JP2009532068A - 細胞育成用マトリックスとしての平坦なマイクロファイバー - Google Patents

細胞育成用マトリックスとしての平坦なマイクロファイバー Download PDF

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Abstract

本発明は、ミクロフィブリル化された熱可塑性ポリマー材料のマトリックスを利用した、細胞の培養に関する。より具体的には、本発明は、細胞培養方法に関する。更に、本発明は、細胞培養培地に分散された細胞を培養するための、ミクロフィブリル化された物品に関する。本発明の、細胞を培養するための熱可塑性ポリマー材料のマトリックスは、組織工学及び創傷治癒用途での利用を見出す。

Description

本発明は、ミクロフィブリル化された熱可塑性ポリマー材料のマトリックスを利用する、細胞の培養に関する。
組織工学及び創傷治癒は、損失もしくは損傷された組織の再構築及び/又は再生への対処法である。細胞育成のために細胞外マトリックスを開発するこれまでの取り組みには、生分解性及び生体吸収性物質の利用が包含されてきた。これらマトリックスの開発において、ヒアルロン酸及びコラーゲンは、器官類の交換、やけどもしくは潰瘍に対する皮膚置換、骨喪失の置換、あるいは脳組織の置換における操作組織として利用するために採用されてきた。これら物質は、典型的に高価であり、そして大量生産すると多様な特性を有する。
ポリ乳酸ホモポリマー類及びポリカプロラクトンホモポリマー類などのポリマー類、並びにこれらの関連コポリマー類及びブレンド類は、足場及び/又は細胞外マトリックスとして、細胞透過及びポリマー分解のための多孔性構造を提供する。しかしながら、十分な組織再生のためには、十分な細胞増殖と適切な分化を三次元の細胞性複合体内で達成しなければならない。不織布は、J.アイグナー(Aigner, J.)ら、「ヒアルロン酸ベンジルエステル系の新規不織構造化バイオマテリアルを用いた軟骨組織工学(Cartilage Tissue Engineering with Novel Nonwoven Structured Biomaterial Based on Hyaluronic Acid Benzyl Ester)」、医用材料研究会誌(J. Biomed. Mater. Res.)、1998年、42、172〜181;G.S.バット(Bhat, G.S.)、「複合体用の三次元織物としての不織布(Nonwovens as Three-Dimensional Textiles for Composites)」、材料製造法(Mater. Manuf. Process,)、1995年、10、67〜688;T.マー(Ma, T.)、「3−D繊維状マトリックスにおける細胞工学ヒトプラセンタ栄養膜細胞:細胞増殖に対する空間効果と機能(Tissue Engineering Human Placenta Trophoblast Cells in 3-D Fibrous Matrix: Spatial Effects on Cell Proliferation and Function)」、生物工学の進捗(Biotechnol. Prog.)、1999年、15、715〜724、及びS.R.バッタライ(Bhattarai, S.R.)ら、「新規生分解性電解紡糸膜:組織工学用の足場(Novel Biodegradable Electrospun Membrane: Scaffold for Tissue Engineering)」、バイオマテリアルズ(Biomaterials)、2004年、25、2595〜2602に記載されているように、組織用途における足場として使用されてきた。
細胞生物学は、生存している生物を構成する基本単位である細胞の構造と機能とを必要とする。人体の形と機能は、その構成要素である細胞の形状と機能と挙動との集約である。結果として、この分野での研究は、疾病の予防と処置及びヒトの挙動をより理解するために発達してきた。技術及び方法論の進歩は、細胞生物学を、細胞を理解する新しいレベルまで発達させている。
成長している細胞系では、サイクルは、母細胞を2つの娘細胞へ分裂することによる細胞の形成から生じる。このサイクルは、多細胞生物の中のみならず、単離された細胞の培養においても生じる。細胞の構成要素のすべてが、有糸分裂(核分裂)と細胞質分裂(細胞質内分裂)との分裂現象で終わるサイクル中に倍増する。
多細胞生物中の細胞は、細胞分化によって特定の機能を発揮するように特殊化される。より高等な生物の生活サイクルは、単細胞段階から始まり、そしてそれが成長してその特徴的な形になるにつれて、更に複雑になる。分化した細胞は、特殊化された細胞種の割合が一定のパターンで集まり続けるため、それらの特徴的な形を保持して同定される。幾つかの細胞種は組織を構成し、そして様々な組織が器官を構築する。
細胞類及びそれらの細胞構成成分の運動は、その環境と関係がある。歩行運動様式のような極めて多種多様な運動は、アメーバのものと類似している。この細胞内運動は仮足の形成によって達成され、その場合、細胞質は、偽足が伸び縮みしている間に活発に流動する。場合により、細胞は、胚芽の組織と器官を発達する形を変える力を発揮することが知られている。細胞は、体の腔、リンパ管、及び組織空間の中を這い進み、細菌、異質物質、及び死んだもしくは死にかけている細胞を見つけ出して取り込む。創傷治癒活性では、隣接する細胞は、傷の表面を横断して這い進んで、他の細胞が浸潤して隙間を埋めている間に傷を覆う。組織細胞は、約0.5〜50マイクロメートル/分の速度で非常にゆっくりと這い進むが、線維芽細胞などの構造細胞は、1時間程度でそれ自体の長さ分だけ這い進むか、又は約1〜2mm/日移動する。細胞及び細胞生物学についての更なる情報は、マグローヒルの科学工学百科事典(McGraw-Hill Encyclopedia of Science & Technology)、1987年、3、317〜384に見出すことができる。
細胞育成用マトリックスを開発する際、細胞の分化と増殖は、多くの場合、従来の培養法については困難である。培養細胞は、通常、それらの組織特異性細胞外マトリックスから単離された後、育成培地に懸濁され、それらはそこで培養皿の底に接着して集密的な単層を形成する。細胞は、多くの場合、それらのモルホロジーのみならず、それらの生化学的特性及び機能特性をも失う。結果として、脱分化された細胞は、それらの元の組織環境と比べて異なる行動をとる場合がある。細胞の増殖と分化を生じさせるためには、十分な表面積を有する足場に接着させる必要がある。足場又はマトリックス表面は、細胞の認識と迅速な接着とを促進するためにペプチド配列で変性されてもよい。さらに、三次元マトリックスは、繊維に接着した大量の細胞に栄養素と気体を拡散させることが可能な多孔性構造を必要とする。足場全体を通じて、増殖している細胞との栄養素と、気体と、老棄物との自由交換は、細胞生存度を維持するのに必要である。これにより、マトリックスは長期間、分化及び増殖のためのキャリアの役割を果たすことができるようになる。
本発明は、細胞培養物品及び細胞培養方法を目的とする。一態様では、配向された熱可塑性で実質的に矩形の、平均有効直径が20マイクロメートル未満である、細胞培養培地内に分散されたマイクロファイバーの、細胞培養培地内に分散されたマトリックスと、前記マトリックスに提供する、細胞培養方法が提供される。マイクロファイバーの平均有効直径は、一般に0.01〜10マイクロメートルであって、横断方向の縦横比(幅対厚さ)は1.5:1〜20:1である。マイクロファイバーの断面積は0.05〜3.0μmである。本発明の繊維は実質的に矩形形状であって、これは、円形又は正方形の断面を有する同じ直径の繊維に比べて、より大きな表面積での細胞接着を与える。マトリックス内の繊維の剛性と三次元構造は、細胞に、それらの分化能力と増殖能力とを保持させることができる。
別の観点では、本発明は、細胞を培養するためのミクロフィブリル化された物品であって、前記物品が、配向された熱可塑性で実質的に矩形の、平均有効直径が20マイクロメートル未満であるマイクロファイバーの、一体化マトリックスを有する熱可塑性ポリマーフィルムを含み、細胞培養培地内に分散された前記ミクロフィブリル化された物品を含むものを提供する。マイクロファイバーは、熱可塑性フィルムの少なくとも1つの表面に配置されたミクロフィブリル化された物品内の10マイクロメートル以上の深さに一体化されている(integral to)。あるいは、ミクロフィブリル化された物品は、熱可塑性フィルムの厚さ全体に亙ってミクロフィブリル化されたモルホロジーを有していてもよい。
本発明は、マイクロファイバーのマトリックスの表面に播種される細胞のために提供され、前記マトリックスが細胞培養培地内に浸漬される。細胞培養培地は、様々な細胞株由来の細胞を含有してよい。更に、本発明は、細胞育成マトリックスが組織足場である少なくとも1つのミクロフィブリル化された表面を有するフィルムの物品を含む。また、本発明は、マルチウェル装置用のマトリクスであるミクロフィブリル化された物品をも含む。
本発明の上記「課題を解決するための手段」は、開示された各実施形態又は本発明の全ての実施を説明しようとするものではない。次の図面及び発明を実施するための最良の形態は、実例となる実施形態をより具体的に例示するものである。
以下の定義された用語に関して、別の定義が特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所において示されない限り、これらの定義が適用される。
用語「ミクロフィブリル化された物品」は、表面を分裂させるのに十分な流動エネルギーを与えることによってミクロフィブリル化することができる、高度に配向された、孔質のもしくはマイクロボイドを有する熱可塑性フィルム、シート、又は発泡体と定義される。この表面は、配向フィルム基材から調製された、配向された熱可塑性で実質的に矩形のマイクロファイバーのマトリックスを含む。所望により、マイクロファイバーは、フィルムのミクロフィブリル化された表面から回収されてもよい。
用語「孔質フィルム」は、熱可塑性ポリマーのマイクロボイドを有するフィルムであっても、又は半結晶性ポリマーとボイド発生粒子との不混和性混合物から調製された孔質フィルムであってもよい。本明細書で使用するとき、用語「フィルム」は、発泡シートを包含するシートを包括するものであり、そしてまた管などの他の構成及びプロファイルも、同じ能力を有するミクロフィブリル化された表面に提供され得ると解されてもよい。用語「硬質の」は、「マイクロボイドを有する」を包含するものとする。
用語「細胞株」は、好ましい条件下で連続して育成及び複製する細胞の培養物である。細胞株は、限られた寿命を有する細胞培養物から生じ、そして必要とされる間隔で保持されて分裂するのであれば、定期的に培養することが可能である。
用語「細胞培養培地」は、塩類と、炭水化物類と、ビタミン類と、アミノ酸類と、代謝前駆体類と、成長因子類と、ホルモン類と、微量元素類との複合混合物である。培地構成要素は、関心のある具体的な細胞株に依存して変化し得る。
用語「完成育成培地」は、ホルモン類と、微量元素類と、成長因子類と、血清とを添加した細胞育成培地から成るものとする。それは、細胞又は微生物の生存能力を維持する物質である。
「培養細胞」は、人工的な環境、すなわち、完成育成培地で成長する細胞と定義される。例えば、哺乳類細胞は、育成培地、pH、温度、浸透圧、及び他の因子に応じて培養され得る。細胞培養は、生物から分離された細胞の育成である。
用語「細胞の回収」は、細胞培養培地から細胞を取り出すことをいう。細胞株は、皿又はフラスコに固着して単層で成長する場合がある。細胞株はまた、配向された熱可塑性で実質的に矩形のマイクロファイバーのマトリックスに固着して、三次元構造で成長する場合もある。これらの細胞は、細胞の生存能力を保持するために一定間隔で継代培養されてもよい。
用語「培養密度」とは、基質上での細胞の成長度を指す。
用語「接種する」又は「播種する」とは、細胞を、配向された熱可塑性で実質的に矩形の、細胞培養培地内に分散されたマイクロファイバーのマトリックス上に配置する行為又は工程を指す。
用語「哺乳類細胞」とは、マウス、ヒト、サル、及びラットの細胞株に由来するが、全てを包括するものではない、様々な供給源を指す。
用語「細胞外マトリックス」は、三次元構造で細胞を増殖及び分化するための、配向された熱可塑性で実質的に矩形のマイクロファイバーのマトリックスを含む人工的な足場から成る。
用語「生分解性」とは、マイクロファイバー又はミクロフィブリル化された物品が、細菌、真菌、藻類、及び/又は天然環境因子類などの天然起源の微生物の作用によって分解することを表す。
用語「生体吸収性」とは、マイクロファイバー又はミクロフィブリル化された物品が、生化学的プロセス及び/又は加水分解プロセスで分解されて、生きている組織によって吸収され得ることを表す。
用語「ミクロフィブリル化度又はミクロフィブリル化深さ」とは、10マイクロメートル程度をいうが、かさばりで測定した場合、50マイクロメートルまで又はそれ以上、100マイクロメートル以上、完全にミクロフィブリル化されたフィルムの厚さまでであってもよい。
用語「平均有効直径」とは、配向された熱可塑性で実質的に矩形のマイクロファイバーにおいて、有効直径がこのマイクロファイバーの幅と厚さとの平均値の測度であるものを表す。
端点による数値範囲の詳細説明には、その範囲内に包含される全ての数が包含される(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が包含される)。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。従って、例えば「化合物」(“a compound”)を含有する組成物への言及には、2つ以上の化合物の混合物が包含される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、「又は」という用語は、その内容について別段の明確な指示がない限り、一般に「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
特に指示がない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、性質の測定等を表す全ての数は、どの場合においても、「およそ」という用語で修飾されていると理解すべきである。したがって、反対の指示がない限り、明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値的パラメーターは、本発明の教示を利用して当業者によって得られるように求められる所望の性質に応じて変えることができる近似値である。最低でも、同等物の原則の適用を特許請求の範囲の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値的パラメーターは、少なくとも、報告された有効数字の数を考慮し、通常の四捨五入の適用によって解釈すべきである。本発明の広範囲で示す数値範囲及びパラメーターは近似値であるが、具体例に記載される数値は可能な限り正確に報告する。とはいえ、いずれの数値もそれらの各試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を必然的に含有する。
本発明は、細胞の培養方法を提供する。この方法は、配向された熱可塑性で実質的に矩形の、マイクロファイバーの、細胞培養培地内に分散されたマトリックスを提供することを含む。別の実施形態では、この方法は、細胞培養マトリックス内に分散されたミクロフィブリル化された物品を含み、ここでマイクロファイバーに更に細胞を接種する。マイクロファイバーの平均有効直径は、20マイクロメートル未満であり、表面積は0.25m/グラムより大きい。
本発明で使用されるミクロフィブリル化された物品は、細胞を増殖及び分化するために三次元配列で細胞を培養するための配向された熱可塑性フィルムと一体化された、配向された熱可塑性で実質的に矩形のマイクロファイバーのマトリックスを含む。ミクロフィブリル化された物品は、創傷治癒における用途及び組織工学用途のための細胞の固着及び増殖を提供する。配向された熱可塑性ポリマーマイクロファイバーは、剛性と矩形のジオメトリとを提供する。これら繊維の製造によって、繊維と繊維ジオメトリとの間の細胞間空間に高強度が与えられる。マイクロファイバーは、少なくとも5GPaの引っ張り係数を有してよい。
マイクロファイバーは、細胞培養培地内に分散され、更に培養細胞が接種される。繊維への細胞の接種は、高密度の細胞と広範囲の拡散培養とを可能にする。
マイクロファイバー及びミクロフィブリル化物品を形成する際に有用なポリマーには、いずれかの溶融加工可能で熱可塑性の、結晶性、半結晶性、又は結晶可能なポリマーが包含される。半結晶性ポリマーは、非晶質領域と結晶性領域との混合物から成る。結晶性領域は、より秩序化されており、鎖のセグメントは実際には、結晶格子中に充填されている。いくつかのポリマーは、熱処理、延伸、又は配向により、並びに溶媒誘導により、半結晶性にすることが可能であり、これらの方法によって真の結晶化度を制御することができる。本発明で有用な半結晶性ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(メチルペンテン)、ポリ(エチレン−クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,12、ポリブテン、及びサーモトロピック液晶ポリマーが挙げられる。好ましいポリオレフィンとしては、低価格で容易に入手可能であり、及びミクロフィブリル化された物品内で高い弾性率と高い引張り強度などの所望の特性を提供することが可能な、ポリプロピレン及びポリエチレンが挙げられる。
有用なポリマーは、好ましくは、加工を行って、それらの機械的一体性を高める様式で高い配向比を付与することができるものであって、本質的には半結晶性である。半結晶性ポリマーを配向することにより、配向方向における強度及び弾性率を有意に向上させ、並びにその融点以下で結晶性ポリマーを配向することにより、折り畳み鎖と欠陥がほとんどない、配向された結晶相をもたらす。半結晶性ポリマーを配向するための最も有効な温度範囲は、ポリマーのα結晶化温度からその融点までの間である。α結晶化温度、又はα転移温度は、副結晶単位がより大きな結晶単位内で移動することができる、ポリマーの二次転移に相当する。
従って、この態様における好ましいポリマーは、α転移温度(Tαc)を示すものであって、例えば、高密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、エチレンα−オレフィンコポリマー類、ポリプロピレン、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ(エチレンクロロトリフルオロエチレン)、ポリオキシメチレン、ポリ(エチレンオキシド)、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、及びこれらのブレンドが挙げられる。
マイクロファイバー及びミクロフィブリル化物品はまた、熱可塑性ポリマー構成成分とボイド発生構成成分とを有する孔質の配向フィルム類から調製されてもよい。かかるボイド形成された配向フィルム類は、米国特許第6,331,343号(ペレッツ(Perez)ら)及び米国特許第6,645,618号(ホッブス(Hobbs)ら)に記載されている。
孔質の配向フィルムを用いる場合、熱可塑性ポリマー構成成分は、上述のようなポリマーを含み、ホモポリマー類、コポリマー類、及びブレンドを包含する。熱可塑性ポリマー構成成分は、所望の特性を本発明のミクロフィブリル化された物品に付与するために少量の第2のポリマーを更に含んでいてもよい。かかるブレンドの第2ポリマーは、半結晶性であっても非晶質であってもよく、そして一般には、脂肪族ポリエステル構成成分の重量に対して30重量%未満である。当該技術分野で公知のように、たとえば、剛性、耐亀裂性、エルメンドルフ引裂強度、伸び、引張強度、及び衝撃強度を増強するために少量の他のポリマーを添加してもよい。
ボイド発生構成成分は、半結晶性ポリマー構成成分に不混和性であるように選択される。それは、平均粒径が約0.1〜20マイクロメートル、好ましくは1〜10マイクロメートルの有機もしくは無機固体であってよく、そして無定形、斜方六面体、紡錘状、板状、ダイアモンド型、立方体、及び球体を包含する、いかなる形状であってもよい。
ボイド発生構成成分として役立つ有用な無機固体類としては、中実又は中空のガラス、セラミック又は金属の粒子、微小球又はビーズ;ゼオライト粒子;二酸化チタン、アルミナ、及び二酸化ケイ素のような金属酸化物を包含するが、これらに限定されない、無機化合物;炭酸金属塩、炭酸アルカリ塩、もしくは炭酸アルカリ土類塩、又は硫酸金属塩、硫酸アルカリ塩、もしくは硫酸アルカリ土類塩;カオリン、タルク、カーボンブラックなどが挙げられる。無機のボイド発生構成成分は、脂肪族ポリエステル構成成分に分散した場合、化学的性質又は物理的形状のために表面相互作用をほとんど有しないように選択される。一般に、無機のボイド発生構成成分は、ルイス酸/塩基相互作用を包含する、ポリマー構成成分(類)と化学反応性であってはならず、また最小限のファンデルワールス相互作用を有する。
好ましくは、ボイド発生構成成分は、半結晶性ポリマー及び非晶質ポリマーを包含する熱可塑性ポルマーを含んで、第2ポリマー構成成分と不混和性のブレンドを提供する。不混和性ブレンドは、例えば、示差走査熱量計又は動的機械分析を用いて複数の非晶質ガラス転移温度の存在によって確認されるように、複数の非晶質相を現す。本明細書で使用するとき、「不混和性」とは、限られた溶解性と、ゼロではない界面張力、とを有するポリマーブレンド(すなわち、混合の自由エネルギーが0より大きいブレンド)を指す:
ΔG≒ΔH>0
ポリマーの混和性は、熱力学的な考察と動的な考察との両者によって測定される。非極性ポリマーのための一般的な混和性の予測は、溶解度パラメーター又はフローリー・ハギンズ相互作用パラメーターの差である。ポリオレフィンのような非特異的な相互作用を有するポリマーの場合、フローリー・ハギンズ相互作用パラメーターは、溶解度パラメーターの差の2乗に係数(V/RT)を掛けることにより算出することができる。ここで、Vは、反復単位の非晶質相のモル体積であり、Rは気体定数であり、そしてTは絶対温度である。結果として、2つの非極性ポリマー間のフローリー・ハギンズ相互作用パラメーターは、常に正数である。
ボイド発生構成成分として有用なポリマーには、上述の半結晶性ポリマー、並びに非晶質ポリマーが包含され、冷却時に溶融物から離散層を形成するように選択される。有用な非晶質ポリマーとしては、ポリスチレン、ポリカーボネート、いくつかのポリオレフィン類、エチレンノルボルネンコポリマー類などの環状オレフィンコポリマー類(COC類)、及びスチレン/ブタジエンゴム(SBR)及びエチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)などの強化ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
不混和性ポリマーブレンドを使用する場合、第1熱可塑性ポリマー構成成分とボイド発生ポリマー構成成分との相対量は、第1熱可塑性ポリマーが連続相を形成し、そしてボイド発生ポリマーが不連続相を形成するように選択することが可能である。ブレンド中のボイド発生ポリマーの量を増大させると、ボイド発生ポリマーがもはや分散相としても離散相としても容易に識別できない組成範囲に達する。ブレンド中のボイド発生ポリマーの量を更に増やすと、2つの共連続相に次いで、転相をもたらして、ボイド発生ポリマーが連続相となる。好ましくは、熱可塑性ポリマー構成成分は連続相を形成するが、ボイド発生構成成分は、第1ポリマーの連続相内に分散された不連続相又は離散相を形成する。ボイド発生ポリマーが半結晶性であって、共連続相を形成するのに十分な量で使用される場合、配向した後、ミクロフィブリル化することによって、熱可塑性ポリマー構成成分とボイド発生ポリマーとにそれぞれ由来する2つの異なるマイクロファーバーの複合構造が得られる。
一般的には、ボイド発生構成成分の量が増大するにつれて、最終フィルム中のボイド形成量も増大する。結果として、機械的性質、密度、光透過性などのように、フィルム中でのボイド形成量の影響を受ける特性は、添加されたボイド発生構成成分の量に左右される。
好ましくは、ボイド発生構成成分が有機であろうと無機であろうと、組成物中のボイド発生構成成分の量は、1重量%〜49重量%、より好ましくは5重量%〜40重量%、最も好ましくは5重量%〜25重量%である。これら組成範囲では、第1熱可塑性ポリマーは連続相を形成するが、ボイド発生構成成分は離散した不連続相を形成する。
更に、選択されたボイド発生ポリマー構成成分は、選択された半結晶性ポリマー構成成分と不混和性でなければならない。これに関連して、不混和性とは、離散相が連続相中に実質的に溶解しないことを意味する。すなわち、離散相は、連続相によって提供されたマトリックス内に、個別の識別可能な領域を形成しなければならない。
高溶融強度のポリプロピレン発泡体は、ミクロフィブリル化された物品を調製するのに有用である。発泡性ポリプロピレンは、プロピレンホモポリマーから成ってもよいし、50重量%以上のプロピレンモノマー含有量を有するコポリマーを含んでもよい。更に、発泡性ポリプロピレンは、米国特許第6,468,451号(ペレッツ(Perez)ら)に記載されているように、プロピレンホモポリマー類もしくはコポリマー類と、プロピレンホモ−もしくはコポリマー類以外のホモ−もしくはコポリマー類との混合物又はブレンドを含んでもよい。
特に有用なプロピレンコポリマー類は、プロピレンと1つ以上の非プロピレン系モノマー類とのコポリマー類である。プロピレンコポリマー類としては、プロピレンと、C3〜C8α−オレフィン類及びC4〜C10ジエン類からなる群より選択されるオレフィンモノマー類とのランダム、ブロック、及びグラフトコポリマー類が挙げられる。プロピレンコポリマー類としてはまた、プロピレンと、C3〜C8α−オレフィンから成る群より選択されるα−オレフィン類とのターポリマー類を挙げることもでき、この場合、このようなターポリマー類のα−オレフィン含有量は、好ましくは45重量%未満である。C3〜C8α−オレフィンとしては、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセンなどが挙げられる。C4〜C10ジエン類の例としては、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、イソプレン、1,5−ヘキサジエン、2,3−ジメチルヘキサジエンなどが挙げられる。
発泡性組成物中の高溶融強度ポリプロピレンに加えてよい他のポリマー類としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び線形低密度ポリエチレン、フルオロポリマー類、ポリ(1−ブテン)、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー、エチレン/スチレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、アイオノマー類、並びにスチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)及びエチレン/プロピレン/ジエンコポリマー(EPDM)などの熱可塑性エラストマー類が挙げられる。
脂肪族ポリエステル類はまた、ミクロフィブリル化された物品又はマイクロファーバーを調製するのにも有用であって、ポリ(ヒドロキシアルカノエート類)のホモ−及びコポリマー類、一つ以上のアルカンジオール類と1つ以上のアルカンジカルボン酸類(又はアシル誘導体類)との反応生成物に由来する前記脂肪族ポリエステル類のホモ−及びコポリマー類を包含する。脂肪族ポリエステル類と1つ以上の追加の半結晶性もしくは非晶質ポリマー類との混和性及び不混和性ブレンドを使用してもよい。
脂肪族ポリエステル類の1つの有用な分類は、ヒドロキシ酸類又はそれらの誘導体の縮合又は開環重合によって誘導されるポリ(ヒドロキシアルカノエート類)である。好適なポリ(ヒドロキシアルカノエート)は、式H(O−R−C(O)−)−OHで表すことができ、ここで、Rは、直鎖又は分枝であり得るアルキレン部分であり、そしてnは1〜20まで、好ましくは1〜12までの数である。Rは、1つ以上のカターナリー(すなわち、連鎖内の)エーテル酸素原子を更に含んでもよい。一般に、ヒドロキシル酸のR基は、ペンダントヒドロキシル基が第一級又は第二級ヒドロキシル基であるようなものである。
有用なポリ(ヒドロキシアルカノエート)としては、例えば、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(乳酸)(ポリラクチドとしても既知である)、ポリ(3−ヒドロキシプロパン酸)、ポリ(4−ヒドロキシペンタン酸)、ポリ(3−ヒドロキシペンタン酸)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(3−ヒドロキシヘプタン酸)、ポリ(3−ヒドロキシオクタン酸)、ポリジオキサノン、及びポリカプロラクトン、ポリグリコール酸(ポリグリコライドとしても既知である)のホモ−及びコポリマー類が挙げられる。上記ヒドロキシ酸類のうち2つ以上のコポリマー類、例えば、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−コ−3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(酪酸−コ−3−ヒドロキシプロパン酸)及びポリ(グリコライド−コ−p−ジオキサノン)を使用してもよい。ポリ(ヒドロキシアルカノエート)のうち2つ以上のブレンド、並びにそれらと1つ以上の半結晶性又は非晶質ポリマーとのブレンドを更に使用してもよい。
脂肪族ポリエステル類の別の有用な分類には、1つ以上のアルカンジオール類と1つ以上のアルカンジカルボン酸類(もしくはアシル誘導体類)との反応生成物に由来する脂肪族ポリエステル類が包含される。かかるポリエステル類は、次の一般式を有する:
Figure 2009532068
ここで、R’及びR”はそれぞれ、炭素原子数1〜20、好ましくは1〜12の直鎖又は分枝であってよいアルキレン部分を表し、そしてmは、エステルが重合性であるような数であって、好ましくは脂肪族ポリエステルの分子量が10,000〜300,000まで、好ましくは約30,000〜200,000までであるような数である。nはそれぞれ独立して0又は1である。R’及びR”は、1つ以上のカターナリー(すなわち、連鎖内の)エーテル酸素原子を更に含んでもよい。
脂肪族ポリエステル類の例としては、次のもの:
(a)次の二塩基酸類(もしくはそれらの誘導体)のうち1つ以上:コハク酸、アジピン酸、1,12−ジカルボキシドデカン、フマル酸、及びマレイン酸、
(b)次のジオール類のうち1つ以上:エチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、ジエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール、および
(c)所望により、少量の、すなわち0.5〜7.0モル%の、グリセロール、ネオペンチルグリコール、及びペンタエリスリトールなどの2を超える官能価を有するポリオール、
に由来するホモ−及びコポリマーが挙げられる。
かかるポリマー類としては、ポリ(ブチレンスクシネート)ホモポリマー、ポリ(ブチレンアジペート)ホモポリマー、ポリ(ブチレンアジペート−スクシネート)コポリマー、ポリ(エチレンスクシネート−アジペート)コポリマー、及びポリ(エチレンアジペート)ホモポリマーを挙げることができる。
市販の脂肪族ポリエステル類としては、ポリラクチド、ポリグリコライド、ポリラクチド−コ−グリコライド、ポリ(L−ラクチド−コ−トリメチレンカーボネート)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(ブチレンスクシネート)、及びポリ(ブチレンアジペート)が挙げられる。
特に有用な脂肪族ポリエステル類には、半結晶性ポリ乳酸に由来するものが包含される。ポリ乳酸(又はポリラクチド)は、その原理分解生成物として乳酸を有し、これは、一般に自然界で見出されるものであって、無害であり、そして食品産業、製薬産業、及び医療産業において広く使用されている。ポリマーは、乳酸二量体であるラクチドの開環重合によって調製され得る。乳酸は光学的に活性であり、そしてこの二量体は、次の4つの異なる形態を生じる:L,L−ラクチド、D,D−ラクチド、D,L−ラクチド(メソラクチド)、及びL,L−とD,D−とのラセミ混合物。これらのラクチド類を純粋な化合物として又はブレンドとして重合することにより、結晶性を包含する様々な立体化学特性及び様々な物理的特性を有するポリラクチドポリマー類が得られる場合がある。L,L−ラクチド又はD,D−ラクチドからは半結晶性ポリラクチドが得られることが好ましく、D,L−ラクチドに由来するポリラクチドは非晶質である。
ポリラクチドは、好ましくは、ポリマーの固有結晶化度を最大にする高いエナンチオマー比を有する。ポリ(乳酸)の結晶化度は、ポリマー主鎖の規則性と、他のポリマー鎖と線形に結晶化する能力とに基づく。比較的少量のあるエナンチオマー(例えば、D−)をそれとは正反対のエナンチオマー(例えば、L−)と共重合すると、ポリマー鎖は、不規則な形状になって、結晶性が低下する。この理由から、結晶化度を最大にするためには、一方の異性体が少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%であるポリ(乳酸)を有することが望ましい。
本発明では、D−ポリラクチドとL−ポリラクチドとのほぼ等モルのブレンドもまた有用である。このブレンドは、D−ポリラクチド及びL−ポリラクチド単独融点(約190℃)のどちらよりも高い融点(約210℃)を有し及び改善された熱安定性を有する新規な結晶構造を形成する。H.ツジ(H. Tsuji)ら、ポリマー(Polymer)、1999年、40 6699〜6708を参照することができる。
ポリ(乳酸)と他の脂肪族ポリエステル類とのブロック及びランダムコポリマーを包含するコポリマー類もまた使用してよい。有用なコ−モノマー類としては、グリコライド、β−プロピオラクトン、テトラメチルグリコライド、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、2−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシイソ吉草酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシエチル酪酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシ−β−メチル吉草酸、α−ヒドロキシオクタン酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシミリスチン酸、及びα−ヒドロキシステアリン酸が挙げられる。
本発明では、ポリ(乳酸)と1つ以上の他の脂肪族ポリエステル類とのブレンドもしくは一つ以上の他のポリマー類とのブレンドもまた使用してもよい。有用なブレンドの例としては、ポリ(乳酸)と、ポリ(ビニルアルコール)、ポリエチレングリコール/ポリスクシネート、ポリエチレンオキシド、ポリカプロラクトン、及びポリグリコライドとが挙げられる。
脂肪族ポリエステル類と第2の非晶質もしくは半結晶性ポリマーとのブレンドにおいて、第2ポリマーが比較的少量で存在する場合、第2ポリマーは、一般に、脂肪族ポリエステルの連続相内に分散された離散相を形成する。ブレンド中の第2ポリマーの量を増大させると、第2ポリマーがもはや分散相としても離散相としても容易に識別できない組成範囲に達する。ブレンド中の第2ポリマーの量を更に増大させると、2つの共連続相がもたらされ、その後、転相が生じて、第2ポリマーが連続相となる。好ましくは、脂肪族ポリエステル構成成分は連続相を形成するが、第2構成成分は、第1ポリマーの連続相内に分散された不連続相もしくは離散相を形成するか、あるいは両方のポリマーが共連続相を形成する。第2ポリマーが共連続相を形成するのに十分な量で存在する場合、その後の配向とミクロフィブリル化によって、両方のポリマーのマイクロファイバーを含む複合物品が得られる場合がある。
有用なポリラクチド類は、米国特許第6,111,060号(グラバー(Gruber)ら);米国特許第5,997,568号(リュー(Liu));米国特許第4,744,365号(カプラン(Kaplan)ら);米国特許第5,475,063号(カプランら);PCT国際公開特許WO 98/24951(ツァイ(Tsai)ら);PCT国際公開特許WO 00/12606(ツァイら);PCT国際公開特許WO 84/04311(リン(Lin));米国特許第6,117,928号(ヒルタネン(Hiltunen)ら);米国特許第5,883,199グオ(マッカーシー(McCarthy)ら);PCT国際公開特許WO 99/50345(コルスタッド(Kolstad)ら);PCT国際公開特許WO 99/06456(ワン(Wang)ら);PCT国際公開特許WO 94/07949(グラバーら);PCT国際公開特許WO 96/22330(ランダール(Randall)ら);PCT国際公開特許WO 98/50611(ライアン(Ryan)ら);米国特許第6143863号(グラバーら);米国特許第6,093,792号(グロス(Gross)ら);米国特許第6,075,118号(ワンら)、及び米国特許第5,952,433号(ワンら)に記載されているようにして調製されてよい。J.W.リーンスラグ(J. W. Leenslag)ら、応用高分子科学誌(J. Appl. Polymer Science)、1984年、29、2829〜2842、及びH.R.クリッヘルドルフ(H. R. Kricheldorf)、化学圏(Chemosphere)、2001年、43、49〜54を更に参照することができる。
マイクロファイバーもしくはミクロフィブリル化された物品の調製において、ポリマーの分子量は、ポリマーが特定の加工条件下で溶融加工可能なように選択すべきである。ポリラクチドについての分子量は、例えば、約10,000〜300,000までであってよく(a may)、好ましくは約30,000〜200,000である。溶融加工可能とは、ポリマー材料が、フィルムを加工するのに用いられる温度で流動性又はポンプ送り可能であって、その温度では分解又はゲル化がほとんど生じないことを意味する。一般に、ポリマーのMは、粘度対分子量(M)のlog−logプロットによって求めると、絡み合い分子量よりも大きい。絡み合い分子量より大きいと、プロットの勾配は約3.4であるが、より低分子量のポリマーの勾配は1である。
高度に配向された、ミクロフィブリル化された熱可塑性ポリマーフィルムを製造するための一般的な方法が開発されてきた。ポリマーフィルムは、典型的な溶融押出成形によりTダイ又は「コートハンガーダイ」を用いて形成されて、多重ロールを用いて冷却されて、スタックを巻き取る。ロールの温度は、押出成形されたフィルムが迅速に冷却されて、結晶化が最小限に抑えられる、すなわちフィルムが実質的に非晶質であるように約21℃に保持される。フィルム又は押出成形されたプロファイルは、その後、2段階法を用いて延伸される。第1段階では、フィルムを、ガラス転移温度以上において、フィルムがマイクロボイドを有するが破滅的な結果に陥らないような比較的高い歪み速度で、十分な延伸比まで延伸する。フィルムは、多種多様な方法で延伸することができ、ロール延伸(カレンダー処理)、ホットロールを用いた全長配向、領域延伸、又は液体媒体中での熱延伸が挙げられるが、これらに限定されない。全長配向は、従来のフィルム加工では、多くの場合連続二軸配向法の最初の工程において幅広く用いられている。ボイド形成剤を用いる場合、広範なボイド形成は、粒子が熱可塑性ポリマーから剥離するときに実現する可能性がある。更に、非相溶性ポリマー類、シリカ、炭酸カルシウム、又は雲母質材料ポリマーなどのボイド形成剤をポリマー溶融物に添加して、ミクロフィブリル化効率を高めても、あるいは帯電防止剤又は着色剤などのボイド形成剤をポリマー溶融物に添加して、マイクロファイバーに所望の特性を付与してもよい。典型的に、4:1〜6:1の延伸比が、用いられるポリマーに応じて、第1段階で達成することができる。
結晶化度は、例えば脂肪族ポリエステルとボイド発生構成成分とを含む溶融加工フィルム内で発展する場合がある。脂肪族ポリエステルフィルムは実質的に非晶質であり、そして結晶化度が、カレンダー処理、延伸、再結晶、及び再結晶後のアニール処理などの後続の加工の最適な組み合わせによって高くなることが好ましい。フィルムの結晶化度を最大にすることによって、ミクロフィブリル化効率が向上すると考えられる。通常、脂肪族ポリエステルは、実質的に非晶質のフィルムとしてキャスティングされた後、歪み誘導型結晶化によって結晶化度を向上させる。脂肪族ポリエステル/ボイド発生構成成分ブレンドの具体的に有用な組み合わせとしては、例えば、ポリラクチドとCaCOなどの無機粒子類、及びポリラクチドとポリプロピレンが挙げられる。
マイクロボイドを有するフィルムにおけるように、孔質フィルムの配向条件は、フィルムの一体性が維持されるように選択される。したがって、縦方向及び/又は横方向に延伸させる場合、温度は、連続相の実質的な引き裂き又は断片化が回避されて、フィルムの一体性が維持されるように選択される。温度が低すぎる場合又は配向比が極端に高い場合、フィルムは特に、引裂かれ易いかあるいは破滅的に破損し易い。好ましくは、配向温度は、連続相のガラス転移温度より高い。かかる温度条件は、フィルムの一体性を失うことなく、X方向とY方向での最大配向を可能にし、フィルムに付与されるボイド形成を最大にし、そしてその結果として、表面(複数)がミクロフィブリル化され得る場合、その容易さを最大まで増す。フィルム内では、配向による変形応力がポリマー分子の解きほぐし速度を超えると、小さな破損又は引き裂き(マイクロボイド)が生じる場合がある。例えば、ロジャー・S.ポーター(Roger S. Porter)及びリ−ヒュイ・ウォン(Li-Hui Wang)、マクロモレキュラー・サイエンス誌−マクロモレキュラー化学物理報告(Journal of Macromolecular Science-Rev. Macromol. Chem. Phys.)、C35(1)、63〜115(1995年)を参照のこと。
第2段階の延伸プロセスは、第1段階の温度よりも高い延伸温度であって、ポリマーの融点以下で行われる。この段階では、フィルムを高い比率まで更に延伸して、ミクロフィブリル構造を得る。分子配向の向上は、X線散乱法とDSCによる結晶化度の変化を利用して測定することができる。通常、第2段階では、プロセスで課されるより高い配向及び温度に起因して、結晶化度が顕著に増加する。好ましい延伸法は、速度で作動するホットロールを用いた全長配向である。最終的な孔質の又はマイクロボイドを有するフィルムは、銀色に光る外観を有し、そして延伸方向(縦方向)で容易に裂くことができる。追加の延伸段階によってフィルムを更に配向させることはできるが、必要はない。
例えば、ポリラクチドの場合、フィルムは、その長さの6倍超に延伸されてもよい。一実施形態では、ポリラクチドの場合の総延伸比は、6:1を超え、好ましくは9:1〜約18:1までの範囲である。「総延伸比」は、フィルムの最終面積とフィルムの初期面積との比である。フィルムが単軸配向される場合、総延伸比は、フィルムの最終長さとフィルムの初期長さとの比である。
単軸延伸によって、結晶化と繊維状のモルホロジーとが生じる。配向されたフィブリルは、ロープ状の外観を有するように見えることがある。延伸条件は、フィルムにボイド又はマイクロボイドを(密度の変化によって測定すると、5%超で)付与するように選択される。
フィルムは、延伸してから、更に加工されてもよい。例えば、フィルムが延伸の両方向に収縮するのを抑制しながら、脂肪族ポリエステル構成成分を更に結晶化させるのに十分な温度にフィルムを暴露することにより、フィルムをアニーリング又はヒートセットさせてよい。
配向すると、不混和性ブレンドのフィルムにボイドが付与され得る。フィルムが延伸されるにつれて、2つの構成成分の不混和性と2相間での低い接着性とに起因して、2つの構成成分が分離する。フィルムが連続相と不連続相を含む場合、不連続相は、連続相のマトリックス中に実質的に離散した不連続なボイドとして残留するボイドを発生させるように働く。2つの連続相が存在する場合、形成されるボイドは、ポリマーフィルム全体を通して実質的に連続である。典型的なボイドは、縦方向及び横方向それぞれの配向度にそれぞれ比例する、主要寸法X及びYを有する。フィルムの平面に垂直な、微小寸法Zは、配向前の離散相(ボイド発生構成成分)の断面寸法と実質上同じ寸法を維持している。ボイドは、不混和性ブレンドの相間での低い応力転移のために生じる。ブレンド構成成分間の分子引力の低さは、不混和性相の挙動の原因であり、界面張力が低いと、フィルムが配向又は延伸によって応力を受けたときにボイドが形成されると考えられる。
ボイドは、比較的平坦な形状で、不規則な寸法であって、明瞭な境界がない。ボイドは、一般的には、フィルムと共面をなし、縦(X)方向及び横(Y)方向(配向方向)に主軸を有する。ボイドの大きさは調節可能であって、離散相の大きさ及び配向度に比例する。比較的大きな離散相領域及び/又は比較的高い配向度を有するフィルムは、比較的大きなボイドを形成するであろう。高い割合の離散相を有するフィルムは、一般に、配向時に比較的高いボイド含有量を有するフィルムを形成する。フィルムマトリックス中のボイドの大きさ、分布、及び量は、小角X線散乱法(SAXS)、共焦点顕微鏡法、走査電子顕微鏡法(SEM)、又は密度測定のような技術により決定されてよい。更に、フィルムの外観検査により、顕著なボイド含有量に起因して高い不透明度又は銀色に光る外観を現す場合もある。
一般に、より多くのボイド含有量によって、後続のミクロフィブリル化が強化され、そしてその後、本発明のプロセスを用いた単軸配向フィルムでは、繊維の収率が高くなる。好ましくは、少なくとも1つのミクロフィブリル化された表面を有する物品を調製する場合、ポリマーフィルムは、密度、すなわち、密度の変化を初期密度で割ったもの;(δ初期−δ最終)/δ初期)によって測定すると、5%を超える、より好ましくは10%を超えるボイド含有量を有する必要がある。予期せぬことに、ボイドは、2成分(第1ポリマー構成成分及びボイド発生構成成分)のポリマーフィルムに、前述のマイクロボイドを有するフィルムにマイクロボイドを付与するのに必要とされる条件ほど厳しくない条件下で付与される場合があることが分かった。2つの相の限られた溶解性と、0より大きな混合の自由エネルギーとを有する不混和性ブレンドは、その後のミクロフィブリル化に必要なボイドの形成を促進すると考えられる。更に、ボイド形成は、第1配向段階で用いた低い配向温度で促進される。マイクロボイドを有するフィルムは、マイクロボイドが一般には独立気泡性であって、比較的平面であり、そしてフィルムの縦方向(配向方向)に主軸を有するという点で他の孔質のフィルム又は物品、例えば、ミクロ孔質フィルム又は発泡物品とは区別される場合がある。マイクロボイドは、一般には相互接続されていないが、隣接するマイクロボイドは交わっていてもよい。
配向温度が低すぎると、不均一な外観を有するフィルムが生じる場合がある。第1の配向温度を高くすることで、不均一な延伸が低減され、より均一な外観が延伸フィルムに与えられる場合がある。第1の配向温度はまた、配向時に生じるボイド形成量にも影響を及ぼす。ボイド形成が起こる温度範囲では、一般的には、配向温度を低くするほど、配向時に生じるボイド形成量は多くなる。第1の配向温度を上昇させるにつれて、ボイド形成度は、消滅点まで減少する。試料の電子顕微鏡写真から、ボイド形成が起こらない温度では、多くの場合、延伸時に離散相領域が変形することが分かる。このことは、非常に孔質の配向試料とは対照的であって、非常にボイドの多い試料の電子顕微鏡写真からは、離散相領域が配向時にはそのほぼ正確な形状を保持していることが分かる。同じ方向か又は第1の配向に対して垂直な方向へ第2の配向を行うことが望ましい場合がある。このような第2の配向温度は一般に、第1の配向温度と同じか又はそれより高温となる。
フィルムの外観検査からは、ミクロフィブリル化された表面の製造において配向フィルムの適合性の経験試験として役立つ可能性のある、顕著なマイクロボイド含有量に起因して、高い不透明度又は銀色に光る外観が露呈する場合がある。対照して、マイクロボイドがかなり不足しているフィルム表面は、透明外観を有する。かなりの量のマイクロボイドが不足している配向フィルムは、繊維状のモルホロジーを有する高度に配向されたポリマーフィルムの特徴であるように、フィルムが長手方向に裂けるとしても、容易にミクロフィブリル化されないことが分かった。
フィルムの厚さは、所望の最終用途に従って選択され、そしてプロセス条件を制御することによって達成することが可能である。キャスティングフィルムの厚さは、典型的に、2.5mm(100ミル)未満であり、好ましくは0.8mm(20ミル)〜1.8mm(70ミル)までである。しかしながら、得られる物品に望ましい特徴に応じて、それらはこの範囲外の厚さでキャスティングされてもよい。キャスティングフィルム及びインフレーション成形フィルムは更に、ミクロフィブリル化された物品を製造するのに使用されてもよい。フィルムの最終厚さは、キャスティング厚さや配向の程度によって一部は決定される。大抵の用途の場合、ミクロフィブリル化する前のフィルムの最終厚さは、0.025mm(1ミル)〜0.5mm(20ミル)、好ましくは0.075mm(3ミル)〜0.25mm(10ミル)である。
押出成形物品の厚さや、フィルムを急冷する温度と手段に応じて、脂肪族ポリエステルのモルホロジーは物品の厚さ全体で同じでなくてもよく、すなわち、2つの表面のモルホロジー及び/又は表面とマトリックスとのモルホロジーが異なっていてもよい。モルホロジーにおける小さな差は、通常、フィルム上のいずれかの主要表面上でミクロフィブリル化された表面の形成を邪魔はしないが、ミクロフィブリル化された表面が物品の両方の表面上で望まれる場合、比較的均一な非晶質モルホロジーを物品の厚さ全体に亙って確実にするために、キャスティング条件を注意して制御することが好ましい。本発明で使用されるポリマーマトリックスは、平均有効繊維直径が20マイクロメートル以下であるマイクロファイバー及び/又はミクロフィブリル化された物品を含み、この平均有効繊維直径は、当該技術分野における繊維よりも極めて小さい。
ミクロフィブリル化された材料は更に、配向及び発泡ポリマー、好ましくは熱可塑性ポリマーを包含することも可能である。発泡は、押出成形加工を利用して、1つ以上のポリマー及びガス又は超臨界流体を二軸スクリュー又は一軸スクリュー押出成形機に添加することによって行われてよい。その後、発泡ポリマーを二軸又は単軸配向する。代表的な高溶融強度の発泡性熱可塑性ポリマーとしては、プロピレンホモポリマーから成り得るか、又は50重量%以上のプロピレンモノマー含有量を有するコポリマーを含み得るポリプロピレン類が挙げられる。発泡性ポリプロピレン類は、プロピレンホモポリマーもしくはコポリマーと、プロピレンホモポリマーもしくはコポリマー以外のホモポリマーもしくはコポリマーとの混合物又はブレンドを含んでもよい。更なるミクロフィブリル化されたポリプロピレン含有材料及び物品は、米国特許第6,692,823号(コディ(Kody)ら)及び米国特許第6,890,649号(ホッブス(Hobbs)ら)に記載されている。
一実施形態では、マイクロファイバー及び/又はミクロフィブリル化された物品は、マイクロボイドを有するフィルムから、米国特許第6,110,588号に記載の方法を用いて調製されてよい。開示されたマイクロボイドを有するフィルムは、歪み誘導型結晶化度を有する、高度に配向された半結晶性の溶融加工フィルムから誘導される。歪み誘導型結晶化度は、カレンダー処理、アニール処理、延伸、及び再結晶などの後続の加工の最適な組み合わせによって生じ得る結晶化度である。
配向された熱可塑性フィルムは、十分な流動エネルギーを表面に与えて、マイクロファイバーをポリマーマトリックスから放出することによってミクロフィブリル化され得る。ミクロフィブリル化プロセスでは、従来の機械的なフィブリル化プロセスに比べて、比較的より大量のエネルギーをフィルム表面に付与してマイクロファイバーを放出する。マイクロファイバーは、機械的手段(例えば、ポーキュパインローラー)で得られる繊維よりも桁違いに小さい直径であり、0.01マイクロメートル未満〜20マイクロメートルまでの寸法範囲である。一軸配向フィルムから得られるマイクロファイバーは、横断面が矩形であって、横断面の縦横比(横断方向の幅対厚さ)は約1.5:1〜約30:1までの範囲である。更に、(一軸配向フィルムから調製される)矩形状のマイクロファイバーの側面は、滑らかではないが、横断面が貝殻状の外観を有する。走査電子顕微鏡によれば、本発明のマイクロファイバーは、個々のもしくは単位ミクロフィブリルの束であって、全体では矩形の又はリボン上のマイクロファイバーを形成することが分かる。それ故に、表面積は、矩形状のマイクロファイバーから予想され得るものを超え、そしてかかる表面は、マトリックス中でのコンクリートや熱硬化性プラスチックのような結合を強化するだけでなく、所望により、より大きな表面積に高い生分解性を提供する。
所望により、ミクロフィブリル化する前に、フィルムを、従来の機械的手段によるマクロフィブリル化工程に付して、高度に配向されたフィルムから巨視的な繊維を生成してもよい。従来の機械的フィブリル化手段は、移動するフィルムと接触するニードルもしくは歯などの切断要素を有する回転式ドラム又はローラーを利用する。歯は、フィルム表面を完全に又は部分的に貫通して、そこにマクロフィブリル化された表面を付与することができる。他の同様のマクロフィブリル化処理は既知であり、そして捻転、ブラシがけ(ポーキュパインローラーを用いるものと同様)、例えば皮製パッドを用いた摩擦、及び屈曲などのような機械的作用を包含する。かかる従来のマクロフィブリル化プロセスによって得られる繊維の寸法は巨視的であって、一般には、横断面が数百マイクロメートルである。
フィルムの表面をミクロフィブリル化する1つの方法は流体噴射を用いたものである。このプロセスでは、微細な流体流の1つ以上の噴射が、スクリーン又は移動ベルトによって支えられていてよい脂肪族ポリエステルフィルムの表面に衝突し、それによってポリマーマトリックスからマイクロファイバーを放出する。フィルムの片方又は両方の表面をミクロフィブリル化することができる。ミクロフィブリル化度は、フィルムの流体噴射への露出時間、流体噴射の圧力、流体噴射の断面積、流体の接触角、ポリマー特性、そしてより少ない程度には、流体温度に依存する。様々な種類及び大きさのスクリーンを用いてフィルムを支持することができる。
あらゆる種類の液体又はガス状の流体を使用してもよい。流動性液体としては、水、又はエタノールもしくはメタノールなどの有機溶媒を挙げることができる。窒素、空気、又は二酸化炭素などの好適な気体のみならず、液体と気体との混合物も使用してよい。いかなるかかる流体も、好ましくは非膨潤性であって(すなわち、ポリマーマトリックスによって吸収されない)、このことがマイクロファイバーの配向及び結晶化度を低下させる。ミクロフィブリル化中に電荷を付与する場合、好ましい流体は水であって、最も好ましくは、帯電を消散する可能性がある塩類又は鉱物類などのいかなる汚染物質をも実質的に含まない脱イオン水又は蒸留水である。流体温度を上げてもよいが、好適な結果は、周囲温度の流体を用いて得られる場合がある。流体の圧力は、ある程度のミクロフィブリル化度をフィルムの少なくとも一部に付与するのに十分でなければならず、そして好適な条件は、流体、組成及びモルホロジーを包含するポリマーの性質、流体噴射の形状、衝撃角度、及び温度に応じて広範に変えることができる。一般に、孔質フィルムや孔質発泡体をミクロフィブリル化するためには、ミクロボイドを有するフィルムに比べると、それほど厳しい条件は必要ない。
典型的に、流体は、室温で、及び6800kPa(1000psi)、好ましくは10,300kPa(1500psi)超の圧力の水であるが、より低い圧力やより長い露出時間を用いてもよい。かかる流体は、一般に、流体の非圧縮性、平滑な表面、及び摩擦による非損失を仮定した計算に基づいて、最小10ワット又は20W/cmを付与する。
流体噴射の形状、すなわち、断面形状は、通常円形であり得るが、他の形状も同様に用いてよい。噴射(単数又は複数)は、断面を横断するスロット又はフィルムの幅を横断するスロットを含んでいてよい。フィルムを噴射(類)と相対して搬送しながら、噴射(類)は固定されていてよく、噴射(類)は固定フィルムと相対して移動してもよく、又はフィルムと噴射の両方が互いに相対して移動してもよい。例えば、フィルムをフィードローラーを用いて縦(長手)方向に搬送し得る一方で、噴射はウェブを横断して移動する。好ましくは、複数の噴射類を用い、それと同時にフィルムをローラーを用いてミクロフィブリル化チャンバーから搬送するが、フィルムはスクリーン又はスクリムによって支えられており、これによって流体をミクロフィブリル化された表面から排出させることができる。フィルムは、一回のパスでミクロフィブリル化されてよく、あるいはフィルムは、噴射に多数回通過させてミクロフィブリル化されてもよい。
噴射(類)は、フィルム表面の全体又は一部がミクロフィブリル化されるように配置されてよい。あるいは、噴射類は、フィルムの選択された領域だけがミクロフィブリル化されるように配置されてもよい。フィルムの特定の領域を、従来のマスキング剤を用いて更にマスキングして、選択された領域をミクロフィブリル化されないようにしておくこともできる。同様に、このプロセスは、ミクロフィブリル化された表面が、出発フィルムの厚さに部分的にのみ又は完全に浸透するように行われてよい。ミクロフィブリル化された表面がフィルムの厚さ全体に及ぶことが望ましい場合、物品の一体性が維持され、そしてフィルムが個々の織り糸又は繊維に分離しないように、条件を選択してよい。スクリーン又はメッシュを用いて、ミクロフィブリル化された物品の表面に模様を付与してもよい。
例えば、水流交絡機を用いて、繊維性材料を流体噴射に露出させることによって片方又は両方の表面をミクロフィブリル化することができる。水流交絡機は、一般に、高速度の水噴射を用いることによってマイクロファイバー又は織り糸の嵩高さを向上させて、ウェブ結合プロセスにおいて個々のマイクロファイバーを巻きつけるか又は結ぶために使用され、ジェットレーシング又はスパンレーシングとも呼ばれる。あるいは、回転式もしくは振動式ヘッドを有する加圧水噴射を用いてもよく、これによって流体噴射の衝突を手動制御することが可能になる。
流体噴射を用いれば、低いか又は高いミクロフィブリル化度を提供するようにミクロフィブリル化度を制御することが可能である。低いミクロフィブリル化度は、最少量のマイクロファイバーを表面に部分露出し、それにより繊維状の質感をフィルムの表面に付与することによって、表面積を拡張するために望ましい場合がある。拡張された表面積は、その結果、表面の結合性を強化する。かかる物品は、例えば、研磨材コーティング用基材として、並びに印刷用の受容体表面として、フック・ループ式ファスナーとして、中間層接着剤として、及びテープ裏材として有用である。反対に、高いミクロフィブリル化度は、高度な繊維状の質感を表面に付与して、布状のフィルム、絶縁物品、フィルター物品を提供するため、又はポリマーマトリックスからの個々のマイクロファイバーのその後の回収(すなわち、マイクロファイバーの除去)を提供するために必要とされる場合がある。
別の実施形態では、ミクロフィブリル化は、高エネルギー空洞形成媒質に試料を浸漬することによって行われてもよい。この空洞形成を達成する1つの方法は、流体に超音波を適用することによる。ミクロフィブリル化速度は、空洞形成強度に依存する。超音波システムは、低い音響振幅の低エネルギーの超音波清浄浴から、集束された低振幅のシステムまで、高振幅で高強度の音響プローブシステムにまで及ぶ可能性がある。
超音波エネルギーの適用を含む1つの方法は、繊維フィルムを浸漬する液体媒質中でのプローブシステムの使用を伴う。ホーン(プローブ)は、液体に少なくとも部分的に浸漬する必要がある。プローブシステムにおいて、配向されたフィルムは、それを媒質中で振動ホーンと穿孔された金属又はスクリーンメッシュとの間に配置すること(別の配置方法もまた可能である)によって超音波振動に露出される。有利なことに、フィルムの両方の主要表面は、超音波を使用するときにミクロフィブリル化される。繊維性材料におけるミクロフィブリル化深さは、空洞形成強度や、空洞形成媒質内で費やす時間と繊維性材料の特性とに依存する。空洞形成強度は、振動の適用される振幅及び周波数、液体特性、流体の温度、並びに空洞形成媒質内で加えられる圧力及び位置などの多くの可変値の要因である。強度(単位面積あたりのパワー)は、典型的に、ホーンの真下で最も高いが、これは音波の集束によって影響を受ける場合がある。
前記方法は、槽の中に入れた空洞形成媒質(典型的に、水)内の、超音波ホーンとフィルム支持体との間にフィルムを配置することを含む。支持体は、この領域で生じる過度の空洞形成によってフィルムがホーンから離れないように働く。フィルムは、スクリーンメッシュ、穿孔し得る回転式装置などの様々な手段によって、又はフィルムを超音波浴に供給するテンションローラーを調節することによって支えることができる。別の方法としては、ホーンに対するフィルム張力を用いることができるが、正確な配置によって、より良好なフィブリル化効率が与えられる。フィルムの対向面とホーン及びスクリーンとの間の距離は、一般に約5mm(0.2インチ)未満である。フィルムから槽の底までの距離を調節して、フィルム上での空洞形成パワーを最大限にすることが可能な定常波を引き起こすことができ、あるいは、他の集束技術を用いることもできる。他のホーンとフィルムとの距離を使用することも可能である。最良の結果は、典型的に、フィルムをホーン近くに又はホーンから1/4波長距離に配置する場合に生じるが、これは、使用される流体容器や輻射表面の形状などの要因に左右される。一般に、ホーンの近くに又は四分の一波長もしくは四分の二波長の距離に試料を配置することが好ましい。
超音波圧力振幅は、次のように表すことができる:
=2πΒ/λ=(2π/λ)ρc最大
強度は、次のように表すことができる:
I=(Po)/2ρc
前記式中、
=最大(ピーク)音響圧力振幅
I=音響強度
B=媒質の体積弾性率
λ=媒質中の波長
最大=ピーク音響振幅
ρ=媒質の密度、及び
c=媒質中の波の速度。
超音波清浄浴システムは、典型的に、1〜10ワット/cmまでの範囲であり得るが、ホーン(プローブ)システムは、300〜1000ワット/cm以上に達し得る。一般に、これらシステムにおけるパワー密度レベル(単位面積当たりのパワー、又は強度)は、供給されるパワーを輻射表面の表面積で割ることによって求めることができる。とはいえ、実際の強度は、流体内での波減衰のためにいくらか低い場合がある。音響空洞形成を提供するように、条件を選択する。一般に、より高い振幅及び/又は適用圧力によって、媒質内に更に多くの空洞形成が提供される。一般に、空洞形成強度が高いほど、マイクロファイバー製造速度は速くなり、より微細な(より小さな直径の)マイクロファイバーが製造される。理論に束縛されたくはないが、高圧の衝撃波は、初期の空洞形成気泡の崩壊によってもたらされると考えられ、これがフィルムに当たって、ミクロフィブリル化をもたらす。
超音波の振動周波数は、通常、20〜500kHzであり、好ましくは20〜200kHz、そしてより好ましくは20〜100kHzである。しかしながら、本発明の範疇から逸脱しなければ、音響周波数を利用することも可能である。パワー密度(単位面積当たりのパワー、又は強度)は、1W/cm〜1kW/cm以上までの範囲であり得る。本発明の方法では、パワー密度は、10ワット/cm以上、好ましくは50ワット/cm以上であることが好ましい。
フィルムとホーンとの間のギャップは、限定されないが、0.03mm(0.001インチ)〜76mm(3.0インチ)、好ましくは0.13mm(0.005インチ)〜1.3mm(0.05インチ)であり得る。温度は、5〜150℃まで、好ましくは10〜100℃、そしてより好ましくは20〜60℃までの範囲であり得る。界面活性剤又は他の添加物を、空洞形成媒質に添加するか、あるいは繊維フィルム内に組み込むことも可能である。処理時間は、試料の初期モルホロジー、フィルム厚さ、及び空洞形成強度に依存する。この時間は、1ミリ秒〜1時間まで、好ましくは1/10秒〜15分まで、そして最も好ましくは1/2秒〜5分までの範囲であり得る。
更に、どのミクロフィブリル化プロセスにおいても、ミクロフィブリル化度又は深さは制御することが可能である。ミクロフィブリル化深さ(すなわち、ミクロフィブリル化された層の厚さ)が10マイクロメートル程度であるが、50マイクロメートル以上、100マイクロメートル以上、完全にミクロフィブリル化されたフィルムの厚さまでであってよい、ミクロフィブリル化された物品を調製することができる。低いミクロフィブリル化度は、最少量のマイクロファイバーを表面に部分的に露出し、そしてそれにより繊維状の質感をフィルムの表面に付与することによって、表面積を拡張するために望ましい場合がある。逆に、高いミクロフィブリル化度は、表面に高度な繊維状の質感を付与して布状のフィルム、絶縁物品、及びフィルター物品を提供するのに必要とされる場合がある。
どのミクロフィブリル化プロセスでも、大抵のマイクロファイバーは、ポリマーマトリックスからの不十分な放出のために、ウェブに接着したままである。有利なことに、ミクロフィブリル化された物品は、ウェブに固定されており、マイクロファイバーを取り扱い、貯蔵して、搬送する、便利で安全な手段を提供する。多くの用途において、米国特許第6,645,618号(ホッブス(Hobbs)ら)及び米国特許第6,890,649号(ホッブスら)に記載されているように、マイクロファイバーをウェブに固定したままにすることが望ましい。
所望により、マイクロファイバーは、ポーキュパインロールを用いたり、擦り落とすなどの、機械的手段によってフィルムの表面から回収されてもよい。回収されたマイクロファイバーは、一般に、個々のマイクロファイバーの高い弾性率に起因してそれらの嵩張り(ロフト)を保持している。必要に応じて、ロフトは、吹き出し成形されたマイクロファイバーのロフトを高めるのに用いられるものなどの常套手段によって、例えば、短繊維の付与によって改善される場合がある。
本発明で使用されるミクロフィブリル化された物品及びマイクロファイバーは、天然コラーゲンの寸法と同様の繊維直径を与える。マイクロファイバーの矩形の(テープ状の)形状は、細胞の付着に好ましく、その場合、大きな表面積は、脂肪族ポリエステルによるより速い分解を可能にしなければならない。マイクロファイバーの細胞以下の繊維寸法は、優れた機械的強度とドレープ適性とを有し、そして連続法で製造することができる。
本発明に記載されているように、組織細胞は、それらが移動して液体培地に短い突出部だけを伸ばすことが可能な固形基層を必要とする。人体では、コラーゲン、他の細胞外繊維、又は他の細胞の表面が、固形基層として働く。更に、細胞は、ガラス及びその他の一般的な組織培養基質上を容易に這い進むことができる。組織細胞の運動は、マイクロファイバーなどの基質の接着性及び物理的形状によって強く影響される可能性があり、そこで、細胞は、より大きな接着性の領域に蓄積して、接着勾配を上昇させる。これらの細胞は、それら基質の接着性に比例して広がる。細胞は、マイクロファイバーと曲面とに沿って配向し、最小の局部湾曲方向に沿って優先的に拡張して移動する場合がある。細胞が成長するにつれて、別の細胞との接触が互いの移動を阻害する場合がある。しかしながら、白血球及びガン細胞は、阻害及びそれらの浸襲性能力には比較的不感応性である。
組織由来の細胞、例えば、哺乳類の細胞は、人工的な環境としての細胞培養培地内で培養することができる。完成育成培地は、栄養素を含有すると定義され、そしてその上又はその中で微生物もしくは細胞が成長できる物質と呼ばれる。細胞培養培地は、塩類、炭水化物類、ビタミン類、アミノ酸類、及び代謝前駆体類を含有する。更には、この培地は、血清、成長因子、微量元素、ホルモン、及び抗生物質を補充してもよく、完成成長培地と呼ばれる。培地で、容器の表面に付着した細胞を浸し、培養物を育成した後、継代培養することができる。ホルモン又は成長因子を追加しないと、いくつかの細胞株は成長することができない。培地に必要とされる構成成分は、細胞株によって異なり、細胞培養培地の総合リストから成る。幾つかの培地の例としては、イーグルの最小必須培地(Eagle’s Minimum Essential Medium)、ダルベッコの変性イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)、及びイスコーブの変性ダルベッコ培地(Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium)が挙げられる。細胞培養培地は、それらそれぞれの細胞株に固有である。細胞培養培地のリストは、インビトロゲン・コーポレイション(Invitrogen Corporation)(カリフォルニア州カールスバッド)から入手可能である。
細胞培養培地は、細胞の育成及び発達に有益である。リストに挙げた栄養素に加えて、培地は、培養系内のpH及び浸透圧を保持するのに役立つ。大抵の脊椎動物細胞用の典型的な細胞培養培地は、より大きな浸透圧の変化に耐える、更に確立された細胞株の場合、260〜320mOsm/kg内である。これは、原核生物もしくは真核生物の細胞のいずれかに当てはまるが、実際には、細胞の培養は、多細胞の真核生物に由来する細胞、特に動物の細胞の由来する細胞の培養に言及することになる。培養条件(育成培地、pH、及び温度)は、各細胞種において多種多様であり、特定細胞種のための様々な条件によって、発現される様々な表現型をもたらす可能性がある。細胞培養に関する言及は、K.K.サンフォード(Sanford, K.K.)、個々の単離された組織細胞の生体内での成長(The growth in vitro of single isolated tissue cells)、国際ガン学会誌(J. Natl. Cancer Inst.)1948年、9、229〜246;R.I.フレッシュニー(Freshney, R.I.)、動物細胞の培養:基本技術マニュアル(Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique)、第4版、ニューヨーク:ワイリー・リス(Wiley Liss)、2000年;W.B.ジャコビー(Jacoby, W.B.)、I.H.パステン(Pasten, I. H.)編、「酵素学における方法での単層培養技術(Monolayer culture techniques in Methods in Enzymology)」、細胞培養(Cell Culture)、1979年、58、ニューヨーク、アカデミック出版(Academic Press);及びP.D.ウィカート(Wickert, P.D.)ら、PCT国際公開特許WO 00/53721(2000年9月14日発行)に見出すことができる。
典型的に、細胞の培養容器は汚染物質バリアを装備して、培養物を外部環境から守ると同時に、適正な内部環境を保持する。ガラス及びプラスチック(すなわち、ポリスチレン)が、細胞の育成に最も一般的に使用される。本発明では、マイクロファイバー又はミクロフィブリル化された物品は、細胞を培養するための容器内の細胞培養培地に分散されてよい。細胞はミクロフィブリル化された物品の表面に接種され、成長環境を提供する。更に、ミクロフィブリル化された物品は、細胞を培養するためのマルチウェルプレート装置用のマトリックスを含んでいてよい。
細胞株は、成長と複製を連続的に行う細胞の培養に適切な条件下で成長して保持される。あらゆる細胞株は、限られた寿命の細胞培養物を起源とするが、時々、変異したために増殖しつづける細胞もある。これらの細胞は無限に培養することができる。細胞株は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC)のバイオプロダクツ(BioProducts)(バージニア州マナッサス(Manassas))に見出すことができる。
細胞は、規則的に分離すれば長期間培養することができ、育成培地はその後取り替えて、細胞を(支持体からトリプシンを用いてそれらを最初に取り出してから)希釈する。これを継代培養という。細胞培養の成功の鍵は、本発明の論説にも記載しているように、環境を模倣することであり、そこでそれら自体を確認してから人工的な環境に移植する。第二に、培養した細胞はしばしば、継代培養されてもよい。細胞が約70〜90%コンフルエントしていれば、それらを培養する必要があり得る。細胞単層の継代培養は、細胞内及び細胞間の表面結合の両方を切断することを伴う。典型的に、タンパク質付着結合はトリプシンで温浸する。細胞を分離して単一細胞懸濁液へ分散した後、細胞を更に希釈するか又は分離して、連続的に再付着、育成、及び分離するために新たな培養容器に移す。コンフルエントな細胞層は、細胞が互いに接して単層を形成する場所である。多くの培養培地は、細胞を上手く成長させるための人工的な環境を最良に複製するために、関心のある細胞株に利用することができる。
哺乳類の細胞は、それらが結局、新しい細胞よりむしろ線維組織を産生するため、創傷治癒の評価では重要である。マウス及びヒトの二倍体線維芽細胞は、例えば、細胞培養培地に添加され高温でインキュベートされてよく、培地を3〜5日ごとに取り替えて、継代培養される。細胞の単層は、そこから細胞を取り出して、インキュベートし続ける。細胞密度はまた、細胞育成でも重要であり、細胞には、エネルギーとそれらを保持する物質とを絶え間なく供給する必要がある。ミクロフィブリル化された物品が分散される、完成細胞育成培地は、細胞の生存能を支持する。
細胞の培養方法を説明する。本発明では、配向された熱可塑性で実質的に矩形のマイクロファーバー材料のマトリックスを、細胞培養培地内に分散して、マトリックスに細胞を接種する。マトリックスは細胞外マトリックスとして機能する。細胞は、組織足場中に、細胞外マトリックスとして機能するポリマー材料を有して、細胞をその中に成長させ、付着させて、増殖することが重要である。このマトリックスの小さく平坦なマイクロファイバーは、生存している組織と同様の細胞成長用の基質を提供するものであって、創傷治癒及び組織足場応用に格好の条件が存在する。マイクロファイバーは、細胞の増殖と細胞の付着を支持する。これらの特性は、マイクロファイバーが、大量の空間、剛性、及び平坦なモルホロジーを提供する場合に観察され得る。配向された熱可塑性で実質的に矩形のマイクロファーバーの形状は、そのより大きな表面積の結果として、同様の寸法の円形繊維で見出されるものよりも迅速な、幾つかのポリマー材料の生分解性において重要である場合がある。走査電子顕微鏡写真から、繊維の大きさ、形状、及び隙間空間が、マトリックス上での細胞の密度、細胞のモルホロジー、及び細胞拡張量に影響を及ぼすことが分かる。ミクロフィブリル化された物品のより小さな平坦な繊維は、実施例2の図1に示すように、より大きく拡張して細胞が付着すれば、より高い細胞密度を有すると考えられる。
更に、ミクロフィブリル化された物品の三次元構造は、剛性と、かぎ裂き及び崩壊に対する耐性とを提供する。細胞外マトリックスは、細胞が互いに相互作用して、特殊な細胞機能を発揮する仕方を導く。人工足場は、生分解性及び生体適合性材料、例えば、脂肪族ポリエステル類を含んでよい。物品の極めて多孔質の性質は、足場のマイクロファイバー間の隙間空間に起因し、細胞の浸透並びにポリマーの分解を可能にする。創傷治癒、特に一級及び二級の創傷では、上皮細胞が創傷表面上を移動して増殖するときに、上皮形成が生じる。生分解性材料は、これら細胞が前記表面を横切って移動して、創傷治癒を促進するように誘導する場合がある。
本発明では、他の既知の脂肪族ポリエステル類に加えて、ポリラクチド、ポリグリコライド、及びこれらのコポリマーを使用してもよい。これらポリマーのコモノマー含有量は、分解時間及び速度を制御するのに利用することができる。様々な表面処理、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、及び特定のペプチド配列を用いたポリマーの吸着を使用してよい。栄養素及び成長因子を更に、表面に適用してもよい。ミクロフィブリル化された表面にその後播種して、培養することで、生体内組織と類似した機能的な組織が生じる場合がある。細胞外マトリックスは更に、実質的な繊維強度の結果として、大規模な培養のための一般的な細胞培養培地として利用されてもよい。
培養細胞は、マトリックス上に接着して、増殖して、分化することができる環境を必要とし、そして新しい組織を更に発達させる。足場のモルホロジーは、細胞生存のための手段を提供する。合成の細胞外マトリックスを用いた生体外及び生体内応用は、細胞の三次元配列を可能にする場合がある。細胞はこの環境で成長することができ、その場合、それらが人体内の細胞と類似した行動をとって成長し得る。
更に、本発明は、細胞成長マトリックス用の物品を提供し、この場合、マイクロファイバーは、播種され得る細胞培養培地内に分散される。脊椎動物では、ほぼ全ての細胞が、細胞外分子の複雑な網状組織又は細胞外マトリックスと接触している。主要構成成分はコラーゲンとプロテオグリカンであり、ここで、繊維形状のコラーゲンの直径は、組織及び器官に応じて、0.01〜1マイクロメートルである。従来の培養技術で遭遇する困難は、逆分化である。細胞は通常、それら組織の特定の細胞外マトリックスから分離された後、育成培地に懸濁され、そこでそれらは、培養皿の底に付着してコンフルエントな単層を形成する。逆分化した細胞は、それらのモルホロジー並びにそれらの生化学的特性及び機能的な特性を失い、その結果、それらの元の組織環境と比べて全く異なる挙動をもたらす場合がある。細胞を増殖及び分化するために、ミクロフィブリル化された物品への細胞の付着は重要である。マトリックス表面をペプチド配列で変性して、認識と迅速な接着とを促進してもよい。配向された熱可塑性マイクロファイバーの三次元マトリックスは、マトリックス内での栄養素の拡散とマトリックスからの細胞の消耗とを可能にする。細胞の付着と増殖による線維芽細胞の利用によって、脂肪族ポリエステルマイクロファイバーを三次元人工組織の形成に携わらせることができる。繊維の大きさ、形、表面エネルギー、及び生体吸収率は、細胞外マトリックスとして又は生体内用途においてこれらの繊維を有用にさせる。
ミクロフィブリル化されたポリマーマトリックス、例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(カーボネート)、ポリプロピレン、並びにそれらのコポリマー類及びブレンドを培養細胞を用いて研究して、細胞育成におけるそれらの有効性が評価されてきた。これら材料を配向及びミクロフィブリル化して、三次元マトリックスを得てきた。組織工学では、生物系では正しく機能しない器官もしくは組織の一部を交換するか又はそれらになるのに十分に機能し得る構造を作製することが望ましい。これにより、欠損した組織もしくは器官を交換及び修復するための、より効率の良い、省コストの方法が提供される。組織工学では、組織の供給源は、研究対象自身の細胞であって、そのため、その体特有の免疫系による拒絶反応が回避される。大抵の組織工学の症例では、マトリックスを用いて、細胞を所望の部位に送達して、組織用の空間を画定し、そして組織の発育プロセスを誘導する。これらの細胞の大部分は、足場依存性であり、そこに付着する接着剤のような基質を必要とする。理想的には、マトリックスは体に特有の天然の細胞外マトリックス(ECM)のように作用すべきである。ECMは、特定の細胞機能を引き起こして、セルが互いに相互作用する仕方を導く。本発明で使用される合成の熱可塑性組織足場は、この機能を提供する。
熱可塑性ポリマー材料は、合成の足場の良好な例を提供する。しかしながら、ポリマー材料は、生体適合性であることが好ましい。一般的な合成ポリマー材料としては、ポリ(乳酸)(PLA)及びポリ(ε−カプロラクトン)PCLが挙げられ、これらは生分解性である。これらの材料を押出成形してミクロフィブリル化されてよく、その結果、平均有効直径が20マイクロメートル未満の、非常に絡まった多孔性材料がもたらされる。
これらの実施例は単にあくまで例示を目的としたものであり、添付した特許請求の範囲を限定するものではない。特に記載のない限り、実施例及びこれ以降の明細書中の部、百分率、比率等は全て、重量基準である。使用される溶媒及びその他の試薬は、特に記載のない限り、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)のシグマ−アルドリッチ・ケミカル社(Sigma-Aldrich Chemical Company)から入手した。
Figure 2009532068
実施例1〜8及び比較例C1〜C2
実施例1〜8では、繊維1〜8を使用した。比較例C1では、繊維を使用せず、それどころかトランスウェル(Transwell)プレートに存在する膜を中に残しておき、比較例C2では、繊維9を使用した。細胞の育成及び試験手順を、以下の多段階プロセスで示す。
段階1:滅菌
各繊維試料である繊維−1〜繊維−8は、エチレンオキシドを用い、試料を摂氏37度(冷サイクル)においてエチレンオキシドガスに4〜4.5時間晒した後、摂氏37度で2〜3日炭酸ガス通気(aerate)することにより、滅菌した。
段階2:細胞培養調製
細胞培養を開始する際の第一段階は、それらが成長する培地を調製することであった。粉末化イーグル基礎培地(Basal Medium Eagle)(BME)1パックを滅菌水1,000ミリリットルに加えて、溶解するまで攪拌した。次に、重炭酸ナトリウム0.35ミリグラムを計量して、このBME溶液に溶解させて、溶液のpHを測定した。望ましいpHは約7.4であった、溶液を水浴で37℃まで加熱した。溶液が37℃に達したら、抗生物質ペニシリン5ミリリットルとウシ胎児血清(FBS)50ミリリットルを加えた(これらを更に37℃に加熱した)。最終容器を入れた瓶に、それらが必要とされるものを全て含有していることを示すために「完成」と記した。
使用した細胞は、L929マウス線維芽細胞であった。マウス線維芽細胞1ミリリットルを、先に調製した完成培地3ミリリットルに加え、そして5ミリリットルピペットを用いて手動で滴定することによって分解した。完成培地中の懸濁された細胞4ミリリットルを2つのプラスチック製200ミリリットル培養フラスコに(2ミリリットルずつ)移した。2つのフラスコを37℃に設定した恒温器に入れた。4日後に、両方のフラスコの古い培地を流しだして、ダルベッコ製の変性イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)(DMEM)(37℃)30ミリリットルを各培養フラスコにピペット操作することにより、培地を交換した。細胞は、フラスコの底に付着したため、流れ出なかった。培地交換から5日で、細胞が群れすぎて、継代培養した。最初に、BMEとトリプシン瓶を水浴で37℃に加熱した。次いで、一方のフラスコを恒温器から取り出して、その培地を使い捨てフラスコに流し入れた。トリプシン5ミリリットルを、フラスコ内の細胞の単層に15〜30秒で加えてから、使い捨てフラスコに流しいれた。フラスコを密封して、恒温器に10〜15分間入れた。このフラスコを恒温器から取り出して、直立させると、細胞が側面から底面へ徐々に滑り落ちた。BME5ミリリットルをこのフラスコに加えて、培地内の細胞を単一細胞懸濁液へ手動でピペット操作した。懸濁した細胞0.2ミリリットルの試料を、BME(37℃)30ミリリットルが入った2つの新しい培養フラスコに流し入れた。前記2つの新しいフラスコを恒温器に戻した。培地交換及びその後の継代培養のこのプロセスを4回続けた。血球計を用いて細胞を計数して、培地1ミリリットル当たりの懸濁液中にどれだけあるかを調べた。5×10細胞数/mLの濃度では、培地中の細胞15ミリリットルが必要であった。懸濁液中の細胞15ミリリットルを作成した後、それらを材料に播種する準備をした。
段階3:細胞の播種
細胞は、およそ2.5センチメートル×2.5センチメートル(1インチ×1インチ)の材料1片に播種した。細胞を加える前に、この材料一片を、プレート当たり6個のウェルを備えたトランスウェル(Transwell)プレートの24ミリメートルのウェルに入れた。実施例1〜8では、ウェル内の膜を、滅菌したかみそりの刃で取り除き、比較例C1では、膜は残して、繊維材料を加えなかった。この膜は、0.4マイクロメートルの孔を有するポリカーボネート製であった。これは、細胞が成長するのに理想的な表面であり、良好な比較を作製する。BME2ミリリットルを(材料の下の)プレートの底に添加して、材料一片に培地を吸収させた。その後、懸濁液中の細胞1ミリリットルを材料の最上部に加えた。材料が流れ出さないように、トランスウェル(Transwell)プレートに付いたインサートをウェルと材料との最上部に置いた。プレートに蓋をし、テープで密封して、恒温器に入れた。24時間後、プレートは、SEM写真を撮る準備をした。
段階4:SEM顕微鏡写真を用いた細胞成長分析
各材料を、SEM顕微鏡写真によって調査して、細胞成長が生じたかを調べた。結果を表1に要約する。
Figure 2009532068
実施例9〜12
実施例9〜12では、繊維2を使用した。細胞の成長及び試験手順は、細胞株HDF(実施例9)、HEK293(実施例10)、HeLa(実施例11)、及びNIH3T3(実施例12)それぞれにおいて同じであった。繊維ウェブは、100ミリメートルの細胞培養プレートに適合するように切断した。ウェブは、70%エタノールに浸けることによって滅菌した。培養プレートの穴に、DMEM/10%FBS培養培地10ミリリットルを加えて、ウェブを湿らせた。培養穴にその後、1×10個の細胞を播種した。細胞をウェブに15分間吸収させて、付着を促進した後、ウェブを覆うのに十分な追加の培養培地を加えた。細胞は37℃のチャンバーで6日間増殖させて、培養培地を2日毎に補充した。7日目に、以下の工程で説明するようにして、細胞を染色し、定着して、共焦点顕微鏡で評価した:
ミトコンドリア染色工程:
生存している細胞を、マイトトラッカー・レッド(MitoTracker Red)580(インビトロゲン(Invitrogen))を用いて45分間染色した。使用した染色溶液は、DMEM/10%FBS中500ナノモルのマイトトラッカー・レッド(MitoTracker Red)(溶液150ミリリットル中、染料75マイクロリットル)であった。
核酸染色工程:
この工程は、ミトコンドリア染色と同時に、DMEM/10%FBS中1マイクロモルのサイトックス・グリーン(Sytox Green)(150ミリリットル中、染料30マイクロリットル)を用いて行った。
細胞定着工程:
細胞は、DMEM/10%FBS中3.7%ホルムアルデヒドを用いて15分間定着させて、1倍のPBS(1X PBS)で5回すすいだ。
細胞評価工程:
細胞は、共焦点顕微鏡を用いて100倍で調べた。結果を表2に要約する。
Figure 2009532068
配向された熱可塑性で実質的に矩形のマイクロファイバーの、実施例2の細胞培養培地に分散された走査電子顕微鏡写真のデジタル画像である。

Claims (25)

  1. 細胞の培養方法であって、
    配向された熱可塑性で実質的に矩形の、平均有効直径が20マイクロメートル未満であるマイクロファイバーの、細胞培養培地内に分散されたマトリックスを提供することと、
    前記マトリックスに細胞を播種すること、とを含む、培養方法。
  2. 前記マイクロファイバーの平均有効直径が、0.01マイクロメートル〜10マイクロメートルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記マイクロファイバーの横断方向の縦横比が1.5:1〜20:1である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記マイクロファーバーの横断方向の縦横比が3:1〜20:1である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記マイクロファイバーの断面積が0.05〜3.0μmである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記マクロファイバーの表面積が0.25m/グラムよりも大きい、請求項1に記載の方法。
  7. 前記マイクロファイバーの引張り係数が少なくとも5GPaである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記配向された熱可塑性マイクロファイバーが脂肪族ポリエステルを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記脂肪族ポリエステルが、ポリ(ブチレンスクシネート)ホモポリマー、ポリ(ブチレンアジペート)ホモポリマー、ポリ(ブチレンアジペート−スクシネート)コポリマー、ポリ(エチレンスクシネート−アジペート)コポリマー、ポリ(エチレンアジペート)ホモポリマー、ポリラクチド、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバレレート)、ポリグリコライド、ポリ(オキシエチレングリコレート)、ポリラクチドのコポリマー類、及びポリグリコライドのコポリマー類から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記マイクロファイバーが2つ以上の脂肪族ポリエステルのブレンドを含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記配向された熱可塑性マイクロファイバーがポリオレフィンを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記ポリオレフィンが、ポリプロピレンホモポリマー、ポリエチレンホモポリマー、ポリエチレンのコポリマー類、ポリプロピレンのコポリマー類、及びポリプロピレンを含むブレンド類から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記マイクロファイバーが2つ以上のポリオレフィン類のブレンドを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記マイクロファイバーが生分解性である、請求項8に記載の方法。
  15. 前記マイクロファイバーが生体吸収性である、請求項8に記載の方法。
  16. 前記細胞が、哺乳類細胞、細菌、及び真菌から選択される、請求項1に記載の方法。
  17. 前記細胞が線維芽細胞である、請求項16に記載の方法。
  18. 配向された熱可塑性で実質的に矩形の、平均有効直径が20マイクロメートル未満であるマイクロファイバーの、細胞培養培地内に分散されたマトリックスを含む、細胞培養用の物品。
  19. 前記マトリックスが、ミクロフィブリル化された物品を含む、請求項18に記載の物品。
  20. 前記マイクロファイバーが、ミクロフィブリル化された物品内の10マイクロメートル以上の深さに一体化されている、請求項18に記載の物品。
  21. 前記細胞培養培地が細胞を更に含む、請求項18に記載の物品。
  22. 前記マイクロファイバーが、ミクロフィブリル化された表面を有する熱可塑性ポリマーフィルムと一体化されている、請求項19に記載の物品。
  23. 前記物品が、フィルムの厚さ全体を通してミクロフィブリル化されたモルホロジーを有するフィルムを含む、請求項19に記載の物品。
  24. 配向された熱可塑性で実質的に矩形の、平均有効直径が20マイクロメートル未満であるマイクロファイバーの、細胞培養培地内に分散されたマトリックスを含む、組織の足場。
  25. 配向された熱可塑性で実質的に矩形の、平均有効直径が20マイクロメートル未満であるマイクロファイバーの、細胞培養培地内に分散されたマトリックスを含む、複数のウェルを含むマルチウェルプレート。
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