JP2009528137A - 椎間板腔を準備するカッター - Google Patents

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Abstract

形状記憶材料から形成されるカッター刃を使用するカッターアセンブリ。カッター刃は椎間板腔の内部において使用され、カッターアセンブリの中心軸の周囲を回転され、椎間板腔に存在する物質を切断し取り除く。(投入の長さ、刃角度、刃先のタイプ及び位置等の)様々な特質を備えるカッター刃は椎間板腔内において様々な課題を解決するために調整される。カッター刃は軟骨及び椎体の終板の出血を促進するように調整されるものもあり、カッター刃はこれらの出血の原因となることを回避するように調整されるものもある。刃の破断後に椎間板腔から全カッター刃を取り除く機能を含む好適な特徴を有する閉ループ刃が開示される。台形の鋸歯部を使用した鋸歯状のパターンを含む鋸歯状のパターンが開示される。

Description

本出願は現在係属中の一連の出願を踏まえたものである。特に、本出願は2004年10月22日に出願されて米国特許出願公開第2005/0149034号として公開された、発明の名称が脊椎内の物質を操作する方法及び装置である現在係属中の米国特許出願第10/972077号明細書、並びに2006年2月28日に出願された発明の名称が組織を操作及び採取する方法及び装置である米国特許仮出願第60/778035号明細書に開示される脊椎内の物質を扱う技術領域における革新的な研究の延長線上にある。本出願は米国特許仮出願第60/778035号に基づく優先権を主張し、米国特許出願第10/972077号及び米国特許仮出願第60/778035号の両者はその全体がここで開示されたものとする。
本出願は2006年10月24日に出願された発明の名称が脊椎運動保護アセンブリである米国特許出願第11/586338号明細書、及び2006年10月24日に出願された発明の名称が脊椎運動保護アセンブリの搬送方法及び搬送するためのツールである米国特許出願第11/586486号明細書に開示される脊椎運動保護アセンブリの技術領域における革新的な研究の延長線上にある。本出願は米国特許出願第11/586338号及び米国特許出願第11/586486号の両者に基づく優先権を主張し、これらのその全体がここで開示されたものとする。
多数の出願が付加的な詳細な説明を提供するためにその全体がここで開示されたが、これらのその他の出願(特許として発行されたものも含む)は以前に記載されたものであり、本出願とは異なる焦点を有することに留意する必要がある。従って、本出願において、用語の教示や使用はこれらの出願とは異なることもある。
本発明は改良されたカッター、及び2つの隣接する椎体の融合が望ましくない場合における治療、例えば脊椎内に運動維持装置を移植する治療を含む治療処置に先だって、脊椎内の例えば2つの隣接する椎体間の椎間板腔における治療の対象の部位を準備する方法に関する。
本発明は、現在係属中の一連の特許出願(一部は特許として登録済み)における研究の延長線上にある。大部分の研究は、上記多くの出願に詳細に述べられ、その全体がここで開示されたものとする。従って、本明細書で述べる発明の背景では、早い時期の出願において述べたあらゆる詳細事項を繰り返すのではなく、本発明がこの一連の研究を如何様に深めるかに重点を置く。
脊柱は骨分節(bone segments)(椎体及び他の骨分節)の複合系であり、骨分節はほとんどの場合、椎間腔における椎間板によって互いに離間している(仙椎は例外である)。図1は側方からみたヒト脊柱の種々のセグメントを示す。本発明の内容において、「運動セグメント(motion segment)」は隣接する椎骨、即ち、上下の椎体と、脱核した間隙であるか、或いは無傷又は損傷した脊椎椎間板を有するかに関わらず、前記2つの椎体を分離している椎間板腔とを含む。予め癒合されていない限り(或いは損傷を受けていない限り)、各運動セグメントは脊椎の全体的な柔軟性に役立ち、これは屈曲して体幹及び頭部の運動を支持する脊椎の全体的な能力に関与する。
従来、脊髄の椎骨は複数の部分に細分化されている。頭部から尾骨に移動し、当該部分は頸椎104、胸椎108、腰椎112、仙椎116及び尾椎120である。当該部分内の個々の椎体は頭部に最も近い椎体から始まる番号によって特定される。経仙骨アプローチは腰部及び仙部における椎体への進入に好適である。通常、成人では仙部における種々の椎体は癒合しているため、個々の仙骨構成部分よりも単に仙骨と称することで十分であり、おそらくより便宜的である。
本発明の背景のより詳細な考察に入る前に、標準的な医学用語の一部を示すことは有用である。本考察の文脈において、前方(anterior)は脊柱の前部(腹側)を指し、後方(posterior)は脊柱の後部(背側)を指す;頭側(cephalad)は患者の頭部方向のことである(時には「上位」);尾側(caudal)(時には「下位」)は足部に近い方向又は位置を指す。本出願では仙骨から進入して頭部方向に移動する好適なアプローチを通じて種々の椎体及び椎間腔にアクセスすることを意図するため、基端側及び末端側はこのチャネルのアプローチの文脈で定義される。従って、基端側は当該チャネルの開始部分により近傍に位置し、故に足部又は外科医方向であり、末端側は当該チャネルの開始部分からより離間しており、故に頭部方向であり、或いは外科医からより離間した部位である。カッターを含むツールにおいて、末端側は進入チャネル内に挿入することを意図した端部を示し、基端側は通常ツールの取手の近傍の反対側の端部を示す。
脊柱内の個々の運動セグメントは制約された限界内の運動を可能にし、脊髄を保護する。ヒトが歩き、からだを曲げ、起き上がり、或いは他の動きをする際に、椎間板は脊柱を貫通する大きな力を吸収し、分散するのに重要である。残念なことに下記の多くの理由のため、一部のヒトでは脊柱における1つ又はそれ以上の椎間板が意図するように機能しない。椎間板の不具合の理由は、先天異常、疾患、損傷又は加齢に起因する変性に及ぶ。椎間板が適切に機能しない場合、隣接する椎体の間の間隙が減少し、これにより痛みを含む更なる不具合が生じることが多い。
椎間板の不具合に伴う痛みを緩和するため、様々な治療法が開発されてきた。1つの部類の解決手段は、損傷した椎間板を除去し、次に、恒久的であるが柔軟性のない間隙とともに2つの隣接する椎体を固定(fuse)することであり、静的安定化とも称される。2004年において全世界にわたって推定で30万件の固定手術が行われている。1つの部分を固定すると、その運動セグメントにおける屈曲能力が絶たれてしまう。運動セグメントの固定による運動セグメントに対する正常な生理的椎間板機能の喪失は、痛みに苦しみ続けるよりは良いかもしれないが、痛みを緩和し、なおかつ健常な運動セグメントのすべて又は多くの正常な機能を保持できればなお良いであろう。
別の部類の治療法は、椎間板が意図する椎間腔及び機械的特性を伴って機能を再開するように、椎間板を修復しようとするものである。1つの種類の修復は損傷した元の椎間板を人工椎間板に置き換えることである。この種の治療法は動的安定化又は脊椎運動性保持等の異なる名称で呼ばれる。
脊椎の働き
連続した腰椎体、胸椎体及び頸椎体は互いに連接し、脊椎椎間板によって分離されている。各脊椎椎間板は、脊柱に対する圧迫力のクッション性及び緩衝性を付与する中心部の塊「髄核」(又は本明細書では「核」)を取り囲む線維軟骨の外殻を含む。核を取り囲む外殻は、頭側及び尾側の椎体の対向する皮質骨終板に付着した軟骨質終板並びに髄核の周囲を取り巻き、軟骨質終板を結合する多層の対向膠原線維を含む「線維輪」(又は本明細書では「輪」)を含む。自然の生理学的核は、親水性(水誘引性)ムコ多糖類(mucopolysacharide)及び線維束(蛋白質ポリマー)から成る。核は比較的非弾性的であるが、輪は外側に僅かに膨張し、脊椎運動セグメントに対して軸方向に加えられる荷重を受容することができる。
椎間板は脊椎管の前方にあり、頭側椎体と尾側椎体の対向する端面又は終板の間に位置する。下関節突起は尾側(即ち、足部方向又は下位)方向において次に続く椎骨の上関節突起と連接する。複数の靱帯(棘上靱帯、棘間靱帯、前縦靱帯及び後縦靱帯並びに黄色靱帯)は、椎骨を所定位置に保持するが、動きが限定される。2つの椎体、挿置された脊椎椎間板並びに付着した靱帯、筋肉及び椎間関節の集合体は、「脊椎運動セグメント」と称される。
脊椎の前部に位置する比較的大きな椎体及び椎間板は、脊柱の大部分の荷重を支持する。各椎体は、終板を含む椎体の露出した外面を形成する比較的堅固な皮質骨層及び椎体の中心の比較的脆弱な海綿骨を有する。
椎間板の中心部を形成する髄核は、健常な成人の脊椎においてプロテオグリカンに吸収される水分の80%から成る。加齢に伴い、核は液性が低下し、粘着性が高まり、時には脱水及び収縮(「孤立性椎間板再吸収」(isolated disc resorption)と呼称されることもある)でさえも多くの症例において重度の痛みの原因となる。脊椎椎間板は、各椎体間における「緩衝体」として機能して脊柱への運動の衝撃を最小限にし、核内水含量の減少を特徴とする椎間板の変性は、椎間板が荷重を輪層に伝達する効果をなくしてしまう。加えて、輪は肥厚し、乾燥し、より硬質化する傾向があり、荷重下で弾性的に変形する能力が低下し、断裂や亀裂が発生しやすくなる。従って、輪に亀裂や断裂が発生したときに椎間板の1つの形態の変性が生じる。亀裂は核物質の輪の中への突出及び輪を越えた突出を伴う場合もあれば伴わない場合もある。椎間板の結合組織の全般的な変性変化に加え、亀裂自体は唯一の形態変化であり得るが、椎間板の亀裂は疼痛性且つ消耗性となり得る。核内に含まれる生化学物質が、亀裂から外に押し出されて近傍の構造体を刺激する。
脊椎椎間板を保持し、単に痛みを軽減しようとする他の様々な外科治療には、一部又は大部分の内部核を除去し、これにより輪に対する外方向の圧力を減じ、低下させるための「椎間板切除術」又は「椎間板減圧術」が含まれる。「顕微腰椎椎間板切除術」及び「自動経皮的腰椎椎間板切除術」として公知の低侵襲性顕微手術手技において、核は輪を通って横方向に延びる針を介して吸引することにより除去される。これらの手技は切開術より低侵襲性であるが、神経根及び硬膜嚢への損傷、神経周囲の瘢痕形成、手術部位の再ヘルニア形成並びに過度の骨除去による不安定性の可能性を被る。加えて、通常これらの手技は輪の穿孔を含む。
損傷した椎間板及び椎体は、最新の診断画像によって同定することができるが、既存の外科的介入及び臨床転帰は常に良好とはいえない。更に、このような融合手術を受ける患者は、深刻な合併症及び不快且つ長期的な回復期を経験する。手術合併症には、例えば、椎間板腔感染症、神経根損傷、血腫形成、隣接椎骨の不安定性並びに筋肉、腱及び靱帯の破壊が含まれる。
複数の企業が生理的椎間板を完全に置換すること、即ち、人工椎間板を目的として、ヒト脊椎用の人工器官の開発を続けている。変性の程度が輪の破壊にまで進行していない患者では、人工椎間板全置換ではなく、好ましい治療の選択肢は人工器官の椎間板核の配置を含む髄核を置換又は増強することでよい。前記のように、正常な核はその上下の骨性の椎骨及びその周囲を取り巻く線維輪によって囲まれた間隙内に含まれる。このようにして、核は完全に包囲且つ封入され、からだに対する唯一の伝達は、終板として周知の椎骨との骨界面を通じて生じる流体交換である。
生理的核を含む吸湿物質は水に対する親和性を有し(体積が膨潤する)、これは通常の活動において椎間板にわたり加えられる有意な生理的荷重に関わらず、椎間板腔を延伸する(即ち、上昇させ、或いは「膨張させる」)ほど十分に強力である。これらの力は体重の約0.4倍から約1.8倍に及び、通常の血圧をはるかに上回る圧力を局部的に生じさせ、核及び環状内部組織は実際に好適に無血管性である。
具体的な効果、及び運動保護装置を移植する方法を含む具体的な運動保護装置の詳細は様々な上述した特許文献1及び特許文献2を含む様々な現在係属中の特許出願に開示されている。読者はこれらの詳細を必要に応じて選択可能だが、ここでその全体を繰り返し説明することは控えるものとする。
米国特許出願第11/586338号明細書 米国特許出願第11/586486号明細書
本発明は改良されたカッター、及び2つの隣接する椎体の融合が望ましくない場合における治療、例えば脊椎内に運動維持装置を移植する治療を含む治療処置に先だって、脊椎内の例えば2つの隣接する椎体間の椎間板腔における治療の対象の部位を準備する方法を提供することを目的とする。
後述するカッターは軸方向アプローチを介して椎間板腔に接近しないが前方アプローチや後方アプローチを介して椎間板腔に接近する脊椎手術を含むその他の外科的処置において使用されてもよい。カッターは運動保護装置を脊椎内に軸方向に挿入する外科的処置において使用可能である。挿入は核の一部、或いは全体の切除後に治療領域を横断してアクセス部位から外科的に核を除いた椎間板腔内に向かって仙骨に対して取り付けられたカニューレを通じて行われる。これらの処置において、本発明の脊椎運動保護アセンブリの案内は椎間板の線維輪に外科的に孔を形成したり、既存の孔を有害に拡張する必要なく可能である。
カッター刃は切断(薄切り、引き裂き、或いはこれら2つの組み合わせ)により核の内容物を取り除く処置における多くの場合の効率を考慮して構成される。通常、外科医が迅速にして、且つ効率よく作業を行い、施術に要する時間を減少させることが望ましい。これにより外科チーム及び手術室等の高価な資源の使用を減少させ、更に患者が麻酔下に保持される時間の長さを減少させる効果がある。
頻繁に交換する必要のあるカッター刃は、より耐久性を備えることにより交換の必要なく長く使用できる類似の特徴を備えるカッター刃と比較して好適なものではない。
機能しなくなったカッター刃の全ての断片を椎間板腔及び患者の身体から容易に取り除くことができる態様を採る機能しなくなるカッター刃は、このような特徴を有さない類似のカッター刃には好適である。
形状記憶物質から形成されるカッター刃を備え使用されるカッターアセンブリがここで開示される。カッター刃は椎間板腔の内部において使用され、軸方向チャネルの中心線に略並んだカッターアセンブリの中心軸の周囲を回転されてもよい。カッターアセンブリの一部としてのカッター刃を椎間板腔内において回転させることにより、椎間板腔から取り除くためにそこに位置する物質が切断される。(投入の長さ、刃角度、刃先のタイプ及び位置等の)様々な特質を備えるカッター刃は椎間板腔内において様々な課題を解決するために調整される。カッター刃の一部は軟骨及び椎体終板の出血を促進するために調整され、カッター刃の一部は別の治療処置探索においてこのような出血の原因となることを回避するように、或いはこのような出血を回避するために探索するように調整される。
カッター刃の破断後に椎間板腔から全刃を取り除く機能を含む好適な特徴を有する閉ループカッター刃が記載される。台形の鋸歯部を使用した鋸歯状のパターンを含む鋸歯状のパターンが開示される。
発明のその他のシステム、方法、特徴、及び効果は後述する図面及び明細書を吟味することにより当業者には明らかとなるだろう。これらのすべての付加的なシステム、方法、特徴、及び効果が本明細書内に含まれ、発明の範囲内に含まれ、付加する請求項によって保護されることが意図される。
後述する本発明のカッターはその他の外科的処置において使用可能であるが、これらのカッターが経仙骨アプローチによる使用のためにどのように調整されるかを明細書中にて説明することが有用である。上記したように、侵襲性を最小限に抑えた外傷性の少ない軸方向経仙骨アプローチには多くの効果がある。軸方向経仙骨アプローチ(米国特許第6558386号明細書、米国特許第6558390号明細書、米国特許第6575979号明細書、米国特許第6921403号明細書、米国特許第7014633号明細書、及び米国特許第7087058号明細書に開示される)は治療の器具を運動セグメントに搬送するための別ルートに対して多くの効果を有するが、軸方向アクセスチャネルを介した椎間板腔の準備に対して論理的試行を重ねてきた。これらの試行を示す処置はこのような使用を意図したカッターの側面に影響を付与するものである。
軸方向経仙骨アクセス
図2に示す軸方向経仙骨アクセス法は、筋切開や従来の脊椎手術に伴う他の侵襲的処置の必要性を排除しながら、介入における治療の進行にわたる安定化、運動保持及び固定デバイス/融合システムを含む、新規で改良された器具及び治療的介入の設計及び配置を可能にする。
図2はプロセスの導入的概要を示し、図2A及び2Bは1つ以上の蛍光透視鏡にて監視しながら(図示せず)、丸い先端のスタイレット204を仙骨116の前面上方へ「緩徐に進め」、仙骨116の所望位置へ至らしめるプロセスを示す。このプロセスでは直腸208を脇に移動させるため、その後の工程に対して直線経路が構築される。図2Cは仙骨116、L5/仙骨椎間板腔を通じてL5椎骨216に構築される代表的な軸方向経仙骨チャネル212を示す。治療がL4/L5運動セグメントで行われない場合は、当該チャネルはL5椎骨216を通じてL4/L5椎間板腔を通過してL4椎骨内に延びる。
図2の考察は本発明の背景を提供するために示すものである。 図2の考察は本発明の背景を提供するために示すものである。本願出願人による過去の出願(一部は米国特許として登録済)には、前方経仙骨軸方向脊椎アプローチというよりも後方経仙骨軸方向脊椎アプローチである別のアクセス法について説明されている(例えば、発明の名称が「軸方向脊椎インプラント並びに脊椎の椎骨内に軸方向脊椎インプラントを移植するための方法及び装置」(Axial Spinal Implant and Method and Apparatus for Implanting an Axial Spinal Implant Within the Vertebrae of the Spine)である米国特許第6,558,386号明細書を参照。同特許は図2に示す前方経仙骨軸方向アプローチについて説明しており、同特許に開示された内容は本願においても開示されたものとする)。
図3において、カッター400は拡張シース380及び軸方向チャネル212のルーメンによって画定され、軸方向に並ぶ後方管372を通過して挿入される。軸方向チャネル212は拡張シース380が仙骨116を通過し、軸方向チャネル212を略満たすため、目視が困難である(軸方向チャネル212が一連の処置により軸方向に延び、図の軸方向チャネルの長さが他の図とは異なるものとなり、これにより軸方向管が付加的な椎体や椎間板腔を含むことが認識される)。組織の差異により治療用の軸方向チャネルは仙骨を外れ、脊椎の別の部位に進入する。
図3に示すように運動セグメント316は基端側椎骨308(仙骨116)、椎間板腔312(本実施例の場合、椎間板330のL5−S1腔、線維輪334、及び髄核338)、及び末端側椎骨304(本実施例の場合、L5の椎骨216)を含む。カッター400は遠隔操作可能な切削刃(例、カッター刃453は集合的に刃の構造体を示す)を備える。カッター刃453の操作はカッター刃453をカッターアセンブリ400内に格納させることを含み、これによりカッターアセンブリ400の最大径を減少させ、格納刃453を備えるカッターアセンブリは軸方向チャネル212を通過して前進される。カッター刃453が操作される部位に到着すると、カッター刃453は延伸可能である。
図3に示すように、カッター400の中心線262は、拡張シース380の軸方向チャネル212内への嵌入、及びカッター400の拡張シース380内への嵌入により、軸方向チャネル212の中心線の極近傍に位置される。図3に示すようにカッター刃453が延伸される場合に、カッター刃はカッター400の中心線262に略直交する。延伸したカッター刃453は椎間板330の髄核338内に横断方向に延伸される。
カッターシャフト410、カッターシース430(図4に示す)、及び取っ手の要素は好適に一体的に構成され、これによりカッター刃453及びカッター刃453が取り付けられるカッターシャフト410は「出し入れされて(pushed−pulled)」、これによりカッター刃453はカッターシース内に収納され、続いてカッター刃453は必要に応じてカッターシースの末端部から延伸される。より詳細には、カッター刃453の刃先は椎間板腔312内に搬送するためにカッターシース430(図4)内に収納される。カッター400が部位に位置されると、カッター刃453は末端側に延伸され、取っ手を使用して回転され椎間板腔312内の組織を切断する。切断の処置が完了すると、或いはカッター刃の交換が必要になるまで、カッター刃453は軸方向チャネル212からカッターアセンブリユニット400を取り除くために再びカッターシース430(図4)内に収納される。
カッターアセンブリ400、カッター刃453、及びカッターアセンブリシャフト410は、図4A,4Bに概略的に示され、相互に、或いは軸方向チャネル212に対して正確に計測される必要はない。
カッターは椎間板腔内への挿入を介して髄核の切除を実施するために使用可能であり、これにより、終板を通じて、即ち椎間板腔内及び上下骨終板表面を通じて髄核及び軟骨を切断、寸断、或いは破砕させる。本明細書内にて記載するように、軟骨に対する損傷、或いは軟骨の除去は椎間板腔312内にて出血の原因となる傾向がある。出血により骨の成長が促進され、これは固定型治療においては好適であるが、運動セグメント316内に運動保護装置を移植する治療を含むその他の治療においては望ましいものではない。
図4A,4Bに示す実施例において、カッターアセンブリ400(単純にカッターとも示される)は、末端部412及び基端部414を備えるカッターシャフト410と、カッターシャフト410の末端部412と連結されるカッター刃453と、固定ネジやピン等の取付工程によりカッターシャフトの基端部414に連結される取っ手416と、シャフト410上に同心円状に設けられるカッターシース430と、シャフトスリーブ418(図5A以降に示す)とを備える。
図5A,5Bはカッター刃453をカッターシャフト410に連結させる方法を示す。ピン409が挿入されるに先立って、カッター刃453の長尺部406はカッターシャフト410の末端部412の近傍のスロット413内に挿入される。カッター刃スロット427はシャフトスロット413内のカッターシャフト孔411に並べられる。図5Aに示すように、ピン409はカッター刃スロット427を通過し、特に図10Aに示すように、カッター刃453の長尺部406の反対側のカッター刃孔407を通過して、シャフトスリーブ418内のシャフトスリーブ孔419を通過して設けられる。ピンはカッター刃孔407を通過してカッターシャフトスロット413内のカッターシャフト孔411内に至る。
シャフトスロット413はカッター刃453を収容する寸法に形成される。スロット413の幅はカッター刃453の長尺部406の幅と略同じである。スロット413の末端部における湾曲部428は長尺部406とカッター刃のうち延伸される一部402(カッター刃腕部402とも示され、カッター刃453のリーチや投入の長さを画定する)との間の、カッター刃453の湾曲部を収容する。スロット413はカッター刃腕部402に対して捻れにより支持し、スロット413の末端部における湾曲部428はカッター刃腕部402を軸方向に支持してカッター刃外形と共動し、カッター刃453を補強する。詳細に後述するカッターシャフト延伸部480はカッター刃453を更に支持し、組織内に回転されて挿入された場合にカッター刃が屈曲する傾向を減少させる。
カッタースリーブ418はピンにより固定された場合に、シャフト410とカッター刃453の長尺部406とを好適に並べて固定する。例えば、カッター刃453をシャフト410に対して固定するピン409はその径がおおよそ0.06インチ(1.5mm)である。
カッター刃孔407がカッター刃シャフト410に対してピンにより固定されることにより、カッター刃453はカッター刃シャフト410に固定される。カッター刃スロット427により、長尺部406のスロットを形成された部分は、長尺部406のピンにより固定された部分に対して移動可能であり、これにより切削刃がシース内から延伸されたりシース内に戻されて収容されたりする際にカッター刃453の形状の変化に対して対応する。
カッター400のその他の要素は周知の好適な固定機構を使用して相互に堅固に固定されてもよい。
図6A乃至6Dはカッターアセンブリ400を示す一連の図である。図6Aはカッターアセンブリ400の上面図である。図6Bはカッターアセンブリ400の背面図である。図6Cは図6Bに示すカッターアセンブリの断面図である。図6Dは図6Cに示すカッターアセンブリ400の部分拡大図である。
図6A及び6Dに示すように、カッターシャフト410のスロットは取っ手416がカッター刃腕部402(延伸時)と並ぶように配向される。必須ではないが、取っ手と刃とのこれらの関係は外科医が取っ手416の回転位置を知ることにより、延伸したカッター刃腕部402の位置の軌跡を保持できるため有用である。
図6Dに特に示すように、カッターシース430の移動範囲440はカッターシャフト410に取り付けられた基端部係止部444によって基端部に制限される。カッターシース430の移動範囲440はカッターシャフト410上の肩部448によって末端部に制限される。
当業者はカッター刃453が一人の患者に使用されて廃棄されることと、取っ手416、カッターシャフト410、カッターシース430等の既定の要素は再利用可能であることとを認識するだろう。取っ手及びカッターシャフトは一体的に形成可能である。
スリーブや内側シースライナー(図示しない)が摩擦を減少させるためにカッターシース内に挿入されてもよい。カッター刃453はニチノール(登録商標)のようなニッケル−チタン形状記憶合金を含む形状記憶合金から形成されてもよい。カッターシース430は好適なグレードのステンレス鋼から形成可能である。カッター刃453及びカッターシース430の内側表面の間における摩擦を減少させるためにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような乾性潤滑材料が使用可能である。これに代えて、スリーブや内側シースライナーはカッター刃より低い摩擦係数を有する材料から形成可能である。これらの要素が再利用される場合に、多くの殺菌サイクルに耐久する機能を有するように構成可能である。超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)はこれらの材料の一例である。
カッター及びカッター要素のこれらの導入部の後は、椎間板腔312の内側の準備において一連のカッターが使用可能である理由を後述する。図7は第1の実施例を示す。図7は末端側椎体304と、椎間板腔312(終板により結合した線維輪334及び髄核338を含む椎間板330を備える)と、基端側椎体308とを含む運動セグメント316を示す。本実施例において、いずれの椎体が関連し運動セグメントに隣接するかは重要ではない。
図7は末端側椎体304の終板342と椎間板腔312の一部を画定する終板342上に位置する軟骨346の層を示す。アクセスのルートが軸方向経仙骨アクセスの場合に、椎間板腔312の視点からすると、終板342は上部終板である。
図7は同様に基端側椎体308の終板352と椎間板腔312の一部を画定する終板352上に位置する軟骨356の層を示す。アクセスのルートが軸方向経仙骨アクセスの場合に、椎間板腔312の視点からすると、終板352は下部終板である。
当業者は図示の軟骨の層346,356はカッターの使用を後述するためのものであり、解剖学上正しいもの、及び適切な寸法のものを示すことを意図したものではないことを認識するだろう。
椎間板内のカッターの位置はリアルタイムなX線透視装置による撮影下(通常前後方及び側方の両者による撮影)にて外科医が目視可能である。
重点を図示するために、図7は3つの異なる投入の長さを有する異なるカッター刃504,508,512を示す。髄核338を切断する方法において一連のカッター刃(504,508,512、及び更に別の長さの刃)を使用して髄核338を徐々に切断することが認識される。また、異なる投入の長さ(ときにリーチと呼ばれる)を有する3つの刃が短いものから長いものまで連続して使用されることと、これらの3つの異なる刃の長さは図示のためにのみ図7に全て同時に示されることとが認識される。例として、処置において使用される一連のカッター刃のリーチは短いカッター刃の0.40インチ(約1.02cm)から長いカッター刃の0.70インチ(約1.78cm)までの範囲にある。当業者はこれらの範囲が例示に過ぎず、異なることもあることを認識するだろう。カッター刃の最適な投入は、患者の組織、椎間板内への(軸方向の)進入部位の他、椎間板の矢状対称性に関する問題を含む様々な因子によるものといえる。更に、安全面の理由により、カッター刃の長さは投入が椎間板端部の極近傍に至るのを防止するために制限することが望ましい。即ち、線維輪に対する損傷を防止するためにカッター刃及び線維輪間の接触を防止することが望ましい。
延伸時のカッター刃504,508,512はカッターの中心線262を横断し、カッター刃の中心線262に直交する軸266と平行であることに留意する必要がある。カッター刃は終板342,352及び軟骨の層346,356とも略平行である。
本実施例において、長さが連続したカッター刃504,508,512は中心線262を中心として360°以上回転可能である。外科医にはカッターの取っ手を360°のうち一定の割合回転させて(通常おおよそ90°)、続いてカッターの取っ手を反対方向に回転させてカッターを元の位置に戻すことにより運動セグメントを一度に処置することを選択するものもいる。従って、処置は径方向の四分円の作業において前進する傾向にある。ときにこのような小さな動きが自動車のフロントガラスのワイパーの動きと比較される。
連続して投入が延伸する一連のカッター刃の使用に加え、外科医はカッター刃の軸方向の位置を運動セグメントに対して前方に(末端側に向かう方向に)カッターを摺動させることにより調整する必要がある。これによりカッター刃は椎体304上の終板342上の軟骨346の近傍に連続して移動する。外科医は投入が延伸する一連のカッターを使用して、髄核内までさらに延伸されるカッターによる処置を繰り返すことにより(及び一連の切削刃による投入が延伸する処置を繰り返すことにより)、基端側椎体の比較的近傍に第1の腔を形成することを選択可能である。
これに代えて、外科医は第1の投入による1つ以上のカッターを使用して、2つの軟骨の層間の腔の高さと第1の刃の投入と略等しい径とを有する略円筒状の腔を形成することを選択可能である。これらの処置は既定の投入の長さを有する径方向のカッター刃を使用し、続いて異なる刃の角度(例えば45°)であるが同じ投入の長さである1つ以上のカッター刃を使用することを含んでもよい。既定の投入の長さによる切断が完了すると、外科医は投入の長さがより長いカッター刃による処置に移り、径方向のカッター刃により処置を再開する。これらの処置は所望の大きさの腔が形成されるまで刃の投入が延伸するカッター刃を使用して繰り返されてもよい。
治療及び患者の組織の特徴により、必要なカッター刃の投入の最大の長さが決定される。処置は投入の長さを少しずつ徐々に増加させるためにより多数の投入の長さのカッター刃を使用する傾向にある。別の処置は小さな投入の長さを使用し、続いて椎間板腔を準備することに要する投入の最大の長さを使用するのみである。
核の物質が切断される場合に、外科医は軸方向チャネルからカッターを周期的に取り出し、好適な組織抽出ツールを使用する。上述した米国特許出願第10/972077号明細書にはこの目的のために使用される数種の格納式組織抽出器が開示されている。
上述した米国特許出願第10/972077号明細書には椎間板腔を固定処置のために準備する場合にカッターを使用して軟骨性の終板を研磨により取り去り血管が新生される椎体を粗化することにより、出血させることが有効であることが開示されている。出血は骨の成長を促進し、対応する運動セグメントの椎体の固定を促進するために望ましい。
しかしながら、全ての処置がこのような固定を促進する出血を伴うことを要求するものではない。軸方向チャネルが終板352を通じて形成されるため、基端側椎体の終板352の一部が妨害されることは不可避である。同様に、軸方向チャネルの直近に位置する軟骨356の一部が(同様に図2Cに示す軸方向チャネル212が末端側椎体304内に延伸される場合に末端側椎体304の終板342及び軟骨346も)妨害されることも不可避である。しかしながら、終板及び軟骨の小さな部分に対する妨害が不可避であっても、軟骨及び終板のその他の部分への損傷を回避する処置の効果を打ち消すものではない。
図8は軸方向チャネル212と2つの椎体の終板との間の別の構成を示す。図8において、軸方向チャネル212内の拡張シース380内に挿入されて一部が通過するカッターアセンブリ400はカッターの中心線262が基端側椎体308の終板352や末端側椎体の終板342(即ち椎間板腔312の上部終板及び下部終板)に直交しない角度をなす。
カッターシャフト310及びカッター刃353間の角度が約90°であるカッター刃353は髄核の一部の切断に有用であるが、髄核のその他の部分を取り除くことはできない。90°の角度をなすカッター刃はときに径方向のカッターと呼ばれる。
図8は90°以外の角度のカッター刃の必要性を強調することを意図したものである。図8は治療における軸方向チャネルの最適な配置を示すことを意図したものではない。
医療の現場において軸方向チャネルの設置を計画する際に、外科医は組織を清潔にし、安全にして、且つ効果的な移植を行うことができる配置を診断及び選択する。移植は対応する椎体内への好適な固定を含む。
図9はカッター刃の別の特徴を説明する際に有用となる命名規則を示す。この例において、カッター刃460はカッター刃460の刃腕部の基端側部分と長尺部406との間が(名目上)90°であるから90°のカッター刃である。図示の45°のカッター刃464の一部はカッター刃464のより基端側の部分が長尺部406の背部に対して約45°の角度をなす。図示しないが、中間部はカッター刃464の一部を長尺部406に対して連結する。
同様に、図示の135°のカッター刃468の一部は135°のカッター刃468のより基端側の部分が長尺部406の背部に対して約135°の角度をなす。
図5,6から明らかなように、カッター刃の長尺部406はカッターシャフト410及びカッターシース430の部分、並びにカッター262の中心線の軸とほぼ並行であり、従ってこれらの線はカッター刃の角度を計測するために使用可能である。
図21は完全な45°のカッター刃を示す。図30,31は完全な135°のカッター刃を示す。
カッター刃の中にはカッター刃の基端部が角度の基準線と平行に延びないものもある。そのような場合において、カッター刃の角度を拡張した刃腕部の最も基端側の部分を基に単純に計測することが有用である。
当業者はカッター刃が有限の数の名目上のカッター刃角度により生産され、正確な角度の現場における計測は名目上の角度の数値とは数度(通常5°)ずれることを認識するだろう。実際の角度はシースに格納された状態から拡張位置まで移動するサイクルにわたってずれる。
多くの状況において、投入の長さと角度(45°、90°、135°等)の様々な組み合わせによるカッター刃一式で要求に応えられる。外科医には90°のカッター刃と45°のカッター刃のみを使用するだけで治療において充分な結果を得られると感じるものもいる。90°の位置からあまりずれていない60°や120°等の角度や90°の位置から大きくずれる25°や155°等の角度を含むその他の角度が使用可能である。105°近傍の角度のような更に90°の位置に近い角度が実施例において有用である。手術キットはカッター刃にて3つ以上の数値の角度を含んでもよい。例えば、手術キットは25°、45°、60°、90°、105°、120°、155°の角度の刃を含んでもよい。これらの刃角度の範囲により、カッターアセンブリの長軸を横断する拡張刃の範囲は幅広いものとなるが、これらの全ての例において、カッター刃はカッターアセンブリの長軸とカッター刃の長尺部を必ず横断する。
外科医には図8に示すような状況において最初に短めの90°のカッター刃を使用し、徐々に長めの90°のカッター刃(1つ以上の長めのカッター刃)を使用して椎間板腔312内の物質を90°のカッター刃を使用してできるだけ安全に取り扱って切断するものもいる。次に外科医は90°のカッター刃を使用してはアクセスが困難な物質を除去するために、短めの45°のカッター刃を使用し、続いて1つ以上の長めの45°のカッター刃を使用して作業することを望む。場合により最終的に外科医は90°のカッター刃及び45°のカッター刃のいずれを使用してもアクセスが困難である核の物質を切断するために短めの135°のカッター刃を使用し、続いて1つ以上の長めの135°のカッター刃を使用することを選択してもよい。
図10はカッター刃500を示す3つの図である。カッター刃孔407及びカッター刃スロット427が目視可能である。カッター刃腕部402は一対の中間セクション470によって長尺部406と連結される。正確な位置は特に示さないが、2つの中間セクション470が2つの長尺部406と接触し、カッター刃の2つの端部が接触する部分である。これらの接触点はループが閉じられると見なされる部分である。しかしながら、ループは参照符号550の部分にて閉じられるという方がより単純だろう。550の部分は図5に示すようにカッター刃がカッターシャフトにてカッターアセンブリに取り付けられる場合にカッター刃孔407及びカッター刃スロット427の隣接する部分が連結されるため、カッター刃孔407及びカッター刃スロット427の隣接部に設けられる。椎間板腔内に挿入される間にカッター刃500が破損する場合に閉ループは重複する層を付加する。カッター刃500の全ての部分はスロット427を備えるカッター刃の部分及び孔407を備えるカッター刃の部分の両者を介して連結された状態を保持する。カッター刃の全ての部分はカッター刃の破損後もカッターシャフトに連結されるため、部分はカッターアセンブリを迅速に取り除くことにより椎間板腔から取り除かれる。
外科医はカッターの感触の変化、或いはリアルタイムの蛍光透視像によって表示されるカッター刃の目視可能な変化によりカッター刃の破損に気付く。
カッター刃500は6つの異なる切削刃504,508,512,516,520,524を有する。3つの切削刃504,508,512は一方の側に、残りの3つの切削刃516,520,524は反対側に設けられる。切削刃504,506はカッター刃500の基端部536に設けられる。基端部536はカッター刃500の末端部542である閉ループのその他の部分と比較して図4Aに示す取っ手416のより近傍に位置するカッター刃500の部分である。椎間板腔内に挿入された場合に、基端部536の外部は通常基端側椎体上の終板に面する(基端部が終板に対して平行、非平行のいずれの状態にあっても)。切削刃508,520はカッター刃500の末端部542上に設けられる。椎間板腔内に挿入される場合に、末端部542の外部は通常末端側椎体上の終板に面する(末端部542が終板に対して平行、非平行のいずれの状態にあっても)。切削刃512,524はカッター刃500の末端部542及び基端部536の間にて先端部548上に設けられる。
カッター刃の両側部は平坦である必要はない。側部(ときに面とも呼ぶ)は対象を側部や側面にて観察した場合に目視可能であるという特徴を有する(ダイを側部や側面にて観察した場合に一対のダイのうち片方のダイの6つの面のうち1面の鋸歯部として)。
各例において、切削刃は外周部556が通常終板上の軟骨に接触するため、外周部556よりはむしろ閉ループの内周部552に設けられる。切削刃を閉ループの外周部556に対して内側に収納することにより、カッター刃500は図8に示す基端側終板352(通常椎間板腔312の状況から見て下部の終板)上の軟骨356及び末端側終板342上の軟骨346(通常椎間板腔312の状況から見て上部の終板)の両者に対する外傷を最小にするように調整される。カッター刃500は名目上90°の刃角度を有するが、図8に示すようにこのようなカッター刃500が上部終板上の軟骨と接触することはあり得ないことではない。
カッター刃500の両側に切削刃を有することにより、外科医は切削刃を時計方向に回転させ、或いは切削刃を反時計方向に回転させることにより核の物質を切断可能である(時計方向及び反時計方向は配向に依存する。時計方向を定義する1つの方法としてカッターアセンブリの基端部から末端部に見た場合が挙げられる。これは外科医がカッターの取っ手の回転を見る方向と整合する)。
両方向であることは有用な特徴であるが、全てのカッター刃が切削刃を両側に有する必要があるわけではない。同様に後述するように、カッター刃には第1のタイプの切削刃を第1の側部に有し、第2のタイプの切削刃を第2の側部に有するものもある。カッター刃がカッター刃の先端に切削刃(図10に示す切削刃512,524)を有することは好適であるが、カッター刃は先端部に切削刃を有する必要はなく、基端部542及び末端部536のものとは異なるタイプの切削刃を有してもよい。
カッター刃500は閉ループ内に間隙528を有し、カッター刃500が椎間板腔312内を回転させる間に間隙を介して物質が通過可能である。これらにより切断の作業に別の特徴が付加され、椎間板腔312内を通過するカッター刃500に対する抵抗力を減少させる。別例のカッター刃は末端部及び基端部の間に小さな間隙を有するか、或いは全く間隙を有さない。物質が閉ループの内周部の間隙を通過可能な充分な寸法の間隙を備えないカッター刃は、閉ループに関して上述したように、カッター刃に連結された閉ループを有することによりカッター刃が破損した場合にカッター刃からカッターシャフト410への2つの連結点が設けられ、或いはカッター刃の各部分からカッターシャフト410への少なくとも1つの連結点が設けられるという効果がある。
カッター刃500は切削刃を外周部に寄せ付けないように逆刃を有してもよい。カッター刃500上の切削刃504,508,512,516,520,524は閉ループの内周部552まで後退されるが、軟骨や終板に対する損傷を回避する別例のカッター刃は切削刃を閉ループの外周部556に寄せ付けないように後退させるが閉ループの内周部552までは後退させないことに留意する必要がある。例えば切削刃は外周部556及び内周部552の中間に設けられ、軟骨に対する損傷を回避するように充分に後退されてもよい。
図11は切削刃508,520を備えるカッター刃500の断面を示す。
ベベル角度532は15°乃至80°の範囲内だが、通常15°乃至40°の範囲内にあり、更に20°乃至35°の範囲内にあり、ときに30°である。
図12,13は2つの態様の概要を示す。図12のカッター刃600を、図10において上述し、図13に更に示すカッター刃500と比較して見ると、相違点はカッター刃600の基端側切削刃604が末端側切削刃608と実質的に平行でないことにある。2つの切削刃の拡張部は連結して約12°の角度をなす。これらは基端側切削刃504が末端側切削刃508と略平行であるカッター刃500と対称的である。
図12,13により図5A,5Bに示したカッターシャフト410の特徴を説明する。図5a,5Bにおいて上述したように、カッターシャフト610はカッター刃600の長尺部をスロット内に受承し、カッター刃600はカッターシャフト610にピンにより固定される。しかしながら、カッターシャフト610はカッターシャフト延伸部480を欠く点でカッターシャフト410と相違する。カッターシャフト延伸部480(ときにゴールポストと呼ばれる)はカッター刃500に対して付加的に支持する。この付加的な支持は特にカッター刃の投入が長い場合に望ましい。
カッター刃において、特に投入が短いものにおいて、カッターシャフト610の線に沿ったカッターシャフトは、図8に示すようなカッターシャフト延伸部480が末端側椎体304の終板342上の軟骨342に接触することを回避するために望ましい。これらの危険性は90°未満の角度を有するカッター刃、例えば45°の角度を有するカッター刃が使用される場合に関係する。
カッターシャフト延伸部480を備えないカッターシャフト610を使用する第2の理由として刃の可撓性を高めたいという要求のために投入が短いカッター刃を使用する場合が挙げられる。実施例において、投入が短めのカッター刃の付加的な可撓性はカッター刃がより好適に切断することを補助するといえる。
図14はカッターシャフト610のようなカッターシャフトの末端部を示す。図15は図14の部分拡大図である。図16はカッターシャフト610の末端部の断面を示す。図17乃至19はカッターシャフト延伸部480を備えたカッターシャフト410を示す類似の図である。
鋸歯部
図10A乃至10Cに示すように切削刃を備えるカッター刃は髄核の物質を切断することに好適であるが、場合により別のタイプの刃の方が髄核の物質を除去するためにより好適であるか、或いは効率がよい。
図20A乃至20Cは鋸歯部708と切断を意図していない平坦(切れない)部712を備えるカッター刃704を示す3つの図である。図20Aは鋸歯部708を示すカッター刃の上部斜視図である。図20Bはカッター刃704の長尺部406を備える刃腕部及びカッター刃孔407を示す正面図である。図20Cは平坦部712を示す上部斜視図である。鋸歯状のパターンは丸みを帯びた鋸歯部716を使用する。
図21A乃至21Cはカッター刃720を示す3つの図である(これらの図は鋸歯状のパターンに焦点を当てているためカッター刃孔やカッター刃スロットを含んでいない)。この例も鋸歯部724と非切断部728を示す。図21は閉ループの外周部の鋸歯状のパターン(鋸歯部732,734,736)がどれだけ閉ループの内周部の鋸歯状のパターン(鋸歯部742,744,746)からずれているかを示す。図21A乃至21Cは通常カッター刃先端部750における鋸歯状のパターンはその他の部分の鋸歯状のパターンとは異なることを強調して示す。
図22A乃至22Cはカッター刃760の時計方向側部分764及びカッター刃760の反時計方向側部分768の両者に鋸歯部を備えるカッター刃760を示す図である。図22Bは長尺部406上のカッター刃孔407を設けたカッター刃760を示す正面図である。鋸歯状のパターンはカッター刃760の末端部の一端772から刃先端部776の周囲を通じてカッター刃760の基端部の他端780まで連続している(基端及び末端はそれぞれカッター刃760(末端側)がカッターアセンブリの一部である場合のカッターの取っ手416(基端側)の場合における)。カッター刃760上に使用される鋸歯状のパターンは2つの斜角を有し、鋸歯部の先端はカッター刃760を形成するために使用される材料の厚みの中間近傍に位置する。鋸歯状のパターンは図21に示すような丸みを帯びた鋸歯ではなく、歯先端間に「V」字型の鋸歯の谷を有する三角形の鋸歯状である。V字型の鋸歯の谷を備えるカッター刃が髄核の物質に対して移動される実施例において、髄核の物質に対するV字型の鋸歯の谷の動きは髄核の物質に対して局所的な圧力を生じる原因となり、これにより髄核は好適に挾持される。これらの効果は鋸歯の谷が髄核の物質を挾持することを補助する。カッター刃は連続して移動し髄核の物質をカッター刃に寄せ付けないように裂断し、椎間板腔から髄核の物質を除去するカッター刃の作業を促進する。
図22A乃至22Cの様々な図に示す歯のパターン及び2つの斜角による効果は、一連の4つの面からなるピラミッド形状を備えた一対の切断面を形成する。ピラミッドは閉ループの外周部と閉ループの内周部の間の中間点に並べられるピラミッドの頂点を有し、これらの頂点はカッター刃の両側の2つの面のそれぞれに並べられる。
当業者は材料が加工されて閉ループを構成するに先立ってカッター刃は平坦な材料に切削刃が切断により形成されることを認識するだろう。当業者は刃の材料や形成された刃は研磨や類似の処理により物質を除去する後処理の工程を要することを認識するだろう。
図23,24は好適な寸法の平坦な材料への鋸歯部の付加を詳細に示したものである。図23はカッター刃の形状に屈曲する前に鋭利に加工された材料の関連する部分を示す。
図24は図23に示すような鋸歯状のパターンを形成するために刃の材料の両側のそれぞれの金属を除去することに使用されるパターンを示す。右側の刃の材料の頂部における除去パターンに示すように、材料の100%が取り除かれ、刃の材料内にて切断される深みにより量は減少する。これらの材料の量の減少により角度は約20°の近傍となる。図面間の描写及び相互作用を補助するために、第1の面における材料の除去(802,804,806,808)を第2の面における材料の除去(812,814,816,818,820,822)とともに示す。図23において、一組の鋸歯部のみが刃の材料に示される。即ち、この刃は一方向に回転された場合に切断することができるのみである(時計方向及び反時計方向の両者にて切断可能であるのではない)。
図25は図24と同様に材料を取り除きカッター刃に鋸歯状のパターンを形成することを示す。図25は台形の鋸歯状のパターン830の例を示す。各台形834は一対の平行な線(上部及び下部)と一対の非平行な線とを有する。刃の材料内に切断により形成される台形の角部838は図示のように丸みを帯びてもよい。図25に示す鋸歯状のパターンにおいて鋸歯842の先端を形成するために残された材料は、一方の面の歯先端部が反対側の面の台形の中間点と並ぶようにずれている。
図25の本明細書の鋸歯状のパターンの別例において、一方の面のX個の繰り返しによる1つのパターンは対向する面のX+1個の繰り返しによるパターンと、歯の先端部がずれて配置されるように組み合わされる。当業者は5つの台形の第1のパターンと6つの台形の第2のパターンとを有することに代えて、所望のずれたパターンを得るために、両者を同じ中間点に並べ、台形840を取り除くか、或いは台形844に隣接して1つ加えることにより両側に同数の台形を設けてもよいことを認識するだろう。
図26はカッター刃850上の台形の鋸歯のパターンの例を示す。このタイプの鋸歯状のパターンにより閉ループの内周部の鋸歯(歯先端部854等)及び閉ループの外周部の鋸歯(歯先端部862等)が交互に設けられる非常に鋭利な鋸歯部が形成される。
図27A乃至27Dは台形の鋸歯状のパターン868を有する刃の材料866を示す。このパターン868において、5つの台形が刃の材料866の一方の面に切断により形成され、6つの台形が対向する面に切断により形成される。パターンは一方の面の歯が対向する面の台形の中間線と並ぶようにずれて設けられる。当業者は5つの台形と6つの台形の組み合わせ以外が可能であり、固定長の両側に切断により形成される台形の数を増加させることにより鋸歯状のパターンは、より鋭利な歯のパターンとなることを認識するだろう。反対に固定長の両側の台形の数を減少させることにより形成される鋸歯状のパターンは鈍い歯のパターンとなる。状況により鋭利な歯のパターンは鈍い歯のパターンに対して好適である。
図26から明らかなように鋸歯状のパターンは台形の深みが刃の材料の深み全体からゼロまで変化するように面を横断して切断される。斜角は約20°であるが別の角度も使用可能である。
刃の材料を深く切断して鋭利な鋸歯状のパターンを形成する場合に、対向する側(カッター刃の時計方向の側対反時計方向の側)には切断面を設けないか、或いは図10A乃至10Cに示すような非鋸歯状の切削刃を設けることにより強力にして、且つ耐性を備えた切削刃を形成することが望ましい。このようなハイブリッドのカッター刃(即ち一方の側に鋸歯を設け、反対側に鋸歯を設けない)により、1つのカッター刃を使用して2つのタイプの切断作業を行えるため好適である(鋸歯部又は裂断による作業及び薄切り)。
図28A乃至28Dは0.140インチ(3.5mm)の幅と、3インチ(76mm)の長さと、0.025インチ(0.64mm)の深みを有する刃の材料874内に切断により形成される丸みを帯びた歯の鋸歯状のパターン870を示す。鋸歯状のパターン870は上述した鋸歯状のパターンのうちいくつかと比較すると鋭利なものではない。
図29A乃至29Gは図28A乃至28Dに鋸歯状のパターン870として示すような鋸歯状のパターンを使用して刃の材料から形成されるカッター刃880の様々な部分を示す。刃の材料は外周部884に切削刃を設けるため屈曲されている。これらの構成により軟骨及び終板の出血が望ましくない場合の治療よりむしろ固定処置のために椎間板腔を準備することにおいてカッター刃880がより好適なものとなる(動的な安定化の治療、例えば運動保護装置の設置)。当業者は刃の材料の屈曲の方向を反対にすることにより(及びカッター刃孔407及びカッター刃スロット427を付加する工程に必要な修正を加えることにより)、刃の材料を使用して切削刃をカッター刃の内周部888に設けたカッター刃(図示しない)を形成可能であることを認識するだろう。これらのカッター刃は軟骨及び終板からの出血が望ましくない治療の使用に好適である。
図30は135°の刃角度を有するカッター刃492を示す側面図である。図31は刃腕部402の基端部が刃腕部402の末端部と平行でない135°の刃角度を有するカッター刃496を示す側面図である。
材料選択及びその他の詳細
本発明の実施例において、用語「生体適合性」は身体組織が本発明の材料(例えば、摩耗屑)及び装置に接触、或いは暴露された場合に慢性的な炎症反応や細胞毒性を示さないことを示す。生体適合性に加えて、本発明の別の態様において、好適には手術用具を構成する材料は抗菌性を備え、例えば蛍光透視法により目視可能であるか像として表示可能である。
カッターシャフト及びカッターシースは通常金属や合金、例えばステンレス鋼から形成され、機械加工により、或いは射出成形により形成可能である。
患者の個人差により椎間板の高さに制約を受けるため、即ち椎間板ヘルニアや椎間板の損傷により癒合が示唆される場合に、カッター刃は延伸、使用、格納時により薄型に好適に構成される。
本発明の態様において、第1の切削刃と第2の切削刃との間の距離間隔は製造(即ち、例えばニチノール(登録商標名)のようなピン留めされた好適なニッケルチタン形状記憶合金の加熱処理による既定のカッター刃形成)において制御可能な数値である。切削刃間の距離間隔は約2mm乃至約8mmまで変化し、通常約3mm乃至約4mmである。カッター刃にはしずく形状のものもある。切削刃間の最大距離は径方向外方に向かって最も長くて刃の全長に対して約三分の一以下である。これに代えて、最大距離は所望の配備及び切断性により、径方向内方に向かって刃長さの三分の一の範囲内か、或いは刃長さの中心領域内であってもよい。
ここで開示される実施例の態様において、刃腕部及びカッター刃は通常好適には室温及び体温にて超弾性やオーステナイト相を示す形状記憶合金であるストリップ材料から形成可能である。ストリップ材料は幅が約0.10インチ(2.5mm)乃至0.20インチ(5mm)で、厚みが約0.015インチ(0.38mm)乃至約0.050インチ(1.3mm)の範囲にある。本実施例により形成される刃腕部は形状の大きな破損がなければ通常100回以上屈曲させることができ、破損することなく一回転半(約540°)までねじることができる。これらはカッター刃の一端のカッター刃の他端に対するねじりである。
形状記憶特性はカッター刃が形状記憶にある延伸位置に復帰することと、形状記憶によりカッター刃が椎間板腔内にて回転され運動に対して等しくない抵抗力を受承してねじられた後に意図した形状に復帰することとの両者において有用である。
実施例において、カッター刃及び切削刃は超弾性を備え、好適には生体適合性を備え、12%まで屈曲された場合に実質的に形状復帰する形状記憶合金から形成される。カッター刃、切削刃、及び刃腕部に対する好適な生体力学的な仕様に近接した周知の好適な材料は、ニッケル及びチタンの合金(例えば、重量がニッケル56に対してチタン45、及びその他の合金要素)であり、例としてカリフォルニア州フレモントに所在のNitinol Devices Components, Inc.から販売されている番号がSE508のニチノール(登録商標)のストリップ材料が挙げられる。これらの材料は略完全な形状復帰を示す(即ち、約6%乃至10%から屈曲させた場合の復帰による延伸であり、これはステンレス鋼を同レベルで屈曲させた場合の復帰による延伸と比較して優れている。)
通常形成されるカッター刃の形状及び長さは異なる切断モードにより変化する。形状記憶材料は合金材料を特別な成形型枠にピン留めし、後述する加熱及び時間と温度の処理を実施することにより所望のカッター刃の構成に形成可能である。ニチノールのストリップ(既に研磨した切削刃を備える)を成形型枠に入れボルトにより固定し、全型枠ごと約500℃乃至約550℃(1つの型枠当たりの適温は約525℃である)の温度範囲の炉に約15分乃至約40分の範囲の時間入れる(1つの型枠当たりの最適な時間は約20分である)。このようにしてニチノールから形成される可撓性を備えたカッター刃は特にシャフトスリーブ内に格納することに好適であり、椎間板腔内の適切な角度に延伸可能である。更に、これらは破損が生じなければ多数の切断「サイクル」に対して機械的に耐久可能である。
切削刃は好適には正確にして、且つ再現可能に研磨される。刃の平坦な面に対する刃の傾斜した面の角度は通常約5°乃至70°の範囲にあり、通常約20°乃至約50°の範囲にある。実施例において、刃の側面に対する刃角度は約30°である。
本発明の態様において、鋸歯部を備えたカッター刃はワイヤEDM(放電加工)工程により最適な外形構成により形成される。より大量に製造するために、カッター刃は外径研磨、順送型打ち抜き、機械加工、或いは従来技術によるEDMにより形成される。
実施例において、アセンブリのシャフトはステンレス鋼やその他の周知の好適な材料から形成される。実施例において、シャフトは約0.25インチ(6.3mm)の径を有する。カッターシャフトシースはステンレス鋼の棒や板、或いはその他の周知の好適な材料の管により形成され、約0.7インチ(17.8mm)の長さを有する。
当業者が認識するように、要素や本発明のアセンブリの副アセンブリは好適な性質(例えば生態に適合する性質や抗菌性)を備えた高分子材料から代替的に形成可能であり、例えばこれらは好適な場合や必要な場合に摩擦を減少させるためにコーティング(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)により)される。
例えば、カッターシースは高分子材料、ステンレス鋼、或いは超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の高分子材等の低摩擦性を備えた高分子スリーブを有するステンレス鋼管から形成可能である。通常シースは約0.31インチ(7mm)乃至約0.35インチ(9mm)の外径(O.D.)を有する。
別例
刃を刃のシャフトに取り付ける方法の別例
図32A,32Bにおいてカッター刃453がカッターシャフト410の末端部412内のシャフトスロット413内に、カッター刃スロット427及びカッター刃孔(407だがここでは隠れて目視できない)を通過してカッターシャフト孔411に至るリベット429により設置される。リベットを使用する場合にシャフトスリーブは不要である(図5A,5Bに示す要素418と対照的である)。図32Cはこの固定方法は上述したゴールポストと組み合わせることができることを示す。
上述した閉ループのカッター刃は刃腕部の基端部に最も直接的に連結された長尺部のカッター刃孔407、及び刃腕部の末端部に最も直接的に連結された長尺部のカッター刃スロット427を使用した。しかしながら当業者はカッター刃及びカッターシャフトを変形することにより本発明により教示する精神から逸脱することなく刃腕部の末端部に最も直接的に連結された長尺部のカッター刃孔、及び刃腕部の基端部に最も直接的に連結された長尺部のカッター刃スロットが使用可能であることを認識するだろう。
同様に上述したカッター刃を変形することにより、長尺部の両端部に孔を備える少なくとも複数のタイプのカッター刃が可能となり、これによりピン留めされた場合に長尺部の一端部の長尺部の他端部に対する運動が防止される。ピンを使用せずに運動を防止する別例の構成が選択可能である。この選択はピンで固定された長尺部が相互に運動不能であり変形に資するため、既定の形状に復帰する形状記憶材料の性能に左右される。
カッターシャフトは既定の刃角度を有する既定のカッター刃と共動するように特別に形成されてもよい。例えば、45°の刃がカッターシャフトとの接触を保持しつつ下方の角度にて作業を開始することができるため、45°の刃のカッターシャフトを使用することは有効である。これに代えて、標準的なカッターシャフトは幅広い刃角度に使用可能であり、カッター刃がカッターシャフトとの接触から離間した後に刃角度の変化はカッター刃にて処理される。これら両者の方針の組み合わせは45°のカッターシャフト及び90°のカッターシャフト等の数種類の異なるカッターシャフト、並びにカッター刃の特性を利用してカッター刃角度の範囲を拡張することを要する。
ここで開示されるカッターアセンブリはその他の方法と組み合わせても使用可能であり、例として2つのみ挙げると水やレーザーによる切除術である。これらにより部分的な核の切除や完全な核の切除を実施したり、或いはその他の組織の処置を補助する(例、破砕及び抽出のうち少なくともいずれか一方)。
取っ手の別例
ここで開示される実施例の態様において、例えばレバーやピストルの取っ手として構成され、カッターシャフトの基端部に取り付けられる取っ手が提供される。図4Bに示す取っ手416は交差ピンや位置決めネジによりカッターシャフト410の基端部414に取り付けられ、これらによりカッターシャフトから取っ手の係合が外れる危険性を減少させる(切断における回転操作により係合が外れる)。上述したように取っ手416は好適に取り付けられ、これにより刃腕部と回転位置に配備され、刃腕部の原位置の配置の基準マーカとして機能する。
これに代えてカッターアセンブリの取っ手は例えばABS樹脂等の高分子材料から射出成形や機械加工により形成され、カッターシャフトの基端部に螺合するかその他の係合により取り付けられる回転つまみ(図示しない)として構成される。
回転係止部
ここで開示される実施例の態様において、刃腕部及びカッターは回転されて、一方向にて(即ち時計方向に、或いは反時計方向に)使用されるように構成される。即ち、一方向(例えば時計方向)のみの刃腕部の回転運動は髄核の物質の切断を開始する。これらの刃の使用において意図された動きはフロントガラスのワイパーの前後運動に類似する。即ちこれらのカッターによる切除術は時計方向のワイパーの拭き作業に生じる。
実施例(図示しない)において、1つ以上の係止部がカッターシャフト内に設けられ、刃の円弧部や運動の範囲を制御する。別例(図示しない)において、1つ以上の係止部がカッターシース上に嵌合して、刃の円弧部や運動の範囲を制御する。
歯高さの別例
上述した実施例は歯の高さが一様に形成されたパターンを使用したが、当業者は歯の高さが別の歯より高いパターンの変形例を認識するだろう。
手術キット
上述したツール及び装置の様々な組み合わせが手術キットの態様により提供され、これにより特定の処置を実施するための好適なツール群の全てが1つのパッケージとして入手可能である。本発明による手術キットは所望の治療領域用の準備キット、即ち椎間板の準備に要するツール群を含む。椎間板準備キットは処置が1つ以上の椎骨レベルの治療の準備を意図したものか、或いは運動セグメントの治療の準備を意図したものかによって異なる。椎間板準備キットは複数のカッターを含む。1つのレベル用のキットには、3乃至7のカッターのいくつかが提供され、実施例においては5つのカッターが提供される。2つのレベルにわたるキットには、5乃至14のカッターのいくつかが提供され、実施例においては10のカッターが提供される。カッターアセンブリはカッター刃の組み合わせを含む。組み合わせは実施する処置により異なり、通常患者の組織に基づく(これらは必要なカッター刃の投入の長さの範囲に影響する)。
通常、手術キットは小径のカッター刃、中間の径のカッター刃、及び大径のカッター刃を備えたカッターアセンブリを含む。手術キットは通常45°の刃角度を有する大中小の3つ以上のカッターアセンブリを更に含む。特定の処置のキットは特定の用途のカッター刃を備えたその他のカッターアセンブリを含み、例えば、上部終板や下部終板内にて切断し出血させる原因となる機能を有するものを選択したカッター刃を含む。カッター刃の全ては使用一回分であり、即ち使い捨てである。カッターアセンブリにおけるその他の要素は使い捨てであっても再使用可能であってもよい。
椎間板準備キットは(任意で)更に1つ以上の組織抽出ツールを含み、髄核の破片を取り除く。1つのレベル用のキットには、3乃至8の組織抽出ツールが提供され、実施例においては6つの組織抽出ツールが提供される。2つのレベルにわたるキットには、約8乃至約14の組織抽出ツールのいくつかが提供され、実施例においては12の組織抽出ツールが提供される。組織抽出ツールは使い捨てである。
上述したカッターは椎間板腔にて使用される状況にて説明された。当業者は開示されたカッターの好適な特性はその他の医療処置においても使用可能であることを認識するだろう。その他の治療処置においては、物質にアクセスし、カッター刃が形状記憶として有する延伸位置に至るに先立ってカッター刃をシースに格納した状態からルーメンを通じて搬送して物質を切断する(通常、後に実施される治療処置に先立って除去する)。当業者はカッター刃及び関係する要素の寸法が対象の組織の寸法及びアクセス路として使用されるルーメンの寸法に合わせて調整される必要があることを認識するだろう。保護又は研磨すべき(要求する処置の結果による)軟骨に覆われた椎体の終板が存在しない場合に、切削刃から保護される必要のある、或いはこれに代えて部位を準備するための部分として研磨される必要のあるその他の組織構造体が存在し、これにより本発明の多くの教示はこれらにも応用される。
当業者は上述した別例は全体的に相互に排他的なものではなく、場合により上述した別例の態様を2つ以上使用して付加的な別例が可能であることを認識するだろう。同様に、本発明は本発明の様々な教示の理解を促進するために開示された特定の例や実施例に限定されるものではない。更に、上記した特許請求の範囲はここで開示される様々な別例、変形例、及び当業者に周知の要素の代替例の範囲をカバーするものである。
ヒト脊椎の各部を示す図。 脊椎に軸方向チャネルを形成する前方軸方向経仙骨アクセス法であって、本発明に用いる脊椎における軸方向チャネルを用意するために使用可能な方法を示す概略図。 脊椎に軸方向チャネルを形成する前方軸方向経仙骨アクセス法であって、本発明に用いる脊椎における軸方向チャネルを用意するために使用可能な方法を示す他の概略図。 脊椎に軸方向チャネルを形成する前方軸方向経仙骨アクセス法であって、本発明に用いる脊椎における軸方向チャネルを用意するために使用可能な方法を示す別の概略図。 軸方向チャネル内に挿入された、刃が拡張位置にあるカッターアセンブリを示す図。 カッターアセンブリを示す図。 カッターアセンブリを示す図。 カッター刃をカッターシャフトに連結する一方法を示す図。 カッター刃をカッターシャフトに連結する一方法を示す図。 カッターシースの移動範囲を制限する留め具を含むカッターアセンブリを示す付加的な図。 カッターシースの移動範囲を制限する留め具を含むカッターアセンブリを示す付加的な図。 カッターシースの移動範囲を制限する留め具を含むカッターアセンブリを示す付加的な図。 カッターシースの移動範囲を制限する留め具を含むカッターアセンブリを示す付加的な図。 椎間板腔内において様々な投入の長さを有する一連の刃を示す概念図。 椎間板腔において軸方向チャネルが終板に略直交しない場合に生じる問題を示す図。 カッター刃の長さ方向の部分に対して45°、90°、及び135°の角度をなすカッター刃の刃腕部を示す図。 カッター刃を示す図。 カッター刃を示す図。 カッター刃を示す図。 切削刃を備えたカッター刃の断面図。 カッターシャフト拡張部を有さない第1のカッターシャフト内のカッター刃を示す図。 カッターシャフト拡張部を備えたカッターシャフト内のカッター刃を示す図。 カッターシャフト拡張部を有さないカッターシャフトを示す図。 カッターシャフト拡張部を有さないカッターシャフトを示す図。 カッターシャフト拡張部を有さないカッターシャフトを示す図。 カッターシャフト拡張部を備えたカッターシャフトを示す図。 カッターシャフト拡張部を備えたカッターシャフトを示す図。 カッターシャフト拡張部を備えたカッターシャフトを示す図。 カッター刃の片側に丸みを帯びた鋸歯部を備えたカッター刃を示す図。 カッター刃の片側に丸みを帯びた鋸歯部を備えたカッター刃を示す図。 カッター刃の片側に丸みを帯びた鋸歯部を備えたカッター刃を示す図。 カッター刃の片側に丸みを帯びた鋸歯部を備え、刃先に異なる鋸歯状のパターンを有するカッター刃を示す図。 カッター刃の片側に丸みを帯びた鋸歯部を備え、刃先に異なる鋸歯状のパターンを有するカッター刃を示す図。 カッター刃の片側に丸みを帯びた鋸歯部を備え、刃先に異なる鋸歯状のパターンを有するカッター刃を示す図。 カッター刃の時計方向の部分及びカッター刃の反時計方向の部分の両者に鋸歯状の切削刃を備えたカッター刃を示す図。 カッター刃の時計方向の部分及びカッター刃の反時計方向の部分の両者に鋸歯状の切削刃を備えたカッター刃を示す図。 カッター刃の時計方向の部分及びカッター刃の反時計方向の部分の両者に鋸歯状の切削刃を備えたカッター刃を示す図。 カッター刃を形成するために好適な寸法の平坦な基部に鋸歯部を付加する作業の詳細を示す図。 カッター刃を形成するために好適な寸法の平坦な基部に鋸歯部を付加する作業の詳細を示す図。 台形の鋸歯状のパターンを使用して平坦な基部から一部を取り除くことによりカッター刃が形成される材料を示す図。 台形の鋸歯状のパターンを備え、カッターアセンブリ内に設けられたカッター刃を示す図。 台形の鋸歯状のパターンを備えたカッター刃の基部を示す図。 台形の鋸歯状のパターンを備えたカッター刃の基部を示す図。 台形の鋸歯状のパターンを備えたカッター刃の基部を示す図。 台形の鋸歯状のパターンを備えたカッター刃の基部を示す図。 カッター刃の基部内に切断により形成される丸みを帯びた鋸歯状のパターンを示す図。 カッター刃の基部内に切断により形成される丸みを帯びた鋸歯状のパターンを示す図。 カッター刃の基部内に切断により形成される丸みを帯びた鋸歯状のパターンを示す図。 カッター刃の基部内に切断により形成される丸みを帯びた鋸歯状のパターンを示す図。 図28A乃至28Dに示すような鋸歯状のパターンを備えたカッター刃の基部から形成される刃を様々な角度から見た図。 図28A乃至28Dに示すような鋸歯状のパターンを備えたカッター刃の基部から形成される刃を様々な角度から見た図。 図28A乃至28Dに示すような鋸歯状のパターンを備えたカッター刃の基部から形成される刃を様々な角度から見た図。 図28A乃至28Dに示すような鋸歯状のパターンを備えたカッター刃の基部から形成される刃を様々な角度から見た図。 図28A乃至28Dに示すような鋸歯状のパターンを備えたカッター刃の基部から形成される刃を様々な角度から見た図。 図28A乃至28Dに示すような鋸歯状のパターンを備えたカッター刃の基部から形成される刃を様々な角度から見た図。 図28A乃至28Dに示すような鋸歯状のパターンを備えたカッター刃の基部から形成される刃を様々な角度から見た図。 刃の腕部の基端側部分とカッター刃の長尺状をなす部分との間にて135°の角度をなすカッター刃の一例を示す図。 刃の腕部の基端側部分とカッター刃の長尺状をなす部分との間にて135°の角度をなすカッター刃の別例を示す図。 カッター刃のカッターシャフトに対するリベットベースによる連結を示す図。 カッター刃のカッターシャフトに対するリベットベースによる連結を示す図。 カッター刃のカッターシャフトに対するリベットベースによる連結を示す図。

Claims (44)

  1. 2つの椎体終板の間の椎間腔内における物質を粉砕するためのカッターであって、前記カッターは中心軸を有する軸方向チャネルを通じて延びるように適合され、前記軸方向チャネルは少なくとも1つの椎体終板を含むとともに前記椎間腔内に延び、
    前記カッターは、
    形状記憶材料から形成されたカッター刃と、
    前記カッター刃が前記中心軸に対してほぼ横切るように配向されるとき、前記椎体終板の1つとほぼ対向する前記カッター刃の第1の側面と、
    前記第1の側面から刃の厚み分だけ離間した前記カッター刃の第2の側面と、
    前記カッターが前記軸方向チャネル内で時計方向に回転されたときに前方側となる前記カッター刃の時計方向側と、
    前記カッターが前記軸方向チャネル内で時計方向に回転されたときに後方側となる前記カッター刃の反時計方向側と、
    前記時計方向側及び前記反時計方向側の少なくとも一方に設けられた少なくとも1つの切削刃とを備えるカッター。
  2. 椎間板腔内で使用され、形状記憶材料から形成されるカッター刃であって、同カッター刃は、
    前記閉ループカッター刃をカッターアセンブリに固定するために使用されるカッター刃孔を有する前記カッター刃の第1の長尺部と、
    カッター刃スロットを有する前記カッター刃の第2の長尺部と、
    前記カッター刃スロットは、前記第2の長尺部を前記カッターアセンブリとスロット接続部を介して接続するときに使用され、同スロット接続部は前記第2の長尺部の限定的範囲における動きを許容することと、
    前記閉ループカッター刃は、前記カッターアセンブリの一部を構成するカッター鞘から伸縮可能であることとを備えるカッター刃。
  3. 請求項2に記載の閉ループカッター刃において、前記伸張した閉ループカッター刃は、接続点を前記第1の長尺部及び前記第2の長尺部を通じて移動させることによってカッターアセンブリと接続されたとき、閉ループの境界を形成し、前記閉ループは内周面及び外周面を有する閉ループカッター刃。
  4. 請求項3に記載の閉ループカッター刃において、全ての切削刃は、前記外周面から凹んでいる閉ループカッター刃。
  5. 請求項3に記載の閉ループカッター刃において、全ての切削刃は、前記閉ループの前記内周面に沿って設けられている閉ループカッター刃。
  6. 請求項2に記載の閉ループカッター刃において、前記閉ループカッター刃は第1の面及び第2の面の2つの面を有し、前記閉ループカッター刃が第1の方向に回転されるカッターアセンブリに固定されたとき、前記第1の面が前方面となり、前記第2の面が後方面となり、かつ前記閉ループカッター刃は前記第1の面の少なくとも一部に切削刃を有するとともに、前記第2の面に刃無し面を有する閉ループカッター刃。
  7. 請求項2に記載の閉ループカッター刃において、前記閉ループカッター刃は第1の面及び第2の面の2つの面を有し、前記閉ループカッター刃が第1の方向に回転されるカッターアセンブリに固定されたとき、前記第1の面が前方面となり、前記第2の面が後方面となり、かつ前記閉ループカッター刃は前記第1の面の少なくとも一部に切削刃を有するとともに、前記第2の面の少なくとも一部に切削刃を有する閉ループカッター刃。
  8. 請求項7に記載の閉ループカッター刃において、前記第1の面における前記切削刃は、第1のパターンを有する鋸歯を使用し、前記第2の面における前記切削刃は、前記第1の面における前記切削刃と異なる閉ループカッター刃。
  9. 請求項7に記載の閉ループカッター刃において、前記第1の面における前記切削刃は、第1のパターンを有する鋸歯を使用し、前記第2の面における前記切削刃は、前記第1のパターンと異なるパターンを有する鋸歯を使用する閉ループカッター刃。
  10. 請求項7に記載の閉ループカッター刃において、前記第1の面における前記切削刃は、第1のパターンを有する鋸歯を使用し、前記第2の面における前記切削刃は、鋸歯を使用しない閉ループカッター刃。
  11. 請求項21に記載の閉ループカッター刃において、前記閉ループカッター刃は第1の面及び第2の面の2つの面を有し、前記閉ループカッター刃が第1の方向に回転されるカッターアセンブリに固定されたとき、前記第1の面が前方面となり、前記第2の面が後方面となり、かつ前記閉ループカッター刃は前記第1の面の少なくとも一部に切削刃を有するとともに、前記第1の面の前記切削刃は前記第1の面の一部分及び閉ループの内周面の対応する一部分に設けられたパターンによって形成されるとともに、前記第1の面の一部分及び閉ループの外周面の対応する一部分に設けられた反復パターンによって形成される閉ループカッター刃。
  12. 請求項2に記載の閉ループカッター刃において、前記閉ループカッター刃は第1の面及び第2の面の2つの面を有し、前記閉ループカッター刃が第1の方向に回転されるカッターアセンブリに固定されたとき、前記第1の面が前方面となり、前記第2の面が後方面となり、かつ前記閉ループカッター刃は前記第1の面の少なくとも一部に切削刃を有するとともに、前記第1の面は連続する四角錐を有し、それら四角錐の頂点が前記閉ループの外周面と前記閉ループの内周面との間においてほぼ半周にわたって配置されている閉ループカッター刃。
  13. 請求項2に記載の閉ループカッター刃において、前記閉ループは、前記カッター刃の基端部に切削刃を含み、伸張位置における前記カッター刃の前記基端部と前記第1の長尺部との間の角度は、約25度乃至約100度の間である閉ループカッター刃。
  14. 請求項2に記載の閉ループカッター刃において、前記閉ループは、前記カッター刃の基端部に切削刃を含み、伸張位置における前記カッター刃の前記基端部と前記第1の長尺部との間の角度は、約90度乃至約155度の間である閉ループカッター刃。
  15. 請求項2に記載の閉ループカッター刃において、前記閉ループは、前記カッター刃の基端部に切削刃を含み、伸張位置における前記カッター刃の前記基端部と前記第1の長尺部との間の角度は、約80度乃至約100度の間である閉ループカッター刃。
  16. 椎間板腔内で使用されるとともに、伸張位置の形状記憶を有する閉ループカッター刃であって、同閉ループカッター刃は、
    前記閉ループの内周面の少なくとも一部を形成する内面と、
    前記閉ループの外周面の少なくとも一部を形成する外面と、
    前記内面及び前記外面の間における前記閉ループカッター刃の外面上の第1の面と、
    前記閉ループカッター刃がカッターアセンブリに取り付けられるとともに、前記カッターアセンブリの長軸の周りで第1の方向に回転されるとき、前記第1の面は前方面であることと、
    前記内面及び前記外面の間における前記閉ループカッター刃の外面上の第2の面と、
    前記閉ループカッター刃がカッターアセンブリに取り付けられるとともに、前記カッターアセンブリの長軸の周りで第1の方向に回転されるとき、前記第2の面は後方面であることと、
    第1の面の少なくとも一部は、鋸歯の集合体を備える切削刃を有することとを備える閉ループカッター刃。
  17. 請求項16に記載の閉ループカッター刃において、前記第1の面は、前記外面に延びる鋸歯の第1の集合体を有し、前記第2の面は、前記内面に延びる鋸歯の第2の集合体を有する閉ループカッター刃。
  18. 請求項17に記載の閉ループカッター刃において、前記鋸歯の第1の集合体は鋸歯の歯先を有し、前記鋸歯の第2の集合体は、前記第1の集合体の鋸歯の先端と整列しない鋸歯の歯先を有する閉ループカッター刃。
  19. 請求項18に記載の閉ループカッター刃において、前記鋸歯の第1の集合体は鋸歯パターンを有し、前記鋸歯の第2の集合体は、前記第1の集合体と同じ鋸歯パターンを有するが、前記歯先が整列しないように偏倚している閉ループカッター刃。
  20. 請求項18に記載の閉ループカッター刃において、前記鋸歯の第1の集合体は第1の鋸歯パターンを有し、前記鋸歯の第2の集合体は、前記第1の集合体と異なる第2の鋸歯パターンを有するが、前記歯先が整列していないように偏倚している閉ループカッター刃。
  21. 請求項18に記載の閉ループカッター刃において、前記第1の面は、前記外面上の1つの鋸歯と前記内面上の1つの鋸歯との間に谷を有する閉ループカッター刃。
  22. 請求項21に記載の閉ループカッター刃において、前記谷は鋭角に形成されたV字形状を含む閉ループカッター刃。
  23. 請求項16に記載の閉ループカッター刃において、前記鋸歯の集合体は丸みを帯びた鋸歯を含む閉ループカッター刃。
  24. 請求項16に記載の閉ループカッター刃において、前記鋸歯の集合体は傾斜し、かつ丸みを帯びた鋸歯を含む閉ループカッター刃。
  25. 請求項16に記載の閉ループカッター刃において、前記鋸歯の集合体は多角形の集合体を含む閉ループカッター刃。
  26. 請求項16に記載の閉ループカッター刃において、前記鋸歯の集合体は台形の集合体を含む閉ループカッター刃。
  27. 請求項16に記載の閉ループカッター刃において、前記鋸歯範囲の深さが前記第1の面の厚みからゼロまでの範囲となるように、前記鋸歯の集合体は第1の面を横切る角度で切断される閉ループカッター刃。
  28. 椎体終板の先端と椎体終板の基端との間の椎間腔内における物質を粉砕するためのカッターであって、前記カッターは、同カッターの一端を椎間腔内に配置するように、少なくとも前記椎体終板の基端を通じて延びる軸に沿う穴を通じて延びるように適合され、
    前記カッターは、
    カッターシャフトと、
    前記カッターシャフトの少なくとも一部を覆うカッター鞘と、
    カッター刃と、
    前記カッターは前記カッター鞘の中に収納され、かつ鞘から伸張されるように構成され、前記カッター刃は伸張位置の形状記憶を有することと、前記伸張したカッター刃は前記カッターシャフトの長軸に対して大きく横切ることと、
    前記カッター刃が前記椎間腔内で伸張したとき、前記伸張したカッター刃の側面において前記カッター刃の先端側面は、前記椎体終板の基端よりも前記椎体終板の先端に近い位置に適合されることと、
    前記カッター刃が前記椎間腔内で伸張したとき、前記挿入されて伸張したカッター刃の側面において前記カッター刃の基端側面は、前記椎体終板の先端よりも前記椎体終板の基端に近い位置に適合されることと、
    前記伸張したカッター刃が前記カッターシャフトの長軸の周りで第1の方向に回転されたとき、前記カッター刃の前縁となる前記カッター刃の第1の縁と、
    前記伸張したカッター刃が前記カッターシャフトの長軸の周りで第2の方向に回転されたとき、前記カッター刃の前縁となる前記カッター刃の第2の縁と、
    前記第2の方向は、前記第1の方向と反対の向きであることと、
    前記第1の縁又は第2の縁の少なくとも一方に設けられた少なくとも1つの切削刃と、
    前記切削刃は前記カッター刃の前記先端側面に対して凹んでいることとを備えるカッター。
  29. 請求項28に記載のカッターおいて、前記切削刃は前記カッター刃の前記基端側面に対して凹んでいるカッター。
  30. 請求項28に記載のカッターにおいて、前記カッター刃は同カッター刃が前記カッターシャフトに接続された部位から延びるループを含み、前記ループの第1の部位は前記先端側面を含み、前記ループの第2の部位は前記基端側面を含み、前記ループは前記第1の部位及び前記第2の部位を接続するループ先端を含み、前記カッター刃が前記シャフトの長軸の周りで回転されるとき前記ループは開口領域を形成するカッター。
  31. 請求項28に記載のカッターにおいて、前記カッター刃は同カッター刃が前記カッターシャフトに接続された部位から延びるループを含み、前記ループの第1の部位は前記先端側面を含み、前記ループの第2の部位は前記基端側面を含み、前記ループは前記第1の部位及び前記第2の部位を接続するループ先端を含み、前記カッター刃が前記シャフトの長軸の周りで回転されるとき前記ループは開口領域を形成し、同開口領域を介して物質が通過可能となるカッター。
  32. 請求項28に記載のカッターにおいて、前記カッターシャフトの長軸に対して大きく横切る前記伸張したカッター刃は、前記カッターシャフトの長軸に対して約25度から約155度の間で離れて配置されるカッター。
  33. 請求項28に記載のカッターにおいて、前記カッター刃の前記先端部は前記カッター刃の前記基端部に対してほぼ平行であるカッター。
  34. 請求項28に記載のカッターにおいて、前記カッター刃の前記先端部の突起は、鋭角を形成するように前記カッター刃の前記基端部の突起と交差するカッター。
  35. 請求項28に記載のカッターにおいて、前記カッター刃の第1の縁における切削刃は鋸歯であるカッター。
  36. 請求項35に記載のカッターにおいて、前記カッター刃は、一連の歯を有し、それらの歯はほぼ同じ高さを有するカッター。
  37. 請求項35に記載のカッターにおいて、前記カッター刃は、第1の歯高を有する歯の集合体と、第1の歯高より高い第2の歯高を有する歯の集合体とを備える一連の歯を有するカッター。
  38. 請求項35に記載のカッターにおいて、前記カッター刃は鋸歯パターンを有し、鋭角を有する鋸歯パターンに谷が設けられているカッター。
  39. 請求項35に記載のカッターにおいて、前記先端面及び前記基端面はループ先端によって連結され、伸張位置にあるカッター刃を備える前記カッターは閉ループを形成し、前記カッター刃の第1の縁における切削刃はループ先端に沿って、前記第1の縁の別の部位における鋸歯パターンとは異なる鋸歯パターンを有するカッター。
  40. 請求項35に記載のカッターにおいて、前記カッター刃の第2の縁における切削刃は非鋸歯であるカッター。
  41. 椎体終板の先端と椎体終板の基端との間の椎間腔内における物質を粉砕するためのカッターであって、前記カッターは、
    前記カッターの一端を椎間腔内に配置するように、少なくとも前記椎体終板の基端を通じて延びる軸に沿う軸方向穴を通じて延びるように適合され、
    前記カッターは、
    長軸を有するカッターシャフトと、
    前記カッターシャフトの少なくとも一部を覆うカッター鞘と、
    カッター刃と、
    前記カッターは前記カッター鞘の中に収納され、かつ鞘から伸張されるように構成され、前記カッター刃は伸張位置の形状記憶を有することと、前記伸張したカッター刃は前記カッターシャフトの長軸に対して大きく横切ることと、
    前記カッター刃が前記椎間腔内で伸張したとき、前記伸張したカッター刃の側面において前記カッター刃の先端側面は、前記椎体終板の基端よりも前記椎体終板の先端に近い位置に適合されることと、
    前記カッター刃が前記椎間腔内で伸張したとき、前記挿入されて伸張したカッター刃の側面において前記カッター刃の基端側面は、前記椎体終板の先端よりも前記椎体終板の基端に近い位置に適合されることと、
    前記先端側面及び前記基端側面は、ループ先端によって連結され、伸張位置にあるカッター刃を備える前記カッターは閉ループを形成することと、
    延長部を有する前記カッターシャフトと、
    前記カッターシャフトの前記長軸がほぼ横切る伸張したカッター刃の一部は前記カッターシャフトの延長部の間に配置されていることとを備えるカッター。
  42. 治療手順のために椎間板腔を準備するためのキットであって、同キットは、
    第1の投入長のラジアルカッター刃を有するカッターアセンブリと、
    90度未満の刃角及び第1の投入長を有するカッター刃を有するカッターアセンブリと、
    第1の投入長よりも長い第2の投入長のラジアルカッター刃を有するカッターアセンブリと、
    90度未満の刃角及び第2の投入長を有するカッター刃を有するカッターアセンブリとを備えるキット。
  43. 請求項42に記載のキットにおいて、
    第2の投入長よりも長い第3の投入長のラジアルカッター刃を有するカッターアセンブリと、
    90度未満の刃角及び第3の投入長を有するカッター刃を有するカッターアセンブリとを備えるキット。
  44. 請求項42に記載のキットにおいて、90度未満の刃角及び第1の投入長を有するカッター刃を有するカッターアセンブリに対する前記刃角は、約45度であるキット。
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