JP2009515920A - 心不整脈を治療するためのアザフェニルアラニン化合物の使用 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は心不整脈を治療または予防するためのあるアザフェニルアラニン化合物の使用に関する。
例えばアルガトロバンやナドロパリンのような他の抗血栓化合物は抗不整脈特性も有することは知られていない。
ある局面において、本発明は、心不整脈を治療または予防、例えば治療するための式:
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩または溶媒和物の使用に関する
[式中、R1は、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミジノ、アルキルアミジノ、N-ヒドロキシアミジノ、またはN-アルコキシアミジノを表す;
R2は、式:
で示される基を表す
(ここで、R5は水素、アルキルまたはアリールを表す;
R6およびR7は、それぞれ独立して水素、アルキル、または-COOR11を表す;
R8およびR9は、それぞれ独立してアルキル、またはシクロアルキルを表す;
R10は、水素、アルコキシカルボニル、またはアルキルスルホニルを表す;
R11は水素またはアルキルを表す);
Yは、例えば
の基で示されるカルボニルまたはスルホニルを表す;
R4は、アルキル、アルコキシ、または式:
で示される基を表す
(ここで、R12はアルキルを表す;
R14はアルキルまたはハロゲンを表す;
nは0〜3、好ましくは0〜1の整数、例えば0を表す;
Qは、それが結合しているフェニル環と一緒になって、1位にR13で置換された窒素原子、すなわち
で示される基、を有する5〜7員、特に6員の脂環式環を形成する(ここで、R13は、水素、アルキル、またはアシルを表す)。]。
[式中、R1は、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミジノ、アルキルアミジノ、N-ヒドロキシアミジノ、またはN-アルコキシアミジノを表す;
R2は、式:
(ここで、R5は水素、アルキルまたはアリールを表す;
R6およびR7は、それぞれ独立して水素、アルキル、または-COOR11を表す;
R8およびR9は、それぞれ独立してアルキル、またはシクロアルキルを表す;
R10は、水素、アルコキシカルボニル、またはアルキルスルホニルを表す;
R11は水素またはアルキルを表す);
Yは、例えば
R4は、アルキル、アルコキシ、または式:
(ここで、R12はアルキルを表す;
R14はアルキルまたはハロゲンを表す;
nは0〜3、好ましくは0〜1の整数、例えば0を表す;
Qは、それが結合しているフェニル環と一緒になって、1位にR13で置換された窒素原子、すなわち
本明細書で特記しない限り、あらゆる炭素原子を含む基は炭素数1〜20である。アルキルは、分枝状または非分枝状(C1-8)アルキル、例えば(C1-4)アルキル、特に(C1-3)アルキル、例えばメチルまたはエチルを含む。シクロアルキルは、(C3-8)シクロアルキル、特に(C3-6)-シクロアルキル、例えばシクロヘキシルを含む。アルキルおよびシクロアルキルは、非置換であるか、または置換、例えばハロゲン、例えばフルオロで1または数重に置換されていてよい。アルコキシは、アルキル部分がアルキルについて前記と同意義であるアルコキシを含む。ハロゲンは、フルオロ、クロロ、およびブロモ、特にフルオロおよびクロロを含む。アリールは、(C6-18)アリール、特に(C6-12)アリール、例えばフェニルを含む。アルキルアミノおよびジアルキルアミノは、アルキル部分がアルキルについて前記と同意義であるアルキルアミノおよびジアルキルアミノを含む。アルコキシカルボニルおよびアルキルスルホニルは、アルキル部分がアルキルについて前記と同意義であるアルコキシカルボニルおよびアルキルスルホニルを含む。アシルは、(C1-12)アシル、例えば(C1-6)アシル、例えばアセチルを含む。アルキルアミジノおよびN-アルコキシ-アミジノは、アルキル部分がアルキルについて前記と同意義であるアルキルアミジノおよびN-アルコキシアミジノを含む。
上記式Iの化合物において、R1は、好ましくはアミジノ、アルキルアミジノ、N-ヒドロキシアミジノ、またはN-アルコキシアミジノ、例えば、アミジノ、N-ヒドロキシアミジノまたはN-アルコキシアミジノを表し、他の変数Y、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、Q、およびnは前記と同意義である。
上記式Iの化合物において、R2は、好ましくは式IIaまたはIIdの基を表し、他の変数Y、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、Q、およびnは前記と同意義である。好ましくは、R6およびR7は、それぞれ独立して水素、不飽和アルキル、またはハロゲン、例えばフルオロで置換されたアルキルを表す。より好ましくは、R6およびR7は、それぞれ独立して水素、メチル、またはトリフルオロメチルを表す。すなわち、R2の特に好ましい意味は、式:
で示される基、例えば式IIdの基である。
本明細書で特記しない限り、R12は、好ましくは(C1-4)アルキル、例えばメチルを表す。R14は、好ましくはアルキル、例えばメチルを表す。本明細書で特記しない限り、R13は、好ましくは水素、アルキルまたはアセチル、例えばメチルを表す。
好ましい態様において、Yがスルホニルを表し、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、Q、およびnが前記と同意義である式Iの化合物を用いる。
別の特に好ましい態様において、Yがスルホニルを表し、R1がN-ヒドロキシアミジノを表し、R2が上記式IIdの基を表し、R4が上記式IIIaの基を表す、式Iの化合物、例えば式:
で示される化合物を用いる。
第3の特に好ましい態様において、Yがスルホニルを表し、R1がアミジノを表し、R2が上記式IIdの基を表し、R4が上記式IIIdの基を表し、nが1であり、R14がオルソ位のフルオロを表す、式Iの化合物、例えば式:
で示される化合物を用いる。
式Iの化合物、例えば式IV、V、またはVIIの化合物は、あらゆる形(遊離酸または遊離塩基、例えばカチオンまたは酸との塩の形)の式Iの化合物、および/または溶媒和物、例えば水和物の形の式Iの化合物を含む。塩の形の式Iの化合物には、例えば、例えば無機酸または有機酸、例えば塩化水素酸、臭化水素酸、またはメチルスルホン酸との酸付加塩がある。さらに、式Iの化合物は、そのあらゆる互変体またはジアステレオ異性体を含み、例えばヒドロキシイミノ基に関してsyn-およびanti-異性体が存在する。
式Iの化合物およびその医薬的に許容される塩の一部は例えばWO02/051824に記載されている。式Iの化合物はトロンビン阻害剤として有用であり得ることもその中に記載されている。
式Iの化合物は、例えば既知の方法、例えばWO02/051824に記載の方法に従って同様に製造することができる。
本明細書において治療への言及は確立された症状の軽減を含むことを意図すると理解されよう。同様に、予防は、あらゆる種類の予防、例えばある症状が生じるリスクの低減を含む。
さらなる局面において、本発明は、治療的有効量の上記式Iの化合物をそれを必要とする個体に投与することを含む哺乳類における心不整脈の治療または予防、例えば治療方法を指向する。
本明細書で用いている哺乳類は、ヒト、特に、冠状動脈性心臓病に罹患した、例えば虚血性心疾患(ischemic heart condition)、例えば心筋梗塞、狭心症または鬱血性心不全が以前に起きた病歴を有するヒト、または血栓の発生、例えば静脈血栓症、血栓性脳虚血または血栓性卒中発作の病歴を有するヒトを含む。
驚くべきことに、式Iの化合物は心不整脈の治療または予防に有用でありうることがわかった。用語「心不整脈」は、心臓の電気的インパルスの伝導、速度、規則性、または発生部位のあらゆる障害、例えば正常洞調律からのあらゆる逸脱を表す。心不整脈は、急性不整脈、慢性不整脈、または間欠性、すなわち発作性不整脈であり得、すべての種類の異常な心調律、特に心室性不整脈、および心房性、すなわち上室性不整脈を含む。心不整脈は、例えば、心室性または上室性細動、心室性または心房性粗動、心室性または上室性頻脈、心室性または上室性期外収縮、および不全収縮(asystoly)を含む。すなわち、式Iの化合物は、心室細動、上室性細動、心室性頻脈、心室性期外収縮、上室性期外収縮または不全収縮(asystolia)の治療または予防、例えば治療に有用でありうる。式Iの化合物は、特に上室性または心室細動、例えば上室性細動の治療または予防、例えば治療に有用でありうる。心不整脈は、当該分野で知られているように、例えば心電図(ECG)により診断することができる。
式Iの化合物は抗血栓特性も有し得るので、本発明はさらなる局面において心不整脈および血栓症を同時に治療または予防するための医薬の製造における上記式Iの化合物の使用に関する。さらなる局面において、本発明は、上記式Iの化合物をそれを必要とする哺乳類に投与することを含む哺乳類における心不整脈および血栓症を同時に治療または予防、例えば治療する方法を指向する。式Iの化合物を用いると、例えば血栓症を同時に治療または予防しながら心不整脈を治療または予防するための別の抗不整脈薬を同時に投与する必要がないかもしれない。
心不整脈は、上記のものを含んでよいが、血栓症は血栓の形成、発達、または存在に関連する、塞栓症および/または虚血を生じうるあらゆる疾患を含む。すなわち、用語「血栓症」は、血栓形成、特に血液凝固により血管(動脈および/または静脈血管)の梗塞に関連する病状を含んでよい。血栓症は、例えば虚血性卒中発作における、例えば末梢血管の血栓症、冠血管の梗塞、肺血管の梗塞、または脳血管の梗塞を含む。したがって、式Iの化合物の好ましい使用は、上室性不整脈、および、例えば、脳虚血、例えば血栓または虚血性卒中発作または一過性虚血発作(TIA)に関連した脳血管の梗塞を同時に治療または予防するための医薬の製造である。上室性不整脈は、好ましくは上室性細動または心房性粗動、例えば発作性、持続性、または永続性の形の上室性細動または心房性粗動である。
特に好ましい態様において、式Iの化合物は、脳虚血を同時に予防または治療、特に虚血性卒中発作および/または一過性虚血発作を予防しながら、絶対性不整脈を治療または予防、例えば治療、例えば絶対性不整脈を治療するための医薬の製造に用いることができる。
例えばアルガトロバンやナドロパリンのような他の抗血栓化合物は抗不整脈特性も有することは知られていないので、式Iの化合物の抗不整脈特性は特に驚くべきことであった。心不整脈、特に上室性不整脈、例えば心房性細動に罹患した患者は血栓症、例えば卒中発作のリスクが増加しているので、それらを抗不整脈薬と抗血栓薬の両方で治療することがきわめて望ましい。上記式Iの化合物の使用は、不整脈と血栓発生の両臨床的因子を単一活性成分を用いて同時に治療または予防する利点を提供することができる。
さらに、上記式Iの化合物は細胞、例えば心筋細胞の虚血に対する保護効果を有しうることが観察された。虚血中、細胞に酸素が十分供給されないのでしばらくしても酸素供給が回復しなければ細胞は死ぬ。細胞が虚血に耐える時間は、酸素の供給および消費速度に影響を及ぼす種々の条件、例えば温度、組織の種類、他の血管からの酸素供給、代謝活性、ホルモンや他の薬剤の存在などに依存する。上記式Iの化合物は、細胞、例えば心筋細胞の虚血に対する耐容時間を顕著に延長し得る。すなわち、細胞、例えば心筋細胞が蘇生することができる虚血の限界時間(critical time)は、式Iの化合物の使用により延長し得る。
したがって、別の局面において、本発明は虚血性心疾患に関連する疾患を治療または予防するための医薬の製造における上記式Iの化合物の使用に関する。さらなる局面において、本発明は、上記式Iの化合物をそれを必要とする個体に投与することを含む哺乳類の虚血性心疾患に関連する疾患の治療方法を指向する。
そのような虚血性心疾患に関連する疾患は、急性および慢性虚血性心疾患、例えば冠状動脈性心臓病、心筋梗塞、狭心症、鬱血性心不全、急性心停止、または蘇生成功後の状態を含む、心筋細胞に対する酸素供給が部分的または全体的に低下するか低下したすべての疾患である。そのような病状(疾患)は既知の方法、例えばECGにより診断することができる。
式Iの化合物およびその医薬的に許容される塩は、医薬組成物の形でそれを必要とする個体に投与することができる。適切な投与法には当該分野で知られた非経口用製剤および経腸栄養製剤が含まれる。式Iの化合物の適切な製剤の例には、静脈内、経口、経皮、直腸、舌下、気管支内用製剤、例えば注射用溶液剤、カプセル剤、錠剤、経皮パッチ、飲用溶液剤、およびスプレー剤がある。
さらなる局面において、本発明は、上記式Iの化合物と1またはそれ以上の医薬的に許容される助剤を含む心不整脈の治療または予防に用いるための医薬組成物に関する。本発明は、上記式Iの化合物と1またはそれ以上の医薬的に許容される助剤を含む心不整脈および血栓症の同時治療または予防(例えば治療)に用いるための医薬組成物にも関する。本発明の別の局面は、上記式Iの化合物と1またはそれ以上の医薬的に許容される助剤を含む虚血性心疾患に関連する疾患の治療または予防に用いるための医薬組成物である。さらに、本発明は、上記式Iの化合物を含む医薬組成物をそれを必要とする個体に投与する、心不整脈の治療または予防(例えば治療)方法、特に不整脈および血栓症の治療方法に関する。
適切な医薬的に許容される助剤は製剤の種類に依存し、当該分野で知られたもの、例えば溶媒、結合剤、充填剤、流動促進剤がある。適切な医薬組成物は、さらに式Iの化合物に加えて1またはそれ以上のさらなる活性成分を含んでよい。好ましい医薬組成物は非経口用溶液剤であるか、または経口用剤形の形、例えば錠剤またはカプセル剤である。
式Iの化合物は単独で、または1またはそれ以上の他の活性成分と組み合わせて用いてよい。組み合わせは固定用量の組み合わせであるか、または異なる活性成分を分離して同時にまたは連続して投与してよい。組み合わせのための適切な活性成分は、抗凝固剤、例えばビタミンKアンタゴニスト、例えばワルファリン、繊維素溶解剤、抗血小板薬、および例えばタンパク質シクロオキシゲナーゼ阻害剤である他の抗血栓薬、例えばアセチルサリチル酸を含むことができる。
式Iの化合物は、血栓の発生を治療または予防するために、例えば除細動の前および/または後に、十分な時間、例えば3〜4週間、例えば約72時間、薬理学的または電気的除細動と組み合わせて用いることもできる。すなわち、上記式Iの化合物は、除細動後の心房性細動が再発するリスクのある患者における洞調律を改善するのに有用である。
式Iの化合物は、それを必要とする個体に1回または一定期間内に数回投与することができる。一定期間にわたり連続適用することも可能である。正しい用量と投与頻度は、用いる式Iの特定の化合物、治療する特定の病状、治療する病状の重症度、投与経路、特定の個体の年齢、体重、一般健康状態、当業者によく知られている個体が服用するかもしれない他の医薬に依存する。医薬的有効量は式Iの化合物約0.01mg〜約100mg/kg/日、例えば約0.1mg〜約10mg/kg/日でありうる。さらに、正しい用量と投与頻度は、患者血中の式Iの化合物の血中レベルまたは濃度および/または治療する特定の病状に対する患者の反応を測定することによりより正確に決定することができる。治療的有効血中濃度は、例えば約0.1μMol/l〜約30μM/lでありうる。
さらなる局面において、本発明は、治療的有効量の上記式Iの化合物をそれを必要とする個体に投与することを含む哺乳類の心不整脈の治療または予防方法に関する。本発明の別の局面は、治療的有効量の上記式Iの化合物をそれを必要とする個体に投与することを含む哺乳類の心不整脈および血栓症を同時に治療または予防する方法に関する。
以下に実施例を示すが、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:再還流誘発不整脈におけるある種のアザフェニルアラニン化合物により示された低酸素症に対する耐容性の増加および抗不整脈作用
Wistarラット(230〜330g)をウレタン(0.7ml 20%w/v溶液/100g体重)の腹腔内注射により麻酔し、次いでヘパリン(2500IU/ラット)を腹腔内注射した。胸腔を開いて冷Krebs-Henseleit(K-H)溶液を満たしたカニューレを上行大動脈内に挿入する。心臓を切除し、次いでLangendorffs装置に接続し、定圧下(60cm H2O)でK-H溶液(K-H溶液、(単位mM):118.6 NaCl;4.7 KCl;11.1グルコース;25 NaHCO3;1.66 MgSO4;1.2 NaH2PO4、2.52 CaCl2;pH=7.4)で還流する。使用前にK-H還流溶液をセルロースアセテートフィルター(ポアサイズ5μm)に通してあらゆる微粒子の不純物を除去する。還流溶液を38.5℃に保ち、95% O2および5% CO2を供給する。2本の銀(AgCl)電極を、心臓表面に心臓の電気軸の方向に取り付け心電図を記録する。電極をP波とQRS波の十分な増幅が得られるような心臓上の位置に取り付ける。以下の実験群を試験する:
1)分離した心臓を酸素化K-H溶液で30min(分間)還流し、次いで40min全(全体的に)虚血し、次いで酸素化K-H溶液で50min再還流する;2)分離した心臓を酸素化K-H溶液で20min還流し、次いでK-Hに溶解した被検薬で10min還流し、次いで心臓を40min全虚血に曝し、次いでK-Hに溶解した被検薬で50min還流する。用いた被検薬は上記式IV、V、およびVIの化合物である。陽性コントロールとして、直接トロンビン阻害剤のアルガトロバンおよび低分子量ヘパリンナドロパリンを用いる。心臓をLambethコンベンションに従って催不整脈(proarrhytmic)事象の持続期間中モニターした(Walker et al.、Cardiovascular Res 1988;22:447-455)。冠状動脈流出物(coronary effluent)の乳酸脱水素酵素(LDH)放出速度を分光光度法で測定し(Wroblevski & LaDue、Proc Exp Biol Med 1955;90:210-213)、μkat/分/心臓重量で表す(Grasic Kuhar et al. Eur J Pharmacol 2004;488:137-46)。
Wistarラット(230〜330g)をウレタン(0.7ml 20%w/v溶液/100g体重)の腹腔内注射により麻酔し、次いでヘパリン(2500IU/ラット)を腹腔内注射した。胸腔を開いて冷Krebs-Henseleit(K-H)溶液を満たしたカニューレを上行大動脈内に挿入する。心臓を切除し、次いでLangendorffs装置に接続し、定圧下(60cm H2O)でK-H溶液(K-H溶液、(単位mM):118.6 NaCl;4.7 KCl;11.1グルコース;25 NaHCO3;1.66 MgSO4;1.2 NaH2PO4、2.52 CaCl2;pH=7.4)で還流する。使用前にK-H還流溶液をセルロースアセテートフィルター(ポアサイズ5μm)に通してあらゆる微粒子の不純物を除去する。還流溶液を38.5℃に保ち、95% O2および5% CO2を供給する。2本の銀(AgCl)電極を、心臓表面に心臓の電気軸の方向に取り付け心電図を記録する。電極をP波とQRS波の十分な増幅が得られるような心臓上の位置に取り付ける。以下の実験群を試験する:
1)分離した心臓を酸素化K-H溶液で30min(分間)還流し、次いで40min全(全体的に)虚血し、次いで酸素化K-H溶液で50min再還流する;2)分離した心臓を酸素化K-H溶液で20min還流し、次いでK-Hに溶解した被検薬で10min還流し、次いで心臓を40min全虚血に曝し、次いでK-Hに溶解した被検薬で50min還流する。用いた被検薬は上記式IV、V、およびVIの化合物である。陽性コントロールとして、直接トロンビン阻害剤のアルガトロバンおよび低分子量ヘパリンナドロパリンを用いる。心臓をLambethコンベンションに従って催不整脈(proarrhytmic)事象の持続期間中モニターした(Walker et al.、Cardiovascular Res 1988;22:447-455)。冠状動脈流出物(coronary effluent)の乳酸脱水素酵素(LDH)放出速度を分光光度法で測定し(Wroblevski & LaDue、Proc Exp Biol Med 1955;90:210-213)、μkat/分/心臓重量で表す(Grasic Kuhar et al. Eur J Pharmacol 2004;488:137-46)。
表1は、各実験群における心室性頻脈、心室細動、ならびに心室性頻脈、心室細動、期外収縮、および不全収縮を含むすべての催不整脈事象の合計の持続時間を示す。
図1:40分間(30〜70分間)虚血にされた単離ラット心臓における乳酸脱水素酵素(LDH)放出速度。対照群は、心臓をKrebs-Henseleit(K-H)溶液のみで還流する。他の実験群は、心臓を化合物IV(c=1μM)、化合物V(c=1μM)、化合物VI(c=1μM)、ナドロパリン(51.6IU 抗Xa/I)、およびアルガトロバン(c=1μM)を含むK-H溶液で還流する。結果を平均±平均の標準誤差で示す。処置群間の統計的有意差は、曲線下面積を計算し、次いでANOVAおよびDunnett多重比較検定により決定した。
実施例2:医薬組成物
実施例2:医薬組成物
100mgの式Vの化合物を混合しながら100mlの無菌発熱物質不含水に溶解する。次に、該溶液を無菌条件下で20本のアンプルに満たし、心不整脈治療用の、各5mLの注射用溶液剤を含むアンプルを得た。各アンプルを、注射用溶液剤の指示書として心不整脈に言及する説明書と共に箱に梱包する。
実施例3:再還流誘発不整脈に対する式IVの化合物が示す抗不整脈効果
実施例3:再還流誘発不整脈に対する式IVの化合物が示す抗不整脈効果
ジエチルエーテル吸入で麻酔した雄Wistarラット(300〜370g)の心臓を、記載のごとくLangendorff法を用いカルボゲンを供給した37℃のKrebs-Henseleit緩衝液で還流した(Onody A et al.、Cardiovasc Res. 2003、58:663-670)。最初の15分間の有酸素常温還流期間後、心臓を25分間の全体的、無流量の常温虚血にし、次いで30分間正常酸素(normoxic)常温で再還流した。測定したパラメーターは、心拍数、および再還流誘発心室細動(VF)および心室性頻脈(VT)の発生率であった。心外膜心電図を実験プロトコールを通して記録し、記載のごとく(Csonka et al.、2003;J Cardiovasc Pharmacol 41:916-922;Ferdinandy et al.、Cardiovasc Res. 1995;58:663-670)、Lambethコンベンション(Walker et al.、Cardiovasc Res. 1988;22:447-455)に従って心拍数、VF、およびVTを測定した。ECGの記録および評価は、SPEL Advanced Isosysシステム(Experimetria Ltd、Budapest、Hungary)を用いて行った。実験群は以下のごとく設計した:対照、溶媒(DMSO 500μL/L)、式IVの化合物1μM(+DMSO 500μL/L)、式IVの化合物10μM(+DMSO 500μL/L)、陽性対照:ニフェジピン0.5μM(+DMSO 500μL/L)。動物を種々の群に無作為に振り分けたが、還流は1群(各群n=12)内の4並列実験で行った。還流媒質は処置群では全還流プロトコールを通して薬剤を含んだ。HRは、ANOVA、次いでDunn検定を用いて溶媒処置群と比較した。VFおよびVTの発生率を全群でChi2検定で比較し、次いで各群を、Fischerの正確確率検定を用いて溶媒処置群と比較した。
図2は、全虚血を受けた単離ラット心臓における心室細動(VF)および心室性頻脈(VT)の発生率を示す。式IVの化合物は、10μM(式IVの化合物、10μM)および1μM(式IVの化合物、1μM)で試験し、ニフェジピンは0.5μMで試験した。Chi2検定、次いでFischerの正確確率検定。*:p<0.05;**:p<0.01;##:p<0.01(全群、DMSO群との比較)。
VFの発生率は式IVの化合物により濃度依存性に減少したことを示すが、VTの発生率と心拍数(HR)は、有意な変化はなかった。陽性対照のニフェジピンはVFとVTの両方の発生率を有意に減少させた。
すなわち、実施例3は、式IVの化合物が再還流に対する強い抗不整脈作用を有することを示す。
Claims (9)
- 心不整脈を治療または予防するための式:
[式中、R1は、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミジノ、アルキルアミジノ、N-ヒドロキシアミジノ、またはN-アルコキシアミジノを表す;
R2は、式:
(ここで、R5は水素、アルキルまたはアリールを表す;
R6およびR7は、それぞれ独立して水素、アルキル、または-COOR11を表す;
R8およびR9は、それぞれ独立してアルキル、またはシクロアルキルを表す;
R10は、水素、アルコキシカルボニル、またはアルキルスルホニルを表す;
R11は水素またはアルキルを表す);
Yはカルボニルまたはスルホニルを表す;
R4は、アルキル、アルコキシ、または式:
(ここで、R12はアルキルを表す;
R14はアルキルまたはハロゲンを表す;
nは0〜3の整数を表す;
Qは、それが結合しているフェニル環と一緒になって、1位にR13で置換された窒素原子を有する5〜7員の脂環式環を形成する(ここで、R13は、水素、アルキルまたはアシルを表す)。]。 - 心不整脈が、心室細動、心室性粗動(fluttering)、上室性細動、心房性粗動、心室性頻脈、心室性期外収縮、上室性期外収縮、および不全収縮からなる群から選ばれる請求項1記載の使用。
- 該不整脈が上室性細動または心房性粗動である請求項2記載の使用。
- 心不整脈および血栓症を同時に治療または予防するための医薬の製造における請求項1記載の式Iの化合物の使用。
- 虚血性心疾患(ischemic heart condition)と関連した疾患を治療または予防するための医薬の製造における請求項1記載の式Iの化合物の使用。
- 請求項1に記載の式Iの化合物、および1またはそれ以上の医薬的に許容される助剤を含む心不整脈の治療または予防に使用するための医薬組成物。
- 請求項1に記載の式Iの化合物、および1またはそれ以上の医薬的に許容される助剤を含む心不整脈および血栓症の同時治療または予防に使用するための医薬組成物。
- 非経口用溶液剤または経口用剤形の形の請求項8または9に記載の医薬組成物。
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