JP2009506168A - 紫外線照射及びブレンステッド酸を用いる方法により製造される表面架橋超吸収性ポリマー粒子を含む吸収性物品 - Google Patents

紫外線照射及びブレンステッド酸を用いる方法により製造される表面架橋超吸収性ポリマー粒子を含む吸収性物品 Download PDF

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Abstract

本発明は、表面架橋超吸収性ポリマー粒子を含む吸収性物品に関し、該超吸収性ポリマー粒子は紫外線照射を用いた方法で製造される。本発明の方法で使用する超吸収性ポリマー粒子は比較的高い中和度を有する。ブレンステッド酸類が超吸収性ポリマー粒子の表面上に選択的に適用され、超吸収性ポリマー粒子のコアの比較的高い中和度に実質に影響を与えないまま、超吸収性ポリマー粒子の表面のカルボキシル基の比較的多数のプロトン化を選択的に促進する。

Description

本発明は、表面架橋された超吸収性ポリマー(SAP)粒子を含む吸収性物品に関し、SAP粒子は紫外線(UV)照射を用いた方法で製造される。本方法は、比較的高い中和度のSAP粒子を使用し、ブレンステッド酸類をさらに適用する。
超吸収性ポリマー(SAP)は当該技術分野において周知である。SAPは一般に、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁製品及び女性用ケア製品などの吸収性物品において、製品の吸収能力を増大させ、一方でそれらの全体容量を低下させる目的で適用する。SAPは、その重量の何倍もの量に等しい水性流体を吸収、保持する機能を備えている。
SAPの商業生産は1978年に日本で始まった。初期の超吸収体は、架橋デンプン−g−ポリアクリレートであった。SAPの商業生産においては、部分的に中和させたポリアクリル酸が最終的に初期の超吸収体に取って代わり、SAPにおいて主要なポリマーとなっている。SPAは多くの場合細かい粒子の形態で適用される。SAPは一般に、部分的に中和させ、僅かに架橋させたポリマー網状組織から成り、このポリマー網状組織は親水性であり、水又は生理食塩水などの水溶液に浸漬させると膨張する。ポリマー鎖間の架橋によって、SAPが水に溶解しないようにする。
水溶液の吸収後、膨潤したSAP粒子は非常に柔らかくなり、簡単に変形する。変形により、SAP粒子間の空隙が封鎖され、これにより、液体に対する流動抵抗が劇的に増大する。これは一般に「ゲルブロッキング」と呼ばれている。ゲルブロッキング状態において、液体は拡散によってしか膨張したSAP粒子の間を通って移動することができず、これはSAP粒子間の隙間を流動するよりもはるかに遅い。
ゲルブロッキングを低減するために一般的に適用される方法の1つは粒子をより堅くすることであり、それによって膨張したSAP粒子が元の形状を保持し、したがって粒子間に空隙を作り出すか維持するかすることができる。剛性を高める周知の方法は、SAP粒子の表面上に露出しているカルボキシル基を架橋することである。この方法は一般に表面架橋と呼ばれている。
当該技術分野は、例えば、表面架橋され、界面活性剤をコーティングされた吸収性樹脂粒子、及びそれらの調製方法に関する。表面架橋剤は、SAP粒子の表面上にあるカルボキシル基と反応する少なくとも2つのヒドロキシル基を含むポリヒドロキシル化合物であり得る。一部の技術分野では、表面架橋は、150℃以上の温度で行われる。
ごく最近では、表面架橋剤として使用するオキセタン化合物及び/又はイミダゾリジノン化合物の使用が開示されている。表面架橋反応は加熱下で行われることができ、温度は、好ましくは60℃〜250℃の範囲である。或いは、表面架橋反応を、好ましくは紫外線を使用する光照射処理によって達成することもできる。
上述した工業用表面架橋プロセスの欠点は、比較的長時間、一般には少なくとも約30分間かかることである。しかし、表面架橋プロセスに必要な時間が長いほど、より多くの表面架橋剤がSAP粒子内に浸透し、結果として粒子内部の架橋が増加し、SAP粒子の能力に悪影響を及ぼす。したがって、表面架橋プロセスの時間が短いことが望ましい。さらに、経済的なSAP粒子製造プロセス全体という点でも、短いプロセス時間が望ましい。
一般的な表面架橋プロセスの別の欠点は、それらがたいてい約150℃以上の比較的高い温度の下でしか行われないということである。これらの温度では、表面架橋剤がポリマーのカルボキシル基と反応するだけでなく、ポリマー鎖内又はポリマー鎖間で隣接するカルボキシル基の無水物形成、及びSAP粒子に組み込まれたアクリル酸二量体の二量体開裂などの他の反応も活性化される。それらの副反応もコアに影響を及ぼし、SAP粒子の能力を低下させる。さらに、高温への曝露により、SAP粒子の色の劣化を導く可能性がある。ゆえに、これらの副反応は一般に望ましくない。
吸水剤の製造のための酸類の使用は米国特許第5,610,208号に開示されている。本特許は、カルボキシル基を含有する吸水性樹脂を、無機酸類、有機酸類、及びポリアミノ酸類及びカルボキシル基と反応可能な架橋剤から成る群から選択される少なくとも1員の添加剤を混合する工程を含む吸水剤の製造方法に関する。混合物を100℃〜230℃の範囲の温度で熱処理をする。
当該技術分野において既知のSAPは、通常、例えば水酸化ナトリウムによって、部分的に中和される。しかしながら、中和は、表面架橋に対する必要性との調和を慎重に保たなければならず、また、当該技術分野で既知の表面架橋剤は、ポリマー鎖に含まれる遊離カルボキシル基と比較的高速で反応し、中和されたカルボキシル基とはゆっくりと反応するだけである。 このように、所与のカルボキシル基を表面架橋又は中和のいずれかに適用することが可能であるが、両方には適用できない。当該技術分野において既知の表面架橋剤は、好ましくは化学基カルボキシル基(the chemical group carboxyl groups)と反応し、脂肪族基とは反応しない。
SAP粒子を製造するプロセスでは通常、遊離カルボキシル基の中和を初めに実施し、その後、表面架橋を行う。実際、中和工程は、モノマーを重合かつ架橋させてSAPを形成させる前に、プロセスの一番初めに行うことが多い。このようなプロセスは「プレ中和プロセス」と名づけられている。或いは、SAPを重合の途中又は重合後に中和することもできる(「ポスト中和」)。さらに、これらの代替形態の組み合わせも可能である。
SAP粒子の外側表面上の遊離カルボキシル基の全体的な数が上述の中和によって制限されるだけでなく、遊離カルボキシル基もまた均質に分布しないとも考えられる。ゆえに、均一に分布された表面架橋を有するSAP粒子を得るのは現在のところ困難である。反対に、SAP粒子は幾分密集した表面架橋領域、即ち表面架橋の多い領域、及びまばらな表面架橋の領域を有することが多い。この不均等性は、SAP粒子の所望の全体的な剛性への悪影響となる。
したがって本発明の目的は、高程度の中和を有するSAP粒子を使用して、均一に分布している均一な表面架橋を備えたSAP粒子の製造方法を用意することにある。
本発明の更なる目的は、SAP粒子表面架橋の実利的な方法を用意することである。
さらに、ゲルブロッキングを回避する十分な剛性(場合によって「ゲル強度」と言う)と十分な膨張容量(場合によって「ゲルボリューム」と言う)の両方を有するSAP粒子を得ることは困難である。典型的には、SAP粒子のゲル強度を増加することはゲルボリュームに負の影響を及ぼし、逆もまた同様である。
したがって、容量の減少を最小とするため、表面架橋をSAP粒子のまさに表面だけに制限することが本発明のさらなる目的である。このように、SAP粒子のコアには大幅な影響を及ぼしてはならず、コアに導入される追加的な架橋は最小限にとどめるべきである。
さらに、本発明の目的は、SAP粒子の表面架橋の方法を用意することであり、該方法の効果を高めるために迅速に行なうことが可能である。
本発明の更なる目的は、無水物形成及び二量体開裂などの望ましくない副反応を低減すべく、中程度の温度で行なうことができる、SAP粒子の表面架橋の方法を用意することでもある。
表面架橋超吸収性ポリマー粒子を含む吸収性物品であって、前記超吸収性ポリマーが、
a)表面及びコアを有し、60モル%を超える中和度を有する超吸収性ポリマー粒子を用意する工程と、
b)1つ以上のブレンステッド酸類を前記超吸収性ポリマー粒子の前記表面上に適用する工程と、
c1)前記超吸収性ポリマー粒子を、100nm〜200nmの波長を有する真空紫外線照射に暴露する工程、又は
c2)前記超吸収性ポリマー粒子を、201nm〜400nmの波長を有する紫外線照射に暴露する工程のいずれかであって、前記ブレンステッド酸類に加えて、ラジカル形成剤分子が前記超吸収性ポリマー粒子の表面に適用される、工程を含む方法によって製造される。
本発明によるSAPは、好ましくは、部分的に中和されたα,β−不飽和カルボン酸のホモポリマー、又は部分的に中和されたα,β−不飽和カルボン酸がそれらと共重合可能なモノマーとともに共重合されたコポリマーを含む。さらに、好ましくはSAPに含まれるホモポリマー又はコポリマーは脂肪族基を含み、ここで、前記脂肪族基のうち少なくともいくつかはSAP粒子の表面に少なくとも部分的に含まれている。
SAP類は、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースなどの置換及び非置換の天然及び合成ポリマー;ポリビニルアルコール及びポリビニルエーテル類などの非イオン型;ポリビニルピリジン、ポリビニルモルフォリニオン、そしてN,N−ジメチルアミノエチル又はN,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート類及びメタクリレート類、並びにそれらの各第四級塩などの陽イオン型を包含する、様々な化学的形態で入手可能である。典型的には、本明細書において有用なSAP類は、スルホン酸のような複数の陰イオン性官能基、及びより典型的にはカルボキシル基を有する。本明細書で使用するのに好適なポリマー類の例としては、重合可能な不飽和の酸含有モノマー類から調製されるものが挙げられる。したがって、こうしたモノマー類には、少なくとも1つの炭素−炭素オレフィン性二重結合を含有するオレフィン性不飽和酸類及び無水物類が包含される。さらに具体的には、このようなモノマー類はオレフィン性不飽和カルボン酸類及び酸無水物類、オレフィン性不飽和スルホン酸類、並びにこれらの混合物から選択することができる。
SAP類を調製する際、幾つかの酸性ではないモノマー類が、通常は微量で包含される可能性もある。こうした酸性ではないモノマー類としては、例えば、酸を含有するモノマー類の水溶性又は水分散性のエステル類、並びにカルボン酸基又はスルホン酸基を全く含有しないモノマー類を挙げることができる。したがって、任意の酸性ではないモノマー類には、次の種類の官能基:カルボン酸又はスルホン酸エステル類、ヒドロキシル基類、アミド基類、アミノ基類、ニトリル基類、第四級アンモニウム塩基類、アリール基類(例えば、スチレンモノマーに由来するようなフェニル基類)を含有するモノマー類を包含することができる。これらの酸性ではないモノマー類は、周知の材料であり、例えば米国特許第4,076,663号及び米国特許第4,062,817号により詳細に記載されている。
オレフィン性不飽和のカルボン酸及びカルボン酸無水物のモノマー類には、アクリル酸自体で代表されるアクリル酸類、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、α−シアノアクリル酸、β−メチルアクリル酸(クロトン酸)、α−フェニルアクリル酸、β−アクリルオキシプロピオン酸、ソルビン酸、α−クロロソルビン酸、アンゲリカ酸、ケイ皮酸、p−クロロケイ皮酸、β−ステリルアクリル酸(sterylacrylic acid)、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルボキシエチレン及びマレイン酸無水物が挙げられる。
オレフィン性不飽和スルホン酸モノマー類には、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸及びスチレンスルホン酸などの脂肪族又は芳香族のビニルスルホン酸類;スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのアクリル及びメタクリルスルホン酸が挙げられる。
本発明による好ましいSAP類は、カルボキシル基を含有する。これらのポリマー類は、加水分解デンプン−アクリロニトリルのグラフトコポリマー類、部分的に中和された加水分解デンプン−アクリロニトリルのグラフトコポリマー類、デンプン−アクリル酸のグラフトコポリマー類、部分的に中和されたデンプン−アクリル酸のグラフトコポリマー類、鹸化された酢酸ビニル−アクリル酸エステルのコポリマー類、加水分解されたアクリロニトリル又はアクリルアミドのコポリマー類、前述のコポリマーのいずれかの僅かに網状架橋されたポリマー類、部分的に中和されたポリアクリル酸、及び部分的に中和されたポリアクリル酸の僅かに網状架橋されたポリマー類、部分的に中和されたポリメタクリル酸、及び部分的に中和されたポリメタクリル酸の僅かに網状架橋されたポリマー類を含む。これらのポリマー類は、単独で、又は2つ以上の異なるコポリマー類の混合物の形態で使用されることができ、混合物として使用されるときには、各々が部分的に中和される必要はないが、結果として生じるポリマーが部分的に中和されていなければならない。これらのポリマー材料の例は、米国特許第3,661,875号、米国特許第4,076,663号、米国特許第4,093,776号、米国特許第4,666,983号、及び米国特許第4,734,478号に開示されている。
本発明で使用される最も好ましいポリマー素材は、部分的に中和されたポリアクリル酸の僅かに網状架橋されたポリマー類、部分的に中和されたポリメタクリル酸の僅かに網状架橋されたポリマー類、それらのコポリマー類及びそれらのデンプン誘導体である。最も好ましくは、SAP類は、部分的に中和され、僅かに網状架橋されたポリアクリル酸(即ち、ポリ(アクリル酸ナトリウム/アクリル酸))を含む。本発明で使用するSAPは、少なくとも60%〜95%、より好ましくは少なくとも65%〜95%、さらに好ましくは少なくとも70%〜95%、及び最も好ましくは75%〜95%中和させる。網状架橋は、ポリマーを実質的に非水溶性にし、ヒドロゲルを形成する吸収性ポリマー類の吸収能力を決定するという一面もある。前記ポリマーを網状架橋するための方法及び典型的な網状架橋剤は、米国特許第4,076,663号により詳細に記載されている。
α,β−不飽和カルボン酸モノマー類を重合するための好適な方法は水溶液重合であり、これは当該技術分野において周知である。α,β−不飽和カルボン酸モノマー類と、重合反応開始剤が含まれている水溶液は、重合反応させる。この水溶液にはまた、さらに、α,β−不飽和カルボン酸モノマー類と共重合可能であるモノマー類を含めてもよい。少なくとも、α,β−不飽和カルボン酸は、モノマー類の重合前、重合中又は重合後に、部分的に中和させなければならない。
水溶液中のモノマー類は、標準的な遊離ラジカル技法により、一般には紫外線(UV)活性剤などの活性化用の光開始剤を用いて重合させる。或いは、レドックス反応開始剤を使用してもよい。しかしながらこの場合、高い温度が必要になる。
吸水性樹脂は、好ましくは、非水溶性にするために僅かに(lightly)架橋させる。望ましい架橋構造は、選択した水溶性モノマーと、分子単位で少なくとも2つの重合可能二重結合を備えた架橋剤との共重合により形成させてもよい。架橋剤は、水溶性ポリマーを架橋するのに効果的な量で含有させる。好ましい架橋剤の量は、所望の吸収能力の程度及び吸収された流体を保持するのに望ましい力、即ち、負荷下での所望の吸収性によって決まる。通常、架橋剤は、使用される100重量部のモノマー(α,β−不飽和カルボン酸モノマー及び可能なコモノマーを含む)当たり、0.0005〜5重量部の範囲の量で使用される。100重量部につき5重量部を超える量の架橋剤を用いると、結果として生じるポリマー類の架橋密度は非常に高く、吸収能力が低下し、吸収された流体を保持する力が増大する。100重量部につき0.0005重量部未満の量で架橋剤を用いると、ポリマーの架橋密度は非常に低く、吸収すべき流体と接触すると、粘着性と水溶性が高くなり、特に負荷下では吸収性能が低下する。架橋剤は、典型的には水溶性である。
架橋剤をモノマーと共重合させる代わりに、重合後に別個のプロセス工程にてポリマー鎖を架橋することも可能である。
重合、架橋、及び部分的な中和の後、濡れた状態のSAPを脱水(即ち、乾燥)し、乾燥したSAPを得る。脱水工程は、粘性を有するSAPを約1〜2時間、強制空気オーブン内で約120℃まで加熱するか、又は粘性を有するSAPを約60℃で一晩中加熱することによって行うことができる。乾燥後のSAP内の残留水の含有量は、主に乾燥時間及び乾燥温度に左右される。本発明によると「乾燥SAP」は、乾燥SAPの重量で0.5%から乾燥SAPの重量で50%まで、好ましくは、乾燥SAPの重量で0.5%〜45%、さらに好ましくは0.5%〜30%、またさらに好ましくは0.5%〜15%、及び最も好ましくは0.5%〜5%の残留水分含有量を有するSAPを表す。特に明記されていない場合、以下において「SAP粒子」という用語は乾燥SAP粒子を表す。
SAP類は多数の形状の粒子に変換され得る。「粒子」という用語は、顆粒、繊維、フレーク、球体、粉末、小板、並びにSAPの当業者に既知のその他の形状及び形態のことを指す。例えば粒子は、粒径約10μm〜1000μm、好ましくは約100μm〜1000μmの顆粒又はビーズ状とすることができる。他の実施形態において、SAPは、繊維状、即ち細長く針状のSAP粒子とすることができる。こうした実施形態において、SAP繊維は、約1mm未満、普通は約500μm未満、好ましくは250μm未満から50μmまでの小さい寸法(即ち、繊維の直径)を有する。繊維の長さは、好ましくは約3mm〜約100mmである。好ましくはないが、繊維はまた織ることのできる長いフィラメントの形態であることができる。本発明のSAP粒子はコア及び表面を有する。本発明によると、乾燥SAPは表面架橋プロセス工程を受ける。即ち、粒子がそれらの表面において架橋される一方、粒子のコアにおける架橋の数は本発明の方法によって実質的に増加しない。
「表面」という用語は、粒子の外側に面した境界のことを指す。多孔質SAP粒子に関しては、内部露出面も表面とみなしてもよい。本発明では、SAP粒子の「表面」は完全で連続的に外側に向いている乾燥SAP粒子の6%容量を言い、一方「コア」は容量の94%であり、乾燥SAP粒子の内部領域を含む。
表面架橋SAP粒子は当該技術分野で既知である。先行技術の表面架橋の方法においては、表面架橋はSAP粒子の表面に施される。表面架橋SAP粒子において、SAP粒子表面の架橋レベルはSAP粒子のコアの架橋レベルより大幅に高い。
一般に適用される表面架橋剤は、熱活性化可能な表面架橋剤である。用語「熱活性化可能な表面架橋剤」は、典型的には約150°Cの高温にさらすことによってのみ反応する表面架橋剤を指す。従来技術において既知の熱活性化可能な表面架橋剤は、例えば、SAPのポリマー鎖間に更なる架橋を構築することができる二官能剤又は多官能剤である。典型的な熱活性化可能な表面架橋剤としては、例えば、二価アルコール若しくは多価アルコール、又は二価アルコール若しくは多価アルコールを形成できるそれらの誘導体が挙げられる。このような表面架橋剤の代表は、アルキレンカーボネート、ケタール、及びジ−又はポリグリシジルエーテルである。さらに、(ポリ)グリシジルエーテル、ハロエポキシ化合物、ポリアルデヒド、ポリオール、及びポリアミンも、また、周知の熱活性化可能な表面架橋剤である。架橋は、例えばカルボキシル基(ポリマーに含まれる)とヒドロキシル基(表面架橋剤に含まれる)との間のエステル化反応によって形成される。典型的には、ポリマー鎖のカルボキシル基の比較的大部分が重合工程前に中和されるので、一般には、当該技術分野において既知のこの表面架橋プロセスのためには、ほんの僅かなカルボキシル基しか利用できない。例えば、70%中和させたポリマーでは、共有表面架橋結合のために、10個のカルボキシル基のうちたった3個しか利用できない。
本発明の方法は、SAP粒子の表面架橋に使用される。ゆえに、SAP粒子に含まれるポリマー鎖は、分子単位内に少なくとも2つの重合可能な二重結合を含む当該分野で既知の架橋剤で既に架橋されている。
本発明の方法により、異なるポリマー鎖の主鎖内に含まれる炭素原子間の直接共有結合を超吸収性ポリマー粒子の表面上に形成させる。
所望により、表面架橋分子もまた本発明の方法で使用されてもよい。表面架橋分子がSAP粒子に添加されるかかる実施形態では、SAP粒子の表面に含まれるポリマー鎖の間に更なる共有結合が形成される。これらの更なる共有結合には、前記表面架橋分子の反応生成物が含まれている。
本発明による「直接共有結合」は、架橋分子に含まれている原子などの中間原子のない共有結合のみによってポリマー鎖が相互に結合される共有結合である。それとは反対に、ポリマー鎖間の既知の架橋反応は、常にこれらのポリマー鎖間に共有結合をもたらし、架橋分子の反応生成物がポリマー鎖間に組み込まれる。ゆえに、既知の表面架橋反応は、直接共有結合をもたらさず、架橋分子の反応生成物を含む間接共有結合をもたらす。直接共有結合は、第1のポリマー鎖の主鎖内の炭素原子と、第2のポリマー鎖の主鎖内の炭素原子との間に形成される。結合は、SAP粒子内の微粒子内に形成され、より具体的には、結合は、SAP粒子の表面上に形成されるが、SAP粒子のコアは、かかる直接共有結合を実質的に含まない。
ポリマー鎖の「主鎖」は、ポリマー鎖を直ちに形成するこれら炭素原子を表す。主として、反応がポリマー鎖の主鎖の部分である炭素原子の除去という結果に終わった場合、この反応はまた、この炭素原子が前もってポリマー鎖に形成された場所のポリマー鎖の破断という結果になるであろう。
所望により、表面架橋分子もまた本発明の方法で使用されてもよい。表面架橋分子がSAP粒子に添加されるかかる実施形態では、SAP粒子の表面に含まれるポリマー鎖の間に更なる共有結合が形成される。これらの更なる共有結合には、前記表面架橋分子の反応生成物が含まれている。
本発明の異なるポリマー鎖の架橋は、異なるSAP粒子を互いに結合することを意図しない。したがって、本発明の方法は、異なるSAP粒子間の感知できるほどの粒子間結合を導くのではなく、結果として、SAP粒子内部に粒子内の直接共有結合のみをもたらす。存在する場合、かかる粒子間の直接共有結合は、それゆえに、更なる粒子間架橋材料を必要とする。
2つの炭素原子間の共有結合によってポリマー鎖を相互に直接結合させる本発明の方法は、従来の表面架橋の代わりに、又は従来の表面架橋に加えて、SAP粒子を表面架橋するために適用することができる。
放射活性化可能なラジカル形成剤分子
10nm〜200nmの波長の紫外線(真空紫外線、以下VUVと記載)を本発明の方法に使用する場合は、表面架橋の効果を増加させるために放射線活性可能なラジカル形成剤分子を任意で適用してもよい。しかしながら、かかるラジカルの使用はVUVに必須ではなく、ラジカル形成剤は表面架橋方法の総費用を実質的に増加させる可能性があるので、実際はコスト削減のために省いてもよい。VUVを使用するので、ラジカル形成剤は表面架橋反応を開始するために必ずしも必要ではない。
本発明の方法に200nm〜400nmの波長を有する紫外線を使用する場合はラジカル形成剤分子を適用しなければならない。表面架橋反応はラジカル反応であるので、そうしないと反応を開始することはできない。
SAP粒子の表面に含まれるポリマー鎖のポリマー主鎖の中の炭素中心ラジカルの形成を可能にするために、放射線活性化可能ラジカル形成剤分子(以下ラジカル形成剤と呼ぶ)を適用する。反応は紫外線照射によって始まる。異なるポリマー鎖に含まれるこれら炭素中心ラジカルの2個が互いに反応し、これによりポリマー鎖間に直接共有結合を形成する。
照射により、第1の工程でラジカル形成剤分子の一部が典型的には酸素中心である中間体ラジカルを形成し、第2の工程でSAP粒子表面のポリマー主鎖に含まれる炭素原子と反応してポリマー主鎖に炭素中心ラジカルを形成する。
原則として、ビニルモノマー類の重合を開始するために通常使用される任意の光開始剤を、本発明による表面架橋のためのラジカル形成剤として適用することができる。かかる光開始剤は、ビニルモノマー類のラジカル連鎖重合を誘引する働きをする。光開始剤を紫外線で照射して形成される反応中間体種は、SAP粒子表面のポリマー鎖のポリマー主鎖に含まれるC原子のC−H結合から水素原子を取り去ることが可能であると考えられる(それをもって本発明の架橋を開始する)。
最も好ましくは、放射線活性化可能ラジカル形成剤分子は、紫外線照射によって均一に切断される(いわゆる光分解)ペルオキソ架橋(peroxo bridge)(O−O)を含む。
しかしながら、反応中間体種はまた、紫外線照射によって短寿命のいわゆる励起三重項状態に変換されたケトンであってもよい。三重項状態のケトンはまたポリマー主鎖に含まれるC原子のC−H結合から水素原子を取り去ることが可能であり、それによりケトンはアルコールに変換(いわゆる光還元)される。
本発明のラジカル形成剤は水溶性であることが特に好ましい。水溶性ラジカル形成剤は、25℃で少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも5重量%、最も好ましくは少なくとも10重量%の水への溶解度特性を示さなければならない。
当初水溶性でないラジカル形成剤は、例えば、カルボン酸塩又はアンモニウムのような分子構造に荷電群を導入するなどによって誘導体化することにより水溶性にすることができる。一つの例として、ベンゾフェノンは簡単に安息香酸に誘導化され得る。しかしながら、ラジカル形成剤は本質的に水溶性であること、即ち官能基を導入する必要がないのが好ましい。典型的な本質的に水溶性放射線活性化ラジカル形成剤は、アルカリ金属又はその他の無機ペルオキソ二硫酸或いは誘導体化されたペルオキソ二硫酸のような過酸化物である。水溶性のアゾ系反応開始剤もまた使用することができる(例えば、市販のV−50又はVA−086、ワコー・スペシャルティ・ケミカルス社(Wako Specialty Chemicals))。無機過酸化物は典型的には水溶性の要件を満たすが、有機化合物は典型的には誘導体化が必要である。最も好ましい水溶性のラジカル形成剤はペルオキソ二硫酸ナトリウムである。
ラジカル形成剤を水溶液に用意することの利点(したがって、水溶性ラジカル形成剤を使用する利点)は二点ある。一つは、水溶液はSAP粒子表面の効率的な湿潤を容易にすることである。したがって、ラジカル形成剤分子は実際に粒子表面に送達され、そこで表面架橋反応が開始される。
他方では、SAP粒子表面の効果的な湿潤はSAP粒子の表面に含まれるポリマー鎖の鎖運動性を強化する。このことは、ポリマー主鎖に含まれる炭素原子と、照射によってラジカル形成剤が変化してできる反応中間体種との間の二分子反応を容易にする。この効果は、実際に今日最も広く用いられているSAP粒子である、ポリ(メチル)アクリル酸に含まれるSAP粒子にとって特に有利である。ポリアクリル酸のガラス転移温度は106℃であり、ポリアクリル酸のナトリウム塩は中和度100%で200℃超のガラス転移温度を有し、一方本発明の表面架橋は通常100℃より低い温度で行われる。水の存在により、部分的に中和されたポリアクリル酸のガラス転移温度を有意に引き下げることができる。例えば、中和度65%のポリアクリル酸ナトリウムのガラス転移温度は、5重量%の水の存在下での約150℃から、35重量%の水の存在下では室温より低くまで引き下げることができる。しかしながら、この効果を活用するためには、SAP粒子のまさに表面の実際の局所濃度が重要である。
本発明の架橋が実際にSAP粒子の表面に限定されることを確実にするため、水が分散によって全粒子容量にわたって均一に送達されることを防がなければならない。したがって、紫外線照射の工程は、ラジカル形成剤を含む水溶液がSAP粒子に適用された後1時間以内に、より好ましくは10分以内に、最も好ましくは1分以内に行なわれなければならない。
有機溶媒は通常水より高価であり、環境問題を考えると問題も多いので、水溶性ラジカル形成剤が非常に好ましい。しかしながら、上述の誘導体化を通じて水溶性とされていない有機ラジカル形成剤もまた使用してもよく、水ではなく有機溶媒に適用することができる。例としては、紫外線を照射した時に光還元反応を起こすことで知られているベンゾフェノン又は任意のその他の好適なケトンがある。さらなる例は、紫外線を照射した時にフォトフラグメンテーションを起こすことで知られているジベンゾイルペルオキシド又は任意のその他の有機過酸化物である。
本発明の方法では、ラジカル形成剤はSAP粒子の25%未満の量、より好ましくは15%未満の量、最も好ましくは1%〜5%の量で好ましくは適用される。ラジカル形成剤は典型的には水溶液に適用される。或いは、あまり好ましくはないが、ラジカル形成剤と水を2つの工程で加えることができる。しかし、放射の間両方が表面に存在しなければならない。水の量は、好ましくはSAP粒子の25%未満、より好ましくは15%未満、最も好ましくは5%〜10%の間である。経済的な理由から、表面架橋の後の乾燥工程を短くする又は完全に回避するために、添加する水の量をできるだけ少なくすることが好ましい。
表面架橋分子
表面架橋分子は、SAP粒子の表面に含まれるポリマー鎖の主鎖に位置する上記の炭素中心ラジカルと反応可能な官能基を少なくとも2個有する任意の化合物である。炭素中心ラジカルを有する表面架橋分子の官能基の反応により新しい共有結合が形成され、架橋分子をポリマー主鎖上に融合させる。
表面架橋分子の官能基は、好ましくはC=C二重結合である。より好ましくは、架橋している分子は2つ以上のC=C二重結合を含む。或いは、官能基はCH−X部分であってもよく、Xはヘテロ原子である。CH−X部分の好ましい例はエーテル、CH−O−Rであり、Rはアルキル残基である。
本発明の好ましい架橋分子は、多官能アリル及びアクリル化合物であり、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチルプロパントリクリレート(trimethylpropane tricrylate)又は他のトリアクリレートエステル類、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラアリルオルトシリケート、ジペンタエリスリトールペンタアシラレート(di-pentaerythritol pentaacyralate)、ジペンタエリスリトールヘキサアシラレート(di-pentaerythritol hexaacyralate)、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラアリルオキシエタン、ジアリルフタレート、ジエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルアミン、1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルシトレート、又はトリアリルアミンである。
或いは、表面架橋分子は、スクアレン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、イコサ−ペンタエン酸、ソルビン酸、又はビニル末端シリコーンから成る群より選択する。
アリル基の二重結合を有する化合物はアクリル二重結合を有する化合物より一般により好ましい。 本発明の最も好ましい架橋分子はジアリルジメチル塩化アンモニウムである。
表面架橋分子が適用される場合は、例えば、不活性溶媒(任意に蒸発させることができる)が含まれている溶液中での噴霧適用により、SAP粒子が紫外線照射される前に表面架橋分子を添加すべきである。表面架橋分子は、適用後直接蒸発するジクロロメタンなどの有機溶媒中で適用できる。SAP粒子を湿らせる実施形態では、表面架橋分子を水と共に懸濁液として、又は、架橋分子が水溶性の場合は水溶液として適用することも可能である。
さらに、表面架橋分子がラジカル形成剤と共に適用される実施形態において、表面架橋分子のラジカル形成剤に対するモル比は、好ましくは0.2〜5、より好ましくは0.33〜3、最も好ましくは1〜3の範囲である。
ラジカル形成剤を追加的に使用せずに表面架橋分子のみを使用する実施形態において(VUV照射にのみ適用可能)、表面架橋分子は乾燥SAP粒子の重量で0.1%〜10%、より好ましくは1%〜5%の濃度で適用するのが好ましい。
表面架橋化合物は好ましくは水溶性であり、ラジカル形成剤を含む水溶液と共に適用することができる(VUVを任意で使用する場合)。もしも好ましくない水溶性の表面架橋分子を適用する場合は、ラジカル形成剤を含む水溶液に乳化させる若しくは懸濁させる、又は別途適用する。水溶性表面架橋分子はまた、適用後直接蒸発するジクロロメタンなどの有機溶媒中で適用できる。
流動床スプレーチャンバを用いて表面架橋分子及び/又はラジカル形成剤をSAP粒子にスプレーしてもよい。同様に、乾燥を完了させるために赤外線照射してもよい。代わりに、赤外線と組み合わせて、乾燥工程においてあらゆる従来の乾燥装置を使用することができる。しかしながら、本発明の特定の実施形態では、例えば、ほんの少量の表面架橋分子及び/又はラジカル形成剤が適用されて、少量の溶液に溶解される場合など、ほとんど又は全く乾燥を必要としない。
本発明の方法によると、紫外線照射の前又はそれと紫外線照射と同時に、ドラム反応装置の外で表面架橋分子及び/又はラジカル形成剤をSAP粒子に常に適用する。
ラジカル形成剤及び表面架橋分子を用いない反応機構(VUVの使用のみ適用可能)
中間体炭素中心ラジカルの形成に寄与すると識別されうる機構はいくつかある。ある程度、これらの機構が同時に起こる可能性がある。
波長100nm〜200nmの紫外線で照射する際(真空紫外線、以下VUVと呼ぶ)、O−H結合の均一開裂により水分子からヒドロキシルラジカルを生成する。高反応で短命のこれらの種は、SAP粒子表面のポリマー鎖の主鎖に含まれる炭素−水素結合(C−H結合)から水素原子を取り去ることが可能であり、前記炭素中心ラジカルを形成する。
基本的に、ポリマー鎖の主鎖に含まれる炭素−水素結合から水素原子を取り去る代わりに、ポリマー鎖から完全なカルボキシル基を取り去る(脱炭酸化)ことも可能である。この反応の結果、炭素中心ラジカルがSAP粒子表面に含まれるポリマー鎖の主鎖に形成される。
水分子は、例えば乾燥SAP粒子内に含まれる残留水分子であり得るが、噴射の適用、又は好ましくは、水蒸気によってSAP粒子にわずかに湿気を与えることにより水分子を用意することもできる。例えば、SAP粒子の残留水分含有量が比較的低い(乾燥SAP粒子の重量で0.5%より低い)場合は、湿気を与えた方がよい場合がある。
ラジカル形成剤(VUVの使用に任意的)及び任意の表面架橋分子との反応機構:
光分解されるラジカル形成剤分子は不安定な結合を含んでいる。紫外線照射で不安定な結合は破断し、2つのラジカル(R 及びR )が式1にしたがって形成される。)
この均一開裂は、ラジカル形成剤分子(いわゆる、前駆体分子)に含まれる不安定な結合が当該分子を2つの同一部分に分割する場合、結果として2つの同一ラジカルをもたらす場合がある。或いは、均一開裂は、結果として2つの異なるラジカルをもたらす場合がある。
形成されたラジカルは、SAP粒子の表面のポリマー鎖の主鎖に含まれる脂肪族C−H基と反応して、このポリマー鎖の主鎖に炭素中心ラジカルを形成することができる。かかる2つの炭素中心ラジカルは互いに反応し、ポリマー主鎖に含まれる炭素原子間に直接共有結合を形成することができる。
この場合もやはり、基本的に、ポリマー鎖の主鎖に含まれる炭素−水素結合から水素原子を取り去る代わりに、ポリマー鎖から完全なカルボキシル基を取り去る(脱炭酸化)ことも可能である。この反応の結果、炭素中心ラジカルがSAP粒子表面に含まれるポリマー鎖の主鎖に形成される。
所望により、本発明の方法に表面架橋分子を追加的に使用することができる。かかる実施形態では、ラジカル形成剤分子から形成されたラジカルは、架橋分子に含まれるC=C二重結合の1つと反応して、架橋分子と初期のラジカルとの反応生成物から成るラジカルを形成することができる。
ポリマー鎖セグメント内の炭素中心ラジカルはこのラジカルと反応することができる。この反応の反応生成物はポリマー鎖であり、ラジカル形成剤分子と架橋分子の反応生成物はポリマー主鎖の炭素原子に共有結合する。
その後、ラジカル形成剤分子から形成されたラジカルは、架橋分子のC=C二重結合の2つ目と反応することができる。
ポリマー鎖間で架橋を形成するため、炭素中心ラジカルは、同じSAP粒子表面の別のポリマー鎖に含まれる別の炭素中心ラジカルと結合する。
したがって、ラジカル形成剤又は表面架橋分子を適用しないVUVのみに関して上記した反応に対し、ラジカル形成剤及び表面架橋分子の追加的使用を伴う反応は、SAP粒子表面の2つの異なるポリマー鎖の主鎖に含まれる2つの炭素原子間の直接共有結合をもたらさない。しかしながら、ラジカル形成剤及び表面架橋分子が追加的に使用される場合は、直接共有結合につながる上記の反応が追加的に起こる。
さらに、ラジカル形成剤のみを使用することが可能であり、その場合はポリマー主鎖の中の炭素中心ラジカルが形成される。かかる実施形態では直接共有結合のみが形成され、ラジカル形成剤はSAP粒子の表面に共有結合しない。
VUVを使用する実施形態では、ラジカル形成剤を追加的に使用せずに表面架橋分子のみを適用することも可能である。これら実施形態では、VUV照射の際にSAP粒子の表面に含まれるポリマー主鎖に形成される炭素中心ラジカルは、表面架橋分子のC=C二重結合の1つと反応する。これにより、表面架橋分子はSAP粒子の表面に共有結合し、表面架橋分子の元のC=C二重結合に含まれていた2つのC原子の一方にラジカルが誘導される。このラジカルもやはりSAP粒子表面の別の(隣接している)ポリマー鎖から水素原子を取り去ることが可能であり、したがって、この別のポリマー鎖のポリマー主鎖に別の炭素中心ラジカルが形成される。この炭素中心ラジカルは次に、表面架橋分子に含まれる、第1のC=C二重結合に含まれたラジカル反応を介してSAP粒子にすでに共有結合している2つ目のC=C二重結合と反応することができる。その結果、表面架橋分子の反応生成物を介してSAP粒子の2つのポリマー鎖が架橋される。
照射時に光分解されるラジカル形成剤分子を用いる場合、網状反応は2つのポリマー鎖セグメント間の架橋の形成であり、架橋は2つのC=C二重結合を有する1つの架橋分子と2つのラジカル形成剤分子との反応生成物を含む。
架橋分子の追加使用により反応時間がより短くなるため、反応効率をさらに高めることができる。理論に束縛されるものではないが、表面架橋分子の非存在下で表面架橋反応が開始される紫外線照射の律速段階は、2つの炭素中心ラジカルのいわゆる再結合であり、2つの異なるポリマー鎖内に含まれる2つの炭素原子間の直接共有結合を形成すると考えられる。 この再結合は二次速度法則に従う。即ち、反応速度は互いに乗じた両方の反応生成物(即ち、結合する2つの炭素中心ラジカル)の濃度に比例する。
しかし、表面架橋分子を添加する場合、表面架橋分子から形成されたラジカルとポリマー鎖内に含まれる炭素中心ラジカルとの間の反応は疑似一次速度式の法則にしたがって起こると考えられる。即ち、第2の反応相手である表面架橋分子から形成されたラジカルの濃度が、反応を通して一定であるとみなすことができるほど非常に高いため、反応速度は、炭素中心ラジカルの濃度のみに比例する。疑似一次速度式の反応は二次速度式の動力学的に好ましい対反動であることが知られており、即ち、より速い反応速度を有する。
光分解されるラジカル形成剤分子に代わるものとして、カルボニル基を含む、光還元を受けるラジカル形成剤分子を使用することも可能である。本発明の好ましい実施形態では、かかるラジカル形成剤分子はケトン類である。
紫外線照射により、この種のラジカル形成剤分子は「励起状態」(三重項状態)に移動する。そのため、これらはもうラジカルには変換されないが、照射前よりも非常に反応性が高い。
次の工程では、励起状態のラジカル形成剤分子はSAP粒子表面のポリマー鎖の主鎖に含まれる脂肪族C−H基と反応して水素ラジカルを取り去り、このポリマー鎖に炭素中心ラジカル及びケチルラジカルを形成する。
ケチルラジカルは、今度は架橋分子のC=C結合の一つと反応することが可能である。或いは(又は表面架橋分子を使用しない実施形態に限っては)、2つのケトルラジカルが互いに再結合して反応開始剤であるベンゾフェノンのいわゆるピナコール(例えばベンゾピナコール(benzpinacol))を形成する。
本発明の−両方の種類のラジカル形成剤分子に関する−好ましい実施形態では、架橋分子は、2つを超えるC=C二重結合を含む。これら実施形態では、2つを超えるポリマー鎖セグメントが、上述の反応機構に従って互いに架橋され得る。これら実施形態では、架橋に含まれるラジカル形成剤分子の反応生成物の数は、架橋分子に含まれるC=C二重結合の数と等しい。
本発明によると、架橋分子の1種のみを使用してもよく、或いは、2つ以上の化学的に異なる架橋分子を適用することができる。同様に、1種の放射活性化可能なラジカル形成剤分子のみを使用してもよく、或いは、2つ以上の化学的に異なる放射活性化可能なラジカル形成剤分子を適用することができる。
均一に分布した表面架橋を有するSAP粒子を得ることを確実にするため、ラジカル形成剤(VUVを使用する場合は任意で適用、その他全ての紫外線には必須)及び任意の表面架橋分子はSAP粒子上に均一に分布されなければならない。そのため、表面架橋剤は、好ましくはSAP粒子上に噴霧することにより適用される。
従来技術において既知である表面架橋と比較すると、本発明による表面架橋ははるかに迅速である高温下で行われる従来技術の表面架橋反応は通常、最長45分かかる。時間がかかるこのプロセス工程では、SAP粒子の製造プロセスが望ましいほど経済的にならない。反対に、本発明による架橋プロセスは典型的には数分以内という有意に短い反応時間内で行われることが可能であり、したがって、SAP粒子の製造時間の全体的な改善が可能となる。これによりエネルギーコストが下がり処理量が増加する。
さらに、表面架橋反応は迅速に進行するので、SAP粒子の表面に適用されたラジカル形成剤分子(VUVが使用される場合に任意で適用)及び任意の表面架橋分子がSAP粒子の内側に浸透する時間は短い。したがって、先行技術の表面架橋と比較して、SAP粒子表面への表面架橋を実際に制限してSAP粒子のコアにおける望ましくないさらなる架橋反応を回避することが容易である。
本発明の別の利点は中和工程である。β−不飽和カルボン酸モノマー類は多くの場合重合プロセスの前に中和される(プレ中和)。モノマー類の酸性基を中和するのに有用な化合物は、典型的には、中和プロセスに不利益な影響を有さずに酸性基を十分に中和する化合物である。前記化合物としてはアルカリ金属の水酸化物類、炭酸及び重炭酸のアルカリ金属塩類が挙げられる。好ましくは、モノマー類の中和に使用する材料は水酸化ナトリウム又はカリウム、若しくは炭酸ナトリウム又はカリウムである。結果として、ポリマーのα,β−不飽和カルボン酸が含むカルボキシル基が少なくとも部分的に中和される。水酸化ナトリウムを使用する場合、中和によってアクリル酸ナトリウムが生じ、これが水中でマイナスに帯電したアクリル酸モノマーとプラスに帯電したナトリウムイオンとに解離する。当該技術分野で既知の表面架橋剤はポリマーのカルボキシル基と反応するので、中和の程度は表面架橋の必要性と平衡を保たせなければならない。何故なら、両方の工程がカルボキシル基を使用するからである。
水溶液を吸収した後の最終的なSAP粒子が膨張状態にある場合、ナトリウムイオンはSAP粒子内を自由に移動することができる。おむつ又はトレーニングパンツなどの吸収性物品において、SAP粒子は典型的には尿を吸収する。蒸留水と比較して、尿には、少なくとも部分的に解離した形態で存在する塩が比較的多く含まれている。尿に含まれる解離した塩のために、液体はSAP粒子内に吸収されにくくなる。それは、解離した塩のイオンに起因する浸透圧に逆らって液体を吸収しなければならないからである。SAP粒子内で自由に移動することができるナトリウムイオンは浸透圧を低下させるので、液体が粒子内に吸収されるのを大きく促進する。したがって、高程度の中和は、概して、SAP粒子の能力及び液体吸収速度を大いに高めることができる。
さらに、高程度の中和は通常材料費を削減し、その結果SAP粒子の全体的な製造コストもまた削減する。ポリマーを中和するために一般に使用される水酸化ナトリウムは、今日のSAPの最も好ましいポリマーであるアクリル酸と比較して安価である。したがって、中和の程度を高くすると所定量のSAP含まれる水酸化ナトリウムの量が増加する。その結果、SAPの製造に必要なアクリル酸の量が少なくなる。したがって本発明の方法は、SAP粒子を経済的に魅力のある方法で製造する方法を用意する。
本発明のさらなる利点は、表面架橋プロセス中の望ましくない副反応の低減である。従来技術から知られている表面架橋は、通常約150℃以上の高温を必要とする。これらの温度では、表面架橋反応が達成されるだけでなく、例えば、ポリマー内での無水物形成又はアクリル酸モノマー類によって先に形成された二量体の二量体開裂などの多数の他の反応も起こる。これらの副反応は、能力の低下したSAP粒子をもたらすので、きわめて望ましくない。
本発明による表面架橋プロセスは、必ずしも高温を必要とするわけではなく中温でも行うことができるので、前記の副反応は大幅に軽減する。本発明によれば、表面架橋反応は、好ましくは、100℃未満の温度、好ましくは80℃未満の温度、より好ましくは50℃未満の温度、さらにより好ましくは40℃未満の温度、最も好ましくは20℃〜40℃の温度で達成され得る。望ましくない副反応を回避するため、SAPの乾燥は100℃より高いが150℃より低い温度、好ましくは120℃より低い温度で行われてもよい。
さらに、従来技術から知られている表面架橋プロセスにおいて一般的に適用される約150℃以上の高温では、SAP粒子の色が白色から黄味がかった色へと変化することがある。本発明の方法においては表面架橋に必要な温度が引き下げられるため、SAP粒子の色の劣化の問題が大幅に減少する。
好ましくはないが任意で、例えば1,4−ブタンジオールなどの当該技術分野で既知の熱活性化可能な表面架橋剤の1つ以上と共に、本発明の方法による表面架橋を行うことが可能である。しかしながらこの場合、紫外線と上昇した温度(典型的には140℃を超える)の両方が必要である。これら実施形態では、結果として得られるSAP粒子の表面はさらに熱活性化可能な表面架橋剤の反応生成物を含む。
ラジカル形成剤及び/又は表面架橋分子が適用される実施形態において、本発明の方法は、未反応表面架橋分子及び/又はラジカル形成剤分子を洗い流す、又は副反応によって形成された分子を洗い流す、任意の洗浄工程をさらに含んでもよい。
紫外線照射
本発明では、SAP粒子を紫外線(UV)照射に暴露する。電磁スペクトルのUV領域は100nm〜380nmに規定されており、次の範囲に分けられる:UV−A(315nm〜400nm)、UV−B(280nm〜315nm)、UV−C(200nm〜280nm)、及び真空UV(VUV)(100nm〜200nm)。
VUV照射の使用:
好ましくは、パルス又は連続的なキセノン(Xe−)エキシマー照射源が適用される。周知のエキシマーレーザとは異なり、エキシマランプは準単色インコヒーレント放射を放つ。例えば、特定のガス雰囲気下でのマイクロ波放電又は誘電体バリア放電によって、インコヒーレントエキシマー照射の発生が可能となる。
好ましいXe−放射は、160nm〜200nmのVUVスペクトル領域に比較的広帯域を示し、波長172nmでピークを迎え、半値幅(FWHM、半幅)は14nmである。・本発明の方法で使用するVUVスペクトル内の好ましい波長は、160nm〜200nm、より好ましくは該波長が172nmにピークを有する。
実験室での研究に好適なパルスXe−エキシマーの照射源は、セラデックス(Xeradex)(商標)(オスラム社(Osram)、ドイツ国ミュンヘン(Munich, Germany))の商標名で入手可能であり、20W又は100Wの電力を有する。しかしながら、本発明の方法が、産業上の利用で一般的な量のSAP粒子を表面架橋するために使用される場合は、照射源の電力は10kWと同じかそれより高くなければならない。
10kWまでの電力を有する連続的Xe−エキシマー照射源は、ヘレウス・ノーブルライト社(Heraeus Noblelight)(ドイツ国ハーナウ(Hanau, Germany))から購入可能であり、またより小さい照射源はウシオ社(Ushio Ltd.)(例えば、ウシオ・ドイツ(Ushio Deutschland)、スタインホリング(Steinhoering))から入手可能である。
201nm〜400nmの波長を有する紫外線の使用:
UV−A、UV−B、又はUV−Cの範囲内の紫外線照射は、光開始剤の存在、濃度、及び性質よって左右され、市販の水銀アーク又はメタルハライド照射源が使用できる。照射源の選択はラジカル反応開始剤の吸収スペクトル、及び場合により表面架橋に使用される装置のジオメトリによって決定する。UV−Bの範囲が上記の好ましい開始剤と組合せにおいて最も好都合であることが証明された。照射源は任意でガスを用いて冷却することが可能であり、その目的のために照射源を冷却スリーブに埋め込んでも、又は照射源が冷却スリーブを包含してもよい。
本発明の方法は、中心に棒状体照射源を備え、放射状の対称的配置を有する流動床の中で、又は紫外線曝露用振動板を使用して行うことができる。
しかしながら、本発明の方法では、ブレンステッド酸類(Bronsted acids)及び、適用可能な場合はラジカル形成剤及び表面架橋分子、をSAP粒子上に均質に適用しなければならない。さらに、個々のSAP粒子があまり長時間陰になることを避け、全てのSAP粒子が紫外線に均一に暴露されることを確実にしなければならない。したがって、SAP粒子は紫外線に曝されている間攪拌されなければならず、これは例えば、かなり緩やかな剪断運動、又はもっと力強い攪拌によってなされることができる。
VUV照射を本発明の方法に使用する場合は、本発明の方法は、コスト削減のため、好ましくは通常大気下で行われる。しかしながら、通常大気下でのVUV照射は酸素によって部分的に吸収されるので、VUV照射の適用範囲は制限される。さらに、VUVが酸素に吸収される際にオゾンが形成される。したがって、オペレータがオゾンに接触するのを回避するため、好ましくは通風容器の中にプロセス装置を定置するのが望ましい場合がある。
しかしながら、(照射が酸素に吸収されないように)VUV照射の適用範囲を増加させるために本発明の方法を窒素下で行うこともできる。窒素の中でのVUVの適用範囲は通常大気下でのVUV適用範囲に比べて非常に大きい。これにより、装置の設計及びプロセスのレイアウトがさらに自由になる。
さらに、VUV照射はまた水分子にも吸収されるので、大気湿度の程度が高いのは避けなければならなず、比較的一定な表面架橋度を達成するために、大気の湿度は長時間実質的に一定に保たれなければならない。大気の湿度の程度を制御して比較的低いレベルに制限するために、SAP粒子の水分含有量は、好ましくは比較的低レベルで一定に保たれなければならない。
本発明の方法に200nm〜400nmの波長を有する紫外線が使用される場合は、コスト削減のために本発明の方法が通常大気下で行われるのが好ましい。また、理論に束縛されるものではないが、バイラジカルである酸素は、照射された時に中間体ペロキシルラジカルの形成よって反応気機構に関与することができるので、通常大気は改善された表面架橋の結果を得ることを可能にすると考えられる。したがって、利用できるラジカルの数が増えてSAP粒子の表面のポリマー鎖のポリマー主鎖の中の炭素中心ラジカルの形成を可能にする。この範囲の水分子は吸収しないので、200nm〜400nmの波長を有する紫外線にとって湿度の程度は重要ではない。
ブレンステッド酸類(Bronsted acids)
比較的高い中和度のSAP粒子を使用した紫外線照射による表面架橋では、ブレンステッド酸類が表面架橋プロセスを大幅に向上させる。
本発明の方法では、60%以上の中和度、即ち60%〜95%、より好ましくは65%〜95%、さらに好ましくは70%〜95%、及び最も好ましくは75%〜95%の中和度を有するSAPを、表面架橋のために紫外線照射に曝す。本発明の効果を向上させるため、ブレンステッド酸類がSAP粒子上に適用される。
表面架橋反応に直接関与するわけではないが、SAP粒子のポリマーに含まれるカルボキシ基(COOH)の電子を引き寄せる効果(文献では「−I効果(I effect)」として既知である)が本発明の表面架橋方法の全体的な反応速度及び効果に寄与する(上記を参照のこと)。これは恐らく、ポリマーの主鎖の中のカルボキシル基に隣接して位置するC−H基からの水素の除去が加速するためであり、ポリマーの主鎖の中に炭素中心ラジカルが形成される(上記を参照のこと)。
しかしながら、比較的高い中和度を有するSAP粒子では、ほとんどのカルボキシル基は対応するカルボン酸塩(COOM、MはNaのような一価金属陽イオン)の形状であるので脱プロトン化する(COO)。カルボン酸塩の「I−効果(I effect)」はプロトン化した形状と比較して弱いことが知られている。比較的高い中和度を有するSAP粒子の、紫外線による表面架橋の見地からの欠点は、中和の全体としての概念に影響することなくブレンステッド酸を添加することによって補うことができる。ブレンステッド酸はプロトンを放出することができ(H)、これによりSAP粒子表面のカルボン酸塩はプロトン化した形状のCOOHに転移する。
また、SAP粒子に含まれるポリマーの主鎖の炭素中心ラジカルが、脱炭酸化即ちC−H基からプロトンを取り去る代わりに全カルボキシル基を取り去ることによって形成される場合は、SAP粒子表面のプロトン化したCOOHの数の増加が紫外線による表面架橋の効果にプラスの影響を与える。COOH基はCOOM基より著しく簡単に脱炭酸化される。
比較的高い中和度を有するSAP粒子を1つ以上のブレンステッド酸類で処置することにより、SAP粒子の表面を低い中和度に選択的に調節することができ、反応がより効果的になる。同時に、これらSAP粒子は、SAP粒子のコアではなお比較的高い中和度を有し、これは上記のような高中和度の利点故に経済的見地から好ましい。
ブレンステッド酸に加えてルイス酸を適用することができ、好ましくはアルミニウム陽イオンAl3+であり、Al3+は好ましくは硫酸アルミニウムAl(SOの形態で適用される。
ブレンステッド酸はプロトン(H)を放出することのできる任意の有機又は無機化合物である。本発明にとって好ましいブレンステッド酸類は:塩酸、硫酸、リン酸のような鉱酸;酢酸、乳酸、クエン酸、コハク酸のような飽和有機カルボニル酸;分子量が50〜5000g/モルである低分子量ポリアクリル酸のようなオリゴマー酸又は高分子有機酸;及び飽和無機酸である。本発明で使用するのに好ましい飽和有機酸はホウ酸である。本発明による最も好ましいブレンステッド酸類は鉱酸類及び飽和有機カルボニル酸類であり、鉱酸類がカルボニル酸類よりさらに好ましい。本発明によると、塩酸が最も好ましいブレンステッド酸である。
ブレンステッド酸のpK値(解離指数)はSAP繰り返し単位の共役酸のpK値より低くなくてはならず、SAP粒子のポリマーがポリ(メタ)アクリル酸の場合の値は典型的には4と5との間である。本発明の方法で適用されるブレンステッド酸類は、好ましくは5より低いpK値を有し、より好ましくは4より低く、最も好ましくは3より低い。例えば、本発明で使用するのに最も好ましいブレンステッド酸であるHClのpK値は−6である。
しかしながら、pKa値とは別に、照射中にSAP粒子の粒子流動挙動に与える酸の影響はまた、本発明の方法のために最終的に選択されたブレンステッド酸にも影響を与える可能性がある。ブレンステッド酸類の一部は、結果的にSAP粒子のアグロメレーションをもたらし得る一方、その他はSAP粒子の流動特性に明白な効果さえも有する(したがって、流動増強剤としで作用し得る)。したがって、適切なブレンステッド酸の選択は所与の環境に応じてなされなければならない。
本発明の方法で適用されるブレンステッド酸の量は、SAP粒子の好ましくは0.005重量%〜10重量%、より好ましくは0.01重量%〜5.0重量%、及び最も好ましくは0.1重量%〜3.0重量%の範囲である。ブレンステッド酸の量はまた使用されるブレンステッド酸、ラジカル形成剤(適用する場合)、及び表面架橋分子(適用する場合)によって決まる。一般には、比較的弱いブレンステッド酸又は比較的大きな分子量のブレンステッド酸を適用する場合、強いブレンステッド酸又は小さな分子量のブレンステッド酸と比較してブレンステッド酸の量は多くなくてはならない。さらに、高いpK値を有するブレンステッド酸類は、高いpK値を有するブレンステッド酸と比較して必要とされる量は少ない。最も好ましいブレンステッド酸であるHClは、SAP粒子の0.1重量%〜1.0重量%の範囲で好ましくは適用される。
原則として、いくつかのブレンステッド酸類の混合物も使用することができる。しかしながらこれは、本方法の全体的な複雑性を増加させるという理由で好ましくない。
ブレンステッド酸は好ましくは水溶液として、乳濁液として、又は懸濁液として水に適用され、また好ましくは紫外線活性化ラジカル形成剤及び表面架橋分子を含む(適用される場合)。水溶液中のブレンステッド酸の典型的な濃度は1mol/L〜2mol/Lである。或いは、ブレンステッド酸はまた、ラジカル形成剤及び/又は表面架橋分子とは別に適用されてもよい(適用される場合)。
さらに、ブレンステッド酸は、例えばイソプロパノールなどのアルコール中に溶解又は懸濁させて適用することができる。水のかわりにアルコールを使用する利点は、アルコールは実質的な程度でSAP粒子中に移行しないことにある。したがって、ブレンステッド酸のコアへの移行を回避するために浸透深さを制御するのが容易である。その結果、表面架橋反応をSAP粒子の表面に実際に限定することを確実にすることが容易である。SAP粒子への紫外線照射の前に(蒸発によって)アルコールを除去してもよい。
ブレンステッド酸がアルコール及び水との混合物として適用される場合は、混合物の浸透深さ、したがってブレンステッド酸の浸透深さ、をアルコールと水との間の適切な比率を選択することにより注意深く調節しなければならない。
水によく溶解しないブレンステッド酸を選択し、水中に懸濁させたブレンステッド酸を適用することもまた望ましい。これにより、ブレンステッド酸がSAP粒子の表面に実際に留まることを確実にすることがまた可能である。
ブレンステッド酸を、紫外線照射の前にSAP粒子上に適用することもできる。ブレンステッド酸を水に適用する場合は、紫外線照射を行なう直前に適用し、ブレンステッド酸が実質的な程度でコアに移行しないことを確実にすることが好ましい。好ましくは、ブレンステッド酸は紫外線照射の10分より前、より好ましくは5分より前に適用されなければならず、特にブレンステッド酸を水に適用する場合は、最も好ましくはブレンステッド酸の適用と紫外線照射との間は1分未満である。
SAP粒子はブレンステッド酸に対する緩衝効果を有するので、ブレンステッド酸の恒久的な余剰(permanent surplus)を確実にするために、紫外線照射の間ブレンステッド酸を、例えばスプレーで連続的に適用するのが望ましい場合がある。ブレンステッド酸は、紫外線照射の前の最初の適用に加えて紫外線照射中に連続的に適用することができ、又は紫外線照射の間のみに適用することができる。
親水性非晶質シリカなどの、当該分野で広く知られている、例えばデグサ社(Degussa Corp)から市販されている流動性エンハンサーを、例えばSAP粒子の水分含有量が比較的高い場合に粒塊の形成を回避するために、SAP粒子に任意で添加することができる。流動性エンハンサーは通常SAP粒子の重量の0.1重量%〜SAP粒子の重量の10重量%の範囲で適用される。
吸収性物品
本発明の方法により製造されたSAP粒子は、吸収性物品の吸収性コア内に適用される。本明細書で使用する時、吸収性物品とは、液体を吸収して収容する道具を指し、より具体的には、着用者の身体に接触させたり隣接させたりして、身体から排泄される様々な排出物を吸収して収容する道具を指す。吸収性物品としては、おむつ、成人用失禁ブリーフ、おむつホルダー及びおむつライナー、生理用ナプキン等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の好ましい吸収性物品はおむつである。本明細書で使用する時、「おむつ」とは、一般に乳幼児及び失禁者が胴体下部の周囲に着用する吸収性物品を指す。
本発明に特に好適な吸収性物品は、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、一般には前記トップシートとバックシート間に配置した吸収性コアを備えた外側カバーから典型的には構成される。吸収性コアには、一般に圧縮可能かつ快適で、着用者の皮膚に刺激を与えず、尿及び他の体の排出物などの液体を吸収及び保持可能な吸収性材料を含有させてもよい。吸収性コアには、本発明のSAP粒子に加え、使い捨ておむつと他の吸収性物品で通常使用される、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプなどの多種多様の液体吸収性材料を含有させてもよい。
吸収性アセンブリとして使用するための代表的な吸収性構造については、1992年8月11日にヘロン(Herron)らに付与された米国特許第5,137,537号、名称「個別のポリカルボン酸架橋木材パルプセルロース繊維を含有する吸収性構造(Absorbent Structure Containing Individualized, Polycarboxylic Acid Crosslinked Wood Pulp Cellulose Fibers)」、1992年9月15日にヤング(Young)らに付与された米国特許第5,147,345号、名称「失禁管理のための高効率吸収性物品(High Efficiency Absorbent Articles For Incontinence Management)」、1994年8月30日にロウ(Roe)に付与された米国特許第5,342,338号、名称「低粘性の糞便物質のための使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article For Low-Viscosity Fecal Material)」、1993年11月9日にデマレ(DesMarais)らに付与された米国特許第5,260,345号、名称「水性体液のための吸収性フォーム材料及び該材料を含有する吸収性物品(Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids and Absorbent Articles Containing Such Materials)」、1995年2月7日にダイアー(Dyer)らに付与された米国特許第5,387,207号、名称「水性体液のための薄いユニット状湿潤吸収性フォーム材料及びそれらの製造プロセス(Thin-Until-Wet Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids And Process For Making Same)」、1995年3月14日にラボン(LaVon)らに付与された米国特許第5,397,316号、名称「拡張可能な吸収性材料で形成された、水性体液のためのスリット付き吸収性部材(Slitted Absorbent Members For Aqueous Body Fluids Formed Of Expandable Absorbent Materials)」、並びに米国特許第5,625,222号、名称「水性流体のための吸収性フォーム材料(Absorbent Foam Materials For Aqueous Fluids Made From high In al.、1997年7月22日)に記載されている。
試験方法
SAP粒子の容量は多くの場合、遠心分離機保持容量値(CRC)に換算して表される。CRCの試験方法はEDANA方法(EDANA method)441.2−02に記載されている。
一定の圧力下でのSAP粒子の性質を説明するために一般に用いられるパラメーターはAAP(加圧下吸収倍率(absorbency against pressure))である。AAPは、4.83kPaの圧力で、EDANA方法(EDANA method)442.2−02にしたがって測定する。
SAP粒子に含まれるジェルベッドの透過性は、一般に塩水流伝導度(SFC)として測定される。SFCを測定するための試験方法は、1996年19月8日にゴールドマン(Goldman)らに付与された米国特許第5,562,646号に記載されている。本発明では米国特許第5,562,646号の試験方法を改良し、ジャイコ溶液(Jayco solution)の代わりに0.9%NaClを使用した。
ベースポリマー:
ベースポリマーとして、国際公開特許WO2005/014066A1(名称「コーティングされた水膨潤性材料を含む吸収性物品(Absorbent articles comprising coated water-swellable material)」、2005年2月17日出願)の実施例1.2に記載の水膨潤性ポリマーを使用した。しかしながら、国際公開特許WO2005/014066A1の実施例1.2において75%であるベースポリマーの中和程度は、本明細書の実施例で必要とされるように、それぞれ70%及び85%に調節した。また、MBAAの量は、CRC値が30.5g/g(実施例1)及び31g/g(実施例2)であるSAP粒子を得るべく定期的に調節されなければならない。国際公開特許WO2005/014066A1の実施例1.2に記載されているCCRC法(CCRC way)と同じやり方でCRC値を調節することが基本的に可能であることに留意されたい。
(実施例1)
3部のラジカル形成剤、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、及び0.6部のブレンステッド酸、HCl、を7部の水に溶解する。
上記のベースポリマーからのみ成り、70%の中和度を有する非表面架橋SAP粒子100部(重量あたり)を、ラジカル形成剤であるペルオキソ二硫酸ナトリウム及びブレンステッド酸であるHClを含む水溶液と共に、勢いよく攪拌しながら混合する。混合を10分間続ける。
その直後、2kWの中圧水銀ランプを用いて、SAP粒子を10分間紫外線照射する。照射源とSAP粒子のとの間の距離はできるだけ短くし、現行の実施例では約10cmである。照射工程全体を通して混合を続ける。混合及び照射は通常大気下で行なう。
100部のSAP粒子は10gに相当し、SAP粒子の粒径分布は150μm〜850μmである。
比較実施例1:
ブレンステッド酸を加えなかった点が異なるだけで、比較例1は実施例1と一致する。
(実施例2)
実施例2は、上記のベースポリマーからのみ成るSAP粒子が80%の中和度を有する点で実施例1と異なる。また、7部に代えて8部の水を添加した。それ以外は、実施例2は実施例1と同じである。
比較例2:
ブレンステッド酸を加えなかった点が異なるだけで、比較例2は実施例2と一致する。
これら実施例のSFC、AAP、及びCRCの値を表1にまとめる。
(実施例3)
実施例3は、ブレンステッド酸としてHCLが適用される代わりに、1.6部のブレンステッド酸HSOを適用する点で実施例1と異なる。また、7部に代えて8部の水を添加した。それ以外は、実施例3は実施例1と同じである。
試験を終えたベースポリマーからのみ成る最初のSAP粒子(それぞれ70%中和及び85%中和)、及び実施例1、2、及び3、並びに比較例1及び2のSAP粒子のSFC、AAP、及びCRCの値は、上記に示した試験方法にしたがって測定する。
Figure 2009506168
表面架橋していないSAP粒子(したがって、ベースポリマーからのみ成る)では、SAP粒子の表面に導入した架橋に起因してSAP粒子の膨張が制限されていないので、CRC値は高めである。表面架橋の後、SAP粒子のCRC値は減少する。
これに対し、非表面架橋SAP粒子のSFC及びAAPの値は非常に低い(値は0まで低くなることが可能である)。SAP粒子は非常に柔軟であるので圧力によって容易に変形する(=低AAP)。ゲルブロッキングが生じ、非常に低いSFC値となる。
一般に、ベースポリマーからのみ成る非表面架橋SAP粒子と比べ、SFC及びAAP値の増加及びCRC値の減少は、表面架橋が実際に起こっていることを間接的に証明している。
したがって、当該実施例は、本発明の方法によりベースポリマーが実際に表面架橋されたことを示している。
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いかなる文献の引用も、それが本発明に対する従来技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、この発明の要旨及び範囲を逸脱せずに様々なその他の変更及び修正が可能であることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
本明細書にて値が規定されたそれぞれの寸法は、技術寸法であって、これは本発明の背景において、文字通りには解釈されるべきでない。故に、本明細書に規定される寸法と機能的に等価な寸法を有する全ての実施形態は、本発明の範囲で扱われることを意図し、例えば「40mm」の寸法は「約40mm」を意味すると解釈されるべきである。

Claims (9)

  1. 表面架橋超吸収性ポリマー粒子を含む吸収性物品であって、前記超吸収性ポリマーが、
    a)表面及びコアを有し、60モル%を超える中和度を有する超吸収性ポリマー粒子を用意する工程と、
    b)1つ以上のブレンステッド酸類を前記超吸収性ポリマー粒子の前記表面上に適用する工程と、
    c1)前記超吸収性ポリマー粒子を、100nm〜200nmの波長を有する真空紫外線照射に暴露する工程、又は
    c2)前記超吸収性ポリマー粒子を、201nm〜400nmの波長を有する紫外線照射に暴露する工程
    のいずれかであって、前記ブレンステッド酸類に加えて、ラジカル形成剤分子が前記超吸収性ポリマー粒子の前記表面に適用される、工程と
    を含む方法によって製造されたものである、吸収性物品。
  2. 前記方法において、前記ブレンステッド酸類に加えて、ラジカル形成剤分子が前記超吸収性ポリマー粒子の前記表面に適用される、請求項1の選択肢c1)に記載の吸収性物品。
  3. 前記方法において、追加的に表面架橋分子が前記超吸収性ポリマー粒子の前記表面に適用され、前記表面架橋分子が、C=C二重結合であるか又はヘテロ原子であるXを有するCH−X部分である少なくとも2つの官能基を含む、請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 前記方法において、前記ブレンステッド酸が、塩酸、硫酸、及びリン酸から成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記方法において、前記ブレンステッド酸が、SAP粒子の重量の0.005重量%〜10重量%の濃度で適用される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記方法において、前記ブレンステッド酸が、前記超吸収性ポリマー粒子の紫外線照射の間に連続的に適用される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記方法が100℃未満の温度で行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  8. 前記超吸収性ポリマー粒子の4.83kPaの圧力に対する吸収度(AAP)が、前記超吸収性ポリマー粒子が前記方法に付された後に少なくとも1g/g上昇する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  9. 前記超吸収性ポリマー粒子の塩水流伝導度(SFC)が、前記超吸収性ポリマー粒子が前記方法に付された後に少なくとも10 10−7cmsg−1上昇する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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