JP2009521484A - 3−アリール置換キナゾロンおよびその使用 - Google Patents

3−アリール置換キナゾロンおよびその使用 Download PDF

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Abstract

構造式(I)で表される化合物は、例えば、癌に苦しむ患者などにおける癌細胞の効果的な殺傷または癌細胞の増殖速度の効果的な低減に有用である。化合物自体に加えて、本発明は該化合物の医薬組成物および該化合物を使用した処置の方法を提供する。

Description

(関連出願)
本出願は、その内容が全体において本明細書中に参照によって援用される、2005年12月22日に出願された米国特許仮出願第60/753,801号、および2006年7月27日に出願された第60/833,855号の利益を主張する。
(発明の背景)
疾患の処置のために投与される多くの薬物は、疾患にかかった細胞と正常細胞の一般的な差異に対して標的化される。例えば、子宮癌および乳癌の処置に使用されて微小管機能を阻害するパクリタキセルは、正常細胞に対する腫瘍細胞のより高い増殖速度に基づいて腫瘍細胞特異性を発揮すると考えられる(Miller and Ojima, Chem. Rec. 1: 195-211, 2002)。しかし、この一致した見解にもかかわらず、パクリタキセルのインビトロ活性は腫瘍細胞株を通じて大きく異なり(Weinstein et al., Science 275:343-349, 1997)、遺伝的な因子によりパクリタキセルに対する腫瘍細胞の感度が変化し得ること、および腫瘍細胞の応答がその増殖速度によって単純には決定されないことが示唆される。
分子的に標的化された治療薬は、抗癌薬の発見について有望な新規のアプローチを提示する(Shawver et al., Cancer Cell 1: 117-23, 2002)。このアプローチを使用して、特定の腫瘍細胞型で変異するかまたは過剰発現する非常に発癌性の強いタンパク質を直接阻害するように小分子を設計する。腫瘍細胞中に見られる特定の分子の欠損を標的化することにより、このアプローチは最終的に、それぞれの腫瘍の遺伝子構成に見合った治療法を生じ得る。分子的に標的化された抗癌薬の最近の2つの成功例は、フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病中に見られる切断点クラスター領域−アベルセンキナーゼ(breakpoint cluster region-abelsen kinase)(BCR-ABL)癌タンパク質のインヒビターであるグリーベック(イマチニブメシレート)(Capdeville et al., Nat Rev Drug Discov 1: 493-502, 2002)および転移性乳癌中に見られるHER2/NEU癌タンパク質に対するモノクローナル抗体であるハーセプチン(トラスツズマブ)(Mokbel and Hassanally, Curr Med Res Opin 17: 51-9, 2001)である。
補完的な戦略としては、特定の癌タンパク質の存在下また特定の腫瘍抑制剤の非存在下でのみ腫瘍細胞を致死にする、遺伝子型選択的抗腫瘍剤の調査が挙げられる。このような遺伝子型選択的化合物は癌タンパク質を直接標的化し得るか、または癌タンパク質関連シグナル伝達ネットワークに関連する他の中心的なタンパク質を標的化し得る。人工的な致死を見せることが報告されている化合物としては、(i) PTENを欠損するミエローマ細胞中のラパマイシンアナログCCI-779(Shi et al., Cancer Res 62: 5027-34, 2002)、(ii) BCR-ABL形質転換細胞中のグリーベック(Druker et al., Nat Med 2: 561-6, 1996)および(iii) 種々のあまり特徴付けされていない化合物(Stockwell et al., Chem Biol 6: 71-83, 1999; Torrance et al., Nat Biotechnol 19: 940-5, 2001)が挙げられる。
上述の研究にもかかわらず、腫瘍細胞を選択的に標的化する化合物を開発および/または同定する大きな必要性がある。
本発明の概要
処置または予防を必要とするヒトなどの個体において、癌(例えば、特にBRAF、HRAS、NRASまたはKRASの変異の結果であるRas経路の活性化を特徴とする腫瘍または白血病)の処置または予防に有用な多くの化合物/薬剤/薬物が同定されている。本明細書で使用する場合、用語「薬剤」および「薬物」は交換可能に使用され、それらは化合物または分子であり得る。
一態様において、本発明は構造式(I):

で表される化合物、または薬学的に許容され得るその塩を提供し、
式中、Raはハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール-O-、置換もしくは非置換アルキル-O-、置換もしくは非置換アルケニル-O-、または置換もしくは非置換アルキニル-O-であり、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは任意にNR、OまたはS(O)nで中断される;
各R2は独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-NRC(O)R、-SO2N(R)2、-N(R)2、-NO2、-OHおよび-OR'からなる群より選択される;
各R3は独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-NRC(O)R、-SO2N(R)2、-N(R)2、-NO2、-OHおよび-OR'からなる群より選択される;
R4およびR5は独立して、-H、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換非芳香族複素環および置換もしくは非置換アリールからなる群より選択され、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは任意にNR、OまたはS(O)nで中断されるか;またはR4およびR5は共に炭素環基もしくは複素環基を形成する;
Vは-NH-L-A-Qまたは

である;
環Cは置換もしくは非置換複素環芳香族もしくは非芳香族環である;
AはNRもしくはOであるか;またはAは共有結合である;
Lは、N、OおよびSから選択される1つ以上のヘテロ原子により任意に中断される置換もしくは非置換ヒドロカルビル基である;
Qは-R、-C(O)R'、-C(O)N(R)2、-C(O)OR'および-S(O)2R'からなる群より選択される;
各Rは独立して、-H、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換非芳香族複素環である;
各R'は独立して、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換非芳香族複素環、または置換もしくは非置換アリール基である;
jは0〜4の整数である;
jおよびkの少なくとも1つが1〜4の整数である場合、kは0〜4の整数である;ならびに
各nは独立して0、1または2である。
別の態様において、本発明は構造式(II):

で表される化合物、または薬学的に許容され得るその塩を提供し、
式中、R1は置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、または置換もしくは非置換アルキニルであり、その各々は任意にNR、OまたはS(O)nで中断される;
各R2は独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-NRC(O)R、-SO2N(R)2、-N(R)2、-NO2、-OHおよび-OR'からなる群より選択される;
各R3は独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-NRC(O)R、-SO2N(R)2、-N(R)2、-NO2、-OHおよび-OR'からなる群より選択される;
R4およびR5は独立して-H、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換非芳香族複素環および置換もしくは非置換アリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニルは任意にNR、OまたはS(O)nで中断されるか;またはR4およびR5は共に炭素環基もしくは複素環基を形成する;
Vは-NH-L-A-Qまたは

である;
環Cは置換もしくは非置換複素環芳香族もしくは非芳香族環である;
AはNRもしくはOであるか;またはAは共有結合である;
Lは、N、OおよびSから選択される1つ以上のヘテロ原子で任意に中断される置換もしくは非置換ヒドロカルビル基である;
Qは-R、-C(O)R'、-C(O)N(R)2、-C(O)OR'および-S(O)2R'である;
各Rは独立して-H、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換非芳香族複素環である;
各R'は独立して置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換非芳香族複素環または置換もしくは非置換アリール基である;
jは0〜4の整数である;
jおよびkの少なくとも1つが1〜4の整数である場合、kは0〜4の整数である;
ならびに各nは独立して0、1または2である。
本発明の化合物は、医薬組成物として薬学的に許容され得る担体を用いて調製され得る。
本発明のさらなる局面において、本発明は、選択的に殺傷または腫瘍細胞の増殖を阻害する(細胞障害性である)本明細書に開示される化合物に関する。
別の態様において、本発明は、哺乳動物に治療有効量の本発明の化合物を投与する工程を含む、哺乳動物における症状を処置する方法を提供する。
適切な薬剤は、既存の形態で、または完全もしくは部分的な代謝後に、列挙される活性を有し得る。
特定の局面において、該化合物はアポトーシス機構または非アポトーシス機構により細胞を殺傷する。
特定の局面において、該細胞は高いRas経路活性(例えば、RasV12)を有する。
特定の局面において、該症状は癌である。
本発明の別の局面は、細胞に治療有効量の本発明の化合物を投与する工程を含む、細胞を殺傷する方法、細胞死を促進させる方法または細胞の増殖を阻害する方法を提供する。適切な薬剤は、既存の形態で、または完全もしくは部分的な代謝後に、列挙される活性を有し得る。特定の態様において、細胞は癌細胞である。
一態様において、本発明は、腫瘍の増殖速度を低減させるのに十分な量の治療剤を投与する工程を含む腫瘍の増殖速度を低減させる方法であり、該治療剤は本発明の化合物である。適切な薬剤は、既存の形態で、または完全もしくは部分的な代謝後に、列挙される活性を有し得る。
一局面において、本発明は、患者に有効量の本発明の化合物を投与する工程を含む、癌に苦しむ患者を処置する方法である。適切な薬剤は、既存の形態で、または完全もしくは部分的な代謝後に、列挙される活性を有し得る。
別の局面において、本発明は腫瘍細胞の化学治療剤への感受性を(例えば、付加的または相乗的に)高める方法であり、腫瘍細胞は本明細書に開示される化合物と接触する。関連する局面において、本発明は正常細胞の化学治療剤に対する感受性を低減する方法であり、正常細胞は本明細書に開示される化合物と接触する。
一態様において、本発明は、本発明の化合物に応答しやすい患者を同定する方法である。当該分野に公知の標準的な特徴づけ方法を使用して、1つ以上の下記の性質:1つ以上の経路のメンバー(例えば、リン酸化Erk1/2、リン酸化MEK等)の活性化、および/または類似もしくは同一の遺伝子型の細胞株のインビトロもしくはインビボのいずれかでの本発明の化合物の曝露に対する遺伝子発現プロフィールおよび/またはそれに対する感受性を特徴とする異常なRasシグナル伝達経路活性を示す新形成を有すると同定された患者を応答性であると予測する。
さらに別の態様において、本発明は:
(a) 細胞増殖を阻害する、本明細書に開示される化合物である候補治療剤を同定する工程、
(b) 動物における効果および細胞毒性について工程(a)で同定された候補治療剤の治療プロフィールを実行する工程;ならびに
(c) 許容され得る治療プロフィールを有する場合に工程(b)で同定された1つ以上の候補治療剤を含む医薬調製物を製剤化する工程
を含む製薬ビジネスを実行する方法である。
工程(b)および(c)の一方もしくは両方の代わりに、またはそれに加えて、該方法は、候補治療剤のさらなる開発のための権利を第三者に許諾することを含み得る。さらなる態様において、薬物発見ビジネスを実施する方法は、販売のための医薬調製物の分配について分配システムを確立することを含む。任意に、販売グループは医薬調製物のマーケティングのために設立される。
本発明はさらに梱包された医薬品を含む。一態様において、梱包された医薬品は:(i)本明細書に開示される治療有効量の化合物;および(ii)癌を有する患者の処置のための薬剤の投与のための指示書および/またはラベルを含む。該指示書またはラベルは、CD、DVD、フロッピーディスク、メモリーカード等のコンピューターにより読み取り可能な電子媒体に保存され得る。
本発明はさらに、癌の処置のための医薬の製造における本明細書に開示される化合物の使用を提供する。
特定の態様において、本発明の方法はさらに、通常アポトーシス機構により細胞を殺傷する化学治療剤などの1つ以上の薬剤を組み合わせて投与する工程を含む。腫瘍の増殖速度を低減する使用および癌に苦しむ患者を処置する使用に適切な薬剤としては、有機低分子、ペプチド、タンパク質、ペプチド模倣物、核酸、抗体およびそれらの組合せが挙げられるがそれらに限定されない。
本発明の全ての態様が、本発明の異なる局面下で記載されたとしても1つ以上の他の態様と組み合わされ得ることが企図される。
(発明の詳細な説明)
本発明はまた、構造式(I)

で表される、本明細書に開示される方法および組成物の使用に適切な化合物または薬学的に許容され得るその塩を提供し、
式中、
Raはハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール-O-、置換もしくは非置換アルキル-O-、置換もしくは非置換アルケニル-O-または置換もしくは非置換アルキニル-O-であり、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは任意にNR、OまたはS(O)nで中断される;
各R2は独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-NRC(O)R、-SO2N(R)2、-N(R)2、-NO2、-OHおよび-OR'からなる群より選択される;
各R3は独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-NRC(O)R、-SO2N(R)2、-N(R)2、-NO2、-OHおよび-OR'からなる群より選択される;
R4およびR5は独立して、-H、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換非芳香族複素環および置換もしくは非置換アリールからなる群より選択され、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは任意にNR、OまたはS(O)nで中断されるか;またはR4およびR5は共に炭素環基もしくは複素環基を形成する;
Vは-NH-L-A-Qまたは

である;
環Cは置換もしくは非置換複素環芳香族または非芳香族環である;
AはNRまたはOであるか;またはAは共有結合である;
Lは置換もしくは非置換ヒドロカルビル基であり、任意に1つ以上のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子で中断される;
Qは-R、-C(O)R'、-C(O)N(R)2、-C(O)OR'および-S(O)2R'からなる群より選択される;
各Rは独立して、-H、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換非芳香族複素環である;
各R'は独立して、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換非芳香族複素環または置換もしくは非置換アリール基である;
jは0〜4の整数である;
jおよびkの少なくとも1つが1〜4の整数である場合、kは0〜4の整数である;ならびに
各nは独立してO、1または2である。
本発明の特定の化合物について、Vは

である。
上記構造に包含されるVの適切な例としては、

が挙げられる。Vがこれらの構造の一つで表される場合、Aは通常共有結合またはNRである。Vの特に適切な例は、

であり、式中Aは共有結合である;ならびに

式中AはNRである、である。
特定の態様において、Aは共有結合であり、Qは-Rである。Qが-Rである場合、Qは通常-Hまたは置換もしくは非置換アルキル基(例えば、メチル、エチル)である。特定のこのような態様において、Vは

であり、Aは共有結合であり、Qは-H、メチルまたはエチル、特にメチルである。
特定の態様において、本発明中の化合物、特にVが上述のものである化合物の置換基-Qはアシル基である。アシル基は通常-C(O)R'で表され、式中R'は上述に規定の通りである。特定の態様において、-C(O)R'中のR'は置換もしくは非置換 アリールまたはアリールオキシアルキル基、特に置換もしくは非置換フェニルまたは置換もしくは非置換フェニルオキシメチル基などのフェニルオキシアルキル基である。フェニル基についての適切な置換基としては、C1-6アルキル、CF3、ヒドロキシル、C1-4アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ハロゲン、-N(R)2、ニトロ、カルボン酸、カルボキシルエステル、およびスルホニルである。フェニルオキシメチル基の適切な置換基としては、ハロゲン、特に塩素が挙げられる。塩素は、存在する場合には、好ましくはフェニル環の4位にあり、以下の-Q基:

を生じる。
Vが-NH-L-A-Qで表される化合物において、Lは通常置換もしくは非置換アルキレンまたはポリ(アルキレングリコール)(例えば、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)である。適切なアルキレンの例は、jが2〜4などの1〜6の整数である-(CH2)j-で表される。ポリ(アルキレングリコール)は通常2-または3マーである。
特にV(AおよびQを含む)が上述の値を有する場合、R4およびR5は通常独立して、-Hまたは置換もしくは非置換アルキル基(例えば、アルキル、アルコキシアルキル、モノまたはジアルキルアミノアルキル、アラルキル)である。より典型的には、R4およびR5は独立して、置換もしくは非置換C1-C4アルキル基、特にメチルである。
R1は通常、置換もしくは非置換アルキル基、特に非置換C1-C4アルキル基(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル)である。一例において、R4、R5、およびVが上述の値を有する場合、R1は通常、置換もしくは非置換アルキル基である。
特定の態様において、kが0である場合などは、jは1、2、3または4である。特定の態様において、jが0である場合などは、kは1、2、3または4である。特定の態様において、jは1〜4の整数であり、kは1〜4の整数である。例えば、jは1でkは1であり、jは1でkは2であり、jは1でkは3であり、jは1でkは4であり、jは2でkは1であり、jは2でkは2であり、jは2でkは3であり、jは2でkは4であり、jは3でkは1であり、jは3でkは2であり、jは3でkは3であり、jは3でkは4であり、jは4でkは1であり、jは4でkは2であり、jは4でkは3であり、またはjは4でkは4である。
1つ以上のR2および/またはR3置換基が存在する場合、それらは通常独立して、極性置換アルキル、極性置換アルコキシ、極性置換炭素環式アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール(例えば、イミダゾール、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、トリアゾリルなどの窒素含有へテロアリール)および置換もしくは非置換非芳香族複素環(例えば、ピラゾリル、ピペラジニル(piperadinyl)、ピペラジニル(piperazinyl)、モルホリニル、ホモピペラジニル)からなる群より選択される。都合の良いことに、これらの基は化合物の水溶性を向上させる。特に、適切な極性置換としては、アミノ、アミド、グアニジノ、-SO3H、-PO3H、-OHおよび-COOH(-COOHに加水分解されるエステルを含む)、ならびにそれらの塩が挙げられる。他の適切な置換基としては、ニトロ、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン、ならびにハロゲン置換アルキルおよびアルコキシ基(例えば、-CF3、-OCF3)が挙げられる。
R2および/またはR3についてのさらなる適切な値は、-NRC(O)Rおよび-N(R)2、特に-NHC(O)Rおよび-NHRを含む。-NHC(O)Rおよび-NHRについて、Rは通常-Hまたは置換アルキル基である。かかるアルキル基上の置換基は、都合の良いことに、別の官能基と反応して共有結合を形成し得る、アミン、カルボン酸、酸ハロゲン化物ハロゲン等の官能基である。好ましくは、R2および/またはR3が-NHC(O)Rまたは-NHRである場合、Rは(例えば、アルキルが通常C3-C6であるような)アミノアルキルであるか、R2および/またはR3が-NHRである場合、Rは-Hである。R2および/またはR3の例としては、-NH2、-NHC(O)(CH2)3NH2および-NH(CH2)6NH2が挙げられる。
特定の態様において、構造式(I)の化合物は以下の特定の構造:

で表される。
構造式(Ia)において、R2は通常-NHR(例えば、-NH2)であり、Raは通常アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ)である。構造式(Ib)において、R3は通常ハロゲンまたは-OCF3であり、Raは通常ハロゲンまたはアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ)である。特定の態様において、構造式(Ia)中のR3は構造式(Ib)中のR3と同じ位置にある。
本発明の特に適切な化合物は、以下の特徴: (1) Vは4-ピペラジニル、4-ホモピペラジニル、4-メチルホモピペラジニルまたは4-(4-クロロフェノキシアセチル)ピペラジニル、好ましくは4-メチルホモピペラジニルである;(2) R4は-Hまたは非置換アルキル基、好ましくは-Hまたはメチルである;(3) R5は-Hまたは非置換アルキル基、好ましくは-Hまたはメチルである;(4) Raは非置換アルキル-O-基、好ましくはエチル-O-(即ち、エトキシ)である;ならびに(5) R2およびR3の少なくとも1つは水溶性を高める基(例えば、-NH2)、-NO2、-OCF3および/またはハロゲンである、の1つ以上を有する。このような適切な化合物の例は、特徴(1);特徴(1)および(2);特徴(1)〜(3);特徴(1)〜(4);または特徴(1)〜(5)を有する。
本発明はまた、構造式(II)

で表される、本明細書に開示の方法および組成物の使用に適切な化合物または薬学的に許容され得るその塩を提供し、
式中、
R1は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニルまたは置換もしくは非置換アルキニル基であり、それぞれは任意にNR、OまたはS(O)nで中断される;
各R2は独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-NRC(O)R、-SO2N(R)2、-N(R)2、-NO2、-OHおよび-OR'(例えば、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-SO2N(R)2、-OHおよび-OR')からなる群より選択される;
各R3は独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-NRC(O)R、-SO2N(R)2、-N(R)2、-NO2、-OHおよび-OR'(例えば、ハロゲン、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-SO2N(R)2、-OHおよび-OR')からなる群より選択される;
R4およびR5は独立して、-H、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換非芳香族複素環および置換もしくは非置換アリールからなる群より選択され、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは任意にNR、OまたはS(O)nで中断されるか;またはR4およびR5は共に炭素環基もしくは複素環基を形成する;
Vは-NH-L-A-Qまたは

である;
環Cは置換もしくは非置換複素環芳香族もしくは非芳香族環である;
AはNRまたはOであるか;またはAは共有結合である;
Lは、N、OおよびSから選択される1つ以上のヘテロ原子で任意に中断される、置換もしくは非置換ヒドロカルビル基である;
Qは-R、-C(O)R'、-C(O)N(R)2、-C(O)OR'および-S(O)2R'からなる群より選択される;
各Rは独立して、-H、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換非芳香族複素環である;
各R'は独立して、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換非芳香族複素環または置換もしくは非置換アリール基である;
jは0〜4の整数である;
jおよびkの少なくとも1つが1〜4の整数である場合、kは0〜4の整数である;ならびに
各nは0、1または2である。
本発明の特定の化合物について、Vは

である。Vの特に適切な例は、

式中Aは共有結合である;ならびに

式中AはNRである、である。
特定の態様において、Aは共有結合であり、Qは-Rである。Qが-Rである場合、Qは典型的に-Hまたは置換もしくは非置換アルキル基(例えば、メチル、エチル)である。このような特定の態様において、Vは

であり、Aは共有結合であり、Qは-H、メチルまたはエチル、特にメチルである。
特定の態様において、本発明の化合物、特にVが上述の通りである化合物中の置換基-Qはアシル基である。アシル基は典型的に-C(O)R'で表され、式中R'は上述の通りに定義される。特定の態様において、-C(O)R'中のR'は置換もしくは非置換アリールであるかアリールオキシアルキル基、特に置換もしくは非置換フェニル、または置換もしくは非置換フェニルオキシメチル基などのフェニルオキシアルキル基である。フェニル基についての適切な置換基としては、C1-6アルキル、CF3、ヒドロキシル、C1-4アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ハロゲン、-N(R)2、ニトロ、カルボン酸、カルボン酸エステル、およびスルホニルが挙げられる。フェニルオキシメチル基についての適切な置換基としては、ハロゲン、特に塩素が挙げられる。塩素が存在する場合には、好ましくはフェニル環の4位に存在して、下記の-Qの官能基:

を生じる。
Vが-NH-L-A-Qで表される化合物において、Lは通常、置換もしくは非置換アルキレンまたはポリ(アルキレングリコール)(例えば、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)である。適切なアルキレンの例は、jが2〜4のような1〜6の整数である-(CH2)j-で表される。ポリ(アルキレングリコール)は通常2-または3マーである。
特にV(AおよびQを含む)が上述の値を有する場合、R4およびR5は通常独立して、-Hまたは置換もしくは非置換アルキル基(例えば、アルキル、アルコキシアルキル、モノもしくはジアルキルアミノアルキル、アラルキル)である。より典型的に、R4およびR5は独立して、-Hまたは置換もしくは非置換C1-C4アルキル基、特にメチルである。
R1は典型的に、置換もしくは非置換アルキル基、特に非置換C1-C4アルキル基(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル)である。一例において、R4、R5、およびVが上述の値を有する場合、R1は典型的には置換もしくは非置換アルキル基である。
特定の態様において、kが0であるような場合にはjは1、2、3または4である。特定の態様においてjが0であるような場合にはkは1、2、3または4である。特定の態様において、jは1〜4の整数であり、kは1〜4の整数である。例えば、jは1でkは1であり、jは1でkは2であり、jは1でkは3であり、jは1でkは4であり、jは2でkは1であり、jは2でkは2であり、jは2でkは3であり、jは2でkは4であり、jは3でkは1であり、jは3でkは2であり、jは3でkは3であり、jは3でkは4であり、jは4でkは1であり、jは4でkは2であり、jは4でkは3であり、またはjは4でありkは4である。
1つ以上のR2および/またはR3置換基が存在する場合、それらは通常独立して、極性置換アルキル、極性置換アルコキシ、極性置換カルボキシルアリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール(例えば、イミダゾール、オキサゾール、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、トリアゾリルなどの窒素含有ヘテロアリール)および置換もしくは非置換非芳香族複素環(例えば、ピラゾロリル、ピペラジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ホモピペラジニル)からなる群より選択される。都合の良いことに、これらの官能基は化合物の水溶性を向上させる。特に適切な極性置換基としては、アミノ、アミド、グアニジノ、-SO3H、-PO3H、-OHおよび-COOH(-COOHに加水分解されるエステルを含む)、ならびにそれらの塩が挙げられる。他の適切な置換基としては、ニトロ、塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲン、ならびにハロゲン置換アルキルおよびアルコキシ基(例えば、-CF3、-OCF3)が挙げられる。
R2および/またはR3についてのさらなる適切な値としては、-NRC(O)Rおよび-N(R)2、特に-NHC(O)Rおよび-NHRが挙げられる。-NHC(O)Rおよび-NHRについて、Rは通常-Hまたは置換アルキル基である。かかるアルキル基上の置換基は、都合の良いことに、別の官能基と反応してアミン、カルボン酸、酸ハロゲン化物、ハロゲン等の共有結合を形成し得る官能基である。好ましくは、R2および/またはR3が-NHC(O)Rまたは-NHRである場合Rは(例えば、アルキルが通常C3-C6のような)アミノアルキルであるか、R2および/またはR3が-NHRである場合Rは-Hである。R2および/またはR3の例としては、-NH2、-NHC(O)(CH2)3NH2および-NH(CH2)6NH2が挙げられる。
本発明の特に適切な化合物は、以下の特徴:(1) Vは4-ピペラジニル、4-ホモピペラジニル、4-メチルホモピペラジニルまたは4-(4-クロロフェノキシアセチル)ピペラジニルである;(2) R4は非置換アルキル基、好ましくはメチルである;R5は-Hまたは非置換アルキル基、好ましくは-Hまたはメチルである;(4) R1は非置換アルキル基、好ましくはエチルである;ならびに(5) R2およびR3の少なくとも1つは水溶性を高める官能基、-OCF3、-NO2および/またはハロゲンである、の1つ以上を有する。かかる適切な化合物の例は、特徴(1);特徴(1)および(2);特徴(1)〜(3);特徴(1)〜(4);または特徴(1)〜(5)を有する。
代表的な化合物としては、化合物(1)、(2)および(3):

が挙げられる。
さらなる代表的な化合物としては、化合物(4)〜(9):



が挙げられる。
さらなる代表的な化合物は実施例に示される。
本発明に含まれる化合物には、本明細書に開示される化合物の鏡像異性体およびジアステレオマーが含まれる。本発明にはまた、塩、特に本明細書に開示される化合物の薬学的に許容され得る塩も含まれる。さらに、本発明には、本明細書に開示される化合物の溶媒化合物形態、水和物形態および多型結晶形態が含まれる。
本発明の全ての態様は、本発明の異なる局面下で記載されたとしても、1つ以上の他の態様と組み合わされ得ることが企図される。
用語「アシル」は、本明細書で使用される場合、一般式:

で表され得るような部分を含み、
式中、適切なR基は、限定されることはないが、H、アルキル、アルコキシ、アラルキル、アリールオキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールオキシ、およびシクロアルキルを含み、これらの任意の官能基は、任意にさらに適切に置換されてもよい。
用語「ヒドロカルビル」は、置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、飽和もしくは不飽和炭化水素基のことをいう。指摘される場合、ヒドロカルビル原子は、N、OおよびSなどの1つ以上のヘテロ原子により中断され得る(つまり、ヘテロ原子は官能基の末端にはならない)。用語「アルキル」は、トリフルオロメチルおよび2,2,2-トリフルオロエチル等のハロアルキル基など直鎖アルキル基および分岐鎖アルキル基を含む、置換もしくは非置換、飽和炭化水素基のことをいう。C0アルキルとは、結合が内部にある場合に官能基が末端位に存在する水素を示す。用語「アルケニル」および「アルキニル」は、上述のアルキル類に類似する潜在的置換基であるところの置換もしくは非置換、不飽和脂肪族基のことをいい、これは少なくとも1つの二重結合または三重結合のそれぞれを含有する。
用語「アルコキシ」は、アルキル基が結合した酸素のことをいう。代表的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert-ブトキシ等が挙げられる。「エーテル」は1つの酸素により共有結合された2つの炭化水素である。従って、アルキルをエーテルにするアルキルの置換基はアルコキシであるか、またはアルコキシに類似する。
用語「アラルキル」は、本明細書で使用する場合、アリール基で置換されたアルキル基のことをいう。
用語「炭素環」は、本明細書で使用される場合、環の各原子が炭素である、3〜8員の置換もしくは非置換の単環飽和もしくは不飽和環式脂肪族基のことをいう。
本明細書で使用される場合、用語「複素環」としては、環が1〜3のヘテロ原子を含む3〜8員、好ましくは4〜8員の、置換もしくは非置換単環基が挙げられる。非芳香族複素環基の例としては、ピロリジン、ピペラジン(piperadine)、ピペラジン(piperazine)、テトラヒドロフランおよびテトラヒドロチオフェンが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「アリール」は、5、6、および7員の置換もしくは非置換単環式の炭素環または複素環芳香族基を含む。用語「アリール」はまた、2つの隣接する環について2つ以上の炭素が共通する、2つ以上の環を有する多環系を含み、環の少なくとも1つが芳香族であり、例えば他方の環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/または複素環であり得る。炭素環アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリン等が挙げられる。用語「ヘテロアリール」は、環構造が1〜4のヘテロ原子を含む、置換もしくは非置換芳香族の5〜7員環構造、より好ましくは5〜6員環を含む。用語「ヘテロアリール」はまた、2つの隣接する環について2つ以上の炭素が共通している、2つ以上の環を有する多環系も含み、環の少なくとも1つがヘテロ芳香族であり、例えば他方の環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、および/または複素環であり得る。複素環基としては、例えばピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジン等が挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「ヘテロ原子」とは、炭素または水素以外の他の任意の元素を意味する。好ましいヘテロ原子は窒素、酸素、リン、および硫黄である。
用語「多環」または「多環式」は、隣接する2つの環について2つ以上の炭素が共通する、2つ以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/または複素環)のことをいい、例えば該環は「融合された環」である。多環のそれぞれの環は置換または非置換であり得る。
用語「置換された」は主鎖中の1つ以上の炭素上の水素を置換する置換基を有する部分のことをいう。「置換」または「置換された」は、かかる置換が置換された原子および置換基の許容されるバランスに従うこと、ならびに置換により安定な化合物、例えば転位、環状化、脱離等により自発的に変形しない化合物を生じるという暗黙の規定を含むことが理解されよう。本明細書で使用される場合、用語「置換された」は、有機化合物の全ての許容可能な置換基を含むことを企図する。広い局面において、許容可能な置換基としては、有機化合物の非環状および環状、分岐および非分岐、炭素環および複素環、芳香族および非芳香族の置換基が挙げられる。許容可能な置換基は、適切な有機化合物について1つ以上であり、同一または異なり得る。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子のバランスを充足する本明細書に記載される任意の許容可能な有機化合物の置換基を有し得る。置換基としては、例えばハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメートなど)、アルコキシ、ホスホリル、ホスフェート、ホスフォネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロサイクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分が挙げられる。適切である場合、炭化水素鎖上の置換された部分自体が置換され得ることは、当業者には理解されよう。
用語「有機低分子」は、分子量2000amu未満を有する非ポリマー性化合物のことをいう。典型的に、かかる分子は、500amu未満など、1000amu未満の分子量を有する。
選択的細胞殺傷
遺伝子型選択的化合物が分子プローブとして作用する能力は、低分子を使用してタンパク質および生物学的作用下にある経路を同定し得るという化学的な遺伝子性質の前提に基づく(Schreiber, 1998, Bioorg. Med. Chem. 6, 1127-1152; Stockwell, 2000, Nat Rev Genet 1, 116-25; Stockwell, 2000, Trends Biotechnol 18, 449-55)。例えば、天然産物ラパマイシンが細胞増殖を遅らせるという観察により、細胞増殖を制御するタンパク質としてラパマイシンの哺乳動物の標的(mTOR)の発見が可能になった(Brown et al., 1994, Nature 369, 756-758; Sabatini et al., 1994, Cell 78, 35-43)。
一連のヒト腫瘍細胞は、欠失により腫瘍形成表現型を生じる決定的な経路の同定に使用される、規定の遺伝子要素により操作されている(Hahn et al., 1999, Nat Med 5, 1164-70; Hahn et al., 2002, Nat Rev Cancer 2, 331-41 ; Lessnick et al., 2002, Cancer Cell 1, 393-401)。これらの実験的に形質転換された細胞が、特定の癌関連対立遺伝子の存在下で人工的な致死を発揮する遺伝子型選択的な因子の同定を可能にするということが予測される。遺伝子型選択的な致死を伴う化合物は、腫瘍細胞中に存在するシグナル伝達ネットワークの分子プローブとして、好ましい治療指標を有する臨床的に有効な薬物のその後の開発のきっかけとしておよび/または有効な薬物として機能し得る。
本発明は癌細胞、特に、高いRasシグナル伝達活性を有するような遺伝子型特異的癌細胞を殺傷する化合物を提供する。
従って、本発明の一局面は癌細胞、特に、高いRas活性を有する細胞を選択的に殺傷する方法を提供し、該方法は処置を必要とする哺乳動物患者に治療有効量の本明細書に開示される化合物を投与する工程を含む。
当該技術分野で周知のように、Rasの恒常的な活性化はヒト癌細胞の悪性増殖に重要な要素であると思われる。RASプロト癌遺伝子(H-RAS、N-RAS、K-RAS)の変異は、腫瘍の種類において発病率は大きく異なるが、全てのヒトの腫瘍の20%〜30%で見られる頻度の高い遺伝子の異常である(Bos, Cancer Res. 49: 4682-4689, 1989)。RAS変異の最も高い割合は脾臓(90%)、結腸(50%)および肺(30%)の腺癌で検出された。甲状腺の濾胞および未分化癌において、RAS変異の発生率もかなりのものである(50%)。最も一般的に観察されるRAS変異は、Ras制御に重要な部位−即ちコドン12、13、および61で生じる。これらの変異のそれぞれにより、Rasの正常なGTPアーゼ活性の停止が生じる。Rasの活性化は骨髄性白血病および多発性骨髄腫などの血液性の悪性疾患においても頻繁に観察される。骨髄形成異常症候群(MDS)および急性骨髄性白血病(AML)の約1/3において、RAS遺伝子は変異的に活性化される。RAS変異は新規に診断された多発性骨髄腫患者の約40%で生じ、その頻度は疾患の進行に伴って増加する。
活性化されたRas経路を有する細胞は、本明細書に開示される化合物によりアポトーシス機構を介するなどして選択的に殺傷される。
従って、特定の態様において、ある特定の遺伝子型を有する癌細胞は本発明の化合物により選択的に殺傷され得る。これらは恒常的に活性化しているRas変異またはRasシグナル伝達経路の変異、および高いERK1、MEK1活性を有する癌を含み得る。
他の特定の態様において、標的細胞の遺伝子型は選択的に改変され得るので、本発明の化合物に対して以前は感受性ではなかった標的細胞は、これらの化合物による殺傷に対して感受性になる。
特定の態様において、本発明は、高いRas活性を有さない比較的正常な細胞を保護しながら、高いRas経路活性を有する癌細胞を選択的に殺傷する方法を提供する。多くの癌が癌細胞中で高いRasシグナル伝達活性をもたらす体細胞のRasV12または他の同様の変異を有するが、同一患者/個体中の正常細胞は同様のRasV12または他のRas経路変異を有さないために、これは有用であり得る。本発明の化合物を使用してこれらの癌細胞を選択的に殺傷し得る。正常細胞は高いRasシグナル伝達活性を有さない可能性が高いので、主題の方法は癌細胞の殺傷に効果的である。
いくつかの態様において、高いRas活性は、アミノ酸位12、13、および/または61での恒常的に活性なRas(N-、H-、またはK-Ras)変異により示される。
いくつかの他の態様において、高いRas活性は、Raf、MEK、MAPK等を含むがこれらに限定されないRas経路タンパク質の1つ以上の下流成分の高い活性により示される。
さらに他の態様において、細胞は、標的タンパク質または複数の標的タンパク質の導入または発現により、(1つまたは複数の)薬剤に対して感受性になり得る。発現は、標的細胞を、標的タンパク質を発現するアデノウイルスベクターまたはレトロウイルスベクターに感染させること(下記参照)により達成することができる。
あるいは、標的タンパク質は標的細胞に直接提供されてもよい。例えば、当該技術分野に公知の種々の方法を使用して、(1つまたは複数の)タンパク質が標的細胞に導入されてもよい(詳細は下記参照)。一態様において、表面に正の電荷を有するリポソーム(例えば、リポフェクチン)に標的タンパク質を閉じ込めることにより、標的細胞にタンパク質を提供してもよく、リポソームは任意に標的組織の細胞表面抗原に対する抗体、例えば癌細胞表面抗原に対する抗体でタグ化される。別の態様において、限定はされないがHIVタンパク質TatのN末端ドメイン(例えばTatの残基1〜72またはトランスサイトーシスを促進し得るその小断片)、ショウジョウバエ アンテナペディアIIIタンパク質の全部または一部、マストパランの充分な部分等(下記参照)を含む、トランスサイトーシスを仲介し得る任意の「内在化ペプチド」を使用して、トランスサイトーシスによりタンパク質を標的細胞に提供してもよい。
他の態様において、抗体、RNAi(siRNA、ショートヘアピンRNA等)、アンチセンス配列、またはかかる標的タンパク質に特異的な低分子インヒビターを送達して、タンパク質(および/または他の標的タンパク質)の減少が達成されてもよい。
タンパク質のこのようなアンタゴニストの標的細胞への送達は、当該技術分野で周知である。例えば、全てが参照により本明細書に援用されるWO04078940A2、EP1439227A1、WO04048545A2、US20040029275A1、WO03076592A2、WO04076674A1、WO9746671A1、を参照のこと。
本発明の別の局面は、アポトーシス機構により細胞を殺傷する本発明の化合物および1つ以上の薬剤、または治療法(例えば放射線治療)を使用した組合せ治療方法を提供する。かかる薬剤は、下記の多くの化学療法薬を含む。
本発明の化合物に感受性の細胞において特定のタンパク質が高い発現レベルを有していると考えられている。
特定の態様において、標的細胞は、本発明の化合物による殺傷または増殖速度の遅延に対する感受性を高めるように、より高いレベルの(1つまたは複数の)標的タンパク質を発現するよう操作される。
例えば、標的タンパク質は当該技術分野に公知の種々の方法(詳細は下記参照)を使用して標的細胞に導入されてもよい。一態様において、標的タンパク質は、表面に正の電荷を有するリポソーム(例えば、リポフェクチン)に標的タンパク質を閉じ込めることにより、標的細胞に提供されてもよく、リポソームは任意に標的組織の細胞表面抗原に対する抗体、例えば癌細胞表面抗原に対する抗体でタグ化される。
あるいは、例えば、アデノウイルスベクターまたはレトロウイルスベクターを使用して、機能的な標的をコードする核酸がかかる標的細胞に導入されてもよい。
また、標的タンパク質インヒビター(転写もしくは翻訳インヒビター、または細胞中のタンパク質代謝を促進するインヒビター)の発現を刺激する薬剤、またはその活性を抑制する薬剤により、内在性標的タンパク質活性を刺激してもよい。
特定の局面において、本発明の方法はまた、細胞中の標的タンパク質の生成量を増加させる薬剤を投与する工程を含む。標的タンパク質の生成量を増加させるための薬剤は、例えば細胞内に移行されるように適合されたタンパク質、例えば異種の内在化ドメインと融合されるかまたはリポソーム調製物中に製剤化されるタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含み得る。
特定の局面において、本発明の方法はまた、細胞中の標的タンパク質の生成量を減少させる薬剤を投与する工程を含む。標的タンパク質の生成量を減少させるための薬剤は、例えば内在性タンパク質発現を阻害し得るか、タンパク質発現を抑制し得るか、またはタンパク質インヒビターの機能を増強し得る。
以下のセクションは、本発明の特定の例示的態様を記載し、それぞれが組み合わされ得ることを企図する。また、該態様はただ例示目的のためだけであり、いかなる点においても限定されるように解釈されるべきではない。
セルライン
以前の報告には、hTERTおよび癌遺伝子型RASタンパク質ならびにp53、RBおよびPP2Aの機能を妨害する他のタンパク質を発現するベクターの導入により、原発性のヒト細胞を腫瘍形成細胞に転換することが可能であることが示されている(Hahn et al., 2002, MoI Cell Biol 22, 2111-23; Hahn et al., 1999, Nature 400, 464-8; Hahn and Weinberg, 2002, Nat Rev Cancer 2, 331-41; Lessnick et al., 2002, Cancer Cell 1, 393-401)。一連の作り変えられたヒト腫瘍形成細胞およびその前駆体は、本明細書に記載のアッセイに使用することができる。これらの作り変えられた腫瘍形成細胞の種々の特徴は以前に報告されており、該細胞の培養中の時間の倍化、複製老化および危機に対する耐性、該細胞のγ線照射に対する応答、該細胞の足場非依存的な様式の増殖能力および該細胞の免疫不全マウスにおける腫瘍形成能が含まれる(Hahn et al., 1999, 上述; Hahn et al., 2002, 上述; Lessnick et al., 2002, 上述)。
遺伝子型選択的化合物のスクリーニング方法
本明細書で使用する場合、用語の薬剤と薬物は交換可能に使用される。本明細書で使用する場合、用語「毒性である」とは薬剤または化合物の腫瘍形成細胞の成長/増殖を殺傷または阻害する能力のことをいう。大規模スクリーニングには、作り変えられた腫瘍形成細胞に対する選択的毒性について高出力形式で数百または数千の化合物をスクリーニングするスクリーニングが含まれる。本発明の一態様において、選択的毒性は、腫瘍形成細胞およびコントロール細胞である試験細胞の、候補薬剤と接触させた後の細胞妥当性を比較することにより決定される。適当なコントロールとは、コントロール細胞が腫瘍形成性ではないこと以外を除いて、試験細胞の種類と同じ種類の細胞である。例えば、コントロール細胞は、試験細胞がそれに由来する親の一次細胞であり得る。コントロール細胞は、試験細胞と同じ条件下で候補薬剤と接触させる。適切なコントロールは、同時に試験され得るか、または前もって確立されてもよい(例えば、前もって確立された標準または基準)。細胞妥当性は、Sytox、カルセインアセトキシメチルエステル(カルセインAM)およびアラマーブルーなどの使用を含む、当該技術分野に公知の種々の何らかの手段により決定される。本発明の特定の態様において、カルセインAMなどの色素が、候補薬剤で処置後の試験細胞およびコントロール細胞に適用される。生細胞中ではカルセインAMは細胞内エステラーゼにより切断され、アニオン性蛍光誘導体カルセインを形成するが、生細胞の外部に漏れ出ることはできない。そのため、生細胞はカルセインAMとインキュベートされた場合に緑色の蛍光を発するが、死細胞は発しない。生細胞により発生される緑色蛍光は検出することができ、それにより細胞妥当性の測定値を提供することができる。
本発明の特定の態様において、インビトロで選択的に細胞死を誘導するものと同一の薬剤は、さらに、動物モデルにおいて特徴付けられる。動物モデルとしては、非トランスジェニック動物(例えば、野生型)またはトランスジェニック動物であり得るマウス、ラット、ウサギ、およびサルが挙げられる。作り変えられた腫瘍形成細胞において選択的に細胞死を誘導する薬剤の効果は、動物の腫瘍形成細胞において選択的に細胞死を誘導する能力、および動物に対するその一般的な毒性などの任意の数の効果について、動物モデルで評価されてもよい。例えば、該方法は、適切なマウスモデルにおける腫瘍形成細胞に対する薬剤(薬物)の選択的毒性をさらに評価する工程を含み得る。
腫瘍形成細胞において死を誘導する薬剤の効果は、動物の腫瘍形成細胞において死を誘導する薬剤の能力および動物に対するその一般的な毒性などの任意の数の効果について、動物モデルで評価されてもよい。例えば、該方法は、適切なマウスモデルにおける腫瘍形成細胞に対する薬剤(薬物)の毒性をさらに評価する工程を含み得る。説明するために、薬剤は、試験される薬剤がマウス中に確立された固形腫瘍の成長を阻害する能力を評価する、腫瘍成長アッセイを使用して、さらに評価され得る。該アッセイは、腫瘍細胞をヌードマウスの脂肪体に埋め込むことで実施され得る。その後、腫瘍細胞は、薬剤が投与される前に特定の大きさに成長し得る。腫瘍の体積を数週間、例えば3週間モニターする。アッセイ経過中に試験された動物の一般的な健康状態もモニターする。
腫瘍形成細胞の成長/増殖を選択的に殺傷または阻害するものとして同定された薬剤を、薬剤の作用機構を評価するための細胞ベースアッセイにおいてさらに特徴付けることができる。例えば、該薬剤は、プロアポトーシス経路により細胞死を誘導する薬剤の能力を評価するためのアポトーシスアッセイにおいて試験され得る。また、腫瘍細胞において死を誘導する薬剤は、非アポトーシス経路により腫瘍形成細胞中で死を誘導する薬剤の能力について評価され得る。例えば、該薬剤は、プロアポトーシス経路によって細胞死を誘導することができないという薬剤の能力をアッセイするためのアポトーシスアッセイにおいて試験され得る。
上述のアッセイにおいて、試験細胞の妥当性がコントロール細胞の妥当性よりも高い場合、選択的に細胞毒性を抑制する薬剤(薬物)が同定される。コントロール細胞は、試験細胞と同じ条件下で候補薬剤と接触させる。適切なコントロールは、同時に実験にかけられ得るか、または前もって確立されてもよい(例えば、前もって確立された標準または基準)。
本発明の遺伝子型選択的化合物
RASV12の発現により、いくつかの良く特徴付けられた、RAF-MEK-MAPKシグナル伝達カスケード、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)シグナル伝達経路およびRal-グアニン解離因子経路(Ral-GDS)を含むシグナル伝達経路の活性化がもたらされる。これらの経路のそれぞれは、ヒトの癌に関連しており、最近の研究によりこれらの経路が細胞形質転換の系で中心的に機能することが説明されている(Hamad et al., 2002, Genes Dev 16, 2045-57)。
遺伝子型選択的化合物の標的の同定方法
特定の態様において、本発明は、疾患にかかった細胞の表現型の付与に関与する標的(本明細書において「細胞成分」(例えば、タンパク質、核酸、または脂質)とも称される)を同定するための、本明細書において「リガンド」とも称される本発明の化合物の使用に関する。
一つの態様においては、本発明は新形成に関与する細胞成分を特定する方法を提供し、それによって、改変されたヒトの腫瘍形成細胞等の腫瘍形成細胞、組織、器官、生命体もしくは溶解物またはそれらの抽出物が主題の抗腫瘍性化合物に接触し;接触後に、リガンドと(直接的にまたは間接的に)相互作用する細胞成分を同定し、その結果新形成に関与する細胞成分を同定する。別の態様においては、本発明は新形成に関与する細胞成分を同定する方法を提供する。この方法において、(a)改変されたヒトの腫瘍形成細胞等の腫瘍形成細胞、組織、器官、生命体もしくは溶解物またはそれらの抽出物がリガンドのインヒビターと接触し、そしてリガンドと接触し;(b)リガンドのインヒビターと(直接的にまたは間接的に)相互作用し、新形成に関与する細胞成分を同定する。細胞は、リガンドおよびリガンドのインヒビターと逐次的にまたは同時に接触することができる。公知の方法によって、リガンドまたは本発明の任意の薬剤と相互作用する細胞成分を同定してもよい。
本明細書で説明されるように、これらの方法の主題の化合物(またはリガンド)は、任意の化学的な方法で作製し得る。必要に応じて、別の化合物によってリガンドを誘導してもよい。この改変の利点の一つは、誘導する化合物を用いて、例えばリガンドと標的との分離後に、リガンド・標的複合体の回収またはリガンドの回収を促進できることである。誘導体化群の限定されない例としては、ビオチン、フルオレセイン、ジゴキシゲニン(digoxygenin)、緑色蛍光タンパク質、アイソトープ、ポリヒスチジン、マグネチックビーズ、グルタチオンSトランスフェラーゼ、光活性化可能な架橋剤またはそれらを任意に組み合わせたものが挙げられる。これらの検出を促進する目的で、誘導体化群を標的(例えばエラスチン結合タンパク質)と一緒に用いることもできる。
本発明によれば、標的(細胞成分)は、インビボまたはインビトロで合成される天然の生体分子でもよい。標的は、アミノ酸、核酸、糖、脂質、天然物またはそれらを任意に組み合わせたものであってもよい。本発明の利点は、標的の同定または機能についての予備的知識が必要ではないことである。
リガンドと標的との間の相互作用は、共有的でもよく、または非共有的でもよい。必要に応じて、リガンド−標的のペアのリガンドは、その他の標的について親和性を示してもよく、または示さなくてもよい。リガンド−標的のペアの標的は、その他のリガンドについて親和性を示してもよく、または示さなくてもよい。
例えば、リガンドと標的との間の結合を、インビトロでの生化学的方法、例えば光架橋形成、放射標識されたリガンド結合およびアフィニティークロマトグラフィーを利用して、タンパク質のレベルで特定することができる(Jakoby WB et al., 1974, Methods in Enzymology 46:1)。あるいは、適切な固体支持体またはアガロースマトリックス等のアフィニティーマトリックス上に小分子を固定化して、様々なタイプの細胞および生命体の抽出物のスクリーニングに用いることができる。同様に、小分子を細胞、組織、器官、生命体もしくは溶解物またはそれらの抽出物と接触させてもよく、その後に固体支持体を加えて小分子を回収し、標的タンパク質と会合させることができる。
発現クローニングを利用して、タンパク質の小プール内で標的についての試験を行うことができる(King RW et. al., 1997, Science 277:973)。ペプチド(Kieffer et. al., 1992, PNAS 89:12048)、ヌクレオシド誘導体(Haushalter KA et. al., 1999, Curr. Biol. 9:174)および薬物−ウシ血清アルブミン(薬物-BSA)複合体(Tanaka et. al., 1999, Mol. Pharmacol. 55:356)が発現クローニングに用いられている。
標的をコードするDNAとリガンドとの結合をより密接に結びつけるための別の有用な技術は、ファージディスプレイである。主にモノクローナル抗体の分野で用いられているファージディスプレイにおいては、ペプチドライブラリーまたはタンパク質ライブラリーをウイルス表面上で作製し、そして活性についてスクリーニングする(Smith GP, 1985, Science 228:1315)。固相に結合した標的について、ファージを選別する(Parmley SF et al., 1988, Gene 73:305)。ファージディスプレイの利点の一つは、cDNAがファージ内にあり、そのために個別のクローニング工程が不要であることである。
限定されない例としては、リガンドが、例えばビオチン、フルオレセイン、ジゴキシゲニン、緑色蛍光タンパク質、ラジオアイソトープ、ヒスチジンタグ、マグネチックビーズ、酵素またはそれらを任意に組み合わせたもの等のマーカーを含むような結合反応の条件が挙げられる。本発明の一つの態様においては、標的に結合するリガンドを検出するアッセイ等のアッセイに基づくメカニズムによって、標的をスクリーニングしてもよい。これには、固相または流体相の、リガンドもしくはタンパク質のいずれかとの結合事象か、または結合されるいずれかの指示薬が挙げられ得る。あるいは、機能が未だに不明のタンパク質をコードする遺伝子を、レポーター系(例えばβ−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼまたは緑色蛍光タンパク質)と一緒に細胞内にトランスフェクトし、そして好ましくはハイスループットスクリーニング法によって、またはライブラリーの個々のメンバーと一緒に、ライブラリーに対してスクリーニングしてもよい。結合アッセイに基づくその他のメカニズムを用いてもよく、例えば酵素活性の影響を測定する生化学的アッセイ、標的およびレポーター系(例えばルシフェラーゼまたはβ−ガラクトシダーゼ)が予め細胞内に導入されている細胞に基づくアッセイ、ならびに自由エネルギーの変化を検出する結合アッセイが挙げられる。ウェル、ビーズもしくはチップに固定された標的を用いて、または固定化抗体に捕捉された標的を用いて、またはキャピラリー電気泳動によって溶解した標的を用いて、結合アッセイを実施してもよい。通常は、比色分析もしくは蛍光または表面プラズモン共鳴を利用して、結合したリガンドを検出することができる。
特定の態様においては、本発明では、本発明によって同定される標的(細胞成分)の機能(例えば活性または発現)を調節することによって、疾患(例えば癌)を治療または予防する方法をさらに検討する。例えば標的が腫瘍の増殖を促進させることが特定された場合、治療剤を用いて標的の機能(活性または発現)を改変または低減することができる。あるいは、標的が腫瘍の増殖を阻害することが特定された場合、治療剤を用いて標的の機能(活性または発現)を向上させることができる。この治療剤は本発明の化合物である。
治療方法
特定の態様においては、本発明は個体における癌を治療または予防する方法を提供する。「癌」、「腫瘍」および「新形成」という用語は、本明細書では互いに交換して用いられる。本明細書で用いられるように、癌(腫瘍または新形成)は、次の一つ以上の特性に特徴がある:その環境内での正常な生化学的および物理的な影響によって、細胞増殖が制御されないこと;退形成(例えば正常に調整された細胞分化の喪失);ならびにいくつかの例では転移。癌としては、例えば肛門癌、膀胱癌、乳癌、頸癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、子宮内膜癌、ヘアリー細胞白血病、頭頸部癌、肺(小細胞)癌、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、卵巣癌、脳腫瘍、結腸直腸癌、肝細胞癌、カポジ肉腫、肺(非小細胞癌)、メラノーマ、膵臓癌、前立腺癌、腎細胞癌および軟部組織肉腫が挙げられる。例えばIsselbacherら、(1994) Harrison's Principles of Internal Medicine 1814-1877にはさらなる癌が見出されるが、これは参照によって本明細書に援用される。
一般的に、本明細書に記載される方法によって治療可能な上記の癌は、Ras経路活性の規制が解除されている。一つの態様においては、上記の癌はRasシグナル伝達経路における変異を含むものであり、その結果向上したRasシグナル伝達活性が生じる。例えば、この変異はRas V12等のRas遺伝子内の構成的活性化変異であり得る。この変異は、その経路の活性化または変化した活性を生じさせるかもしれないRas経路に関連する遺伝子のいずれかの中にあってもよい。
一つの態様においては、本発明は、改変されたヒトの腫瘍形成細胞、または特定の遺伝子型(すなわち特異的に改変を受けた遺伝子型)の癌細胞に対して選択的に毒性を示す治療有効量の化合物を個体に投与する工程を含む、個体における癌を治療または予防する方法に関する。特定の態様においては、癌は、活性化されたRAS経路を有する細胞に特徴がある。さらに特定の態様においては、癌は、SV40スモールT癌タンパク質を発現する細胞、またはsTおよび/または癌遺伝子のRASの標的の調節を発揮する細胞に特徴がある。
関連する態様においては、本発明では、固形癌におよび転移の体制をコントロールすることに向けられた従来の化学療法等のその他の抗腫瘍療法と同時に本発明の方法を実施することを検討する。化学療法の期間中またはその後に、その他の抗腫瘍療法の実施を行うことができる。このような薬剤は通常、薬学的に許容され得る担体と一緒に製剤化され、そして静脈注射、経口、舌下、腸管外、噴霧吸入、局所適用または経皮によって、それを投与することができる。局所的な投与によって、薬剤を投与することもできる。一つ以上の追加の薬剤を抗癌用の化学療法用の薬剤(例えば本発明の化合物)と同時に投与することによって、相加的または相乗的な様式(manner compare)で癌細胞を阻害することが好ましい。
従来の豊富な化合物が抗腫瘍活性を有することが示された。これらの化合物は、固形癌を縮小させるための、転移およびさらなる増殖を予防するための、または白血病もしくは骨髄腫における悪性細胞の数を減少させるための化学療法における医薬として用いられてきた。化学療法は種々のタイプの悪性腫瘍の治療に効果的ではあったが、多くの抗腫瘍性化合物は望ましくない副作用を引き起こす。多くの場合において、二以上の異なる処置を組み合わせると、その処置が相乗的に作用し、処置のそれぞれの投与量を減少できることがあり、それによって、それぞれの化合物が多量に投与されることによって生じる有害な副作用が軽減される。その他の例では、治療による効果が認められない悪性腫瘍が、二以上の異なる処置の併用療法に応答することがある。
従って、本発明の化合物および医薬組成物を、従来の抗腫瘍性化合物と一緒に共同投与してもよい。従来の抗腫瘍性化合物としては:アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、bcg、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、コルヒチン、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エキセメスタン、フィルグラスチム、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲムシタビン、ゲニステイン、ゴセレリン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、インターフェロン、イリノテカン、イロノテカン、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、ノコダゾール、オクトレオチド、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィマー、プロカルバジン、ラルチトレキセド、リツキシマブ、ストレプトゾシン、スラミン、タモキシフェン、テモゾロマイド、テニポシド、テストステロン、チオグアニン、チオテパ、二塩化チタノセン、トポテカン、トラスツズマブ、トレチノイン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンが挙げられるが、これらは単なる例示である。
他の態様においては、本発明の化合物および医薬組成物を、EGF-レセプターアンタゴニスト、硫化ヒ素、アドリアマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、シメチジン、カルミノマイシン、塩酸メクロレタミン、ペンタメチルメラミン、チオテパ、テニポシド、シクロホスファミド、クロラムブシル、デメトキシヒポクレリンA(demethoxyhypocrellin A)、メルファラン、イホスファミド、トロフォスファミド(trofosfamide)、トレオスルファン、ポドフィロトキシンまたはポドフィロトキシン誘導体、リン酸エトポシド、テニポシド、エトポシド、ロイロシジン(leurosidine)、ロイロシン、ビンデシン、9-アミノカンプトセシン、カンプトイリノテカン、クリスナトール、メゲストロール、メトプテリン、マイトマイシンC、エクチナサイジン743、ブスルファン、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ロバスタチン、1-メチル-4-フェニルピリジニウムイオン、セムスチン、スタウロスポリン、ストレプトゾシン、フタロシアニン、ダカルバジン、アミノプテリン、メトトレキサート、トリメトレキサート、チオグアニン、メルカプトプリン、フルダラビン、ペンタスタチン、クラドリビン、シタラビン(ara C)、ポルフィロマイシン(porfiromycin)、5-フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、塩酸ドキソルビシン、ロイコボリン、ミコフェノール酸、ダウノルビシン、デフェロキサミン、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、ラルチトレキセド、イダルビシン、エピルビカン(epirubican)、ピラルビカン(pirarubican)、ゾルビシン(zorubicin)、ミトキサントロン、硫酸ブレオマイシン、アクチノマイシンD、サフラシン(safracins)、サフラマイシン、キノカルシン、ディスコデルモリド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、酒石酸ビノレルビン、ベルトポルフィン(vertoporfin)、パクリタキセル、タモキシフェン、ラロキシフェン、チアゾフラン、チオグアニン、リバビリン、EICAR、エストラムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、フルタミド、ビカルタミド、ブセレリン、ロイプロリド、プテリジン、エンジイン、レバミゾール、アフラコン(aflacon)、インターフェロン、インターロイキン、アルデスロイキン、フィルグラスチム、サルグラモスチム、リツキシマブ、BCG、トレチノイン、ベタメソゾン(betamethosone)、塩酸ゲムシタビン、ベラパミル、VP-16、アルトレタミン、タプシガルギン、オキサリプラチン、イプロプラチン、テトラプラチン(tetraplatin)、ロバプラチン(lobaplatin)、DCP、PLD-147、JMl18、JM216、JM335、サトラプラチン、ドセタキセル、脱酸素化(deoxygenated)パクリタキセル、TL-139、5'-ノル-無水ビンブラスチン(以下:5'-ノル-ビンブラスチン)、カンプトセシン、イリノテカン(カンプトサール、CPT-11)、トポテカン(ヒカンプチン(Hycamptin))、BAY38-3441、9-ニトロカンプトセシン(オレセシン(Orethecin)、ルビテカン(rubitecan))、エキサテカン(DX-8951)、ルルトテカン(lurtotecan)(GI-147211C)、ギマテカン(gimatecan)、ホモカンプトセシン類のジフロモテカン(diflomotecan)(BN-80915)および9-アミノカンプトセシン(IDEC-13')、SN-38、ST1481、カラニテシン(karanitecin)(BNP1350)、インドロカルバゾール(例えばNB-506)、プロトベルベリン、イントプリシン(intoplicines)、イデノイソキノロン(idenoisoquinolones)、ベンゾフェナジンまたはNB-506から選択される従来の抗腫瘍性化合物と一緒に共同投与してもよい。
関連する別の態様においては、本発明では、放射線等のその他の抗腫瘍療法と同時に本発明の方法を実施することを検討する。本明細書で用いられるように、「放射線」という用語は、光子、中性子、電子またはその他のタイプのイオン化放射線による新生細胞または被験体のあらゆる処置を包含することを意図する。このような放射線としては、X線、γ線またはα粒子もしくはβ粒子等の重イオン粒子が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。さらに、放射線は放射性であってもよい。被験体内の新生細胞に照射する手段は技術的に周知であり、例えば外照射療法および近接照射療法が挙げられる。
癌(腫瘍または新形成)が治療されたかどうかを判断する方法は当業者にとって周知であり、例えば腫瘍細胞の数の減少(例えば細胞増殖の減少または腫瘍の大きさの縮小)が挙げられる。本発明の処置が持続し完全寛解するものであり得ることや、または部分的もしくは一時的な臨床反応を包含し得ることが認識される。例えばIsselbacherら、(1996) Harrison's Principles of Internal Medicine 13版、1814-1882を参照すること、ここで、参照によって本明細書に援用される。
腫瘍細胞の感作またはエンハンスト・デス(enhanced death)について試験するためのアッセイは技術的に周知であり、例えば、細胞の生死を評価する標準的な用量反応アッセイ;細胞死の特徴であるDNAの断片化を判断するためのDNA抽出物のアガロースゲル電気泳動またはフローサイトメトリー;アポトーシスに関与するポリペプチドの活性を測定するアッセイ;および細胞死の形態的な徴候についてのアッセイが挙げられる。このようなアッセイに関する詳細は、本明細書の他の箇所に記載されている。その他のアッセイとしては、例えば参照によって本明細書に援用されるLoweら、(1993) Cell 74:95 7-697に記載されているような、クロマチンアッセイ(例えば核クロマチンの凝縮の頻度を測定すること)または薬物耐性アッセイが挙げられる。さらに、参照によって本明細書に援用される米国特許第5,821,072号も参照すること。
医薬組成物
医薬組成物にそれらを封入することの適切性を判断する目的で、治療剤として有望なものをプロファイルすることができる。このような薬剤についての一つの共通する指標は治療指数であり、これは中毒量に対する治療量の比率である。必要に応じて、治療量(有効性)および中毒量についての閾値を調節することができる(例えば治療反応の必要性または毒性反応を最小限に抑える必要性)。例えば、治療量を、(一つ以上の症状の治療に関連する)薬剤の治療有効な量とすることができ、中毒量を、治療された集団の割合において死亡を生じさせる量(例えばLD50)または望まれていない影響を生じさせる量とすることができる。薬剤の治療指数としては、少なくとも2が好ましく、少なくとも5がより好ましく、少なくとも10がさらに好ましい。治療剤をプロファイルすることには、薬剤の薬物動力学を測定することも含まれ得、それによって、種々の剤形および/または種々の経路で投与した時のそのバイオアベイラビリティおよび/または吸収を測定する。
本発明の化合物を、それが必要な個体に投与することができる。特定の態様においては、その個体はヒト等の哺乳動物または非ヒトの哺乳動物である。個体に投与する時、本発明の化合物を、例えば本発明の化合物および薬学的に許容され得る担体等を含む医薬組成物として投与することができる。薬学的に許容され得る担体は技術的に周知であり、例えば水もしくは生理的緩衝食塩水等の水性の溶液、またはグリコール、グリセリン、オリーブ油等の油もしくは注射可能な有機エステル等のその他の溶媒もしくはビヒクルが挙げられる。好ましい態様においては、このような医薬組成物がヒト用である場合、水性の溶液は発熱物質を含まないものであるか、または実質的に発熱物質を含まないものである。例えば薬剤を遅延放出させるために、または一つ以上の細胞、組織もしくは器官を選択的に標的にするために、賦形剤を選択することができる。
薬学的に許容され得る担体は、例えば本発明の化合物を安定させるかまたは本発明の化合物の吸収を増加させるために機能する生理学的に許容され得る薬剤を含んでもよい。このような生理学的に許容され得る薬剤としては、例えば、グルコース、スクロースもしくはデキストラン等の炭水化物、アスコルビン酸もしくはグルタチオン等の酸化防止剤、キレート剤、低分子量タンパク質、またはその他の安定剤もしくは賦形剤が挙げられる。生理学的に許容され得る薬剤等の薬学的に許容され得る担体の選択は、例えば組成物の投与経路に応じてなされる。医薬組成物(調製品)としては、本発明の化合物等をその中に組み込むことができるリポソームまたはその他のポリマーマトリックスであってもよい。例えばリン脂質またはその他の脂質からなるリポソームは無毒であり、生理学的に許容され得、かつ代謝され得る比較的作製および投与が簡単な担体である。
多数の投与経路のいずれかによって、本発明の化合物を含む医薬組成物(調製品)を被験体に投与することができ、例えば、経口;筋肉内;静脈注射;経肛門;経膣;腸管外;経鼻;腹膜内;皮下;および局所が挙げられる。注射またはインキュベーションによって、この組成物を投与することができる。
特定の態様においては、本発明の化合物を単独で用いてもよく、または別のタイプの抗腫瘍治療剤と一緒に共同投与してもよい。本明細書で用いられるように、「共同投与」というフレーズは、既に投与された治療用化合物が体内でまだ有効な間に第二の化合物を投与するように、二以上の異なる治療用化合物を組み合わせて投与する任意の形態を意味する(例えば患者内で二つの化合物が同時に有効な状態であり、これには二つの化合物の相乗効果が含まれてもよい)。例えば、同一の製剤または別個の製剤のいずれかの内で、異なる治療用化合物を、同時または逐次的のいずれかで投与することができる。したがって、このような処置を経験する個体は、異なる治療用化合物の複合効果によって利益を受けることができる。
本発明の化合物を被験体(例えば哺乳動物、好ましくはヒト)に治療有効量(投与量)投与することが検討される。「治療有効量」とは、所望の治療効果(症状の処置、新生細胞の死等)を十分に導き出すことができる化合物の濃度を意味する。化合物の有効量は、被験体の体重、性別、年齢および病歴に応じて変化し得ることが一般的に理解されている。有効量に影響するその他の要因としては、患者の症状の重篤度、治療される障害、化合物の安定性、さらには必要に応じて本発明の化合物と一緒に投与される別のタイプの治療剤が挙げられ得るが、これらに限定されるわけではない。一般的に、ヒトの被験体については、有効量は約0.001mg/体重kg〜約50mg/体重kgの範囲となる。薬剤の複数回投与によって、より多くの量の総投与量を送達することができる。有効性および投与量を決定する方法は、当業者にとって公知である。例えばIsselbacher et al. (1996) Harrison's Principles of Internal Medicine 13版, 1814-1882を参照すること。ここで、これは参照によって本明細書に援用される。
(実施例)
例証
さて、本発明を一般的に説明してきたが、本発明の特定の側面および態様の例証のみを目的として記載され、本発明を限定する意図はないところの次の実施例を参照することによって、より容易に理解できよう。
実施例1
2-(1-(4-(2-(4-クロロフェノキシ)アセチル)ピペラジン-1-イル)エチル)-7-クロロ-3-(2-エトキシフェニル)キナゾリン-4(3H)-オンの調製
スキーム1で示される反応に従って、2-(1-(4-(2-(4-クロロフェノキシ)アセチル)ピペラジン-1-イル)エチル)-7-クロロ-3-(2-エトキシフェニル)キナゾリン-4(3H)-オン(化合物1)を調製した。

手短に言えば、2-アミノ-4-クロロ安息香酸を、トリエチルアミン(TEA)およびテトラヒドロフラン(THF)中で塩化プロピオニルでアシル化した。アシル化化合物を、三塩化リンおよびトルエン中で2-エトキシアニリンと共に還流させ、2-エチル-7-クロロ-3-(2-エトキシフェニル)キナゾリン-4(3H)-オンを得た。2-エチル-7-クロロ-3-(2-エトキシフェニル)キナゾリン-4(3H)-オンを、四塩化炭素中でN-ブロモスクシンイミド(NBS)で臭素化し、続けてこの生成物をTHF中でピペラジンと反応させた。ピペラジニル部分を、THFおよびTEA中で4-クロロフェノキシアセチルクロリドでアシル化し、最終生成物を得た。
実施例2
3-(2-エトキシフェニル)-2-[(ヘキサヒドロ-4-メチル-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)メチル]キナゾリン-4(3H)-オンの調製。
スキーム2で示される反応に従って、3-(2-エトキシフェニル)-2-[(ヘキサヒドロ-4-メチル-1H-1,4-ジアゼピン-1-イル)メチル]キナゾリン-4(3H)-オン(化合物10)を調製した。

手短に言えば、2-アミノ-4-ニトロ安息香酸を、トリエチルアミン(TEA)およびテトラヒドロフラン(THF)中で塩化プロピオニルでアシル化した。アシル化化合物を、オキシ塩化リン(POCl3)およびトルエン中で2-エトキシアニリンと共に還流させ、2-エチル-7-ニトロ-3-(2-エトキシフェニル)キナゾリン-4(3H)-オンを得た。2-エチル-7-ニトロ-3-(2-エトキシフェニル)キナゾリン-4(3H)-オンを、四塩化炭素中でN-ブロモスクシンイミド(NBS)で臭素化し、続けてこの生成物をTHF中でN-メチルホモピペラジンと反応させた。触媒量のPd/炭素(10%Pd)を用いてこの反応の生成物を水素化条件に置いて、化合物10を得た。
実施例3
化合物1による細胞増殖の阻害
DMSO中で化合物1が腫瘍細胞および正常細胞の増殖を阻害する能力を測定した。化合物の処置の結果としての細胞生存−増殖の変化をモニターする表現型アッセイであるところのSytoxプライマリースクリーニングによって、化合物をアッセイした。これは、正常細胞の増殖には影響しないが癌患者に見出される原因遺伝子変異を隠し持っている細胞の増殖能力を特異的に改変する化合物を同定するためのハイスループット法として考え出されたものであった。このアッセイは、核酸に結合するが膜には浸透しない蛍光色素(Sytox、Molecular Probes社より)の、安価で単純かつ信頼性の高い読み出し値に依存する。健康な細胞ではシグナルは検出されない。というのは、細胞膜がインタクトなのでこの色素が浸透しようとしないからである。しかしながら、アポトーシスまたは壊死の結果として細胞膜が傷ついた場合、同様の影響を受けた細胞の数に比例した蛍光シグナルが検出されることになる。二段階の読み出し(界面活性剤の存在下での最後の読み取りによって全ての細胞の標識が可能になる)を利用することで、細胞性塞栓、細胞毒性および/または有糸分裂生起を生じさせる化合物の同定がこのアッセイによって可能になる。最初の読み取りすなわち「死んだ細胞」の読み取りによって、アッセイの時点での培養液における死んだ細胞または死にかけている細胞の数が示され、与えられた化合物の毒性の推定値が提供される。二番目の読み取りすなわち「全細胞」の読み取りによって、細胞集団の大きさが減少していく際の細胞毒性の累積効果、ならびに毒性が無い場合での試験集団において細胞に発揮されるかもしれない試験化合物の細胞増殖抑制作用または抗増殖効果の両者を捕捉する。
処置が無い場合に72時間後のウェルにおいて95%のコンフルエンスとなるような密度で、96ウェルプレートに一晩かけて細胞を播種した。翌日、48時間、試験化合物の希釈列に細胞をさらした。このインキュベート期間の後、製造業者が推奨する濃度のSytox試薬を培養液に添加し、死んだ細胞の蛍光値を読み取った。この測定が終了した後、界面活性剤サポニンを培養液のそれぞれのウェルに添加して、Sytox試薬がすべての細胞に入ることができるように膜を浸透性にし、それによって、培養液に残っている細胞の総数の測定を容易なものにした。データの評価について、細胞毒性効果または細胞増殖抑制作用を発揮する化合物の間で差はなかった。
このアッセイの結果を図2に示す。化合物1は、約10μMのIC50で腫瘍細胞の増殖を阻害した。
図3および4で示される化合物2および3は、それぞれ100nMおよび200nMのIC50値でHT-1080細胞の増殖を阻害した。
実施例4
HT-1080細胞の増殖の阻害
本発明の種々の化合物の、DMSOにおいてHT-1080細胞の増殖を阻害する能力を測定した。これらの実験で用いたHT-1080セルラインは、線維肉腫の患者由来であった。そしてこのセルラインは、N-ras遺伝子のコドン12における突然変異が活発化している。実施例3で記載したアッセイを利用して、化合物をアッセイした。このアッセイの結果を下記の表に示す。ここで、活性は次の範囲に相当する:A-10nM未満、B-10〜100nM、C-100〜1000nM、D-1000〜2000nM、E-2000nMを超える。








実施例5
腫瘍異種移植片の処置
毎日行う静脈内投与の後に、化合物10および25のHT-1080異種移植片の増殖を阻害する能力について、(下記の)同様の方法で試験した。化合物10および25を5日間連続投与し、それらのそれぞれのIV MTD投与量の時点で評価した。
要旨:
この異種移植片研究に用いたHT-1080セルラインは、線維肉腫の患者に由来した。そしてこのセルラインは、N-ras遺伝子のコドン12における突然変異が活発化している。この化合物はHT-1080の腫瘍の増殖を阻害した。化合物をそれらのそれぞれのMTDで投与した時、活発な腫瘍の緩解が観察された。不都合となるような臨床上の徴候は観察されなかった
マウス系統:
ヌードBalb/c(Nu/Nu系統、Charles River Laboratories)、メス、5-6週齢(約22gの平均体重)。
研究群:
A:非処置コントロール、n=6
B:化合物10についてのビヒクルコントロール、QD×5日間、IV、n=6
D:化合物10を25mg/Kg(MTD)、QD×5日間、IV、n=6
E:化合物10を12.5mg/Kg(1/2MTD)、QD×5日間、IV、n=6
処置のスケジュール:
腫瘍の平均体積が約300mm3に到達し、腫瘍が活発に増殖し始めた時点を発端(試験1日目)とし、5日目まで毎日継続して、それぞれの動物に上記の処置のうちの一つを単回IV注射して投与し、合計5回の処置を行った。
腫瘍の移植および段階付け:
50匹のマウスのそれぞれに、0.1ccの接種材料を後部の右側の脇腹内にSC注射することによって、1×107個のHT-1080細胞を移植した。26G×3/8インチのサイズの針を用いた。DMEM[Gibco, No. 10569-010]+10%FCS[Gibco, No. F-2442]で培養されたHT-1080細胞(ATCC単離株、6代目の凍結ストック)を用いて、接種材料である腫瘍細胞を調製した。細胞を回収した時点で、細胞は95〜100%のコンフルエンスに増殖していた。滅菌DMEM培地+10%FCSを用いて1.0×108細胞/mLの密度で、接種材料であるHT-1080を調製した。腫瘍の移植から10日目に、それぞれの群が6匹のマウスからなる処置群およびコントロール群に、動物を群ごとに適合させた。小さ過ぎるかまたは大き過ぎるかのいずれかの腫瘍に起因する合計で14の異常値を、研究から除外した。このことは研究1日目から考慮され、この日から処置を開始した。
化合物10のストック溶液の調製:
化合物を投与するそれぞれの日の朝に、最初に、20mgの化合物10を400mMのHCl水溶液からなる溶媒で0.2mLの最終体積となるように溶解することによって、化合物10のストック溶液を20mg/mLの濃度に新たに調製した。次いで、1.1%(78mM)の第二リン酸ナトリウムおよび3%(90mM)のスクロースからなる希釈剤を用いて、得られた100mg/mLの溶液を1:5に希釈して20mg/mLの濃度とした。100mg/mLの溶液の0.2mLの体積のものと、0.8mLの希釈剤とを混合することによって、これを行った。得られた溶液は、pH=6.8であり、304mOsmであった。次いで、この溶液をろ過滅菌(0.45μm)し、最終注射液の調製品として用いた(下記を参照すること)。
化合物10の注射液の調製:
化合物を投与した5日間のそれぞれの日において、5%のブトウ糖注射液(Baxter, No. 2B0064, NDC 0338-0017-04)を用いて20mg/mLのストック溶液を希釈することによって、下記の表に示されるような注射液を調製した(2つの注射液の濃度は、22.0グラムの平均体重を基礎とした):


化合物10についてのビヒクルコントロール:
最初に、0.1mLの400mMのHClを、1.1%(78mM)の第二リン酸ナトリウムおよび3%(90mM)のスクロースからなる0.4mLの希釈剤と混合することによって、ビヒクルコントロールを調製した。次いで、3.135mLの5%のブトウ糖注射液(Baxter, No. 2B0064, NDC 0338-0017-04)を添加することによって、得られた溶液を1:7.27にさらに希釈した。次いで、5MのNaOHを用いてこの溶液のpHを7.4に調節した。最終溶液は、D群のために調製された注射液に存在するビヒクルではあるが、存在する化合物を含まないものに相当するものであった。投与の前に、ビヒクルコントロール溶液をろ過滅菌した。
投与の要旨(平均体重=22.0グラムを基礎とする):


腫瘍の測定:
1日目の開始時に、全ての動物の体重を測定し、腫瘍の面積(LおよびW)を隔日で測定した。次いで、次の式を利用して腫瘍の測定値を腫瘍の体積(mm3)に変換した:
腫瘍の体積=L×W×W/2
得られた腫瘍の体積値をそれぞれの研究群について、そしてそれぞれの時点について平均化し、次いで時間に対してプロットした。標準誤差(±SEM)として分散を表示した。これらの実験結果を図1〜3に示す。
異種移植片研究から、選択された化合物が活発なHT-1080腫瘍の緩解を生じさせる能力を有することが示される。Prolexys化合物を投与した動物においては、不都合な臨床症状は観察されなかった。従って、これらの化合物は腫瘍選択性の細胞死を発揮する。
実施例6
特定の癌関連対立遺伝子の存在時に効力または活性が上昇する化合物の同定
RASV12の存在時に効力または活性が上昇する化合物を同定する方法が、本明細書に記載される。本明細書に記載の方法では、トランスフォーミング遺伝子としてRASV12を用いているが、多数の癌遺伝子および腫瘍サプレッサに関与するシグナル伝達ネットワークを明確にするためにこの方法論を採用するその他の研究では、多種多様な癌関連対立遺伝子を利用することもできる。プライマリースクリーニングでは、分子量400の化合物の10μMに相当する4μg/mLの濃度のそれぞれの化合物で腫瘍形成細胞を48時間処置した時の効果を試験する。上記のSytox法、または細胞内を自由に拡散する非蛍光化合物である色素のカルセインアセトキシメチルエステル(カルセインAM)を用いて、細胞の生死を測定する(Wang et al., 1993, Hum. Immunol. 37, 264-270)。生きている細胞では、細胞内のエステラーゼによってカルセインAMは切断され、生きている細胞の外で拡散し得ないアニオン性の蛍光誘導体であるカルセインを形成する。従って、生きている細胞はカルセインAMと共にインキュベートすると緑色蛍光を発するのに対して、死んだ細胞は蛍光を発せず、死んだ細胞および死にかけている細胞はSytoxと共にインキュベートしたときに蛍光を発する。コントロール細胞で見られるものと識別可能な蛍光を生じさせる化合物を、コントロール細胞および腫瘍形成細胞の希釈列で続けて試験し、腫瘍形成細胞内では致死的であるが同遺伝子型の一次細胞内ではそうではない合成致死性を示す化合物を同定する。
実施例7
化合物の結合パートナーの同定とキャラクタリゼイション
固定化された本発明の化合物および細胞溶解物を用いるプルダウンアッセイを利用して、本発明の化合物についての細胞内の結合パートナーを同定する。腫瘍細胞の溶解物の全体を用いてプルダウン実験を実施する。これらの実験において、本発明の化合物をAffigel 10に固定化する。そして標準的なプルダウン条件下で、溶解物と共にインキュベートする。このビーズを、100μMのエラスチンもしくは本発明の化合物または0.8%のN-ラウロイルサルコシン(サルコシル(sarkosyl))のいずれかで洗浄し、溶出する。溶出液を質量分析に付す。
図4は、BJELRの全細胞溶解物および化合物(4)-(9)を用いたプルダウンアッセイの結果を示す。
参照による援用
本明細書で言及した全ての刊行物および特許は、個々それぞれの刊行物または特許が参照によって援用されることで、あたかもそれが具体的かつ個別的に示されたかのように、その全体が参照によって本明細書に援用される。争いがある場合、本明細書のあらゆる定義を含めて本出願が支配することになる。
均等物
主題発明の具体的な態様を検討してきたが、上記の明細書は解説であって制限するものではない。本発明の多数の変形物は、本明細書および特許請求の範囲を再検討することによって当業者にとって自明となろう。本発明の範囲の全体は、このような変形物と共に均等物の範囲の全体に加えて特許請求の範囲を参照することによって定められるべきである。
図1は、化合物25により生じるHT-1080細胞異種移植片の増殖の阻害を示す。 図2は、化合物25により生じるHT-1080細胞異種移植片の増殖の阻害を示す。 図3は、化合物10により生じるHT-1080細胞異種移植片の増殖の阻害を示す。 図4は、Affi-Gel10ビーズ上に固定された化合物4〜9による腫瘍細胞由来の溶解物を使用したプルダウン実験由来のウェスタンブロットおよびSDS-PAGEにより同定されたタンパク質を示す。

Claims (46)

  1. 構造式(I):

    式中:
    Raが、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアリール-O-、置換もしくは非置換のアルキル-O-、置換もしくは非置換のアルケニル-O-または置換もしくは非置換のアルキニル-O-であり、ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは必要に応じてNR、OまたはS(O)nによって中断され;
    それぞれのR2が、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換の非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-NRC(O)R、-SO2N(R)2、-N(R)2、-NO2、-OHおよび-OR'からなる群より独立して選択され;
    それぞれのR3が、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換の非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-NRC(O)R、-SO2N(R)2、-N(R)2、-NO2、-OHおよび-OR'からなる群より独立して選択され;
    R4およびR5が、-H、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換の非芳香族複素環および置換または非置換のアリールからなる群より独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは必要に応じてNR、OまたはS(O)nによって中断されるか;またはR4およびR5は共に炭素環基もしくは複素環基を形成し;
    Vが-NH-L-A-Qまたは

    であり;
    環Cが、置換もしくは非置換の複素芳香環または非芳香族環であり;
    AがNRまたはOであるか;またはAが共有結合であり;
    Lが、N、OおよびSから選択される一つ以上のヘテロ原子によって必要に応じて中断される置換または非置換のヒドロカルビル基であり;
    Qが、-R、-C(O)R'、-C(O)N(R)2、-C(O)OR'および-S(O)2R'からなる群より選択され;
    それぞれのRが独立して、-H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の非芳香族複素環であり;
    それぞれのR'が独立して、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    jが0〜4の整数であり;
    jおよびkの少なくとも一つが1〜4の整数である場合、kが0〜4の整数であり;ならびに
    それぞれのnが独立して0、1または2である、
    で示される化合物または薬学的に許容され得るその塩。
  2. Vが

    である、請求項1記載の化合物。
  3. Vが

    である、請求項2記載の化合物。
  4. Qが-C(O)R'または-Rである、請求項3記載の化合物。
  5. Qが-H、メチルまたはエチルである、請求項4記載の化合物。
  6. Aが共有結合またはNRである、請求項2記載の化合物。
  7. R4およびR5が-Hまたは置換もしくは非置換のアルキル基である、請求項2記載の化合物。
  8. R4およびR5が-Hまたは非置換のC1〜C4アルキル基である、請求項7記載の化合物。
  9. Raが置換または非置換のアルキル-O-基である、請求項2記載の化合物。
  10. Raが非置換のC1〜C4のアルキル-O-基である、請求項9記載の化合物。
  11. jが1〜4の整数である、請求項1記載の化合物。
  12. それぞれのR2が、-NRC(O)R、-NR2、ハロゲン、極性置換アルキル、極性置換炭素環式アリール、置換または非置換のヘテロアリールおよび置換または非置換の非芳香族複素環からなる群より独立して選択される、請求項11記載の化合物。
  13. 化合物が構造式(Ia):

    で示される、請求項11記載の化合物。
  14. kが1〜4の整数である、請求項1記載の化合物。
  15. それぞれのR3が、極性置換アルキル、極性置換炭素環式アリール、置換または非置換のヘテロアリールおよび置換または非置換の非芳香族複素環からなる群より独立して選択される、請求項14記載の化合物。
  16. 化合物が構造式(Ib):

    で示される、請求項14記載の化合物。
  17. jが1〜4の整数であり、そしてkが1〜4の整数である、請求項1記載の化合物。
  18. 構造式(II):

    式中:
    R1が、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基または置換もしくは非置換のアルキニル基であって、そのそれぞれは必要に応じてNR、OまたはS(O)nで中断され;
    それぞれのR2が、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換の非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-SO2N(R)2、-OHおよび-OR'からなる群より独立して選択され;
    それぞれのR3が、ハロゲン、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換の非芳香族複素環、-CN、-COOR'、-CON(R)2、-SO2N(R)2、-OHおよび-OR'からなる群より独立して選択され;
    R4およびR5が、-H、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換の非芳香族複素環および置換または非置換のアリールからなる群より独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは必要に応じてNR、OまたはS(O)nによって中断されるか;またはR4およびR5は共に炭素環基もしくは複素環基を形成し;
    Vが-NH-L-A-Qまたは

    であり;
    環Cが置換もしくは非置換の複素芳香環または非芳香族環であり;
    AがNRまたはOであるか;またはAが共有結合であり;
    Lが、N、OおよびSから選択される一つ以上のヘテロ原子によって必要に応じて中断される置換または非置換のヒドロカルビル基であり;
    Qが-R、-C(O)R'、-C(O)N(R)2、-C(O)OR'および-S(O)2R'からなる群より選択され;
    それぞれのRが、独立して-H、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の非芳香族複素環であり;
    それぞれのR'が独立して、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル基、置換もしくは非置換の非芳香族複素環または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    jが0〜4の整数であり;
    jおよびkの少なくとも一つが1〜4の整数である場合、kが0〜4の整数であり;ならびに
    それぞれのnが独立して0、1または2である、
    で示される化合物または薬学的に許容され得るその塩。
  19. Vが

    である、請求項18記載の化合物。
  20. Vが

    である、請求項19記載の化合物。
  21. Qが-Rである、請求項20記載の化合物。
  22. Qが-H、メチルまたはエチルである、請求項21記載の化合物。
  23. Aが共有結合またはNRである、請求項19記載の化合物。
  24. R4およびR5が-Hまたは置換もしくは非置換のアルキル基である、請求項23記載の化合物。
  25. R4およびR5が-Hまたは非置換のC1〜C4アルキル基である、請求項24記載の化合物。
  26. R1が置換または非置換のアルキル基である、請求項18記載の化合物。
  27. R1が非置換のC1〜C4アルキル基である、請求項27記載の化合物。
  28. jが1〜4の整数である請求項18記載の化合物。
  29. それぞれのR2が、-NRC(O)R、-NR2、ハロゲン、極性置換アルキル、極性置換炭素環式アリール、置換または非置換のヘテロアリールおよび置換または非置換の非芳香族複素環からなる群より独立して選択される、請求項28記載の化合物。
  30. kが1〜4の整数である、請求項18記載の化合物。
  31. それぞれのR2が、極性置換アルキル、極性置換炭素環式アリール、置換または非置換のヘテロアリールおよび置換または非置換の非芳香族複素環からなる群より独立して選択される、請求項30記載の化合物。
  32. jが1〜4の整数であり、kが1〜4の整数である、請求項18記載の化合物。
  33. 請求項1〜32いずれか記載の化合物と、薬学的に許容され得る担体とを含む医薬組成物。
  34. 哺乳動物に治療有効量の請求項1〜32いずれか記載の化合物を投与する工程を含む、哺乳動物における症状を治療する方法。
  35. 該細胞が、測定可能なRasシグナル伝達活性を有する、請求項34記載の方法。
  36. 該症状が癌である、請求項34記載の方法。
  37. アポトーシス機序を通じて細胞を殺す薬剤を該哺乳動物に共同投与する工程をさらに含む、請求項34記載の方法。
  38. 該薬剤が化学療法用の薬剤である、請求項37記載の方法。
  39. 該化学療法用の薬剤が:EGF-レセプターアンタゴニスト、硫化ヒ素、アドリアマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、シメチジン、カルミノマイシン、塩酸メクロレタミン、ペンタメチルメラミン、チオテパ、テニポシド、シクロホスファミド、クロラムブシル、デメトキシヒポクレリンA(demethoxyhypocrellin A)、メルファラン、イホスファミド、トロフォスファミド、トレオスルファン、ポドフィロトキシンまたはポドフィロトキシン誘導体、リン酸エトポシド、テニポシド、エトポシド、ロイロシジン(leurosidine)、ロイロシン、ビンデシン、9-アミノカンプトセシン、カンプトイリノテカン、クリスナトール、メゲストロール、メトプテリン、マイトマイシンC、エクチナサイジン743、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ロバスタチン、1-メチル-4-フェニルピリジニウムイオン、セムスチン、スタウロスポリン、ストレプトゾシン、フタロシアニン、ダカルバジン、アミノプテリン、メトトレキサート、トリメトレキサート、チオグアニン、メルカプトプリン、フルダラビン、ペンタスタチン、クラドリビン、シタラビン、ポルフィロマイシン、5-フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、塩酸ドキソルビシン、ロイコボリン、ミコフェノール酸、ダウノルビシン、デフェロキサミン、フロクスウリジン、ドキシフルリジン、ラルチトレキセド、イダルビシン、エピルビカン、ピラルビカン、ゾルビシン、ミトキサントロン、硫酸ブレオマイシン、アクチノマイシンD、サフラシン(safracins)、サフラマイシン、キノカルシン、ディスコデルモリド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、酒石酸ビノレルビン、ベルトポルフィン、パクリタキセル、タモキシフェン、ラロキシフェン、チアゾフラン、チオグアニン、リバビリン、EICAR、エストラムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、フルタミド、ビカルタミド、ブセレリン、ロイプロリド、プテリジン、エンジイン、レバミゾール、アフラコン(aflacon)、インターフェロン、インターロイキン、アルデスロイキン、フィルグラスチム、サルグラモスチム、リツキシマブ、BCG、トレチノイン、ベタメソゾン(betamethosone)、塩酸ゲムシタビン、ベラパミル、VP-16、アルトレタミン、タプシガルギン、オキサリプラチン、イプロプラチン、テトラプラチン(tetraplatin)、ロバプラチン(lobaplatin)、DCP、PLD-147、JMl18、JM216、JM335、サトラプラチン、ドセタキセル、脱酸素化(deoxygenated)パクリタキセル、TL-139、5'-ノル-無水ビンブラスチン、カンプトセシン、イリノテカン、トポテカン、BAY 38-3441、9-ニトロカンプトセシン、エキサテカン、ルルトテカン(lurtotecan)、ギマテカン(gimatecan)、ホモカンプトセシン類のジフロモテカン(diflomotecan)および9-アミノカンプトセシン、SN-38、ST1481、カラニテシン(karanitecin)、インドロカルバゾール、プロトベルベリン、イントプリシン(intoplicines)、イデノイソキノロン(idenoisoquinolones)、ベンゾフェナジンならびにNB-506から選択される、請求項38記載の方法。
  40. 請求項1〜32いずれか記載の有効量の化合物と細胞内のVDACの存在量を増加させる薬剤とを細胞に投与する工程を含む、細胞を殺す方法。
  41. 該細胞が癌細胞である、請求項40記載の方法。
  42. 請求項1〜32いずれか記載の有効量の化合物と細胞内のVDACの存在量を減少させる薬剤とを細胞に投与する工程を含む、細胞を殺す方法。
  43. 請求項1〜32いずれか記載の有効量の化合物を細胞に投与する工程を含む、細胞死を促進するか、または細胞増殖を阻害する方法。
  44. 腫瘍を請求項1〜32いずれか記載の有効量の化合物と接触させる工程を含む、腫瘍の増殖速度を低下させる方法。
  45. 腫瘍細胞を請求項1〜32いずれか記載の有効量の化合物と接触させる工程を含む、化学療法用の薬剤に対する腫瘍細胞の感受性を上昇させる方法。
  46. (i)請求項1〜32いずれか記載の治療有効量の化合物;および
    (ii) 癌患者の治療のための薬剤を投与するための、説明書、ラベルまたはその両方
    を含む包装された医薬。
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