JP2009533052A - サンプル中のプロテアーゼの活性を測定するための方法 - Google Patents

サンプル中のプロテアーゼの活性を測定するための方法 Download PDF

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Abstract

サンプル中のプロテアーゼの活性を測定する方法が提供される。本方法は、(i)該サンプルと基質を混合し、ここで、該基質は式(1a)
【化1】
Figure 2009533052

〔式中:
はヒドロカルビル基であり
は第一ペプチド部分であり
は第二ペプチド部分であり、そして
XはO、SおよびNHから成る群から選択され;
は適当な置換基であり;
は適当な置換基である。〕
を有し、そして
(ii)該プロテアーゼの活性を、式H−X−R
〔式中:
XはO、SおよびNHから成る群から選択され;そして
はヒドロカルビル基である。〕
を有するレポーターの存在の検出により測定する工程を含む。本基質およびレポーターは、プロテアーゼモジュレーターおよび候補プロテアーゼモジュレーターの効果の測定のためにおよび対象における疾患または障害の診断に有用である。

Description

分野
本発明は、方法、ならびに該方法において使用するための基質および該方法により製造されたレポーターに関する。
特に、本発明は、サンプル中のプロテアーゼの活性の測定方法であって、該サンプルと基質を混合し、該プロテアーゼの活性をレポーターの存在下で測定することを含む方法に関する。
本発明はまたサンプル中のプロテアーゼの活性の測定方法であって、該サンプルと基質を混合し、該プロテアーゼの活性をレポーターの存在下で測定することを含む方法において有用な基質およびレポーターに関する。
他の局面において、本発明はプロテアーゼモジュレーターおよび候補プロテアーゼモジュレーターの効果を測定するための基質およびレポーターの使用に関する。
さらなる局面において、本発明は、対象における疾患または障害の診断における基質およびレポーターの使用に関する。
背景
メタロプロテイナーゼのようなプロテアーゼは、コラーゲン、プロテオグリカンおよびフィブロネクチンのような広範囲の基質を開裂することができる。それ故にメタロプロテイナーゼのようなプロテアーゼは、生物学的に重要な腫瘍壊死因子(TNF)のような細胞メディエーターのプロセシング、または分泌;および低親和性IgE受容体CD23のような生物学的に重要な膜タンパク質の翻訳後タンパク質分解プロセシング、または分断(shedding)に重要であると見なされている(より完全なリストについてはN. M. Hooper et al., (1997)Biochem J. 321:265-279を参照のこと)。
メタロプロテイナーゼの例は、マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP) − 例えばコラゲナーゼ(MMP1、MMP8、MMP13)、ゼラチナーゼ(MMP2、MMP9)、ストロメライシン(MMP3、MMP10、MMP11)、マトリライシン(MMP7)、メタロエラスターゼ(MMP12)、エナメリシン(MMP19)、MT−MMP(MMP14、MMP15、MMP16、MMP17);レプロライシン(reprolysin)またはアダマリシン(adamalysin)またはMDCファミリー− これはTNF変換酵素(ADAM10およびTACE)のようなセクレターゼおよびシェダーゼを含む;アスタシンファミリー− これはプロコラーゲンプロセシングプロテイナーゼ(PCP)のような酵素を含む;およびアグリカナーゼ、エンドセリン変換酵素ファミリーおよびアンギオテンシン変換酵素ファミリーのような他のメタロプロテイナーゼを含む。
今日まで、数種のアッセイが、サンプル中のメタロプロテイナーゼのようなプロテアーゼの存在を決定するために使用されている。
例えば、Hanemaaijer et al(1999, Ann. N.Y. Acad. Sci., vol 878, 141-149)は、腫瘍患者の尿におけるMMP9活性を決定するためのアッセイを開示している。このアッセイは、MMP9特異的抗体を使用した体液からのMMP9の捕捉、続く洗浄工程および次いで基質としての修飾ウロキナーゼおよび発色基質とのインキュベーションを必要とする。
Bicket et al(1993, Analytical chemistry 212:58-64)は、MMP1およびMMP9により加水分解される蛍光性ペプチド基質(Dnp−プロ−Cha−Gly−Cys(Me)−His−Ala−Lys−(Nma)−NH)を開示する。酵素の活性を決定するために、本アッセイは蛍光性ペプチド基質および精製MMP9または精製MMP1を使用する。
Mucha et al(1998, J Biological chemistry 273:2763-2768)は、MT1−MMPおよびST3により開裂される合成基質を開示する。Mucha et alにより記載されているアッセイは、ST3とMT1−MMPの精製触媒ドメインおよび蛍光標識基質の使用を教示する。
Tung et al(1999 - Bioconjugate Chem 10:892-896)は、細胞培養におけるカテプシンD活性を決定するためのCaD基質スペーサーを有する近赤外蛍光(NIRF)プローブの使用を開示する。
蛍光性基質Dabcyl−Gaba−Arg−プロ−Lys−プロ−Val−Glu−Nva−Trp−Arg−Glu(EDANS)−Gly−Lys−NH(TNO003)は、リウマチ性関節炎患者からの滑液におけるストロメライシン(MMP−3)活性のミニターに使用された(B. Beekman et al, FEBS Letters 1997, 418(3), 305-309)。
WO−A−03/025125は、MMP2、MMP9およびMT1−MMP(MMP14)に特異的なポリペプチド配列を開示する。これらのペプチド配列は、治療部分またはフルオロフォアのような診断剤に結合し得る。
WO−A−03/102544は、MMP13に特異的であるポリペプチド配列および該ポリペプチド配列への蛍光、比色、放射活性および発光ラベルの結合を開示する。
先行技術のアッセイの問題点は、基質を、例えば、フルオロフォアまたは放射活性ラベルで標識する必要があることである。先行技術のアッセイの他の問題点は、全てのペプチド結合の開裂が検出される− 特異的ペプチド結合の開裂が検出できないことである。いくつかの先行技術のアッセイのプロテアーゼのさらなる問題点は、最初に精製することが必要であり、その後該プロテアーゼの活性が検出できることである。加えて、先行技術のアッセイを、プロテアーゼモジュレーターの活性の決定に使用できない。
本発明は、先行技術に関連する問題のいくつかに取り組む/軽減しようと努める。
広い局面
以下の文脈において、一般式(1a)、(1b)、(1c)および(1d)の基質化合物を参照する。参照を容易にするために、および適用できるときは、これらの化合物を集合的に一般式(1)の基質化合物と呼ぶ。それ故に、一般式(1)の基質化合物への言及は、一般式(1a)、(1b)、(1c)および(1d)の基質化合物に等しく適用される。加えて、一般式(1)、(1a)、(1b)、(1c)または(1d)の化合物についての好ましい局面は、いずれかの他の一般式(1)、(1a)、(1b)、(1c)または(1d)の化合物に等しく適用される。
本発明の一つの広い局面において、サンプル中のプロテアーゼの活性を測定する方法であって:
(i)該サンプルと基質を混合し、ここで、該基質は式(1a)
Figure 2009533052
〔式中:
はヒドロカルビル基であり
は第一ペプチド部分であり
は第二ペプチド部分であり、そして
XはO、SおよびNHから成る群から選択され;
は適当な置換基であり;そして
は適当な置換基である。〕
を有し、そして
(ii)該プロテアーゼの活性を、式H−X−R
〔式中:
XはO、SおよびNHから成る群から選択され;そして
はヒドロカルビル基である。〕
を有するレポーターの存在の検出により測定する工程を含む、方法を提供する。
サンプル中のプロテアーゼの活性の測定は、サンプル中のプロテアーゼの活性の定性的評価および/または定量的評価を意味する。
好ましくは、YはHである。
好ましくは、YはHである。
それ故に、本発明の非常に好ましい局面において、基質は式(1b):
Figure 2009533052
〔式中:
はヒドロカルビル基であり
は第一ペプチド部分であり
は第二ペプチド部分であり、そして
XはO、SおよびNHから成る群から選択される。〕
を有する。
好ましくは、Rは単または多環式環構造である。
好ましくは、Rは1個、2個または3個のヒドロカルビル環を含む。いくつかの場合、より好ましくは、Rは2個または3個のヒドロカルビル環を含む。
が2個のヒドロカルビル環を含むならば、好ましくは、これらの環は非縮合環である。
が3個のヒドロカルビル環を含むならば、好ましくは、これらの環の2個は縮合環である。
ヒドロカルビル環の1個以上はヘテロ原子 − 例えば1個以上のNを含んでよい。
ヒドロカルビル環の1個以上は置換されていてよい。
ヒドロカルビル環の1個以上は不飽和であってよい。
好ましくは、Rは少なくとも2個のアミノ酸基を含み、ここで、該基は天然アミノ酸または非天然アミノ酸またはそれらの組合せである。
好ましくは、Rは少なくとも3個のアミノ酸基を含み、ここで、該基は天然アミノ酸または非天然アミノ酸またはそれらの組合せである。
好ましくは、Rは少なくとも2個のアミノ酸基を含み、ここで、該基は天然アミノ酸または非天然アミノ酸またはそれらの組合せである。
いくつかの態様について、好ましくは、Rは少なくとも3個のアミノ酸基を含み、ここで、該基は天然アミノ酸または非天然アミノ酸またはそれらの組合せである。
それ故に、本発明の好ましい局面において、基質は式(1c):
Figure 2009533052
〔式中、
はヒドロカルビル基であり
、S、S、S'およびS'の各々は、独立して天然アミノ酸または非天然アミノ酸から選択され;
は結合または1個もしくは数個のアミノ酸であり;
は結合または1個もしくは数個のアミノ酸であり;
は適当な末端基であり;
は適当な末端基であり;
XはO、SまたはNHであり;
は、好ましくは、Hであり;そして
は、好ましくは、Hである。〕
を有する
一例として、Lは1個以上のα、β...などω−アミノ酸− 例えば(一例として)Gly−Gly−Glyまたはγ−ブチルアミドであり得る。
一例として、Lは1個以上のα、β...などω−アミノ酸− 例えば(一例として)Gly−Gly−Glyまたはγ−ブチルアミドであり得る。
一例として、Gは末端基、保護基、発色団または蛍光団(fluorophoric group)であり得る。
一例として、Gは末端基、保護基、発色団または蛍光団であり得る。
本発明の好ましい局面において、基質は式(1d):
Figure 2009533052
〔式中、
、S、S、S'およびS'の各々は、独立して天然アミノ酸または非天然アミノ酸から選択され;
は結合または1個もしくは数個のアミノ酸であり;
は結合または1個もしくは数個のアミノ酸であり;
は適当な末端基であり;
は適当な末端基であり;
XはO、SまたはNHであり;そして
はパネル1:
パネル1:
Figure 2009533052
(ここで、パネル1のXは、式(1d)の基質の残りを意味する)
から選択される。〕
を有する。
さらなる局面
本発明の一つの局面において、プロテアーゼモジュレーターの効果を測定する方法であって:
(i)該プロテアーゼモジュレーターとプロテアーゼおよび式(1)を有する基質を混合し、そして
(ii)該プロテアーゼの活性を、ここで定義した式H−X−Rを有するレポーターの存在を検出することにより測定する工程を含む方法を提供する。
この方法の後、より多くのプロテアーゼモジュレーターを製造および/または次いで製剤してよい。製剤工程は:プロテアーゼモジュレーターの誘導体化;プロテアーゼモジュレーターのプロドラッグへの成形;プロテアーゼモジュレーターと1種以上の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤の1種以上を含み得る。
本発明の他の局面において、候補プロテアーゼモジュレーターの効果を測定する方法であって:
(i)該候補プロテアーゼモジュレーターとプロテアーゼおよび式(1)を有する基質を混合し、そして
(ii)該プロテアーゼの活性を、ここで定義した式H−X−Rを有するレポーターの存在を検出することにより測定する工程を含む方法を提供する。
この方法の後、より多くの候補プロテアーゼモジュレーターより多くのを製造および/または次いで製剤してよい。製剤工程は:プロテアーゼモジュレーターの誘導体化;プロテアーゼモジュレーターのプロドラッグへの成形;プロテアーゼモジュレーターと1種以上の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤の1種以上を含み得る。
本発明の他の局面において、プロテアーゼモジュレーターを同定する方法であって:
(i)候補プロテアーゼモジュレーターとプロテアーゼおよび式(1)を有する基質を混合し、そして
(ii)該プロテアーゼの活性を、ここで定義した式H−X−Rを有するレポーターの存在を検出することにより測定する工程を含む方法を提供する。
本発明の他の局面において、プロテアーゼモジュレーターを同定し、より多くの同定されたプロテアーゼモジュレーターを製造しおよび/または次いでそのより多くの同定されたプロテアーゼモジュレーターを製剤する工程を含む方法であって;該同定部分が:
(i)候補プロテアーゼモジュレーターとプロテアーゼおよび式(1)を有する基質を混合し、
(ii)該プロテアーゼの活性を、ここで定義した式H−X−Rを有するレポーターの存在を検出することにより測定する工程を含む方法を提供する。
製剤工程は:プロテアーゼモジュレーターの誘導体化;プロテアーゼモジュレーターのプロドラッグへの成形;プロテアーゼモジュレーターと1種以上の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤の1種以上を含み得る。
さらなる局面において、本発明は式(1)を有する基質を提供する。
他の局面において、本発明はプロテアーゼによりカルボニル基と−NH−CH(X−R)−基の間のペプチド結合で開裂され得る基質であって;
ここで:
はヒドロカルビル基であり、そして
XはO、SおよびNHから成る群から選択される、基質を提供する。
本発明は、さらなる局面において、式H−X−Rを有するレポーターであって;
ここで、
はヒドロカルビル基であり、そして
XはO、SおよびNHから成る群から選択され;そして該レポーターは式(1)の基質由来であるレポーターを提供する。
他の局面において、式H−X−Rを有するレポーターであって、ここで、Rがヒドロカルビル基であり、そしてXがO、SおよびNHから成る群から選択され;そして、Rがパネル1:
Figure 2009533052
(パネル1)
(ここで、パネル1のXはレポーターの残りである)
から選択される、レポーターを提供する。
本発明のさらなる局面は、サンプル中のプロテアーゼの活性を測定するためのキットであって:
(i)式(1)を有する基質;および
(ii)サンプル中のここで定義した式H−X−Rを有するレポーターを検出するための手段
を含むキットを提供する。
他の局面において、本発明は、サンプル中のプロテアーゼの活性の検出のための式(1)を有する基質の使用を提供する。
本発明は、さらなる局面において、サンプル中のプロテアーゼの活性の検出のための、ここで定義した式H−X−Rを有するレポーターの使用を提供する。
本発明は、他の局面において、対象における疾患または障害を診断する方法であって、該対象からサンプルを得て、該サンプルにおけるプロテアーゼの活性を:
(i)該サンプルと式(1)を有する基質を混合し;
(ii)該プロテアーゼの活性を、ここで定義した式H−X−Rを有するレポーターの存在を検出することにより測定する
工程を含む方法により測定する工程を含む方法を提供する。
さらなる局面において、本発明は、対象における疾患または障害の診断において使用するための式(1)を有する基質を提供する。
他の局面において、本発明は、対象における疾患または障害の診断において使用するための、ここで定義した式H−X−Rを有するレポーターを提供する。
他の局面において、サンプル中のプロテアーゼの活性を測定する方法であって、該サンプルと基質を混合し、ここで、該基質は、該プロテアーゼによりカルボニル基と−NH−CH(X−R)−基の間のペプチド結合で開裂されることができ;そして、該プロテアーゼの活性を、式H−X−Rを有するレポーターの存在の検出により測定することを含む、方法を提供する。XおよびRはここに定義した通りである。
さらなる局面において、プロテアーゼモジュレーターの効果を測定する方法であって、サンプルをプロテアーゼモジュレーターで処理するおよび/またはプロテアーゼモジュレーターで処置した対象からサンプルを得て;該サンプルと基質を接触させ、ここで、該基質は、該プロテアーゼによりカルボニル基と−NH−CH(X−R)−基の間のペプチド結合で開裂されることができ;そして該プロテアーゼの活性を、式H−X−Rを有するレポーターの存在の検出により測定することを含む、方法を提供する。XおよびRはここに定義した通りである。
他の局面において、候補プロテアーゼモジュレーターの効果を測定する方法であって、サンプルを候補プロテアーゼモジュレーターで処理するおよび/または候補プロテアーゼモジュレーターで処置した対象からサンプルを得て;該サンプルと基質を接触させ、ここで、該基質は、該プロテアーゼによりカルボニル基と−NH−CH(X−R)−基の間のペプチド結合で開裂されることができ;そして、該プロテアーゼの活性を、式H−X−Rを有するレポーターの存在の検出により測定することを含む、方法を提供する。XおよびRはここに定義した通りである。
利点
ここに記載した方法は、単にサンプル中の該プロテアーゼをコードするmRNAのレベルまたはポリペプチド自体のレベルではなく、サンプル中のプロテアーゼの活性を検出する。
驚くべきことに、本発明の基質は、プロテアーゼの活性を測定するために、基質に蛍光、発光、比色または放射活性標識を付加する必要性を除く。
驚くべきことに、ここに記載したアッセイ法は、目的の結合の開裂を測定する。本発明において、プロテアーゼが、目的の結合で基質を開裂するとき、それはレポーターの産生(すなわち放出)をもたらす。プロテアーゼが基質をどこかで開裂するならば、レポーターは産生されない。
何らかのあるプロテアーゼの特異性プロファイルが、開裂部位から両方向に伸びる基質アミノ酸配列により大きく決定される。開裂した結合のいずれかの側に隣接するアミノ酸は、しばしば特異性のために最も重要であるが、重要な決定的アミノ酸は、開裂部位から6位ほど離れることが可能である。(J.D.A. Tyndell et al, 2005, Chem. Rev. 105, 973-999 − プロテアーゼによる基質認識のレビュー)。従って、少なくとも二次元構造効果(すなわち折り畳み、螺旋構造)が重要にはり始める限界まで、特異的部位で開裂される可能性は、適当な配列の基質の長さと共に増加することが予測できる。しかしながら、理論に縛られることを望まないが、基質の長さが長くなるほど、その長い配列が特に興味深いプロテアーゼ(複数もある)の開裂部位(複数もある)の間に他のプロテアーゼの開裂部位を含む配列危険性が高まる。それ故に、ここに記載した通りの特異的結合開裂を検出する能力は、有利に特異的プロテアーゼによる開裂を決定できるアッセイをもたらす。
ここに記載した方法は、他の酵素がサンプルに存在することを可能とする。
ここに記載した方法は、この方法が洗浄工程の使用を必要としないため、プロテアーゼモジュレーターの効果のモニターに使用できる。
ここに記載したアッセイ法は、プロテアーゼに特異的である抗体の使用を必要としない。
ここに記載した方法は、サンプルとして組織を使用できる。
ここに記載した基質は、特に興味深いプロテアーゼの非存在下で、血清および血漿のようなサンプル中、安定である。
好ましい局面
好ましくは、プロテアーゼモジュレーターはプロテアーゼ阻害剤である。
好ましくは、プロテアーゼモジュレーターはプロテアーゼアクティベーターである。プロテアーゼアクティベーターの例は、ザイモサンである。
プロテアーゼアクティベーターの他の例は、 Rivera-Marrero et al (2002, Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 282: L546-L555); Kadish et al (1986, Immunol. Res. 5:129); Czop et al (1978, J. Immunol. 120:1132); Williams(1996, Clin. Immunother. 5:392); Ross et al (1999, Immunopharmacology, 42:61); Williams et al (1978, J Reticuloendothel. Soc. 23:479); Kokoshis et al (1978 Science 199:1340); Itoh (1997, Mediat. Inflamm. 6:267); Williams (1997, Mediat. Inflamm. 6:247)に見ることができる。
好ましくは、候補プロテアーゼモジュレーターは候補プロテアーゼ阻害剤である。
好ましくは、他の態様について、候補プロテアーゼモジュレーターは候補プロテアーゼアクティベーターである。
好ましくは、サンプルは、尿、全血、血漿、血清、滑液、唾液、痰、気管支肺胞液、脳脊髄液、鼻汁、肺内層液(lining fluid)、涙液および皮膚水疱液のような任意の哺乳動物生体液から成る群から選択される。
好ましくは、サンプルは:細胞培養、組織、組織切片および均質化組織から成る群から選択される。
好ましくは、プロテアーゼは哺乳動物マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)EC3.4.24−である。
好ましくは、マトリクスメタロプロテイナーゼはMMP1(EC3.4.24.7)、MMP2(EC3.4.24.24)、MMP3(EC3.4.24.17)、MMP8(EC3.4.24.34)、MMP9(EC3.4.24.35)、MMP12(EC3.4.24.65)およびMMP13(EC3.4.24−)から成る群から選択される。より好ましくは、該マトリクスメタロプロテイナーゼはMMP9(EC3.4.24.35)である。別のより好ましい態様において、該マトリクスメタロタンパク質はMMP12(EC3.4.24.65)である。さらに別のより好ましい態様において、該マトリクスメタロタンパク質はMMP13(EC3.4.24−)である。
好ましくは、ヒドロカルビル基Rは、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシアリール、ビアリール、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル基およびそれらの誘導体から成る群から選択される。
より好ましくは、Rは、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシアリール、ビアリールおよびそれらの誘導体から成る群から選択される。
好ましくは、Rは10〜25個の炭素原子、好ましくは、10〜20個の炭素原子を含む。
非常に好ましい態様において、Rはパネル1から選択され;ここで、パネル1のXは基質の残りである。
非常に好ましい態様において、Rはパネル1から選択され;ここで、パネル1のXはレポーターの残りである。
好ましくは、基質は1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチルである。
好ましくは、レポーターは4−ニトロアニリン、ビフェニル−4−イル−メタノール、4−(5−p−トリル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−フェニルアミン、N−ヒドロキシ−2−フェニル−アセトアミド、ビフェニル−4−カルボン酸ヒドロキシアミド、または2−(−4−イソブチル−フェニル)−プロピオン酸(イブプロフェン(登録商標))である。
より好ましくは、式H−X−Rを有するレポーターは、4−ニトロアニリン、4−(5−p−トリル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−フェニルアミン、またはビフェニル−4−イル−メタノールである。
非常に好ましい態様において、レポーターは4−ニトロアニリンである。
好ましくは、疾患または障害は:リウマチ性関節炎、骨関節症;多発性硬化症;喘息、鼻炎、慢性気管支炎、慢性閉塞性細気管支炎(bronchioliti)、気道線維症および慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような気道疾患から成る群から選択される。
より好ましくは、疾患または障害は骨関節症、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。
一つの非常に好ましい態様において、疾患または障害は骨関節症である。
他の非常に好ましい態様において、疾患または障害は慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。
詳細な記載
プロテアーゼ
ここで使用する用語“プロテアーゼ”は、ペプチド結合を加水分解する酵素を意味する。言い換えると、プロテアーゼは、タンパク質の複数アミノ酸の間のペプチド結合を破壊する酵素である − この過程をタンパク分解性開裂と呼ぶ。プロテアーゼはまたプロテイナーゼ、ペプチダーゼまたはタンパク分解性酵素とも呼ばれる。
プロテアーゼは、酵素命名法番号EC 3.4.の下に分類される。プロテアーゼは、それらの活性部位の最も顕著な官能基に基づき分類される。現在まで、6クラスのプロテアーゼ:セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、スレオニンプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼおよびメタロプロテイナーゼが存在する。
既知プロテアーゼのデータベースはhttp://merops.sanger.ac.uk(Rawlings, N.D., Tolle, D.P. & Barrett, A.J. (2004)MEROPS:the peptidase database. Nucleic Acids Res. 32 Database issue, D160-D164)で利用可能である。
メタロプロテイナーゼ
メタロプロテイナーゼ(またはメタロプロテアーゼ)は、それらの活性部位でZn2+またはCa2+のような金属イオンと結合する。このイオンは、通常2〜4個の側鎖を配位し、そして酵素の活性に必須である。このイオンそれ自体もまた水分子により配位され、これもまた触媒活性に重要である。
メタロプロテイナーゼは酵素前駆体として分泌され、活性化は活性部位亜鉛原子に結合したプロペプチド配列の開裂を必要とする。この活性は、全血をザイモサンとインキュベートすることにより模倣できる。
メタロプロテイナーゼの2つのサブグループ:メタロカルボキシペプチダーゼ(EC 3.4.17)およびマトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP、メタロエンドペプチダーゼまたはマトリキシン(matrixin)とも呼ばれる − EC:3.4.24)がある。
好ましくは、プロテアーゼはマトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)EC 3.4.24.−である。
マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP) − EC 3.4.24. −
MMPは、中性pHで広範囲の基質を開裂するよう機能する細胞外プロテアーゼである(例えば基底膜および細胞外マトリクス成分、増殖および細胞死因子、サイトカイン、および細胞およびマトリクス接着分子 − Bergers and. Coussens Curr. Opin. Genet. Dev. 2000 10 120;VisseおよびNagase Circ. Res. 2003 92 827;Egeblad and Werb Nat. Rev. Cancer 2002 2 161)。
MMPの基質特異性および発現パターンの広い範囲が、正常および異常両方の多くの多様な工程におけるそれらの関与をもたらす。MMPの異常発現が、とりわけ他の疾患および障害の中で、喘息、癌、血管形成、リウマチ性関節炎、骨関節炎、骨粗鬆症、腸炎症性疾患、歯周病、アテローム性動脈硬化症、気腫、多発性硬化症、子癇前症、および慢性創傷において注目されている(Bergers and Coussens Curr. Opin. Genet. Dev. 2000 10 120;Visse and Nagase Circ. Res. 2003 92 827;Nelson. et al. J. Clin. Oncol. 2000 18 1135)。
MMPタンパク質の一般構造は、細胞からの分泌を指示するプレドメイン、プロドメイン、触媒ドメイン、およびC末端ヘモペキシンドメインから成る。MMPが機能するためには、Ca2+およびZn2+イオン両方への結合が必要である − Zn2+のみが酵素の活性部位に結合し、Ca2+は分子の立体構造の維持にのみ必要である。酵素の不活性な、またはチモーゲン形態は、プロドメインのタンパク分解性除去により活性化される(Woessner and Nagase Metalloproteinases and TIMPs. 2000 Oxford University Press)。
既知マトリクスメタロプロテイナーゼの構造的および機能的考察に基づき、MMPはN.M. Hooper(1994)FEBS Letters 354:1-6に記載のようなファミリーおよびサブファミリーに分類されている。
マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)の例は、コラゲナーゼ(MMP1、MMP8、MMP13)、ゼラチナーゼ(MMP2、MMP9)、ストロメライシン(MMP3、MMP10、MMP11)、マトリライシン(MMP7)、メタロエラスターゼ(MMP12)、エナメリシン(MMP19)、MT−MMP(MMP14、MMP15、MMP16、MMP17)を含む。
好ましくは、マトリクスメタロプロテイナーゼはMMP1(EC 3.4.24.7)、MMP2(EC3.4.24.24)、MMP3(EC 3.4.24.17)、MMP8(EC 3.4.24.34)、MMP9(EC 3.4.24.35)、MMP12(EC3.4.24.65)およびMMP13(EC 3.4.24.−)から成る群から選択される。
より好ましくは、マトリクスメタロプロテイナーゼは、MMP8(EC 3.4.24.34)、MMP9(EC 3.4.24.35)、MMP12(EC3.4.24.65)およびMMP13(EC3.4.24.−)から成る群から選択される。
非常に好ましい態様において、該マトリクスメタロプロテイナーゼはMMP9(EC 3.4.24.35)である。
他の非常に好ましい態様において、該マトリクスメタロプロテイナーゼはMMP12(EC3.4.24.65)である。
さらなる非常に好ましい態様において、該マトリクスメタロプロテイナーゼはMMP13(EC3.4.24.−)である。
・ MMP1(EC 3.4.24.7)
コラゲナーゼ(EC 3.4.24.7)としても既知のMMP1は、Brinckerhoff et al(1987 J. Clin. Invest. 79:542-546)により同定された。コラゲナーゼは、間質性コラーゲン、I型、II型、およびIII型の分解を開始できる唯一の酵素である。それはまた、VII型およびX型のコラーゲンも開裂できる。コラーゲンは体内で最も豊富なタンパク質であり、コラゲナーゼは広範に分布する酵素である。
UniProt受託番号P03956およびP08156は、MMP1活性を有するポリペプチド配列を詳述する。
例として、P03956は、コラーゲンの三重螺旋を、N末端から775−Gly−で、分子の約3/4の長さで開裂する。
・ MMP2(EC3.4.24.24)
ゼラチナーゼ2としても既知のMMP2は酵素前駆体として分泌される。酵素前駆体の開裂は、可溶性活性形態の産生に至り、それは癌細胞の表面に存在する受容体によりさらにトラップされる(Brooks P. et al., 1996, Cell, 31;85(5):683-93)。プロから成熟形態へのMMP2活性化は、膜型MMP(MT−MMP)が関与する複雑な機構である。MT1−MMP(MMP14)は、MMP2の最も強力なアクティベーターである。MMPの細胞外活性は、それらがTIMP1およびTIMP2のような特異的阻害剤と複合体を形成したときに阻害される。
MMP2はゼラチンI型およびコラーゲンIV型、V型、VII型、X型を開裂する。
UniProt受託番号P08253は、MMP2活性を有するポリペプチド配列を詳述する。
例として、P08253は、コラーゲン様配列プロ−Gln−Gly−|−Ile−Ala−Gly−Glnを開裂する。それはまたKiSS1をGly−|−Leu結合で開裂する。
・ MMP3(EC 3.4.24.17)
MMP3(線維芽細胞ストロメライシンまたはトランシンとも呼ばれる)は、コラゲナーゼ(MMP1)に非常に関連しているプロテオグリカナーゼである。MMP3は、結合組織細胞により優勢に産生される分泌型メタロプロテアーゼである。MMP3は、広範な基質特異性を有し、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ラミニン、およびIV型コラーゲンを分解できるが、間質性I型コラーゲンはできない。
UniProt受託番号P08254およびQ6GRF8は、MMP3活性を有するポリペプチド配列を詳述する。
例として、P08254は、フィブロネクチン、ラミニン、I型、III型、IV型、およびV型のゼラチン;コラーゲンIII、IV、X、およびIX、および軟骨プロテオグリカンを分解できる。それはまたプロコラゲナーゼを活性化できる。P08254は、疎水性残基で主に開裂する。
MMP−3活性は、炎症を起こしている歯肉から単離された線維芽細胞で証明されており[Uitto V. J. et al, 1981, J. Periodontal Res., 16:417-424]、酵素レベルは歯肉疾患の重症度と相関している[Overall C. M. et al, 1987, J. Periodontal Res., 22:81-88]。MMP−3はまた種々の慢性潰瘍における基底ケラチン生成細胞により産生される[Saarialho-Kere U. K. et al, 1994, J. Clin. Invest., 94:79-88]。
MMP−3 mRNAおよびポリペプチドは、恐らく増殖表皮の部位を表している、創傷端に隣接するが、遠位の基底ケラチン生成細胞で見られる。MMP−3は、故に、表皮が治癒するのを妨げ得る。
数名の研究者らが、リウマチ様および骨関節症患者からの滑液におけるMMP−3の、対照と比較して一貫した上昇を証明している[Walakovits L. A. et al, 1992, Arthritis Rheum., 35:35-42; Zafarullah M. et al, 1993, J. Rheumatol., 20:693-697]。
・ MMP8(EC 3.4.24.34)
MMP−8(コラゲナーゼ−2または好中球コラゲナーゼ)は、主に好中球で発現される。研究は、MMP−8がまた骨関節炎軟骨細胞のような他の細胞でも発現されることを示唆する[Shlopov et al, 1997, Arthritis Rheum, 40:2065]。
UniProt受託番号P22894およびQ45F99は、MMP8活性を有するポリペプチド配列を詳述する。
例として、P22894は、原繊維型I、II、およびIIIコラーゲンを分解できる。さらに、それは、三重螺旋ドメイン内で間質性コラーゲンを開裂する。
好中球により産生されるMMPは、組織リモデリングの原因となり得て、それ故にMMP−8の遮断は、例えば肺の繊維性疾患、および肺気腫のような分解性疾患においてポジティブな効果を有し得る。
MMP−8はまた骨関節症で上方制御されることが判明しており、MMP−8の遮断はまたこの疾患にも有用であり得ることを示す。
MMP9(EC 3.4.24.35)
MMP9(ゼラチナーゼB;92kDIV型コラゲナーゼ;92kD ゼラチナーゼ)は、1989年に最初に、精製され、その後クローニングおよび配列決定された分泌型タンパク質である[S.M. Wilhelm et al(1989)J. Biol Chem. 264(29):17213-17221;J. Biol Chem. (1990)265(36):22570には誤植]。
UniProt受託番号P14780、Q8N725、Q9H4Z1およびQ3LR70は、MMP9活性を有するポリペプチド配列を詳述する。
例として、P14780は、KiSS1をGly−で開裂する。P14780は、ゼラチンI型およびV型およびコラーゲンIV型およびV型を開裂する。
VuおよびWerb(1998)は、プロテアーゼMMP9をレビューしている(Matrix Metalloproteinases. 1998. Edited by W.C. Parks & R.P. Mecham. pp115 - 148. Academic Press. ISBN 0-12-545090-7中)。以下の点が、このT.H. Vu & Z. Werb(1998)から導き出される。
MMP9の発現は、通常、栄養芽細胞、破骨細胞、好中球およびマクロファージを含む数細胞型に限定されている。しかしながら、MMP9の発現は、これらの同じ細胞および他の細胞型で、細胞の増殖因子またはサイトカインへの暴露を含む数種のメディエーターにより誘発できる。これらは、炎症性応答の開始にしばしば関与するのと同じメディエーターである。他の分泌型MMPと同様、MMP9は不活性酵素前駆体として放出され、その後開裂して、酵素的に活性な酵素を形成する。インビボでこの活性化に必要なプロテアーゼは知られていない。活性MMP9対不活性酵素のバランスが、インビボで、さらに、天然に存在するタンパク質であるTIMP−1(メタロプロテイナーゼ−1の組織阻害剤)との相互作用により制御される。TIMP−1は、MMP9のC末端領域に結合し、MMP9触媒ドメインの阻害に至る。ProMMP9の誘導発現、プロから活性MMP9への開裂およびTIMP−1の存在が組み合わさって、局所に存在する触媒的に活性なMMP9の量を決定する。タンパク分解性に活性のMMP9は、ゼラチン、エラスチン、および天然IV型およびV型コラーゲンを含む基質を攻撃する;それは、天然I型コラーゲン、プロテオグリカンまたはラミニンには活性はない。
MMP9は、種々の生理学的および病理学的過程に関与している。生理学的役割は、胚性移植の初期段階における子宮上皮を介した胚性栄養芽細胞の侵襲;骨の成長および発生におけるいくつかの役割;および脈管構造から組織への炎症性細胞の移動を含む。
増加したMMP9発現は、例えばCOPD、喘息、関節炎、腫瘍転移、アルツハイマー、多発性硬化症、および心筋梗塞のような急性冠血管状態に至るアテローム性動脈硬化症におけるプラーク破裂において観察されており、それ故に、MMP9は疾患過程に関与する。
・ MMP12(EC3.4.24.65)
マクロファージエラスターゼまたはメタロエラスターゼとしても既知のMMP12は、最初にShapiro et alによりマウスで(1992, Journal of Biological Chemistry 267:4664)および1995年に同じグループによりヒトで(Belaaouaij et al 1995, J biol Chem 270:14568-14575)クローンかされた。
UniProt受託番号P39900は、MMP12活性を有するポリペプチド配列を詳述する。
MMP12は、主に活性化マクロファージにおいて発現され、喫煙者の肺胞マクロファージから分泌されることが示されており(Shapiro et al, 1993, Journal of Biological Chemistry, 268:23824)、ならびに動脈硬化病変における泡沫細胞において発現される(Matsumoto et al, 1998, Am J Pathol 153:109)。
COPDのマウスモデルは、週に6日間、1日2本の煙草で、6ヶ月間の煙草の煙での攻撃に基づく。野生型マウスは、この処置後肺気腫を発症する。MMP12ノックアウトマウスをこのモデルで試験したとき、顕著な気腫は発症せず、MMP12がCOPD病因における重要な酵素であることを示す。
COPD(気腫および気管支炎)におけるMMP12のようなMMPの役割は、Anderson and Shinagawa, 1999, Current Opinion in Anti-inflammatory and Immunomodulatory Investigational Drugs 1(1): 29-38において議論されている。
Matetzky et al(2000)は、喫煙がヒト頚動脈プラークKangavariにおけるマクロファージ浸潤およびマクロファージ由来MMP−12発現を増加することを記載する(Matetzky S, Fishbein MC et al., Circulation 102:(18), 36-39 Suppl. S, Oct 31, 2000)。
・ MMP13(EC 3.4.24.−)
MMP13、またはコラゲナーゼ3は、最初に乳房腫瘍由来のcDNAライブラリーからクローン化された(J. M. P. Freije et al. (1994)Journal of Biological Chemistry 269(24):16766-16773)。UniProt受託番号P45452およびQ6NWN6は、MMP13活性を有するポリペプチド配列を詳述する。
広範囲の組織からのRNAの分析は、MMP13発現が、それが乳線維腺腫腺腫、正常および休止乳腺、胎盤、肝臓、卵巣、子宮、前立腺または耳下腺または乳癌細胞株(T47−D、MCF−7およびZR75−1)において見られなかったため、乳癌腫に限定されることを示した。この観察の後、MMP13は、形質転換上皮ケラチン生成細胞(Johansson et al., 1997 Cell Growth Differ. 8(2):243-250)、扁平細胞癌腫(Johansson et al., (1997)Am. J. Pathol. 151(2):499-508)および上皮腫瘍(irola et al., (1997)J. Invest. Dermatol. 109(2):225-231)において検出されている。これらの結果は、MMP13が形質転換上皮性細胞により分泌され、そしてとりわけ侵襲性乳癌病巣および皮膚発癌における悪性上皮増殖において観察されるような転移と関連する細胞外マトリクス分解および細胞−マトリクス相互作用に関与し得ることを示唆する。
最近公開されたデータは、MMP13が他の結合組織のターンオーバーにおいて役割を有することを暗示する。例えば、MMP13の基質特異性および、II型コラーゲン分解の優先性と一致して(Mitchell et al., 1996 J. Clin. Invest. 97(3):761-768; Knauper et al., 1996 The Biochemical Journal 271:1544-1550)、MMP13が、リウマチ様および骨関節炎のような破壊性関節疾患(Wernicke et al., 1996 J. Rheumatol. 23:590-595;Mitchell et al., 1996 J. Clin. Invest. 97(3):761-768;Lindy et al., 1997 Arthritis Rheum 40(8):1391-1399)における、初期骨形成および骨格リモデリングの間に(Stahle-Backdahl et al., 1997 Lab. Invest. 76(5):717-728;Johansson et al., 1997 Dev. Dyn. 208(3):387-397);および人工股関節の無菌的ゆるみの間に(Imai et al., 1998 J. Bone Joint Surg. Br. 80(4):701-710)役割を有することが仮説立てられている。MMP13はまた、慢性に炎症を起こしているヒト歯肉粘膜組織の上皮に局在化しているため、慢性成人歯周炎において(V. J. Uitto et al., 1998 Am. J. Pathol 152(6):1489-1499)および慢性創傷におけるコラーゲン性マトリクスのリモデリングにおいて(Vaalamo et al., 1997 J. Invest. Dermatol. 109(1):96-101)関与が暗示されている。
基質およびレポーター
ここで使用する用語“基質”は、式(1)を有する化合物− すなわち一般式(1a)、(1b)、(1c)または(1d)の化合物を意味する。
ここで使用する用語“レポーター”は、式H−X−Rを有する化合物を意味し;ここで、Rはヒドロカルビル基であり;Rは第一ペプチド部分であり;Rは第二ペプチド部分であり;そしてXはO、SおよびNHから成る群から選択される。
好ましくは、XはSである。
別の態様において、好ましくは、XはNHである。
好ましくは、ヒドロカルビル基Rは、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシアリール、ビアリール、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル基およびそれらの誘導体から成る群から選択される。
より好ましくは、Rは、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシアリール、ビアリールおよびそれらの誘導体から成る群から選択される。
非常に好ましい態様において、Rはパネル1から選択され、ここで、パネル1のXは基質の残りである。
非常に好ましい態様において、Rはパネル1から選択され、ここで、パネル1のXは、式H−X−Rを有するレポーターの残りである。
・ ヒドロカルビル基
ここで使用する用語“ヒドロカルビル基”は、少なくともCおよびHを含み、そして所望により1個以上の他の適当な置換基を含み得る基を意味する。このような置換基の例は、ハロ−、アルコキシ−、ヒドロキシ−、ニトロ−、炭化水素基、アミド基、カルバメートエステル基、エステル基、例えばアシル基、ニトリル基、N−アシル基、環状基などを含み得る。置換基が環状基である可能性に加えて、置換基の組合せが環状基を形成し得る。ヒドロカルビル基が1個を超えるCを含むならば、これらの炭素は互いに結合している必要はない。例えば、炭素の少なくとも2個が、適当な元素または基を介して結合し得る。それ故に、ヒドロカルビル基はヘテロ原子を含み得る。適当なヘテロ原子は当業者には明白であり、例えば、硫黄、窒素、酸素、珪素およびリンを含む。
例えば、ヒドロカルビル基はアリール、アリールオキシアリール、ビアリール、アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環状基およびそれらの誘導体から選択され得る。例えば、ヒドロカルビル基はピリジル、またはピリミジルから選択され得る。
・ 炭化水素基
ここで、用語“炭化水素”はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基もしくはアシル基(これらの基は直線状、分枝状または環状であってよい。)またはアリール基のいずれか一つを意味する。用語炭化水素はまた、所望により置換されているこのような基も含む。炭化水素が、その上に置換基(複数もある)を有する分枝状構造であるならば、該置換は、炭化水素骨格または分枝上のいずれかにあり得る;あるいは、置換は炭化水素骨格および分枝上にあり得る。
・ ヘテロ環式基
ここで用語“ヘテロ環式基”は、環内に少なくとも1個の炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を含む環状環を意味する。ヘテロ環式基はヘテロシクロアルキル基またはヘテロアリール基であり得る。適当なヘテロ原子は当業者には明白であり、例えば、硫黄、窒素、酸素、珪素およびリンを含む。
ヘテロ環式環は、所望により1個以上の適当な置換基で置換され得る。このような置換基の例は、ハロ−、アルコキシ−、ハロゲン置換アルコキシ−、ヒドロキシ−、ニトロ−、炭化水素基、アミド基、カルバメートエステル基、アルキルカルバメートエステル基、エステル基、ニトリル基、N−アシル基、または環状基、例えばアリール基を含み得る。置換基が環状である可能性に加えて、置換基の組合せが環状基を形成し得る。
・ 化学誘導体
本発明の一つの態様において、化合物は誘導体であり得る。
ここで使用する用語“誘導体”は、化合物の化学修飾を含む。このような化学修飾の説明は、水素のハロ基、アルコキシ基、ハロゲン置換アルコキシ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭化水素基、アミド基、カルバメートエステル基、アルキルカルバメートエステル基、エステル基、例えばアシル基、ニトリル基、N−アシル基、または環状基、例えばアリール基での置換であろう。
・ 置換基
本発明の化合物は、ここに示す環系のもの意外に置換基を有し得る。さらにここに記載の環系は、一般式として示し、そのようなものとして解釈すべきである。ある環員上に何ら具体的に示す置換基がないことは、環員が、Hが単に一例である任意の部分で置換され得ることを示す。環系は、1以上の不飽和度を含み得て、例えばある局面において、環系の1個以上の環は芳香族性である。本環系は炭素環であってよく、または1個以上のヘテロ原子を含んでよい。
・ ペプチド性部分
第一のペプチド部分(R)および第二のペプチド部分(R)は、ペプチド性部分を含む。
ここで使用する、ペプチド性部分は、ペプチド結合により結合している1個以上のアミノ酸を含む基である。アミノ酸は天然アミノ酸でも非天然アミノ酸でも、またはそれらの組合せでも良い。アミノ酸の好ましい例は、α−アミノ酸単位である。ペプチド性部分は、さらに、1個以上のβ−、γ−、ω−またはδ−アミノ酸単位を含み得る。アミノ酸単位は、一端を末端基、保護基、発色団、または蛍光団でキャップされていてよい。
基質がレポーター基に加えて発色団または蛍光団を担持するとき、基質は、同じサンプルで、同時にまたは別々に任意の結合および特異的結合での開裂のアッセイに使用できる。
好ましくは、Rはジペプチド、トリペプチドまたはテトラペプチドである。
好ましくは、Rはジペプチド、トリペプチドまたはテトラペプチドである。
好ましくは、Rはトリペプチド3−S2−S1であり、ここで、S3はプロリンまたはグリシンから選択され、S2はロイシン、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン、チロシンから選択され、そしてS1はグリシン、アラニン、セリンおよびヒスチジンから選択される。
より好ましくは、Rはプロリン−ロイシン−グリシンである。
あるいは、より好ましくは、Rはグリシン−ロイシン−アラニンである。
好ましくは、Rはジペプチド2'−S3'であり、ここで、S2'はロイシン、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン、チロシンから選択され、S3'はグリシン、β−アラニンから選択されるか、または無い。
より好ましくは、Rはロイシン−β−アラニンである。
・ 末端基
いくつかの態様において、基質は、N末端および/またはC末端での荷電を除くために末端基を含み得る。このような末端基はまた特異的に除去できる保護基であり得る。適当な末端基および保護基は、当業者には容易に明白となろう。このような末端基および保護基およびそれらの付加および/または基質からの除去の方法は、例えば“Protective Groups in Organic Synthesis” by T W Greene and P G M Wuts, John Wiley and Sons Inc. (1991)およびP.J.Kocienski, in “Protecting Groups”, Georg Thieme Verlag (1994)により記載のような慣用の技術により達成できる。
適当なN末端基(式1cおよび1dにおけるG1)は、アセチル、ベンゾイル、tert−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルおよびフルオレニルメチルオキシカルボニルを含む。適当なC末端基(式1cおよび1dにおけるG2)は、メチルエステル、エチルエステル、tert−ブチルエステル、メチルアミド、エチルアミドおよびフェニルアミドを含む。
・ 基質の製造
本発明の基質化合物は、標準的化学技術により製造できる。
例えば、式IIの合成ブロックを− 例えばPaulitz et al, J. Org. Chem., 1997, 62(24), 8474-8により記載の技術により − 製造でき、次いで式(1)の化合物の製造に使用する。
Figure 2009533052
〔式中:
はヒドロカルビル基またはポリスチレンポリマーであり
S1はグリシン、アラニン、セリンおよびヒスチジンから選択され、所望により適当であれば保護されており
Ptnは末端基、好ましくは、保護基であり
XはO、SおよびNHから成る群から選択される。〕。
あるいは、それらの製造は、スルフヒドリル誘導体化ポリマー、好ましくは、ポリスチレンの結合に適合できる。
好ましくは、式IIの合成ブロックは、N保護されたアミノ酸アミドPtn−S1−NHとグリオキシル酸を反応させ、中間体をチオールR1−SHおよび硫酸のような酸触媒で処理することにより製造できる:
Figure 2009533052
式IIの構成要素は可溶性でもおよび/または重合体でもよい。
好ましくは、Ptnはフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)である。
式IIの構成要素は、ペプチド合成の標準法により、式Ieの基質の完全長前駆体に取り込み得る。ペプチド合成の一般原則ならびにアミノ酸側鎖保護ストラテジーを適用し、そして当業者には既知である。本主題の一般的教則本は、“Principles of Peptide Synthesis” by M. Bodansky (Springer-Verlag 1984)および“Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach” by E. Atherton and R.C. Shepperd (IRL Press, Oxford University Press 1989)を含む。
a)結合した固体支持体上の固相ペプチドシンセサイザーを基質の製造のために使用する。N保護基は、好ましくは、Fmocであり;Polは重合支持体、好ましくは、ポリスチレンビーズであり、G、G、L、L、S、S、S、S'、S'は式1dで定義の通りである。
Figure 2009533052
b)モノ、ジ、トリおよびテトラペプチドブロック等の溶液合成を使用して、基質を製造する。N−保護基Ptnは好ましくは、Fmocであり;G、G、L、L、S、S、S、S'、S'は式1dで定義の通りである。
Figure 2009533052
c)あるいは、Rがポリスチレンのような固体支持体であるとき、式IIの合成ブロックは両方向に増殖できる。N−保護基Ptnは、好ましくは、Fmocであり;G、G、L、L、S、S、S、S'、S'は式1dで定義の通りである。
Figure 2009533052
これはRが好ましくはポリスチレンポリマーである式1cのペプチドをもたらす。あるいは、Rは、パネル1から選択されるレポーター置換基であり、この場合、該ペプチドは、XがSである式1dを構成する。
N−保護基Ptnは、好ましくは、Fmoc;G、G、L、L、S、S、S、S'、S'は式1dで定義の通りである。
ペプチドが必要な配列および適当な末端基キャッピング(必要であるならば)を有するとき、それは、方法a)を使用したとき標準法により固体支持体から遊離され、最終的に開裂末端で修飾されるか、または方法b)およびc)の産物を(工程dにおいて)親チオ試薬、好ましくは、N−ヨードスクシンイミド(NIS)で処理し、過剰のアルコール、フェノール、チオールまたは式H−X−Rのアミンで処理して、式1dの基質を得る。これらは、好ましくは、−XR残基の立体化学が天然基質のものに対応するときのペプチドが、他の立体異性体と比較して非常に効率的に開裂されることが期待されるため、それらのジアステレオマーに分割する。
Figure 2009533052
−XRの導入後にさらなる修飾が望まれるならば、必要な保護基操作は、好ましくは、非酸性条件およびカップリング反応である。
あるいは、R−X基をクロロまたはブロモ誘導体(1f)を介して交換できる:
Figure 2009533052
所望により、式(1)の置換基XRが式IIおよびIIIのSRであるとき、工程(d)のチオール交換反応は必要ではない。
・ レポーターを製造するための基質の開裂
式(1)を有する本発明の基質はプロテアーゼにより開裂可能である。言い換えると、基質はプロテアーゼにより酵素的に消化され得る。
式(1)を有する基質がプロテアーゼにより開裂される結果、式H−X−Rを有するレポーターが形成される。この酵素反応は以下の通り示される:
Figure 2009533052
開裂矢印はプロテアーゼ作用を示す。
式(1)を有する基質が目的の結合で開裂されたとき、得られる中間体化合物(V)は、Xがヘテロ原子(O、S、またはNH)であるとき不安定中間体である。中間体化合物Vにおけるアミノ基が電子供与基であり、側鎖−XRへの結合を不安定にし、これは急速に加水分解される。これは化合物VII(すなわちレポーター)の形成をもたらす。
プロテアーゼが、基質をどこかで開裂するならば、化合物VII(すなわちレポーター)は産生されない。
故に、基質のXおよびRは、レポーターのXおよびRと同一である。
ここで使用する用語“遊離”は、上記の酵素反応において記載のレポーターの産生、続くプロテアーゼによるここに記載の基質の酵素的消化を意味する。
ここで使用する用語“目的の結合”は、プロテアーゼにより開裂されるおよびレポーターH−X−Rの形成をもたらす式(1)の基質を意味する。目的の結合は、カルボニル基とNH−CH(X−R)基の間である。
・ レポーターの検出
ここで使用する用語“プロテアーゼの活性”は、プロテアーゼの酵素反応を意味する。
サンプル中のプロテアーゼの活性は、サンプルと式(1)を有する基質を混合し、式H−X−Rを有するレポーターの存在を検出することにより測定できる。
好ましくは、混合物を5〜120分インキュベートし、より好ましくは、式(1)を有する基質がサンプルに添加されてから、該反応を約30分インキュベートし、非常に好ましい態様において、該反応を、約15分インキュベートする。
好ましくは、混合物を15〜40℃の温度でインキュベートする。より好ましくは、混合物を約37℃でインキュベートする。
サンプル中の式H−X−Rを有するレポーターの存在は、HPLC、LC−UV、LC−MSまたは蛍光測定により検出できる(R1がフルオロフォアならば、消光基が基質のどこかに存在するか、またはその逆)。
それ故にここで使用する用語“レポーターを検出するための手段”は、サンプル中の式H−X−Rを有するレポーターの存在を検出するための、HPLCおよびLC−MSのような適当な手段を意味する。
HPLCおよびLC−MSは、当分野で既知の技術である(例えば、Snyder and Kirkland - Introduction to Modern Liquid Chromatography, Second edition, John Wiley & Sons, Inc. 1979 (HPLC);およびJurgen H Gross - Mass Spectrometry, A textbook, Springer Verlag 2004 (LC-MS)参照)。
サンプル中のプロテアーゼの活性の量を測定するために、式(1)を有する基質と混合したサンプルで一定時間に産生される式H−X−Rを有するレポーターの量を、式(1)を有する基質と混合し、既知量のプロテアーゼで処理した対照サンプルにおいて一定時間に産生される式H−X−Rを有するレポーターの量と比較できる。好ましくは、混合物を5〜120分混合し、より好ましくは、式(1)を有する基質がサンプルに添加されてから、該反応を、約30分インキュベートし、非常に好ましい態様において、該反応を約15分インキュベートする。
式(1)を有する基質と混合されたサンプルは、式(1)を有する基質の目的の結合に作用できるプロテアーゼがサンプルにないならば、式H−X−Rを有するレポーターを産生しない。それ故に、このようなサンプルにはレポーターが存在しない。
好ましくは、式(1)を有する基質は1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチルである。
ここで、式H−X−Rを有するレポーターは、4−ニトロアニリンである。
あるいは、好ましくは、式(1)を有する基質は、1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−[4−(5−p−トリル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−フェニルアミノ]−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチルである。
Figure 2009533052
ここで、式H−X−Rを有するレポーターは4−(5−p−トリル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−フェニルアミンである。
あるいは、好ましくは、式(1)を有する基質は、メチル1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−N−フェニル−L−フェニルアラニンアミドである。
Figure 2009533052
ここで、式H−X−Rを有するレポーターは4−ニトロアニリンである。
あるいは、好ましくは、式(1)を有する基質は、1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−S−(ビフェニル−4−イルメトキシ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチルである。
Figure 2009533052
ここで、式H−X−Rを有するレポーターはビフェニル−4−イル−メタノールである。
あるいは、好ましくは、式(1)を有する基質は、1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチルである。
Figure 2009533052
ここで、式H−X−Rを有するレポーターは4−ニトロアニリンである。
プロテアーゼモジュレーター
ここで使用する用語“プロテアーゼモジュレーター”は:
(i) プロテアーゼの活性を上昇させるか、またはプロテアーゼ(複数もある)の遊離を上昇させる − すなわちこれはプロテアーゼアクティベーターである;または
(ii) プロテアーゼの活性を低下させるかまたはプロテアーゼ(複数もある)の遊離を低下させる − すなわちこれはプロテアーゼ阻害剤である
できる、すべての化合物または組成物、例えば医薬組成物を意味する。
プロテアーゼモジュレーターはアゴニストまたはアンタゴニストであり得る。
好ましくは、プロテアーゼモジュレーターはプロテアーゼアクティベーターである。
プロテアーゼアクティベーターの例はザイモサンである。理論に縛られることを望まないが、ザイモサン(酵母細胞壁ベータ−グルカン)の全血への添加は、MMP−8およびMMP−9のようなプロテアーゼを含む細胞内顆粒の活性化および脱顆粒をもたらす。
理論に縛られることを望まないが、プロテアーゼの活性は、例えば、プロテアーゼアクティベーターのプロテアーゼへの結合により増加でき、これはプロテアーゼがその基質により効率的に結合することを可能にし、故に、対照サンプルと比較したとき、ペプチド開裂の量を増加させる。あるいは、プロテアーゼアクティベーターはプロテアーゼの活性を、例えば、プロ−プロテアーゼのプロテアーゼへの開裂により増加させ得る。あるいは、プロテアーゼアクティベーターは、プロテアーゼ(複数もある)の遊離を増加し得る。
別の態様において、好ましくは、プロテアーゼモジュレーターはプロテアーゼ阻害剤である。
理論に縛られることを望まないが、他の態様において、プロテアーゼの活性を、例えば、プロテアーゼ阻害剤のプロテアーゼへの結合により低下させることができ、これは、プロテアーゼがその基質に悪い効率で結合することを可能にし、故に、対照サンプルと比較したとき、ペプチド開裂の量を低下させる。あるいはプロテアーゼ阻害剤は、プロテアーゼの活性を、プロ−プロテアーゼのプロテアーゼへの開裂を阻害することにより低下させ得る。あるいはプロテアーゼアクティベーターは、プロテアーゼ(複数もある)の遊離を低下させ得る。
好ましくは、プロテアーゼ阻害剤は、MMP1プロテアーゼ阻害剤、MMP2プロテアーゼ阻害剤、MMP3プロテアーゼ阻害剤、MMP8プロテアーゼ阻害剤、MMP9プロテアーゼ阻害剤、MMP12プロテアーゼ阻害剤およびMMP13プロテアーゼ阻害剤から成る群から選択される。より好ましくは、プロテアーゼ阻害剤は、MMP8プロテアーゼ阻害剤、MMP9プロテアーゼ阻害剤およびMMP12プロテアーゼ阻害剤から成る群から選択される。非常に好ましい態様において、プロテアーゼ阻害剤はMMP9プロテアーゼ阻害剤である。他の非常に好ましい態様において、プロテアーゼ阻害剤はMMP13プロテアーゼ阻害剤である。さらに他の非常に好ましい態様において、プロテアーゼ阻害剤はMMP12プロテアーゼ阻害剤である。
多くのメタロプロテイナーゼ阻害剤が既知である(例えばBeckett R.P. and Whittaker M., 1998, Exp. Opin. Ther. Patents, 8(3):259-282によるMMP阻害剤のレビューを参照)。種々のクラスの化合物が、種々のメタロプロテイナーゼの阻害について、種々の効果および選択性の程度を有し得る。
ここで使用する用語“候補プロテアーゼモジュレーター”は、プロテアーゼの活性を増加させるまたはプロテアーゼの活性を低下させるいずれかの能力について評価する、任意の組成物、例えば医薬組成物を意味する。
好ましくは、候補プロテアーゼモジュレーターは候補プロテアーゼ阻害剤である。
好ましくは、候補プロテアーゼ阻害剤は、MMP1候補プロテアーゼ阻害剤、MMP2候補プロテアーゼ阻害剤、MMP3候補プロテアーゼ阻害剤、MMP8候補プロテアーゼ阻害剤、MMP9候補プロテアーゼ阻害剤、MMP12候補プロテアーゼ阻害剤およびMMP13候補プロテアーゼ阻害剤から成る群から選択される。より好ましくは、候補プロテアーゼ阻害剤は、MMP8候補プロテアーゼ阻害剤、MMP9候補プロテアーゼ阻害剤、MMP12候補プロテアーゼ阻害剤およびMMP13候補プロテアーゼ阻害剤から成る群から選択される。非常に好ましい態様において、候補プロテアーゼ阻害剤はMM9阻害剤である。他の非常に好ましい態様において、候補プロテアーゼ阻害剤はMMP13プロテアーゼ阻害剤である。さらに他の非常に好ましい態様において、候補プロテアーゼ阻害剤はMMP12プロテアーゼ阻害剤である。
別の態様において、好ましくは、候補プロテアーゼモジュレーターは、候補プロテアーゼアクティベーターである。より好ましくは、候補プロテアーゼアクティベーターは、MMP8候補プロテアーゼアクティベーター、MMP9候補プロテアーゼアクティベーターおよびMMP12候補プロテアーゼアクティベーターから成る群から選択される。
メタロプロテイナーゼは、正常な発達および生理学的組織リモデリングおよび修復に重要な役割を有すると考えられている。加えて、それらは、炎症性細胞の動態および機能の制御に重要な役割を有すると考えられている。メタロプロテイナーゼは、多くの疾患または状態と関連付けられている(例えば、Doherty et al, Expert Opin. Ther. Patents 2002;12(5):594-604参照)。1種以上のメタロプロテイナーゼの活性の阻害は、ある種の疾患または状態に有利であり得る。
メタロプロテイナーゼ阻害剤は、細胞外マトリクスの制御されない分解およびリモデリングに関連する種々の炎症性疾患および疾患の処置に使用できる。このような疾患および障害は:リウマチ性関節炎、骨関節症、痛風、全身性エリテマトーデス(SLE)、胃腸管の炎症(とりわけ炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎および胃炎)、皮膚の炎症(とりわけ乾癬、湿疹、皮膚炎)を含む。さらにメタロプロテイナーゼ阻害剤は:腫瘍増殖および転移;骨再吸収疾患(例えば骨粗鬆症およびページェット病);異常血管形成と関連する疾患;糖尿病と関連する増加したコラーゲンリモデリング;歯周病(例えば歯肉炎);角膜潰瘍;皮膚の潰瘍化;術後状態(例えば結腸吻合);皮膚創傷治癒;中枢および末梢神経系の脱髄疾患(例えば多発性硬化症);アルツハイマー病;再狭窄、アテローム性動脈硬化症(atheroscelerosis)および大動脈瘤(aortic aneurisms)のような心血管疾患において見られる細胞外マトリクスリモデリング;肝臓線維症;喘息、鼻炎、慢性気管支炎、慢性閉塞性細気管支炎、気道線維症および慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような気道疾患の処置において使用できる。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、気流閉塞または制限により特徴付けられる一群の呼吸器疾患を言う用語である。用語“COPD”により包含される状態は、慢性気管支炎、気腫および気管支拡張症を含む。COPDは頻脈(速い心拍)、発作、昏睡、呼吸停止および死をもたらし得る。COPDはまた増悪により特徴付けられ、それは典型的に慢性症状の急激な悪化と共に起こる。古典的に、増悪は、息切れ、喘鳴、および痰産生の増加により顕著である。COPDは、通常喫煙が原因である。
サンプル
好ましくは、サンプルはエキソビボサンプルである。
好ましくは、サンプルは生体液である。
好ましくは、サンプルは哺乳動物生体液である。より好ましくは、サンプルは:尿、全血、血漿、血清、滑液、唾液、痰、気管支肺胞液、脳脊髄液、鼻汁、肺内層液、涙液および皮膚水疱液から成る群から選択される。
別の態様において、サンプルは:組織切片、生検サンプル、細胞培養、および均質化組織から成る群から選択される。より好ましくは、サンプルは細胞培養または均質化組織である。
一つの態様において、好ましくは、サンプルはプロテアーゼモジュレーターで処置した対象から得る。
別の態様において、好ましくは、サンプルを、該サンプルを対象から得た後にプロテアーゼモジュレーターで処理する。
他の態様において、好ましくは、サンプルを候補プロテアーゼモジュレーターで処置した対象から得る。
別の態様において、好ましくは、サンプルを、該サンプルを対象から得た後、候補プロテアーゼモジュレーターで処理する。
ここで使用する用語“プロテアーゼとプロテアーゼモジュレーターを接触させる”は、プロテアーゼモジュレーターで処理するサンプルを意味する。サンプルを、プロテアーゼモジュレーターで処置している対象から得てよい − 例えば、患者は、プロテアーゼ阻害剤である医薬組成物のコースにある。あるいは、サンプルはエキソビボサンプル(例えば生体液、生検サンプルまたは細胞培養)であってよく、それをプロテアーゼモジュレーターとインビトロで混合する − 例えば、サンプルを、プロテアーゼモジュレーターである医薬組成物を受けていない患者から得てよい。
ここで使用する用語“プロテアーゼと候補プロテアーゼモジュレーターを接触させる”は、候補プロテアーゼモジュレーターで処理するサンプルを意味する。サンプルは、エキソビボサンプル(例えば体液、生検サンプルまたは細胞培養)であってよく、それを候補プロテアーゼモジュレーターとインビトロで混合する − 例えば、サンプルを、医薬組成物での処置を受けていない患者から得てよい。あるいは、サンプルを、候補プロテアーゼモジュレーターで処置されている対象から得てよい − 例えば、患者は、候補プロテアーゼ阻害剤である医薬組成物のコースにある。
ここで使用する用語“プロテアーゼモジュレーターの効果を測定する”は、プロテアーゼモジュレーターと接触しているサンプル(複数もある)と、プロテアーゼモジュレーターと接触していないサンプル(複数もある)および/または異なるプロテアーゼモジュレーターと接触しているサンプル(複数もある)の比較を意味する。
プロテアーゼ阻害剤は、未処理サンプルと比較したとき、あるサンプルである時間において、低いプロテアーゼ活性をもたらす。本発明においてサンプル中のプロテアーゼ活性を、サンプルと式(1)を有する基質を混合し、ある時間でのレポーターH−X−Rの産生を検出することによりモニターする(効力の試験について、反応を完了まで進行させてはならない)。それ故に、プロテアーゼ阻害剤で処理したサンプルは、未処理サンプルと比較したとき、ある時間で少ないレポーターの存在をもたらす。さらに、異なるプロテアーゼ阻害剤(第二プロテアーゼ阻害剤)で処理したサンプルと比較したときに、ある時間で少ないレポーターの産生をもたらすプロテアーゼ阻害剤(第一プロテアーゼ阻害剤)で処理したサンプルは、第一プロテアーゼ阻害剤が、第二プロテアーゼ阻害剤よりもより有効なプロテアーゼ阻害剤であることを証明し、逆もそうである。
プロテアーゼアクティベーターは、未処理サンプルと比較したとき、あるサンプルで、ある時間において、高いプロテアーゼ活性をもたらす。本発明においてサンプル中のプロテアーゼ活性を、サンプルと式(1)を有する基質を混合し、ある時間でのレポーターH−X−Rの産生を検出することによりモニターする(効力の試験について、反応を完了まで進行させてはならない)。それ故に、プロテアーゼアクティベーターで処理したサンプルは、未処理サンプルと比較したとき、ある時間で多いレポーターの存在をもたらす。さらに、異なるプロテアーゼアクティベーター(第二プロテアーゼアクティベーター)で処理したサンプルと比較したときに、ある時間で多いレポーターの産生をもたらすプロテアーゼアクティベーター(第一プロテアーゼアクティベーター)で処理したサンプルは、第一プロテアーゼアクティベーターが、第二プロテアーゼアクティベーターよりもより有効なプロテアーゼアクティベーターであることを証明し、逆もそうである。
ここで使用する用語“候補プロテアーゼモジュレーターの効果を測定する”は、候補プロテアーゼモジュレーターと接触しているサンプル(複数もある)と、候補プロテアーゼモジュレーターと接触していないサンプル(複数もある)および/または既知プロテアーゼモジュレーターと接触しているサンプル(複数もある)の比較を意味する。
本発明においてサンプル中のプロテアーゼ活性を、サンプルと式(1)を有する基質を混合し、ある時間でのレポーターH−X−Rの産生を検出することによりモニターする(効力の試験について、反応を完了まで進行させてはならない)。それ故に、所望の候補プロテアーゼ阻害剤で処理したサンプルは、未処理サンプルと比較したとき、ある時間で少ないレポーターの存在をもたらす。さらに、既知プロテアーゼ阻害剤で処理したサンプルと比較したときに、ある時間で少ないレポーターの産生をもたらす候補プロテアーゼ阻害剤で処理したサンプルは、該候補がより有効なプロテアーゼ阻害剤であることを証明し、逆もそうである。しかしながら、所望の候補プロテアーゼアクティベーターで処理したサンプルは、未処理サンプルと比較したとき、ある時間で多いレポーターの存在をもたらす。さらに、既知プロテアーゼアクティベーターで処理したサンプルと比較したときに、ある時間で多いレポーターの産生をもたらす候補プロテアーゼアクティベーターで処理したサンプルは、該候補がより有効なプロテアーゼアクティベーターであることを証明し、逆もそうである。
ここで使用する用語“疾患または障害を診断する”は、対象からのサンプルにおけるプロテアーゼの活性のレベルを測定し、プロテアーゼの活性のレベルを、該疾患または障害を有することが既知の対象(複数もある)からのサンプルおよび該疾患または障害を有しない対象(複数もある)からのサンプルにおけるプロテアーゼの活性のレベルと比較することを意味する。例えば、COPDの対象、喫煙対象および非喫煙対象由来のサンプルにおけるMMP9活性のレベルを測定し、比較できる。喫煙し、そしてCOPDの初期段階にある対象を、こうして検出できる。
ここに記載した方法はまた対象における一定期間の疾患進行の測定にも使用できる。
さらにここに記載した方法は、プロテアーゼモジュレーターで処置した対象の応答の測定に使用できる。
他の局面において、ここに記載した方法は、疾患または障害の進行を停止するまたは疾患または障害の進行を逆転させるような有利な効果を達成するために、対象に投与すべきプロテアーゼモジュレーターの量(すなわち投与量)の決定に使用できる。
好ましくは、疾患または障害は:リウマチ性関節炎、骨関節症、痛風、全身性エリテマトーデス(SLE)、胃腸管の炎症(とりわけ炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎および胃炎)、皮膚の炎症(とりわけ乾癬、湿疹、皮膚炎)、腫瘍増殖、腫瘍転移;骨再吸収疾患(例えば骨粗鬆症およびページェット病);異常血管形成と関連する疾患;糖尿病と関連する増加したコラーゲンリモデリング;歯周病(例えば歯肉炎);角膜潰瘍;皮膚の潰瘍化;術後状態(例えば結腸吻合);皮膚創傷治癒;中枢および末梢神経系の脱髄疾患(例えば多発性硬化症);アルツハイマー病;アテローム性動脈硬化症および大動脈瘤のような心血管疾患において見られる細胞外マトリクスリモデリング;肝臓線維症;喘息、鼻炎、慢性気管支炎、慢性閉塞性細気管支炎、気道線維症および慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような気道疾患から成る群から選択される。
好ましくは、疾患または障害は:リウマチ性関節炎、骨関節症;多発性硬化症;喘息、鼻炎、慢性気管支炎、慢性閉塞性細気管支炎、気道線維症および慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような気道疾患から成る群から選択される。
より好ましくは、疾患または障害は骨関節症、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。
一つの非常に好ましい態様において、疾患または障害は骨関節症である。
他の非常に好ましい態様において、疾患または障害は慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。
実施例
本発明を、例示の方法で、以下の構造式および図を参照してさらに記載する:
4−ニトロアニリンの構造式
Figure 2009533052
1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α(4−ニトロフェニルアミノ)−L−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチルの構造、レポーターを産生するために基質が開裂される結合を強調。
Figure 2009533052
[ 13 C]6−4−ニトロアニリンの構造
Figure 2009533052
図1. 種々の濃度のザイモサンで全血を刺激した後に健常ボランティアから得た4−ニトロアニリンの平均濃度プロファイル。
図2. 種々の濃度のザイモサンで全血を刺激した後に喫煙者から得た4−ニトロアニリンの平均濃度プロファイル。
図3. 種々の濃度のザイモサンで全血を刺激した後にCOPD患者から得た4−ニトロアニリン平均濃度プロファイル。
本実施例で使用する略語は以下を含む:
Figure 2009533052
実施例1 基質の製造
材料および方法
本実施例において、H−NMRおよび13C−NMRスペクトルをVarian UnityInova 400MHzまたはVarian Mercury-VX 300MHz装置のいずれかで記録した。ジメチルスルホキシド−d 2.50ppm、δ 39.5ppm)、アセトニトリル−d 1.95ppm、δ 118.2、1.3ppm)、メタノール−d 3.31ppm、δ 49.0ppm)またはピリジン−d 8.71、7.55、7.19ppm、δ 149.9、135.5、123.5ppm)の中央溶媒ピークを内部参照として使用した。低解像度マススペクトルを、APCIイオン化チャンバーまたはESイオン化チャンバーを備えたAgilent 1100 LC-MSシステムで得た。
薄層クロマトグラフィーを、ガラスプレート上に吸着させたシリカゲル60 F254を有するMerckから得たTLCプレートを使用して行った。ゼーバッハ溶液を使用してTLCスポットを可視化し、25g ホスホモリブデン酸、10g Ce(SO).HO、60mL 濃HSOおよび940mL HOから調製した。
粒子径0.040−0.063mmのシリカゲル60をMerckから得た。
HPLCは、Gilson分析または半分取系を使用して行った。本実施例で使用した条件は以下の通りである。
・ HPLC系A:Kromasil KR-100-7-C18、250x20mmカラム、62%MeOH/HOのアイソクラチック溶媒系、6mL/分の溶媒流速。および検出用UV=220nm。
・ HPLC系B:Kromasil 100-C18-5μm 150x4.6mmカラム。溶媒A:HO/MeOH(=80/20)B:MeOH。20%Bから90%Bへの20分勾配を使用、流速0.6 mL/分および検出用UV=220nm。
・ HPLC系C:Kromasil 100-C18-5μm 150x4.6mmカラム。溶媒A:HO+0.1%TFA B:MeCN+0.1%TFA。10%Bから90%Bの15分勾配を使用、流速1mL/分および検出用UV=220nm。
・ HPLC系D:Kromasil 100-5C-18、250x20mm、流速:6.0ml/分、溶離剤:75%MeOH、25%HO、UV=220nm。
・ HPLC系E:Kromasil KR-100-5-C18、250x20mmカラム、82%MeOH/HOのアイソクラチック溶媒系、6mL/分の溶媒流速。および検出用UV=220nm。
・ HPLC系F:Kromasil 100-C18-5μm 150x4.6mmカラム、80%MeOH/HOのアイソクラチック溶媒系、1mL/分の溶媒流速。および検出用UV=220nm。
・ HPLC系G:Kromasil KR-100-5-C18、250x20mmカラム、85%MeOH/HOのアイソクラチック溶媒系、6mL/分の溶媒流速。および検出用UV=220nm。
・ HPLC系H:Kromasil 100-C18-5μm 150x4.6mmカラム、85%MeOH/HOのアイソクラチック溶媒系、1mL/分の溶媒流速。および検出用UV=220nm。
・ HPLC系I:Kromasil 100-C18-5μm 150x4.6mmカラム、30分勾配、5%MeCN/HO+0.1%TFAから100%MeCN+0.1%TFA、1mL/分の溶媒流速。および検出用UV=220nm。
・ HPLC系J:Kromasil 100-C18-10μm 250x50mmカラム、アイソクラチック52%MeCN/HO、50mL/分の溶媒流速。および検出用UV=254nm。
・ HPLC系K:Kromasil 100-C18-5μm 150x4.6mmカラム、20分勾配、5%MeCN/HOから60%MeCN、次いでアイソクラチック60%MeCN、1mL/分の溶媒流速。および検出用UV=254nm。
全溶媒および市販試薬は研究室グレードであり、受け取ったまま使用した。市販されていない試薬は、当分野で既知の方法を使用して合成した。
実施例1.1 基質の製造:1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチル。
Figure 2009533052
a)9H−フルオレン−9−イルメチル(2−アミノ−2−オキソエチル)カルバメート。(=Fmoc−Gly−NH)
グリシンアミドヒドロクロライド(11.05g;100mmol)およびNaHCO(16.8g;200mmol)を水(150mL)に溶解し、CO(g)が形成されなくなったとき、透明溶液が得られた。アセトン(100mL)を添加し、溶液を氷/水浴で冷却した。Fmoc−N−ヒドロキシスクシンイミド(32g;95mmol)をアセトン(400mL)に溶解し、反応混合物にゆっくり添加し、スラリーを形成した。添加完了後、冷浴を除き、スラリーを室温で3日間撹拌した。溶媒を蒸発により除去し、残った無色固体を水(1L)に懸濁させた。スラリーを1時間撹拌し、固体生成物を濾過により回収し、水(2x500mL)で洗浄した。減圧下、+30℃で定量になるまで乾燥させた。
28.1g(100%収率)の副題化合物を無色固体として得た。
HPLC系C:R=10.09分、純度97%。
APCI-MS m/z:297.2 [MH+]
1H-NMR(CD3OD):δ 7.80(2H,d), 7.67(2H,d), 7.39(2H, t), 7.31(2H, t), 4.39(2H,d), 4.23(1H, t), 3.76(2H, s)ppm。
b)N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシン
Fmoc−Gly−NH(14g;47mmol)およびグリオキシル酸一水和物(8.7g;94mmol)をアセトン(400mL)およびHO(5mL)に懸濁した。スラリーを加熱還流して、わずかに不透明な溶液を形成させた。48時間後、さらにグリオキシル酸一水和物(8.7g;94mmol)を添加し、還流をさらに24時間続けた。アセトンの蒸発により油状物を得て、それをHO(200mL)で処理し、得られるスラリーをEtOAc(3x200mL)で抽出した。有機相を次いで5%NaHCO(水性)(400mL+200mL+100mL)で抽出した。有機相を廃棄した。所望の中間体N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル−α−R,S−(ヒドロキシ)−グリシンを含む塩基性水相を、濃HClを使用して注意深くpH1−1.5に酸性化し、スラリーを形成した。酸性水相をEtOAc(4x200mL)で抽出し、有機相を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、泡沫油状物を得た。この油状物をDCM(200mL)で処理し、得られる固体物質を濾過により回収した。固体物質をMeOHおよびTHFに再溶解し、蒸発させて、N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル−α−R,S−(ヒドロキシ)−グリシンの粗生成物を得た。この粗生成物をさらに精製せず、それを直接得られたまま次工程に使用した。14.4gの粗中間体を無色固体として得た。純度を、HPLC系Cを使用して測定した:R=9.56分、純度68%。
粗N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル−α−R,S−(ヒドロキシ)−グリシン(14.4g)をAcOH(250mL)および濃HSO(2.5mL)に溶解した。エタンチオール(15mL;0.2mol)を撹拌している溶液に室温で添加した。21時間後、反応混合物を1Lの破砕氷にゆっくり注ぎ、固体が形成され、氷が溶けたとき、スラリーを得た。固体生成物を濾過により回収し、水(250mL)で洗浄した。固体物質を次いでEtO、続いてヘプタンおよび最後に再びEtOで洗浄し、その後それを減圧下定量になるまで乾燥させた。
10.2g(52%)の副題化合物を無色固体として得た。
HPLC系C:R=11.46分、純度92.5%。
APCI−MS m/z:415.2 [MH]
1H-NMR(DMSO-D6):δ 13.23(1H, brs), 8.63(1H, d), 7.89(2H, d), 7.71(2H, d), 7.55(1H, t), 7.42(2H, t), 7.33(2H, t), 5.36(1H, d), 4.28(2H, d), 4.23(1H, t), 3.70(2H, d), 2.62(2H, m), 1.78(3H, t)ppm。
13C-NMR(DMSO-D6):δ 169.60, 168.59, 156.26, 143.65, 140.53, 127.47, 126.92, 125.08, 119.96, 65.66, 52.76, 46.58, 43.07, 23.93, 14.49ppm。
c)1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチル
副題化合物を、一部、PioneerTMペプチド合成系を使用して、Tenta Gel S PHB Leu Fmocを出発点として固相上で合成した。Fmoc−アミノ酸で使用するために開発された標準ペプチドカップリングプロトコールは以下である。
N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシンを1,3−ジイソプロピルカルボジイミドで活性化させた。市販されているFmoc−L−Leu−OPfpおよびFmoc−L−プロ−OPfpを使用した。N−アシル化を、25%酢酸無水物および5%ピリジン含有DMF溶液を使用して行った。1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシル−L−ロイシンを95%TFA/HOを使用して樹脂から溶離し、凍結乾燥した。β−アラニンメチルエステルとの最終カップリングを、HATUおよびDIEAとDMF中で行った。最終ペプチドの精製を、Kromasil KR-100-7-C18、250x50.8mmカラムのGilson分取HPLC系で行った。最終ペプチドを凍結乾燥し、ESイオン化チャンバーを備えたAgilent 1100 LC-MS系で分析した。Waters Symmetryカラム、C18 5μm 2.1x30mm、UV=220nm、10−90%MeCN/HO+0.1%TFAの10分勾配および流速=0.6mL/分を使用した。ジアステレオマー混合物をさらに精製せずに使用した。
=4.54分。ES−MS m/z:643.3 [MH]
=4.67分。ES−MS m/z:643.3 [MH]
d)1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R,S−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチル
1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチル(500mg;0.78mmol)および4−ニトロアニリン(215mg;1.56mmol)をDCM(20mL)およびTHF(15mL)に溶解し、黄色不透明溶液を得た。Åモレキュラー・シーブを添加し、混合物を室温でアルゴンの保護雰囲気下60分間撹拌した。N−ヨードスクシンイミド(197mg;0.88mmol)およびTfOH(2μl;22μmol)を添加した。反応を室温で2.5時間撹拌した。
反応を10%Na(水性)(15mL)を使用してクエンチし、DCM(30mL)を使用して分液漏斗に移した。塩水を添加し、下部黄色有機相を分離した。水相を無色になるまでDCMで抽出した。合わせた黄色有機溶液をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。
残った物質を小量のDCMに溶解し、短Si−60ゲルカラム上に添加し、不純物 − 未反応4−ニトロアニリンを含む − をEtOAcを使用して流し、次いで生成物をEtOAc/MeOH=5/3およびMeOHを使用して流した。溶媒の蒸発により黄色固体を得た。この物質を再び短Si−60ゲルカラムを通して濾過した(上記の通り)。
339mgの粗生成物を2個のジアステレオマーの混合物として得た。
TLC(Si−60、DCM/IPA=9/1) R=0.48およびR=0.32の2個の長い黄色スポット。
この生成物は酸性条件に不安定である。
e)1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチル
1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R,S−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチル(339mg)の粗ジアステレオマー混合物をHPLC系Aを使用して分離し、さらに精製した。
“速い”ジアステレオマーを39−45分のフラクション中に回収し、“遅い”ジアステレオマーを54−62分のフラクション中に回収した。
MeOHの蒸発および水残渣の凍結乾燥により、表題化合物およびそのジアステレオマーを黄色粉末として得た。
生成物は酸性条件に不安定である。
“速く”溶出するジアステレオマーは、それがMMPにより急速に開裂して4−ニトロアニリンを遊離し、一方、“遅い”ジアステレオマーはしなかったため、“L様”R−立体化学を有すると仮定した。
127mg(22%)の“速い”L様ジアステレオマー、表題化合物を得た。
HPLC系B:R=16.07分。>99%純度。
TLC(Si-60, DCM/IPA=9/1):RF=0.31
1H-NMR(CD3CN):δ 8.06(2H, d), 7.68(1H, d), 7.65(1H, t), 7.36(1H, d), 7.13(1H, d), 6.92(1H, brt), 6.79(2H, d), 6.41(1H, d), 5.69(1H, t), 4.25(1H, q), 4.11(1H, dt), 4.02(1H, dd), 3.89(1H, dd), 3.67(1H, dd), 3.62(1H, m), 3.61(3H, s), 3.49(1H, m), 3.37(2H, m), 2.47(2H, t), 2.11(1H, m), 2.03(3H, s), 1.96-1.83(3H, m), 1.68-1.50(6H, m), 0.93-0.84(12H, m)ppm.
13C-NMR(CD3CN):δ 174.63, 173.86, 172.84, 172.45, 172.34, 171.36, 168.29, 152.11, 139.70, 126.62, 113.44, 62.07, 61.27, 53.99, 53.39, 52.10, 49.23, 43.69, 41.50, 39.71, 35.93, 34.48, 30.20, 25.65, 25.56, 25.32, 23.41, 23.20, 22.96, 21.84, 21.39ppm
95mg(17%)の“遅い”D様ジアステレオマーを得た。
HPLC系B:R=16.98分。>99%純度。
TLC(Si−60、DCM:IPA=9:1):R=0.46
1H-NMR(CD3CN):δ 8.06(2H, d), 7.78(1H, d), 7.69(1H, brt), 7.63(1H, d), 7.22(1H, d), 7.02(1H, brt), 6.81(2H, d), 6.47(1H, d), 5.80(1H, t), 4.28-4.17(3H, m), 3.75(2H, d), 3.65(3H, s), 3.63(1H, m), 3.52(1H, m), 3.46(1H, m), 3.34(1H, m), 2.52(2H, dt), 2.20(1H, m), 1.97(2H, m), 1.94(1H, m), 1.89(3H, s), 1.82-1.50(6H, m), 0.98-0.82(12H, m)ppm
13C-NMR(CD3CN):δ 175.00, 174.90, 173.06, 172.91, 172.68, 171.24, 168.71, 152.56, 139.63, 126.84, 113.21, 62.18, 60.72, 53.81, 52.85, 52.25, 49.36, 44.73, 41.19, 38.94, 36.18, 34.48, 30.54, 25.72, 25.66, 25.60, 23.46, 23.38, 22.81, 21.63, 21.58ppm。
実施例1.2 基質の製造:1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチル。
Figure 2009533052
a)N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチル
N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシン(2.09g;5.04mmol)をDMF(75ml)に溶解し、HBTU(2.87g;7.57mmol)およびDIEA(0.9ml;5.26mmol)を添加した。この溶液に、L−ロイシル−グリシンメチルエステルヒドロクロライド(1.37g;5.74mmol)およびさらにDIEA(1.9ml;11.1mmol)を添加した。わずかに黄色の混合物を室温で5時間撹拌し、赤色反応混合物を蒸発させてDMFを除去し、得られる赤色油状物をEtOAcに溶解し、5%KHSO、塩水、5%NaHCOおよび塩水で洗浄し、その後NaSOで乾燥させた。
濾過および蒸発後、オレンジ色油状粗生成物を、溶離剤としてEtOAc:ヘプタン(5:2)と共にSi−60ゲルフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製した。副題化合物をわずかに黄色の油状物として回収し、それはエーテルに溶解し、蒸発させたときに、泡状物となり、それはわずかに黄色の粉末に固化し、2個の可能なジアステレオマーの1:1混合物として2.31g(77%)を得た。
TLC Si−60、EtOAc:ヘプタン(5:1)R=0.37+0.39
1H-NMR(CDCl3):δ 8.59+8.46(tot 1H, d+d), 7.90+7.83(tot 1H, brt+brt), 7.75-7.70(3H, brd), 7.59+7.56(tot 2H, d+d), 7.37(2H, t), 7,28(2H, m), 6.61+6.33(tot 1H, brt+brt), 5.99+5.91(tot 1H, d+d), 4.90-4.75(1H, m), 4.46-3.76(7H, m), 3.54+3.50(tot 3H, s+s), 2.83-2.59(2H, m), 1.80-1.60(3H, m), 1.30-1.16(3H, m), 0.98-0.88(6H, m)ppm。
13C-NMR(CDCl3):δ 172.49+172.16, 169.88+169.86, 168.78+168.70, 168.20+168.09, 156.78+156.70, 143.95+143.84+143.70+143.62, 141.18+141.17+141.13, 127.67, 127.03, 125.16+125.12+125.08, 119.90, 67.33, 54.46+54.25, 52.06, 51.90+51.60, 46.98, 44.33+44.25, 42.25+42.13, 41.05+40.95, 24.70+24.57, 24.29+23.77, 23.02+22.63+22.46+21.99, 14.35+14.27ppm。
b)グリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチルヒドロクロライド
N−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]グリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチル(2.80g;4.68mmol)をDMF(100ml)に溶解し、20%ピペリジン/DMF溶液(60ml)を添加した。反応をTLC Si−60、EtOAc:ヘプタン(4:1)で追跡し、20分後、反応が完了した。反応混合物を蒸発させ、残渣を最小量のDCMに溶解し、さらにDCMを使用してSi−60ゲルを通し、速く移動する不純物を洗い流し、次いで、遊離塩基としての生成物を溶媒としてMeOHを使用してシリカゲルから抽出した。次いで生成物をHCl/エーテルで処理し、副題化合物を定量的収量で得た。
わずかに黄色の生成物は吸湿性であり、空気に触れると粘性になる。
1H-NMR(ピリジン-d5):δ 10.47+10.20(tot 1H, d+d), 10.12+9.92(tot 1H, d+d), 9.91+9.75(tot 1H, t+t), 9.55-9.00(3H, brs), 6.46+6.42(tot 1H, d+d), 5.27-5.16(1H, m), 4.76+4.73+4.61(tot 2H, s+d+d), 4.36-4.14(tot 2H, m), 3.48(3H, s), 2.95-2.74(2H, m), 2.12-1.92(3H, m), 1.14+1.09(tot 3H, t+t), 0.94+0.85+0.83(tot 6H,d+d+d)ppm。
13C-NMR(ピリジン-d5):δ 173.60+173.44, 171.03+170.91, 168.79+168.69, 167.50+167.25, 55.63+55.39, 52.97+52.82, 51.77+51.74, 42.13+41.87, 41.99+41.49, 41.81+41.38, 25.12+25.08, 24.79+24.49, 23.33+23.13, 22.01+21.72, 14.76+14.64ppm。
c)1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチル
グリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチルヒドロクロライド(106mg;0.26mmol)、N−アセチル−L−プロリル−L−ロイシン(74mg;0.27mmol)およびHBTU(159mg;0.42mmol)をDMF(5ml)に溶解した。撹拌しているわずかに黄色の溶液に、DIEA(0.14ml;0.82mmol)を添加し、反応を室温で21時間進行させた。暗赤色溶液を蒸発させて溶媒を除去し、赤色油状残渣をDCM(50ml)に溶解し、5%KHSO(3x40ml)、塩水(50ml)、5%NaHCO(3x40ml)および塩水(50ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過および蒸発させて赤色固体粗生成物(103mg)を得た。これを、Si−60ゲルフラッシュクロマトグラフィーで、速く移動する不純物が回収されるまで溶離剤としてDCM:IPA(10:1)を使用し、次いで、溶離剤をDCM:IPA(10:2)に変えて精製した。生成物含有フラクションを回収し、蒸発させて、副題化合物(77mg、47%)をわずかに黄色の粉末として得た。
分析HPLC系:カラムKromasil 100-5C18、150x4.6mm、流速1.0ml/分、100%HO:MeOH 80:20(0−0.5分)、100%MeOH(0.5−6分)、100%MeOH(6−7分)に勾配、UV=220nm。
ジアステレオマーはRt=6.40および6.62分を有する。
1H-NMR(ピリジン-D5):δ 9.98-9.10(5H, m), 6.36+6.22(tot 1H, d+d), 5.15-5.04(1H, m), 5.04-4.90(1H, m), 4.75-4.58(1H, m), 4.50-4.00(4H, m)3.55+3.54(tot 3H, s+s), 3.51-3.39+3.29-3.16(1H+1H, m+m), 2.91-2.70(2H, m), 2.35-1.52(10H, m), 1.91(3H, s), 1.20-1.02(3H, m), 0.92-0.62(12H, m)ppm。
13C-NMR(ピリジン-D5):δ 173.88, 173.85, 173.34, 173.49, 173.29, 173.24, 170.96, 170.84, 170.46, 170.33, 169.74, 169.44, 168.93, 168.79, 60.92, 60.85, 55.47, 55.22, 52.59, 52.51, 52.42, 52.40, 51.80, 51.79, 48.42, 48.38, 43.54, 43.50, 41.76, 41.75, 41.48, 41.48, 40.84, 40.77, 29.88, 29.82, 25.21, 25.21, 25.09, 25.05, 24.95, 24.94, 24.71, 24.38, 23.23, 23.19, 23.16, 22.99, 22.53, 22.50, 21.91, 21.63, 21.60, 21.57, 14.78, 14.78ppm。
d)1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチル
1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチル(0.10g;0.16mmol)のジアステレオマー混合物をDCM(9ml)およびDMF(1ml)に溶解して、わずかに黄色の溶液を得た。p−ニトロアニリン(0.03g;0.24mmol)および粉砕3A モレキュラー・シーブを添加した。黄色溶液を室温で2時間窒素下撹拌した。乾燥THF(1ml)に溶解したN−ヨードスクシンイミド(0.05g;0.21mmol)を添加し、直接、続いてトリフルオロメタンスルホン酸(2μl;22μmol)を添加した。反応をTLC、Si−60、DCM:IPA(10:1)で追跡した。3時間後、赤色反応混合物を濾過してモレキュラー・シーブを除去し、フィルターケーキをDCMおよびMeOHで洗浄し、その後溶媒を蒸発させ、残渣をDCMに溶解し、10%Na(20ml)で洗浄し、黄色相を分離し、黄色水相を1回DCM(10ml)で逆抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、溶媒を蒸発させて、黄色粗生成物を得た。精製およびジアステレオマーの分離を以下の方法に従い行った。粗生成物を最初に溶離剤としてDCM:IPA(10:1)を使用するSi−60ゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、2個のジアステレオマーを分離した。生成物含有フラクションを、次いで逆相HPLC系Dを使用してさらに精製し、ジアステレオマーを12.58分および15.17分で回収した。
MeOHの蒸発および水残渣の凍結乾燥により、表題化合物およびそのジアステレオマーを黄色粉末として得た。
生成物は酸性条件に不安定である
“速く”溶出するジアステレオマーは、それがMMPにより急速に開裂して4−ニトロアニリンを遊離し、一方、“遅い”ジアステレオマーはしなかったため、“L様”R−立体化学を有すると仮定した。
10mg(9%)の“速い”L様ジアステレオマー、表題化合物を得た。
HPLC系D:Rt=12.58分。
TLC(Si−60、DCM:IPA=10:1):R=0.27
1H-NMR(ピリジン-D5):δ 9.89(1H, d), 9.57(1H, t), 9.48(1H, d), 9.24(1H, d), 9.23(1H, t), 8.19(1H, d), 8.10(2H, d), 6.97(2H, d), 6.44(1H, t), 5.16-5.06(1H, m), 4.95-4.88(1H, m), 4.65-4.59(1H, m), 4.43-4.10(4H, m), 3.55(3H, s), 3.50-3.43+3.26-3.18(1H+1H, m+m), 2.30-1.55(10H, m), 1.90(3H, s), 0.85-0.72(12H, m)ppm。
13C-NMR(ピリジン-D5):δ 173.82, 173.58, 173.33, 171.02, 170.93, 170.66, 168.76, 152.54, 138.89, 126.31, 112.91, 61.14, 61.02, 52.78, 52.74, 51.81, 48.45, 43.45, 41.47, 41.42, 40.29, 29.94, 25.23, 25.09, 24.96, 23.16, 23.14, 22.52, 21.77, 21.49ppm。
18mg(16%)の“遅い”D様ジアステレオマーを得た。
HPLC系D:Rt=15.17分。
TLC(Si−60、DCM:IPA=10:1):R=0.48
1H-NMR(ピリジン-D5):δ 9.50(1H, d), 9.34(1H, t), 9.22(1H, d), 9.18(1H, t), 9.05(1H, d), 8.18(1H, d), 8.11(2H, d), 7.04(2H, d), 6.63(1H, t), 5.09-5.00(1H, m), 4.89-4.80(1H, m), 4.68-4.61(1H, m), 4.41-4.32+4.25-4.13(2H+2H, m+m), 3.58(3H, s), 3.54-3.46+3.29-3.20(1H+1H, m+m), 2.22-1.66(10H, m), 1.91(3H, s), 0.88-0.74(12H, m)ppm。
13C-NMR(ピリジン-D5):δ 174.36, 173.61, 173.48, 170.99(2C), 170.86, 168.99, 152.71, 138.95, 126.38, 112.93, 61.04, 60.82, 52.99, 52.33, 51.84, 48.47, 43.95, 41.59, 41.26, 39.82, 29.85, 25.19, 25.10, 25.00, 23.12(2C), 22.42, 21.68, 21.56ppm。
実施例1.3 基質の製造:1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−S−(ビフェニル−4−イルメトキシ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチル
1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチル(30mg;0.048mmol)のジアステレオマー混合物をDCM(2mL)およびDMF(0.3mL)に溶解した。ビフェニル−4−イルメタノール(14.5mg;0.079mmol)および破砕3A モレキュラー・シーブを添加した。スラリーを室温で40分間窒素下で撹拌した。乾燥THF(0.2mL)に溶解したN−ヨードスクシンイミド(12mg;0.053mmol)を添加し、続いてトリフルオロメタンスルホン酸(0.001mL;0.011mmol)を添加した。褐色赤色スラリーを室温で3.5時間撹拌した。
反応を10%Na(2mL)の添加によりクエンチし、無色混合物を濾過し、DCM(2mL)の添加により希釈し、有機相を分離した。水相をDCM(2x2mL)で抽出し、合わせた有機相を3Å モレキュラー・シーブで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、粗生成物を得た。精製をHPLC系Eを使用して行った。
生成物は酸性条件に不安定である
“遅く”溶出するジアステレオマーは、それがMMPにより急速に開裂してビフェニル−4−イルメタノールを遊離し、一方、“速い”ジアステレオマーはしなかったため、“L様”R−立体化学を有すると仮定した。
6.5mgの“遅い”L様ジアステレオマー、表題化合物を得た。
HPLC系F:Rt=4.64分。
1H-NMR(ピリジン-D5):δ 9.82(1H. d), 9.46(1H, t), 9.35(1H, d), 9.33(1H, t), 9.09(1H, d), 7.65-7.47(6H, m), 7.43(2H, t), 7.33(1H, t), 6.31(1H, d), 5.12(1H, m), 4.95(1H, m), 5.00+4.85(1H+1H, d+d), 4.69(1H, dd), 4.45(2H, ddd), 4.31+4.12(1H+1H, dd+dd), 3.53(3H, s), 3.49+3.22(1H+1H, m+m), 2.33-1.54(10H, m), 1.95(3H, s), 0.88-0.70(12H, m)ppm。
10mgの“速い”D様ジアステレオマーを得た。
HPLC系F:Rt=4.30分。
1H-NMR(ピリジン-D5):δ 9.88(1H, d), 9.66(1H, t), 9.25(1H, d), 9.15(1H, t), 9.12(1H, d), 7.65-7.50(6H, m), 7.43(2H, t), 7.33(1H, t), 6.30(1H, d), 5.13(1H, m), 5.01(1H, m), 4.99+4.84(1H+1H, d+d), 4.71(1H, dd), 4.47+4.32(1H+1H, dd+dd), 4.37+4.18(1H+1H, dd+dd), 3.54(3H, s), 3.46+3.21(1H+1H, m+m), 2.30-1.60(10H, m), 1.92(3H, s), 0.88-0.70(12H, m)ppm。
実施例1.4 基質の製造:1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−[4−(5−p−トリル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−フェニルアミノ]−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチル
Figure 2009533052
実施例1.3に記載の方法に従い、粗生成物を得て、それを以下の通りさらに精製した。粗ジアステレオマー混合物をDCMに溶解し、Si−60カラムに添加し、次いでEtOAcを使用して、未反応4−(5−p−トリル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−フェニルアミンを含む速く移動する不純物を洗い流した。次いで生成物をEtOAc:MeOH=5:1で溶出し、TLC(Si−60)Rf=0.27。
TLC(Si−60、DCM:IPA=8:1)Rf=0.3+0.5
ジアステレオマーの分離をHPLC系Gを使用して行った。
速く溶出するジアステレオマーを12.75分に回収した。
遅く溶出するジアステレオマーを15.22分に回収した。
MeOHの蒸発および水残渣の凍結乾燥により、表題化合物およびそのジアステレオマーを無色粉末として得た。
生成物は酸性条件に不安定である
“速く”溶出するジアステレオマーは、それがMMPにより急速に開裂して4−(5−p−トリル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−フェニルアミンを遊離し、一方、“遅い”ジアステレオマーはしなかったため、“L様”R−立体化学を有すると仮定した。
14.4mg(36%)の“速い”L様ジアステレオマー、表題化合物を得た。
HPLC系H:Rt=2.64分。
TLC(Si−60、DCM:IPA=8:1):R=0.3
1H-NMR(ピリジン-D5):δ 9.85(1H, d), 9.55(1H, t), 9.40(1H, d), 9.24(1H, t), 9.23(1H, d), 8.10(2H, d), 8.02(2H, d), 7.48(1H, d), 7.28(2H, d), 7.12(2H, d), 6.47(1H, t), 5.13(1H, m), 4.94(1H, m), 4.63(1H, dd), 4.39(2H, d), 4.35+4.18(1H+1H, dd+dd), 3.56(3H, s), 3.46+3.22(1H+1H, m+m), 2.24(3H, s), 1.92(3H, s), 2.20-1.65(10H, m), 0.88-0.70(12H, m)ppm。
3.1mg(8%)の“遅い”D様ジアステレオマーを得た。
HPLC系H:Rt=3.21分。
TLC(Si-60, DCM:IPA=8:1):RF=0.5
1H-NMR(ピリジン-D5):δ 9.46(1H, d), 9.27(1H, t), 9.25(1H, d), 9.20(1H, t), 9.05(1H, d), 8.11(2H, d), 8.04(2H, d), 7.51(1H, d), 7.28(2H, d), 7.21(2H, d), 6.65(1H, t), 5.09(1H, m), 4.85(1H, m), 4.67(1H, dd), 4.39+4.24(1H+1H, dd+dd), 4.38+4.19(1H+1H, dd+dd), 3.59(3H, s), 3.50+3.25(1H+1H, m+m), 2.24(3H, s), 1.93(3H, s), 2.22-1.67(10H, m), 0.87-0.76(12H, m)ppm。
実施例1.5 基質の製造:1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−N−フェニル−L−フェニルアラニンアミド
Figure 2009533052
a)1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシル−N−フェニル−L−フェニルアラニンアミド
実施例1.2a−cに略記の方法に従うが、工程1.2aにおけるN末端アミノ酸をN−フェニル−L−フェニルアラニンアミドに変えて、1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R,S−(エチルチオ)−グリシル−N−フェニル−L−フェニルアラニンアミドのジアステレオマー混合物を合成した。
HPLC系I:Rt=18.9分。
ES−MS m/z:667.4 [MH]
b)1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−N−フェニル−L−フェニルアラニンアミド
化合物1.5aと4−ニトロアニリンの反応を、実施例1.2dに記載の通り行った。ジアステレオマー混合物含有粗生成物をHPLC系Jを使用して精製し、分離した。MeCNの蒸発および水残渣の凍結乾燥により、表題化合物およびそのジアステレオマーを黄色粉末として得た。
生成物は酸性条件に不安定である
“速く”溶出するジアステレオマは、それがMMPにより急速に開裂して4−ニトロアニリンを遊離し、一方、“遅い”ジアステレオマーはしなかったため、“L様”R−立体化学を有すると仮定した。
“速い”L様ジアステレオマー、表題化合物。
HPLC系K:Rt=23.20分。
1H-NMR(ピリジン-D5):δ 11.02(1H, s), 9.95(1H, d), 9.74(1H, d), 9.24(1H, d), 9.23(1H, t), 8.28(1H, d), 8.08(2H, d), 7.92(2H, d), 7.36-6.90(10H, m), 6.49(1H, t), 5.29(1H, m), 4.98(1H, m), 4.63(1H, dd), 4.39+4.31(1H+1H, dd+dd), 3.48+3.30(1H+1H, m+m), 3.45+3.21(1H+1H, m+m), 1.88(3H, s), 2.20-1.65(7H, m), 0.81(3H, d), 0.72(3H, d)ppm。
13C-NMR(ピリジン-D5):δ 173.96, 173.52, 171.11, 170.66, 170.50, 168.67, 152.59, 139.74, 138.93, 137.86, 129.81, 129.19, 128.80, 127.03, 126.32, 124.21, 120.59, 112.91, 61.14, 61.03, 56.62, 52.72, 48.46, 43.39, 40.39, 38.67, 29.94, 25.23, 25.09, 23.14, 22.51, 21.48ppm。
“遅い”D様ジアステレオマー。
HPLC系K:Rt=23.96分。
1H-NMR(ピリジン-D5):δ 11.05(1H, s), 9.41(1H, d), 9.16(2H, d+t), 8.94(1H, d), 8.10(3H, m), 7.89(2H, d), 7.40-7.08(8H, m), 6.99(2H, d), 6.48(1H, t), 5.20(1H, m), 4.92(1H, m), 4.62(1H, dd), 4.37+4.18(1H+1H, dd+dd), 3.55+3.37(1H+1H, dd+dd), 3.35+3.13(1H+1H, m+m), 1.84(3H, s), 2.20-1.63(7H, m), 0.85(3H, d), 0.83(3H, d)ppm。
13C-NMR(ピリジン-D5):δ 174.70, 173.67, 171.23, 171.01, 170.91, 168.95, 152.80, 139.58, 138.89, 137.99, 129.80, 129.20, 128.85, 127.11, 126.42, 124.38, 120.73, 112.77, 61.15, 60.68, 57.16, 52.13, 48.40, 44.28, 39.53, 38.48, 30.01, 25.12(2C), 23.19, 22.32, 21.64ppm。
実施例2 − 精製プロテアーゼでの生化学基質活性
種々のMMPについて基質特異性を確認するために、標準酵素アッセイをレポーター遊離をモニターするために適合させた。レポーターを、実施例3aに記載のLC−MS方法、または実施例4に記載のLC−UV方法のいずれかで分析した。
MMP8
精製プロ−MMP8をCalbiochemから購入した。酵素(10μg/mlで)をp−アミノ−フェニル−水銀(II)アセタート(APMA)で、1mMで2.5時間、35℃で活性化させる。活性化酵素を使用して、基質の活性を以下の通りモニターできる:MMP8(200ng/ml 最終濃度)を、90分間、35℃(80%HO)で実施例1の基質の1個(12.5μM)とアッセイ緩衝液(0.1M NaCl、30mM CaCl、0.040mM ZnClおよび0.05%(w/v)“Brij 35”(商標)界面活性剤含有0.1M “Tris−HCl”(商標)緩衝液、pH7.5)中、阻害剤の存在下または非存在下でインキュベートする。活性を、実施例3aの方法を使用して、レポーター4−ニトロアニリンの遊離の測定により決定する。
MMP9
組み換えヒトMMP9触媒ドメインを発現させ、次いでZnキレートカラムクロマトグラフィー、続いてヒドロキサメート親和性カラムクロマトグラフィーで精製した。酵素を使用して、基質の活性を以下の通りモニターできる:MMP9(5ng/ml 最終濃度)を30分間、室温(RT)で、実施例1の基質の1個(5μM)とアッセイ緩衝液(0.1M NaCl、20mM CaCl、0.020mM ZnClおよび0.05%(w/v)“Brij 35”(商標)界面活性剤含有0.1M “Tris−HCl”(商標)緩衝液、pH7.3)中、阻害剤の存在下または非存在下でインキュベートする。活性を、実施例3aの方法を使用して、レポーター4−ニトロアニリンの遊離の測定により決定する。
MMP12
組み換えヒトMMP12触媒ドメインを、Parkar A.A. et al, (2000), Protein Expression and Purification, 20, 152により記載の通り発現および精製し得る。精製酵素を使用して、基質の活性を以下の通りモニターできる:MMP12(50ng/ml 最終濃度)を、60分間、室温で、実施例1の基質の1個(10μM)と、アッセイ緩衝液(0.1M NaCl、20mM CaCl、0.020mM ZnClおよび0.05%(w/v)“Brij 35”(商標)界面活性剤含有0.1M “Tris−HCl”(商標)緩衝液、pH7.3)中、阻害剤の存在下または非存在下でインキュベートする。活性を、実施例3aの方法を使用して、レポーター4−ニトロアニリンの遊離の測定により決定する。
MMP14
組み換えヒトMMP14触媒ドメインを、Parkar A.A. et al, (2000), Protein Expression and Purification, 20, 152により記載の通り発現および精製し得る。精製酵素を使用して、基質の活性を以下の通りモニターできる:MMP14(10ng/ml 最終濃度)を、60分間、室温で、実施例1の基質の1個(10μM)と、アッセイ緩衝液(0.1M NaCl、20mM CaCl、0.020mM ZnClおよび0.05%(w/v)“Brij 35”(商標)界面活性剤含有0.1M “Tris−HCl”(商標)緩衝液、pH7.5)中、阻害剤の存在下または非存在下でインキュベートする。活性を、実施例3aの方法を使用して、レポーター4−ニトロアニリンの遊離の測定により決定する。
MMP19
組み換えヒトMMP19触媒ドメイン、Parkar A.A. et al, (2000), Protein Expression and Purification, 20, 152により記載の通り発現および精製し得る。精製酵素を使用して、基質の活性を以下の通りモニターできる:MMP19(40ng/ml 最終濃度)を、120分間、35℃で、実施例1の基質の1個(5μM)と、アッセイ緩衝液(0.1M NaCl、20mM CaCl、0.020mM ZnClおよび0.05%(w/v)“Brij 35”(商標)界面活性剤含有0.1M “Tris−HCl”(商標)緩衝液、pH7.3)中、阻害剤の存在下または非存在下でインキュベートする。活性を、実施例3aの方法を使用して、レポーター4−ニトロアニリンの遊離の測定により決定する。
発現および精製したプロMMPを使用した、MMP9を含む他のマトリクスメタロプロテイナーゼに対して試験するためのプロトコールは、例えば、C. Graham Knight et al., (1992)FEBS Lett., 296(3), 263-266に記載されている。
Figure 2009533052
*を付けた酵素源は、AstraZenecaにより社内で産生した。
Figure 2009533052
実施例−3a − LC−MS/MSを使用した、血漿中の4−ニトロアニリンの測定
サンプルの調製
ヘパリン処理した全血(1mL)のサンプルをザイモサン(0、50、300、600、900および1200μg/mL)で刺激し、ボルテックス処理し、37℃で15分インキュベートした。遠心後に血漿を回収し、基質(10μM)と混合し、37℃で60分インキュベートした。内部標準として(13C)−4−ニトロアニリン(1μM)と共に、メタノール(300μl)を100μlアリコートの上記混合物に添加し、遠心分離して沈殿したタンパク質を除去した。上清(100μl)を水(100μl)で希釈し、抽出物を直接HPLCカラムに注入した。
較正曲線
7点較正曲線を、ブランク血漿に4−ニトロアニリンを1.4〜2976nMの間の濃度に添加(spiking)することにより産生した。較正サンプルを、次いで上記方補に従い沈殿させ、希釈した。
また、非添加(unspiked)血漿サンプルを産生し、ブランクサンプルとして使用する。
LC−MS/MS系
LC−MS系は2個の勾配ポンプ、1個のアイソクラチックポンプ、オートインジェクターおよび三連四極子(triquadropole)質量分光計(Sciex API3000)から成る。サンプルをプレカラム(NH、2x10mm)に注入し、それはマトリクス成分を保持し、それを次いでエタノールで逆流させる。最終溶出を、0から100%Bへの6分の勾配(C18−カラム、2x40mm)、続く1.5分間の平衡化により行う。移動相A:MeOH:50mM NHAc pH4.0(2:98)およびB:MeOH:50mM NHAc pH4.0(90:10)。
検出を、マルチプル反応モニタリング(MRM)により行う。4−ニトロアニリンについて、139.1のm/zを、122.2のフラグメントと共に使用し、そしてデキサメサゾンについて、393.1のm/zを373.0のフラグメントと共に使用する。
評価
比率(4−ニトロアニリン面積/内部標準面積)を、全較正サンプルについて計算し、濃度に対してプロットする。次いで、全ての未知サンプルを較正曲線から計算する。
実施例3b − 患者から採った血漿サンプル中の4−ニトロアニリンの分析を介した全血中のMMP9活性の測定
この試験の目的は、中程度COPD患者、無症候喫煙者および健常ボランティアから採った血漿サンプル中の4−ニトロアニリンの分析を介した、血液サンプル中のMMP9活性の測定であった。
・ LC−MSにより血漿サンプル中の4−ニトロアニリンを測定するための材料および方法
以下の材料を使用した:
ジメチルスルホキシド、Fisher Scientific, Loughborough, UKから。
メタノール205グレード、Romil Ltd., Waterbeach, UKから。
HPLCグレードアセトニトリル、Fisher Scientific, Loughborough, UKから。
アンモニア(0.88、35%)、HPLCグレード、Fisher Scientific, Loughborough, UKから。
4−ニトロアニリン、コード番号18531-0、Aldrich Chemical Co. Milwaukee, USA。
[13C]6−4−ニトロアニリン、Medicinal Chemistry AstraZeneca R & D Charnwood。[13C]6−4−ニトロアニリンを、市販されている13N−フェニルアセトアミドのニトロ化および加水分解により製造できる。
1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチル − 実施例1.1に記載の通り製造。
対照ヒト血漿(リチウムヘパリン)、Charterhouse Clinical Research Unit, London, UKから。
MilliQ精製系, Millipore, Watford, UKにより新たに調製した水。
・ 装置
以下の装置を使用した
Unicam UV300シリーズUV/Vis分光光度計、Spectronic Unicam, Cambridge, UKから。
専用データシステムと共にSciex API 150ex質量分光計、Applied Biosystems, Warrington, Cheshire, UKから。
HP1100溶媒デガッサー、HP1100バイナリー勾配ポンプ、HP1100サーモスタット付きオートサンプラーおよびHP1100カラムオーブン、Agilent Technologies Ltd., Altrincham, Cheshire, UKから。
Lunaフェニル−ヘキシルHPLCカラム(5μm、50x2.0mm)(Phenomenex, part no. 00B4257-B0)。
Lunaフェニル−プロピルHPLCセキュリティーガードカラム(4.0x2.0mm)(Phenomenex, part no. AJO-4350)。
ここで使用する試薬は当分野で既知である。
・ 較正および品質管理サンプルの調製
1. 較正サンプルの調製
適当なピペットを使用して、表1に示す通り、0.050、0.100、0.200、0.500、1.00、2.00、5.00、および10.0μMで4−ニトロアニリンの血漿較正サンプルを調製する。ボルテックスミキサーを使用して徹底的に混合。
Figure 2009533052
2. 血漿品質管理サンプルの調製
適当なピペットを使用して、表2に示す通り、0.100、2.00、および8.00μM 4−ニトロアニリンで品質管理サンプルを調製する。バイアル内容物のボルテックスによる徹底的な混合、および各サンプルのプラスチックSarstedtチューブ(2.0mL)への一定量での分配(約300μl、2種の分析に十分量)。チューブを冷凍庫中、−20℃以下で貯蔵。
Figure 2009533052
・サンプル分析法
1. 血漿中の1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチルインキュベーション
貯留対照ヒト血漿、品質管理および試験サンプルを必要に応じて融解。
1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチル(2μl、溶液D)の、2mLネジ蓋付きマイクロチューブ中の試験血漿サンプル(200μl)への添加およびボルテックスミキサーでの混合。
チューブの60分、37℃での、振盪水浴中のインキュベート。工程3での試験サンプルの60分間インキュベーション中、表1に詳述した血漿中の較正サンプルの調製。サンプルのボルテックスミキサーでの混合。
適当なピペットを使用した、各血漿サンプルの、96深ウェル2mLプレートの各個々のウェルへの一定量(100μl)の手動分配。(注:工程3において試験サンプルがインキュベーションを終了する約10分前に較正、品質管理およびブランクサンプルのピペット輸送開始)。Tecanを使用した、各ウェルへのメタノール(300μl)中の内部標準の分配。プレートをポリスチレンカバーでカバー。3000rpmで5分、室温で遠心。
Tecanを使用した、サンプル上清の一定量(100μl)の96深ウェル2mLプレートの別のウェルへの移動。Tecanを使用した、96深ウェルポリプロピレンプレートのウェル中の各サンプルとの水(100μl)の混合。プレートのプレスピリット96ウェルシールでのカバー。
LC/MSによる10μl量の分析。
・ 調製抽出物のLC/MS分析
1. 装置 −
PUM HP1100
デガッサー:HP1100オートサンプラー:HP1100 A/Sサーモスタット:HP1100カラム:HP1100 MS:Sciex API 150ex
2. 試験サンプルのHPLC条件
カラム:Lunaフェニル−プロピルHPLCセキュリティーガードカラムプレ−カラム(4.0x2.0mm)を備えたLunaフェニル−ヘキシルHPLCカラム(5μm、50x2.0mm)
溶媒A:0.01%水性アンモニア
溶媒B:メタノール
組成物:表3参照
流速:表3参照
カラム温度:40℃
ラン時間:10分
注入量:10μl
針洗浄:25%アセトニトリル/水で3秒
Figure 2009533052
HPLC溶離剤を、1〜4分に質量分光計に向ける。ランの残りについて、それを廃棄物に向ける。
3. MS獲得
HPLCカラム流出液を、加熱ネブライザーインターフェースを介して、負モードで、質量分光計に向ける。4−ニトロアニリンおよび[13C]6−4−ニトロアニリンを、各々m/z 137および143の質量対荷電比で、[M−H]イオンのシングルイオンモニタリングを使用して検出する。
温度:425℃
ネブライザーガス:11(任意のスケール)
カーテンガス:10(任意のスケール)
補助的ガス約1L/分
休止時間:500ms
分割:約1amu
獲得時間:5.0分
プロセシングソフトウェア:PE Sciex ‘Analyst' v1.1
オリフィスおよびリングボルト数は、感受性を最大にするために筆由生に応じて選択し得る。
サンプルは以下の順番で分析すべきである:
a)コンディショニングサンプル(10μM×4)
b)較正サンプル(10.0、2.00、0.500、0.100μM)
c)品質管理サンプル(0.01、2.00、8.00μM)
d)ブランクサンプル
e)試験サンプル
f)品質管理サンプル(0.01、2.00、8.00μM)
g)ブランクサンプル
h)較正サンプル(5.00、1.00、0.200、0.050μM)
各サンプルの分析物および内部標準のピーク応答の決定(予測保持時間約1.8分)。較正サンプルからのデータにAnalystソフトウェア中の適当な曲線適合を適用し、各サンプルに存在する4−ニトロアニリン濃度の定量を可能とする。
・ データのための標準法
各サンプルの分析物のピーク面積を測定し、較正サンプルからのデータに対して適当な線形回帰法を適用。
実験
ヒト血漿サンプルを、有効なタンパク質沈殿LC−MS法を使用して、12分析バッチで分析した。分析バッチは試験サンプル、較正サンプルおよびデュプリケート品質管理サンプルを含んだ。全12バッチは許容されたが、しかしながら1つの結果は、不正確なサンプル調製のために拒絶された。
全血サンプルを種々の濃度のザイモサン(0、50、300、600、900および1200μg/mL)で刺激した。刺激全血サンプルから得た血漿サンプルを基質1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチルと、10μMの血漿濃度で混合し、次いでサンプルを37℃で60分インキュベートした。一定量(100μl)のヒト血漿を、内部標準として[13C]6−4−ニトロアニリンを含むメタノール(300μl)と混合し、タンパク質を沈殿させ、サンプルを遠心分離し、上清(100μl)を水(100μl)と混合した。抽出物10μlを直接Phenomenex Lunaフェニル−ヘキシルカラム(50x2.0mm、5μm)に抽出し、化合物を、0.01%アンモニア/メタノールから成る勾配移動相で輸出した。4−ニトロアニリンを内因性血漿成分から分解し、HPLC流出液を、直接、加熱ネブライザーインターフェースを介して、負モードで、質量分光計に向けた。4−ニトロアニリンおよび[13C]6−4−ニトロアニリンを、上記の通り各々m/z 137および143の質量対荷電比で、[M−H]イオンのシングルイオンモニタリングを使用して検出した。この方法は上に記載する。
この方法は、100μl 血漿サンプルの分析に基づいて、4−ニトロアニリンについて0.0500〜10.0μMの範囲で有効である。0.100、2.00および8.00μM 4−ニトロアニリンの濃度の品質管理サンプルを、各分析バッチの許容性を決定するために包含した。本方法の定量限界(LOQ)は、100μlアリコートの血漿について0.0500μM 4−ニトロアニリンである。
結果
平均および標準偏差を通して、データを3つの顕著な数字で示す。
1. 試験サンプル
来院3および4からの健常ボランティアからの4−ニトロアニリンを決定するための個々の濃度を、各々表4および表5に、図1に示す平均値と共に示す。平均値は、来院3について0μg ザイモサンで0.121μMから1200μg ザイモサンで3.59μMの範囲、および来院4について0μg ザイモサンで0.131μMから1200μg ザイモサンで3.39μMの範囲である。
Figure 2009533052
Figure 2009533052
AR=分析拒否
来院3および4からの喫煙者からの4−ニトロアニリンを決定するための個々の濃度を、各々表6および表7に、図2に示す平均値と共に示す。平均値は、来院3について0μg ザイモサンで0.149μMから1200μg ザイモサンで4.47μMの範囲、および来院4について0μg ザイモサンで0.142μMから1200μg ザイモサンで4.41μMの範囲である。
Figure 2009533052
Figure 2009533052
来院3および4からのCOPD患者からの4−ニトロアニリンを決定するための個々の濃度を、各々表8および表9に、図3に示す平均値と共に示す。平均値は、来院3について0μg ザイモサンの0.128μMから900μg ザイモサンの4.47μMの範囲、および来院4について0μg ザイモサンの0.141μMから1200μg ザイモサン4.54μMの範囲である。
Figure 2009533052
Figure 2009533052
全3群からの結果は、4−ニトロアニリン濃度がザイモサン濃度増加と共に増加することを示す。この増加は0〜600μg ザイモサンで大きく、600〜1200μg ザイモサンで徐々にプラトーに達する。4−ニトロアニリン平均濃度は、健常ボランティアと比較して喫煙者およびCOPD患者で一般に高く、喫煙者およびCOPD患者で顕著な差はない。
2. 較正および品質管理サンプル
品質管理サンプルの分析からの4−ニトロアニリンの測定の結果を表10に記載する。平均バイアスは、0.100で−3%から8.00で2%の範囲である。精度は8.00μMで3.2%から0.100μMで10.6%の範囲である。
逆算した較正曲線からの4−ニトロアニリン濃度の決定を表11に示す。平均バイアスは、0.200で−3%から10.0で3%の範囲である。精度は2.00μMで2.6%から0.100μMで6.0%の範囲である。
4−ニトロアニリン較正曲線回帰パラメータを表12に示す。結果は、0.289の平均傾斜値を、3.7%の精度で示す。R二乗値の範囲は、0.9914−0.9995であった。
Figure 2009533052
Figure 2009533052
Figure 2009533052
要約
ヒト血漿サンプルを、有効なLC−MS分析法を使用して、4−ニトロアニリンについて分析した。試験サンプルと共に分析した品質管理サンプルから得たデータは、許容される限界内であり、本試験において作成されるデータの信頼を与える。
全3群からの結果は、4−ニトロアニリン濃度がザイモサン濃度増加と共に増加することを示す。この増加は0〜600μg ザイモサンで大きく、600〜1200μg ザイモサンで徐々にプラトーに達する。4−ニトロアニリン平均濃度は、健常ボランティアと比較して喫煙者およびCOPD患者で一般に高く、喫煙者およびCOPD患者で顕著な差はない。
実施例4 − 滑液中のプロテアーゼの活性
滑液(SF)を、リウマチ性関節炎(7対象)および全身性エリテマトーデス(SLE)(1対象)から得た。
サンプル調製
予測活性範囲の概算をするために、サンプルを、市販のELISAキットで全MMPタンパク質含有量についてアッセイした。MMP1レベルは3.5−10nM、MMP9は0.05−0.81nMの範囲であった。総タンパク質レベルは30−56mg/mlであった(Biorad DCタンパク質アッセイキット、試薬A、BおよびS)。
各サンプルの量を、約4mgの総タンパク質をアッセイに使用するように調整した(表13)。
サンプルを、50mM トリシン pH7.5、200mM NaCl、10mM CaCl、20μM ZnClおよび0.05%Brij−35を含む緩衝液で180μlにした。
MMP活性アッセイ
サンプルに、20μlの基質1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチル(実施例1.2)溶液(10mMのメタノール溶液)を添加した。3時間、37℃でインキュベーション後、反応を5μl 200mM EDTAで停止させた。サンプルをプレカラム(Waters OASIS HLB Icc, part no. 94225、1mlのエタノール、続いて1ml 水でプレコンディショニング)を通して濾過し、それを1ml 水および1mlの90%エタノールで溶出した。サンプルを窒素流下で蒸発乾固し、200μl 50%エタノールに再溶解し、ボルテックスミキサーで激しく撹拌し、遠心分離した(1000g、2分)。上清の、10−160μlアリコートをレポーター4−ニトロアニリンについてHPLCで分析した(実施例3に記載のようにまたは380nMのUVで検出)。標準曲線を、一定量のレポーター(4NA)を添加し、分析サンプルと同じ方法で処置したサンプルから得た。
Figure 2009533052
同様に、表13の全対象からの滑液の貯留サンプルを使用して、1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−S−(ビフェニル−4−イルメトキシ)−グリシル−L−ロイシルグリシン酸メチル(実施例1.3)を、レポーター4−ビフェニルメタノールについて分析する以外、同じ方法に使用した。この基質で、遊離は33.2nmol/ml SFであった。
上記明細書に記載の全ての刊行物は、引用により本明細書に包含させる。本発明の種々の修飾および改変が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者には明白である。本発明は具体的な好ましい態様に関連して記載しているが、請求している本発明は、そのような具体的な態様に不当に限定すべきではないことは理解されるべきである。
種々の濃度のザイモサンで全血を刺激した後に健常ボランティアから得た4−ニトロアニリンの平均濃度プロファイル。 種々の濃度のザイモサンで全血を刺激した後に喫煙者から得た4−ニトロアニリンの平均濃度プロファイル。 種々の濃度のザイモサンで全血を刺激した後にCOPD患者から得た4−ニトロアニリン平均濃度プロファイル。

Claims (36)

  1. サンプル中のプロテアーゼの活性を測定する方法であって:
    (i)該サンプルと基質を混合し、ここで、該基質は式(1a)
    Figure 2009533052
    〔式中:
    はヒドロカルビル基であり
    は第一ペプチド部分であり
    は第二ペプチド部分であり、そして
    XはO、SおよびNHから成る群から選択され;
    は適当な置換基であり;
    は適当な置換基である。〕
    を有し、そして
    (ii)該プロテアーゼの活性を、式H−X−R
    〔式中:
    XはO、SおよびNHから成る群から選択され;そして
    はヒドロカルビル基である。〕
    を有するレポーターの存在の検出により測定する工程を含む、方法。
  2. プロテアーゼモジュレーターの効果を測定する方法であって、プロテアーゼと該プロテアーゼモジュレーターを接触させ、そして請求項1に記載の方法により該プロテアーゼの活性を測定する工程を含む、方法。
  3. 該プロテアーゼモジュレーターがプロテアーゼ阻害剤である、請求項2に記載の方法。
  4. 該プロテアーゼモジュレーターがプロテアーゼアクティベーターである、請求項2に記載の方法。
  5. 該プロテアーゼアクティベーターがザイモサンである、請求項4に記載の方法。
  6. 候補プロテアーゼモジュレーターの効果を測定する方法であって、プロテアーゼと該候補プロテアーゼモジュレーターを接触させ、そして請求項1に記載の方法により該プロテアーゼの活性を測定する工程を含む、方法。
  7. 該候補プロテアーゼモジュレーターが候補プロテアーゼ阻害剤である、請求項6に記載の方法。
  8. 該候補プロテアーゼモジュレーターが候補プロテアーゼアクティベーターである、請求項6に記載の方法。
  9. 該サンプルが:尿、全血、血漿、血清、滑液、唾液、痰、気管支肺胞液、脳脊髄液、鼻汁、肺内層液(lining fluid)、涙液および皮膚水疱液から成る群から選択される、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 該サンプルが:細胞培養、組織、組織切片および均質化組織から成る群から選択される、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  11. 該プロテアーゼがマトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)EC 3.4.24−である、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  12. 該マトリクスメタロプロテイナーゼが、MMP8(EC 3.4.24.34)、MMP9(EC 3.4.24.35)、MMP12(EC3.4.24.65)およびMMP13(EC3.4.24.−)から成る群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 該マトリクスメタロプロテイナーゼがMMP9(EC 3.4.24.35)である、請求項12に記載の方法。
  14. ヒドロカルビル基Rがアリール、ヘテロアリール、アリールオキシアリール、ビアリール、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル基およびそれらの誘導体から成る群から選択される、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
  15. がアリール、ヘテロアリール、アリールオキシアリール、ビアリールおよびそれらの誘導体から成る群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. が:
    Figure 2009533052
    〔式中、Xは式(1a)の基質の残りおよび/または式H−X−Rを有するレポーターの残りである。〕
    から成る群から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 該基質が1−アセチル−L−プロリル−L−ロイシルグリシル−α−R−(4−ニトロフェニルアミノ)−グリシル−L−ロイシル−β−アラニン酸メチルである、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
  18. 該レポーターが4−ニトロアニリンである、請求項17に記載の方法。
  19. 請求項1から18のいずれかに定義した式(1a)を有する基質。
  20. プロテアーゼによりカルボニル基と−NH−CH(X−R)−基の間のペプチド結合で開裂され得る基質であって;
    はヒドロカルビル基であり、そして
    XはO、SおよびNHから成る群から選択される基質。
  21. 式H−X−Rを有するレポーターであって、
    ここで:
    はヒドロカルビル基であり、そして
    XはO、SおよびNHから成る群から選択され、
    そして、該レポーターは請求項1から20のいずれかに定義した式(1a)の基質である、レポーター;
    ただし該レポーターは2−(4−イソブチル−フェニル)−プロピオン酸ではない。
  22. ヒドロカルビル基Rがアリール、ヘテロアリール、アリールオキシアリール、ビアリール、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル基およびそれらの誘導体から成る群から選択される、請求項21に記載のレポーター。
  23. がアリール、ヘテロアリール、アリールオキシアリール、ビアリールおよびそれらの誘導体から成る群から選択される、請求項22に記載のレポーター。
  24. が:
    Figure 2009533052
    〔式中、Xはレポーターの残りである〕
    から成る群から選択される、請求項23に記載のレポーター。
  25. サンプル中のプロテアーゼの活性を測定するためのキットであって:
    (i)請求項1から24のいずれかに定義した基質;および
    (ii)サンプル中の請求項1から24のいずれかに定義したレポーターを検出するための手段
    を含むキット。
  26. サンプル中のプロテアーゼの活性を測定するための請求項1から25のいずれかに定義した基質の使用。
  27. サンプル中のプロテアーゼの活性を測定するための請求項1から26のいずれかに定義したレポーターの使用。
  28. 対象における疾患または障害を診断する方法であって、該対象からサンプルを得て、該サンプルにおけるプロテアーゼの活性を請求項1から18のいずれかに記載の方法により測定する工程を含む、方法。
  29. 対象における疾患または障害の診断において使用するための、請求項1から28のいずれかに定義した基質。
  30. 対象における疾患または障害の診断において使用するための、請求項1から29のいずれかに定義したレポーター。
  31. 該疾患が慢性閉塞性肺疾患(COPD)である、請求項28に記載の方法、請求項29に記載の基質または請求項30に記載のレポーター。
  32. プロテアーゼモジュレーターの効果を測定する方法であって:
    (i)該プロテアーゼモジュレーターとプロテアーゼおよび請求項1から31のいずれかに定義した式(1a)を有する基質を混合し;
    (ii)該プロテアーゼの活性を、請求項1から31のいずれかに定義した式H−X−Rを有するレポーターの存在を検出することにより測定する工程を含む、方法。
  33. 候補プロテアーゼモジュレーターの効果を測定する方法であって:
    (i)該候補プロテアーゼモジュレーターとプロテアーゼおよび請求項1から32のいずれかに定義した式(1a)を有する基質を混合し;そして
    (ii)該プロテアーゼの活性を、請求項1から32のいずれかに定義した式H−X−Rを有するレポーターの存在を検出することにより測定する工程を含む、方法。
  34. プロテアーゼモジュレーターを同定する方法であって:
    (i)候補プロテアーゼモジュレーターとプロテアーゼおよび請求項1から33のいずれかに定義した式(1a)を有する基質を混合し;そして
    (ii)該プロテアーゼの活性を、請求項1から33のいずれかに定義した式H−X−Rを有するレポーターの存在を検出することにより測定する工程を含む、方法。
  35. プロテアーゼモジュレーターを同定し、より多くの同定されたプロテアーゼモジュレーターを製造しおよび/または次いでそのより多くの同定されたプロテアーゼモジュレーターを製剤する工程を含む方法であって;該同定部分が:
    (i)候補プロテアーゼモジュレーターとプロテアーゼおよび請求項1から34のいずれかに定義した式(1a)を有する基質を混合し;そして
    (ii)該プロテアーゼの活性を、請求項1から34のいずれかに定義した式H−X−Rを有するレポーターの存在を検出することにより測定する工程を含む、方法。
  36. 実質的にここに記載の通りのおよび請求項1に関連した、方法。
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