JP2009520659A - 高耐久性ラウンドスリング - Google Patents

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Abstract

本発明は、高性能繊維を含む多数回周回されたストランド材を含む無端荷重受承心体と、高性能繊維を含む交絡ストランドから作製された保護カバーとを備えた高耐久性ラウンドスリングであって、心体中の高性能繊維対カバー中の高性能繊維の質量比が0.15〜2.0であるラウンドスリングに関する。前記ラウンドスリングは、高強度、軽量、高耐久性等の特性が有利に組み合わさっているので、特に重量物(例えば角張った縁部を有するもの)の吊り上げ作業を公知の金属または合成スリングよりも多数回実施することが可能である。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は、吊り上げその他の取り扱いを行うための装置と荷積みや荷下ろしなどの取り扱いが必要な重量物との間を連結する手段として用いられる高耐久性ラウンドスリングに関する。より具体的には、本発明は、高性能繊維を備えたストランド材を多数回周回させたものを含む無端の荷重受承心体と保護カバーとを備えた可撓性を有する高耐久性ラウンドスリングに関する。
このようなラウンドスリングは、例えば、米国特許第4,850,629号明細書および米国特許第5,651,572号明細書より公知である。これらの特許公報には、繊維状の荷重受承ストランド材が平行に多数回周回された形態(ループとも称される)の荷重受承心体を筒状のカバー手段に収容したものを備えたラウンドスリングが開示されている。この種のラウンドスリングはスリングマックス(Slingmax)(登録商標)の商標で市販されており、a.o.www.slingmax.com/tpcx.htm.にさらに説明されている。このような製品は、ストレート吊りの定格荷重(vertical rated lifting capacity)(設計または安全係数5/1)が約500000ポンドのサイズまであり、高性能繊維を基材とする心体および耐摩耗性を改善するためにポリアミド繊維(Covermax(登録商標)と呼ばれる)から作製された2層のカバーを有することが示されている。これらのラウンドスリングは光ファイバ内部検査システムをさらに備えており、重量物を吊り上げるためのワイヤロープスリングの代替とすることが可能な、可撓性を有し軽量で人間工学的であることを特徴とするスリングである。
重量物の取り扱いを繰り返し行うために、例えば、港湾で搬送されるばら積み貨物の荷積みおよび荷下ろし(この場合、船内荷役という用語がしばしば用いられる)には、ワイヤロープスリング、吊上げ用スチールマット(steel hoisting mat)、またはチェーンスリングが現在も普通に用いられている。しかしながら、鋼を基材とするスリングを使用することには幾つかの重大な欠点がある。まず、これらは質量が高いことから人間工学に合った作業ができず、作業者が2人必要(規定という観点で)である場合が多い。それでもなお、港湾作業者などには肩や背中の負担を訴える者が非常に多い。さらに、鋼線が破断するとスリングから突き出すことがあり、このような「食肉用フック」によって手やそれ以外の部分を負傷する危険性が高くなる。さらには、鋼を基材とするスリングを使用すると、取り扱っている物品を損傷する可能性がある。
合成繊維を基材とする公知の高耐久性ラウンドスリングは、ワイヤロープスリングを代替できる場合もあるが、例えば非常に摩耗性が高かったり梱包されていないスチールコイルのように縁部が角張っていたりする重量物を取り扱う際はやはり問題が生じる。このような場合、合成物のラウンドスリングは耐用寿命が短くなってしまい、限られた回数の吊り上げ作業をこなしただけで損傷が認められるようになり、裂けもしくはほころびが生じるかまたはラウンドスリングの(少なくとも)カバーが切れることさえある。一般に、安全規定では、ラウンドスリングの保護カバーが損傷した場合、例えば、注意を促す目印としてカバーの内層または心体中に存在する、目立つ色の繊維が視認できるようになったら使用を止める(修理のためかあるいは廃棄される場合さえある)ことが義務づけられている。このため、この種の合成スリングを適用することは、安全性および経済性という理由で許容することができない。
ラウンドスリングの強度は主として心体の強度によって決まり、カバーは主として心体を保護する役割を果たす。こうした理由から、今までの心体はラウンドスリングの大半部分を占めており、心体とカバーとの質量比は通常約4〜6である。ラウンドスリングをより長持ちさせるために、ラウンドスリングと物品との間にさらなる保護パッドを使用する場合もある。しかしながら、この種のパッドは、必要な位置に手作業で配置しなければならず、この動作によって、単位時間当たりの平均吊り上げ回数が大幅に(例えば2倍)低下してしまう。しかもこの種のパッドは、適切な位置に配置されない場合や使用中にずれる場合があるため十分とはいえず、その機能が安全でないことさえある。このことが合成繊維を含むラウンドスリングを使用する妨げとなっている。
したがって、作業者が容易かつ安全に物品を取り扱えるようにする、角張った物品を繰り返し扱う場合であっても多くの吊り上げ作業をこなすことが可能な吊り上げスリングが産業界で求められている。本発明は、このような改良されたラウンドスリングを提供することを目的とする。
この目的は、本発明により、高性能繊維を含むストランド材を多数回周回させたものを含む無端の荷重受承心体と、高性能繊維を含む交絡ストランドから作製された保護カバーとを備え、心体中の高性能繊維対カバー中の高性能繊維の質量比が0.15〜2.0である高耐久性ラウンドスリングによって達成される。
ラウンドスリングの強度および耐荷重は、上で説明したように主として心体によるものであるが、意外なことに、ラウンドスリングにこのように並外れた分厚いカバーおよび薄い心体を用いると、得られるラウンドスリングの強度が許容可能なものになるだけではなく耐用寿命も非常に長くなる。非常に意外なことに、本発明によるラウンドスリングは、高強度、軽量、および高耐久性といった特性が有利に組み合わさっている。このラウンドスリングは、摩耗、裂け、および/または切創に対する耐性が高く、特に重量物(例えば角張った縁部を有するもの)の吊り上げ作業を公知の金属または合成スリングよりも多く安全に実施することができる。さらに、本発明によるラウンドスリングは、物品を繰り返し取り扱っても物品を損傷する危険性が低い。このラウンドスリングは質量が小さく、1人の作業者によって容易に使用することができる。合成繊維製であるため、作業者に切創その他の負傷を負わせる危険性が低くなる。
米国特許第5,492,383号明細書にも耐切創性が改良されたラウンドスリングが開示されているが、無端の平行な高性能繊維の心体を筒状のカバー内に既に封入しておいたものの周囲に、特定の長さのさらなる3層構造のスリーブ(高性能繊維から作製された内側の織物層を2枚の耐摩耗性パネルで挟んだものを備える)を局所的に適用することが提案されている。
本出願の文脈において、高耐久性ラウンドスリングとは、ばら荷を取り扱うのに好適な、好ましくはストレート吊りの最大使用荷重(WLLストレート(linear))が10〜50メートルトン(mt;NEN EN1492−2に準ずるWLL(欧州においては安全または設計係数7/1が用いられるのに対し、米国では5/1、アジアでは6/1が用いられることに留意されたい))の範囲にあるスリングであると理解すべきである。より低質量の物体を吊り上げる場合は問題も少なくなるので、より性能の低いスリングを用いてこれを実施することもできるが、一般に、吊り上げるばら荷の質量は最大でも約50mtである。したがって、より好ましくは、本発明の高耐久性ラウンドスリングは、WLLストレートが12〜40mtまたは15〜30mtである。特に好ましい実施形態においては、ラウンドスリングのWLLストレートは約20mtである。
本発明による高耐久性ラウンドスリングは、高性能繊維(心体中の高性能繊維とも称する)を含むストランド材が多数回周回されたものを含む少なくとも1種の無端荷重受承心体を備える。ラウンドスリングの強度特性を最適化するために、心体中のストランドの周回方向は可能な限り平行にする。
このストランド材は様々な構造を有していてもよいが、その強度特性を効率よく利用するために、繊維の大部分が長手方向を向く構造にすることが好ましい。好適なストランド構造としては、平行撚りヤーンおよび一般撚りヤーンならびに撚り構造や組み構造等を含む様々な構造の紐およびロープが挙げられる。紐またはロープをストランド材として用いることが好ましい。こうすることにより、ラウンドスリングがより効率的に作製されるという利点があり、所望の強度に到達させるために必要な周回数がより少なくなり、特に、筒状カバーが予め形成されている場合は、ロープまたは紐をカバーに挿入することがより容易である。
本発明の好ましい実施形態においては、ストランド材は撚りロープである。好ましくは、撚りロープの2つの末端は、強度効率が高くなるようにスプライス加工されている。このようなスプライス部を有するラウンドスリングおよびその作製方法は国際公開第2004/067434A1号パンフレットに記載されており、これを参照により本明細書に援用する。
高性能繊維とは、ASTM D885Mに基づく試験手順を用いて測定された強度が1.5N/texを超え、かつ破断伸び(eab)が10%未満である合成(高分子)繊維であると理解すべきである。心体ストランド中の高性能繊維は、好ましくは、強度が2.0N/texを超えるかまたは2.5N/texさえ超える。高性能繊維の好適な例としては、芳香族ポリアミド(例えば、トワロン(Twaron)(登録商標)、ケブラー(Kevlar)(登録商標)、テクノーラ(Technora)(登録商標)として市販されているアラミド)、芳香族ポリエステル(ベクトラン(Vectran)(登録商標)等)、ポリビスオキサゾール(例えばザイロン(Zylon)(登録商標))、または超高分子量ポリエチレン(UHMWPE;高性能ポリエチレン(HPPE)繊維とも呼ばれ、例えば、ダイニーマ(Dyneema)(登録商標)またはスペクトラ(Spectra)(登録商標)として入手可能)から作製された繊維が挙げられる。
心体ストランドは、1種類の高性能繊維のみを含んでいてもよいが、2種類以上の混合物であってもよい。好ましくは、ストランドは、HPPE繊維を含む。このようなUHMWPEから作製された繊維はその質量の割に非常に高い強度を示すので、スリングのさらなる軽量化が可能になる。他の有利な特性としては、高い耐摩耗性、動的荷重下における良好な耐疲労性、ならびに優れた耐薬品性および耐UV性が挙げられる。
HPPE繊維、フィラメント、およびマルチフィラメントヤーンは、UHMWPEの溶液を好適な溶媒中に紡糸してゲル繊維とし、この溶媒を一部または完全に除去する前、途中、および/または後にこの繊維を延伸することによって、すなわちいわゆるゲル紡糸法によって調製することができる。UHMWPE溶液のゲル紡糸は当業者に周知であり、EP0205960A号明細書、EP0213208A1号明細書、米国特許第4,413,110号明細書、GB2042414A号明細書、EP0200547B1号明細書、EP0472114B1号明細書、国際公開第01/73173A1号パンフレット、ならびに最先端紡糸技術(アドバンスト・ファイバー・スピニング・テクノロジー;Advanced Fiber Spinning Technology)、T・ナカジマ(T.Nakajima)編、ウッドヘッド・パブリッシング・リミテッド(Woodhead Publ.Ltd)(1994)、ISBN 1−855−73182−7およびそこに引用されている参考文献等の多くの刊行物に記載されている。
UHMWPEとは、固有粘度(IV、デカリン中溶液について135℃で測定)が少なくとも5dl/g、好ましくは約8〜40dl/gのポリエチレンであると理解すべきである。固有粘度は、MやMのような実際のモル質量のパラメータよりも容易に測定できるモル質量(分子量とも呼ばれる)の指標である。IVとMとの間には幾つかの経験的な関係があるが、このような関係は、モル質量分布に依存している。等式M=5.37×10[IV]1.37(EP0504954A1号明細書参照)に基づくと、IVが8dl/gであることはMが約930kg/molであることに相当するであろう。好ましくは、UHMWPEは、炭素原子100個当たりの分岐数が1未満、好ましくは、炭素原子300個当たりの分岐数が1未満であるの直鎖状ポリエチレンである。分岐鎖すなわち側鎖すなわち鎖分岐(chain branch)は通常、少なくとも10個の炭素原子を含む。直鎖状ポリエチレンは、プロピレン、ブテン、ペンテン、4−メチルペンテン、またはオクテンのようなアルケン等の1種またはそれ以上のコモノマーをさらに5mol%まで含んでいてもよい。
好ましい実施形態においては、UHMWPEは、少量、好ましくは炭素原子1000個当たり少なくとも0.2または少なくとも0.3個の懸垂側基としての比較的小さな基、好ましくはC1〜C4アルキル基を含む。この種の繊維は、高い強度および耐クリープ性が有利に組み合わさっている。しかしながら、側基が大きすぎるかまたは側基の量が多すぎると繊維の作製工程に悪影響が及ぼされる。こうした理由から、UHMWPEは、好ましくは、メチルまたはエチル側基、より好ましくはメチル側基を含む。側基の量は、好ましくは、炭素原子1000個当たり最大で20個、より好ましくは最大で10、5、または最大で3個である。
本発明によるラウンドスリング中のHPPE繊維は、少量、通常は5質量%未満、好ましくは3質量%未満の慣用の添加剤(酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、流動助剤等)をさらに含んでいてもよい。UHMWPEは、単一のポリマーグレードであってもよいが、2種以上の異なるポリエチレングレード(例えば、IVもしくはモル質量分布ならびに/または種類およびコモノマーもしくは側基の数が異なる)の混合物であってもよい。
好ましくは、このストランドは、高性能繊維を少なくとも50質量%(ストランドの総質量を基準とする)を含む。このストランドはさらに、より低強度の他の繊維(連続フィラメントとしてまたはステープル繊維としてのいずれでも)および/または性能を改善するための添加剤等の他の成分も含んでいてもよい。
一定のWLLのラウンドスリングを軽量化するためには、ストランドの高性能繊維の含有量を、少なくとも60、70、80、または90質量%にすることさえ好ましい。最も好ましくは、心体中のストランド材は、実質的に高性能繊維からなる。
本発明によるラウンドスリングの荷重受承心体は、ストランド材以外に、当該技術分野において公知のコーティング材等の他の構成要素をさらに含んでいてもよい。好ましくは、心体は、他の構成要素を約25質量%未満含むかまたは20もしくは15質量%未満含む。
本発明による高耐久性ラウンドスリングは、無端荷重受承心体と、交絡ストランドから作製された保護カバーとを備え、このカバーは、荷重受承心体を完全に取り囲んでいる。交絡ストランドから作製されたカバーとは、多数回周回されたストランドが主として互いに平行に走行している心体とは異なり、ストランドが少なくとも2つの異なる方向に走行し、互いに交差していることを表すものと理解すべきである。好適なカバー構成としては、織成、編成、組成等による布帛(fabric)または生地(textile)が挙げられる。このカバーは単一の布帛であってもよいが、異なる布帛構造を組み合わせたものなどの多層であってもよい。
カバーはラウンドスリングの心体の周囲に取り付けられるので中空の筒状形態をしている。この筒状形態は、平坦な布帛から、適切な大きさの布帛片を例えば周回させた心体ストランドの周囲に沿って折り曲げ、次いでその両端を、例えばある程度の重なりを持たせて連結させることによって作製したものであってもよい(次いで、このようにして形成された筒状体の両端が連結される)。好ましくは、ラウンドスリングのカバーは、(輪または丸)織り、編み、または組み等の好適な繊維技術(textile technique)によって中空の筒状形態を直接作製したものであり、心体はその後にこのカバー内でストランドを周回させることによって作製されたものである(次いで、筒状カバーの末端が連結される)。別法として、輪状のカバーが心体の周囲にその場で、例えば組み技法によって作製される。このように予め形成されるかまたはこのようにその場で形成される中空の筒状または輪状カバーの利点は、カバーの(したがってラウンドスリングの)表面の特性が全体にわたって均一になる(連結または重なり部分がないため)ことにあり、局所的な損傷の危険性が低下することにある。
好ましくは、カバーは、三次元(3Dとも称される)布帛、すなわち、ストランドが互いに3方向に交差するように走行しているものである。3D生地は当該技術分野において公知であり、編成、縫成、組成、織成等の様々な繊維技術によって作製してもよい。
より好ましくは、保護カバーは、経、緯、および接結ストランドまたは糸を含む3D織布であり、より好ましくは、3D中空織布(中空の筒状形態)である。このような3D中空布帛は、例えば、丸(または輪)織り技法または層の端部を連結することにより筒状構造体の壁部を形成する多層平面織り(multi−layer flat weaving)技法を用いて作製してもよい。
本発明のさらなる好ましい実施形態においては、カバーは、接結糸によって互いに連結された少なくとも2層の織物層、より好ましくは、3〜9層の互いに連結された層を備えた多層3D織布構造体であって、場合により、中空の筒状形態に作製されている。経糸、横糸、および接結糸は、単糸であってもよいが、多本撚りであってもよい。
本発明による高耐久性ラウンドスリングは、無端の荷重受承心体と、高性能繊維(カバー内の高性能繊維とも呼ばれる)を含む交絡ストランドから作製された保護カバーとを備えている。
心体中の繊維と同様に、カバー中の高性能繊維は、ASTM D885Mに基づく試験手順により測定された強度が1.5N/texを超え、かつ破断伸び(eab)が10%未満である合成(高分子)繊維であると理解すべきである。好ましくは、カバーのストランド中の高性能繊維は、強度が2.0N/texを超えるかまたは2.5N/texさえ超える。カバー中の高性能繊維の好適な例としては、芳香族ポリアミド(例えば、トワロン(登録商標)、ケブラー(登録商標、テクノーラ(登録商標)として市販されているアラミド)、芳香族ポリエステル(ベクトラン(登録商標)等)、ポリビスオキサゾール(例えばザイロン(登録商標))、または超高分子量ポリエチレン(例えば、ダイニーマ(登録商標)またはスペクトラ(登録商標);HPPEファイヤーズ(fires)とも呼ばれる)から作製された繊維が挙げられる。
交絡ストランドは、1種類の高性能繊維を含んでいてもよいが、異なる繊維を含むストランドまたは2種類以上の混合物を基材としているものを選択してもよい。
カバー中の高性能繊維は心体中の高性能繊維と同一であってもよいが、異なっていてもよい。
好ましくは、交絡ストランドは、HPPE繊維を含む。それは、この種のカバー構造においては、この繊維が良好な耐摩耗性および耐切創性を示すためである。さらに好ましい実施形態は、心体ストランドに関して上に示したものと同様である。
好ましくは、交絡ストランドは、高性能繊維を少なくとも50質量%(交絡ストランドの総質量を基準として)含む。このストランドは、より低強度の他の繊維(連続フィラメントとしてまたはステープル繊維としてのいずれでも)および/または性能を向上させるための添加剤等の他の構成要素をさらに含んでいてもよい。この他の繊維は、有機(高分子)繊維または無機(ガラス、金属等)繊維であってもよく、連続フィラメントおよび/またはステープル繊維の形態であってもよい。この他の繊維はまた、耐切創性等の特性をさらに改善するためにガラス繊維(またはスチールワイヤ)のストランドを合成繊維でくるんだものなどの、異なる繊維の組合せを含むいわゆる複合糸であってもよい。ラウンドスリングを軽量化するために、カバーのストランドは、高性能繊維を少なくとも60、70、80、または90質量%含むものさえ好ましい。最も好ましくは、交絡ストランドは、実質的に高性能繊維からなる。
本発明によるラウンドスリングの保護カバーは、ストランド以外にも、当該技術分野において公知のコーティング材等の他の構成要素をさらに含んでいてもよい。好ましくは、カバーは、他の構成要素を約25質量%未満または20もしくは15質量%未満含む。
好ましい実施形態においては、カバー中のストランドも心体中のストランドも同じ高性能繊維を含んでいる。すなわち、心体中およびカバー中の高性能繊維は同一である。より好ましくは、心体中のストランドおよびカバー中のストランドは実質的にHPPE繊維からなり、それによって、比較的低い総質量に高いWLLと摩耗または切創に対する高い耐性とを兼ね備えたラウンドスリングとなる。
本発明による高耐久性ラウンドスリングは、無端荷重受承心体および保護カバーを備え、心体中の高性能繊維対カバー中の高性能繊維の質量比が0.15〜2.0である。このカバーは高性能繊維を含むストランドから作製されており、この繊維は、所望の保護機能が得られるように、心体中およびカバー中の両方の高性能繊維の総質量の少なくとも約33%を構成している。一般に、カバー中の高性能繊維の相対質量がより高ければ、性能が向上するとともに耐用寿命が長くなる。したがって、上記質量比は、1.5未満、1.0、0.9、0.8、または0.7未満であることさえ好ましい。一定の吊り上げ能力のラウンドスリングのカバーの厚みを増大させると総質量が増大することになるので、心体中対カバー中の高性能繊維の質量比は、特性を有利に組み合わせるために少なくとも0.15とし、0.2超、0.15、0.25、0.3、または0.4超とすることさえ好ましい。
高性能繊維ならびに場合により他の繊維および構成要素を含む本発明によるラウンドスリングの保護カバーの質量は、好ましくは、ラウンドスリングの総質量の少なくとも50質量%、より好ましくは少なくとも60質量%である。好ましくは、カバーの質量は、最大でラウンドスリングの総質量の85質量%、より好ましくは最大で80質量%を成す。
カバーの(最適な)相対質量は、ラウンドスリングの能力またはWLLにも依存する。特定の十分に機能するカバーを、指示された限界以下のサイズの異なる心体に使用してもよい。例えば、実質的に高性能繊維から作製された20mtラウンドスリングの場合、カバー中の高性能繊維は、好ましくは、ラウンドスリング構造中の高性能繊維の総量の約60〜70質量%である。
本発明によるラウンドスリングは、情報を記載したラベルや、例えばラウンドスリングの過伸長または過負荷を示唆する警告手段等の他の構成要素をさらに含んでいてもよい。
本発明はさらに、本発明によるラウンドスリングの作製方法に関する。ラウンドスリングを作製する一つの方法は、高性能繊維を含む多数回周回されたストランド材を形成することによって無端荷重受承心体を作製するステップと、上記心体の周囲に、高性能繊維を含む交絡ストランドから作製された保護カバーを、心体を完全に囲むように設けるステップとを含む。
本発明によるラウンドスリングを作製する他の方法は、高性能繊維を含む多数回周回されたストランド材を含む無端荷重受承心体の周囲に高性能繊維を含むストランドを交絡させることによって、中空の筒状布帛を、布帛が心体を完全に囲むように作製するステップを含む。
本発明によるラウンドスリングを作製するさらなる方法は、高性能繊維を含むストランドを交絡させることによって中空の筒状布帛を作製するステップと、次いで、上記カバー内で、高性能繊維を含む多数回周回させたストランド材から無端荷重受承心体を形成するステップとを含む。
上記方法における心体およびカバーの好ましい実施形態は、本発明によるラウンドスリングに関し上述したものと同様である。
さらに本発明は、高性能繊維を少なくとも50質量%含み、かつ目付(specific mass)が少なくとも1500g/mである3D織布の、細長い繊維状構造体の保護手段としての、例えば、細長い繊維状構造体を摩耗力または切創力によって生じる損傷から保護するための使用に関する。
細長い繊維状構造体とは、繊維を含み、長手方向の寸法が横断方向の寸法よりもはるかに長い、様々な種類のロープ等の構造体であると理解すべきである。
好ましくは、この使用は、上の特徴を有する中空3D織布(筒状に作製されている)に関する。
本発明による使用は、目付(線密度とも称される)が少なくとも約1500g/mである3D織布に関する。この目付は、カバーの壁部を形成する布帛に関するものであって、例えば、平らな中空構造を有する二重層の質量に関するものではない。この保護機能をさらに向上させるためには、目付は、少なくとも約2000g/mであるか、2500、3000、または3200g/mであることさえ好ましい。目付が高すぎると、布帛の取り扱いだけでなくそれを用いたラウンドスリングの製造もより難しくなるであろう。したがって、使用される3D織布の目付は、好ましくは、最大で約8000g/mであるかまたは最大で7500g/mである。
本発明の好ましい実施形態においては、互いに連結された少なくとも2層を含む多層3D織布が保護手段として使用される。より好ましくは、場合により中空の筒状形態の、3〜9層の互いに連結された層を含むこの種の布帛が使用される。
本発明による使用は、高性能繊維を少なくとも50質量%含む3D織布に関する。高性能繊維とは、ASTM D885Mに基づく試験手順を用いて測定された強度が1.5N/texを超え、かつ破断伸び(eab)が10%未満である合成(高分子)繊維と理解すべきである。保護布帛中の繊維は、強度が2.0N/texを超えるかまたは2.5N/texを超えることさえ好ましい。高性能繊維の好適な例としては、芳香族ポリアミド(例えば、トワロン(登録商標)、ケブラー(登録商標)、テクノーラ(登録商標)として市販されているアラミド)、芳香族ポリエステル(ベクトラン(登録商標)等)、ポリビスオキサゾール(例えば、ザイロン(登録商標))、または超高分子量ポリエチレン(例えば、ダイニーマ(登録商標)またはスペクトラ(登録商標)として入手可能)から作製された繊維が挙げられる。
本発明により使用される3D織布は、1種類の高性能繊維を含んでいてもよいが、2種類以上の混合物を選択してもよい。好ましくは、この布帛は、HPPE繊維を含んでいる。それは、この繊維が良好な耐摩耗性および耐切創性を示すためである。HPPE繊維のさらに好ましい実施形態は、本発明によるラウンドスリングに関して上述したものと同様である。
使用される3D織布は、少なくとも50質量%(布帛の総質量を基準とする)の高性能繊維以外に、より低強度の繊維および/または性能を改善するための添加剤(例えば、コーティング)、情報を記載したラベル等の他の構成要素をさらに含んでいてもよい。他の繊維は、有機(高分子)繊維であっても無機(ガラス、金属等)繊維であってもよく、連続フィラメントおよび/またはステープル繊維の形態にあってもよい。他の繊維は、ガラス繊維(またはスチールワイヤ)のストランドを合成繊維でくるんだものなどの、異なる繊維の組合せを含む、いわゆる複合糸であってもよい。
軽量化のためには、保護布帛は、高性能繊維を少なくとも60、70、80、または90質量%含むものさえ好ましい。最も好ましくは、布帛は、実質的に高性能繊維からなる。
特殊な実施形態においては、本発明は、HPPE繊維を少なくとも90質量%含み、かつ目付が少なくとも2500g/mである3D中空(筒状)織布の、細長い繊維状構造体の保護手段としての使用に関する。このような構造体は、好ましくはラウンドスリングである。
幾つかの非限定的な試験を用いてここに本発明をさらに例示する。
[保護材の評価]
幾つかの被覆材料を耐摩耗性および耐切創性について実験室規模で試験した。うち幾つかの試料は市販のスリング製品のカバーとして使用する。
・試料Aは、ポリアミド66(PA66)繊維(米国のスリングマックスより入手)を基材とする平織布である。
・試料Bは、ラウンドスリングの保護に用いられる標準的なスリーブであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(オランダ国Unitex Holding BVより入手)から作製された平織物である。
・試料Cは、HPPE繊維から作製された、プラスチックコーティングが施された織物であり、サムソン・ロープ・テクノロジーズ(Samson Rope Technologies)(米国)からプロガード(Pro−Gard)アイ/ロープ保護具(擦れ止めとも呼ばれる)として市販されている。
・試料DおよびEは、4層重ねの織物からなる中空の筒状3D織物であり、2層で壁部を形成する中空筒状型に構成されている。この層は、ストランドを多本撚りした1本の緯糸を多数の経糸にスパイラル状に織り込むことにより作製されたものである。壁部を形成する2層の織物層は、ストランドを多本撚りした接結糸の技法を用いて結合されることによって構造的に一体化されている。試料DにはPET糸、試料Eにはダイニーマ(登録商標)SK75 1760dtex糸を経糸、緯糸、および接結糸に用いた。
以下の方法を適用した:
・糸の引張特性:マルチフィラメント糸の引張強度(または強度)および破断伸び(またはeab)を、ASTM D885Mに準ずる手順を用いて、繊維の公称ゲージ長を500mm、クロスヘッド速度を50%/分とし、インストロン(Instron)2714つかみ具(ファイバー・グリップ(Fibre Grip)D5618C型)を用いて決定および測定した。測定された応力−歪み曲線に基づき、モジュラスを0.3〜1%歪みの傾きとして決定する。強度を求めるためには、測定された引張力を繊度(10メートルの糸を秤量することによって決定される)で除する。
・カバー材の耐摩耗性については、約6cm幅の支持ベルト上にカバー試料を取り付け、この組合せを直径145mmの回転輪(その外面は直径12mmの横木(spoke)18本で形成されている)の周囲に90°の角度で配置し、ロープの張力を一定の約1300kgに維持することによって試験を実施した。回転輪を4rpmで回転させ、支持ベルトが回転輪の横木と最初に接触するまでの回転数を測定した(目視による測定)。
・耐鋸引き性(Sawing resistance)については、575kgの一定荷重で保持した20mmの支持ロープ上にカバーを取り付け、その上に直径10mmのスチールワイヤロープを渡して40kgの荷重をかけ、振幅140mm、角度120°で前後に動かすことによって測定を実施した。スチールワイヤが最初に支持ロープと接触するまでの動作回数を測定した(目視による測定)。
・耐切創性については、支持ロープを囲むように一定の長さのカバー材を取り付け、このカバーをステンレス鋼ナイフの刃の上で折り曲げ、カバーが切れるまで引張試験機を用いてロープの両端を150mm/分で引っ張ることによって測定を実施した。切れた時点でかけられていた力を結果として報告する。ナイフの厚みは10mmであり、刃の部分は6mmであり、試験前にその都度サンドビック(Sandvik)の3番やすりで研ぐ。
表1の結果から、総合的に試料Eが最も高い性能を示すと結論づけることができる。しかしながら、切創試験の結果は、摩耗および鋸引き試験と比べて試料間の差が小さい。
Figure 2009520659
[実施例1]
国際公開第2004/067034 A1号パンフレットに記載された手順に従い、筒状カバー内でロープを平行に8回周回させ、ロープの2つの末端をスプライスにより連結し、そしてカバーの2つの末端を縫い合わせることにより連結することによってラウンドスリングを作製した。
ロープとして、構成3×24×3/1760dtexダイニーマ(登録商標)SK75撚りロープを使用した。適用したカバーは、上述した表1の試料Fと同じものである。ダイニーマ(登録商標)SK75 1760dtex(オランダ国のDSM・ダイニーマ・BV(DSM Dyneema B.V.))は強度35cN/dtex、破断伸び3.4%の市販のHPPE糸である。
ラウンドスリングの総質量は12.2kgであり、カバーの質量は8.2kgである。すなわち、心体中のHPPE繊維対カバー中のHPPE繊維の比の比は約0.49である。
このラウンドスリングのストレート吊りの最大使用荷重は20mtであり、欧州規格(European standard)NEN EN1492−2に記載および規定されているように最小安全率(minimum coefficient of utilization)は7である。
このHPPEのみからなるラウンドスリングを、コイル1巻の質量が15〜25トンであるスチールコイルの船内荷役について、質量が70〜100kgの範囲にある標準的な吊り上げ用スチールマットと比較して評価した。これを実施する際はコイルの約半分を梱包し、残りは梱包しない形態で搬送する(これは、使用されるスリングが吊り上げ作業中コイルの角張った縁に直接接触することを意味する)。
このような質量の吊り上げ用スチールマットを取り扱う際には2人の作業者が必要となる。吊り上げ用スチールマットの典型的な耐用回数は吊り上げ作業150〜200回であることがわかった(梱包および非梱包コイルで)。
HPPE繊維から作製されたラウンドスリングは、船内荷役の間中ずっと1人の作業員で取り扱うことが可能であり、521回の吊り上げ作業(その約50%が保護されていないコイルである)後も損傷は目視ではほとんど認められなかった。これは、標準的な鋼を基材とする製品よりもはるかに長い耐用寿命である。次いで、ラウンドスリングのカバーを取り外してさらに検査したところ、心体ロープにも繊維にも目視では損傷が認められないことがわかった。
次いで、心体ロープの平均残存強度を測定したところ、初期強度の70%を超えていた。これは、使用中のスリングに一般に許容されている残存強度の最低水準の2倍を超えており、試験に供したラウンドスリングはさらに多くの回数の吊り上げ作業を安全に実施することができたであろうことを示している。
先の比較試験では、HPPE繊維を基材とする心体を有し、ポリアミド66またはPET繊維から作製された様々なカバー(特に上述したようなカバー)を有するラウンドスリングが、許容できない損傷(繊維の切断)が生じたために数回の吊り上げ作業後に使用を止めなくてはならなくなったことが既に判明している。

Claims (12)

  1. 高性能繊維を含む多数回周回されたストランド材を含む無端荷重受承心体と、高性能繊維を含む交絡ストランドから作製された保護カバーとを備えた高耐久性ラウンドスリングであって、前記心体中の前記高性能繊維対前記カバー中の前記高性能繊維の質量比が0.15〜2.0であるラウンドスリング。
  2. 前記心体ストランド材がロープである、請求項1に記載のラウンドスリング。
  3. 前記心体中の前記高性能繊維がHPPE繊維である、請求項1または2に記載のラウンドスリング。
  4. 前記心体ストランドが、高性能繊維を少なくとも90質量%含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
  5. 前記カバーが3D布帛である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
  6. 前記カバーが3D織布である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
  7. 前記カバーが3D中空布帛である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
  8. 前記カバー中の前記高性能繊維がHPPE繊維である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
  9. 前記交絡ストランドが、高性能繊維を少なくとも90質量%含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
  10. 前記心体およびカバー中のストランドが実質的にHPPE繊維からなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
  11. 前記保護カバーの質量が、前記ラウンドスリングの総質量の50〜85質量%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のラウンドスリング。
  12. 高性能繊維を少なくとも50質量%含み、かつ目付が少なくとも1500g/mである3D織布の、細長い繊維状構造体の保護手段としての使用。
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