JP2009513321A - 金属ナノ粒子を含む単分子ミセルおよび炭素−炭素結合の合成のための触媒としてのその使用 - Google Patents

金属ナノ粒子を含む単分子ミセルおよび炭素−炭素結合の合成のための触媒としてのその使用 Download PDF

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Abstract

選択された星形ブロックコポリマーを含有する単分子ミセルを含む金属ナノ粒子が開示される。これらの単分子ミセルは、炭素−炭素結合を形成するカップリング反応において触媒として、例えば、ヘック反応での触媒として使用することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、選択されたブロックコポリマーを含有する、金属ナノ粒子を含む単分子ミセルに関する。これらの単分子ミセルは、炭素−炭素結合を形成するカップリング反応において触媒として使用することができる。
(発明の背景)
炭素−炭素結合形成のための触媒として金属ナノ粒子の使用は公知である。金属ナノ粒子の調製および安定化のための種々の方法が記載されている。
Chem.Mater.2000年、12、22頁〜24頁は、リオトロピック液晶ポリマーの鋳型(テンプレート)を使用して合成される触媒的Pdナノ粒子を開示している。小さな直径を有するPdナノ粒子は、ヘック反応(Heck reaction)の触媒として使用することのできるポリマーマトリックス中で形成される。
JACS 2005年、127、2125頁〜2135頁は、サブナノメートルPdクラスターを含むナノ構造の形成および高活性触媒としてのその使用を開示している。幾つかのミセル形態学における、即ち、球状ミセルにおける、および非球状ミセルにおける、クラスターの安定化が記載されている。ミセルは官能性ポリスチレンコポリマーから製造され、ヘック反応の触媒として使用することができる。この文献は単分子ミセルの調製を開示していない。
Nano Letters 2001年、vol.1(1)、14頁〜17頁には、樹状ナノ反応体とのヘックヘテロカップリングが記載され、Pdナノクラスターが調製されている。これらのナノクラスターは、PPIデンドリマーでカプセル化される。これらのポリマーは、コア−シェル(core−shell)構造を有していない。
JACS 1997年、119、10116頁〜10120頁には、ブロックコポリマーミセルにおけるPdコロイドの調製が開示されている。これらのコロイドは、ヘック反応の触媒のために使用される。Pdクラスターは、官能化ポリスチレンのミセルでカプセル化されている。この文献は、単分子ミセルの調製および使用を開示していない。
Langmuir 2005年、21、2408頁〜2413頁は、多機能触媒のための疎水化Pdナノ粒子の合成を仲介したケギンイオン(keggin ion)を記載している。Pdクラスターが調製され、オクタデシルアミン中でカプセル化される。これらは、炭化水素溶媒においてヘック反応のための触媒として使用される。単分子ミセル中で安定化されるPdクラスターは開示されていない。
JACS 2002年、124、14127頁〜14136頁は、クロロラレンのヘック、スズキ(Suzuki)、ソスノガシラ(Sosnogashira)およびシュティル(Stille)型カップリング反応のための層状化二重水酸化物担持ナノパラジウム触媒を記載している。LDH上に担持されたPdナノ粒子が開示されている。Pdナノ粒子は、単分子ミセル中でカプセル化されていない。
Journ.Of Molecular Catalysis A:Chemical 229(2005年)、7頁〜12頁には、ポリエチレングリコール中でのPdナノ粒子の調製が開示されている。これらは、ヘック反応のための効率的かつ再使用可能な触媒として使用することができる。Pdクラスターは、ポリエチレングリコールマトリックス中で安定化される。この文献は、単分子ミセル中でカプセル化されるPdクラスターを開示していない。
Langmuir 2003年、19、7682頁〜7684頁は、スズキ反応のための触媒として、PAMAM−デンドリマー安定化Pdナノ粒子を記載している。Pdナノ粒子の安定化のためにデンドリマーが適用され、ポリマーはコア−シェル構造をもたない。
Adv.Funct.Mater.2004年、14(10)、999頁〜1004頁には、高分枝両親媒性ポリマーで安定化されたPdナノ粒子の形状選択的合成が開示されている。使用されたポリマーはコア−シェル構造を有するが、これらは明示されていない。
Nano Letters 2003年、vol.3(12)、1757頁〜1760頁は、Pdナノ粒子コア化デンドリマーの合成、特徴化および触媒的用途を記載している。Pdナノ粒子は、ヘック反応の触媒として使用することができる。しかし、単分子ミセルは開示されていず、ポリマーは、コア−シェル構造を有さないデンドリマーである。
この様に、従来技術から、小さい直径を有するPdナノ粒子は、炭素−炭素結合の形成のための触媒として既に公知である。しかしながら、このような小さな粒子は、星形ブロックコポリマー構造での安定化を基とするものではない。
デンドリマーから作られる単分子ミセルは、また公知である。
米国特許第5154853号は、アルキルまたはアルキレン基から本質的に成るデンドリマーから作られる単分子ミセルおよびその調製を開示している。デンドリマーは、コア−シェル構造を有さない。ナノ粒子の安定化は開示されていない。
米国特許第5376690号および第5516810号は、金属および非金属ゲストに共有および非共有結合することのできる反応性部位を伴う内部空隙領域を含む単分子ミセルから調製される金属球体および超クラスターを開示している。単分子ミセルを形成するデンドリマーは、コア−シェル構造を有していない。
WO−A−96/03114およびWO−A−98/08491より、ロックおよびキー単分子ミセルが知られている。これらは、リガンドに特異的に結合する少なくとも1つの設計されたアクセプターを含む。キー単分子ミセルはコア分子およびそれから伸びる複数の分枝を含む。分枝の少なくとも1つは、ロック単分子ミセルの相補的なアクセプターに結合するためにその末端に末端部分を有する、それから伸びる柄(軸)の部分を含む。ロックおよびキーミセルは一緒になって1つのユニットを形成する。コア−シェル構造を有する単分子ミセルは開示されていない。
星形ブロックコポリマーもまた従来技術に開示されている。
EP−A−156079は、星形ポリエーテルポリオキシエチレンプレポリマーおよびそれから作られる星形ブロックコポリマーを開示している。最終生成物は、高衝撃抵抗性および高耐熱性を特徴とし、成形樹脂として、即ち、繊維または発泡体の製造のために使用される。
WO−A−03/78489は、両親媒性ブロックコポリマー、例えば、星形ブロックコポリマーを開示している。これらは、2価の硫黄原子を介して、少なくとも1つの親水性ビニルポリマーにポリマーの末端で共有結合した生物分解性ポリマーを含む。ブロックコポリマーは治療組成物として使用される。
WO−A−00/59968は、星形を有することのできるグラフト−ブロックコポリマーを調製するための方法を開示している。
(発明の概要)
本発明の目的は、より安価で合成が容易な炭素−炭素結合形成のための触媒を提供することである。
本発明のその他の目的は、これらの反応に対して知られている触媒と比べて、同じ転換率を得るためにより少量で使用することのできる炭素−炭素結合形成のための高効率触媒の提供である。
本発明のなおその他の目的は、生物学的適合ポリマーを基とし、生物学的物質に悪影響を及ぼすことなしに生物学的物質に適用される化合物の合成のために使用されてもよい、炭素−炭素結合形成のための触媒の提供である。
驚くべきことに、選択されたブロックコポリマーの単分子ミセルにおいて、炭素−炭素カップリング反応、例えば、ヘック反応、スズキ反応、ソスノガシラ反応およびシュティル反応等のための高活性触媒である金属ナノ粒子を形成できることが分かった。
本発明の触媒は、従来技術で使用される材料としてより安価でかつ合成がより容易である材料から作られ、かつ、その他の小さな金属ナノ粒子含有材料に比べて、少なくとも同じ結果を与える材料から作られる。
(発明の詳細な説明)
本発明は、金属ナノ粒子、ならびに親水性ポリマーとなるモノマーから調製される少なくとも1つの親水性ブロック(好ましくは、ポリエーテルブロック、ポリ−N−ビニル−複素環式ブロック、およびヒドロキシル、アミノ、アミドおよび/またはカルボキシル基を含む、ポリアクリルおよび/またはポリメタクリルブロックから成る群から選択される親水性ブロック)および疎水性ポリマーとなるモノマーから調製される少なくとも1つの疎水性ブロック(好ましくは、ポリエステルブロック、ポリオレフィンブロック、ポリアクリレートおよび/またはポリメタクリレートブロック、およびポリウレタンブロックから成る群から選択される疎水性ブロック)を含む星形ブロックコポリマーを含む単分子ミセルに関する。
本明細書で使用される「単分子」ミセルという用語は、溶媒中または溶融材料中に分散している1つのポリマー分子から作られる官能性単位を意味し、前記ポリマー分子はコア−シェル(core−shell)構造を有し、したがって、従来のミセルの必要な自己集合化(自己組織化)工程なしに、ミセルの性質、例えば、シェルとコアとの異なる溶解度を与える。これらの単分子ミセルは、従来のミセルとは異なり、異なる溶媒においてミセル構造および挙動を有する。本発明の単分子ミセルは、異なる形状、例えば、球状、楕円状、円筒状、層状またはウォーム状(蠕虫状;worm−like)の形状であることができる。回転対称の場合には、粒子直径を決定できる。一般的な平均直径は、1〜200nm、好ましくは、1〜50nm、極めて好ましくは1〜20nmの範囲にある(動的光散乱で決定した値)。
本発明の単分子ミセルのために使用される星形ブロックコポリマーは、星状構造を有するポリマーである。これらの分子は、ブロックコポリマー単位の少なくとも3つの分枝を与える中央分枝部分を有する。
本発明で使用することのできる星形ブロックコポリマーは、一般式IまたはIIの構造を有する:
−[(親水性ブロック)−b−(疎水性ブロック)−R (I)
−[(疎水性ブロック)−b−(親水性ブロック)−(b−疎水性ブロック)−R (II)
(式中、
zは、少なくとも3の整数、好ましくは、3〜32、極めて好ましくは3〜8であり、
yは0または1であり、
は、z価の有機基であり、
は、水素、ヒドロキシルまたは有機基、好ましくは、水素またはアルキルもしくはアリール基であり、
親水性ブロックは、親水性ポリマーとなるモノマーから調製されるブロックであり、好ましくは、ポリエーテルブロック、ポリ−N−ビニル−複素環式ブロックあるいは、ヒドロキシル、アミノ、アミドおよび/またはカルボキシル基を含む、ポリアクリルおよび/またはポリメタクリルブロックであり、
疎水性ブロックは、疎水性ポリマーとなるモノマーから調製されるブロックであり、好ましくは、ポリエステルブロック、ポリオレフィンブロック、ポリアクリレートおよび/またはポリメタクリレートブロック、ならびに/あるいはポリウレタンブロックであり、
bは、親水性基および疎水性基の間の2価〜5価のリンカー(linker)、好ましくは2価リンカーであり、好ましくは、共有結合、2価炭化水素基、エステル基、エーテル基またはアミド基である)。
式Iの構造が好ましい。
親水性ブロックは、親水性ポリマーとなるモノマーから調製される。これらの親水性ポリマーは、1つまたは複数のモノマーから誘導することができる(ホモポリマーブロックまたはコポリマーブロック)。本記載で使用される「親水性」という用語は、25℃で、少なくとも100g/L、好ましくは少なくとも200g/L、特に好ましくは300g/Lの親水性ブロックの水溶解度を有するホモポリマーまたはコポリマーを意味する。
疎水性ブロックは、疎水性ポリマーとなるモノマーから調製される。これらの疎水性ポリマーは、1つまたは複数のモノマーから誘導することができる(ホモポリマーブロックまたはコポリマーブロック)。本記載で使用される「疎水性」という用語は、25℃で、100g/L未満、好ましくは50g/L未満、特に好ましくは25g/L未満の疎水性ブロックの水溶解度を有するホモポリマーまたはコポリマーを意味する。
好ましくは、親水性ブロックは、ポリエーテルブロック、極めて好ましくはポリアルキレングリコールブロック、特に好ましくはポリエチレングリコールブロックである。
その他の好ましい親水性ブロックは、N−ビニル−複素環式化合物、例えば、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドンまたはN−ビニルイミダゾール等から誘導される。
その他の好ましい親水性ブロックは、ヒドロキシル、アミノ、アミドおよび/またはカルボキシル基を有する、アクリル酸および/またはメタクリル酸および/またはこれらの親水性変性エステルもしくはアミドから誘導され、これらのブロックは、ビニルピリジンコモノマーから誘導される共同単位(co−units)を場合により含む。これらのモノマーの例は、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリル酸、アクリルアミドまたはメタクリルアミドである。
好ましくは、疎水性ブロックはポリエステルブロックであり、好ましくは、脂肪族および/または芳香族ジカルボン酸、ならびに脂肪族アルコールから、あるいはラクトン、好ましくはカプロラクトンから誘導される。
その他の好ましい疎水性ブロックは、エチレン系不飽和炭化水素、例えば、α−オレフィン等、例えば、エチレンまたはプロピレンから、あるいはビニル芳香族化合物、例えば、スチレン等から誘導される。
その他の好ましい疎水性ブロックは、アクリルエステルおよび/またはメタクリルエステルから、好ましくは、アルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートあるいはこれらのシクロアルキル誘導体、例えば、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートまたはイソボルニル(メタ)アクリレートから誘導される。
なおその他の好ましい疎水性ブロックは、ポリウレタンブロックを形成するためのジイソシアネートおよびジオールから、好ましくは、脂肪族または芳香族ジイソシアネートおよび脂肪族ジオールから誘導される。
親水性ブロックおよび/または疎水性ブロックは、ホモポリマーから、またはコポリマーから作ることができる。
本発明で使用することのできる好ましい星形ブロックコポリマーは、一般式IIIまたはIVの構造を有する:
−[((PE)−b−(PES))−R (III)
−[((PES)−b−(PE))−(b−PES)−R (IV)
(式中、
PEはポリエーテルブロックであり、好ましくは、2〜100の繰返しポリエーテル単位、極めて好ましくは、2〜30の繰返しポリエーテル単位を有し、
PESはポリエステルブロックであり、好ましくは、1〜100の繰返しポリエステル単位、極めて好ましくは、2〜30の繰返しポリエステル単位を有し、
xは、少なくとも1、好ましくは、1から30の整数であり、
yは0または1であり、
、R、bおよびzは、先に定義されている通りである)。
ポリエーテルブロックの例は、式Vの繰り返し単位である:
(−O−R− (V)
(式中、aは、少なくとも2、極めて好ましくは2〜30の整数であり、
は、アルキレン、シクロアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基、好ましくは、2〜6個の炭素原子を有するアルキレン基である)。
PEブロックは、その酸素原子、または炭素原子を介して、基Rに結合されてもよい。異なる結合基が、RおよびPEとの間に存在することができる。この例は、共有結合、エーテル基またはエステル基である。
ポリエステルブロックの例は、式VIaまたはVIbの繰り返し単位である:
(−R−COO)− (VIa)
(−R−COO−R−COO)− (VIb)
(式中、bおよびcは、互いに独立に、少なくとも1、極めて好ましくは2〜30の整数であり、
、RおよびRは、互いに独立に、アルキレン、シクロアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基、好ましくは、2〜6個の炭素原子を有するアルキレン基である)。
PES基は、その酸素原子、または炭素原子を介して、基Rに結合されてもよい。異なる結合基が、RおよびPESとの間に存在することができる。この例は、共有結合、アミン基、エステル基またはアミド基である。
好ましい基Rは、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、炭水化物、例えば、グルコース、マンノースもしくはフルクトース等、またはソルビトール、トリメシン酸、エチレンジアミン四酢酸およびジアミノ−ポリアルキレンイミン、好ましくは、HN−CH−CH−NH−CH−CH−NHから誘導される。
本発明の単分子ミセルを形成するために使用される星形ブロックコポリマーは、当業者に公知の方法により調製することができる。これらの合成は、例えば、JACS 2004年、126、11517頁〜11521頁に開示されている。
本発明の単分子ミセルは、単分子ミセルを含む溶液に金属塩の溶液を添加することにより得ることができる金属ナノ粒子を安定化する。金属塩は、前記単分子ミセルを含む液体に前記塩を添加することにより、単分子ミセルのコア中に導入され、そして、金属塩は、その後、単分子ミセル内で安定化された金属ナノ粒子を形成するために還元される。
本発明で使用される単分子ミセルを形成するための溶媒としては、有機溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロトルエンまたはクロロホルムが使用できる。
好ましくは、極性、非プロトン性有機溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミドが使用される。
一般的に、金属合金を含む各金属(以降、これらを一緒に「金属」と呼ぶ)は、本発明の単分子ミセル中への導入のために選択することができる。非限定的例は、元素の周期律表のIB〜VIIIB族の金属、好ましくは、元素の周期律表のIBおよびVIIIB族の金属である。好ましくは、白金、パラジウム、金、銀、ニッケルまたは鉄が使用される。異なる金属の混合物も使用できる。
金属は、単分子ミセルのコア(=中央部分)内にナノ粒子として存在する。金属ナノ粒子の一般的な平均粒子直径は、1nm〜100nm、好ましくは、1nm〜10nm、極めて好ましくは、1〜5nmの範囲である。平均粒子直径は、TEM測定により決定される。
極めて好ましくは、金属ナノ粒子は、炭素−炭素共有結合の形成を触媒する、本発明の単分子ミセル中に導入される。その様な反応の一般的な例はヘック反応である。
触媒反応のために本発明で使用される金属ナノ粒子の特異な特徴は、これらの高い表面対容積比(surface to volume ratio)である。この特徴は、反応が粒子の金属表面で起こると考えられるので、触媒作用を促進するものと考える。
本発明の単分子ミセル中への金属ナノ粒子の導入は、単分子ミセルを含む溶液を、単分子ミセル内に堆積する金属の金属塩の溶液で処理することにより達成することができる。この処理後に、金属が金属塩の還元によって生成される。
金属塩の一般的な例は、アセテートまたは塩化物、例えば、酢酸パラジウムまたは塩化パラジウム等である。還元剤の一般的な例は、NaBH、LiAlHまたはNaAlHである。
本発明は、また、炭素−炭素共有結合の形成のための反応における触媒としての、単分子ミセル内で安定化された金属ナノ粒子の使用に関する。
以下の実施例は、何ら制限するものではない本発明の例示である。
次の構造:
12−[(R13−O)−(OC−R14−O)−R15
(式中、
12は、HN−CH−CH−NH−CH−CH−NHから誘導される5価の基であり、
13はエチレンであり、
14はペンタメチレンであり、
15は水素であり、
kは5であり、
lは9の平均値を有し、
jは1〜18の平均値を有する)の5アーム星形ブロックコポリマー(5−arm star−shaped block copolymers)を調製した。
これらの5アーム星形ブロックコポリマーを、以下の方法でパラジウムナノ粒子を安定化するのに使用した:
ポリ(エチレングリコール)コアを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の酢酸パラジウム(Pd(CHCOO))で24時間膨潤させ、更に、NaBHで還元後に、特定されたPdナノ粒子(TEM(透過型電子顕微鏡)で決定された約3nmの直径を有する)を得た。これらのナノ粒子を、4−ブロモ−アセトフェノンとスチレンとの間のヘックC−Cカップリング反応に利用し、低い触媒添加で、高収率で、1−[4−((E)−スチリル)−フェニル]−エタノンを形成した。更に具体的に言えば、このパラジウムナノ粒子は、R12が、N′1′−(2−アミノエチル)−エタン−1,2−ジアミンから誘導される5価の基であり、R13がエチレンであり、R14がペンタメチレンであり、R15が水素であり、kが5であり、lが9の平均値を有し、jが0〜18の平均値を有するブロックコポリマーで安定化されていた。還元のためにPdに対して2倍過剰のNaBHを適用し、エチレンオキシド繰返し単位4個当たりパラジウム1個の添加量を有する、このパラジウムナノ粒子はすべて、0.1モル%のPd含有量で、溶媒としてのN−N−ジメチルホルムアミド中、100℃での24時間の反応時間内で、上述の反応において100%の転換率を与えた。

Claims (12)

  1. 金属ナノ粒子、ならびに親水性ポリマーとなるモノマーから調製される少なくとも1つの親水性ブロックおよび疎水性ポリマーとなるモノマーから調製される少なくとも1つの疎水性ブロックを含む星形ブロックコポリマーを含有する単分子ミセル。
  2. 親水性ブロックが、ポリエーテルブロック、ポリ−N−ビニル−複素環式ブロック、ならびにヒドロキシル、アミノ、アミドおよび/またはカルボキシル基を含む、ポリアクリルおよび/またはポリメタクリルブロックから成る群から選択され、
    疎水性ブロックが、ポリエステルブロック、ポリオレフィンブロック、ポリアクリレートおよび/またはポリメタクリレートブロック、ならびにポリウレタンブロックから成る群から選択される、
    請求項1に記載の単分子ミセル。
  3. 前記星形ブロックコポリマーが、一般式IまたはIIの構造を有する、請求項1に記載の単分子ミセル:
    −[(親水性ブロック)−b−(疎水性ブロック)−R (I)
    −[(疎水性ブロック)−b−(親水性ブロック)−(b−疎水性ブロック)−R (II)
    (式中、
    zは、少なくとも3の整数であり、
    yは0または1であり、
    は、z価の有機基であり、
    は、水素、ヒドロキシルまたは有機基、好ましくは、水素またはアルキルもしくはアリール基であり、
    親水性ブロックは、親水性ポリマーとなるモノマーから調製されるブロックであり、好ましくは、ポリエーテルブロック、ポリ−N−ビニル−複素環式ブロック、あるいはヒドロキシル、アミノ、アミドおよび/またはカルボキシル基を含む、ポリアクリルおよび/またはポリメタクリルブロックであり、
    疎水性ブロックは、疎水性ポリマーとなるモノマーから調製されるブロックであり、好ましくは、ポリエステルブロック、ポリオレフィンブロック、ポリアクリレートおよび/またはポリメタクリレートブロック、ならびに/あるいはポリウレタンブロックであり、
    bは、親水性基と疎水性基との間の2価〜5価のリンカーであり、好ましくは、共有結合、2価炭化水素基、エステル基、エーテル基またはアミド基である)。
  4. 星形ブロックコポリマーが、一般式IIIまたはIVの構造を有する、請求項3に記載の単分子ミセル:
    −[((PE)−b−(PES))−R (III)
    −[((PES)−b−(PE))−(b−PES)−R (IV)
    (式中、
    PEはポリエーテルブロックであり、
    PESはポリエステルブロックであり、
    xは、少なくとも1の整数であり、
    yは0または1であり、
    、R、bおよびzは、請求項3で定義されている通りである)。
  5. ポリエーテルブロックが、式Vの繰返し単位である、請求項4に記載の単分子ミセル:
    (−O−R− (V)
    (式中、aは、少なくとも2、好ましくは2〜30の整数であり、
    は、アルキレン、シクロアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基、好ましくは、2〜6個の炭素原子を有するアルキレン基である)。
  6. ポリエステルブロックが、式VIaまたはVIbの繰返し単位である、請求項4に記載の単分子ミセル:
    (−R−COO)− (VIa)
    (−R−COO−R−COO)− (VIb)
    (式中、bおよびcは、互いに独立に、少なくとも1の整数であり、
    、RおよびRは、互いに独立に、アルキレン、シクロアルキレン、アリーレンまたはアラルキレン基、好ましくは、2〜6個の炭素原子を有するアルキレン基である)。
  7. 基Rが、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、炭水化物、ソルビトール、トリメシン酸、エチレンジアミン四酢酸およびジアミノ−ポリアルキレンイミンから誘導される、請求項3に記載の単分子ミセル。
  8. 基Rが、HN−CH−CH−NH−CH−CH−NHから誘導される、請求項7に記載の単分子ミセル。
  9. 金属が、元素の周期律表のIB〜VIIIB族の金属、好ましくは、元素の周期律表のIBおよびVIIIB族の金属またはこれらの混合物である、請求項1に記載の単分子ミセル。
  10. 金属が、白金、パラジウム、金、銀、ニッケルまたは鉄である、請求項8に記載の単分子ミセル。
  11. 金属ナノ粒子が、1nm〜100nm、好ましくは1nm〜10nm、極めて好ましくは1〜5nmの範囲の平均粒子直径を有する、請求項1に記載の単分子ミセル。
  12. 炭素−炭素共有結合の形成のための反応での触媒としての、請求項1に記載の単分子ミセルの使用。
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