヨードウラシル;5−ブロモウラシル;5−トリフルオロメチルウラシル;5−メトキシメチルウラシル;5−エチニルウラシル;5−プロピニルウラシルなどを含む。修飾塩基およびヌクレオチドの例は、それぞれ参照により組込まれる米国特許第5484908号、第5645985号、第5830653号、第6639059号、第6303315号および米国特許出願公開第2003/0092905号にも記載されている。
増幅反応
反応を用いるRNAまたはDNA鋳型の増幅は、公知である(米国特許第4683195号および4683202号;PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications(Innisら編、1990年))。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびリガーゼ連鎖反応(LCR)のような方法を用いて、標的DNA配列の核酸配列を、mRNAから、cDNAから、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーから直接増幅できる。反応は、所望の温度でのインキュベーション時間を促進するためにサーマルサイクラー内で行われるのが好ましい。例えばPCR PRIMER, A LABORATORY MANUAL(Dieffenbach編、2003年)Cold Spring Harbor Pressを参照されたい。
単位複製配列の増幅を可能にするPCR反応条件の例は、2または3ステップのサイクルを典型的に含む。2ステップサイクルは、変性ステップ、次いでハイブリッド形成/伸長ステップを有する。3ステップサイクルは、変性ステップ、次いでハイブリッド形成ステップ、次いで別個の伸長ステップを含む。
いくつかの実施形態において、標的ポリヌクレオチドに組込まれた挿入ポリヌクレオチドの存在下での増幅された単位複製配列は、リアルタイムPCRにより検出される。リアルタイムRT−PCRは、特別に工学的に作製されたDNA配列(2つのプライマーと蛍光標識プローブ)を用いて、DNAの標的配列を検出および定量する方法である。プローブは、一方の末端に蛍光レポーター色素、および他方にクエンチャー色素を含有する。各増幅サイクルの間に、プローブは、まず、DNAの標的配列に付着し、次いでプライマーが付着する。DNA鎖がコピーされると、レポーター色素がプローブから放出され、蛍光シグナルが放射される。蛍光の量は、標的DNAの量に比例してPCRの各サイクルとともに増加する。このことは、高度な特異性、正確性および感度を有する、標的DNA配列の直接的な検出および定量をもたらす。
いくつかの実施形態において、複数の増幅反応が、マルチプレックスPCRにより行われる。マルチプレックスPCR反応とは、1より多いプライマーの組を反応プールに含めて、単一の反応チューブ中のPCRにより2以上の異なるDNA標的の増幅を可能にするPCR反応のことをいう。マルチプレックスPCRは、定量的であり得、「リアルタイム」で評価できる。マルチプレックスPCR反応は、確認、診断および予後の目的のために有用である。マルチプレックスPCR反応は、マニュアルまたは自動の熱サイクル運転を用いて行うことができる。例えばPerkin−Elmer 9600サイクラーのような任意の商業的に入手可能なサーマルサイクラーを用いてよい。マルチプレックスPCRを用いて、少なくとも5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、50、100以上の標的ポリヌクレオチドを、組込み挿入ポリヌクレオチドの存否について評価できる。
等温増幅反応も知られており、本発明の方法に従って用い得る。等温増幅反応の例は、鎖置換増幅(SDA)(WalkerらNucleic Acids Res.20巻(7号):1691〜6頁(1992年);Walker PCR Methods Appl3巻(1号):1〜6頁(1993年))、転写媒介性増幅(Phyfferら、J. Clin. Microbiol.34巻:834〜841頁(1996年);Vuorinenら、J. Clin. Microbial.33巻:1856〜1859頁(1995年))、核酸配列ベース増幅(NASBA)(Compton、Nature350巻(6313号):91〜2頁(1991年))、ローリングサークル型増幅(RCA)(Lisby、Mol. Biotechnol.12巻(1号):75〜99頁(1999年);Hatchら、Genet. Anal.15巻(2号):35〜40頁(1999年))、および分岐DNAシグナル増幅(bDNA)(例えばIqbalら、Mol. Cell Probes13巻(4号):315〜320頁(1999年)を参照されたい)を含む。当業者に知られるその他の増幅法は、CPR(サイクリングプローブ反応)、SSR(自己支持配列複製)、SOA(鎖置換増幅)、QBR(Q−ベータレプリカーゼ)、Re−AMP(以前のRAMP)、RCR(修復連鎖反応)、TAS(トランソーブションベース増幅システム(Transorbtion Based Amplification System))、およびHCSを含む。
反応混合物中のマグネシウム塩の濃度は、異なる標的DNA配列をコピーしようとするときに重要になり得る。つまり、マグネシウム塩、例えば塩化マグネシウムの濃度のいくらかの変動が、対象の標的ポリヌクレオチド配列を増幅する反応を最適化するために要求され得る。当業者は、反応混合物中に存在するマグネシウム塩またはイオンの濃度を変動させて、増幅のために適切な濃度に到達できる。
いくつかの実施形態において、プライマーの第2の対が、例えばアッセイ中の標的ポリヌクレオチドの量を定量するために、標的ポリヌクレオチド内の対照配列の増幅を可能にする増幅反応に含まれる。
いくつかの実施形態において、増幅反応中の1つまたは複数のブロッカーポリヌクレオチド対競合第1プライマーのモル比は、最適化できる。いくつかの実施形態において、増幅反応中の1つまたは複数のブロッカーポリヌクレオチド対競合第1プライマーのモル比は、ブロッカーポリヌクレオチド対第1プライマーの1:1モル比を超え、ブロッカーポリヌクレオチド対第1プライマーの例えば約5:1〜約30:1、例えば約5:1、10:1、20:1、25:1または30:1である。
増幅されたポリヌクレオチドの検出
増幅された核酸配列(「単位複製配列」)は、当該技術において知られる任意の方法を用いて検出できる。例えば、単位複製配列は、臭化エチジウムを用いてアガロースゲル中で検出できる。挿入ポリヌクレオチドの存在は、単位複製配列シグナルの存在、または例えば挿入ポリヌクレオチドを有さないことが知られている標的ポリヌクレオチド配列、例えばメチシリン感受性Staphylococcus aureus(MSSA)のような対照標的ポリヌクレオチド配列と比較した単位複製配列シグナルの存在の増加により示される。
いくつかの実施形態において、単位複製配列は、単位複製配列に特異的にハイブリッド形成し、かつ単位複製配列へのハイブリッド形成の際に検出可能であるプローブを用いて検出される。多くのタイプのプローブが、特定のポリヌクレオチド配列とハイブリッド形成できかつ検出され得る。いくつかの場合、プローブは、プローブのその相補標的配列への結合の検出を可能にする、以下に記載するような蛍光体または酵素も含む。
プローブ濃度は、増幅された配列の量の正確な評価を与えるように、増幅された標的または対照の配列の量に結合するのに十分であるべきである。当業者は、プローブの濃度量が、プローブの結合親和性、および結合される配列の量により変動することを認識するだろう。典型的なプローブ濃度は、0.01μM〜0.5μMの範囲である。典型的なプローブの長さは、約20〜40ヌクレオチド塩基長、例えば約25〜35ヌクレオチド塩基長、またはこれらの範囲内の任意の整数のヌクレオチド塩基である。
本発明は、単位複製配列の検出のために、非常に多種類の核酸ハイブリッド形成プローブを採用し得る。典型的には、シグナル発生のために、プローブは、蛍光体と、相互作用している別の分子または部分との間の距離を変えることによりもたらされる別の分子または部分とのその相互作用の変化による蛍光体の蛍光の変化を利用する。あるいは、単位複製配列は、例えば放射活性標識または酵素標識プローブを用いるその他の方法を用いて検出できる。
いくつかの場合において、複数の蛍光標識が採用される。好ましい実施形態において、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)対のメンバーである少なくとも2つの蛍光標識が用いられる。FRETは、1つの蛍光色素の励起が、光子の放射を伴わずに、別の蛍光色素に転移するという当該技術において知られる現象である。FRET対は、ドナー蛍光体とアクセプター蛍光体とからなる。ドナーの蛍光発光スペクトルとアクセプターの蛍光吸収スペクトルとは通常重なり、2つの分子は近位に存在するはずである。ドナーの50%が不活性化される(アクセプターへの転移エネルギー)ドナーとアクセプターとの距離は、典型的には10〜100Åであるフォスター半径(R)により定義される。FRET対を含む蛍光発光スペクトルの変化は検出でき、このことは、これらが近位に存在することを示す(すなわち互いに100Å内)。これは、一方がFRETドナーで標識され、他方がFRETアクセプターで標識された2分子の結合または解離に典型的に起因し、ここで、このような結合は、FRET対を近位にする。このような分子の結合は、アクセプターの蛍光発光の増加および/またはドナーの蛍光発光の消光をもたらす。
本発明において有用なFRET対(ドナー/アクセプター)は、限定されないが、EDANS/フルオレセイン、IAEDANS/フルオレセイン、フルオレセイン/テトラメチルローダミン、フルオレセイン/LCレッド640、フルオレセイン/Cy5、フルオレセイン/Cy5.5、およびフルオレセイン/LCレッド705を含む。
FRETの別の態様において、蛍光ドナー分子および非蛍光アクセプター分子(「クエンチャー」)を採用してよい。この応用において、ドナーの蛍光発光は、クエンチャーがドナーに対して近位から置換されたときに増加し、蛍光発光は、クエンチャーがドナーに対して近位になったときに減少する。有用なクエンチャーは、限定されないが、DABCYL、QSY7およびQSY33を含む。有用な蛍光ドナー/クエンチャーの対は、限定されないが、EDANS/DABCYL、テキサスレッド/DABCYL、BODIPY/DABCYL、ルシファーイエロー/DABCYL、クマリン/DABCYLおよびフルオレセイン/QSY7色素を含む。
当業者は、FRETおよび蛍光消光が、時間経過による標識分子の結合を監視することを可能にし、結合反応の時間経過に関するサイクルに依存した情報を提供することを認識するだろう。
いくつかの実施形態において、増幅された核酸配列は、その5’末端にて蛍光体により、およびその3’末端にてクエンチャーにより標識されたプローブを用いて検出される。さらなる実施形態において、蛍光体はフルオレセイン(FAM)であり、クエンチャーはQSY7である。あるいは、蛍光体および/またはクエンチャーは、プローブの内部に位置することができる。
いくつかの実施形態において、検出可能なプローブは、Staphylococcus orfX配列に対応する単位複製配列とハイブリッド形成する。さらなる実施形態において、検出可能なプローブは、配列
Figure 2009536826
を含む。
FRET対を用いる別のタイプの核酸ハイブリッド形成プローブアッセイは、Gelfandらの米国特許第5210015号、およびLivakらの米国特許第5538848号に記載される「TaqMan(登録商標)」アッセイである。プローブは、FRET対で標識された一本鎖ポリヌクレオチドである。TaqMan(登録商標)アッセイにおいて、DNAポリメラーゼは、ポリヌクレオチドプローブが標的鎖とハイブリッド形成したときに、該ポリヌクレオチドプローブの切断により単一または複数のヌクレオチドを放出する。この放出により、FRET対のクエンチャー標識および蛍光体標識が分離される。
FRET対を用いるさらに別のタイプの核酸ハイブリッド形成プローブアッセイは、Tyagiらの米国特許第5925517号に記載され、これは、「分子ビーコン」とよばれる標識ポリヌクレオチドプローブを用いる。Tyagi, S.およびKramer, F. R.、Nature Biotechnology14巻:303〜308頁(1996年)を参照されたい。分子ビーコンプローブは、標的が存在しない場合、その末端領域が互いにハイブリッド形成してヘアピンを形成するが、プローブの中央部分がその標的配列とハイブリッド形成すると分離するポリヌクレオチドである。プローブが標的とハイブリッド形成する場合、すなわち、標的認識配列が相補的標的配列とハイブリッド形成する場合、比較的強固ならせんが形成され、幹のハイブリッドをほどき、アームを分離させる。
非FRET蛍光プローブも用い得る。例えば、蛍光の変化の代わりの検出可能なシグナルとして、標識対の吸収スペクトルの変化を用い得る。吸収の変化を用いる場合、標識対は、任意の2つの発色団、すなわち蛍光体、クエンチャーおよびその他の発色団を含んでよい。標識対は、同一の発色団でさえあってよい。
組成物
本発明は、例えば上記のような溶液と、反応混合物と、第1および第2プライマー、ブロッカーポリヌクレオチド、ならびに場合によっては検出プローブを含む反応容器とを含む組成物をさらに提供する。
いくつかの実施形態において、組成物は、第1プライマーとブロッカーポリヌクレオチドとが、互いに競合してorfX配列内のattB組込み部位に近接する共通部分配列とハイブリッド形成する、それぞれがStaphylococcus orfX配列とハイブリッド形成する第1および第2プライマーとブロッカーポリヌクレオチドを含む。挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合は、ブロッカーポリヌクレオチドのハイブリッド形成に有利であり、挿入ポリヌクレオチドが存在する場合(例えばmecA遺伝子を含むSCCmec複合体)は、第1プライマーのハイブリッド形成に有利である。
いくつかの実施形態において、組成物は、例えばマルチプレックスPCRを行うために、複数の第1および第2プライマー、ならびに/または複数のブロッカーポリヌクレオチドを含む。
組成物は、標的ポリヌクレオチド配列(例えば宿主細胞由来のゲノム核酸配列)、ヌクレオチド塩基(dATP、dCTP、dGTP、dTTP、dUTPを含むdNTP)、ポリメラーゼおよび適切な反応緩衝剤、塩ならびに金属イオンをさらに含み得る。いくつかの実施形態において、任意の耐熱性ポリメラーゼまたはヌクレオチド配列増幅もしくはDNA伸長反応に適するDNAポリメラーゼを含み得るが、ポリメラーゼは、Taqポリメラーゼである。耐熱性ポリメラーゼは、当該技術において公知であり、商業的に容易に入手可能である(例えばマサチューセッツ州イプスウィッチのNew England Biolabs;ウィスコンシン州マディソンのPromega;カリフォルニア州ラホーヤのStratagene;インディアナ州インディアナポリスのRoche Applied Scienceから)。いくつかの実施形態において、組成物は、単位複製配列の増幅の検出、例えばリアルタイム増幅検出用の1つまたは複数の検出プローブをさらに含む。
キット
本発明は、組成物および方法について上に記載したような第1および第2プライマーと、1つまたは複数のブロッカーポリヌクレオチドと、場合によっては検出プローブとを含むキットをさらに提供する。キットは、場合によっては、対照標的ポリヌクレオチド、例えば挿入ポリヌクレオチドが組込まれているかまたは組込まれていないことが知られている宿主細胞由来の対照ゲノム配列をさらに含み得る。さらに、キットは、ヌクレオチド(例えばA、C、GおよびT)、DNAポリメラーゼおよび適切な緩衝剤、塩ならびに増幅反応を促進するその他の試薬を含む増幅試薬を含み得る。いくつかの実施形態において、キットは、単位複製配列の増幅の検出、例えばリアルタイム増幅検出用の1つまたは複数の検出プローブをさらに含む。いくつかの実施形態において、キットは、例えばマルチプレックスPCRを行うために、複数の第1および第2プライマー、ならびに/または複数のブロッカーポリヌクレオチドを含む。キットは、標的試料を増幅するためのキットおよび対照の使用についての書面の使用説明書も含み得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明の反応成分のいくつかまたは全ての一定量をその中に有する1つまたは複数の反応容器を含むキットを提供する。一定量は、液体または乾燥された形であり得る。反応容器は、試料処理カートリッジまたは同じ容器内で保持、処理および/または増幅を可能にする別の容器を含み得る。いくつかの実施形態において、キットは、例えば複数の標的ポリヌクレオチドから同時に増幅を行うための、複数ウェル基板(例えば複数容器ストリップ、複数容器プレート)をさらに含む。このようなキットは、標準的または携帯式増幅装置への本発明の増幅生成物の迅速な検出を可能にする。
いくつかの実施形態において、キットは、Belgrader, P.ら、Biosensors and Bioelectronics14巻:849〜852頁(2000年);Belgrader, P.ら、Science、284巻:449〜450頁(1999年);およびPCR PROTOCOLS(Sninsky, J. J.ら(編))Academic、サンディエゴ、第8章(1998年)中のNorthrup, M. A.ら、「A New Generation of PCR Instruments and Nucleic Acid Concentration Systems」に記載されるような、試料の迅速な増幅に有用な試料処理カートリッジのような容器を含む。
以下の実施例は、説明のために与えられるが、請求される発明を限定するためではない。
(実施例1)
SCCmec接合ブロッカーポリヌクレオチドを用いるメチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)の検出
リアルタイムPCR(RT−PCR;5’−ヌクレアーゼアッセイ)反応を行って、挿入部位においてMRSAおよびMSSAのゲノムDNAに挿入されたSCCmecの存否を決定した。反応は、orfX配列とハイブリッド形成する2つのプライマーと、蛍光標識プローブと、S.aureusのorfX領域に発生することが知られている配列多形に適応するように設計された2つのブロッカーポリヌクレオチドの1つ(下記)を用いた。
orfXフォワードプライマー(F1):
Figure 2009536826
orfXリバースプライマー(R11):
Figure 2009536826
以下のブロッカーポリヌクレオチド配列のそれぞれの存在下で、別の反応を行った。
Figure 2009536826
結果は、表2および図3に示す。
Figure 2009536826
表からわかるように、orfX領域の部分配列は、ブロッカーポリヌクレオチドの不在下でMSSA株のゲノムDNAから増幅された。しかし、orfX部分配列は、2つのブロッカーポリヌクレオチドのいずれか一方が反応中に存在する場合に増幅されなかった。orfX領域内の標的は、いずれのブロッカーポリヌクレオチドの存否においても、強い陽性シグナルとともに、MRSAゲノムDNAから増幅され検出された。
(実施例2)
SCCmec接合ブロッカーポリヌクレオチドの存否でのMRSAおよびMSSAゲノムDNAからのorfXの検出
RT−PCRを行って、MRSAおよびMSSA株の宿主ゲノムからのorfX単位複製配列の増幅に対するブロッカーポリヌクレオチドの影響を決定した。PCR反応は、orfXとハイブリッド形成するフォワードおよびリバースプライマーを用いて行い、FAM標識プローブ(下記)を用いて増幅を検出した。
orfXフォワードプライマー(F1):
Figure 2009536826
orfXリバースプライマー(R11):
Figure 2009536826
orfXプローブ:
Figure 2009536826
結果を、表3および図4に示す。
Figure 2009536826
表3からわかるように、orfX部分配列は、ブロッカーポリヌクレオチドの存在下では、MSSAゲノムDNAから増幅されなかった。ブロッカーの不在下では、orfX部分配列が増幅された。orfX部分配列は、ブロッカーポリヌクレオチドの存否において、強い陽性シグナルとともに、MRSAゲノムDNAから増幅された。
(実施例3)
ブロッカーGCG49の試験
この実施例では、MSSAの80の異なる臨床単離株における標的ポリヌクレオチド配列(orfX)の増幅をブロックする能力について、ブロッカーGCG49を試験した。これらの80の単離株のorfXおよびattB領域の配列は知られていないが、これらの単離株は、臨床的環境で遭遇する可能性があるS.aureus株の代表的な一面を表すように選択された。
MSSA株ATCC35556のorfX領域のヌクレオチド配列を、ブロッカー、プライマーおよびプローブ配列とともに表4に示す。
Figure 2009536826
手順:
MSSAの80の単離株由来のDNA粗抽出物を、これらの細菌株を、まず、寒天培地を含むペトリ皿で純粋画線培養することにより得た。所与の株からの単一の単離コロニーを、白金耳で採取し、分子生物学的品質の水1ミリリットルに懸濁した。このプロセスを、80の単離株の全てについて繰り返した。チューブのふたを閉め、次いで、95℃にて10〜15分間加熱した。溶液を冷却した後に、これらのDNA抽出物を、10,000×gで5分間遠心分離して、細胞破片を除去した。DNA含有上清の数マイクロリットルの一定量を、1mM EDTA含有10mM Tris緩衝液(pH8.3)中で100倍に希釈した。溶解物のこの希釈された一定量を、次に、試験DNA試料として用いた。これらの試料中に存在するDNA量は、定量しなかった。調製のために用いた単純な方法のために、DNA量は、調製ごとに変動していることが確実であった。次に、DNA試料を、ブロッカーGCG49の存否でリアルタイム定量PCRに供した。
結果を、図5および6に示す。ブロッカーポリヌクレオチドGCG49の不在下では、OrfXは、80全ての試験したMSSA株のゲノムDNAから増幅された。これらのRT−PCRについて観察されたCt値は、反応の開始時に存在したDNA標的の量に比例する。Ct値は、存在する標的DNAの量がより多いとより低く、Cは、存在するDNAの量がより低いとより高く、すなわち、存在するDNAの量がより高いと、存在するDNAの量がより少ない場合よりも、より少ないサイクルで蛍光が検出閾値を越える。これらのブロックされていない単離株について観察されたC値は、22〜30の範囲であった。このことは、反応の開始時に存在したゲノムDNAの量が、調製ごとに、256倍ほど多く異なっていたことを示唆する。
ブロックは、ブロッカーが存在する場合に、ブロッカーポリヌクレオチドの不在下で観察されるCと比較した、orfX部分配列の検出についてのC値の増加により示される。この値、デルタC(ブロッカー存在下でのPCRからのC−ブロッカーなしのPCRからのC)は、所与の株に対するブロッカーポリヌクレオチドの効率を示す。しかし、デルタCは、絶対値としてみることはできない。なぜなら、反応ごとに出発材料の量が著しく変動していたからである。
例えば、ブロッカーの不在下で30のC、およびブロッカーの存在下で45のCを有する溶解物は、15のデルタCを有する。この例においては、15のデルタCは、orfX部分配列の増幅の完全抑制を示す。なぜなら、45のCは、45PCRサイクルにおいて増幅産物が検出されなかったことを示すからである。出発Cが20であり、かつデルタCが15である場合、これは、orfXシグナルの完全抑制ではなく、むしろ、約33,000倍の減少を表す。
ブロッカーの効率は80の単離株全体にわたってかなりの変動を示したが、ブロッカーポリヌクレオチドの影響は、試験した全ての単離株において示された。ブロッカーポリヌクレオチドの存在下では、単離株の35%がorfX増幅の完全阻害を示し、22%がorfX増幅の1000〜16,000倍の減少を示し、15%がorfX増幅の64〜1000倍の減少を示し、28%がorfX増幅の8〜64倍の減少を示した。
S.aureusゲノムのorfXおよびattB領域の発表された配列は、株同士の間に配列多形が存在することを示す。よって、単一のブロッカーポリヌクレオチドが全てのMSSA株に効果的とは考えにくい。遭遇する一連のMSSA株に存在するorfX領域内の標的配列の増幅を抑制するために、多重ブロッカーポリヌクレオチドが必要であろう。よって、一連の存在する株に対する有効性の範囲を有するために、他の株からのorfX標的配列の完全抑制がより少なく、株の特定の部分集団でのorfX標的配列の増幅を効率的にブロックする、良好に設計されたブロッカーポリヌクレオチドが期待される。
よって、2以上のブロッカーの「カクテル」を含めて、異なるS.aureus株に関連する標的ポリヌクレオチド配列での広い範囲の多形にわたってブロックを達成することが有用である場合がある。
本明細書に記載される実施例および実施形態は、説明の目的のみのためであり、この観点での種々の改変または変更は、当業者に示唆され、本出願および添付の特許請求の範囲内に含まれる。本明細書中に引用される全ての出版物、特許および特許出願は、全ての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
第1標的配列、第2標的配列、接合部および挿入ポリヌクレオチドの関係を示す模式図である。第1標的配列および第2標的配列は、非翻訳配列、同じもしくは異なる読み取り枠または遺伝子配列に由来し得る。 挿入配列が不在、および存在する場合の第1プライマー、第2プライマー、ブロッカーポリヌクレオチド、接合部および挿入ポリヌクレオチドのハイブリッド形成部位の関係を示す模式図である。ブロッカーポリヌクレオチドは、標的配列との1つまたは複数の内部ミスマッチを含み得る。 5’−ヌクレアーゼアッセイを用いるメチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)およびメチシリン感受性Staphylococcus aureus(MSSA)の検出における2つの異なるブロッカーポリヌクレオチドの影響を示す実験の結果を示す図である。FAM終点蛍光は、相対蛍光単位(RFU)で示す。 MRSAおよびMSSAの検出におけるブロッカーポリヌクレオチドの存否の影響を示す実験の結果を示す図である。FAM終点蛍光は、相対蛍光単位(RFU)で示す。 MSSAの80の異なる臨床単離株に対するブロッカーGCG49の影響を示す図である。データは、ブロックされていないMSSA株の閾値サイクル(Ct)に対するブロックされたMSSA株についての閾値サイクル(ΔCt;Ctブロッカーあり−Ctブロッカーあり)の変化としてプロットした。

Claims (40)

  1. 標的ポリヌクレオチド配列内の接合部位での組込み挿入ポリヌクレオチドの存否を決定する方法であって、前記標的ポリヌクレオチドを第1プライマー、第2プライマー、ブロッカーポリヌクレオチド、ポリメラーゼおよび1つまたは複数のヌクレオチド3リン酸と接触させるステップを含み、
    (i)前記標的ポリヌクレオチドが、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合に、接合部位を含むポリヌクレオチド鎖を含み、一方の側に第1標的配列が、他方の側に前記第1標的配列と連続する第2標的配列がまたがり、
    (ii)前記ブロッカーポリヌクレオチドが、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合に、前記連続する第1および第2標的配列とハイブリッド形成し、
    (iii)前記第1プライマーが、前記接合部位に近位の前記第1標的配列の第1領域とハイブリッド形成することにより、
    (iv)前記第1標的配列の前記第1および第2領域を含む前記第1標的配列のコピーの合成を開始可能である前記第2プライマーが、前記接合部位に遠位の前記第1標的配列の第2領域とハイブリッド形成する
    ことにより、
    前記接合部位に組込み挿入配列が存在する場合は、前記第1および第2プライマーが前記第1標的配列の前記第1および第2領域の指数関数的増幅を支持し、前記接合部位に組込み挿入配列が存在しない場合は、前記ブロッカーポリヌクレオチドが、前記第1標的配列の前記第1および第2領域の増幅が阻害されるように、前記連続する第1および第2標的配列とハイブリッド形成し、このことにより前記標的ポリヌクレオチド内の前記接合部位での前記組込み挿入ポリヌクレオチドの存否が決定される
    方法。
  2. 前記第1プライマーの全長が、前記ブロッカーと競合的に前記第1標的配列とハイブリッド形成する請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1プライマーの一部分が、前記ブロッカーと競合的に前記第1標的配列とハイブリッド形成する請求項1に記載の方法。
  4. 第1プライマーおよび前記ブロッカーポリヌクレオチドのそれぞれが、前記標的ポリヌクレオチド内の前記第1領域に実質的に相補的であり、前記第1プライマーが、前記標的ポリヌクレオチド内の前記第1領域に対して、前記ブロッカーポリヌクレオチドよりも少ない数のミスマッチヌクレオチドを有する請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1プライマーが、前記標的ポリヌクレオチド内の前記第1領域に完全に相補的であり、前記ブロッカーポリヌクレオチドが、前記標的ポリヌクレオチドの前記第1領域に比較して少なくとも1つの内部ミスマッチを有する請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1標的配列および第2標的配列がStaphylococcus aureus orfXの一部分であり、前記接合部位がattB組込み部位であり、前記挿入ポリヌクレオチドがSCCmec複合体の少なくとも一部分であり、前記標的ポリヌクレオチドがStaphylococcus aureus由来のDNAである請求項1に記載の方法。
  7. 前記ブロッカーポリヌクレオチドが、その3’末端に、リン酸およびヘキシルアミンからなる群より選択される部分を含む請求項1に記載の方法。
  8. 前記ブロッカーポリヌクレオチドが、少なくとも1つの核酸類似体塩基を含む請求項1に記載の方法。
  9. 前記ヌクレオチド3リン酸が、dNTPヌクレオチドである請求項1に記載の方法。
  10. 前記ポリメラーゼが、DNAポリメラーゼである請求項1に記載の方法。
  11. 前記DNAポリメラーゼが、Taqポリメラーゼである請求項11に記載の方法。
  12. 多重フォーマットで行われる請求項1に記載の方法。
  13. 前記標的ポリヌクレオチドを、増幅条件にさらすステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  14. 増幅がPCRにより評価される請求項13に記載の方法。
  15. 増幅がリアルタイムPCRにより評価される請求項13に記載の方法。
  16. 前記挿入ポリヌクレオチドが、少なくとも10ヌクレオチド塩基長である請求項1に記載の方法。
  17. 標的ポリヌクレオチド内の第1標的配列と第2標的配列との接合部位での組込み挿入ポリヌクレオチドの存否を決定するための反応混合物であって、
    該標的ポリヌクレオチドと、第1プライマーと、第2プライマーと、ブロッカーポリヌクレオチドとを含み、
    (i)前記標的ポリヌクレオチドが、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合に、接合部位を含むポリヌクレオチド鎖を含み、一方の側に第1標的配列が、他方の側に前記第1標的配列と連続する第2標的配列がまたがり、
    (ii)前記ブロッカーポリヌクレオチドが、前記組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合に、前記連続する第1および第2標的配列とハイブリッド形成し、
    (iii)前記第1プライマーが、前記接合部位に近位の前記第1標的配列の第1領域とハイブリッド形成することにより、
    (iv)前記第1標的配列の前記第1および第2領域を含む前記第1標的配列のコピーの合成を開始可能である前記第2プライマーが、前記接合部位に遠位の前記第1標的配列の第2領域とハイブリッド形成する
    ことにより、
    前記接合部位に組込み挿入配列が存在する場合は、前記第1および第2プライマーが前記第1標的配列の前記第1および第2領域の指数関数的増幅を支持し、前記接合部位に組込み挿入配列が存在しない場合は、前記ブロッカーポリヌクレオチドが、前記第1標的配列の前記第1および第2領域の増幅が阻害されるように、前記連続する第1および第2標的配列とハイブリッド形成する、
    反応混合物。
  18. 前記挿入ポリヌクレオチドが、前記接合部位に組込まれている請求項17に記載の反応混合物。
  19. 前記挿入ポリヌクレオチドが、前記接合部位に組込まれていない請求項17に記載の反応混合物。
  20. 第1プライマーおよび前記ブロッカーポリヌクレオチドのそれぞれが、前記標的ポリヌクレオチド内の前記第1領域に実質的に相補的であり、かつ前記第1プライマーが、前記標的ポリヌクレオチド内の前記第1領域に対して、前記ブロッカーポリヌクレオチドよりも少ない数のミスマッチヌクレオチドを有する請求項17に記載の反応混合物。
  21. 前記第1プライマーが、前記標的ポリヌクレオチド内の前記第1領域に完全に相補的であり、前記ブロッカーポリヌクレオチドが、前記標的ポリヌクレオチドの前記第1領域に比較して少なくとも1つの内部ミスマッチを有する請求項17に記載の反応混合物。
  22. 前記第1標的配列および第2標的配列がStaphylococcus aureus orfXの一部分であり、前記接合部位がattB組込み部位であり、前記挿入ポリヌクレオチドがSCCmec複合体の少なくとも一部分であり、前記標的ポリヌクレオチドがStaphylococcus aureus由来のDNAである請求項17に記載の反応混合物。
  23. 前記ブロッカーポリヌクレオチドが、その3’末端に、リン酸およびヘキシルアミンからなる群より選択される部分を含む請求項17に記載の反応混合物。
  24. 前記ブロッカーポリヌクレオチドが、少なくとも1つの核酸類似体塩基を含む請求項17に記載の反応混合物。
  25. dNTPヌクレオチドをさらに含む請求項17に記載の反応混合物。
  26. DNAポリメラーゼをさらに含む請求項25に記載の反応混合物。
  27. 前記DNAポリメラーゼが、Taqポリメラーゼである請求項26に記載の反応混合物。
  28. 増幅された単位複製配列をリアルタイムPCRにより検出するためのプローブをさらに含む請求項17に記載の反応混合物。
  29. 複数の異なる標的ポリヌクレオチドにおいて組込み挿入ポリヌクレオチドを検出するための複数のブロッカーを含む請求項17に記載の反応混合物。
  30. 標的ポリヌクレオチド内の第1標的配列と第2標的配列との接合部位での組込み挿入ポリヌクレオチドの存否を決定するためのキットであって、第1プライマーと、第2プライマーと、ブロッカーポリヌクレオチドとを含み、
    (i)前記標的ポリヌクレオチドが、組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合に、接合部位を含むポリヌクレオチド鎖を含み、一方の側に第1標的配列が、他方の側に前記第1標的配列と連続する第2標的配列がまたがり、
    (ii)前記ブロッカーポリヌクレオチドが、前記組込み挿入ポリヌクレオチドが存在しない場合に、前記連続する第1および第2標的配列とハイブリッド形成し、
    (iii)前記第1プライマーが、前記接合部位に近位の前記第1標的配列の第1領域とハイブリッド形成することにより、
    (iv)前記第1標的配列の前記第1および第2領域を含む前記第1標的配列のコピーの合成を開始可能である前記第2プライマーが、前記接合部位に遠位の前記第1標的配列の第2領域とハイブリッド形成する
    ことにより、
    前記接合部位に組込み挿入配列が存在する場合は、前記第1および第2プライマーが前記第1標的配列の前記第1および第2領域の指数関数的増幅を支持し、前記接合部位に組込み挿入配列が存在しない場合は、前記ブロッカーポリヌクレオチドが、前記第1標的配列の前記第1および第2領域の増幅が阻害されるように、前記連続する第1および第2標的配列とハイブリッド形成する
    キット。
  31. 第1プライマーおよび前記ブロッカーポリヌクレオチドのそれぞれが、前記標的ポリヌクレオチド内の前記第1領域に実質的に相補的であり、かつ前記第1プライマーが、前記標的ポリヌクレオチド内の前記第1領域に対して、前記ブロッカーポリヌクレオチドよりも少ない数のミスマッチヌクレオチドを有する請求項30に記載のキット。
  32. 前記第1プライマーが、前記標的ポリヌクレオチド内の前記第1領域に完全に相補的であり、前記ブロッカーポリヌクレオチドが、前記標的ポリヌクレオチドの前記第1領域に比較して少なくとも1つの内部ミスマッチを有する請求項30に記載のキット。
  33. 前記第1標的配列および第2標的配列がStaphylococcus aureus orfXの一部分であり、前記接合部位がattB組込み部位であり、前記挿入ポリヌクレオチドがSCCmec複合体の少なくとも一部分であり、前記標的ポリヌクレオチドがStaphylococcus aureus由来のDNAである請求項30に記載のキット。
  34. 前記ブロッカーポリヌクレオチドが、その3’末端に、リン酸およびヘキシルアミンからなる群より選択される部分を含む請求項30に記載のキット。
  35. 前記ブロッカーポリヌクレオチドが、少なくとも1つの核酸類似体塩基を含む請求項30に記載のキット。
  36. 前記第1標的配列と第2標的配列とを含む対照標的ポリヌクレオチドをさらに含む請求項30に記載のキット。
  37. 前記挿入ポリヌクレオチドが、前記接合部位に組込まれている請求項36に記載のキット。
  38. 前記挿入ポリヌクレオチドが、前記接合部位に組込まれていない請求項36に記載のキット。
  39. 増幅された単位複製配列をリアルタイムPCRにより検出するためのプローブをさらに含む請求項36に記載のキット。
  40. 複数ウェル基板をさらに含む請求項36に記載のキット。
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