JP2009517341A - C4−アミド置換基を有するインドール化合物およびホスホリパーゼa2インヒビターとしてのその使用 - Google Patents

C4−アミド置換基を有するインドール化合物およびホスホリパーゼa2インヒビターとしてのその使用 Download PDF

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Abstract

任意選択的にさらなるヘテロ原子を有する、式(I)または式(II)のインドールおよびインドール関連化合物、組成物、および方法を開示する。本発明の化合物は、ホスホリパーゼインヒビターとして有用である。本発明の化合物および組成物は、動物被験体におけるホスホリパーゼ関連病態(インスリン関連病態、体重関連病態、および/またはコレステロール関連病態など)の治療に有用である。式(I)、式(II)では、Rは、式(C4−II−C)によって示される部分であり、Rは、式(C3−IまたはC3−II)によって示される部分である。

Description

(関連出願)
本出願は、共有に係る米国出願第10/838,879号(発明の名称「Phospholipase Inhibitors Localized in the Gastrointestinal Lumen」Huiらにより2004年5月3日出願)に関する。この出願はまた、共有に係る、同時係属のPCT特許出願番号US 2005/015418(発明の名称「Phospholipase Inhibitors Localized in the Gastrointestinal Lumen」Ilypsa,Inc.により2005年5月3日出願)、および共有に係る、同時係属のPCT特許出願番号US 2005/015416(発明の名称「Treatment of Diet−Related Conditions Using Phospholipase−A2 Inhibitors Comprising Indoles and Related Compounds」Ilypsa,Inc.により2005年5月3日出願)にも関する。
(発明の背景)
ホスホリパーゼは、多数の生化学過程(膜流動性および膜安定性の調節、リン脂質の消化および代謝、ならびに炎症経路、血行動態調節、および他の細胞過程に関与する細胞内メッセンジャーの生成が含まれる)で重要な役割を果たす酵素群である。ホスホリパーゼは、それ自体が多数の機構(選択的リン酸化、pH、および細胞内カルシウムレベルが含まれる)によって調節される。ホスホリパーゼ活性を、その関連する生化学過程が調節されるように調整することができ、多数のホスホリパーゼインヒビターが開発されている。
多数のホスホリパーゼ−A2(PLA2またはPLA)インヒビターが当該分野で公知である。PLAインヒビターには、例えば、小分子インヒビターならびにリン脂質アナログおよび遷移状態のアナログ化合物が含まれる。例えば、炎症状態に関連する適応症のための多くのかかる小分子インヒビターが開発された。公知のホスホリパーゼ−A2インヒビターの非網羅的な例には、以下のクラスが含まれる:アルキル安息香酸、チオフェンカルボン酸、フランカルボン酸、およびピリジンカルボン酸(例えば、US5086067を参照のこと);アミドカルボキシレート誘導体(例えば、WO9108737を参照のこと);アミノ酸エステルおよびアミド誘導体(例えば、WO2002008189を参照のこと);アミノテトラゾール(例えば、US5968963を参照のこと);アリオキサクルチアゾール(Aryoxyacle thiazole)(例えば、WO00034254を参照のこと);アゼチジノン(例えば、WO9702242を参照のこと);ベンゼンスルホン酸誘導体(例えば、US5470882を参照のこと);安息香酸誘導体(例えば、JP08325154を参照のこと);ベンゾチアフェン(Benzothiaphene)(例えば、WO02000641を参照のこと);ベンジルアルコール(例えば、US5124334を参照のこと);ベンジルフェニルピリミジン(例えば、WO00027824を参照のこと);ベンジルアミン(例えば、US5039706を参照のこと);桂皮酸(Cinammic acid)化合物(例えば、JP07252187を参照のこと);桂皮酸誘導体(例えば、US5578639を参照のこと);シクロヘプタ−インドール(例えば、WO03016277を参照のこと);エタンアミン−ベンゼン;イミダゾリジノン、チアゾールジノン(Thiazoldinone)、およびピロリジノン(例えば、WO03031414を参照のこと);インドールグリオキサミド(例えば、US5654326を参照のこと);インドールグリオキサミド(例えば、WO9956752を参照のこと);インドール(例えば、US6630496およびWO9943672;インドリ(例えば、WO003048122を参照のこと);インドリ含有スルホンアミド;N−シル−N−シンナモイルエチレンジアミン誘導体(例えば、WO9603371を参照のこと);ナフィルアセトアミド(例えば、EP77927を参照のこと);N置換グリシン(例えば、US5298652を参照のこと);リン脂質アナログ(例えば、US5144045およびUS6495596を参照のこと);ピペラジン(例えば、WO03048139を参照のこと);ピリドンおよびピリミドン(例えば、WO03086400を参照のこと);6−カルバモイルピコリン酸誘導体(例えば、JP07224038を参照のこと);ステロイドおよびアミノ含有側鎖を有するその環状炭化水素アナログ(例えば、WO8702367を参照のこと);トリフルオロブタノン(例えば、US6350892およびUS2002068722を参照のこと);アビエチン酸誘導体(例えば、US4948813を参照のこと);ベンジルホスフィン酸エステル(例えば、US5504073を参照のこと)。
膵臓ホスホリパーゼA2 IB(PLA2 IB)は、リン脂質の消化およびプロセシングで役割を果たすと考えられている。例えば、PLA2 IBは、ホスファチジルコリン(PC)を異化して、反応産物としてリゾホスファチジルコリン(LPC)および遊離脂肪酸(FFA)を形成する活性を有する酵素である。胆汁リン脂質が腸粘膜中のコレステロール取り込みを遅延させ、PCの脂肪溶解(lypolysis)がコレステロール吸収の必要条件であると報告されている(非特許文献1、非特許文献2)。ラットおよびヒトにおける摂食研究において、ホスファチジルコリンがコレステロール吸収を遅延させるとさらに指摘されている。例えば、コレステロール、胆汁酸、およびトリグリセリドを含む混合ミセル内でのPCのPLA2 IB異化は、腸細胞へのコレステロールの取り込みの第1段階であると報告されている。非特許文献3。リン脂質含有小胞内での膵臓リパーゼ/コリパーゼ媒介トリアシルグリセロール加水分解の完全な活性化(胃腸管からのトリグリセリドの吸収における別の予備段階)にPLA2 IB活性が必要であるとも報告されている。(非特許文献4)。PLA2 IBインヒビターは、ラットにおけるリンパ瘻実験においてコレステロール吸収を軽減することが示された。(非特許文献5)。
最近、PLA2欠損となるように遺伝子操作されたマウス(PLA2(−/−)マウス、本明細書中でPLA2ノックアウトマウスとも呼ばれる)に関する研究(PLA2(−/−)マウスに通常の固形飼料を与えた)は、コレステロール吸収効率および血漿脂質レベルが野生型マウスPLA2(+/+)に類似することを示した(非特許文献6)。同一の研究は、PLA2(−/−)群では、膵臓PLA2活性の非存在下でさえも腸PCが完全に加水分解されることも示した。この研究は、ホスホリパーゼ活性を有する1つ以上の他の酵素がリン脂質の触媒およびコレステロール吸収の促進におけるPLA2活性を補うという所見を支持する。この所見から、コレステロール吸収を鈍らせるために使用される以前に報告されたPLA2インヒビター(例えば、HomanらのWO96/01253を参照のこと)がおそらくPLA2に対して非選択的(非特異的)であり、つまり、これらのインヒビターが明らかにPLA2以外のホスホリパーゼ(例えば、ホスホリパーゼB)も妨害してPLA2活性の欠如を補うためのかかる他の酵素を阻止するとさらに推定することができる。したがって、PLA2阻害は、コレステロール吸収の軽減に必要である一方で、それ自体が正常な固形飼料を与えたマウスにおけるコレステロール吸収を軽減するのに十分ではないと結論づけることができる。
PLA2ノックアウトマウスを使用したさらなる研究により、高脂肪食および高コレステロール食を与えたマウスにおける食事誘導性肥満および肥満関連インスリン抵抗性への有利な影響が報告された(Huggins,Boileauら、2002)。顕著には、非特許文献6の初期の研究と一致して、正常な固形飼料で維持した野生型およびPLA2(−/−)マウスの間に体重増加の相違は認められなかった。しかし、野生型PLA2(+/+)マウスと比較して、高脂肪/高コレステロール食を与えたPLA2(−/−)マウスは、16週間にわたって体重増加率が減少し、認められた体重の相違が野生型マウスで脂肪過多の増加に起因すること、空腹時血漿レプチン濃度が実質的により低いこと、耐糖能が改善されること、および高脂肪食誘導性インスリン抵抗性に対する防御が改善されることが報告された。しかし、遊離脂肪酸、コレステロール、およびトリグリセリドの血漿濃度に関する高脂肪/高コレステロール食を与えた野生型PLA2(+/+)マウスとPLA2(−/−)マウスとの間に有意差は認められなかったことが報告された。PLA2(−/−)マウスの糞便中の脂質含有率が増加したという証拠が存在するにもかかわらず、この影響による顕性脂肪便は認められず、脂肪吸収がわずかしか減少しないことが示唆された。
糖尿病は、米国で1820万人が罹患し、これは人口の6%を超える。糖尿病は、インスリン産生するかインスリンを適切に使用する能力が無いことによって特徴づけられる。2型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病またはNIDDMとも呼ばれる)は、診断された糖尿病の80〜90%を占め、インスリン抵抗性に起因する。2型糖尿病におけるインスリン抵抗性は、血漿インスリンレベルが正常から高レベルであるにもかかわらず、所望の範囲内の血糖の維持を妨害する。
肥満は、2型糖尿病および他の疾患(冠状動脈性心疾患、骨関節炎、呼吸困難、および一定の癌が含まれる)の主な原因である。体重増加を調節するこころみにもかかわらず、肥満は米国および他の先進工業国で深刻な健康上の懸念であり続けている。実際、米国の60%を超える成人に過体重が認められ、これらのうちの22%が肥満に分類される。
食事は、血漿コレステロールレベル(非HDLコレステロールが含まれる)の増加および他の脂質関連障害にも寄与する。このような脂肪関連障害(一般に、脂質異常症と呼ばれる)には、他の適応症もあるが、高コレステロール血症および高トリグリセリド血症が含まれる。非HDLコレステロールは、アテローム発生およびその後遺症(アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、心筋梗塞、虚血性卒中、および心臓疾患の他の形態などの心血管疾患が含まれる)との関連性が高い。これらは共に先進工業国で最も一般的な疾患型として位置づけられている。実際、米国で1200万人が冠状動脈疾患を罹患し、約3600万人が高コレステロールレベルの治療が必要であると見積もられている。
高コレステロール血症患者では、LDLコレステロールの低下は、治療の主な標的である。ヒドロキシメチルグルタリル−補酵素A(HMG−CoA)還元酵素インヒビター(「スタチン」)は、血清LDLコレステロールレベルを低下するために使用することが報告されている。しかし、かかるスタチンの使用に関連して、重篤、時折、致命的な有害事象(肝不全および横紋筋溶解(筋肉の容態)が含まれる)が報告されている。より最近では、コレステロール吸収インヒビターとして、単独またはスタチンと組み合わせて使用されるエゼチミブ(ezitimibe)が導入された。高トリグリセリド血症患者では、高血清トリグリセリド濃度を低下させるためにフィブラート(例えば、ゲムフィブロジル)が使用されている。しかし、患者によっては、これらの薬物の使用時に胃腸の副作用を示し、スタチンと組み合わせてゲムフィブロジルを使用した場合に筋炎を有意に引き起こす。腎臓および/または肝臓の不全または機能障害に対するゲムフィブロジルの使用は相対的禁忌であり、これは、約60〜90%の薬物が腎臓によって除去され、残りが肝臓によって除去されるからである。特に、高トリグリセリド血症は、高コレステロール血症と関連し得る。トリグリセリドレベルが400mg/dLと1000mg/dLとの間の患者のLDLコレステロールが10〜30%望ましくなく増加し得ると報告されている。高グリセリドおよび低HDLコレステロールの患者では、ニコチン酸を使用して、血清HDLコレステロールを増加させ、血清トリグリセリドを低下させる。主な副作用は、何人かの患者に起こる皮膚の紅潮である。一般に、例えば、非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9を参照のこと。
Rampone,A.J.and L.W.Long(1977)."The effect of phospahtidylcholine and lysophosphatidylcholine on the absorption and mucosal metabolism of oleic acid and cholesterol in vitro."Biochim Biophys Acta 486(3):500−10. Rampone,A.J.and C.M.Machida(1981)."Mode of action of lecithin in suppressing cholesterol absorption."J Lipid Res 22(5):744−52 Mackay,K.,J.R.Starrら(1997)."Phosphatidylcholine Hydrolysis Is Required for Pancreatic Cholesterol Esterase− and Phospholipase A2−facilitated Cholesterol Uptake into Intestinal Caco−2 Cells."Journal of Biological Chemistry 272(20):13380−13389 Young,S.C.and D.Y.Hui(1999)."Pancreatic lipase/colipase−mediated triacylglycerol hydrolysis is required for cholesterol transport from lipid emulsions to intestinal cells."Biochem J 339(Pt3):615−20 Homan,R.and B.R.Krause(1997)."Established and emerging strategies for inhibition of cholesterol absorption."Current Pharmaceutical Design 3(1):29−44 Richmond,B.L.,A.C.Boileauら(2001)."Compensatory phospholipid digestion is required for cholesterol absorption in pancreatic phospholipase A(2)−deficient mice."Gastroenterology 120(5):1193−202 Knopp,RH:Drug treatment of lipid disorders,New England Journal of Medicine 341:7(1999)498 Pasternak,RCら:ACC/AHA/NHLBI Clinical Advisory on the use and safety of statins,Circulation 106(2002)1024 Grundy,SMら:Implications of recent clinical trials for the National cholesterol Education Program Adult Treatment Panel III Guidelines,Circulation 110(2004)227
糖尿病、肥満、およびコレステロール関連病態(一般に、脂質障害が含まれる)の有病率が高いので、1つ以上のこれらの容態を治療する(望ましくない副作用の軽減が含まれる)ための改良されたアプローチが依然として必要である。多大な数の研究が炎症関連適応症についての種々のホスホリパーゼインヒビターの評価に関するものであるにもかかわらず、肥満、糖尿病、およびコレステロール関連容態の治療におけるホスホリパーゼ−A2インヒビターの有効性についての評価には、比較的小さな努力しか向けられていない。特に、これに関して、遺伝子欠損PLA2(−/−)動物の証明された有益な効果に近く、そして/または匹敵する表現型に対する影響を示すホスホリパーゼ−A2インヒビターとして有効な特定の薬学的化合物がこれまで同定されていない。
(発明の概要)
本発明は、目的の組成物、方法、薬物、食材、およびキットを提供する。組成物は、ホスホリパーゼインヒビターであり得、ホスホリパーゼ関連容態(インスリン関連容態(例えば、糖尿病)、体重関連容態(例えば、肥満)、および/またはコレステロール関連容態など)の治療に有利な影響を与え得る。
本発明の1つの第1の態様は、置換有機化合物またはその塩を含む目的の組成物に関する。一般に、本発明のこの態様の実施形態では、置換無機化合物(その一部が含まれる)は、例えば、以下の式(A):
Figure 2009517341
によって示される縮合した5員環および6員環を含む。
式(A)の縮合した5員環および6員環は、5員環の環構造内、6員環の環構造内、または5員環および6員環のそれぞれの環構造内で置換された1つ以上のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、硫黄)を有し得る。好ましくは、縮合した5員環および6員環は、例えば、式(I)および(II):
Figure 2009517341
中に示されるインドールまたはインドール関連化合物であり得る。
好ましい実施形態では、インドール関連化合物(本明細書中で交換可能にインドールもしくはインドール化合物またはインドール部分もしくはインドール含有部分という)は、置換インドール部分であり得る。特に好ましいインドール化合物および部分を、本明細書中でさらに開示する。多環構造は、任意選択的に、5員環の環構造内、6員環の環構造内、または5員環および6員環のそれぞれの環構造内で置換された1つ以上のさらなるヘテロ原子を有することができ、1つ以上のさらなるヘテロ原子は、N、O、S、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明のこの第1の態様の好ましい第1の一般的な実施形態では、Rはアミド置換基であり得、好ましくは、(C4−II−A)、(C4−II−B)、(C4−II−C)、および(C4−II−D):
Figure 2009517341
(式中、各式について適切に且つ独立して選択され、nは0〜5の範囲、好ましくは0〜3の範囲の整数であり、Xは、O、C、S、およびNからなる群から選択され、R41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、R42は、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、R43は、水素、フェニル、アリール、C〜Cアルキル、ならびに水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される)から選択される式によって示される部分であり得る。
本発明のこの第1の態様の好ましい第2の一般的な実施形態では、Rは、式(C4−III−A)、(C4−III−B)、(C4−III−F)、または(C4−III−G):
Figure 2009517341
(式中、適切に各式について独立して選択され、nは0〜5の範囲、好ましくは0〜3の範囲の整数であり、Xは、O、C、S、およびNからなる群から独立して選択され、Wは電子求引基であり、R41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、(式C4−III−AおよびC4−III−Fについて)R44は、水素、フェニル、アリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキルスルホニル、アルキルホスホニル、アミン、C〜Cアルキル、ならびに水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される)によって示されるアミド置換部分であり得る。
本発明のこの第1の態様の好ましい実施形態(Rの一般的な実施形態のそれぞれに適用可能)では、他のR、R、R、R、R、およびR置換基のそれぞれは、相互およびRと集合的に、ホスホリパーゼA2阻害機能性を化合物(または部分)に付与するのに有効であり得る。
本発明のこの第1の態様の好ましい実施形態では、Rは、式(C3−IまたはC3−II):
Figure 2009517341
(式中、独立して且つ適切に、Xは、O、C、およびNからなる群から選択され、R31は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ハライド、ヒドロキシル、およびシアノからなる群から選択され、R32は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ハライド、ヒドロキシル、およびシアノからなる群から選択され、Yは、O、S、およびNからなる群から選択され、R33は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシル、および置換C〜Cアルコキシルからなる群から選択され、R34およびR35は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、アミン、およびアルキルスルホニルからなる群から選択される)によって示される部分であり得る。
本発明のこの第1の態様の好ましい実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、ハライド、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、およびシアノからなる群から選択される。
本発明のこの第1の態様の好ましい実施形態では、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、ホスホン酸基、スルホン酸基、アルキル、置換アルキル、アルコキシル、置換アルコキシル、アルキルカルボニル、置換アルキルカルボニル、炭素環基、複素環基、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択することができる。
これらの実施形態のそれぞれを、種々の組み合わせおよび特定の組み合わせで、ならびに、各順列で、上記または下記のそれぞれの他の態様および実施形態と共に使用することができる。
別の第2の態様では、本発明は、有効量の薬学的組成物を必要とする被験体に投与する工程を含み、薬学的組成物が本発明の第1の態様に関連して記載されたインドールまたはインドール関連化合物もしくは部分である、1つ以上の容態を治療する方法に関する。好ましい実施形態では、インドールまたはインドール関連化合物もしくは部分は、ホスホリパーゼ−Aインヒビターであり得る。化合物または部分(またはその薬学的に許容可能な塩)を、食事関連容態(例えば、体重関連容態、体重関連容態、インスリン関連容態、コレステロール関連容態、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される容態が含まれる)(好ましくは、例えば、肥満、真性糖尿病(例えば、2型糖尿病)、インスリン抵抗性、耐糖能低下、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、およびこれらの組み合わせから選択される容態が含まれる)の治療に有効な量で投与することができる。
本発明の別の第3の態様は、被験体中の脂肪、グルコース、またはコレステロール(またはこれらの組み合わせ)の代謝を調整する方法に関する。この方法は、1つのアプローチでは、有効量の本発明の第1の態様に関連して記載されたインドールまたはインドール関連化合物もしくは部分(またはその薬学的に許容可能な塩)を投与する工程を含む。
第4の態様の1つのアプローチでは、本発明は、体重関連容態、インスリン関連容態、コレステロール関連容態、およびこれらの組み合わせ(好ましくは、例えば、肥満、真性糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能低下、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、およびこれらの組み合わせから選択される容態が含まれる)から選択される被験体の容態を治療するための医薬品として使用するための薬物の製造のための本発明の第1の態様に関連して記載されたインドールまたはインドール関連化合物もしくは部分(またはその薬学的に許容可能な塩)である置換有機化合物の使用を含む方法に関する。
第5の態様の1つのアプローチでは、本発明は、食用食材および本発明の第1の態様に関連して記載されたインドールまたはインドール関連化合物もしくは部分である置換有機化合物を含む食品組成物に関する。いくつかの実施形態では、食材は、ビタミン補填剤およびインドールまたはインドール関連化合物もしくは部分を含み得る(または本質的にこれらからなり得る)。
一般に、本発明の実施形態(例えば、上記の本発明の第1〜第5の態様のそれぞれに関する実施形態が含まれる)では、本発明の第1の態様に関連して記載されたインドールまたはインドール関連化合物もしくは部分はホスホリパーゼ−A2インヒビターであり得、さらにまたはあるいは、内腔局在機能性を有し得る。例えば、ホスホリパーゼ−A2インヒビターは、インヒビターに内腔局在機能性を付与する化学的および物理的性質を有し得る。好ましくは、かかる実施形態では、これらの実施形態のインヒビターは、少なくとも約80%のホスホリパーゼインヒビターが胃腸内腔に残存するような、好ましくは、少なくとも約90%のホスホリパーゼインヒビターが胃腸内腔に残存するような(いずれの場合にも、被験体へのインヒビターの投与後)化学的および/または物理的性質を有し得る。かかる化学的および/または物理的性質を、例えば、オリゴマー部分、ポリマー部分、疎水性部分、親水性部分、荷電部分、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分を含むインヒビターによって理解することができる。これらの実施形態を、種々の組み合わせおよび特定の組み合わせで、ならびに、各順列で、上記または下記のそれぞれの他の態様および実施形態と共に使用することができる。
一般に、本発明の実施形態(例えば、上記の本発明の第1〜第5の態様のそれぞれに関する実施形態が含まれる)では、ホスホリパーゼ−A2インヒビターは、本発明の第1の態様に関連して記載された置換有機化合物(すなわち、インドールまたはインドール関連化合物もしくは部分)を含み得るか本質的にこれからなり得る。いくつかの実施形態では、ホスホリパーゼインヒビターは、置換有機化合物または置換有機化合物の部分を含む多価ホスホリパーゼインヒビターであり得、この部分は、多官能性架橋部分(オリゴマー部分、ポリマー部分、または非反復部分など)に結合している(例えば、結合部分を使用して、直接または間接的に共有結合している)。多価ホスホリパーゼインヒビターは、好ましくは、非吸収部分または非吸収性部分である。これらの実施形態のそれぞれを、種々の組み合わせおよび特定の組み合わせで、ならびに、各順列で、上記または下記のそれぞれの他の態様および実施形態と共に使用することができる。
一般に、本発明の実施形態(例えば、上記の本発明の第1〜第5の態様のそれぞれに関する実施形態が含まれる)では、ホスホリパーゼ−Aインヒビターは、その投与または摂取後に実質的な脂肪便を誘導しない。これらの実施形態を、種々の組み合わせおよび特定の組み合わせで、ならびに、各順列で、上記または下記のそれぞれの他の態様および実施形態と共に使用することができる。
本発明の種々の態様をまとめるために種々の特徴を上に記載しているが、下記の多数のその詳細を、本発明を制限することなく、本発明の種々の各態様とともに使用することができることが意図される。本発明の他の特徴、目的、および利点は、その一部が当業者に自明であり、その一部を以後に指摘する。本明細書中に引用した全ての引用文献は、全ての目的のために参考として援用される。さらに、本明細書中に開示し、そして/または特許請求の範囲に記載の主題に関連する特許文献および非特許文献として、当業者は、かかる主題に関するさらなる指示が得られる多数の関連する引例を利用することができる。
(発明の詳細な説明)
本発明は、目的の(一定のインドール、インドール関連化合物、およびその塩、ホスホリパーゼインヒビターが含まれる)組成物、かかる目的の組成物、かかる化合物もしくは塩、またはかかるホスホリパーゼインヒビターを含む組成物(薬学的処方物、薬物、および食材が含まれる)、かかる処方物、薬物、および食材の作製方法、ならびに種々の容態の治療のための治療薬としてのその使用方法を提供する。以下に詳述するように、本発明のホスホリパーゼインヒビターを、多数のホスホリパーゼ−関連容態(インスリン関連容態(例えば、糖尿病)、体重関連容態(例えば、肥満)、コレステロール関連障害、およびこれらの任意の組み合わせが含まれる)の治療における用途を見出すことができる。
概説
有利には、本発明者らは、ホスホリパーゼインヒビターとして実質的に有望な特定のインドールおよびインドール関連化合物を同定した。特に、インドールおよびインドール関連化合物は、多環構造のC−4位に特定のアミド部分を有する。かかるアミド部分により、ホスホリパーゼインヒビターとしての活性が改良され、いくつかの実施形態では、内腔局在化(非吸収)ホスホリパーゼインヒビターが改良される。
したがって、本発明は、1つの態様では、本明細書中に記載のC−4アミド置換基を有するインドールまたはインドール関連化合物を含む。本発明は、別の態様では、有効量のかかるインドールまたはインドール関連化合物の投与(例えば、ホスホリパーゼ−AIBインヒビターなどのホスホリパーゼインヒビターなどの酵素インヒビターの必要とする被験体への投与)による容態の治療方法を含む。本発明はまた、別の態様では、有効量のかかる化合物の被験体への投与による被験体の脂肪、グルコース、またはコレステロールの代謝を調整する方法を意図する。本発明は、さらなる態様では、薬物製造のためのかかる化合物(例えば、ホスホリパーゼ−AIBインヒビター活性を有する)の使用方法も含み、この薬物は、被験体の容態(例えば、体重関連容態、インスリン関連容態、コレステロール関連容態、およびこれらの組み合わせ)を治療するための医薬品として使用するために適合される。本発明は、さらに別の態様では、食用食材およびホスホリパーゼ−AIBインヒビターを含む食品組成物を含むことができ、好ましくは、ホスホリパーゼ−AIBインヒビターは、C−4アミド部分を有するインドールまたはインドール関連化合物を含む。
化合物
目的の組成物は、縮合した5員環および6員環を有する置換有機化合物またはその塩(またはかかる置換有機化合物由来の部分)を含み得る。好ましくは、化合物はまた、化合物にホスホリパーゼ−A2阻害機能性、好ましくはホスホリパーゼ−A2 IB阻害機能性を付与するのに有効な置換基を含む。
一般に、本発明の実施形態では、置換無機化合物(その一部が含まれる)は、例えば、以下の式(A):
Figure 2009517341
によって示される縮合した5員環および6員環を含む。
式(A)の縮合した5員環および6員環は、5員環の環構造内、6員環の環構造内、または5員環および6員環のそれぞれの環構造内で置換された1つ以上のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、硫黄)を有し得る。好ましくは、縮合した5員環および6員環は、例えば、式(I)および(II):
Figure 2009517341
中に示されるインドールまたはインドール関連化合物であり得る。
好ましい実施形態では、インドール関連化合物(本明細書中で交換可能にインドールもしくはインドール化合物またはインドール部分もしくはインドール含有部分という)は、置換インドール部分であり得る。特に好ましいインドール化合物および部分を、本明細書中でさらに開示する。
一般に、多環構造は、任意選択的に、5員環の環構造内、6員環の環構造内、または5員環および6員環のそれぞれの環構造内で置換された1つ以上のさらなるヘテロ原子を有することができ、1つ以上のさらなるヘテロ原子は、N、O、S、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。非限定的な例として、多環構造は、任意選択的に、置換アザインドール構造(アザインドール化合物(例えば、アザインドール含有化合物またはアザインドール部分を含む化合物)などを含む)(置換アザインドール部分など)であり得る。例えば、かかる実施形態では、アザインドール含有化合物は、
Figure 2009517341
Figure 2009517341
から選択される式によって示される化合物であり得る。
窒素置換基(例えば、6員環中)は、任意選択的に、対応する四級化アンモニウムイオンとしてさらなる置換基(例えば、アルキル、アルコキシなど)を含み得る。
本発明の第1の態様の好ましい第1の一般的な実施形態では、Rはアミド置換基であり得、好ましくは、(C4−II−A)、(C4−II−B)、(C4−II−C)、および(C4−II−D):
Figure 2009517341
(式中、各式について適切に且つ独立して選択され、nは0〜5の範囲、好ましくは0〜3の範囲の整数であり、Xは、O、C、S、およびNからなる群から選択され、R41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、R42は、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、R43は、水素、フェニル、アリール、C〜Cアルキル、ならびに水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される)から選択される式によって示される部分であり得る。
本発明の第1の態様の好ましい第2の一般的な実施形態では、Rは、式(C4−III−A)、(C4−III−B)、(C4−III−F)、または(C4−III−G):
Figure 2009517341
(式中、適切に各式について独立して選択され、nは0〜5の範囲、好ましくは0〜3の範囲の整数であり、Xは、O、C、S、およびNからなる群から独立して選択され、Wは電子求引基であり、R41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、(式C4−III−AおよびC4−III−Fについて)R44は、水素、フェニル、アリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキルスルホニル、アルキルホスホニル、アミン、C〜Cアルキル、ならびに水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される)によって示されるアミド置換部分であり得る。
いくつかの実施形態では、Rは、式(C4−III−C)または(C4−III−H):
Figure 2009517341
(式中、各式について適切に且つ独立して選択され、nは0〜5の範囲、好ましくは0〜3の範囲の整数であり、Xは、O、C、S、およびNからなる群から独立して選択され、Wは電子求引基であり、R41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、R45は、水素、フェニル、アリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキルスルホニル、アルキルホスホニル、アミン、C〜Cアルキル、ならびに水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される)によって示される部分であり得る。
いくつかの実施形態では、Rは、式(C4−III−D)または(C4−III−J):
Figure 2009517341
(式中、各式について適切に且つ独立して選択され、nは0〜5の範囲、好ましくは0〜3の範囲の整数であり、Xは、O、C、S、およびNからなる群から独立して選択され、Wは電子求引基であり、R41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、R46は、水素、フェニル、アリール、アルキルスルホニル、アルキルホスホニル、C〜Cアルキル、ならびに水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される)によって示される部分であり得る。
いくつかの実施形態では、Rは、式(C4−III−E)または(C4−III−K):
Figure 2009517341
(式中、各式について適切に且つ独立して、nは0〜5の範囲、好ましくは0〜3の範囲の整数であり、Xは、O、C、S、およびNからなる群から独立して選択され、Wは電子求引基であり、R41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、R47は、水素、フェニル、アリール、C〜Cアルキル、ならびに水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される)によって示される部分であり得る。
式C4−III−A、−B、−C、−D、−E、−F、−G、−H、−J、−Kの上記実施形態のいずれかでは、適切に且ついずれの場合にも独立して、R41は、好ましくは、水素、ハライド、ハロアルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルアルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、R42は、好ましくは、ハライド、ハロアルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルアルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、R43は、好ましくは、水素、C〜Cアルキルならびに水素、ヒドロキシル、アミン、スルホン酸基、およびホスホン酸基からなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、Wは、好ましくは、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、ハロアルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、R44は、好ましくは、水素、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキルスルホニル、C〜Cアルキルならびに水素、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、およびホスホン酸基からなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、R45は、好ましくは、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、R45は、より好ましくは、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択することができ、R46は、好ましくは、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される。R46は、より好ましくは、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択することができ、R47は、好ましくは、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択され、R47は、より好ましくは、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択することができる。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2009517341
(式中、置換アルキルは、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルである)からなる群から選択される式によって示される部分であり得る。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2009517341
(式中、置換アルキルは、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルである)からなる群から選択される式によって示される部分であり得る。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2009517341
(式中、置換アルキルは、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルである)からなる群から選択される式によって示される部分である。
特に好ましい実施形態では、Rは、
Figure 2009517341
からなる群から選択される式によって示される部分であり得る。
本発明のこの第1の態様の好ましい実施形態では、他のR、R、R、R、R、およびR置換基のそれぞれは、相互およびRと集合的に、ホスホリパーゼA2阻害機能性を化合物(または部分)に付与するのに有効であり得る。
本発明のこの第1の態様の好ましい実施形態では、Rは、式(C3−IまたはC3−II):
Figure 2009517341
(式中、独立して且つ適切に、Xは、O、C、およびNからなる群から選択され、R31は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ハライド、ヒドロキシル、およびシアノからなる群から選択され、R32は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ハライド、ヒドロキシル、およびシアノからなる群から選択され、Yは、O、S、およびNからなる群から選択され、R33は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシル、および置換C〜Cアルコキシルからなる群から選択され、R34およびR35は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、アミン、およびアルキルスルホニルからなる群から選択される)によって示される部分であり得る。
いくつかの実施形態では、Rは、好ましくは、式(C3−I−AまたはC3−II−A):
Figure 2009517341
(式中、独立して且つ適切に、Xは、O、C、およびNからなる群から選択され、R31は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ハライド、ヒドロキシル、およびシアノからなる群から選択され、R32は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ハライド、ヒドロキシル、およびシアノからなる群から選択され、Yは、O、S、およびNからなる群から選択され、R33は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシル、および置換C〜Cアルコキシからなる群から選択される)によって示される部分であり得る。
いくつかの実施形態では、Rは、
Figure 2009517341
からなる群から選択される式によって示される部分であり得る。
本発明のこの第1の態様の好ましい実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、ハライド、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、およびシアノからなる群から選択することができる。
は、好ましくは、水素、ハライド、およびC〜Cアルキルからなる群から選択することができる。Rは、
Figure 2009517341
からなる群から選択される式によって示される部分であり得る。
は、好ましくは、水素、ハライド、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、およびシアノからなる群から選択することができる。Rは、より好ましくは、水素、クロリド、フルオリド、ヒドロキシル、メチル、およびシアノからなる群から選択することができる。
本発明のこの第1の態様の好ましい実施形態では、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、ホスホン酸基、スルホン酸基、アルキル、置換アルキル、アルコキシル、置換アルコキシル、アルキルカルボニル、置換アルキルカルボニル、炭素環基、複素環基、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択することができる。
置換基RおよびRについて、好ましい置換基は、非極性であり得、さらにまたはあるいは、(例えば、多価ホスホリパーゼインヒビターの調製のための)結合部分および/または多官能性架橋部分への結合に有用な官能置換基を含み得る。例えば、かかる置換基は、ハライド、チオール、エーテル、炭素環基、複素環基、およびその組み合わせを含む部分から選択することができる。
は、好ましくは、C〜C36アルキル、置換C〜C36アルキル、炭素環基、複素環基、アルキルカルボニル、置換アルキルカルボニル、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択することができる。Rは、C〜C36アルキル、置換C〜C36アルキル、炭素環、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択することができる。
は、
Figure 2009517341
からなる群から選択される式によって示される部分であり得る。
は、多官能性架橋部分を含むか、多官能性架橋部分に結合した部分であり得る。
は、水素、ハライド、アミン、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、酸性基、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択することができる。Rは、
Figure 2009517341
からなる群から選択される式によって示される部分であり得る。
は、多官能性架橋部分を含む部分であり得る。
は、C〜C36アルキル、置換C〜C36アルキル、炭素環基、複素環基、アルキルカルボニル、置換アルキルカルボニル、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択することができる。Rは、C〜C36アルキル、置換C〜C36アルキル、炭素環、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択することができる。Rは、炭素環部分であり得る。
は、
Figure 2009517341
からなる群から選択される式によって示される部分であり得る。
は、多官能性架橋部分を含む部分であり得る。
非限定的な例として、R、R、およびRのそれぞれは、独立して、式(D−I):
Figure 2009517341
(式中、nは0〜10の範囲、好ましくは1〜10の範囲の整数であり、L、L、およびLは、それぞれ独立して、結合部分から選択され、ZおよびZのそれぞれは、対応する結合部分を介して多官能性架橋部分に共有結合した多環構造であり、多環構造のそれぞれは、式(I)または(II):
Figure 2009517341
によって示される縮合した5員環および6員環を含み、多環構造は、独立して任意選択的に、5員環の環構造内、6員環の環構造内、または5員環および6員環のそれぞれの環構造内で置換された1つ以上のさらなるヘテロ原子を有し、多環構造の1つ以上のヘテロ原子は、N、O、S、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハライド、酸素、硫黄、リン、ヒドロキシル、アミン、チオール、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、エーテル、カルボニル、酸性基、カルボキシル、エステル、アミド、炭素環基、複素環基、アシルアミノ、オキシミル、ヒドラジル、およびこれらの組み合わせを含む部分からなる群から選択され、多官能性架橋部分は、多環構造の対応する結合基が結合する少なくとも(n+2)個の反応部位を有し、多官能性架橋部分は、アルキル、フェニル、アリール、アルケニル、アルキニル、複素環基、アミン、エーテル、スルフィド、ジスルフィド、ヒドラジン、ならびに酸素、硫黄、スルホニル、ホスホニル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミン、チオール、エーテル、カルボニル、カルボキシル、エステル、アミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環基、およびこれらの組み合わせを含む部分で置換された上記基のいずれかからなる群から選択される)によって示される部分などの多官能性架橋部分を含む。
一般に、かかる複数の実施形態では、nは0〜10の範囲、好ましい実施形態では、1〜10の範囲の整数であり得、その結果、独立して選択されるホスホリパーゼ阻害部分の数は2〜12または3〜12の範囲であり得る。別の実施形態では、nは、一般に、0〜約500または1〜約500、好ましくは0〜約100または1〜約100、より好ましくは0〜約50または1〜約50、さらにより好ましくは0〜約20または1〜約20の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ホスホリパーゼ阻害部分の数は、より少なくてよく、例えば、2〜約10(nは、0〜約8の範囲に相当する)または3〜約10(nは、1〜約8の範囲に相当する)の範囲であり得る。いくつかの他の実施形態では、ホスホリパーゼ阻害部分の数は、2〜約6(nは、0〜約4の範囲に相当する)または3〜約6(nは、1〜約4の範囲に相当する)の範囲であり得る。一定の実施形態では、ホスホリパーゼ阻害部分の数は、2〜4(nは、0〜2の範囲に相当する)または3〜4(nは、1〜2の範囲に相当する)の範囲であり得る。
2つまたはそれを超える部分Z、Z...Zを、対応する結合部分L、L...Lのそれぞれを介して多官能性架橋部分に結合、好ましくは共有結合することができる。
多官能性架橋部分は、ポリマー部分、オリゴマー部分、または非反復部分であり得る。
好ましい多官能性架橋部分の例には、例えば、スルフィド部分、ジスルフィド部分、アミン部分、アリール部分、アルコキシル部分などが含まれる。特に好ましい多官能性架橋単位は、
Figure 2009517341
(式中、p、q、およびrはそれぞれ、0〜約48、好ましくは0〜約36、0〜約24、または0〜約16の範囲の独立して選択された整数である)から選択される式によって示され得る。いくつかの実施形態では、p、q、およびrはそれぞれ、0〜12の範囲の独立して選択された整数であり得る。Rは、置換部分であり得る。置換部分は、一般に、ハライド、ヒドロキシル、アミン、チオール、エーテル、カルボニル、カルボキシル、エステル、アミド、炭素環基、複素環基、およびその組み合わせを含む部分から選択することができる。
結合部分Lは、記載の各実施形態(ホスホリパーゼ阻害部分が、ポリマー部分、オリゴマー部分、または非反復部分などの多価架橋に結合する実施形態が含まれる)では、例えば、親水性および/または疎水性であり得る約1〜約10原子を含む結合または他の部分などの化学リンカーであり得る。いくつかの実施形態では、リンカーはより長くてよく、例えば、結合部分はまた、例えば、親水性および/または疎水性であり得る1〜約100原子を含む結合部分である。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、阻害部分の間の最も短い経路に沿って、10〜100原子の範囲であり得、いくつかの実施形態では、かかる最も短い経路に沿って、少なくとも20原子、好ましくは、約20〜約100原子、または20〜約50原子である。結合部分は、ホスホリパーゼ阻害部分Zを別の阻害部分Z、非反復架橋部分、オリゴマー部分、またはポリマー部分(例えば、ポリマー部分の骨格)に結合するか、カップリングするか、そうでなければ付着させる。1つの実施形態では、結合部分は、例えば、当該分野で公知のリビングフリーラジカル重合アプローチを使用してポリマー骨格にグラフティングしたポリマー部分であり得る。
一般に、本明細書中に記載の置換基に関連して、置換部分(例えば、置換アルキル)は、ハライド、ヒドロキシル、アミン、チオール、エーテル、カルボニル、カルボキシル、エステル、アミド、炭素環基、複素環基、およびその組み合わせを含む部分から選択される1つ以上の置換基で置換された部分(例えば、アルキル)を意味する。好ましくは、置換部分は、ハライド、ヒドロキシル、アミン、チオール、エーテル、カルボニル、炭素環基、複素環基、およびこれらの組み合わせを含む部分から選択される1つ以上の置換基で置換された部分であり得る。いくつかの場合、置換部分は、ハライド、ヒドロキシル、アミン、チオール、エーテル、カルボニル、およびこれらの組み合わせを含む部分から選択される1つ以上の置換基で置換された部分であり得る。
一般に、置換基自体を置換することができる。例えば、他で明記しない限り、一定の置換部分(例えば、「アミン」)の説明は、非置換部分、および化学的に妥当な場合は置換部分の、両方のことをいうことを意図する(例えば、非置換アミン部分および置換アミン部分)。したがって、非限定的な一連の例として、炭素環部分をいう場合、置換または非置換炭素環部分を意味することができ、複素環部分をいう場合、置換または非置換複素環部分を意味することができ、アミン部分をいう場合、置換または非置換アミン部分(例えば、第一級、第二級、第三級、第四級のアンモニウムイオン)を意味することができ、アルコキシル部分をいう場合、置換または非置換アルコキシル部分を意味することができ、アルキルカルボニル部分をいう場合、置換または非置換アルキルカルボニル部分を意味することができ、アルキルホスホニル部分をいう場合、置換または非置換アルキルホスホニル部分を意味することができ、アルキルスルホニル部分をいう場合、置換または非置換アルキルスルホニル部分を意味することができ、カルボキサミド部分をいう場合、置換または非置換カルボキサミド部分を意味することができる。
また、本明細書中で一般に使用する場合(上記のインドールまたはインドール関連化合物中のR〜Rに関連して使用する場合を含む)、
アミン基には、第一級、第二級、および第三級アミンが含まれ得、
ハライド基には、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードが含まれ得、
カルボニル基は、式:
Figure 2009517341
によって示されるさらなる置換(以下に定義)を有するカルボニル部分であり得、
酸性基は、プロトン供与体として有機基であり得、且つ、水素結合することができる。酸性基の非限定的な例には、カルボン酸、スルフェート、スルホナート、ホスホナート、置換ホスホナート、ホスフェート、置換ホスフェート、5−テトラゾリル、
Figure 2009517341
が含まれる。
アルキル基自体または別の置換基の一部としてのアルキル基は、置換または非置換直鎖または分岐鎖炭化水素(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第三ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、デシル、ドデシル、またはオクタデシルなど)であり得、
アルケニル基自体または他の基との組み合わせにおけるアルケニル基は、不飽和結合を含む置換または非置換直鎖または分岐鎖炭化水素(ビニル、プロペニル、クロトニル、イソペンテニル、および種々のブテニル異性体など)であり得、
炭素環基は、環形成原子が炭素原子のみである置換または非置換で飽和または不飽和の5〜14員環有機核(organic nucleus)(シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、スピロ[5.5]ウンデカニル、ナフチル、ノルボルナニル(norbornanyl)、ビシクロヘプタジエニル、トルリル、キシレニル、インデニル、スチルベニル(stilbenyl)、テルフェニリル(terphenylyl)、ジフェニルエチレニル、フェニル−シクロヘキセニル、アセナフチレニル、アントラセニル、ビフェニル、およびジベンジリル(bibenzylyl)が含まれる)であり得、
複素環基は、5〜14個の環原子を有する窒素、酸素、または硫黄からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む単環式または多環式、飽和または不飽和、置換または置換複素環核(ピロリル、ピロロジニル(pyrrolodinyl)、ピペリジニル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、フェニルイミダゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、インドリル、カルバゾリル、ノルハルマニル(norharmanyl)、アザインドリル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、インダゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾトリアゾリル、アントラニリル、1,2−ベンズイソキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、ピリジニル、ジピリジリル、フェニルピリジニル、ベンジルピリジニル、ピリミジニル、フェニルピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、キノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ホモピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキサカニル(oxacanyl)、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジオキサニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロチオフェニル、ペンタメチレンスルファジル、1,3−ジチアニル、1,4−ジチアニル、1、4−チオキサニル、アゼチジニル、ヘキサメチレンイミニウム、ヘプタメチレンイミニウム、ピペラジニル、およびキノキサリニルが含まれる)であり得、
アシルアミノ基は、式:
Figure 2009517341
によって示す2つのさらなる置換基(以下に定義)を有するアシルアミノ部分であり得、
オキシミル基は、式:
Figure 2009517341
によって示す2つのさらなる置換基(以下に定義)を有するオキシミル部分であり得、
ヒドラジル基は、式:
Figure 2009517341
によって示す3つのさらなる置換基(以下に定義)を有するヒドラジル部分であり得、
置換された置換基は、好ましくは、例えば、
Figure 2009517341
などの酸素−アルキル−酸性部分、
Figure 2009517341
などの−カルボニル−アシルアミノ−水素部分、
Figure 2009517341
などの−アルキル−炭素環基−アルケニル部分、
Figure 2009517341
などの−カルボニル−アルキル−チオール部分、
Figure 2009517341
などの−アミン−カルボニル−アミン部分が含まれる部分を介して1つ以上の列挙した置換基を組み合わせ、
アルキルカルボニル基は、−C(=O)Rなどの部分を意味することができ、
さらなる置換基は、水素、酸素、硫黄、リン、アミン、ハライド、ヒドロキシル(−OH)、チオール(−SH)、カルボニル、酸性基、アルキル、アルケニル、炭素環基、複素環基、アシルアミノ、オキシミル、ヒドラジル、置換された置換基、およびこれらの組み合わせから選択される基を意味することができる。
これらの実施形態のそれぞれを、種々の組み合わせおよび特定の組み合わせで、ならびに、各順列で、本明細書中上記または下記のそれぞれの他の態様および実施形態と共に使用することができる。
本発明の特に好ましいインドールおよびインドール関連化合物には、例えば、
Figure 2009517341
から選択される化合物が含まれ得る。
図6Cおよび6Dに関して、本発明のインドール化合物には、一般に、5員環コアと6員環コアとの間の縮合結合に対して垂直に二等分するように取った基準軸に基づいて対応するインドールのコア構造の鏡像アナログであるが、同一の位置で定義した置換基を維持する「逆インドール化合物(inverse indole coumpound)」が含まれ得る(図6Dと比較した図6Cを参照のこと)。本発明のインドール化合物およびインドール関連化合物には、5員環コアと6員環コアとの間の縮合結合の軸に沿って取った基準軸に基づいて対応するインドールのコア構造の鏡像アナログであるが、同一の位置で少なくとも−R位および−R位のそれぞれおよび−Rおよび−Rのそれぞれが維持され、同一の位置での−Rならびに−Rおよび−Rの少なくとも1つが維持される「相互インドール化合物(reciprocal indole compounds)」および「相互インドール関連化合物(reciprocal indole−related compounds)」も含まれ得る。
全ての上記インドール関連化合物および上記インドール化合物の塩は、本発明のさらなる態様である。本発明の化合物が酸性または塩基性の官能基を有するような場合には、親化合物よりも水溶性が高く且つ生理学的に適切な種々の塩を形成することができる。
代表的な薬学的に許容可能な塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなどのアルカリ塩およびアルカリ土類塩が含まれるが、これらに限定されない。塩を、溶液中の酸の塩基での処理または酸のイオン交換樹脂への曝露によって遊離酸から都合良く調製する。本発明の化合物の比較的毒性の低い無機および有機の塩基付加塩(例えば、本発明の化合物と塩を形成するのに十分な塩基性を示す窒素塩基由来のアンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミン陽イオン)は、薬学的に許容可能な塩の定義の範囲内に含まれる(例えば、S.M.Bergeら、“Pharmaceutical Salts,”J.Phar.Sci.,66:1−19(1977)を参照のこと)。さらに、本発明の化合物の塩基性基を、適切な有機酸または無機酸と反応させて、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、ブロミド、カンシル酸塩、炭酸塩、クロリド、クラブラン酸塩、クエン酸塩、クロリド、エデト酸塩、エシジル酸塩、エストラート、エシル酸塩、フルオリド、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ブロミド、クロリド、ヒドロキシナフトアート、ヨージド、イソチオナート(isothionate)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マルセアート(malseate)、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチルブロミド、メチルニトレート、メチルスルファート、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、サブアセタタート(subacetate)、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシラート、トリフルオロ酢酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、および吉草酸塩などの塩を形成することができる。
当業者は、本明細書中に記載の化合物が互変異性、配座異性、幾何異性、および/または光学異性の現象を示し得ることを認識するであろう。本発明は、本明細書中に記載の1つ以上の有用性を有する化合物の任意の互変異性体、配座異性体、光学異性体、および/または幾何異性体の形態、ならびにこれらの種々の異なる形態の混合物を含むと理解すべきである。本明細書中に記載の化合物のプロドラッグおよび活性代謝産物も、本発明の範囲内に含まれる。
ホスホリパーゼインヒビター
本発明のインドールおよびインドール関連化合物(またはこれら由来の部分)は、ホスホリパーゼインヒビター(または阻害部分)、特に、ホスホリパーゼ−A2インヒビター(または阻害部分)として有用である。
本発明のインドールおよびインドール関連化合物(またはこれら由来の部分)を、容態(体重関連容態、インスリン関連容態、およびコレステロール関連容態(特に、肥満、真性糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能低下、高コレステロール血症、および高トリグリセリド血症などの容態が含まれる)など)の治療で有効に使用することができる。
下記のように、本発明の化合物を、内腔局在化ホスホリパーゼ−A2インヒビターおよび/または内腔局在化薬学的組成物として使用することができる。
一定のインドールグリオキサミドは、PLA阻害部分として有用であることが当該分野で公知であり、かかる公知の化合物を、ホスホリパーゼ−A2阻害活性について化合物を評価する実験におけるコントロール部分として使用することができる。種々の実施例に示すように、本発明のインドールおよびインドール関連化合物は、ホスホリパーゼ阻害に対して活性であり、特定の実施形態では、かかる公知のインドール化合物と比較することが好ましい。具体的には、例えば、図2に示す(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)(あるいは、本明細書中でILY−4001およびメチルインドキサムとも呼ばれる)は、以前に、有効なホスホリパーゼインヒビターまたは阻害部分であることが示されている。このインドール化合物を、以下の構造によって、式(V):
Figure 2009517341
として示される。この化合物は、in−vitroアッセイに基づいて、多数のPLA2クラスのホスホリパーゼ活性を有することが示されており、in vitroでのマウスおよびヒトPLA2IB酵素の強力なインヒビターである(Singer、Ghomashchiら、2002;Smart、Panら、2004)。以前の研究では、このインドール化合物を合成し(実施例4を参照のこと)、マウスモデルにおけるホスホリパーゼ−A2阻害についてin−vivoで評価した(実施例5(遺伝子欠損PLA2(−/−)「ノックアウト」マウスの効果に近いおよび/または匹敵する表現型効果と共にホスホリパーゼ−2A IBインヒビターとしての有効性を証明する実施例5A〜5Cが含まれる)を参照のこと)。このインドール化合物を、阻害活性、吸収、および生物学的利用能に関しても特徴づけた(実施例6(6A〜6Cが含まれる)を参照のこと)。
一般に、本発明の種々の態様内に含まれる実施形態では、本発明のホスホリパーゼインヒビターは、ホスホリパーゼ、好ましくは、胃腸管(胃区画が含まれる)、より詳細には十二指腸および/または小腸中に分泌されるか含まれるホスホリパーゼの触媒活性を調整または阻害する(例えば、鈍くするか減少させる)ことができる。例えば、かかる酵素には、好ましくは、分泌IB群ホスホリパーゼA(PLA−IB)(膵臓ホスホリパーゼA(p−PLA)とも呼ばれ、本明細書中で「PLAIB」または「ホスホリパーゼ−AIB」と呼ばれる)が含まれるが、これらに限定されない。かかる酵素には、他の分泌ホスホリパーゼA(IIA群ホスホリパーゼA(PLAIIA)など)も含まれ得る。いくつかの実施形態では、特に、本発明の好ましいインドール化合物および本発明の好ましいインドール関連化合物に関連して、他のホスホリパーゼ(例えば、ホスホリパーゼA1(PLA)、ホスホリパーゼB(PLB)、ホスホリパーゼC(PLC)、およびホスホリパーゼD(PLD)が含まれる)も本発明の範囲内と見なすことができる。本発明のインヒビターは、好ましくは、少なくともホスホリパーゼ−AIB酵素活性を阻害する。
いくつかの実施形態では、本発明のインヒビターは、ホスホリパーゼ活性(ホスホリパーゼA活性(例えば、ホスホリパーゼ−AIBが含まれる)など)の阻害に特異的であるか、実質的に特異的である。例えば、いくつかの好ましい実施形態では、本発明のインヒビターは、リパーゼ(膵臓トリグリセリドリパーゼ(PTL)およびカルボキシルエステルリパーゼ(CEL)など)を阻害しないか、有意に阻害しないか、本質的に阻害しない。いくつかの好ましい実施形態では、本発明のインヒビターは、PLA、好ましくはホスホリパーゼ−AIBを阻害するが、いずれの場合にも、いかなる他のホスホリパーゼも阻害しないか、有意に阻害しないか、本質的に阻害しない。いくつかの好ましい実施形態では、本発明のインヒビターは、PLA、好ましくはホスホリパーゼ−AIBを阻害するが、いずれの場合にも、PLAを阻害しないか、有意に阻害しないか、本質的に阻害しない。いくつかの好ましい実施形態では、本発明のインヒビターは、PLA、好ましくはホスホリパーゼ−AIBを阻害するが、PLBを阻害しないか、有意に阻害しないか、本質的に阻害しない。いくつかの実施形態では、ホスホリパーゼインヒビターは、胃腸管粘膜状で作用しない(例えば、膜結合ホスホリパーゼを阻害しないか、有意に阻害しないか、本質的に阻害しない)。
PLA、PLA、およびPLBの異なる活性は、一般に十分に特徴づけられており、当該分野で理解されている。PLAは、sn−2位でリン脂質を加水分解して、1−アシルリゾリン脂質および脂肪酸を遊離する。PLAは、sn−1位でリン脂質に作用して、2−アシルリゾリン脂質および脂肪酸を遊離する。ホスホリパーゼBは、sn−1位およびsn−2位でリン脂質を切断して、1つのグリセロールおよび2つの脂肪酸を形成する。例えば、Devlin,Editor,Textbook of Biochemistry with Clinical Correlations,5th ed.Pp 1104−1110(2002)を参照のこと。
胃腸PLA、PLA(ホスホリパーゼ−AIBが含まれる)、およびPLBが作用するリン脂質の基質は、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノールアミン型のほとんどであり、これらは、食事または胆管に由来し得るか、細胞膜の脱落(sloughed off)に起因し得る。例えば、ホスファチジルコリン消化の場合、PLAはsn−1で作用して、2−アシルリゾホスファチジルコリンおよび遊離脂肪酸を生成し、PLAはsn−2位で作用して1−アシルリゾホスファチジルコリンおよび遊離脂肪酸を生成する一方で、PLBは両方の位置で作用してグリセロール3−ホスホリルコリンおよび2つの遊離脂肪酸を生成する(Devlin,2002)。
膵臓PLA(およびホスホリパーゼ−AIB)は、膵液を介して十二指腸に放出するために、膵臓外分泌腺の腺房細胞によって分泌される。PLA(およびホスホリパーゼ−AIB)は、ポリペプチド鎖を保有するプロ酵素として分泌され、この鎖はその後にプロテアーゼによって切断されて酵素触媒部位を活性化させる。報告されているPLAイソ酵素についての構造−活性関係(SAR)は、多数の共通の特徴を例証している(例えば、Gelb M.,Chemical Reviews,2001,101:2613−2653;Homan,R.,Advances in Pharmacology,1995,12:31−66;and Jain,M.K.,Intestinal Lipid Metabolism,Biology,pathology,and interfacial enzymology of pancreatic phospholipase A,2001,81−104(それぞれ本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。
本発明のインヒビターは、ホスホリパーゼ活性、特にPLA活性を阻害するためにこれらの一定の共通の特徴を活用することができる。PLA酵素の共通の特徴には、約13〜約15kDaのサイズ、熱安定性、6〜8個のジスルフィド結合が含まれる。PLA酵素の共通の特徴には、保存された活性部位構造およびカルシウム依存性活性ならびにHis−カルシウム−Asp三つ組における水分子およびカルシウム陽イオンへのHisおよびAsp残基の保存された結合に関連する触媒機構も含まれる。以下により詳細に記載するように、リン脂質基質は、その極性頭部によって疎水性かつ陽イオン性の残基(リジン残基およびアルギニン残基が含まれる)に包まれた溝を介して触媒部位に近づくことができる。触媒部位内で、多配位カルシウムイオンは、リン脂質基質のsn−2位のアシルカルボニル基を活性化して加水分解を引き起こす(Devlin,2002)。いくつかの好ましい実施形態では、本発明のインヒビターは、その触媒部位との相互作用によってPLAのこの触媒活性を阻害する。
PLA酵素は、主に胃腸内腔中に見出される脂質凝集体(例えば、脂肪球、エマルジョン滴、小胞、混合ミセル、および/またはディスク(disk)が含まれ、これらのいずれか1つは、トリグリセリド、脂肪酸、胆汁酸、リン脂質、ホスファチジルコリン、リゾリン脂質、リゾホスファチジルコリン、コレステロール、コレステロールエステル、他の両親媒性物質および/または他の食物代謝産物を含み得る)の脂質−水界面でのリン脂質基質の触媒に対して活性である。かかる酵素は、脂質−水界面に「ドッキング」する間に作用すると見なすことができる。かかる脂質凝集体では、リン脂質基質は、典型的には、上記列挙の1つ以上の成分と共に単層または二重層中に配置され、凝集体外面の一部を形成する。触媒部位を有するホスホリパーゼ表面は、この界面と接触して、リン脂質基質への接近を容易にする。このホスホリパーゼ表面は、i−表面(i−face)(すなわち、酵素の界面認識表面)として公知である。PLAのi−表面の構造の特徴は、十分に報告されている。例えば、Jain,M.Kら、Methods in Enzymology,vol.239,1995,568−614(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。本発明のインヒビターは、PLA活性を阻害するためにこれらの構造特徴を活用することができる。例えば、触媒部位を形成する溝の隙間は、i−表面の面に対して垂直であることが公知である。隙間は、疎水性残基(主に、ロイシン残基およびイソロイシン残基)の第1の冠(crown)に取り囲まれ、それ自体が陽イオン性残基(リジン残基およびアルギニン残基が含まれる)の環に含まれる。
記載のように、PLA酵素は、水分子およびカルシウムイオンへのHis残基およびAsp残基の共同の結合に関与する保存された活性部位構造および触媒機構を共有する。理論に拘束されないが、リン脂質基質は、疎水性残基および陽イオン性残基によって包まれた溝を介して導かれる極性頭部基(polar head group)を有するかかる酵素の触媒部位に接近することができる。触媒部位内で、多配位カルシウムイオンは、リン脂質基質のsn−2位のアシルカルボニル基を活性化して加水分解を引き起こす。
種々の実施例で証明された有意な実験データとともに考慮したホスホリパーゼA2酵素についての実質的な構造−活性関係の研究を考慮して、当業者は、認められた本発明の化合物の阻害効果を認識することができる。
同様に、当業者は、図6Cおよび6Dを参照して、目的の対応するインドールのコア構造の鏡像アナログである上記逆インドール化合物および対応するインドールまたは関連化合物のコア構造の別の鏡像アナログである上記相互インドール化合物および相互インドール関連化合物を、極性置換基および疎水性置換基を使用して同様に構築して、本発明の範囲内の別のインドール構造および別のインドール関連構造を得ることができることを認識することができる。
さらに、当業者は、公知のアッセイおよび評価アプローチを使用して、本発明の範囲内の特定のインヒビターを評価することができる。例えば、本発明のインヒビターの阻害範囲を、種々の実施例で示すin−vitroアッセイおよび/またはin−vivo研究を使用して評価することができる。ホスホリパーゼ酵素へのホスホリパーゼインヒビターの結合を、例えば、かかる結合相互作用に不可欠または不可欠でない部位を同定するために、核磁気共鳴によって評価することができる。さらに、当業者は、構造変化が可能な位置が示唆されるホスホリパーゼインヒビターの利用可能な構造−活性関係(SAR)を使用することができる。候補ホスホリパーゼインヒビターのライブラリーを、例えば、上記の情報に基づいて無作為に選択されたホスホリパーゼ阻害部分の異なる結合点を特徴づけることによって複数の異なる配向でホスホリパーゼ阻害部分が示されるようにデザインすることができる。候補を、ホスホリパーゼ阻害活性について評価して、ポリマー部分または他の非吸収部分へのホスホリパーゼ阻害部分の適切な結合点を有するホスホリパーゼインヒビターを得ることができる。
一般に、阻害範囲は、本発明に極めて重要というわけではないが、特定の実施形態で重要であり得る。したがって、用語「阻害する」およびその文法上の変形形態は、酵素活性の完全な阻害を必要とすることを意図しない。例えば、この用語は、インヒビターの非存在下での少なくとも約30%、好ましくは少なくとも約50%、少なくとも約75%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約98%、さらにより好ましくは少なくとも約99%の酵素活性減少をいうことができる。より好ましくは、この用語は、例えば、本明細書中に開示のように、ホスホリパーゼ阻害治療を受けた被験体で処置された少なくとも1つの容態に治療的および/または予防的利点を得るのに十分な量である有効量による酵素活性の減少をいう。逆に、句「阻害しない」または「本質的に阻害しない」およびその文法上の変形形態は、酵素活性に及ぼす影響の完全な欠如を必要としない。例えば、この用語は、インヒビターの存在下における約10%未満、約5%未満、好ましくは約2%未満、より好ましくは約1%未満の酵素活性が減少する状況をいう。最も好ましくは、この用語は、顕著な影響が認められないような酵素活性の最小の減少をいう。
インヒビターは、可逆的阻害および/または不可逆的阻害によってホスホリパーゼ活性を調整することができる。本発明のホスホリパーゼインヒビターによる可逆的阻害は、競合的(例えば、インヒビターがホスホリパーゼの触媒部位に結合する場合)、非競合的(例えば、インヒビターがホスホリパーゼのアロステリック部位に結合してアロステリックな変化をもたらす場合)、および/または不競合的(インヒビターがホスホリパーゼとその基質との複合体に結合する場合)であり得る。阻害はまた、ホスホリパーゼインヒビターが、酵素から解離することなく、有意に解離することなく、または本質的に解離することなく、ホスホリパーゼ上の部位に結合したままであるか、有意に結合したままであるか、本質的に結合したままである場合、不可逆的であり得る。
ホスホリパーゼ関連容態の治療方法
本発明は、ホスホリパーゼ関連容態の治療方法を提供する。好ましい実施形態では、インヒビターを、胃腸管内腔中に局在化することができる。本明細書中で使用される用語、「ホスホリパーゼ関連容態」は、ホスホリパーゼの活性および/もしくは再吸収の調整ならびに/またはホスホリパーゼの1つ以上の産物の産生および/または影響の調整が望ましい容態をいう。好ましい実施形態では、本発明のインヒビターは、ホスホリパーゼの活性および/または再吸収を減少させ、そして/またはホスホリパーゼの1つ以上の産物の産生および/または影響を減少させる。本明細書中で使用される、用語「ホスホリパーゼA2関連容態」は、ホスホリパーゼA2の活性および/または再吸収の調整が望ましく、そして/またはホスホリパーゼA2活性の1つ以上の産物の産生および/または影響の調整が望ましい容態をいう。好ましい実施形態では、本発明のインヒビターは、ホスホリパーゼA2の活性および/もしくは再吸収を減少させ、そして/またはホスホリパーゼA2の1つ以上の産物の産生および/または影響を減少させる。ホスホリパーゼA2関連容態の例には、インスリン関連容態(例えば、糖尿病)、体重関連容態(例えば、肥満)、および/またはコレステロール関連容態、およびこれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
本発明は、動物被験体の治療のための方法、薬学的組成物、およびキットを提供する。本明細書中で使用される、用語「動物被験体」には、ヒトおよび他の哺乳動物が含まれる。例えば、哺乳動物を、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター、ネコ、イヌ、ブタ、家禽類、ウシ、およびウマ、ならびにこれらの組み合わせから選択することができる。
本明細書中で使用される、用語「治療」には、治療的利点および/または予防的利点の達成が含まれる。治療的利点は、治療を受ける、根底にある障害の根絶または改善を意味する。例えば、糖尿病患者では、治療的利点には、根底にある糖尿病の根絶または改善が含まれる。また、患者が依然として根底にある障害を罹患している可能性があるという事実があっても、根底にある障害に関連する1つ以上の生理学的症状の根絶または改善によって治療的利点が達成され、それによって患者に改善が認められる。例えば、糖尿病に関して、インスリン抵抗性が矯正された場合だけでなく、疲労、視朦、または手もしくは足のチクチクする感じのような糖尿病に付随する他の障害に関して患者に改善が認められる場合にもPLA活性の減少によって治療的利点を得ることができる。予防的利点について、本発明のホスホリパーゼインヒビターを、診断していなかったかもしれないとしても、ホスホリパーゼ関連容態(例えば、糖尿病、肥満、または高コレステロール血症)を発症するリスクのある患者またはかかる容態の1つ以上の生理学的症状が報告された患者に投与することができる。
本発明は、ホスホリパーゼインヒビターを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、インヒビターは、胃腸管粘膜を介して吸収されず、そして/または胃腸管粘膜細胞からの流出の結果として胃腸管内腔中に局在化する。
好ましい実施形態では、本発明のホスホリパーゼインヒビターは、ホスホリパーゼ活性の阻害によって1つ以上の容態の治療で利点(予防的利点、治療的利点、またはその両方のいずれかが含まれる)が得られる。
本明細書中に記載のホスホリパーゼの有効な阻害方法を、任意のホスホリパーゼ関連容態(すなわち、ホスホリパーゼの活性および/もしくは再吸収の調整ならびに/またはホスホリパーゼの1つ以上の産物の産生および/または影響の調整が望ましい任意の容態)に適用することができる。好ましくは、かかる容態には、ホスホリパーゼ−A関連容態および/または食事によって誘導されるホスホリパーゼA2関連容態(すなわち、食事によって引き起こされるか、促進されるか、悪化するか、そうでなければ影響をうける容態)が含まれる。ホスホリパーゼ−A関連容態には、糖尿病、体重増加、およびコレステロール関連容態、ならびに高脂血症、高コレステロール血症、心血管疾患(心臓疾患および卒中など)、高血圧症、癌、睡眠時無呼吸、骨関節炎、胆嚢疾患、脂肪肝、2型糖尿病、および他のインスリン関連容態が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、1つ以上のこれらの容態は、高脂肪食または洋食の消費の結果として起こり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のこれらの容態は、遺伝子的原因、代謝障害、環境因子、行動要因、またはこれらの任意の組み合わせの結果として起こり得る。
洋食および洋風の食事(WESTERN−RELATED DIETS)
一般に、本発明のいくつかの実施形態は、1つ以上の高炭水化物食、高糖類食、高脂肪食、および/または高コレステロール食の種々の組み合わせに関する。かかる食事を、本明細書中で一般に、「高リスク食」という(例えば、洋食が含まれ得る)。かかる食事は、対象患者の1つ以上の容態(肥満関連容態、インスリン関連容態、および/またはコレステロール関連容態が含まれる)のリスクプロフィールを高め得る。特に、かかる高リスク食には、いくつかの実施形態では、1つ以上の高糖類食、高脂肪食、および/または高コレステロール食と共に少なくとも1つの高炭水化物食が含まれ得る。高リスク食には、高脂肪食および/または高コレステロール食の一方または両方と組み合わせた高糖類食も含まれ得る。高リスク食には、高コレステロール食と組み合わせた高脂肪食も含まれ得る。いくつかの実施形態では、高リスク食には、高炭水化物食、高糖類食、および高脂肪食の組み合わせが含まれ得る。他の実施形態では、高リスク食には、高炭水化物食、高糖類食、および高コレステロール食が含まれ得る。他の実施形態では、高リスク食には、高炭水化物食、高脂肪食、および高コレステロール食が含まれ得る。なおさらなる実施形態では、高リスク食には、高糖類食、高脂肪食、および高コレステロール食が含まれ得る。いくつかの実施形態では、高リスク食には、高炭水化物食、高糖類食、高脂肪食、および高コレステロール食が含まれ得る。
一般に、対象の食事は、総カロリー量(total caloric content)(例えば、1日の総カロリー量)を含み得る。いくつかの実施形態では、本件の食事は、高脂肪食であり得る。かかる実施形態では、総カロリー量の少なくとも約50%が脂肪に由来し得る。他のかかる実施形態では、総カロリー量の少なくとも約40%、少なくとも約30%、少なくとも約25%、または少なくとも約20%が脂肪に由来し得る。いくつかの実施形態では、高脂肪食を1つ以上の高炭水化物食、高糖類食、または高コレステロール食と組み合わせる場合、総カロリー量の少なくとも約15%または少なくとも約10%が脂肪に由来し得る。
同様に、いくつかの実施形態では、食事は高炭水化物食であり得る。かかる実施形態では、総カロリー量の少なくとも約50%が炭水化物に由来し得る。他のかかる実施形態では、総カロリー量の少なくとも約40%、少なくとも約30%、少なくとも約25%、または少なくとも約20%が炭水化物に由来し得る。いくつかの実施形態では、高炭水化物食を1つ以上の高脂肪食、高糖類食、または高コレステロール食と組み合わせる場合、総カロリー量の少なくとも約15%または少なくとも約10%が炭水化物に由来し得る。
さらに、いくつかの実施形態では、食事は高糖類食であり得る。実施形態では、総カロリー量の少なくとも約50%が糖類に由来し得る。他のかかる実施形態では、総カロリー量の少なくとも約40%、少なくとも約30%、少なくとも約25%、または少なくとも約20%が糖類に由来し得る。いくつかの実施形態では、高糖類食を1つ以上の高脂肪食、高炭水化物食、または高コレステロール食と組み合わせる場合、総カロリー量の少なくとも約15%または少なくとも約10%が糖類に由来し得る。
同様に、いくつかの実施形態では、食事は高コレステロール食であり得る。かかる実施形態では、食事は、少なくとも約1%のコレステロール(脂肪に対するwt/wt)を含み得る。他のかかる実施形態では、食事は、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.1%、または少なくとも約0.07%のコレステロール(脂肪に対するwt/wt)を含み得る。いくつかの実施形態では、高コレステロール食を、高脂肪食、高炭水化物食、または高糖類食と組み合わせる場合、食事は、少なくとも約0.05%または少なくとも約0.03%のコレステロール(脂肪に対するwt/wt)を含み得る。
例として、高脂肪食には、例えば、精肉、乳製品、およびアルコール、場合により、加工食材、赤身の肉、炭酸飲料、菓子類(sweets)、精製穀物、デザート類、および高脂肪乳製品が多い食事(例えば、カロリーの少なくとも25%が脂肪に由来し、且つ少なくとも約8%が飽和脂肪に由来するか、カロリーの少なくとも約30%が脂肪に由来し、且つ少なくとも約10%が飽和脂肪に由来するか、カロリーの少なくとも約34%が脂肪に由来し、且つ少なくとも約12%が飽和脂肪に由来するか、カロリーの少なくとも約42%が脂肪に由来し、且つ少なくとも約15%が飽和脂肪に由来するか、カロリーの少なくとも約50%が脂肪に由来し、且つ少なくとも約20%が飽和脂肪に由来する)が含まれ得る。1つのかかる高脂肪食は、「洋食」であり、これは、先進工業国の食事(例えば、典型的な米国の食事、西欧諸国の食事、オーストラリアの食事、および/または日本食が含まれる)をいう。洋食の1つの特定の例は、少なくとも約17%の脂肪および少なくとも約0.1%のコレステロール(wt/wt)を含むか、少なくとも約21%の脂肪および少なくとも約0.15%のコレステロール(wt/wt)を含むか、少なくとも約25%の脂肪および少なくとも約0.2%のコレステロール(wt/wt)を含む。
かかる高リスク食は、1つ以上の高リスク食材を含み得る。
食材に関して考慮すると、一般に、本発明のいくつかの実施形態は、1つ以上の高炭水化物食材、高糖類食材、高脂肪食材、および/または高コレステロール食材の種々の組み合わせに関する。かかる食材を、本明細書中で一般に、「高リスク食材」(例えば、洋食の食材が含まれる)という。かかる食材は、対象患者の1つ以上の容態(肥満関連容態、インスリン関連容態、および/またはコレステロール関連容態が含まれる)のリスクプロフィールを高め得る。特に、かかる高リスク食材には、いくつかの実施形態では、1つ以上の高糖類食材、高脂肪食材、および/または高コレステロール食材と共に少なくとも1つの高炭水化物食材が含まれ得る。高リスク食材には、高脂肪食材および/または高コレステロール食材の一方または両方と組み合わせた高糖類食材も含まれ得る。高リスク食材には、高コレステロール食材と組み合わせた高脂肪食材も含まれ得る。いくつかの実施形態では、高リスク食材には、高炭水化物食材、高糖類食材、および高脂肪食材の組み合わせが含まれ得る。他の実施形態では、高リスク食材には、高炭水化物食材、高糖類食材、および高コレステロール食材が含まれ得る。他の実施形態では、高リスク食材には、高炭水化物食材、高脂肪食材、および高コレステロール食材が含まれ得る。なおさらなる実施形態では、高リスク食材には、高糖類食材、高脂肪食材、および高コレステロール食材が含まれ得る。いくつかの実施形態では、高リスク食材には、高炭水化物食材、高糖類食材、高脂肪食材、および高コレステロール食材が含まれ得る。
したがって、食品組成物は、総カロリー量を有する食材を含み得る。いくつかの実施形態では、食材は高脂肪食材であり得る。かかる実施形態では、総カロリー量の少なくとも約50%が脂肪に由来し得る。他のかかる実施形態では、総カロリー量の少なくとも約40%、少なくとも約30%、少なくとも約25%、または少なくとも約20%が脂肪に由来し得る。いくつかの実施形態では、高脂肪食材を1つ以上の高炭水化物食材、高糖類食材、または高コレステロール食材と組み合わせる場合、総カロリー量の少なくとも約15%または少なくとも約10%が脂肪に由来し得る。
同様に、いくつかの実施形態では、食材は高炭水化物食材であり得る。かかる実施形態では、総カロリー量の少なくとも約50%が炭水化物に由来し得る。他のかかる実施形態では、総カロリー量の少なくとも約40%、少なくとも約30%、少なくとも約25%、または少なくとも約20%が炭水化物に由来し得る。いくつかの実施形態では、高炭水化物食材を1つ以上の高脂肪食材、高糖類食材、または高コレステロール食材と組み合わせる場合、総カロリー量の少なくとも約15%または少なくとも約10%が炭水化物に由来し得る。
さらに、いくつかの実施形態では、食材は、高糖類食材であり得る。かかる実施形態では、総カロリー量の少なくとも約50%が糖類に由来し得る。他のかかる実施形態では、総カロリー量の少なくとも約40%、少なくとも約30%、少なくとも約25%、または少なくとも約20%が糖類に由来し得る。いくつかの実施形態では、高糖類食材を1つ以上の高脂肪食材、高炭水化物食材、または高コレステロール食材と組み合わせる場合、総カロリー量の少なくとも約15%または少なくとも約10%が糖類に由来し得る。
同様に、いくつかの実施形態では、食材は高コレステロール食材であり得る。かかる実施形態では、食材は、少なくとも約1%のコレステロール(脂肪に対するwt/wt)を含み得る。他のかかる実施形態では、食材は、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.1%、または少なくとも約0.07%のコレステロール(脂肪に対するwt/wt)を含み得る。いくつかの実施形態では、高コレステロール食材を1つ以上の高脂肪食材、高炭水化物食材、または高糖類食材と組み合わせる場合、食材は、少なくとも約0.05%または少なくとも約0.03%のコレステロール(脂肪に対するwt/wt)を含み得る。
上記のように、本発明の方法を、他の方法(例えば、インスリン関連容態、体重関連容態、および/またはコレステロール関連容態(一般に、異常脂質血症が含まれる)、ならびにこれらの任意の組み合わせの治療に広範に関連する方法が含まれる)と共に有利に使用することができる。かかる容態の態様を、以下に記載する。
インスリン関連容態の治療
本明細書中で使用される、用語「インスリン関連障害」は、インスリンが体内で産生されず、そして/または適切に使用されない糖尿病などの容態をいう。典型的には、空腹時血漿グルコース試験(FPG)および/または経口耐糖能試験(OGTT)の使用によって、患者の前糖尿病または糖尿病を診断する。FPG試験の場合、約100mg/dLと約125mg/dLとの間の空腹時血糖値は前糖尿病を示し得る一方で、約126mg/dLまたはそれを超える空腹時血糖値の患者は糖尿病を示し得る。OGTT試験の場合、患者の血糖値を、空腹時およびグルコースの多い飲料の飲用から2時間後に測定することができる。約140mg/dLと約199mg/dLとの間の2時間後の血糖値は前糖尿病を示し得る一方で、約200mg/dLまたはそれを超える2時間後の血糖値は糖尿病を示し得る。
一定の実施形態では、本発明の内腔局在化ホスホリパーゼインヒビターにより、インスリン関連容態(例えば、糖尿病、好ましくは2型糖尿病)の治療で利点が得られる。例えば、かかる利点には、インスリン感受性の増加および耐糖能の改善が含まれ得るが、これらに限定されない。他の利点には、空腹時血中インスリンレベルの減少、組織グルコースレベルの増加、および/またはインスリン刺激グルコース代謝の増加が含まれ得る。
いかなる特定の仮説にも制限されないが、これらの利点は、PLA活性の減少によって引き起こされる多数の影響(例えば、胃腸粘膜を通過するリン脂質の膜輸送の減少および/または1−アシルリゾリン脂質(1−アシルリゾホスファチジルコリンなど)産生の減少および/またはリゾリン脂質(1−アシルリゾホスファチジルコリンなど)輸送の減少が含まれる)(これらの物質は糖尿病または他のインスリン関連容態に関与するその後の経路においてシグナル伝達分子として作用し得る)に起因し得る。
いくつかの実施形態では、ホスホリパーゼA2を阻害するが、ホスホリパーゼBを阻害しないか、有意に阻害しないか、本質的に阻害しない内腔局在化ホスホリパーゼインヒビターを使用する。いくつかの実施形態では、ホスホリパーゼインヒビターは、ホスホリパーゼA2を阻害するが、他の胃腸ホスホリパーゼを阻害しない(ホスホリパーゼA1を阻害しないか、有意に阻害しないか、本質的に阻害しないことおよびホスホリパーゼを阻害しないか、有意に阻害しないか、本質的に阻害しないことが含まれる)。
体重関連容態の治療
本明細書中で使用される、用語「体重関連容態」は、望ましくない体重増加(過体重が含まれる)、肥満、および/または高脂血性容態(hyperlipidemic conditions)、特に、高脂肪食または洋食に起因する体重増加をいう。典型的には、個体が過体重および/または肥満であるかどうかを決定するための基準として体型指数(BMI)を使用する。成人は、例えば、少なくとも約25の体型指数で過体重と見なされ、少なくとも約30のBMIで肥満と見なされる。小児では、年齢別の体型指数チャートを使用し、BMIが約85パーセンタイルを超える場合に「過体重のリスクあり」と見なされ、BMIが約95パーセンタイルを超える場合に「肥満」と見なされる。
一定の実施形態では、本発明の内腔局在化ホスホリパーゼA2インヒビターを使用して、体重関連容態(望ましくない体重増加および/または肥満が含まれる)を治療することができる。一定の実施形態では、内腔局在化ホスホリパーゼA2インヒビターは、典型的な洋食の食事の後の脂肪吸収を減少させる。一定の実施形態では、内腔局在化ホスホリパーゼA2インヒビターは、洋食摂取時の被験体からの脂質の排出を増加させる。一定の好ましい実施形態では、ホスホリパーゼインヒビターは、(典型的な)洋食摂取時の被験体の体重増加を減少させる。一定の実施形態では、本発明の実施により、一定の組織および器官の体重増加を優先的に減少させることができる(例えば、いくつかの実施形態では、ホスホリパーゼA2インヒビターは、洋食摂取時の被験体の白色脂肪の体重増加を減少させることができる)。
いかなる特定の仮説にも制限されないが、これらの利点は、PLA活性の減少によって引き起こされる多数の影響に起因し得る。例えば、PLA活性の阻害により、胃腸内腔を介した(例えば、小腸先端膜を介した)リン脂質輸送が減少し得、これは、特に高脂肪食を与えた哺乳動物における腸細胞中のリン脂質(例えば、ホスファチジルコリン)プールの枯渇を引き起こす。かかる場合、リン脂質のde novo合成は、例えば、カイロミクロン中での輸送によるトリグリセリドの輸送に必要なリン脂質(例えば、ホスファチジルコリン)の高代謝回転を維持するのに十分ではない場合がある(Tso,in Fat Absorption,1986,chapt.6 177−195,Kuksis A.,Ed.(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。
PLA阻害はまた、脂肪吸収のその後の上方制御経路(例えば、さらなる消化酵素またはホルモン(例えば、セクレチン)の放出が含まれる)においてシグナル伝達分子として作用し得る1−アシルリゾリン脂質(1−アシルリゾホスファチジルコリンなど)の産生を減少させることができる。Huggins,Protection against diet−induced obesity and obesity−related insulin resistance in Group 1B−PLA−deficient mice,Am.J.Physiol.Endocrinol.Metab.283:E994−E1001(2002)(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
本発明の別の態様は、体重増加による食事誘導性糖尿病の発症を軽減または遅延するための組成物、キット、および方法を提供する。無検査の高脂肪食は、体重増加を引き起こし得るだけでなく、糖尿病性インスリン抵抗性に寄与し得る。この抵抗性を、被験体中のインスリンおよびレプチンレベルの減少によって認識することができる。本明細書中に開示のホスホリパーゼインヒビター、組成物、キット、および方法を、食事誘導性糖尿病または他のインスリン関連容態(例えば、洋食摂取時の被験体におけるインスリンおよび/またはレプチンレベルの減少)の予防的処置で使用することができる。
いくつかの実施形態では、ホスホリパーゼA2を阻害するが、ホスホリパーゼBを阻害しないか、有意に阻害しないか、本質的に阻害しない内腔局在化ホスホリパーゼインヒビターを使用する。いくつかの実施形態では、ホスホリパーゼインヒビターは、ホスホリパーゼA2を阻害するが、他の胃腸ホスホリパーゼを阻害しない(ホスホリパーゼA1を阻害しないか、有意に阻害しないか、本質的に阻害しないことおよびホスホリパーゼBを阻害しないか、有意に阻害しないか、本質的に阻害しないことが含まれる)。
コレステロール関連容態の治療
本明細書中で使用される、用語「コレステロール関連容態」は、一般に、HMG−CoA還元酵素の活性の調整が望ましく、そして/または1つ以上のHMG−CoA還元酵素産物の産生および/または影響の調整が望ましい容態をいい、どのような場合でも、一般に、異常脂質血症が含まれ得る。好ましい実施形態では、本発明のホスホリパーゼインヒビターは、HMG−CoA還元酵素活性を減少させ、そして/または1つ以上のHMG−CoA還元酵素産物の産生および/または影響を減少させる。例えば、コレステロール関連容態は、高レベルのコレステロール、特に、血漿中の非HDLコレステロール(例えば、高レベルのLDLコレステロールおよび/またはVLDL/LDLレベル)を含み得る。典型的には、患者は、多数の基準に基づいて、コレステロールレベルが高いと見なされる(例えば、Pearlman BL,The New Cholesterol Guidelines,Postgrad Med,2002;112(2):13−26(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。ガイドラインには、HDLレベルと比較したLDLのなどの血清脂質プロフィールが含まれる。
コレステロール関連容態の例には、高コレステロール血症、脂質障害(高脂血症など)アテローム発生および心血管疾患のその続発症(アテローム性動脈硬化症が含まれる)、他の血管炎症状態、心筋梗塞、虚血性卒中、閉塞性卒中、および末梢血管疾患、ならびにコレステロールの減少が有益であり得る他の容態が含まれる。
特に興味深い他のコレステロール関連容態には、異常脂質血症性容態(高トリグリセリド血症など)が含まれる。肝臓トリグリセリド合成は、利用可能な脂肪酸、グリコーゲン貯蔵、およびインスリン−グルカゴン比によって調整される。高グルコース食を摂取した患者(例えば、高炭水化物食または高糖類食を摂取した患者および/または典型的にかかる食事を消費することが公知の集団中の患者が含まれる)は、過剰なインスリンを維持し、グリコーゲン貯蔵も構築するようなホルモンのバランスを有する可能性が高く、これらの両方により、肝臓トリグリセリド合成が増強される。さらに、糖尿病患者は特に感受性が高く、これは、糖尿病患者がしばしば過体重であり、且つカロリー過多の状態であるからである。したがって、本発明は、本明細書中に記載の各実施形態では、高トリグリセリド血症に関する治療に特に重要である。
特許請求の範囲に明確に引用されていない理論に拘束されないが、本発明のホスホリパーゼA2インヒビターは、1つを超える機械的経路を介してトリグリセリドおよびコレステロールを調整することができる。例えば、本発明のホスホリパーゼA2インヒビターは、胃腸管からのコレステロール吸収およびトリグリセリド吸収を調整することができ、例えば、リゾホスファチジルコリン(ホスファチジルコリンのPLA2触媒加水分解の反応生成物)などのシグナル伝達分子を、直接操作するか、および/またはインスリンなどの他のホルモンと併せて操作して介することにより、脂肪およびグルコースの代謝を調整することもできる。かかる代謝調整は、高脂肪/高二糖類食または高脂肪/高炭水化物食における患者の血清コレステロールおよびトリグリセリドに直接影響を及ぼし得る。VLDLは、肝臓から周辺組織への内因性循環のために肝臓に含まれるリポタンパク質である。VLDLは、その周囲のアポリポタンパク質B100、C1、CII、CIII、およびEに沿ったコアにトリグリセリド、コレステロール、およびホスホリパーゼを含む。トリグリセリドはVLDLの半分を超える重量を構成し、VLDLのサイズは、トリグリセリドの量によって決定される。非常に巨大なVLDLは、過剰なトリグリセリドが存在するので、カロリー過剰状態で、真性糖尿病において、およびアルコール消費後の、肝臓によって分泌される。そのように、ホスホリパーゼA2活性の阻害は、代謝(例えば、肝臓トリグリセリド合成が含まれる)に影響を及ぼし得る。トリグリセリド合成の調整(例えば、増加の減少または少なくとも相対的減少)は、血清トリグリセリドレベルおよび/または血清コレステロールレベルの調整の基礎を提供し得、さらに、高トリグリセリド血症および/または高コレステロール血症の治療の基礎を提供し得る。かかる治療は、糖尿病患者(典型的には、その炭水化物制限食で脂肪がより高い食事と置き換える患者)および高トリグリセリド血症患者(典型的には、脂肪を高炭水化物食に置換する患者)の両方に有益であろう。これに関して、タンパク質の増加のみでは、通常、ほとんどの糖尿病患者および/または高トリグリセリド血症患者を長期間維持できない。
さらに、血清トリグリセリドレベルの調整は、アテローム性動脈硬化症などの心血管疾患に有利な影響を及ぼし得る。肝臓に含まれるか肝臓から循環に放出されるVLDL中に含まれるトリグリセリドは、リポタンパク質リパーゼによって加水分解され、その結果、VLDLはVLDL残留物(=IDL)に変換される。VLDL残留物は、肝臓に入るか(巨大なものは優先的に肝臓に入る)、LDLを生じ得る。したがって、循環中のVLDLの上昇によってHDLが低下し、これが逆コレステロール輸送を担う。高トリグリセリド血症がLDLレベルの上昇に寄与し、HDLレベルの低下にも寄与するので、高トリグリセリド血症は、アテローム性動脈硬化症および冠状動脈疾患などの心血管疾患(特に、上記)の危険因子である。したがって、本発明のホスホリパーゼ−A2インヒビターを使用した高トリグリセリド血症の調整により、かかる心血管疾患の治療の基礎も提供され得る。
本発明の組成物、キット、および方法を使用して治療可能な他のコレステロール関連容態には、現在スタチンを使用して治療されている容態ならびにコレステロール吸収の減少によって利点を得ることができる他の容態が含まれる。
一定の実施形態では、本発明の内腔局在化ホスホリパーゼインヒビターを使用して、コレステロールレベル、特に非HDL血漿コレステロールレベルを減少させ、高トリグリセリド血症を治療することができる。
いくつかの好ましい実施形態では、組成物は、ホスホリパーゼA2およびホスホリパーゼA2に加えて少なくとも1つの他の胃腸管ホスホリパーゼ(好ましくは、ホスホリパーゼBなど、ならびにホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼC、および/または ホスホリパーゼDなども阻害することができる。
本発明の他の実施形態では、ホスホリパーゼの差次的活性を使用して、他のホスホリパーゼの阻害に起因する望ましくない副作用を起こすことなく一定のホスホリパーゼ関連容態を治療することができる。例えば、一定の実施形態では、PLAを阻害するが、例えば、PLA1、PLB、PLC、またはPLDを阻害しないか、有意に阻害しないか、本質的に阻害しないホスホリパーゼインヒビターを使用して、ホスホリパーゼ阻害治療を受けた被験体(例えば、被験体が高脂肪食を摂取した場合)のコレステロール吸収に影響を与えないか、有意に影響を与えないか、本質的に影響を与えないで、インスリン関連容態(例えば、糖尿病)および/または体重関連容態(例えば、肥満)を治療することができる。
本明細書中に開示のホスホリパーゼインヒビター、方法、およびキットを、ホスホリパーゼ関連容態の治療で使用することができる。いくつかの好ましい実施形態では、これらの影響を、一部の被験体の食事および/または活動を変化させることなく実現することができる。例えば、胃腸内腔中のPLAの活性を阻害して、被験体がPLA阻害治療を受けていない場合と比較して、洋食を摂取した際の被験体の脂肪吸収を減少させ、そして/または体重増加を低下させることができる。より好ましくは、この減少および/または低下は、一部の被験体のエネルギー消費および/または食物摂取を変化させないか、有意に変化させないか、本質的に変化させないか、被験体の体温を変化させないか、有意に変化させないか、本質的に変化させないで起こる。さらに、好ましい実施形態では、本発明のホスホリパーゼインヒビターを使用して、非高脂肪食の通常の代謝態様に影響を及ぼすことなく高脂肪食の一定の負の結果を相殺することができる。
本発明はまた、ホスホリパーゼ関連容態、好ましくは、食事によって誘導されるホスホリパーゼA2関連容態またはホスホリパーゼ関連容態(インスリン関連容態(例えば、糖尿病、特に2型糖尿病)、体重関連容態(例えば、肥満)および/またはコレステロール関連容態が含まれるが、これらに限定されない)を治療するために使用することができるキットを含む。これらのキットは、少なくとも1つの本発明の組成物および本明細書中に記載の種々の方法にしたがったキットの使用を教示する説明書を含む。
インヒビターの処方、投与経路、および有効量
本発明で有用なホスホリパーゼインヒビターまたはその薬学的に許容可能な塩を、多数の投与経路または投与様式を使用して患者に送達することができる。用語「薬学的に許容可能な塩」は、本発明で使用した化合物の生物学的有効性および性質を保持し、且つ生物学的または他の点で望ましくないわけではない塩を意味する。かかる塩には、無機酸または有機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、マンデル酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、またはマレイン酸)との塩が含まれる。さらに、本発明で使用される化合物がカルボキシル基または他の酸性基を含む場合、化合物を、無機塩基または有機塩基との薬学的に許容可能な付加塩に変換することができる。適切な塩基の例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシル−アミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンが含まれる。
必要であるか望ましい場合、ホスホリパーゼインヒビターを、1つ以上の他の治療薬と組み合わせて投与することができる。本発明の組成物と同時投与することができる治療薬の選択は、治療される病態に一部依存するであろう。例えば、肥満または他の体重関連容態の治療のために、本発明のいくつかの実施形態のホスホリパーゼインヒビターを、スタチン、フィブラート、胆汁酸結合剤、エゼチミブ(ezitimibe)(例えば、Zetiaなど)、サポニン、リパーゼインヒビター(例えば、Orlistatなど)、および/または食欲減衰薬などと組み合わせて使用することができる。インスリン関連容態(例えば、糖尿病)の治療に関して、本発明のいくつかの実施形態のホスホリパーゼインヒビターを、ビグアニド(例えば、Metformin)、チアゾリジンジオン、および/またはα−グルコシダーゼインヒビターなどと組み合わせて使用することができる。
ホスホリパーゼインヒビター(またはその薬学的に許容可能な塩)自体を投与するか、活性化合物が1つ以上の薬学的に許容可能なキャリア、賦形剤、または希釈剤との混合物である薬学的組成物の形態で投与することができる。本発明で使用するための薬学的組成物を、薬学的に使用することができる調製物への活性化合物の処理を容易にする賦形剤および助剤を含む1つ以上の生理学的に許容可能なキャリアを使用した従来の様式で処方することができる。適切な処方物は、選択した投与経路に依存する。
ホスホリパーゼインヒビターを、直接配置(direct placement)によるか、経口的に、および/または直腸的に投与することができる。好ましくは、ホスホリパーゼインヒビターまたはホスホリパーゼインヒビターを含む薬学的組成物を、経口投与する。ホスホリパーゼインヒビターを投与する経口形態には、粉末、錠剤、カプセル、溶液、または乳濁液が含まれ得る。有効量を、単回用量または適切な時間間隔(数時間など)に分割した一連の用量で投与することができる。
経口投与のために、化合物を、活性化合物と当該分野で周知の薬学的に許容可能なキャリアとの組み合わせによって容易に処方することができる。かかるキャリアは、本発明の化合物を、治療すべき患者による経口摂取のための錠剤、丸薬、ドラジェ、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液、およびウェハースなどとして処方することを可能にする。いくつかの実施形態では、インヒビターを、徐放性調製物として処方することができる。経口用の薬学的調製物を、固体賦形剤として得ることができ、任意選択的に粉砕して混合物にし、顆粒の混合物に処理し、必要に応じて適切な助剤を添加して、錠剤またはドラジェコアを得ることができる。適切な賦形剤は、特に、糖(ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールが含まれる);セルロース調製物(例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、イネデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)など)などの充填剤である。必要に応じて、崩壊剤(架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)など)を添加することができる。
ドラジェコアを、適切なコーティングを使用して得ることができる。この目的のために、濃縮糖液を使用することができ、これは、任意選択的に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含み得る。活性化合物用量の異なる組み合わせを識別または特徴づけるために、染料および色素を錠剤またはドラジェコーティングに添加することができる。いくつかの実施形態では、経口処方物は、腸溶コーティングを含まない。
経口で使用することができる薬学的調製物には、ゼラチンでできた押し込み式のカプセルならびにゼラチンおよび可塑剤(グリセロールまたはソルビトールなど)でできた密閉軟カプセルが含まれる。押し込み式カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに、任意選択的に、安定剤と混合した有効成分を含み得る。軟カプセルでは、活性化合物を、適切な液体(脂肪油、流動パラフィン、またはポリエチレングリコールなど)に溶解するか懸濁することができる。さらに、安定剤を添加することができる。経口投与のための全処方物は、投与に適切な投薬量でなくてはならない。
経口投与および非経口投与のための液体投薬形態の処方で使用される適切なキャリアには、非水性の薬学的に許容可能な極性溶媒(炭化水素、アルコール、アミド、オイル、エステル、エーテル、ケトン、および/またはその混合物など)、ならびに水、生理食塩水、電解質溶液、デキストロース溶液(例えば、DW5)、および/または任意の他の水性の薬学的に許容可能な液体が含まれる。
適切な非水性の薬学的に許容可能な極性溶媒には、以下が含まれるが、これらに限定されない:アルコール(例えば、2〜30個の炭素原子を有する脂肪族または芳香族アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、アミレン水和物、グリセリン(グリセロール)、グリコール、ヘキシレングリコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、脂肪アルコールの脂肪酸エステル(ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールなど)、ソルビタン、コレステロール、およびスクロースなど);アミド(例えば、ジメチルアセトアミド(DMA)、ベンジルベンゾアートDMA、N,N−ジメチルアセトアミドアミド、2−ピロリジノン、ポリビニルピロリドン、および1−メチル−2−ピロリジノンなど);エステル(例えば、2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン、および酢酸エステル(モノアセチン、ジアセチン、およびトリアセチンなど)、脂肪族または芳香族エステル(ジメチルスルホキシド(DMSO)、アルキルオレアート、カプリル酸エチル、安息香酸エチル、酢酸エチル、オクタノアート、安息香酸ベンジル、酢酸ベンジル、グリセリンのエステル(クエン酸または酒石酸モノ、ジ、トリグリセリルなど)、炭酸エチル、オレイン酸エチル、乳酸エチル、N−メチルピロリジノンなど)、脂肪酸エステル(ミリスチン酸イソプロピル、ソルビタンの脂肪酸、モノステアリン酸グリセリルなど)グリセリドエステル(モノ、ジ、トリグリセリドなど)、脂肪酸由来PEGエステル(PEG−ヒドロキシステアラートおよびPEG−ヒドロキシオレアートなど)、プルロニック60、ポリオキシエチレンソルビトールオレイン酸ポリエステル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノステアラート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノパルミタートなど)、アルキレンオキシ修飾脂肪酸エステル(ポリオキシル40硬化ヒマシ油およびポリオキシエチル化ヒマシ油など)、糖脂肪酸エステル(すなわち、単糖類、二糖類、または少糖類の脂肪酸との縮合生成物)(例えば、飽和脂肪酸(カプリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、カプリン酸、ラウリン酸、およびステアリン酸など)および不飽和脂肪酸(パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、およびリノール酸など))、またはステロイダルエステルなど);アルキル、アリール、または環状エーテル(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、およびジメチルイソソルビドなど);グリコフロール(テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル);ケトン(例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン、およびメチルエチルケトンなど);脂肪族、脂環式、または芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジオキソラン、ヘキサン、n−ヘキサン、n−デカン、n−ドデカン、スルホラン、テトラメチレンスルホキシド、テトラメチレンスルホン、トルエン、テトラメチレンスルホキシド、およびジメチルスルホキシド(DMSO)など);鉱物油、動物油、植物油、精油、または合成油(例えば、鉱物油(精製パラフィン油、脂肪族またはワックスベースの炭化水素、脂肪族炭化水素、ならびに混合脂肪族および芳香族炭化水素など)、植物油(リンシード油、ダイズ油、ヒマシ油、ナタネ油、ココナッツ油、キリ油、ベニバナ油、綿実油、ラッカセイ油、ヤシ油、オリーブ油、トウモロコシ油、トウモロコシ胚芽油、ゴマ油、杏仁油、およびピーナッツ油など)など)、ならびにグリセリド(モノ、ジ、またはトリグリセリドなど)、動物油(タラ肝油、ハリバーオイル(haliver)、魚油(fish)、魚油(marine)、精子、スクアレン、スクアラン、ポリオキシエチル化ヒマシ油、サメ肝油、およびオレイン酸油など);アルキルまたはアリールハライド(例えば、塩化メチレン);モノエタノールアミン;トロラミン;石油ベンジン;ω−3多価不飽和脂肪酸(例えば、α−リノレン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびエイコサペンタエン酸);12−ヒドロキシステアリン酸のポリグリコールエステル;ポリエチレングリコール;およびポリオキシエチレングリセロールなど。
例えば、直接配置のための本発明のホスホリパーゼインヒビターの薬学的組成物の処方で使用することができる他の薬学的に許容可能な溶媒は、当業者に周知である(例えば、Modern Pharmaceutics,(G.Bankerら、eds.,3d ed.)(Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,1995),The Handbook of Pharmaceutical Excipients,(American Pharmaceutical Association,Washington,D.C.;The Pharmacological Basis of Therapeutics,(Goodman & Gilman,McGraw Hill Publishing),Remington’s Pharmaceutical Sciences(A.Gennaro,ed.,19th ed.)(Mack Publishing,Easton,Pa.,1995),Pharmaceutical Dosage Forms,(H.Liebermanら、eds.,)(Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,1980);and The United States Pharmacopeia 24,The National Formulary 19,(National Publishing,Philadelphia,Pa.,2000を参照のこと)。
直腸投与のための処方物を、胃腸管(例えば、小腸)へのホスホリパーゼインヒビターの放出のための坐剤、軟膏、腸溶剤、錠剤、またはクリームの形態で調製することができる。直腸用坐剤を、1つ以上の本発明のホスホリパーゼインヒビターまたはその薬学的に許容可能な塩と許容可能なビヒクル(例えば、ココアバター)(融点を変化させるためのワックスを添加するか添加しない)との混合によって作製することができる。許容可能なビヒクルには、通常の保存温度で固体であり、体内(直腸など)でホスホリパーゼインヒビターを放出するのに適切な温度で液体であるグリセリン、サリチル酸塩、および/またはポリエチレングリコールも含まれ得る。軟ゼラチン型の直腸処方物および坐剤でオイルを使用することもできる。水溶性坐剤基剤(種々の分子量のポリエチレングリコールなど)も使用することができる。水、生理食塩水、水性デキストロースおよび関連糖溶液、グリセロール、懸濁剤(ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースなど)、ならびに緩衝液および防腐剤を使用する懸濁処方物を調製することができる。
本発明での使用に適切な薬学的組成物には、有効成分が有効量(すなわち、少なくとも1つの治療条件下で治療的利点および/または予防的利点を得るのに十分な量)で存在する組成物が含まれる。特定の適用のための実際の有効量は、治療条件および投与経路に依存するであろう。有効量の決定は、特に、本明細書中の開示を考慮して、十分に当業者の能力の範囲内である。例えば、上記の表1に示したIC50値および範囲は、当業者が対応するホスホリパーゼ阻害部分の有効な投薬量を選択するためのガイダンスを提供する。
ホスホリパーゼインヒビターに言及する場合の有効量は、一般に、医学または薬学分野の種々の規制機関または諮問機関(例えば、FDA、AMA)または製造者もしくは供給者のいずれかによって推薦または承認されている投与範囲、投与様式、処方などを意味するであろう。ホスホリパーゼインヒビターの有効量を、例えば、Physicians Desk Referenceに見出すことができる。ホスホリパーゼ関連容態(インスリン関連容態(例えば、糖尿病)、体重関連容態(例えば、肥満)および/またはコレステロール関連容態など)の治療で利点を得ることに言及する場合の有効量は、一般に、医学または薬学分野の種々の規制機関または諮問機関(例えば、FDA、AMA)または製造者もしくは供給者のいずれかによって推薦または承認された臨床結果を達成するレベルを意味するであろう。
当業者は、当該分野で公知の技術を使用して、ホスホリパーゼインヒビターの有効量を決定することができる。本発明では、胃腸内腔に局在したホスホリパーゼインヒビターの有効量は、かかる局在の非存在下での投与量よりも少なくてよい。ホスホリパーゼインヒビターの投与量の少しの減少でさえ、本発明に有用と見なされる。ホスホリパーゼインヒビターの有効量の有意な減少または統計的に有意な減少が特に好ましい。本発明のいくつかの実施形態では、ホスホリパーゼインヒビターは、ホスホリパーゼ活性を、非内腔局在化インヒビターと比較してより広い範囲で減少させる。ホスホリパーゼインヒビターの内腔局在化により、ホスホリパーゼ関連容態(インスリン関連容態(例えば、糖尿病)、体重関連容態(例えば、肥満)、および/またはコレステロール関連容態など)の治療に必要な有効量を、約5〜約95%減少させることができる。ホスホリパーゼインヒビターの使用量は、推奨投薬量と同一であるか、この容量より高いか、推奨用量より低くてよい。
いくつかの実施形態では、ホスホリパーゼインヒビターの推奨投薬量は、約0.1mg/kg/日と約1,000mg/kg/日との間である。ヒトにおける使用のための有効量を、動物モデルから決定することができる。例えば、動物(例えば、マウスモデル)に有効であることが見出された循環および/または胃腸濃度(以下のサンプル中に記載の濃度など)が達成されるようにヒトのための用量を処方することができる。
当業者は、ホスホリパーゼ産物(例えば、リゾホスファチジルコリン(LPC)(PLAの産物))の量の測定によってホスホリパーゼ阻害を決定することができる。LPC量を、例えば、食事後の小腸レベル、リンパレベル、および/または血清レベルの測定によって決定することができる。ホスホリパーゼ阻害量の別の決定技術は、胃腸管から流動物サンプルを直接採取することを含む。当業者は、例えば、血清コレステロールおよび/またはトリグリセリドレベルのモニタリングによって患者における本発明のホスホリパーゼインヒビターの影響をモニタリングすることもできるであろう。他の技術が当業者に明らかであろう。ホスホリパーゼ阻害の測定および/またはいくつかの実施形態のホスホリパーゼインヒビターの影響の実証のための他のアプローチを、以下の実施例にさらに例示する。
内腔局在化PLA2−インヒビター
上記のように、いくつかの実施形態では、本発明のPLA2インヒビターは、好ましくは、内腔局在化PLA2インヒビターである。かかるホスホリパーゼインヒビターを、内腔局在化機能性および酵素阻害機能化の両方を有するように適応させることができる。いくつかのスキームでは、かかる二重機能性の一定の態様を、相乗的に達成することができる(例えば、同一の構造特性および/または電荷特性の使用による)。他のスキームでは、内腔局在化機能性を、酵素阻害機能性から独立して達成することができる(例えば、異なる構造特性および/または電荷特性を使用する)。
図2に示した化合物2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸(本明細書中でILY−4001(またはメチルインドキサム)と呼ばれる)を評価して、in−vitro Caco−2細胞アッセイ(実施例6Bを参照のこと)およびin−vivo研究における生物学的利用能(例えば、実施例6Cを参照のこと)を使用して、その吸収を考慮した。本発明の好ましい実施形態に従って、例えば、電荷の改変および/またはインドール部分のポリマーへの共有結合によって、この化合物の生物学的利用能を減少させることができ、相互に、内腔局在を改良することができる(例えば、2005年5月3日出願の発明の名称が「Phospholipase Inhibitors Localized in the Gastrointestinal Lumen」であるCharmotらの共有にかかるPCT出願番号US/2005/015418号)(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。
本発明のホスホリパーゼインヒビターは、被験体への投与の際にホスホリパーゼインヒビターが胃腸内腔中に実質的に留まるように胃腸内腔に局在することが好ましい。投与後、局在化ホスホリパーゼインヒビターは、胃腸管(胃、十二指腸、小腸、および大腸が含まれる)に留まり、胃腸管を自然に通過し得る(胃腸管を介して身体を通過するまで)。ホスホリパーゼインヒビターは、好ましくは、少なくとも胃および十二指腸の通過時に実質的に安定であり(例えば、ホスホリパーゼ阻害についての組成物および/または機能性に関して)、より好ましくは、胃腸管の胃、十二指腸、および小腸の通過時に実質的に安定であり、最も好ましくは、全胃腸管の通過時に実質的に安定である。ホスホリパーゼインヒビターは、例えば、ホスホリパーゼ基質を異化するかホスホリパーゼ消化産物の吸収および/または下流活性を調整するように胃腸内腔で作用することができる。
ホスホリパーゼインヒビターは、1つのアプローチでは、胃腸管粘膜を介して吸収されないことによって、胃腸内腔内に局在する。別のアプローチとして、ホスホリパーゼインヒビターを、粘膜細胞内に吸収させ、その後に胃腸内腔に流出させて戻すことによって胃腸内腔中に局在化することができる。
一般に、ホスホリパーゼインヒビターを内腔局在化することができる1つ以上の上記の一般的アプローチへの分類に制限されないが、本発明の好ましいホスホリパーゼインヒビター(本発明の種々の態様で意図される)を、いくつかの一般的な内腔局在化実施形態によって実現することができる。1つの一般的な内腔局在化実施形態では、例えば、ホスホリパーゼインヒビターは、結合部分を介して本発明のホスホリパーゼ阻害部分に直接または間接的に共有結合した多官能性架橋部分(オリゴマー部分、ポリマー部分、または非反復部分など)を含み得る(本明細書中に記載のインドール関連化合物およびインドール化合物が含まれる)。さらなる一般的な実施形態では、内腔局在化ホスホリパーゼインヒビターは、置換有機小分子(上記のインドール関連化合物およびインドール化合物が含まれる)自体であり得る。
一般に、本発明の種々の態様および本発明の種々の態様内に含まれる実施形態について、インヒビターを、被験体への投与の際に被験体(動物、好ましくは哺乳動物(例えば、ヒトおよび他の動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター、ネコ、イヌ、ブタ、家禽類、ウシ、およびウマ)が含まれる)など)の胃腸内腔に局在化することができる。用語「胃腸内腔」を、本明細書中で、用語「内腔」と交換可能に使用し、この用語は、胃腸管内の空間または空洞をいい、動物の消化管ということもできる。いくつかの実施形態では、ホスホリパーゼインヒビターは、胃腸粘膜を介して吸収されない。「胃腸粘膜」は、胃腸内腔と残りの身体とを分離する細胞層をいい、胃および腸の粘膜(小腸の粘膜など)が含まれる。いくつかの実施形態では、胃腸粘膜細胞によるインヒビターの取り込みの際の胃腸内腔への流出によって内腔局在化が達成される。本明細書中で使用される場合、「胃腸粘膜細胞」は、胃腸粘膜の任意の細胞(例えば、消化管の上皮細胞(腸細胞、結腸細胞、および頂端腸細胞(apical enterocyte)など)が含まれる)をいう。かかる流出により、正味の非吸収効果が達成される。これらの用語、関連する用語、および文法上の変形形態を本明細書中で使用する。
好ましいアプローチでは、リン酸インヒビターは、胃腸内腔から胃腸粘膜細胞に実質的に吸収されないインヒビターであり得る。そのようなものとして、本明細書中で使用される場合、「吸収されない」は、有意な量、好ましくは実質的に有意な量、より好ましくは本質的に全てのホスホリパーゼインヒビターが胃腸内腔に残存するように適合されたインヒビターをいうことができる。例えば、少なくとも約80%のホスホリパーゼインヒビターが胃腸内腔中に残存し、少なくとも約85%のホスホリパーゼインヒビターが胃腸内腔中に残存し、少なくとも約90%のホスホリパーゼインヒビターが胃腸内腔中に残存し、少なくとも約95%、少なくとも約98%、好ましくは少なくとも約99%、より好ましくは少なくとも約99.5%が胃腸内腔に残存する。相互に、血清生物学的利用能に関して述べる場合、被験体への投与後に、ホスホリパーゼインヒビターの生理学的に有意でない量が血清中に吸収される。例えば、被験体へのホスホリパーゼインヒビターの投与の際、ホスホリパーゼインヒビターの投与量の多くて約20%が被験体の血清中に存在し(例えば、投与後の検出可能な血清生物学的利用能に基づく)、好ましくは、ホスホリパーゼインヒビターの多くて約15%、最も好ましくは、ホスホリパーゼインヒビターの多くて約10%が被験体の血清中に存在する。いくつかの実施形態では、多くて約5%,多くて約2%,好ましくは多くて約1%,より好ましくは多くて約0.5%が被験体の血清中に存在する。いくつかの場合、胃腸内腔への局在化は、例えば、経細胞輸送および傍細胞輸送の両方ならびに能動輸送および/または受動輸送による胃腸粘膜を通過する正味の移動の減少をいうことができる。かかる実施形態におけるホスホリパーゼインヒビターは、例えば、小腸の頂端細胞を介した経細胞輸送における胃腸粘膜細胞の正味の透過を妨害する。これらの実施形態におけるホスホリパーゼインヒビターはまた、内腔を裏打ちする胃腸粘膜細胞の間の傍細胞輸送における「密着結合(tight junction)」を介した正味の透過を妨害する。用語「吸収しない(not absorbed)」を、本明細書中で、用語「非吸収(non−absorbed)」、「非吸収性(non−absorbedness)」、「非吸収(non−absorption)」、および他の文法上の変形形態と交換可能に使用する。
いくつかの実施形態では、ホスホリパーゼインヒビターの電荷および/またはサイズの改変、特に、他の物理的または化学的パラメーターのさらなる改変によって、インヒビターおよび阻害部分を、非吸収部分に適合することができる。例えば、いくつかの実施形態では、胃腸粘膜を介した吸収を最小にするか無くする分子構造を有するようにホスホリパーゼインヒビター構築する。薬物の吸収特性を、薬物動態学の原理の適用(例えば、「ルールオブファイブ」としても公知のリピンスキーの法則の適用)によって選択することができる。一連のガイダンスとして、リピンスキーは、(i)分子量、(ii)水素結合供与体数、(iii)水素結合受容体数、および(iv)水/オクタノール分配係数(Moriguchi logP)のそれぞれが一定の閾値を超える小分子薬物が、一般に、有意な全身濃度を示さないことを示す。Lipinskyら、Advanced Drug Delivery Reviews,46,2001 3−26(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。したがって、1つ以上のリピンスキーの閾値、好ましくは2つまたはそれを超えるか、3つまたはそれを超えるか、4つまたはそれを超えるリピンスキーの閾値を超える分子構造を有するように非吸収ホスホリパーゼインヒビターを構築することができる。Lipinskiら、Experimental and computational approaches to estimate solubility and permeability in drug discovery and development settings,Adv.Drug Delivery Reviews,46:3−26(2001);およびLipinski,Drug−like properties and the causes o poor solubility and poor permeability,J.Pharm.& Toxicol.Methods,44:235−249(2000)(本明細書中で参考として援用される)も参照のこと。いくつかの好ましい実施形態では、例えば、1つ以上の以下の特徴を特色とするように本発明のホスホリパーゼインヒビターを構築することができる。(i)MWが約500Daを超えること、(ii)NHおよび/またはOHおよび/または他の潜在的水素結合供与体の総数が約5を超えること、(iii)O原子および/またはN原子および/または他の潜在的水素結合供与体の総数が約10を超えること、および/または(iv)Moriguchi分配係数が約10を超える(すなわち、logPが約5を超える)こと。下記の当該分野で公知のホスホリパーゼインヒビターおよび/または任意のホスホリパーゼ阻害部分を、非吸収分子構造の構築で使用することができる。
好ましくは、化合物の透過性を、実験でスクリーニングする。当業者に公知の方法(例えば、Caco−2細胞透過性アッセイが含まれる)によって、透過係数を決定することができる。ヒト結腸癌細胞株Caco−2を使用して、腸薬物吸収をモデリングし、その透過性に基づいて化合物を順位づけすることができる。例えば、1×10−7cm/秒またはそれ未満の範囲のCaco−2単層で測定された見かけ上の値が、典型的に不十分なヒト吸収に相関することが示されている(Artursson P,K.J.(1991)。胃腸粘膜モデルとして人工膜を使用して、透過性を決定することもできる。例えば、合成膜に、例えば、レシチンおよび/またはドデカンを添加して、胃腸粘膜の正味の透過特性を模倣することができる。この膜を使用して、ホスホリパーゼインヒビターを含む区画と透過率をモニタリングする区画とを分離することができる。“Correlation between oral drug absorption in humans and apparent drug.”Biochemical and Biophysical Research Communications 175(3):880−885。また、並行人工膜透過性アッセイ(PAMPA)を、行うことができる。かかるin vitro測定は、in vivoでの実際の透過性を合理的に示すことができる。例えば、Wohnslandら、J.Med.Chem.,2001,44:923−930;Schmidtら、Millipore corp.Application note,2002,n AN1725EN00,およびn AN1728EN00(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。透過係数を、その常用対数(Log Pe)として報告する。
いくつかの実施形態では、Wohnslandら、J.Med.Chem.2001,44.923−930に記載の透過性実験で測定した場合、ホスホリパーゼインヒビターの透過係数Log Peは、好ましくは、約−4未満、約−4.5未満、または約−5未満、より好ましくは約−5.5未満、さらにより好ましくは約−6未満である。
記載のように、1つの一般的な内腔局在化の実施形態では、ホスホリパーゼインヒビターは、ホスホリパーゼ阻害部分(上記のインドール関連化合物およびインドール化合物など)を含むことができ、これは、より大きな部分(多官能性架橋部分(例えば、オリゴマー部分、ポリマー部分、または非反復部分など)に結合しているか、カップリングしているか、そうでなければ付着しており、かかるオリゴマー部分、ポリマー部分、または非反復部分は、疎水性部分、親水性部分、および/または荷電部分であり得る。一般に、本発明の多価インヒビター部分または1価インヒビター部分を、非吸収サイズにすることができ、例えば、1つ以上の特徴または特徴の組み合わせ(荷電の特徴、親水性/疎水性特性の相対的バランスおよび/または分布、ならびに分子構造など)に基づいて酵素阻害性を示すように適合することができる。この一般的な実施形態におけるオリゴマー、ポリマー、または非反復単位は、好ましくは可溶性であり、好ましくは、コポリマー(2単量体反復単位を有するポリマー、三元重合体、および高次ポリマーが含まれる)(例えば、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーが含まれる)であり得る。オリゴマーまたはポリマーは、一般に、1つ以上のイオン性モノマー部分(1つ以上の陰イオン性モノマー部分など)を含み得る。このオリゴマーまたはポリマーは、一般に、1つ以上の疎水性モノマー部分を含み得る。
この一般的な実施形態内の1つのより特異的なアプローチでは、ポリマー部分は、比較的高分子量であり得る(例えば、約1000Da〜約500,000Daの範囲、好ましくは約5000〜約200,000Daの範囲、より好ましくは、胃腸粘膜を介した(正味の)吸収を妨害または排除するのに十分に高い)。巨大なポリマー部分は、例えば、除去アプローチで有利であり得、これには、複数の阻害部分を有する比較的大きな可溶性または不溶性の(例えば、架橋)ポリマーを含む(例えば、図2に関連して以下で考察する)。
この一般的な実施形態内の別のより特定のアプローチでは、オリゴマーまたはポリマー部分は、低分子であり得る(例えば、多くて約5000Da、好ましくは多くて約3000Da、いくつかの場合、多くて約1000Da)。好ましくは、このアプローチ内で、オリゴマーまたはポリマー部分は、疎水性ポリマーのブロックから本質的になるかこれを含むことができ、それにより、インヒビターを水−脂質界面と会合可能にする。
引用文献一覧
以下の引用文献は、例えば、上記の本発明に関する当該分野で公知の知識を記載する。いくつかの場合、これらの引用文献を、最初の2人の著者および年号を参照することにより、本発明の説明において上記で引用している。これらの引用文献は、本明細書中で参考として援用される。
Figure 2009517341
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実施例1:マウスモデルにおけるインスリン抵抗性の軽減
ホスホリパーゼインヒビター(例えば、本明細書中に開示のホスホリパーゼ阻害部分を含む組成物)をマウスモデルで使用して、例えば、糖尿病の食事誘導性発症に関する食事誘導性インスリン抵抗性の抑制を証明することができる。ホスホリパーゼインヒビターを、一定の投薬量(例えば、約1mL/kg体重未満または約25〜約50μL/用量)の固形飼料サプリメントとして、および/または経口細管栄養BIDによって動物被験体に投与することができる。インヒビター懸濁液に典型的なビヒクルは、約5〜約13mg/mLのインヒビター濃度で、約0.9%カルボキシメチルセルロース、約9%PEG−400、および約0.05%Tween80を含む。この懸濁液を、日常の固形飼料のサプリメントとして添加することができ(例えば、食事の約0.015重量%未満)、そして/または経口細管栄養BIDによって投与することができる(例えば、約10mg/kg体重〜約90mg/kg体重の1日量)。
使用したマウス固形飼料は、洋食(高脂肪および/または高コレステロール食)を代表する組成物を有し得る。例えば、固形飼料は、食事中に約21重量%の乳脂肪および約0.15重量%のコレステロールを含むことができ、総カロリーの42%が脂肪に由来する。例えば、Harlan Teklad,diet TD88137を参照のこと。インヒビターを固形飼料に混合する場合、インヒビターを含むか含まないビヒクルを固形飼料と混合し、研究期間中に毎日マウスに与えることができる。
研究の継続期間は、典型的には、約6〜約8週間であり、この期間中に毎日動物被験体に投与する。典型的な投与群(約6〜約8匹の動物/群を含む)は、非処置コントロール群、ビヒクルコントロール群、および約10mg/kg体重〜約90mg/kg体重の範囲の投与処置群から構成され得る。
約6〜約8週間の研究期間の終了時に、経口耐糖能試験および/またはインスリン感受性試験を以下のように行うことができる。
経口耐糖能試験−一晩の絶食後、各投与群由来のマウスに、グルコースボーラスを含む約50μLの生理食塩水を与えることができる(例えば、約2g/kg体重を使用した胃細管栄養による)。グルコース投与前、投与から約15分後、約30分後、約60分後、および約120分後に血液サンプルを尾静脈から得ることができる。次いで、種々の時点での血糖値を決定することができる。
インスリン感受性試験−午前中の約6時間の絶食後、各投与群のマウスに、例えば、腹腔内投与を使用して、ウシインスリン(例えば、約1U/kg体重)を投与することができる。インスリン投与前、投与から約15分後、約30分後、約60分後、および約120分後に血液サンプルを尾静脈から得ることができる。次いで、例えば、放射免疫アッセイによって、種々の時点での血漿インスリンレベルを決定することができる。
非吸収ホスホリパーゼインヒビター(例えば、ホスホリパーゼA2インヒビター)の影響は、インスリン抵抗性の減少(すなわち、例えば、洋食(高脂肪/高コレステロール食)を与えた用量処置群の細胞および動物における、コントロール群の動物と比較したグルコース代謝効率の増加によるグルコースチャレンジに対するより良好な抵抗性)である。有効な投薬量も決定することができる。
実施例2:マウスモデルにおける脂肪吸収の減少
ホスホリパーゼインヒビター(例えば、本明細書中に開示のホスホリパーゼ阻害部分を含む組成物)をマウスモデルで使用して、例えば、洋食を摂取した被験体の脂肪吸収の減少を証明することができる。ホスホリパーゼインヒビターを、一定の投薬量(例えば、約1mL/kg体重未満または約25〜約50μL/用量)の固形飼料サプリメントとして、および/または経口細管栄養BIDによって動物被験体に投与することができる。インヒビター懸濁液に典型的なビヒクルは、約5〜約13mg/mLのインヒビター濃度で、約0.9%カルボキシメチルセルロース、約9%PEG−400、および約0.05%Tween80を含む。この懸濁液を、日常の固形飼料のサプリメントとして添加することができ(例えば、食事の約0.015重量%未満)、そして/または経口細管栄養BIDによって投与することができる(例えば、約10mg/kg体重〜約90mg/kg体重の1日量)。
使用したマウス固形飼料は、洋食(高脂肪および/または高コレステロール食)を代表する組成物を有し得る。例えば、固形飼料は、食事中に約21重量%の乳脂肪および約0.15重量%のコレステロールを含むことができ、総カロリーの42%が脂肪に由来する。例えば、Harlan Teklad,diet TD88137を参照のこと。インヒビターを固形飼料に混合する場合、インヒビターを含むか含まないビヒクルを固形飼料と混合し、研究期間中に毎日マウスに与えることができる。
約6〜約8週間の期間にトリグリセリドを測定することができ、この期間中に毎日動物被験体に投与する。典型的な投与群(約6〜約8匹の動物/群を含む)は、非処置コントロール群、ビヒクルコントロール群、および約10mg/kg体重〜約90mg/kg体重の範囲の投与処置群から構成され得る。週ごとのベースで、血漿サンプルを動物被験体から採取し、例えば、血液循環への脂質の吸収量を決定するために、総トリグリセリドについて分析することができる。
非吸収ホスホリパーゼインヒビター(例えば、ホスホリパーゼA2インヒビター)の影響は、脂質血漿レベルの正味の減少であり、これは、洋食(高脂肪/高コレステロール食)を与えた用量処置群の動物における、コントロール群の動物と比較した脂肪吸収の減少を示す。
実施例3:マウスモデルにおける食事誘導性高コレステロール血症の軽減
ホスホリパーゼインヒビター(例えば、本明細書中に開示のホスホリパーゼ阻害部分を含む組成物)をマウスモデルで使用して、例えば、食事誘導性高コレステロール血症の抑制を証明することができる。ホスホリパーゼインヒビターを、固形飼料サプリメントとして、および/または経口細管栄養BIDによって動物被験体に投与することができる(例えば、約1mL/kg体重または約25〜約50μL/用量)。インヒビター懸濁液に典型的なビヒクルは、約5〜約13mg/mLのインヒビター濃度で、約0.9%カルボキシメチルセルロース、約9%PEG−400、および約0.05%Tween80を含む。この懸濁液を、日常の固形飼料のサプリメントとして添加することができ(例えば、食事の約0.015重量%未満)、そして/または経口細管栄養BIDによって投与することができる(例えば、約10mg/kg体重〜約90mg/kg体重の1日量)。
使用したマウス固形飼料は、洋食(高脂肪および/または高コレステロール食)を代表する組成物を有し得る。例えば、固形飼料は、食事中に約21重量%の乳脂肪および約0.15重量%のコレステロールを含むことができ、総カロリーの42%が脂肪に由来する。例えば、Harlan Teklad,diet TD88137を参照のこと。インヒビターを固形飼料に混合する場合、インヒビターを含むか含まないビヒクルを固形飼料と混合し、研究期間中に毎日マウスに与えることができる。
約6〜約8週間の期間にコレステロールおよび/またはトリグリセリドを測定することができ、この期間中に毎日動物被験体に投与する。典型的な投与群(約6〜約8匹の動物/群を含む)は、非処置コントロール群、ビヒクルコントロール群、および約10mg/kg体重〜約90mg/kg体重の範囲の投与処置群から構成され得る。週ごとのベースで、血漿サンプルを動物被験体から採取し、例えば、血液循環へのコレステロールおよび/または脂質の吸収量を決定するために、総コレステロールおよび/またはトリグリセリドについて分析することができる。マウス中のほとんどの血漿コレステロールがHDLに関連するので(ヒトにおけるほとんどのコレステロールがLDLに関連するのと対照的)、血漿非HDLレベル(例えば、VLDL/LDL)の低下における非吸収ホスホリパーゼインヒビターの有効性の決定を補助するために、HDLおよび非HDL画分を分離することができる。
非吸収ホスホリパーゼインヒビター(例えば、ホスホリパーゼA2インヒビター)の影響は、洋食(高脂肪/高コレステロール食)を与えた用量処置群の動物における、コントロール群の動物と比較した高コレステロール血症の正味の減少である。有効投薬量も決定することができる。
実施例4:ILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)(メチルインドキサム)の合成
本実施例は、ホスホリパーゼインヒビターまたは阻害部分として使用するための化合物を合成した。具体的には、図2に示す化合物2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸を合成した。本化合物を、ILY−4001としてこれらの実施形態で示し、あるいは、本明細書中でメチルインドキサムという。
ILY−4001の全合成スキームを概説している図9を参照する。図9に示す各化合物の下の数字は、以下の実験の説明中の各化合物の化学名に関連した括弧内の数字に対応する。
2−メチル−3−メトキシアニリン(2)[04−035−11]。撹拌した冷却(約5℃)ヒドラジン水和物(159.7g、3.19mol)に、10〜20℃の85%ギ酸(172.8g、3.19mol)を滴下した。得られた混合物を、亜鉛粉(104.3g、1.595mol)を含む2−メチル−3−ニトロアニソール(1)(53.34g、0.319mol)のメタノール溶液(1000mL)の撹拌懸濁液に滴下した。発熱反応が起こった。添加完了後、反応混合物をさらに2時間(温度が61℃から室温に低下するまで)撹拌し、沈殿物を濾過して取り出し、メタノール(3×150mL)で洗浄した。濾過物を減圧濃縮して、約250mLの体積にした。残渣を、EtOAc(500mL)およびNaHCOの飽和水溶液(500mL)で処理した。水相を分離して取り出し、破棄した。有機層を水(300mL)で洗浄し、1N HCl(800mL)で抽出した。酸性抽出物を、EtOAc(300mL)で洗浄し、KCO(90g)で塩基性にした。遊離塩基2をEtOAc(3×200mL)で抽出し、合わせた抽出物をMgSOで乾燥させた。濾過および濾過物からの溶媒の除去後、赤色オイルとして生成物2を得て、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。収率:42.0g(96%)。
N−tert−ブチルオキシカルボニル−2−メチル−3−メトキシアニリン(3)[04−035−12]。アミン2(42.58g、0.31mol)およびジ−tert−ブチルジカルボナート(65.48g、0.30mol)を含むTHF(300mL)の撹拌溶液を加熱して、還流を4時間保持した。室温に冷却後、反応混合物を減圧濃縮し、残渣をEtOAc(500mL)に溶解した。得られた溶液を、0.5Mクエン酸(2×100mL)、水(100mL)、NaHCOの飽和水溶液(200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過および濾過物からの溶媒の除去後、残渣(赤色オイル、73.6g)をヘキサン(500mL)に溶解し、シリカゲルのパッド(TLC用)で濾過した。濾過物を減圧下で蒸発させて、黄色固体としてN−Bocアニリン3を得た。収率:68.1g(96%)。
4−メトキシ−2−メチル−1H−インドール(5)[04−035−13]。N−Bocアニリン3(58.14g、0.245mol)を含む無水THF(400mL)の撹拌した冷却(−50℃)溶液に、−48〜−50℃の1.4Mのsec−BuLiを含むシクロヘキサン(0.491mol、350.7mL)溶液を滴下し、反応混合物を−20℃に加温した。−60℃への冷却後、−57〜−60℃のN−メトキシ−N−メチルアセトアミド(25.30g、0.245mol)のTHF(25mL)溶液を滴下した。反応混合物を−60℃で1時間撹拌し、15℃まで1時間加温した。−15℃への冷却後、2N HCl(245mL)で反応を停止させ、得られた混合物を、2N HClで約pH7に調整した。有機層を分離して取り出し、確保した。水相をEtOAc(3×100mL)で抽出した。有機溶液を減圧濃縮し、残存する青白いオイルをEtOAc(300mL)に溶解し、EtOAc抽出物と合わせた。得られた溶液を、水(2×200mL)、0.5Mクエン酸(100mL)、NaHCOの飽和水溶液(100mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過および濾過物からの溶媒の除去後、青白いオイルとして出発物質であるN−Bocアニリン3と中間体であるケトン4との混合物(約1:1mol/mol)を得た(67.05g)。
得られたオイルを無水CHCl(150mL)に溶解し、溶液を0〜−5℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(65mL)を滴下し、反応混合物を室温まで加温した。16時間の撹拌後、さらなるトリフルオロ酢酸部分(35mL)を添加し、16時間撹拌し続けた。反応混合物を減圧濃縮し、赤色オイル状の残渣をCHCl(500mL)に溶解した。得られた溶液を水(3×200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。シリカゲル60パッドでの濾過および減圧下での濾過物の蒸発により、黄色固体として粗生成物5(27.2g)を得た。ドライクロマトグラフィ(TLC用のシリカゲル、20%EtOAcを含むヘキサン)による精製により、白色固体としてインドール5を得た。収率:21.1g(53%)。
1−[(1,1’−ビフェニル)−2−イルメチル]−4−メトキシ−2−メチル−1H−インドール(6)[04−035−14]。インドール5(16.12g、0.10mol)を含む無水DMF(100mL)溶液を、水素化ナトリウム(0.15mol、6.0g、60%鉱物油、反応前に100mLのヘキサンで洗浄)を含むDMF(50mL)の撹拌冷却(約15℃)懸濁液に滴下し、反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。約5℃への反応混合物の冷却後、2−フェニルベンジルブロミド(25.0g、0.101mol)を滴下し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。水(10mL)で反応を停止させ、EtOAc(500mL)を添加した。反応混合物を水(2×200mL+3×100mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過および減圧下での濾過物からの溶媒の除去後、残渣(35.5g、高粘度の赤色オイル)を、ドライクロマトグラフィ(TLC用のシリカゲル、5%→25%CHClを含むヘキサン)によって精製して、青白いオイルとして生成物6を得た。収率:23.71g(72%)。
1−[(1,1’−ビフェニル)−2−イルメチル]−4−ヒドロキシ−2−メチル−1H−インドール(7)[04−035−15]。メトキシ誘導体6(23.61g、72.1mmol)を含む無水CHCl(250mL)の撹拌冷却(約10℃)溶液に、15〜20℃の1MのBBrを含むCHCl(300mmol、300mL)溶液を滴下し、暗色反応混合物を室温で5時間撹拌した。減圧下での反応混合物の濃縮後、暗色オイル状残渣を約5℃に冷却し、予め冷却した(15℃)EtOAc(450mL)に溶解した。得られた冷却溶液を水(3×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過および減圧下での濾過物からの溶媒の除去後、残渣(26.1g、暗色半固体)を、ドライクロマトグラフィ(TLC用のシリカゲル、5%→25%EtOAcを含むヘキサン)によって精製して、褐色固体として生成物7を得た。収率:4.30g(19%)。
2−{1−[(1,1’−ビフェニル)−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イル]オキシ}−酢酸 メチルエステル(8)[04−035−16]。水素化ナトリウム(0.549g、13.7mmol、60%鉱物油)を含む無水DMF(15mL)の撹拌懸濁液に、化合物7(4.30g、13.7mmol)を含むDMF(30mL)溶液を滴下し、得られた混合物を室温で40分間撹拌した。ブロモ酢酸メチル(2.10g、13.7mmol)を滴下し、室温で21時間撹拌し続けた。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(4×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過および減圧下での濾過物からの溶媒の除去後、残渣(5.37g、暗色半固体)を、ドライクロマトグラフィ(TLC用のシリカゲル、5%→30%EtOAcを含むヘキサン)によって精製して、黄色固体として生成物8を得た。収率:4.71g(89%)。
2−{[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−1−[(1,1’−ビフェニル)−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イル]オキシ}−酢酸メチルエステル(9)[04−035−17]。塩化オキサリル(1.55g、12.2mmol)を含む無水CHCl(20mL)の撹拌溶液に、化合物8を含むCHCl(40mL)溶液を滴下し、反応混合物を室温で80分間撹拌した。反応混合物を−10℃に冷却した後、NHの飽和CHCl溶液(10mL)を滴下し、次いで、反応混合物を約0℃のNH(気体)で飽和した。沈殿の形成が認められた。反応混合物を室温まで加温し、減圧濃縮によって乾燥させた。暗色固体残渣(6.50g)を、ドライクロマトグラフィ(TLC用のシリカゲル、30%EtOAcを含むヘキサン→100%EtOAc)に供して、黄色固体として生成物9を得た。収率:4.64g(83%)。
2−{[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−1−[(1,1’−ビフェニル)−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イル]オキシ}−酢酸(ILY−4001)[04−035−18]。化合物9(4.61g、10.1mmol)を含むTHF(50mL)と水(10mL)との混合物の撹拌溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.848g、20.2mmol)を含む水溶液(20mL)を小分けにして添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。水(70mL)の添加後、反応混合物を減圧濃縮して、約100mLの体積にした。黄色沈殿の形成が認められた。残存する黄色スラリーに、2N HCl(20mL)およびEtOAc(200mL)を添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。帯黄色−帯緑色の沈殿物を濾過によって取り出し、EtOAc(3×20mL)、EtO(20mL)、およびヘキサン(20mL)で洗浄した。真空乾燥後、青白い固体として生成物(2.75g)を得た。MS:443.27(M+1)。元素分析:C2622+HOの計算値:C,67.82;H,5.25;N,6.08。実測値:C,68.50;H,4.96;N,6.01.HPLC:純度96.5%。H NMR(DMSO−d)7.80(br s,1H),7.72−7.25(m,9H),7.07(t,1H),6.93(d,1H),6.57(d,1H),6.43(d,1H),5.39(s,2H),4.68(s,2H),2.38(s,3H)。
濾過物の水相を分離して取り出し、有機層をブライン(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過および減圧下での濾過物からの溶媒の除去後、帯緑色固体残渣をEtOAc(3×10mL)、EtO(10mL)、およびヘキサン(10mL)で洗浄した。真空乾燥後、帯緑色固体として生成物のさらなる部分(1.13g)を得た。
全収率:2.75g+1.13g=3.88g(87%)。
実施例5:PLA2−IBインヒビターとしておよび食事関連容態の治療のためのILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)のin−vivo評価
本実施例は、図2に示す化合物2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸が有効なホスホリパーゼ−2A IBインヒビターであり、表現型の影響が遺伝子欠損PLA2(−/−)マウスの影響に近いおよび/または匹敵することを証明した。本実施例はまた、本化合物が体重関連容態、インスリン関連容態、およびコレステロール関連容態などの容態(特に、肥満、真性糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能低下、高コレステロール血症、および高トリグリセリド血症などの容態が含まれる)の治療で有効であることも証明した。本実施例では、化合物2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸を、ILY−4001(あるいは、本明細書中でメチルインドキサムという)と示す。
ILY−4001(図2)を、野生型マウスおよび遺伝子欠損PLA2(−/−)マウス(本明細書中で、PLA2ノックアウト(KO)マウスともいう)を使用した一連の実験でPLA2 IBインヒビターとして評価した。これらの実験では、野生型およびPLA2(−/−)マウスを、高脂肪/高スクロース食で維持した(詳細を以下に記載する)。
1−パルミトイル−2−(10−ピレンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロールアッセイに関して、ILY−4001のIC50測定値は、ヒトPLA2 IB酵素に対して約0.2μMであり、マウスPLA2 IB酵素に対しては0.15μMであり、このアッセイは、PLA2 IB酵素で処置した小胞からのピレン基質の放出を測定する(Singer,Ghomashchiら、2002)。実証研究において、約0.062のIC−50値が決定された。(実施例6Aを参照のこと)。マウスおよびヒト膵臓PLA2に対するその活性に加えて、メチルインドキサムは低pHで安定であり、したがって、胃を通過して残存すると予想されるであろう。Caco−2アッセイ(実施例6Bを参照のこと)および薬物動態学研究(実施例6Cを参照のこと)に基づいて、ILY−4001は胃腸内腔からの吸収が比較的低い。
この実施例5の研究では、以下の表1に示す処置群を使用して、24匹のマウスを研究した。簡潔に述べれば、それぞれ6匹のマウスを有する4群を準備した。3群は、各群に6匹の野生型PLA2(+/+)マウスを含み(全部で18匹)、1群は6匹の遺伝子欠損PLA2(−/−)マウスを含んでいた。野生型群のうちの1つを、野生型コントロール群として使用し、ILY−4001で処置しなかった。他の2つの野生型群をILY−4001で処置し、そのうちの一方の群を25mg/kg/日の低用量で処置し(表1中で「L」として示す)、他方の群を90mg/kg/日の高用量で処置した(表1中で「H」として示す)。PLA2(−/−)マウスを含む群を、正のコントロール群として使用した。
表1:ILY−4001研究についての処置群
Figure 2009517341
本実験で使用した実験プロトコールを以下に示した。4つのマウス群(野生型および同系PLA2(−/−)C57BL/Jマウスが含まれる)を、低脂肪食/低炭水化物食に3日間馴化させた。3日間の馴化後、動物を一晩絶食させ、ベースライン体重と共に、ベースライン血清コレステロール、トリグリセリド、および血糖値を確立するために、血清サンプルを採取した。次いで、各処置群のマウスに、高脂肪/高スクロース糖尿病誘発食(研究用食D12331)を与えた。1000gの高脂肪/高スクロースD12331食は、カゼイン(228g)、DL−メチオニン(2g)、マルトデキストリン10(170g)、スクロース(175g)、ダイズ油(25g)、硬化ココナッツ油(333.5g)、ミネラルミックスS10001(40g)、重炭酸ナトリウム(10.5g)、クエン酸カリウム(4g)、ビタミンミックスV10001(10g)、およびコリン酒石酸(2g)から構成されていた。25gのマウスによって摂取される化合物の平均1日量が、0mg/kg/日(野生型コントロール群およびPLA2(−/−)コントロール群)、25mg/kg/日(低用量野生型処置群)、または90mg/kg/日(高用量野生型処置群)であるように、この食事にILY−4001処置を補足した。動物を、この高脂肪/高スクロース食(ILY−4001補給飼料と指定する)で10週間維持した。
処置開始時ならびに研究開始から4週間後および10週間後に、全ての処置群およびコントロール群の全ての動物の体重を測定した(実施例5Aを参照のこと)。処置開始時(ベースライン)ならびに研究開始から4週間後および10週間後に採血も行い、空腹時グルコースを決定した(実施例5Bを参照のこと)。処置開始時(ベースライン)および10週間後に採取した血液からコレステロールおよびトリグリセリドレベルを決定した(実施例5Cを参照のこと)。
実施例5A:PLA2−IBインヒビターとしてのILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)のin−vivo評価における体重増加
上記の実施例5に一般に記載の研究では、処置開始時ならびに研究開始から4週間後および10週間後に、全ての処置群およびコントロール群の全ての動物の体重を測定した。高脂肪/高スクロース糖尿病誘発食に補足したILY−4001を使用した上記の治療プロトコールを使用して、体重増加の顕著な減少が認められた。
図3を参照して、ILY−4001を投与していない野生型マウス(群1、野生型コントロール)の体重増加は、研究開始時から4週間後までの実質的な体重増加および10週間後までの体重増加のさらなる倍増の予想パターンに従った。対照的に、ILY−4001を投与せずに同一の食事で飼育されたPLA2(−/−)マウス(PLA2 KOマウス)(群4、PLA2(−/−)コントロール)の体重増加も、4〜10週間で実質的に有意に変化せず、研究期間にわたって体重はわずかしか増加しなかった(5g未満)。2つの処置群(25mg/kg/日および90mg/kg/日)は、野生型コントロール群と比較して、研究から4週間後および10週間後に体重増加が有意に減少した。両処置群は、4週間後にPLA2(−/−)マウスで達成された体重増加に近い範囲に調整された体重増加を示した。低用量処置群は、10週間後にPLA2(−/−)マウスで達成された体重増加に匹敵する範囲に調整された体重増加を示した。
実施例5B:PLA2−IBインヒビターとしてのILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)のin−vivo評価における空腹時血清グルコース
上記の実施例5に一般に記載の研究では、処置開始時(ベースライン)ならびに研究開始から4週間後および10週間後に採血して、空腹時グルコースを決定した。高脂肪/高スクロース糖尿病誘発食に補足したILY−4001を使用した上記の治療プロトコールを使用して、空腹時血清グルコースレベルの顕著な減少が認められた。
図4を参照して、野生型コントロールマウス(群1)では、継続した高血漿グルコースレベルが示され、これは、4週間後および10週間後の両方において、高脂肪/高スクロース糖尿病誘発食摂取と一致し、これを表す。対照的に、PLA2(−/−)KOマウス(群4)は、4週間後および10週間後の両方で空腹時血糖値の統計的に有意な減少が認められ、これは、この糖尿病誘発食で飼育されたマウスで通常は認められないインスリンに対する感受性の増加を反映した。高用量ILY−4001処置群(群3)は、4週間後および10週間後の両方で空腹時血糖値の類似の減少が認められ、これは、高脂肪/高スクロース食で飼育した野生型マウスと比較してこの群のインスリン感受性が改良されたこと、およびPLA2(−/−)KOマウスで認められた表現型に近いことを示した。低用量ILY−4001処置群(群2)は、中等度の有益な影響が4週間後に見られたが、10週間後には見られなかった。
実施例5C:PLA2−IBインヒビターとしてのILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)のin−vivo評価における血清コレステロールおよびトリグリセリド
上記の実施例5に一般に記載の研究では、処置開始時(ベースライン)および研究開始から10週間後採血して、コレステロールおよびトリグリセリドレベルを決定した。高脂肪/高スクロース糖尿病誘発食に補足したILY−4001を使用した上記の治療プロトコールを使用して、血清コレステロールレベルおよび血清トリグリセリドレベルの両方の顕著な減少が認められた。
図5Aおよび5Bを参照して、高脂肪/高スクロース食の10週間後に、野生型コントロール動物(群1)は、研究開始時に取ったベースライン測定値と比較して、循環コレステロールレベル(図5A)およびトリグリセリドレベル(図5B)の両方が顕著且つ実質的に増加した。PLA2(−/−)KO動物(群4)は、対照的に、これらの脂質の同一の増加は認められず、コレステロール値およびトリグリセリド値はそれぞれ、野生型コントロール群で認められた値の1/2〜1/3であった。顕著には、低用量および高用量のILY−4001での処置(それぞれ、群2および群3)は、コレステロールおよびトリグリセリドの血漿レベルを実質的に減少させ、これは、PLA2(−/−)KOマウスに匹敵するレベルの有益な影響に類似していた。
実施例6:性質決定研究−ILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)
本実施例は、IC50アッセイ(実施例6A)によって決定する場合は活性に関して、in−vitro Caco−2アッセイ(実施例6B)によって決定する場合は細胞吸収に関して、in−vivoマウス研究(実施例6C)を使用して決定する場合には生物学的利用能に関してILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)(あるいは、本明細書中でメチルインドキサムと呼ばれる)を性質決定した。
実施例6A:IC−50研究−ILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)
本実施例は、ILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)(あるいは、本明細書中でメチルインドキサムと呼ばれる)のIC50活性値を評価した。
文献に記載のPLA2活性の連続的蛍光定量アッセイを使用して、ICを決定した(Leslie,CC and Gelb,MH(2004)Methods in Molecular Biology“Assaying phospholipase A2 activity”,284:229−242,Singer,AGら、(2002)Journal of Biological Chemistry“Interfacial kinetic and binding properties of the complete set of human and mouse groups I,II,V,X,and XII secreted phospholipases A2”,277:48535−48549,Bezzine,Sら、(2000)Journal of Biological Chemistry“Exogenously added human group X secreted phospholipase A(2)but not the group IB,IIA,and V enzymes efficiently release arachidonic acid from adherent mammalian cells”,275:3179−3191)およびその中の参考文献。
一般に、本アッセイは、sn−2脂肪アシル鎖の末端にピレンフルオロフォアを有するホスファチジルグリセロール(またはホスファチジルメタノール)基質を使用した。理論に拘束されないが、リン脂質小胞中の隣接リン脂質からピレンが極めて近いために、単量体ピレンと比較してスペクトル特性が変化した。ウシ血清アルブミンは水相に存在し、PLA2触媒反応によってグリセロール骨格から遊離する場合に、ピレン脂肪酸を捕捉した。しかし、このアッセイでは、強力なインヒビターが、グリセロール骨格からのピレン脂肪酸の遊離を阻害することができる。したがって、図7Aに示すスキーム1に示すように、かかる特徴により、アルブミン結合ピレン脂肪酸の蛍光のモニタリングによって高感度のPLA2阻害アッセイが可能である。任意の所与のホスホリパーゼに及ぼす所与のインヒビターおよびインヒビター濃度の影響を決定することができる。
本実施例では、以下の試薬および装置を、以下の供給元から得た。
1.ブタPLA2 IB
2.1−ヘキサデカノイル−2−(1−ピレンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロール(PPyrPG)
3.1−ヘキサデカノイル−2−(1−ピレンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホメタノール(PPyrPM)
4.ウシ血清アルブミン(BSA、脂肪酸なし)
5.2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩酸塩(Tris−HCl)
6.塩化カルシウム
7.塩化カリウム
8.溶媒:DMSO、トルエン、イソプロパノール、エタノール
9.Molecular Devices SPECTRAmaxマイクロプレート分光蛍光光度計
10.Costar 96ウェルブラックウォール/クリアボトムプレート
本実施例では、以下の試薬を調製した。
1.トルエン:イソプロパノール(1:1)中のPPyrPG(またはPPyrPM)ストック溶液(1mg/mL)
2.DMSO中のインヒビターストック溶液(10mM)
3.3%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)
4.ストック緩衝液:50mM Tris−HCl(pH8.0)、50mM KCl、および1mM CaCl
本実施例では、以下のように手順を実施した。
1.3mLの3%BSAを47mLストック緩衝液に添加することによってアッセイ緩衝液を調製した。
2.連続希釈したインヒビターをアッセイ緩衝液に添加することによって溶液Aを調製した。インヒビターを、15μMから8回3倍に連続希釈した。
3.PLA2をアッセイ緩衝液に添加することによって溶液Bを調製した。酵素の失活を最小にするために、この溶液を使用直前に調製した。
4.30μLのPPyrPGストック溶液を90μLのエタノールに添加することによって溶液Cを調製した。次いで、120μLの全PPyrPG溶液を連続的に撹拌した8.82mLアッセイ緩衝液に約1分間にわたって滴下して、最終濃度が4.2μMのPPyrPG小胞溶液を形成させた。
5.SPECTRAmaxマイクロプレート分光蛍光光度計を、37℃に設定した。
6.100μLの溶液Aを、costar96ウェルブラックウォール/クリアボトムプレートの各阻害アッセイウェルに添加した。
7.100μLの溶液Bを、costar96ウェルブラックウォール/クリアボトムプレートの各阻害アッセイウェルに添加した。
8.100μLの溶液Cを、costar96ウェルブラックウォール/クリアボトムプレートの各阻害アッセイウェルに添加した。
9.プレートを、分光蛍光光度計のチャンバ内で3分間インキュベートした。
10.342nmの励起および395nmの放射を使用して、蛍光を読み取った。
本実施例では、BioDataFit 1.02(Four Parameter Model)ソフトウェアパッケージを使用して、IC50を計算した。曲線の当てはめの作成のために使用される式は、
Figure 2009517341
である。式中、αは上の漸近線の値であり、βは下の漸近線の値であり、κは倍率であり、γは、
Figure 2009517341
での変曲点のx座標を示す因数である(α、β、κ、γ>0、β<α、およびβ<γ<αの制限がある)。
図7Bに示す結果は、50%最大PLA2活性が得られるILY−4001濃度が0.062μMと算出されたことを示す。
実施例6B:CACO−2吸収研究−ILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)
本実施例は、Caco−2細胞を使用したin−vitroアッセイを使用して、ILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)(あるいは、本明細書中でメチルインドキサムと呼ばれる)の腸吸収を評価した。
簡潔に述べれば、ヒト結腸癌細胞株Caco−2を使用して、腸薬物吸収をモデル化した。1×10−7cm/秒またはそれ未満の範囲のCaco−2単層中で測定された見かけ上の透過値が、典型的には比較的低いヒト吸収と相関することが示されている(Artursson,P.,K.Palmら、(2001).“Caco−2 monolayers in experimental and theoretical predictions of drug transport.”Adv Drug Deliv Rev 46(1−3):27−43)。
化合物の透過性を決定するために、Caco−2細胞(ATCC)を、24ウェルのトランスウェル(Costar)に6×10細胞/cmの密度で播種した。単層を、20%FBS、100U/mLペニシリン、および100ug/mLストレプトマイシンを補足したMEM(Mediatech)中にて、37℃、湿度95%、95%大気、および5%COで成長および分化させた。培養培地を、48時間毎に交換した。21日後、細胞を、HEPESを含むHBSSで構成された輸送緩衝液で洗浄し、各ウェルの経上皮電気抵抗(TEER)の測定によって単層の完全性を評価した。350Ω−cmまたはそれより良好なTEER値を有するウェルをアッセイした。
ILY−4001およびプロプラノロール(経細胞輸送コントロール)を、輸送緩衝液で50μg/mLに希釈し、ウェルの上側に個別に添加した。LC/MS分析のために、15分、30分、45分、1時間、3時間、および6時間の時点で、150μLのサンプルを、ウェルの基底側から回収した。各サンプリング後に、前述の体積を予め加温した輸送緩衝液と置換した。見かけ上の透過性(cm/s)を、以下の式:
app=(dQ/dt)×(1/C)×(1/A)
(式中、dQ/dtは経時的なサンプリング体積について補正した透過率であり、Cは初期濃度であり、Aは単層の表面積(0.32cm)である)に基づいて計算した。実験終了後、TEERを再度測定し、350Ω−cm未満のウェルは単層完全性の低下を示し、その結果、これらのウェル由来のデータが分析に有効でなかった。最後に、ウェルを輸送緩衝液で洗浄し、100μMのLucifer Yellowをウェルの上側に添加した。15分、30分、および45分の時点でサンプリングし、LC/MSによって分析して傍細胞輸送を決定した。
ILY−4001についてのCaco−2透過性研究由来の結果を、図8Aに示す。この図でILY−4001の見かけ上の透過性(cm/s)は約1.66×10−7と決定された。傍細胞輸送および経細胞輸送コントロールとしてのLucifer Yellowおよびプロプラノロール透過性の結果も決定し、図8Bに示す。この図で、決定された見かけ上の透過性(cm/s)は、プロプラノロールについては約1.32×10−5であり、Lucifer Yellowについては約2.82×10−7+/−0.37×10−7であった。
実施例6C:薬物動態学研究−ILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)(メチルインドキサム)。
本実施例は、ILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)(あるいは、本明細書中でメチルインドキサムと呼ばれる)の生物学的利用能を評価した。具体的には、投与後の全身循環における不変のILY−4001画分を決定するために、薬物動態学研究を行った。
AUC−経口/AUC−静脈内(IV)比として、生物学的利用能を計算した。この比を決定するために、第1の動物被験体組に、一定の静脈内(IV)用量のILY−4001を投与し、その後、投与後の種々の時点(例えば、5分〜24時間)での血中ILY−4001レベルを決定した。別の第2の動物組に経口投与を使用して同様に投与し、投与後の種々の時点(例えば、30分〜24時間)での血中ILY−4001レベルを決定した。全身循環中のILY−4001レベルを、一般的に許容された方法(例えば、Evans,G.,A Handbook of Bioanalysis and Drug Metabolism.Boca Raton,CRC Press(2004)に記載の方法)によって決定した。具体的には、液体シンチレーション/質量分析/質量分析(LC/MS/MS)分析法を使用して、経口投与後および静脈内投与後の血漿ILY−4001濃度を定量した。測定した薬物動態学的パラメーターには、Cmax、AUC、tmax、t1/2、およびF(生物学的利用能)が含まれる。
この手順では、静脈内に3mg/kgおよび経口で30mg/kgのILY−4001を投与した。表2にまとめた本研究の結果は、生物学的利用能が元の経口用量の28%であることを示した。これは、ILY−4001が胃腸管から全身循環へ約72%のレベルで吸収されないことを示した。
表2:ILY−4001についての薬物動態学研究の結果
Figure 2009517341
実施例7:C4−アミドインドールおよびインドール関連化合物の合成
本実施例では、特定のC4−アミド部分を有する種々の好ましいインドールおよびインドール関連化合物を調製する。
実施例7.1(化合物4−28)
Figure 2009517341
1−ベンジル−4−ベンジルオキシ−2−メチル−1H−インドール,2:4−ヒドロキシ−2−メチルインドール(1)(50g、0.339mole)を、無水DMF(1L)に溶解した。混合物に、水素化ナトリウム60%を含む鉱物油(27.9g、0.697mole)を添加した。混合物を、室温で1時間撹拌した。混合物に、臭化ベンジル(82.7mL、0.697mole)を滴下した。混合物を、室温で18時間撹拌した。反応物を酢酸エチル(4L)で希釈し、水(5×500mL)、その後にブライン(1L)で洗浄した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。橙色のオイル状残渣を、カラムクロマトグラフィ(6:1 ヘキサン:EtOAc)によって精製して、黄色オイルとして86g(72%)の2を得た。
1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−オール(3):1−ベンジル−4−ベンジルオキシ−2−メチル−1H−インドール(2)(86g、0.263mole)を、酢酸エチル(1.5L)およびメタノール(300mL)に希釈した。混合物に、10%Pd/C(湿潤型)(18g)を添加した。次いで、反応物を、室温および1atmのマーキュリーバブラーを通したHガスに供した。混合物を6時間放置した。反応混合物をセライトで濾過し、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィ(3:1 ヘキサン:EtOAc)によって精製して、クリーム状の固体として3(30g、49%)を得た。
(1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−フルオロ−酢酸エチルエステル(6):1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−オール(3)(0.3g、1.26mmole)を、無水ジメチルホルムアミド(50mL)に溶解した。溶液に、水素化ナトリウム60%を含む鉱物油(66mg、1.65mmole)を添加した。混合物を、室温で1時間撹拌した。混合物に、エチル−2−ブロモフルオロアセタート(0.2mL、1.65mmole)を添加した。混合物を、室温で18時間撹拌した。反応物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、HO(5×100mL)およびブライン(1×100mL)で洗浄した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィ(6:1 ヘキサン:EtOAc)によって精製して、黄色オイルとして6(0.14g、32%)を得た。
2−(3−アミノオキサリル−1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−2−フルオロ−アセトアミド(Ily−IV−28):塩化オキサリル(0.042mL、0.478mmole)溶液を、無水ジクロロメタン(25mL)で希釈した。溶液に、(1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−フルオロ−酢酸エチルエステル(6)(0.14g、0.398mmole)を含む無水ジクロロメタン(25mL)を滴下した。混合物を、室温で2時間撹拌した。次いで、NHガスを溶液に30分間バブリングした。混合物を、室温で1.5時間撹拌した。ジクロロメタンを蒸発させ、残渣を酢酸エチル(300mL)に溶解し、HO(2×300mL)およびブライン(1×300mL)で洗浄した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を分取TLC(3:1 EtOAc:Hex)によって精製して、Ily−IV−28(0.050g、33%)を得た。
実施例7.2〜7.4および7.5a(化合物4−41、4−42、4−43、および4−45)
Figure 2009517341
2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−2,2−ジフルオロアセトアミド(ILY−IV−41);2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−3,3,3−トリフルオロプロパンアミド(ILY−IV−42);2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−2,3,3,3−テトラフルオロプロパンアミド(ILY−IV−43);2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−3−メチルブタンアミド(ILY−IV−45)
アルキル化:1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−オール(3)(1mmole)を、無水ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解する。溶液に、水素化ナトリウム60%を含む鉱物油(1.2mmole)を添加する。混合物を、室温で1時間撹拌する。混合物に、対応するブロモ−酢酸メチルエステル(1.2mmole)を添加する。混合物を、室温で18時間撹拌する。反応物を、酢酸エチル(300mL)で希釈し、HO(4×100mL)およびブライン(1×100mL)で洗浄する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、7を得る。
グリオキサミド化およびアミド化:対応する酢酸メチルエステル(7)(1mmole)を、無水ジクロロメタン(50mL)に溶解する。溶液に、塩化オキサリル(1.1mmole)を添加する。混合物を、室温で2時間撹拌する。次いで、NHガスを溶液に30分間バブリングする。混合物を、室温で5時間撹拌する。ジクロロメタンを蒸発させ、残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、HO(3×200mL)およびブライン(1×300mL)で洗浄する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、Ily−IV−41、Ily−IV−42、Ily−IV−43、およびIly−IV−45を得る。
実施例7.5B(化合物4−45)
Figure 2009517341
1−ベンジル−4−ベンジルオキシ−2−メチル−1H−インドール2:4−ヒドロキシ−2−メチルインドール(1)(50g、0.339mole)を、無水DMF(1L)に溶解した。混合物に、水素化ナトリウム60%を含む鉱物油(27.9g、0.697mole)を添加した。混合物を、室温で1時間撹拌した。混合物に、臭化ベンジル(82.7mL、0.697mole)を滴下した。混合物を、室温で18時間撹拌した。反応物を酢酸エチル(4L)で希釈し、水(5×500mL)、その後にブライン(1L)で洗浄した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。橙色のオイル状残渣を、カラムクロマトグラフィ(6:1 ヘキサン:EtOAc)によって精製して、黄色オイルとして86g(72%)の2を得た。
1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−オール(3):1−ベンジル−4−ベンジルオキシ−2−メチル−1H−インドール2(86g、0.263mole)を、酢酸エチル(1.5L)およびメタノール(300mL)に希釈した。混合物に、10%Pd/C(湿潤型)(18g)を添加した。次いで、反応物を、室温および1atmのマーキュリーバブラーを通したHガスに供した。混合物を6時間放置した。反応混合物をセライトで濾過し、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィ(3:1 ヘキサン:EtOAc)によって精製して、クリーム状の固体として3(30g、49%)を得た。
2−(1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−3−メチル−酪酸エチルエステル(7):1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−オール(3)(0.3g、1.26mmole)を、無水ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解した。溶液に、水素化ナトリウム60%を含む鉱物油(66mg、1.65mmole)を添加した。混合物を、室温で1時間撹拌した。混合物に、エチル−2−ブロモイソバレラート(0.344mL、1.65mmole)を添加した。混合物を、室温で18時間撹拌した。反応物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、HO(4×100mL)およびブライン(1×100mL)で洗浄した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィ(10:1 ヘキサン:EtOAc)によって精製して、7:エチル−2−ブロモイソバレラートの1:1混合物を得た。カラムクロマトグラフィ(10:1 ヘキサン:EtOAc)によるさらなる精製により、黄色オイルとして7(0.09g、19%)を得た。
2−(3−アミノオキサリル−1−ベンジル−2−メチル−1H−インドリルオキシ)−3−メチル−酪酸エチルエステル(13):2−(1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−3−メチル−酪酸エチルエステル(7)(0.09g、0.247mmole)を、無水ジクロロメタン(50mL)に溶解した。溶液に、塩化オキサリル(0.026mL、0.296mmole)を添加した。混合物を、室温で1時間撹拌した。次いで、NHガスを溶液に30分間バブリングした。混合物を、室温で1時間撹拌した。ジクロロメタンを蒸発させ、残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、HO(3×200mL)およびブライン(1×300mL)で洗浄した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、黄色固体(無機塩を含む)として13(0.23g、>100%)を得た。物質を、さらに精製することなく次の工程で使用した。
2−(3−アミノオキサリル−1−ベニル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−3−メチル−酪酸(14):2−(3−アミノオキサリル−1−ベンジル−2−メチル−1H−インドリルオキシ)−3−メチル−酪酸エチルエステル(13)(0.15g、0345mmole)を、無水エタノール(10mL)に溶解した。混合物に、0.5054N水酸化カリウム溶液(0.4mL、0.403mmole)を添加した。混合物を、室温で72時間撹拌した。反応混合物を、高真空下で蒸発させた。残渣をHO(5mL)に溶解し、2M HClで酸性化した。混合物を、30分間撹拌した。濾過によって沈殿物を回収し、HOで洗浄して、黄色固体として14(0.03g、21%)を得た。
2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−3−メチルブタンアミド(ILY−IV−45)。2−(3−アミノオキサリル−1−ベニル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−3−メチル−酪酸(14)(0.03g、0.074mmole)を、無水ジクロロメタン(20mL)に溶解した。溶液に、NHガスを30分間バブリングした。混合物を、室温で2時間撹拌した。ジクロロメタンを蒸発させ、残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解し、HO(3×50mL)およびブライン(1×30mL)で洗浄した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、粗ILY−IV−45を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィ後、黄色固体として純粋な生成物を0.029g(99%)単離した。
実施例7.6(化合物4−49)
Figure 2009517341
2−(4−(2−アミノ−1−(トリメチルアミノ)−2−オキソエトキシ)−1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−2−オキソアセトアミド塩酸塩(ILY−IV−49)
1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−オール(3)(1mmole)を、無水ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解する。溶液に、水素化ナトリウム60%を含む鉱物油(1.2mmole)を添加する。混合物を、室温で1時間撹拌する。混合物に、クロロ−ブロモ−酢酸メチルエステル(1.2mmole)を添加する。混合物を、室温で18時間撹拌する。反応物を、酢酸エチル(300mL)で希釈し、HO(4×100mL)およびブライン(1×100mL)で洗浄する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、8を得る。
対応する酢酸メチルエステル(8)(1mmole)を、無水ジクロロメタン(50mL)に溶解する。溶液に、塩化オキサリル(1.1mmole)を添加する。混合物を、室温で2時間撹拌する。次いで、NHガスを溶液に30分間バブリングする。混合物を、室温で3時間撹拌する。ジクロロメタンを蒸発させ、残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、HO(3×200mL)およびブライン(1×300mL)で洗浄する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、9を得る。
化合物9(1mmole)を、圧力管中のトリメチルアミンメタノール溶液(15mL)に溶解する。混合物を50℃で12時間撹拌する。反応混合物を、乾燥するまで蒸発させる。残渣を、エーテルでトリチュレートし、乾燥させて、ILY−IV−49を得る。
実施例7.7(化合物4−52)
Figure 2009517341
2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−2−フルオロ−N−(メチルスルホニル)アセトアミド(ILY−IV−52)
塩化オキサリル(0.478mmole)溶液を、無水ジクロロメタン(25mL)で希釈する。溶液に、(1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−フルオロ−酢酸エチルエステル(6)(0.398mmole)を含む無水ジクロロメタン(25mL)を滴下する。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、0℃に冷却する。次いで、NHガスを溶液に30分間バブリングする。混合物を、0℃で2時間撹拌する。ジクロロメタンを蒸発させ、残渣を酢酸エチル(300mL)に溶解し、HO(2×300mL)およびブライン(1×300mL)で洗浄する。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮する。残渣を精製して7を得る。
化合物7(1mmole)を、THF:HO 4:1(10mL)に溶解する。混合物に、0.5054N水酸化カリウム溶液を添加する。混合物を、室温で18時間撹拌する。反応混合物を、乾燥するまで蒸発させる。残渣をHO(5mL)に溶解し、2M HClでpH4に酸性化する。得られた沈殿物を濾過によって回収し、HOで洗浄し、乾燥させて、8を得る。
2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−2−フルオロ酢酸(8)(2.3mmol)を含むジクロロメタン/ジメチルホルムアミド混合物(4:1,10mL)溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(3.4mmol)、メタンスルホンアミド(4.5mmol)、および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(2.3mmol)を添加し、反応混合物を室温で撹拌する。24時間後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、1N HClおよびブラインで2回洗浄する。有機層をNaSOで乾燥させ、真空蒸発させる。残渣をシリカゲルのクロマトグラフィに供して、ILY−IV−52を得る。
実施例7.8(化合物4−53)
Figure 2009517341
メチル2−(1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−3−ブロモ−2,3,3−トリフルオロプロパノアート(4):1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−オール(1)(0.5g、2.1mmole)を含むDMF(25mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%鉱物油、0.11g、2.75mmole)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。メチル−2−ブロモ−2,3,3,3−テトラフルオロプロピオナート(0.5mL、2.90mmole)を混合物に添加し、室温で18時間撹拌し続けた。反応物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(3×50mL)およびブライン(3×50mL)で洗浄した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を分取TLC(4:1 Hex:EtOAc)によって精製して、橙色オイルとして中間体(4)を得た。中間体(3)は、予想される生成物ではなかった。収率:0.140g(17%)。
2−(1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−3−ブロモ−2,3,3−トリフルオロプロパン酸(5):メチル2−(1−ベンジル−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)−3−ブロモ−2,3,3−トリフルオロプロパノアート(4)(0.07g,0.177mmole)を含むTHF:HO(4:1,10mL)溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.01g,0.238mmole)を添加した。混合物を、室温で30分間撹拌した。THFを蒸発させ、混合物を、2M HClでpH3に酸性化した。水相を、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、桃色固体として中間体(5)を得た。収率:(0.066g、97%)。
実施例8:ヒト、マウス、およびブタホスホリパーゼAの阻害についてのin−vitroアッセイ
本実施例では、蛍光定量アッセイ手順を使用して、ヒト、マウス、およびブタ由来の1B群ホスホリパーゼA(PLA)のインヒビターとしての本発明のインドールおよびインドール関連化合物を評価した。本アッセイの説明は、以下の文献で見出される:Leslie,CC and Gelb,MH(2004)Methods in Molecular Biology“Assaying phospholipase A2 activity”,284:229−242;Singer,AGら(2002)Journal of Biological Chemistry“Interfacial kinetic and binding properties of the complete set of human and mouse groups I,II,V,X,and XII secreted phospholipases A2”,277:48535−48549(本明細書中で参考として援用される)。
一般に、本アッセイは、sn−2脂肪アシル鎖の末端にピレンフルオロフォアを有するホスファチジルメタノール基質を使用した。理論に拘束されないが、リン脂質小胞中の隣接リン脂質からピレンが極めて近いために、単量体ピレンと比較してスペクトル特性が変化していた。ウシ血清アルブミンは水相に存在し、PLA2触媒反応によってグリセロール骨格から遊離する場合に、ピレン脂肪酸を捕捉した。しかし、強力なインヒビターが、グリセロール骨格からのピレン脂肪酸の遊離を阻害することができる。したがって、かかる特徴により、アルブミン結合ピレン脂肪酸の蛍光のモニタリングによって高感度のPLA2阻害アッセイが可能である。ヒト、マウス、およびブタホスホリパーゼに及ぼす所与のインヒビターおよびインヒビター濃度の影響を決定した。
組換えヒトおよびマウス1B群PLAをクローン化し、不溶性封入体として大腸菌で発現させた。溶解緩衝液(50mM Tris−HCl(pH7.0)、250mM NaCl、0.5%Triton 100)中での細胞ペレットの超音波処理、12,000×gでの遠心分離、および洗浄緩衝液(20mM Tris−HCl(pH7.0)、250mM NaCl、0.5%Triton 100)中での3回の洗浄によって、封入体を単離および精製した。次いで、封入体を、溶解緩衝液(50mM Tris−HCl(pH7.0)、250mM NaCl、6Mグアニジン−HCl、1mM DTT)に溶解し、4℃で10倍体積のリフォールディング緩衝液(20mM Tris−HCl(pH7.0)、250mM NaCl、0.5Mグアニジン−HCl、5%(w/w)グリセロール、2mM還元グルタチオン、および0.4mM酸化グルタチオン)に対して4回透析した。正確にリフォールディングされたタンパク質を、窒素圧下(70psi未満)でAmicon Stirred cellを使用して濃縮し、10倍体積の50mM Tris−HCl(pH7.0)、250mM NaCl、および5%(w/w)グリセロールに対して透析した。ヒトおよびマウス1B群PLA2を、High Sイオン交換カラムおよびゲル濾過カラムによってさらに精製した。
以下の試薬および装置を、以下の供給元から得た。
・ ブタ1B群ホスホリパーゼA
・ 1−ヘキサデカノイル−2−(1−ピレンデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホメタノール(PPyrPM)
・ ウシ血清アルブミン(BSA、脂肪酸なし)
・ 2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール塩酸塩(Tris−HCl)
・ 塩化カルシウム
・ 塩化カリウム
・ 溶媒:DMSO、トルエン、イソプロパノール、エタノール
・ Molecular Devices SPECTRAmaxマイクロプレート分光蛍光光度計
・ Costar 96ウェルブラックウォール/クリアボトムプレート
以下の試薬を調製した。
・ トルエン:イソプロパノール(1:1)中PPyrPMストック溶液(1mg/mL)
・ DMSO中ILY104インヒビターストック溶液(10mM)
・ 3%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)
・ ストック緩衝液:50mM Tris−HCl(pH8.0)、50mM KCl、および1mM CaCl
評価した化合物の阻害能力を評価するために、以下の手順を行った。
1.3mLの3%BSAを47mLストック緩衝液に添加することによってアッセイ緩衝液を調製した。
2.連続希釈したインヒビターをアッセイ緩衝液に添加することによって溶液Aを調製した。インヒビターを、ストック緩衝液で15μMから8回3倍に連続希釈した。
3.ヒト、マウス、およびブタPLAをアッセイ緩衝液に添加することによって溶液Bを調製した。酵素の失活を最小にするために、この溶液を使用直前に調製した。
4.30μLのPPyrPMストック溶液を90μLのエタノールに添加することによって溶液Cを調製した。次いで、120μLの全PPyrPM溶液を連続的に撹拌した8.82mLアッセイ緩衝液に約1分間にわたって滴下して、最終濃度が4.2μMのPPyrPM小胞溶液を形成させた。
5.SPECTRAmaxマイクロプレート分光蛍光光度計を、37℃に設定した。
6.100μLの溶液Aを、costar96ウェルブラックウォール/クリアボトムプレートの各阻害アッセイウェルに添加した。
7.100μLの溶液Bを、costar96ウェルブラックウォール/クリアボトムプレートの各阻害アッセイウェルに添加した。
8.100μLの溶液Cを、costar96ウェルブラックウォール/クリアボトムプレートの各阻害アッセイウェルに添加した。
9.プレートを、分光蛍光光度計のチャンバ内で3分間インキュベートした。
10.342nmの励起および395nmの放射を使用して、蛍光を読み取った。
評価した化合物を2連で試験し、その値を平均して阻害曲線にプロットし、IC50を計算した。非阻害コントロールと比較して、試験反応物中の395nmでの放射におけるより低い蛍光シグナルは、PLAの阻害を示す。反応物中の化合物の最終濃度は、典型的には15μM〜0.007μMの範囲であったが、より強力なインヒビターは、はるかに低い濃度に希釈された。最初に活性であることが見出された化合物について、その阻害活性を繰り返し確認した。BioDataFit 1.02(Four Parameter Model)ソフトウェアパッケージを使用して、IC50を計算した。阻害曲線のあてはめを作成するために使用した式は、
Figure 2009517341
である。式中、αは上の漸近線の値であり、βは下の漸近線の値であり、κは倍率であり、γは、
Figure 2009517341
での変曲点のx座標を示す因数である(α、β、κ、γ>0、β<α、およびβ<γ<αの制限がある)。IC50値が試験で15μMの化合物濃度に到達しなかった実験では、15μMでの阻害率を報告した。
評価した化合物による膵臓分泌性ヒト、マウス、およびブタ1B群PLAについての阻害アッセイの結果を、表3にまとめる。
表3:膵臓分泌性ヒト、マウス、およびブタPLAの阻害
Figure 2009517341
これらのデータは、本発明のC4−アミドインドールおよびインドール関連化合物がホスホリパーゼA2の阻害に活性であることを証明する。
本明細書中に記載の全ての刊行物、特許、および特許出願は、各刊行物、特許、および特許出願が参考として援用されるように具体的且つ個別に示されるのと同一の程度に、本明細書中で参考として援用される。
添付の特許請求の範囲の精神または範囲を逸脱することなく、多数の変更形態および修正形態を実施可能であり、かかる変更形態および修正形態が本発明の範囲内であることが意図されると当業者に認識され得る。
図1は、ホスホリパーゼ−A2酵素(PLA2)がリン脂質の対応するリゾリン脂質への加水分解を触媒する化学反応の略図である。 図2は、本明細書中でILY−4001およびメチルインドキサムとも呼ばれる2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸の化学式である。 図3は、実施例5Aの結果を示すグラフである。この図は、野生型コントロール群(コントロール)および遺伝子欠損PLA2(−/−)ノックアウトマウス(PLA2 KO)と比較した、低用量(4001−L)および高用量(4001−H)のILY−4001を投与されたマウス群の体重増加を示す。 図4は、実施例5Bの結果を示すグラフである。この図は、野生型コントロール群(コントロール)および遺伝子欠損PLA2(−/−)ノックアウトマウス(PLA2 KO)と比較した、低用量(4001−L)および高用量(4001−H)のILY−4001を投与したマウス群の空腹時血清グルコースレベルを示す。 図5Aおよび5Bは、実施例5Cの結果を示すグラフであり。この図は、野生型コントロール群(コントロール)および遺伝子欠損PLA2(−/−)ノックアウトマウス(PLA2 KO)と比較した、低用量(4001−L)および高用量(4001−H)のILY−4001を投与したマウス群の血清コレステロールレベル(図5A)および血清トリグリセリドレベル(図5B)を示す。 図6A〜図6Dは、インドール化合物(図6A、図6C、および図6D)およびインドール関連化合物(図6B)を示す化学式を含む略図である。 図6A〜図6Dは、インドール化合物(図6A、図6C、および図6D)およびインドール関連化合物(図6B)を示す化学式を含む略図である。 図6A〜図6Dは、インドール化合物(図6A、図6C、および図6D)およびインドール関連化合物(図6B)を示す化学式を含む略図である。 図6A〜図6Dは、インドール化合物(図6A、図6C、および図6D)およびインドール関連化合物(図6B)を示す化学式を含む略図である。 図7Aおよび図7Bは、PLA2 IB酵素阻害を評価するためのin−vitro蛍光アッセイの略図(図7A)およびILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)を評価するためにこのアッセイで使用した図6Aの結果を示すグラフ(図7B)である。 図7Aおよび図7Bは、PLA2 IB酵素阻害を評価するためのin−vitro蛍光アッセイの略図(図7A)およびILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)を評価するためにこのアッセイで使用した図6Aの結果を示すグラフ(図7B)である。 図8Aおよび8Bは、ILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)(図8A)ならびに傍細胞輸送および経細胞輸送のコントロールとしてのLucifer Yellowおよびプロプラノロール(図8B)についての実施例6Bのin−vitroでのCaco−2透過性研究の結果を示すグラフである。 図9は、実施例4に記載のILY−4001(2−(3−(2−アミノ−2−オキソアセチル)−1−(ビフェニル−2−イルメチル)−2−メチル−1H−インドール−4−イルオキシ)酢酸)の全合成スキームを概説した略図(化学式が含まれる)である。

Claims (57)

  1. 置換有機化合物またはその塩を含む目的の組成物であって、前記置換有機化合物は、式(I)または(II):
    Figure 2009517341
    によって示される縮合した5員環および6員環を含む多環構造を含み、
    前記多環構造は、任意選択的に、5員環の環構造内、6員環の環構造内、または5員環および6員環のそれぞれの環構造内で置換された1つ以上のさらなるヘテロ原子を有し、前記1つ以上のさらなるヘテロ原子は、N、O、S、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、
    は、式(C4−IIC):
    Figure 2009517341
    (式中、
    Xは、O、C、S、およびNからなる群から選択され、
    41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、
    42は、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、
    43は、水素、フェニル、アリール、C〜Cアルキル、ならびに水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される)によって示される部分であり、
    は、式(C3−IまたはC3−II):
    Figure 2009517341
    (式中、
    Xは、O、C、およびNからなる群から選択され、
    31は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ハライド、ヒドロキシル、およびシアノからなる群から選択され、
    32は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ハライド、ヒドロキシル、およびシアノからなる群から選択され、
    Yは、O、S、およびNからなる群から選択され、
    33は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシル、および置換C〜Cアルコキシルからなる群から選択され、
    34およびR35は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、アミン、およびアルキルスルホニルからなる群から選択される)によって示される部分であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素、ハライド、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、およびシアノからなる群から選択され、
    、R、およびRは、それぞれ独立して、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、ホスホン酸基、スルホン酸基、アルキル、置換アルキル、アルコキシル、置換アルコキシル、アルキルカルボニル、置換アルキルカルボニル、炭素環基、複素環基、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択される、組成物。
  2. 前記Rが、式(C4−II−D):
    Figure 2009517341
    (式中、
    Xは、O、C、S、およびNからなる群から選択され、
    41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、
    42は、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される)によって示される部分である、請求項1に記載の発明。
  3. 置換有機化合物またはその塩を含む目的の組成物であって、前記置換有機化合物は、式(I)または(II):
    Figure 2009517341
    によって示される縮合した5員環および6員環を含む多環構造を含み、
    前記多環構造は、任意選択的に、5員環の環構造内、6員環の環構造内、または5員環および6員環のそれぞれの環構造内で置換された1つ以上のさらなるヘテロ原子を有し、前記1つ以上のさらなるヘテロ原子は、N、O、S、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、
    は、式(C4−III−F):
    Figure 2009517341
    (式中、
    Xは、O、C、S、およびNからなる群から独立して選択され、
    Wは電子求引基であり、
    41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、
    44は、水素、フェニル、アリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキルスルホニル、アルキルホスホニル、アミン、C〜Cアルキル、ならびに水素、ハライド、ヒドロキシル、およびアミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される)によって示される部分であり、
    は、式(C3−IまたはC3−II):
    Figure 2009517341
    (式中、
    Xは、O、C、およびNからなる群から選択され、
    31は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ハライド、ヒドロキシル、およびシアノからなる群から選択され、
    32は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ハライド、ヒドロキシル、およびシアノからなる群から選択され、
    Yは、O、S、およびNからなる群から選択され、
    33は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシル、および置換C〜Cアルコキシルからなる群から選択され、
    34およびR35は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、アミン、およびアルキルスルホニルからなる群から選択される)によって示される部分であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素、ハライド、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、およびシアノからなる群から選択され、
    、R、およびRは、それぞれ独立して、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、ホスホン酸基、スルホン酸基、アルキル、置換アルキル、アルコキシル、置換アルコキシル、アルキルカルボニル、置換アルキルカルボニル、炭素環基、複素環基、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択される、組成物。
  4. 前記Rが、式(C4−III−G):
    Figure 2009517341
    (式中、
    Xは、O、C、S、およびNからなる群から独立して選択され、
    Wは電子求引基であり、
    41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される)によって示される部分である、請求項2に記載の発明。
  5. 前記Rが、式(C4−III−H):
    Figure 2009517341
    (式中、
    Xは、O、C、S、およびNからなる群から独立して選択され、
    Wは電子求引基であり、
    41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、
    45は、水素、フェニル、アリール、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキルスルホニル、アルキルホスホニル、アミン、C〜Cアルキル、ならびに水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される)によって示される部分である、請求項2に記載の発明。
  6. 前記Rが、式(C4−III−J):
    Figure 2009517341
    (式中、
    Xは、O、C、S、およびNからなる群から独立して選択され、
    Wは電子求引基であり、
    41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、
    46は、水素、フェニル、アリール、アルキルスルホニル、アルキルホスホニル、C〜Cアルキル、ならびに水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される)によって示される部分である、請求項2に記載の発明。
  7. 前記Rが、式(C4−III−K):
    Figure 2009517341
    (式中、
    Xは、O、C、S、およびNからなる群から独立して選択され、
    Wは電子求引基であり、
    41は、水素、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキル、置換アルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択され、
    47は、水素、フェニル、アリール、C〜Cアルキル、ならびに水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される)によって示される部分である、請求項2に記載の発明。
  8. 、R、R、R、およびRからなる群から選択される前記2つまたはそれを超える隣接置換基が、隣接置換基間に独立して選択されるさらなる環を含み、かかるさらなる環は、5員環、6員環、および7員環から独立して選択され、炭素環、複素環、およびこれらの組み合わせから独立して選択される、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の発明。
  9. 前記R41が、水素、ハライド、ハロアルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルアルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の発明。
  10. 前記R42が、ハライド、ハロアルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルアルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される、請求項1、請求項2、請求項8(請求項1および請求項2のいずれか1項に従属する)、および請求項9(請求項1および請求項2のいずれか1項に従属する)のいずれか1項に記載の発明。
  11. 前記R43が、水素、C〜Cアルキル、ならびに水素、ヒドロキシル、アミン、スルホン酸基、およびホスホン酸基からなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される、請求項1、請求項8(請求項1に従属する)、請求項9(請求項1に従属する)、および請求項10(請求項1に従属する)のいずれか1項に記載の発明。
  12. 前記Wが、ハライド、ヒドロキシル、アルコキシル、ハロアルキル、カルボキシル、カルボキサミド、アルキルカルボニル、アミン、アルキルホスホニル、アルキルスルホニル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される、請求項3〜請求項7、請求項8(請求項3〜請求項7のいずれか1項に従属する)、および請求項9(請求項3〜請求項7のいずれか1項に従属する)のいずれか1項に記載の発明。
  13. 前記R44が、水素、ヒドロキシル、アルコキシル、アルキルスルホニル、C〜Cアルキル、ならびに水素、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、およびホスホン酸基からなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される、請求項3、請求項8(請求項3に従属する)、請求項9(請求項3に従属する)、および請求項12(請求項3に従属する)のいずれか1項に記載の発明。
  14. 前記R45が、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される、請求項5、請求項8(請求項5に従属する)、請求項9(請求項5に従属する)、および請求項12(請求項5に従属する)のいずれか1項に記載の発明。
  15. 前記R45が、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される、請求項5、請求項8(請求項5に従属する)、請求項9(請求項5に従属する)、および請求項12(請求項5に従属する)のいずれか1項に記載の発明。
  16. 前記R46が、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される、請求項6、請求項8(請求項6に従属する)、請求項9(請求項6に従属する)、および請求項12(請求項6に従属する)のいずれか1項に記載の発明。
  17. 前記R46が、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される、請求項6、請求項8(請求項6に従属する)、請求項9(請求項6に従属する)、および請求項12(請求項6に従属する)のいずれか1項に記載の発明。
  18. 前記R47が、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される、請求項7、請求項8(請求項7に従属する)、請求項9(請求項7に従属する)、および請求項12(請求項7に従属する)のいずれか1項に記載の発明。
  19. 前記R47が、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルからなる群から選択される、請求項7、請求項8(請求項7に従属する)、請求項9(請求項7に従属する)、および請求項12(請求項7に従属する)のいずれか1項に記載の発明。
  20. 前記Rが、
    Figure 2009517341
    (式中、
    置換アルキルは、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルである)からなる群から選択される式によって示される部分である、請求項5に記載の発明。
  21. 前記Rが、
    Figure 2009517341
    (式中、
    置換アルキルは、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルである)からなる群から選択される式によって示される部分である、請求項6に記載の発明。
  22. 前記Rが、
    Figure 2009517341
    (式中、
    置換アルキルは、水素、ハライド、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、スルホン酸基、ホスホン酸基、およびシアノからなる群から選択される部分で置換されたC〜Cアルキルである)からなる群から選択される式によって示される部分である、請求項7に記載の発明。
  23. 前記Rが、
    Figure 2009517341
    からなる群から選択される式によって示される部分である、請求項2または請求項4のいずれか1項に記載の発明。
  24. 前記Rが、
    Figure 2009517341
    からなる群から選択される式によって示される部分である、請求項3に記載の発明。
  25. 前記Rが、式(C3−I−AまたはC3−II−A):
    Figure 2009517341
    (式中、
    Xは、O、C、およびNからなる群から選択され、
    31は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ハライド、ヒドロキシル、およびシアノからなる群から選択され、
    32は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ハライド、ヒドロキシル、およびシアノからなる群から選択され、
    Yは、O、S、およびNからなる群から選択され、
    33は、任意選択的であり、存在する場合、水素、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシル、および置換C〜Cアルコキシからなる群から選択される)によって示される部分である、請求項1〜請求項24のいずれか1項に記載の発明。
  26. 前記Rが、
    Figure 2009517341
    からなる群から選択される式によって示される部分である、請求項1〜請求項24のいずれか1項に記載の発明。
  27. 前記Rが、水素、ハライド、およびC〜Cアルキルからなる群から選択される、請求項1〜請求項26のいずれか1項に記載の発明。
  28. 前記Rが、
    Figure 2009517341
    からなる群から選択される式によって示される部分である、請求項1〜請求項26のいずれか1項に記載の発明。
  29. 前記Rが、C〜C36アルキル、置換C〜C36アルキル、炭素環基、複素環基、アルキルカルボニル、置換アルキルカルボニル、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択される、請求項1〜請求項28のいずれか1項に記載の発明。
  30. 前記Rが、C〜C36アルキル、置換C〜C36アルキル、炭素環、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択される、請求項1〜請求項28のいずれか1項に記載の発明。
  31. 前記Rが、
    Figure 2009517341
    からなる群から選択される式によって示される部分である、請求項1〜請求項28のいずれか1項に記載の発明。
  32. 前記Rが、多官能性架橋部分を含む部分である、請求項1〜請求項28のいずれか1項に記載の発明。
  33. 前記Rが、式(D−I):
    Figure 2009517341
    (式中、
    nは0〜10の範囲の整数であり、
    、L、およびLは、それぞれ独立して選択された結合部分であり、
    およびZのそれぞれは、対応する結合部分を介して前記多官能性架橋部分に共有結合した多環構造であり、前記多環構造のそれぞれは、式(I)または(II):
    Figure 2009517341
    によって示される縮合した5員環および6員環を含み、前記多環構造は、独立して任意選択的に、5員環の環構造内、6員環の環構造内、または5員環および6員環のそれぞれの環構造内で置換された1つ以上のさらなるヘテロ原子を有し、前記1つ以上のヘテロ原子は、N、O、S、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記多環構造のR〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハライド、酸素、硫黄、リン、ヒドロキシル、アミン、チオール、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、エーテル、カルボニル、酸性基、カルボキシル、エステル、アミド、炭素環基、複素環基、アシルアミノ、オキシミル、ヒドラジル、およびこれらの組み合わせを含む部分からなる群から選択され、
    前記多官能性架橋部分は、前記多環構造の対応する結合基が結合する少なくとも(n+2)個の反応部位を有し、前記多官能性架橋部分は、アルキル、フェニル、アリール、アルケニル、アルキニル、複素環基、アミン、エーテル、スルフィド、ジスルフィド、ヒドラジン、ならびに酸素、硫黄、スルホニル、ホスホニル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミン、チオール、エーテル、カルボニル、カルボキシル、エステル、アミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環基、およびこれらの組み合わせを含む部分で置換された上記基のいずれかからなる群から選択される)によって示される部分である、請求項1〜請求項28のいずれか1項に記載の発明。
  34. 前記nが、1〜10の範囲の整数である、請求項33に記載の発明。
  35. 前記Rが、水素、ハライド、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、およびシアノからなる群から選択される、請求項1〜請求項34のいずれか1項に記載の発明。
  36. 前記Rが、水素、クロリド、フルオリド、ヒドロキシル、メチル、およびシアノからなる群から選択される、請求項1〜請求項34のいずれか1項に記載の発明。
  37. 前記Rが、水素、ハライド、アミン、C〜Cアルキル、置換C〜Cアルキル、酸性基、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択される、請求項1〜請求項36のいずれか1項に記載の発明。
  38. 前記Rが、式:
    Figure 2009517341
    からなる群から選択される式によって示される部分である、請求項1〜請求項36のいずれか1項に記載の発明。
  39. 前記Rが、C〜C36アルキル、置換C〜C36アルキル、炭素環基、複素環基、アルキルカルボニル、置換アルキルカルボニル、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択される、請求項1〜請求項38のいずれか1項に記載の発明。
  40. 前記Rが、C〜C36アルキル、置換C〜C36アルキル、炭素環、およびその組み合わせを含む部分からなる群から選択される、請求項1〜請求項38のいずれか1項に記載の発明。
  41. 前記Rが炭素環部分である、請求項1〜請求項38のいずれか1項に記載の発明。
  42. 前記Rが、
    Figure 2009517341
    からなる群から選択される式によって示される部分である、請求項1〜請求項38のいずれか1項に記載の発明。
  43. 前記Rが、多官能性架橋部分を含む部分である、請求項1〜請求項38のいずれか1項に記載の発明。
  44. 前記Rが、式(D−I):
    Figure 2009517341
    (式中、
    nは0〜10の範囲の整数であり、
    、L、およびLは、それぞれ独立して選択された結合部分であり、
    およびZのそれぞれは、対応する結合部分を介して前記多官能性架橋部分に共有結合した多環構造であり、前記多環構造のそれぞれは、式(I)または(II):
    Figure 2009517341
    によって示される縮合した5員環および6員環を含み、前記多環構造は、独立して任意選択的に、5員環の環構造内、6員環の環構造内、または5員環および6員環のそれぞれの環構造内で置換された1つ以上のさらなるヘテロ原子を有し、前記1つ以上のヘテロ原子は、N、O、S、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記多環構造のR〜Rは、それぞれ独立して、水素、ハライド、酸素、硫黄、リン、ヒドロキシル、アミン、チオール、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、エーテル、カルボニル、酸性基、カルボキシル、エステル、アミド、炭素環基、複素環基、アシルアミノ、オキシミル、ヒドラジル、およびこれらの組み合わせを含む部分からなる群から選択され、前記多官能性架橋部分は、前記多環構造の対応する結合基が結合する少なくとも(n+2)個の反応部位を有し、前記多官能性架橋部分は、アルキル、フェニル、アリール、アルケニル、アルキニル、複素環基、アミン、エーテル、スルフィド、ジスルフィド、ヒドラジン、ならびに酸素、硫黄、スルホニル、ホスホニル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミン、チオール、エーテル、カルボニル、カルボキシル、エステル、アミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環基、およびこれらの組み合わせを含む部分で置換された上記基のいずれかからなる群から選択される)によって示される部分である、請求項1〜請求項38のいずれか1項に記載の発明。
  45. 前記nが、1〜10の範囲の整数である、請求項44に記載の発明。
  46. 置換有機化合物またはその塩を含む目的の組成物であって、前記置換有機化合物は、式:
    Figure 2009517341
    によって示される、組成物。
  47. 薬学的組成物がホスホリパーゼインヒビターである、薬学的組成物中の請求項1〜請求項46のいずれか1項に記載の発明。
  48. 前記ホスホリパーゼインヒビターが、胃腸内腔中に存在する分泌カルシウム依存性ホスホリパーゼ−A活性を阻害する、請求項47に記載の発明。
  49. 前記ホスホリパーゼインヒビターが、胃腸内腔中に存在するホスホリパーゼ−AIB活性を阻害する、請求項47に記載の発明。
  50. 薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む、請求項47〜請求項49のいずれか1項に記載の発明。
  51. 前記ホスホリパーゼインヒビターが、被験体への投与の際に胃腸内腔中に局在する、請求項47〜請求項50のいずれか1項に記載の発明。
  52. ホスホリパーゼ阻害部分に共有結合したオリゴマーまたはポリマー部分をさらに含み、前記ホスホリパーゼインヒビター部分が、請求項1〜請求項45のいずれか1項に記載の組成物によって定義される組成物である、請求項1〜請求項51のいずれか1項に記載の発明。
  53. 有効量の薬学的組成物を被験体に投与する工程を含む容態の治療方法であって、前記薬学的組成物が、請求項1〜請求項52のいずれか1項に記載の発明を含むホスホリパーゼ−Aインヒビターである、方法。
  54. 医薬品として使用するためのホスホリパーゼ−Aインヒビターを含む薬物であって、前記ホスホリパーゼ−Aインヒビターが、請求項1〜請求項52のいずれか1項に記載の発明を含む、薬物。
  55. 医薬品として使用するための薬物の製造のためのホスホリパーゼ−Aインヒビターの使用を含む方法であって、前記ホスホリパーゼ−Aインヒビターが、請求項1〜請求項52のいずれか1項に記載の発明を含む、方法。
  56. 食用食材およびホスホリパーゼ−Aインヒビターを含む食品組成物であって、前記ホスホリパーゼ−Aインヒビターが、請求項1〜請求項52のいずれか1項に記載の発明を含む、食品組成物。
  57. 前記ホスホリパーゼインヒビターが胃腸内腔中に局在し、その結果、被験体への投与の際、少なくとも約80%のホスホリパーゼインヒビターが胃腸内腔中に残存する、請求項47〜請求項56のいずれか1項に記載の発明。
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