JP2009500448A - 光学イメージング造影剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は光学イメージング造影剤に関する。具体的には、本発明は、診断用及び治療効果のモニタリング用の活性化可能な光学イメージング造影剤に関する。造影剤は、ターゲティングと活性化の複合法を用い、一分子中で共有結合した標的結合性リガンド(V)と酵素開裂性基(E)とフルオロフォア(D)と消光剤(Q)とを含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は光学イメージング造影剤に関する。具体的には、本発明は、診断用及び治療効果のモニタリング用の活性化可能な光学イメージング造影剤に関する。
光学系イメージング法及びかかる方法に使用される造影剤は過去数十年間で進展を遂げてきた。紫外乃至近赤外域の光との相互作用に基づく方法及び技術が幾つか存在する。様々なタイプの光学イメージング造影剤も、特性及び用途の種々異なるものが報告されている。
生物学的標的に親和性を有するリガンドを含む光学イメージング造影剤を用いる方法が記載されている。例えば、国際公開第03/011106号には、生物学的受容体を標的とする光活性分子に抗体を結合してなる化合物が開示されている。さらに、米国特許第6217848号には、生理活性ペプチド、タンパク質、オリゴ糖などと結合したシアニン発色団を始めとするシアニン及びインドシアニン発色団コンジュゲートが開示されている。かかる受容体を標的とする従来の方法には、非特異的結合又は循環造影剤由来のシグナルのため、標的由来のシグナルがバックグラウンドシグナルに比して最適でないというおそれがある。
他の文献には、生物学的標的と相互作用したときにインビボで活性化される光学イメージング造影剤が記載されている。国際公開第02/056670号には、複数の発色団を発色団結合基に結合してなる活性化可能なイメージングプローブが記載されており、イメージングプローブが活性されると発色団の光学的性質が変わる。一実施形態では、酵素によってこの基を開裂させることによってプローブを活性化することができる。しかし、酵素活性化性造影剤の潜在的な問題は、活性化後に、活性化造影剤が生物学的な関心領域から洗い流され、至適特異性に至らずに、低い標的/バックグラウンドシグナル比を与えることである。
国際公開第05/030254号には、ターゲティング基が標的に結合しなければフルオロフォアの活性化が起こらないように、ターゲティング基及び消光剤にフルオロフォアを結合してなる検出及び診断用コンジュゲートが開示されている。
幾つかの適応症に関しては、生物学的標的分子の濃度が比較的低いことに関して課題がある。また、腫瘍に関しては、まだ小さい腫瘍をイメージングすることに課題がある。これらの課題の組合せから、一段と特異的でしかも標的/バックグラウンドシグナル比を向上させる造影剤を構築することに関心がもたれる。
国際公開第03/011106号パンフレット 米国特許第6217848号明細書 国際公開第02/056670号パンフレット 国際公開第05/030254号パンフレット
そこで、標的/バックグラウンドシグナル比の向上、並びに特異性及び感度の向上をもたらす改良光学イメージング造影剤の開発が臨床上求められている。
これらのニーズに鑑みて、本発明は、光学イメージング用の改良造影剤を提供する。本発明の造影剤は、標的/バックグラウンドシグナル比の向上をもたらすとともに、特異性及び感度の向上をもたらすように設計されている。
一の態様では、本発明は、以下の成分:
標的結合性リガンド(V)、
酵素開裂性基(E)、
フルオロフォア(D)、及び
消光剤(Q)
が一分子中で互いに結合した二元ターゲティング光学造影剤を提供する。
本発明の造影剤では、従来の標的結合性リガンドと酵素開裂性基との組合せによって、ターゲティングと活性化の複合法を用いる。造影剤は、受容体と酵素が同じ組織又は細胞中で一緒に過剰発現する疾患用に設計されている。本発明の造影剤は、受容体と酵素という2種類の生物学的標的と反応し、1種類の生物学的標的としか反応しない従来技術の造影剤に比して、造影剤の特異性及び感度が向上する。この造影剤は、造影剤が活性化されるまではフルオロフォアが消光しているように、標的結合性リガンドと酵素開裂性基とフルオロフォアと消光剤とを含む。したがって、投与時の造影剤は非活性化形で、フルオロフォアと消光剤との相互作用のため非蛍光性である。造影剤は、過剰発現した生物学的酵素と造影剤の酵素開裂性基との反応によって、インビボで活性化されるように設計されている。この活性化には、造影剤が2つの部分に開裂して、フルオロフォアと消光剤とに分かれて、脱消光が起こることが関与する。同時に、標的結合性リガンド(活性化後には蛍光性となる)が、所与の疾患に付随して過剰発現した受容体と結合する。この二元ターゲティング造影剤を用いると、バックグラウンド由来のシグナルが低下し、細胞外マトリックスなどからの流出が防止される。非非活性化造影剤は消光される(暗)が、活性化造影剤は生物学的な関心領域にとどまる。
本発明の第2の実施形態では、造影剤は、互いに結合した以下の構成ブロックを含む。
i)E−Q、及び
ii)V−D
式中、
Eは酵素開裂性基を表し、
Qは消光剤を表し、
Vは標的結合性リガンドを表し、
Dはフルオロフォアを表す。
造影剤は、適宜、構成ブロックの構成基をつなぐリンカー基、及び2つの構成ブロックをつなぐリンカー基をさらに含んでいてもよい。構成ブロックE−Qは構成ブロックV−Dと好ましくはEによって(適宜リンカーを介して)結合する。
酵素開裂性基Eは、所与の酵素と反応して造影剤の酵素的開裂を生じる活性化部位を含む。この反応によって消光剤とフルオロフォアとが分離される。標的結合性リガンド−フルオロフォア(V−D)構成ブロックからの酵素開裂性基−消光剤(E−Q)構成ブロックの開裂を起こすのに適した条件下での酵素開裂性基と酵素との反応は、フルオロフォアの蛍光特性を変化させて、フルオロフォアを第一の蛍光状態から第2の蛍光状態へと転換させる。造影剤は生物学的開裂事象を検出するリポーターとして、並びにある酵素の同定剤として作用する。造影剤が酵素で開裂すると、標的結合性リガンド−フルオロフォア(V−D)構成ブロックは、標的結合性リガンドが親和性を有する受容体に自由に結合できる。したがって、造影剤はある生物学的受容体を検出するリポーターとしても作用する。
造影剤は、好ましくは、非活性化状態つまり造影剤が酵素で開裂するまでは、標的結合性リガンド−フルオロフォア(V−D)構成ブロックが受容体に結合しないように構築される。こうすると、酵素が確実にその作用を発揮できるようになる。このような非活性化形での結合の阻害は、2つの構成ブロック間にある種の立体障害又は適当なリンカー若しくは架橋などを導入することによって達成される。例えば1以上の環化架橋の形成などによって、造影剤を束縛し立体障害を生じさせることができる。アミノ酸間でのジスルフィド結合又はチオエーテル結合の形成によって単環式ペプチド化合物を得ることができる。「環化架橋」という用語は、架橋を導入できる官能基を有するアミノ酸同士の結合をいう。幾つかの好ましい例は、ジスルフィド、−(CH24−カルバ架橋のようなジスルフィド模倣体、チオアセタール、チオエーテル架橋(シスタチオン又はランチオニン)、並びにエステル及びエーテルを含む架橋である。
第3の実施形態では、本発明は、次の式(I)の造影剤を提供する。
Q−L1−E−L2−V−L3−D (I)
式中、Q、D、E及びVは、上記で定義した通りであり、
1、L2及びL3はいずれも同一又は異なるリンカー基である。
第4の実施形態では、本発明は、次の式(II)の造影剤を提供する。
Q−L1−E−L2−D−L3−V (II)
式中、Q、D、E、V並びにL1、L2及びL3は上記で定義した通りである。
造影剤は、酵素開裂性基Eを含む。好適には、基Eは加水分解酵素の基質を含む。酵素開裂性基が基質となる酵素は、特異的な病態で過剰発現される。酵素活性が疾患組織に付随して残っていなければならない。往々にして、酵素は、膜貫通タンパク質であるか或いは膜アンカーを有するために細胞表面に結合して残るが、疾患組織の外部では酵素が阻害されるため、酵素活性も局在化したまま残ることがある。例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼは、メタロプロテイナーゼの組織阻害剤で阻害され、トロンビン及びプラスミンもそれらが必要とされない部位では特異的阻害剤で不活性化される。
好適には、基Eは、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、エステラーゼ、ホスファターゼ、ホスホジエステラーゼ、デアルキラーゼ及びグリコシダーゼ又はエンドグリカナーゼからなる群から選択される酵素の基質を含む。最も好ましくは、Eはプロテアーゼ又はペプチダーゼの基質を含む。
一実施形態では、Eは、次の構造の1以上のリン酸基を有するリン酸エステル結合を含む。
Figure 2009500448
式中、jは1〜4の整数である。この実施形態では、Eは、アルカリホスファターゼ又は酸性ホスファターゼのようなホスファターゼで開裂することができる。リン酸エステルは、予め合成しておいた基質でもよいし、或いは次の構造の末端リン酸標識ヌクレオシドポリリン酸からの化学的加水分解又は酵素触媒作用によるヌクレオシド一リン酸若しくはヌクレオシドポリリン酸基転移によってその場で生成させることもできる。
Figure 2009500448
式中、R′及びR″はH及びOHから独立に選択され、Raはアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル、ヒポキサンチン及びキサンチンから選択されるヌクレオシド塩基であり、kは1〜6の整数である。
別の好ましい実施形態では、Eは、Q及びD又はVと適宜リンカーを介して共有結合した1以上のペプチド結合(CO−NH−)を含む。この実施形態では、Eは典型的には構造を有する。
Figure 2009500448
式中、Rbはペプチド又はタンパク質の残基である。ペプチダーゼ又はプロテアーゼによる加水分解によって、Eが開裂して消光剤からフルオロフォアが分離し、フルオロフォアと消光剤との間でエネルギーが移動して、フルオロフォアからの蛍光発光の増大を検出できるようになる。
別の実施形態では、Eはグリコシド結合を含んでいて、α−グリコシダーゼ(例えばα−アミラーゼ)、β−グリコシダーゼ(例えばβ−グルコシダーゼ)のようなグリコシダーゼの基質であり、次の構造の基を1以上含む。
Figure 2009500448
式中、いずれかの水酸基が適宜結合部位となる。
別の実施形態では、Eは、デアルキラーゼの基質であるエーテル結合を含んでいて、Rc−O−(式中、RcはC1〜C20直鎖又は枝分れ鎖アルキルである。)の構造を有する。
好ましい実施形態では、Eは、以下の群から選択される酵素の基質である。
・マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、例えばMMP−2、MMP−3、MMP−7、MMP−9、MMP−14、
・カテプシン、例えばカテプシンB、D、K又はL、
・カリクレイン、
・プロタンパク質転換酵素、
・膜結合型セリンプロテアーゼ。
好ましい実施形態では、酵素開裂性基Eはペプチド配列を含んでおり、ペプチド配列は天然、非天然若しくは変性アミノ酸を含んでいてもよい。この好ましい実施形態では、造影剤の酵素開裂性基は、以下のアミノ酸配列のいずれかを含む。
・リジン又はアルギニン残基を含む短鎖ペプチド(アミノ酸残基数1〜5のものなど)。これのアミノ酸配列は、カテプシンB及びK、ヘプシン及び幾つかのヘプシン関連セリンプロテアーゼによって、塩基性アミノ酸のC−末端で開裂する。
・Arg−Gly−Phe−Phe−Leu−又はArg−Gly−Phe−Phe−Pro−。これらはカテプシンDで開裂する。
・Pro−Phe−Arg−B−又は−Val−Leu−Arg−B−。これらはカリクレインで開裂する。
・Ala−Ala−Phe−又はAla−Gly−Leu−Ala−。これらは中性エンドペプチダーゼで開裂する。
・Pro−Lys−Pro−Gln−Gln−Phe−Phe−Gly−Leu−Lys−Gly。これはMMP−2で開裂する。
・Arg−Pro−Lys−Pro−Val−Glu−Nva−Trp−Arg−Lys−NH2。これはMMP−3で開裂する。
・ProOH−Gly−Pro−Gln−Gly−Phe−Gln−Gly−AsN−ProOH−Gly。これはMMP−9で開裂する。
・Leu−Arg−Leu−Ser−Ser−Tyr−Tyr−Ser−Gly。これは前立腺特異抗原、カリクレインファミリーのセリンプロテアーゼで開裂する。
・Arg−Leu−Ser−Ile−B。これはプロスターゼ、カリクレインファミリーのセリンプロテアーゼで開裂する。
・Phe−Arg−Arg−B。これはカテプシンLで開裂する。
・Gly−Pro−Arg−B。これはヒトカリクレイン5、カリクレインファミリーのセリンプロテアーゼで開裂する。
ただし、Bは、Q、D、V並びにL1及びL2から選択されるアミノ酸その他の適切な基であり、下線を付したアミノ酸はD−アミノ酸を表す。
二元ターゲティング造影剤は、消光剤QとフルオロフォアDを含んでおり、これらは共に好ましくは発色団である。本明細書で用いる「発色団」とは、好適な吸収特性を有する、つまり様々な光源での照射によって励起させることができる基をいう。発色団は蛍光性でも、非蛍光性でもよい。「フルオロフォア」は、蛍光性発色団のような蛍光化合物をいう。好適には、QとDは、適当な条件下で蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)が起こるように連結される。FRETは、2つの発色団分子の電子的励起状態が光子の放出を伴わずに相互作用する距離に関連した過程である。Forster,T.,“Intermolecular Energy Transfer and Fluorescence″,Ann.Physik.,Vol.2,p.55,(1948)を参照されたい。この相互作用の結果として、供与体分子の励起によって受容体分子の蛍光発光が促進されることである。供与体の蛍光量子収率はそれに応じて低下する。エネルギー移動効率は供与体と受容体分子との距離の6乗に反比例して低下するので、FRETを起こすには、供与体と受容体発色団分子とが極めて近接(典型的には10〜100Å)していなければならない。好適には、本発明では、FRETにおいてQが供与体発色団であってDが受容体発色団である。供与体とは、その発色団が光からエネルギーを吸収し、少なくとも部分的に受容体の吸収スペクトル域内にある波長の光を放出できることを意味する。受容体とは、その発色団分子が、供与体発色団分子から放射される波長でエネルギーを吸収できることを意味する。好適には、供与体発色団分子の発光スペクトルの少なくとも一部が、受容体発色団分子の吸収スペクトルと重なり合っている。
好ましい実施形態では、受容体である消光剤Qは顕著な発光を示さず、さらに好ましくはQは非蛍光性発色団である。非蛍光性発色団が励起されると、エネルギーは蛍光エネルギーではなく熱として放散され、共鳴エネルギー移動又は蛍光発光を起こすことができない。この実施形態では、造影剤はフルオロフォアと非蛍光性受容体発色団とを含み、後者が消光剤として作用し、エネルギー移動の関係をなす。供与体の蛍光発光は、受容体による消光で低下する。非蛍光性発色団を消光剤として使用すると、造影剤が開裂するまで供与体発色団からの発光強度が最小限となる。フルオロフォアと消光剤との分離によって共鳴エネルギー移動が失われると、フルオロフォアの蛍光が回復する。
原則として、フルオロフォアが、造影剤の標的結合性リガンド(及び一実施形態ではさらにE)と適宜リンカー基を介して結合を形成できる1以上の反応性基又は官能基を含んでいるか或いはかかる反応性基又は官能基と結合していれば、あらゆるフルオロフォアを本発明の造影剤の形成に使用できる。好適には、フルオロフォアは、受容体色素にエネルギー移動させることができるクマリン色素、ベンゾクマリン色素、キサンテン色素、フェノキサジン色素、ローダミン色素、アクリドン色素、メロシアニン色素、シアニン色素及びビスピロメテン二フッ化ホウ素発色団の誘導体からなる群から選択される。好適なキサンテン色素としては、特に限定されないが、フルオロセイン及びその誘導体、例えば5−カルボキシフルオロセイン、6−カルボキシフルオロセイン及び6−カルボキシ−4′,5′−ジクロロ−2′,7′−ジメトキシフルオロセインなどが挙げられる。使用できるその他の蛍光色素の群は、フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファンのような、芳香族系に非局在化電子を有するアミノ酸である。一実施形態では、フルオロフォアを固体金属ナノ粒子又は金属被覆ナノ粒子のような金属表面と結合させてもよく、CD Geddes and JR Lakowicz,J.Fluorescence 12,131〜139,2002に記載の表面プラズモン電界増強蛍光と呼ばれる現象によって蛍光が強まる。かかるナノ粒子の例は金及び銀ナノ粒子である。表面増強蛍光性金属ナノ粒子用の消光剤は、伝統的な消光剤分子(非発光性吸収剤)でよい。
好ましくは、フルオロフォアはキサンテン色素又はシアニン色素である。さらに一段と好ましいのは、カルバシアニン、オキサシアニン、チアシアニン及びアザシアニンからなる群から選択されるシアニン色素である。
本発明での使用に特に好ましいフルオロフォアは、次の一般式(III)のシアニン色素である。
Figure 2009500448
式中、X′、Y′及びQ′のいずれかは、標的結合性リガンドVとの結合に適した反応性基又は官能基Gを含む。かかる基は標的結合性リガンドの相補性基と反応し、フルオロフォアDと標的結合性リガンドとの間で共有結合が形成される。したがって、X′、Y′又はQ′は、標的結合性リガンドの相補性官能基と反応し得る反応性基を含んでいてもよいし、或いは標的結合性リガンドの反応性基と反応し得る官能基を含んでいてもよい。反応性及び官能基の例としては、スクシンイミジルエステル、スルホスクシンイミジルエステル、4−スルホ−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール(STP)エステル、イソチオシアネート、マレイミド、ハロアセトアミド、酸ハロゲン化物、ヒドラジド、ビニルスルホン、ジクロロトリアジン、ホスホルアミデート、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、カルボニル、カルボン酸及びチオリン酸が挙げられる。Gは好ましくはエステルであり、さらに好ましくはスクシンイミジルエステルである。
一実施形態では、
X′は−C(CH32、硫黄、酸素、C(CH2aCH3(CH2bMからなる群から独立に選択され(式中、aは0〜5の整数であり、bは1〜5の整数であり、MはG基又はSO3H及びHからなる群から選択される。)、
Y′は、H、CH2NH2、SO3H、CH2COOH、NCS及びFからなる群から独立に選択される1〜4個の基であって、Y′基は芳香族環の任意の位置にあり、
Q′は、H、SO3H、NH2、COOH、アンモニウム、エステル基、ベンジル及びG基の群から独立に選択され、
lは1〜3の整数であり、
mは1〜5の整数である。
好ましい実施形態では、
X′は、−C(CH32及びC(CH3)(CH24Mからなる群から選択され(式中、MはG基(好ましくはスクシンイミジルエステル)であるか、MはSO3Hである。)、
Y′は、SO3H、H又は1〜4個のF原子を表し、
Q′はG基(最も好ましくはスクシンイミジルエステル)及びSO3Hから選択され、、
lは好ましくは2であり、mは好ましくは3、4又は5である。
本発明での使用に特に好適なシアニン発色団は、米国特許第5268486号(Waggonerら)に開示されており、特に限定されないが、Cy Chromophore(商標)Cy3、Cy3B、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7及びCy7.5が挙げられる。
消光剤は好ましくは非蛍光性発色団である。好適な非蛍光性消光剤は、2,4−ジニトロフェニル(DNP)、4−(4−ジメチルアミノフェニル)アゾ安息香酸(DABCYL)、7−メトキシクマリン−4−イル)−アセチル(Mca)、並びに、例えば国際公開第99/64519号及び同第02/29407号に記載の非蛍光性シアニン発色団から選択し得る。
好ましい消光剤は、本質的に非蛍光性となるように消光剤の蛍光発光を低下させる置換基を含むシアニン発色団である。さらに好ましくは、消光剤は、消光剤の蛍光発光を低下させる1以上のニトロ基を含むシアニン発色団である。本発明での使用に特に好ましい非蛍光性消光剤は、次の式(IV)の構造を有するシアニン発色団である。
Figure 2009500448
式中、R3、R4、R5及びR6基は、X及びYを含む環に結合し、或いは適宜Z1及びZ2環構造の原子に結合しており、nは1〜3の整数であり、
1及びZ2は各々、炭素原子と適宜2個以下の酸素、窒素及び硫黄原子から選択される原子数5又は6の1又は2つの縮合芳香族環の完成に必要な結合又は原子を表し、
X及びYは、同一又は異なるもので、ビスC1〜C4アルキル及びC4〜C5スピロアルキル置換炭素、酸素、硫黄、セレン、−CH=CH−並びにN−Wから選択されものであり、Nは窒素であり、Wは水素、−(CH2o8基から選択され(oは1〜26の整数であり、R8は水素、アミノ、アルデヒド、アセタール、ケタール、ハロ、シアノ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、スルホネート、サルフェート、カルボキシレート、置換アミノ、第四アンモニウム、ニトロ、第一アミド、置換アミド、並びにアミノ、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、ホスホリル及びスルフヒドリル基と反応性の基から選択される。)、
1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7基の少なくとも1つは結合基であり、
残りのR3、R4、R5、R6及びR7基は、水素、C1〜C4アルキル、OR9、COOR9、ニトロ、アミノ、アシルアミノ、第四アンモニウム、リン酸、スルホネート及びサルフェートから選択され(R9はH及びC1〜C4アルキルから選択される。)、
残りのR1及びR2は、C1〜C10アルキル(置換されていなくても、フェニルで置換されていてもよく、フェニルは適宜カルボキシル、スルホネート及びニトロ基から選択される2以下の置換基で置換されていてもよい。)から選択され、
1、R2、R3、R4、R6及びR7基の少なくとも1つが、消光剤が本質的に非蛍光性となるように消光剤の蛍光発光を低減させる置換基を含んでいることを特徴とする。
好適には、非蛍光性消光剤のR3、R4、R5、R6及びR7基の少なくとも1つは、X及びYを含む環に直接結合できるニトロ基である。別法として、モノ又はジ置換ベンジル基がX及びYを含む環に結合していてもよく、この環は、芳香族環に直接結合した1以上のニトロ基で適宜さらに置換されていてもよい。
結合基R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、消光剤を適宜リンカーを介して酵素開裂性基に結合させるのに適した基であればよい。例えば、結合基は、酵素開裂性基との反応に関して説明した式IIIの反応性基又は官能基Gであってもよい。
本発明の造影剤に用いられる好適なフルオロフォアと消光剤の対は、Cy3/Cy5Q、Cy3B/Cy5Q及びCy5/Cy7Qである。
好ましい実施形態では、フルオロフォアはCy5であり、非蛍光性消光剤はCy7Qである。これらを以下に示す。
Figure 2009500448
エネルギー移動は短い距離でしか起こらないので、フルオロフォアと消光剤とが近接している必要がある。本発明の好ましい実施形態では、エネルギー移動におけるQとDの中心間距離は、10〜80Å、さらに好ましくは60Å未満である。
標的結合性リガンド(V)は、「ベクター」又は「生物学的ターゲティング基」とも呼ばれ、所与の疾患に関連した生物学的受容体(「標的」)に対する親和性を有する部分である。標的結合性リガンドは合成品でも、天然のものでもよいが、好ましくは合成品である。標的結合性リガンドは、所与の疾患領域に造影剤を導くことができる。好ましくは、標的結合性リガンドと受容体との反応は、造影剤の残りの部分に影響しない、つまり造影剤の蛍光特性に影響を与えない。標的結合性リガンドは受容体に親和性を有しており、好ましくは受容体に結合する。標的結合性リガンドは受容体に高い親和性を有しているべきであるが、受容体にできるだけ長く「とどまる」べきである。そのため、標的結合性リガンドは好ましくは遅い解離速度を示すべきである。好ましい受容体は、周囲の組織よりも疾患組織に50%以上豊富に存在する受容体である。さらに好ましい標的は、周囲の組織よりも疾患組織に2倍以上豊富に存在する標的である。最も好ましい標的は、周囲の組織よりも疾患組織に5倍以上豊富に存在する標的である。
標的結合性リガンドが親和性をもつ受容体の群は、核酸;酵素及び阻害剤を始めとするタンパク質;脂質;その他の高分子、例えばリポタンパク質及び糖タンパク質などである。好ましい受容体の群は、タンパク質、リポタンパク質及び糖タンパク質である。受容体は、脈管系、細胞外間隙に局在化していても、細胞膜に結合していても、細胞内部に局在化していてもよい。ある種の酵素は、例えばその酵素タンパク質に親和性をもつ抗体又はペプチドでターゲティングすると、受容体として作用し得る。
標的結合性リガンドは、概して生物学的受容体に親和性をもつ分子であればどんなものでもよい。分子は、生理学的に許容できるものとすべきであり、好ましくは適度の安定性を有すべきである。標的結合性リガンドは、例えば以下の化合物の群:ペプチド、ペプトイド/ペプチド模倣体;オリゴDNA又はオリゴRNA断片などのオリゴヌクレオチド;オリゴ糖;脂質関連化合物;ホルモン;葉酸又はビオチンなどのビタミン;アセチルコリン、セロトニン又はドーパミンなどの神経伝達物質;合成低分子薬物様分子;阻害剤;抗体及び抗体フラグメント;並びにこれらの誘導体及び模倣体から選択される。標的結合性リガンドは、アゴニスト又は阻害剤/アンタゴニストとしても作用し得る。
ペプチド系標的結合性リガンドは、線状でも環状でもよく、これらの組合せであってもよい。「環状ペプチド」という用語は、2つのアミノ酸が、ペプチド又はジスルフィド結合或いはチオエーテル、ホスホジエステル、ジソルキサン又はウレタンのような合成非ペプチド結合などの共有結合で結合した配列を意味する。ペプチドはかかる環状架橋を1、2個以上含んでいてもよく、結合する2つのアミノ酸間のアミノ酸数は、例えば3〜15である。ペプチドは好ましくは3〜100量体ペプチド、さらに好ましくは3〜30量体ペプチドである。
「アミノ酸」という用語は、Lアミノ酸又はDアミノ酸、アミノ酸類似体又はアミノ酸模倣体を意味し、天然のものでも純然たる合成品であってもよく、光学的に純粋つまり単一の光学異性体(従ってキラルなもの)であってもよいし、光学異性体の混合物であってもよい。好ましくは、標的結合性リガンドのアミノ酸は光学的に純粋である。「アミノ酸模倣体」という用語は、天然アミノ酸のアイソスター(等価体)である合成類似体、つまり天然化合物の立体及び電子構造を模倣して設計されたものを意味する。かかるアイソスターは当業者に周知であり、特に限定されないが、デプシペプチド、レトロインベルソペプチド、チオアミド、シクロアルカン又は1,5−二置換テトラゾールが挙げられる[M.Goodman, Biopolymers,24,137(1985)参照]。
標的結合性リガンドでの使用に適したペプチドとしては、以下のものが挙げられる(アミノ酸については標準表記を用いた。)。
・ソマトスタチン、オクトレオチド及び類似体、
・ST受容体に結合するペプチド(STとは大腸菌その他の微生物で産生される熱安定性トキシンを表す。)、
・ラミニンフラグメント、例えばYIGSR、PDSGR、IKVAV、LRE及びKCQAGTFALRGDPQG、
・白血球蓄積の標的部位用のN−ホルミルペプチド、
・血小板第4因子(PF4)及びそのフラグメント、
・RGD含有ペプチド、
・アンジオテンシンII、
・エンドセリン、
・VEGF、EGF、肝細胞増殖因子、神経成長因子、インターフェロン、インターロイキン、血小板由来増殖因子、腫瘍壊死因子、マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカイン及びそれらのフラグメント、
・MCP−1及びエオタキシンなどのケモカイン、
・α2−抗プラスミン、フィブロネクチン又はβ−カゼイン、フィブリノーゲン又はトロンボスポンジンのペプチド断片。
標的結合性リガンドの合成ペプチドは、自動ペプチド合成装置を用いたMerrifield(J.Am.Chem.Soc.,85:2149(1964))に記載の従来の固相合成法で得ることができる。
好適なオリゴヌクレオチドは、5〜100単位、好ましくは10〜30単位のリボヌクレオチド又はデオキリボシヌクレオチドからなるポリマーである。オリゴヌクレオチドは、天然核酸の5種類の通常の窒素系塩基だけを含むものでもよいし、或いは異常又は合成塩基を含んでいてもよい。リン原子間の結合は、天然の酸素エステル架橋でもよいし、或いは核酸分解酵素による加水分解に対するオリゴヌクレオチドの感受性を低減するため酸素を炭素、窒素又は硫黄などの他の原子で置換してもよい。
好適なオリゴ糖は、3〜20単位、好ましくは3〜10単位の糖からなるポリマーである。構成成分の糖は、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン又はシアル酸であるが、合成修飾糖を始めとする他の糖が存在していてもよい。糖鎖は線状でも枝分れでもよい。
好適な脂質関連化合物は、生物活性を有する疎水性化合物であり、リン脂質、糖脂質又はコレステロールのような、真核生物の生体膜の通常の構成要素でよい。好ましくは、脂質関連化合物は、上述の化合物に関連又は由来する。アラキドン酸から誘導される化合物の例は、プロスタグランジン及びトロンボキサンである。リン脂質から誘導されるものとしては、リゾホスファチジルコリン、ジアシルグリセロール及び血小板活性化因子であり、コレステロールから誘導されるものとしては、コルチゾール、プロゲステロン、エストラジオール及びテストステロンなどのステロイドである。レチノイドもこの範疇の化合物に属する。
好適な酵素阻害剤は、シスタチン、セルピン又はTIMP(天然又は変性)などの天然タンパク質でよい。酵素阻害剤は、ロイペプチンのような微生物由来のものでもよいし、或いはリジンクロロメチルケトンのような半合成品又は合成品でもよい。
本発明での使用に適したモノクローナル抗体又はそれらのフラグメントとしては、B細胞の表面で発現されるCD−20抗原に対する抗体、抗白血球若しくは抗顆粒球抗体、抗ミオシン抗体又は癌胎児性抗原(CEA)に対する抗体が挙げられる。
本発明での使用に適した合成低分子薬物様分子としては、エストラジオール、エストロゲン、プロゲスチン、プロゲステロンその他のステロイドホルモン;ドーパミンD−1若しくはD−2受容体のリガンド、又はトロパンのようなドーパミン輸送体;及びセロトニン受容体のリガンドが挙げられる。
標的結合性リガンドの分子量は好ましくは10000ダルトン未満、さらに好ましくは4500ダルトン未満、最も好ましくは2500ダルトン未満である。
好ましい態様では、造影剤の酵素開裂性基は、酵素開裂性基と反応する酵素がその作用を繰返し行うことができるように阻害又はアンタゴニスト作用をもたない。好ましくは、造影剤の標的結合性リガンドも、細胞内蓄積を起こして受容体の再循環を起こしてさらに結合できるように受容体の内部移行を刺激するという点でアゴニスト的である。
造影剤は、構成ブロックE−Q及びV−Dに及び/又はそれらの間に1以上のリンカー基を有する。リンカー基の機能は、FRETを得るためのQとDとの適正な距離を得るため、或いは非活性化状態での標的結合性リガンドVの結合を防止するために、造影剤の異なる部分をつなぐことである。式I及びIIで定義したリンカー基L1、L2及びL3は各々リンカー基−(L)p−であり、Lは−CRd 2−、−CRd=CRd−、−C≡C−、−NRdCO−、−CONRd−、−SO2NRd−、−NRdSO2−、−CRd 2OCRd 2−、−CRd 2SCRd 2−、−CR2NRdCRd 2−、C48シクロヘテロアルキレン基、C48シクロアルキレン基、C512アリーレン基、C312ヘテロアリーレン基、又はポリアルキレングリコール、ポリ硫酸基、ポリグリコール酸基、又はアミノ酸から独立に選択され、pは0〜10の整数であり、各Rd基は独立にH又はC110アルキル、C310アルキルアリール、C210アルコキシアルキル、C110ヒドロキシアルキル、C110フルオロアルキルである。リンカー基が1以上のアミノ酸を含む場合、好ましいアミノ酸は酸又はアミン基のような官能性側鎖を含むもの、例えばアスパラギン又はグルタミン酸;リジン又はジアミノプロピオン酸などのホモリジン又は脂環式ジアミノ酸であり、さらに好ましくはアスパラギン酸又はリジンである。別法として、最も単純な形態では、Lは官能性結合であるか或いは構成ブロックを容易に結合させることのできる官能基X″、例えば−NRd−、CO2、−N(C=S)−、−N(CO)−、−S又は−O−を含む。大半のペプチド及びタンパク質は官能化に利用できるカルボキシル又はアミノ部位を有するので、酵素開裂性基E及び/又は標的結合性リガンドVがペプチド又はタンパク質であるときの好ましいX″基は、アミド結合で容易に結合させることのできる−NRd−、−CO2、である。
造影剤は、受容体と酵素が同じ組織又は細胞中で一緒に過剰発現する疾患用に設計されている。好ましい実施形態では、造影剤は、VEGFR又はEGFRなどの受容体チロシンキナーゼ、インテグリン受容体のファミリー及び癌関連抗原からなる群から選択される受容体に親和性を有する標的結合性リガンドと、マトリックスメタロプロテイナーゼ、カテプシン、カリクレイン、プロタンパク質転換酵素及び膜結合型セリンプロテアーゼからなる群から選択される酵素に親和性を有する酵素開裂性基とを含む。
幾つかの疾患で上方制御される受容体と酵素の例を、以下に挙げる。一実施形態では、本発明の造影剤は、この表に列挙した同じ組織又は細胞中で上方制御される受容体及び酵素と反応する。
Figure 2009500448
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さらに一段と好ましい実施形態では、本発明の造影剤は、以下の酵素と受容体の対に親和性を有する。
・例えば腫瘍血管新生では:MMP−9などのMMPとVEGFR;MT−1メタロプロテイナーゼとαvβ3インテグリン、
・例えば乳癌では:MMP−9とEGFR;カリクレイン−14とCD44;カテプシンDと神経成長因子受容体、
・例えば食道の扁平上皮癌では:カテプシンDとEGFR;MMP−9とMUC5AC、
・例えば食道の腺癌その他の癌腫では:MMP−12とコレシストキニン受容体;カテプシンDとグアニリルシクラーゼ、
・例えば肺癌では:ガレクチン−3とMMP−9;ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子とCA125;カテプシンLとコレシストキニン受容体、
・例えば前立腺癌では:ヘプシンと前立腺幹細胞抗原;ヘプシンとEGFR;カテプシンDと前立腺特異抗原、
・例えば大腸癌では:アミノペプチダーゼN/CD13とCEA;MMP−9とc−Myc;カテプシンBとクルステリン;uPAとベンゾジアゼピン受容体;MMP−14とc−Met、
・例えばアテローム硬化性プラークでは:MMP−3とエンドセリン受容体;MMP−9とCD36;カテプシンBとC−反応性タンパク質。
本発明の造影剤は、公知の化学合成法を用いて合成できる。造影剤は、フルオロフォア及び消光剤を、標的結合性リガンド及び酵素開裂性基と当業者に周知の直接化学カップリング法を用いて共有結合させることによって調製できる。最初にQ基をEに結合し、DをVに結合してから、これら2つの構成ブロックを結合させればよい。別法では、まずVとEとを適宜リンカーを介してカップリングさせてから、この構成ブロックにフルオロフォア及び消光剤をカップリングさせる。
シアニン色素Cy5 NHSエステル(PA15101)及びCy7Q NHSエステル(PA77101)などの適当なフルオロフォア及び消光剤は、GE Healthcare社(以前のAmersham Biosciences社)から市販されている。標的結合性リガンド及び酵素開裂性基は市販されているし(例えばSigma−Aldrich社)、生物学的材料から抽出又は合成することもできる。
標的結合性リガンド及び/又は酵素開裂性基がペプチドである場合には、自動ペプチド合成装置を用いたMerrifieldの固相法(J.Am.Chem.Soc.,85:2149(1964))が特に有用である。さらに、フルオロフォアと消光剤のカップリングも自動的に実施でき、異なる成分間で例えばアミド結合を生じる。典型的には所望の配列を固相ペプチド合成で合成する。本発明の実施例で用いた合成法の標準的手順は、E.Atherton & R.C.Sheppard,“Solid phase peptide synthsis: a practical approach″,1989,IRL Press,Oxfordに記載されている。
例えば、酸不安定リンカー基を有する樹脂に、所望のアミノ保護C末端アミノ酸残基をエステル化させておいたものを用いる。次いでアミノ保護基を除去し、適当な縮合試薬を用いて配列の第2のアミノ酸をカップリングさせる。一時的なアミノ保護基と官能性側鎖のための永続的な保護基をもつアミノ酸を用いる。次いでアミノ脱保護とカップリングのサイクルを目的配列が構築されるまで交互に繰り返す。
別法として、ペプチドは、全体的な又は最小限の保護策を用いて、当技術分野で公知の溶液ペプチド合成法によって、カルボキシル末端から段階的に及び/又はセグメント縮合若しくはライゲーション法を用いて合成することもできる。溶液−固相セグメント縮合法の組合せを利用することもできる。
一般に、アミノ酸に存在する反応性側鎖基(例えばアミノ、ヒドロキシル、グアニジノ及びカルボキシル基)は、上述の通り合成の全期間にわたって保護される。アミノ酸の保護基については幅広い選択肢が知られている(例えばGreene, T.W. & Wuts, P.G.M. (1991) Protective groups in organic synthesis, John Wiley & Sons, New York参照)。使用し得るアミノ保護基としては、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)及びt−ブチルオキシカルボニル(Boc)が挙げられる。使用し得る側鎖保護基としては、t−ブチル(tBu)、トリチル(Trt)、Boc及び2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(Pmc)が挙げられる。かかる保護基としてはその他様々なものが当技術分野で公知である。
最後に、永続的な側鎖保護基を除去するとともにペプチドを樹脂から切断するが、通常は、例えばトリフルオロ酢酸(TFA)のような適当な酸性試薬での処理によって同時に行われる。
本発明で用いる複数のジスルフィド架橋を含むペプチドは、リガンドの最終的な折り畳み構造が不明確とならないように、異なるシステイン保護基を用いて合成される。チオエーテル及びジスルフィド架橋を含むペプチドの形成について記載された国際公開第03/006491号に記載の合成法を使用し得る。
本発明で用いるペプチド、タンパク質及びオリゴヌクレオチドは、末端部位又は1以上の内部部位でフルオロフォア及び消光剤で標識してもよい。蛍光色素標識試薬を用いるタンパク質標識の総説及び例については、“Non−Radioactive Labelling,a Practical Introuction″,Garman,A.J.Academic Press,1997、“Bioconjugation−Protein Coupling Techniques for the Biomedical Sciences″,Aslam,M.and Dent,A.,Macmillan Reference Ltd,(1998)を参照されたい。合成ペプチドで部位特異的標識を得るのに利用できるプロトコルについては、Hermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Academic Press(1996)を参照されたい。フルオロフォア及び消光剤とペプチドとの結合は、公知の化学合成法で達成できる。求核置換反応を使用でき、ペプチドN末端の脱離基をフルオロフォア及び/又は消光剤の求核基で置換する。特に有用なのは、シアニン色素活性エステルとペプチドの第一アミノ基との反応であり、ペプチドと発色団とのアミド結合を生じる。チオエーテル又はスルホンアミド結合のような発色団とペプチドとの他の結合を自動的に得ることもできるし、或いは発色団とペプチドとの反応を通常の手動化学合成で実施してもよい。アミド結合は例えばアミンとカルボキシル基との反応で形成でき、スルホンアミド結合は例えばアミンと活性化スルホン酸との反応で形成でき、チオエーテル結合は例えばチオールとハロゲン化物との反応で形成できる。
ペプチド系標的結合性リガンド、ペプチド系酵素開裂性基及びペプチド系造影剤は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いて精製し、質量分析及び分析用HPLCで特性決定してから、インビトロスクリーニングで試験すればよい。
本発明の造影剤は、光学イメージングでの使用を目的とする。光学イメージングという用語には、紫外乃至近赤外域の電磁波スペクトルの光との相互作用に基づく、疾患の診断、疾患発症の追跡調査又は疾患治療の追跡調査のためのあらゆる画像生成法が包含される。光学イメージング法には、機器の使用を伴わない直接的可視化から、各種スコープ、カテーテル及び光学イメージング装置(例えば断層撮影用コンピュータハードウェア)の使用を伴うものまで、あらゆる方法が包含される。造影剤は、特に限定されないが、発光イメージング、蛍光内視鏡検査、透過イメージング、時間分解透過イメージング、共焦点イメージング、非線形顕微鏡、音響光学イメージング、分光法、反射分光法、干渉分光法、コヒーレンス干渉法、拡散光トモグラフィー及び蛍光媒介拡散光トモグラフィー(連続波、時間領域及び周波数領域システム)、並びに光散乱、吸収、偏光、発光、蛍光寿命、量子収率及び消光の測定を始めとする光学イメージングモダリティ及び測定技術に有用である。フルオロフォアによる発光特性の測定に基づく方法が好ましい。
他の態様では、本発明は、上述の造影剤をヒト又は動物の身体に投与して造影剤が分布した身体の少なくとも一部分の画像を生成させることを含む、診断イメージングによってヒト又は動物の身体の画像を生成させる方法を提供する。本発明は、造影剤の非経口投与(例えば血管内投与、又は器官若しくは筋肉組織への直接投与)を伴う方法に特に適しているが、非経口経路以外の投与(例えば経皮/局所、経鼻、舌下、又は外部排尿体腔中への投与)にも適用できる。本発明は、かかる投与法にも拡張される。
別の態様では、本発明は、上述の造影剤を予め投与しておいたヒト又は動物の身体の少なくとも一部分の光学画像を生成させる方法を提供する。
別の態様では、本発明は、病態に対処するための薬剤によるヒト又は動物の身体の治療効果をモニタリングする方法であって、上述の造影剤を身体に投与し、細胞受容体に取り込まれた活性化造影剤のシグナルを検出し、任意ではあるが好ましくは、投与と検出を、例えば薬剤による治療の前後途中のいずれかに繰り返すことを含んでなる方法。上記の検出は光学イメージング法を含む。
したがって、イメージングでの造影剤の使用は本発明の一態様をなす。好ましい態様は、診断、手術支援及び治療効果のモニタリングのためのイメージングに用いられる上述の造影剤である。造影剤が有用である関連適応症は、様々な形態の癌及び転移、例えば乳癌、皮膚癌、結腸直腸癌、膵癌、前立腺癌、肺癌、胃癌、食道癌、膀胱癌又は卵巣癌である。或いは、造影剤はアテローム動脈硬化症又炎症における不安定プラークのような活性マクロファージが存在する疾患の検出にも使用できる。本発明に関して、診断は、所定の個体群のスクリーニング、初期検出、生検ガイダンス、キャラクタリゼーション、ステージング及び類別が含まれる。治療効果のモニタリングには、治療の有効性のモニタリング及び再発の長期間追跡が含まれる。手術支援には、摘出時の腫瘍境界の同定及び神経位置の確認、並びにセンチネルリンパ節の検出が含まれる。
本発明は、本発明の造影剤又はその塩の有効量(例えばインビボイメージングで画像コントラストの強調に有効な量)を、薬学的に許容される1種以上の補助剤、賦形剤又は希釈剤(例えば安定剤、酸化防止剤、浸透圧調整剤、緩衝剤、pH調節剤など)と共に含んでなる医薬組成物も提供する。最も好ましい製剤は、血管内投与用又は関心領域への直接注射用の無菌溶液である。造影剤を非経口投与用に直ちに使用できる形態で製剤化する場合、キャリア媒質は好ましくは等張性又は幾分高張性である。
別の態様では、本発明は、造影剤をヒト又は動物の身体に投与して身体の少なくとも一部分の光学画像を生成させる診断法に用いられるコントラスト強調剤の製造における本発明の造影剤の使用を提供する。
本発明を、以下の非限定的な実施例によってさらに例証する。
実施例1: Ac−Thr−Met−Gly−Phe−Thr−Ala−Pro−Arg−Phe−Pro−His−Tyr−Lys(Cy5)−Ile−Pro−Gln−Gly−Leu−Leu−Gly−Lys(Cy7Q)−NH2の合成
Figure 2009500448
ペプチドThr−Met−Gly−Phe−Thr−Ala−Pro−Arg−Phe−Pro−His−Tyrは国際公開第02/02593号の配列番号1に開示されており、c−Met受容体に結合すると報告されている。ペプチドIle−Pro−Gln−Gly−Leu−Leu−Glyは、Ohkudo et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.1999,266,308〜313に記載されたMMP−14基質である。Cy5はフルオロフォアであり、Cy7Qは消光剤である。アミノ酸には標準的な三文字表記を用いた。
ピペリジン不安定性の9−フルオレニルメトキシ−カルボニル/tert−ブチル(Fmoc/tBu)カップリング法を用いて、Applied Biosystems社433Aペプチド合成装置で自動ペプチド合成を行った。Rink Amide Novagel樹脂を固相担体として使用し、以下のカップリング条件を用いた。
樹脂(0.25ミリモル、0.59ミリモル/g)に、N−メチルピロリドン(NMP)中の過剰のアミノ酸(1ミリモル)を添加し、次いでジメチルホルムアミド(DMF)中の1ミリモルのカップリング試薬O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HBTU/HOBt、0.1M/0.45M)及びジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(2M、1ml)を添加した。Fmoc残基の脱保護は、NMP中の22%ピペリジン溶液を用いて行い、完結するまで導電率の軌跡を監視した。分取用HPLCには、AKTA Explorer機器をVydac C18(21.5×250mm)タンパク質及びペプチド用カラムと共に使用し、溶出液Aは0.1%TFA/水であり、溶出液Bはアセトニトリルであった。分析用HPLCは、Vydac C18(4.6×250mm)タンパク質及びペプチド用カラムを用いてAKTA Explorer機器で行い、溶出液Aは0.1%TFA/水であり、溶出液Bはアセトニトリルであった。MALDI−TOF質量分析は、Kratos−Kompact機器及びマトリックスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸を用いて行った。電子分光には、Unicam UV2 UV/Vis分光計を利用した。
1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキシリデン)3−メチルブチル(ivDde)で保護した残基Lys21以外のアミノ酸はすべて、Fmoc法と適合性の標準的側鎖保護基を用いて保護する。N−末端は、自動キャッピングサイクル、並びにNMP中の0.5M無水酢酸、0.125M DIPEA及び0.015M HOBTの溶液を用いてアセチル化した。
固相自動合成に次いで、樹脂に結合したペプチドを定量的収量(1.27g)で単離した。トリイソプロピルシラン(TIS)2.5%及び水2.5%を含有するトリフルオロ酢酸(TFA)3.3mlを用いて330mgの樹脂(ペプチド65μモル)で、側鎖保護基(ivDdeを除く)の除去と樹脂からのペプチドの開裂を同時に1時間行った。ジエチルエーテル(40ml)への滴下によってペプチドを沈殿させた。ペプチドをエーテル中でさらに洗浄し、遠心で回収して、130mg(76%)の乾燥粗生成物を得た。粗生成物を分取用RP−HPLCで精製し、次段階のために凍結乾燥した。
ペプチドAc−Thr−Met−Gly−Phe−Thr−Ala−Pro−Arg−Phe−Pro−His−Tyr−Lys−Ile−Pro−Gln−Gly−Leu−Leu−Gly−Lys(ivDde)−NH2(40mg、1.5×10-5モル)を、DIPEA(160μl)及びCy5のN−ヒドロキシコハク酸イミジル(NHS)エステル(17mg、2.15×10-5モル)と共にN−メチルピロリドン(NMP)(10mg/ml)中に溶解した。反応混合物を不活性雰囲気中遮光状態で18時間撹拌した後、エーテル(40ml)中で沈殿させ、遠心で回収した。生成物を分取用RP−HPLCで精製し、溶媒を減圧除去した。
Ac−Thr−Met−Gly−Phe−Thr−Ala−Pro−Arg−Phe−Pro−His−Tyr−Lys(Cy5)−Ile−Pro−Gln−Gly−Leu−Leu−Gly−Lys(ivDde)−NH2を、ヒドラジン一水和物2%を含有するジメチルホルムアミド(DMF)(5ml)中に溶解した。反応混合物を、ivDde保護基がすべて除去されるまで不活性雰囲気中遮光状態で1時間撹拌した。次いで、DMF溶液をジエチルエーテルに添加してペプチドを沈殿させた。この物質を、ジエチルエーテル添加と遠心を3回繰り返して洗浄し、最終段階のため生成物を乾燥した。
Ac−Thr−Met−Gly−Phe−Thr−Ala−Pro−Arg−Phe−Pro−His−Tyr−Lys(Cy5)−Ile−Pro−Gln−Gly−Leu−Leu−Gly−Lys−NH2を、DIPEA(160μl)及びCy7QのNHSエステル(22.5mg、2.15×10-5モル)と共にNMP(4ml)中に溶解した。反応液を、Cy7Qが完全に結合するまで遮光状態で18時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル(40ml)に添加して、ペプチドを沈殿させ、遠心で回収した。最終生成物Ac−Thr−Met−Gly−Phe−Thr−Ala−Pro−Arg−Phe−Pro−His−Tyr−Lys(Cy5)−Ile−Pro−Gln−Gly−Leu−Leu−Gly−Lys(Cy7Q)−NH2を、分取用RP−HPLCで精製し、凍結乾燥し、分析して、200μg(0.35%)の生成物を得た。分析用HPLC(210、650及び700nm)、89%。MALDI−TOF MS m/z3859.7(M+H+)イオンが観察された。電子スペクトル(水/アセトニトリル50%)652nm、748nm。
実施例2: Ac−Asp−Cha−Phe−D−Ser−D−Arg−Tyr−Leu−Trp−Ser−Lys(Cy3)−Gly−Pro−Leu−Pro−Leu−Arg−Ser−Trp−Lys(Cy5Q)−NH2の合成
Figure 2009500448
ペプチドAsp−Cha−Phe−D−Ser−D−Arg−Tyr−Leu−Trp−Serは、Ploug et al.,Biochemistry 2001,40,12157〜12168に開示されており、uPa受容体に結合すると報告されている。ペプチドGly−Pro−Leu−Pro−Leu−Arg−Ser−Trpは、Ohkudo et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.1999,266,308〜313に記載されたMMP−2基質である。Cy3はフルオロフォアであり、Cy5Qは消光剤である。アミノ酸には標準的な三文字表記を用いた。Chaはβ−シクロヘキシル−L−アラニンである。
ペプチドは、ピペリジン不安定性の9−フルオレニルメトキシ−カルボニル/tert−ブチル(Fmoc/tBu)法を用いて、0.1ミリモルRink Amide Novagel樹脂から出発して、Applied Biosystems社433Aペプチド合成装置で合成する。カップリング段階では、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)を用いて予め活性化した過剰量の1ミリモルのアミノ酸を用いる。残基Lys18は、1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキシリデン)3−メチルブチル(ivDde)で保護した。他のアミノ酸はすべて標準的保護基を用いて保護する。N−末端を、ジクロロメタン(DCM)中の無水酢酸1ミリモル及びN−メチルモルホリン(NMM)1ミリモルの溶液を用いて60分間アセチル化する。
側鎖保護基(ivDdeを除く)の除去と同時に樹脂からのペプチドの開裂を、トリイソプロピルシラン(TIS)2.5%及び水2.5%を含有するトリフルオロ酢酸(TFA)10ml中で2時間行う。真空中でトリフルオロ酢酸を除去し、残渣にジエチルエーテルを添加し、沈殿をジエチルエーテルで洗浄し、空気乾燥して、粗生成物を得る。粗生成物を、分取用RP−HPLCで精製し、凍結乾燥する。
純粋なペプチドAc−Asp−Cha−Phe−D−Ser−D−Arg−Tyr−Leu−Trp−Ser−Lys−Gly−Pro−Leu−Pro−Leu−Arg−Ser−Trp−Lys(ivDde)−NH2を、NMM(4当量)及びCy3のN−ヒドロキシコハク酸イミジル(NHS)エステル(2当量)と共にN−メチルピロリドン(NMP)(10mg/ml)中に溶解する。反応混合物を、Cy3が完全に結合するまで、暗所で撹拌する。真空中でNMPを蒸発させ、生成物を分取用RP−HPLCで精製する。
純粋なペプチドAc−Asp−Cha−Phe−D−Ser−D−Arg−Tyr−Leu−Trp−Ser−Lys(Cy3)−Gly−Pro−Leu−Pro−Leu−Arg−Ser−Trp−Lys(ivDde)−NH2を、ヒドラジン一水和物2%を含有するジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解する。ivDde保護基がすべて除去されるまで反応混合物を撹拌する。次いで、真空中でDMFを蒸発させ、生成物を分取用RP−HPLCで精製する。
純粋なペプチドAc−Asp−Cha−Phe−D−Ser−D−Arg−Tyr−Leu−Trp−Ser−Lys(Cy3)−Gly−Pro−Leu−Pro−Leu−Arg−Ser−Trp−Lys−NH2を、NMM(4当量)及びCy5QのNHSエステル(2当量)と共にNMP(10mg/ml)中に溶解する。反応混合物を、Cy5Qが完全に結合するまで暗所で撹拌する。真空中でNMPを蒸発させ、最終生成物Ac−Asp−Cha−Phe−D−Ser−D−Arg−Tyr−Leu−Trp−Ser−Lys(Cy3)−Gly−Pro−Leu−Pro−Leu−Arg−Ser−Trp−Lys(Cy5Q)−NH2を分取用RP−HPLCで精製する。
実施例3: VEGF受容体へのターゲティング基と、ヘパラナーゼ基質配列と、蛍光色素と、消光剤とを含む化合物の合成
化合物の構造を、図2に示す。
八糖であるヘパラナーゼ基質配列を、Codee et al.(2004)及びその引用文献に記載の方法に以下に概説する修正を加えて、合成する。合成は、D−グルコサミンとL−イズロン酸とを含む誘導体化二糖の結合によって進める。最初の二糖は、L−イズロン酸の6−カルボキシルで固体担体に結合させる。
本合成では、還元末端は2,4−ジニトロフェニルグルコシドとして保護する。最終的な二糖の結合後、非還元末端のN−アセチルグルコサミン−6−O−サルフェートを、制御された条件下で過ヨウ素酸塩で酸化して、3−及び4−炭素に末端アルデヒド基を生じる。
ペプチドNH2−NH−Cys−Gly−Arg−Ser−Asp−Gly−Thr−Trp−Tyr−Glu−Cys−NH2(Cys1〜11間にジスルフィド架橋)は、国際公開第2004/058802号に開示されたVEGFターゲティングペプチドである。このペプチドは、ピペリジン不安定性の9−フルオレニルメトキシ−カルボニル/tert−ブチル(Fmoc/tBu)法を用いて、0.1ミリモルRink Amide Novagel樹脂から出発して、Applied Biosystems社433Aペプチド合成装置で合成する。カップリング段階には、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)を用いて予め活性化した1ミリモルの過剰量の予備活性化アミノ酸を用いる。アミノ酸はすべて標準的保護基を用いて保護する。ジメチルホルムアミド(DMF)中のトリBocヒドラジノ酢酸(Novabiochem)1ミリモル、(7−アザベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyAOP)1ミリモル及びN−メチルモルホリン(NMM)2ミリモルの溶液を用いて、N末端を60分間ヒドラジノアセチル化する。
側鎖保護基の除去と同時に樹脂からのペプチドの開裂を、トリイソプロピルシラン(TIS)2.5%及び水2.5%を含有するトリフルオロ酢酸(TFA)10ml中で2時間行う。真空中でトリフルオロ酢酸を除去し、残渣にジエチルエーテルを添加し、沈殿をジエチルエーテルで洗浄し、空気乾燥して、粗生成物を得る。粗生成物を、分取用RP−HPLCで精製し、凍結乾燥し、次いで酸化形八糖と反応させて、シッフ塩基を生成させる。最終コンジュゲートを水に溶解し、この溶液をpH8に調節して、ジスルフィド架橋を形成する。
トリプトファンからの蛍光はジニトロフェニル基で消光される。消光は、ヘパラナーゼによる八糖の開裂によって解かれる。蛍光発光は、283nmでの励起後、350nmで観察される。
本発明の造影剤及びインビボで酵素及び受容体と反応する際のその作用を示す図。 本発明の造影剤及びインビボで酵素及び受容体と反応する際のその作用を示す図。 実施例3の化合物の構造を示す図。

Claims (17)

  1. 以下の構成成分が一分子中で互いに結合した二元ターゲティング光学造影剤。
    標的結合性リガンド(V)、
    酵素開裂性基(E)、
    フルオロフォア(D)、及び
    消光剤(Q)。
  2. 以下の構成ブロックi)及びii)が互いに結合している、請求項1記載の造影剤。
    i)E−Q、及び
    ii)V−D
    式中、
    Eは酵素開裂性基を表し、
    Qは消光剤を表し、
    Vは標的結合性リガンドを表し、
    Dはフルオロフォアを表す。
  3. 式(I)又は(II)の造影剤。
    Q−L1−E−L2−V−L3−D (I)
    Q−L1−E−L2−D−L3−V (II)
    式中、Q、D、E及びVは上記で定義した通りであり、L1、L2及びL3はいずれも同一又は異なるリンカー基である。
  4. Vが生物学的受容体に対して親和性を有し、Eが酵素で活性化され、上記受容体及び酵素が同じ組織中で一緒に上方制御される、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の造影剤。
  5. Vが受容体に結合する前に、Eが酵素によって開裂する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の造影剤。
  6. Vが、核酸、タンパク質、脂質、リポタンパク質及び糖タンパク質からなる群から選択される受容体に親和性を有する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の造影剤。
  7. Vが、ペプチド、ペプトイド/ペプチド模倣体、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖、脂質関連化合物、合成低分子薬物様分子、阻害剤、抗体及び抗体フラグメント、ホルモン、ビタミン、神経伝達物質、並びにこれらの誘導体及び模倣体からなる群から選択される、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の造影剤。
  8. Eが、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、エステラーゼ、ホスファターゼ、ホスホジエステラーゼ、デアルキラーゼ及びグリコシダーゼ又はエンドグリカナーゼからなる群から選択される酵素の基質を含む、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の造影剤。
  9. 受容体チロシンキナーゼ、インテグリン受容体のファミリー及び癌関連抗原からなる群から選択される受容体に親和性を有する標的結合性リガンドと、マトリックスメタロプロテイナーゼ、カテプシン、カリクレイン、プロタンパク質転換酵素及び膜結合型セリンプロテアーゼからなる群から選択される酵素に親和性を有する酵素開裂性基とを含む、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の造影剤。
  10. FRETにおいてQが供与体発色団であってDが受容体発色団であり、Qが本質的に非蛍光性である、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の造影剤。
  11. Dが、クマリン色素、ベンゾクマリン色素、キサンテン色素、フェノキサジン色素、ローダミン色素、アクリドン色素、メロシアニン色素、シアニン色素及びビスピロメテン二フッ化ホウ素発色団の誘導体からなる群から選択される、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の造影剤。
  12. Qが、2,4−ジニトロフェニル(DNP)、4−(4−ジメチルアミノフェニル)アゾ安息香酸(DABCYL)、7−メトキシクマリン−4−イル)−アセチル(Mca)及び非蛍光性シアニン発色団からなる群から選択される、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の造影剤。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の化合物の有効量を、薬学的に許容される1種以上の補助剤、賦形剤又は希釈剤と共に含んでなる医薬組成物。
  14. 光学イメージング造影剤として使用するための、請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の造影剤又は組成物。
  15. 造影剤をヒト又は動物の身体に投与して身体の少なくとも一部分の画像を生成させることを含む診断方法に用いられる光学イメージングコントラスト強調剤の製造における、請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の造影剤の使用。
  16. 請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の造影剤をヒト又は動物の身体に投与して造影剤が分布した身体の少なくとも一部分の画像を生成させることを含む、光学イメージングによってヒト又は動物の身体の画像を生成させる方法。
  17. 病態に対処するための薬剤によるヒト又は動物の身体の治療効果をモニタリングする方法であって、請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の造影剤又は組成物を身体に投与し、細胞受容体による上記化合物又は組成物の取込みを検出し、任意ではあるが好ましくは、投与と検出を、例えば上記化合物又は組成物による治療の前後途中のいずれかに繰り返すことを含んでなる方法。
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