JP2009519379A - アモルファス炭素を堆積させる方法 - Google Patents

アモルファス炭素を堆積させる方法 Download PDF

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Abstract

コーテンングされた動的接触面が存在する。この接触は、基材と、この基材上の炭素基コーテンングと、を含む。このコーティングは、約0.5以下の摩擦係数と、原子百分率で約5%〜約25%の水素含有率と、を有する。また、機械システムが存在する。機械システムにおいてオイル切れサバイバビリティを向上させる方法が存在する。

Description

本発明は、炭素基コーティングを有する動的接触面に関し、詳しくは、炭素基コーティングされた接触面を有する機械システムに関し、さらには、この動的接触面を形成する方法に関する。
現在のヘリコプタ設計では、動力伝達サブシステム(例えば、メイントランスミッションギアボックス)に用いる生産軸受アセンブリとして、円筒ころ軸受/二つ割りアンギュラコンタクト玉軸受の組合せ軸受アセンブリが利用されている。このような軸受アセンブリの、円筒ころ軸受、コンタクト玉軸受、ケージ並びに、軌道を含む内側及び外側のリングは、典型的には鉄合金から形成されている。現在使われている鉄合金としては、Carpenter Technology社によって製造された表面浸炭スチールであるPyrowear53と、AISI52100スチールと、がある。
ヘリコプタの動力伝動ギアボックスの望ましい設計の特性の一つは、「オイル切れ」状況(すなわち、トランスミッションギアボックスへの潤滑/冷却オイルが失われた場合にも)において、(たとえ水平飛行運転を保つことしかできない低い動力レベルであっても)飛行運転を60分間持続させる能力である。現在の生産軸受アセンブリは、前述の設計の特性をもたらすことができない。
オイル切れ状況において望ましい設計の特性をもたらすアプローチの一つは、生産軸受アセンブリにおいて鉄合金機能部品の代わりにセラミック機能部品を使用して、接触摩擦を低減することである。他のアプローチとしては、生産軸受アセンブリに含まれる機能部品に様々なコーティングを施して、接触摩擦を低減することがある。後者のアプローチは、米国特許第5,482,602号明細書に例示されている。しかし、前述のアプローチのいずれによっても望ましい設計の特性をもたらすほど低いレベルの摩擦接触をもたらすことができない。
動的接触面が、優れた硬度及び低い摩擦抵抗を示す炭素基コーティングを得ることがさらに望ましい。優れた硬度及び低い摩擦抵抗を示す炭素基コーティングが施された(1つまたは複数の)接触面を有する機械システムを得ることがさらに望ましい。接触面上にこのような炭素基コーティングを堆積させる方法を得ることがさらに望ましい。オイル切れ状況において時間を延長して機能することができるヘリコプタのトランスミッションを得ることがさらに望ましい。
本発明によると、コーティングされた動的接触面が存在する。この接触面は、基材と、基材上の炭素基コーティングと、を含む。このコーティングは、摩擦係数が約0.5以下であり、原子百分率で約5%〜約25%の水素を含み、好ましくは約5%〜約20%、さらに好ましくは約5%〜約15%の水素を含む。
さらに本発明によると、複数の部品を有する機械システムが存在する。この機械システムは、接触面と接触対向面とを有する。この接触面は、基材と、基材上の炭素基コーティングと、を含む。接触面及び接触対向面は、互いに少なくとも断続的に動的に接触している。このコーティングは、摩擦係数が約0.5以下であり、原子百分率で約5%〜約25%の水素を含み、好ましくは約5%〜約20%、さらに好ましくは約5%〜15%の水素を含む。
さらに本発明によると、各々が少なくとも1つの表面を有する複数の部品を有する機械システムにおけるオイル切れサバイバビリティを向上させる方法が存在する。この方法は、(a)少なくとも1つのブロードビームイオン銃を含む真空チャンバ内に複数の部品のうちの少なくとも1つを配置するステップと、(b)少なくとも1つのブロードビームイオン銃に不活性ガスを供給するステップと、(c)不活性ガスをイオン化するステップと、(d)イオン化された不活性ガスを高い運動エネルギを有するように加速するステップと、(e)イオン化され加速された不活性ガスで、複数の部品の少なくとも1つの表面を洗浄するステップと、(f)中間付着促進層をスパッタ堆積させるために、イオン化された不活性ガスを、単独で、またはイオン化された反応性ガスと組み合わせて、所望の材料から形成されたターゲットに向けて選択的に加速するステップと、(g)少なくとも25重量%のアセチレンを有する炭化水素ガスを少なくとも1つのブロードビームイオン銃に供給するステップと、(h)炭化水素ガスをイオン化するステップと、(i)イオン化された炭化水素ガスを高い運動エネルギを有するように加速するステップと、(j)イオン化され加速された炭化水素ガスを、約300°F(約149℃)またはこれより低温で複数の部品のうちの少なくとも1つの部品の少なくとも1つの表面に導いて炭素基コーティングを堆積させるステップと、を含む。
さらに本発明によると、オイル切れサバイバビリティを向上させる方法が、他の1つまたは複数の部品に、炭素基コーティングを他の1つまたは複数の構成成分(原子百分率で約0.5〜50%の遷移金属または半金属などがあるが、これらに限定しない)と同時に堆積させて、コーティング混合物つまり複合材コーティングを形成させるステップを選択的に含み得る。
さらに本発明によると、少なくとも1つの動的表面を有し相互に関連する複数の部品を有する機械システムにおいてオイル切れサバイバビリティを向上させる方法が存在する。この方法は、約0.5以下の摩擦係数と、原子百分率で約5%〜約25%(好ましくは約5%〜約20%、さらに好ましくは約5%〜15%)の水素含有率と、を有する炭素基コーティングを少なくとも1つの動的表面に施すことを含む。
優れた硬度、低い摩擦抵抗及び低い磨耗率を呈する動的接触面が存在し得ることが見出された。優れた硬度、低い摩擦抵抗及び低い磨耗率を呈する(1つまたは複数の)接触面を有する機械部品が存在し得ることがさらに見出された。このような接触面を形成する炭素基コーティングを堆積させる方法が存在し得ることが見出された。オイル切れの状況において、時間を延長して機能することができるヘリコプタのトランスミッションが存在し得ることが見出された。
本発明のプロセスによって炭素コーティングされた接触表面は、本発明のプロセスとは異なるプロセスで施された炭素基コーティングよりも原子百分率での水素含有率が低い。本発明のプロセスで施された炭素基コーティングは、原子百分率で約5%〜約25%の水素を含み、好ましくは約5%〜約20%、さらに好ましくは約5%〜約15%の水素を含む。
炭素基コーティングの水素含有率が低いことは、優れた硬度、低い摩擦抵抗及び低い磨耗率のうちの1つまたは複数の特性をもたらす。コーティングされた接触面の摩擦係数は約0.5以下であることが好ましく、0.2以下であることがさらに好ましく、0.1以下であることがもっとも好ましい。接触面の硬度は約10ギガパスカル以上であることが好ましく、約12ギガパスカル以上であることがさらに好ましく、約15ギガパスカル以上であることがもっとも好ましい。接触面の磨耗率は約10-53-1-1以下であることが好ましく、約10-103-1-1以下であることがさらに好ましく、約10-143-1-1以下であることがもっとも好ましい。
接触面をコーティングする際の重要な特徴は、ブロードビームイオン堆積法を使用することである。他の重要な特徴は、イオン発生ガスとしてアセチレンを使用することである。
ブロードビームイオン堆積法は、ハイブリッドCVD−PVD法と見なし得るコーティングプロセスである。これは、炭化水素源ガスが供給され、カウフマンイオン源に含まれる一要素であるイオン化フィラメントによって分解されるという点で、化学蒸着法(CVD)に関連する。同様に、イオン化された種を、大きな運動エネルギを有するように加速して、ターゲット及び基材の両方を洗浄するとともに原子レベルで洗浄された基材上に原子レベルで洗浄されたターゲットをスパッタ堆積させる点で、物理蒸着法(PVD)プロセスに関連する。詳しくは、ブロードビームイオン堆積法を実施する一連のステップは、(1)基材を研磨洗浄及び/または溶剤洗浄するステップと、(2)洗浄された基材を適当な堆積チャンバ内に挿入するステップと、(3)堆積チャンバ内を所定のベース圧力に真空排気するステップと、(4)基材表面及びターゲット表面をイオンスパッタ調整するステップと、(5)基材表面上に中間付着促進層をスパッタ堆積させるステップと、(6)基材表面の境界層上に炭素基コーティングを堆積させるステップと、を含む。
上記プロセスのステップ(1)は、機械的技術及び/または化学的技術によって基材表面を巨視的に調整することを含む。ターゲット表面及び基材表面をイオンスパッタ調整するステップ(4)は、不活性ガスをイオン化して所定のビーム流密度及び運動エネルギを有するイオンビームを形成し、形成されたイオンビームを動的表面上に導くことによって達成される。中間層を堆積させるステップ(5)は、ガス(典型的には、アルゴン(Ar)またはヘリウム(He)などの不活性ガス)をイオン化して所定のビーム流密度及び加速エネルギを有するイオンビームを形成し、形成されたイオンビームをターゲット上に導いて、ターゲットから原子を追い出すことによって達成される。ターゲット表面及び基材表面が原子レベルで磨かれるようにスパッタ洗浄されると、追い出されたターゲットの原子が基材表面上に集められて中間付着促進層を形成する。イオンスパッタ調整及び境界層の堆積に用いられる所定のビーム流密度は、約1.5mA/cm2〜約3.5mA/cm2の範囲にあり、約2.5mA/cm2であることが好ましい。イオンスパッタ調整及び境界層の堆積に用いられる所定の加速エネルギは、約0.7keV〜約1.5keVの範囲にあり、約1.0keVであることが好ましい。境界層の厚さは、約50nm〜約500nmの範囲にあり、約100nm〜約150nmの範囲にあることが好ましい。
外側炭素基コーティングを堆積させるためには、炭素基ガス(アセチレンを含む)をイオン化して所定のビーム流密度及び所定の加速エネルギを有するイオンビームを形成し、中間付着促進層上に炭素イオンが堆積されるようにイオンビームを導くことによって、炭素基コーティングを境界層上に堆積させる。この中間層上に炭素基コーティングを堆積させるための所定のビーム流密度は、約1.5mA/cm2〜約3.5mA/cm2の範囲にあり、約2.5mA/cm2であることが好ましい。この境界層上に炭素基コーティングを堆積させるための所定の加速エネルギは、約200eV〜約1000eVの範囲にあり、約450eV〜約700eVの範囲にあることが好ましく、約450eVであることがさらに好ましい。本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法を用いて堆積された炭素基コーティングの厚さは、約500nm〜約2000nmの範囲にあり、約700nm〜約1500nmの範囲にあることが好ましい。
本発明のプロセスは、前駆体の炭化水素ガスまたは炭素質ガスを使用する。このガスには、部分的または全体的にアセチレンが含まれていることが好ましい。このガスには、このガスに含まれる炭化水素の全重量に対して、少なくとも25重量%のアセチレンが含まれていることが好ましく、少なくとも50重量%のアセチレンが含まれていることがさらに好ましく、少なくとも75重量%のアセチレンが含まれていることがもっとも好ましい。アセチレンと組合せて使用することができる他の有用な炭化水素としては、メタン、エタン、プロパンなどがある。
図1は、本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法10または10’を実施する装置100の一実施例を概略的に示し、この実施例においては、物品の1つまたは複数の動的表面上に間接的または直接的に炭素基コーティングが堆積される。図2は、本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法10または10’を実施する装置100’の他の実施例を概略的に示し、この実施例においては、物品の1つまたは複数の動的表面上に間接的または直接的に炭素基コーティングが堆積される。装置100及び100’は、以下に記述するブロードビームイオン堆積プロセスと、物理蒸着法と化学蒸着法とのハイブリッド(PVD−CVD)プロセスと、を実施する構成とされ、PVD−CVDプロセスにおいて発生したプラズマ雲は、ブロードビームイオン銃の付近に存在する(すなわちコーティングされる物品の動的表面からは遠くにある)。
図1の装置100は、堆積チャンバ102と、イオンビーム104Bを発生させるように作動するブロードビームイオン銃104と、堆積チャンバ102と流体的に相互接続して堆積チャンバ内を真空排気するように作動する真空ライン108及び真空ポンプ110などの減圧手段106と、ブロードビームイオン銃104及び堆積チャンバ102と流体的に相互接続してガスを供給する(1つまたは複数の)ガスライン114及び1つまたは複数のガス発生源116などのガス供給手段112と、ターゲット118と、を含む。以下に記述するブロードビームイオン堆積コーティング法を行うために、ガスライン114は、アルゴンやヘリウムなどの第1のガス発生源116Aと、アセチレンやメタンなどの炭素基ガス発生源116Mと、のいずれかに、流体的に相互接続することができる(あるいは、個別のガスライン112を使って、ブロードビームイオン銃104及び堆積チャンバ102に各々のガス源116A,116Mを流体的に相互接続することができる)。図2の装置100’は、堆積チャンバ102と、ステップ22及びステップ24においてイオンビーム104B−1、104B−2を発生させるように作動する第1及び第2のブロードビームイオン銃104−1,104−2と、減圧手段106と、それぞれのブロードビームイオン銃104−1,104−2及び堆積チャンバ102にガスを供給する個別のガス供給手段112−1,112−2と、ターゲット118と、遮蔽板119と、を含む。
ブロードビームイオン銃104、減圧手段106及びガス供給手段112は、この技術分野で周知の従来型のものであるので、これらのシステムは概略的に示している。一例として、ブロードビームイオン銃104は、供給ガスをイオン化し(発生したプラズマがイオン銃104付近に存在して炭素コーティングされる表面から遠くにあるように高温フィラメントを使用する)、イオンビームを発生させるように作動する典型的なカウフマン型ブロードビームイオン銃(図7及び対応する米国特許第4793908号明細書の開示を参照)であり、生じたイオンビームを所定のビーム流密度及び所定の加速エネルギを有するように加速して精密に調節することができる。このようなシステムは、当技術分野では従来型の周知技術であるので、これらの機械的特徴及び機能的特徴の詳細は、ここには示さない。
また、図1及び図2は、炭素基コーティングが堆積される動的表面120Sを有する物品120が、堆積チャンバ102内に配置され、以下に記述するブロードビームイオン堆積コーティング法10,10’によってコーティングされる実施例を示す。ここで使用される「物品」という用語は、様々な種類の工学機械デバイス及び/または製造工具を含み、これらの工学機械デバイス及び/または製造工具は、これと同じデバイス、補完的な機械デバイスまたは加工品との対向面で相互に転がり摩擦接触及び/または滑り摩擦接触するように係合された1つまたは複数の表面を有する。このような機械デバイス及び/または製造工具における相互作用する接触面は、本明細書中においては、動的表面と定義されている。このような動的表面は、相互作用する滑り摩擦接触及び/または転がり摩擦接触によって機械的に劣化するので、炭素基コーティングをもっとも必要とする。所与の物品の構造上の形状の複雑性に従って、その物品は、1つまたは複数の明白な動的表面を有する。本明細書中で使用される「動的表面」という用語は、本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法10,10’を用いてコーティングされる物品のすべての動的表面を含む。本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法10または10’の特定の適用例としては、ヘリコプタの円筒ころ軸受/二つ割りアンギュラコンタクト玉軸受の組合せ軸受アセンブリの内側軌道及び外側軌道(各軌道は単一の連続した動的表面を含む)上に炭素基コーティングを堆積させること(組合せ軸受のころ軸受と軌道とは転がりとは主に接触する)、ヘリコプタのメイントランスミッションの歯車(相互作用する歯車の歯は、転がり摩擦接触及び滑り摩擦接触する)の歯(各歯車の歯の各表面は、単一の連続した動的表面を含む)の表面に炭素基コーティングを堆積させること、空調機用の熱交換チューブをつくる銅シート加工物に微細な熱伝達表面を形成する転造ダイス(工具)の環状微細構造(各々の環状微細構造の逃げ面及びランド面は、単一の動的表面を含む)の表面に炭素基コーティングを堆積させること(環状微細構造の逃げ面及びランド面は、滑り摩擦接触(全体の接触の85%〜80%)及び転がり摩擦接触(全体の接触の15%〜20%)の両方で加工物と係合している)などが挙げられるが、これらに限定しない。代表的な軸受アセンブリを図8の符号150によって示しているが、これに限定しない。アセンブリ150は、それぞれ、内側軌道152及び外側軌道154を有する。また、アセンブリ150は、それぞれ、内側リング156及び外側リング158を有する。アセンブリ150は、さらに、それぞれ、内側軌道160及び外側軌道162を有する。また、アセンブリ150は、それぞれ、ケージ164及び回転要素166を有する。動的表面120Sに間接的または直接的に炭素基コーティングを堆積させる本発明のブロードビームイオン堆積法10,10’については、以下のパラグラフに記述する。動的表面120S上に炭素基コーティングを堆積させる特定のブロードビームイオン堆積コーティング法10または10’は、コーティングされる物品120の動的表面120Sの材料組成に依存する。特定の材料組成で形成された物品の動的表面においては、これに直接的に堆積された炭素基コーティングの付着が困難である。例えば、鉄、鉄基合金、チタン、チタン基合金から形成された物品の動的表面において付着が困難である。これらの物品の動的表面に直接的に堆積された炭素イオンは、概して、動的表面に結合しにくい、または成長しない。この現象を起こす要因は、あまり判っていないが、堆積した炭素の拡散が考えられる。すなわち、動的表面に直接的に堆積された炭素イオンが物品の内部へ拡散する(すなわち、動的表面付近の表面領域から移動する)ことが一因であると考えられる。堆積された炭素の拡散及び他の要因(本明細書中での「付着が困難」となることの要因)は、特性(特には、このような物品の動的表面に直接的に堆積された炭素基コーティングの付着特性)に悪影響を及ぼす。このような物品には、たいてい中間層が必要であることが判っている(図1Cを参照)。すなわち、炭素基コーティングを堆積させる前に、物品120の動的表面120S上に直接的に一層を堆積させる。続けて、この境界層122上に炭素基コーティング124を堆積させる(すなわち、炭素基コーティングは、物品の動的表面上に間接的に堆積される)。
境界層122は、動的表面120Sと、ブロードビームイオン堆積を施した結果として境界層122に続いて堆積される炭素基コーティング124と、の両方に対して良好な付着表面を提供し、かつ、炭素イオンの堆積中に堆積された炭素が物品内へ拡散することを効果的に制限するように作用し、これによって、境界層122に続いて堆積される炭素基コーティングの付着特性を向上させることができる。例えば、鉄、鉄基合金、チタン、チタン基合金に対して境界層122として使用することが許される化合物としては、ケイ素、モリブデン及びこれらを基にした化合物、並びに類似の遷移金属(周期表の3A〜8A族、1B族及び2B族)を基にした化合物があり、例えば、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)が含まれる)、ケイ素及び炭素を含む固溶体ないし化合物(化学量論的(結晶状)または非化学量論的(アモルファス状)なSiC)、ケイ素及び窒素を含む固溶体ないし化合物、他の遷移金属や半金属、並びに遷移金属の固溶体ないし化合物などを含む。
予備的な調整ステップは、境界層または炭素基コーティングのブロードビームイオン堆積を行うための動的表面120Sの巨視的な物理調整、巨視的な化学調整及び/または電気化学的調整を含む1つまたは複数のサブステップを含む。機械的調整サブステップ12Aで、動的表面120Sに要求される構造上の特性及び機能特性に従って、動的表面120Sを機械的に準備する。例えば、境界層または炭素基コーティングのブロードビームイオン堆積に備えて表面仕上げを改善するように、動的表面120Sを機械的に磨くこと即ち機械研磨することができる。さらに、サブステップ12Bで、動的表面120Sを化学的及び/または電気化学的に洗浄し、化学反応によって動的表面120Sから汚染物質を除去することがきる。例えば、サブステップ12Bは、1つまたは複数の溶媒を用いて動的表面120Sを洗浄することによって動的表面120Sから脱脂することを含む。サブステップ12Bで使用する溶媒は、除去する汚染物質の性質に応じて選択することができるが、このような(1つまたは複数種の)溶媒の選択は、当業者には周知の範囲にある。典型的には、サブステップ12Bでは有機溶媒が使用される。
挿入ステップは、堆積チャンバ102内に物品120を配置することと、ブロードビームイオン銃104によって発生したイオンビーム104Bの軌跡に対して物品120の動的表面120Sの空間的な向きを決め、これらの間に所定の軌跡角度θを達成すること(例えば、図1を参照)と、を含む。動的表面120Sは、イオンビーム104Bに対して垂直に(すなわち、軌跡角度θ=90°(図1を参照))配置されることが好ましく、この空間的な向き決めによって、ブロードビームイオン堆積法による炭素基コーティングの最良の付着特性及び最適な堆積速度を確実にする。しかし、物品120の動的表面120Sの複雑な構造上の形状に応じて、イオンビーム104Bに対して動的表面120Sを垂直ではない向き(すなわち、軌跡角度θ<90°)に向けることによって、動的表面120Sに要求されるコーティングを確実に行う。例えば、本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法10,10’の適用例としては、転造ダイスの動的表面上に炭素基コーティングを堆積させて表面の機能特性を高める(例えば、硬度を高め、耐摩耗性を高め、特には、形成プロセス中に汚染源となる潤滑剤を不要にするほどの高い潤滑性を与えるが、この理由は、炭素コーティングされたこの工具の高い潤滑性が金属粒子形成力を著しく低減させることによる)ことがある。転造ダイスは、特定の軌跡角度θ<90°となるように空間的に向ける必要がある。転造ダイスなどの複雑な形状を有する動的表面120Sに対して、本発明の方法10,10’によるイオンビーム堆積法で完全にコーティングするためには、動的表面120Sの向きを1回または複数回(または継続的に)再調整する必要がある。
堆積チャンバ102は、該堆積チャンバ102に流体的に相互接続された減圧手段(真空ライン106、負圧源108)を用いて真空排気される(ステップ16)。本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法10,10’を用いて、以下に説明する物品120の作用表面120S上に炭素基コーティングを堆積させるために、堆積チャンバ102は、3×10-5トルまたはこれ以下のベース圧力にまで真空排気される。以下に詳細に説明する炭素コーティングされたPyrowear53被験試料の準備においては、堆積チャンバ102は、約2.5×10-5トルのベース圧力にまで真空排気した。
動的表面120Sは、本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法10または10’を施すための前駆体となるように、堆積チャンバ102内で微視的に調整される。ステップ18の微視的調整を行うためには、イオンスパッタを用いて予備調整ステップ12の後に残っている不要な残留物(例えば、機械的調整を受け入れにくい及び/または溶媒に溶けない酸化物及び/または汚染物質)を除去する。イオンスパッタは、さらに、動的表面120Sを微視的に粗くし、続いての境界層122のイオン堆積を容易にする(または、以下に説明するブロードビームイオン堆積コーティング法10’による炭素基コーティング124を容易にする)。図1に関して、ガス供給手段112(ライン114、ガス供給源116A)を用いて、ブロードビームイオン銃104の中へアルゴンなどのスパッタガスが導かれ、アルゴンガスは、ブロードビームイオン銃104Bによる作用を受けてAr+を形成するようにイオン化される。イオンビーム104Bの形態でのAr+イオンは、ブロードビーム銃104によって動的表面120Sに向かって加速され、動的表面120Sにおける衝突エネルギで動的表面120Sをスパッタ洗浄する。図2は、物品120の動的表面120Sがイオンビーム104B−2に対して垂直となるように物品を回転させつつ、ブロードビームイオン銃104−2を用いてイオンスパッタ調整することを示す。図2の装置100’は、ステップ22の前に、ブロードビームイオン銃104−1を用いてターゲット118をイオンスパッタ調整する能力をさらに提供する。ターゲット118がイオンスパッタ調整される場合、ターゲットの調整中に追い出される種々のイオンから動的表面120Sを遮蔽するように遮蔽板119が作動する。本発明による前述のブロードビームイオン堆積コーティング法10,10’では、ブロードビームイオン銃104に用いられる加速エネルギは約0.7keV〜約1.5keVの範囲にあり、約1.0keVであることが好ましく、ビーム流密度は約1.5mA/cm2〜約3.5mA/cm2の範囲にあり、約2.5mA/cm2であることが好ましい。動的表面120Sは、特にはイオンビーム104Bの加速エネルギ及びビーム流密度並びに動的表面120Sの形状の複雑性に応じて所定の時間、調整される。一例においては、Pyrowear53被験試料をイオンスパッタ調整する時間は約300秒であった。ステップ18のイオンスパッタ調整に用いるイオンを形成するために、アルゴンガス(安価で、機能性が高い)の代わりに、ヘリウムなどの他の不活性ガスを使用してもよい。
ステップ20で、動的表面120S上に境界層122(図3を参照)を堆積させる。ガス供給手段112(ガス供給手段112−1)によって、アルゴン(Ar)などのガスがブロードビームイオン銃104(図2のブロードビームイオン銃104−1)に供給される。供給されたガスは、イオン化されてイオンビーム104B(イオンビーム104−1)を形成し、ブロードビームイオン銃104(ブロードビームイオン銃104−1)によってターゲット118に向けて加速される。ステップ20における加速エネルギは、約0.7keV〜約1.5keVの範囲にあり、約1.0keVであることが好ましく、ビーム流密度は、約1.5mA/cm2〜約3.5mA/cm2の範囲にあり、約2.5mA/cm2であることが好ましい。
ターゲット118は、動的表面120Sの材料組成と続いて堆積される炭素基コーティング124との両方に対して優れた付着特性を示すとともに炭素イオンの拡散を抑制する材料組成で形成されている。上記に示したように、鉄、鉄基合金、チタン、チタン基合金から形成された物品120の動的表面120Sに対してターゲットとして許容される材料組成としては、ケイ素、モリブデン及びこれらを基にした化合物及び固溶体、並びに類似の遷移金属(周期表の3A〜8A族、1B族及び2B族)を基にした化合物及び固溶体があり、例えば、クロム、アルミニウム、ケイ素などを含む。イオンビーム104B(イオンビーム104B−1)として加速されたイオンがターゲット118に衝突するように、ブロードビームイオン銃104(ブロードビームイオン銃104−1)と動的表面120Sとの間(すなわち、イオンビーム104B(イオンビーム104B−1)の軌跡内)にターゲット118を配置する。加速されたイオンの衝突エネルギは、ターゲット118から原子を追い出すのに十分な大きさであり、追い出された原子が動的表面120S上に堆積して境界層122を形成する。境界層122は、ステップ22で炭素基コーティングを形成するために堆積される炭素イオンに対して効果的な拡散バリアとなるように作用する。ステップ20で形成された境界層122は、堆積した炭素の拡散を抑制するのに十分な厚さを有する必要がある。約100nm〜約150nmの範囲の厚さの境界層122は、堆積した炭素の拡散を十分に抑制することが判っている。動的表面120S上に境界層122を堆積させた後、ブロードビームイオン銃104によって発生したイオンビーム104Bの軌跡から装置100のターゲット118を取外す。
ターゲット118の材料組成と堆積チャンバ102内のガスの分圧との組合せによって、動的表面120S上に堆積される境界層122の組成が決定される。ターゲット118は、例えば、ケイ素(Si)から製造され、鉄、鉄基合金、チタンまたはチタン基合金などの材料組成から製造されている物品120の動的表面120S上にケイ素の境界層122を形成し、この境界層122は、堆積された炭素の拡散を抑制するように作用する。ステップ20でブロードビームイオン銃104(ブロードビームイオン銃104−1)にアルゴンガスが供給されると、そこからAr+イオンが加速されて十分な衝突エネルギでケイ素のターゲット118に衝突してケイ素原子を追い出し、十分な衝突エネルギを有する追い出されたケイ素原子が動的表面120S上に堆積して、単体のケイ素(Si)からなる境界層122を形成する。Ar+イオンによるケイ素ターゲット118のスパッタリング中に、アセチレンガスが所定の分圧で堆積チャンバ102内に存在する場合、追い出されたケイ素原子がアセチレンガス分子と結合して動的表面120S上に堆積し、動的表面120S上にアモルファス状のケイ素−炭素−水素(すなわち、a−Si:C:H)からなる境界層122を形成する。以下に記述するPyrowear53被験試料を製造するときには、アセチレンガスが約1.5×10-4トルの所定の分圧で堆積チャンバ102内に存在していた。アセチレンガスの分圧は、例えば、約1.5×10-5トル〜約1×10-3トルの範囲にすることができる。アセチレンガスの分圧は1.5×10-4トルであることが好ましい。
境界層122上に炭素基コーティング124を堆積させる。概して、炭素基コーティング124の堆積は、境界層122の堆積よりもプロセスパラメータ(すなわち、加速エネルギ、ビーム流密度)に敏感に影響される。炭素基ガス(ここで使用されるのは、分解またはイオン化されて炭素イオン(C+)を供給するガスであり、例えば、アセチレン(C22)やメタン(CH4)であり、または分解ないし反応の結果として炭化水素を発生させるガスなどの炭化水素ガスである)が、ガス供給手段112(ガス供給手段112−2)によってブロードビームイオン銃104(ブロードビームイオン銃104−2)に供給され、このブロードビームイオン銃104(ブロードビームイオン銃104−2)によってイオン化され、特に炭素イオン(C+)をもたらす。供給ガスとしてアセチレンが使用される場合、イオンビーム104B(イオンビーム104B−2)を構成しつつ生じる炭素イオン(C+)及び水素イオン(H+)は、ブロードビームイオン銃104(ブロードビームイオン銃104−2)によって動的表面120Sに向けて加速される。境界層122に堆積される炭素イオン(C+)は、動的表面120Sに炭素基コーティング124を形成する。また、境界層122上には、水素イオン(H+)も堆積されることを理解されたい。本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法10,10’のうち一方を用いて動的表面120S上に堆積された炭素基コーティング124に含まれる水素の濃度を評価するために、二次イオン質量分析法(SIMS)を使用した。SIMSの結果は、このような炭素基コーティング124に含まれる水素の濃度を示し、炭素(炭化水素)源ガスとしてメタン(CH4)を使用した場合、原子百分率で約30%の水素を含むことを示したのに対して、(炭素源としてアセチレン(C22)を使用した)本発明によって合成された炭素基コーティングは、原子量百分率で約5〜25%の濃度の水素を含むことを示した。
ステップ22における加速エネルギは、約200eV〜約1000eVの範囲にあるとよく、約450eV〜700eVの範囲にあることが好ましく、450eVであることがさらに好ましい。ブロードビームイオン銃104によって与えられる加速エネルギが大きすぎる(すなわち、約1000eVより大きい)場合、動的表面120S上に堆積されるイオンの衝突エネルギが再スパッタを生じさせてしまう。すなわち、先に堆積されていたイオンが、後から入ってくるイオン(すなわち、高い衝突エネルギを有する)の衝突エネルギによって動的表面120Sからはじき出される。ブロードビームイオン銃104によって与えられる加速エネルギが小さすぎる(すなわち、200eVより小さい)場合、堆積したイオンによって形成された境界層は、堆積したイオンの衝突エネルギが小さかったことにより、弱い付着特性を示す。発生したイオンビーム104B(イオンビーム14B−2)のビーム流密度は、約1.5mA/cm2〜約3.5mA/cm2の範囲にあるとよく、約2.5mA/cm2であることが好ましい。
炭素基コーティング124の特定の厚さは、炭素コーティングされた動的表面120Sが受ける荷重の大きさと、炭素コーティングされた動的表面120Sが受ける摩擦接触の種類と、に依存して決定される。動的表面120Sが転がり摩擦接触(例えば、円筒ころ軸受)だけを受けるときに最も有効な炭素基コーティング124の厚さは、動的表面120Sが滑り摩擦接触だけを受けるときに要求される炭素コーティングの厚さよりも薄いことが判っている。しかし、実際には、たいていの動的表面120Sは、転がり摩擦と滑り摩擦とが混在した摩擦接触を受けるので、炭素基コーティング124に対する厚さ要求は、滑り摩擦接触だけの場合と転がり摩擦接触だけの場合との間の範囲にある。例えば、以下に記述する転造ダイスは、約15〜20%の滑り摩擦接触と約85〜80%の転がり摩擦接触を受ける。約500nm〜約2000nm(好ましくは約700nm〜約1500nm)の範囲の厚さの炭素基コーティング122は、たいていの工学デバイス用途及び製造工具用途に適していることが判っている。
潤滑剤の供給が中断または損なわれた場合にも、作動し続ける(意図された機能を実行する)ように、機械システムに含まれる部品または全体的な機械システム自体の能力に「オイル切れサバイバビリティ」を確定する。このような状況としては、航空機操縦中の加速によって潤滑剤の供給が減少すること、潤滑システムを構成する部品(オイルポンプを含むがこれに限らない)が損傷すること、武器の炎すなわち爆発によってシステム内の機械システムのハウジングまたは他の部品に与えられる弾道的な損傷、機械システムに含まれる部品または全体的な機械システムの誤った組立て、あるいは他のシステムに含まれる部品の損傷または他の全体的なシステムの損傷などがあり、これらの状況において、潤滑システムまたは潤滑剤の劣化ないし分解(例えば、潤滑剤が燃料や作動液などで希釈されること)が生じる。
「不活性ガス」は、周期表の18族(8A族)に属する元素(アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)を含む)のうちの1つまたは複数の元素として定義される。
「炭素基コーティング」は、物理蒸着プロセス(PVD)または化学蒸着プロセス(CVD)またはハイブリッドPVD−CVDプロセスによって堆積されるコーティングとして定義され、主な成分(元素)は炭素である。炭素は、すべての成分に対して原子百分率で50%以上含まれている場合に、「主な」構成元素となる。「炭素基コーティング」は、結晶性またはアモルファス性とすることができ、あるいは結晶相とアモルファス相との両方の構造または他の特徴を含むことができる。
「付着促進中間コーティング層」は、構成基材と炭素基コーティングとの間に存在して構成基材と炭素基コーティングとの間の粘着性ないし付着性レベルを向上させる種々のコーテンングとして定義される。例として、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ケイ素及び炭素を含む固溶体ないし化合物(化学量論的なSiC(結晶状)または非化学量論的なSiC(アモルファス状))、ケイ素及び窒素を含む固溶体ないし化合物、他の遷移金属や半金属、並びに他の遷移金属の固溶体及び化合物などがあるが、これらに限定しない。
ブロードビームイオン堆積を行うための有用な技術に関する他の教示は、米国特許第5,482,602号明細書に開示され、この全体が本願の参照となる。
以下に本発明の実施例を示す。これらの実施例は、本発明を例示するためのものであり、限定するものではない。
[実施例1]
分解したアセチレン(C22)を約120℃の温度で使用して、ブロードビームイオン堆積法によりスチール基材上に炭素基コーティングを堆積させた。比較例としての炭素基コーティングは、分解したメタンを約100℃で使用して、同様に堆積させた。これらのコーティングにナノインデント(超低荷重インデント)試験を行い、硬度及びインデント率を測定した。硬度及びインデント率は、ナノインデンタXP(MTS Nano Instruments Co.社)を使用して測定した。
アセチレン由来のコーティングは、メタン由来のコーティングよりも優れた硬度及びインデント弾性率を示した。アセチレン由来のコーティングは、23.6GPaの硬度と、206GPaのインデント弾性率と、をそれぞれ示した。これらの値は、メタン由来のコーティングにおけるそれぞれの値よりも、硬度で3.1倍上回り、インデント弾性率で3.5倍上回っていた。
[実施例2]
ブロードビームイオン堆積コーティング法の有効性を示すために、Pyrowear53(Carpenter Technology社)合金を含有する様々な被験試料に、米国特許第5,482,602号明細書に教示されるブロードビームイオン堆積法によって、種々の厚さの炭化水素コーティングを堆積させた。Pyrowear53被験試料は、最初に機械的に研磨し、次に有機溶媒中で完全に脱脂した。下準備したPyrowear53被験試料を、その機能表面がブロードビームイオン銃によって発生したイオンビームに対して垂直になるようにブロードビームイオン堆積チャンバ内に導入した。堆積チャンバを約2.5×10-5トルのベース圧力にまで真空排気し、Pyrowear53被験試料を約1.0keVの加速エネルギ及び2.5mA/cm2のビーム流密度を有するAr+でイオンスパッタ洗浄した。Pyrowear53は鉄基合金であるので、付着が困難である。従って、スパッタ洗浄された被験試料に、水素添加アモルファス炭化ケイ素(a−Si:C)からなる境界層を約100nmの厚さまで堆積させた。米国特許第5,482,602号明細書には、好ましい前駆体の炭素質ガスまたは炭化水素ガスとしてメタン(CH2)が教示されているが、その明細書の公開以来行われた追加的な研究では、前駆体の炭化水素源ガスまたは炭素源ガスとしてアセチレン(エチレン、C22)を使用することにより、優れた特質を有する炭化水素コーティングを実現できることが報告されている。従って、Pyrowear53被験試料のケイ素または炭化ケイ素の境界層上に約700nm〜約1500nmの範囲の厚さに炭化水素コーティングを堆積させるために、炭化水素前駆体ガスとしてC22を使用した。炭化水素コーティング層を堆積させるための加速エネルギは450eVであり、このイオンビームのビーム流密度は2.5mA/cm2であった。上記に示したように、米国特許第5,482,602号明細書は、炭化水素コーティングを堆積させるための炭化水素前駆体源ガスとしてCH4を使用することを好ましい実施例として教示しているが、近年の応用研究によると、本発明の好ましい実施例は、前駆体源ガスとしてC22を使用することを含み、この結果得られるコーティングの特性は、CH4を使用して得られるコーティングの特性よりも優れていることが観測されている。
炭化水素コーティングされたPyrowear53試料は、続いてオイル不足の状況における作動をシミュレートするために、コーティングされていない様々な種類の対向体(表面が浸炭された鉄合金、Pyrowear53、Norton/Cerbec’のNBD200熱間圧造Si34、及び鍛造スチール合金(AISI M50)を含む)の対向面に対して、潤滑剤のない滑り摩擦接触で50,000回の試料回転を受けた。実験の結果、炭化水素コーティングされたPyrowear53試料の摩擦係数は、コーティングされていない試料と比べて、炭化水素コーティングされたPyrowear53試料が更に大きな接触応力を受けた場合でも、10倍近い係数で顕著に低いことを示した。さらに、炭化水素コーティングされたPyrowear53被験試料の磨耗率は、標準的なPyrowear53試料の磨耗率よりも700倍の係数で低く、50,000回の試料回転の終了時点で損耗していた量は、コーティングされた部品では1μm以下であり、コーティングされていない部品では約500μm以下であった。炭化水素コーティングされたPyrowear53被験試料には、わずかに摩擦の痕跡が検出されたが、コーティングされていない対向体を500倍に拡大しても、検出可能な摩擦傷は観測されなかった。このことは、コーティングされていない表面と炭化水素コーティングされた表面との摩擦接触によって、コーティングされていない表面に目立つほどの劣化が生じないことを示す。
ヘリコプタのメイントランスミッションギアボックス用の軸受アセンブリの表面に炭化水素コーティングを堆積させるブロードビームイオン堆積コーティング法の有効性をさらに示すために、オイル不足の状況で様々な軸受アセンブリのリグ試験を行った。試験した軸受アセンブリとしては、図8に例示するような機能部品がPyrowear53から形成されたベースラインの円筒ころ軸受/二つ割りアンギュラコンタクト玉軸受の組合せ軸受アセンブリ(SB−1231軸受アセンブリ)と、Pyrowear53ころ軸受要素の代わりに熱間圧造モノリシックSi34ころがり要素を有するように修正された上記のブロードビームイオン堆積コーティング法を用いて炭化水素コーティングされた内側軌道及び外側軌道を有するように修正されたベースラインの軸受アセンブリと、が含まれていた。炭化水素で修正された軸受アセンブリの内側軌道及び外側軌道のみをリグ試験用に炭化水素コーティングしたが、当業者であれば、代替的に、円筒ころ軸受及び二つ割りアンギュラコンタクト玉軸受を炭化水素コーティングしてもよいし、あるいは内側軌道及び外側軌道と、ころ軸受及び玉軸受と、の両方を炭化水素コーティングしてもよいことを理解されよう。
リグ試験の設定条件は、14,400RPMの回転速度で動作中の軸受アセンブリに部分的な荷重(約2250lbs〜約2750lbs)を与えつつ、潤滑剤として働く約0.6ガロン/分のオイル流の温度を約121℃(250°F)の公称軸受作動温度に加熱することを含んでいた。この公称作動温度で潤滑剤オイルを熱的に安定させた後、オイル切れ(オイル不足)状況をシミュレートするために、オイル流を止めて、ギアボックスから潤滑オイルを排出させた。
上記に示したように、ベースラインのコーティングされていない軸受アセンブリは、オイル切れの状況では、わずか120秒間作動した後に損傷した。Si34ころ軸受要素を組み込んで修正したベースライン軸受アセンブリでは、損傷までの時間が約22分間であって、これも60分間のDoD(Department of Defense:国防総省)要求基準を満たさなかった。ベースラインの軸受アセンブリやセラミックで修正した軸受アセンブリの損傷に伴って、動力トランスミッションのサブシステム内で熱的不安定が見られた。これに対して、炭化水素で修正された軸受アセンブリは、オイル切れの状況でも首尾よく60分間作動し続けた。上記の試験条件を約292秒間適用した後、潤滑剤オイル流を止めると、炭化水素で修正された軸受アセンブリの温度が上昇し始めた。炭化水素で修正された軸受アセンブリによって達した最高温度は、約243℃(470°F)であった。この温度は、約121℃(250°F)の公称ベアリングアセンブリ作動温度より高いが、ヘリコプタのメイントランスミッションギアボックス内で軸受アセンブリが作動できる許容限度に含まれる。
前述の実施例は、ブロードビームイオン堆積コーティング法を使って円筒ころ軸受/二つ割りアンギュラコンタクト玉軸受の組合せ軸受アセンブリに炭化水素コーティングを堆積させることの有効性及び優位性を示すが、当業者であれば、本明細書中に記した方法は、他の種類の軸受アセンブリに炭化水素コーティングを堆積させるためにも有用であることを理解されるであろう。例えば、本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法は、ヘリコプタ用途に有用な他の種類の軸受アセンブリ(例えば、自動調心スラストショルダを有する円筒ころ軸受アセンブリ、高速先細ころ軸受アセンブリ、及び単列アンギュラコンタクト自動調心ころ軸受アセンブリなどを含む)の1つまたは複数の接触面に炭化水素コーティングを堆積させるために有用である。当業者であれば、本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法は、ヘリコプタ用途に使用される軸受アセンブリに限らないことを理解されるであろう。本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法は、他の様々な用途に有用な軸受アセンブリの動的表面つまり機能表面に炭化水素コーティングを堆積させるためにも有用である。
前述の説明は、本発明を例示するためのものであることを理解されたい。当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、変更及び修正がなされ得ることを理解されるであろう。従って、本発明は、添付の請求項の範囲に含まれる変更、修正及び変型のすべてを含むように意図されている。
本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法を実施する装置の一例を概略的に示し、物品の動的表面上に間接的または直接的に炭素基層つまりコーティングが堆積されることを示す図。 本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法を実施する装置の他の例を概略的に示し、物品の動的表面上に間接的または直接的に炭素基層つまりコーティングが堆積されることを示す図。 物品の動的表面上に堆積された境界層上に間接的に堆積された炭素基コーティングを示す部分断面図。 物品の動的表面上に直接的に堆積された炭素基コーティングを示す部分断面図。 物品の付着が困難な動的表面上に間接的にDLCコーティングを堆積させるステップを示す本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法のフローチャート。 図5または図7のブロードビームイオン堆積コーティング法の選択的サブステップ。 物品の付着が困難ではない動的表面上に直接的にDLCコーティングを堆積させるステップを示す本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法のフローチャート。 本発明によるブロードビームイオン堆積コーティング法の適用例としての円筒ころ軸受/二つ割りアンギュラコンタクト玉軸受の組合せ軸受アセンブリの部分断面図。

Claims (14)

  1. (a)接触面であって、
    (i)基材と、
    (ii)前記基材上の炭素基コーティング層と、
    を含む接触面と、
    (b)接触対向面と、
    を含む相互に関連する複数の部品を有する機械システムであって、
    前記接触面と前記接触対向面とが互いに少なくとも断続的に動的接触する関係にあり、前記炭素基コーティング層が、約0.5以下の摩擦係数と、原子百分率で約5%〜約25%の水素含有率と、10-53-1-1以下の磨耗率と、を有することを特徴とする、機械システム。
  2. 前記炭素基コーティングの硬度が約10ギガパスカル以上であることを特徴とする請求項1に記載の機械システム。
  3. 前記接触面及び前記接触対向面の一方が動的表面であって、他方が静的表面であることを特徴とする請求項1に記載の機械システム。
  4. 前記基材が、鉄、アルミニウム及びこれらの合金並びにケイ素からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の機械システム。
  5. 前記機械システムが、ヘリコプタのトランスミッションギアボックスであり、前記ギアボックスのオイル切れサバイバビリティ許容限界が向上していることを特徴とする請求項1に記載の機械システム。
  6. 前記機械システムが、軸受アセンブリであることを特徴とする請求項1に記載の機械システム。
  7. 前記接触面が、前記基材と前記炭素基コーティング層との間に付着促進中間コーティング層を有することを特徴とする請求項1に記載の機械システム。
  8. 前記接触面が、約5マイクロミリメートル以下の厚さの炭素基コーティング層を有することを特徴とする請求項1に記載の機械システム。
  9. 基材と、
    前記基材上の炭素基コーティング層と、
    を含むコーテンングされた動的接触面であって、
    前記炭素基コーティング層が、約0.5以下の摩擦係数と、原子百分率で約5%〜約25%の水素含有率と、10-53-1-1以下の磨耗率と、を有することを特徴とする、コーテンングされた動的接触面。
  10. 前記炭素基コーテンング層が、約10ギガパスカル以上の硬度を有することを特徴とする請求項11に記載の接触面。
  11. 前記基材と前記炭素基コーティング層との間に付着促進中間コーティング層をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の接触面。
  12. 各々が少なくとも1つの表面を有する複数の部品を有する機械システム内のオイル切れサバイバビリティを向上させる方法であって、
    内部に少なくとも1つのブロードビームイオン銃を有する真空チャンバ内に前記複数の部品のうちの少なくとも1つを配置するステップと、
    前記少なくとも1つのブロードビームイオン銃に不活性ガスを供給するステップと、
    前記イオン化された不活性ガスを高い運動エネルギを有するように加速するステップと、
    前記複数の部品のうちの前記少なくとも1つの部品の少なくとも1つの表面を、前記イオン化され加速された不活性ガスで洗浄するステップと、
    少なくとも25重量%のアセトンを含む炭化水素ガスを前記少なくとも1つのブロードビームイオン銃に供給するステップと、
    前記炭化水素ガスをイオン化するステップと、
    前記イオン化された炭化水素ガスを高い運動エネルギを有するように加速するステップと、
    前記イオン化され加速された炭化水素ガスを、約300°F(約149℃)またはこれより低温で、前記複数の部品のうちの前記少なくとも1つの部品の前記少なくとも1つの表面に導くステップと、
    を含む方法。
  13. 前記炭化水素ガスが、少なくとも50重量%のアセチレンを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 各々が少なくとも1つの動的表面を有し相互に関連する複数の部品を有する機械システムにおいてオイル切れサバイバビリティを向上させる方法であって、約0.5以下の摩擦係数と、原子百分率で約5%〜約25%の水素含有率と、10-53-1-1以下の磨耗率と、を有する炭素基コーティング層を少なくとも1つの動的表面に施すことを含む方法。
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