JP2009500630A - 少なくとも一つの複数周波数センサを用いた連続媒体および/または局在ターゲットの特性を測定するシステムおよび方法 - Google Patents

少なくとも一つの複数周波数センサを用いた連続媒体および/または局在ターゲットの特性を測定するシステムおよび方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009500630A
JP2009500630A JP2008520422A JP2008520422A JP2009500630A JP 2009500630 A JP2009500630 A JP 2009500630A JP 2008520422 A JP2008520422 A JP 2008520422A JP 2008520422 A JP2008520422 A JP 2008520422A JP 2009500630 A JP2009500630 A JP 2009500630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signals
target
sensor
continuous medium
sensors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008520422A
Other languages
English (en)
Inventor
プラスコフスキー、アレクサンダー
プラスコフスカヤ、エレナー
Original Assignee
エナラブ、インク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エナラブ、インク filed Critical エナラブ、インク
Publication of JP2009500630A publication Critical patent/JP2009500630A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S13/00Systems using the reflection or reradiation of radio waves, e.g. radar systems; Analogous systems using reflection or reradiation of waves whose nature or wavelength is irrelevant or unspecified
    • G01S13/88Radar or analogous systems specially adapted for specific applications
    • G01S13/95Radar or analogous systems specially adapted for specific applications for meteorological use
    • G01S13/951Radar or analogous systems specially adapted for specific applications for meteorological use ground based
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S13/00Systems using the reflection or reradiation of radio waves, e.g. radar systems; Analogous systems using reflection or reradiation of waves whose nature or wavelength is irrelevant or unspecified
    • G01S13/02Systems using reflection of radio waves, e.g. primary radar systems; Analogous systems
    • G01S13/06Systems determining position data of a target
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S13/00Systems using the reflection or reradiation of radio waves, e.g. radar systems; Analogous systems using reflection or reradiation of waves whose nature or wavelength is irrelevant or unspecified
    • G01S13/87Combinations of radar systems, e.g. primary radar and secondary radar
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S7/00Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00
    • G01S7/02Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00 of systems according to group G01S13/00
    • G01S7/28Details of pulse systems
    • G01S7/285Receivers
    • G01S7/295Means for transforming co-ordinates or for evaluating data, e.g. using computers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A90/00Technologies having an indirect contribution to adaptation to climate change
    • Y02A90/10Information and communication technologies [ICT] supporting adaptation to climate change, e.g. for weather forecasting or climate simulation

Abstract

空間の所定の体積中の連続媒体または少なくともひとつの局在ターゲットの少なくとも一つの特性を示すデータを得るための方法およびシステムを提供する。このシステムは連続媒体またはターゲットからの複数の信号を捕らえる少なくとも一つのセンサを有するセンサ構成を含む。複数の信号それぞれは、異なる周波数にそれぞれ中心がある。このシステムはまた、センサ構成により捕捉された複数の信号を用いてべき乗重み付き増分を計算すること、および複数のモデルを用いて複数のべき乗重み付き増分を連続媒体またはターゲットの特性に関連付けることによって、連続媒体またはターゲットの特性を示すデータを得るための処理回路を含む。連続媒体またはターゲットの選択された特性は、従来の相関関数、スペクトルおよび構造関数を基にした方法およびシステムで可能であったよりも、より優れた正確さおよび時間的および/または空間的分解能をもって推定することができる。従来の方法およびシステムに比べて、この発明は、たとえばグランドおよびシークラッタなどの大きい時間的スケールにおける信号の汚染に対して敏感ではなく、低周波数の外乱に対して敏感ではない。この発明は、たとえば、サイズ、形状、視認性、速度、動きの方向、および前述の特性の変化率の割合などの、媒体やターゲットの様々な特性を推定することが可能である。
【選択図】図3

Description

本発明は検出と監視の分野、特に複数の周波数で動作する少なくとも一つのリモートセンサを用いた連続媒体(continuous medium)および/または所定の体積中の局在ターゲット(localized targets)の特性を測定するシステムおよび方法に関する。
検出と監視の分野における重要な課題は、できるかぎり多くの監視対象の特性を正確かつ確実に測定することである。適切な正確さと確実さは特に悪測定条件下での遠隔の検出および監視の場合に特に重要になる。検出および監視装置により作られた監視対象の特性は測定システムの最終的な結果にほとんど表れない。一般的にこれらの特性は決定および/または提案するためにさらに解釈され、その決定および/または提案はシステムのユーザーに提示される。正確かつ確実に監視対象の多くの特性を測定することにより、よりロバストで的確な決定を確実なものとし、誤った決定をする可能性を大幅に減少させる。最良のデータ解釈は自動実時間システムにとって特に重要である。
監視対象は、例えば大気、湖、川、海、地表および地下形状、人体、化学反応器、または他の媒体などの連続媒体の中の所定の体積を有している。規定体積中のこれらの媒体の測定された特性は、例えば、気象学、天気予報、地質学、農業、医薬、天文学の分野で使われている。さらに、規定体積中のこれらの媒体の測定された特性は、また、例えば空港周辺の空域の監視、化学処理プラントの状態監視、他の多少類似したプロセスや物理的な構造の監視に用いられる。監視対象はまた、所定の体積中に位置する特定のターゲットであり、例えばミサイル、航空機、障害物、製品の欠陥、侵入者、あるいは、他の特定のターゲットである。これらの場合、ターゲットの測定された特性は、国防や本土の防衛、衝突回避、非破壊製品検査、企業や個人の警護などに使われる。本開示中の一般用語の「監視対象(monitored object)」は、連続媒体中の所定体積あるいは所定体積中の特定のターゲットに言及していると解釈され得ることに注意すべきである。特定のターゲットが所定体積中に位置している時には、その語は、局在ターゲットと呼ばれることもあり得る。
既存の監視装置は2つの種類、つまり、単一のセンサ装置と複数のセンサ装置、に分けることができる。さらに、単一と複数のセンサの両方を備えた装置は単一または複数の周波数で動作させることができる。単一周波数単一センサ装置、例えば、単一の周波数で動作する標準的な単一受信機ドップラーレーダーおよびソナーは多数の用途に使われてきており、今でも広く使われている。しかし、これらの装置は、監視対象について、比較的少量の初期情報しかもたらさない。この要因は得られる対象の特性の数を著しく制限し、また、特に悪条件下において、測定の正確さと確実さを制限する。ここ数十年間になされた電子工学とコンピュータ技術における顕著な発達により、実時間動作の実行が可能な複数周波数の単一センサまたは複数センサの監視装置の製造および実装が可能になっている。単一周波数監視装置と比較すると、複数周波数監視装置は監視対象に関する著しく大量の初期情報を提供し、それゆえ、いかなる条件下でもより高い精度で、はるかに多数の監視対象の特性のより確実な測定を可能にする。複数周波数センサの構成の既知の例は、複数の異なる周波数で動作する受信アンテナのアレイを有し、空間アンテナ大気プロファイラレーダー、複数の異なる周波数で信号を収集する望遠鏡および電波望遠鏡、周波数変調チャープパルス圧縮を利用した監視レーダー、連続波レーダーに使われている。単一のセンサあるいは複数のセンサから複数周波数の信号を得る監視装置は、同じセンサから単一周波数の信号を得る装置から生成される情報と比べて監視対象についての大量の初期情報を生成する。データ解析の目的は対象の有用な特性をできるだけ多く正確かつ確実に抽出することである。単一のセンサあるいは複数のセンサから得られた複数周波数のデータを用いたすべてのデータの処理方法は、同じ初期情報、つまり単一あるいは複数のセンサからの複数周波数の時系列の信号、を利用する方法と基本的に同じである。この方法は、信号の解析に使われる数学関数、これらの関数と監視対象の特性の関係を示す数学モデル、およびモデルを構築するために採用される仮定によって異なる。
単一あるいは複数のセンサの複数周波数の監視装置のための従来の相関関数とスペクトルベースのデータ処理方法は、数十年にわたって多くの応用分野にわたって広く使われている。同時に、これらの方法の欠点が十分理解され、完全に文書化されている。それは、次の通りであり、(1)時間および/または空間の分解能不足、(2)外部干渉や強いクラッタ等の悪測定条件下での動作不能、(3)不適切で、多くの場合非常に限定的な仮定の採用による測定の信頼性の低さ、そして(4)取り出すことのできる監視対象の特性の数の制限、である。例えば、鉛直方向乱流速度の変化は、従来のデータ処理方法を用いて空間アンテナプロファイラで取り出すことのできる唯一の大気乱流の特性である。従来のデータ処理方法に関する別の重大な問題は、動径速度のあいまいさとされている。この問題は連続媒体および/または局在ターゲットの動径速度の測定のためにドップラースペクトルを用いるリモートセンサに固有のものである。
上述の従来のデータ処理方法の欠点は、構造関数に基づいた方法によって部分的に対処されてきている。特に、単一周波数で動作する空間アンテナ大気プロファイラの場合、構造関数を用いることは、時間分解能の向上、外部干渉やクラッタ効果の軽減、鉛直方向乱流速度および水平運動量フラックスの変化の決定、そして、より少ない数のより制限的でない仮定を作ることによる演算方程式の導出を可能にする。それでも、構造関数に基づいた方法の限界もまた十分認識されている。
限界を理解するため、2つの近接した時間t1とt2での近接した空間的位置
Figure 2009500630

Figure 2009500630
にある2つのセンサからの受信信号
Figure 2009500630

Figure 2009500630
の構造関数の定義と解釈を検討する。次数pの相互構造関数(cross structure function)を次のように定義する。
Figure 2009500630
以下、tは時間、
Figure 2009500630
、t=t1
Figure 2009500630
、τ=t2−t1はそれぞれ、センサ間の空間的な分離、信号間の時間的な分離であり、山括弧<>はアンサンブル平均を意味する。式(1)が一組のセンサについての次数pの唯一の方程式を定義していることは重要である。
Figure 2009500630
は増分(increment)
Figure 2009500630
のP次の次数の統計学的モーメント(statistical moment)であることがわかる。後者は通例、空間的および時間的スケール
Figure 2009500630
およびτでそれぞれ変動を抽出するバンドパスフィルタと解釈される。しかし、これは当てはまらず、増分は実際、マルチバンドパスフィルタであると、長い間認められてきた。たとえば、自動増分
Figure 2009500630
の正規化スペクトル伝達関数は1−cos(2πfτ)であり、複数の周波数f=1/(2τ)+k/τ,k=0,1,2,...で極大となる。慣習的に、k=0の最初の帯域のみが構造関数の解釈に関して考慮される一方、同じ強さと帯域幅の他のものは全く無視される。次の問題は、相互構造関数が厳密な数学的なツールで無いことである。式(1)から、|τ|→0および
Figure 2009500630
での時間的
Figure 2009500630
および空間的
Figure 2009500630
自動構造関数は、それぞれδx方向での時間導関数と空間導関数の一次の有限近似になる。
Figure 2009500630
、|τ|→0での交差導関数の一次近似は次のようになる。
Figure 2009500630
式(1)、(2)から増分
Figure 2009500630
は導関数の第一の括弧に対応し、第2および第3項は単に無視されることがわかる。したがって、相互構造関数は交差導関数
Figure 2009500630
の切り捨てた表現である。
これらの理論的な問題は、複数周波数で動作し、単一または複数のセンサを有する測定装置での構造関数を基にしたデータ処理方法を用いる場合に、重大な現実的問題につながる。たとえば、空間アンテナ大気プロファイラの場合、主な欠点は次の通りであり、(1)鉛直運動量フラックスを取り込むことができないこと、(2)ホワイトノイズに対する高い感度、(3)異なるセンサからのノイズの間の相関の直接測定ができないこと、(4)各センサの組に二以上の方程式を提供できないことがある。重要なことには、構造関数に基づくデータ処理方法は、最も実用的なセンサ構成である単一周波数監視装置では、動径速度を測定できないことである。これらの欠点は、既存のデータ処理方法の利用を困難にし、複数周波数で動作する一つ以上のセンサを備えた監視装置の性能の低下をもたらす。
本発明の目的は、複数の異なる周波数で動作する一つ以上のセンサを用いた連続媒体および/または所定の体積中の局在ターゲットの特性を測定するシステムおよび方法を提供することであり、一般型の従来技術のシステムや方法の上述の不利な点を克服する。
本発明の他の目的は、連続媒体または所定体積の空間内に位置する局在ターゲットの少なくとも一つの特性を示すデータを得るためのシステムを提供することである。このシステムは、前記連続媒体または前記ターゲットからの複数の信号を捕捉するための少なくとも一つのセンサを備えたセンサ構成を有する。複数の信号のそれぞれは、それぞれ異なる周波数を中心とする。このシステムはまた、センサ構成によって得られた複数の信号を用いて、複数のべき乗重み付き増分(powered weighted increments)の計算による連続媒体またはターゲットの特性を示すデータを得るための処理回路を備える。この処理回路は、次に、べき乗重み付き増分を、複数のモデルを使った連続媒体またはターゲットの特性に関連付ける。
本発明の追加された特徴によれば、前記センサ構成は、少なくとも一つの空間的方向に互いに空間的に分離した中心を有する複数のセンサからなり、この複数のセンサは前記連続媒体または前記ターゲットからの複数の信号を同時に捕捉するために設定されている。
本発明のさらなる特徴によれば、前記複数のセンサは空間の所定体積の外側に配置され、前記複数のセンサによって捕捉された複数の信号が前記連続媒体または前記ターゲットによって生成される。
本発明の他の特徴によれば、前記複数のセンサは空間内の所定体積の外側に配置され、前記複数のセンサによって捕捉された複数の信号は、異なる周波数それぞれで前記連続媒体または前記ターゲットからの後方散乱を引き起こすために空間の所定体積内に発生し、伝搬する、所定の放射によって生成される。
本発明のさらなる特徴によれば、前記センサ構成の少なくとも一つのセンサは空間の所定体積の外側に配置され、前記センサによって捕捉された複数の信号は前記連続媒体または前記ターゲットによって生成される。
本発明のさらに追加的な特徴によれば、前記センサ構成の少なくとも一つのセンサが空間の所定体積の外側に配置され、前記センサによって捕捉された複数の信号は、異なる周波数それぞれで前記連続媒体または前記ターゲットからの後方散乱を引き起こすために空間の所定体積内に発生し、伝搬する、所定の放射によって生成される。
本発明のさらに追加的な特徴によれば、前記処理回路は、前記複数の信号を修正することにより前記複数の信号から抽出可能な情報の量を増加させ、その後に前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示すデータを入手するように構成される。
本発明の他の追加的な特徴によれば、前記処理回路は、複数の信号のバンドパスフィルタリング、複数の信号の複素信号から実信号への変換、複数の信号からのノイズ除去、複数の信号からの平均値の除去、複数の信号それぞれの標準偏差による各複数の信号それぞれの正規化、および複数の信号の組み合わせを用いた仮想センサの生成から成るグループから選択された少なくとも一つの修正ステップを実行することによって前記複数の信号を修正するように構成される。
本発明の他の追加的な特徴によれば、処理回路は、少なくとも一つの特定の次数、センサによって捕捉された複数の信号の少なくとも一つの特定の組、および少なくとも一つの特定の重みの組み合わせに対して、前記複数のべき乗重み付き増分を計算するように構成される。
本発明のさらなる他の追加的な特徴によれば、前記処理回路は、前記複数のべき乗重み付き増分を前記複数の所定のモデルに適合させ、前記複数の所定のモデルの複数の調整可能パラメータを推定し、前記複数の調整可能パラメータを前記連続媒体または前記ターゲットの特性に関連付けることによって、前記複数のべき乗重み付き増分を前記連続媒体または前記ターゲットの特性と関連付けるように構成される。
本発明のさらに加えられた特徴によれば、前記複数の所定のモデルの少なくとも一つは、テイラー級数に分解されるように形成される。
本発明のさらに追加的な特徴によれば、前記複数の所定のモデルのそれぞれは、選択されたパラメータに関して多項式関数の分解形式として解析的に導かれた演算方程式(operational equation)、数値シミュレーションを用いて得られた表関数(tabulated function)、物理実験を用いて得られた表関数から成るグループから選択された少なくとも一つのモデルから構成される。
本発明のさらに追加的な特徴によれば、前記処理回路は前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示すデータの複数推定解析を行うことにより媒体またはターゲットの特性を示すデータの精度を高めるように構成される。
本発明のさらなる特徴によれば、システムは前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示すデータを出力するための出力回路を備える。
本発明の他の目的は、連続媒体または空間の所定の体積中に位置する少なくとも一つの局在ターゲットの少なくとも一つの特性を示すデータを得るための方法を提供することである。本方法は、前記連続媒体または前記ターゲットからの複数の信号を捕捉するための少なくとも一つのセンサを有するセンサ構成を用いたステップを備える。前記複数の信号それぞれは、それぞれ異なる周波数を中心とする。この方法はまた、前記センサによって捕捉された前記複数の信号を用いて複数のべき乗重み付き増分を計算し、複数のモデルを用いて前記複数のべき乗重み付き増分を前記連続媒体または前記ターゲットの特性と関連付けることにより、前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示すデータを得るためのステップを備える。
本発明の別の態様によれば、本方法は、少なくとも一つの空間的方向に互いに空間的に分離した中心を有する複数のセンサを有するセンサ構成を備え、前記複数のセンサにより前記連続媒体または前記ターゲットからの複数の信号を同時に捕捉することを含む。上述の少なくとも一つのセンサは、ここで特定された複数のセンサの一つである。
本発明の追加的な態様によれば、本方法は、空間の所定体積の外側に一つのセンサまたは複数のセンサを配置し、前記連続媒体または前記ターゲットからの複数の信号を同時に捕捉するステップを実行する時に、前記連続媒体または前記ターゲットによって生成された信号を捕捉することを含む。
本発明の他の態様によれば、本方法は、空間の所定体積の外側に一つのセンサまたは複数のセンサを配置し、異なる周波数それぞれで前記連続媒体または前記ターゲットからの後方散乱を引き起こすために空間の所定体積内に所定の放射を発生させ、伝搬させることを含む。
本発明のさらなる態様によれば、本方法は、前記複数の信号を修正することによって複数の信号から抽出可能な情報の量を増加させ、その後に、前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示すデータを得るためのステップを実行することを含む。
本発明のさらに追加された態様によれば、本方法は、複数の信号のバンドパスフィルタリング、複数の信号の複素信号から実信号への変換、複数の信号からのノイズ除去、複数の信号からの平均値の除去、複数の信号それぞれの標準偏差による各複数の信号それぞれの正規化、および複数の信号の組み合わせを用いた仮想センサの生成から成るグループから選択された少なくとも一つの修正ステップを実行することによって前記複数の信号から抽出可能な情報の量を増加させることを含む。前記複数の信号から抽出可能な情報の量を増加させるステップに続いて、本方法は前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示すデータを得るためのステップを実行することを含む。
本発明のさらに追加された態様によれば、本方法は、少なくとも一つの特定の次数、前記センサによって捕捉された複数の信号の少なくとも一つの特定の組、および少なくとも一つの特定の重みの組み合わせに対して、複数のべき乗重み付き増分を計算することを含む。
本発明のさらに追加された態様によれば、本方法は、前記複数のべき乗重み付き増分を複数の所定のモデルに適合させ、複数の所定のモデルの複数の調整可能パラメータを推定し、前記複数の調整可能パラメータを前記連続媒体または前記ターゲットの特性に関連付けることによって、複数のべき乗重み付き増分を前記連続媒体または前記ターゲットの特性と関連付けることを含む。
本発明のさらなる態様によれば、前記複数の所定のモデルの少なくとも一つは、テイラー級数に分解されるように形成される。
本発明のさらに追加的な態様によれば、前記複数の所定のモデルのそれぞれは、選択されたパラメータに関して多項式関数の分解形式として解析的に導かれた演算方程式、数値シミュレーションを用いて得られた表関数、物理実験を用いて得られた表関数から成るグループから選択された少なくとも一つのモデルから構成される。
本発明のさらに追加的な態様によれば、前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示すデータの精度は、前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示すデータの複数推定解析を行うことにより向上する。
本発明の付随する態様によれば、前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示すデータが出力される。
本発明は、データ処理における新しい数学的ツールである、べき乗重み付き増分の発展に基づく。複数のべき乗重み付き増分が複数の受信信号によって、媒体またはターゲットの選択された特性を示すデータを得るために利用できる。ここに述べた方法によって複数の受信信号を用いて得られた複数のべき乗重み付き増分を処理することにより、本発明は既存の監視装置にみられる問題の多くを解決する。本発明によって解決されるこのような問題の限定的なリストには、監視対象の重要な特性を捕捉するための能力、例えば、大気プロファイラにおける鉛直運動量フラックス、異なるセンサからのノイズ間の相関を直接測定する能力、各センサの組に二つ以上の方程式を与える能力、明確な動径速度を得る能力を含む。
本発明の重要な特徴は、信号の相関関数、スペクトル、または構造関数を用いるというより、複数の受信信号から対象の選択された特性を決定するためにべき乗重み付き増分を用いることにある。べき乗重み付き増分は、それぞれの選択された監視対象の特性を最も効率よくかつ信頼できる推定をするために、複数の異なる周波数における複数の信号に対して可変の重みを持った方程式の数の制限無しの使用を可能とする。本発明は、媒体またはターゲットの選択された特性の推定を、高精度かつ従来のシステムおよび方法と比べて向上した時間的および/または空間的分解能で可能とする。従来技術と比較すると、本発明は悪条件下でより確実に機能し、別な方法では検出および/または識別できなかった特定のターゲットの検出と識別を可能とし、別な方法では読み出すことができなかった観測された媒体の特性の読み出しを可能とし、監視対象のそれぞれの推定された特性の測定誤差を提供する。べき乗重み付き増分は、調整可能パラメータを備える数学的モデルで示され、これらのパラメータは決定されることになっている監視対象の選択された特性に関連する。モデルは解析式、数値シミュレーションまたは実験の結果表等にすることができ、調整可能パラメータは標準的で、よく知られた、適合法を用いて推定することができる。本発明は、検出および監視装置の任意のタイプや配置、検出および監視装置の任意の動作モード、および、任意の多数の対象の選択された特性のモデルを構成することを可能にする。好ましい数学的モデルは、十分小さい時間的および/または空間的分離の多項式関数の分解(decomposition)の形式の解析的演算方程式(analytical operational equation)であり、調整可能パラメータは分解の係数である。本発明を使用する好ましい条件が満たされると、従来技術の方法で可能であったものより少ない数のより制限的でない仮定を行うことによって好ましいモデルを構築することができる。本発明は、信号の物理的性質およびデータ収集装置の構造と無関係に、ターゲットまたは媒体の既知の特性に関連している複数周波数信号を受信する、検出および監視装置に応用することができる。このような検出および監視装置は、固定あるいは移動プラットフォームに搭載することのできる受動的または能動的リモートセンサに展開することができる。
本発明の説明を、べき乗重み付け増分という新しい概念の紹介と、本発明の方法の好適な実施形態の基本的な概観から始める。後で、本発明のいくつかの特徴を説明するためだけに、具体例が提供される。本発明は、例や好適な実施形態の中に示された方法に適用されるように限定して解釈されるべきではない。本発明は、方法およびその方法を実行するためのシステムにも関連している。本発明は、単一または複数のセンサから受け取った複数の信号から目標の特性を決定するための複数のべき乗重み付け増分の利用という重要な特徴である複数信号処理において重要な進歩を提供する。複数の信号は複数の異なる周波数を中心としている。べき乗重み付け増分は、相関関数、スペクトル、または構造関数を基にした方法に比べて実体的な利点をもたらす。べき乗重み付き増分Φは、2つの異なる周波数fとfの処理信号のための新しい数学的ツールである。時間的に分離した例tとtにおいて空間的に分離した位置
Figure 2009500630

Figure 2009500630
にある一組のセンサ()から得られるべき乗重み付き増分は、次のように定義される。
Figure 2009500630
一組のセンサには2つの物理センサ、2つの仮想センサ、または一つの物理センサと一つの仮想センサが含まれ得る。単一のセンサが使われた場合、
Figure 2009500630
となり、べき乗重み付き増分を得るために、式(3)は次のように簡略化される。
Figure 2009500630
定義(3)および(3a)の山括弧<>は、アンサンブル平均、特定の時間間隔での時間平均、あるいは特定の空間領域での空間平均を表す。重み−∞<ωx、ωτ<∞は任意の実数値を持つ自由パラメータである。重みωxおよびωτはいずれも、いくつかのべき乗重み付き増分を計算する際に同時に0の値をとり得ることに留意すべきであるが、監視対象の特定の特性または一連の特性を決定するための複数のべき乗重み付き増分を計算する時に、それらいずれもがいつも0になるわけではない。
Figure 2009500630
、|t2−t1|→0およびf1=f2、ωx=ωτ=1として評価されたべき乗重み付き増分(3)は交差導関数(2)にほぼ近似する。定義(3)および(3a)中の次数pが平均する前に適用されることは重要である。したがって、関数Φpは、各括弧内の個々の増分の一次結合ではない。式(3)または(3a)を使うことで、一組の信号に対して無限の方程式を得ることができる。したがって、連続媒体および/または局在ターゲットの特性の測定のための本システムおよび方法は、データ処理の新しい数学的ツールである、複数の受信信号からの複数のべき乗重み付き増分を得ることに基づいている。
本発明は複数の異なる周波数で作動する少なくとも一つの物理センサを備えたセンサ構成を使用して、連続媒体および/または局在ターゲットの特性の測定を可能とする。本発明は、例えば大気プロファイラにおける鉛直運動量フラックスなどの監視対象のより多くの特性を捕捉する能力の欠如、異なるセンサからのノイズ間の相関を直接測定する能力の欠如、各センサの組に2つ以上の方程式を与える能力の欠如、および明確な動径速度を得る能力の欠如を含む、上述の問題を解決する。
本発明は、式(3)または(3a)の形の適切な数の方程式を選ぶことによって、監視対象の選択された特性の効率的かつ確実な推定値を得ることを可能とするもので、それぞれの式は、これから決定されることになる各特性のための重みωxとωτおよび次数pの最適の組み合わせを用いて構成される。本システムおよび方法は、時間および空間的分解能を向上させ、ホワイトノイズに対する感度を低減し、外部干渉やクラッタに起因する汚染をさらに軽減あるいは除去する。
本システムおよび方法は、所定の対象の選択された一連の特性を決定することができ、本システムのセンサの数や位置だけでなく複数周波数の数や値は測定されることになる対象の特性によって決まる。しかし、特に、少なくとも2つの異なる周波数で動作する少なくとも一つの物理センサが配置されなければならない。本発明はサイズ、形状、可視性、物体の運動の速度および方向、上述の特性の変化率等を含むがこれに限定されるものではない、監視対象の様々な特性を測定することができる。
図面中の図を詳細に、最初に図1を参照すると、連続媒体または局在ターゲットの選択された特性の測定方法の一般化された例示の実施形態に関係するステップを記述したブロック図が示されている。本システムは、これらの方法のステップを実行する。しかし、図示されたすべてのステップが必ずしも実行されなければならないわけではないことに留意すべきである。ある場合にはステップ101、103、104および105だけを実行すれば十分であるとともに許容できると考えられ、本発明は必ずしもこれらのステップ以外を制限しないことを意図している。連続媒体および/または局在ターゲットの特性はその後、ステップ107に示されたように、表示、アーカイブ、または他の装置への転送のために利用できるようになる。
図1に示されたように、ステップ101では、システムはセンサ構成からの受信信号を収集する。システム構成および動作パラメータおよびデータ処理パラメータはこのステップで特定され、またはあらかじめ特定される。
センサ構成中の各センサから受信あるいは得た実信号は、媒体またはターゲットの選択された特性の効率的な推定を保証するために、ステップ102において修正される。実信号の修正は、例えば、仮想センサを生成するための複数の物理センサからの信号の合成、信号のバンドパスフィルタリング、信号の正規化、および本開示を検討した当業者にとって明らかになる他の修正処理など、多くの既知の演算のいずれかを含む。このような修正ステップは、センサ構成の部分として構成された電子回路によって実行されてもよく、または、処理回路によって実行されてもよい。
複数の特定の次数および特定の重みをもつべき乗重み付き増分が、センサ構成から得られる各選択された信号の組に対して、ステップ103において計算される。
ステップ104では、ステップ103で計算されたべき乗重み付き増分が所定のモデルに当てはめられ、モデルの調整可能パラメータは標準的な当てはめ手法を用いて推定される。このようなモデルは、小さいパラメータの多項式関数の分解の形式の解析的に導かれた演算方程式であることが好ましい。しかし、このようなモデルはまた、例えば、数値シミュレーションまたは物理実験を用いて得られた表関数にすることもできることは注目すべきである。
ステップ105では、調整可能パラメータが連続媒体または局在ターゲットの選択された特性に関連付けられる。調整可能パラメータを監視対象の特性と関連付けるための特定のモデルは、監視装置のタイプ、構造、および動作モード、対象のモデルを構築するのに選ばれた基礎を成す理論や手法、および決定されることになる対象の特性によって決まる。調整可能パラメータは、好ましくは解析的表現を用いて選択された特性と関連付けられるが、この目的のために離散的な表形式のカーブもまた用いることができる。
監視対象のそれぞれの選択された特性の複数の推定値が、各特性に対する最良推定値を提供するため、最良推定値のための正確さを得るため、および必要な場合には、最良推定値の信頼性の尺度を得るために、ステップ106において解析される。この処理ステップには、対象の選択された特性のすべての利用可能な推定の統計分析、分析された時間間隔と前回の分析された時間間隔における選択された特性の結合統計分析、および本開示を検討した当業者に明らかである他の分析手法を含めることができる。
監視対象の選択された特性の最良のおよび/またはすべての複数の推定値は、ステップ107において任意のユーザー指定のフォーマットで表示することができる。一連の特性はさらなる利用および/または参照のために、離れた場所に転送あるいはアーカイブすることもできる。
(センサ構成)
図2A、図2Bおよび図3は連続媒体または局在ターゲットの特性を測定するための本システムを実現するために利用することが可能である、送信機およびセンサ構成の例を図示したものである。例は、従来のデータ処理方法を実装した複数周波数測定システムと比べた本発明の主な特徴と利点を説明することを目的としている。この例は、例証目的だけのものであり、本発明の利用分野や範囲を限定するものでは無い。
説明例は、図2Aに示される単一3面送信アンテナTと図2Bに示される空間Vの所定の領域内の大気の選択された特性を推定するための空間的に分離した同一の複数の物理センサA1、A2およびA3を用いた大気プロファイラレーダーを基にしたシステムである。送信アンテナTの特性サイズは図2AにDで示され、受信アンテナまたはセンサA1、A2およびA3の特性サイズは図2BにDAで示される。図3は、このシステムにおいて、送信アンテナTが所定体積Vを含む空間の体積を照射するために無線周波数エネルギーの収束ビームを送信することを示している。収束ビームは一連のパルスから構成され、各パルスは送信アンテナTからパルスが発せられるパルス発生時間を有する。レーダーは複数周波数モード、例えば、レンジ映像化(RIM)技術を適用するために通常使われる方法で動作する。この場合、各送受信パルスは、例えば任意のi,j=1,2,...,Kに対して|fTi−fTj|<<fTiである、小さいセットの、別個であるがとても近い周波数fT1,fT2、...、fTkから成るとみなすことができる。レーダーの作動周波数は、通常、対応する波長λTi=cfTi、i=1、2、...,Kとして提示され、cは電波に対して光速である波動伝搬の速度である。
無線周波数エネルギーの送信パルスは、大気中の屈折率の変動によって散乱される。以下の標準的な用語では、これらの変動は、散乱の性質や種類とは無関係に散乱体と称される。散乱された電波の一部は、センサA1、A2およびA3(このシステムでは、送信アンテナTの各パネルは別個の複数周波数センサとして動作する)に届き、各センサ内のそれぞれの独立した受信チャンネル内に、複数の周波数fT1,fT2、...、fTkの信号を発生させる。信号は、選択されたレンジゲートに収集され、各所定のレンジゲートまたは図3に示したように地面からの中心領域の高さがRの所定体積Vの大気の特性を推定するように処理される。以下、鉛直に方向付けられたZ軸と水平面内のx、y軸を有する適合デカルト座標系
Figure 2009500630
が使われ、括弧{}内の記号はベクトルのデカルト成分を示す。それぞれの所定体積Vに対して、座標系の適合基点は送信アンテナTの中心上の高さRに置かれる。図2Aおよび図2Bの黒い点は、図2Aに示した送信アンテナTについて座標
Figure 2009500630
でのアンテナ位相中心、図2Bに示した受信センサAm、m=1,2および3について座標
Figure 2009500630
でのアンテナ位相中心を示す。
内部抵抗Rintの整合フィルタセンサAm(本システムではm=1、2、または3)に発生する電流は、以下の標準的な複素形式で表すことができる。
Figure 2009500630
ここで、IAm(t)とQAm(t)は生じた信号の同相と直角成分である。下付文字iはi次の散乱体とみなす。Nは散乱体の数である。
Figure 2009500630
は、瞬間tでの位置
Figure 2009500630
における散乱体によって発生する屈折率場の変動(屈折率変動)の大きさである。
Figure 2009500630

Figure 2009500630
および
Figure 2009500630
はそれぞれ、レンジ重み付け関数、送信アンテナゲイン関数、センサの視野ゲイン関数である。
Figure 2009500630

Figure 2009500630
は送信アンテナTおよびセンサAmの位相中心から散乱体までの距離である。λ=fTi、i,j=1,2,...,Kは信号波長である。そして、
Figure 2009500630
である。定数Cは
Figure 2009500630
に比例し、PTは送信パルスの平均出力である。式(4)はrT≧(2D2/λ)およびrAk≧(2D2 A/λ)の遠方領域で有効である。遠方領域の条件を満たすため、十分大きいレンジが以下で考慮され、例えば、
Figure 2009500630
となる。以下σrは、下記の式(12)のレンジ重み付け関数の幅を示す。
図1のステップ101では、連続媒体および/または局在ターゲットの特性を測定する本システムが、所定の瞬間t0で始まる所定の測定時間Tmeasの間、すべての展開された物理センサAm、m=1,2および3からの、すべての展開された波長λ=λTi、i=1,2,...,Kの受信信号
Figure 2009500630
を補える。各センサは、異なる体積Vlに対応する、所定のセットの中心レンジRl、l=1,2,...,Lの信号を提供する。パルス波レーダーの場合、
Figure 2009500630
は、サンプリング時間間隔δt=NCI/PRFの不連続時系列であり、ここでPRFとNCIは送信機パルス繰り返し周波数とコヒーレント積分の数を示す。t0、Tmeas、Rl、δt等のシステムの全ての関連操作パラメータは図1のステップ101において特定される。
本システムの技術的パラメータもまたステップ101で特定される。これらのパラメータは、送信機波長λTi,i=1,2,...,Kとその特性サイズD、センサの数、それらの特性サイズDAとその中心座標
Figure 2009500630
(本システムではm=1,2および3)等を含む。
図1のステップ101ではデータ処理パラメータも特定される。このシステムでは、定義(3)および他の理論式のアンサンブル平均が、所定の時間間隔Tavにわたる時間平均によって置き換えられる。ここで、後者はこのステップで特定される。波長の組λTi,λTj(i,j=1,2,...,K)が解析され、センサの組、べき乗重み付け増分の次数p、式(3)の重みωx、ωτ、および他のパラメータが特定される。
(各センサからの信号の修正)
全ての展開された物理センサからの実受信信号は、複数の信号から有用な情報の最も効率的な抽出を行うために、図1のステップ102で修正される。修正は次の操作を含むことができるが、これに限定されるものではない。
(a)図1のセンサ構成101の展開されたセンサからの出力信号は、すでに、式(4)によって与えられる異なる波長λTi,i=1,2,...,Kの複数の信号
Figure 2009500630
になっている。信号はまた、複数の信号の異なる周波数での線形の重み付け重ね合わせ、例えば、
Figure 2009500630
であるか、λT1からλTKの波長のレンジΔλにわたる広帯域信号
Figure 2009500630
でもあり得る。ステップ102では、重ね合わせ
Figure 2009500630
または広帯域信号
Figure 2009500630
から、異なる波長λTi,i=1,2,...,Kでの信号(4)を得るために、狭帯域δλf≦δλminの標準的なデジタルバンドパスフィルタを適用することができる。この場合、δλmin=|λTi−λTjmin、i,j=1,2,...,Kであり、δλminは特定の波長間の最小差である。
(b)べき乗重み付き増分は、実信号に適用した場合は最も効率的な解析ツールである。式(4)で与えられる同相および直交同期検出器からの複素信号は、次の式による、それぞれの異なる波長λ=λTi、i=1,2,...,Kに対する、実瞬間信号出力に変換することができる。
Figure 2009500630
ノイズ、クラッタ、または他の汚染の影響の無い、図3中の所定体積V内の散乱体からの純受信出力
Figure 2009500630
は、以下、レンジRで、中心
Figure 2009500630
のセンサAmからの純受信信号とされる。
(c)現実の測定では、受信信号は監視対象
Figure 2009500630
からの純反射とノイズ
Figure 2009500630
の両方を含んでおり、このため、それぞれの異なる波長λ=λTi、i=1,2,...,KでのセンサAmからの現実的な受信信号は、次のように示される。
Figure 2009500630
ステップ102では、部分的にノイズ
Figure 2009500630
を除去し、信号対雑音比を向上させるために、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、および/またはバンドパスフィルタを適用することができる。
(d)起こりうるオフセットを除くために、平均値
Figure 2009500630
から、それぞれの異なる波長λ=λTi、i=1,2,...,Kでの信号を除去することができる。
(e)計算を簡単にするために、それぞれの異なる波長λ=λTi、i=1,2,...,Kで、標準偏差
Figure 2009500630
を用いて正規化することができる。
(f)実受信信号の組み合わせを用いて仮想センサを生成することによって、ハードウェア構成を変更する必要無しにシステムのセンサの数を増やすことができる。例えば、このシステムでは以下の式を用いて、それぞれの異なる波長λ=λTi、i=1,2,...,Kで、3つの仮想センサA4、A5、およびA6からの受信信号を生成することができる。
Figure 2009500630
位相中心
Figure 2009500630

Figure 2009500630
および
Figure 2009500630
のこれらの仮想センサは図4A、図4Bおよび図4Cに示される。信号出力は
Figure 2009500630

Figure 2009500630
の非線形関数であり、従って、式(8)によって与えられる信号
Figure 2009500630

Figure 2009500630
および
Figure 2009500630
はセンサA1,A2およびA3からの実信号の非線形結合である。仮想センサA4、A5、A6はより大きい開口を有するため、実センサA1、A2およびA3によって提供されるものよりも、任意の波長λで高い信号対雑音比を提供する。加えて、結合信号は、同じ波長および異なる波長λTiとλTj(i、j=1,2,...,K)の両方で、それら自信とより強い相関を持つ。仮想センサA4、A5、A6からの信号は、実センサA1、A2およびA3からの信号と同じように扱われる。例えば、上述の操作(c)、(d)および(d)は結合信号(8)にも適用できる。
(べき乗重み付き増分の計算と解析)
ステップ103の目的は、ステップ101で特定される、全ての個別のセンサ、センサの組、ゲート高さ、重み、および平均時間間隔、べき乗重み付き増分を計算することである。各ゲートレンジRと平均時間間隔が特定されるため、特定の次数p、特定の異なる波長の組λTiとλTj(i、j=1,2,...,K)、特定のセンサの組Am1とAm2、および特定の重みの組み合わせωxとωτのべき乗重み付き増分を計算することができる。べき乗重み付き増分ΦPは次のように計算される。
Figure 2009500630
それぞれの選択された組み合わせ
Figure 2009500630

Figure 2009500630
、λT1、λT2、t、ωxおよびωτのために、計算された増分
Figure 2009500630
は、ステップ101で特定される例えば±δt、±2δt...の時間的分離τでの限られたセットの観測値を提供する。個別のセンサAmlのべき乗重み付き増分は、
Figure 2009500630
での式(9)の明らかな具体的例であり、次のようになる。
Figure 2009500630
既に述べたように、ステップ104では、ステップ103で計算されたべき乗重み付き増分は、特定のモデルに適合し、モデルの調整可能パラメータは標準的な適合手法を用いて推定される。本発明の好適な実施形態では、べき乗重み付き増分は多項式の分解の解析的形の数学的モデルに適合され、調整可能パラメータ(分解の係数)が推定される。本発明の好適な実施形態を実施するには、信号間の十分小さい時間分離τおよび/またはセンサ間の空間分離
Figure 2009500630
を備えるように動作可能な展開された装置が必要になる。大気プロファイラレーダーを基にしたシステムの形態の例示の中で後に見ることになるが、十分小さい時間分離τ=±δt、±2δt...を得るために、十分高いパルス繰り返し周波数および十分小さい数のコヒーレント積分を常に使うことができる。時間的要求が満たされる場合、非常に小さいτ→0での各べき乗重み付き増分は次のようにテイラー級数に分解することができる。
Figure 2009500630
分解(10)は、べき乗重み付き増分を使うことができる好適な実施形態の例であり、係数
Figure 2009500630

Figure 2009500630
、および
Figure 2009500630
は調整可能パラメータである。好適な実施形態によるステップ104の実行では、それぞれの計算された増分
Figure 2009500630
のために、任意の標準的な適合方法、例えば、最尤推定量としての最小二乗、を使って最も適合するパラメータとしての、係数を推定することができる。最も現実的な場合では、式(10)の係数
Figure 2009500630

Figure 2009500630
、および
Figure 2009500630
は監視対象の選択された特性に解析的に関連付けられ、ステップ105で実行する好ましい方法を記述した中で説明されることになる。このような解析的関係の例は、以下演算方程式と称され、大気プロファイラレーダーを基にしたシステムの場合についての次のセクションで述べる。
空間的要求が満たされた場合、非常に小さい
Figure 2009500630
での各べき乗重み付き増分は次のようにテイラー級数に分解することができる。
Figure 2009500630
分解(10a)は、べき乗重み付き増分の好適な実施形態の他の例であり、係数
Figure 2009500630

Figure 2009500630
、および
Figure 2009500630
は調整可能パラメータである。ステップ104では、それぞれの計算された増分
Figure 2009500630
のために、任意の標準的な適合方法を使って最も適合するパラメータとしての、係数を推定することができる。最も現実的な場合では、式(10a)の係数
Figure 2009500630

Figure 2009500630
、および
Figure 2009500630
は監視対象の選択された特性に解析的に関連付けられる。
(監視対象の選択された特性の推定)
ステップ105の目的は、ステップ104で推定された調整可能パラメータを監視対象の選択された特性に関連付けることによって、監視対象の全ての選択された特性を推定することである。本システムおよび方法では、調整可能パラメータを対象の特性と関連付けるための具体的な式は、監視装置のタイプ、構造、および動作モード、監視対象のモデルを構築するのに選ばれた基礎を成す理論や手法、および決定されることになる対象の特性によって決まる。図2、図3および図4に示した大気プロファイラレーダーを基にしたシステムの場合、モデルは分解(10)であり調整可能パラメータは係数
Figure 2009500630

Figure 2009500630
、および
Figure 2009500630
である。分解(10)とともに推定される係数
Figure 2009500630

Figure 2009500630
、および
Figure 2009500630
から、所定の空間における大気の選択された特性を得るための演算方程式は、このセクションの以下の部分で導出され議論される。
一組の複数周波数センサのためのべき乗重み付き増分
波長λ=λTi、i=1,2,...,K、時点tでのセンサAmからの純受信信号の瞬時電力の式を得るため、式(4)と(6)を次のように結合することができる。
Figure 2009500630
以下、m=1,2,...,6で、図2Bに示された物理センサA1、A2、A3と図4に示された仮想センサA4、A5、A6の両方を含む。紛らわしくない場合はいつでも、独立変数tは省略され、例えば式(4)および(11)の
Figure 2009500630

Figure 2009500630
と記述される。
任意のセンサの組Am1およびAm2、(m1≠m2)=1,2,...,6を検討し、δλ=λTj−λTi(i,j=1,2,...,またはK)かつ|δλ|<<λである、2つの異なる波長λTi=λおよびλTj=λ+δλでのこれらのセンサからの信号の式(11)を特定することにする。一般性を失うこと無しに、ベースライン
Figure 2009500630
と平行に方向付けられた、図3の適合デカルト座標系のx軸を考える。ここでは、センサの位相中心間の分離は
Figure 2009500630
である。レンジ重み関数、送信アンテナゲイン関数、センサの視野ゲイン関数は、選択された座標系で、次の標準的な式によって近似することができる。
Figure 2009500630
レンジ幅σrは送信パルスの幅によって決まる。送信ビーム幅σおよびセンサの視野の幅σAは次の標準的な式で近似することができる。
Figure 2009500630
ここで、γ、γAは与えられたレーダーの定数である。一般的にγ≠γAである。
全てのi=1,2,...、Nに対して不等式(5)および式(13)から次のようになる。
Figure 2009500630
次のように信号
Figure 2009500630
を表すために、式(5)および(11)−(14)を組み合わせることができる。
Figure 2009500630
ここで、
Figure 2009500630
は中心
Figure 2009500630
のセンサAm1での、波長λ、時点tでの位置
Figure 2009500630
の散乱体の反射率である。以下、重要でない小さい項は無視され、次のようになる。
Figure 2009500630
αの大きさは物理センサA1,A2、A3および仮想センサA4、A5、A6によって異なる。差の現実的意義を以下で述べる。時点tでのi次の散乱体の瞬間速度を
Figure 2009500630
で表し、大気プロファイラレーダーを基にしたシステムの演算方程式を得るための重要な仮定を行う。
仮定1: i=1,2,...,Nでの散乱体の特性
Figure 2009500630
は局所的、統計的に定常ランダム過程である。
この仮定から、これらのアンサンブル平均は時間tと独立であることになり、ランダムベクトル
Figure 2009500630
は次のように記述できる。
Figure 2009500630
以下、
Figure 2009500630
および
Figure 2009500630
はi次の散乱体の平均および乱流運動を表す。τ→0での小さい項O(τ2)を無視することにより、時点t+τでのi次の散乱体の位置を次のように定義することができる。
Figure 2009500630
小さい分離
Figure 2009500630
およびτ→0での項
Figure 2009500630
を無視することにより、(m2≠m1)=1,2,,...,6について中心
Figure 2009500630
のセンサAm2の時点t+τでの波長λ+δλに対する位置
Figure 2009500630
でのi次の散乱体の反射率は、次のように推定することができる。
Figure 2009500630
微分係数∂Δni/∂tはセンサAmlについての時点tでのi次の散乱体の反射率の変化の瞬間変化率を示す。瞬間変化率は、散乱体の形状、サイズ、方向、および/または材質の変化率によって決まる。微分係数∂Δni/∂λは変化する波長に対する、時点tでのi次の散乱体の反射率の変化率を表す。反射率は散乱体の材質、形状、波長λ、および時点tでの体積V内での散乱体の位置によって決まる。式(19)の空間微分係数∂Δni/∂xAmlは、x方向に動かされる、センサAmlでの時点tにおけるi次の散乱体の反射率の変化率を明らかにする。変化率は、時点tでの体積V内での散乱体の位置だけでなく、散乱体の形状、サイズ、方向、および/または材質によって決まる。式(19)での微分係数をもつ項は、
Figure 2009500630
、|δλ|≪λおよびτ→0で、大抵の大気条件において非常に小さく、それらを以下では無視する。
時点t+τでの波長λ+δλに対するセンサAm2からの純信号を次のように表すために、不等式(5)および式(11)−(14)、(18)、(19)を用い、そして項O(τ2)および重要でない項の無視することができる。
Figure 2009500630
ここで、
Figure 2009500630
である。式(15)、(16)および(20)、(21)から、
Figure 2009500630

Figure 2009500630
から独立であることがわかる。信号
Figure 2009500630
はただ
Figure 2009500630
のみに従属する一方で
Figure 2009500630
および
Figure 2009500630
に独立しており、べき乗重み付き増分もそうなっている。
純信号
Figure 2009500630
および
Figure 2009500630
の組に対するべき乗重み付き増分は、次のように無次元化形式で表すことができる。
Figure 2009500630
従来の方法と本方法を比べるために、p=2での二次べき乗重み付き増分のみを考慮し、以下添字p=2を省略する。式(15)および式(20)を純信号の代わりに式(22)に代入することができ、二次べき乗重み付き増分として次の式を得ることができる。
Figure 2009500630
式(23)、(16)および(21)は時点tにおける各散乱体i=1,2,...,Nを特徴付ける7つのランダム変数を含んでいる。つまり、座標xi,yi,zi、速度成分Ui,Vi,Wi、および反射率Δniである。これらの変数のそれぞれが、散乱体の物理的に異なる特性を表し、それらは、同一および異なる散乱体に対する統計的に独立なランダム変数とみなすことができる。しかし、速度成分は同一および異なる散乱体両方に対して相関し得る。定義(16)および(21)から、|φik|=O(σr/λ、σ/D)>>1は大変大きく、
Figure 2009500630
、|ηik|=O(1)は1の次数であることがわかる。また、定義から、|ψik|、|ζik|∝τおよび|ψik|、|ζik|=O(τ)<<1、|ζik|/|ψik|=O(Uiτ/σ)<<1はτ→0において非常に小さいこともわかる。これらの検討を用い、冗長であるが直接的な数学的操作を適用することで、非常に小さいτ→0でのべき乗重み付き増分(23)は以下のように示すことができる。
Figure 2009500630
この式中の変数Φ、d0、d1、d2およびητは、無次元であり、純信号の係数d0、d1、d2は以下のようになる。
Figure 2009500630
Figure 2009500630
Figure 2009500630
式(24)−(27)は非常に一般的であることを指摘しておくことは重要である。これらは、唯一の仮定1を用いた体積−散乱モデルに対して導かれる。分解(24)−(27)中の各係数が監視対象の物理的に異なる特性を表すこともまた重要である。式(16)、(19)および(21)から、大気の散乱体の場合には、散乱体の運動とは完全に独立であるが、d0がサイズ、形状、体積および所定体積V内での空間分布に従属することがわかる。以下に示すように、乱流とは独立であるが、d1が体積V中の大気の平均速度に従属する。大気乱流は係数d2のみに作用する。
監視対象の識別
式(25)の係数d0は散乱体の反射率Δni(t)および変数Bik
Figure 2009500630
およびηikに従属する。定義(16)および(21)から、変数
Figure 2009500630
およびηikは座標xi(t),yi(t)およびzi(t)に直接従属し、座標は時点tにおける照射空間内の散乱体の空間分布の特性を示す。一般的に、式(25)はまた、式(19)から瞬間的な微分係数を含んでおり、プロファイラレーダーを基にしたシステムの例では無視される。反射率Δni(t)およびその微分係数∂ni(t)/∂t、∂ni(t)/∂λ、∂ni(t)/∂xAm1は、散乱体のサイズ、形状、体積、方向、および上述の変数の変化率の特性を示す。したがって、係数d0は本システムにおいて、監視対象を識別するための指標となる。
式(25)、(16)および(21)は、無数の未知変数、つまり各散乱体i=1,2,...,Nの瞬間的な反射率Δni(t)および座標xi(t),yi(t)、zi(t)を含むため、現実の観測には直接用いることができない。演算方程式を得るため、より具体的な仮定を作る、監視対象のより具体的なモデルを選ぶ、またはその両方を行うべきである。例として、照射体積の中心において、プルーム内部の散乱体がガウスの空間分布を持つ、単一熱プルームを検討する。
Figure 2009500630
ここで、Pm1,m2,z(xi,Zi)は、鉛直方向および本システムで考慮する任意の水平ベースライン
Figure 2009500630
に沿ったi次の散乱体の位置の結合確率密度分布である。変数σm2,m1<<σおよびσz<<σrはそれぞれ方向
Figure 2009500630
およびzでのプルームの幅である。σm2,m1およびσzはこの例で決定されることになる対象の未知のパラメータである。式(16)、(21)、(25)および(28)を組み合わせて、次の式を導くことができる。
Figure 2009500630
式(29)は、未知変数σm2,m1およびσzに関して非線形方程式である。べき乗重み付き増分は、この式を、適切な重みωxおよびωτを選ぶことにより、各未知変数に対して2つの独立な方程式に分けることを可能とする。たとえば、重みにωx=1を代入し、式(29)を次のように簡略化することができる。
Figure 2009500630
式(30)から、鉛直方向σzにおけるプルームの幅は次の式を用いて推定できることになる。
Figure 2009500630
式(31)は与えられたプロファイラレーダーを基にしたシステムの例のための演算方程式の例である。それは、監視対象の選択された特性、プルームの幅σzを、複数周波数センサAm1およびAm2、(m2≠m1)=1,2,...,6の組のための測定されたべき乗重み付き増分の分解(24)中の係数d0に、解析的に関係づける。さらに、この式の右辺は
Figure 2009500630
と独立であり、式(31)は
Figure 2009500630
の単一のセンサに直接適用することができる。
式(29)を使って、方向
Figure 2009500630
のプルームの幅σm2,m1を推定するため、条件1−ωx−ωτ=0を満たす重みωx≠1およびωτ≠0の任意の組み合わせを選ぶことができる。例えば、重みの組ωx=ωτ=1/2は式(29)を次のように簡略にする。
Figure 2009500630

Figure 2009500630
式(33)は、与えられた例の演算方程式の他の例である。これは、監視対象の選択された特性、プルームの幅σm2,m1を、センサAm1およびAm2、(m2≠m1)=1,2,...,6の組のための測定されたべき乗重み付き増分の分解(24)中の係数d0に、解析的に関係づける。この場合d0がαに従属しないため、熱プルームの幅σm2,m1は、(A1,A2)、(A2,A3)、(A1,A3)および、(A1,A5)、(A2,A6)、(A3,A4)に平行な全ての利用可能なベースラインに沿って推定することができる。
値σm2,m1およびσzは、照射体積のサイズσおよびσrよりはるかに小さいが、包括的にプルームのサイズや形状の特性を明らかにする。この単純な例は、本システムおよび方法の主要な利点を説明する。
第一に、式(31)および(33)は、唯一の自然で一般的な仮定1を用いた式(28)によって与えられる特定の対象に対する本発明の方法を用いて導出されている。従来の方法では、導出のために多数のより制限的な仮定を必要としたであろう。第二に、式(31)は、単一または複数の複数周波数センサとともに、δλ≠0でのみ用いられる。複数周波数センサが配置されない限り、鉛直方向σzのプルームの幅を測定することはできない。第三に、重みωxおよびωτを変化させることにより、各測定値σZおよびσm2,m1に対して複数の推定値を得ることができる。たとえば、非常に多くの重みωτ≠0を式(31)のσZの複数の推定値を得るために選択することができる。同様に、非常に多くの重みの組み合わせωX≠1およびωτ≠0で例えば1−ωX−ωτ=0を選ぶことができ、式(33)と同様に各ベースライン
Figure 2009500630
に対するσm2,m1のための複数の演算方程式を得ることができる。複数の推定値の有用性およびその現実的な応用は以下ステップ106の詳細な説明中で述べる。本システムおよび方法の最も重要な利点は、柔軟性と実用的な効率性である。べき乗重み付き増分(9)の重みωxおよびωτの最適な組み合わせを用いることにより、式(31)および式(33)のような、監視対象の各所定の特性に対して、最も正確、シンプル、および現実的に効率的な演算方程式を得ることができる。
監視対象の平均速度の測定
式(25)と同様、係数d1のための式(26)は無数の未知変数を含んでいる。瞬間的な反射率Δni(t)および座標xi(t),yi(t)およびzi(t)のほかに、一般式(26)は、各散乱体i=1,2,...,Nに対して瞬間速度成分Ui(t),Vi(t)およびWi(t)を含んでいる。式(26)を演算方程式に変えるため、より具体的な仮定を作る、監視対象のより具体的なモデルを選ぶ、または両方を行うべきである。与えられた大気プロファイラレーダーシステムを基とする例では、かなり一般的および自然な2つの仮定が演算方程式を導くのに十分である。
仮定2:照射体積V内の散乱体の空間分布はどの方向にも統計的に一様である。つまり、次のようになる。
Figure 2009500630
仮定3:照射体積中の全ての散乱体は同じ平均速度成分で動く。つまり、次のようになる。
Figure 2009500630
仮定2は以前のサブセクションで用いたモデル(28)と置き換わることに留意すべきである。次の式を得るために、式(16)、(17)、(21)、(25)、(26)、(34)および(35)を組み合わせることができる。
Figure 2009500630
Figure 2009500630
乱流とは独立であるが、平均速度<W>および<Um2,m1>のみに係数d1は従属することがわかる。式(19)、(21)、(23)および(25)−(27)が、x軸がベースライン
Figure 2009500630
と平行な適応座標系に対して導出されたことを思い出すべきである。式(29)、(32)、(33)の表記法σm2,m1および式(36)、(37)のem2,m1、<Um2,m1>およびその他の以下の類似の表記法は、測定値が
Figure 2009500630
と平行であることを強調しており、たとえば、<Um2,m1>は方向
Figure 2009500630
の大気の散乱体の平均速度の射影である。式(37)は2つの未知変数<W>および<Um2,m1>をもつ線形方程式であり、したがって、各未知数に対する複数の推定値を得るために無制限の重みωxおよびωτの組み合わせを適用することができる。しかし、最も効率的なのは、未知変数のそれぞれに対して別個の式を与えるような組み合わせである。
次の条件を満たす、複数の重みの組を用いることで、平均水平速度<Um2,m1>についての複数の信頼できる推定値を得ることができる。(1−ωx−ωτ)(em2,m1−ωτ)=0かつ(1−ωX−ωτ)eλ+ωxωτ≠0。たとえば、式(36)および(37)を用いて、ωx=ωτ=1/2の組に対して、次の式を導くことができる。
Figure 2009500630
式(38)は本発明を実施するために与えられた例のための演算方程式の別の例である。これは、監視対象の選択された特性である、方向
Figure 2009500630
の大気の散乱体の平均速度の射影を、センサAm1およびAm2、(m2≠m1)=1,2,...,6の組のための測定されたべき乗重み付き増分の分解(24)中の係数d0およびd1に、解析的に関係づける。本システムにより、異なるベースライン
Figure 2009500630
、(m2≠m1)=1,2,...,6上の平均水平速度の射影を測定することができる。任意の2つの平行でないベースラインが、任意の規定の座標系で平均水平速度<U>および<W>を推定するのに十分であり、たとえば、x軸が東に伸び、y軸が北に伸びる地球物理学的座標系である。任意の平行でないベースラインを用いて、座標系に対して不変である平均水平速度<Vh>を推定することができる。
Figure 2009500630
ベースライン(A1,A2)、(A2,A3)、(A1,A3)および、(A4,A5)、(A5,A6)、(A4,A6)を考慮することができる。しかし、式(38)に(A1,A5)、(A2,A6)または(A3,A4)のような混合した組を適用することはできない。式を単純化するため、組み合わせ内の同じ値αを上記のように考慮した。異なるαに対する式は同様に簡単に導出することができる。
反対の条件、すなわち、(1−ωx−ωτ)(em2,m1−ωτ)≠0かつ(1−ωx−ωτ)eλ+ωxωτ=0を満たす、複数の重みの組を用いることで、平均鉛直速度<W>についても複数の信頼できる推定値を得ることができる。たとえば、ωx=eλ/(1+eλ)かつωτ=eλにおいて、式(37)より次の式を得ることができる。
Figure 2009500630
他の重要な例は、単一の複数周波数センサを用いた平均鉛直速度<W>の推定の例である。
Figure 2009500630
かつωx=0の場合、式(37)を用いて、次の式を導くことができる。
Figure 2009500630
式(40)および式(41)は、本発明を実施するために与えられた例のための演算方程式のさらに2つの例である。この式は、監視対象の選択された特性である平均鉛直速度<W>を、センサAm1およびAm2、(m2≠m1)=1,2,...,6の組、および単一センサそれぞれのための測定されたべき乗重み付き増分の分解(24)中の係数d0およびd1に、解析的に関係づける。平均鉛直速度は、単一または複数の複数周波数センサで唯一可能となる、δλ≠0だけでしか測定することができないことは重要である。また、複数および単一の複数周波数センサのための式(40)および式(41)には動径速度のあいまいさ(すなわち、プロファイラレーダーの場合の鉛直速度のあいまいさ)が無いことも重要である。あいまいさは、ドップラースペクトルを用いた周波数領域内の動径速度の測定に内在する。本システムおよび方法は、時間的領域で作動し、そのため、周期性の影響を受けない。
例では、本システムおよび方法の主要な利点をさらに説明している。第一に、式(38)、(40)および(41)は、唯一の自然で一般的な仮定1、2および3を使い本発明の方法を用いて導出されている。従来の方法では、導出のために多数のより制限的な仮定を必要としたであろう。たとえば、空間アンテナレーダーのための最も進んだ相関関数を基にした手法である、Holloway−Doviak法は、単一のセンサの組のためのただ一つの演算方程式を導くために、8個の著しく制限的な仮定を必要とする。第二に、式(40)および式(41)は、複数周波数の単一または複数のセンサとともに、δλ≠0でのみ用いられる。複数周波数センサが配置されない限り、<W>を測定するために、これらのまたは同様の式を使うことはできない。第三に、重みωxおよびωτを変化させることにより、各測定値<Um2,m1>および<W>に対して複数の推定値を得ることができる。本システムおよび方法の最も重要な利点は、柔軟性と実用的な効率性である。べき乗重み付き増分(9)の重みωxおよびωτの最適な組み合わせを用いることにより、式(38)および式(40)、(41)などのような、監視対象の各所定の特性に対して、最も正確、シンプル、および現実的に効率的な演算方程式を得ることができる。
監視対象の変化率の測定
変化率は監視対象によって決まり、変化率の測定のための特定の式は監視装置のタイプおよび構造によって決まる。大気プロファイラレーダーを基にしたシステムの例では、監視対象は所定の体積の大気であり、変化率は主に散乱体の互いの相対的位置を変化させる大気乱流によって決まる。式(29)、式(36)および(37)から乱流は分解(24)中の係数d0およびd1に影響を与えないことがわかる。反対に、係数d2は乱流に大きく依存する。d2のための演算方程式を導くために、仮定1,2,3ともう一つのかなり一般的な仮定を適用すれば十分である。
仮定4:乱流運動の統計的性質は、照射体積中の全ての散乱体のものと同じである。すなわち、次のようになる。
Figure 2009500630
次の式を導くために、式(16)、(17)、(21)、(26)、(34)、(35)、(39)および(42)を組み合わせることができる。
Figure 2009500630
平均水平速度<Vh>および<Um2,m1>は係数d0およびd1を独立して用いることにより推定され、よって式(43)は3つの未知数、<w2>、<u2 m2,m1>および<um2,m1w>だけを含む。式(43)を異なるセンサの組Am1,Am2に適用し、各選択された組のための重みωxおよびωτを変化させることによって、大気乱流の全ての特性のための複数の推定値を得ることができる。ωxおよびωτの多数の組み合わせは、未知数を推定するための多数の式をもたらす。しかし、ブラインドアプローチは不十分であり、その正確性は極めて乏しい。式(43)の右辺の項は大きさに関して劇的に異なることがわかる。乗数μwについての最初の2つの項は、乗数μuについての3番目のものよりはるかに大きく、3番目の項は乗数μuwについての4番目よりはるかに大きい。以下に説明するように、べき乗重み付き増分は、各選択された単一のセンサAm1またはセンサの組Am1,Am2のために、特定の重みωxおよびωTを選択することで、この問題を解決できるようにし、乱流の各特性の最も効率的で正確な測定を確実にする。
たとえば、鉛直乱流速度<w2>の分散は、各単一のセンサを別々に使うこと、つまり
Figure 2009500630
、em2,m1=1で、正確に推定することができる。次の式により<w2>を推定することができる。
Figure 2009500630
式(44)で<w2>を推定するための効率的な重みの組は、たとえば、ωx=0、ωτ=−1およびωx=1、ωτ=0である。
<u2 m2,m1>のための確実で正確な推定値を得るために、式(43)の右辺の初めの2項を取り除くことができる。これは、2つの条件(μw=0およびμu≠0で、これは次の式を導く)を満たす重みを選択することによって容易に実現することができる。
Figure 2009500630
式(43)の第3項は第4項よりはるかに大きいので、式(45)を満足する任意の組の重みωxおよびωτを用いて複数の確実で正確な<u2 m2,m1>の推定値を得ることができる。しかし、最も効率的なのは、μu≠0、μw=0および同時にμuw=0を生じさせる重みの組の選択であり、たとえば、ωτ=0およびωx=eDλ/(1+eDλ)である。式(43)にこれらの式を使うことで、次の式を得ることができる。
Figure 2009500630
式(46)には、任意の3つの平行でないベースライン、たとえば、(A1,A2)、(A2,A3)、(A1,A3)および、(A4,A5)、(A5,A6)、(A4,A6)を適用することができ、任意の特定のデカルト座標系の標準的な三角法の関係で、水平乱流速度<u2>、<v2>および水平運動量フラックス<uv>の分散の推定値を得ることができる。
式(43)の右辺の<um2,m1w>の項が他よりもはるかに小さいため、最も困難な仕事は鉛直フラックスの射影を推定することである。確実で正確な推定値を得るための唯一の方法は、式(43)の最後の項を除いた全ての項を取り除くことである。こうするために、3つの条件、μw=0、μu=0、およびμuw≠0を満たすような重みωxおよびωτを選択しなければならない。この条件は次の式を満たす重みωxおよびωτを選択することにより満足させることができる。
Figure 2009500630
式はωτ=−1かつωx=2eλ/(1+eλ)において満たされ、これは次の式を導く。
Figure 2009500630
式(48)には、任意の2つの平行でないベースラインを適用することができ、任意の特定のデカルト座標系の標準的な三角法の関係で、鉛直運動量フラックス<uw>および<vw>の分散の複数の信頼性が高く正確な推定値を得ることができる。
式(44)、(46)および(48)は、本発明を実施するために与えられた例のための演算方程式の別の例である。この式は、監視対象の選択された特性、つまり大気乱流の特性<w2>、<u2 m2,m1>および<um2,m1w>を、単一の複数周波数センサAm1または複数周波数センサの組Am1およびAm2、(m2≠m1)=1,2,...,6、のための測定されたべき乗重み付き増分の分解(24)中の係数d0、d1およびd2に、解析的に関係づける。これらの式は、本べき乗重み付き増分を基にした方法を全ての従来の方法から区別する、2つの著しい特徴を明確に提示するもので、重みωxおよびωτを変化させることによって各複数周波数センサAm1または複数周波数センサの組Am1およびAm2のための多数の演算方程式を得ることができ、監視対象の各所定の特性の最も効率的で正確な測定のための各選択されたセンサまたはセンサの組のために特定の重みを選択することができる。
ノイズを含む信号
演算方程式(31)、(33)、(38)、(40)、(41)、(44)、(46)および(48)は、照射体積中の大気散乱体からの純信号のために導かれた。これらの式の右辺は、連続媒体および/または局在ターゲットの特性の測定のための本システムおよび方法を用いて推定することを目的としている大気の特性を含んでいる。これらの式は、ノイズや他の汚染の無い純信号出力のべき乗重み付き増分の係数d0,d1およびd2を含んでいる。実信号および結合信号には常に他の汚染が存在する。現実的な測定に適用可能な式のために、純信号(22)のためのべき乗重み付き増分を、全ての展開された波長λTi(i=1,2,...,K)でのノイズを含む信号(9)と関連付ける。
どの微分データ処理方法も、クラッタ、低周波の電波干渉、または十分大きい時間的尺度Tcorを備えた他の汚染の影響を受けないことがよく知られている。式(2)および(3)から、べき乗重み付き増分は微分処理ツールの類に属することがわかり、したがって大きいTcor>>δtを備えた汚染の影響を受けない。しかし、構造関数やべき乗重み付き増分などの微分ツールは、非常に小さいあるいはゼロの時間的尺度のホワイトノイズには敏感に反応する。このため、式(7)のホワイトノイズ
Figure 2009500630
だけが以下考慮され、これらのノイズについての標準的な仮定は次のようになる。
仮定5:純受信信号
Figure 2009500630
およびノイズ
Figure 2009500630
は相関がない。
この仮定およびホワイトノイズの定義は、任意の組の展開された波長λ=λTiおよびλ+δλ=λTj、δλ=λTj−λTi(i,j=1,2,...,K)に対してつぎのように定式化することができる。
Figure 2009500630
近接した周波数|δλ|<<λで複数周波数センサが動作する場合、次のようにすることもできる。
Figure 2009500630
式(7)、(22)、(49)および(50)をp=2での式(9)と組み合わせて次の式を導くことができ、ここでδ(τ)はクロネッカー関数である。
Figure 2009500630
式(51)は、べき乗重み付き増分を、ノイズを含む信号のそれと関連付ける。後者は式(9)の受信信号のために直接計算される。しかし、式は3つの新しい未知の変数を含み、これは、ノイズ
Figure 2009500630

Figure 2009500630
および相関
Figure 2009500630
の2次モーメントである。式(51)のノイズを含む全ての項はτと独立であり、それらは式(10)の係数
Figure 2009500630
のみに寄与する一方で、係数
Figure 2009500630
にも
Figure 2009500630
にも影響を与えない。式(9)および(49)−(51)から次のようになる。
Figure 2009500630
ωx=1かつδλ=0でd0≡0の一般式(25)から次のようになる。
Figure 2009500630
式(53)の重みωτを変化させることにより、
Figure 2009500630

Figure 2009500630
および
Figure 2009500630
に対して多数の独立した線形の方程式を得ることができる。たとえば、ωτ=1、0および−1での式は次のようになる。
Figure 2009500630
したがって、単に3つの重みωτ=1、0および−1を用いることで、式(53)から5つの独立した線形方程式(54)を得ることができる。これらの式は、センサの組Am1およびAm2のための3つの未知数
Figure 2009500630

Figure 2009500630
および
Figure 2009500630
を確実に推定するためには、十分過ぎるほどである。式(54)は
Figure 2009500630
で単一のセンサAm1に直接適用することができる。
式(54)はまた本発明を実施するために与えられた例のための演算方程式の例でもある。この式は、単一の複数周波数センサAm1またはこのようなセンサの組Am1およびAm2のために、ノイズの特性
Figure 2009500630

Figure 2009500630
および
Figure 2009500630
を、全ての展開された波長λTi(i=1,2,...,K)に対するノイズを含む実信号および結合信号のための測定されたべき乗重み付き増分の分解中の係数
Figure 2009500630
に、解析的に関係づける。他の方法によって、複数の周波数でのセンサの組に対して、ノイズの相関
Figure 2009500630
を推定することはできない。
(推定された特性の解析)
監視対象の各選択された特性に対する複数の推定値はステップ106で解析される。このような解析は、各特性に対する最良推定値を提供するため、最良推定値のための正確さの尺度を得るため、および、必要な場合には、最良推定値の信頼性のための尺度を提供するために実行される。解析は次の演算を含んでいるが、これに限定されるものではない。
(a)それぞれの解析平均時間間隔TavおよびレンジRにおける監視対象の選択された特性のための全ての得られた推定値の統計的解析。この重要な演算は、複数周波数で動作する各センサまたはセンサの組のための複数の式を得るため、したがって、監視対象の各選択された特性の複数の推定値を得るために、べき乗重み付き増分の優れた能力を利用する。たとえば、センサの組(A1,A2)、(A2,A3)、(A1,A3)および、(A4,A5)、(A5,A6)、(A4,A6)および2つの重みの組ωx=ωτ=1/2およびωx=2、ωτ=−1を使った式(38)を用いて、地球物理学的座標系での平均水平速度<U>および<V>の12の推定値を得ることができる。他の重みの組み合わせはそれぞれさらに6つの推定値を与える。理論的には、全ての推定値は同一のはずであるが、現実の測定では、いくつかの仮定の局所的違反、ノイズ、受信信号の異常値、およびその他たくさんの理由のために、そうならない。各時間間隔TavおよびレンジRの複数の推定値は統計集合を構成する特性のランダムサンプルである。平均(または中央)値や標準偏差(または特定のパーセンタイル点)などの集合の統計的特性は、それぞれ特性の最良推定値およびその実験的な測定誤差をもたらす。後者は測定の正確さの尺度となる。各特性の複数の推定値の集合はまた、集合に対する平均化が付加的な時間的平均化と等しいので、システムの時間分解能に関して、著しい向上を可能にする。監視対象の各選択された特性の可能な限り最良の推定値を提供する能力、推定値の正確さを提供する能力、および時間分解能を著しく向上させる能力は、本べき乗重み付き増分を基にした方法の顕著な利点である。
連続媒体および/または局在ターゲットの特性を測定する本システムはまた、このオプションの適用を選択した場合には、図1の全てのステップ102−106または選択されたステップに、品質管理アルゴリズムを含めることもできる。品質管理が適用された場合、適切な処置を用いて、ステップ106での最良推定値の信頼性の尺度を得ることもできる。測定の正確さと信頼性は全く異なる値であることは重要なことである。正確さは複数の推定値間のランダムな散乱と関連している。信頼性はノイズ、異常値、センサ故障などに起因する、与えられた特性に関する全ての複数の推定値の系統誤差と関連しており、たとえば、ファジー理論を基にした品質管理アルゴリズムの場合の信頼である。
(b)オプションの適用を選択した場合の、以前の間隔からの解析された平均化時間間隔TavおよびレンジRでの監視対象の選択された特性の結合統計解析。このような解析は、対象の特定の選択された特性それぞれについての全ての推定値、(a)に記載されている以前の処置からの推定値の統計データ、またはこれらの任意の組み合わせを用いることによって実現することができる。
(c)オプションの適用を選択した場合の、他の十分近接したレンジからの解析された平均化時間間隔TavおよびレンジRでの監視対象の選択された特性の結合統計解析。このような解析は、対象の特定の選択された特性それぞれについての全ての推定値、(a)および/または(b)に記載されている以前の処置からの推定値の統計データ、または上記の任意の組み合わせを用いることによって実現することができる。
(d)識別が必要な場合の、測定された指標のセットを用いた所定の用件に合致する監視対象の識別。このような識別は、所定の指標それぞれについての全ての推定値、(a)および/または(b)および/または(c)の以前の処置からの推定値の統計データ、または上記の任意の組み合わせを用いることによって実現することができる。
(ユーザーへの表示および/またはデータの転送および/またはアーカイブ)
連続媒体および/または局在ターゲットの特性を測定するための本システムおよび方法によって生成される監視対象の選択された特性に対する最良のおよび/または複数の推定値は、図1に示されたステップ107において、任意のユーザー指定のフォーマットで表示することができる。この表示は、レンジ−時間の矢印やバー、レンジ−時間の色分けされた描画、選択されたレンジでの選択された特性の時系列、および他のよく知られたフォーマットにすることができる。ユーザー指定の特性のセットはまた、さらなる利用および/または参照用に、特定の離れた場所に転送および/またはアーカイブすることができる。選択された特性それぞれの全ての推定値、最良推定値、または前術の任意の組み合わせを転送および/またはアーカイブすることができる。アーカイブおよび/または転送は、任意のユーザー指定のデータフォーマットで、そして任意の形式のローカルまたはリモートのデータストレージ(コンピュータのハードディスク、CD−ROM、テープ、等)に行うことができる。
(本発明を使うための必要な要件)
連続媒体および/または局在ターゲットの特性を測定するための本システムおよび方法は信号の組のべき乗重み付き増分の計算および解析を基にしている。本発明は調整可能パラメータを伴う数学的モデルとして表現されるべき乗重み付き増分を必要とし、このパラメータは監視対象の選択された特性と関連している。べき乗重み付き増分のためのモデルは、本システムおよび方法を特定の監視装置に適用する際に理論的および現実的な制限を与える一つの重要な要件の基で、本方法により構成することができる。
要件N1:複数の異なる周波数
中心
Figure 2009500630
の単一の物理センサAm1のべき乗重み付き増分は、2つの別個の周波数f1およびf2に対応する2つの別個の波長λ1およびλ2の信号に対して、式(9)によって定義され、したがって少なくとも2つの別個の周波数を持つ信号が利用できなければならない。この違いは、センサ構成内、処理回路内、または前述の可能性のあるものの組み合わせを使って実施することができる。たとえば、送信および受信チャンネルは大気プロファイラレーダーを基にしたシステムの例で述べたようにいくつかの別個の単周波数で直接動作可能である。他のアプローチは、周波数間隔Δf=[fmin、fmax]の広帯域信号を受信し、たとえば、f1−δf/2≧fminかつfK+δf/2≦fmaxである[fk−δf/2、fk+δf/2]、k=1,2,...,Kの複数の周波数fkにおいて狭いバンド幅δf<Δfのバンドパスフィルタを適用することである。このアプローチは、たとえば複数の周波数帯で星の像を得るために望遠鏡で、およびレンジ分解能を向上させるために連続波レーダーで使われている。狭帯域フィルタが図1のステップ101でのセンサ構成内の受信チャンネル内または/および図1のステップ102での処理回路において適用されることは重要である。
したがって、本発明を適用するための必要な要件は、それぞれの展開された物理センサが、任意の適切な手法を用いて区別が可能となる少なくとも2つの異なる周波数の信号を受信することである。
必須ではないが、各センサが2つ以上の異なる周波数を受信できることが望ましい。追加の周波数はそれぞれ監視対象についての追加の情報をもたらし、推定値の正確さおよび信頼性を向上させる。
(本発明を用いるための好ましい条件)
本発明のべき乗重み付き増分のための好適な数学的モデルは十分小さい時間的および/または空間的分離での多項式関数の分解の形式の解析的な演算方程式であり、調整可能パラメータは分解中の係数である。この好適なモデルは、以下に挙げる3つの条件の下で本方法によって構成することができる。
条件P1:小さい時間的および/または空間的分離
べき乗重み付き増分(3)、(3a)、(9)、(9a)は少なくとも一つの小さいパラメータを含む時は最も有効なデータ処理ツールとなる。つまり、得られた信号間の十分小さい時間的分離τおよび/またはセンサ間の十分小さい空間的分離
Figure 2009500630
である。この場合、増分に対する数学的モデルは、好ましい多項式関数たとえば、テイラー級数(10)または(10a)の分解の形式で導くことができる。分解中の係数は調整可能パラメータであり、このパラメータは大抵の場合本方法によって、監視対象の選択された特性に解析的に関連付けることができる。
大気プロファイラレーダーを基にしたシステムの例では、十分に小さい時間的分離τは、非常に小さいδτにおいてτ=0、±δt、および±2δtを適用することにより常に達成することができる。次に、べき乗重み付き増分(9)は、τ→0でテイラー級数に分解することができ、分解の係数は、たとえば、式(31)、(33)、(38)、(40)、(41)、(44)、(46)および(48)の解析式を用いて、大気の選択された特性と関連付けることができる。一般に、δtの大きさについての特定の条件は、明らかにされる対象の特性だけでなく、監視装置のタイプ、構成および動作モードにも依存する。大気プロファイラの例では、δtは十分小さい|ψi|、たとえば|ψi2<<|ψi|を確保するほど十分小さくなくてはならず、たとえば|ψi|<1/8である。これは、古い方法では次のように定式化できる。
Figure 2009500630
ここで、|Vhmaxおよび|W|maxは大気の水平速度および鉛直速度それぞれの最大の予想値である。大気境界層中の最大予想速度は、|Vhmax≒50m/sおよび|W|max≒3m/sであり、境界層プロファイラの標準パラメータはD≧2m、λ≧33cm、およびγ≒0.4である。次に、式(55)からサンプリング時間間隔δt<0.5msが、このような条件での本システムおよび方法の効率的な適用を確実にする。大気境界層プロファイラレーダーは、δt≦0.1に対応するパルス繰返し周波数PRF=10KHz以上で一般的に作動し、したがって条件(55)はコヒーレント積分の適切な回数を選ぶことによって、常に容易に満足され得る。
条件2:相関信号
べき乗重み付き増分は、高い相関を持つ(しかし同一では無い)信号に適用された場合、最も有効なデータ処理ツールである。この条件は次のように定式化することができる。
Figure 2009500630
ここで、
Figure 2009500630
は位相中心
Figure 2009500630
および
Figure 2009500630
のセンサAm1およびAm2からの実信号間の相関係数であり、ρmin≒0.3、ρmax≒0.99は本システムのための効率的な動作レンジを定める。信号間の望ましい相関を確保するための監視装置の特定の制限は、観測する対象の特性だけでなく、装置のタイプ、構成、動作モードにも依存する。大気プロファイラレーダーを基にしたシステムの例では、相関する信号の条件は、図2Bに示された物理センサの位相中心間の空間的分離
Figure 2009500630
に特定の制限を課している。べき乗重み付き増分と相関係数を次のように関連付けることができる。
Figure 2009500630
次の不等式を得るために、式(56)、(57)および(36)を使って、与えられた例に対して、分離
Figure 2009500630
についての特定の制限を得ることができる。
Figure 2009500630
この条件は例えばどんな大気プロファイラレーダーでも常に満たすことができる。
条件3: 複数のセンサ
中心
Figure 2009500630
の単一の物理センサAm1のべき乗重み付き増分は、2つの別個の周波数f1およびf2に対応する2つの別個の波長λ1およびλ2での信号に対して式(9a)で定義される。しかし、本システムおよび方法は、複数周波数で動作する単一センサを使った場合、ビームに沿った方向だけの監視対象の特性しか測定することしかできない。例えば、式(31)および(41)を参照。式(9a)は、空間的に分離した中心
Figure 2009500630
および
Figure 2009500630
を持つ物理センサおよび/または仮想センサAm1およびAm2の組からの受信信号のより一般的な式(9)の特殊な場合である。本システムおよび方法は、複数周波数で動作するセンサの組を使って、方向
Figure 2009500630
での監視対象の特性を測定することを可能とする。たとえば、式(33)、(38)、(46)および(48)を参照。監視対象の選択された特性が複数の方向に関係する場合、展開された物理および/または仮想センサは各方向について少なくとも一つのベースラインを特定しなければならない。たとえば、図2の空間的に分離した位相中心をもつ3つの物理センサは、水平面内に3つの平行でないベースラインを規定し、これは任意の水平な特定方向での大気の選択された特性の全ての測定を可能とする一方、複数周波数は鉛直方向の大気の特性をもたらす。各追加のセンサは、監視対象に関する追加の情報をもたらし、推定値の正確さおよび信頼性を増やし、いくつかのセンサの故障のためのシステムの冗長性を向上させ、または前記特徴の任意の組み合わせをもたらす。
(本発明の別の実装)
監視装置はパッシブリモートセンサ(後流渦検知のために用いられるマイクロフォンアレイ、電波望遠鏡、放射計など)またはアクティブリモートセンサ(レーダー、ソナー、例えば地底探査のための音源と組み合わされたマイクロフォンアレイなど)に展開することができ、これは依然として本発明の範囲および目的の範囲内に含まれる。
展開されたセンサは、任意の形状(六角形、四角形、三角形、円形などのアンテナ)および任意の構成(機械的、電気的など)をとることができ、任意の波長で作動することができ、これらは依然として本発明の範囲および目的の範囲に含まれる。
監視装置は、一つのセンサまたは少なくとも一つの空間次元の中で空間的に分離された任意の数の複数のセンサ(2つ以上)を展開するように構成することができる。完全に分離したセンサ、(図2Bのような)隣接センサ、または(図4のような)重複センサがある。展開されたセンサは、(電波望遠鏡のアンテナのような)完全パッシブセンサにする、(図2のような)完全または部分的に送信に使うことができる、または(連続波レーダーのように)完全に送信機から分離することができ、これらは依然として本発明の範囲および目的の範囲に含まれる。監視装置は固定プラットフォーム(地面、タワー、建物等)または移動プラットフォーム(トラック、船、航空機、人工衛星等)に搭載することができ、これらは依然として本発明の範囲および目的の範囲に含まれる。
展開されたセンサは、パルスまたは連続波モード、走査または固定方向モードで動作することができ、処理は実時間または場外モードで実行することができ、これらは依然として本発明の範囲および目的の範囲に含まれる。
実信号は直角位相同期検出器からの複素出力、信号電力、信号振幅、または信号の位相でありえ、結合信号は実信号の任意の関数になりえ、これらは依然として本発明の範囲および目的の範囲に含まれる。
実受信信号中の異なる複数の周波数は、各パルス内または図1のステップ101でのシーケンシャルパルス中の送受信される別個の単色波となりえ、図1のステップ101において、受信チャンネル中で狭帯域フィルタを用いて広帯域信号から求めること、および/または図1のステップ102における処理回路中のデジタルフィルタを用いて広帯域信号から求めることができ、これらは依然として本発明の範囲および目的の範囲に含まれる。
べき乗重み付き増分を計算するための平均化は、観測値の集合、任意の特定の時間間隔(局所的に非定常状態の時間平均を含まない)、任意の空間領域、または前記の任意の組み合わせに対して実行することができ、これらは依然として本発明の範囲および目的の範囲に含まれる。
べき乗重み付き増分の調整可能パラメータを用いた数学的モデルは、解析式、数値シミュレーションまたは実験結果の表等とすることができる。調整可能パラメータと監視対象の選択された特性との間の関係は、監視装置のタイプ、構成および動作モード、および/または監視対象のモデルを構築するのに選ばれた基礎を成す理論や手法、および決定されることになる対象の特性によって決まる。モデル化に関連するこれらの特徴の任意の組み合わせは当然本発明の範囲および目的の範囲に含まれるものとみなされる。
(システムの例示的実施形態)
図5は空間の所定体積中の監視対象の選択された特性を示すデータを得るためのシステム200の好適な実施形態を示したブロック図である。このシステム200は複数の信号を捕捉するセンサ構成220を備える。センサ構成220は、図2A、2B、3、4A、4Bおよび4Cと関連した上述の任意の方法で構成および動作することができる。このシステム200はまた、監視対象の選択された特性を示すデータを得るために構成された処理回路240を備え、データは、センサ構成220からの複数の信号を使ってべき乗重み付き増分を計算し、およびべき乗重み付き増分を媒質またはターゲットの特性と関連付けるための複数のモデルを使うことにより得られる。処理回路240の必要な機能は上述の図1に示したステップ102−106を参照して記述してきた。当業者にとって、処理回路240が商業的に利用可能なマイクロプロセッサ、任意のデジタルまたはアナログの電子部品の適当な組み合わせ、またはコンピュータを使うことにより構成することができることは、明確であろう。出力回路260を使うことにより、監視対象の選択された特性を示すデータは、データストレージ装置に入れるために、離れた場所に転送するため、および/またはディスプレイに適切な形式で出力するために、出力される。
連続媒体および/または局在ターゲットの選択された特性を測定するためのシステムおよび方法の好適な実施形態で実行可能なステップを示すブロック図である。 大気プロファイラレーダーを基にしたシステムに用いることのできる単一、3面送信アンテナの概略図である。 空間の所定の領域内の大気の選択された特性を推定するための空間的に分離した複数の同一の物理センサの概略図である。 照射体積の所定の部分体積中の信号を受信するために送信機がある体積を照射していることを示した概略図である。 図2Bに描かれた物理センサで得られた実信号を使って生成された仮想センサの構成を示した概略図である。 図2Bに描かれた物理センサで得られた実信号を使って生成された仮想センサの構成を示した概略図である。 図2Bに描かれた物理センサで得られた実信号を使って生成された仮想センサの構成を示した概略図である。 連続媒体または局在ターゲットの選択された特性を測定するためのシステムの好適な実施形態を示したブロック図である。

Claims (28)

  1. 少なくとも一つの連続媒体の特性または空間の所定体積中の少なくとも一つの局在ターゲットの特性を示すデータを得るためのシステムであって、
    前記連続媒体または前記ターゲットからのそれぞれ異なる周波数に中心がある複数の信号を捕らえるための少なくとも一つのセンサを有するセンサ構成と、
    前記センサ構成によって捕捉された前記複数の信号を用いて複数のべき乗重み付き増分を計算し、複数のモデルを用いて前記複数のべき乗重み付き増分を前記連続媒体または前記ターゲットの特性に関連付けることにより、前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示す前記データを得るための処理回路とを備えることを特徴とするシステム。
  2. 前記センサ構成は、少なくとも一つの空間方向に互いに空間的に分離した中心を有する複数のセンサを含み、
    前記少なくとも一つのセンサは前記複数のセンサの一つであり、
    前記複数のセンサは前記連続媒体または前記ターゲットからの前記複数の信号を同時に捕らえるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記複数のセンサは、前記空間の所定体積の外側に配置され、
    前記複数のセンサにより捕捉された前記複数の信号は、前記連続媒体または前記ターゲットによって生成されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  4. 前記複数のセンサは前記空間の所定体積の外側に配置され、
    前記複数のセンサにより捕捉された前記複数の信号は、前記異なる周波数それぞれで前記連続媒体または前記ターゲットからの後方散乱を引き起こすために前記空間の所定体積内に発生および伝搬する所定の放射によって生成されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  5. 前記センサは前記空間の所定体積の外側に配置され、
    前記センサにより捕捉された前記複数の信号は、前記連続媒体または前記ターゲットによって生成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  6. 前記センサは前記空間の所定体積の外側に配置され、
    前記センサにより捕捉された前記複数の信号は、前記異なる周波数それぞれで前記連続媒体または前記ターゲットからの後方散乱を引き起こすために前記空間の所定体積内に発生しおよび伝搬する所定の放射によって生成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  7. 前記処理回路は、前記複数の信号を修正することにより前記複数の信号から抽出可能な情報の量を増加させ、その後に前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示すデータを得るように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  8. 前記処理回路は、前記複数の信号のバンドパスフィルタリング、前記複数の信号の複素信号から実信号への変換、前記複数の信号からのノイズ除去、前記複数の信号からの平均値の除去、前記複数の信号それぞれの標準偏差による前記複数の信号それぞれの正規化、および前記複数の信号の組み合わせを用いた仮想センサの生成から成るグループから選択された少なくとも一つの修正ステップを実行することによって前記複数の信号を修正するように構成されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
  9. 前記処理回路は、少なくとも一つの特定の次数、前記センサによって捕捉された前記複数の信号の少なくとも一つの特定の組、および少なくとも一つの特定の重みの組み合わせに対して、前記複数のべき乗重み付き増分を計算するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  10. 前記処理回路は、前記複数のべき乗重み付き増分を複数の所定のモデルに適合させ、前記複数の所定のモデルの複数の調整可能パラメータを推定し、前記複数の調整可能パラメータを前記連続媒体または前記ターゲットの特性に関連付けることによって、前記複数のべき乗重み付き増分を前記連続媒体または前記ターゲットの特性と関連付けるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  11. 前記複数の所定のモデルの少なくとも一つは、テイラー級数に分解されるように形成されることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
  12. 前記複数の所定のモデルのそれぞれは、選択されたパラメータに関して多項式関数の分解形式として解析的に導かれた演算方程式、数値シミュレーションを用いて得られた表関数、および物理実験を用いて得られた表関数から成るグループから選択された少なくとも一つのモデルから構成されることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
  13. 前記処理回路は、前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示す前記データの複数推定解析を行うことにより前記媒体または前記ターゲットの特性を示すデータの精度を高めるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  14. 前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示す前記データを出力するための出力回路をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  15. 連続媒体または空間の所定体積中に位置する少なくとも一つの局在ターゲットの少なくとも一つの特性を示すデータを得るための方法であって、
    前記連続媒体または前記ターゲットからのそれぞれ異なる周波数に中心がある複数の信号を捕らえるための少なくとも一つのセンサを含んだセンサ構成を用いることと、
    前記センサによって捕捉された前記複数の信号を用いて複数のべき乗重み付き増分を計算し、複数のモデルを用いて前記複数のべき乗重み付き増分を前記連続媒体または前記ターゲットの特性に関連付けることにより、前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示す前記データを得ること、を特徴とする方法。
  16. 少なくとも一つの空間方向に互いに空間的に分離した中心を有する複数のセンサであって、前記少なくとも一つのセンサが前記複数のセンサの一つである、前記センサ構成を提供することと、
    前記複数のセンサを用いて前記連続媒体または前記ターゲットからの前記複数の信号を同時に捕らえること、を特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 前記複数のセンサを前記空間の所定体積の外側に配置することと、
    前記連続媒体または前記ターゲットからの前記複数の信号を同時に捕らえる前記ステップを実行する時に、前記連続媒体または前記ターゲットによって生じた信号を捕らえること、を特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記複数のセンサを前記空間の所定体積の外側に配置することと、
    前記異なる周波数それぞれで、前記連続媒体または前記ターゲットからの後方散乱を引き起こすために前記空間の所定体積内に所定の放射を発生および伝搬させること、を特徴とする請求項16に記載の方法。
  19. 前記センサを前記空間の所定体積の外側に配置することと、
    前記連続媒体または前記ターゲットからの前記複数の信号を同時に捕らえる前記ステップを実行する時に、前記連続媒体または前記ターゲットによって生じた信号を捕らえること、を特徴とする請求項15に記載の方法。
  20. 前記センサを前記空間の所定体積の外側に配置することと、
    前記異なる周波数それぞれで、前記連続媒体または前記ターゲットからの後方散乱を引き起こすために前記空間の所定体積内に所定の放射を発生および伝搬させることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  21. 前記複数の信号を修正することにより前記複数の信号から抽出可能な情報の量を増加させることと、その後に、
    前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示す前記データを得るための前記ステップを実行すること、を特徴とする請求項15に記載の方法。
  22. 前記処理回路は、前記複数の信号のバンドパスフィルタリング、前記複数の信号の複素信号から実信号への変換、前記複数の信号からのノイズ除去、前記複数の信号からの平均値の除去、前記複数の信号それぞれの標準偏差による前記複数の信号それぞれの正規化、および前記複数の信号の組み合わせを用いた仮想センサの生成、から成るグループから選択された少なくとも一つの修正ステップを実行することによって前記複数の信号から抽出される情報の量を増加させることと、その後に、
    前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示す前記データを得るためのステップを実行すること、を特徴とする請求項15に記載の方法。
  23. 少なくとも一つの特定の次数、前記センサによって捕捉された前記複数の信号の少なくとも一つの特定の組、および少なくとも一つの特定の重みの組み合わせに対して、べき乗重み付き増分を計算することを特徴とする請求項15に記載の方法。
  24. 前記複数のべき乗重み付き増分を複数の所定のモデルを適合させ、前記複数の所定のモデルの複数の調整可能パラメータを推定し、前記複数の調整可能パラメータを前記連続媒体または前記ターゲットの特性に関連付けることによって、前記複数のべき乗重み付き増分を前記連続媒体または前記ターゲットの特性と関連付けることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  25. 前記複数の所定のモデルの少なくとも一つを、テイラー級数に分解されるように形成することを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 前記複数の所定のモデルのそれぞれを、選択されたパラメータに関して多項式関数の分解形式として解析的に導かれた演算方程式、数値シミュレーションを用いて得られた表関数、および物理実験を用いて得られた表関数から成るグループから選択された少なくとも一つのモデルから構成することを特徴とする請求項24に記載の方法。
  27. 前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示す前記データの複数推定解析を行うことにより前記媒体または前記ターゲットの特性を示す前記データの精度を高めることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  28. 前記連続媒体または前記ターゲットの特性を示す前記データを出力することを特徴とする請求項15に記載の方法。
JP2008520422A 2005-07-08 2006-07-07 少なくとも一つの複数周波数センサを用いた連続媒体および/または局在ターゲットの特性を測定するシステムおよび方法 Pending JP2009500630A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/177,041 US7239983B2 (en) 2005-07-08 2005-07-08 System and method for measuring characteristics of continuous media and/or localized targets using at least one multi-frequency sensor
PCT/US2006/026612 WO2007008718A2 (en) 2005-07-08 2006-07-07 Measuring characteristics of continuous media and/or localized targets using a multi-frequency sensor

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009500630A true JP2009500630A (ja) 2009-01-08

Family

ID=37619264

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008520422A Pending JP2009500630A (ja) 2005-07-08 2006-07-07 少なくとも一つの複数周波数センサを用いた連続媒体および/または局在ターゲットの特性を測定するシステムおよび方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7239983B2 (ja)
EP (1) EP1902387A2 (ja)
JP (1) JP2009500630A (ja)
KR (1) KR20080024190A (ja)
CN (1) CN101379483A (ja)
CA (1) CA2614733A1 (ja)
WO (1) WO2007008718A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010530179A (ja) * 2007-06-15 2010-09-02 キャタピラー インコーポレイテッド 仮想センサ・システムおよび方法

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7545272B2 (en) 2005-02-08 2009-06-09 Therasense, Inc. RF tag on test strips, test strip vials and boxes
US7336222B2 (en) * 2005-06-23 2008-02-26 Enerlab, Inc. System and method for measuring characteristics of a continuous medium and/or localized targets using multiple sensors
US7542879B2 (en) * 2007-08-31 2009-06-02 Caterpillar Inc. Virtual sensor based control system and method
US7675447B1 (en) * 2008-05-24 2010-03-09 Zilog, Inc. Low-cost and noise-insensitive motion detector
KR101302134B1 (ko) * 2009-12-18 2013-08-30 한국전자통신연구원 복합 센서정보 제공 장치 및 방법
RU2444756C1 (ru) * 2010-07-29 2012-03-10 Открытое акционерное общество "Конструкторское бюро по радиоконтролю систем управления, навигации и связи" (ОАО "КБ "Связь") Способ обнаружения и локализации воздушных объектов
WO2012014077A2 (en) * 2010-07-29 2012-02-02 Waikatolink Limited Apparatus and method for measuring the distance and/or intensity characteristics of objects
CN107240145B (zh) * 2017-05-27 2019-09-17 中国科学院软件研究所 一种增量式动态调整羽毛覆盖的方法
JP6874842B2 (ja) * 2017-07-03 2021-05-19 日本電気株式会社 信号処理装置、信号処理方法およびプログラム
US20190235225A1 (en) * 2018-01-26 2019-08-01 Arizona Board Of Regents On Behalf Of The University Of Arizona Space-based imaging for characterizing space objects
CN109348536B (zh) * 2018-11-28 2020-08-25 成都中星世通电子科技有限公司 一种水上无线电干扰信号自动定位系统及定位方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3346862A (en) * 1962-05-24 1967-10-10 Martin Marietta Corp Correlation detection systems
US4117538A (en) * 1977-05-04 1978-09-26 Raytheon Company Radar system with specialized weighting
US5532700A (en) * 1995-03-16 1996-07-02 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Preprocessor and adaptive beamformer for active signals of arbitrary waveform

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010530179A (ja) * 2007-06-15 2010-09-02 キャタピラー インコーポレイテッド 仮想センサ・システムおよび方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1902387A2 (en) 2008-03-26
KR20080024190A (ko) 2008-03-17
CA2614733A1 (en) 2007-01-18
CN101379483A (zh) 2009-03-04
US20070010972A1 (en) 2007-01-11
WO2007008718A3 (en) 2007-02-15
WO2007008718A2 (en) 2007-01-18
US7239983B2 (en) 2007-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7336222B2 (en) System and method for measuring characteristics of a continuous medium and/or localized targets using multiple sensors
JP2009500630A (ja) 少なくとも一つの複数周波数センサを用いた連続媒体および/または局在ターゲットの特性を測定するシステムおよび方法
Rodriguez-Morales et al. Advanced multifrequency radar instrumentation for polar research
AU2008307362B2 (en) Ground clutter mitigation using a parametric time domain method
Huang et al. Measurement of sea surface wind direction using bistatic high-frequency radar
Röhrs et al. Comparison of HF radar measurements with Eulerian and Lagrangian surface currents
Al-Ashwal et al. Analysis of bistatic sea clutter-Part I: Average reflectivity
Fois et al. DopSCAT: A mission concept for simultaneous measurements of marine winds and surface currents
US6512996B1 (en) System for measuring characteristic of scatterers using spaced receiver remote sensors
Wang et al. Multistatic radar imaging of moving targets
Yu et al. Resolution enhancement technique using range oversampling
Kakouche et al. Non-contact measurement of respiration and heart rates based on subspace methods and iterative notch filter using UWB impulse radar
Marghany et al. Robust of doppler centroid for mapping sea surface current by using radar satellite data
Rosenberg et al. Coherent simulation of sea-clutter for a scanning radar
Marghany Developing robust model for retrieving sea surface current from RADARSAT-1 SAR satellite data
Yanovsky et al. Ultrawideband signal processing algorithms for radars and sodars
Rodriguez et al. Correlation properties of ocean altimeter returns
Wang et al. Inversion and assessment of swell waveheights from HF radar spectra in the Iroise Sea
Voulgaris Guidelines for assessing HF radar capabilities and performance
RU2551896C2 (ru) Способ однолучевого измерения высоты и составляющих скорости летательного аппарата и устройство радиовысотомера, реализующего способ
Wang et al. High-resolution spectral estimation of HF radar data for current measurement applications
JP7286033B2 (ja) 目標距離推定装置、電波探知装置、及び目標距離推定方法
Qamar et al. Modelling and simulation of UWB radar system for through the wall imaging and Doppler detection
Jenssen Snow Stratigraphy Measurements With UWB Radar
Gill et al. A review of the continuing evolution of coastal ocean radar remote sensing in the Eastern Canadian context

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090629

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20101116