JP2009525091A - タンポン - Google Patents

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Abstract

本発明は、ドーム型挿入端と、その引出し端から引出し紐が伸展する引出し端とを設けた縦長本体を有する、婦人衛生用および/または医療目的に好適なタンポンであって、本質的に圧縮吸収性繊維材からなり、縦リブによって互いに分離された縦溝が外側円周表面に少なくとも部分的に設けられているタンポンに関する。タンポンは、特に、前記タンポンの縦の方向の前記溝と前記リブの経路が、傾斜しており、及び一つの山の部分と一つの谷の部分とを特徴づける変曲点を唯一つ有する連続曲線であって、好ましくは最高点および/または最低点を有しない連続曲線に相当することを特徴とする。

Description

本発明は、婦人衛生用および/または医療目的に好適のタンポンに関する。
腟内タンポンは、月経周期中、膣壁に沿って排出される液体または月経分泌物を保持するために女性によって一般的に使用されている。子宮内膜細胞、分泌物、および血液を含む月経分泌物の排泄は断続的であり、何時間にも何日にも渡って生じる。血液および他の物質は重力線に沿って漏出する。流量は少ないときもあり、多いときもある。腟内タンポンは、通常、吸収材、例えば、綿、レーヨンセルロースウェイディング、合成スポンジ、セルロース綿毛、合成繊維、またはこれらの材料の組合せから形成され、通常、膣路内に適合するサイズの一般的に円筒の形状に圧縮し、または成形される。
挿入端、引出し端、引出し紐、およびその間に伸びる中心区域を有するタンポンは当技術分野で公知である。従来技術から、溝によって限定されたリブを有する円筒形タンポンが知られており、前記リブは外向き放射状に伸展する。そのようなタンポンは、例えば、国際公開第02/078586号、欧州特許第0422660号、米国特許第2002/0157222号、米国特許第5,592,725号、米国特許第5,895,408号、欧州特許第1108408号、米国特許第2003/0208180号、国際公開第00/53141号、および欧州特許第0639363号から知られている。
タンポンの縦の方向に溝を有するタンポンが当技術分野で知られている。
例えば、国際公開第02/078586号および国際公開第02/076357号は、らせん形の溝を有するタンポンを開示している。タンポン外表面には、前記タンポンの縦の方向に直線経路を描くらせん形のプレスした縦溝が設けられている。しかし、そのようならせん状の溝をつけたタンポンの欠点は、液体吸収が一般的に不十分でやや緩慢であり、その結果タンポンを使用した後に迂回および漏出問題が起こりうるということである。
欧州特許第1459720号は、縦リブにより分離され、外表面に沿う正弦の溝を有する膣タンポンについて記載している。これらタンポンの溝とリブは、周期的パターンを有する、タンポンの縦の方向に波状経路を走らせる。より具体的には、溝とリブは、大きい湾曲と小さい湾曲が交互する波状経路を走らせる。
一般的に、溝を付けたタンポンは、プレスジョー相互間に繊維材を挟むことによって製造される。従来技術では、プレス機はプレス区域(penetrating segments)を有することが知られており、この区域は溝によって特徴づけられるリブを形成し、そして基本的に放射状に、すなわち、タンポンの中心軸に通じる方向に吸収材をプレス(penetrate)する。その結果、リブは、外向き放射状に伸展し、それらの中線はタンポンの中心軸に向かう基本的に直線を形成する。そのような機械は、例えば、欧州特許第0422660号および欧州特許第0639363号から知られている。
溝を付けたタンポンは、次のステップ:所定長さの連続する繊維ウェブを巻きあげて、円周表面を有する通常円筒状のタンポンブランクを形成するステップ;タンポンブランクの円周表面に間隔を空けて配置した細い条片形区域を同時に放射状にプレスして、比較的圧縮されたコアから外向き放射状に伸展する比較的圧縮されていない縦リブによって互いに分離された数本の縦溝を形成するステップであって、コアがタンポン回収端領域でその残りの領域よりも小さくなる程度に圧縮されているステップ;および比較的圧縮されていないリブの繊維構造を保存しながら、縦リブの外端を放射状内向きにプレスして、柔軟で平滑な円周表面を形成するステップ、によって形成することができる。
しかし、縦の方向に正弦波形に成形した溝を有する上記タンポンに伴う問題は、その製造工程が複雑であり、効率が低く、そして材料のかなりの損失を伴うことである。より具体的には、プレス装置内外へのタンポンの挿入および/または引出し中に問題が発生する可能性がある。タンポン溝とプレス装置との間に摩擦が生じることがある。プレス装置の構成要素が、プレス装置からタンポンを取り出すその経路でタンポンを詰まらせることがある。その結果として、プレス装置から圧縮タンポンを取り出す際に、正弦波形に成形したタンポン溝が、少なくとも部分的に破壊される恐れがある。リブと溝が部分的に破壊されたタンポンは、品質が低く販売不可能であり廃棄せざるを得ない。これは、材料のかなりの損失、製造システムの非効率、そしてタンポン製造費用の大幅な上昇を意味する。加えて、プレス装置内外へのタンポンの挿入および/または引出し中の詰まりは、これらのタンポン製品の迅速かつ大量生産の点から不利である。
この点で、従来技術のこうした問題の一つまたはそれ以上を克服するタンポンが当技術分野で必要とされていることは明らかである。より具体的には、その製造工程が改善されたタンポンが当技術分野で必要とされている。従来技術で公知のらせん状の溝を付けたタンポンと比較して、吸収能力が改善したタンポンも当技術分野で必要とされている。
国際公開第02/078586号 欧州特許第0422660号 米国特許第2002/0157222号 米国特許第5,592,725号 米国特許第5,895,408号 欧州特許第1108408号 米国特許第2003/0208180号 国際公開第00/53141号 欧州特許第0639363号 国際公開第02/076357号 欧州特許第1459720号 欧州特許出願第03447303.3号
従って、製作するのがより容易で、費用対効果がより高い、形状が改善されたタンポンを提供することが本発明の目的である。より具体的には、形成されたタンポンの複数の溝と複数のリブをあまり破壊することなく、プレス装置から容易に引き出せるタンポンを提供するのが本発明の目的である。
さらに、複数の溝と複数のリブが、タンポンの縦の方向に直線または周期的経路を描かないタンポンを提供することが本発明の目的である。
さらに、複数の溝と複数のリブが、タンポンの縦の軸に対して傾いているタンポンを提供することがさらなる本発明の目的です。
さらに、本発明は、従来技術で公知のらせん状の溝を付けたタンポンと比較して吸収能力が改善したタンポンを提供することを目的とする。
さらに、手触りが柔軟であり、従って体腔への挿入が快適なタンポンを提供することが本発明の目的である。
本発明のタンポンの利点は、以下に提供する記述および添付の図から当業者に明らかになるであろう。
本発明は、タンポン、特に、圧縮された状態で長さLがタンポン本体軸方向にあり、および幅Wがタンポン本体横方向にある縦長本体を有する婦人衛生用タンポンであって、前記タンポンは、基本的に圧縮吸収性繊維材からなり、傾斜した縦の複数のリブによって互いに分離された傾斜した縦の複数の溝が外側円周表面に少なくとも部分的に設けられているタンポンに関する。縦長本体は、基本的に円筒形である。
傾斜したということは、タンポンの表面から見られように、リブと溝の経路が、タンポンの縦の方向に平行には走っておらず、縦の方向に傾いていることを意味する。
タンポンは、特に、前記溝及び/又は前記リブの経路が、該タンポンの該表面からみられるように、該タンポンの傾斜した縦のラインに沿ってもうけられ、該経路は、傾斜した縦のラインを貫通する唯一の変曲点を有する連続曲線に相当しており、その変曲点は、該ラインに関して一つの山の部分と一つの谷の部分とを定める。
「傾斜した縦のライン」とは、縦の本体にそっており、およびそれが縦の軸に対して傾いている、タンポンの表面上に引かれた直線の仮想線である。該タンポンが(つまりY軸、あるいは図1Aの中の矢印21に沿って)先端を前向きにみる場合、もしそのラインが縦の軸と平行になれば見られるであろうが、傾けられた縦のライン(20)の遠位端(23)および近位端(22)は一致しない。代わりに、該ラインの遠位端のポイントおよび近位端のポイントは(offset)オフセット(軸をはずして設置)される。
オフセットの角度、いわゆる、ベータは、Y軸に沿って見るなら、プラス又はマイナスの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、 27、 28、 29、 30、 31、 32、 33、 34、 35、 36、 37、 38、 39、 40、 41、 42、 43、 43、 44、 45、 46、 47、 48、 49、50、55、60、65、70、75、80、85、89、90 deg、あるいはこれら値のうちの任意の2つの間の範囲中の値、好ましくは10〜50 deg、より好ましくは、20〜40deg、そして最も好ましくは、25〜30degでありうる。それは-10〜-50 degでありうるし、より好ましくは-20〜-40、そして最も好ましくは-25〜-30degでありうる。好ましい範囲では、生産工程は圧縮および押出し製品の排出において改善される。
本明細書で使用する「連続」という用語は、途切れ、または不規則になることなく伸展する曲線または関数をさす。
本明細書で使用する「山の部分」という用語は、外向きにカーブしまたは膨らむ曲線部分をさす。山の部分は、開いていても閉じていてもよい。「開いている山の部分」は、第1次導関数がゼロである点を含まない曲線をさす。第1次導関数がゼロである点は、曲線の最高値または最低値に相当する。この事例では、曲線の山の部分は、傾斜した縦のライン(20)に平行する漸近線に近づき、最高値または最低値は無限遠で存在しうる。「閉じている山の部分」は、第1次導関数がゼロである唯一つの点を含む曲線をさす。
本明細書で使用する「谷の部分」という用語は、内向きにカーブする曲線部分をさす。谷の部分は、開いていても閉じていてもよい。「開いている谷の部分」は、第1次導関数がゼロである点を含まない曲線をさす。第1次導関数がゼロである点は、曲線の最高値または最低値に相当する。この事例では、曲線の谷の部分は、傾斜した縦のライン(20)に平行する漸近線に近づき、最高値または最低値は無限遠で存在しうる。「閉じている谷の部分」は、第1次導関数がゼロである唯一つの点を含む曲線をさす。
「変曲点」という用語は、曲線の曲率が変化する曲線上の点をさし、特に、山曲線から谷曲線へ、または曲線の山の部分から曲線の谷の部分へ、またはその逆に曲線が変化する点をさす。そのような点は、特に、第2次導関数がゼロであることを特徴とする。
特に好ましい実施形態では、タンポンは、特に、前記タンポンの傾斜した縦のライン(20)に沿う前記複数の溝及び/又は前記複数のリブの経路が以下の関数に相当することを特徴とする。
y=ax
[式中、
mは1ではないあらゆる正の奇数であり、
aは0ではなく、
yは該傾斜した縦ライン(20)に沿う軸(y-軸)の値に相当し、
xはタンポンの表面に沿う軸(x-軸)の値に相当し、その軸は該傾斜した縦のライン(20)に対して垂直である。
別の特に好ましい実施形態では、前記タンポンの傾斜した縦の方向の、例えば前記傾斜した縦のラインに沿う、前記複数の溝及び/又は前記複数のリブの経路は、双曲線関数または逆双曲線関数に相当する。
本発明のタンポンは、得られた溝が最適の長さおよび曲率を示すように、タンポン本体方向に最適にカーブした経路を示す傾斜した縦の複数の溝及び/又は複数のリブが外側円周表面に設けられている。
本発明の複数の溝の形状によって、本発明のタンポンには重要な利点がいくつか付与されている。
一方で、らせん状の溝を付けたタンポンなど、本発明のタンポンの複数の溝は、縦の方向に基本的に直線経路を走らせる複数の溝よりもかなり長い。本発明のタンポンに存在するような長めの溝は、タンポンの吸収能力を相当改善する。従って、本発明のタンポンの傾斜した溝の形状によって、溝が基本的に直線経路を走らせるタンポンと比較して、タンポンの膨張能力および吸収能力が相当に高められる。
他方で、本発明のタンポンでは、長すぎて溝に十分な連続性を付与できないという周期的正弦曲線の複数の溝を有するタンポンの問題は見られない。複数の溝をもつタンポンは、先に説明したように、形成された複数の溝を少なくとも部分的に破壊する可能性がある相当の摩擦を受けずには、プレス装置から引き出すことができない。そのような複数の溝は、タンポン本体の縦の方向に、一つを超える変曲点を有する周期的経路を走らせる。従って、溝経路の方向がタンポン本体の縦の方向で変化する点が一つ以上ある。従って、そのような複数の溝の経路には、効率的な製作工程を著しく複雑にするプレス装置の構成要素によって摩擦が生じうる点がいくつかある。
本発明は、より容易により効率的にタンポンを製造できるようにする、形状が改善されたタンポンを提供する。より具体的には、タンポンが特定の形状をしていることで、製造中、より正確には、プレス装置からタンポンを取り出す際に、再び複数の溝と複数のリブが部分的に破壊されることがない。プレス操作の最後で、通常、タンポンはプレス装置から縦の方向に引き出される。通常、この引出し動作中、プレスジョーのプレス区域はタンポン溝から完全に立ち起こされることはない。しかし、本発明の形状では、プレス区域がタンポンの引出しを実質妨害しまたは阻止することはない。完成したタンポンの引出しは、基本的に直線的に行われる。本発明のタンポンは、唯一つの変曲点を有する経路を走らせる複数の溝を有するので、タンポンの複数の溝とプレス装置との間の摩擦は最小に抑えられる。従って、好都合なことに、タンポンを作製する製造方法は、所要時間の点からより効率的であり、材料の損失も顕著に抑えることができる。
別の態様では、本発明は、
− 縦軸を有する繊維材のタンポンブランクを設けるステップ、
− タンポンブランクをプレス機で圧縮し、傾斜した縦の複数の溝を、タンポン外側円周表面に形成するステップ、そこにおいて溝の該経路は該タンポンの縦の方向で傾斜した縦のラインに沿って、設置され、その溝は、そのラインの観点で、一つの山の部分と一つの谷の部分とを定める変曲点を一つ有する連続曲線の該経路を走らせる
および
− 前記プレスされたタンポンをプレス機からタンポン本体の縦の方向に引き出すステップ、
を含むタンポンを製造する方法に関する。
さらに別の実施形態では、本発明は、放射状に吸収材をプレスすることによって本発明によるタンポンを製造するのに好適であり、吸収材を放射状にプレスするためのプレス区域と、プレッシングショルダーとを含むプレスジョーを具備するプレスに関する。
当業者ならば、以下に提供する詳細な説明および添付図から本発明の多くの利点を直ちに理解するであろう。
本発明は、基本的に円筒形の縦長本体を有する、婦人衛生用および医療目的に好適なタンポンに関する。タンポンには、挿入端と引出し端を設けることができる。
圧縮された状態では、タンポンの長さはL、幅はWである。圧縮された状態で、タンポンの長さをLで表す。「タンポンの長さ」という用語は、タンポン本体の軸方向Yの長さをさす。「タンポンの幅」という用語は、圧縮された状態で横方向Xのタンポン本体の幅をさす。
タンポンは、基本的に圧縮吸収性繊維材からなり、縦の複数の溝によって境界が画定される縦の複数のリブが外側円周表面に少なくとも部分的に設けられている。「吸収性繊維材」および「吸収繊維」という用語は、本明細書では同義語として使用されることに留意されたい。
本発明のタンポンは、特に、該タンポン溝及び/又はタンポンリブの経路が、タンポンの縦の方向において、該タンポンの傾斜した縦のラインに沿って設置されるという特徴をもち、それは、連続曲線、好ましくは単一変曲点によって谷の部分と分離される山の部分を有する曲線に相当する。
「山の部分」、「谷の部分」、「傾斜した縦のライン」および「変曲点」の定義には、本出願の発明の開示の項を参照されたい。
好ましい実施形態では、前記変曲点はタンポン縦長本体のほぼ中央部に位置する。好ましくは、変曲点は、タンポン縦長本体領域の中央50%を包含する領域に位置する。より好ましくは、この変曲点は、タンポンの長さL/2にある仮想横断線付近に位置する。タンポン溝の経路には変曲点が唯一つ提供されていることが、本発明のタンポンの形状では最も重要であるということに留意されたい。変曲点が唯一つであるので、複数の溝の経路は一度しか方向を変えない。その結果として、タンポン溝とプレス装置との間の摩擦を最小に抑えることができる。
好ましい実施形態では、タンポンは、タンポンの縦の方向のタンポンの複数の溝及び/又はタンポンの複数のリブの経路が、前記変曲点に関して点対称である、傾斜した連続曲線に相当することを特徴とする。
特に好ましい実施形態では、タンポンは、タンポンの縦の方向のタンポンの複数の溝とタンポンの複数のリブの経路が、第1次導関数がゼロに等しい点を有しない連続曲線に相当することを特徴とする。すなわち、タンポン本体の傾斜した縦のラインに沿って、複数の溝及び/又は複数のリブの経路を描く曲線が、最低点及び/又は最高点を有しない(示さない)。
該タンポンの傾斜した縦のラインに沿う、各々のタンポンの溝及び/又はタンポンリブの経路は、連続曲線に相当し、それは第1次導関数がゼロに等しいいかなる点も示さないのが好ましい。しかし、別の実施形態では、タンポンの傾斜した縦のラインに沿う溝及び/又はリブの経路は、第1次導関数がゼロに等しい点が1つまたは2つある曲線に相当しうる。第一のそのような点は、タンポン縦長本体領域の上部25%を包含する領域に位置してよく、例えば、タンポン挿入端に位置してよい。第2のそのような点は、タンポン縦長本体領域の下部25%を包含する領域に位置してよく、例えば、タンポン引出し端に位置してよい。ある実施形態では、前記曲線に第1次導関数がゼロに等しい点が唯一つあり、その際、第1の点が、タンポン縦長本体領域の上部25%を包含する領域または下部25%を包含する領域に位置するタンポンを提供する。別の実施形態では、前記曲線に第1次導関数がゼロに等しい点が最も多くて2つあり、その際、第1の点が、タンポン縦長本体領域の上部25%を包含する領域に位置し、第2の点が下部25%を包含する領域に位置するタンポンを提供する。さらに別の実施形態では、第1次導関数がゼロに等しい前記点が、タンポン上部すなわち−L/2に、および/またはタンポン下部すなわち+L/2に位置するタンポンを提供する。
さらに以下に示すように、タンポン挿入端は、ドーム形などにするために多少変形されうる。挿入端のドーム型変形体に上記の第1の点を組み込みうることは本発明から理解されよう。同様に、さらに以下に示すように、タンポン引出し端も、例えば、圧縮形にするために多少変形しうる。そのような事例では、引出し端の変形体に上記の第2の点を組み込みうることも本発明から理解されよう。
好ましい実施形態では、前記タンポンの縦の方向の複数の溝及び/又は複数のリブの経路が、以下の関数を示す曲線に相当する。
y=ax
[式中、
mは1ではないあらゆる正の奇数であり、
aは0ではなく、
yは該傾斜した縦ライン(20)に沿う軸(y-軸)の値に相当し、
xはタンポンの表面に沿う軸(x-軸)の値に相当し、その軸は該傾斜した縦のライン(20)に対して垂直である]
上記関数はべき関数であり、その際、xおよびyは関連する変数であり、パラメーターaおよびmはその関連性を示す。パラメーターaは、それぞれ上昇または下降としてxの値を上下に移動させる。パラメーターmは、関数の増大率または減衰率を決定する。好ましくは、パラメーターmは、0および1ではないあらゆる正の奇数であり、例えば、3、5、7、9などである。パラメーターaは、0ではなく、例えば、−6、−5、−4、−3、−2、−1、1、2、3、4、5、6などであってよい。縦の複数の溝及び/又は複数のリブは、タンポン円周の少なくとも25°〜80°にわたって伸展するのが好ましく、タンポン円周の30〜45°にわたるのが好ましい。
特に好ましい実施形態では、本発明は、外側円周表面に縦溝によって特徴づけられる縦リブを設けたタンポンであって、前記溝及び/又は前記リブが、関数y=xを示す曲線に相当する、(即ち、該傾斜した縦のラインに沿う)前記タンポンの縦の方向の経路を走らせる。
別の好ましい実施形態では、本発明は、外側円周表面に縦溝によって特徴づけられる縦リブを設けたタンポンであって、前記溝及び/又は前記リブが、前記タンポンの縦の方向に、(即ち、該傾斜した縦のラインに沿う)連続する双曲線関数の経路または連続する逆双曲線の経路を走らせる。本明細書で使用する「連続」という用語は、途切れ、または不規則になることなく伸展する曲線または関数をさす。
特に好ましい実施形態では、双曲線関数は、次の双曲線関数y=sinh(x)またはy=tanh(x)[式中、yは該傾斜した縦ライン(20)に沿う軸(y-軸)の値に相当し、xはタンポンの表面に沿う軸(x-軸)の値に相当し、その軸は該傾斜した縦のライン(20)に対して垂直である]のいずれかに相当する。関数y=sinh(x)は、xの双曲線正弦(図7A参照)に相当し、y=sinh(x)=(e−e-x)/2として記載することもできる。関数y=tanh(x)は、xの双曲線正接(図7B参照)に相当し、y=sinh(x)/cosh(x)として記載することもでき、その際sinh(x)は(e−e-x)/2であり、cosh(x)は(e+e-x)/2である。
特に好ましい実施形態では、逆双曲線関数は関数y=artanh(x)[式中、yは該傾斜した縦ライン(20)に沿う軸(y-軸)の値に相当し、xはタンポンの表面に沿う軸(x-軸)の値に相当し、その軸は該傾斜した縦のライン(20)に対して垂直である]に相当する。関数y=artanh(x)は、xの逆双曲線正接(図7C参照)に相当する。
上記のパワーまたは双曲線関数中のxおよびyの値は、以下のようなものであってよい。xは、+W/2と−W/2の間に含まれる値であってよく、yは、+L/2と−L/2の間に含まれる値であってよい。
本発明の該タンポンに関して、該タンポンの該表面を横切る傾斜した縦の直線20が該y‐軸であり、そして、該タンポンの表面に沿う、それに対して垂直のラインが、該x‐軸(24)であるようなx,y座標系が表されうる(図1A)。
本発明の該タンポンに関して、Y軸がタンポンを横方向に2分割し、X軸がタンポンを軸方向に2分割するようにXY座標系を表示することができる(図2)。
本発明のタンポンによって、幾つかの重要な利点が提供される。
本明細書で定義した経路を示すそのような溝を含むタンポンは、製作がより容易であり、時間的効果および費用対効果もより高いことを本発明者らは見出している。本発明によるタンポンは、タンポンブランク繊維材を放射状にプレスできるツール(プレスジョー)によって製造することができる。より具体的には、本発明は、特に、プレス区域および/または歯車の歯を有するプレスジョーを具備するプレス装置を使用して製造するのに非常に適している。
本発明において、"radial(放射状の)"又は”radially(放射状に)"は、該タンポンの該外側円周の圧縮の方向又は該複数のリブ及び該複数の溝の該方向を記述するのに使われることが明記される。該文言は、該タンポンの該中央の縦の軸上の該方向が収束するということを意味することができ、あるいは該タンポンの該中央の縦の軸からの方向が分枝することを意味することができる。かくして、該方向は、該タンポンの該中間点に導く該放射状のラインに沿う該圧縮に限定される必要はない。
本発明のタンポンは、出願番号第03447303.3号を有する出願人の欧州特許出願(公開番号EP1547555)に記載されている装置および方法に従って製作するのに特に適している。この特許出願に記載されている装置は、吸収材を放射状にプレスすることによってタンポンを製造するためのプレス機であって、プレスジョーとプレッシングショルダーを含むプレス機を具備する。そのプレス装置は、特に、そのプレスジョーが吸収材をプレスするためのプレス区域または歯車の歯(プレスジョーの縁にある歯)を有することを特徴とする。
本発明のタンポンは、特に、基本的にカーブする形、例えば、本明細書で定義した連続曲線形を有するプレス区域をプレスジョーが具備するプレス機を使用して製造するのに適切である。本発明によるタンポンは、タンポンに形成された溝とリブを傷付けることなく、または少なくとも部分的に破壊することなく、プレス装置から完成したタンポンを効率的に引き出せる形状を有する。プレス機からタンポンを引き出す間、タンポンの溝とプレス区域との間の摩擦的接触はかなり抑えられる。
さらに、そのようなタンポンは、挿入するのにより柔軟でありより快適である。
さらに、本発明者らは、本明細書で定義した経路を走らせる複数の溝を有するタンポンは、飽和に至る前の吸収性および膨張性が高めであり、膨張速度および吸収速度も増していることを見出した。本明細書で定義した経路を走らせるタンポンの複数の溝は、直線に成形した溝またはらせん形の溝よりも長く、吸収性を高めている。さらに、記載した形状によって、体液を吸収するタンポンの能力を基本的に決定する繊維材の活用性が高まる。本発明のタンポンによって、良好な延伸(膨張)特性が付与され、密封挙動が改善される。膨張中、本発明のタンポンの複数のリブと複数の溝が、体腔の形および輪郭により適合できるからである。従って、本発明のタンポンの吸収能力は決して損なわれず、また、その吸収能力は、本発明の形状を有しない従来技術のタンポンよりも改善されたものとなる。
さらに、本明細書で定義した曲線の経路を走らせる複数の溝によって、製品の有効表面を意図的に拡大させることができる。本明細書で定義した曲線の経路を走らせる複数の溝は、タンポン周囲に漏出が起きる前に、タンポン表面を拡大し、体液が通り過ぎるのにより長い距離を提供する。この改善は、いかなる溝の深さからも得ることができる。しかし、溝の深さは、少なくとも約1mmであり、好ましくは約4mmを超え、好ましくは約4mm〜約6mmであることが好ましい。
本発明によるタンポンで利用できる吸収性繊維材は、液体を吸収し、かつ/または保持できる受容可能な吸収力および弾性率特性を有する任意の吸収材からなってよい。吸収構造体は、多様なサイズおよび形で、多様な液体吸収材から製造することができる。もちろん、製品はかなりの時間体内に保持される可能性があるので、外来性可溶性物質が最低含有量で含まれる吸収材、すなわち、溶解して身体に侵入する恐れがある不要な可溶性物質を全く/ほとんど含まない吸収剤を使用するのが望ましい。保持された可溶性外来性物質が、有毒、刺激性、または感受性である場合、安全上の問題が引き起こされる恐れがある。有用な材料の代表的な非限定的リストには、以下のものが含まれる:セルロース性物質、例えば、レーヨン、綿、ウッドパルプ、縮み皺を付けたセルロース詰め綿、ティッシュ包装紙およびラミネート、ピートモス、および化学的に硬化し、変性し、もしくは架橋したセルロース繊維;合成物質、例えば、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、吸収性フォーム、例えば、柔軟で弾力のあるポリウレタンフォーム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化物質;形成された繊維、例えば、毛細管ファイバーおよび多肢繊維;合成繊維、または任意の同等物質もしくは物質混合物、あるいはこれらの混合物。
さらに、本発明は、指により施用できるタンポン、およびアプリケーターを用いて施用できるタンポンに関する。膣内でタンポンを位置付けるために使用されるアプリケーターは、当業者には既知の任意のアプリケーター、例えば、望遠鏡式チューブ型アプリケーターであってよい。アプリケーターは、任意の受容可能な物質、例えば、厚紙製または成形ポリエチレン製であってよい。アプリケーターは、目下商業的に使用されているものに似せたサイズにすることができる。
縦リブの数は、例えば、タンポン径および/または吸収材の種類に応じて様々であってよい。3〜12本のリブが好ましく、6〜12本のリブがより好ましく、少なくとも約8本がよりいっそう好ましい。多くの既知のタンポンと同様に本発明も偶数のリブを有しうるが、奇数のリブを有するタンポンを製造することも本発明の範囲に含まれる。好ましくは、使用前に、リブは円周表面近傍で密接に組み合わせられ、基本的に円筒状、平滑、そして柔軟な表面を提供する。これによりタンポンの取扱いは容易になり、タンポンの挿入はより快適になる。
実施形態では、本発明は、被膜によって少なくとも部分的に覆われているタンポンを提供する。被膜は、月経分泌物がタンポン挿入端に到達しやすいように、挿入端を覆わないものが好ましい。タンポンの吸収能力および膨張能力を改善するために、前記被膜は、伸縮性があり、かつ/または弾力のある液体透過性被膜であることが好ましい。被膜は、例えば、熱可塑性繊維、熱融着性繊維、またはプラスチックフィルムなどから作製された不織布被膜物質からなってよい。別の実施形態では、被膜は摩擦低減層を含みうる。そのような被膜は、導入の快適さを改善し、体腔内への、または体腔内からのタンポンの導入または除去中に繊維が脱離するのを防止する。
本発明のタンポンのさらに好ましい特徴は、タンポンの引出しを楽にするための、タンポン引出し端から伸展する引出し紐である。
さらに、タンポンには、高圧縮された丸いドーム型挿入端を設けることが好ましい。これによって、細くした端部が膣の最も奥に届くのでタンポンの挿入が簡単になる。
タンポンには、さらに、収縮引出し端を設けることができる。本明細書で使用する「収縮引出し端」は、引出し端の横断面直径が、残りのタンポン本体の横断面直径よりも小さい引出し端をさす。好ましい実施形態では、本発明は、前記引出し端が円錐引出し端であるタンポンを提供する。円錐形は、その頂点が切り落とされているものが好ましい。そのような円錐端によって、引出し中タンポンは案内され、それによって引出しが容易になる。別の好ましい実施形態では、本発明は、前記引出し端がドーム形引出し端であるタンポンを提供する。さらに別の実施形態では、本発明によるタンポンは、特にタンポンが飽和状態でないとき、タンポンの引出しをかなり容易にする截頭円錐形をしている。
さらに好ましい実施形態では、当技術分野で公知の任意の技術に従って引出し端に指用凹部が設けられている。これによりタンポンの取扱いおよび挿入が容易になる。
図1Aは本発明によるタンポン1の外観図であり、単一の曲線の溝4の経路を、明瞭化のために示す。該溝4の該経路は、仮想上の傾斜した縦の直線20に沿って設置する。その結果、単一の変曲点13が該ラインを交差する。該タンポン1に関して、該タンポンの該表面を交差する、傾斜した縦の直線20が該y‐軸であり、そして、該タンポンの表面に沿う、それに対して垂直なラインが、該x‐軸(24)であるようなx,y座標系が表されうる。該ライン20は、傾斜し、その結果、その近位端22とその遠位端23は、先端を前向きにみるとき(即ち 矢印21に沿う)一致しない。このことは矢印21に沿うタンポンの末端部を示している図1Bにおいて明らかであり、近位端22と遠位端23は角度ベータによってオフセットされる。
図2(横面図)と図3(斜視図)は、複数の溝と複数のリブが、タンポン本体方向にあるそれらの経路を分かり易く図示するために強調されている。これらの図中のタンポン図は、タンポンブランクをプレス装置で部分的に圧縮した後に得られるタンポンの予備成形品に相当する。実質的に閉じている複数の溝と、十分に平滑で柔軟な円周表面とを有するタンポンを提供するために、この予備成形品をさらに放射状に圧縮する。図2、3に示すタンポン1は、基本的に円筒形をした縦長本体2を有する。タンポンには、縦の複数の溝4によって区別される縦の複数のリブ3が少なくとも部分的に設けられている。タンポンには、丸いドーム型挿入端5および引出し端(10)が設けられている。さらに、タンポンには、使用後にタンポンを楽に引き出せるように、引出し端に引出し紐(図示せず)を設けることができる。圧縮された状態では、タンポンの縦長本体2の長さはLであり幅はWである。実際の使用(図示せず)には、リブ3は円周表面近傍で密接に組み合わせられて、基本的に円筒状の平滑な表面をもたらす。これにより、タンポンの取扱いは楽になり、より快適に挿入できるようになる。タンポン1上には、Y軸がタンポンを横方向に2分割し、X軸がタンポンを軸方向に2分割するようにXY座標系を表示することができる。
複数のリブ3と複数の溝4は、連続曲線の経路6の挿入端から引出し端まで前記タンポンの縦の方向に走る。その曲線は、単一変曲点13によって谷の部分12と分離される山の部分11を有する。変曲点13は、実質的に、タンポン縦長本体の中央部、前記タンポン縦長本体領域の中央50%を包含する領域(Aで示す領域)に位置し、特に長さL/2にあるX軸に位置する。また、その曲線は、第1次導関数がゼロに等しい点が14、15と2つある。第1の点14は、タンポン縦長本体領域の上部25%を包含する領域(Bで示す領域)に位置する。第2の点15は、タンポン縦長本体領域の下部25%を包含する領域(Cで示す領域)に位置する。
図4は、従来技術のタンポンのタンポンの複数の溝とタンポンの複数のリブの正弦曲線の経路7を図示する。この種の溝を付けたタンポンに伴う問題は、プレス装置からタンポンを放出する際に、そのようなタンポンがプレスジョーのプレス区域によって生じる相当の摩擦を受けることである。装置からタンポンを引き出される方向を矢印8により示す。黒色領域9は最大の摩擦を受けるタンポン領域を示す。これらの領域では、正弦曲線の溝の方向と放出方向が一致しないからである。溝の正弦曲線の経路は内向きにカーブし、プレス装置からタンポンを放出する方向8と溝7に沿って走る経路との間に角度デルタ(δ)が生じる。
図5は、本発明によるタンポンのタンポンの複数の溝とタンポンの複数のリブの曲線の経路6の概略図である。プレス機から放出される方向を矢印8により示す。そのようなタンポンでは、プレス装置から完成したタンポンを引き出す際に、複数の溝と複数のプレス区域との間の摩擦がかなり低減される。というのは、複数の溝経路は実質的にタンポン引出し方向に一致し、角度ガンマで外向けにカーブするが、この角度はプレス機からタンポンを放出する方向8と溝6に沿って走る経路との間に形成される角度である。その結果、図5に示すようにプレス装置からのタンポンの放出は容易になり、溝とプレス装置との間の摩擦は低減し、それによって図4に示すようなタンポンの放出と比較して、タンポンの外側円周表面に形成された溝への損傷が少なくてすむ。
図6は、複数の溝が実質的に閉じているタンポンを得るために、予備成形したタンポン(例えば、図2、3に示すようなタンポン)を放射状に圧縮した後に得られる本発明によるタンポンの実施形態の実際の図である。図6A、6B、および6Cに、それぞれ4、6、および8本の縦溝を有するタンポンを示す。これらの図から分かるように、隣接する縦の複数のリブの側面は互いに接触して柔軟で閉じているタンポン円周表面を形成する。このタンポン円周表面によって、体腔内への導入および体腔からの取出しがより優しく、従ってより心地よいものになる。本発明によれば、挿入部と引出し部の間のタンポン本体の縦の方向の複数の溝と複数のリブの経路は、図6A〜Cの左手のタンポン図に示すように山から谷へ走り、または図6A〜Cの右手の図に示すように谷から山へ走ってよい。しかし、図示したタンポンの実施形態の複数の溝の各曲線は唯一の変曲点を有し、従って唯一の山の部分と唯一の谷の部分があることに留意することが重要である。
図6に示すタンポンが、本発明による特に好ましい実施形態である。図示するタンポンは、タンポンの長さL/2にある仮想横断線付近に位置する変曲点を唯一つ有する連続曲線の経路を走らせる複数の溝と複数のリブを示す。タンポンの溝とリブの経路を定める曲線は、第1次導関数がゼロとなる最高値または最低値を有しない。そのような点が存在するとは考えにくい事例では、その点はタンポンの上部および/または下部圧縮領域に位置する場合がある。曲線には周期的に戻るパターンが無いので、タンポンの溝とリブの経路が周期的曲線を辿らず、波動関数にも対応しないことは図6から明らかである。
本発明のタンポンには、任意により、表面に一つまたは複数のマークを設けることができる。インクを使用してプリントする手段、または刻印による手段を含め、任意の手段によってマークを付すことができる。マークは、英数字、グラフィック図、模様、および/または写真図を含むあらゆる図形を含みうる。マークは、例えば、有効期限、吸収能力、使用説明書、注意事項などの情報であってもよい。タンポンに情報を記す場合、タンポンは情報輸送体である。マークはまた、広告であってよい。マークによって使用者または使用者群に製品をアピールすることができる。例えば、マークは、美的外観および/またはライフスタイルの関連性によってアピールするように設計した一つまたは複数のイメージ、パターン、グラフィックス、または英数字(例えば、漫画、ロゴなど)を含みうる。
本発明のタンポンは、任意に一色または複数の色彩で色付けることができる。色彩は、上記のようにプリントし、または材料中に浸透させることができる。色彩によって、有効期限、吸収能力、サイズ、または製品に関する他の情報を示すことができる。色彩は、美観および/またはライフスタイル関連によって、使用者群の心にアピールするように設計することができる。
タンポンに、指標となる色彩を変化させることができる化学的指標を付与することは本発明の別の態様である。そのような指標によって例えば健康状態を示すことができるであろう。化学的指標は、異常を示すために、体液中の一種または複数の作用物質と反応しうる。例えば、対象が、貧血(鉄/ヘモグロビン密度の検出による)、糖尿病(グルコースの検出による)などの疾患に罹患し、または性行為感染症(例えば、淋病、梅毒、A型、B型、またはC型肝炎、ヘルペス、HIV、クラミジアに対する抗原を検出することによる)などの存在に悩まされている場合に、化学的指標は色彩が変化するであろう。指標はまた、月経周期の期間(ホルモンの検出による)に従って色彩変化しうる。
さらに、本発明は、本発明のタンポンを製造する方法にも関与する。基本的に円筒状のタンポンブランクを形成するために、液体を吸収し、かつ/または保持できる受容可能な吸収力および弾性率特性を有する吸収材の条片をそれ自体に巻き上げる。
好ましい実施形態では、基本的に円筒状ブランクは、被膜によって少なくとも部分的に覆われている。被膜は、タンポン挿入端を形成する部分には施さないのが好ましい。タンポンの吸収能力および膨張能力を改善するために、前記被膜は、伸縮性かつ/または弾性の液体透過性被膜であることが好ましい。
タンポンには、当技術分野で公知の任意の技術に従って引出し紐を設けることができる。
本発明によるタンポンは、例えば、欧州特許出願、出願番号第03447303.3号に記載されているものなど、プレス区域または歯車の歯を備えたプレスジョーを具備するプレス装置を使用する工程によって容易に、迅速に製造することができる。本明細書では、タンポンブランクはそのようなプレス装置によってプレスされる。タンポンのリブを形成するために、方法は、タンポンブランクの外側円周表面を圧縮して、縦溝と繊維コアを形成するステップを含む。好ましくは、圧縮程度が高い繊維コアから、圧縮程度が低い縦リブが外向きに伸展する。リブの圧縮の程度は、従来技術のタンポンのそれよりも低く、より多くの液体を吸収できるようになる。
その工程は、基本的に、
− プレス区域とプレッシングショルダーを含むプレスジョーを具備するプレス内に、基本的に円筒状の吸収材ブランクを挿入するステップ、
− プレス区域が、円筒状ブランクをプレスして溝によって限定されたリブを形成し、プレッシングショルダーが、そのように形成されたリブの円周表面をプレスするように、プレスジョー中で基本的に放射状にタンポンブランクをプレスするステップ、
− そのように形成された予備成形品を射出するステップ、
− 予備成形品の全円周にさらに放射状に圧力をかけ、そしてタンポンを形成するステップ、
を含む。
製造法は、容易かつ迅速であり、材料損失を著しく抑えることができるので費用対効率が高い。
好ましい実施形態では、本発明によるタンポンを製造する方法は、
− 縦軸を有する繊維材のタンポンブランクを設けるステップ、
− タンポンブランクをプレス機で圧縮し、そして、その溝が該傾斜した縦のラインに沿って存在する経路を走らせる縦溝を該タンポン外側円周表面に形成するステップ、ここで該経路は、該傾斜した縦のラインを通過して唯一の変曲点を持つ連続した曲線に相当し、その変曲点はそのラインに関し、一つの山の部分と一つの谷の部分とを定める、および
− 前記プレスされたタンポンをプレス機からタンポン本体の縦の方向に引き出すステップ、
を含む。
より具体的には、好ましい実施形態では、本方法は先に定義した通り、該タンポンブランクは縦溝をタンポン外側円周表面に形成するために圧縮され、その溝は、以下の関数を示す曲線に相当する該経路を、傾斜した縦のラインに沿って、辿らされる。
y=ax
[式中、
mは1ではないあらゆる正の奇数であり、
aは0ではなく、
yは該傾斜した縦のライン(20)に沿う軸、y‐軸の値に相当し、
xは該タンポンの表面に沿う軸、x‐軸の値に相当し、その軸は該傾斜した縦のライン(20)に対して垂直である]
別の好ましい実施形態では、方法は先に定義した通り、前記タンポンの縦の方向(即ち、該傾斜した縦のラインに沿う)の経路であって、双曲線関数または逆双曲線関数を示す曲線の経路を走らせる縦溝をタンポン外側円周表面に形成するために前記タンポンブランクを圧縮する方法である。
詳細には、好ましくは円筒状のタンポンブランクを上記プレス装置に導入する。
例えば上記のようなプレスジョーによって、タンポンブランクを放射状に(radially)に圧縮する。プレスジョーを分離するためにプレス区域とプレッシングショルダーを固定した場合、最初にタンポンブランクをプレス区域でプレスし、続いてプレッシングショルダーでプレスすることができる。あるいは、プレス区域とプレッシングショルダーは、同時にタンポンブランクをプレスすることができる。明らかに後者はプレス区域とプレッシングショルダーを同じプレスジョーに固定した事例である。プレス中、プレス区域とプレッシングショルダーにより同時に一回のプレス操作でタンポンブランクを圧縮するのが好ましい。
プレス区域は、タンポンブランクの、プレッシングショルダーによってプレスされた円周表面の条片よりも細い円周表面の条片をプレスするのが好ましい。さらに好ましくは、プレス区域によってプレスされた条片は等しい長さと幅を有し、プレッシングショルダーによってプレスされた条片も等しい長さと幅を有する。このように、充実繊維コア上に縦溝によって特徴づけられる複数のリブを形成する。プレッシングショルダーは、小直径の基本的な円筒形を得るために、そのように形成されたリブの円周をプレスする。タンポンブランクの記憶効果によって、圧縮タンポン型の形は維持される。
プレス区域とプレッシングショルダーによってプレスされたタンポンブランクは、例えば、図2、3に図示するような予備成形品を形成し、その予備成形品はプレス機から押し出される。この予備成形品を同時に最終成形下流工程にかける。この最終成形工程は、予備成形品の全円周に放射状に圧力をかけるステップを含む。この放射状の圧力は、隣接する縦リブを互いに対してプレスする効果があり、その結果、溝が実質的に閉じ、タンポン円周表面が十分に平滑で柔軟になる。
使用する繊維材の特性に応じて、特に強力な記憶効果を有し横断面が不規則な高膨張性繊維を使用する場合には、繊維の記憶効果を除去することによって、所望する繊維材寸度安定性を得るために、タンポンブランクをプレスジョーの温度でプレスして最終タンポン形にする。その記憶効果は体液と接触すると直ちに再度有効になり、そのようにして、図6に図示すように、可能な限り最も少ない繊維材を使用してタンポンの膨張および吸収速度を増大させる。
上記の目的、目標、および利点を十分に満たすタンポンが本発明によって得られることは明らかである。本発明は、その具体的実施形態と併せて記載されているが、当業者には上記に照らして多くの代替法、変更、および/または変形が明らかなことは明白である。従って、そのような代替法、変更、および変形は全て包含されるものとする。
図1Aは、本発明によるタンポンの概略図である。図中、仮想上の、傾斜した縦のラインに沿って、一つの曲線の溝がある。図1Bはタンポンの先端を前向きにみたものを示し、そして該角度は、該傾斜した縦のラインの該遠位及び近位末端の間に適合されている。 本発明によるタンポンの実施形態を示す概略図である。図中、複数の溝と複数のリブは、タンポン本体縦の方向のそれらの曲線の経路を分かり易く図示するために強調されている。 図2と同じ。 タンポンの縦の(軸)方向Yにある、従来技術のタンポンの複数の溝と複数のリブの周期的経路を表す図である。 タンポンの該傾斜した縦の(軸)方向yにある、本発明によるタンポンの経路と、それに続く複数の溝と複数のリブを表す図である。 A〜Cは、それぞれ、4、6、および8本の溝を有する、本発明によるタンポンの様々な実施形態を表す図である。 A〜Cは、それぞれ、該傾斜した縦のライン(20)に沿う、xの双曲線正弦、xの双曲線正接、およびxの逆双曲線正接に相当する関数を表す図である。
符号の説明
1 タンポン
2 タンポン本体
3 リブ
4 溝
5 挿入端
6 連続曲線
7 正弦曲線の経路
8 プレス機からタンポンを外す方向
9 最大摩擦を受ける領域
10 引出し端
11 山の部分
12 谷の部分
13 変曲点
14 第1の点
15 第2の点
20 直線
24 x‐軸
22 近位端
23 遠位端

Claims (24)

  1. 圧縮された状態で長さLおよび幅Wの縦長本体を有する婦人衛生用タンポンであって、前記タンポンは、基本的に圧縮吸収性繊維材からなり、縦リブ3によって互いに分離された縦溝4が外側円周表面に設けられ、前記タンポンの傾斜した縦のラインに沿って、溝及び/又はリブの経路があり、該経路は、該傾斜した縦のラインを通過して唯一の変曲点13を持つ連続した曲線に相当し、その変曲点はそのラインに関し、一つの山の部分11と一つの谷の部分とを定めることを特徴とするタンポン。
  2. 前記変曲点が、前記タンポン縦長本体の中央部、好ましくは前記タンポン縦長本体領域の中央50%を包含する領域に実質的に位置し、さらにそのタンポンの長さL/2にある仮想横断線付近に位置するのがより好ましい、請求項1に記載のタンポン。
  3. 前記曲線が前記変曲点に関して点対称である、請求項1または2に記載のタンポン。
  4. 前記曲線が、第1次導関数がゼロに等しい点を有しない、請求項1〜3のいずれかに記載のタンポン。
  5. 前記タンポンの縦の方向の複数の溝及び/又は複数のリブの経路が、以下の関数を示す曲線に相当する、請求項1〜4のいずれかに記載のタンポン。
    y=ax
    [式中、
    mは1ではないあらゆる正の奇数であり、
    aは0ではなく、
    yは該傾斜した縦のライン(20)に沿う軸、y‐軸の値に相当し、
    xは該タンポンの表面に沿う軸、x‐軸の値に相当し、その軸は該傾斜した縦のライン(20)に対して垂直である。]
  6. 前記タンポンの長さ方向の複数の溝及び/又は複数のリブの経路が、関数y=xを示す曲線に相当する、請求項1〜5のいずれかに記載のタンポン。
  7. 前記タンポンの長さ方向の複数の溝及び/又は複数のリブの経路が、双曲線関数または逆双曲線関数に相当する、請求項1〜4のいずれかに記載のタンポン。
  8. 前記関数が、以下の関数:
    y=sinh(x)、または
    y=tanh(x)、または
    y=artanh(x)
    [式中、
    yは該傾斜した縦のライン(20)に沿う軸、y‐軸の値に相当し、
    xは該タンポンの表面に沿う軸、x‐軸の値に相当し、その軸は該傾斜した縦のライン(20)に対して垂直である。]
    のいずれかに相当する、請求項7に記載のタンポン。
  9. xが−W/2と+W/2の間に含まれることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のタンポン。
  10. yが−L/2と+L/2の間に含まれることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のタンポン。
  11. 本質的に円筒形であり、3〜12本の縦溝が設けられている、請求項1〜10のいずれかに記載のタンポン。
  12. 前記タンポンにドーム型挿入端が設けられている、請求項1〜11のいずれかに記載のタンポン。
  13. 前記タンポンに収縮引出し端が設けられている、請求項1〜12のいずれかに記載のタンポン。
  14. 前記引出し端に指用凹部が設けられている、請求項1〜13のいずれかに記載のタンポン。
  15. 前記引出し端から伸展する引出し紐を有する、請求項1〜14のいずれかに記載のタンポン。
  16. 非常に圧縮された繊維材の繊維コアと、外向き放射状に伸展し前記縦溝によって特徴づけられる縦リブを設けた外側円周表面とを有する、請求項1〜15のいずれかに記載のタンポン。
  17. 前記縦リブが、該繊維コアと比較して少なくとも部分的に余り圧縮されていない、請求項1〜16のいずれかに記載のタンポン。
  18. 該表面に一つまたは複数のマークを設けた、請求項1〜17のいずれかに記載のタンポン。
  19. − 縦軸を有する繊維材のタンポンブランクを設けるステップ、
    − タンポンブランクをプレス機で圧縮し、そして、その溝が該傾斜した縦のラインに沿って存在する経路を走らせる縦溝を該タンポン外側円周表面に形成するステップ、ここで該経路は、該傾斜した縦のラインを通過して唯一の変曲点を持つ連続した曲線に相当し、その変曲点はそのラインに関し、一つの山の部分と一つの谷の部分とを定める、および
    − 前記プレスされたタンポンをプレス機からタンポン本体の縦の方向に引き出すステップ
    を含む、請求項1〜18のいずれかに記載のタンポンを生成する方法。
  20. 前記タンポンの縦の方向の経路として、以下の関数を示す曲線の経路を走らせる縦溝をタンポン外側円周表面に形成するために、前記タンポンブランクを圧縮する、請求項19に記載の方法。
    y=ax
    [式中、
    mは1ではないあらゆる正の奇数であり、
    aは0ではなく、
    yは該傾斜した縦のライン(20)に沿う軸、y‐軸の値に相当し、
    xは該タンポンの表面に沿う軸、x‐軸の値に相当し、その軸は該傾斜した縦のライン(20)に対して垂直である]
  21. 前記タンポンの縦の方向の経路として、双曲線関数または逆双曲線関数を示す曲線の、該傾斜した縦のラインに沿う該経路を走らせる縦溝をタンポン外側円周表面に形成するために前記タンポンブランクを圧縮する、請求項19に記載の方法。
  22. 吸収性繊維材を放射状にプレスすることによって請求項1〜18のいずれかに記載のタンポンを製造するのに好適なプレス機であって、吸収材を放射状にプレスするためのプレス区域とプレッシングショルダーとを含むプレスジョーを具備するプレス機。
  23. 当該傾斜した縦のラインは、1〜90度(degrees)の間の該オフセット(軸をはずした設置)のある角度に適合させる請求項1〜22のいづれか1のタンポン又は方法。
  24. アプリケータ内に提供される、請求項1〜18のいずれかに記載のタンポン。
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