JP2009503142A - 酸捕捉特性が強化された航空機のリン酸エステル機能性流体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、リン酸エステル基油、並びに脂肪族エポキシドおよびカルボジイミドの混合物酸捕捉剤を含む、酸捕捉特性が強化された航空機のリン酸エステル機能性流体である。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
本発明は、酸蓄積に耐性がある航空機のリン酸エステル機能性流体に関する。
リン酸エステルベースの機能性流体は、潤滑油分野では周知であり、長年、いくつかを挙げれば電子冷却材、動力伝達装置および作動流体、並びに冷却装置流体として用いられている。航空機用途で用いられるものである作動流体は、特定の性能基準を満足しなければならない。これには、熱安定性、耐炎性、広い温度範囲における粘度変化に対する低敏感性、加水分解安定性、および良好な潤滑性がある。
現在入手可能な商業作動流体では、リン酸エステルが、最も一般に用いられる基材である。その内、トリブチルホスフェート、イソプロピル化トリフェニルホスフェート、n−ブチルジフェニルホスフェート、およびジ−n−ブチルフェニルホスフェートは、広く用いられる成分である。航空機の作動流体として有用なリン酸エステルベースの機能性流体は、特許文献1、特許文献2および特許文献3に記載されている。
商業航空機のシステム設計者は、リン酸エステルの優れた耐炎性から、リン酸エステルを用いることを選択している。しかし、火災の危険性の低減は、同様に使用中の炭化水素ベースの流体およびケイ酸エステル流体に比較して、種々の性能パラメータの欠点(より低い安定性など)を伴う。
リン酸エステルは、雰囲気水分を容易に吸収し、高濃度の水を蓄積する傾向がある(水0.3〜1%、しばしばそれ以上)。全てのエステルと同様に、これらの流体は、加水分解(水と反応してアルコールおよび酸を形成)する可能性を有する。高濃度の水の存在は、典型的には、流体寿命(流体が交換されなければならない点)を定める加水分解度をもたらす。運転時の流体に対するOEMの酸価の規格限界は、1.5mgKOH/gに定められている。
リン酸エステルの特定の混合物は、リン酸エステルベースの機能性流体(特に航空機で用いられるもの)のベース流体として有用であると認められている。従って、Skydrol(登録商標)LD−45が参照され得る。これは、報告によれば、ジ−ブチルフェニルホスフェート30〜35重量%、トリ−ブチルホスフェート50〜60重量%、粘度指数向上剤5〜10重量%、ジフェニルジチオエタン銅腐食防止剤0.13〜1重量%、パーフルオロアルキルスルホン酸塩腐食防止剤0.005〜1重量%、酸捕捉剤4〜8重量%、および酸化防止剤2,6ジtert−ブチルp−クレゾール約1重量%を含む。
航空機の作動系は、進歩しており、かつ運転条件は、よく厳しくなっていることから、特殊なリン酸エステルベース基材が、記載されている。特許文献1には、トリアルキルホスフェート約10〜100重量%、ジアルキルアリールホスフェート約0〜70重量%、およびアルキルジアリールホスフェート約0〜25重量%を含む基材が記載され、各成分の比例量の合計は、等しく100%である。特に、トリアルキルホスフェートのアルキル置換基は、炭素3〜8個、好ましくは炭素4〜8個、より好ましくは炭素4〜5個を含み、かつホスフェート部分に第一炭素を経て結合されることが記載されている。好ましくは、トリアルキルホスフェート、ジアルキルアリールホスフェート、およびアルキルジアリールホスフェートのアルキル置換基は、イソアルキル基、実質的にはイソC4およびイソC5アルキル基である。
ベース流体の他の進歩は、特許文献4(1996年6月13日公開)に記載される。これには、トリアルキルホスフェート60〜95重量%、および第二成分(トリアリールホスフェート、トリアリールホスフェートおよび線形ポリオキシアルキレン物質の混合物、線形ポリオキシアルキレン物質からなる群から選択される)約5〜40重量%を含むリン酸エステル基材が教示される。基材には、ジアルキルアリールホスフェートおよびアルキルジアリールホスフェートは含まれない。これらのベース流体においては、アルキル基は、脂肪族および脂環族基(その際、脂肪族基は、直鎖または分枝鎖)であり、かつ独立に、炭素原子1〜12個を含む。ジアリール基は、独立に、フェニル、または炭素原子7〜20個を有するアルキル置換フェニルである。
リン酸エステル機能性流体は、酸捕捉剤を用いて配合されて、酸蓄積が防止される。特許文献2、特許文献5および特許文献1には、リン酸エステルベースの機能性流体で用いるためのエポキシド酸捕捉剤が開示され、好ましいエポキシドは、3,4−エポキシシクロアルキルカルボキシレートであることが教示される。
アルキルエポキシド(商業リン酸エステルベースの機能性流体組成物で現在用いられる3,4−エポキシシクロアルキルカルボキシレート酸捕捉剤を含む)の使用は、航空機での使用中に、カルボン酸(弱酸)を形成しやすい流体をもたらす。航空機の運転中には、リン酸エステルベースの機能性流体の酸価は、流体中にエポキシド酸捕捉剤が存在するにも係らず、1.6mgKOH/gに達することができる。酸性度は、エポキシド酸捕捉剤のカルボキシレート基の加水分解によって説明される。これは、弱カルボン酸およびアルコールをもたらす。この反応を次に示す。
[式中、Rは、炭素原子2〜12個を含むアルキル基である]
カルボジイミドは周知の酸捕捉剤である。非特許文献1には、カルボジイミドを含むイソプロピルフェニルホスフェートの全酸価(TAN)が、コークボトル試験で、純粋ベース流体と比較して減少され、従ってカルボジイミドは、リン酸のような強酸を中和することが出来ると考えられることが開示された。
特許文献6は、防錆性を示す潤滑油に関する。これは、潤滑油へ、酸性防錆剤および酸捕捉剤(カルボジイミドなど)を特定の順序で添加することによって得られる。
特許文献7は、エステル基を含む潤滑油ベース物質に関する。これは、少量のカルボジイミドを添加することによって安定化されてもよく、それから製造される潤滑油の運転寿命は、決定的に延長されてもよい。
特許文献8には、酸化安定性が強化された潤滑油が開示される。これは、潤滑油へ、n−フェニル−1−ナフチルアミンおよび酸捕捉剤(カルボジイミドなど)を含む混合物を添加することによって得られる。
本発明は、主要量の有機リン酸エステル基油、並びに少添加剤量のアルキルエポキシおよびカルボジイミド酸捕捉剤の組合せを含むリン酸エステルベースの機能性流体に関する。
本発明の機能性流体には、主要量の有機リン酸エステル基材が含まれる。
リン酸エステルのベース流体は、一般に、次式のものである。
[式中、各Rは、同じかまたは異なり、炭素原子2〜20個を有するアルキルまたはアルコキシアルキル基、アリール基(例えばフェニル)、および炭素原子20以下を含む置換アリール基から選択される。その際、置換基は、アルキル、フェニル、アルキルフェニル、またはフェニルアルキルであり、かつアルキル基は、炭素1〜10個を含む]
典型的な有機リン酸エステル基材には、トリアルキルホスフェート、トリアリールホスフェート、ジアルキルアリールホスフェート、アルキルジアリールホスフェート、およびアルキル化トリアリールホスフェート(炭素原子3〜8個、好ましくは3〜6個、より好ましくは3〜5個をアルキル基内に含む)、並びにその混合物から選択されるエステルが含まれる。前記エステルの例には、トリ−n−ブチルホスフェート、トリ−イソブチルホスフェート、トリ−sec−ブチルホスフェート、ジ−イソブチルペンチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、n−ブチルジ−イソブチルホスフェート、ジ−イソブチルn−ブチルホスフェート、n−ブチルジフェニルホスフェート、イソブチルジフェニルホスフェート、ジ−イソブチルフェニルホスフェート、トリ−n−ペンチルホスフェート、トリ−イソペンチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、イソプロピル化トリフェニルホスフェート、およびブチル化トリフェニルホスフェートが含まれる。好ましくは、トリアルキルリン酸エステルは、トリ−n−ブチルホスフェート、トリ−イソブチルホスフェート、およびその混合物のものである。
トリアリールホスフェートのアルキル置換フェニル基には、アルキル置換基1〜3個を有するフェニル基が含まれる。その際、アルキル基は、炭素原子1〜14個を有する直鎖、または分枝鎖基であり、更に、各アルキル置換フェニル基は、炭素最大20個以下を有する。トリアリールリン酸エステルの例には、例として、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリ(tert−ブチル化フェニル)ホスフェート、トリクレジルホスフェートなど、およびその混合物が含まれる。
トリアルキルホスフェートおよびトリアリールホスフェートの組合せには、トリブチルホスフェートおよびトリ(イソプロピルフェニル)ホスフェートの混合物が約6:1〜7:1比で、およびトリブチルホスフェートおよびトリ(ブチル化フェニル)ホスフェートの混合物が約6:1〜7:1比で含まれる。
本発明で有用な有機リン酸エステル基材は、従って、トリアルキルホスフェート約10〜100重量%、ジアルキルアリールホスフェート約0〜75重量%、アルキルジアリールホスフェート約0〜30重量%、およびトリアリールホスフェート約0〜15重量%を含む。好ましくは、エステルのアルキル基は、炭素3〜5個、より好ましくは炭素3〜4個を含む。
リン酸エステルベースの流体は、典型的には、耐炎性リン酸エステル基油および粘度指数向上剤、酸捕捉剤、並びに腐食防止剤を含む。流体はまた、一種以上の防錆剤、一種以上の酸化防止剤、一種以上の金属腐食防止剤を含んでもよい。
これらの機能性流体中に現在用いられるエポキシド酸捕捉剤は、運転時の流体中に製造されるカルボン酸を中和するのに効果的でないことが発見された。また、カルボジイミドは、カルボン酸を中和するのに非常に効果的であるが、リン酸エステルベースの機能性流体の加水分解によって製造される強酸(アルキルリン酸)を中和するのには効果的ではないことが発見された。しかし、エポキシドおよびカルボジイミド酸捕捉剤の組合せは、水を含む環境(例えば、航空機の作動系)での使用中に、リン酸エステルベースの機能性流体中で、アルキル化リン酸およびカルボン酸によってもたらされる酸性度を低減するための組合せを示す。
本発明の機能性流体は、流体励起電気化学的腐食を抑制する耐腐食添加剤を含む。
適切な腐食防止剤は、例えば、特許文献1および特許文献3に開示される。その全開示は、全体が参照により本明細書に援用される。好ましい腐食防止剤には、パーフルオロアルキルまたはパーフルオロシクロアルキルスルホネートのアルカリ金属塩、好ましくはそのカリウム塩が含まれる。これは、特許文献3に開示される。これらのパーフルオロアルキルおよびパーフルオロシクロアルキルスルホネートは、好ましくは、炭素原子1〜10個のアルキル基、および炭素原子3〜10個のシクロアルキル基を包含する。
適切な耐腐食添加剤は、例えば、3M(ミネアポリス、ミネソタ州)製のパーフルオロオクチルスルホン酸のアルカリ金属塩(FC−98またはFC−95など)である。
腐食防止剤は、航空機の動力伝達装置における腐食を防止するのに効果的な量で用いられる。好ましくは、作動流体組成物の全重量を基準として、約0.01〜約0.5重量%、より好ましくは約0.02〜約0.1重量%の量で用いられる。これらの耐腐食添加剤の混合物が用いられ得る。
主要量のリン酸エステル基材および少量の腐食防止剤を含むことに加えて、本発明の機能性流体にはまた、先に示される補助添加剤約4重量%〜約20重量%が含まれる。これは、酸化防止剤、酸捕捉剤、粘度指数(VI)向上剤、防錆剤、消泡剤、および金属腐食防止剤からなる群から選択される。
本発明の作動流体組成物は、更に任意に、酸化防止剤、または酸化防止剤の混合物を、作動流体またはそのいずれかの成分の酸化を防止するのに効果的な量で含む。
有用な酸化防止剤には、トリアルキルフェノール、ポリフェノール、フェニルアルファナフチルアミン(PANA)、およびジ(アルキルフェニル)アミンが含まれる。
代表的な酸化防止剤には、例として、フェノール系酸化防止剤(2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]−メタン(Ciba Geigy製のIrganox(登録商標)1010)、ビス(3,5ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン(Ethyl corporation製のEthanox702)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン(Ethyl Corporation製のEthanox330)など)、およびアミン系酸化防止剤(例として、ジアリールアミン;ジ(ノクチルフェニル)アミン(Vanlube(登録商標)81)、フェニル−α−ナフチルアミン、(ノクチルフェニル)ナフチルアミン(Irganox L06)、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、またはN−フェニルベンジルアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物(Ciba Geigy製のIrganox(登録商標)L−57)、ジフェニルアミン、ジトイルアミン、フェニルトリアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、ジ−p−メトキシジフェニルアミン、或いは4−シクロヘキシルアミノジフェニルアミンなど)が含まれる。更に他の適切な酸化防止剤には、アミノフェノール(N−ブチルアミノフェノール、N−メチル−N−アミルアミノフェノール、およびN−イソオクチル−p−アミノフェノールなど)、並びにこれらの酸化防止剤のいずれかの混合物が含まれる。
酸化防止剤の好ましい混合物は、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールおよびジ(オクチルフェニル)アミンを含む(例えば、1:1混合物)。酸化防止剤の別の好ましい混合物は、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ジ(オクチルフェニル)アミン、および6−メチル−2,4−ビス(オクチルチオ)−メチル−フェノールである(例えば、1:2:4混合物)。酸化防止剤の更に他の好ましい混合物は、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ジ(オクチルフェニル)アミン、およびテトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタンである(例えば、1:2:3混合物)。
酸化防止剤、または酸化防止剤の混合物は、作動流体の酸化を防止するのに効果的な量で用いられる。酸化防止剤、または酸化防止剤の混合物は、作動流体組成物の全重量を基準として、約0〜約3重量%、より好ましくは約0.5〜2.5重量%、更により好ましくは約1〜2重量%の量で用いられる。
本発明の作動流体組成物で有用な粘度指数向上(VI)剤には、特許文献9および特許文献10に記載されるタイプのポリアクリレートエステルおよびポリ(アルキルメタクリレート)エステルが含まれる。その開示は、全体が参照により本明細書に援用される。
典型的には、粘度指数向上剤は、高分子量のものであり、数平均分子量約50,000〜約100,000、および重量平均分子量約200,000〜350,000を有する。粘度指数向上剤は、Rohm and Haas Companyから商業的に入手可能であり、ポリ(アルキルメタクリレート)PA−7570、PA6703、PA6744、およびPA6961−PMNと呼ばれる。本発明の作動流体組成物は、機能性流体組成物の全重量を基準として、粘度指数向上剤約3重量%〜約10重量%(または活性成分ベース)、好ましくは約4〜約6重量%(活性成分ベース)を含むことができる。VI向上剤は、リン酸エステル基材の一部と、典型的には1:1混合物として混合され、次いで機能性流体の残りへ添加され得る。
本発明で適切な防錆剤には、ベンゾトリオール誘導体およびジヒドロイミダゾール誘導体などの金属腐食防止剤が含まれる。Ciba−Geigyから商業的に入手可能なAmine−O、およびVanderbiltから商業的に入手可能なVanlube RI−Gなどである。他の適切な防錆剤には、特許文献11、特許文献12および特許文献1に記載されるものが含まれる。その全開示は、全体が参照により本明細書に援用される。更なる限定しない例には、カルシウムジノニルナフタレンスルホネート、第I族または第II族金属過塩基および/または硫化フェネート、スルホネート、またはカルボキシレート、次式の化合物が含まれる。
R4N[CH2CH(R5)OH]2
[式中、R4は、炭素原子1〜40個のアルキル、−COOR6、および−CH2CH2N[CH2CH(R5)OH]2からなる群から選択される。その際、R6は、炭素原子1〜40個のアルキルであり、各R5は、独立に、水素およびメチルからなる群から選択される]
これには、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンおよびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)タローアミン(例えば、商品名EthomeenT/12で販売されるNタローアミンアルキル−2,2’−イミノビスエタノール)、並びにジフェニルジチオエタン(商品名FH−132で販売される)が含まれる。
R4N[CH2CH(R5)OH]2
[式中、R4は、炭素原子1〜40個のアルキル、−COOR6、および−CH2CH2N[CH2CH(R5)OH]2からなる群から選択される。その際、R6は、炭素原子1〜40個のアルキルであり、各R5は、独立に、水素およびメチルからなる群から選択される]
これには、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンおよびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)タローアミン(例えば、商品名EthomeenT/12で販売されるNタローアミンアルキル−2,2’−イミノビスエタノール)、並びにジフェニルジチオエタン(商品名FH−132で販売される)が含まれる。
第I族および第II族金属過塩基および/または硫化フェネートは、好ましくは、全アルカリ価(TBN)0〜約200を有する硫化第I族または第II族金属フェネート(添加CO2なし)、或いはTBN75〜400を有する第I族または第II族金属過塩基硫化フェネート(二酸化炭素をフェネートの調製中に添加することによって調製される)のいずれかである。より好ましくは、金属フェネートは、カリウムまたはカルシウムフェネートである。フェネートは、好都合には、pHを調整して、加水分解安定性が強化される。
これらの成分はそれぞれ、商業的に入手可能であるか、または当該技術分野で認められる方法によって調製されることができるかのいずれかである。例えば、第II族金属過塩基硫化フェネートは、商品名OLOA(登録商標)でChevron Chemical Company(サンラモン、カリフォルニア州)から商業的に入手可能である。これには、OLOA219(登録商標)、OLOA216Q(登録商標)などが含まれる。これは、特許文献13(Campbell)および特許文献12(MacKinnon)によって記載される。同様に、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシ−プロピル)エチレンジアミンは、特許文献14(MacKinnon)によって開示される。これらの各特許の開示は、全体が参照により本明細書に援用される。
第IまたはII族金属ジノニルナフタレンスルホネート(カルシウムジノニルナフタレンスルホネート(King工業から商業的に入手可能なNa−Sul729)など)はまた、作動流体組成物の防錆剤として、作動流体組成物の0.2〜1.0重量%の量で用いられてもよい。
防錆剤、または防錆剤の混合物は、錆の形成を防止するのに効果的な量で用いられる。防錆剤は、作動流体組成物の全重量を基準として、約0〜約1重量%、好ましくは0.001〜約1重量%、より好ましくは約0.005〜約0.5重量%、更により好ましくは約0.01〜0.1重量%の量で用いられる。好ましい実施形態においては、防錆剤は、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンおよび第II族金属過塩基フェネートの混合物(例えば、5:1混合物)を含む。他の好ましい実施形態においては、防錆剤は、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)タローアミン(Ethomeen(登録商標)T/12)および第II族金属過塩基フェネートの混合物(例えば、5:1混合物)を含む。
本発明の機能性流体組成物は、更に、酸抑制剤、酸受容体、または酸捕捉剤(三つの用語は全て、本特許および公共文献では同義語として用いられる)を、これらの機能性流体中、特に航空機の作動流体として用いられる機能性流体(リン酸エステルおよびその部分エステル)中で形成される酸を中和するのに十分な量で含む。適切な酸抑制剤は、例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献12に記載される。その開示は、本明細書にその全体が含まれる。
好ましい酸抑制剤は、次式で表される。
[式中、Rは、炭素原子1〜10個のアルキル基、炭素原子1〜10個を有し、かつ1〜4個のエーテル酸素原子を含む置換アルキル、および炭素原子3〜10個のシクロアルキルからなる群から選択され、各R’は、独立に、水素、炭素原子1〜10個のアルキル、および−C(O)OR’’からなる群から選択される。その際、R’’は、炭素原子1〜10個を有し、かつ任意に1〜4個のエーテル酸素原子を含むアルキル、または炭素原子3〜10個のシクロアルキルである]
上記式の好ましい酸捕捉剤は、モノエポキシド2−エチルヘキシル7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸(特許文献2に開示される)、またはモノエポキシド2−(エトキシエトキシ)エチル7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシレート、或いはそれらの混合物、およびモノエポキシド7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]−ヘプタン−3,4−ジカルボン酸のジアルキルエステル(例えばジイソブチルエステル)である。このモノエポキシドのジアルキルエステルはまた、特許文献2に開示される。トリアルキルおよびテトラアルキルエステルは、従来のディールス−アルダー反応の手順により、適切な不飽和トリアルキルまたはテトラアルキルエステル、および適切な1,3−ジエンを経て調製される。ディールス−アルダー反応は、4+2シクロ付加を提供して、適切なトリアルキルまたはテトラアルキルエステルを有するシクロヘキセン誘導体がもたらされる。シクロヘキセンの不飽和は、従来法によりエポキシドを形成するのに用いられる。
適切な不飽和トリアルキルおよびテトラアルキルエステルは、当該技術分野で知られる。例えば、テトラエチルエチレンテトラカルボキシレートは、Fluka(ロンコノマ、ニューヨーク州)から入手可能である。このテトラエチルエステルのアルキル基は、容易に、従来技術により交換されて、上記に明示される他のエステルが提供され得る。
このモノエポキシドのこれらのジ−、トリ−、およびテトラアルキルエステルを用いることは、本発明の配合物のシール親和性を強化する。同様に、従来の配合物は、従来のトリヒドロカルビルホスフェート基材を、航空機の作動系で用いられるエチレンプロピレンシールと共に用いる。
航空機の作動系におけるエチレンプロピレンシールの膨潤は、該シールと、7−オキサビシクロ−[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸の2−エチルエステルを酸捕捉剤として含む航空機作動流体組成物との接触によるが、これは、更に、次の工程(a):
(a)モノエポキシド2−エチルヘキシル7−オキサビシクロ−[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸(酸捕捉剤)の少なくとも一部を、次式:
[式中、Rは、炭素原子1〜10個を有し、かつ任意に1〜4個のエーテル酸素原子を含むアルキル基、および炭素原子3〜10個のシクロアルキルからなる群から選択され、各R’は、独立に、水素、炭素原子1〜10個のアルキル、および−C(O)ORからなる群から選択される。その際、Rは、上記に明示されるものである。但し、R’の少なくとも一つは、−C(O)ORである]の酸捕捉剤で置き換える工程によって低減される。
(a)モノエポキシド2−エチルヘキシル7−オキサビシクロ−[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸(酸捕捉剤)の少なくとも一部を、次式:
好ましくは、7−オキサビシクロ−[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸の2−エチルヘキシルエステル酸捕捉剤の少なくとも20%、より好ましくはその約20%〜約100%は、ジエステル酸捕捉剤によって置き換えられる。
酸抑制剤は、モノ−、ジ−、トリ−、またはテトラ−エステルのいずれであれ、機能性流体の使用中に、特に航空機の作動流体としての使用中に生成される酸を、典型的には、リン酸の部分エステルとして捕捉するのに効果的な量で用いられる。好ましくは、酸抑制剤は、作動流体組成物の全重量を基準として、約4〜約10重量%の量で用いられる。より好ましくは流体の全重量を基準として5〜8重量%、更により好ましくは6〜8重量%である。
本発明で適切なカルボジイミドは、モノカルボジイミドまたはポリカルボジイミドであってもよい。有用なカルボジイミドは、次の構造式によって示される。
R1−(N=C=N)n−R2
[式中、R1およびR2は、同じかまたは異なり、水素、ヒドロカルビル基(好ましくは炭素1〜20個、より好ましくは炭素1〜18個を含むヒロカルビル基)、或いは窒素および/または酸素含有ヒドロカルビル基であり、nは1〜5(好ましくは1または2)である]
ここで、R1およびR2は、C1〜C12脂肪族基、C6〜C18芳香族基、または芳香族−脂肪族基であることができる。ここで、R1およびR2は、例えば、水素、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、2−メチルブチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなど)、アルケニル基(プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、2−エチルヘキセニル、オクテニルなど)、シクロアルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル−シクロペンチル、エチルシクロペンチルなど)、アリール基(アルキル置換フェニル基など。例えば、トルイル、イソプロピルフェニル、ジイソプロピルフェニルなど)、アラルキル基(ベンジル、フェネチルなど)であってもよい。nが1であるカルボジイミドは、モノカルボジイミドであり、これは、次によって例示される。
ジ−イソプロピルカルボジイミド、ジ−n−ブチルカルボジイミド、メチル―tert―ブチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−p−トリルカルボジイミド、2,2’−ジエチルジフェニルカルボジイミド、2,2’−ジエトキシ−ジフェニルカルボジイミド、2,2’,6,6’−テトラエチルジフェニルカルボジイミドなど。好ましいカルボジイミドは、2,2’,6,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミドである。Rheine Chemieから商業的に入手可能なAdditin(登録商標)RC8500などである。
R1−(N=C=N)n−R2
[式中、R1およびR2は、同じかまたは異なり、水素、ヒドロカルビル基(好ましくは炭素1〜20個、より好ましくは炭素1〜18個を含むヒロカルビル基)、或いは窒素および/または酸素含有ヒドロカルビル基であり、nは1〜5(好ましくは1または2)である]
ここで、R1およびR2は、C1〜C12脂肪族基、C6〜C18芳香族基、または芳香族−脂肪族基であることができる。ここで、R1およびR2は、例えば、水素、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、2−メチルブチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなど)、アルケニル基(プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、2−エチルヘキセニル、オクテニルなど)、シクロアルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル−シクロペンチル、エチルシクロペンチルなど)、アリール基(アルキル置換フェニル基など。例えば、トルイル、イソプロピルフェニル、ジイソプロピルフェニルなど)、アラルキル基(ベンジル、フェネチルなど)であってもよい。nが1であるカルボジイミドは、モノカルボジイミドであり、これは、次によって例示される。
ジ−イソプロピルカルボジイミド、ジ−n−ブチルカルボジイミド、メチル―tert―ブチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−p−トリルカルボジイミド、2,2’−ジエチルジフェニルカルボジイミド、2,2’−ジエトキシ−ジフェニルカルボジイミド、2,2’,6,6’−テトラエチルジフェニルカルボジイミドなど。好ましいカルボジイミドは、2,2’,6,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミドである。Rheine Chemieから商業的に入手可能なAdditin(登録商標)RC8500などである。
nが1超であるカルボジイミドは、ポリカルボジイミドであり、これは、次によって例示される。
テトラメチレン−ω,ω’−ビス−(tert−ブチルカルボジイミド)、ヘキサメチレン−ω,ω’−ビス−(tert−ブチルカルボジイミド)、テトラメチレン−ω,ω’−ビス−(フェニルカルボジイミド)、および芳香族ポリイソシアネート(1,3−ジ−イソプロピル−フェニレン−2,4−イソシアネート、1−メチル−3,5−ジエチル−フェニレン−2,4−ジイソシアネート、および3,5,3’,5’−テトラ−イソプロピル−ジフェニル−メタン−4,4−ジ−イソシアネートなど)を、tert−アミンの存在下に加熱することによって、基本的には、特許文献15に開示される方法に従って、金属化合物、カルボン酸金属塩、または非塩基性有機金属化合物を温度少なくとも120℃で反応させることによって得られてもよい化合物。
テトラメチレン−ω,ω’−ビス−(tert−ブチルカルボジイミド)、ヘキサメチレン−ω,ω’−ビス−(tert−ブチルカルボジイミド)、テトラメチレン−ω,ω’−ビス−(フェニルカルボジイミド)、および芳香族ポリイソシアネート(1,3−ジ−イソプロピル−フェニレン−2,4−イソシアネート、1−メチル−3,5−ジエチル−フェニレン−2,4−ジイソシアネート、および3,5,3’,5’−テトラ−イソプロピル−ジフェニル−メタン−4,4−ジ−イソシアネートなど)を、tert−アミンの存在下に加熱することによって、基本的には、特許文献15に開示される方法に従って、金属化合物、カルボン酸金属塩、または非塩基性有機金属化合物を温度少なくとも120℃で反応させることによって得られてもよい化合物。
本発明の機能性流体組成物で用いられ得るカルボジイミドの典型的な量は、流体の全重量を基準として約0.05〜約5.0重量%、好ましくは流体の全重量を基準として0.5〜3重量%である。
本発明は、更に、次の比較例および限定しない実施例を参照して記載される。
実施例においては、用いられるエポキシドは、2−エチルヘキシル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸であった。酸価を、ASTM D−974によって決定した。
実施例1
この実施例では、使用されたリン酸エステルベースの作動流体(流体1)(残留エポキシド酸捕捉剤1.73%を含む)10gを、カルボジイミド(RC8500)0.1g(0.276ミリモル)と40℃で72時間撹拌し(流体2)、およびエポキシド酸捕捉剤0.1g(0.387ミリモル)と40℃で72時間撹拌した(流体3)。流体1は、カルボン酸の存在に起因する初期酸価1.2mgKOH/gを有した。本発明の流体2(カルボジイミドを含む)は、酸価の低減率63.7%を示し、一方流体3(更なるエポキシド酸捕捉剤を有する)は、酸価の低減率27.1%を示した。これは、より多くのエポキシドを単に添加することが、流体中の弱カルボン酸に起因する酸性度を抑制するのに十分でないことを示す。
この実施例では、使用されたリン酸エステルベースの作動流体(流体1)(残留エポキシド酸捕捉剤1.73%を含む)10gを、カルボジイミド(RC8500)0.1g(0.276ミリモル)と40℃で72時間撹拌し(流体2)、およびエポキシド酸捕捉剤0.1g(0.387ミリモル)と40℃で72時間撹拌した(流体3)。流体1は、カルボン酸の存在に起因する初期酸価1.2mgKOH/gを有した。本発明の流体2(カルボジイミドを含む)は、酸価の低減率63.7%を示し、一方流体3(更なるエポキシド酸捕捉剤を有する)は、酸価の低減率27.1%を示した。これは、より多くのエポキシドを単に添加することが、流体中の弱カルボン酸に起因する酸性度を抑制するのに十分でないことを示す。
実施例2
この実施例は、カルボジイミドRC8500が、ナフテン酸(カルボン酸)を含み、かつエポキシド酸捕捉剤が存在しない石油留分HAGO(流体4)の酸価を減少するのに非常に効果的であることを示す。流体4の二つの100ml試料を、酸捕捉剤のそれぞれ1gと共に80℃で6時間加熱し(流体5および6)、酸価を決定した。エポキシド酸捕捉剤は、弱カルボン酸に起因する酸性度の低減を全く示さなかった。一方、カルボジイミドは、弱カルボン酸に起因する酸性度の低減率83.5%を示した。
この実施例は、カルボジイミドRC8500が、ナフテン酸(カルボン酸)を含み、かつエポキシド酸捕捉剤が存在しない石油留分HAGO(流体4)の酸価を減少するのに非常に効果的であることを示す。流体4の二つの100ml試料を、酸捕捉剤のそれぞれ1gと共に80℃で6時間加熱し(流体5および6)、酸価を決定した。エポキシド酸捕捉剤は、弱カルボン酸に起因する酸性度の低減を全く示さなかった。一方、カルボジイミドは、弱カルボン酸に起因する酸性度の低減率83.5%を示した。
実施例3
この実施例は、リン酸エステルベースの機能性流体中にカルボジイミド(RC8500)8.0重量%以下が存在すること(流体7)は、粘度特性を低下しなかったことを示す。更に、添加剤の消滅は、1週間の貯蔵(−65℃)後に、全く観察されなかった。カルボジイミド1重量%程度とエポキシド酸捕捉剤と組合せ(流体9)はまた、基本流体の特性を低下せず、依然として、TANを、エポキシド、またはカルボジイミド(より高濃度)のいずれかを単独で用いて達成するレベル未満へ低減した。
この実施例は、リン酸エステルベースの機能性流体中にカルボジイミド(RC8500)8.0重量%以下が存在すること(流体7)は、粘度特性を低下しなかったことを示す。更に、添加剤の消滅は、1週間の貯蔵(−65℃)後に、全く観察されなかった。カルボジイミド1重量%程度とエポキシド酸捕捉剤と組合せ(流体9)はまた、基本流体の特性を低下せず、依然として、TANを、エポキシド、またはカルボジイミド(より高濃度)のいずれかを単独で用いて達成するレベル未満へ低減した。
実施例4
この実施例は、実施例2においては、カルボジイミドが弱カルボン酸の良好な酸捕捉剤であることが示されるものの、カルボジイミド(RC8500など)は、リン酸エステルの加水分解から製造されるアルキルリン酸に対しては不十分な酸捕捉剤であることを示す。流体約15mlを、銅片およびスチール線と共に、シールされたガラスアンプルに入れて、加水分解を促進した。流体に、水を加えて、全水含有量を0.5%にした。アンプルをオーブン(150℃)に入れた。酸価を時間の関数として決定した。試験を、流体の酸価が1.5mgKOH/gに達した際に終了した(流体の寿命)。結果は、カルボジイミド8.0重量%を含む流体7は、単に48時間後に3.08mgKOH/gに達し、一方エポキシド酸捕捉剤のみを含む流体8は、244時間経て後、酸価1.59mgKOH/gに達したことを示した。カルボジイミド1重量%およびエポキシド5.0重量%の組合せ(流体9)は、良好な性能を示し、222時間後に、酸価1.88mgKOH/gに達した。流体9は、流体8より0.7重量%少ないエポキシドを含むことを注目することは重要である。
この実施例は、実施例2においては、カルボジイミドが弱カルボン酸の良好な酸捕捉剤であることが示されるものの、カルボジイミド(RC8500など)は、リン酸エステルの加水分解から製造されるアルキルリン酸に対しては不十分な酸捕捉剤であることを示す。流体約15mlを、銅片およびスチール線と共に、シールされたガラスアンプルに入れて、加水分解を促進した。流体に、水を加えて、全水含有量を0.5%にした。アンプルをオーブン(150℃)に入れた。酸価を時間の関数として決定した。試験を、流体の酸価が1.5mgKOH/gに達した際に終了した(流体の寿命)。結果は、カルボジイミド8.0重量%を含む流体7は、単に48時間後に3.08mgKOH/gに達し、一方エポキシド酸捕捉剤のみを含む流体8は、244時間経て後、酸価1.59mgKOH/gに達したことを示した。カルボジイミド1重量%およびエポキシド5.0重量%の組合せ(流体9)は、良好な性能を示し、222時間後に、酸価1.88mgKOH/gに達した。流体9は、流体8より0.7重量%少ないエポキシドを含むことを注目することは重要である。
実施例5
いかなる酸捕捉剤も含まないリン酸エステル作動流体の新規部分に、セカノイック酸(cekanoic acid)を加えて、試験流体10を作製した。その酸価は1.5と測定された。
いかなる酸捕捉剤も含まないリン酸エステル作動流体の新規部分に、セカノイック酸(cekanoic acid)を加えて、試験流体10を作製した。その酸価は1.5と測定された。
この試験流体10を、次いで、エポキシド単独、カルボジイミド単独、およびエポキシドおよびカルボジイミドの混合物で処理した。流体(流体11、流体12、流体13、および流体14)を、表5に示す。72時間後のデータは、カルボジイミドおよびエポキシドの混合物(流体14)が、酸価を、エポキシド配合量5.70gの単にエポキシド単独(流体11)またはカルボジイミド配合量1.0gのカルボジイミド単独(流体12)より大幅に減少することを示す。
Claims (3)
- 機能性流体であって、
a)主要量の有機リン酸エステル基材;
b)前記流体の全重量を基準として0.05〜5重量%の、下記構造式:
R1−(N=C=N)n−R2
(式中、R1およびR2は、同じかまたは異なり、水素、ヒドロカルビル基、或いは窒素および/または酸素含有ヒドロカルビル基であり、nは、1〜5である)
で表されるカルボジイミド;および
c)前記流体の全重量を基準として4〜10重量%の、下記構造式:
Rは、炭素原子1〜10個を有するアルキルおよび炭素原子1〜10個を有し、かつエーテル酸素原子1〜4個を含む置換アルキルからなる群から選択され、
R’は、各々独立に、水素、炭素原子1〜10個のアルキルおよびC(O)−OR’’(式中、R’’は、炭素原子1〜10個を有し、かつ任意にエーテル酸素原子1〜4個を含むアルキルおよび炭素原子3〜10個のシクロアルキルからなる群から選択される)からなる群から選択される)
で表されるエポキシド酸捕捉剤
を含むことを特徴とする機能性流体。 - 前記有機リン酸エステル基材は、
i)トリアルキルホスフェート10〜100%;
ii)ジアルキルアリールホスフェート0重量%〜75重量%;
iii)アルキルジアリールホスフェート0重量%〜30重量%;および
iv)トリアリールホスフェート0重量%〜15重量%
を含むことを特徴とする請求項1に記載の機能性流体。 - 前記エステルのアルキル基は、炭素原子4〜5個を有することを特徴とする請求項2に記載の機能性流体。
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