JP2009528890A - 雌ねじが切られた回転式拡張器 - Google Patents
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Abstract
管腔狭窄部を拡張するための装置と方法である。装置は、雌ねじ部を有する拡張器を含んでいる。拡張器の雌ねじ部は、拡張器雌ねじ部と相補的であるワイヤガイド側の雄ねじ部に噛み合うことにより、狭窄部を挿管する能力を高めることができる。
Description
本出願は、2006年3月8日出願の米国仮特許出願第60/780,162号に対する優先権を主張し、同出願の全内容を参考文献としてここに援用する。
本発明は、概括的には医療装置に関し、より具体的には、狭窄性の管腔閉塞部の拡張に有用な回転式拡張器装置並びに同装置の使用方法に関する。
狭窄性管腔閉塞は、良性、悪性を問わず、様々な病気の何れの病気によっても引き起こされ、且つ胃腸管のどの部分にでも発生する可能性がある。それら狭窄部は、臨床学的に重大な機能障害を伴なっているか、又は診断又は治療のために狭窄部位を越えてアクセスする必要がある場合は何時でも拡張する必要がある。消化管の狭窄部位の拡張には、胆管に使用するものを含め、幾つかの異なる拡張器装置が使用されている。これらの拡張器は、拡張器の設計に応じた、及び、例えば、内視鏡的、蛍光透視的、及び/又はワイヤ誘導式ガイダンスの使用を含め、求められている施術者の術式に応じた複数のやり方で、狭窄部位に送達することができる。拡張器は、(1)固定直径/押し出し型拡張器と(2)拡張可能型拡張器、の2種類に大別される。これらの設計的類別のそれぞれは、「内視鏡挿通式」設計と「内視鏡非挿通式」設計を含んでいる。「内視鏡挿通式」拡張器は、十二指腸鏡の様な内視鏡の補助チャネルを通して使用するように設計されている。殆どの「内視鏡非挿通式」装置は、内視鏡を使ってワイヤガイドを留置し、その後内視鏡を取り出した状態で、ワイヤガイドに外挿して展開配備される。固定直径/押し出し型拡張器は、膵胆管用途に使用される幾つかの設計を除き、殆どが「内視鏡非挿通式」装置である。
一般に、狭窄性管腔閉塞部の拡張は、管腔狭窄部に対して拡張力を加えることにより達成される。固定直径/押し出し型拡張器は、狭窄部を通って前進するとき、軸方向並びに半径方向の力を働かせる。これら固定直径/押し出し型拡張器は、胃腸管全体を通して使用することができ、蛍光透視法を併用し又は併用せず、内視鏡を介して胃腸管の中を挿通させることができる。ワイヤガイド方式の内視鏡挿通式拡張器は、通常、ワイヤガイドに外挿し、内視鏡補助チャネルを通して送り込まれる。内視鏡非挿通式によるワイヤガイド方式の拡張器は、通常、内視鏡を使用して先ずワイヤガイドを設置し、次いで拡張器の導入に先立ち内視鏡を取り出した後、このワイヤガイドに外挿して送り込まれる。固定直径/押し出し型拡張器は、通常、鈍く丸みの付いた先端又は近位側が太くなっている細長い先細先端を含んでいる。この型式の拡張器は、通常、押し出し用カテーテルを使用して、小さな外形の遠位先端が最初に狭窄領域に入り、次いで拡張器が中を前進するにつれて徐々に太くなっている遠位部分が狭窄部位を拡張するように、狭窄部に突き通される。この型式の拡張器で加えることのできる限定された量の力に抵抗する狭窄部もある(これは、例えば、狭窄部の締め付けが強くて拡張器の先端さえも入らないため、又は、狭窄部を構成している物質が押し出し用カテーテルを通して加えることのできる力よりも大きい抵抗を示すためである)。
拡張型拡張器は、通常、半径方向拡張型バルーン拡張器として具現化されている。これらバルーン拡張器は、一般に、膨張流体を充満させたときに所定の直径に均一且つ再現可能に拡張することのできるコンプライアンスの低い材料で作られている。バルーン拡張器は、通常、狭窄を生じている場所の中に進められ、次いで、拡張されて狭窄部を広げる。しかしながら、バルーン拡張器は、膨らませていないときでも大き過ぎて、(バルーンを膨らませて)効果的に展開させることができるほどに、狭窄部を通過させることができないこともある。
先端にねじが切られたステント回収器も、例えば、そうしないとワイヤガイドを通すことしかできず、従来の拡張に対して抵抗を示す、締め付けが強い膵胆管及び食道の狭窄性閉塞部を広げるのに使用されている。1つの代表的な装置に、米国特許第5,334,208号及び同第5,643,277号に記載されている、ノースカロライナ州ウインストン・セーレムのWilson−Cook Medical社製のSoehendra(登録商標)ステント回収器があり、前記両特許を参考文献としてここに援用する。狭窄部拡張用途に使用する際、このSoehendra(登録商標)ステント回収器は、内視鏡を通して、ワイヤガイドに外挿して、狭窄を生じている目標部位へと導入される。装置は、その遠位端のねじが切られた外側部分が狭窄部をオーガー掘削し当部位を広げるように、回転される。必要に応じて、装置は引き抜かれ、上で説明したものの様な別の拡張装置を使用して、狭窄領域を更に広げることもできる。
締め付けが強い狭窄部の中には、ステント回収器の様な前記ワイヤガイド方式ねじ切り先端付装置を使用すれば、これを貫いてオーガー掘削することができるものもあるであろうが、その様な狭窄部には、なお抵抗を示すものがあるかもしれない。従って、抵抗を示し、及び/又は締め付けが強い(例えば、管腔直径の70%以上が閉塞している)狭窄部を拡張する能力を高めた拡張器システムが必要とされている。
米国仮特許出願第60/780,162号
米国特許第5,334,208号
米国特許第5,643,277号
米国特許出願第2004/0116833
1つの態様では、本発明は、重度の狭窄部を通過及び拡張する能力を高めた拡張器システムを提供している。別の態様では、本発明は、更に、拡張器システムを使用する方法に関する。
本発明の或る拡張器システムの実施形態は、拡張器とワイヤガイドを含んでおり、拡張器は、その遠位端に隣接して雌ねじが切られた表面を含んでいてもよい。ワイヤガイドは、遠位側の雄ねじが切られた表面を含んでおり、雄ねじ部は拡張器の雌ねじ部と相補的であってもよい。拡張器は、更に、雄ねじが切られた表面を含んでいてもよい。
本発明の方法では、ワイヤガイドを、狭窄性閉塞部の初期挿管に使用し、望ましくは、狭窄部の少なくとも一部に係合するまで進めてもよい。次いで、拡張器を、ワイヤガイドに沿って、その雌ねじ部がワイヤガイド雄ねじ部に噛み合うまで前進させてもよい。使用者は、次に、ワイヤガイド又は拡張器の一方を他方に対して回転させ、拡張器の雌ねじ部をワイヤガイドと螺合させて、拡張器を遠位方向に狭窄部を貫いて進ませるようにしてもよい。ねじが切られている拡張器外側面を、ここで狭窄の物質に係合させ、それに対して半径方向の力を加えて、狭窄部を貫いてより広く開いた通路を作り出すことができる。
図1Aと図1Bは、本発明の拡張器100の第1の実施形態を示している。図1Aに示すように、拡張器100は、トルクを掛けることのできる細長いカテーテル軸部102を含んでいる。図示の実施形態では、カテーテル軸部102は、螺旋状のステンレス鋼ワイヤ本体を含んでいる。好適な軸部は、可撓性を有し、回転運動をその近位端からその遠位端まで効率よく伝達する(即ち、トルクを掛けることができる)。本発明では他の軸部構造を使用してもよい。何れの軸部も、拡張器を容易に前進させ回転させられるように、潤滑性のある表面(例えば、PTFEでコーティング)を有しているのが望ましい。近位端は、回転式ハンドル104を含んでおり、このハンドルは、把持する際及び回転させる際に使い易くするため、肌理のある表面を有している。
拡張器100の遠位端は、螺旋状の雄ねじ部108を含んでおり且つ望ましくは軸部102よりも可撓性が低い概ね円筒形の端部先端106を有している。雄ねじ部108の最外径は、軸部102の外径と実質的に同じである。拡張器100は、その長さを貫いて伸張するルーメン110を有している。(図1B参照)。図1Aと図1Bに示す実施形態では、拡張器100は、ルーメン110に挿通されたワイヤガイド120と共に示されている。ワイヤガイド120は、その遠位端に隣接するワイヤガイド長さの特定の部分に沿って伸張する螺旋状の雄ねじ部分122を有している。ワイヤガイドねじ部122の最外径は、ワイヤガイド120のねじが切られていない部分の外径よりも大きくなっている。
ワイヤガイド120は、その長さの少なくとも遠位部分に沿って、外側チャネル126を含んでいてもよい。チャネル126は、ワイヤガイド120の外径がルーメン110の内径とほぼ同じ場合でも、流体を流体導入口111から拡張器軸部102のルーメン110を通して導入できるようにするための通路となっている。流体は、例えば、造影剤、潤滑剤、薬液(例えば、抗炎症剤、鎮痛剤、又は抗生剤の様な薬剤を含んでいる溶液又は懸濁液)、溶媒物質、それらの混合物、又は別の望ましい流体でもよい。チャネル126は、図1Aの線1C−1Cに沿った横断面の部分図である図1Cにより明瞭に示されている(部分図は、スクリューねじ122の根元部分/小径部しか示しておらず、スクリューねじ122の突出部/大径部も、ワイヤガイドを実質的に取り巻いている円筒形端部先端106の部分も示していない)。図1Cは、更に、ワイヤガイドの芯128とコーティング129を示している。芯128は、例えばニチノール又はステンレス鋼ワイヤでもよく、コーティング129は、ポリマー又は他の適切な材料(例えば、PTFE)でもよい。別の実施形態では、チャネルをルーメン110の内面に沿って設けてもよく、ワイヤガイドを貫いてルーメンを設け、その外側表面に1つ又は複数の孔を設けてもよいし、又は、拡張器軸部102を貫いて第2のルーメンを設けて、流体(例えば、造影剤又は潤滑剤)を軸部102の遠位端に送り込むことができるようになっていてもよい。
この実施形態又は他の実施形態の軸部102は、放射線不透過性材料を含んでいてもよいし、及び/又は放射線不透過性マーカーを含んでいてもよい。その様な放射線不透過性マーカーは、軸部の先端又はその付近に、及び/又は軸部に沿って配置されていて、蛍光透視法視認下で、例えば、遠位方向前進距離又は回転角度を判定するのに役立つようになっていてもよい。軸部102の遠位部分は、軸部102に隣接する表面の電気焼灼又は電気凝固を行うための導電面を含んでいてもよい。例えば、ねじ部108は、電気焼灼面を備えていてもよい。
図1Bは、図1Aの一部分の線1B−1Bに沿った詳細な縦断面図であり、拡張器ルーメン110がワイヤガイド雄ねじ部122と相補的に噛み合う螺旋状雌ねじ部112を含んでいることを示している。拡張器雌ねじ部112とワイヤガイド雄ねじ部122が噛み合っているので、ワイヤガイド120に対して拡張器100を回転させると前進させることになる。而して、拡張器100とワイヤガイド120は、拡張器システムとなる。拡張器100は、内視鏡を通して導入するように構成してもよいし、又は「内視鏡非挿通式」で使用するように構成してもよい。
図2Aと図2Bは、本発明の第2の実施形態の拡張器200を示している。図2Aに示すように、拡張器200は、トルクを掛けることのできる細長いカテーテル軸部202を有している。図示の実施形態では、カテーテル軸部202は、可撓性を有し、回転運動をその近位端からその遠位端へと効率的に伝達する、本体を含んでいる。本体は、多繊維チューブ、例えば、Asahi−Intecc社(カリフォルニア州ニューポートビーチ)から入手可能なチューブで作ることができる。或る型式の多繊維チューブを製造する際の材料と方法は、公開済の米国特許出願第2004/0116833号(Kato他)に記載されており、当出願の内容を参考文献としてここに援用する。本発明の範囲内で他の軸構造を使用することもでき、軸部は、拡張器の前進と回転をやり易くするため、潤滑性表面(例えば、PTFEでコーティング)を有しているのが望ましい。近位端は、把持する際及び回転させる際に使い易くするために肌理のある表面を有している回転式ハンドル204を含んでいる。
図示の拡張器の実施形態200の遠位端は、螺旋状の雄ねじ部208を含んでおり且つ望ましくは軸部202よりも可撓性が低い、概ね円錐形の端部先端206を有している(ここで使用している円錐形という用語は、縦断面が、弾丸形状、楕円形状、又は他の先細外観を有する各遠位端部先端形状を包含するものとする)。図示の実施形態では、円錐形先端206は、基底直径がカテーテルの外部直径よりも大きく、これにより、図1Aと図1Bに記載した実施形態よりも更に広く狭窄部を拡張することができる。なお、或る特定の実施形態では、円錐形の先細角度は、図2Aと図2Bに示すものよりも小さくてもよい(例えば、異なる実施形態では、円錐形先端の基底直径は、この先端が装着されるカテーテルの外径と実質的に同じでもよい)ことに注目されたい。拡張器200は、その長さを貫いて伸張するルーメン210を有している。図2Aと図2Bに示すように、拡張器200は、ルーメン210にワイヤガイド220を挿通している状態が示されている。ワイヤガイド220は、その遠位端からワイヤガイド長さの特定の部分に沿って近位方向に伸張する螺旋状の雄ねじ部分222を有している。ワイヤガイドねじ部222の最外径は、ワイヤガイド220のねじが切られていない部分の外径よりも大きくなっている。拡張器200のねじ部とワイヤガイド220のねじ部は左ねじとして示されている。
図2Bは、図2Aの一部の線2B−2Bに沿った詳細な縦断面図であり、拡張器ルーメン210が、ワイヤガイド雄ねじ部222と相補的に噛み合う螺旋状の雌ねじ部212を含んでいることを示している。拡張器雌ねじ部212とワイヤガイド雄ねじ部222が噛み合っているので、ワイヤガイド220に対して拡張器200を回転させると前進させることになる。拡張器200は、内視鏡を通して導入するように構成してもよいし、「内視鏡非挿通式」で使用するように構成してもよい。拡張器200が、「内視鏡非挿通式」で使用するように構成されている場合には、円錐形先端206は、内視鏡の作業チャネルを容易に通過させることができる直径よりも大きい基底直径を含んでいてもよい。なお、ワイヤガイドと拡張器の一方又は両方のねじ部分は、一条ねじでも多条ねじ(例えば、二条ねじ又は三条ねじ)でもよいものと理解されたい。多条ねじ部分を有する実施形態は、より少ない装置の回転で、より長い前進/後退距離を提供することができる。
図3Aと図3Bは、本発明の第3の実施形態の拡張器300を示している。図3Aに示すように、拡張器300は、トルクを掛けることのできる細長いカテーテル軸部302を有している。図示の実施形態では、カテーテル軸部302は、可撓性を有し且つ回転運動をその近位端からその遠位端へと効率的に伝達する本体、を含んでいる。近位端は、把持する際及び回転させる際に使い易くするために肌理のある表面を有する回転式ハンドル304を含んでいる。
拡張器300の遠位端は、概ね滑らかな外側表面308を含んでおり且つ望ましくは軸部302よりも可撓性が低い、概ね円錐形の端部先端306を有している。滑らかな外側表面308は、潤滑性の表面コーティング(例えば、PTFEなど)を含んでいるのが望ましい。図示の実施形態では、円錐形先端306は、カテーテルの外部直径よりも大きい基底直径を有している。なお、或る特定の実施形態では、円錐形の先細の角度は、図3Aと図3Bに示すものよりも小さくてもよい(例えば、異なる実施形態では、拡張器先端の基底直径は、この先端が装着されるカテーテルの外径と実質的に同じでもよい)ことに注目されたい。拡張器300は、その長さを貫いて伸張するルーメン310を有している。図3Aと図3Bに示すように、拡張器300は、ルーメン310にワイヤガイド320を挿通した状態が示されている。ワイヤガイド320は、その遠位端324からワイヤガイド長さの特定の部分に沿って近位方向に伸張する螺旋状の雄ねじ部分322を有している。ワイヤガイドねじ部322の最外径は、ワイヤガイド320のねじが切られていない部分の外径よりも大きくなっている。
図3Bは、図3Aの一部の線3B−3Bに沿った詳細な縦断面図であり、拡張器ルーメン310が、ワイヤガイド雄ねじ部322と相補的に噛み合う螺旋状雌ねじ部312を含んでいることを示している。拡張器雌ねじ部312とワイヤガイド雄ねじ部322が噛み合っているので、ワイヤガイド320に対して拡張器300を回転させると前進させることになる。拡張器300は、内視鏡を通して導入するように構成してもよいし、「内視鏡非挿通式」で使用するように構成してもよい。拡張器300が、「内視鏡非挿通式」で使用するように構成されている場合には、円錐形先端306は、内視鏡の作業チャネルを容易に通過させることができる直径よりも大きい直径を含んでいてもよい。この実施形態は、或る種の用途には好都合であると期待されている。具体的には、狭窄部には生体組織を含むものもあり、そのような場合には、雄ねじ部を有する拡張器表面を狭窄が生じている領域に食い込むように係合させない方が望ましいこともある。図3Aと図3Bに示す実施形態を使用する或る用途では、ワイヤガイド320を、狭窄領域を貫いて前進させ、次いで、拡張器300をワイヤガイド320に沿ってねじ込み式に前進させて狭窄部を貫通させるが、このとき、その概ね滑らかな表面308が拡張力を与えるので、ねじが切られた外側部(例えば、図1Aと図1Bに示しているもの)に比べ周辺物質に外傷を与える可能性を低くすることができる。
図4Aから図4Dは、図1Aと図1Bに示す拡張器システムを使用して、狭窄性閉塞部を拡張する方法を示している。図4Aは、物質が堆積して狭窄部402を形成し管腔404が著しい閉塞状態にある脈管400(例えば、胆管に汚泥が堆積している場合)を示している。この方法の第1段階として、図4Bに示すように、ワイヤガイド120を導入して狭窄部402を貫通させる。ワイヤガイド120のねじが切られた部分122が狭窄部402を横断し、ワイヤガイド120のねじが切られた部分122の少なくとも一部が、狭窄部402から近位側に伸張するようになっているのが望ましい。この段階の間、ワイヤガイドのねじ部122は、使用者が、ワイヤガイド120を回転させながら、特に、きつい狭窄部を貫いて前進させるのに役立つであろう。
次に、図4Cに示すように、拡張器100を、ワイヤガイド120に外挿して狭窄部402の近位側まで進める。使用者は、次いで、ワイヤガイド120を所定の位置に保持して、拡張器100をワイヤガイドに対して回転させる。図4Cに示すように、この回転は、2つのことを行い、即ち、(1)拡張器雄ねじ部108が狭窄部402と係合し、半径方向の力を加えて、狭窄部を拡張するようにオーガー掘削を行い、(2)狭窄部402が、拡張器100のオーガー掘削運動に、拡張器雄ねじ部108が狭窄部と係合することにより生じる抵抗を示す限りにおいて、拡張器雌ねじ部112(図示せず)の、静止保持されているワイヤガイドのワイヤガイド雄ねじ部122との係合が、狭窄部に挿管するやり方で拡張器100を軸方向に前進及び後退させ、狭窄部を拡張できるようにする。拡張器100を、ワイヤガイドねじ部122周りにその端までねじ込んで/回転させながら前進させた後、ワイヤガイド120を拡張器100に対して前進方向に回転させると、ワイヤガイド120を、狭窄部402を通して更に前進させることができる。上記段階を繰り返すと、狭窄部402の次の部分を拡張することができる。図4Dは、拡張器100が狭窄部402を完全に貫いて前進した後の脈管400を示しており、この後、拡張器100とワイヤガイド120が引き抜かれると、狭窄部402は、脈管400の管腔404の閉塞状態が殆ど解消されるように(例えば、管腔の開存性が維持されるよう支援するためにステントをその場に留置することができるように)拡張された状態になる。この方法の代わりのやり方では、ワイヤガイド120を、長手方向の所定の位置に保持し、拡張器100に対して回転させ、拡張器100を前進させてもよい。代わりの方法の1つの好適な実施形態では、拡張器100は雄ねじ部108を含んでいない。
上記詳細な説明は、限定を課すものではなく説明を目的としている。従って、特許請求の範囲は、全ての等価物を含め、本発明の精神と範囲を定義することを意図しているものと理解されたい。
Claims (20)
- 拡張器システムにおいて、
可撓性を有する細長いカテーテル軸部を備えている拡張器であって、前記カテーテル軸部は、近位端と遠位端と少なくともその一部を貫いて伸張するルーメンを有しており、前記軸部は、前記近位端の回転運動を前記遠位端に実質的に伝達できるだけの捩り剛性を備えており、前記ルーメンは、その一部に沿って伸張する螺旋状に雌ねじが切られた表面を備えている、拡張器と、
近位側ワイヤガイド端と遠位側ワイヤガイド端の間を伸張するワイヤガイド軸部を有しているワイヤガイドであって、前記ワイヤガイド軸部は、前記近位側ワイヤガイド端の回転運動を前記遠位側ワイヤガイド端に実質的に伝達できるだけの捩り剛性を備えており、前記ワイヤガイド軸部は、その一部に沿って伸張する螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面を更に備えている、ワイヤガイドと、を備えており、
前記螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面は、前記拡張器の螺旋状に雌ねじが切られた表面と噛み合うように構成されていて、前記拡張器を前記ワイヤガイドに対して回転させると、前記拡張器が前記ワイヤガイドに対して長手方向に動くようになっている、拡張器システム。 - 前記拡張器の前記カテーテル軸部は、その一部に沿って伸張する螺旋状に雄ねじが切られたカテーテル軸部表面を更に備えている、請求項1に記載の拡張器システム。
- 前記螺旋状に雄ねじが切られたカテーテル軸部表面は、概ね円筒形の形状を有している、請求項2に記載の拡張器システム。
- 前記螺旋状に雄ねじが切られたカテーテル軸部表面は、概ね円錐形の形状を有している、請求項2に記載の拡張器システム。
- 前記カテーテルの、前記螺旋状に雄ねじが切られたカテーテル軸部表面を備えている部分は、前記カテーテル軸部の主たる長さ部分より可撓性が低くなっている、請求項2に記載の拡張器システム。
- 前記螺旋状に雄ねじが切られたカテーテル軸部表面の外径は、前記カテーテル軸部の外径より大きくはない、請求項2に記載の拡張器システム。
- 前記螺旋状に雄ねじが切られたカテーテル軸部表面は、多条ねじが切られた表面を備えている、請求項2に記載の拡張器システム。
- 前記螺旋状に雌ねじが切られたカテーテル軸部表面と前記螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面のそれぞれは、多条ねじが切られた表面を備えている、請求項1に記載の拡張器システム。
- 前記拡張器は、前記カテーテル軸部に取り付けられた近位側ハンドルを備えている、請求項1に記載の拡張器システム。
- 前記カテーテル軸部と前記ワイヤガイドの少なくとも一方は、放射線不透過性標識を更に備えている、請求項1に記載の拡張器システム。
- 前記ワイヤガイドは、その表面に沿って長手方向に配置されたチャネルを更に備えている、請求項1に記載の拡張器システム。
- 前記拡張器は、その長さの少なくとも一部を貫いている流体通路を更に備えている、請求項1に記載の拡張器システム。
- 体内管腔の狭窄領域を拡張する方法において、
拡張器システムを提供する段階であって、前記拡張器システムは、
可撓性を有する細長いカテーテル軸部を備えている拡張器であって、前記カテーテル軸部は、近位端と遠位端と少なくともその一部を貫いて伸張するルーメンを有しており、前記軸部は、前記近位端の回転運動を前記遠位端に実質的に伝達できるだけの捩り剛性を備えており、前記ルーメンは、その一部に沿って伸張する螺旋状に雌ねじが切られた表面を備えている、拡張器と、
近位側ワイヤガイド端と遠位側ワイヤガイド端の間を伸張するワイヤガイド軸部を有しているワイヤガイドであって、前記ワイヤガイド軸部は、前記近位側ワイヤガイド端の回転運動を前記遠位側ワイヤガイド端に実質的に伝達できるだけの捩り剛性を備えており、前記ワイヤガイド軸部は、その一部に沿って伸張する螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面を更に備えている、ワイヤガイドと、を備えており、
前記螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面は、前記拡張器の螺旋状に雌ねじが切られた表面と噛み合うように構成されていて、前記拡張器を前記ワイヤガイドに対して回転させると前記拡張器が前記ワイヤガイドに対して長手方向に動くようになっている、拡張器システムを、提供する段階と、
前記ワイヤガイドを、体内管腔の狭窄領域に進め、前記螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面の少なくとも一部が前記狭窄領域の近位側に隣接して伸張するようにする段階と、
前記拡張器を、前記ワイヤガイドに沿って前進させ、前記螺旋状に雌ねじが切られたカテーテル軸部表面を前記螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面に接触させる段階と、
前記拡張器を、前記ワイヤガイドに対して回転させ、前記螺旋状に雌ねじが切られたカテーテル軸部表面を前記螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面と噛み合わせ、前記拡張器を前記ワヤガイドに対して長手方向に動かし、遠位方向に向けて前記狭窄領域の中へと前進させる段階と、から成る方法。 - 前記拡張器の前記カテーテル軸部は、その遠位部分に沿って伸張する螺旋状に雄ねじが切られたカテーテル軸部表面を更に備えている、請求項13に記載の方法。
- 前記回転させる段階の間に、前記螺旋状に雄ねじが切られたカテーテル軸部表面は、前記狭窄領域と係合し、その中を貫いて遠位方向へ前進するのを支援する、請求項14に記載の方法。
- 前記ルーメンを通して流体を提供する段階を更に含んでいる、請求項13に記載の方法。
- 前記流体は、造影剤、潤滑剤、薬液、溶剤、及びそれらの混合物、から成る群より選択される、請求項16に記載の方法。
- 体内管腔の狭窄領域を拡張する方法において、
拡張器システムを提供する段階であって、前記拡張器システムは、
可撓性を有する細長いカテーテル軸部を備えている拡張器であって、前記カテーテル軸部は、近位端と遠位端と少なくともその一部を貫いて伸張するルーメンを有しており、前記軸部は、前記近位端の回転運動を前記遠位端に実質的に伝達できるだけの捩り剛性を備えており、前記ルーメンは、その一部に沿って伸張する螺旋状に雌ねじが切られた表面を備えている、拡張器と、
近位側ワイヤガイド端と遠位側ワイヤガイド端の間を伸張するワイヤガイド軸部を有しているワイヤガイドであって、前記ワイヤガイド軸部は、前記近位側ワイヤガイド端の回転運動を前記遠位側ワイヤガイド端に実質的に伝達できるだけの捩り剛性を備えており、前記ワイヤガイド軸部は、その一部に沿って伸張する螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面を更に備えている、ワイヤガイドと、を備えており、
前記螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面は、前記拡張器の螺旋状に雌ねじが切られた表面と噛み合うように構成されていて、前記拡張器を前記ワイヤガイドに対して回転させると前記拡張器が前記ワイヤガイドに対して長手方向に動くようになっている、拡張器システムを、提供する段階と、
前記ワイヤガイドを、体内管腔の狭窄領域に進め、前記螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面の少なくとも一部が前記狭窄領域の近位側に隣接して伸張するようにする段階と、
前記拡張器を、前記ワイヤガイドに沿って前進させ、前記螺旋状に雌ねじが切られたカテーテル軸部表面を前記螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面に接触させる段階と、
前記ワイヤガイドを、前記拡張器に対して回転させ、前記螺旋状に雌ねじが切られたカテーテル軸部表面を前記螺旋状に雄ねじが切られたワイヤガイド表面と噛み合わせ、前記拡張器を前記ワヤガイドに対して長手方向に動かし、遠位方向に向けて前記狭窄領域の中へと前進させる段階と、から成る方法。 - 前記拡張器の前記カテーテル軸部は、その遠位部分に沿って伸張する螺旋状に雄ねじが切られたカテーテル軸部表面を更に備えている、請求項18に記載の方法。
- 前記遠位側カテーテル軸部端は滑らかな表面を備えている、請求項18に記載の方法。
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