JP2009524045A - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ Download PDF

Info

Publication number
JP2009524045A
JP2009524045A JP2008551230A JP2008551230A JP2009524045A JP 2009524045 A JP2009524045 A JP 2009524045A JP 2008551230 A JP2008551230 A JP 2008551230A JP 2008551230 A JP2008551230 A JP 2008551230A JP 2009524045 A JP2009524045 A JP 2009524045A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensing
electrode
biomolecule
biosensor
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008551230A
Other languages
English (en)
Inventor
シャン トン チェン,
ミン ビン ユー,
ハン フア フェン,
グオ キャング ロ,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Agency for Science Technology and Research Singapore
Original Assignee
Agency for Science Technology and Research Singapore
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency for Science Technology and Research Singapore filed Critical Agency for Science Technology and Research Singapore
Publication of JP2009524045A publication Critical patent/JP2009524045A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54366Apparatus specially adapted for solid-phase testing
    • G01N33/54373Apparatus specially adapted for solid-phase testing involving physiochemical end-point determination, e.g. wave-guides, FETS, gratings
    • G01N33/5438Electrodes
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/483Physical analysis of biological material
    • G01N33/487Physical analysis of biological material of liquid biological material
    • G01N33/48707Physical analysis of biological material of liquid biological material by electrical means
    • G01N33/48728Investigating individual cells, e.g. by patch clamp, voltage clamp
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/49117Conductor or circuit manufacturing

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

埋設された電子感知素子を有する基板(101)を備え、埋設された電子感知素子の上に基板面(124)がある、バイオセンサを実現し、構造化された最上層(125)は基板面(124)を覆い、基板面(124)の上に上面を有し、少なくとも1つの刺激及び/又は感知電極(116)並びに上面(125)と基板面(124)との間に配列されたチャネル(121)を介した吸引を使って生体分子を保持するための前記チャネル(121)を備え、感知電極(116)は電子感知素子に電気的に結合され、試料液中に存在する生体分子を置けるように上面(125)が設けられ、生体分子内の電気的変動及び生体分子の存在を感知するための感知電極(116)が備えられる。
【選択図】 図2J

Description

発明の分野
[001]本発明は、一般に、生体分子電子回路に関するものであり、より具体的には、生体細胞などの生体分子の検出に使用されるバイオセンサに関するものである。
発明の背景
[002]過去数十年にわたり、一連の法的遺伝毒性試験を実施できる効率的で信頼性の高い臨床前医薬品発見方法の必要性が高まってきているため、細胞内のイオンチャネル活性の並行及び自動監視を行うことができるバイオセンサの開発に向かって研究取り組みが拡大してきている。現在使用されているさまざまなタイプのバイオセンサの中でも、近年は、細胞及び組織ベースの試験を行う非侵襲的バイオセンサの開発が急速に進んでいる。
[003]非侵襲的バイオセンサは、細胞(又は細胞ネットワーク)の活動電位が細胞膜内のイオンチャネルを流れるイオン電流に対応するという原理に基づいて動作する。イオン電流は、細胞膜内に配置されている受容体及びチャネルタンパク質によりゲートされる、つまり制御されることが広く受け入れられている。これらのタンパク質は、次いで、受容タンパク質に結合することができ、その結果細胞膜内のイオンチャネルの開放をトリガし、ナトリウムイオン及び塩素イオンなどのイオンを流れるようにできる分子により制御される。これらのイオン電流は、大きさは小さいけれども、電界効果トランジスタ(FET)ベースの非侵襲的バイオセンサにより正確に測定できる。
[004]これらのイオンチャネルの挙動、特にそのゲーティング特性を調べるために、さまざまな方法を使用し、細胞バイオセンサを使って細胞で発生するイオン電流を連続的に監視しながら、受容体及びチャネルタンパク質の特性を刺激するか、又は受容体及びチャネルタンパク質の特性を変調することができる。これらの方法は、例えば、膜貫通電圧変調、チャネルの細胞内及び/又は細胞外側に作用するリガンド(リガンド依存性イオンチャネル)、機械的変形(機械刺激依存性イオンチャネル)、又はそれらの組み合わせを含む。
[005]非侵襲的FETベースのバイオセンサは、例えば、米国特許第6,570,196B1号、及び第6,602,399B1号で説明されており、そこでは、ニューロンからのイオン信号と半導体センサ内の電子信号とを直接結合することができるデバイスについて説明している。このデバイス及び方法は、医薬品業界における基本的な神経生物学的研究からハイスループットスクリーニング用途に至るまで広範な使用分野を開く。他の実施例では、F.Peterら(Physical Review Letters、第76巻、327ページ、1996年)は、パッチクランプデバイスにより神経細胞にAC電圧が印加され、その結果得られた信号がFETベースのセンサにより記録された実験を説明している。
[006]しかし、これらのデバイスにおける電子機器による神経網の監視では、センサ上に神経細胞を正確に配置する必要がある。このような配列を実装する際に遭遇する問題は、試料と電極アセンブリとの間に良好な物理的相互作用(したがって、安定した電気的接続)を確立することである。良好な試料−電極間相互作用を実現しようとする際の問題に関わる要因の1つは、そのような細胞の運動性と構造的柔軟性である。生体内条件の下で、神経細胞は、例えば、成長中に、さまざまな形態の学習及び記憶過程に関して、その形態と接続性を変化させる。その結果、細胞と電極アセンブリとの間の電気的相互作用が常時変化することになる。そのような問題は、大規模な、高い試験スループットを得ようとデバイスをスケールアップするときにより深刻なものとなる。
[007]同様に、培養神経細胞は、試験デバイスの表面上に一定の位置を保持することは滅多にない。細胞の位置ずれについては、例えば、M.Jenkner、B.Muller、及びP.FromherzらのBiol.Cybern.、第84巻、239ページ、2001年で説明されており、そこでは、神経細胞が突出しながら成長して神経細胞体の位置をずらすことについて説明されている。神経細胞のこのような運動性のせいで、神経細胞体は電極面に関して連続的トランスロケーションを生じることになり、その結果、センサの感度及び記録された電位の正確さが影響を受ける。この問題に加えて、培養神経細胞の大部分は、感知デバイスと確実な物理的接触を形成しないことがしばしばあり、そのため、表面電極との機能的接触が確立されない。
[008]これらの問題を解決するために、いくつかの試みがなされている。国際公開第2004/109282A1号パンフレットでは、食作用と呼ばれる生物学的現象を利用して、電極として機能する生体細胞を突出金属マイクロネイルの構造に固定することを説明している。食作用は、生体細胞の原形質膜が粒子の周りに広がり、それにより、粒子を包み込む活動依存過程である。粒子が生体細胞内に「沈む」と、粒子は生体細胞内に取り込まれて吸収される。しかし、この固定が行われるためには、生体細胞は、少なくとも1つのマイクロネイルの頭を包み込んで緊密な物理的接触を形成する必要がある。このような現象の発生には、いくらかの統計的な可能性しかなく、したがって、このような現象は、細胞を監視する目的に関して十分に信頼性が高いといえないことがすでに報告されている。
[009]G.Zeck及びP.Fromherz(Proc.Nat.Acad,Sci.USA、第98巻、10,457〜10,462ページ、2001年)は、初期位置から離れてゆくのを防ぐために神経細胞の周りに立てたポリマーの柱の形の機械的「フェンス」を設けることにより細胞の位置ずれという問題を解決しようと試みた。実験設定では、少数の大型神経細胞について、このような配列が細胞の位置ずれを低減できることが報告された。しかし、現実実務では、マルチトランジスタアレイにおいて、マイクロスケールの柱内に手作業で個々の神経細胞を入れるのは実用的ではない。操作の速度が重要な大規模アプリケーションでは、神経細胞を自動的に位置決めし、神経細胞のトランスロケーションを減らすように電子デバイスを設計することが重要である。
[010]Eversmannら(IEEE Journal of Solid−State Circuits、第38巻、第12号、2003年12月)は、 神経活動を撮像するためにCMOSチップを使用するセンサアレイを開示している。感知電極は、好適な生体適合誘電体層で覆われ、標準CMOSプロセスで加工されたMOSFETのポリシリコンゲートに接続される。誘電体層は、TiO及びZrOの交互に並ぶ層からなる複合体を含む。試験される細胞試料は、誘電体層上で直接培養される。しかし、細胞試料を固定化するために、センサ上に専用の構造が設けられることはない。
[011]上記のデバイスの欠点は、他の隣接する細胞に影響を与えることなく個別の生体細胞上で薬物の薬学的スクリーニングを実行するのが困難である点である。そうするには、受容体系を含む生体細胞に試験製剤原料を接触させ、細胞受容体系上のエフェクターとしての薬物の機能を調べるために、ピペットパッチクランプが必要である。このような配列は、実験機器を手動で操作するためにかなりの設置労力と高い技能を有するオペレータを必要とし、また故障率も高い。例えば、F.Peter(上記)において開示されているデバイスでは、細胞を位置決めし、安定させることだけでなく、パッチクランプデバイスによりAC電圧を細胞に印加することでも難題に直面する。
[012]したがって、本発明の目的は、従来技術のデバイスの上述の欠点のうちのいくつかを経済的に、また有利に回避するか、又は減らす代替えバイオセンサを実現することである。
発明の概要
[013]本発明の第1の態様によれば、生体分子の状態が変化することで生じる電気的変動を感知するための、埋設された電子感知素子を有する基板を備えるバイオセンサが実現される。この基板は、埋設された電子感知素子の上に配置された基板面を有する。構造化された最上層は、基板面を覆うように配列される。構造化された最上層は、試料液中に存在する生体分子が置かれる感知領域を設けた上面を有する。電子感知素子に電気的に結合された感知電極は、感知領域に露出している表面の少なくとも一部を有するように配列される。少なくとも1つのチャネルは、吸引力を使用し、生体分子と感知電極との間の物理的接触を確実にすることにより、生体分子を固定化するように適合された、構造化された最上層内に配列される。
[014]本発明の第2の態様によれば、バイオセンサを形成する方法は、生体分子の状態の変化により生じる電気的変動を感知するための電子感知素子を中に埋め込んだ基板、及び埋設された電子感知素子の上に配置されている基板面を形成するステップと、基板面の上に配置された上面を有する構造化された最上層で基板面を覆うステップと、構造化された最上層内に、又は構造化された最上層の上に感知電極を形成するステップと、感知電極を電子感知素子に電気的に結合するステップと、試料液中に存在する生体分子を置けるように上面を適合させるステップと、構造化された最上層内に、吸引力により生体分子を固定化するように適合された少なくとも1つのチャネルを形成するステップとを含む。
[015]本発明の第3の態様によれば、生体分子の状態を分析する方法が実現され、この方法は、本発明のバイオセンサの感知電極を生体分子と接触させるステップと、生体分子の第1の状態に関連する第1の電気信号を測定するステップと、生体分子を、その生体分子の状態を変化させることができると思われる条件に曝すステップと、前記条件に曝された後に生体分子の状態に関連する第2の電気信号を測定するステップとを含む。
[016]本発明のバイオセンサは、単一基板内に、FETベースの感知デバイス、及びCMOS互換プロセスを使用して従来の平面パッチクランプの機能を実行する必要な構造を組み込む。この組み込みにより、従来のパッチクランプ電極とFETトランジスタの両方による同時測定、及び順次測定を生体分子に対し実行し、これにより、医薬用原料のスクリーニングだけでなく細胞試料の機能的特性に関する測定などの感知アプリケーションを実行するのに要する時間を短縮することができる。それに加えて、加工にCMOS互換プロセスを使用することにより、小型化が容易になり、他の有用な機能を備える複数の補助構造を簡単に取り入れることができる。本発明によるバイオセンサの利点の1つは、感知電極上に生体分子試験試料を固定化するのが容易であるという点である。本発明の吸い込みチャネルでは、感知電極及びパッチクランプ電極において生体分子を自動的に位置決めし、安定させることができ、そのため、生体分子と細胞外平面電位感応電極及び/又はパッチクランプ電極との間の予測可能な相互作用を実現できる。電位感応電極、及びしたがって、パッチクランプ電極は、測定のために同時に、又は順次使用することができ、したがって、生体分子を固定化し、刺激し、特徴付けるために従来技術で説明されている複雑な手順が不要になる。
[017]このような文脈において、「生体分子」という用語は、細胞塊、多細胞生物及び構造、単細胞及び細胞下構造を含む組織フラグメントを含む生物由来物質を指す。この用語は、さらに、「生体分子体」などの他の相当する用語と置き換えても使用される。本発明が適用されうる細胞は、一般に、電位感受性であるタイプの細胞又は真核細胞と原核細胞の両方を含む、電位の変化を受けうる細胞を含む。真核細胞の例は、植物細胞と動物細胞の両方を含む。いくつかの動物細胞の例は、星状細胞、乏突起膠細胞、シュワン細胞などの神経系内の細胞、コリン作動性神経細胞、アドレナリン作動性神経細胞、及びペプチド作動性神経細胞などの自律神経細胞、嗅細胞、聴細胞、光受容細胞などの感覚変換器細胞、ソマトトロピン産生細胞、プロラクチン産生細胞、甲状腺刺激ホルモン産生細胞、下垂体前葉からの性腺刺激ホルモン産生細胞及び副腎皮質刺激ホルモン産生細胞、甲状腺細胞、及び副腎細胞などのホルモン分泌細胞、乳腺細胞、涙腺細胞、耳道腺細胞、エクリン汗腺細胞、及び脂腺細胞などの内分泌上皮細胞、及び骨芽細胞、線維芽細胞、割球、肝細胞、神経細胞、卵母細胞、赤血球、リンパ球、又は単球などの血球、筋細胞、胚幹細胞などの筋肉細胞を含む他の細胞を含む。真核細胞の他の例は、酵母細胞及び原虫を含む。植物細胞の例は、分裂組織細胞、柔細胞、厚角細胞、及び厚壁細胞を含む。本発明において適用すべき原核細胞は、例えば、古細菌細胞及び細菌体を含む。それに加えて、生体分子という用語は、細胞核、核小体、小胞体、中心体、細胞骨格、ゴルジ体、ミトコンドリア、リソソーム、ペルオキシソーム、液胞、細胞膜、サイトゾル、細胞壁、葉緑体、並びにそのフラグメント、派生物、及び混合物などの細胞下(細胞内)構造などの他の種類の生物由来物質を包含する。
[018]バイオセンサの設計に対する以下のコメントは、バイオセンサを形成する方法について対応する形において有効である。
[019]本発明によれば、試験すべき生体分子を固定化するためチャネルが設けられる。このチャネルは、構造化された最上層内に形成され、これは従来の加工技術を使用して加工できる好適な物質を含むことができる。好ましくは、構造化された最上層は、従来のCMOS処理の影響を受けやすい、したがってさまざまな構造を中に形成できる物質を含む。この構造化された最上層は、基板面の上に形成され、試料液が置かれる感知領域を設けた上面を有する。
[020]好ましい一実施形態では、上面に配置された少なくとも2つの開口部内で終端するチャネルが設けられ、このチャネルは構造化された最上層内に配列されるか、又は好ましくは構造化された最上層内に実質的に埋め込まれ、これら2つの開口部のうちの第1の開口部は感知電極の近く若しくは近接して配置され、これらの開口部のうちの第2の開口部は第1の開口部から隔てられている。感知電極は、その表面の少なくとも一部が感知領域に露出されるように配列される、つまり、いくつかの実施形態では、感知電極は、構造化された最上層の上面と基板面との間に配列されるか、又は構造化された最上層の上面上に配列されうるということである。電極が構造化された最上層の上面に配列された場合、電極と接触している溶液又は液体の電気化学特性の測定を行うことができ、これにより、本発明を、例えば、電気化学センサとして使用することができる。生体分子は、チャネル内の吸引を使って第1の開口部上に固定化することができ、前記吸引は第1の開口部を通して実行され、これにより、チャネル内に低い圧力を発生させ、その結果、試料液を第1の開口部内に、次いでチャネル内に移動させることができる。この吸引力は、試験される試料生体分子を第1の開口部へ向けて移動し、最終的に第1の開口部を塞ぎ、これにより、開口部上で固定化する。生体分子が置かれる試料液は、食塩液、蒸留水、又は場合によっては、生体細胞を生かし続けるために必要な栄養溶液を含むことができる。
[021]試料中の電気的変動を感知する電子感知素子が、基板内に埋め込まれる。基板は、電子感知素子に配線をつなぐため所望の回路に応じて、単一の層又は複数の層を備えることができる。また、これは、補助電気的コンポーネントが基板内に含まれるかどうかにも依存する。一実施形態では、基板は、半導体層、第1の電気的絶縁層、第2の電気的絶縁層、及び第3の電気的絶縁層を含む連続的に形成された層列を備える。感知電極接続部は、電気的絶縁スクリーニング電極により囲まれるようにでき、スクリーニング電極は、グラウンドに接続され、スクリーニング電極は、第3の電気的絶縁層内に形成される。電子感知素子は、さらに、半導体層及び第1の電気的絶縁層と重なり合うように形成されうる。
[022]電子感知素子は、感知電極の近く、又は感知電極上の領域の電気的特性の微細な変化を感知することができる電子デバイスを備えることができる。一実施形態によれば、電子感知素子は、ゲート領域を有する電界効果トランジスタ(FET)である。生体分子と電界効果トランジスタとの間に電気的接続を確立するために、感知電極が、好適な接続手段を介して電界効果トランジスタのゲート領域に電気的に接続される。基板内の電界効果トランジスタの埋設位置に応じて、接続構造を使用して感知電極をゲート領域に物理的に接続し、それにより、感知電極と電界効果トランジスタとの間の電気的接続を確立することができる。例えば、感知電極は、感知電極接続部を介して電界効果トランジスタのゲート領域に電気的に接続されうる。
[023]測定が主に感知素子を使用して実行されうる場合、感知機能を実行するための他の補助コンポーネントをデバイスに組み込むとよい。一実施形態では、パッチクランプ電極が、第1の開口部の隣に配置されたチャネル内に設けられ、外部アクセス可能基準電極が、構造化された最上層の上面、又は感知室内の他の位置に設けられる。これら2つの電極は、チャネルに至る第1のアパーチャ上に位置決めされている細胞膜上の電流を測定するために、外部計測器に接続されるか、又は半導体層内に含まれる回路と一体化されうる。試料生体分子、例えば細胞を第1のアパーチャ上に位置決めし、チャネルを介して細胞の表面に好適な吸引力を加えることにより、チャネルを従来のパッチクランプマイクロピペットとして機能させることができる。加えられる吸引力は、細胞膜に孔があく程の十分な大きさとすることができる。これ以降、細胞に対する測定は、感知素子又はパッチクランプ電極/基準電極を使用して実行されるか、又は両方とも、測定結果を同時に得るために同時に使用されうる。
[024]従来のパッチクランプ機能を備えるのとは別に、パッチクランプ電極及び基準電極も、いくつかの他の機能に使用される。最初に、細胞がアパーチャ上に位置するか、又は適切に封止するかを検出する。アパーチャ上の細胞位置の前に、電解質溶液が導電性であるため、パッチクランプ電極と基準電極との間の抵抗は低い。細胞がアパーチャ上に独りでに位置するか、又は封止する場合、抵抗は増大する。適切に封止されている場合、抵抗は1ギガΩ以上の範囲内と高く、したがってパッチクランプ試験は、うまく確実に実行されうる。電極の第2の機能は、アパーチャの周りに非一様な電界を発生し、電気泳動効果により細胞がアパーチャに流れるのを助ける。第3に、これらの電極は、膜透過イオンチャネル又はイオンチャネル型受容体の電気的特性を特徴付ける(例えば、電圧固定法により)。例えば、細胞の膜が、破裂した後、パッチクランプ電極及び基準電極によりそれぞれの1つ又は複数のイオンチャネルを含む膜に電位差が印加され、同時に、この電位差を維持するために必要な電流が分析される。このようにして、さまざま試験刺激に応答して生じる膜透過イオンチャネルの電気的特性の変化が測定されうる。
[025]感知電極は、規則正しい中実の楕円形又は中実の四角形、特に中実の円形又は中実の正方形などの好適な形状を取りうる。それとは別に、感知電極は、規則正しいリング(円環)形状を取ることができ、加えられる吸引力が通る第1の開口部は、リング形状の感知電極内に配置される。そのような形状を有する電極は、リング電極とも呼ばれる。また、試験すべき生体分子との十分な接触を実現できる限り、不規則な形状を使用することも可能である。統一された形状である、つまり単一の素子を備える感知電極とは別に、考えられている他の代替え手段は、チャネルの第1の開口部の周りに配列された複数の個別感知電極素子を備える1つの感知電極を含む。感知電極素子は、適している形状であればどのような形状でもよい。生体分子とこの代替え手段の感知電極との間の接触の可能性を高めるために、チャネルの第1の開口部の周りに4つ又はそれ以上電極素子を配列するとよい。
[026]他の実施形態では、感知電極に加えて、試料生体分子を電気的に刺激するためにチャネルの開口部の近くに刺激電極が備えられる。刺激電極が存在しない場合、試料生体分子に電気的刺激を加えるために、もし存在すればパッチ電極を使用することもできる。いずれの場合も、電気的刺激に対する個別生体分子の応答は、感知電極により検出され、同時に記録されうる。
[027]電子感知素子は、外部回路又は基板内に組み込まれている回路に電気的に接続できる。電気的な接続を確立するために、一実施形態による第2の電気的絶縁層内に形成されたトラック導体にその電子感知素子を接続するとよい。他の実施形態では、感知電極は、第3の電気的絶縁層内に配列されている感知電極接続部を介して電子感知素子に電気的に結合されうる。感知電極と基板との間に、電子感知素子により得られた信号を増大するための増幅回路などの補助電気コンポーネントを入れることができる。
[028]一実施形態では、補助電気コンポーネントは、グラウンドに接続されているスクリーニング電極を備える。グラウンドに接続されているスクリーン電極の目的は、位置決め時に、又はパッチクランプ試験の際に、又は細胞を刺激するときに、基板内の感知回路、刺激回路、及び増幅回路に由来する、特に半導体層内のノイズ信号をスクリーニングすることである。電子感知素子が電界効果トランジスタ(FET)である場合、FETのソース領域及びドレイン領域は、両方とも、半導体層内に配列され、トラック導体に接続される。さらに、FETのゲート領域は、感知電極接続部を介して感知電極に電気的に接続される。望ましくないショートを防ぐために、基板の層の大部分は、ソース及びドレイン領域だけでなく増幅回路、記録回路などの必要な回路を形成するために使用される半導体層を除き、電気的絶縁材料で作られる。ゲート領域は、好ましくは、第1の電気的絶縁層の一部によりチャネル領域から電気的に絶縁される。
[029]他の実施形態では、構造化された層の上面の一部をなす感知電極の表面を含む、構造化された最上層の上面は、生体適合層で覆われる。感知電極及び/又は構造化された最上層の上面上への生体分子の付着を改善する必要がある場合、この生体適合層を設けるとよい。それに加えて、このような生体適合層は、生体分子が接触する層から有毒物質などの汚染物質を吸収するのを防ぐ。使用できる生体適合層の例として、コラーゲン(I型、III型、又はV型)、キトサン、ヘパリン、さらには、フィブロネクチン、デコリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、及び増殖因子(TGFβ、bFGFなど)が挙げられる。
[030]生体適合性材料は、典型的には電気的に絶縁性を有するので、この生体適合層は、好ましくは、感知電極の感度が影響を受けないように、つまり、それでも生体分子により引き起こされる電位を検出できるように十分に薄いものとする。感知電極は、感知され分析される生体分子と直接的導電性接触をするか、又は生体適合層を介して感知され分析される生体分子に容量結合されうる。必要ならば、追加の電気的絶縁層を上面と生体分子との間に設けることもできる。
[031]一実施形態では、バイオセンサの上面に、室壁が設けられる。室壁は、少なくとも1つの感知室を定めるように、又は大規模アプリケーションの場合には、試験される試料が置かれる複数の感知室を定めるように配列されうる。一実施形態では、チャネルの第1の開口部が、少なくとも1つの感知室の内側に形成され、チャネルの2つの開口部のうちの第2の開口部が、少なくとも1つの感知室の外側に形成される。
[032]本発明の好ましい一実施形態では、室壁は、感知室に加えて、チャネルの第2の開口部が形成される少なくとも1つの流体制御室を定めるように配列される。この実施形態では、流体制御室は、感知室から排出又は放出された流体を保持するために使用される。例えば、生体分子が試料液中に含まれ、感知室内に置かれる場合、試料液は吸引でチャネルを通り感知室から流体制御室に引き込まれるようにできる。この結果、生体分子は開口部に向かって引かれ、最終的に、開口部の上に位置し、開口部を塞ぐ形になり、これにより、上で説明されているように開口部のところで固定化される。
[033]本発明の第2の態様によれば、本発明のバイオセンサを形成する方法が実現される。この方法は、埋設された電子感知素子を有する基板を備えるステップと、基板面を構造最上層により覆うステップと、構造化された最上層内、又はその上に、感知電極及び試料生体分子を固定化するためのチャネルを形成するステップと、感知電極を電子感知素子に電気的に結合するステップと、生体分子が置かれるように上面を適合させるステップとを含む。本発明のこの方法により得られる利点は、機械加工装置を使用することなく構造化された最上層内に横方向チャネルを形成できるという点である。
[034]一実施形態では、本発明の方法は、以下で詳しく説明されるウェットエッチング、化学機械研磨、及び材料蒸着を含む、従来のCMOS加工技術の系統的組み合わせを使用する。チャネルは、上面で終端する少なくとも2つの開口部を有する、構造化された層内に形成され、チャネルは構造化された最上層内に実質的に埋め込まれ、2つの開口部のうちの第1の開口部(好ましくは、試験される生体分子よりも実質的に小さくなければならない範囲内にある、約0.3〜5μmから約10μmまでの範囲を有する)は感知電極の隣に配列される。チャネルの機能は、吸引を通じて感知電極の上に置かれている生体分子の位置を油圧で制御することである。試料液をチャネルに通して排出すると、第1の開口部に吸引力が発生する。この吸引力を使用して、生体分子を感知電極の上の適所に保持する。
[035]チャネルは、膜蒸着、フォトリソグラフィ、乾式エッチング、CMP、及びウェットエッチングなどの従来のCMOSバックエンドプロセスにより形成されうる。チャネル用の犠牲材料と周囲材料の最適な組み合わせを選択し、ウェットエッチングプロセスの実行中及び実行後に周囲材料が損なわれないようにしながらウェットエッチングプロセスにより犠牲材料を取り除けるようにすることが重要である。
[036]本発明の第3の態様は、本発明のバイオセンサの特定の用途に関係する。一般に、本発明のバイオセンサは、生体分子の電気生理学的評価を伴うアプリケーションにおいて使用されうる。このようなアプリケーションは、典型的には、評価される生体分子とトランジスタなどの電子センサとの接触を必要とする。バイオセンサの通常のアプリケーションは、薬物のスクリーニング(例えば、細胞膜内のイオンチャネルに対する化合物活性の電気生理学的な判定について調べる)及び細胞の特性の研究(微小電極電気せん孔法の仕組みに関する研究)を含む。
[037]細胞の研究、例えば、膜分極を特徴付ける、或いは孔形成又は生体分子の状態の変化の発生の検出のため膜貫通閾値電位を決定する研究は、第1及び/又は第2の電気信号を所定の電気信号閾値と比較することにより行うことができる。例えば、第2の電気信号は、変化した状態に対応することが知られている電気信号と比較することができ、それとは別に、第1の電気信号と第2の電気信号との差の形状及び大きさを所定の電気信号閾値と比較することができる。第1の電気信号と第2の電気信号との差の形状及び大きさが所定の電気信号閾値と比べて大きい場合、生体分子が曝される条件は、その状態を変化させることができるものと判定される。
[038]一実施形態では、試験される細胞を、チャネルを通して加えられる吸引力により所定の試験部位に配置し、次いで、生体分子の表面を、吸引力(生体分子を固定化するために使用される吸引力と同じ大きさでも、異なる大きさでもよい)を使って破裂させ、これにより、イオンチャネル又はイオンチャネル型受容体の膜貫通電気的特性を利用することができる。試料に対する電気的測定を実行するために、生体分子上にパッチクランプ電極及び基準電極によりAC電位差が印加され、その表面は、イオンチャネルを含み、それと同時に、その結果得られる、この差を維持するために必要な電流(吸引力が加えられる細胞の領域内に配置された、又は分離された輸送構造を介したイオン移動に由来する)は、FETトランジスタにより測定される。この点に関して、細胞内の輸送構造は、細胞膜内に配置されている構造、つまり、アニオンチャネル、カチオンチャネル、アニオン輸送体、カチオン輸送体、受容タンパク質、及び結合タンパク質のどれかを含む。従来のパッチクランプ技術によれば、上記の測定は、全細胞又は細胞接着法を使用して無傷細胞に対し実行されうる。
[039]上述のアプリケーションを実行する過程において、電子感知デバイスと接触させるために、感知電極の表面に生体分子を固定化することが好ましい。一実施形態では、生体分子をバイオセンサ上に固定化するステップは、バイオセンサの上面で発生する吸引力を使って実行される。吸引力は、生体分子が置かれている感知室内の1つ又は複数の開口部を通して試料液のポンプ駆動吸引により発生させることができ、これらのアパーチャは感知室から試料液を取り出すチャネルに接続されている。
[040]消費されたときにヒト又は動物に対し治療効果を有すると思われている薬物及び薬用食物は、本発明のバイオセンサを使用してスクリーニングすることができる。この目的のために、生体分子の第1の状態に関連する第1の電気信号を測定するステップと、生体分子を、その生体分子の状態を変化させることができると思われるスクリーニング物質に曝すステップと、前記スクリーニング物質に曝された後に生体分子の状態に関連する第2の電気信号を測定するステップとを実行することができる。上記の方法を実行することにより、細胞、特に、細胞内のイオンチャネルの機能特性に対するスクリーニング物質の効果を測定することができる。
[041]バイオセンサを使用して生体分子に対し従来のパッチクランプ測定を実行する場合、パッチクランプ回路に接続されているパッチクランプ電極及び基準電極が両方とも使用され、これにより、電位を制御し、膜上を伝導する電流を測定する。電流又は電位及び刺激に対する応答の変化は、試料液と接触しているバイオセンサの上面に存在する基準電極及びチャネル内の電極により測定できる。生体分子に印加される刺激は、吸引力を使って生体分子の表面を破裂させ、チャネル内の電解質と細胞の内部との間の電気的導通を生じ、それにより、さまざまなイオンチャネル内を流れる全電流又は電圧を、チャネル内に配置されているパッチクランプ電極及びバイオセンサの上面に存在する基準電極により測定することができる。
[042]したがって、本発明は、1)生体分子の位置決めを簡素化し、特に、生体分子の位置を自動的に、また正確に位置決めし、2)生体分子、例えば、電界効果トランジスタ(FET)などの電子デバイスの表面上の神経細胞の位置ずれ問題を、所定の細胞外平面電位感応電極のところで生体分子を安定させることにより解決し、3)上述の生体分子に対する試験物質を容易にスクリーニングするための装置及び方法を実現する。いくつかの実施形態では、本発明を使用することで、複数の生体分子体を同時にスクリーニングすることができる。
[043]本発明は、生体分子の位置決め及び電気的分析に使用されうる。本明細書で使用されているように、生体分子を位置決めするステップは、一般に、典型的にはその後の分析のために、システム内の所定の位置に生体分子を配置するか、又は置くステップを含む。本明細書で使用されているように、生体分子を分析するステップは、一般に、生体分子の存在及び生体分子内の活動を検出するステップを含むが、その一方で、これは、典型的には少なくとも一部は生体分子の電気的特性に関して所定の位置に位置決めされる。
[044]本発明のさまざまな態様は、以下の説明、図面、及び限定されない実施例を考慮してさらに完全に理解される。
[045]本発明を理解するために、また本発明をどのように実用できるかを示すために、付属の図面を参照しつつ、限定されない実施例のみを使って好ましい実施形態を説明することにする。
詳細な説明
[053]本発明の第1の実施形態によるバイオセンサ100を通る断面が、図1に示されている。生体分子200、第1の実施形態では、神経細胞などの生体細胞が、分析のためバイオセンサ100上に置かれる。本発明の第1の実施形態によれば、バイオセンサ100は、基板101に埋め込まれている電界効果トランジスタ(FET)106を使って生体分子200の電気的特性を検出する。
[054]基板101は、一連の半導体層102、第1の電気的絶縁層103、第2の電気的絶縁層104、及び第3の電気的絶縁層105を含む層配列である。基板101の層配列は、第3の電気的絶縁層105を封じ込める基板面115で終端する。シリコン(Si)を半導体層102の材料として使用し、また第1、第2、及び第3の電気的絶縁層103、104、105の材料として二酸化ケイ素(SiO)を使用するのが好ましい。しかしながら、他の好適な半導体及び電気的絶縁材料も、それぞれ、基板101内の層101から105に使用されうる。
[055]FET 106は、半導体層102内に配列され、半導体層102の好適なドーピングにより形成されるソース及びドレイン領域107、108、並びにソース領域107とドレイン領域108の上に、またその間に横方向に第1の電気的絶縁層103内に配置され、第1の電気的絶縁層103の残り部分がゲート領域109の電気的絶縁のためゲート領域109と半導体層102との間に保持されるように配置されているゲート領域109を備える。半導体層102では、ゲート領域109の下のソース領域107とドレイン領域108との間の領域は、FET 106のチャネル領域として作用する。ソース及びドレイン領域107、108は、第2の電気的絶縁層104内に配列されているそれぞれのソース及びドレイントラック導体110、111に電気的に接続される。ゲート領域109は、第2の電気的絶縁層104内にさらに配列されているゲートリード112に電気的に接続される。さらに、ゲート領域109は、感知電極接続部114及びゲートリード112を介して感知電極116に電気的に接続される。感知電極116は、ゲートリード112の上にそれ自体配列される、また第2及び第3の電気的絶縁層104、105を通してゲートリード112から感知電極116に伸びる感知電極接続部114の上の基板面115上に配列されている。感知電極116及び感知電極接続部114の材料として銅(Cu)を使用するのが好ましい。しかしながら、感知電極116及び/又は感知電極接続部114に他の好適な導電体材料を使用することができる。さらに、感知電極接続部114に使用されている導電性材料と異なる導電体材料を感知電極116に使用することもできる。
[056]上面図において、感知電極116は、適している形状であればどのような形状でもよい。本発明の第1の実施形態によれば、上面図内の感知電極116の形状は、中実の四角形である。図3Aの上面図に示されている本発明の第3の実施形態によれば、感知電極301Aから301Dは、リングの形状である。上面図内の本発明の第1の実施形態の感知電極116の代替え形状は、前の方で説明されているように中実の矩形、中実の楕円形、及び中実の円形である。
[057]第2の電気的絶縁層104と第3の電気的絶縁層105との間の界面に隣接する第3の電気的絶縁層105内の感知電極接続部114の周りに電気的絶縁スクリーニング電極113が埋め込まれている。このスクリーニング電極113は、グラウンドに電気的に接続され、基板面115を通じて望ましくない容量性の影響からFET 106を保護する。本発明の他の実施形態では、このスクリーニング電極113は、本発明の本質から逸脱することなく省くことができる。基板面115は、上面118が基板面115の反対側にある構造化された最上層117で覆われ、感知電極116は、構造化された最上層117内に含まれ、上面118から基板面115へと伸びている。
[058]図1に示されているように、チャネル121は、構造化された最上層117を通り第1の開口部122から第2の開口部123へ伸びており、第1の開口部122と第2の開口部123は両方とも、上面118で終端し、第1の開口部122は、感知電極116に隣接して配列される。したがって、チャネル121は、実質的にU字型であり、幅広の土台と2本の短い脚を有する。チャネル121の土台の上壁は、生産プロセス(図2Aから図2Jに関して説明されている)から残っている第1のエッチマスク層120Bの第2の部分で覆われる。このチャネル121は、同じ溶液の流れを油圧制御することにより生体分子200の位置決めをし、安定させる役割を持つ(例えば、生体分子200用の栄養物を含むことができる)。さらに、生体分子200は、チャネル121内に低圧吸引が発生した場合に吸引により第1の開口部122に付着し、第1の開口部122を通じて低圧吸引が加えられ、第1の開口部を介して試料液を感知室から引き出すことができる。これにより、感知電極との良好な接触を保ちながら生体分子200を開口部のところに安定するように位置固定することができる。第1の開口部122への生体分子200の吸引は、ピペットを使用する従来のパッチクランプにおける固着に匹敵する。
[059]構造化された最上層117の上面118は、生体適合性を有しているべき薄いキャップ誘電体層124で覆われ、(1)容量性結合を改善する高い誘電定数、(2)細胞培養液への抵抗、及び(3)金属感知電極に対する良好なバリア性能を有する。第1及び第2の開口部122、123は、暴露されたままである。キャップ誘電体層124は、例えば、窒化ケイ素(SIN)で作られている。このキャップ層124は、生体分子200のバイオセンサ100への結合力を改善するために結合層125で部分的に覆われる。さらに、結合層125は、とりわけ、生体分子200の生体適合層として作用し、バイオセンサ100内に存在している可能性のある有毒物質が生体分子200に吸収されるのを防止する働きをする。結合層125は、例えば、0.1%のポリ−L−リジン(シグマ)で作られる。キャップ層124の残り部分は、例えば、室壁127の接着を改善するために、二酸化ケイ素(SiO)で作られた第4の電気的絶縁層126で覆われる。
[060]複数の生体適合室壁127が、第4の電気的絶縁層126の上に用意される。これらの生体適合室壁127は、少なくとも1つの感知室128を形成する。それぞれの感知室128は、結合層125で覆われた、感知電極116の隣にチャネル121の第1の開口部122を配列した、感知電極116の少なくともそれぞれ1つを備える。それぞれの感知電極116は、感知室128内に存在する単一の生体分子200を感知するために備えられる。結合層125が備えられているため、また生体適合室壁127が生体適合材料で作られているという事実から、生体分子200は、感知電極116の上に、容易に固定化される、つまり、位置決めでき、また感知電極116、感知電極接続部114、及びFET 106を使って非侵襲的感知を行うために安定した位置で低圧をもたらすチャネル121を使ってそこに保持できる。
[061]さらに、それぞれの感知室128は、第1の開口部122の隣のチャネル121内のパッチクランプ電極129及び第4の電気的絶縁層126上に配列された基準電極130を備え、オペレータがパッチクランプピペットを生体分子200上に置かなくても、パッチクランプ試験を自動的に実行するようになっている。パッチクランプ電極129は、電極コネクタ1141を介して電圧源に接続されうる。電極コネクタは、感知電極と電子感知素子の両方と物理的に接触しており、これにより、感知電極は電子感知素子に電気的に結合される。したがって、パッチクランプ電極129及び基準電極130を使って実施されるパッチクランプ試験は、細胞全体又は細胞接着法を使用して無傷細胞に対し実行される。生体適合室壁127は、生体適合性のある有機ポリマー(つまり、エラストマー)ポリジメチルシロキサン(PDMS)で作られる。パッチクランプ電極129及び基準電極130は、好ましくは、白金(Pt)で作られる。
[062]バイオセンサ100に使用されている、上述の材料は、限定として理解してはならず、上述の材料に対応する他の材料も同様に使用できることに留意されたい。
[063]異なる生産工程における本発明の第2の実施形態によるバイオセンサ100の断面は、図2Aから図2Jに示されている。図1に関してすでに説明されている特徴は、ここで再び説明することはしない。しかしながら、同じ参照記号は、同一のコンポーネントを指し示している。
[064]バイオセンサ100の生産については、インプラント、膜蒸着、フォトリソグラフィ、乾式エッチング、及びCMPなどの一般に知られているCMOS技術で加工される図2Aに示されている第1の中間産物140から始めて説明される。この第1の中間産物140は、埋設されたFET 106、埋設されたソース及びドレイントラック導体110、111、埋設されたゲートリード112、並びに埋設されたスクリーニング電極113を含む基板101を備える。すでに上で述べたように、基板101は、基板面115とFET 106の上で接している。この第1の中間産物140は、一般に知られている生産工程を使用して生産されるので、ここでは、その説明を省く。
[065]一般に知られているリフトオフ法を使用することで、第1の中間産物140の基板面115上に、Ptで作られたパッチクランプ電極129が形成される。次いで、残りの基板面115全体が、パッチクランプ電極129とともに、The Dow Chemical Companyにより販売されている誘電定数が2.6の有機スピンオンポリマーであるSILK(商標)という名称の半導体誘電体樹脂から作られうる完全な垂直方向に厚い有機層151と第1のエッチマスク層120で覆われる。これは、従来の層蒸着プロセスにより行われる。図2Bに示されているような第2の中間産物150が結果として得られる。
[066]その後、第2の中間産物150は、従来の層パターニング及びエッチングプロセスによりパターニング及びエッチングされ、これにより第1のエッチマスク層120の一部及び完全な垂直方向に厚い有機層151の一部が除去される。それと同時に、残りの垂直方向に厚い有機層156上に配列された第1のエッチマスク層120Bが、維持される。この結果、図2Cに示されているような第3の中間産物155が得られる。
[067]次に、厚い電気的絶縁層161が、第3の中間産物155上に蒸着される。厚い電気的絶縁層161は、均一蒸着プロセスで、非ドープケイ酸塩ガラス(USG)を蒸着することにより形成され、したがって、二酸化ケイ素(SiO)を含む。均一蒸着プロセスが使用されるので、厚い電気的絶縁層161は、厚い電気的絶縁層161を超える層の数及び分布に応じて高いところと低いところを持つ露出面を有する。第3の中間産物155は、厚い電気的絶縁層161とともに、図2Dに示されている第4の中間産物160を形成する。
[068]第4の中間産物160に存在する高いところと低いところは、化学機械研磨(CMP)により均され、その結果、平らな電気的絶縁層166が得られ、したがって、第5の中間産物165が得られる(図2Eと比較せよ)。
[069]以下では、第5の中間産物165をパターニングし、エッチングするステップを含むデュアルダマシンプロセスが、第5の中間産物165に適用される、つまり、均された電気的絶縁層166並びに第2及び第3の電気的絶縁層104、105は、エッチングされ、エッチングされた第5の中間産物165上で、又はエッチングされた第5の中間産物165内に銅(Cu)を蒸着し、感知電極接続部114と感知電極116を形成する。通常、銅は、エッチングされ充てんされた第5の中間産物165を覆う銅層171が残るようにデュアルダマシンプロセスにおいて過剰蒸着される。このエッチングされ、充てんされた中間産物165は、銅層171とともに、図2Fに示されている第6の中間産物170を形成する。エッチング時に、均された電気的絶縁層166は、エッチングされた電気的絶縁層172に変えられる。
[070]これ以降、銅層171は、エッチングされた電気的絶縁層172が露出されるまで化学機械研磨(CMP)により除去され、これにより、上面118を形成する。これ以降、上面118は、まず最初に、構造化されていないキャップ層176で覆われ、次に、構造化されていない第4の電気的絶縁層177により覆われる。ここから、結果として第7の中間産物175が得られる(図2Gと比較せよ)。
[071]さらに、基準電極130は、一般に知られているリフトオフプロセスにより構造化されていない第4の電気的絶縁層177上に形成される。その後、構造化されていない第4の電気的絶縁層177は、エッチングを使って構造化され、これにより、第4の電気的絶縁層126を形成し、その後構造化するために構造化されていない第2のエッチマスク層176を露出させる。これにより、図2Hに示されている第8の中間産物180が得られる。
[072]そこで、第8の中間産物180が、パターニングされ、好適なエッチング工程が、その後、第8の中間産物180に施され、チャネル121の第1及び第2の開口部122、123を形成する。したがって、構造化されていない第2のエッチマスク層176が構造化され、つまり、部分的に除去され、第2のエッチマスク層124が結果として得られる。さらに、第1及び第2の開口部122、123は、エッチングされた電気的絶縁層172を構造化し、これにより構造化された最上層117が得られる。第8の中間産物180は、第1及び第2の開口部122、123及び第2のエッチマスク層124とともに、図21に示されているような第9の中間産物185を形成する。
[073]バイオセンサ100を完成するために(図2Jと比較せよ)、第9の中間産物185は、残りの垂直方向に厚い有機層156が取り除かれるように湿式エッチングされる。したがって、チャネル121が完成される、つまり、第1及び第2の開口部122、123が相互接続される。この湿式エッチングプロセスにおいて、パッチクランプ電極129は、影響を受けない。次いで、生体適合室壁127が、一般に知られている形成プロセスにより生体適合材料から第4の電気的絶縁層126の該当する部分上に形成される。本発明の第1の実施形態によれば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)は、生体適合室壁127用の生体適合材料として使用される。最後に、第4の電気的絶縁層126により覆われていない第2のエッチマスク層124の露出部分は、結合層125で覆われる。第2のエッチマスク層124の露出部分を結合層125で覆う場合、選択的蒸着プロセスが施される。この目的のために、第2のエッチマスク層124及び第4の電気的絶縁層126の材料は、適宜選択されなければならない。
[074]結合層125の周りに配列されている複数の生体適合室壁127は、感知室128を形成し、感知室128は、結合層125で覆われ、感知電極116の隣にチャネル121の第1の開口部122を配列した少なくとも1つの感知電極116を備える。FET 106を使って単一生体分子200を感知するための感知電極116及び感知電極接続部114が備えられている。
[075]本発明の第3の実施形態によるバイオセンサ300の上面図が、図3Aに示されている。図3Aに示されている点線にそったこの実施形態の一セクションの断面図が、図3Bに示されている。本発明の第1及び第2の実施形態において同一であるコンポーネントは、同じ参照記号で示されている。
[076]バイオセンサ300は、本発明の第2の実施形態によるバイオセンサ100と、主に以下の3つの点で異なる。
[077]第1の違いは、第3の実施形態のバイオセンサ300は、感知室128内に4つの感知電極301A、301B、301C、301Dを備えるが、第2の実施形態のバイオセンサ100は、感知室128内に感知電極116を1つしか備えていない点である。第3の実施形態において例示されているように、本発明は、マトリックス状に並べた感知室及び対応する感知電極を加工することにより任意の適当なサイズに拡張できることが理解される。任意の個数の感知電極の規則正しい配列は、本発明の他の実施形態でも可能であろう。さらに、単一の感知室内に備えられた感知電極の個数及び、同様に、感知室の総数及び感知室の配列は互いに関して、必要に応じて変えられる。
[078]第2の違いは、4つの感知電極301A、301B、301C、301Dのそれぞれが、第2の実施形態のバイオセンサ300の上面図においてリング形状となっているが、第1の実施形態のバイオセンサ100の感知電極116は、上面図において中実の正方形となっている点である。4つの感知電極301A、301B、301C、301Dのリング形状は、それぞれの場合において、中心領域が4つの感知電極301A、301B、301C、301Dのうちの対応する1つの電極の材料で充てんされないままにしている。
[079]第3の違いは、第2の実施形態では、第1の開口部122A、122B、122C、122Dは、4つの感知電極301A、301B、301C、301Dのうちのそれぞれ1つの中心領域内にそれぞれ配列されるが、第1の実施形態では、第1の開口部122は、感知電極116のそば、しかも近くに配列される点である。本発明では、対応する感知電極に関して第1の開口部の正確な配列の上で、それぞれの感知電極がそれぞれの生体分子を保持するため第1の開口部を近くに有することが重要である。
[080]第1の開口部122A、122B、122C、122Dは、対応するチャネル121A、121B、121C、121Dを介して、第2の開口部123A、123B、123C、123Dにそれぞれ接続される。
[081]感知室128に隣接して、またただ1つの室壁127を使って感知室128から隔てられた状態で、感知室128から放出される流体が通る流体制御室302が配列される。第2の開口部123A、123B、123C、123Dは、生体分子体200の栄養物のために用意されている試料液の流体制御を行えるようにする流体制御室302内ですべて一緒に終端する。この流体制御は、さらに、4つの感知電極301A、301B、301C、301Dの(うちの1つの)上に存在する生体分子200/生体分子体200を含む試料液が、引き出されるようにチャネル121A、121B、121C、121D内に低い圧力を発生させ、それにより、生体分子200が開口部に向かって引かれ、最終的に開口部の上に位置して開口部を「塞ぎ」、これにより、それぞれの第1の開口部122A、122B、122C、122D(のうちの1つ)で安定した保持力を確定するために使用される。
[082]それぞれのチャネル121A、121B、121C、121Dは、パッチクランプ電極129A、129B、129C、129D(それぞれ、図3Dに示されているように第2の開口部123A、123B、123C、123Dに伸びている部分を持つことができる)をそれぞれ備え、感知室128内に位置するただ1つの基準電極130に関して別々にそれぞれのパッチクランプ電極129A、129B、129C、129Dに対してパッチクランプ試験を実行することができる。本発明の第2の実施形態によれば、基準電極130は、2つの室壁127の隅に配列されるが、基準電極130の他の好適な配列も可能である。
[083]バイオセンサ400がリング電極の代わりにC字型電極を備えるバイオセンサの他の実施形態が、図3Dに示されている。この実施形態は、さらに、流体制御室302も備える。それぞれのチャネル121への入口122は、電極の空洞内のほぼ中心に配列される。
[084]図4A及び4Bは、本発明のバイオセンサを使用し、トランジスタをセンサとして使用して電気的及び化学的刺激に対する細胞の応答を調べる単純なアプリケーションについて説明している。この実施形態では、バイオセンサは、細胞を刺激するための刺激電極を備え、これにより、細胞の応答挙動に関する観察を行うことができる。図4Aから分かるように、スクリーニング物質を与える前に、電気的刺激に対する細胞の応答を調べた。スクリーニング物質を細胞栄養物に施した後、細胞の応答を調べた(図4b)。イオンチャネルに対するスクリーニング物質の影響を評価するために、この第2の読み取り値を第1の読み取り値と比較した。
[085]図5A及び5Bは、感知室及び吸引チャネル内に配置されているパッチクランプ電極を使用して化学的刺激に対する細胞の応答を評価するために細胞に対し実行されるパッチクランプ試験を例示している。第1のアパーチャのところにある膜は、吸引力を高めることにより破裂する。スクリーニング物質を細胞栄養物に加える前に、吸引チャネル及び感知室内の電極から初期読み取り値を取得した。スクリーニング物質を加えた後、2回目の読み取り値を取得し、初期読み取り値と比較して、化学的刺激に対する細胞の応答を評価した。
[086]図6A及び6Bは、パッチクランプ電極により神経細胞に印加されるAC電圧を示しており、その結果得られる信号は、スクリーニング物質を細胞栄養物を加える前(図6A)及び加えた後(図6B)にそれぞれFETトランジスタにより記録された。前のと異なっていてもよい追加のスクリーニング物質を、さらに、試験される他の細胞に影響を及ぼすことなくチャネルを通じて細胞に供給することができる。両方の刺激電極からの、またパッチクランプ電極からの刺激に対する細胞応答の読み取り値の組み合わせも、図6A及び6Bに示されているように得られる。
[087]図7Aから7Cは、感知室内で互いに隣接して配列された3つの感知電極を有するバイオセンサアレイの断面図を示している。この図は、細胞間の通信機構、並びに刺激に対する応答としての電気的変動を測定することによりスクリーニング物質を標的細胞(中心細胞)に加える(a)前、(b)後、及び(c)スクリーニング物質が直接細胞内に注入される場合の、試料生体分子に対するスクリーニング物質の効果を示す概略図である。この実施形態では、中心細胞を除く試験される細胞は、スクリーニング物質の影響を受けない。
[088]図8Aから8Cは、感知室内で互いに隣接して配列された3つの感知電極を有するバイオセンサの他の一連の断面図を示している。この図は、細胞間の通信機構、並びにスクリーニング物質を感知室全体に加えて、感知室内のすべての細胞に影響を及ぼす(a)前、(b)後、及び(c)スクリーニング物質が直接細胞上又は細胞内に注入される場合の、試料生体分子に対するスクリーニング物質の効果を示す概略図である。例えば、血液試料は、知られているウイルスを含む場合があり、スクリーニング物質は、ウイルスに対し効果をもたらすと思われる薬物を含む場合がある。
[089]図9及び10は、本発明のバイオセンサの2つの異なる実施形態を示しており、感知室内に刺激電極と感知電極の両方が配列されている。感知電極は、一対の導電性プレートを備え、刺激電極は、それと類似の形状の一対の導電性プレートを備え、前記電極はチャネル121への入口122の周りに配列される。この実施形態では、両方の対の電極の形状は、それぞれ台形となっている。それとは別に、感知電極及び刺激電極は、相互に同心上に並ぶ形で配列されるリング電極であってよく、入口122は前記リングの中心周りに存在する。感知電極及び刺激電極の他のいくつかの代替え形状は、図11に示されている。
[090]まとめると、本発明及び本発明の実施形態は、バイオセンサ、バイオセンサを形成する方法、及び以下の利点を有する生体分子の状態を分析する方法を実現するものである。
1.バイオセンサ上の生体分子(例えば、神経細胞又は小胞のような生体細胞)の位置を自動的に決める。
2.生体分子体を培養及び/又は測定する際に規則正しく配列された電子感知素子のアレイを有するバイオセンサ上であっても単一の生体分子又は複数の生体分子体を簡単に安定させることができる。
3.薬理学的有効成分スクリーニングのため生体分子体を簡単に選択できる。
4.それぞれの生体分子とそれぞれの電子感知素子との間の距離を短縮することにより、電子感知素子、例えば、トランジスタのゲート電極への神経細胞のような生体分子体の電気的結合を改善する。
[091]本発明は、好ましい実施形態に関して説明されているけれども、請求項で述べているように本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変更及び修正を加えられることが理解されなければならない。
本発明の例示的な一実施形態によるバイオセンサの断面図である。 異なる生産工程における本発明の第2の実施形態によるバイオセンサの断面を示す図である。 異なる生産工程における本発明の第2の実施形態によるバイオセンサの断面を示す図である。 異なる生産工程における本発明の第2の実施形態によるバイオセンサの断面を示す図である。 異なる生産工程における本発明の第2の実施形態によるバイオセンサの断面を示す図である。 異なる生産工程における本発明の第2の実施形態によるバイオセンサの断面を示す図である。 異なる生産工程における本発明の第2の実施形態によるバイオセンサの断面を示す図である。 異なる生産工程における本発明の第2の実施形態によるバイオセンサの断面を示す図である。 異なる生産工程における本発明の第2の実施形態によるバイオセンサの断面を示す図である。 異なる生産工程における本発明の第2の実施形態によるバイオセンサの断面を示す図である。 異なる生産工程における本発明の第2の実施形態によるバイオセンサの断面を示す図である。 リング形状感知電極がバイオセンサ内に存在する本発明の第3の実施形態によるバイオセンサの上面図である。 図3Aに示されている点線にそったこの実施形態の一セクションの断面図である。 スクリーニング物質を試料生体分子に送出するため吸引チャネルを供給チャネルにどのように接続できるかを示す簡素化された図である。 馬蹄形感知電極が使用される本発明の他の実施形態の上面図である。 試料生体分子を感電死させるための刺激電極を備えるバイオセンサの一実施形態の断面図であり、刺激電極のみを使用するステップを示す図である。 試料生体分子を感電死させるための刺激電極を備えるバイオセンサの一実施形態の断面図であり、刺激電極のみを使用するステップを示す図である。 試料生体分子を感電死させるための刺激電極を備えるバイオセンサの一実施形態の断面図であり、チャネル内に配置されたパッチクランプ電極のみを使用するステップを示す図である。 試料生体分子を感電死させるための刺激電極を備えるバイオセンサの一実施形態の断面図であり、チャネル内に配置されたパッチクランプ電極のみを使用するステップを示す図である。 試料生体分子を感電死させるための刺激電極を備えるバイオセンサの一実施形態の断面図であり、生体分子の同時又は協調感電死を行わせるために両方の電極を使用するステップを示す図である。 試料生体分子を感電死させるための刺激電極を備えるバイオセンサの一実施形態の断面図であり、生体分子の同時又は協調感電死を行わせるために両方の電極を使用するステップを示す図である。 細胞の集合を評価するために感知電極及び刺激電極のアレイが使用され、スクリーニング物質が分離している標的細胞に適用される一実施形態を示す図である。 細胞の集合を評価するために感知電極及び刺激電極のアレイが使用され、スクリーニング物質が分離している標的細胞に適用される一実施形態を示す図である。 細胞の集合を評価するために感知電極及び刺激電極のアレイが使用され、スクリーニング物質が分離している標的細胞に適用される一実施形態を示す図である。 細胞の集合を評価するために感知電極及び刺激電極のアレイが使用され、スクリーニング物質が感知室に加えられ、それにより感知室内のすべての細胞に影響を及ぼす他の実施形態を示す図である。 細胞の集合を評価するために感知電極及び刺激電極のアレイが使用され、スクリーニング物質が感知室に加えられ、それにより感知室内のすべての細胞に影響を及ぼす他の実施形態を示す図である。 細胞の集合を評価するために感知電極及び刺激電極のアレイが使用され、スクリーニング物質が感知室に加えられ、それにより感知室内のすべての細胞に影響を及ぼす他の実施形態を示す図である。 感知電極のさまざまな実施形態及びバイオセンサ内におけるその対応するレイアウトを示す図である。 感知電極のさまざまな実施形態及びバイオセンサ内におけるその対応するレイアウトを示す図である。 感知電極のさまざまな実施形態及びバイオセンサ内におけるその対応するレイアウトを示す図である。
符号の説明
100 バイオセンサ
101 基板
102 半導体層
103 第1の電気的絶縁層
104 第2の電気的絶縁層
105 第3の電気的絶縁層
106 電界効果トランジスタ(FET)
107 ソース領域
108 ドレイン領域
109 ゲート領域
110 ソーストラック導体
111 ドレイントラック導体
112 ゲートリード
113 電気的絶縁スクリーニング電極
114 感知電極接続部
115 基板面
116 感知電極
117 最上層
118 上面
120B エッチマスク層
121 チャネル
121A、121B、121C、121D 対応するチャネル
122 第1の開口部
122A、122B、122C、122D 第1の開口部
123 第2の開口部
123A、123B、123C、123D 第2の開口部
124 キャップ誘電体層
125 結合層
126 第4の電気的絶縁層
127 室壁
128 感知室
129 パッチクランプ電極
129A、129B、129C、129D パッチクランプ電極
130 基準電極
140 第1の中間産物
150 第2の中間産物
151 有機層
155 第3の中間産物
156 残りの垂直方向に厚い有機層
160 第4の中間産物
161 厚い電気的絶縁層
165 第5の中間産物
166 平らな電気的絶縁層
170 第6の中間産物
171 銅層
172 エッチングされた電気的絶縁層
175 第7の中間産物
176 構造化されていないキャップ層
177 構造化されていない第4の電気的絶縁層
180 第8の中間産物
185 第9の中間産物
200 生体分子
300 バイオセンサ
301Aから301D 感知電極
302 流体制御室
400 バイオセンサ
1141 電極コネクタ

Claims (59)

  1. 生体分子の状態の変化により生じる電気的変動を感知するための電子感知素子が埋設さされ、前記埋設された電子感知素子上に基板面が配置されている基板と、
    前記基板面を覆い、前記基板面上に上面が配置され、前記上面は前記生体分子を含む試料液が置かれる感知領域を備える、構造化された最上層と、
    前記電子感知素子に電気的に結合された、前記感知領域に露出しているその表面の少なくとも一部を有する感知電極と、
    前記構造化された最上層内に配置された少なくとも1つのチャネルと
    を具備し、
    前記少なくとも1つのチャネルによる吸引を用いて前記生体分子を固定化するようになっている、バイオセンサ。
  2. 前記チャネルは、前記構造化された最上層の前記上面で終端する2つの開口部を備え、前記2つの開口部のうちの1つは前記感知電極の近くに配列される請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 前記構造化された最上層の前記上面は、少なくとも一部は生体適合層で覆われる請求項1又は2に記載のバイオセンサ。
  4. パッチクランプ電極は、前記チャネル内に含まれ、前記パッチクランプ電極は第1の端部及び第2の端部を備え、前記パッチクランプ電極の前記第1の端部は前記2つの開口部のうちの1つの近くに配列され、前記第2の端部は、増幅回路に接続される請求項1〜3のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  5. 基準電極は、前記構造化された最上層の前記上面上に配列される請求項1〜4のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  6. 前記感知電極は、前記構造化された最上層の前記上面と前記基板面との間に配列される請求項1〜5のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  7. 前記感知電極は、前記構造化された最上層の前記上面上に配列される請求項1〜5のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  8. 前記感知電極は、中実の楕円形又は中実の矩形の形状を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  9. 前記感知電極は、リング形状ないし円環形状を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  10. 前記チャネルの前記第1の開口部は、前記リング形状の感知電極内に配列される請求項9に記載のバイオセンサ。
  11. 前記構造化された最上層の前記上面は、室壁を備える請求項1〜10のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  12. 前記室壁は、少なくとも1つの感知室を定めるように配列される請求項1に記載のバイオセンサ。
  13. 室壁により前記少なくとも1つの感知室から隔てられた流体制御室をさらに備える請求項12に記載のバイオセンサ。
  14. 前記チャネルの前記第1の開口部は、前記少なくとも1つの感知室の内側に配列され、前記チャネルの第2の開口部は、前記少なくとも1つの流体制御室の内側に配列される請求項13に記載のバイオセンサ。
  15. 前記感知電極と前記電子感知素子の両方と物理的に接触し、これにより前記感知電極を前記電子感知素子に電気的に結合する感知電極コネクタをさらに備える請求項1〜14のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  16. 前記基板は、少なくとも半導体層、第1の電気的絶縁層、第2の電気的絶縁層、及び第3の電気的絶縁層を備える連続的に配列された層列を具備する請求項1〜15のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  17. 前記電子感知素子は、前記半導体層及び前記第1の電気的絶縁層と重なり合うように配列される請求項16に記載のバイオセンサ。
  18. 前記電子感知素子は、前記第2の電気的絶縁層内に配列されたトラック導電体に電気的に接続される請求項17に記載のバイオセンサ。
  19. 前記感知電極は、前記第3の電気的絶縁層内に配列された感知電極コネクタを介して電子感知素子に電気的に結合される請求項18に記載のバイオセンサ。
  20. 前記感知電極接続部は、グラウンドに接続され前記第3の電気的絶縁層内に配列された電気的絶縁スクリーニング電極により囲まれる請求項19に記載のバイオセンサ。
  21. 前記電子感知素子は、ゲート領域を有する電界効果トランジスタであり、前記感知電極は、前記電界効果トランジスタの前記ゲート領域に電気的に接続される請求項16〜20のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  22. 前記感知電極は、前記感知電極コネクタを介して前記電界効果トランジスタの前記ゲート領域に電気的に接続される請求項21に記載のバイオセンサ。
  23. 前記基板は、グラウンドに接続された電気的絶縁スクリーニング電極を備え、前記スクリーニング電極は前記感知電極コネクタの周りに配列される請求項22に記載のバイオセンサ。
  24. 前記スクリーニング電極は、前記第3の電気的絶縁層内に配列される請求項23に記載のバイオセンサ。
  25. バイオセンサを形成する方法であって、
    生体分子の状態の変化により生じる電気的変動を感知するための電子感知素子が埋設された基板、及び前記埋設された電子感知素子上に配置される基板面を備えるステップと、
    前記基板面上に配置された上面を有する構造化された最上層で前記基板面を覆うステップと、
    前記構造化された最上層内に、又は前記構造化された最上層上に、前記生体分子における電気的変動を感知するために用意されている感知電極を形成するステップと、
    前記構造化された最上層内に、又は前記構造化された最上層上に、吸引を使って前記生体分子を固定化するための少なくとも1つのチャネルを形成するステップと、
    前記感知電極を前記電子感知素子に電気的に結合するステップと、
    試料液中に存在する生体分子を置けるように前記上面を適合させるステップと、
    前記構造化された最上層内に、生体分子に吸引力を加えるように適合された少なくとも1つのチャネルを形成するステップと
    を含む方法。
  26. 前記チャネルは、前記上面で終端する少なくとも2つの開口部を備え、前記チャネルは前記構造化された最上層内に実質的に埋設され、前記2つの開口部のうちの1つは前記感知電極の近くに配列される請求項25に記載の方法。
  27. 前記構造化された最上層の前記上面を生体適合層で覆うさらにステップを含む請求項25又は26に記載の方法。
  28. ゲート領域を有する電界効果トランジスタを電子感知素子として備え、前記感知電極を前記電界効果トランジスタの前記ゲート領域に電気的に接続するステップをさらに含む請求項25〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記感知電極を前記電界効果トランジスタの前記ゲート領域に電気的に接続するための感知電極コネクタを前記基板内に形成するステップをさらに含む請求項25〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 電気的絶縁スクリーニング電極を前記基板の前記第3の電気的絶縁層内に形成するステップをさらに含む請求項25〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. パッチクランプ電極を前記チャネル内に形成するステップをさらに含む請求項25〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 基準電極を前記上面上に形成するステップをさらに含む請求項25〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 感知電極を形成するステップは、中実の楕円形又は中実の矩形の形状を有する感知電極を形成するステップを含む請求項25〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 感知電極を形成するステップは、リング形状を有する感知電極を形成するステップを含む請求項25〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記構造化された最上層内にチャネルを形成するステップは、前記リング形状の感知電極内に前記第1の開口部を形成するステップを含む請求項34に記載の方法。
  36. 前記構造化された最上層の前記上面を室壁で覆うステップをさらに含む請求項25〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記上面を室壁で覆うステップは、
    少なくとも1つの感知室を形成するステップと、
    少なくとも1つの感知電極を前記少なくとも1つの感知室内に形成するステップとを含む請求項36に記載の方法。
  38. 室壁を介して前記少なくとも1つの感知室から隔てられた少なくとも1つの流体制御室を形成するステップをさらに含む請求項37に記載の方法。
  39. 少なくとも1つの感知室を形成するステップは、
    前記少なくとも1つの感知室の内側に前記第1の開口部を形成するステップと、
    前記流体制御室の内側に前記チャネルの第2の開口部を形成するステップとを含む請求項37又は38に記載の方法。
  40. 半導体層、第1の電気的絶縁層、第2の電気的絶縁層、及び第3の電気的絶縁層を備える層列を前記基板として連続的に形成するステップをさらに含む請求項25〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記半導体層及び前記第1の電気的絶縁層と重なり合うように前記電子感知素子を形成するステップをさらに含む請求項40に記載の方法。
  42. 前記第2の電気的絶縁層内に配列されたトラック導電体に前記電子感知素子を電気的に接続するステップをさらに含む請求項41に記載の方法。
  43. 前記第3の電気的絶縁層内に配列された感知電極接続部を介して前記感知電極を前記電子感知素子に電気的に結合するステップをさらに含む請求項42に記載の方法。
  44. グラウンドに接続され前記第3の電気的絶縁層内に配列された電気的絶縁スクリーニング電極により前記感知電極接続部を囲むステップをさらに含む請求項43に記載の方法。
  45. 生体分子の状態を分析する方法であって、
    前記生体分子を請求項1〜24のいずれか一項に記載のバイオセンサの前記感知電極に接触させるステップと、
    前記生体分子の第1の状態に関連する第1の電気信号を測定するステップと、
    前記生体分子を、前記生体分子の状態を変化させることができると思われる条件に曝すステップと、
    前記条件に曝された後に前記生体分子の状態に関連する第2の電気信号を測定するステップと
    を含む方法。
  46. 前記第1の電気信号及び前記第2の電気信号を所定の電気信号閾値と比較し、前記生体分子の状態の変化の発生を検出するステップをさらに含む請求項45に記載の方法。
  47. 前記第1の電気信号と前記第2の電気信号との差の形状及び/又は大きさは、前記所定の電気信号閾値と比較される請求項46に記載の方法。
  48. 前記第1の電気信号と前記第2の電気信号との前記差の前記形状及び/又は前記大きさが、前記所定の電気信号閾値と比べて大きい場合、前記生体分子が曝される条件は、前記生体分子の状態を変化させることができるものと評価される請求項47に記載の方法。
  49. 前記バイオセンサの前記チャネルを通じて発生させる吸引を使って前記バイオセンサ上に前記生体分子を固定化するステップをさらに含む請求項45〜48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記生体分子は、その電位の変化を受ける可能性のある細胞を含む請求項45〜49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記細胞は、真核細胞を含む請求項50に記載の方法。
  52. 前記真核細胞は、神経細胞、卵母細胞、リンパ球、単球、筋肉細胞、胚幹細胞、及び酵母細胞から選択される請求項51に記載の方法。
  53. 前記生体分子は、原核細胞を含む請求項50に記載の方法。
  54. 前記原核細胞は、古細菌細胞及び細菌体からなる群から選択される請求項53に記載の方法。
  55. 前記第1の電気信号及び/又は前記第2の電気信号を測定するステップは、吸引力が加えられる前記細胞の前記領域内に配置された、又はそこから隔てられている、輸送構造を通過する電流を測定するステップを含む請求項50〜54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記輸送構造は、アニオンチャネル、カチオンチャネル、アニオン輸送体、カチオン輸送体、受容タンパク質、及び結合タンパク質を含む請求項55に記載の方法。
  57. 前記第1の電気信号及び/又は第2の電気信号を測定するステップは、前記感知素子を通じて前記生体分子の電気的特性を検出するステップを含む請求項45〜56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記第1の電気信号及び/又は第2の電気信号を測定するステップは、前記生体分子上の電位を測定するステップを含み、前記電位は
    バイオセンサの前記上面に存在し、前記試料液と接触する基準電極と、
    前記バイオセンサの前記構造化された最上層内に存在するチャネル内に配置されているパッチクランプ電極との間で測定される請求項45〜57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記吸引力を使って前記生体分子の前記表面を破裂させ、それにより膜透過イオンチャネル又はイオンチャネル型受容体の電気的特性を利用できるようにするステップをさらに含む請求項58に記載の方法。
JP2008551230A 2006-01-20 2006-01-20 バイオセンサ Pending JP2009524045A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/SG2006/000012 WO2007084076A1 (en) 2006-01-20 2006-01-20 Biosensor

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009524045A true JP2009524045A (ja) 2009-06-25

Family

ID=38287922

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008551230A Pending JP2009524045A (ja) 2006-01-20 2006-01-20 バイオセンサ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20100248284A1 (ja)
EP (1) EP1982167A4 (ja)
JP (1) JP2009524045A (ja)
AU (1) AU2006335689A1 (ja)
WO (1) WO2007084076A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011085258A3 (en) * 2010-01-07 2011-11-24 Life Technologies Corporation Fluidics interface system
US8545248B2 (en) 2010-01-07 2013-10-01 Life Technologies Corporation System to control fluid flow based on a leak detected by a sensor
JP2014055954A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Alstom Technology Ltd 亜硫酸塩センサヘッドのクリーニング及び研削
WO2017061214A1 (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 シャープ株式会社 半導体イオンセンサ

Families Citing this family (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7340957B2 (en) 2004-07-29 2008-03-11 Los Alamos National Security, Llc Ultrasonic analyte concentration and application in flow cytometry
EP2156178B1 (en) 2007-04-02 2011-12-21 Acoustic Cytometry Systems, Inc. Methods for enhanced analysis of acoustic field focused cells and particles
WO2009046094A1 (en) 2007-10-01 2009-04-09 Nabsys, Inc. Biopolymer sequencing by hybridization of probes to form ternary complexes and variable range alignment
US8266951B2 (en) 2007-12-19 2012-09-18 Los Alamos National Security, Llc Particle analysis in an acoustic cytometer
DE102008004872A1 (de) * 2008-01-17 2009-08-13 Siemens Aktiengesellschaft Elektrodendesign für elektrochemische Sensoren
WO2009106101A1 (en) * 2008-02-29 2009-09-03 Interuniversitair Microelektronica Centrum Cell-enzyme based biosensors
CN101614729B (zh) * 2008-06-27 2013-04-24 博奥生物有限公司 用于细胞操作及电生理信号检测的微电极阵列器件及专用装置
US8262879B2 (en) 2008-09-03 2012-09-11 Nabsys, Inc. Devices and methods for determining the length of biopolymers and distances between probes bound thereto
US9650668B2 (en) 2008-09-03 2017-05-16 Nabsys 2.0 Llc Use of longitudinally displaced nanoscale electrodes for voltage sensing of biomolecules and other analytes in fluidic channels
CN102186989B (zh) 2008-09-03 2021-06-29 纳伯塞斯2.0有限责任公司 用于流体通道中生物分子和其它分析物的电压感测的纵向移位纳米级电极的使用
US8696917B2 (en) * 2009-02-09 2014-04-15 Edwards Lifesciences Corporation Analyte sensor and fabrication methods
US9029132B2 (en) * 2009-08-06 2015-05-12 International Business Machines Corporation Sensor for biomolecules
US8052931B2 (en) 2010-01-04 2011-11-08 International Business Machines Corporation Ultra low-power CMOS based bio-sensor circuit
US9068935B2 (en) 2010-04-08 2015-06-30 International Business Machines Corporation Dual FET sensor for sensing biomolecules and charged ions in an electrolyte
US8715933B2 (en) 2010-09-27 2014-05-06 Nabsys, Inc. Assay methods using nicking endonucleases
WO2012067911A1 (en) 2010-11-16 2012-05-24 Nabsys, Inc. Methods for sequencing a biomolecule by detecting relative positions of hybridized probes
WO2012109574A2 (en) 2011-02-11 2012-08-16 Nabsys, Inc. Assay methods using dna binding proteins
US8753309B2 (en) 2011-06-24 2014-06-17 The Invention Science Fund I, Llc Device, system, and method including micro-patterned cell treatment array
WO2014007890A2 (en) * 2012-03-29 2014-01-09 California Institute Of Technology Sensor probe for bio-sensing and chemical-sensing applications
EP2877845A4 (en) 2012-07-25 2016-03-30 California Inst Of Techn NANOPILLAR FIELD EFFECT AND CONNECTIVITY TRANSISTORS WITH FUNCTIONAL GATE AND BASE ELECTRODES
US9488614B2 (en) 2012-10-16 2016-11-08 Abbott Laboratories Localized desalting systems and methods
US8906215B2 (en) 2012-11-30 2014-12-09 International Business Machines Corporation Field effect based nanosensor for biopolymer manipulation and detection
US9914966B1 (en) 2012-12-20 2018-03-13 Nabsys 2.0 Llc Apparatus and methods for analysis of biomolecules using high frequency alternating current excitation
US10294516B2 (en) 2013-01-18 2019-05-21 Nabsys 2.0 Llc Enhanced probe binding
US9733210B2 (en) 2014-12-31 2017-08-15 International Business Machines Corporation Nanofluid sensor with real-time spatial sensing
US9968927B2 (en) 2015-05-22 2018-05-15 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. Optical biosensor device
US20180199866A1 (en) * 2015-07-24 2018-07-19 Eccrine Systems, Inc. Devices with reduced wicking volume between sensors and sweat glands
US10522400B2 (en) 2016-05-27 2019-12-31 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. Embedded temperature control system for a biosensor
US10656088B2 (en) 2016-08-12 2020-05-19 Silanna UV Technologies Pte Ltd Ultraviolet biosensor
US10101295B2 (en) * 2016-12-15 2018-10-16 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. On-chip reference electrode for biologically sensitive field effect transistor
NL2019043B1 (en) * 2017-04-25 2018-11-05 Illumina Inc Sensors having integrated protection circuitry
CN110168364B (zh) * 2019-03-27 2021-02-05 京东方科技集团股份有限公司 生物检测芯片、生物检测装置及其检测方法
TWI755072B (zh) * 2020-09-23 2022-02-11 世界先進積體電路股份有限公司 電容式生物感測器
US11988625B2 (en) 2020-12-23 2024-05-21 Vanguard International Semiconductor Corporation Capacitive biosensor and fabricating method thereof

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19827957A1 (de) * 1998-05-27 1999-12-09 Micronas Intermetall Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Messung eines Zellpotentiales
JPH11346764A (ja) * 1998-05-27 1999-12-21 Micronas Intermetall Gmbh 生物細胞の細胞内操作方法および装置
JPH11346794A (ja) * 1998-05-27 1999-12-21 Micronas Intermetall Gmbh 状態量を測定する方法および装置
JP2002055102A (ja) * 2000-06-09 2002-02-20 Micronas Gmbh 膜包囲された生体区画の試験法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6570196B1 (en) * 2000-03-22 2003-05-27 Max-Plank-Gesellschaft Zur Forderung Der Wissenschaften Lipid vesicles or lipid bilayers on chips
US6602399B1 (en) * 2000-03-22 2003-08-05 Max-Planck-Gesellschaft Zur Forderung Der Wissenchaften E.V. Signal recording of a receptor-effector-system by an extracellular planar potential-sensitive electrode
DE10331299A1 (de) * 2003-07-10 2005-02-03 Infineon Technologies Ag Sensor-Transistor-Element, Sensor-Einheit und Sensor-Array
US20070281288A1 (en) * 2004-01-27 2007-12-06 Shimshon Belkin Method and System for Detecting Analytes

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19827957A1 (de) * 1998-05-27 1999-12-09 Micronas Intermetall Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Messung eines Zellpotentiales
JPH11346764A (ja) * 1998-05-27 1999-12-21 Micronas Intermetall Gmbh 生物細胞の細胞内操作方法および装置
JPH11346794A (ja) * 1998-05-27 1999-12-21 Micronas Intermetall Gmbh 状態量を測定する方法および装置
JP2002055102A (ja) * 2000-06-09 2002-02-20 Micronas Gmbh 膜包囲された生体区画の試験法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011085258A3 (en) * 2010-01-07 2011-11-24 Life Technologies Corporation Fluidics interface system
CN102812350A (zh) * 2010-01-07 2012-12-05 生命科技股份有限公司 流体接口系统
US8398418B2 (en) 2010-01-07 2013-03-19 Life Technologies Corporation Electronic connector having a clamping member urging a flow cell toward an electrical circuitry with an electrically conductive membrane disposed in between
US8545248B2 (en) 2010-01-07 2013-10-01 Life Technologies Corporation System to control fluid flow based on a leak detected by a sensor
JP2014055954A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Alstom Technology Ltd 亜硫酸塩センサヘッドのクリーニング及び研削
US9579765B2 (en) 2012-09-13 2017-02-28 General Electric Technology Gmbh Cleaning and grinding of sulfite sensor head
WO2017061214A1 (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 シャープ株式会社 半導体イオンセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007084076A8 (en) 2008-10-30
WO2007084076A1 (en) 2007-07-26
US20100248284A1 (en) 2010-09-30
EP1982167A1 (en) 2008-10-22
EP1982167A4 (en) 2010-06-30
AU2006335689A1 (en) 2007-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009524045A (ja) バイオセンサ
US10962501B2 (en) Floating gate based sensor apparatus and related floating gate based sensor applications
CA2385482C (en) A substrate and a method for determining and/or monitoring electrophysiological properties of ion channels
TW200422611A (en) Electrical analysis of biological membranes
US20210008363A1 (en) Nanopillar electrode devices and methods of recording action potentials
US20100330612A1 (en) Biochip for electrophysiological measurements
WO2007108773A1 (en) Device for analyzing the status of a particle
JP2021505163A (ja) 細胞とのインタフェースのためのナノ構造プラットフォーム及び対応する製造方法
Ayers et al. Post-CMOS fabrication of working electrodes for on-chip recordings of transmitter release
Jenkner et al. Cell-based CMOS sensor and actuator arrays
WO2020056039A1 (en) Cell analysis using chemfet sensor array-based systems
KR102629002B1 (ko) 전계효과트랜지스터 기반 분자 검출용 장치
Meyburg et al. Advanced CMOS process for floating gate field-effect transistors in bioelectronic applications
Chen et al. BIOSENSOR
Bettamin et al. Real‐Time and High‐Resolution Monitoring of Neuronal Electrical Activity and pH Variations Based on the Co‐Integration of Nanoelectrodes and Chem‐FinFETs
Ingebrandt Characterisation of the cell transistor coupling
Offenhäusser et al. Interfacing biology with electronic devices
EP1255982B1 (de) Messverfahren unter einsatz mindestens einer biologischen rezeptorzelle sowie eine zur durchführung des messverfahrens geeignete vorrichtung
Strong et al. Integrated electrochemical neurosensors
Kwiat et al. 2 Interfacing Biomolecules, Cells and Tissues with Nanowire-based Electrical Devices
Bettamin Nanotool-based platform for neuronal activity monitoring at the single cell level
Terral et al. Graphene Field‐Effect Transistors for Sensing Ion‐Channel Coupled Receptors: Toward Biohybrid Nanoelectronics for Chemical Detection
Martines Organic FET-based transistor arrays for metabolic and electrophysiological measurements
Ingebrandt et al. Investigation of extracellular signal shapes recorded by planar metal micro electrodes and field-effect transistors
Ingebrandt et al. Cell-Transistor Hybrid Systems: Electrogenic Cells as Signal Transducing Elements Coupled to Microelectronic Devices

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110412

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111011