JP2009536345A - 改善した出力信号特性を有する磁気抵抗検出器 - Google Patents

改善した出力信号特性を有する磁気抵抗検出器 Download PDF

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Abstract

従来の磁気抵抗検出器の感度は定数ではなく、例えば、製造誤差、時効効果及び温度のような制御できない変数に依存する。従って、磁気抵抗検出器が実行する測定の実効利得も、これらの制御できない変数に左右される。公知の手法による問題解決では、必要なハードウェアの複雑度が増し、安定度が落ちる。
本願発明の目的は、良好な電気出力信号特性を有する磁気抵抗検出器装置、かかる磁気抵抗検出器を少なくとも1つ含む生体素子、及び磁気抵抗検出器の電気出力信号を安定化する方法を提供することである。この目的を本願発明による方法及び装置により達成する。

Description

本願発明は磁気抵抗検出器に関し、より詳細には、安定化出力信号を有する磁気抵抗検出器に関する。本願発明は更にそのような磁気抵抗検出器を含む生体検出器又は生体素子に関し、そのような磁気抵抗検出器の使用に関し、かつ磁気抵抗検出器の出力信号を安定化する方法に関する。
AMR(異方性磁気抵抗)、GMR(巨大磁気抵抗)及びTMR(トンネル磁気抵抗)素子に基づく磁気抵抗検出器は、最近重要性を増している。ハードディスクの磁気ヘッドやMRAMのような既知の高速の応用に加えて、新しい、比較的低い帯域幅の応用が、分子診断学(MDx)、ICの中の電流検出、自動車関連等の分野に現れている。
このような磁気抵抗検出器を含む微小アレイ又は生体素子の導入は、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)及び蛋白質の分析を革命化しつつある。応用としては、例えば、人の遺伝子型決定(例えば病院において、又は個々の医師若しくは看護師によって行うもの)、細菌のスクリーニング、並びに生物学的及び薬理学的研究がある。このような磁気抵抗生体素子は、例えば、生体分子診断のために、感度、選択性、集積、使い易さ、及び価格の点で、有望な特性を有する。
生体素子は、生体検出器素子、生物学的微小素子、遺伝子素子又はDNA素子とも呼ばれ、最も単純な形式では、素子上の特定の領域の基板から成る。この基板の上に多数の種々の探査分子が配置され、分析する分子又は分子断片は、完全に適合する場合は、そこに結合することができる。例えば、DNA分子の断片は、一意の相補DNA(c−DNA)の分子の断片の1つに結合する。結合反応が起こったことは、例えば、分析する分子と結合するマーカー(例えば蛍光マーカー)又は磁気標識を用いることによって検出できる。これにより、微量で多数の異なる分子又は分子断片を、並行して短時間で分析することができる。1つの生体素子は、1000個以上の異なる分子断片のための分析物を保持することができる。生体素子を用いることにより利用可能となりうる情報の有用性は、今後10年の間に急激に増加するであろうと期待されている。これは人ゲノムプロジェクトのような計画や、遺伝子と蛋白質の機能の追跡研究の結果である。
例えば、超常磁性粒子の検知に基づく例えば100個の検出器の配列から成る生体検出器を、溶液(例えば血液)中の多数の異なる生体分子(例えば蛋白質又はDNA)の濃度を同時に測定するために用いてもよい。これは、超常磁性粒子を測定する目標分子に付着させ、この粒子に磁場をあてて磁化し、例えば巨大磁気抵抗(GMR)検出器を用いて磁化した粒子の磁場を検知することによって実現してもよい。
図1は統合した磁場励磁を有する磁気抵抗検出器10を示す。統合した磁場励磁を有するとは、磁場発生手段が、磁気抵抗検出器10に統合されているという意味である。磁気抵抗検出器10は、2つの導電体1(これらが磁場発生器を形成する)及びGMR素子2(これが磁気抵抗検出素子を形成する)を含む。磁気抵抗検出器10の表面3に結合箇所4があり、ここに、例えば磁気微細粒子6を付着した目標分子5が結合できる。導電体1を流れる電流が磁場を発生し、この磁場が磁気微細粒子6を磁化する。磁気微細粒子6は磁気モーメントmを持つことになる。これを図1の力線7で示す。また磁気モーメントmは双極磁場を発生する。これは、GMR素子2の内部に面内の磁場の成分8を有する。従って、磁気微細粒子6は導電体1を流れる電流により誘導される磁場9を偏向させる。これにより、磁場の成分8が、GMR素子2の感度を持つx方向に向く。これを磁場のx成分Hextとも呼ぶ。すると、磁場のx成分HextをGMR素子2が検出する。磁場のx成分Hextは、磁気抵抗検出器10の表面3にある磁気微細粒子6の数Nnpと導電体1を流れる電流の大きさとに依存する。
GMR素子2の中の面内の磁場成分Hextは、GMR素子2の抵抗値をΔRGMR(Hext)ぶん変化させる。図2は、GMR素子の抵抗値Rを、GMR積層の感度を持つ層における面内の磁場成分Hextの関数として示す。磁気抵抗検出器10の感度SGMRを次の数1で表す。
Figure 2009536345
感度SGMRは定数ではなく、例えば、製造誤差、時効効果及び温度のような制御できない変数に依存する。従って、磁気抵抗検出器10が実行する測定の実効利得も、これらの制御できない変数に左右される。
この問題に対する解決が、特許文献1に記載されている。この文献は、磁気抵抗検出器が検出した信号の2次高調波(及び任意で例えば4次高調波のような他の高調波)を、磁気抵抗(MR)電圧において磁気抵抗検出器の感度を安定化するために用いる利得指標として用いることを記載している。高調波は、磁気抵抗検出素子の自己磁化特性により発生する。
この方法の欠点は、必要なハードウェアの複雑度が増すことである。別の欠点は、周波数fのベースバンド信号と、周波数2fの2次高調波を示す所望の利得との間の65dBものダイナミックレンジにより、安定度が落ちてしまうことである。これは高次の帯域通過フィルタリングを必要とするし、周波数2fの検出回路が追加で必要となることも安定度を落とす原因である。
国際出願番号PCT/IB2005/053935
本願発明の目的は、良好な電気出力信号特性を有する磁気抵抗検出器装置、かかる磁気抵抗検出器を少なくとも1つ含む生体素子、及び磁気抵抗検出器の電気出力信号を安定化する方法を提供することである。この目的を本願発明による方法及び装置により達成する。
本発明の特定の好適な観点を添付の独立及び従属請求項に記載する。従属請求項の特徴を、必要に応じて、独立請求項の特徴と組み合わせてもよく、他の従属請求項の特徴と組み合わせてもよい。これは請求項に明示的に記載した従属関係に限定されない。
本願発明は次を含む磁気抵抗検出器を提供する:
− 磁場を発生するための磁場発生器、これにより発生した磁場を「発生した磁場」という;
− 磁場を検出するための少なくとも1つの磁気抵抗素子;
− 検出電流(Isense)を前記少なくとも1つの磁気抵抗素子に流すための電流源、これにより検出する前記磁場に依存する検出信号を発生する;及び
− 振幅を有し、前記検出信号から導出される電気出力信号を発生するための電子的手段、ここで前記電子的手段は安定化回路を含む;
ここで前記安定化回路は、前記発生した磁場を示す電気出力信号の成分を安定化するための手段を含む。
本願発明は次を含む磁気抵抗検出器を提供する:
− 磁場を発生するための磁場発生器;
− 前記磁場を検出するための少なくとも1つの磁気抵抗素子;
− 検出電流(Isense)を前記少なくとも1つの磁気抵抗素子に流すための電流源、これにより検出する前記磁場に依存する検出信号を発生する;及び
− 振幅を有し、前記検出信号から導出される電気出力信号を発生するための電子的手段、ここで前記電子的手段は安定化回路を含む;
ここで前記安定化回路は、前記検出信号の直流成分を測定するための手段及び前記直流成分に対応する前記電気出力信号の振幅を安定化するための手段を含む。
公知技術の問題解決では検出信号の2次(またはより高次の)高調波を利得指標として用いるが、本願発明では、検出信号の直流成分を利得指標として解釈することにより、公知技術の問題解決による磁気抵抗検出器に現れる欠点を、抑えることができ、無くすことすらできる。
本願発明による磁気抵抗検出器の更なる利点は、検出電流の変動を抑えるので、制御可能な高抵抗性電圧源を、通常の電流源の代わりに用いて、検出電流を供給してもよいことである。これにより、低雑音の検出電流発生器の実装が容易になる。低雑音の電圧源は、例えば、周波数領域の出力をフィルタリングすることにより、容易に実現できる。
磁気抵抗検出器の電気出力信号は、従って、磁気抵抗素子の感度SGMRの変動又はI若しくは検出電流Isenseの振幅の変動(言い換えれば電流源の揺らぎ)の影響を蒙らない。
磁気抵抗素子はGMR、TMR又はAMR素子であってもよい。磁場発生器は少なくとも1つの導電体を含んでもよい。少なくとも1つの導電体は少なくとも1つの導電線から形成されてもよい。
本発明の実施例によれば、直流成分を測定するための手段は、低域通過フィルター(好適には直流即ち0Hz通過フィルター)を含んでもよい。好適には、低域通過フィルターは低次の低域通過フィルターであってもよく、最も好適には、1次〜3次のフィルターであってよい。電気出力信号の振幅を安定化するための手段は、検出信号の直流成分の大きさにより制御される正規化器を含んでもよい。この実施例による装置を用いれば、電気出力信号Uの振幅は、純粋に電子的に制御される。この実施例による装置は、単純な低域通過フィルターを必要とするのみである。直流成分の周波数よりもはるかに高い周波数ωから、直流成分を分離する必要があるだけだからである。これに対して、公知技術による装置では、2次(またはより高次の)高調波を用いて出力信号を安定化するので、2つの周波数ωとω(この2つはそれほど違わない)を分離しなければならない。これはずっと困難であるし、従ってより複雑な部品も必要となる可能性がある。
本発明の実施例によれば、安定化回路はフィードフォワードループを含んでもよい。
他の実施例によれば、安定化回路はフィードバックループを含んでもよい。
本発明の実施例によれば、フィードバックループは減算器と積分ループフィルターを含んでもよい。別の実施例によれば、フィードバックループは更に乗算器を含んでもよい。乗算器は積分ループフィルターの出力により制御されてもよい。この実施例による装置では、磁気抵抗素子を利得乗算器として用いる。
この実施例による装置は、例えば、安定性の観点で、設計が複雑になる可能性がより低い。フィードバックループに含まれる要素がより少ないからである。それは、先の実施例による実装とは反対に、制御可能な電流源とGMR素子がフィードバックループに存在しないためである。
本願発明の実施例によれば、電子的手段は更に、検出信号を増幅するための増幅器を含んでもよい。
本願発明の実施例によれば、磁場発生器は磁化可能対象を磁化するように適応してもよく、少なくとも1つの磁気抵抗素子は、磁化可能対象が磁化したときに発生する磁場を検出するように適応してもよい。この実施例による装置を、標本中に存在し磁気粒子で標識化した目標分子を検出するために用いてもよい。
本願発明の実施例による磁気抵抗検出器を、分子診断学、生物学的標本分析又は化学的標本分析において用いてもよい。
本願発明はまた、本願発明による磁気抵抗検出器を少なくとも1つ含む生体素子を提供する。
本発明の実施例によれば、生体素子は複数の磁気抵抗検出器を含んでもよく、ここで少なくとも1つの磁気抵抗検出器を参照検出器として用いてもよく、磁気抵抗検出器の電気出力信号の振幅の安定化を、少なくとも1つの参照検出器をから導出される情報を用いて行ってもよい。
本願発明の実施例による生体素子を、分子診断学、生物学的標本分析又は化学的標本分析において用いてもよい。
本願発明は更に、磁気抵抗検出器の磁場発生器の発生した磁場を示す電気出力信号の成分を安定化するための方法を提供する。この方法は次を含む:
− 磁場を発生すること、これにより発生した磁場を「発生した磁場」という;
− 磁気抵抗素子内の検出電流により誘導された前記磁場を示す検出信号を発生すること;及び
− 前記検出信号から導出される電気出力信号を発生すること;
ここで前記方法は、次を更に含む:
− 前記発生した磁場を示す電気出力信号の成分を安定化すること。
本願発明は更に、磁気抵抗検出器の電気出力信号の振幅を安定化するための方法を提供する。この方法は次を含む:
− 磁場を発生すること;
− 磁気抵抗素子内の検出電流により誘導された前記磁場を示す検出信号を発生すること;及び
− 前記検出信号から導出される電気出力信号を発生すること;
ここで前記方法は、次を更に含む:
− 前記検出信号からの直流成分を測定すること;及び
− 前記測定した前記直流成分に対応する前記磁場を示す前記電気出力信号の前記振幅を安定化すること。
公知技術の問題解決では検出信号の2次(またはより高次の)高調波を利得指標として用いるが、本願発明では、検出信号の直流成分を利得指標として解釈することにより、公知技術の問題解決による磁気抵抗検出器に現れる欠点を、抑えることができ、無くすことすらできる。
本願発明による方法の更なる利点は、検出電流の変動を抑えることができるので、制御可能な高抵抗性電圧源を、通常の電流源の代わりに用いて、検出電流を供給してもよいことである。これにより、低雑音の検出電流発生器の実装が容易になる。低雑音の電圧源は、例えば、周波数領域の出力をフィルタリングすることにより、容易に実現できる。
本発明の実施例によれば、直流成分を測定することは、低域通過フィルタリングによって検出信号から直流成分を抽出することによって行ってもよい。この実施例による方法は、単純な低域通過フィルターを必要とするのみである。直流成分の周波数よりもはるかに高い周波数ωから、直流成分を分離する必要があるだけだからである。これに対して、公知技術による方法では、2次(またはより高次の)高調波を用いて出力信号を安定化するので、2つの周波数ωとω(この2つはそれほど違わない)を分離しなければならない。従ってより複雑な要素が必要となる可能性がある。
本発明の実施例によれば、電気出力信号の振幅を安定化することを、正規化器によって行ってもよい。
本発明の実施例によれば、磁場を発生することは、磁化可能対象を磁化するための磁場を発生することを含んでもよく、磁場を検出することは、磁化可能対象が磁化したときに発生する磁場を検出することを含んでもよい。
本願発明の実施例による方法を、分子診断学、生物学的標本分析又は化学的標本分析において用いてもよい。
本願発明の教示により、磁気抵抗検出器の電気出力信号の振幅の安定化を行うための、進歩した方法及び装置の設計が可能となる。
本願発明の前述及び他の特性、機能及び利点は、本発明の原理を例を用いて説明する添付の図面と共に、後述の詳細な記載より明らかになる。この記載は例を説明するためだけのものであり、本発明の範囲を制限することは無い。図面の説明を図面の簡単な説明に示す。
異なる図面における同一の参照符号は同一又は類似の要素を参照する。
本願発明を特定の実施例について特定の図面を参照して記載することになるが、本発明はそれら実施例及び図面に限定されない。特許請求の範囲が本発明を定める。記載の図面は概要を示すだけのものであり、本発明を限定しない。図面において要素のいくつかの寸法は誇張されているかもしれず、原寸に比例して描かれているとは限らない。これは説明上の目的のためである。「含む」という語を本願明細書及び特許請求の範囲において用いる場合には、他の要素又は工程を排除しない。例えば「本」「前記」「ある」「別の」等の修飾を名詞に用いる場合には、その名詞は複数の場合も含む。但し明示的に異なるように述べている場合を除く。
更に、本願明細書及び特許請求の範囲において、第1、第2、第3、等の語を用いるのは、類似する要素を区別するためである。これらは必ずしも、序列又は時間順序を記述するためとは限らない。ここで用いるこれらの語は、適切な状況下では相互に交換可能であり、本願に記載する本発明の実施例は、本願に記載の又は図示の順とは異なる順で動作することもできるということを、理解しなければならない。
更に、上、下、等の語を本願明細書及び特許請求の範囲において用いるのは、説明の目的のためである。これらは必ずしも、相対位置を記述するためとは限らない。ここで用いるこれらの語は、適切な状況下では相互に交換可能であり、本願に記載する本発明の実施例は、本願に記載の又は図示の方向とは異なる方向で動作することもできるということを、理解しなければならない。
本願発明は、安定化した電気出力信号特性を有する磁気抵抗検出器に関し、そのような磁気抵抗検出器を少なくとも1つ含む生体素子に関し、かつ、磁気抵抗検出器の電気出力信号を安定化するための方法に関する。安定化した電気出力信号特性を有するとは、電気出力信号が、検出器にある磁気抵抗素子の感度SGMRの変動及び磁気抵抗素子を流れる検出電流の振幅の変動から独立しているということである。更に、磁気検出器は、検出器の表面に付着した又はその近傍の測定対象の粒子の磁気特性を検知することに基づく、いかなる適切な検出器であってもよい。従って、磁気検出器は、コイル、磁気抵抗検出器、磁気制限検出器、ホール検出器、平面ホール検出器、磁束ゲート検出器、SQUID(超伝導量子干渉計)、磁気共鳴検出器、又は磁場に反応するその他の検出器として設計可能である。
本願発明による磁気抵抗検出器は次の(1)〜(4)を含む:(1)磁場を発生するための磁場発生器(これにより発生した磁場を「発生した磁場」という);(2)磁場を検出するための少なくとも1つの磁気抵抗素子;(3)検出電流(Isense)を前記少なくとも1つの磁気抵抗素子に流すための電流源(これにより検出する前記磁場に依存する検出信号を発生する);及び(4)振幅を有し、前記検出信号から導出される電気出力信号を発生するための読み出し回路(前記読み出し回路は安定化回路を含む)。本願発明によれば、安定化回路は、検出信号の直流成分を測定するための手段及び直流成分を用いて電気出力信号の振幅を安定化するための手段を含む。又は、より一般的に言えば、安定化回路は、発生した磁場を示す電気出力信号の成分を安定化するための手段を含む。
磁場発生器は、磁気抵抗検出器の近傍にあり、検知する目標分子に付着した、磁化可能対象を磁化するためのものであってよい。磁化可能対象は好適には磁気微細粒子であるが、目標分子に付着できれば、いかなる他の適切な磁化可能対象であってもよい。本願発明を、更に、次の(1)及び(2)を有する1つ以上の磁気抵抗検出器によって記述することになる。(1)磁化可能対象を磁化するための磁場発生器;及び(2)磁化可能対象が磁化したときに発生する磁場を検出するための少なくとも1つの磁気抵抗素子。ここで磁化可能対象とは磁気微細粒子である。本願発明の実施例によれば、磁場発生器は少なくとも1つの導電体を含んでもよい。これは本発明をいかなる方法でも限定しないことを理解しなければならない。
少なくとも1つの磁気抵抗素子は、磁場発生器が発生した磁場又は、磁場発生器が発生した磁場により磁化可能対象(例えば磁気微細粒子)が磁化した際に発生する磁場を、検出するためのものである。本願発明の実施例によれば、磁気抵抗素子は、磁場を印加した結果、1つ以上の層の磁化の向きが変わる際に電気抵抗が変化する素子であってよい。例えば巨大磁気抵抗(GMR)素子、トンネル磁気抵抗(TMR)素子、又は異方性磁気抵抗(AMR)素子である。
GMR技術では、2つの磁性薄膜を近接して並べる構造を取る。第1の磁性薄膜(固定層)は磁化の向きが固定されている。通常これは交換バイアス層に密接して第1の磁性薄膜を配置することによる。交換バイアス層は、第1の磁性薄膜の磁化の向きを固定する反強磁性の材料による層である。第2の磁性薄膜又は自由層は、自由で可変の磁化の向きを有する。本願発明による検出器の近くにある例えば磁気微細粒子(例えば超常磁性粒子)のような磁性体の磁化が変化することから生ずる磁場の変化により、自由磁性層の磁化の向きが転回する。これにより今度はGMR構造の抵抗が増減する。自由層(検出層)と固定層が同じ向きに磁化していると、一般に抵抗が低くなる。自由層(検出層)と固定層の磁化の向きが逆だと抵抗はより高くなる。
TMRは、2つの強磁性体の電極層が、絶縁(トンネル)障壁を挟みこむシステムで観察できる。この障壁は非常に薄い必要がある。即ち、1nmのオーダーでなければ、電子がこの障壁をトンネル通過することができない。これは量子力学的な移転過程である。交換バイアス層を用いることにより、1つの層の磁気整列を、もう1つの層に影響を与えずに、変えることができる。本願発明の実施例による、例えば超常磁性粒子のような磁性体の磁化が変化することから生ずる磁場の変化により、強磁性体の電極層の1つの磁化の向きが転回する。これにより今度はTMR構造の抵抗が増減する。
強磁性体のAMRとは、抵抗値が、磁化の方向に対して電流が作る角度に、依存することである。この現象は、強磁性体の断面に散乱する電子の非対称性による。
本願発明を以降GMR素子を用いて説明するが、理解しなければならないのは、このことは、本発明を決して限定しないということ、及び、このGMR素子の代わりに、前述のTMR素子やAMR素子のような、磁場に依存する特性又は変数を有するいかなる他の手段も、同様に適用できるということである。
図3は本願発明の実施例による磁気抵抗検出器20の断面図である。磁気抵抗検出器20は、磁気抵抗素子21(この例ではGMR素子とする)、及び磁場発生器(この例では2つの導電体22を含む)を含む。
本願の例によれば、GMR積層構造を含むGMR素子21を含む磁気抵抗検出器20においては、電流分布が非対称的であるため、検出電流Isenseは、図3の矢印23が示す面内の磁場成分Hintを誘導することになる。これを数2に示す。
Figure 2009536345
ここでαは定数であり、Isenseは磁気抵抗素子21(この例ではGMR素子とする)を流れる検出電流である。面内の磁場成分23もまた、磁気抵抗素子21(この例ではGMR素子とする)により検出されることになる。面内の磁場成分Hintの効果は、内部の磁気クロストークとして解釈することができる。
図4に、GMR積層構造24を含むGMR素子21の断面図を示す。ここでGMR積層構造24を流れる検出電流Isenseを模式的に示す。GMR積層構造24は、非磁性層25、自由又は検出磁性層26及び固定磁性層27を含む。GMR積層構造24における電流分布は、自由又は検出磁性層26と固定磁性層27とに挟まれる非磁性層25を中心とする。検出電流Isenseの重心を、最適な位置である自由又は検出磁性層26の直下に移すと、検出電流Isenseが自由又は検出磁性層26に誘導する磁界はより強くなるので、安定化回路の制御範囲及び利得が大きくなる。これは、積層構造における抵抗の割り振りを最適化することによって実現できる。例えば、低抵抗の層を積層構造に追加すること、又はGMR積層構造24における種々の層の厚さを変えること等である。例えば、抵抗の割り振りを、自由磁性層(例えばNiFe層)の厚さ及び/又は固定磁性層(例えばCoFe層)の厚さを変えることによって、変えることができる。前述のパラメーターαとSGMRは両方、GMR積層構造24における電流分布の関数である。
磁気抵抗素子21における検出電流Isenseそれ自体が発生する面内の磁場成分を、前述の通り、図3の矢印23に示す。磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)における検出電流Isenseそれ自体が発生する面内の磁場成分23のせいで、結果の検出信号及びこの検出信号から導出されるいかなる信号(例えば検出信号から導出される電気出力信号)も、例えば検知する目標分子に関して、信頼できる測定値にとはならない。検出信号は、例えば目標分子に付着した磁化可能対象が発生する磁場のような外部磁場からだけに由来するものではないからである。この面内の磁場成分23は、例えば電流が不安定になる原因であるから、時間が経つにつれ更に変化するかも知れず、電気出力信号を不安定にするかもしれない。
図5は磁気抵抗検出器20の部分を示す。ここで、外部磁場Hext(例えば磁気微細粒子のような磁化可能対象に例えば由来するもの)に加えて、磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)における検出電流Isenseそれ自体が発生する内部磁場Hintを示す。電流源28は検出電流Isense=Isin(ωt)を磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)に供給する。検出電流Isenseは、検出信号UGMRを磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)にわたって発生させる。検出信号UGMRを次に増幅器29が増幅してもよい。増幅器29は信号UAMPを出力する。前述の通り、検出電流Isenseは、GMR素子21の検出磁性層26に面内の磁場成分23(数2を参照のこと)を発生させる。面内の磁場成分Hintの効果は、内部の磁気クロストークとして解釈することができ、検出信号UGMRに次の電圧成分を生ずることになる。
Figure 2009536345
その結果、検出信号UGMRは直流成分を含む。この直流成分を、本願発明によれば、安定化した振幅を有する電気出力信号Uを得るために用いる。このことを次に説明する。GMR素子21の検出磁性層26における面内の磁化の合計Hは数4により求められる。
Figure 2009536345
検出信号UGMRは数5で表現できる。
Figure 2009536345
sense=Isin(ωt)と代入することにより、検出信号UGMRは数6のように書ける。
Figure 2009536345
粒子からの磁場をHext=Hsin(ωt)と仮定して計算すると、数7が得られる。
Figure 2009536345
数7の第1項が直流成分であり、これを今後、利得指標Gとも呼ぶ。直流成分即ち利得指標Gを数8に示す。
Figure 2009536345
この直流成分即ち利得指標Gを、本願発明によれば、電気出力信号の振幅を安定化するために用いる。
従って、本願発明によれば、磁気抵抗検出器20の電子的読み出し手段は、電気出力信号の振幅を安定化するための安定化回路を含む。これにより、測定値が信頼できるものになる。この測定値は、磁気抵抗素子21の感度SGMRの変動又はI(即ち検出電流Isenseの振幅)の変動(言い換えれば電流源28の揺らぎ)の影響を受けない。
以降に本発明を種々の実施例を用いて説明する。
図6に、本願発明の実施例1による磁気抵抗検出器20の概略を示す。磁気抵抗検出器20は、磁場発生器を含んでもよいが、図示していない。磁場発生器は、磁気抵抗検出器20を提供する基板の内部又は外部の磁場発生器であってよい。これにより外部磁場Hextを発生する。磁気抵抗検出器20を提供する基板の内部の磁場発生器の例は、例えば、図3に示す2つの導電体22を含んでもよい。磁気抵抗検出器20は、次の(1)〜(3)を更に含んでもよい:(1)少なくとも1つの磁気抵抗素子21;(2)電流源28、これにより少なくとも1つの磁気抵抗素子21に検出電流Isenseを流し、それによって検出信号UGMRを発生する;及び(3)電子的手段30、これにより電気出力信号Uを検出信号UGMRから導出して発生させる。電子的手段30は、安定化回路30aを少なくとも含む。安定化回路30aは、電気出力信号Uの振幅を安定化し、それにより安定化した振幅を有する電気出力信号Uを得るためのものである。安定化した振幅を有するとは、電気出力信号Uは、磁気抵抗素子21の感度SGMRに反応又は従属せず、かつ、Iの変動(即ち電流源28が供給する検出電流Isenseの振幅の変動)に反応又は従属しない、という意味である。
安定化回路30aは、次の(1)及び(2)を含む:(1)検出信号UGMRの直流成分を測定するための手段;及び(2)電気出力信号Uの振幅を安定化するための手段。従って、安定化回路30aは、直流成分を用いることにより、安定化した振幅を有する電気出力信号Uを得るために役立つ。
この実施例によれば、安定化回路30aは、低域通過フィルター31(好適には直流即ち0Hz通過フィルター)を含んでもよい。これにより、直流成分(利得指標Gとも呼ぶ)を検出信号UGMRから抽出する。利得指標Gを次の数9に示す。
Figure 2009536345
低域通過フィルター31は、低次のフィルターであってもよく、好適には、1次〜3次のフィルターであってよい。安定化回路30aは、正規化器32を更に含んでもよい。正規化器32は、増幅器29の出力に結合した信号入力を有し、検出信号UGMRを増幅した信号UAMPをここから受け取る。かつ、正規化器32は、乗算器33の入力に結合した信号出力を有し、ここへ正規化した信号UNORMを出力する。利得指標Gは正規化器32へのフィードフォワードループに結合する。正規化器32において、信号UAMPは数10によって制御される。
Figure 2009536345
実用的な実装においては、図6に示すgainmaxは、数11によって、正規化器32の利得の上限を定める。
Figure 2009536345
これは、G=0の場合に雑音を過大に増幅してしまうのを避けるためである。正規化器32の動作は当業者には周知であるため、これより先は記載しない。
信号UNORMは、直流成分即ち利得指標Gを用いて振幅を安定化した信号である。このように安定化した信号UNORMを、次に、乗算器33によって同調して復調してもよい。乗算器33は、信号UNORMを、cos(ω―ω)t若しくはcos(ω+ω)tの片方又はこれらの信号の組み合わせと乗算する。乗算器33の出力となる結果の信号UMPを、次に低域通過フィルター34でフィルターしてもよく、それによって電気出力信号Uを出力する。電気出力信号Uは、外部の磁場に関連する測定値である。例えば、磁化可能対象の濃度を示す測定値である。磁化可能対象とは、例えば、磁気抵抗検出器20の表面にある磁気微細粒子である。従って、この場合では、目標分子の濃度を示す測定値となる。目標分子とは例えば生物学的分子であり、これが測定の対象であった。電気出力信号Uは、感度SGMRの変動の影響を蒙らず、かつ、検出電流Isenseの振幅(即ちI)の変動の影響を蒙らない。
本願発明による実施例2を図7に示す。ここで、安定化回路30aは、減算器35を含んでもよい。減算器35で、既定の値spAGCを、増幅した検出信号UAMPから引く。既定の値spAGCは、Gの所望の値又は設定点である。制御ループは、検出電流の振幅を、この値に近づけるように調整する。spAGCの値は、要求される信号対雑音比によって決められる最小の値と、磁気抵抗検出素子21に許容される電力損失によって決められる最大の値との間であれば、いかなる値でもよい。
この結果の信号が誤り信号Uerrである。Uerrは、積分ループフィルター36に送られる。既定の値spAGCは、増幅器29、減算器35、積分ループフィルター36、電流源28及び磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)が形成する負のフィードバックループの動作点を決定する。積分ループフィルター36の出力信号を、次に、電流源28が供給する検出電流Isenseの振幅を適応するために用いてもよい。従って、フィードバックループの利得が十分に高い場合には、減算器35の出力の(又は積分ループフィルター36の入力の)誤り信号Uerrは、ほぼ零になるように制御されることになる。従って、磁気抵抗検出器20の実効感度は既定の値と等しいことになり、ひいては安定化する。ひいては安定化した信号UAMPを、次に、乗算器33によって同調して復調してもよい。乗算器33は、信号UAMPを、cos(ω―ω)t若しくはcos(ω+ω)tの片方又はこれらの信号の組み合わせと乗算する。乗算器33の出力となる結果の信号UMPを、次に低域通過フィルター34でフィルターしてもよく、それによって電気出力信号Uを出力する。電気出力信号Uは、外部の磁場に関連する測定値である。例えば、磁化可能対象の濃度を示す測定値である。磁化可能対象とは、例えば、磁気抵抗検出器20の表面にあり目標分子に付着した磁気微細粒子である。従って、目標分子の濃度を示す測定値となる。目標分子とは例えば生物学的分子であり、これが測定の対象であった。電気出力信号Uは、磁気抵抗素子21の感度SGMRの変動の影響又は検出電流Isenseの振幅(即ちI)の変動(言い換えれば電流源28の揺らぎ)の影響を蒙らない。
本願発明による別の実施例を図8に示す。この実施例では、安定化回路30aは、図7に示す実施例2と似て、減算器35及び積分ループフィルター36を含んでもよい。減算器35で、既定の値spAGCを、信号UAMPから引く。既定の値spAGCは、Gの所望の値又は設定点である。制御ループは、検出電流の振幅を、この値に近づけるように調整する。spAGCの値は、要求される信号対雑音比によって決められる最小の値と、検出器に許容される電力損失によって決められる最大の値との間であればよい。
この結果の信号が誤り信号Uerrである。Uerrは、積分ループフィルター36に送られる。
この実施例によれば、安定化回路30aは、第2の乗算器37を更に含んでもよい。第2の乗算器37の第1の入力は増幅器29の出力に接続する。この実施例によれば、積分ループフィルター36の出力は、電流源28に接続されていない。(図7の実施例2では電流源28に接続されている。)そのかわりに、積分ループフィルター36の出力は、第2の乗算器37の第2の入力に接続されている。このように、増幅した検出信号UAMPは、利得指標Gと乗算される。第2の乗算器37を用いて、積分ループフィルター36の出力の制御下で、信号UAMPの振幅を操る。
注意しなければならないのは、図7と図8における磁気抵抗検出器20の実装はよく似ているけれど、この二つの回路の動作原理は異なるということである。図8に示す回路の動作原理は、図6に示す回路の動作原理と似ている。図6及び図8においては、電気出力信号Uの振幅が、純粋に電子的に制御されている。ところが図7では、磁気抵抗素子21をいわば「利得乗算器」として用いている。
基本的に、この実施例によれば、第2の乗算器37、減算器35及び積分ループフィルター36が形成する負のフィードバックループが、図6において、低次の低域通過フィルター31及び正規化器32が形成するフィードフォワードループと似た機能を果たす。即ち、増幅された検出信号の振幅を、利得指標Gを用いて、これらループの形成要素の直接の結合によって、安定化する。これは、図7に示す実施例2の動作原理とは異なる。図7の実施例2では、増幅された検出信号の振幅を、利得指標Gを用いて、検出電流Isenseを変えることによって、安定化する。
更に注意しなければならないのは、図7による磁気抵抗検出器20の実装と比べて、図8による磁気抵抗検出器20の実装は、例えば安定性の観点で、設計が複雑になる可能性がより低いということである。図8による磁気抵抗検出器20の実装は、フィードバックループに含む要素がより少ないからである。すなわち、図7による磁気抵抗検出器20の実装では、制御可能な電流源28及びGMR素子21をフィードバックループに含むが、図8による磁気抵抗検出器20の実装では、それらをフィードバックループに含まない。
公知技術による問題解決のように、検出信号の2次(またはより高次の)高調波を利得指標として用いるのではなく、検出信号UGMRの直流成分を利得指標として解釈することにより、これら公知技術の問題解決による磁気抵抗検出器に現れる欠点を、抑えることができ、無くすことすらできる。
本願発明による磁気抵抗検出器20の更なる利点は、検出電流Isenseの変動を更に抑えることである。これにより、制御可能な高抵抗性電圧源を、通常の電流源の代わりに用いて、検出電流Isenseを供給することができる。これにより、低雑音の検出電流発生器28の実装が容易になる。低雑音の電圧源は、例えば、周波数領域の出力をフィルタリングすることにより、容易に実現できる。
磁気抵抗素子21(この例ではGMR素子)内部の検出電流Isenseそれ自体が発生する面内の磁場成分Hintは、磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)に集中している。従って、磁気抵抗検出器20の表面にある磁化可能対象(例えば磁気微細粒子)と、磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)に印加される検出電流Isenseとの間の相互作用は、無視できる。従って、本願発明によれば、外部磁場が、磁化可能対象(磁気粒子とも呼ぶ)との相互作用によって測定される実施例においては、磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)それ自体が発生するこの面内の磁場成分に対する補正を、実際の磁気粒子の測定と同時に適用することができる。
注意しなければならないのは、磁気抵抗(例えばGMR)特性が非線形であることに由来する高調波歪み成分を、無視できるということである。検出電流Isenseが誘導する磁場の交流振幅は小さいからである。これは、印加される磁場の振幅に対して、R(H)特性(図2を参照)は線型であると仮定できるからである。
別の観点で、本願発明はまた、本願発明の実施例による磁気抵抗検出器20を少なくとも1つ含む、生体素子を提供する。図9は、本願発明の実施例による生体素子40を示す。生体素子40は、基板41に統合される、本願発明の実施例による磁気抵抗検出器20を、少なくとも1つ含んでもよい。「基板」という語は、使用可能な、又は、その上に装置、回路若しくはエピタキシャル層を形成してもよい、いかなる基礎の材料又は諸材料を含んでもよい。「基板」という語は、半導体基板を含んでもよい。例えば、不純物を添加したシリコン、ガリウム砒素(GaAs)、ガリウム砒素燐(GaAsP)、インジウム燐(InP)、ゲルマニウム(Ge)、又はシリコンゲルマニウム(SiGe)の基板である。「基板」は例えばSiO又はSi層のような絶縁層を、半導体基板の部分に加えて、含んでもよい。従って、「基板」という語は、ガラス、プラスチック、セラミック、シリコンーオンーガラス、シリコンーオンーサファイヤの基板も含む。従って、「基板」という語を、対象の層又は部分の基礎にある層の要素を一般に定義するために用いる。「基板」はまた、層(例えばガラスの層又は金属の層)をその上に形成できる、いかなる他の基礎であってもよい。
本発明の実施例によれば、単一の磁気抵抗検出器20又は複数の磁気抵抗検出器20を、同一の基板41に統合して、生体素子40を形成してもよい。
磁気抵抗検出器20の磁場発生器22は、基板41の外部の磁場発生器でもよいし、又は、図9に示す本願の例のように、基板41に統合したものでもよい。本願の例によれば、磁場発生器22は第1の導電体及び第2の導電体を含んでもよい。これらは例えば、第1の導電線22a及び第2の導電線22bによって実装される。また、この第1の導電線22a及び第2の導電線22bの代わりに、他の手段を適用して外部磁場を発生してもよい。更に、磁場発生器22はまた、異なる数の導電体を含んでもよい。別の実施例によれば、磁場発生器22はまた、基板41の外部に位置してもよい。
磁気抵抗検出器20の各々において、少なくとも1つの磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)を、基板41に統合してもよい。これにより、生体素子40が収集する情報を読み出す。従って例えば目標粒子43の存在又は不在を読み出す。このために磁化可能対象45を用いる。磁化可能対象45は例えば磁気微細粒子である。これを目標粒子43に付着させる。これにより、目標粒子43の面密度を測定又は推定する。磁化可能対象45は例えば磁気粒子である。これは好適には所謂超常磁性粒子で実装する。結合箇所42は、目標分子43を選択的に結合することができ、探査素子44に取り付けられている。探査素子44は基板41の上面に取り付けられている。
生体素子40の機能、及び従って磁気抵抗検出器20の機能も、次に述べる。各探査素子44は、特定の型の結合箇所42を備えてもよい。これにより、既定の目標分子43を結合する。目標の標本は、検知する目標分子43を含む。目標の標本を、生体素子40の探査素子44に提示又は通過させてもよい。この際に結合箇所42及び目標分子43が合致すれば、この二つは互いに結合する。超常磁性粒子45又はより一般的には磁化可能対象は、直接的または間接的に目標分子43に結合してもよい。磁化可能対象(例えば超常磁性粒子45)により、生体素子40が集めた情報を読み出すことができる。
図9に示す実施例において、外部磁場は磁化可能対象(例えば超常磁性粒子45)を磁化する。磁化された磁化可能対象(例えば超常磁性粒子45)は、その反応として、磁場を発生する。この発生した磁場を、磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)が検知することができる。必須ではないが、磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)は、好適には次のように位置することが望ましい。即ち、磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)を通過する、磁化可能対象45が発生した、反応の磁場の部分が、磁気抵抗素子21(例えばGMR素子)の感度のある向きに並ぶようにである。
本願発明の実施例によれば、生体素子40は、磁気抵抗検出器20の配列を含んでもよく、ここで1つの磁気抵抗検出器20が参照検出器の役割を果たしてもよく、他の磁気抵抗検出器20の電気出力信号Uの振幅の安定化を、参照検出器をから導出される情報の援助を用いて行ってもよい。この実施例によれば、利得の変動は、磁気抵抗検出器20の配列の各々について同一であると仮定している。これは妥当な仮定である。磁気抵抗検出器20は同一の生体素子40において互いに近くに位置するからである。
本願発明による磁気抵抗検出器20、生体素子40、及び方法を、分子診断学、生物学的標本分析又は化学的標本分析において用いてもよい。
好適な実施例、個別の構築及び構成、並びに材料を、本願発明による装置のために本願において説明したが、形態及び詳細における種々の変化及び変更を、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく行ってもよいということを理解する必要がある。
公知技術による、統合した磁場励磁を有する磁気抵抗検出器を示す図である。 GMR素子の抵抗値を、印加する外部磁場の関数として示す図である。 磁気抵抗検出器における磁気クロストークを示す図である。 GMR積層構造を流れる電流を示す断面図である。 一方で磁場発生手段を流れる電流により発生する外部磁場及び他方で磁気抵抗検出器素子自体が発生する内部磁場の寄与を示す図である。 本願発明の実施例による磁気抵抗検出器装置を示す図である。 本願発明の別の実施例による磁気抵抗検出器装置を示す図である。 本願発明のまた別の実施例による磁気抵抗検出器装置を示す図である。 本願発明の実施例による磁気抵抗検出器を含む生体素子を示す図である。

Claims (23)

  1. 磁場を発生するための磁場発生器;
    前記磁場を検出するための少なくとも1つの磁気抵抗素子;
    検出電流を前記少なくとも1つの磁気抵抗素子に流し、前記流すことにより検出する前記磁場に依存する検出信号を発生するための電流源;及び
    振幅を有し、前記検出信号から導出される、電気出力信号を発生するための電子的手段、ここで前記電子的手段は安定化回路を含む;
    を含む磁気抵抗検出器、ここで前記安定化回路は、前記検出信号の直流成分を測定するための手段及び前記直流成分に対応する前記電気出力信号の前記振幅を安定化するための手段を含む。
  2. 前記直流成分を測定するための前記手段は、低域通過フィルターを含む、請求項1による磁気抵抗検出器。
  3. 前記低域通過フィルターは、低次の低域通過フィルターである、請求項2による磁気抵抗検出器。
  4. 前記電気出力信号の前記振幅を安定化するための前記手段は、前記検出信号の前記直流成分の大きさにより制御される正規化器を含む、請求項2による磁気抵抗検出器。
  5. 前記安定化回路は、フィードフォワードループを含む、請求項1による磁気抵抗検出器。
  6. 前記安定化回路は、フィードバックループを含む、請求項1による磁気抵抗検出器。
  7. 前記フィードバックループは、減算器及び積分ループフィルターを含む、請求項6による磁気抵抗検出器。
  8. 前記フィードバックループは、乗算器を更に含む、請求項6による磁気抵抗検出器。
  9. 前記電子的手段は、前記検出信号を増幅するための増幅器を更に含む、請求項1による磁気抵抗検出器。
  10. 前記磁気抵抗素子は、GMR素子、TMR素子又はAMR素子である、請求項1による磁気抵抗検出器。
  11. 前記磁場発生器は、少なくとも1つの導電体を含む、請求項1による磁気抵抗検出器。
  12. 前記少なくとも1つの導電体は、少なくとも1つの導電線により形成される、請求項11による磁気抵抗検出器。
  13. 前記磁場発生器は磁化可能対象を磁化するために適応し;かつ
    前記少なくとも1つの磁気抵抗素子は、前記磁化可能対象が磁化したときに発生する磁場を検出するように適応する;
    請求項1による磁気抵抗検出器。
  14. 請求項13による磁気抵抗検出器を少なくとも1つ含む生体素子。
  15. 複数の磁気抵抗検出器を含む、請求項14による生体素子、ここで少なくとも1つの磁気抵抗検出器を参照検出器として用い、かつ、前記複数の磁気抵抗検出器の前記電気出力信号の前記振幅の安定化を、前記少なくとも1つの参照検出器から導出される情報を用いて行う。
  16. 分子診断学、生物学的標本分析又は化学的標本分析における、請求項13による前記磁気抵抗検出器の使用。
  17. 分子診断学、生物学的標本分析又は化学的標本分析における、請求項14による前記生体素子の使用。
  18. 分子診断学、生物学的標本分析又は化学的標本分析における、請求項15による前記生体素子の使用。
  19. 磁気抵抗検出器の電気出力信号の振幅を安定化する方法であって、
    磁場を発生すること;
    磁気抵抗素子内の検出電流により誘導された前記磁場を示す検出信号を発生すること;及び
    前記検出信号から導出される電気出力信号を発生すること;
    を含む方法、ここで前記方法は:
    前記検出信号からの直流成分を測定すること;及び
    前記測定した前記直流成分に対応する前記磁場を示す前記電気出力信号の前記振幅を安定化すること;
    を更に含む。
  20. 直流成分を測定することを、前記直流成分を前記検出信号から低域通過フィルタリングによって抽出することにより行う、請求項19の方法。
  21. 前記電気出力信号の前記振幅を安定化することを、正規化器によって行う、請求項20の方法。
  22. 磁場を発生することは磁化可能対象を磁化するための磁場を発生することを含み;
    前記磁場を検出することは、前記磁化可能対象が磁化したときに発生する前記磁場を検出することを含む;
    請求項19の方法。
  23. 分子診断学、生物学的標本分析又は化学的標本分析における、請求項22による前記方法の使用。
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