JP2009531529A - 2基の蒸気/液体分離器を使用する重質炭化水素供給原料から低級オレフィンを生産するための改良された方法 - Google Patents

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Abstract

2基の蒸気−液体分離設備の組合せを使用し、次いで重質炭化水素の軽質部分を熱的に分解し、これにより低級オレフィン生産物を生産する重質炭化水素供給原料から低級オレフィンを作成する方法。

Description

本発明は、低級オレフィンを製造するための重質炭化水素供給原料の処理に関する。
低級オレフィンを製造する一般的方法は、炭化水素(エタン、プロパン、ブタン、ペンタンなど)および原油留分(ナフサおよびガスオイルなど)を含む飽和炭化水素供給原料の熱分解を通して行われる。低級オレフィンの製造者は、熱分解法によって経済的に低級オレフィンへアップグレードすることのできる低コストの炭化水素供給原料を常に求めている。低級オレフィン生産物へ転換するための関心が持たれている低コスト材料は、原油または石油残渣などの原油留分など、高沸点または非揮発性コークス前駆物質を含有する任意のパラフィン系炭化水素材料である。原油および石油残渣は、コストの点からは魅力的であるが、これらは在来式熱分解炉の対流セクションにおいて完全に蒸発しないので、熱分解のための良好な供給原料を作り出せない。
ピッチを含む原油および原油留分の熱分解における最近の進捗が、米国特許第6,632,351号において示されている。この特許の方法において、ピッチを含む原油供給原料および原油留分は、熱分解炉に直接供給される。この方法は、ピッチを含む原油または原油部分が、対流ゾーン中の第1段階予熱器に供給され、ここでピッチを含む原油または原油留分が第1段階予熱器内で少なくとも375℃の出口温度に加熱されて、加熱された気体−液体混合物を提供することを含む。この混合物は第1段階予熱器から取り出され、流れが加えられ、気体−液体混合物は蒸気−液体分離器に供給され、その後蒸気−液体分離器中で気体は液体から分離され移され、移された気体は対流ゾーン中に設けられた第2予熱器に供給される。次いで予熱された気体は熱分解炉中の放射ゾーンに導かれ、オレフィンおよび関連した副産物に熱分解される。これは、方法全体における改良ではあるが、熱分解が行われる炉の放射セクションに対する炭化水素ガス供給速度を上昇するのに必要な高分離温度における対流セクションおよび蒸気−液体分離器でのコークスの形成により、より価値のある生産物のより高い収率を達成するためには依然として限界がある。
米国特許第4,264,432号は、重質ガスオイルを、第1混合器中において蒸気を用いて瞬間蒸発させ、蒸気を過熱し、第2混合器において第1混合器からの液体を瞬間蒸発させることにより、オレフィンへの熱分解の前に蒸発させるための方法およびシステムを開示している。かかる方法は、約1005°の終留点を有する重質ガスオイルを、重質油の熱分解の前に単に蒸発させることを明らかに対象としており、望ましくないコークス前駆物質および/または高沸点ピッチ留分を有する他の点では許容できない供給原料から、許容できる熱分解供給原料を作り出すことを対象とするものではない。
必要なのは、対流セクションまたは蒸気−液体分離設備に許容できない付着物またはコーキングを生ずることなく、低級オレフィンを高収率で生産するための、重質炭化水素供給原料を経済的に処理することを可能にする改良された方法である。
発明の要旨
本発明は、オレフィンの製造のための、経済的により魅力的な供給原料を提供するために重質供給原料の一部を熱分解する方法に関する。これは、典型的な熱分解炉の対流セクション条件の下では完全には蒸発させることができない、望ましくないコークス前駆物質および/または高沸点ピッチ留分を含有する前記供給原料の非蒸発性部分を最初に分離することによって達成される。特許請求される方法は、
a)供給原料を、熱分解炉の対流ゾーン中に設けられた第1段階予熱器に供給し、第1段階予熱器内で前記供給原料を加熱して、加熱された気体−液体混合物を生産すること、
b)加熱された気体−液体混合物を、第1段階予熱器から取り出して第1蒸気−液体分離器中で高温の蒸気と一緒にすること、
c)第1蒸気−液体分離器中の液体から気体を分離しおよび移し、この気体を前記対流ゾーン中に備えられた蒸気相過熱器中で約450から700℃の温度に加熱し、加熱された気体の全部または大部分(一般に容積で60%超)を第2蒸気−液体分離器へおよび残りの部分を熱分解炉の放射ゾーンへ供給して、気体を熱分解してオレフィンおよび他の熱分解生産物を生産すること、
d)液体を第1蒸気−液体分離器から取り出し、移された液体を、(i)第1蒸気−液体分離器からの蒸気の主要部分と一緒にし、その後対流ゾーン中の前記過熱器中でさらに加熱し、および場合によって(ii)追加の過熱蒸気と一緒にし、約425から約510℃の温度に加熱し、一緒にした流れを第2蒸気−液体分離器に供給すること、
e)590℃未満の標準沸点を有する気体成分を、第2蒸気−液体分離器の液体部分から分離しおよび移し、移された気体を熱分解炉の放射ゾーンに供給し、気体を熱分解してオレフィンおよび他の熱分解生産物を生産すること、および
f)第2蒸気−液体分離器から残留液体部分を除去すること
を含む。
ある用途に関し、米国特許第6,632,351号および5,580,443号において開示され特許請求されているように、必要なものは1基の分離器(例えばサイクロン)のみである。
例えば、非常に軽質な原油または黒色凝縮物などのピッチを含有する軽質供給原料に関しては、ほとんど完全に供給原料を蒸発させるのに必要な比較的低いサイクロン温度(しばしば370℃未満)が求められるので、必要なものは単一のサイクロンのみである。同様に、典型的な原油およびショートまたはロングレジデューなどのより重質な供給原料であっても、非常に高温の希釈蒸気が容易に利用可能な場合には、供給原料は、これが対流セクションの外側で、非常に高温の蒸気との混合を介してのみコークスの形成が可能な温度に加熱されるという理由で、対流セクション中の高い供給原料温度を避けるためには、1基だけのサイクロンが必要なことを認識しておくことが重要である。本発明の2基サイクロン概念は、非常に高温の希釈蒸気が容易に利用可能ではない、または供給原料を非常に高温の蒸気と混合することによりコーキング問題が発生する、または希釈蒸気の量が制限されるなどの場合の設計に特に有用である。これらの事例において、サイクロン中で所望する炭化水素の蒸発を最大化するために十分に高いサイクロン温度が達成できるように、対流セクション中の供給原料を非常な高温に加熱するのを避けるのに2基のサイクロンを使用することは有利である。基本的に、第1サイクロンを起源とする対流セクションにおける蒸気の加熱によって生産された過熱蒸気は、希釈蒸気の代わりに使用されるかまたは希釈蒸気を補足するために使用される。
一般的に、商用的に受け入れ可能な熱分解炉の運転時間を達成するために、黒色凝縮物、原油および常圧蒸留残油(例えば、ロングレジデューまたはショートレジデュー)などのピッチを含有する広範囲な沸点の炭化水素供給原料は、最初にピッチ留分を取り除かなければ、熱分解炉で直接分解することはできない。1つまたは複数の高効率サイクロンを、熱分解炉の対流セクション中に組み込むことで、事前の分留無しでピッチ含有供給原料を炉に直接供給することができ、サイクロンはピッチ留分すなわち供給原料の「残油」を除去するために使用される。典型的なパラフィン系供給原料から移されたピッチ流は、比較的硫黄、金属および窒素の含有が低く、残油FCC設備もしくはコーカーのいずれかに直接供給することができ、または燃料油のブレンディング成分として使用することができる。
熱分解炉の対流セクションは、供給原料の残油に対するサイクロン分離器を使用するのに特に適している。何故ならば、対流セクションにおいて重質供給原料の蒸発のために通常高い供給原料温度と大量の高温蒸気が使用され、高い蒸気/供給原料比が放射セクション中のコーキングを減少させるのに有用であるからである。サイクロンを組み込むことは、追加の熱伝達表面積が対流セクション中に設けられることまたは供給原料を蒸発するために追加の蒸気が使用されることを、必ずしも必要としない。通常エチレン炉プロセスの一部である、高い供給原料温度および大量の蒸気の追加は、1100−1200°F(593−649℃)までのおよびそれより高いカットポイントを有するピッチの分離のために十分な供給原料の蒸発を達成するのに使用することができる。同様に、中間加熱を有する2基のサイクロンを直列に組み込むことよって、950°F(510℃)を超える極めて高いピッチ分離温度を、対流バンクのチューブ中のピッチ含有液体部分を、原油蒸留装置のチャージヒーターに通常使用される温度を超えて加熱することなく、得ることができる。
加えて、本発明の方法は、熱分解のための有益な炭化水素を回収するためにピッチ含有供給原料の残油処理に追加の蒸留設備を建設するよりは、はるかに廉価であり、よりエネルギー効率が高い。第1サイクロンからの蒸気の中庸な加熱を用いる2基のサイクロンの使用は、供給原料の加熱に必要な希釈蒸気の量を低減できる付加的な利益を有する。
発明の詳細な説明
重質炭化水素供給原料(すなわち、対流セクション条件下では完全に蒸発することができない、望ましくないコークス前駆物質および/または高沸点ピッチ留分を含有する炭化水素供給原料)は、一連の重質炭化水素を含み得る。本明細書で使用する場合、「ピッチ」は、コークス前駆物質または汚染物質を含有する供給原料中に存在する石油ピッチおよび他の全ての高沸点重質エンド留分を含む。適切な供給原料には、次に限定されないが、1つまたは複数のロングおよびショート原油レジデュー、精製工程からの重質炭化水素流、真空ガスオイル、重質ガスオイルおよび原油が挙げられる。他の例には、次に限定されないが、脱アスファルト油、(タールサンド、オイルシェールおよび石炭由来の)オイル、SMDS(Shell Middle Distillate Synthesis)重質エンド、GTL(Gas to Liquid)重質エンドなどの合成炭化水素、重質パラフィン系合成生産物、フィッシャートロプシュ(Fischer Tropsch)生産物およびハイドロクラケートが挙げられる。
本発明を、本発明の説明図としての図1を参照しながら以下に説明する。本発明の範囲は、記述された各工程段階の間および工程段階中の記述された原料および目的の間の工程段階のいずれの数および種類を含むことができることが理解される。オレフィン熱分解炉10に、ピッチを含む脱塩原油または原油留分11が供給され、対流ゾーンAの第1段階予熱器12に入る。
対流セクション中の第1段階予熱器12は、通常ひとそろいのチューブであり、ここでチューブの内容物は、主に熱分解炉の放射セクションから出る燃焼ガスの対流熱伝達によって加熱される。一実施形態において、原油および/またはロングレジデュー供給原料が第1段階予熱器12を通って運ばれるとき、供給原料の蒸発を促進し、一方ではコークス前駆物質を液体状態で残す温度に加熱される。我々は、原油および/またはロングレジデュー供給原料を用いて、第1段階予熱器においてコーキングを促進しない原油および/またはロングレジデュー部分を完全に蒸発させることが望ましいことを見出した。本明細書で使用する場合、コーキングは、タール、コークスおよびカーボンを含む、炭素固体の全ての形態の堆積による付着物を意味する。加熱チューブ壁上の湿潤表面を維持することによって、第1段階予熱器チューブにおけるコーキング現象が実質上減少する。加熱表面が十分な液体線速度おいて湿潤状態であるかぎり、これら表面のコーキングが阻止される。
さらなるコーキングの阻止が、コーキングを促進する液体部分が接触する加熱表面および他の全ての表面の温度を制限することによって得られる。コークスの堆積が促進される結果をもたらす加熱表面の温度を避けるために、原油および/またはロングレジデュー供給原料が対流ゾーンの第1段階予熱器において加熱される最適な温度は、特定の原油および/またはロングレジデュー供給原料の組成、第1段階予熱器における供給原料の圧力および蒸気−液体分離器の性能および運転に依存する。本発明の一実施形態において、原油および/またはロングレジデュー供給原料は、少なくとも300℃の出口温度、より好ましくは少なくとも375℃の出口温度に加熱される。他の実施形態において、第1段階予熱器からの供給原料の出口温度は約375℃から約525℃の範囲である。第1段階予熱器のチューブ内部の原油および/またはロングレジデュー供給原料の温度は、原油および/またはロングレジデュー供給原料がチューブを通るときに、第1段階予熱器を出るときの温度まで連続的に変化する(一般的には上昇する)ことを認識すると、第1段階予熱器の出口部における温度を対流ゾーンから測定することが望ましい。チューブの直径、圧力および温度は、蒸発中に環状流様式が生産されるように調製され、これによってチューブの壁を湿潤状態に維持する。
第1段階予熱器12内の圧力は特に制限されない。第1段階予熱器内の圧力は一般的に50psig−400psigの範囲、より好ましくは約60−180psigである。
特に炉の放射セクションにおいてコークスの生産と堆積を阻止し、炉の対流セクション中の液体供給原料の蒸発を支援するために、最も一般的には、熱分解炉対流セクションに組み込まれている供給原料の加熱および蒸発ゾーンの1つまたは複数の部分に対して、希釈ガスが炉に供給される。本明細書で説明する実施形態において、希釈ガスの供給は、第1段階予熱器への注入点において蒸気である流れである。原油および/またはロングレジデュー供給原料の蒸発を促進するいずれもの気体を使用することができる。また外部的に注入された希釈ガス供給も、チューブを通る供給原料の流動様式を確立し維持することを支援し、これによってチューブが湿潤状態に保たれ層状流が避けられる。希釈ガスの例は、メタン、窒素、水素および天然ガスの希釈流である。供給原料の蒸発をさらに支援するために、例えば、エタン、プロパン、精油所オフガスおよび蒸発したガソリンまたはナフサなど、典型的な軽質熱分解炉供給原料を用いて補うことができる。希釈ガスは、希釈蒸気であることが好ましい。低温蒸気(少なくとも149℃(すなわち300°F)の温度を有することを意味し、過熱蒸気であってもなくてもよい。)を使用することも可能であり、蒸気が利用可能でない場合は水でもよい。添加する希釈蒸気または水の量は、大幅に変えることができる。
本発明の任意であるが好ましい実施形態において、希釈流13は、第1段階予熱器中の原油および/またはロングレジデュー供給原料に、第1段階予熱器の気体−液体混合物の出口前の任意の時点で加えることもできるが、予熱器中で環状流様式を急速に得ることを保証するために、最初の蒸発が開始される直前の予熱器のチューブの位置が好ましい。より好ましい実施形態において、希釈流は第1段階予熱器中の原油および/またはロングレジデュー供給原料に、第1段階予熱器のすぐ下流の熱分解炉の外側の時点においても加えられる。さらに、ノズルが必要とされない間、混合ノズル42は蒸気と供給原料を混合するのに使用されることが好ましい。対流セクションバンクに対して下流に流れる蒸気が、常にこれの露点以上であり、タールの凝縮が分離器の蒸気出口に接続している配管および下流バンクの壁に起こらないことを保証するために、さらなる量の過熱希釈蒸気13Aを、第1段階蒸気−液体分離器20の蒸気出口に加えることが同様に好ましい。
希釈ガスの温度は、最低でも蒸気を気体状態に維持するのに十分な量である。希釈蒸気に関しては、希釈ガスが凝縮しないことを保証するために注入点で測定した原油および/またはロングレジデュー供給原料の温度を超える温度、より好ましくは注入点における原油および/またはロングレジデュー供給原料の温度を少なくとも25℃超える温度で加えることが好ましい。希釈ガスの圧力は、特に制限されないが、広範囲な供給原料速度にわたる注入を可能にするのに十分であることが好ましい。原油および/またはロングレジデュー供給原料に加えられる典型的な希釈ガスの圧力は、70−400psig(4.8から27.6バール)の範囲内である。
希釈蒸気を、第1段階予熱器および/またはこれの下流に、放射セクションに供給される炭化水素供給原料kg当たりの蒸気のkgで約0.5から1.0までの量加えることが望ましいが、もっと高い比率も使用することが可能である。好ましくは、水蒸気の量は炭化水素供給原料kg当たりの蒸気のkgが0.25未満であってはならない。
第1予熱器内の気体−液体混合物中の蒸発した成分の割合は、供給原料の入口温度、添加される任意選択の希釈蒸気の量、および第1段階予熱器12中の原油および/またはロングレジデュー供給原料に加えられる任意の過熱希釈蒸気の温度を制御することによって調節することもできる。
一旦原油および/またはロングレジデュー供給原料が加熱されて気体−液体混合物が生産されたならば、これは系統14を通って第1段階予熱器から混合ノズル42へ、次に蒸気−液体分離器20へ引き出される。蒸気−液体分離器は、原油および/またはロングレジデュー供給源の非蒸発部分を移動させ、これは原油および/またはロングレジデュー供給材料の蒸発したガスから取り出されて分離される。蒸気−液体分離器は、サイクロン分離器、遠心分離器または重油処理に一般的に使用される分別設備を含む任意の分離器とすることができる。蒸気−液体分離器は、蒸気が分離器の頂部から出、液体が分離器の底部から出る供給材料の側面投入、または生産された気体が、図2に示すように分離器の側面から出る供給材料の頂部投入を受け入れるように構成することができる。
蒸気−液体分離器の運転温度は、気体−液体混合物の温度を375℃から525℃の範囲内、好ましくは400℃から500℃の範囲内に維持するのに十分な温度である。蒸気−液体の温度は、炉からの供給原料の温度の調節、外部の熱交換機の使用および/または流体に送られる希釈蒸気の温度および/または速度の上昇を含む任意の手段で調節することができる。好ましい実施形態において、蒸気−液体分離器は、米国特許第6,376,732号および第6,632,351号に記載されており、これら特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
好ましい実施形態において、第1蒸気−液体分離器20からの蒸発した気体は、次いで、流れの温度を一般的に約427℃から677℃を超えない最高温度まで上昇させるために、熱分解炉の対流ゾーン中の蒸気過熱器32に供給される。過熱器を出る流れの一部、流れ34(図1では流れ17として示されている)は、第2蒸気−液体分離器の温度制御のために、第2段階予熱器21に送ることもでき、オレフィンに熱分解される。過熱器を出る流れの大部分は、系統36および37を経由して第2蒸気−液体分離器35に送られる。所望するならば、少量の蒸気を、系統45を経由して過熱器を出る流れに加えることもできる。蒸気の大部分は、混合ノズル40において、サイクロン分離器20からの液体15と混合される。任意の混合ノズルを使用することができるが、米国特許第6,626,424号に記載されている混合ノズルを使用することが好ましい。
第2蒸気−液体分離器は、第1蒸気−液体分離器と類似していてもよく、すなわちサイクロン分離器とすることもできる。第2蒸気−液体分離器の目的が、590℃未満の標準沸点(または供給原料の種類によりもっと高い沸点)を有する成分を蒸気−液体混合物から移し、一方で同時に設備の汚染の可能性を最小化することなので、第2蒸気−液体分離器を出る液体の温度を急速に低下させることが望ましい。したがって、第2蒸気−液体分離器を出る液体の温度を急速に低下させて制御するために、急冷流が使用される。第2蒸気−液体分離器からの液体を受け入れるために、任意の種類の容器を使用することもできるが、この目的のためにおよびこのドラム中の温度を著しい量の熱分解が起こらない温度であると一般的に受け入れられている約320℃に制御するために、第2蒸気−液体分離器の真下に位置する垂直ドラム44を使用することが好ましい。加えて、第2蒸気−液体分離器は、蒸気のための頂部出口および液体のための底部出口を有する側面投入サイクロンとして設計することもでき、液体を受け取るための底部コンパートメントを組み込むこともでき、これはピッチを受け入れるための別個の容器の必要性を解消する。好ましい実施形態において、急冷流(図には示されていない)は、第2サイクロン真下のドラムに含まれている液体の一部を取り出して、これを冷却し、ドラムにリサイクルすることによって生産される。急速な急冷は、冷却したリサイクル液体を、液面上のドラムの頂部にスプレーリングを経由して導入することで達成される。冷却したリサイクル液体は、また液面の表面のすぐ下に沈められた分配リングを通してドラムに戻すことができる。過熱希釈蒸気43の小さな流れをスプレーリング上のドラムの頂部部分へ注入して、ドラムとサイクロンの間に蒸気バリヤーを形成することにより、サイクロン上からの熱蒸気はドラムに入るのが防止され、320℃液体上で凝縮する。
第2蒸気−液体分離器からの液体生産物39は、一般的に残油FCC設備またはコーカーのいずれかに供給されるか、または燃料油のブレンディング成分として使用することができる。
第2蒸気−液体分離器を有する利点は、第1段階予熱器を穏やかな出口温度、すなわち375℃またはさらに低い温度で運転することができ、ここでの著しいコーキングの形成を避けられることである。付加的な重要な利益は、第1蒸気−液体分離器を出る供給原料の蒸発した部分が、第2蒸気−液体分離器において容易に回収されることで、これが炉の対流セクションへと投入された希釈蒸気のほぼ全量と一緒に、第1サイクロンを出る液体からの590℃未満の標準沸点を有する成分の蒸発を促進するリフティングガスとして使用されることである。第2蒸気−液体分離器に送られる過熱器からの加熱した気体の部分は、加熱気体の60−100容積パーセントの範囲であり、第2段階予熱器に送られる加熱気体の部分は0−40容積パーセントの範囲である。リフティングガスは、液体相中の成分の蒸発を、これら蒸気相中の成分の分圧を低下させることによって促進し、これによってこれら成分が、多くは単一成分の圧力を低下させることで単一成分をより低い温度で沸騰することを可能にするのと同様なやり方で、より低い温度で蒸発することを可能にする。リフティングガスの量を最大化することによって、第2蒸気−液体分離器の所要の運転温度が最小化され、したがって第2蒸気−液体分離器におけるコークスの形成の可能性もまた最小化される。2基の蒸気−液体分離器を有するさらなる利点は、第1蒸気−液体分離器を出る蒸気を対流セクション中で独立に広範囲な温度に過熱することを可能にすることにより、第2蒸気−液体分離器において、590℃未満の沸点を有する供給原料成分の大部分を第1蒸気−液体分離器から出る液体から回収する適切な高温を達成する能力を可能にする。
第2蒸気−液体分離器の目的が、蒸発した軽質生産物、すなわち、標準沸点が590℃未満である生産物を大量のリフティングガスを使用することによって移すことなので、第2蒸気−液体分離器の温度は、一般的に590℃よりずっと低く、例えば480℃以下に保持することができる。第1蒸気−液体分離器が375から400℃において運転されている場合、第2蒸気−液体分離器は460から480℃の範囲で運転することができる。第2蒸気−液体分離器の運転範囲は、一般的に約460℃から500℃までの間であり、コークスの堆積または設備の付着物を最小化するために、より低い温度が好ましい。
加熱した蒸気/気体混合物は、系統38を経由して第2蒸気−液体分離器を出、少量の希釈蒸気41を加えることによって過熱される。次に、混合物は第2段階予熱器21に供給され、第2段階予熱器において、炉の放射セクションからの燃焼ガスによって加熱されたチューブを通るときに加熱される。第2段階予熱器21において、過熱水蒸気−気体混合物は、著しい供給原料のクラッキングと予熱器中で関連するコークスの堆積が起こる近くのまたは少し下の温度に十分予熱される。混合供給原料は、次にオレフィン熱分解炉の系統22を通って放射セクションBに流れ、ここで気体状炭化水素はオレフィンおよび関連する副産物へと熱分解され、系統23を通って炉を出る。放射セクションBへの典型的な入口温度は537℃超であり、ロングおよびショート鎖分子の低分子量オレフィン、すなわち2−4個の範囲の炭素数を有するオレフィンへの分解を促進するために、出口においては少なくとも732℃、より好ましくは少なくとも760℃、最も好ましくは760℃と860℃の間の範囲である。オレフィン熱分解炉の生産物には、非限定的に、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、水素およびメタンならびに他の関連するオレフィンの、パラフィンのそして芳香族の生産物が挙げられる。エチレンが主な生産物であり、一般的に蒸発した供給原料の重量に対して15から30重量%を占める。
本発明の方法は、蒸気−液体分離器20および35ならびに第1段階予熱器21中のコークスの形成を、第1段階予熱器中の加熱面および蒸気−液体分離器内部の表面ならびに第2段階予備加熱器上流の関連する設備内部の表面を絶えず湿らすことによって防止する。
熱分解炉10は、熱分解ゾーン(炉の放射セクション)を決定し、供給原料の蒸発部分の炭化水素を熱分解する手段を提供し、これによってエチレン、プロピレンおよびブタジエンなどの低分子量オレフィンが豊富な生産物が産出される。この低級オレフィンが豊富な生産物は、熱分解炉10から導管23を通って回収される。上述のように、熱分解生産物は低級オレフィンを含むが、他の誘導体も含む。
本明細書で使用する用語として、軽質留分は液体炭化水素供給原料を蒸発しそして熱分解する能力のある従来の熱分解炉のための供給原料として適切に使用することもできる炭化水素化合物を含む。かかる炭化水素は、一般的に標準沸点、すなわち1.0バールにおける沸点が590℃未満、より好ましくは537℃未満であり、第1段階予熱器の入口において求められる標準供給原料圧力において液体である炭化水素である。原油の分別蒸留によって直接誘導され、低い標準沸点の成分を主に含む供給原料は、通常性質がよりパラフィン的であり、高い標準沸点の成分を有する原油から誘導されたより重質の供給原料よりも熱分解炉のための低級オレフィンに関して高い収率を有する良好な炭化水素供給原料である傾向を示す。また低い標準沸点を有するこれら供給原料は、伝統的な設計の熱分解炉において、容易に処理することができる。
熱分解炉は、低分子量オレフィン生産のために運転されている在来式オレフィン熱分解炉の任意の種類とすることもでき、特にチューブ式蒸気分解炉が挙げられる。熱分解炉の対流ゾーン中のチューブは、平行なチューブのバンクとして配置されることができ、またはチューブを、対流ゾーンを通る供給原料の単一パスとして配置されることもできる。入口において、供給原料は、各パスがU字型ベンドで相互に結合されている多くの直管を含む幾つかの供給パスに分割されることができ、または中を全ての供給原料が第1段階予熱器の入口から出口まで流れる、U字型ベンドで相互に結合されている多くの直管を含む単一供給パスに供給されることもできる。第1段階予熱器は、熱分解炉の対流ゾーンに配置された1つまたは複数のチューブの単一パスバンクからなることが好ましい。第2段階予熱器もまたチューブの単一パスまたは複数パスのバンクとすることもできるが、複数パスバンクが、圧力低下が減少し、炭化水素の滞留時間が最小化されるので好ましい。この好ましい実施形態において、供給原料の加熱および蒸発のための対流ゾーンは、これを通して全ての原油および/またはロングレジデュー供給原料が流れる1つまたは複数のバンクを有する単一パスならびに放射セクションにおいて熱分解される供給原料の部分を過熱するための複数パスバンクを含む。加えて、第1蒸気−液体分離器からの蒸気を加熱するために、別個の過熱バンクが使用される。各バンク中で、チューブは、1列内にコイル状またはヘビ状に配列されることもでき、各バンクは幾つかのチューブの列を有することもできる。
第1段階予熱器のチューブおよび蒸気−液体分離器に至る配管などのさらに下流の管類におけるコーキングをさらに最小化するために、原油および/またはロングレジデュー供給原料流の線速度は、高温における液体の滞留時間を減少するように選択しなければならない。これは、滞留時間が長くなると壁の加熱面上のコークスの形成が促進されることによる。また適切な線速度は、チューブ表面を均一に湿潤する薄い液体層の形成を促進し、管類の壁にコークスの堆積を防止するまたは最小化するのに十分なせん断力を提供する。第1段階予熱器のチューブを通る原油および/またはロングレジデュー供給原料の高い線速度は、コークスの形成および堆積速度を減少させるが、特定の供給原料に関して線速度の最適な範囲が存在し、これを超えると、供給原料のポンプ輸送に必要な余分なエネルギーの必要性および最適な速度範囲より高い速度に適用するためのチューブのサイジングの必要性を考慮すると、コークス生産減少の有益な速度の低下が始まる。
原油および/またはロングレジデュー供給原料を第1段階予熱器に供給する1つの手段は、任意の在来式のポンプ輸送機構を使用するものである。本発明の好ましい実施形態において、原油および/またはロングレジデュー供給原料の線速度は、供給ポンプの下流で第1段階予熱器中に入る前に、または第1段階予熱器内の所望する任意の時点で、少量の液体水を供給原料に注入することによって向上する。液体水が、原油および/またはロングレジデュー供給原料中で蒸発するので、チューブを通る供給原料の速度が増加する。この効果を達成するためには、第1段階予熱器チューブを通る供給原料の重量に対して0.25重量%以下など、少量の水だけが必要であるが、より大きな量も使用することができる。
多くの市販のオレフィンの熱分解炉において、放射セクションのチューブには、これらチューブを3から5週毎にデコーキング操作を行わなければならないほどコークスが蓄積する。本発明の方法は、原油および/または熱分解炉中のロングレジデュー供給原料の予熱および熱分解を提供し、ここで対流セクション設備のデコーキング操作のために炉を運転停止する頻度は、放射セクションのチューブ中のデコーキング処理を実施するために炉を運転停止するより多くはない。本発明の方法によれば、対流セクション運転期間は少なくとも放射セクション運転期間と同じ長さである。
本発明の別の実施形態において、対流セクションのチューブは、必要な頻度において規則的な計画ベースでデコーキングを行っており、これはいかなる場合でも放射セクションデコーキングよりも頻繁に行われる。対流セクションは、放射セクションのデコーキングスケジュールよりも少なくとも5倍長く、より好ましくは少なくとも6から9倍長くデコーキングされることが好ましい。炉の対流セクションおよび放射セクションの配管類のコーキングは、バルブおよび配管を含めて、第1段階予熱器の出口を第2段階予熱器の方向に向けて、蒸気および空気の流れを第1段階予熱器に流すことを可能にすることで同時に行うこともできる。第2段階予熱器からの加熱された蒸気−空気混合物が炉の放射セクションに流れて、ここを第1および第2段階予熱器と共にデコーキングする。
本明細書に記載する実施形態において、別個の過熱バンク中の対流セクションに、好ましくは第1および第2段階予熱器の間で入り、これによって希釈蒸気の流れを約450℃から700℃の範囲内の温度(もっと高い温度を使用することができる。)に過熱する、希釈蒸気の流れがある。希釈蒸気を過熱することは、第1段階予熱器における蒸発温度が第1段階予熱器中のコークスの堆積を最小化または防止するのに必要な最高チューブ壁温度によって制限されている重質供給原料の蒸発を助けるので好ましい。
さらに、本発明の別の実施形態において、過熱希釈蒸気が、第1段階予熱器のチューブ、および/または対流セクションの第1段階予熱器からの出口点と下流の蒸気−液体分離器との間に、混合ノズル42または混合点におけるチューブ壁の均一な液体湿潤を促進するために使用される設備を経由して加えられる。
図2を参照すると、好ましい蒸気−液体分離器20は、壁20a、入ってくる気体−液体混合物14を受け入れる入口14a、蒸気相16を方向づけする蒸気出口16aおよび液体相15を方向づけする液体出口15aを含む。入口14aに近接してハブ25があり、これはハブ25の周辺に配置された複数のベーン25aを有しており、入口14aに最も近い端部に接近していることが好ましい。入ってくる気体−液体混合物14は、ハブ25の近接端部上のはね散らしによって分散され、特に混合物14の液体相15の一部を、蒸気−液体分離器20の壁20aに向かって外側に強制的に飛ばすベーン25aによって、壁20aは液体で完全に湿潤状態に維持され、壁20a内部のコーキング速度が、防止できないにしても、減少される。同様に、ハブ25の外面は、ハブ25の表面に接触している液体15を壁20aの内部に移動させるのに不十分な力が原因で、ハブ25の外面に流下する液体層によって完全な湿潤状態に維持されている。スカート25bは、ハブ25の遠位末端を取り囲み、全ての液体を、前記液体を旋回蒸気へと堆積することによって、ハブ25の外面から壁20aの内部へと下方に強制的に運ぶのを助ける。蒸気−液体分離器20の上部は、入口14aとハブ25の間の20bに収容されており、気体−液体混合物14が蒸気−液体分離器20に入るときに壁20aの内面を湿潤するのを助ける。液体15は下方に運ばれるので、液体は壁20aとハブ25を洗って、壁の表面のコークスの形成を、防止できないにしても、減少させる。液体15は落下し続け、液体出口15aを通って蒸気−液体分離器20を出る。一対の入口ノズル26が蒸気出口チューブ16aの下に設けられており、急冷オイル(一般に非反応性温度まで冷却したリサイクルピッチ)を、回収液体15を冷却し、ノズルの真下の表面が液体で十分に濡れていることを保証することで下流のコークス形成を減少させるために提供する。このサイクロン設計が、2基の蒸気−液体分離器を組み込んだ好ましい実施形態の工程に適用される場合、ノズル26は第2サイクロンにだけ使用される。これらは、第2サイクロンを通してピッチを再度リサイクルし、これを高温に再加熱して不安定にする可能性があるので、この設計の第1サイクロンには使用されない。蒸気相16は、これの最も高い点16cで蒸気出口ダクトに入り、出口16aから出る。スカート16bは、入口16cを蒸気ダクト16に対して囲み、分離器の壁20aに向かって外向きの液体15を偏向させるのを助ける。
ベーン25aの下に延伸するハブ25の距離は、液滴がハブ25を過ぎて半ばを移動する前に捕獲される液滴寸法の予測に基づき選ばれた。かなりの液体15は、ハブ25に流れ落ち(空気/水モデルを用いた観察による)、ハブ25上の「スカート」25bの存在によって、液滴はベーン25aの十分下の蒸気相へと導かれ、出口チューブ16aに移動するときの蒸気16の連続的渦巻きにより、ハブ25のスカート25bの下で回収が継続される。ハブスカート25bは、ベーン25aにおいて利用可能な蒸気16が下方に流れる区域を減少することなく、液体をハブ25から外壁20aに対して出来るだけ接近して移動させる大きさにした。実際問題として、流れのための20%超の区域がベーン25aにおいて存在する。分離器の寸法に関するさらなる詳細は、米国特許第6,632,351号に開示されており、この特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
図3は、単一サイクロン分離器の使用に関するもので、本発明に対する比較に使用される。一般的に、第1予熱器12からの加熱流14は、混合ノズル70に送られ、系統71経由の過熱希釈蒸気と接触し、加熱された蒸気−液体混合物は蒸気−液体分離器72に送られ、ここで分解した蒸気が回収され、系統73を経由して分離器を出る。液体は、系統74を経由してアキュムレータードラム75へ移され、ピッチは系統76を経由して除去される。図3には示していないが、サイクロンの真下のアキュムレータードラムに入るピッチの温度は、冷却したリサイクル液体をドラムの底部から液面上のドラムの頂部にスプレーリングを経由して導くことによって、約320℃の非反応性温度に急速に低下する。サイクロン中の熱蒸気が、液体と一緒にサイクロンの底部を出るのを防止するために、少量の過熱蒸気が系統78を経由してアキュムレータードラム中のスプレーリング上の蒸気相に注入され、過熱蒸気はサイクロンから下方に流れる液体の流れに逆流して上方に流れる。混合物が、サイクロンと第2段階予熱器21の間の相互接続配管において十分にこれの露点を超えていることを保証するために、過熱蒸気が系統77を経由してサイクロンを出る蒸気に注入される。合わさった流れは、系統73を経由して第2段階予熱器に送られ、炉の対流セクションAを、この予熱器の出口系統22を経由して出る。系統22から、合わさった流れは炉の熱分解セクションBに入り、加熱され、転換されてオレフィンを生産し、オレフィンは系統23において炉を出る。
本発明を、現時点で好ましい実施形態に関して説明してきたが、当業者によって合理的な変形および改良が可能である。かかる変形および改良は、説明した発明および付属の特許請求の範囲内である。
重質炭化水素供給原料を加熱し、蒸気−液体分離器中で蒸発させた供給原料の軽質部分を熱分解するために、2基の蒸気−液体分離器および単一のクラッキング炉を使用する、本発明の方法の好ましい実施形態のプロセスフローを表す概略図である。 本発明で使用する蒸気−液体分離器の正面図である。 従来技術による単一蒸気−液体分離器を使用する概略図である。

Claims (13)

  1. a)炭化水素供給原料を、熱分解炉の対流ゾーン中に設けられた第1段階予熱器に供給し、第1段階予熱器内で前記供給原料を加熱して、加熱された気体−液体混合物を生産すること、
    b)加熱された気体−液体混合物を、第1段階予熱器から取り出して高温蒸気と一緒にし、一緒にされた流れを第1蒸気−液体分離器に供給すること、
    c)第1蒸気−液体分離器中の液体から気体を分離しおよび移し、この気体を前記対流ゾーン中に設けられた蒸気相過熱器中で約450から700℃の温度に加熱し、加熱された気体の全部または大部分を第2蒸気−液体分離器へおよび残りの部分を熱分解炉の放射ゾーンへ供給し、気体を熱分解してオレフィンおよび他の熱分解生産物を生産すること、
    d)液体を第1蒸気−液体分離器から取り出し、移された液体を第1蒸気−液体分離器からの蒸気の大部分と一緒にすることで約425から約510℃の温度に加熱し、その後対流ゾーン中の前記過熱器中でさらに加熱し、前記流れを第2蒸気−液体分離器に供給すること、
    e)第2蒸気−液体分離器中の液体部分から気体を分離しおよび移し、移された気体を熱分解炉の放射ゾーンへと供給し、前記気体を熱分解してオレフィンおよび他の熱分解生産物を生産すること、および
    f)残留液体部分を第2蒸気−液体分離器から移すこと
    を含む、炭化水素供給原料の一部をオレフィンに蒸発および熱分解し、典型的な熱分解炉の対流セクション条件の下では完全に蒸発することのできない望ましくないコークス前駆物質および/または高沸点ピッチ留分を含有する前記供給原料の非蒸発部分を分離するための方法。
  2. 熱分解条件が約700℃から約900℃の熱分解温度、約1バールから約3バールの熱分解圧力を含み、前記気体部分が放射ゾーン中にて前記熱分解条件に上方へ最大約10秒間の熱分解時間曝される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記蒸気−液体分離器が遠心分離蒸気−液体分離器である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 過熱希釈蒸気が、第1段階予熱器からの加熱した気体−液体混合物に混合ノズル中で加えられる、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記炭化水素供給原料が、ロングおよびショート原油レジデュー、真空ガスオイル、重質ガスオイル、原油、脱アスファルト油、(タールサンド、オイルシェールおよび石炭由来の)オイル、SMDS(Shell Middle Distillate Synthesis)重質エンド、GTL(Gas to Liquid)重質エンド、重質パラフィン系合成生産物、フィッシャートロプシュ生産物およびハイドロクラケートならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 第2蒸気−液体分離器から移された液体の温度が、約320℃の最高温度に調節されて、液体の時間−温度履歴が、アスファルテンが液体中で沈澱を生ずる温度を超えないように、前記液体の安定性が制御される、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 第2蒸気−液体分離器からの残留液体部分の量が、前記分離器の表面を湿潤化し洗浄するのに十分な量が残されるように調節される、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 第2蒸気−液体分離器における温度が、第2蒸気−液体分離器への液体供給原料に加えられる過熱希釈蒸気の温度および量を調節することによってまたは第2蒸気−液体分離器に入る液体の温度を調節することによって、460℃と500℃の間の温度に制御される、請求項7に記載の方法。
  9. 高温希釈蒸気が、
    a)第1および第2蒸気−液体分離器の蒸気出口、および
    b)第1および第2蒸気−液体分離器の液体出口
    に加えられる、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. ステップc)における前記予熱器から第2蒸気−液体分離器へ送られる加熱された気体の一部が、加熱された気体の60と100容積パーセントの範囲であり、加熱分解炉の放射ゾーンに送られる加熱された気体の一部が0と40容積パーセントの範囲である、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. 典型的な熱分解炉の対流セクション条件の下では完全に蒸発することのできない望ましくないコークス前駆物質および/または高沸点ピッチ留分を含有する炭化水素供給原料を加熱するための前記熱分解炉の対流ゾーンに設けられた第1段階予熱器、
    前記第1段階予熱器中で加熱された液体から気体を分離するための第1蒸気−液体分離器、
    前記第1蒸気−液体分離器から移された気体を加熱するための過熱器、
    第1蒸気−液体分離器からの液体とおよび過熱器中で加熱した気体との混合物からの液体から気体を分離するための第2蒸気−液体分離器、および
    前記第1および第2蒸気−液体分離器からの気体を熱分解するための前記熱分解炉中に設けられた放射ゾーン
    を含む熱分解炉。
  12. 前記第1および第2蒸気−液体分離器が遠心分離器である、請求項11に記載の熱分解炉。
  13. 第1段階蒸気−液体分離器に入る気体および液体を混合するための混合ノズルおよび第2段階蒸気−液体分離器に入る気体および液体を混合するための混合ノズルを含む、請求項11または12に記載の熱分解炉。
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