JP2009532130A - 生体電位の変動性を用いて鎮痛の妥当性を評価するシステム及び方法 - Google Patents

生体電位の変動性を用いて鎮痛の妥当性を評価するシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

患者の鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性を予測及び測定するシステム及び方法。生体電位信号は、患者から電極を通じて得られる。プロセッサは、患者の鎮静状態及び/又は筋活動を表す測度を計算する。次に、このような測度を表すメトリックが求められる。患者の鎮静状態及び筋活動の両方の測度が取られる場合は、この2つの測度が組み合わされて患者の鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性を表す指数になる。
【選択図】なし

Description

本発明の分野は、医療用監視ツールに関し、特に、患者の鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性を予測及び測定するシステム及び方法に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年3月31日提出の仮出願第60/787,992号の利益を主張するものとする。
外科的処置のために麻酔を受ける患者は、通常、1つ以上の麻酔薬を受ける。さまざまな麻酔薬はさまざまな効果をもたらすが、その中で最も重要なものは鎮静又は催眠(周囲の世界の認識又は意識の欠如)、鎮痛(疼痛の消失又は鈍化)、及び麻痺(動きの欠如)である。麻酔薬は、これらの効果のうちの1つ以上をさまざまな程度でもたらしうる。例えば、神経筋遮断薬は、強力な麻痺をもたらすが、鎮静又は鎮痛はもたらさない。オピオイドは、鎮痛及び比較的軽レベルの鎮静をもたらす。揮発性麻酔薬は、高レベルの鎮静及びはるかに低レベルの鎮痛をもたらすが、静脈内鎮静薬プロポフォールは鎮静をもたらすものの、鎮痛は基本的にもたらさない。この理由により、麻酔プロバイダは、所望の一連の効果をもたらすために、通常、これらの薬剤のいくつかを同時に投与する。例えば、麻酔プロバイダは、鎮静効果のために揮発性麻酔薬、麻痺のために神経筋遮断薬、及び鎮痛をもたらすためにオピオイド薬を投与しうる。通常、これらの薬剤によってもたらされる効果の大きさは用量に依存し、用量が多いほど効果が深い。
麻酔薬の投与は、投与される複数の麻酔薬の複合効果によって複雑になる。例えば、揮発性薬剤は鎮痛効果のほか鎮静効果も有するので、揮発性薬剤の投与濃度を上げると、付随的に、恐らく望ましくない、鎮痛効果の増加がもたらされる。あらゆる麻酔薬は、過剰投与量に伴う悪影響を有する。患者に対する効果は投与される用量から推定されうるが、特定の用量に対する患者の反応は患者ごとのバラツキが大きい。従って、このような推定は、グループ基準(平均効果)に基づく。グループ基準は、特定の用量が患者の母集団に及ぼす効果を表しうるが、個々の患者における実際の効果は大きく異なりうる。
従って、患者に適切な用量の麻酔薬を確実に投与するために投与された麻酔薬の効果を監視することは、患者にとって有益であろう。患者の脳波(EEG:electroencephalograph)を分析する装置を用いて麻酔薬の鎮静効果を監視することは、麻酔業務おいて一般的である。このような装置の1つは、バイスペクトル指数(Bispectral Index(登録商標))を計算する、Aspect Medical Systems,Inc.(マサチューセッツ州ノーウッド)製モニタの系列である。例えば、本発明の譲受人を譲受人として1996年10月17日にシャムーン(Chamoun)らに発行された米国特許第5,458,117号明細書「脳の生体電位解析システム及び方法(CEREBRAL BIOPOTENTIAL ANALYSIS SYSTEM AND METHOD)」は、EEG信号からバイスペクトル指数を生成するシステム及び方法を説明している。この特許に述べられているバイスペクトル指数(BIS(登録商標):Bispectral Index(登録商標))は、脳波(EEG)に基づく測度であり、頭皮、額、又はこめかみの電極から取得されたEEG信号から麻酔及び鎮静中の患者の意識レベルを定量化する。BISは、患者の鎮静状態を全般的に示す単回可変数であり、0から100までに等級付けされる。この等級付けにおいて、100は完全に覚醒して敏感な状態であり、ゼロは平坦なEEG活動を表す。外科的処置中の患者の鎮静状態を効果的に監視し、患者の鎮静又は催眠状態を最適範囲、通常50〜60、に維持するために、BISは麻酔プロバイダによって使用されうる。
同様に、患者の麻痺レベルは、テタヌス神経シミュレータによって測定されうる。このシミュレータは、連続する4つの電気的刺激を前腕の神経に送達して親指の筋肉を刺激する装置である。各電気的刺激は、患者の親指を痙攣させる。この痙攣は、患者の親指に取り付けられたひずみ計を用いて定量化されうる。麻痺のレベルを連続的に上げてゆくと、痙攣反応が無くなる。すなわち、最初に4番目の最後の反応が無くなり、最終的に1番目の痙攣反応が無くなる。麻痺の度合いは、これらの痙攣が無くなる度合いによって測定されうる。この4つの痙攣のうちの3つが無くなるまで神経筋遮断薬を投与するのが一般的な慣行である。
患者の鎮静レベルを監視するにはBISが使用され、麻痺の度合いを監視するにはテタヌス神経シミュレータが使用されうるが、鎮痛に関しては同様の測度が存在しない。一般に、鎮痛の妥当性は、血液動態反応(高血圧又は頻脈)、発汗、流涙、又は動きなど、自律神経系のさまざまな間接的兆候の有無によって測定する。但し、これらの測度は非特異的であり、患者は、これらの兆候の何れも示さなくとも著しい疼痛を感じうる。さらに、血圧及び心拍数を所望の範囲内に維持するために投与された薬剤が血液動態反応を無くしうる。
疼痛は、主観的な、自己申告される現象である。疼痛は、発汗、動き等の身体反応を伴うことが多い。患者の説明が多様であるため、疼痛の測定は困難である。患者に患者自身の疼痛を数値尺度(例えば、0〜10)でランク付けさせる視覚的アナログ尺度(VAS:Visual−Analog Scale)などの標準化された測定手法は、ある程度の比較可能性を提供する。但し、さまざまな患者はさまざまな疼痛閾値及び予測値を有するので、VAS評価は本質的に限界がある。さらに、VAS評価は、手術中など、患者が応答できない場合は、役に立たない。術後疼痛及び低用量のオピオイドは、術後譫妄のリスクを上げる危険因子であることが確認されているので、術後疼痛をより効果的に制御して術後譫妄の発生を減らすことによって予後を向上させられるとの結論に至る。[Lynch EPMD、Lazor MAMD、Gellis JEMDら共著「術後譫妄の発生に対する術後疼痛の影響(The Impact of Postoperative Pain on the Development of Postoperative Delirium)」Anesthesia & Analgesia誌1998年;86(4):781−5、Morrison RS、Magaziner J、Gilbert Mら共著「骨間接部骨折に続く譫妄の発生に対するオピオイド鎮痛薬と疼痛との間の関係(Relationship between Pain and Opioid Analgesics on the Development of Delirium Following Hip Fracture)J Gerontol A Biol Sci Med Sci誌2003年;58:76−81]。周術期疼痛は、術後認知機能障害(POCD:Postoperative Cognitive Dysfunction)にもつながる。ダグルビー(Duggleby)は、鎮痛薬の摂取ではなく、術後疼痛が術後精神状態の低下を予測させると判定し、改良された疼痛管理を推奨した[Duggleby W、Lander J.共著「認知状態及び術後疼痛:高齢者(Cognitive Status and Postoperative Pain: Older Adults)」J Pain Symptom Manage誌1994年;9:19−27]。従って、術中及び術後疼痛の最小化は、患者の予後を向上をもたらすはずである。
上記のように、揮発性麻酔薬は、鎮静(催眠)及び鎮痛の両特性を有するので、特に比較的小用量のオピオイド及び他の鎮痛薬が使用されている場合は、適切な鎮痛及び血行動態の安定を保証するために、極めて高濃度で投与されることが多い。揮発性麻酔薬は、細胞死及びアミロイドβ蛋白の凝集をもたらすプロセスに最近関連付けられた。アミロイドβ蛋白の過度の凝集は、アルツハイマー病の特徴である[Xie Z、Dong Y、Maeda Uら共著「吸入麻酔薬イソフルランはアポトーシス及びアミロイドβ蛋白蓄積の悪循環を誘発する(The Inhalation Anesthetic Isoflurane Induces a Vicious Cycle of Apoptosis and Amyloid β−Protein Accumulation)」J Neurosci.誌2007年;27:12−1254]。さらに、術中のより深い麻酔催眠レベルは、術後死亡率の増加にリンクされた[Monk TG、Saini V、Weldon BC、Sigl JC共著「麻酔薬管理及び心臓以外の手術後の年内死亡率(Anesthetic Management and One−Year Mortality after Noncardiac Surgery)」Anesth Analg誌2005年;100:4−10]。
さまざまな麻酔薬の過剰用量は有害な効果を有しうるが、不十分な用量は、やはり望ましくない、異なる効果をもたらしうる。従って、麻酔薬(鎮静/催眠、鎮痛、麻痺等)の薬理的成分の全てが患者の要件に合わせて適正に投与及び滴定されることが重要である。鎮静/催眠及び麻痺状態の妥当性を判定するための監視手段は存在するが、鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性の客観的評価を可能にする同様の監視技術は存在しない。患者の鎮痛の状態は、投与された薬物によってもたらされる鎮痛の度合いであり、鎮痛の妥当性は、現在の鎮痛レベルが現在の有害刺激レベル及び予想される有害刺激レベルを遮断するために十分であるかどうかの度合いである。手術及び麻酔中に鎮痛の状態を評価して鎮痛の妥当性を判定できると、鎮痛薬の所要用量を設定するために極めて有用であり、既存の慣行に比べ、予後を向上させることになるであろう。
ムーシャ(Musha)に発行された米国特許第US5,601,090号明細書は、患者の身体状態を判定する装置及び方法を開示している。この方法は、患者の特性値を取得する。この特性値は、脳波、筋電位、心拍数、眼球運動、及びまばたきの頻度、又はこれらの何れかの組み合わせにしうる。患者の身体状態を判定するために、これらの特性値に神経回路網モデルが適用される。Mushaは、この状態を患者の感情(例えば、喜び、怒り、幸福、悲しみ、高揚感、驚き、嫌悪感、又は恐怖)などによる精神状態、精神活動のレベル(例えば、暗算をするか、又は詩を書いた結果など)、又は運動活動(例えば、手又は足を動かすこと)として定義している。Mushaの特許は、患者の鎮痛の状態又は妥当性を定量化しないばかりか、投薬の効果に関する如何なる状態も定量化しない。
ラング(Lange)らに発行された米国特許第6,654,632号、6,751,499号、6,757,558号、及び6,826,426号明細書は、患者の前額部上の正中線を中心に対称に配置された電極から記録された左右の生体電位に基づく客観的疼痛測定システム及び方法を開示している。Langeらの特許は、患者の皮膚表面上の生体電位は、一般に、いくつかの発生源によって生成されることを教示している。これらの発生源は、背景脳波(EEG)活動、皮膚電気活動、筋電位(EMG:electromyographic)活動、動きのアーチファクト(眼球、まぶた、及び頭の動きに起因するものなど)、及び他の電気生理学的現象を含む。縦正中線の各側から測定された背景EEG値及び眼球の動きに起因するようなアーチファクトは逆の相関関係があるが、縦正中線の各側からの疼痛信号は、通常、正の相関関係があり、逆の相関関係があるEEG活動を無効にしうる。この結果、Langeらの特許の疼痛検出システム及び方法は、患者の縦正中線の両側に配置された電極から測定するときに、疼痛信号の弁別手段として左右の正の相関関係を使用することが好ましい。Langeらの特許は、縦正中線の各側から検出される複数の疼痛信号は、通常、線形的に関連付けられるので、疼痛を識別するために信号の線形性も疼痛の検出に使用しうることをさらに述べている。これに対して、検出された信号内のさまざまなアーチファクトは、正の相関関係があるものであっても(例えば、まぶた又は頭の動き)、線形的に関連付けられないことが多い。Langeらの特許は、左右の信号が線形的に関連付けられるか否かを判定するために、コヒーレンスの使用を教示している。Langeらの特許は、約0.5ヘルツと約2ヘルツとの間の信号が疼痛の強さ情報の大部分を運ぶらしいことをさらに教示している。Langeらの特許に記載されているシステム及び方法は、0.1から2Hzまでの帯域通過濾波、線形予測、周波数変換、周波数変換された信号成分の非線形加重平均、及び加重平均のスケーリングを用いて、定量化された疼痛レベル信号を計算する。Langeらの特許は、疼痛信号の発生源については述べておらず、疼痛信号が正の相関関係を有する一方で、疼痛に関連しない信号が正の相関関係を有しない理由についても、縦正中線の各側から検出された疼痛信号が、通常、線形的に関連付けられる一方で、縦正中線の各側から検出された非疼痛信号が線形的に関連付けられない理由についても述べていない。Langeらの特許は、疼痛を測定して疼痛信号をアーチファクトから区別するシステム及び方法を教示している。但し、これらの特許は、鎮痛の状態又は鎮痛の妥当性を判定する方法を教示しておらず、意識及び疼痛のレベルがEEG信号に及ぼす個々の影響を解決する方法も教示していない。
シャンダー(Shander)は、4つの顔面筋におけるEMG活動の比率に基づく、FACEと呼ばれる測度を評価し、手術中にFACE比率が20を超えている時間(分単位)は、術後鎮痛薬の総投与量に関連付けられることを確認した[Shander A、Qin F、Bennett H共著「同時BIS監視中の顔面筋電図による術後鎮痛要件の予測(Prediction of Postoperative Analgesic Requirements by Facial Electromyography during Simultaneous BIS Monitoring)」European Journal of Anaesth誌2001年;18(Suppl.21):A464]。
フィルチオ−オジャ(Viertioe−Oja)らに発行された米国特許第6,731,975号明細書は、患者の脳の状態を確かめるための、特に患者の麻酔深度を確かめるための、方法及び装置を教示している。患者のEEG信号データのエントロピーは、脳の状態の指標として求められる。患者のEMG信号データから周波数領域電力スペクトル量が得られる。EEGエントロピーの指標及びEMG電力スペクトルの指標は組み合わされて、患者の脳の状態の変化を直接示す複合指標となる。一代替実施形態において、EEG信号データ及びEMG信号データの両方を網羅するために患者からの生体電位信号のエントロピーを求める周波数範囲が広げられ、こうして求められたエントロピーは患者の脳の状態の指標として使用される。継続特許である米国特許第US6,801,803号明細書において、Viertioe−Ojaらは、さまざまな長さの複数の時間窓の使用を教示している。低周波数成分であるほど、より長い時間窓が使用される。高周波数成分であるほど、より短い時間窓が使用される。このような手法は、ウェーブレット解析の技術分野においては一般的である。これらの特許はどちらも、EEGメトリック単独に比べ、より速い反応時間を有する患者の麻酔深度を確かめるために、EMGからの電力スペクトル測度とEEGから導出されたエントロピー測度との組み合わせを教示している。Viertioe−Ojaらの特許はどちらも、患者の鎮痛の状態又は鎮痛の妥当性の判定を教示していない。
ブルーム(Bloom)ら[Bloom M、Greenwald SD、Day R.共著「鎮痛薬はバイスペクトル指数(BIS)の変化により測定される刺激に対する覚醒反応を低下させる(Analgesics Decrease Arousal Response to Stimulation as Measured by Changes in Bispectral Index(BIS)」Anesthesiology誌1996年;85(3A):A481]は、さまざまな濃度の鎮静薬及び鎮痛薬を投与された複数のボランティアにおける内因性のBIS変動性を調査した。Bloomは、刺激不在下での変動性は、鎮静薬のみの場合に比べ、鎮痛薬の追加によって下げられることを確認した。Bloom及びジョプリング(Jopling)(Jopling MW、Cork R、Greenwald SD共著「外科的刺激の存在下におけるバイスペクトル指数(BIS)の変化は鎮痛レベルを反映する(Changes in the Bispectral Index(BIS)in the Presence of Surgical Stimulation Reflect the Level of Analgesia)」Anesthesiology誌1996年;85(3A):A478)は、鎮痛薬は外科的刺激に続くBISの増加を鈍らせると報告した。疼痛性刺激に対する反応を評価する研究において、イセリン−シャベス(Iselin−Chaves)は、疼痛性刺激後のBISの絶対的変化は、鎮静薬の濃度の増加及び鎮痛薬の存在の両方によって著しく下げられることを証明した[Iselin−Chaves IA、Flaishon R、Sebel PSら共著「想起、意識喪失、及びバイスペクトル指数に対するプロポフォール及びアルフェンタニルの相互作用の効果(The Effect of the Interaction of Propofol and Alfentanil on Recall,Loss of Consciousness,and the Bispectral Index)Anesth Analg誌1998年;87(4):949−55]。ギニャール(Guignard)は、鎮静薬への鎮痛薬の追加の効果を挿管刺激に対するBISの反応の点からさらに調査した。彼のグループは、「プロポフォール(鎮静薬)への鎮痛薬(レミフェンタニル)の追加は、疼痛性刺激が加えられた場合にのみ、BISに影響する。さらに、レミフェンタニルは、匹敵する用量に依存してBIS及び平均動脈圧(MAP:Mean Arterial Pressure)の増加を弱めるか、又は止める。」と結論を下した[Guignard B、Menigaux C、Dupont Xら共著「経口的気管内挿管後の血液動態反応及びバイスペクトル指数の変化に対するレミフェンタニルの効果(The Effect of Remifentanil on the Bispectral Index Change and Hemodynamic Responses after Orotracheal Intubation)」Anesth Analg誌2000年;90(l):161−7]。その後の発表において、Bloomは、BISに基づく変動性測度(3分間の時間窓にわたる最大BIS値から最小BIS値を減算)を用いると、大幅な短期的BIS変動性は、不十分な鎮痛の指標になりうることを示唆した[Bloom M、Jurmann A、Cuff G、Bekker A共著「BIS変動性は鎮痛を反映する(BIS Variability Reflects Analgesia)」J Neurosurg Anesthesiol誌2005年;17(4):254−5]。
Viertioe−Ojaらが提出した米国特許出願第11/211,137号明細書は、意識レベルが低下した患者の反応性を測定する方法及び装置を教示している。Viertioe−Ojaらの出願のシステムにおいては、患者から測定されたEEG信号はデジタル化され、高周波及び低周波アーチファクトを排除するために濾波され、5秒時間窓の連なり、すなわち「エポック」、として処理される。この処理方法は、Viertioe−Ojaらの出願が単一エポック内の20Hzから35Hzまで広がる帯域の電力として定義しているEEG信号の高周波電力を計算し、計算された値を格納する。この計算はエポックごとに繰り返され、時系列(第1の測度として既知)を出力する。これは、各エポックにおける高周波EEG電力である。
Viertioe−Ojaらの出願の処理方法は、次に、高周波EEG電力の変化を示す変化変数を計算する。このプロセスは、最初に、第1の測度の直前1分間中の最小値を見つける。次に、第1の測度のこの最小値を第1の測度の現在値から引くことによって、変化変数が求められる。最後に、30分間にわたって変化変数の対数の連続値を平均化することによって、反応性指数が計算される。この反応性指数は、時間に対する高周波EEG電力の平均/累積的変化を示す。Viertioe−Ojaらの出願は、第1の測度として、高周波EEG電力の代わりに、フラクタルスペクトル解析に基づくEEGエントロピー又は測度、ラムペルチェフ複雑度、或いはバイスペクトル又はマルチスペクトル解析又はバイスペクトル指数など、他の測度も使用されうることを教示している。
Viertioe−Ojaらの出願の反応性指数は、鎮静薬によって誘発された無意識と自然睡眠との間を区別するように考案されている。これは、鎮静を深めると、自然に起きる覚醒を抑制する傾向があるが、自然睡眠中の患者は相対的に敏感に反応するという理論に基づく。従って、この反応性指数は、鎮静作用と自然睡眠との間を区別する選択機構を提供することを目的としている。反応性指数を計算するために使用される長い時間窓(すなわち、30分)のために、この指数は、高周波EEG電力の持続的変化をもたらす刺激にのみ左右され、治療措置中に発生する刺激などの散発的な一時的刺激には左右されない。
患者の鎮痛の状態及び妥当性を知ることにより、麻酔プロバイダは、患者の最適な術中状態を保証するために必要な薬物を正に必要な用量だけ、より効果的に投与できるようになる。この最適な状態は、結果として患者の予後を向上させる。今日まで提案されてきた何れもシステムも、このような判定を可能にするシステム又は方法を開示していない。
従って、本発明の目的は、患者の鎮痛の状態及び妥当性のレベルを評価及び定量化するシステム及び方法を提供することである。
本発明のシステム及び方法は、患者の鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性を予測及び測定する。生体電位信号は、患者から電極を通じて得られる。プロセッサは、患者の鎮静状態及び/又は筋活動を表す測度を計算する。次に、このような測度を表すメトリックが求められる。複数のメトリックが組み合わされて、患者の鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性を表す指数になる。
本発明の性質及び目的の理解を深めるために、以下の詳細な説明を参照されたい。この詳細な説明は、添付図面と共に読まれるべきであり、これらの図面においては、いくつかの図を通して対応する参照符号は対応する部分を指している。
本発明は、患者の鎮痛の状態及び妥当性を評価するために、手術中の患者の内因性の意識測度変動性における変化を用いる。基礎となる脳波(EEG)の確率的性質により、EEGに基づく意識測度は変動性の基礎レベルを示す。この変動性は、標準偏差などの一般的な変動性測度を用いて定量化されうる。
外科的刺激、メスによる切断、或いは筋肉組織又は内臓を強く引っ張ることなど、患者に加えられた摂動により、意識測度の基礎変動性が増加するため、意識測度の変動性を定量化するために使用する変動性測度も付随して増加する。
この挙動は、手術中だけでなく、あらゆる意識レベルにおいて現れる。眠っている患者は、麻酔薬の影響下でなくとも、意識レベルが低下している。このような患者は、雑音、揺らすこと、明るい光等によって覚醒されうる。このような覚醒は、その意識測度の変動性レベルの増加として反映される。外科患者は、通常、雑音又は揺らすことによっては覚醒されないが、疼痛刺激によって覚醒されうる。疼痛性刺激の知覚を遮断するために十分な用量のオピオイド薬などの鎮痛薬が外科患者に投与されている場合、その患者は覚醒されない。どちらの場合も、患者の意識レベルは変わらないが、その鎮痛の妥当性レベルは著しく異なり、この差は患者の意識測度の変動性に反映される。患者の鎮痛の状態が疼痛性刺激の知覚を遮断するに十分である場合は、その内因性の意識測度変動性は低下し、この低下量は、変動性メトリックを意識測度に適用することによって定量化されうる。
筋肉の電気的活動は、表面、針、又は埋め込み電極から記録されうる。このような筋電図(EMG)信号は、筋肉の緊張又は活動の基礎レベルをも示すので、変動性メトリックによって定量化されうる。筋緊張の基礎レベルは、基礎となる筋活動のレベルを反映する。意識測度と同様に、基礎となる筋活動の変動性も変動性測度を用いて定量化できる。動きは、筋活動の増加をもたらし、ひいては変動性測度の増加をもたらす。知覚された疼痛の全般的レベルの増加は、筋活動の基礎レベルの増加をもたらし、ひいてはEMG変動性の定量化に使用する変動性メトリックの増加をもたらす。
本発明は、EMGメトリック及び意識メトリックの変動性のメトリックを組み合わせた複合指数を作成することによって鎮痛の状態の妥当性を定量化しようとするものである。
図1を参照すると、本発明の装置は、EEGデータ取得装置を含む。EEGデータ取得装置は、入力信号をケーブル20経由でEEG処理システム40に供給する。次に、前記EEG処理システム40は、入力信号50を鎮痛の状態及び妥当性監視システム10に供給する。入力信号20は、例えば、1つ以上のEEG電極30によって公知の方法で生成されたEEG信号でもよく、或いは増幅器又は他の公知のEEG処理装置によって生成されたEEG信号でもよい。EEGリード線は、1つ以上の表面電極30から成る電極セットによって患者の頭25に接続される。これらの電極は、好適な一実施形態においては、BIS Quattro(登録商標)センサ(マサチューセッツ州ノーウッドのAspect Medical Systems社)の一部であることが好ましい。EEG信号は電極30によって検出され、ケーブル20を介してEEG処理システム40に伝送される。1つ以上のEEG電極30によって生成された入力信号20は、EEG信号を処理するために使用される何れの装置40(例えば、上記の米国特許第5,458,117号明細書に開示されている種類のバイスペクトル指数生成器)にも印加されうる。EEG処理装置40は、患者の脳の活動を表す第1の出力信号50を生成する。好適な実施形態において、出力信号50は、患者の鎮静又は催眠状態を表す。EEG処理装置40は、患者の筋電図(EMG)活動を表す第2の出力信号60を生成する。好適な実施形態において、第2の出力信号60は、電極30の直下の領域における筋肉の緊張又は筋活動のレベルを表す。
監視システム10は、患者の脳の活動を表す第1の出力信号50及び患者のEMG活動を表す第2の出力信号60を受信し、この2つの信号から患者の鎮痛の妥当性及び鎮痛の状態を表す指数を計算する。この指数は、プロセッサ20に接続されたグラフィックスディスプレイ70に表示される。指数のプリント出力もプロセッサ20に接続されたハードコピー出力装置80で入手可能である。操作者は、ユーザ入力装置90を介してシステムの取得及び解析装置と対話し、フィードバックがグラフィックスディスプレイ70に表示される。
好適な実施形態において、患者の脳の活動を表す第1の出力信号50は、マサチューセッツ州ノーウッドのAspect Medical Systems社製の意識レベルモニタの製品系列、例えば、サードパーティの患者監視システムと併用されるBISxモジュール、A2000モニタ、又はBIS Vistaモニタなど、によって生成されるバイスペクトル指数(BIS(登録商標):Bispectral Index(登録商標))である。複数の代替実施形態において、第1の出力信号50は、意識又は麻酔深度の他の測度でもよく、例えば、GE Healthcare社(フィンランド)製のエントロピーモニタ及びモジュールの系列によって生成されるエントロピー測度(例えば、SE及びRE)、SEDLine Monitor(イリノイ州レイクフォレストのHospira Inc.)によって生成されるPSI測度、AEP Monitor(デンマーク国オデンセのDanmeter社)によって生成されるAEP指数、AEPEXシステム(英国ブレインツリーのMedical Device Management Ltd)によって生成されるAEP指数、SNAP系列のモニタ(ミズーリ州チェスターフィールドのEverest BioMedical Instruments社)によって生成されるSNAP指数、及びNarcotrendモニタ(スイス国バールのSchiller AG社)によって生成されるナルコトレンドなどのうちの1つでもよい。好適な実施形態においてはさらに、第2の出力信号60は、Aspect Medical Systems社の意識レベルモニタの系列によって生成されるEMG測度である。これらのモニタによって計算されるEMG変数は、平均電力が周波数帯域70〜110Hzであり、筋活動又は筋緊張のレベルを定量化する。なお、言うまでもないが、複数の代替実施形態においては、筋活動又は筋緊張のレベルを定量化するために、他のメトリック又は他の関連の周波数帯域から計算されたメトリック、例えば、平均電力、RMS電力、ピーク電力、及び信号内のエネルギー、又は単一周波数におけるエネルギー、又は周波数帯域におけるエネルギーを定量化するために当該技術分野で一般に使用される他の測度などを使用してもよい。
次に、プロセッサ20によって実施される本発明の方法に移ると、プロセッサ20によって受信される第1及び第2の出力信号50、60は、等間隔の連続した複数の離散サンプルで構成されるデジタル信号であることが好ましい。信号50、60は、2つの時系列の連続値CerebralActivitvy及びEMGとしてそれぞれ表される。下付き文字「i」は、それぞれの時系列の各値に対応する時点を表す。この2つの時系列は時間同期されるので、CerebralActivity及びEMGは同じ瞬間の値に対応する。
この2つの時系列は、「エポック」として公知の連続サンプルのセット群に分割される。これは、当該技術分野において一般に実施される手法である。本発明は、15秒のサンプリング間隔及び60秒のエポック長を使用することが好ましい。従って、各エポックは5つのサンプルで構成される。なお、言うまでもないが、他のサンプリング速度及びエポック長を使用してもよい。これらのエポックは部分的に重なり合うので、新しいサンプルCerebralActivity及びEMGが使用可能になるたびに(下付き文字iは最新のサンプルを表す)、新しいエポックは前のエポックに80%重なる。
各エポックのデータごとに、プロセッサ20は、変動性の測度を時系列CerebralActivity及びEMGから導出する。好適な実施形態においては、変動性の測度として標準偏差が使用される。但し、他の変動性メトリックを使用してもよいことを認識されたい。他の変動性メトリックとして、信頼区間、標準誤差、ゼロ交差カウント(時系列が特定の閾値より大きい値からその閾値未満の値に移行した回数であり、多くの場合は、当該エポック内の全サンプルの平均値)、特定の百分位数の値又は位置、特定の百分位数のセット又は範囲内の値の数又は割合、特定の百分位数より上又は下の値の数又は割合、エポック内の各サンプルとそのエポック内、又は複数のエポック又はエポックの一部にわたる何れか他の期間内、の最小値又は最大値との間の差、或いは当該技術分野において公知の他の統計的変動性の測度が挙げられる。
時系列CerebralActivityの変動性σCerebralActivityは、サンプルの標準偏差の一般に公知の形式を用いて計算される。
Figure 2009532130
同様に、時系列EMGの変動性、すなわちEMGの標準偏差(sEMG)、は次のように計算される。
Figure 2009532130
これらの計算において、「n」は、1つのエポック内のサンプルの数である。好適な実施形態において、脳の活動の測度はBISである(すなわち、CerebralActivity=BIS)ので、σCerebralActivityは、BISの標準偏差(σBIS)と称される。これらの変動性メトリックは、どちらもエポックごとに計算され、そのエポック内の全てのデータを含む。
この2つの変動性メトリックを組み合わせると、鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性との相関関係がある一価指数になることが望ましい。これは、単一の数値を臨床医に提供するという利点も有する。さらに、一価指数は、これらの変動性メトリックのどちらか一方に比べ、より安定した推定値であり、より正確である。あらゆる統計的推定量と同様、この2つの変動性メトリックは、鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性との相関関係がある情報成分を有するだけでなく、ランダム誤差成分をも有する。それぞれの情報成分は部分的にのみ相関関係があるので、この2つの組み合わせは、これら成分のどちらか一方に比べ、より多くの情報を含む。これに対して、誤差成分は相互に少なくとも部分的にランダムであるので、2つの変動性メトリックの組み合わせは、2つの成分のどちらか一方の場合に比べ、ランダム誤差がより小さくなる。この理由により、2つの変動性メトリックを組み合わせて単一の指数にすると、変動性メトリックのどちらか一方の場合に比べ、情報のレベルが上がり、ランダム雑音のレベルが下がる。
この2つの変動性メトリックは、線形結合に組み合わされる。この組み合わせの係数を導出するために、患者の身体状態に関する同時データと共にEEG及びEMGデータのデータベースが使用された。線形結合の具体的な形態は、ロジスティック方程式である。変動性メトリックを独立変数として使用し、身体反応の有無を従属変数として使用して係数を導出するためにロジスティック回帰が使用された。不十分な鎮痛及び疼痛に伴う種類の身体反応(動き、しかめっ面、及び開眼)を患者が示す直前に患者から記録されたデータから計算された変動性メトリックは、身体反応が有ることに対応付けられ、この身体反応の3分前のデータから計算された変動性メトリックは、身体反応が無いことに対応付けられた。
BISのためのFDA承認プロセスの一部であるIRB承認済みの多施設臨床試験からデータが収集された(Gan TJ、Glass PSA、Windsor Aら共著「Bispectral Index Monitoring Allows Faster Emergence and Improved Recovery from Propofol,Alfentanil,and Nitrous Oxide Anesthesia)」Anesthesiology誌1997年、87(4):808−15)。一般的待機手術を受ける患者(n=353)に、プロポフォール及びアルフェンタニルがO中50%のNOと共に注入された。各患者の額及びこめかみに、製造者(Aspect Medical Systems Inc.)によって推奨されるBIS Sensor(登録商標)を用いて、電極が配置された。EEG及びEMG(EEGの70〜110Hz周波数帯域の電力として規定)は、複数の増幅器と、さまざまな高域、低域、及び帯域通過フィルタと、EEG及びEMG信号をデジタル化してオフライン解析のためにコンピュータ上に連続的に記録するアナログ・デジタルコンバータとで構成されるデータ取得システムによって取得された。身体反応(すなわち、動き、しかめっ面、及び開眼)がログ記録された。研究用データベースを形成するために、記録されたEEG、EMG、及びログ記録された身体反応データが組み合わされた。BIS(レビジョン4.1)は、記録されたEEGからオフラインで計算された。少なくとも10分間の無反応が先行する反応を選択するために、データベースが走査された。展開及び解析のために、反応の3分前の観察結果がベースライン(B:Baseline)と定義され、反応直前の観察結果が前反応(PR:Pre−Response)と定義された。研究用データベースは、特定された身体反応を100個含んでいた。
同じデータセットからのテスト及び展開を容易にするために、この研究用データベースは展開(ラーニング)セットと評価(テスト)セットとに均等に分割された。ラーニングセットは、B期間とPR期間との間で変化したメトリック、従って身体反応を伴うメトリック、を特定するために使用された。これらのメトリックは、1つのロジスティック方程式に組み合わされた。ラーニングセットは、このラーニングセット内の身体反応データとの適合度が最高の係数セットを計算するために使用された。計算された係数を使用するロジスティック回帰方程式は、複合変動性メトリック(CVM:Composite Variability Metric)指数である。テストセットは、重要なメトリックから導出されるCVM指数を予め評価するために使用された。ラーニング/テスト方法体系は、特徴がデータセット全体において特定された場合に発生しうるモデルの過適合を回避するために役立つ。
ラーニングセットを使用することによって、BからPRに著しく変化したメトリックが特定され、身体反応を予測する複合測定を作成するためにロジスティック回帰が使用された。ロジスティック回帰による反応(0から1)の確率の予測は、0から100までの等級が付けられた。評価されたメトリックのセットは、EMGの平均(mean)と標準偏差(σEMG)、及びBIS(レビジョン4.1)の平均(mean)と標準偏差(σBIS)であった。これらは、現在のエポックから15秒間隔で計算された(前の1分間内のデータ)。
ラーニングセットの解析は、平均EMG、EMGの標準偏差(SD)、BISのSDはベースライン期間と前反応期間との間で著しく増加したが、平均BISはそうではなかったことを確認した(図2)。前に特定された特徴を候補変数として用いてベースラインに対する前反応を予測するために、ロジスティック回帰によって生成されたモデルから複合変動性メトリック指数(CVM:Composite Variability Metric Index)が導出された。ロジスティック回帰は、複合測定を形成するために組み合わされたときに、統計的に最も重要な変数としてEMGの標準偏差(σEMG)及びBISの標準偏差(σBIS)を選択した。
CVMは、次のように計算される。
Figure 2009532130
式中、α=−0.115、β=−0.153、及びγ=0.937である。係数α、β、及びγは、ラーニングセットに適用されたロジスティック回帰を用いて計算される。
好適な実施形態では、指数をロジスティック方程式の形式で使用するが、他の形式の方程式を代わりに使用してもよい。
個々のメトリックの全て及びCVM指数は、テストセットを用いて予め評価され、ラーニングセット(表1)で得られた結果と同様の結果が得られた。この解析は、CVM指数の予測能力を検証した。この解析は、手術中に身体反応が起きる前にBIS及びEMGの変動性、並びにEMG電力が増加するという知見に基づく。
EMGのSD、BISのSD、及びCVM指数の平均的傾向(95%のCI)が図2に示されている。プロポフォール/NO/アルフェンタニル麻酔を受けた患者における一般的待機手術の麻酔維持相中、外科的刺激に対する身体反応(すなわち、動き、しかめっ面、又は開眼)に先立つ3分間にわたって、平均EMG及びEMGとBISの両方の変動性メトリック(SD)が増加した。CVM指数は、以降の身体反応との相関関係が高かった。これらのメトリック、及びこれらメトリックの組み合わせ(CVM指数)は、不十分な鎮痛期間についての臨床的に有用な指標と思われる。
BISのSD(σBIS)及びEMGのSD(σEMG)は、両者自体が鎮痛の状態及び妥当性の極めて重要な予測量である。一代替実施形態においては、代替CVM指数を形成するためにBISのSD(σBIS)が単独でロジスティック方程式に使用されうる。この実施形態において、代替CVM指数(CVMSDBIS)は次のように計算される。
Figure 2009532130
式中、係数к及びεは、ラーニングセットに適用されたロジスティック回帰を用いて計算される。
別の代替実施形態においては、別の代替CVM指数を形成するためにEMGのSD(σEMG)が単独でロジスティック方程式に使用されうる。この実施形態において、代替CVM指数(CVMSDEMG)は、次のように計算される。
Figure 2009532130
式中、係数λ及びvは、ラーニングセットに適用されたロジスティック回帰を用いて計算される。
但し、好適な実施形態においては、この2つの変動性メトリックのどちらか一方を単独で用いた場合に比べ、より高レベルの情報及びより低レベルのランダム雑音を得るために、これらのメトリックの両方の組み合わせを単一のCVM指数に使用することによって、CVM指数の性能を向上させる。
Figure 2009532130
CVM指数の傾向(時系列)の変動、すなわちサンプルからサンプルへの変化、を減らすために、CVM指数の平滑化が望ましいことがありうる。これは、最新のCVM指数値をいくつか平均化することによって実現されうる。この場合、一緒に平均化する値の数が多いほど、より滑らかでより緩慢な反応がもたらされ、一緒に平均化する値の数が少ないほど、より可変でより急速な反応がもたらされる。このような平均化は、均等に加重しても、或いは平均における各CVM指数値の影響が何らかの重み関数に応じて変化するように加重してもよい。このような重み関数の一例は、個々のCVM指数値を年齢の逆に加重(増加)する逆年齢関数である。この手法は、最新のCVM指数値を以前のCVM指数値より強く加重するという効果がある。好適な実施形態においては、平滑化が適用されない。その理由は、BIS及びEMGの計算に固有の時間平均化によって適切な平滑化がもたらされるからである。
BIS及びEMGの変動性が鎮痛の状態及び妥当性を反映しないさまざまなEEG状態中にBIS及びEMG値が計算される場合は、BIS及びEMG値をCVM指数計算から除くことによって、CVM指数の信頼性を上げることが望ましいこともある。例えば、EEGの抑制は、極めて深い鎮静状態中に起こる状態であり、この状態では、EEG活動は部分的又は完全に平坦状態になる。完全又は部分的なEEG抑制状態におけるBIS及びEMGの変動性は、患者の鎮痛の状態及び妥当性を反映していないので、本発明の好適な実施形態においてはこの状態中は値を計算しない。Aspect Medical Systems社製の意識モニタは、EEG波形が抑制される度合いを定量化する、抑制比(SR:Suppression Ratio)と呼ばれる変数を生成する。本発明の好適な実施形態は、SRの値が閾値、好ましくは40、より大きくなると、CVM指数に対する値を計算しない。
術後疼痛の深刻さを予測するために、CVM指数の術中変動性の可能性、並びにBIS及びEMGの傾向を予測評価するためのCVM指数のさらなる解析が実施された。全身麻酔下で心臓以外の手術を受ける16才を超える年齢の連続した患者に、IRBの承認及び書面によるインフォームドコンセントに引き続き、覚醒に対するBIS監視の影響に最初に焦点を当てた研究に参加してもらった[Ekmanら共著「BIS監視を用いた覚醒の発生率の低減化(Reduction in the Incidence of Awareness Using BIS Monitoring)」Acta Anaesthesiologica Scandinavica誌2004年;48(l):20−6]。記録されたデータは、年齢、性別、肥満度指数(BMI:Body Mass Index)、手術の種類(腹腔内、整形外科、一般、ENT、又はその他として分類)、ASA全身状態、及び麻酔の持続時間を含んでいた。BIS及びEMGの連続値が連続1分間の平均値として記録された。手術の1時間後に100mmの視覚的アナログ尺度を用いて疼痛が自己申告された。このスケールでは、0は疼痛が皆無であることを表し、100は起こりうる最悪の疼痛を表していた。その後、疼痛スコアは2つの方法体系を用いて再分類された。中央値は、より軽い疼痛又はより重い疼痛の数が等しい2段階のグループに分割され、五分位数は、最も軽い疼痛から最も重い疼痛までに段階付けされた、等しい数の5段階のグループに分割された。術中変動性を評価するために、平均EMG及びEMG及びBISの標準偏差(SD)が維持期間(挿管から皮膚閉鎖までと定義)にわたって計算された。
術中、術後、及び死亡率データが2,248人の患者について得られた。術後疼痛が中央値より大きい患者は、BMIがより大きく、年齢がより若く、症状持続時間がより長く、平均EMGがより大きく、EMG及びBISの両方の平均変動性(SD)がより大きかった(表2)。疼痛スコアの多様性を最も良く説明した多変量ANOVAモデルは、表2の重要な一変量変数を全て含んでいた。
Figure 2009532130
BIS範囲とBISの変動性との間の関係を評価するために、維持期間中の全てのBIS値の平均及びSDが各患者について計算された。このデータは図3に示されている。個々の患者の値は平均BIS値ごとにまとめられている。手術の1時間後の疼痛が中央値より大きい患者は、各BISレベルにおけるBISの変動性がより大きい(p=0.013)。
五分位によって等級付けした疼痛スコアの解析が図4に示されている。図4のグラフAは、疼痛スコアの増加によるBISのSDの増加の等級付けを示す。BISのSDの増加は、疼痛スコアの範囲全体にわたって均一である。図4のグラフBは、EMGのSDと疼痛スコアとの間の関係を示す。2つの最小疼痛スコア(1及び2)においては基本的にEMGのSDに差は無いが、疼痛スコア3〜5では等級付けの増加が急である。図4のグラフCは、術後の疼痛スコアに対するCVM指数の関係を示す。BIS及びEMGの両方のSDをCVM指数に組み合わせることによって、全ての疼痛スコアにわたる等級付けの増加が均一化される。この挙動は、EMGのSDのみに比べ著しい改良点であり、低疼痛レベルにおける疼痛スコア間の差別化を可能にする。CVM指数は、術後疼痛の等級付けされた評価及び予測を、BISのSDのみの場合に比べ、より小さい変動性(より小さい信頼区間(CI:Confidence Interval))でさらに提供する。
本発明のさらに別の実施形態は、術後患者の予後を向上させるためのCVM指数の使用である。術後患者の予後の向上は、鎮痛薬の投与を指導するためにCVM指数を使用することによって実現されうる。麻酔の維持相中(導入後から麻酔覚醒前まで)、患者に投与される鎮痛薬の量は、CVM指数を低い値に維持することを目的として滴定される。鎮痛薬の過剰投与を回避するために、このような滴定は、勿論、臨床医の判断に合わせる必要がある。例えば、麻酔プロバイダは、CVM指数を観察することによって、最初の切開前などの手術の初期期間中の公知の無疼痛期間中に観察されたレベルを超えるCVM指数の増加を監視しうる。麻酔プロバイダは、CVM指数を監視することによって、外科的刺激が無い期間中に観察されたレベルを超えるCVM指数の増加も検出しうる。急激又は持続的な増加は、特に重要であり、患者の鎮痛の状態が不十分である間に急激な疼痛性刺激を伴いうる。
上記の発明について、その好適な実施形態に言及して説明してきたが、当業者はさまざまな変更及び修正を思い付かれるであろう。このような変更及び修正は全て、付属の特許請求の範囲に含まれるものとする。
本発明により構成された鎮痛の状態及び妥当性監視システムのブロック図を示す。 身体事象の発生時点を中心とした時間(分単位)ごとの(A)BISの標準偏差(SD:Standard Deviation)、(B)EMGのSD、及び(C)複合変動性指数(CVI:COMPOSITE VARIABILITY INDEX)の95%信頼区間(CI:Confidence Interval)を示す。 疼痛グループ(より大きい疼痛及びより小さい疼痛)ごとの維持相内の(5つのBIS単位ビン当たりの)平均BISごとの維持相内のBISのSDの95%信頼区間を示す。 維持期間にわたって予測される疼痛スコアの五分位数(最小から最大の疼痛)ごとの(A)BISのSD、(B)EMGのSD、及び(C)複合変動性指数(CVI)の95%信頼区間を示す。

Claims (13)

  1. 患者の鎮痛の状態及び妥当性を評価するシステムであって、
    前記患者から生体電位信号を得るための電極と、
    (a)前記患者の鎮静状態を表す第1の測度を前記生体電位信号から計算し、
    (b)前記第1の測度の変動性を表すメトリックを求め、
    (c)前記第1のメトリックを前記患者の鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性を表す指数に組み合わせるためのプロセッサと、
    を備えるシステム。
  2. 請求項1に記載の、患者の鎮痛の状態及び妥当性を評価するシステムであって、前記プロセッサは、前記第1の測度に重みを割り当て、前記重みに基づき前記第1のメトリックを組み合わせるシステム。
  3. 患者の鎮痛の状態及び妥当性を評価するシステムであって、
    前記患者から生体電位信号を得るための電極と、
    (a)前記患者の鎮静状態を表す第1の測度を前記生体電位信号から計算し、
    (b)前記第1の測度の変動性を表すメトリックを求め、
    (c)前記患者の筋活動を表す第2の測度を前記生体電位信号から計算し、
    (d)前記患者の筋活動を表すメトリックを求め、
    (e)前記第1のメトリック及び第2のメトリックを前記患者の鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性を表す指数に組み合わせるプロセッサと、
    を備えるシステム。
  4. 請求項3に記載の、患者の鎮痛の状態及び妥当性を評価するシステムであって、前記プロセッサが前記第1の測度及び前記第2の測度に重みを割り当て、前記重みに基づき前記第1のメトリック及び第2のメトリックを組み合わせるシステム。
  5. 請求項1に記載の、患者の鎮痛の状態及び妥当性を評価するシステムであって、前記プロセッサが前記第1の測度及び前記第2の測度を時間同期するシステム。
  6. 患者の鎮痛の状態及び妥当性を評価する方法であって、
    生体電位電極を前記患者に配置するステップと、
    前記患者から前記電極を介して生体電位信号を収集するステップと、
    前記患者の鎮静状態を表す第1の測度を前記収集された生体電位信号から計算するステップと、
    前記第1の測度の変動性を表すメトリックを求めるステップと、
    前記第1のメトリックを前記患者の鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性を表す指数に組み合わせるステップと、
    を含む方法。
  7. 請求項6に記載の、患者の鎮痛の状態及び妥当性を評価する方法であって、前記第1の測度に重みを割り当てるステップをさらに含み、前記第1のメトリックを組み合わせる前記ステップは、前記重みに基づき前記第1のメトリックを組み合わせる方法。
  8. 患者の鎮痛の状態及び妥当性を評価する方法であって、
    生体電位電極を前記患者に配置するステップと、
    前記患者から前記電極を介して生体電位信号を収集するステップと、
    前記患者の鎮静状態を表す第1の測度を前記収集された生体電位信号から計算するステップと、
    前記第1の測度の変動性を表すメトリックを求めるステップと、
    前記患者の筋活動を表す第2の測度を前記収集された生体電位信号から計算するステップと、
    前記第2の測度の変動性を表すメトリックを求めるステップと、
    前記第1のメトリック及び前記第2のメトリックを前記患者の鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性を表す指数に組み合わせるステップと、
    を含む方法。
  9. 請求項8に記載の、患者の鎮痛の状態及び妥当性を評価する方法であって、前記第1の測度及び前記第2の測度に重みを割り当てるステップをさらに含み、前記第1のメトリック及び前記第2のメトリックを組み合わせる前記ステップは、前記重みに基づき前記第1のメトリック及び前記第2のメトリックを組み合わせる方法。
  10. 請求項8に記載の、患者の鎮痛の状態及び妥当性を評価する方法であって、前記第1の測度及び前記第2の測度を時間同期するステップをさらに含む方法。
  11. 術後の患者予後を改善させる方法であって、
    生体電位電極を前記患者に配置するステップと、
    前記患者から前記電極を介して生体電位信号を収集するステップと、
    前記患者の鎮静状態を表す第1の測度を前記収集された生体電位信号から計算するステップと、
    前記第1の測度の変動性を表すメトリックを求めるステップと、
    前記患者の筋活動を表す第2の測度を前記収集された生体電位信号から計算するステップと、
    前記第2の測度の前記変動性を表すメトリックを求めるステップと、
    前記第1のメトリック及び前記第2のメトリックを前記患者の鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性を表す指数に組み合わせるステップと、
    前記患者の鎮痛の状態及び鎮痛の妥当性を表す前記指数の急激な増加の発生を最小化するために、薬物を前記患者に投与するステップと、
    を含む方法。
  12. 被験者の鎮痛の状態及び妥当性を評価する方法であって、前記第1の測度及び前記第2の測度に重みを割り当てる前記ステップをさらに含み、前記第1のメトリック及び前記第2のメトリックを組み合わせる前記ステップは、前記重みに基づき前記第1のメトリック及び前記第2のメトリックを組み合わせる請求項11に記載の方法。
  13. 被験者の鎮痛の状態及び妥当性を評価する方法であって、前記第1の測度及び前記第2の測度を時間同期する前記ステップをさらに含む請求項11記載の方法。
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