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Description
本発明は、エアフィルタに関する。特に、全体または一部が発泡成形材料から形成される一つ以上のエンドキャップを有するエアフィルタに関する。
襞付きの紙または他の適当な材料から成るろ過材を有するフィルタエレメントは、長距離輸送用トラック、農業用自動車およびオフハイウェイ機器で一般的に使用され、エンジンまたはエアコンプレッサのような機械類の中への流入空気の供給と共に、塵、埃、および湿気が侵入することを防止する。そのようなフィルタの一つの普及した形式では、フィルタエレメントは、エンジンに空気を供給するパイプすなわちコンジットと緊密に係合するように構成される開放端部を有する管形状のろ過材を一部に含み、管形状のろ過材の対向端部は閉鎖エンドキャップで閉鎖される。典型的には、そのようなフィルタエレメントは、空気が外部から内部の方向にフィルタエレメントを通って流れるような態様でハウジング内に取り付けられる。空気流の中の汚染物質は、流入空気がろ過材を通って流れる際に除去される。閉鎖エンドキャップは、しばしば、一つ以上の撓み性のリブを含み、ハウジングの中にフィルタエレメントを適切に位置決めすることを支援し、および/またはフィルタエレメントとハウジングの間の接合部に補足的かつ構造的な密封機能を提供する。
そのようなフィルタエレメントの設計では、幾つかの要因が考慮されなければならない。概ね、そのようなフィルタエレメントは、低コストで生産可能でなければならず、結果として、それらは、大きな経費を掛けずに定期的に交換され得ることになる。また、そのようなフィルタエレメントは、容易に焼却可能であるかまたはリサイクル可能であるような態様で構築されることが望ましい。
低コストかつ、容易に廃棄可能またはリサイクル可能な態様で生産可能であることに加えて、フィルタエレメントは、構造的に効率的かつ効果的な態様で設計されることが必要であり、結果として、そのフィルタエレメントは、それらのエレメントが作動中に曝されるであろう相当な力に耐え得ることになる。フィルタエレメントが流入空気から除去された汚染物質によって目詰まりするにつれて、管形状のろ過材全体の圧力降下が増大する。フィルタエレメントは、ろ過材がその汚染物質の最大限度容量を吸引してしまったときろ過材が内向きに変形することをはばむよう、増大した圧力降下によって生じる内向きに導かれた力に耐えることができるような態様で、構築されなければならない。
ろ過材(ろ過材料がまとまったもの)が汚れるにつれて、流入空気の半径方向内向きに導かれた力は、フィルタエレメントとエンジンに空気を供給するパイプすなわちコンジットとの間の半径方向シールの維持に問題を引き起こし得る。その開示内容が全体として本文に組込まれている共有に譲渡されたエーレンバーグ(Ehrenberg)の米国公開特許6,447,567B1号は、厳しい作動状況の下で半径方向シールを維持するために特に良く適した一体的な半径方向シールガスケットを有するエアフィルタエレメントを開示する。より詳細には、エーレンバーグの6,447,567号は、実質的に剛直なインサートリングを一部に含み、それが、インナーライナーと結合して、内向きに導かれた力に対しろ過材の向上した抵抗力を提供する。
また、エーレンバーグの6,447,567号は、フィルタエレメントの低コスト製造に非常に役立つ態様で、管形状のろ過材の対向端部の開放および閉鎖の両者のエンドキャップを発泡材料から形成することをも開示する。より詳細には、エーレンバーグの6,447,567号は、インナーおよびアウターのライナーの端部を覆ってかつろ過材の端部の中にまで延在する成形ポリウレタン材料から全体的に形成され、それによって、生産性が高い構成を提供するようにした閉鎖エンドキャップを開示する。エーレンバーグの6,447,567号のワンピース(one−piece)成形エンドキャップは、ほとんどの作動状況の下で非常に効率的かつ効果的な構造を提供するが、内向きに導かれた空気の力が相当なものへの適用、および/またはエーレンバーグの6,447,567号で教示されたように管形状のろ過材の内径が大きなサイズのワンピース型エンドキャップのものへの適用では、十分な強度を提供し得るものではない。
閉鎖エンドキャップに補足的な強度を提供する一つのアプローチは、ブラウン他(Brown,et al.)の米国特許明細書5,484,466号で例示され、それは、プレート、または金属もしくは剛性プラスチック製の基台によるフィルタエレメントの閉鎖エンドキャップの補強を開示する。ブラウンの5,484,466号で開示したようにプレートまたは金属もしくは剛性プラスチック製の基台によってフィルタエレメントの閉鎖エンドキャップを補強することは、エンドキャップを強化するのに非常に効果的であるが、補強の追加は、フィルタエレメント生産の複雑さおよびコストを不都合に増大させる。
米国特許第6,447,561B1号明細書
米国特許第5,484,466号明細書
従って、フィルタエレメントの閉鎖エンドに補足的な補強プレートを使用することなく、フィルタエレメント上の作動荷重に対しさらなる抵抗力を有するようにした、改善したフィルタエレメントおよびそのような改善したフィルタエレメントを製造するための方法を提供することが望まれる。
本発明は、第一および第二の発泡部分の共通接合部で接触して互いに同時に硬化する、異なった物理的特性の第一および第二の発泡部分を有する成形エンドキャップの使用によって、構造性能を強化するようにした改善したフィルタエレメントを提供する。本発明は、フィルタエレメントおよびフィルタエレメントを構築するための方法を含む、さまざまな形態で実施されてもよい。
本発明の一つの形態では、その共通接合部で接触して互いに同時に硬化する、異なった物理的特性の第一および第二の発泡部分を有するエンドキャップを成形することによって、管形状のろ過材がその回りに配設される長手方向軸線を画成し、エンドキャップ内のその一端で終端させるようにした、管形状のろ過材を有するフィルタエレメントを構築する方法を提示する。その共通接合部は:共通接合部に実質的に配設され、かつ共通接合部周辺のエンドキャップの硬化厚さよりも低い高さを有するリブによって互いに分離されるようにした、その第一キャビティおよび第二キャビティを有する型を設け;型内のリブの高さよりも低いレベルまで第一発泡部分の未硬化材料を型の第一キャビティの中に配置し;型内のリブの高さよりも低いレベルまで第二発泡部分の未硬化材料を型の第二キャビティの中に配置し;そして、第一および第二のキャビティ内の材料を発泡(foam)させ、硬化厚さまで隆起させて、共通接合部に沿って一体的に接合させるような態様で、第一および第二の型キャビティ内の材料を硬化させるようにした、各ステップをさらに包含する本発明に拠る方法に従って、共通接合部周辺のエンドキャップの硬化厚さを画成してもよい。
本発明に従った方法のいくつかの形態では、管形状のろ過材は、第一および第二の発泡部分の間の共通接合部を実質的にろ過材の内側境界線に位置させて、その内側境界線を画成してもよい。本発明に従った一つの方法では、第一発泡部分よりも大きな剛性を有する発泡材料から第二発泡部分を形成することをさらに包含してもよい。本発明に従った一つの方法では、ろ過材(ろ過材料がまとまったもの)の軸方向端部を型内の未硬化材料の中に挿入することを包含してもよい。その型は、ろ過材の軸方向端部をはめ込むことによって型の中でのろ過材の位置を決めるろ過材位置決め部を含んでもよく、当該方法は、ろ過材位置決め部をろ過材の軸方向端部と係合させることを包含する。
本発明のいくつかの形態では、第一型キャビティは、エンドキャップの第一発泡部分上に突出撓み性部(a protruding compliant feature)を形成するため、少なくとも一つの二次キャビティをその中に画成してもよく、当該方法は、エンドキャップの第一部分の発泡材料を硬化させることに並行してエンドキャップの第一発泡部分上に突出撓み性部を形成することを包含する。
フィルタエレメントがエンドキャップの中に成形されるインナーおよび/またはアウターのライナーのような補足的なコンポーネントを一部に含む場合の本発明のいくつかの形態では、本発明に従った一つの方法は、型内の材料を硬化させる前に、補足的なコンポーネントの少なくとも一部を型内の未硬化材料の中に挿入することを包含してもよい。
本発明は、管形状のろ過材を有するフィルタエレメントの開放または閉鎖のいずれかのエンドキャップを形成する際に実施されてもよい。管形状のろ過材がその内側境界線を画成する場合、閉鎖エンドキャップの第一部分は、本発明に従って、第二発泡部分の半径方向外側に配設されてもよく、閉鎖エンドキャップの第一および第二の発泡部分の間の共通接合部は、実質的にろ過材の内側境界線に位置してもよい。第二発泡部分は、第一発泡部分よりも大きな剛性を有する材料から形成されてもよい。
本発明は、ろ過材およびその一方の軸方向端部でろ過材上に成形されるエンドキャップを含むフィルタエレメントの形態を採ってもよい。ろ過材は、ろ過材がその回りに配設される長手方向軸線を画成してもよく、ろ過材は、その軸方向端部(両端部)で終端してもよい。成形エンドキャップは、その共通接合部で接触して互いに同時に硬化する、異なった物理的特性の第一および第二の発泡部分を有してもよい。ろ過材が管形状でありかつその内側境界線を画成する場合、共通接合部は、実質的に管形状のろ過材の内側境界線に位置してもよく、第二発泡部分は、第一発泡部分よりも大きな剛性を有する発泡材料から形成されてもよい。第一発泡部分は、突出撓み性部を一部に含んでもよく、フィルタエレメントをハウジング内に位置決めし、および/またはフィルタエレメントと、ハウジングまたはフィルタ装置の排気チューブの間にシールを提供するといったさまざまな機能を実行する。フィルタエレメントは、本発明に従って、成形エンドキャップによってろ過材に動作可能なように取り付けられるインナーおよび/またはアウターのライナーのような一つ以上の補足的なコンポーネントをさらに含んでもよい。
本発明の一つの形態では、フィルタエレメントは、管形状のろ過材、インナーライナー、および閉鎖エンドキャップを一部に含む。管形状のろ過材は、その内側境界線、ろ過材がその回りに配設される長手方向軸線、およびろ過材の軸方向端部を画成する。インナーライナーは、実質的にろ過材の内側境界線に沿って配設され、かつそれに整合する。閉鎖エンドキャップは、ろ過材およびインナーライナーの軸方向端部上に成形される。閉鎖エンドキャップは、同時に硬化するその第一および第二の発泡部分を有し、それらは、第一および第二の発泡部分の共通接合部で接触し、その共通接合部は、実質的にろ過材の内側境界線に配設される。閉鎖エンドキャップの第一発泡部分は、第二発泡部分の半径方向外側に配設されてもよい。第二発泡部分は、第一発泡部分よりも大きな剛性を有してもよい。第一発泡部分は、突出撓み性部をさらに含んでもよい。ろ過材は、その第二の軸方向端部をさらに画成してもよく、フィルタエレメントは、第二軸方向端部に取り付けられる開放エンドキャップをさらに含んでもよい。開放エンドキャップは、インナーライナーと動作可能なように係合する実質的に半径方向に剛直な要素を含んでもよい。また、開放エンドキャップは、実質的に剛直な要素をろ過材の第二軸方向端部に固定するその成形部分を含んでもよい。開放エンドキャップの成形部分は、半径方向シールガスケットを形成するその発泡材料部分を含んでもよい。また、管形状のろ過材は、その外側境界線を画成してもよく、フィルタエレメントは、実質的に外側境界線に配設され、かつ開放および閉鎖の各エンドキャップによってろ過材に固定されるようにしたアウターライナーをさらに含んでもよい。
本発明の他の様相、目的、および利点は、後続の詳細な説明および添付図面から明らかになる。
明細書の中に組込まれ、かつその一部をも形成する添付図面は、本発明の幾つかの様相を例示するものであり、その説明と共に、本発明の原理を説明するように機能する。
本発明は、特定の好ましい実施の形態に関連させて記述するが、これらの実施の形態に限定することを意図してはいない。それどころか、すべての代替案、修正案および等価物は、添付請求項によって規定される本発明の精神および範囲の中に含まれるものとしてカバーすることを意図している。
図1は、図2に示される態様で、入口11からハウジング12の中に流入して、出口13を通りハウジングから出て行く空気の濾過を提供する、フィルタハウジング12の中への装着に適したフィルタエレメント10の形体で、本発明の第一の典型的な実施の形態を示している。
図1で示すように、フィルタエレメント10の典型的な実施の形態は、襞付き濾紙のような適当な材料から形成される管形状のろ過材14を含み、それを通過することにより濾過される空気は、外部から内部の方向にろ過材14を通り流れる。ろ過材14は、その内側境界線16、ろ過材14がその回りに配設される長手方向軸線18、ならびにろ過材14の第一および第二の軸方向端部20、22を画成する。
インナーライナー24は、実質的にろ過材14の内側境界線16に沿って配設され、かつそれに整合する。同様な方法で、アウターライナー26もまた、実質的にろ過材14の外側境界線17に沿って配設され、かつそれに整合する。
閉鎖エンドキャップ28は、ろ過材14の第一端部20、ならびにろ過材14の第一軸方向端部20周辺のインナーおよびアウターのライナー24、26の一部を被包する態様で、ろ過材14の第一軸方向端部20上に成形される。閉鎖エンドキャップ28は、その第一および第二の発泡部分30、32を含み、それらは、実質的にろ過材14の内側境界線16に配設される、第一および第二の発泡部分30、32の共通接合部34で接触する。閉鎖エンドキャップ28の第一発泡部分30は、フィルタエレメント10の典型的な実施の形態では、第二発泡部分32の半径方向外側に配設され、第一および第二の発泡部分30、32の間の共通接合部34は、ろ過材14の内側境界線16の、僅かに半径方向外側に位置決めされる。
本発明のさまざまな実施の形態では、共通接合部34は、所定のフィルタエレメントの実施の形態でのエンドキャップの用途および設計に適合するようなさまざまな位置に配置されてもよく、本文で使用される「実質的にろ過材の内側境界線に」という表現は、フィルタエレメント10の典型的な実施の形態で示したような構成、および共通接合部34がろ過材14の内側境界線16に合理的に近接するような他の構成を包含するものとして企図されている。本文に記述されるフィルタエレメント10の典型的な実施の形態の共通接合部34は、ろ過材14の円筒形の形状に概ね整合する実質的に円筒形の形状を有するが、共通接合部34は、本発明の他の実施の形態では実質的に制限の無いさまざまな他の形態を採ってもよいと、当業者に認識されるであろう。たとえば、フィルタが周知のレーストラック状の管形状といった、もう一つの形状を有するような本発明の実施の形態では、本発明に従ったエンドキャップの発泡部分の間の共通接合部は、レーストラック状の形状を有してもよい。さらに、共通接合部は、本発明に従ったフィルタエレメントのろ過材の形状に整合する形状を必ずしも有する必要があるわけではないこともまた認識されるであろう。共通接合部は、たとえば、曲線的な形状、多角形の形状、蛇行した形状、または本発明の実施にとって適切かつ役立つ何らかの他の形状もしくは形態を有してもよい。
閉鎖エンドキャップ28の第一および第二の発泡部分30、32は、第一および第二の発泡部分30、32を互いに混ぜることなく互いに同時に硬化させるといった、以下でさらに詳しく記述される方法によって、ろ過材14の第一軸方向端部20上に成形される。フィルタエレメント10の典型的な実施の形態では、エンドキャップ28の第二発泡部分32は、第一および第二の発泡部分30、32が完全に硬化するとき、第一発泡部分30よりも大きな剛性を有するような態様で形成される。
フィルタエレメント10の典型的な実施の形態での閉鎖エンドキャップ28の第一発泡部分30は、位置決めリブ36の形状の突出撓み性部を一部に含み、フィルタエレメント10が図2に示した態様でフィルタハウジング12の中に装着されるとき、フィルタエレメント10を所望の軸方向位置に保持する際に役立つ。
図1および図2で示すように、フィルタエレメント10の典型的な実施の形態は、ろ過材14の第二軸方向端部22に取り付けられる、実質的にエーレンバーグの’567号で教示された形状の開放エンドキャップをも含む。開放エンドキャップは、インナーライナー24を補強する態様でインナーライナー24と動作可能なように係合する、実質的に半径方向に剛直な要素40を一部に含む。開放エンドキャップ38は、その成形部分42をも含み、それは、剛直な要素40をろ過材14に固定し、さらに図2の44で示したようにフィルタハウジング12と共に半径方向に機能するシール材をも形成する二重の役割を果たす。
フィルタエレメント10の典型的な実施の形態では、開放エンドキャップ38の成形部分42は、フィルタエレメント10とハウジング12の間で効果的な半径方向シール材44を形成するために非常に役立つ発泡材料から形成されるものとして例示されている。本発明の他の実施の形態では、成形部分42は、非発泡材料、または発泡材料および非発泡弾性材料の組合わせから形成されてもよい。
本文で記述したフィルタエレメント10の典型的な実施の形態は開放エンドキャップ38内に剛直な要素40を含むが、本発明の他の実施の形態では、フィルタエレメント10の典型的な実施の形態の閉鎖エンドキャップ28に関して本文で記述したものと同様な態様で開放エンドキャップを形成することが望ましいと、当業者は認識するであろう。そこでは、本文で記述したフィルタエレメント10の典型的な実施の形態の、開放エンドキャップ38の別体の剛直な要素40が除去されることを可能にするような態様で、開放エンドキャップの第一および第二の発泡部分が、異なった剛性を有する材料から形成される。また、本発明に従った閉鎖エンドキャップを有するフィルタエレメントがフィルタ装置の中に動作可能なように装着されるとき、たとえ(エンドキャップの他の形態が)それらを貫通する小さな穿孔、またはフィルタ装置の別の要素によって動作可能なように閉鎖されるさまざまな形状の開口を含んでいるとしても、本文で使用される用語「閉鎖エンドキャップ」は、閉鎖エンドキャップの定義の中に合理的に含まれるエンドキャップの他の形態をも包含するように意図されている、ということが当業者に認識されるであろう。
ここで、図3−図6で例示される各ステップを参照して、フィルタエレメント10の典型的な実施の形態での閉鎖エンドキャップ28を形成する方法が、実質的に共通接合部34に配設されかつ共通接合部34周辺の閉鎖エンドキャップ28の硬化厚さ「t」(図6を参照)よりも低い高さ「h」(図3および図6を参照)を有するリブ52によって、互いに分離される第一キャビティ48および第二キャビティ50を有する型46を使用して説明される。型46内のリブ52の高さ「h」と厚さ「t」の間の関係は、図3および図6で最も良く示されている。
図3で示すように、閉鎖エンドキャップ28の第一発泡部分30の未硬化材料54の正確な量が、型46のリブ52の高さ「h」よりも低いレベルまで、型46の第一キャビティ48の中に配置される。同様な方法で、閉鎖エンドキャップ28の第二発泡部分32の未硬化材料56の正確な量が、型46のリブ52の高さ「h」よりも低いレベルまで、型46の第二キャビティ50の中に配置される。本発明の典型的な実施の形態では、第一および第二の発泡部分30、32を形成するために使用される発泡材料は、ポリウレタン材料および活性化材料の二成分組成から構成することができ、それらは、混ぜ合わせられるとき、ポリウレタン材料をほとんど直ちに発泡(foam)させて、図4で示したように第一および第二の型キャビティ48、50への充填を開始する。
図4で示したように、一旦未硬化材料54、56の正確な量が型46の第一および第二のキャビティ48、50の中に配置されたならば、その表面にインナーおよびアウターのライナー24、26を装着したろ過材14の第一軸方向端部20は、図4−図6で示したように、ろ過材14の第一軸方向端部20が第一キャビティ48の外周の回りで放射状に離間された一連のろ過材位置決め部58に当接するまで、型46の中に挿入される。それによって型46の中へのろ過材14の挿入深さの簡便かつ反復的な調整性を提供する。図1を検討すれば理解されるように、これらのろ過材位置決め部58は、図1で示したように、閉鎖エンドキャップ28の底面に僅かな凹み60を残すが、凹み60は、完成したフィルタエレメント10の作動に重大な悪影響を与えるものではない。
一旦ろ過材14の第一軸方向端部20が型46のろ過材位置決め部58に当接したならば、閉鎖エンドキャップ28の第一および第二の発泡部分30、32の発泡材料54、56が、ろ過材14の端部、ならびにインナーおよびアウターのライナー24、26の端部の回りでろ過材の中へ上向きに膨張を続ける間も、ろ過材14は適所に維持される。発泡材料54、56が膨張および硬化を続けるにつれて、それらは、リブ52の高さ「h」の上まで隆起して互いに当接し、閉鎖エンドキャップ28の第一および第二の発泡部分30、32の間の共通接合部34を形成し、最終的には、共通接合部34でのエンドキャップ28の硬化厚さ「t」まで隆起する。
第一および第二の発泡部分30、32の形成のために選択される材料は、閉鎖エンドキャップ28が二つの異なった第一および第二の発泡部分30、32を有するが、材料54、56が完全に硬化するときには閉鎖エンドキャップ28が本質的に単一の部分品になるような態様で、架橋結合または他のプロセスによって共通接合部34で互いに接合するような性質のものである。
閉鎖エンドキャップ28の形成のために選択された特定の材料54、56に応じて、ろ過材14は、材料54、56が完全に膨張して硬化するまで、型46の中に留まる必要があるかもしれない。しかし、本発明のいくつかの実施の形態では、材料54、56は、ろ過材14が、取り付けられた閉鎖エンドキャップ28と共に型46から取り出され、硬化サイクルの一部において外しておかれてもよく、それによって、型46を解放してもう一つのフィルタエレメントの製造のために使用することもまた企図されている。
フィルタエレメント10の典型的な実施の形態では、エンドキャップ28の第二発泡部分の材料56は、エンドキャップ28の第一発泡部分30を形成するために選択された材料54よりも大きな剛性を有し、硬化した第二発泡部分32を提供するように選択される。さらに、エンドキャップの第一発泡部分30のために選択された材料54は、その完全硬化状態で幾分か撓み性であり、それによって閉鎖エンドキャップ28の位置決めビード(bead)36に弾力性を提供することが注目される。図3−図6で示したように、位置決めビード36は、型46の二次キャビティ62内においてエンドキャップ28の第一発泡部分30と並行して形成される。
当業者は、上述の構成の故に、閉鎖エンドキャップ28の第二発泡部分32は従来のフィルタエレメントで使用された形式の強化プレートまたは基台を含めることに頼ることなく、フィルタエレメント10を実質的により強固にする態様でフィルタエレメント10の大きな補足的剛性を提供するものであると認識するであろう。また、フィルタエレメント10の典型的な実施の形態に関連づけて上述した各コンポーネントの特定の配置は、フィルタエレメント10の内側境界線16に沿って延在する強固な支持構造を形成する態様でインナーライナー24およびろ過材14を、併せて確実に係止する第二発泡部分32の剛直な発泡体を生じるものであることも評価されるであろう。さらに、上述のような典型的な実施の形態の開放エンドキャップ38の構成との組合わせ、特に開放エンドキャップ38の剛直な要素40が開放エンドキャップ38の成形部分42によってインナーライナー24に係合するように係止される態様との組合わせにおいて、フィルタエレメント10に対して作用する半径方向および軸方向に向けられる相当な力に耐え得る非常に強固な構造が提供されることもまた評価されるであろう。
本文で引用した刊行物、特許出願および特許明細書を包含するすべての引用は、各々の引用が参考として組込まれるように個別的かつ詳細に示されて、その全体が本文に記載されていたのと同様な程度まで、参考として本文に組込まれるものである。
本発明の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数および複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」および「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「〜を含むが限定しない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組込まれる。本明細書中で説明されるすべての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例または例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、本発明の実施に不可欠である、請求項に記載されていない要素を示すものとは解釈されないものとする。
本明細書中では、本発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読んだ上で、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを予定している。従って本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正および均等物をすべて含む。さらに、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、すべての変形における上記要素のいずれの組合わせも本発明に包含される。
Claims (18)
- 管形状のろ過材が回りに配設される長手方向軸線を画成し、エンドキャップ内で一端が終端している前記管形状のろ過材を有するフィルタエレメントの構築方法であって:
共通接合部で接触して互いに同時に硬化する、異なった物理的特性の第一および第二の発泡部分から前記エンドキャップを成形する工程を備え;
前記エンドキャップは、前記第一の発泡部分と前記第二の発泡部分で、前記管形状のろ過材の前記一端を閉鎖する閉鎖エンドキャップであり、
前記閉鎖エンドキャップの前記第一の発泡部分は、前記第二の発泡部分の半径方向外側に配設され、
前記異なった物理的特性として、前記第二の発泡部分は、前記第一の発泡部分よりも大きな剛性を有する発泡材料で形成される、
フィルタエレメントの構築方法。 - 前記共通接合部が、前記共通接合部周辺の前記エンドキャップの硬化厚さを画成するようにしたフィルタエレメントの構築方法であって:
前記共通接合部周辺の前記エンドキャップの前記硬化厚さよりも低い高さを有するリブであり、前記共通接合部に実質的に配設されるリブによって、互いに分離されるようにした第一のキャビティおよび第二のキャビティを有する型を設ける工程と;
前記型内の前記リブの高さよりも低いレベルまで前記第一の発泡部分の未硬化材料を前記型の前記第一のキャビティの中に配置する工程と;
前記型内の前記リブの高さよりも低いレベルまで前記第二の発泡部分の未硬化材料を前記型の前記第二のキャビティの中に配置する工程と;
前記第一および第二のキャビティ内の前記材料を発泡させ、前記硬化厚さまで隆起させ、前記共通接合部に沿って一体的に接合させるような態様で、前記第一および第二のキャビティ内の前記材料を硬化させる工程を備える;
請求項1に記載の方法。 - 前記管形状のろ過材は、内側境界線を画成し、
前記共通接合部は、実質的に前記ろ過材の前記内側境界線に位置する、または、前記内側境界線の半径方向外側に位置する、
請求項1または請求項2に記載の方法。 - 前記第一のキャビティが、前記エンドキャップの前記第一の発泡部分上に突出撓み性部を形成するために、少なくとも一つの二次キャビティを前記第一のキャビティの中に画成するフィルタエレメントの構築方法であって:
前記エンドキャップの前記第一の発泡部分の発泡材料を硬化させることに並行して前記エンドキャップの前記第一の発泡部分上に突出撓み性部を形成する工程を備え;
前記第一の発泡部分の発泡材料は、硬化状態で撓み性を有する、
請求項2または請求項3に記載の方法。 - 前記管形状のろ過材の軸方向端部を前記型内の前記未硬化材料の中に挿入する工程を備える;
請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の方法。 - 前記型は、前記管形状のろ過材の前記軸方向端部をはめ込むためのろ過材位置決め部を含み、
前記ろ過材位置決め部によって、前記管形状のろ過材を前記型の中に位置決めするフィルタエレメントの構築方法であって:
前記ろ過材位置決め部を前記管形状のろ過材の前記軸方向端部と係合させる工程を備える;
請求項5に記載の方法。 - 前記フィルタエレメントは、前記エンドキャップに成形される補足的なコンポーネントを含むフィルタエレメントの構築方法であって:
前記型内の前記発泡材料を硬化させる前に、前記補足的なコンポーネントの少なくとも一部を前記型内の前記未硬化材料の中に挿入する工程を備え、
前記補足的なコンポーネントは、インナーライナーまたはアウターライナーである、
請求項5または請求項6に記載の方法。 - 前記閉鎖エンドキャップの前記第一の発泡部分上に突出撓み性部を形成する工程を備え;
前記第一の発泡部分の発泡材料は、硬化状態で撓み性を有する、
請求項1に記載の方法。 - ろ過材が回りに配設される長手方向軸線を画成し、軸方向端部(両端部)で終端するようにした前記ろ過材と;
軸方向端部の一方で前記ろ過材上に成形され、共通接合部で接触して互いに同時に硬化する、異なった物理的特性の第一および第二の発泡部分を有するエンドキャップを備え;
前記エンドキャップは、前記第一の発泡部分と前記第二の発泡部分で、前記軸方向端部の一方を閉鎖する閉鎖エンドキャップであり、
前記閉鎖エンドキャップの前記第一の発泡部分は、前記第二の発泡部分の外側に配設され、
前記異なった物理的特性として、前記第二の発泡部分は、前記第一の発泡部分よりも大きな剛性を有する発泡材料で形成される、
フィルタエレメント。 - 前記ろ過材は管形状であり、かつ内側境界線を画成し、
前記共通接合部は、実質的に前記管形状のろ過材の前記内側境界線に位置する、または、前記内側境界線の半径方向外側に位置する、
請求項9に記載のフィルタエレメント。 - 前記第一の発泡部分は、突出撓み性部を有し、
前記第一の発泡部分の発泡材料は、硬化状態で撓み性を有する、
請求項9または請求項10に記載のフィルタエレメント。 - 前記エンドキャップによって、前記ろ過材に動作可能なように取り付けられる補足的なコンポーネントを備え;
前記補足的なコンポーネントは、インナーライナーまたはアウターライナーである、
請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。 - 内側境界線、ろ過材が回りに配設される長手方向軸線、および前記ろ過材の軸方向端部を画成する、管形状の前記ろ過材と;
実質的に前記ろ過材の前記内側境界線に沿って配設され整合するインナーライナーと;
前記ろ過材と前記インナーライナーの前記軸方向端部上に成形される、同時に硬化する第一および第二の発泡部分を有する閉鎖エンドキャップとを備え;
前記第一および第二の発泡部分は、前記第一および第二の発泡部分の共通接合部で接触し、
前記共通接合部は、実質的に前記ろ過材の前記内側境界線に配設され、または、前記内側境界線の半径方向外側に配置され、
前記閉鎖エンドキャップの前記第一の発泡部分は、前記第二の発泡部分の半径方向外側に配設され、
前記第二の発泡部分は、前記第一発泡部分よりも大きな剛性を有する、
フィルタエレメント。 - 前記第一の発泡部分は、突出撓み性部を有し、
前記第一の発泡部分の発泡材料は、硬化状態で撓み性を有する、
請求項13に記載のフィルタエレメント。 - 前記ろ過材が第二軸方向端部を画成するフィルタエレメントであって:
前記第二軸方向端部に取り付けられる開放エンドキャップであり、かつ前記インナーライナーに動作可能なように係合する実質的に半径方向に剛性な要素を含む前記開放エンドキャップを備える;
請求項13または請求項14に記載のフィルタエレメント。 - 前記開放エンドキャップは、前記実質的に剛性な要素を前記ろ過材の前記第二軸方向端部に固定する成形部分を含む、
請求項15に記載のフィルタエレメント。 - 前記開放エンドキャップの前記成形部分は、半径方向のシールガスケットを形成する発泡材料部分を含む、
請求項16に記載のフィルタエレメント。 - 前記ろ過材が外側境界線をも画成するフィルタエレメントであって:
実質的に前記外側境界線に配置され、かつ前記開放および閉鎖の各エンドキャップによって前記ろ過材に固定されるアウターライナーを備える、
請求項15〜請求項17のいずれか1項に記載のフィルタエレメント。
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