JP2009301708A - 情報再生装置及び情報再生方法 - Google Patents

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秀夫 安東
Yasushi Tsumagari
康史 津曲
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Abstract

【課題】画像などに関してより高度な表現力と利便性を実現する情報記憶媒体を再生することが可能な情報再生装置を提供すること。
【解決手段】情報再生装置は、アドバンスドコンテンツを再生するアドバンストコンテンツ再生部を具備している。
【選択図】 図16

Description

本発明は、光ディスク等の情報記憶媒体に関する。また、本発明は、このような情報記憶媒体を再生する情報再生装置及び情報再生方法に関する。さらに、本発明は、このような情報記憶媒体を再生する情報再生プログラムに関する。
近年、高画質・高機能を有するDVDビデオ・ディスク及びそのディスクを再生するビデオ・プレーヤの普及が進み、そのマルチチャネル・オーディオを再生する周辺機器等も選択の幅が広がってきている。そして、コンテンツ利用者(ユーザ)にとっては、ホームシアターを身近に実現でき、高画質・高音質の映画やアニメーション等を家庭で自在に視聴し得る環境が整えられつつある。また、コンテンツ提供者にとっても、映像などに対して多彩な表現を行なえるようになってきた。例えば、特許文献1には、ハイライト情報を伴うグラフィックユニットを独立したストリームとすることで、どんな形状のボタンでも設定し、柔軟かつ多彩なメニューを構築する技術が開示されている。
特開2004−343254号公報
ところで、現行のDVD-Video規格に対しては、コンテンツ供給者やコンテンツ利用者から、以下のような要望がある。
1.コンピュータ画面のように柔軟で多様な表現形式の実現
2.ネットワークを通じた各種アクションに対する柔軟な対応の実現
3.映像関連情報の加工容易性と加工後の情報の送信容易性の実現
しかしながら、従来の技術ではこのようなことを実現することができない。
本発明の目的は、画像などに関してより高度な表現力と利便性を実現することが可能な情報記憶媒体を提供することにある。また、本発明の目的は、このような情報記憶媒体を再生することが可能な情報再生装置、情報再生方法、及び情報再生プログラムを提供することにある。
この発明の情報記憶媒体、情報再生装置、情報再生方法、及び情報再生プログラムは、以下のように構成されている。
(1)この発明の情報記憶媒体は、ナビゲーションマネージャーを具備した情報記録再生装置もしくは情報再生装置により再生される情報記憶媒体であって、前記ナビゲーションマネージャー内に存在するプレイリストマネージャーにより、少なくとも一部が解読されるプレイリストが記録されている領域を備えている。
(2)この発明の情報再生装置は、アドバンスドコンテンツを再生するアドバンストコンテンツ再生部を具備している。
(3)この発明の情報再生方法は、ナビゲーションマネージャー及びAVレンダラーを含むアドバンストコンテンツ再生部と、情報記録再生部と、パーシステントストレージドライブ及びネットワーク制御部の少なくとも一方とを具備する情報再生装置に適用される情報再生方法であって、前記ナビゲーションマネージャーとAVレンダラーにより情報を再生する。
(4)この発明の情報再生プログラムは、情報記録再生装置もしくは情報再生装置のプレイリストマネージャーにより、少なくとも一部が解読されるプレイリストに関する情報を含む。
本発明によれば、画像などに関してより高度な表現力と利便性を実現することが可能な情報記憶媒体を提供できる。また、本発明によれば、このような情報記憶媒体を再生することが可能な情報再生装置、情報再生方法、及び情報再生プログラムを提供できる。
技術的特徴とそれにより生じる効果の関係説明図その1である。 技術的特徴とそれにより生じる効果の関係説明図その2である。 技術的特徴とそれにより生じる効果の関係説明図その3である。 スタンダードコンテンツ内のデータ構造説明図である。 カテゴリー1に対応した情報記憶媒体内に記録されるデータ構造例の説明図である。 カテゴリー2に対応した情報記憶媒体内に記録されるデータ構造例の説明図である。 カテゴリー3に対応した情報記憶媒体内に記録されるデータ構造例の説明図である。 アドバンストコンテンツ再生とスタンダードコンテンツ再生における遷移関係説明図である。 異なるカテゴリーに対応した情報記憶媒体に対する再生コンテンツの説明図である。 オーディオのみの情報再生装置におけるスタートアップシーケンス説明図である アドバンストコンテンツとスタンダードコンテンツへのデータアクセスの違いの説明図である。 各種オブジェクトの関係説明図である。 アドバンストコンテンツに関するファイル構造説明図である。 アドバンストコンテンツ内のデータ構造説明図である。 情報記録再生装置を含むシステムの概略構成図である。 アドバンストコンテンツ再生部の構造説明図である。 映像コンテンツの表示例その1の説明図である。 映像コンテンツの表示例その2の説明図である。 映像コンテンツの表示例その3の説明図である。 図19のα点における表示画面の一例を示す図である。 プレイリスト内の情報の概要説明図である。 プレイリスト内で記述される各種クリップエレメントと再生・使用対象となる各種オブジェクト間の関係説明図である。 ファイル保存場所指定範囲の説明図である。 ファイルへのパス指定記述方法の説明図である。 プレイリストファイル内の情報説明図である。 XMLタグとプレイリストタグ内の情報説明図である。 プレイリスト内タイトル情報の内容説明図である。 タイトルの属性情報、オブジェクトマッピングインフォメーション、プレイバックインフォメーションの内容説明図である。 アドバンストコンテンツ再生部内でのデータの流れ説明図である。 データアクセスマネージャー内の構造説明図である。 データキャッシュ内の構造説明図である。 ナビゲーションマネージャー内の構造構造説明図である。 アドバンストコンテンツプレーヤーの状態遷移図である。 プレゼンテーションエンジン内の構造説明図である。 アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジン内の構造説明図である。 プレゼンテーションエンジンにおけるグラフィックプロセスモデル説明図である。 アドバンストサブタイトルプレーヤー内の構造説明図である。 フォトレンダリングシステム内の構造説明図である。 セカンダリービデオプレーヤー内の構造説明図である。 プライマリービデオプレーヤー内の構造説明図である。 デコーダーエンジン内の構造説明図である。 AVレンダラー内の構造説明図である。 表示画面上の各画面レイヤーの説明図である。 グラフィックプレイン内の表示モデルの説明図である。 映像合成モデルの説明図である。 音声ミキシングモデルの説明図である。 ネットワークサーバーとパーシステントストレージメモリーからのデータ供給モデルの説明図である。 ユーザー入力ハンドリングモデルの説明図である。 ユーザー入力イベントの一覧を示す図である。 プレイヤーパラメーターの一覧を示す図である。 プロファイルパラメーターの一覧を示す図である。 プレゼンテーションパラメーターの一覧を示す図である。 レイアウトパラメーターの一覧を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
<本実施形態のポイント>
1.アドバンストコンテンツ再生部ADVPL内がデータアクセスマネージャーDAMNG、ナビゲーションマネージャーNVMNG、データキャッシュDTCCH、プレゼンテーションエンジンPRSEN及びAVレンダラーAVRNDから構成される(図16参照)。
2.ナビゲーションマネージャーNVMNGがプレイリストマネージャーPLMNG、パーサーPARSER及びアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGから構成される(図32参照)。
3.ユーザーに表示される画面がメインビデオプレインMNVDPL、サブビデオプレインSBVDPL及びグラフィックプレインGRPHPLから合成される(図43参照)。
現行DVD-Videoに対する次世代規格へのユーザー要求とそれに関係した現行DVD-Video規格を拡張した場合の問題点、及び本実施形態における解決方法とその結果得られる新たな効果について図1〜3を用いて説明を行う。現世代DVD-Video規格に対して、ユーザーが求める要求機能は大きく分けて下記の3種類存在する。
1.柔軟かつ多様な表現力(現行パーソナルコンピュータの画面表示に近い表現力を確保する)
2.ネットワークアクション
3.映像関連情報の加工容易性と加工後情報の送信容易性
前記最初に示した “1.柔軟かつ多様な表現力”の要求機能を現行DVD-Video規格の小変更で実現しようとした場合、余りにもユーザー要求が多種多様なためカスタムメイド的な現行DVD-Video規格内のデータ構造の小変更だけでは対応しきれない。という問題点が生じる。前記問題点を解決するための技術的工夫内容として、本実施形態では汎用性を持ったPC世界での表現形式を採用するとともに新たにタイムラインの概念を導入する。その結果、本実施形態により下記の新たな効果を実現することができる。
1〕ユーザーアクションに対する柔軟かつ印象的なリアクションを行う
1.1)ボタン選択や実行指示した時にアニメーションやイメージが変化して応答する
1.2)ボタン選択や実行指示した時に音声応答する
1.3)ユーザーの実行指示に対してわざと遅れたタイミングで実行操作に入る
1.4)(PCのような)ヘルプの回答を音声で対応する
1.5)メニューなどの使い方ガイドを音声表示する
2〕映像自体やその再生方法に対する柔軟な切り替え処理を可能にする
2.1)オーディオの切り替え表示
2.2)サブタイトル(テロップ、字幕、静止画アイコンなど)の切り替え表示
2.3)ユーザー好みに合わせたサブタイトルの拡大表示が可能
2.4)ユーザーがサブタイトルをマーキングしたり、サブタイトル実行命令を出す
2.5)映画監督がコメントしている間、コメントに合わせて特定映像部分をマーキング
3〕再生中の映像にかぶせて別情報を同時に表示する
3.1)マルチウィンドによる複数映像を同時に表示する
3.2)マルチウィンドの各ウィンドサイズを自由に切り替えられる
3.3)事前の オーディオ・メッセージやユーザーによる アフレコ・オーディオ・メッセージを同時表示
3.4)スクロールするテキストを映像にかぶせて同時表示する
3.5)(選択ボタンなどの)グラフィックメニューや図形を柔軟な形で同時表示する
4〕見たい映像箇所への検索を容易にする
4.1)見たい場所をプルダウンメニューを使ってキーワード(テキスト)検索する
次に示した“2.ネットワークアクション”を必須とする要求機能に対しては、現行DVD-Video規格で規定されたデータ構造とネットワーク対応画面との間の帰りが大きすぎる。という問題点が生じる。前記問題点を解決するための技術的工夫内容としては、本実施形態ではネットワークの画面表現に実績のあるWEBのホームページ表示形式(XMLとスクリプト)をデータの管理構造の基本部分に採用し、映像の再生管理形式をそれに合わせている。その結果、本実施形態により下記の新たな効果を実現することができる。
5〕ネットワークを用いたディスク上の情報更新機能を持たせる
5.1)オブジェクト情報の自動更新やディスク内管理情報の自動更新
5.2)メニューの使い方ガイドをネットワークダウンロード
5.3)ユーザーへの情報の自動更新告知
5.4)更新情報表示可否のユーザーへの告知
5.5)ユーザーによるマニュアル更新機能
6〕リアルタイムなオンライン処理
6.1)映像再生時にネットワークダウンロードされた音声情報に切り替え/ミキシング処理…映画監督の音声によるコメンタリ表示など
6.2)ネットワークショッピング
6.3)インタラクティブなリアルタイム映像変化
7〕ネットワークを通じた別ユーザーとの間のリアルタイムでの情報共有
7.1)離れた所に居る別ユーザーに対しても特定画面を同時に表示する
7.2)離れた所に居る別ユーザーと対戦ゲーム/対話ゲームをする
7.3)映像再生中にチャットに参加する
7.4)映像を再生しながら同時にファンクラブへのメッセージ送受信
最後に示した “3.映像関連情報の加工容易性と加工後情報の送信容易性”の要求機能を実現するためには、現行DVD-Video規格の小変更では複雑な編集処理を柔軟かつ容易に対応できない。また、複雑な編集処理を柔軟かつ容易に対応するためには、新たな管理データ構造が必要となる。という問題点が発生する。そのため本実施形態における前記問題点を解決するための技術的工夫内容として、XMLの採用と後述するタイムラインの概念を導入する。その結果、本実施形態により下記の新たな効果を実現することができる。
8〕ユーザーによるプレイリストの選択・作成とその送信を行う
8.1)ユーザーによるプレイリストの選択または作成を行う
8.2)ユーザーが選択・作成したプレイリストを友人に送信する
8.3)ユーザーが選択・作成したプレイリストは特定ディスクのみで再生可能とする
8.4)映像のハイライトシーン集もユーザーが選択可能にする
8.5)映像中のお気に入り画面を取り込んだ スクラッフ゜フ゛ック を Web 上で公開
8.6)ユーザーが選択した マルチアンク゛ル/マルチシーン 中の アンク゛ル/シーン を記憶して再生
9〕映像に関する特定情報をユーザーが付加し、その結果をネットワーク送信する
9.1)映像に対するコメントをユーザーが付加し、ネットワーク上で別ユーザーと共有
9.2)映像中のキャラクターの顔に入力画像を貼り込む
9.3)ユーザー情報や映像を見た時の経験情報を映像情報上に貼り付ける
9.4)ユーザー情報をパレンタルロックに利用し、表示映像の自動制限を掛ける
10〕再生履歴情報の自動保存を行う
10.1)レジューム(再生中断)情報の自動保存機能を持つ
10.2)前回までのゲーム進行の途中情報の自動保存を行う
10.3)前回の再生環境(複数ユーザーとの対戦ゲーム環境など)の自動保存を行う
図4に示すように、ユーザー要求として、
1.柔軟かつ多様な表現力(PC画面に近付く柔軟性を持つ)
2.ネットワークアクション
3.映像関連情報の加工容易性と加工後情報の送信容易性
というユーザー要求に答える為、本実施形態ではPC世界での表現形式に合わせたXML、スクリプトとタイムラインの概念を導入し、前記のユーザー要求に対応する。
しかしこの機能を持ったデータ構造の場合、従来のDVD-Videoとの互換性が損なわれるという問題点がある。
また、図4のユーザー要求を満たすためにはネットワーク接続が前提条件となり、非常に安価な情報再生装置をユーザーに提供することが難しくなる。その為本実施形態では、図4に対応したデータ構造を持つアドバンストコンテンツADVCTと、図4に示すユーザー要求は満足できないが、従来のDVD-Videoとの互換性を確保し、非常に安い(インターネット接続を前提としない)情報再生装置で再生できるコンテンツとして、スタンダードコンテンツSTDCTをサポートしたところに大きな特徴がある。
本実施形態では、スタンダードコンテンツSTDCTともう一方のコンテンツであるアドバンストコンテンツADVCTの2種類のタイプを定義できるようにしているところに本実施形態の特徴がある。
本実施形態におけるスタンダードコンテンツSTDCTには、映像情報自体が記録されているエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBと、そのエンハンストビデオオブジェクトデータの管理情報が記録されているナビゲーションデータIFOから成り立っている。前記スタンダードコンテンツSTDCTは、従来のDVD-Videoのデータ構造を純粋に拡張したデータ構造を持っている。
それに対してアドバンストコンテンツADVCTは、後述するような各種情報が記録される。
図4を用いてスタンダードコンテンツSTDCTのデータ内容を説明する。
スタンダードコンテンツSTDCTはメニュー画面を表すビデオマネージャーVMGと、映像データが記録されているスタンダードビデオタイトルセットSVTSが存在する。
メニュー画面が記録されているビデオマネージャーVMGには、映像情報自体が記録されているエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBとその管理情報が記録されているナビゲーションデータIFOが存在し、スタンダードビデオタイトルセットSVTS内には映像情報自体が記録されているエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBと、その管理情報が記録されているナビゲーションデータIFOの組合せから成り立っている。
スタンダードコンテンツSTDCTは従来のDVD-Videoで規定されているコンテンツの拡張構造を表している。特に従来のDVD-Videoに比べ映像に対する高解像度と音声に対する高音質と新たな機能が追加されている。スタンダードコンテンツSTDCTは、図4に示すように1個のビデオマネージャーVMGが記録されている領域と1以上のビデオタイトルセットVTSから記録されている領域からなっている。このビデオタイトルセットVTSが記録されている領域をスタンダードビデオタイトルセットSVTS又はVTSと呼ぶ。
従来のDVD-Videoと比べて本実施形態では以下の新たな機能が盛込まれている。
・映像情報に対する高解像度を保証するとともに、高解像度であり、かつ圧縮効率のよい圧縮方式を新たに採用する。
・音声情報に対するチャネル数を上げるとともに高いサンプル周波数まで対応させる。又高音質を保証させ、高い圧縮効率を可能とする音声情報の圧縮方法を採用する。
・副映像情報に対する機能拡張を行うとともに、新たにハイライト情報のストリームを定義する。
・ナビコマンドの機能拡張を行う。
・起動時に処理を行うファーストプレイドメイン、及びメニュー画像を管理するビデオマネージャードメイン、映像情報の再生時に処理を行うビデオタイトルセットドメインにおける従来存在していた特殊ないくつかの制限情報に対して制限情報を除去し、よりフレキシブルな表現を可能とする。
・各ドメイン間の遷移制限に対していくつかの制限を除去し、よりフレキシブルな表現環境定義する。
・途中で再生を中断した時の処理を表すレジウムシーケンス機能を新たに加え、中断後のユーザーの利便性を高める。
本実施形態においてスタンダードビデオタイトルセットSVTSは、基本的には上述したスタンダードコンテンツSTDCT上で使用される。しかし、このスタンダードビデオタイトルセットSVTSは後述するタイムマップTMAPを返して、アドバンストコンテンツADVCT内でも使うことが可能である。
上記スタンダードビデオタイトルセットSVTS内で使用されるオブジェクト情報であるエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBはスタンダードコンテンツSTDCTに対する幾つかの特定の情報を持っている。その特定の情報は、例えばスタンダードコンテンツSTDCTで使用されるハイライトインフォメーションHLIやプレゼンテーションコントロールインフォメーションPCIは、本実施形態においてアドバンストコンテンツADVCT上では無視される。
図4に示すスタンダードコンテンツSTDCTが情報記憶媒体内に記録される時のディレクトリ構造について説明を行う。本実施形態ではスタンダードコンテンツSTDCT及び後述するアドバンストコンテンツADVCTが共にHDDVD_TSディレクトリの中にまとめて記録される。上記HDDVD-TSディレクトリは情報記憶媒体のルートディレクトリの直下に配置される。例えばビデオマネージャーVMGやスタンダードビデオタイトルセットSVTSなどの後述するプライマリービデオセットPRMVSに関係する全てのファイルはこのディレクトリの中に含まれる。
図4に示すビデオマネージャーVMGの中身について説明を行う。上記ビデオマネージャーVMGは基本的に従来のDVD-Videoのメニュー画面及び制御情報が含まれる。上記説明したHDDVD_TSディレクトリの下にそれぞれコンポーネントファイルとして、ビデオマネージャーインフォメーションVMGI、情報記憶媒体挿入直後の最初に表示するメニューFP_PGCM_EVOBに関するエンハンストビデオオブジェクトデータEVOB、ビデオマネージャVMGのナビゲーションデータIFOのバックアップデータであるビデオマネージャーインフォメーションVMGI_BUPなどが別々に記録される。
上記HDDVD_TSディレクトリ化において、ビデオマネージャーメニューに関するエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSのサイズが1GB以上あるが、それらのデータは98以下のファイルにそれぞれ分割され記録される。
本実施形態において再生専用の情報記録媒体では、再生の利便性の為ビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSのそれぞれの全てのファイルは、連続した位置に配置される必要がある。それによりビデオマネージャーメニューに関するエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSの情報が1箇所にまとまって記録されている為データのアクセス利便性、データの収集の利便性、表示速度の高速化を確保することができる。
本実施形態において、上記HDDVD_TSディレクトリの中にビデオタイトルセットインフォメーションVTSIとビデオタイトルセットインフォメーションのバックアップデータVTSI_BUPは、それぞれコンポーネントファイルとして前記HDDVD_TSディレクトリ化に記録される。ビデオタイトルセットメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVTSM_EVOBS及び、各タイトルのエンハンストビデオオブジェクトセットVTSTT_EVOBSのサイズは1GBを超えることを許容されるがそのデータは99以内のファイルに分割、記録される必要がある。その結果、各ファイルサイズは1GB以下に設定できる。これらのファイルはHDDVD_TSディレクトリ化に個々のコンポーネントファイルとして記録される。ビデオタイトルセットメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVTSM_EVOBS及び各タイトルのエンハンストビデオオブジェクトセットVTSTT_EVOBSのファイルは、全てそれぞれ連続な位置に配置される必要がある。その結果上述したのと同様に1箇所にデータが記録されている為、データのアクセス利便性及び高速性とデータ処理の管理化が図れ、高速でユーザーに対するこれらの情報を表示することができる。
ビデオタイトルセットVTSは映像タイトルの集合体を意味している。このビデオタイトルセットは、上記ビデオタイトルセットに関する制御情報であるビデオタイトルセットインフォメーションVTSI、ビデオタイトルセットメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVTSM_EVOBS、各タイトルのエンハンストビデオオブジェクトセット(映像情報そのもの)VTSTT_EVOBSおよびビデオタイトルセットインフォメーションのバックアップデータVTSI_BUPから構成される。
本実施形態においてビデオタイトルセットVTSに関して、以下のルールを適用させる。
1)制御情報が記録されているビデオタイトルセットインフォメーションVTSIとビデオタイトルセットインフォメーションのバックアップデータVTSI_BUPは、1GB以下のそれぞれ1個のファイル内に記録しなければいけない。
2)ビデオタイトルセットメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVTSM_EVOBSとビデオタイトルセットVTS内における各タイトルのエンハンストビデオオブジェクトセット(映像情報そのもの)VTSTT_EVOBSトはそれぞれ1個が1GB以下のサイズのファイルに分割して記録しなければいけない。その分割されたファイル数が1個の情報記憶媒体内には99ファイル以下にしなければならない。
3)ビデオタイトルセットインフォメーションVTSIと、ビデオタイトルセットメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVTSM_EVOBSと、各タイトルのエンハンストビデオオブジェクトセット(映像情報そのもの)VTSTT_EVOBSと、ビデオタイトルセットインフォメーションのバックアップデータVTSI_BUPは、上記記載した順番で配置されなければならない。
4)ビデオタイトルセットインフォメーションVTSIとビデオタイトルセットインフォメーションのバックアップデータVTSI_BUPは1個の同一のECCブロック内に共存して記録してはいけない。すなわちビデオタイトルセットインフォメーションVTSIとビデオタイトルセットインフォメーションのバックアップデータVTSI_BUP は連続して記録されるが両者間の境界位置が同一のECCブロック内の中央に配置されることを禁止している。すなわち両者の境界部分が同一のECCブロック内に配置された場合、そのECCブロックが欠陥により再生できない場合、両方の情報が共に再生できないという問題が発生する。従ってビデオタイトルセットインフォメーションVTSI の終了位置でのECCブロック内での余った場所には、パディング情報を記録し、次のビデオタイトルセットインフォメーションのバックアップデータVTSI_BUP の先頭が次のECCブロックの先頭位置に来るようにし、互いに同一のECCブロック内に両方のデータが入ることを避けるところに本実施形態の特徴がある。それによりデータ再生の信頼性を大幅に向上させるだけでなくデータ再生時の再生処理を容易にする効果がある。
5)ビデオタイトルセットメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVTSM_EVOBSを構成している複数のファイルが情報記憶媒体上で連続した位置に配置されなければいけない。更に各タイトルのエンハンストビデオオブジェクトセット(映像情報そのもの)VTSTT_EVOBSを構成する複数のファイルも同様に連続した位置に配置されなければいけない。そのように連続した位置に配置されることにより再生時の光学ヘッドの1回の連続した再生により各情報を一度に再生することができる(光学ヘッドのジャンピング処理を不要とする)。それにより上記各種情報のデータ再生時の処理の容易性を確保できるとともに、データ再生から表示するまでの時間の短縮化を図ることができる。
6)ビデオタイトルセットインフォメーションのバックアップデータVTSI_BUPは、ビデオタイトルセットインフォメーションVTSIと完全に一致しなければならない。上記情報は完全に一致することにより万一管理情報であるビデオタイトルセットインフォメーションVTSIがエラーによる再生不可能になったとしても、前記のビデオタイトルセットインフォメーションのバックアップデータVTSI_BUPの再生により、安定した映像情報の再生が可能となる。
7)ボリューム空間上に記録されたビデオタイトルセットVTSに付与するビデオタイトルセットVTS番号は連続した番号が付与されなければならない。情報記憶媒体上に記録されたビデオタイトルセットVTSの配置位置を表す論理空間上のアドレスである論理ブロックナンバーLBNの若い順番にそれぞれのビデオタイトルセットVTSの番号が設定され、番号としては1〜511までの番号がつけられる。
8)各ビデオタイトルセットVTSにおいて、ビデオタイトルセットインフォメーションVTSIとビデオタイトルセットメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVTSM_EVOBSと、ビデオタイトルセットVTS内における各タイトルのエンハンストビデオオブジェクトセット(映像情報そのもの)VTSTT_EVOBSおよびビデオタイトルセットインフォメーションのバックアップデータVTSI_BUPのそれぞれの情報の境界領域にはギャップ領域を持つことができる。すなわち前記説明した4種類の情報はそれぞれ異なるECCブロックに配置されることにより再生時のデータの信頼性と再生処理の容易性、処理の高速性が図られる。そのため各情報の最後のデータの記録位置が1個のECCブロックの中間で終わった場合には、余りの領域にパディング情報を入れ次の情報の先頭位置が次のECCブロックの先頭位置に一致するように本実施形態では工夫されている。前記ECCブロック内のパディング情報の部分を本実施形態ではギャップと表現する。
9)各それぞれビデオタイトルセットメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVTSM_EVOBSにおいて、エンハンストビデオオブジェクトEVOBは連続して情報記憶媒体上に記憶されなければならない。それにより再生処理の利便性が向上する。
10)ビデオタイトルセットVTS内における各タイトルのエンハンストビデオオブジェクトセット(映像情報そのもの)VTSTT_EVOBSにおいて、各エンハンストビデオオブジェクトも情報記憶媒体上の連続した位置に記録されなければならない。それにより、情報再生の利便性と表示までに要する時間の短縮化を図ることができる。
11)ビデオタイトルセットインフォメーションVTSIとビデオタイトルセットインフォメーションのバックアップデータVTSI_BUPは情報記憶媒体上のアドレス位置を表すロジカルブロックナンバーLSNの連続した番号で構成される連続した論理的な連続領域内にそれぞれ記録されなければならない。それにより、1回の連続再生(ジャンピング処理を含まない)により前記情報を読取ることができ再生処理の利便性、処理の高速化を図ることができる。
ビデオマネージャーVMGはスタンダードビデオタイトルセットSVTSのコンテンツテーブルを表し、それは後述するHDDVD-Videoゾーンに記録されている。ビデオマネージャーVMGの構成要件は、ビデオマネージャーインフォメーションVMGIである制御情報、情報記憶媒体挿入直後の最初に表示するメニューFP_PGCM_EVOB、ビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBS、ビデオマネージャーインフォメーションVMGIである制御情報のバックアップデータVMGI_BUPとなっている。VMGIである制御情報は、各タイトルを再生する為に必要な正的な情報とユーザーオペレーションをサポートするための情報が記録されている。情報記憶媒体挿入直後の最初に表示するメニューFP_PGCM_EVOBは、メニューで表示される言語を選択する為に使用される。すなわち情報記憶媒体装着直後にユーザー自身で最適なメニュー言語を選択してもらうことにより、最も理解しやすい言語で各種のメニュー画面を表示することができる。ビデオマネージャーのメニューに関するエンハンストビデオオブジェクトVMGM_EVOBSは、ボリュームアクセスをサポートするメニューに使用されるエンハンストビデオオブジェクトの集まりになっている。すなわち、前記ユーザーが選定した各言語で表示されるメニュー画面(個々の言語毎に別々の情報として持っている画面)の情報がエンハンストビデオオブジェクトセットとして記録されている。
本実施形態において、ビデオマネージャーVMGに関しては以下のルールを適用する。
1)1個のビデオマネージャーインフォメーションVMGIとビデオマネージャーインフォメーションのバックアップファイルVMGI_BUPに関しては、1個のファイルが1GB以下になるように分割して情報記憶媒体内に記録する。
2)情報記憶媒体挿入直後の最初に表示するメニューFP_PGCM_EVOBのエンハンストビデオオブジェクトEVOBに関しては、1個のファイルが1GB以下になるように分割して情報記憶媒体内に記録する。また、ビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSも1個のファイルが1GB以下になるように分割して記録するとともに、前記ビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSの1枚の情報記憶媒体内に記録されるファイル数は98ファイル以下に設定する。上記のように1ファイルのデータサイズを1GB以下に設定することによりバッファメモリの管理が容易になるとともに、データのアクセス性が向上する。
3)ビデオマネージャーインフォメーションVMGIと情報記憶媒体挿入直後の最初に表示するメニューFP_PGCM_EVOBとビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSとビデオマネージャーインフォメーションのバックアップファイルVMGI_ BUPはこの順番で情報記憶媒体に記録する。
4)ビデオマネージャーインフォメーションVMGIとビデオマネージャーインフォメーションのバックアップファイルVMGI_BUPは同一のECCブロック内に記録してはならない。
…ビデオマネージャーインフォメーションVMGIと情報記憶媒体挿入直後の最初に表示するメニューFP_PGCM_EVOBとビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSはオプショナルな情報な為、情報記憶媒体に記録されないことがある。その場合にはビデオマネージャーインフォメーションVMGIとビデオマネージャーインフォメーションのバックアップVMGI_BUPが連続されて順番に配列されることがある。この場合にビデオマネージャーインフォメーションVMGIとビデオマネージャーインフォメーションのバックアップVMGI_BUPの境界位置が1個のECCブロックの中間に境界位置が来ないようにすることを上記の内容は意味している。基本的に情報記録媒体から情報を再生する場合には、ECCブロック単位に情報を再生する。そのため両者の境界位置が同一ECCブロック内に入っている場合に、再生情報のデータ処理の利便性が損なわれるだけでなく、境界部分のECCブロック内にエラー発生時に再生できない場合にはビデオマネージャーインフォメーションVMGIとビデオマネージャーインフォメーションのバックアップVMGI_BUPが両方とも再生されないことがある。従って両者の境界部分をECCブロックの境界部分に合わせることにより再生時の処理の優位性を確保するとともに、どちらか一方のECCブロックのエラーが多くなり再生できない場合でも、残りのデータで情報を復活させ再生することができる。従って両者の境界面をECCブロック内の境界面に合わせることにより、ビデオマネージャーインフォメーションVMGIのデータ再生信頼性を向上することができる。
5)メニュー情報を表すビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSのデータは連続して記録しなければならない。前述したようにビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSのデータサイズは1GB以上超えることが許容されているが、1個のファイルサイズが1GB以下になるようにそのデータが複数のファイル内に分割記録するように本実施形態では規定されている。このそれぞれの分割された各ファイルが情報記憶媒体上に連続して記録されることを要求している。それにより1回の連続再生により、上記ビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットを全て取込むことができ、再生制御の高信頼性とユーザー表示に向けての高速化を確保することができる。
6)ビデオマネージャーインフォメーションのバックアップファイルVMGI_BUPの内容は、ビデオマネージャーインフォメーションVMGIの内容と完全に一致させる必要がある。
7)ビデオマネージャーインフォメーションVMGIと情報記憶媒体挿入直後の最初に表示するメニューFP_PGCM_EVOBと、ビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSとビデオマネージャーインフォメーションのバックアップファイルVMGI_ BUP間の境界位置にギャップがあることを許容する。上記4)で説明したように、各データ間の情報をECCブロック単位にまとめて記録する場合、各データの最後の部分の位置とECCブロックの境界位置にズレが生じECCブロック内に余りの領域が発生することがある。この、余りの領域をギャップと呼び、このようにギャップ領域の存在を許容することにより上記各情報がECCブロック単位に記録することができる。それにより上述したように再生時の利便性とデータ再生時の信頼性を確保することができる。
8)ビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSにおいて各エンハンストビデオオブジェクトは連続して記録する必要がある。上述したようにビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSは、1GB以上超えることができそれぞれ1GB以下の情報を分割記録することができることを上述した。この場合、各分割されたファイルが情報記憶媒体上に連続して記録されることを上記内容は意味している。その結果ビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSを1度の再生でまとめて全部読取ることができ、再生処理の利便性とユーザーに表示するまでの時間の短縮化が図れる。
9)情報記憶媒体挿入直後の最初に表示するメニューFP_PGCM_EVOBとビデオマネージャーメニューのエンハンストビデオオブジェクトセットVMGM_EVOBSが存在しない場合、ビデオマネージャーインフォメーションVMGIとビデオマネージャーインフォメーションのバックアップファイルVMGI_ BUPは、互いに連続した論理セクタ番号で構成される連続領域内に配置される必要がある。それにより、ビデオマネージャーインフォメーションVMGIとビデオマネージャーインフォメーションのバックアップファイルVMGI_ BUPの再生・利便性が向上する。
エンハンストビデオオブジェクトセットEVOBSは、エンハンストビデオオブジェクトデータEVOBの集合体で構成され、それらはビデオデータ、オーディオデータ、サブピクチャーデータなどのデータから構成される。本実施形態において、エンハンストビデオオブジェクトセットEVOBSに対して以下のルールが適用される。
1)各エンハンストビデオオブジェクトデータEVOB、エンハンストビデオオブジェクトセットEVOBSは、連続ブロック又はインターリーブドブロック内に記録される。
2)1個のエンハンストビデオオブジェクトセットEVOBSは1以上のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBから構成される。
3)各エンハンストビデオオブジェクトデータEVOBに割り付けられるID番号EVOB_IDは、各エンハンストビデオオブジェクトデータEVOBが情報記憶媒体上に記録されているアドレスを示す論理セクタ番号LSNが小さい順にID番号が割り振られる。そして、最初の番号が1となり、順次インクリメントされる。
1個のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBは1以上のセルから構成される。各セルに設定されたID番号C_IDは1個のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOB内において、各セルが情報記憶媒体に記録された場所を表す論理セクタ番号LSNの小さい順に最小1として順次インクリメントされた数字が前記ID番号として設定される。
4)エンハンストビデオオブジェクトセットEVOBS内における各セルは、エンハンストビデオオブジェクトデータEVOBに割り付けられるID番号EVOB_IDと、各セルに設定されたID番号C_IDにより個々に識別することができる。
本実施形態において情報記憶媒体に記録する映像情報及びその管理情報として、アドバンストコンテンツADVCTとスタンダードコンテンツSTDCTの2種類のコンテンツを設定する。アドバンストコンテンツADVCTを持たせることにより柔軟かつ多様な表現力と、ネットワークアクションの映像関連情報の加工容易性と加工後情報の送信容易性を確保したいというユーザー要求に応えるともに、同時にスタンダードコンテンツSTDCTを持たせることにより、従来のDVD-Videoとのデータの互換性を確保するとともにネットワーク接続を前提としない安形情報再生装置でも本実施形態の映像情報が再生できるようにしているところに大きな特徴がある。
図5〜図7に示すように各コンテンツが記録された情報記憶媒体として、図5〜図7に示すように3種類のカテゴリーを持つ情報記憶媒体を設定する。すなわち、図5に示すように、カテゴリー1に対応した情報記憶媒体内に記録されるデータとしては、スタンダードコンテンツSTDCTの情報のみが記録された媒体を設定する。このカテゴリー1に対応した情報記憶媒体は、ネットワーク接続を前提としない安形情報再生装置とネットワーク接続を前提とした高級情報再生装置のいずれでも再生することができる。
カテゴリー2に対応した情報記録媒体内に記録されるデータとして、図6に示すようにアドバンストコンテンツADVCTのみが記録されている情報記憶媒体も設定することが可能となる。この場合にはネットワーク接続を前提とした高機能な情報再生装置のみに再生が可能となる。更に図7のように、同じ映像情報をアドバンストコンテンツADVCTとスタンダードコンテンツとSTDCTの両方の形態でそれぞれ記録するカテゴリー3に対応した情報記憶媒体を認めるところに本実施形態の大きな特徴がある。これによりカテゴリー3に対応した情報記憶媒体を用いると、ネットワーク接続機能を持つ高級な情報再生装置ではアドバンストコンテンツADVCTを再生することができるとともにネットワーク接続を前提としない安形情報再生装置では、スタンダードコンテンツSTDCTを再生することができるため、どのような機種にも最適なコンテンツをユーザーに表示(提供)することが可能となる。
図5に示すカテゴリー1に対応した情報記憶媒体においては、メニュー画面を構成する1個のビデオマネージャーVMGと映像情報が管理される1以上のスタンダードビデオタイトルセットSVTSとから構成されるスタンダードコンテンツSTDCTが記録されている。
上記情報記憶媒体には、アドバンストコンテンツADVCTの情報は記録されていない。
図6に示すカテゴリー2に対応した情報記憶媒体においては、アドバンストコンテンツADVCTのみが記録され、スタンダードコンテンツSTDCTは記録されない。
図7に示すカテゴリー3に対応した情報記憶媒体においては、アドバンストコンテンツADVCTとスタンダードコンテンツSTDCTが記録される。カテゴリー3に対応した情報記憶媒体内には、後述するプライマリービデオセットPRMVSが定義される。前記プライマリービデオセットPRMVS内において、情報記憶媒体挿入直後に表示する画面に対応したファーストプレイドメインFP_DOMもメニューが表示されるビデオマネージャーメニュードメインVMGM_DOMも両方のドメインは、前記プライマリービデオセットPRMVS内には定義されない。しかし、前記プライマリービデオセットPRMVS以外の領域において、ファーストプレイドメインFP_DOMとビデオマネージャーメニュードメインVMGM_DOMは、前記カテゴリー3に対応した情報記憶媒体内に存在してもよい。更に情報再生装置において、前記ファーストプレイドメインFP_DOMあるいはビデオマネージャードメインVMGM_DOMへの遷移を支持するナビゲーションコマンドは無視しなければならない。情報記憶媒体挿入直後に表示する画面に対応したファーストプレイドメインFP_DOMとビデオマネージャードメインVMGM_DOMは基本的にスタンダードコンテンツSTDCTにおけるメニュー操作の時に必要となる。しかし本実施形態では、図11もしくは、図8に示すようにアドバンスドコンテンツADVCTでメニュー処理を行い、必要に応じてスタンダードコンテンツSTDCT内の映像情報が記録されているスタンダードビデオタイトルセットSVTSを参照している。このように、情報記憶媒体挿入直後に表示されているメニューのファーストプレイドメインFP_DOMとビデオマネージャードメインVMGM_DOMへの遷移を禁止することで、常にアドバンストコンテンツADVCT上でのメニュー処理を確保でき、ユーザーへの混乱を避けることができる。という効果を持っている。前期カテゴリー3に対応した情報記憶媒体はスタンダードコンテンツSTDCTを含むが、この情報記憶媒体は図6で示したカテゴリー2に対応した情報記憶媒体のルールに従う。
図7に示した、プライマリービデオセットPRMVSの内容について以下に示す。アドバンストコンテンツADVCT内におけるプライマリービデオセットPRMVSは、アドバンストビデオタイトルセットADVTSとスタンダードビデオタイトルセットSVTSと、ビデオマネージャーVMGにより構成される。これらのビデオタイトルセットは主にスタンダードコンテンツSTDCTに使われるが、基本的にはアドバンストビデオタイトルセットADVTSはアドバンストコンテンツADVCTにおいてのみ使われ、スタンダードビデオタイトルセットSVTSはアドバンストコンテンツADVCT内において使うこともできる。アドバンストコンテンツADVCT内において、プライマリービデオセットPRMVS内でのビデオマネージャーVMGにおいては存在してもよい。しかし、アドバンストコンテンツADVCTを使用している最中に、前述したビデオマネージャーメニュードメインVMGM_DOMやファーストプレイドメインFP_DOMへの遷移することは禁止されている。情報記憶媒体挿入直後に表示する画面に対応したファーストプレイドメインFP_DOMとビデオマネージャードメインVMGM_DOMは基本的にスタンダードコンテンツSTDCTにおけるメニュー操作の時に必要となる。しかし本実施形態では、図11もしくは、図8に示すようにアドバンスドコンテンツADVCTでメニュー処理を行い、必要に応じてスタンダードコンテンツSTDCT内の映像情報が記録されているスタンダードビデオタイトルセットSVTSを参照している。このように、情報記憶媒体挿入直後に表示されているメニューのファーストプレイドメインFP_DOMとビデオマネージャードメインVMGM_DOMへの遷移を禁止することで、常にアドバンストコンテンツADVCT上でのメニュー処理を確保でき、ユーザーへの混乱を避けることができる。という効果を持っている。前記プライマリービデオセットPRMVSのデータは、カテゴリー3に対応した情報記憶媒体内に記録される。記録されるデータ構造として前述したHVDVD_TSディレクトリ内に配置されるが、それに限らず前記プライマリービデオセットPRMVSはパーシステントストレージ内に記録されてもよい。
少なくとも、前記プライマリービデオセットPRMVSと少なくとも1個のプレイリストPLLST(詳細は後述する)は、前記カテゴリー2又はカテゴリー3に対応した情報記憶媒体内に記録されなければならない。図6及び図7に記載されたアドバンストコンテンツADVCTに関係する他の情報は、前記情報記憶媒体に記録することもできるが他にネットワークを経由してサーバーから配信を受けることもできる。
図7を用い、情報記憶媒体内に記録されるアドバンストコンテンツADVCTとスタンダードコンテンツSTDCTの記録場所について説明を行う。以下に説明する部分において、アドバンストコンテンツADVCTのみの記録場所が設定されているものが図6に対応し、スタンダードコンテンツSTDCTのみの記録場所が設定されているものが図5に示すカテゴリー1に対応した情報記憶媒体になる。図7に示すように情報記憶媒体上に各コンテンツを記録する空間をボリュームスペースとして定義し前記ボリュームスペース内では全ての場所に論理セクタ番号LSNが付与されている。本実施形態において、ボリュームスペース内は以下の3つの領域から構成されている。
1)ボリュームとファイル構造が記載されている場所(ファイルシステム管理情報記録領域)
…この領域は図7には記載されていないがファイルシステムの管理情報を記録する領域が定義されている。本実施形態では、UDF(Uniform Disc Format)に準拠しファイルシステムが構築されている。上記領域はそのファイルシステムの管理情報が記録される領域を示している。
2)1個のHD_DVD-Videoゾーン
…上記の領域に図7に記載された本実施形態におけるデータが記録されている。この領域はアドバンストコンテンツADVCTを記録する領域とスタンダードコンテンツSTDCTが記録される領域から構成されている。
3)他のDVD関連情報記録領域
…本実施形態のHD_DVD-Videoで使用する以外のDVD関連の情報が記録される領域であり、例えばHD_DVDのビデオレコーディング規格に関係した情報や、現行DVD-Videoや現行DVD-Audioに関する情報をこの領域に記録することができる。
上記2番目に記載し、図7に記載されたHD_DVD-Video領域において、本実施形態では以下の規則を設定する。
1)カテゴリー1とカテゴリー3に準拠した情報記録媒体では、スタンダードコンテンツSTDCTの記録領域内には1個のビデオマネージャーVMGの情報と1から1以上511以下のビデオタイトルセットVTSを記録することができる。カテゴリー2に対応した情報記憶媒体では前記スタンダードコンテンツSTDCTの記録領域を設定することはできない。
2)ビデオマネージャーVMGはカテゴリー1に対応した情報記憶媒体においてビデオマネージャーVMGは、HD_DVD-Video記録領域の中で最初の場所に記録しなければならない。
3)ビデオマネージャーVMGは2以上最大102個のファイルから構成されなければならない。
4)アドバンストビデオタイトルセットADVTSを除く各ビデオタイトルセットVTSは、少なくとも3以上200以下のファイルから構成されなければならない。
5)アドバンストコンテンツADVCT記録領域は、アドバンストビデオタイトルセットADVTSからなるアドバンストコンテンツADVCTの情報が記録されたファイルから構成される。アドバンストコンテンツADVCT記録領域内で記録されるファイル数の最大数は512×2047個とする。
6)アドバンストビデオタイトルセットADVTSは、3以上2999以下のファイルから構成されなければならない。
図8を用いアドバンストコンテンツADVCTの再生時とスタンダードコンテンツSTDCTの再生時における遷移関係の説明を行う。図7に示すカテゴリー3に対応した情報記憶媒体において、アドバンストコンテンツADVCTとスタンダードコンテンツSTDCTはそれぞれ独立に再生することが可能な構造になっている。インターネット接続を持った高級な情報再生装置にカテゴリー3に対応した情報記憶媒体を挿入すると、前記再生装置は初期状態INSTTの段階でアドバンストコンテンツADVCTの中に含まれるアドバンストナビゲーションADVNVを読みに行く。その後、アドバンストコンテンツ再生状態ADVPSへ遷移する。この処理状況は図6に示したカテゴリー2に対応した情報記憶媒体が挿入された場合にも同じ処理がなされる。図8のアドバンストコンテンツ再生状態ADVPSにおいて、マークアップMRKUPやスクリプトSCRPTに対応したコマンドMSCMDが実行されることにより再生状況がスタンダードコンテンツ再生状態STDPSへ遷移することができる。またスタンダードコンテンツ再生状態STDPSにおいては、スタンダードコンテンツSTDCT内に設定されたナビゲーションコマンド内のコマンドNCCMDが実行されることによりアドバンストコンテンツ再生状態ADVPSへ戻ることが可能となる。
スタンダードコンテンツSTDCTにおいて現行のDVD-Videoと同様、例えば表示アングル番号や再生音声番号などシステム的に設定された情報が記録されているシステムパラメータが定義されているが、本実施形態においては、アドバンストコンテンツ再生状態ADVPSにおいてもアドバンストコンテンツADVCTから前記のシステムパラメータに設定するデータを再生、あるいは前記システムパラメータの値を変更することが可能となっている。それにより従来のDVD-Videoの再生との互換性を確保できる。アドバンストコンテンツ再生状態ADVPSとスタンダードコンテンツ再生状態STDPS間のどちらの方向の遷移が行われていても、本実施形態においては前記システムパラメータの設定値は遷移をされてもシステムパラメータの値の継続性が保たれる。
図7に示したカテゴリー3に対応した情報記憶媒体に対し、ユーザーの好みでアドバンストコンテンツADVCTとスタンダードコンテンツSTDCT間で任意の遷移を行った場合、このようにシステムパラメータの値に継続性を持つことにより、例えば表示言語が遷移間でも同じに保たれユーザーの再生時の利便性を確保することができる。
図5〜図7に示した3種類の情報記憶媒体を装着した時の本実施形態における再生装置の媒体識別処理方法について図9に示す。
ネットワーク接続機能を持った高級な情報再生装置に情報記憶媒体を装着すると(ST4.1.1-1)情報再生装置はHD_DVDに対応した情報記憶媒体か否かを示す。(ST4.1.1-2)HD_DVDに対応した情報記憶媒体の場合には図13に示すルートディレクトリの直下にあるアドバンストコンテンツディレクトリADVCTの中に記録されているプレイリストファイルPLLSTを探しに行く。プレイリストファイルPLLSTが存在した場合には、前記情報記憶媒体はカテゴリー2もしくはカテゴリー3に対応していると判断する。もしプレイリストファイルPLLSTが存在しない場合には、スタンダードコンテンツSTDCT内のビデオマネージャーインフォメーションVMGI内に記録されているビデオマネージャーID番号VMGM_IDのチェックを行う。もし、カテゴリー1に対応した情報記憶媒体の場合にはビデオマネージャーID番号VMGM_IDが特定なデータとして記録されており、ビデオマネージャーカテゴリーVMG_CAT内の情報からカテゴリー1に対応したスタンダードコンテンツSTDCTのみが記録されていることを識別することができる。もし、装着された情報記憶媒体が図5〜図7に記載されたいずれのカテゴリーにも属さない情報記憶媒体の場合には各再生装置の対応処理に任せる。(ST4.1.1-7)
本実施形態では、映像の表示機能を持たず音声情報(オーディオ)のみを再生する再生装置も対応する。前記オーディオのみの情報再生装置におけるスタートアップシーケンスを図10に示す。
前記情報再生装置に情報記憶媒体を装着すると、まずHD_DVDに対応した情報記憶媒体か否かを判定する(ST4.1.2-1)。本実施形態におけるHD_DVDに対応した情報記憶媒体でない場合には、ST4.1.2-5に示すように情報再生装置に依存した処理方法に任せる。装着した情報記憶媒体が本実施形態のHD_DVDに対応した情報記憶媒体の場合には、再生装置はルートディレクトリの直下にあるアドバンストコンテンツディレクトリADVCTに記録されたプレイリストファイルPLLSTの有無を確認する。もし、プレイリストファイルPLLSTが存在した場合には音声のみの情報再生を行う再生装置として音声情報の再生を行う。この時にも前記情報再生装置は必ずプレイリストファイルPLLSTを経由し情報の再生を行う(ST4.1.2-4)。
図11を用い本実施形態におけるスタンダードコンテンツSTDCT内のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBとアドバンストコンテンツADVCTのエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBに対する管理方法の違い(コンテンツへのデータアクセスの違いなど)について説明を行う。
本実施形態においてスタンダードコンテンツSTDCTでの管理情報であるスタンダードビデオタイトルセットインフォメーションSTVTSI上では、各エンハンストビデオオブジェクトデータEVOBへのアクセス情報として論理空間上のアドレス情報である論理セクタ番号LSNで指定されている。このように、アドレス情報で管理することにより、現行のDVD-Video規格との間の互換性を確保している。それに対し、アドバンストコンテンツADVCTにおけるエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBの管理方法がアドレス情報ではなく、時間情報により管理しているところに大きな特徴がある。それにより、現行の録画再生が可能なビデオレコーディング規格との互換性を確保できるだけでなく編集の容易性を確保できる。すなわち、アドバンストコンテンツADVCT上での再生管理情報を表すプレイリストPLLSTでは、再生位置アドバンストビデオオブジェクトデータEVOB上の再生範囲を時間情報で設定している。本実施形態におけるアドバンストコンテンツADVCTにおいては、プレイリストPLLSTで指定された時間情報をタイムマップインフォメーションTMAPIによりアドレス情報に変換することができる。前記タイムマップインフォメーションTMAPIは指定された時間情報から情報記憶媒体上の論理アドレス位置を示す論理セクタ番号LSNに変換するための情報である。前記タイムマップインフォメーションTMAPIは前記プレイリストPLLSTとは別位置に記録されている。更にスタンダードコンテンツSTDCTのスタンダードビデオタイトルセットインフォメーションSTVTSIに対応するものとして、アドバンストコンテンツADVCTではアドバンストビデオタイトルセットインフォメーションADVTSIが存在する。このアドバンストビデオタイトルセットインフォメーションADVTSI内には各エンハンストビデオオブジェクトデータEVOBの個々の属性情報が記録されているエンハンストビデオオブジェクトインフォメーションEVOBI情報が記録されている。このエンハンストビデオオブジェクトインフォメーションEVOBI情報が属性情報の管理として個々のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBを参照かつ管理している。このアドバンストビデオオブジェクトインフォメーションEVOBI#3がスタンダードコンテーツSTDCT内のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBの属性を管理及び参照することによりアドバンストコンテンツADVCTの再生を管理するプレイリストPLLST内でスタンダードコンテンツSTDCT内のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBの再生をも指定することができる。
上述したようにアドバンストコンテンツADVCTから、スタンダードコンテンツSTDCTの一部を利用できるようになっていることに本実施形態の特徴がある。
例えば図11に示すように、アドバンストコンテンツADVCT内のタイムマップインフォメーションTMAPI#3を利用し、アドバンストビデオタイトルセットインフォメーションADVTSI内のエンハンストビデオオブジェクトインフォメーションEVOBI#3が、スタンダードコンテンツSTDCT内のエンハンストビデオオブジェクデータEVOB#3を参照し、前記エンハンストビデオオブジェクトデータEVOB#3を再生できるようになっている。また図11に示すようにアドバンストコンテンツ内のエンハンストビデオオブジェクトインフォメーションEVOBI#3から参照されたエンハンストビデオオブジェクトデータEVOB#3は、スタンダードビデオタイトルセットインフォメーションSTVTSIからも参照可能である。このように本実施形態において同一のスタンダードコンテンツSTDCT内のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOB#3が複数のところから参照可能とすることにより、兼用して利用でき情報記憶媒体上に記録するデータの効率・向上が行える。
しかしながら、このエンハンストビデオオブジェクトデータEVOB#3の中にはハイライトインフォメーションHLIや、プレゼンテーションコントロールインフォメーションPCIなどの情報が含まれているが、これらの情報に対しては、アドバンストコンテンツADVCTはサポートせず、これらハイライトインフォメーションHLIやプレゼンテーションコントロールインフォメーションPCIで規定された情報はプレイリストPLLSTに基づくアドバンストコンテンツADVCT再生時には無視される。
図11に示すアドバンストビデオタイトルセットADVTSについて説明を行う。前記アドバンストビデオタイトルセットADVTSは、アドバンストコンテンツADVCTに対するビデオタイトルセットとして利用される。図11に示したアドバンストビデオタイトルセットADVTSとスタンダードビデオタイトルセットSVTSの違いを以下に示す。
1)アドバンストコンテンツADVCT内エンハンストビデオオブジェクトデータEVOBサポート情報
1個のメインビデオストリームMANVDを持つことができ、最大8個までのメインオーディオストリームMANADと1個のサブビデオストリームSUBVDと最大8個までのサブオーディオストリームSUBADと最大32個までのサブピクチャーストリーム(副映像)SUBPTと1個のアドバンストストリーム(後述するアドバンストアプリケーションADAPLが記録されるストリームデータ)を持つことができる。
2)エンハンストビデオオブジェクトセットEVOBSのインテグレーション
図4に示すようにスタンダードコンテンツSTDTCにおいてはメニュー画面を表すビデオマネージャーVMG内のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBと再生する映像そのものを表すスタンダードビデオタイトルセットSVTS内のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBが完全に分離され、同時に動画とメニュー画面を同時に表示することはできなかった。それに対して本実施形態におけるアドバンストビデオタイトルセットADVCTでは、メニュー画面と動画を表す映像画面と混合して管理/表示することができる。 3)映像に対する管理情報の階層化の廃止
現行のDVD-VideoおよびスタンダードコンテンツSTDCTにおいては、映像の管理単位としてプログラムチェーンPGC/パートオブタイトルPTT/セルの階層構造を取っていたが、本実施形態におけるアドバンストコンテンツADVCTの管理方法としてはこのような階層構造を取らない。また、現行DVD-VideoとおよびスタンダードコンテンツSTDCTでは、ジャンプ処理など特殊処理を行うためのナビゲーションコマンドや、ユーザーオペレーション処理を行っていたが、本実施形態におけるアドバンストコンテンツADVCTでは、それらの処理も行わない。
4)新たなタイムマップインフォメーションTMAPIの導入
後述するコンティギュアスブロックにおいて1個のタイムマップインフォメーションTMAPIは、1個のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBに対応して各タイムマップインフォメーションTMAPIはそれぞれ1ファイルとして情報記憶媒体上に記録される。インターリーブドブロックの場合には、そのインターリーブドブロック内のそれぞれのストリームに対応した複数のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBが含まれるが、個々のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBに対応してタイムマップインフォメーションTMAPIが設定され、1個のインターリーブドブロック単位でそれら複数のタイムマップインフォメーションTMAPIが1個のファイル内に記録される。さらに、従来のDVD-Video及びスタンダードコンテンツSTDCTで定義されるナビゲーションパックNV_PCK内の情報は簡素化され、記録される。
図11に示したアドバンストコンテンツADVCTにおけるアドバンストビデオタイトルセットADVTSの中のデータ構造について以下に説明を行う。
本実施形態においてアドバンストビデオタイトルセットADVTSは、映像情報そのものを表す1個のタイトルから1個のアドバンストビデオタイトルセットADVTSが成り立っている。本実施形態においてアドバンストビデオタイトルセットADVTSは、制御情報が記録されているアドバンストビデオタイトルセットインフォメーションADVTSIと、映像そのものを表す映像のタイトルが入っているエンハンストビデオオブジェクトセットVTSTT_EVOBSと、図11に示すようなタイムマップインフォメーションTMAPIが記録されるビデオタイトルセットタイムマップインフォメーションVTS_TMAPと、前記アドバンストビデオタイトルセットADVTSのバックアップ情報ADVTSI_BUPと前記タイムマップインフォメーションのバックアップVTS_TMAP_BUPから構成される。それらは、前記記載した順番に従い情報記憶媒体上に連続して記録されなければならない。本実施形態におけるアドバンストビデオタイトルセットADVTSが従うべきルールを以下に説明する。
1)制御情報であるアドバンストビデオタイトルセットインフォメーションADVTSIとそのバックアップ情報ADVTSI_BUPは、それぞれ1個ずつのファイルとして情報記憶媒体に記録される。
2)アドバンストビデオタイトルセットインフォメーションADVTSIとそのバックアップ情報ADVTSI_BUPは同じ1個のECCブロック内に共存してはならない。アドバンストビデオタイトルセットインフォメーションADVTSIとそのバックアップ情報ADVTSI_BUPが連続記録される場合、アドバンストビデオタイトルセットインフォメーションADVTSI内の最後の情報が1個のECCブロックの途中に来た場合に、同一ECCブロック内の残りの部分にパディング情報を入れ、次に来るバックアップ情報ADVTSI_BUPとは別のECCブロック内に配置されるように工夫する必要がある。それにより、アドバンストビデオタイトルセットインフォメーションADVTSIと次に来るバックアップ情報ADVTSI_BUPとの間の境界部分でのECCブロックがエラーにより読めなくてもどちらか一方が再生でき、再生時の信頼性が向上する。
3)各ビデオタイトルセットタイムマップインフォメーションVTS_TMAPとそのバックアップ情報VTS_TMAP_BUPは、それぞれ1個以上最大999以下のファイル内にそれぞれ記録されなければならない。
4)各ビデオタイトルセットタイムマップインフォメーションVTS_TMAPとそのバックアップ情報VTS_TMAP_BUPは、1個の同一ECCブロック内に共存記録されてはならない。すなわち、2)と同様、両者の境界部分が1個のECCブロック内に配置されそうになった場合には、ビデオタイトルセットタイムマップインフォメーションVTS_TMAPの最後の部分が1ECCブロックの途中で終わった場合には、パディングデータを記録し、次のバックアップVTS_TMAP_BUPが次のECCブロックの先頭位置から記録されるように配置する。それにより再生時の信頼性を確保することができる。
5)各ビデオタイトルセットタイムマップインフォメーションVTS_TMAPを構成する複数のファイルは、情報記憶媒体上において連続した場所に記録されなければならない。それにより、光学ヘッドの不必要なジャンプアクセス処理を不要とし、1回の連続再生で前記ビデオタイトルセットタイムマップインフォメーションVTS_TMAPを再生することができ、再生処理の容易性と高速性が図られる。
6)各ビデオタイトルセットタイムマップインフォメーションVTS_TMAPのバックアップVTS_TMAP_BUPを構成する複数のファイルは、情報記憶媒体上の連続した位置に記録されなければならない。それにより、上記5)と同様、再生処理の簡素化と高速化が図れる。
7)タイトルが記録されたアドバンストビデオタイトルセットのエンハンストビデオオブジェクトセットVTSTT_EVOBSは、1個以上最大999個以下のファイルとして情報記憶媒体上に記録されなければならない。
8)アドバンストビデオタイトルセットのタイトルが記録されたエンハンストビデオオブジェクトセットVTSTT_EVOBSが記録された複数のファイルは、情報記憶媒体上で連続した位置に記録されなければならない。それにより、エンハンストビデオタイトルセットのタイトルが記録されたエンハンストビデオオブジェクトセットVTSTT_EVOBSを1度の連続再生で再生することができ、再生時の連続性を保証することができる。
9)アドバンストビデオタイトルセットインフォメーションADVTSIのバックアップADVTSI_BUPは、アドバンストビデオタイトルセットインフォメーションADVTSIと完全に一致した内容を持たなければならない。
以下に図11に示したアドバンストコンテンツADVCT内のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBのデータ構造について説明を行う。本実施形態では、前記エンハンストビデオオブジェクトデータEVOBの集合体をエンハンストビデオオブジェクトセットEVOBSと呼び、それらのデータはビデオデータ、オーディオデータ、サブピクチャーデータなどから構成される。アドバンストコンテンツADVCT内でのエンハンストビデオオブジェクトセットEVOBSに関しては、本実施形態では以下のルールが適用される。
1)各エンハンストビデオオブジェクトデータEVOBは後述するコンティギュアスブロック又はインターリーブドブロック内に記録される。
2)1個のエンハンストビデオオブジェクトセットEVOBSは、1以上のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBから構成される。前記、エンハンストビデオオブジェクトデータのID番号EVOB_IDは、情報記憶媒体上に記録された各エンハンストビデオオブジェクトデータEVOBの配置順に設定される。すなわち、各論理空間上でのエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBが記録されたアドレスを表すロジカルセクタ番号LSNの若い順に前記ID番号EVOB_IDが付けられ、最初の番号は1として設定される。又、前記エンハンストビデオオブジェクトデータのID番号EVOB_IDは、アドバンストタイトルセットインフォメーションADVTSIで記述されるエンハンストビデオオブジェクトインフォメーションEVOBIの番号と一致する。すなわち図11示すように、エンハンストビデオオブジェクトデータEVOB#1はID番号EVOB_IDが“1”と設定され、エンハンストビデオオブジェクトデータEVOB#2のID番号EVOB_IDは“2”として設定され、それらを制御するエンハンストビデオオブジェクトインフォメーションEVOBI#1の番号が“1”、またエンハンストビデオオブジェクトデータEVOB#2を管理するエンハンストビデオオブジェクトインフォメーションEVOBI#2の番号も“2”と設定される。
3)もし、エンハンストビデオオブジェクトデータEVOBがコンティギュアスブロック内に記録された場合には、各エンハンストビデオオブジェクトデータEVOBは、それぞれ対応した1個のタイムマップファイルを持つ。すなわち図11に示すように、エンハンストビデオオブジェクトデータ#1の時間を管理する部分としてタイムマップインフォメーションTMAPI#1が存在し、このタイムマップインフォメーションTMAPI#1が1個のタイムマップファイルとして情報記憶媒体上に記録される。複数のエンハンストビデオオブジェクトデータEVOBがインターリーブドブロックを構成する場合には、1個のインターリーブドブロックに対応して1個のタイムマップファイルが情報記憶媒体上に記録される。
本実施形態におけるアドバンストコンテンツADVCTでは、図12に示すオブジェクト情報を使用する。各オブジェクト情報のデータタイプ及びオブジェクト記録場所、デコーダー再生処理部の対応は図12に示すような状況になっている。まず始めにオブジェクトの記録場所としてネットワーク経由と、パーシステントストレージPRSTRについて説明を行う。
図12オブジェクトの記録場所に関するネットワーク経由について説明を行う。
本実施形態において、アドバンストコンテンツADVCTを再生するためのオブジェクトの記録場所としてネットワークサーバーNTSRVからネットワークを経由して転送されたオブジェクトデータの再生を前提としている。従って本実施形態における高機能なプレーヤーは、ネットワークアクセスを前提としている。ネットワーク経由でデータを転送する場合のオブジェクトが記録されている場所を表すネットワークサーバーNTSRVは、通常再生時の情報記憶媒体DISCのアドバンストコンテンツADVCT内でアクセスすべきサーバーが指定されており、そのサーバー設定はアドバンストコンテンツADVCTを作成したコンテンツプロバイダにより設定される。前記ネットワークサーバーNTSRVは通常インターネット上にネットワークサーバーNTSRVが設定されている。
本実施形態におけるアドバンストコンテンツADVCTが記録されたファイルが、前記ネットワークサーバーNTSRV内に事前に記録されている。事前に設定されたアプリケーション処理コマンドAPIにより、アドバンストナビゲーションADVNVがファイルキャッシュFLCCH(データキャッシュDTCCH)又は後述するパーシステントストレージPRSTR上にダウンロードされる。本実施形態においては、前記ネットワークサーバーNTSRVからプライマリービデオセットPRMVSをプライマリービデオセットプレーヤーにより、直接再生はできないようになっている。前記プライマリービデオセットPRMVSは、パーシステントストレージPRSTRに1度記録され、後述するパーシステントストレージPRSTR経由でデータ再生が行われる。セカンダリーエンハンストビデオオブジェクトデータS-EVOBは、ストリーミングバッファを利用しネットワークサーバーNTSRVから直接セカンダリービデオプレーヤーSCDVPにより再生することができる。図12に示したパーシステントストレージPRSTRについて以下に説明を行う。
本実施形態において、パーシステントストレージPRSTRについては2種類定義する。1つ目としては、固定されたパーシステントストレージPRSTRと呼ばれ、本実施形態における情報記録再生装置1(プレーヤー)においては、前記パーシステントストレージPRSTRを必須で持つことを義務づけられている。前記固定されたパーシステントストレージPRSTRとして最も多く使われる具体的な記録媒体として本実施形態ではフラッシュメモリを想定している。本実施形態において前記固定されたパーシステントストレージPRSTRの容量は64MB以上あることを前提とする。前記のようにパーシステントストレージPRSTRの最低許容されるメモリ容量を設定することにより、情報記録再生装置1の具体的な詳細構成に依らずアドバンストコンテンツADVCTの再生安定性を保証できる。図12で示すようにオブジェクトの記録場所としてファイルキャッシュFLCCH(データーキャッシュDTCCH)が指定されている。前記ファイルキャッシュFLCCH(データーキャッシュDTCCH)は、例えばDRAMやSRAMのような比較的容量の少ないキャッシュメモリを表している。また本実施形態における固定されたパーシステントストレージPRSTRはフラッシュメモリを内蔵し、そのメモリ自身は情報再生装置からの取出しが不可能な形として設定する。しかし本実施形態はそれに限らず、例えば前記固定型パーシステントストレージPRSTRに可搬形のフラッシュメモリを使用することもできる。
本実施形態における他のパーシステントストレージPRSTRのタイプは付加的なパーシステントストレージPRSTRと呼ぶ。前記付加的なパーシステントストレージPRSTR はリムーバブルなストレージデバイスであり、例えばUSBメモリや可搬形HDD、またはメモリーカードなどで実現することができる。
本実施形態では固定的なパーシステムテントストレージPRSTRとしての例としてフラッシュメモリ、また付加的なパーシステントストレージPRSTRとして、USBメモリ、可搬形HDD、メモリーカードなどを挙げたが、本実施形態はそれに限らず他の記録媒体を使うことも可能である。
本実施形態においては、それらのパーシステントストレージPRSTRに対してはデータ処理コマンドAPI(アプリケーションインターフェース)を利用してデータ出し入れなどの処理を行う。特定のアドバンストコンテンツADVCTが記録されたファイルは、前記パーシステントストレージPRSTR内に記録することができる。アドバンストナビゲーションADVNVはデータソースからアドバンストナビゲーションADVNVが記録されたファイルを、前記パーシステントストレージPRSTRやファイルキャッシュFLCCH(データーキャッシュDTCCH)などにコピーすることができる。プライマリービデオプレーヤーPRMVPはプライマリービデオセットPRMVSを前記パーシステントストレージPRSTRから直接読取り、表示することができる。またセカンダリービデオプレーヤーSCDVPは、セカンダリービデオセットSCDVSを前記パーシステントストレージPRSTRから直接読取り、表示することができる。
本実施形態において情報記憶媒体や前記パーシステントストレージPRSTR、またはネットワークサーバーNTSRVに記録されたアドバンストアプリケーションADAPLやアドバンストサブタイトルADSBTの情報は必ず一度ファイルキャッシュ内に記録された後データ処理される。本実施形態のようにアドバンストアプリケーションADAPLや、アドバンストサブタイトルADSBTをファイルキャッシュFLCCH(データーキャッシュDTCCH)に一度取込むことにより表示処理や制御処理の高速化を保証することができる。
図12に示す再生処理部であるプライマリービデオプレーヤーPRMVPとセカンダリービデオプレーヤーSCDVPについては後述するが、プライマリービデオプレーヤーPRMVP内にはメインビデオデコーダーMVDEC、メインオーディオデコーダーMADEC、サブビデオデコーダーSVDEC、サブオーディオデコーダーとSADECとサブピクチャーデコーダーSPDECを持ち、セカンダリービデオプレーヤーSCDVPは、メインビデオデコーダーMADEC、メインオーディオデコーダーMADEC、サブビデオデコーダーSVDECとサブオーディオデコーダーSADECを前記のプライマリービデオプレーヤーPRMVP内の各種デコーダーと兼用する。またアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENとアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLについても後述する。
本実施形態において1枚の情報記憶媒体DISC内に、唯一1個のプライマリービデオセットPRMVSが存在する。このプライマリービデオセットPRMVSは、その管理情報と1以上のエンハンストビデオオブジェクトEVOBファイルと、タイムマップTMAPファイルから構成され、それぞれの組で一致したファイル名が使われる。
プライマリービデオセットPRMVSは、プライマリーオーディオビデオPRMAVのフォーマットを含む。プライマリービデオセットPRMVSのデータ構造は、アドバンストビデオタイトルセットインフォメーションADVTSI、タイムマップTMAP及びプライマリーエンハンストビデオオブジェクトデータP-EVOBなどから構成されている。プライマリービデオセットPRMVSはプライマリービデオプレーヤーPRMVPにより再生される。
図12に示すプライマリービデオセットPRMVSのデータ中身について説明を行う。
本実施形態においてプライマリービデオセットPRMVSは主に情報記憶媒体に記録されたメインの映像データを意味する。このプライマリービデオセットPRMVSのデータタイプとしてプライマリーオーディオPRMAVがあり、メインビデオMANVDとメインオーディオMANADと副映像SUBPTは従来のDVD-Videoや、本実施形態におけるスタンダードコンテンツSTDCTのビデオ情報、オーディオ情報、副映像と同じものを意味する。本実施形態におけるアドバンストコンテンツADVCTでは新たに同時に二つまでの画面を表示することが可能となっている。すなわち、メインビデオMANVDと同時に再生が可能な映像としてサブビデオSUBVDが定義され、また同様、メインオーディオMANADと同時に出力が可能なサブオーディオSUBADが新たに定義されている。
本実施形態において、サブオーディオSUBADの使い方として以下の2種類を考えることができる。
1)同時にメインビデオMANVDとサブビデオSUBVDが表示される場合、前記サブビデオSUBVDの音声情報をサブオーディオSUBADで出力する方法
2)画面にはメインビデオMANVDのみが再生・表示され、それに対応したメインビデオMANVDの映像に対応した音声であるメインオーディオMANADが出力されている時に、例えば監督のコメントを音声で重ねて表示をする場合、前記サブオーディオSUBADを監督のコメントとしてメインオーディオMANADに重ねて表示する
セカンダリービデオセットSCDVSは、プライマリービデオセットPRMVS内のメインオーディオMANADに対する置換えとして使用される場合と、プライマリービデオセットPRMVSの付加情報もしくは、代替情報として使われる使い方がある。また本実施形態ではそれに限らず、セカンダリービデオセットSCDVSをサブスティテュートオーディオSBTADのメインオーディオMANADの置換えあるいは、セカンダリーオーディオビデオSCDAVの追加(重ねた状態での表示)あるいは、置換えとして使うこともできる。本実施形態においてセカンダリービデオセットSCDVSのコンテンツは、前述したようなネットワークサーバーNTSRVからネットワーク経由でダウンロードすることもできるし、前述したパーシステントストレージPRSTRに記録され、利用されるか、あるいは、本発明の情報記憶媒体DISCに事前に記録されることもできる。もし、前記セカンダリービデオセットSCDVSの情報が本発明情報記憶媒体DISC内に記録されている場合には、前記セカンダリービデオセットSCDVSのファイルがファイルキャッシュFLCCH(データキャッシュDTCCH)又はパーシステントストレージPRSTRに一度記録され、その後ファイルキャッシュ又はパーシステントストレージPRSTRから再生される形態を取る。また前記セカンダリービデオセットSCDVSの情報は、プライマリービデオセットPRMVSの一部のデータと同時に再生することもできる。本実施形態において、情報記憶媒体DISCに記録されたプライマリービデオセットPRMVSを直接アクセスし表示することができるが、本実施形態における情報記憶媒体DISCに記録されたセカンダリービデオセットSCDVSは直接再生することはできない。また本実施形態において、プライマリービデオセットPRMVS内の情報は、前述したパーシステントストレージPRSTRに記録され、パーシステントストレージPRSTRから直接プライマリービデオセットPRMVSを再生することができる。すなわち、前記セカンダリービデオセットSCDVSがネットワークサーバーNTSRV上に記録されている場合には、前記セカンダリービデオセットSCDVSの内容を全てファイルキャッシュFLCCH(データーキャッシュDTCCH)かパーシステントストレージPRSTRに1度転送した後、再生するようになっている。また本実施形態においてはそれに限らず、ネットワークサーバーNTSRV上に記録されたセカンダリービデオセットSCDVSをストリーミングバッファがオーバーフローさせない範囲で適宜部分的にセカンダリービデオセットSCDVSの一部をストリーミングバッファに格納し、そこから再生することもできる。
セカンダリービデオセットSCDVSは、サブスティテュートオーディオSBTADとセカンダリーオーディオビデオSCDAVの2種類のタイプのオブジェクトが含まれる。セカンダリービデオセットSCDVSは、情報記憶媒体DISC、ネットワークサーバーNTSRV、パーシステントストレージPRSTRやファイルキャッシュから情報を読取ることが可能である。セカンダリービデオセットSCDVSのデータ構造は、アドバンストビデオタイトルセットADVTSを簡素化し、一部修正したものである。セカンダリービデオセットSCDVSはタイムマップTMAPとセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトデータS-EVOBからなる。セカンダリービデオセットSCDVSは、セカンダリービデオプレーヤーSCDVPにより再生される。
図12に示すセカンダリービデオセットSCDVSのデータ中身について説明を行う。
基本的にはセカンダリービデオセットSCDVSはパーシステントストレージPRSTRやネットワークを経由し、本実施形態に示す情報記憶媒体以外から情報を取込み、前記説明したプライマリービデオセットPRMVSと一部置換えて表示するデータのことを示している。すなわち、図12に示すメインオーディオデコーダーMADECはプライマリービデオプレーヤーPRMVPとセカンダリービデオプレーヤーSCDVPのメインオーディオデコーダーMADECは共通のものを示し、セカンダリービデオプレーヤーSCDVPでのメインオーディオデコーダーMADECを使い、セカンダリービデオセットSCDVSのコンテンツを再生する時には、プライマリービデオプレーヤーPRMVPによるプライマリービデオセットPRMVSのサブオーディオSUBADは再生されず、セカンダリービデオセットSCDVSのデータで置換えられて表示される。セカンダリービデオセットSCDVSにはサブスティテュートオーディオビデオSBTAV、サブスティテュートオーディオSBTADとセカンダリーオーディオビデオSCDAVの3種類が存在する。サブスティテュートオーディオSBTAD内のメインオーディオMANADは基本的にプライマリービデオセットPRMVS内のメインオーディオMANADと置換えられる時に利用される。前記サブスティテュートオーディオSBTADは、1個のメインオーディオストリームMANADから構成される。例えば、プライマリービデオセットPRMVSとして予め情報記憶媒体DISCに記録されたメインオーディオMANADが、メインビデオMANVDのビデオ映像に対し日本語と英語が記録されている場合、メインオーディオMANADではユーザー表示する時に日本語か英語の音声しか表示することができない。それに対して、例えば中国語を母国語としているユーザーでは、ネットワーク経由でネットワークサーバーNTSRV内に記録されている中国語の音声情報をネットワークダウンロードし、前記日本語又は英語で表示する代わりに、プライマリービデオセットPRMVSのメインビデオMANVD再生時の音声をセカンダリービデオセットSCDVSのメインオーディオMANADとして中国語に置き換えて音声出力することが本実施形態により可能となる。
同様にサブスティテュートオーディオビデオSBTAV内のメインビデオMANVDとメインオーディオMANADは基本的にプライマリービデオセットPRMVS内のメインビデオMANVDとメインオーディオMANADとを同時に置換えられる時に利用される。前記サブスティテュートオーディオビデオSBTAVは、1個のメインビデオストリームMANVDと1個のメインオーディオストリームMANADから構成される。例えば、プライマリービデオセットPRMVSとして図17〜図19に示す上映予告41がメインビデオストリームMANVDとメインオーディオストリームMANADの形で予め情報記憶媒体DISCに記録された場合、前記情報記憶媒体DISC発売日から大幅に日付が経過し前記上映予告41の内容を変更したい時にネットワークサーバーNTSRVから前記サブスティテュートオーディオビデオSBTAV内のメインビデオMANVDとメインオーディオMANADを同時に置き換えてユーザーに表示する時に利用できる。それに対して、セカンダリービデオセットSCDVSのサブオーディオSUBADは、例えば前述したようなプライマリービデオセットPRMVSのメインビデオMANVDと同期して出力されるメインオーディオMANADにかぶせて、例えば監督のコメント情報を同時に表示させるなど、2画面で表示する時のセカンダリーオーディオビデオのSCDAVのサブビデオSUBVDの画面に同期した音声を表示する時にセカンダリービデオセットSCDVSのサブオーディオSUBADを使用することができる。
本実施形態においてセカンダリーオーディオビデオSCDAVは、1個以下(0を含む)のサブビデオUBVDと1個以下の(0を含む)サブオーディオSUBADを含む。本実施形態において、セカンダリーオーディオビデオSCDAVはプライマリービデオセットPRMAVに重ねて(追加して)表示するために使われている。また、本実施形態において前記セカンダリーオーディオビデオSCDAVはプライマリービデオセットPRMVS内のサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADとの置換えとして使うこともできる。
セカンダリーオーディオビデオSCDAVは、プライマリーオーディオビデオPRMAVのサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADの置換えとして使用される。セカンダリーオーディオビデオSCDAVは、次のような条件が含まれている。
1)サブビデオSUBVDストリームのみを持つ
2)サブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADが共に含まれる場合
3)サブオーディオSUBADが単独で存在する
前記、セカンダリーオーディオビデオSCDAV内のストリーム再生時において、プライマリーオーディオビデオPRMAV内のサブビデオSUBVDやサブオーディオSUBADを再生することはできない。前記セカンダリーオーディオビデオSCDAVはセカンダリービデオセットSCDVSに含まれる。
図12におけるアドバンストアプリケーションADAPL内の情報には、マークアップMRKUP、スクリプトSCRPT、静止画IMAGE、イフェクトオーディオEFTAD、フォントFONTなどが含まれる。前述したようにこれらのアドバンストアプリケーションADAPLの情報は、一度ファイルキャッシュに蓄えられ使用される。ファイルキャッシュFLCCH(データーキャッシュDTCCH)へのダウンロードに関する情報は後述するマニュフェストファイルMNFSTの中に記録される。また前記アドバンストアプリケーションADAPLのダウンロードタイミングなどの情報は、プレイリストPLLST内のリソースインフォメーションRESRCI内に記述されている。また本実施形態では前記マニュフェストファイル内MNFSTには、初期に実行されるマークアップMRKUP情報に関するローディングに関する情報や、スクリプトファイルSCRPTに記録された情報をファイルキャッシュFLCCH(データーキャッシュDTCCH)にローディングする時に必要な情報なども記録されている。
アドバンストアプリケーションADAPLは、以下に述べる3つの機能を持っている。
最初の機能はアドバンストコンテンツADVCTの再生遷移に対する制御機能(例えば異なる画面間のジャンプ制御など)であり、2番目の機能としてメニューボタンなどのグラフィカルな表示を実現することである。そして3番目の機能としては音声再生時のイフェクト制御機能である。アドバンストナビゲーションADVNVのファイルは、アドバンストアプリケーションADAPLの実現において、マニュフェストMNFST、スクリプトSCRPT及びマークアップMRKUPなどからなる。アドバンストエレメントADVELファイル内の情報は静止画IMAGEやフォントFONTなどに関する情報であり、前記2番目の機能のグラフィカル表示やオーディオ表示の時の表示アイコンや表示オーディオとして使用される。
アドバンストサブタイトルADSBTもアドバンストアプリケーションADAPLと同様、一度ファイルキャッシュFLCCH(データーキャッシュDTCCH)に保存された後使用される。アドバンストサブタイトルADSBTの情報は情報記憶媒体DISCやパーシステントストレージPRSTR、あるいはネットワークから取込むことができる。本実施形態におけるアドバンストサブタイトルADSBTは基本的に、従来の映像に対する置換えされた字幕やテロップもしくは絵文字や静止画などのイメージが記録される。字幕の置換えとしては基本的には前記イメージ以外にはテキストがベースとなっているが、フォントFONTが変わって表示することもできる。これらアドバンストサブタイトルADSBTはネットワークサーバーNTSRVからダウンロードして追加でき、例えば情報記憶媒体DISCに入っているプライマリービデオセットPRMVS内のメインビデオMANVDを再生しながら新しい字幕や、その映像に対する説明文を流す為に使うこともできる。前述したように例えばプライマリービデオセットPRMVS内の字幕として日本語と英語のみの字幕が副映像SUBPTに入っていた場合、中国語を母国語としているユーザーがネットワークダウンロードにより、中国語の字幕をアドバンストサブタイトルADSBTとしてネットワークサーバーNTSRVから読取り、表示するなどの使用方法がある。この場合のデータタイプはアドバンストサブタイトルADSBTやフォントFONTに対するマークアップMRKUPSのタイプとして設定される。
本実施形態において前記アドバンストサブタイトルADSBTは、プライマリービデオセットPRMVSのメインビデオMANVDと同期して表示されるサブタイトル(字幕など)として使用することができる。前記アドバンストサブタイトルADSBTは、プライマリービデオセットPRMVS内の副映像SUBPTに対する同時表示(追加表示処理)として使うこともできるし、前記プライマリービデオセットPRMVSの副映像SUBPTの置換えとして利用することもできる。前記アドバンストサブタイトルADSBTは、アドバンストサブタイトルADSBTに対する1個のマニュフェストファイルMNFSTSと、アドバンストサブタイトルADSBTの1個のマークアップファイルMRKUPSとそして1個のフォントファイルFONTSから構成される。前記アドバンストサブタイトルADSBTのマークアップファイルMRKUPSは、アドバンストアプリケーションADAPLのマークアップMRKUPのサブセットとして存在している。
アドバンストコンテンツADVCTでは、サブタイトルに関し2つの意味を持つ。
1つ目としてスタンダードコンテンツSTDCTの副映像機能と同様、プライマリーオーディオビデオPRMAVにおける副映像ストリームとして使われる。また、もう一つの意味としてアドバンストサブタイトルADSBTとして使用される。両方のそれぞれの意味は同時に両方の目的で使ってはならない。前記アドバンストサブタイトルADSBTはアドバンストアプリケーションADAPLのサブセットとして位置付けられる。
アドバンストストリームはプライマリービデオセットPRMVSを除く、1以上のアドバンストコンテンツファイルADVCTから構成されるパッケージファイルを意味している。前記アドバンストストリームはプライマリーエンハンストビデオオブジェクトセットP-EVOBSの中にマルチプレクスされて記録され、一旦ファイルキャッシュFLCCH(データーキャッシュDTCCH)に転送される。このプライマリーエンハンストビデオオブジェクトセットP-EVOBSは、プライマリービデオプレーヤーPRMVPにより再生処理が行われる。これら、プライマリーエンハンストビデオオブジェクトセットP-EVOBS内にマルチプレクスされて記録されたファイルは、アドバンストコンテンツADVCTの再生時には必須なファイルであり、本実施形態の情報記憶媒体DISC上にファイル構造で記録されている。
アドバンストナビゲーションADVNVに関するファイルは、アドバンストコンテンツADVCTの再生時、割込み処理に利用される。
プライマリーオーディオビデオPRMAVは、メインビデオMANVD、メインオーディオMANAD、サブビデオSUBVD、サブオーディオSUBADと副映像SUBPTなどが含まれるストリームから構成される。情報再生装置は、メインビデオMANVDとメインオーディオMANVD再生時に、付加的にサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADを同時に再生することができる。プライマリーオーディオビデオPRMAVは情報記憶媒体DISC、もしくはパーシステントストレージPRSTRに記録することができる。プライマリーオーディオビデオPRMAVは、プライマリービデオセットPRMVSの一部として含まれる。ビデオとオーディオの組合せ再生は、プライマリーオーディオビデオPRMAVとセカンダリービデオセットSCDVS内のオブジェクト条件により制限される。プライマリーオーディオビデオPRMAVはアドバンストアプリケーションADAPLや、アドバンストサブタイトルADSBTなどに使われる各種データファイルを一緒に持つことができる。これらのファイルに含まれるストリームはアドバンストストリームと呼ばれている。
サブスティテュートオーディオSBTADは、プライマリーオーディオビデオPRMAVのメインオーディオMANADの置換えとして使用される。それは、メインオーディオMANADストリームのみから構成されている。サブスティテュートオーディオSBTAD再生時において、プライマリービデオセットPRMVS内のメインオーディオMANADを再生することはできない。前記サブスティテュートオーディオSBTADは、セカンダリービデオセットSCDVSに含まれる。
サブスティテュートオーディオビデオSBTAVは、プライマリービデオセットPRMVSのメインビデオMANVDとメインオーディオMANADの両方を同時に交換して表示する時に利用される。前記サブスティテュートオーディオビデオSBTAVはメインビデオストリームMANVDを含むことが必須となる。また前記サブスティテュートオーディオビデオSBTAVは、メインオーディオストリームMANADを含んでもよい。前記プライマリービデオセットPRMVSと前記サブスティテュートオーディオビデオSBTAVを同時に再生表示することはできない。前記サブスティテュートオーディオビデオSBTAVはセカンダリービデオセットSCDVSの一種として含まれる。
アドバンストコンテンツADVCTのプライマリーエンハンストビデオオブジェクトP-EVOBはプライマリービデオセットPRMVSの再生データを表すデータストリームを意味している。プライマリービデオセットPRMVSの再生データのタイプとしては、メインビデオMANVD、メインオーディオMANAD、サブビデオSUBVD、サブオーディオSUBADと副映像SUBPTが含まれる。本実施形態においてプライマリーエンハンストビデオオブジェクトP-EVOB内に含まれるパックとしては、現行DVD及びスタンダードコンテンツSTDCTと同様ナビゲーションパックNV_PCKを持つと共に、アドバンストストリームが記録されるアドバンストストリームパックが存在する。本実施形態においてメインオーディオMANADと副映像SUBPTと同様、サブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADに対するオフセット情報がシンクロナスインフォメーションSYNCI内に記録されている。
図12に示した各種オブジェクトストリームが、情報記憶媒体上に記録される時のファイル構造を図13に示す。本実施形態においてアドバンストコンテンツADVCTに関しては情報記憶媒体のルートディレクトリ直下にアドバンストコンテンツディレクトリADVCTを配置し、全ファイルをその中に記録している。アドバンストコンテンツディレクトリADVCTの下には再生に関する情報が記録されているプレイリストファイルPLLSTが存在し、それと同時にアドバンストアプリケーションに関する情報を記録するアドバンストアプリケーションディレクトリADAPLとプライマリービデオセットに関する情報を記録するプライマリービデオセットディレクトリPRMVSとセカンダリービデオセットに関する情報を記録するセカンダリービデオセットディレクトリSCDVSと、アドバンストサブタイトルに関する情報を記録するアドバンストサブタイトルディレクトリADSBTが記録されている。
アドバンストアプリケーションディレクトリADAPLの下には、アドバンストアプリケーションに関する管理情報が記録されているアドバンストナビゲーションディレクトリADVNVとアドバンストアプリケーションで使われる各種アドバンストエレメント(オブジェクト情報など)に関する情報が記録されているアドバンストエレメントディレクトリADVELが存在している。前記アドバンストナビゲーションディレクトリADVNVには、アドバンストアプリケーション内で使用される各種管理情報間の関係や、ネットワークダウンロードに必要な情報リストがまとめて記録されているマニュフェストに関するマニュフェストファイルMNFST、ページレイアウトなどに関するマークアップが記録されているマークアップファイルMRKUP、スクリプトコマンドが記録されているスクリプトファイルSCRPTが存在する。また、アドバンストエレメントディレクトリADVELには、静止画像を記録する静止画ファイルIMAGE、イフェクトオーディオを記録するイフェクトオーディオファイルEFTAD、フォント情報を記録するフォントファイルFONTとその他ファイルOTHERが存在する。
プライマリービデオセットディレクトリPRMVSの下には、プライマリーオーディオビデオディレクトリPRMAVが存在し、プライマリーオーディオビデオのエンハンストビデオオブジェクトに関する属性情報や管理情報が記録されているビデオタイトルセットインフォメーションに関する情報を記録するビデオタイトルセットインフォメーションファイルADVTSI、プライマリービデオセットの時間情報からアドレス情報に変換するタイムマップを記録するプライマリービデオセットのタイムマップファイルPTMAPとプライマリーエンハンストビデオオブジェクトを記録するプライマリーエンハンストビデオオブジェクトファイルP-EVOBが存在する。
セカンダリービデオセットディレクトリSCDVSの下には、サブスティテュートオーディオディレクトリSBTADとセカンダリーオーディオビデオディレクトリSCDAVが存在し、セカンダリーオーディオビデオディレクトリSCDAVの下にはセカンダリービデオセットの時間情報からアドレス情報に変換するタイムマップを記録するセカンダリービデオセットのタイムマップファイルSTMAPとセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトを記録するセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトファイルS-EVOBが存在する。また、サブスティテュートオーディオディレクトリSBTADの下にもセカンダリービデオセットの時間情報からアドレス情報に変換するタイムマップファイルSTMAPとセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトファイルS-EVOBを格納することができる。
アドバンストサブタイトルディレクトリADSBTの下には、アドバンストサブタイトルに関する管理情報が記録されるアドバンストナビゲーションディレクトリADVNVとアドバンストサブタイトルのエレメント情報であるアドバンストエレメントディレクトリADVELが存在する。前記アドバンストナビゲーションディレクトリADVNVには、アドバンストサブタイトルのマニュフェストファイルMNFSTSとアドバンストサブタイトルのマークアップファイルMRKUPSが存在する。前記アドバンストサブタイトルのマニュフェストファイルMNFSTSには、アドバンストサブタイトルに関係する各種管理情報間の関係や、ネットワークダウンロードに必要な情報が記録されている。また前記アドバンストサブタイトルのマークアップファイルMRKUPS内にはアドバンストサブタイトルの画面上の表示位置などを指定するマークアップ情報が記録されている。また、アドバンストエレメントディレクトリADVELには、アドバンストサブタイトルのフォント情報を記録するアドバンストサブタイトルのフォントファイルFONTSが存在する。
アドバンストコンテンツディレクトリADVCTの名前及びそれに含まれる各ディレクトリとファイル名は、DキャラクターズまたはD1キャラクターズで記載される。また、このアドバンストコンテンツディレクトリADVCTの下にサブディレクトリを配置するが、このサブディレクトリの階層の深さは8階層以下とし、トータルサブディレクトリの数は本実施形態では512以下に設定する。仮に余りにディレクトリが深い場合、またはトータルサブディレクトリの数が多い場合はアクセス性が低下する。従って本実施形態では、階層の数や、ディレクトリの数を制限することでアクセスの高速性を確保することができる。
図13に示すアドバンストコンテンツディレクトリADVCT以下に記録することのできるトータルファイル数は512×2047個以下とし、各ディレクトリ内に記録できるファイル数は2048ファイル以下に設定する。また、ファイル名としては各ファイル名の後ろにピリオド“.”を配置し、ピリオド“.”の後ろに拡張子を配置する構造にする。前記アドバンストコンテンツディレクトリADVCTは、情報記録媒体のルートディレクトリ直下に記録され、このアドバンストコンテンツディレクトリADVCTの直下にプレイリストファイルPLLSTが記録される。
このプレイリストファイルPLLSTは情報記憶媒体上に複数個記録することができる。プレイリストファイルPLLSTは2種類のプレイリストファイルPLLSTを設定可能であり、情報再生装置が直接再生時にアクセスするプレイリストファイルPLLSTに対してはファイル名として “VPLIST%%.XML”の名前にし、情報再生装置が直接アクセスしないプレイリストPLLSTのファイル名を “APLIST&&.XML”という名前に設定する。ここにおいて“%%”と“&&”は00から99までの数字が入る。
図13に示したアドバンストビデオタイトルセットインフォメーションファイルADVTSIのファイル名は、“AVI00001.IFO”という名前にする。また、プライマリーエンハンストビデオオブジェクトファイルP-EVOBおよびセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトファイルS-EVOBの拡張子はEVOと設定する。また、プライマリービデオセットのタイムマップファイルPTMAPとセカンダリービデオセットのタイムマップファイルSTMAPの拡張子は、“IFO”に設定する。
前記プライマリービデオセットタイムマップファイルPTMAPとセカンダリービデオセットのタイムマップファイルSTMAPファイルは、999以下のファイル数にしなければならない。このようにタイムマップファイルの数の上限を規定することにより、エンハンストオブジェクトデータEVOBへのアクセス制御の高速化を保証することができる。
アドバンストコンテンツ内のデータ構造例を図14に示す。
スタンダードコンテンツSTDCTが実現するオーディオビデオの表現形式をさらに拡張し、かつインタラクティブな操作が可能にするためアドバンストコンテンツADVCTが本実施形態では設定されている。
アドバンストコンテンツADVCTはプレイリストPLLSTと図12に示すプライマリービデオセットPRMVS、セカンダリービデオセットSCDVS、アドバンストアプリケーションADAPLとアドバンストサブタイトルADSBTから構成されている。図14に示すプレイリストPLLSTは、各種オブジェクト情報の再生方法に関する情報が記録されており、それらの情報は図13に示すようにアドバンストコンテンツディレクトリADVCTの下に1個のプレイリストファイルPLLSTとして記録されている。
プレイリストPLLSTもしくはそれが記録されているプレイリストファイルPLLSTはXMLにより記述され、情報記憶媒体内に1以上のプレイリストファイルPLLSTとして記録されている。本実施形態におけるカテゴリー2もしくはカテゴリー3に属するアドバンストコンテンツADVCTが記録されている情報記憶媒体においては、情報記憶媒体挿入直後に情報再生装置は前記プレイリストファイルPLLSTの検索を行うようになっている。本実施形態において、プレイリストファイルPLLSTは以下の情報を含んでいる。
1)オブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI
オブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIは、プライマリービデオセットPRMVS、セカンダリービデオセットSCDVS、アドバンストアプリケーションADAPLやアドバンストサブタイトルADSBTなどのオブジェクトに関する再生情報として設定される。本実施形態においては前記各オブジェクトデータの再生タイミングは、後述するタイトルタイムライン上にマッピングされる形で記載される。前記オブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIにおいてプライマリービデオセットPRMVSや、セカンダリービデオセットSCDVSの配置場所はそれらのタイムマップファイルPTMAPまたはSTMAPが存在する場所(ディレクトリあるいはURL)を参照することにより指定される。また、前記オブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIにおいて、アドバンストアプリケーションADAPLや、アドバンストサブタイトルADSBTは、それらに対応したマニュフェストファイルMNFSTあるいはMNFSTSが配置されている場所(ディレクトリまたはURL)を指定することにより決定される。
2)トラックナンバーアサイメントインフォメーション
本実施形態においては、オーディオストリームや副映像ストリームを複数持つことが許されているが、プレイリストPLLST上に何番目のストリームデータを表示するかを表す情報が記載される。これら何番目のストリームが使用されるかという情報は、トラック番号として記述される。この対象となるトラック番号としては、ビデオストリームに対するビデオトラック番号、サブビデオストリームに対するサブビデオトラック番号、オーディオストリームに対するオーディオトラック番号、サブオーディオストリームに対するサブオーディオトラック番号、サブタイトルストリームに対応するサブタイトルトラック番号と、アプリケーションストリームに対応するアプリケーショントラック番号が設定される。
3)トラックナビゲーションインフォメーションTRNAVI
このトラックナビゲーションインフォメーションTRNAVIは、前記アサインされたトラックナンバーに対する関連情報を記載しているものであり、トラック番号毎の属性情報がリストとして記録されユーザーの選択への便宜を図っている。例えばトラック番号毎に言語コードなどが前記ナビゲーションインフォメーションに記録され、トラック番号1番が日本語、トラック番号2番が英語、トラック番号3番が中国語など前記トラックナビゲーションインフォメーションTRNAVIを利用することにより、ユーザーが好みの言語を即座に判定しやすくしている。
4)リソースインフォメーションRESRCI
このリソースインフォメーションRESRCIは、ファイルキャッシュ内にいつまでにリソースファイルを転送しなければいけないかなどのタイミング情報を示している。また、このリソース内インフォメーションにはアドバンストアプリケーションADAPL内においていつ各リソースファイルを参照するかのタイミングなども記載されている。
5)プレイバックシーケンスインフォメーションPLSQI
前記プレイバックシーケンスインフォメーションPLSQIは、例えば1個のタイトル内のチャプター情報など、ユーザーがチャプター位置へのジャンプ処理がしやすいような情報が記録されている。このプレイバックシーケンスインフォメーションPLSQIは、タイトルタイムラインTMLEにおける時刻指定ポイントとして表示されている。
6)システムコンフィギュレーションインフォメーション
システムコンフィギュレーションインフォメーションは、例えばインターネット経由でファイルキャッシュにデータを格納する時に必要なデータサイズを表すストリーミングバッファサイズなどのシステムを構成するために必要な構造的な情報が記録されている。
図14では、各オブジェクトへのプレイリストPLLSTでのデータ参照方法を示している。例えばプレイリストPLLST上で特定のプライマリーエンハンストオブジェクトP-EVOBを再生したい場合には、その属性情報が記録されているエンハンストビデオオブジェクトインフォメーションEVOBIを参照した後、プライマリーエンハンストビデオオブジェクトP-EVOBにアクセスする必要がある。またプレイリストPLLSTでは、プライマリーエンハンストビデオオブジェクトP-EVOBの再生範囲をタイムライン上で時間情報として規定している。そのため指定された時間に対する情報記憶媒体上のアドレス位置に変換するツールとして、プライマリービデオセットのタイムマップPTMAPが最初に参照される必要がある。同様にセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトS-EVOBの再生範囲もプレイリストPLLST上では時間情報で記載されており、その範囲の情報記憶媒体上でのセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトS-EVOBの記録場所を探すために、最初にセカンダリービデオセットSCDVSのタイムマップSTMAPが参照される。また、アドバンストアプリケーションADAPLのデータは図12に示すように、情報再生装置で使われる前に必ずファイルキャッシュ上に格納される必要がある。そのため、アドバンストアプリケーションADAPLの各種データを使用する場合には、プレイリストPLLSTからマニュフェストファイルMNFSTを参照し、マニュフェストファイルMNFST内に記載された各種リソースファイル(前記リソースファイルの保存場所とリソースファイル名も前記マニュフェストファイルMNFST内に記載されている)をファイルキャッシュFLCCH(データキャッシュDTCCH)上に転送する必要がある。同様にアドバンストサブタイトルADSBTの各種データを使用する場合も、事前にファイルキャッシュFLCCH(データキャッシュDTCCH)上での格納が必要となるため、アドバンストサブタイトルADSBTのマニュフェストMNFSTSを利用してファイルキャッシュFLCCH(データーキャッシュDTCCH)へのデータ転送が可能となる。アドバンストサブタイトルADSBT内のマークアップMRKUPSにより、画面上でのアドバンストサブタイトルADSBTの表示場所と表示タイミングを知ることができるとともに、アドバンストサブタイトルADSBT情報を画面上に表示する時にアドバンストサブタイトルADSBTのフォントFONTSの情報を利用できる。
プライマリービデオセットPRMVSを表示するにはタイムマップPTMAPを参照し、エンハンストビデオオブジェクトインフォメーションEVOBIで定義されたプライマリーエンハンストビデオオブジェクトP-EVOBにアクセス処理をする必要がある。
図15ではネットワークサーバーNTSRVから情報記録再生装置1までのネットワーク経路が光ケーブル12を介して家庭内のルーター11を経由し、家庭内で無線LANによりデータ接続されている例で示してあるが、これに限らず本実施形態において別経由でのネットワーク経路を有してもよい。また図15では情報記録再生装置1としてパーソナルコンピューターの図面を書いているが、これに限らず本実施形態においては情報記録再生装置として家庭用レコーダー単体または家庭用プレーヤー単体として設定することが可能である。また、無線を使わず直接有線でモニターに表示してもよい。
本実施形態において、図12に示すセカンダリービデオセットSCDVSとアドバンストアプリケーションADAPL及びアドバンストサブタイトルADSBTの情報は、事前に図15に示すネットワークサーバーNTSRVに保存されており、それらの情報が光ケーブル12を返して家庭内に配信されることが可能となっている。光ケーブル12から送られた前期各種データは家庭内でルーター11を経由して情報記録再生装置1へ無線データ17の形で転送される。ルーター11は無線LAN制御部7-2とデータマネージャー9及びネットワーク制御部8から構成され、ネットワーク制御部8によりネットワークサーバーNTSRVとの間のデータ更新を制御し、無線LAN制御部7-2により家庭内無線LANへデータ転送する。それらのデータの転送処理をデータマネージャー9が制御している。ルーター11から無線データ17に乗せられて送られてきたセカンダリービデオセットSCDVS、アドバンストアプリケーションADAPL、及びアドバンストサブタイトルADSBTの各種コンテンツは、無線LAN制御部7-1でデータを受けた後アドバンストコンテンツ再生部ADVPL内に送られ、一部は図16に示すデータキャッシュDTCCHに保存される。本実施形態の情報再生装置は、アドバンストコンテンツADVCTを再生するアドバンストコンテンツ再生部ADVPLとスタンダードコンテンツSTDCTを再生するスタンダードコンテンツ再生部STDPLと録画可能な情報記憶媒体DISCもしくはハードディスク装置6に映像録画を行い、そこから再生が可能な録画再生処理部4が内蔵されている。それらの再生部及び録画再生処理部はメインCPU5により有機的に制御される。図15に示すように、情報記憶媒体DISCは情報記録再生部2の中で再生もしくは情報の記録が行われる。本実施形態において、アドバンストコンテンツ再生部ADVPLが再生対象とするメディアは前記情報記録再生部2やパーシステントストレージドライブ3(固定形あるいは携帯形フラッシュメモリのドライブ)からの情報の再生を前提としている。また本実施形態では前述したように、ネットワークサーバーNTSRVに記録されたデータの再生も可能となっている。この場合には前述したようにネットワークサーバーNTSRVに保存されているデータが光ケーブル12を経由し、ルーター11内のネットワーク制御からルーター11内の無線LAN制御部7-2を経由し、無線データ17の形で転送され無線LAN制御部7-1を経由してアドバンストコンテンツ再生部ADVPLへ情報が転送される。アドバンストコンテンツ再生部ADVPLで再生される映像情報は、ディスプレイ13に表示することが可能であるか、より大画面で表示したいというユーザー要求に合わせ無線LAN制御部7-1から無線データ18の形で大画面テレビモニター15に映し出されることが可能となる。大画面モニター15には映像処理部24、映像表示部21、無線LAN制御部7-3が内蔵されており無線データ18は、前記無線LAN制御部7-3で受信した後映像処理部24で映像処理し、映像表示部21を返して大画面テレビモニター15に表示されるとともにスピーカー16-1、16-2で音声出力される。
図15に示したシステム説明図におけるアドバンストコンテンツ再生部ADVPLの内部構造について図16を用い以下に説明を行う。本実施形態において、アドバンスコンテンツ再生部ADVPLは下記の5つの論理的な機能モジュールから構成されている。
データアクセスマネージャーDAMNGは、アドバンストコンテンツADVCTが記録された外部の情報記録場所とアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内の各モジュールとの間のデータのやりとりの管理に利用される。本実施形態ではアドバンストコンテンツADVCTの記録場所としてパーシステントストレージPRSTR、ネットワークサーバーNTSRVと情報記憶媒体DISCを前提としており、それらの情報がデータアクセスマネージャーDAMNGとやりとりされる。また各種アドバンストコンテンツADVCTの情報は、データアクセスマネージャーDAMNGを介して後述するナビゲーションマネージャーNVMNG、データキャッシュDTCCH、プレゼンテーションエンジンPRSENとの間のデータのやりとりを行う。
データキャッシュDTCCHは、アドバンストコンテンツ再生部ADVPLにおけるテンポラルなデータ保存場所(一時保存場所)として利用される。
ナビゲーションマネージャーNVMNGは、アドバンストコンテンツ再生部ADVPLの全機能モジュールの制御を行い、それらはアドバンストアプリケーションADAPLの記載内容に応じて制御される。前記ナビゲーションマネージャーNVMNGは、ユーザーオペレーションUOPEとの制御も行う。前記ユーザーオペレーションUOPEは、例えば情報再生装置におけるフロントパネルのキーインとか、リモコンによるキーインなどによりユーザーオペレーションが発生する。これらの処理により発生するユーザーオペレーションUOPEから受け取った情報は、前記ナビゲーションマネージャーNVMNGにより処理される。
プレゼンテーションエンジンPRSENは、アドバンストコンテンツADVCTの表示再生を行う。
AVレンダラーAVRNDは他のモジュールから入力されたビデオ情報と音声情報の合成処理を行い、スピーカー16や大画面テレビモニター15などに対する外部への出力を行う。このとき利用される音声情報は単独ストリーム情報でもサブオーディオSUBADとメインオーディオMANADを混合されたオーディオ情報でもよい。
図1〜3に示すように、本実施形態による技術的工夫を行った結果得られる新たな効果に対する具体的な例を図17〜図19に表す。図1〜3の効果において、“ 5〕ネットワークを用いたディスク上の情報更新機能を持たせる ” 内の “ 5.1)オブジェクト情報の自動更新やディスク内管理情報の自動更新 ” という新たな効果を発揮する方法として本実施形態では図17〜図19に示すように、コマーシャルCM44やコマーシャル用の別画面32およびテロップCM43、上映予告41を常に最新の映像としてユーザーに供給することができるところに本実施形態の大きな特徴がある。
上映予告41を常に最新の情報に変更させることにより、タイムリーな映画の上映予告PRがユーザーに対して可能となりユーザーを映画館に呼ぶきっかけをつくることができる。また本実施形態ではコマーシャルCM44、コマーシャル用の別画面32およびテロップCM43を本編31の再生にリンクして表示することにより、通常のテレビの放送のようにコマーシャルのスポンサーからスポンサー料を取り、それにより情報記憶媒体DISCのユーザーに対する販売価格を低く抑えるということが可能となる。映像情報にコマーシャルを入れるという概念は従来から多く提案されているが、本実施形態のようにネットワークサーバーNTSRVから適宜最新のコマーシャル情報を読み取り、情報記憶媒体DISCに記録されている本編31の上映とリンクして、コマーシャル情報を最新のコマーシャルを表示することに本実施形態の大きな技術的な特徴がある。最新の上映予告41やコマーシャル情報は図15に示すネットワークサーバーNTSRVに逐次更新保存され、情報記憶媒体DISC内に記録されている本編31の再生タイミングに合わせてネットワークダウンロードを行う。図17〜図19に示した各オブジェクトと図12に示す各オブジェクトとの間の関係を以下に示す。
図17〜図19においていずれも本編31はプライマリービデオセットPRMVSの中のプライマリーオーディオビデオPRMAVのメインビデオMANVDとメインオーディオMANADから構成されている。上映予告41とコマーシャルCM44及びコマーシャル用の別画面32も情報記憶媒体DISC内のプライマリービデオセットPRMVS内のプライマリーオーディオビデオPRMAVのサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADとして記録されているが、情報記憶媒体DISC作成後特定の時間が経過した後はそれらの情報が表示するに当たらないほど古くなってしまう。その場合にはネットワークサーバーNTSRV内に保存されたセカンダリービデオセットSCDVSのセカンダリーオーディオビデオSCDAVにおけるサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADに置き換えられてコマーシャルCM44または、コマーシャル用の別画面32で表示される。本実施形態では予め情報記憶媒体DISCに記録されたコマーシャルCM44は、他の実施形態としてプライマリービデオセットPRMVSのプライマリーオーディオビデオPRMAVのメインビデオMANVDとメインオーディオMANADとして記録することも可能である。同様に上映予告41の情報も情報記憶媒体DISC内に記録する場合には、プライマリービデオセットPRMVS内のプライマリーオーディオビデオPRMAVのサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADに記録するか、あるいはプライマリーオーディオビデオPRMAVのメインビデオMANVDとメインオーディオMANADに記録し、再生時に情報記憶媒体DISC作成から特定の時間を経過した後はセカンダリービデオセットSCDVSのセカンダリーオーディオビデオSCDAV内のサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADの情報としてネットワークサーバーNTSRVからダウンロードし、そのダウンロードした情報を表示するようにしている。それにより、本実施形態ではコマーシャルCM44、コマーシャル用の別画面32またはテロップCM43と上映予告41の情報を常に最新の形でユーザーに表示することができ、PR効果も向上させることができる。
次に図17〜図19を用い、本実施形態における映像コンテンツの表示例の説明を行う。
図17においては情報記憶媒体DISCを情報記録再生装置1に挿入すると、最初に詳細ナビの必要性説明映像42が表示される。詳細ナビゲーションの必要をユーザーが感じない場合にはそのままやり過ごすが、もしユーザーがこの情報記憶媒体DISCのアドバンストコンテンツADVCTを再生する方法の説明を知りたい場合には、詳細ナビの必要を入力することで図示していないが詳細ナビの使用説明を表示することができる。また、図19の場合には、詳細ナビの必要性説明映像42内に後述するヘルプキーの使い方を説明し、ヘルプアイコンを常に出すことでユーザーが必要な時にヘルプアイコンを指定し、使い方の説明を問い合わせることができる。
図17では、放送テレビ画面のように本編31の表示の途中で前述したコマーシャルCM44を挿入する形となっており、このコマーシャルCM44の表示方法及び表示タイミングは通常放送受信テレビで表示するコマーシャルの表示タイミング、表示方法と同じものを示している。また、図17では情報記憶媒体DISCのコンテンツプロバイダが上映する映画の近日の上映予告41を本編31の表示終了後に表示するようになっている。
図18では、テロップの形で最新のコマーシャル情報CM43が本編31の表示に重ね合わせて表示される。また、上記テロップCM43の表示情報を常に最新の情報にする方法として、本実施形態ではアドバンストサブタイトルADSBTを利用しネットワークダウンロードを活用しているところに大きな特徴がある。すなわち情報記憶媒体DISC内には初期の時点ではプライマリービデオセットPRMVS内のプライマリーオーディオビデオPRMAVの副映像SUBPT内にテロップ(流れるテキスト情報)の形でテロップCM43を表示している。次に情報記憶媒体DISC製造後、特定の時間経過後は最新のテロップCM43の情報をネットワークサーバーNTSRV内のアドバンストサブタイトルADSBTとして記録しておりネットワーク経由でデータを取込み、テロップCM43として表示している。
図19における映像コンテンツ表示例の説明を行う。図19では、詳細ナビの必要性説明映像42の直後に映画館で上映される上映予告41が表示され、上映予告41の表示後に始めて本編31が表示される形となっている。この場合、本編31とは別のコマーシャル用の別画面32が表示され、それと同時にヘルプアイコン33が表示されている。本実施形態において、本編31の内容はプライマリービデオセットPRMVS内のプライマリーオーディオビデオPRMAVのメインビデオMANVDとメインオーディオMANADとして情報記憶媒体DISC内に予め記録されている。別のコマーシャル用の別画面32は、情報記憶媒体内DISCではプライマリービデオセットPRMVSのプライマリーオーディオビデオPRMAVのサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADとして記録され、この情報が初期の時点ではユーザーに表示される。情報記憶媒体DISCの製造後特定の時間が経過した後では、本実施形態では別のコマーシャル用の別画面32は、更新された映像を表示することができる。その方法として、最新のコマーシャル用の別画面32の情報をネットワークサーバーNTSRV内にセカンダリービデオセットSCDVS内のセカンダリーオーディオビデオSCDAVのサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADとして保存しておきネットワークを経由して適宜ダウンロードし、ユーザーに表示する。また図19の実施形態では、ヘルプアイコン33はアドバンストアプリケーションADAPLの静止画IMAGEとスクリプトSCRPTで構成される。
図19における本編31とコマーシャル用の別画面32とヘルプアイコン33が同時に表示されているα点における表示画面の例を図20に示す。
図20の左上が本編31を表示し右上にコマーシャル用の別画面32が表示され、下側にヘルプアイコン33が表示されている。図20の画面と図1〜3に示した本実施形態による技術的工夫を行った結果得られる新たな効果について以下に説明を行う。
図1〜3に示すように本実施形態による技術的工夫を行った結果得られる新たな効果の “1〕ユーザーアクションに対する柔軟かつ印象的なリアクションを行う” については本実施形態を利用することにより、インターネットのホームページに近い柔軟な印象的な画面を作ることが可能となる。具体的な本実施形態による新たな効果の “ 1.4)PCのようなヘルプ ” や “ 1.5)メニューなどの使い方ガイド ” に対応したものが図20のヘルプアイコン33に対応する。この画面上でのヘルプアイコン33の画像はアドバンストアプリケーションADAPLの静止画IMAGEとしてデータが存在し、その情報は図13に示す情報記憶媒体DISC内のアドバンストコンテンツディレクトリADVCTの下のアドバンストアプリケーションディレクトリADAPL内のアドバンストエレメントディレクトリADVEL内に格納されている。ヘルプアイコン33をユーザーがクリックすると、ヘルプ対応画像が動き出すがそれに関するコマンド処理はアドバンストアプリケーションADAPL内のスクリプトSCRPTとして記録され、図13のアドバンストコンテンツディレクトリADVCTの下のアドバンストアプリケーションディレクトリADAPLの中にあるアドバンストナビゲーションディレクトリADVNVの下にスクリプトファイルSCRPTとして表示される。またこれらのヘルプアイコン33の静止画像やスクリプトの定義する領域の指定する情報が図13に示すマークアップファイルMRKUP内に記録され、これらの一連の情報間の関連付け情報(データダウンロードに必要な関連情報)が、マニュフェストファイルMNFST内に記録されている。図20に示すようなストップボタン34、プレイボタン35、FR(巻戻し)ボタン36、ポーズボタン37、FF(早送り)ボタン38などの情報もアドバンストアプリケーションADAPLとして分類され、それぞれのアイコンに対応した静止画像が図13の静止画ファイルIMAGE内に格納され、それぞれのボタンを指定した時の実行コマンドが図13のスクリプトファイル内に記録され、それらの領域指定がマークアップファイルMRKUP内に記録されている。
図1〜3に示した本実施形態による技術的工夫を行った結果新たな効果の中での “ 3〕再生中の映像にかぶせて別情報を同時に表示する ” の中のとりわけ “ 3.1)マルチウィンドウによる複数映像を同時に表示する ” や “ 3.4)スクロールするテキストを映像にかぶせて同時表示する ” に対応した図20上の画面の説明を行う。
現行DVDにおいては、1画面に1種類の映像しか表示することができない。それに対し本実施形態ではメインビデオMANVDとメインオーディオMANADと同時にサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADを表示することが可能となっている。すなわち図20における本編31は、プライマリービデオセットPRMVS内のメインビデオMANVDとメインオーディオMANADに対応し、右側のコマーシャル用の別画面32はサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADに対応し、2画面が同時に表示できる格好となっている。更に本実施形態では図20の右側に示すコマーシャル用の別画面32をセカンダリービデオセットSCDVSのサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADに置き換えて表示できるところに大きな特徴がある。すなわち、プライマリービデオセットPRMVSのプライマリーオーディオビデオ内のサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADは予め情報記憶媒体DISC内に記録されており、更新すべきセカンダリービデオセットSCDVSのサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADがネットワークサーバーNTSRV内に記録され、情報記憶媒体DISC作成直後に作成される場合には情報記憶媒体DISC内に事前に記録されたコマーシャル用の別画面32を表示し、情報記憶媒体DISC作成後特定の時間経過後には、コマーシャル用の別画面32を最新の映像と取り替えるために、ネットワークサーバーNTSRV内に記録されたセカンダリービデオセットSCDVS内のサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADをネットワーク経由でダウンロードし、取り替えて表示をする。これにより、常に最新のコマーシャル用の別画面32をユーザーに表示することができスポンサーのコマーシャル効果を上げることをできるため、スポンサーからの多額のコマーシャル量を徴収することにより、販売する情報記憶媒体DISCの価格を安く抑え、本実施形態における情報記憶媒体DISCの普及を促進することができる。また、それとは別に図20に示すテロップ文字39を本編31に重ねて表示することも可能となる。テロップ文字として、例えばニュースや天気予報など最新の情報をアドバンストサブタイトルADSBTの形でネットワークサーバーNTSRV上に保存しておき、適宜ネットワーク経由でダウンロードしつつ表示することでユーザーの利便性を大幅に向上させることが可能となる。なお、この時のテロップ文字の文字フォント情報は、図13に示すようにアドバンストサブタイトルディレクトリADSBT内のアドバンストエレメントディレクトリADVPL内のフォントファイルFONTSに記憶することができる。また、このテロップ文字39の大きさや本編31上での表示場所の情報は、図13のアドバンストサブタイトルディレクトリADSBTの下のアドバンストナビゲーションディレクトリADVNVの中のアドバンストサブタイトルADSBTのマークアップファイルMRKUPSに記録することができる。
本実施形態におけるプレイリストPLLST内情報の概要について図21を用いて説明する。本実施形態におけるプレイリストPLLSTは、図13に示すように情報記憶媒体DISC内もしくはパーシステントストレージPRSTR内のアドバンストコンテンツディレクトリADVCTの直下に存在するプレイリストファイルPLLST内に記録され、アドバンストコンテンツADVCTの再生に関する管理情報が記録されている。プレイリストPLLST内にはプレイバックシーケンスインフォメーションPLSQIとオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIおよびリソースインフォメーションRESRCIなどの情報が記録されている。プレイバックシーケンスインフォメーションPLSQIは、情報記憶媒体DISC内もしくはパーシステントストレージPRSTR内、ネットワークサーバーNTSRV内に存在するアドバンストコンテンツADVCTにおける各タイトルの情報とタイトル内で映像情報を細かく分割する各チャプターの切れ目位置情報が記録されている。オブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI内では各タイトル毎のそれぞれのオブジェクトの表示タイミングと、画面上の表示位置が管理されている。各タイトル毎にはタイトルタイムラインTMLEが設定されており、そのタイトルタイムラインTMLE上の時間情報を利用して、各オブジェクトの表示開始/終了タイミングが設定可能となっている。リソースインフォメーションRESRCIでは、各タイトル毎に画面に表示する前にデータキャッシュDTCCH(ファイルキャッシュFLCCH)内に格納する各オブジェクト情報の事前格納タイミングの情報が記録されており、例えばデータキャッシュDTCCH(ファイルキャッシュFLCCH)にローディングを開始するローディング開始時間LDSTTMやそれぞれのデータキャッシュDTCCH(ファイルキャッシュFLCCH)内での使用有効期間VALPRDなどの情報が記録されている。
図21に示すように本実施形態において表示対象となるオブジェクトの指定やその画面上の表示場所を指定する管理情報がプレイリストPLLSTと(マニュフェストファイルMNFST及びアドバンストサブタイトルADSBTのマニュファストMNFSTSを経由して)マークアップファイルMRKUP及びアドバンストサブタイトルのマークアップファイルMRKUPSの2段階に階層化され、プレイリストPLLST内において表示対象となるオブジェクトの表示タイミングをタイトルタイムラインTMLEに同期して設定されているところに大きな特徴がある。さらに、前記マークアップファイルMRKUPまたはアドバンストサブタイトルADSBTのマークアップファイルMRKUPSでも同様にタイトルタイムラインTMLEに同期して対象とするオブジェクトの表示タイミングが設定されるところに次の大きな特徴がある。更に本実施形態では前記表示するオブジェクトや表示場所を指定する管理情報であるプレイリストPLLSTとマークアップファイルMRKUP及びアドバンストサブタイトルADSBTのマークアップファイルMRKUPSの情報内容が同一の記載言語(XML)で記述されていることが次の特徴となっている。それによりアドバンストコンテンツADVCTの作成者の編集や変更の容易性が従来のDVD-Videoに比べて大幅に向上する。また他の効果としては再生場所のスキップ処理など、特殊再生時の表示処理を行うアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内での処理の簡素化を図ることができる。
図20を用いて上記本実施形態の特徴についての説明を行う。図20では本編31とコマーシャル用の別画面32と下側に記載されている各種アイコンボタンが画面上に表示されているが、プライマリービデオセットPRMVS内のメインビデオMANVDを本編31として画面の左上に表示し、及びその表示タイミングが前記プレイリストPLLSTに記載されている。またこの本編31の表示タイミングは、タイトルタイムラインTMLEに同期して設定されている。また例えばサブビデオSUBVDとして記録されているコマーシャル用の別画面32の表示場所と表示タイミングも、前述した同一のプレイリストPLLSTに記載されている。このコマーシャル用の別画面32の表示タイミングも同様のタイトルタイムラインTMLE上に同期して指定されている。現行DVD-Videoにおいては、例えば図20のヘルプアイコン33からFFボタン38までの画面に関しては、映像オブジェクト内に副映像SUBPTとして記録されており、ヘルプアイコン33からFFボタン38までの各ボタンを押した時のコマンド情報が同様に映像オブジェクト内のナビゲーションパックの中のハイライトインフォメーションHLIとして記録されている。その結果、コンテンツ作成者の編集や変更の容易性が損なわれるという問題があった。それに対して、本実施形態では図20のヘルプアイコン33からFFボタン38までの画面情報と対応したコマンド情報に対しては、アドバンストアプリケーションADAPLとして一括して見なされ、プレイリストPLLST上は前記一括されたアドバンストアプリケーションADAPLの表示タイミングと画面上の表示場所のみが指定される。前記一括されたアドバンストアプリケーションADAPLに関する情報は、画面上に表示する前に必ずファイルキャッシュFLCCH(データキャッシュDTCCH)にダウンロードしておく必要がある。プレイリストPLLST上では前記アドバンストアプリケーションADAPLやアドバンストサブタイトルADSBTに関するデータをダウンロードする時に必要な情報が記録されているマニュフェストファイルMNFST(MNFSTS)のファイル名とファイル保存場所のみが記述されている。図20のヘルプアイコン33からFFボタン38までの画面情報自体は、静止画ファイルIMAGEとしてアドバンストエレメントディレクトリADVEL内に保存されている(図13)。図20に示すヘルプアイコン33からFFボタン38までの各静止画像IMAGEの画面上の配置場所と表示タイミングを管理している情報がマークアップMRKUP内に記録されており、前記情報は図13において、アドバンストナビゲーションディレクトリADVNV内のマークアップMRKUPファイル内に記録されている。また、ヘルプアイコン33からFFボタン38までの各ボタンを押した時の制御情報(コマンド情報)は、図13のアドバンストナビゲーションディレクトリADVNV内のスクリプトファイルSCRPT内に保存されており、それらのスクリプトファイルSCRPTのファイル名とそのファイルの保存場所がマークアップファイルMRKUP(及びマニュフェストファイルMNFST内)に記載されている。図13では、各マークアップファイルMRKUP 、スクリプトファイルSCRPT、静止画ファイルIMAGEが情報記憶媒体DISC内に記録されているようになっているが、本実施形態にはそれに限らずそれらのファイルがネットワークサーバーNTSRV内やパーシステントストレージPRSTR内に保存されていてもよい。このように画面上の全体の配置と表示タイミングがプレイリストPLLSTで管理されているとともに、各種ボタンやアイコンの配置位置と表示タイミングがマークアップファイルMRKUPで管理されており、プレイリストPLLSTから前記マークアップMRKUPに対してはマニュフェストMNFSTを経由して指定する構造となっている。各種アイコンやボタン及びコマンド情報が映像オブジェクト内に入っている従来のDVD-Videoと比べそれぞれの映像とコマンド(スクリプト)が別ファイル化され、マークアップMRKUPで中間管理される構造にすることによりコンテンツ作成者の編集、変更容易性が大幅に向上する。また同様に図20に示すテロップ文字39に対しても、プレイリストPLLSTからはアドバンストサブタイトルのマニュフェストファイルMNFSTSを経由して、アドバンストサブタイトルのマークアップファイルMRKUPSのファイル名とファイル保存場所が指定される構造となっている(図13参照)。前記アドバンストサブタイトルのマークアップファイルMRKUPSは、情報記憶媒体DISC内に記録されているだけでなく、ネットワークサーバーNTSRV内やパーシステントストレージPRSTRに保存されることも本実施形態では可能となっている。
本実施形態ではアドバンストコンテンツADVCTの再生時において、プレイリストPLLSTの使用目的は以下に述べるように2個存在する。第一の使用目的は情報再生装置1における初期時のシステム構造(データキャッシュDTCCH内の必要なメモリ領域の事前設定など)を定義するところにある。また他の目的は、アドバンストコンテンツADVCTにおける各種オブジェクトの再生方法を明示するところにある。プレイリストPLLSTのデータ構造は下記に示すような構造を持っている。
1、各タイトル毎のオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI
・トラックナンバーアサイメント
・リソースインフォメーションRESRCI
2、各タイトル毎のプレイバックシーケンスインフォメーションPLSQI
3、アドバンストコンテンツADVCTの再生に関するシステムコンフィギュレーション
図21に示すリソースインフォメーションRESRCIの概要を以下に説明する。プレイリストPLLST内のオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIにおいて、アドバンストアプリケーションADAPLやアドバンストサブタイトルADSBTの再生に必要な各情報が記録されているリソースファイルを、いつどのタイミングでデータキャッシュDTCCH(ファイルキャッシュFLCCH)に取り込むかの情報がリソースインフォメーションRESRCI内に記録されている。本実施形態においてリソースインフォメーションRESRCIには、下記の2種類のタイプが存在する。リソースインフォメーションRESRCIの第一のタイプはアドバンストアプリケーションADAPLに関するリソースインフォメーションRESRCIであり、他のタイプはアドバンストサブタイトルADSBTに関連したリソースインフォメーションRESRCIである。
図21に示したタイトルタイムラインTMLE上で表示する各種オブジェクトに対応したオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIの中に、プレイリストPLLST内で定義されたトラックナンバーアサイメントインフォメーションを含む。
本実施形態のアドバンストコンテンツADVCTにおいて、異なるオブジェクトに対応した各種ストリームの選別用にトラック番号が定義される。例として、複数の音声情報(オーディオストリーム)の中からユーザーに対して表示する音声情報を前記トラック番号の指定により選択することができる。例えば図12に示すようにサブスティテュートオーディオSBTAD内にメインオーディオMANADが存在するが、このメインオーディオMANAD内に互いに異なる内容の複数のオーディオストリームが存在する場合がある。オブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI(トラックナンバーアサイメント)内で事前に定義されたオーディオトラック番号を指定することにより、複数のオーディオストリームの中でユーザーに表示するオーディオストリームを選択することができる。また前記サブスティテュートオーディオSBTAD内のメインオーディオMANADとして記録されている音声情報を、プライマリーオーディオビデオPRMAVの中のメインオーディオMANADに重畳して音声出力することができる。このように重畳されて出力されるプライマリーオーディオビデオPRMAV内のメインオーディオMANADが内容の異なる複数の音声情報(オーディオストリーム)を持っている場合がある。この場合にオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI(トラックナンバーアサイメント)内で事前に定義されたオーディオトラック番号を指定することにより、複数のオーディオストリームの中でユーザーに表示するオーディオストリームを選択することができる。
前記説明したトラックの中には5種類のタイプが存在し、メインビデオMANVD、メインオーディオMANAD、サブタイトルADSBT、サブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADの5種類のタイプにはそれぞれ内容の異なる複数のストリームを同時に記録することが可能となっている。そのため前記5種類のオブジェクトタイプに対してはそれぞれのストリームに対応してトラック番号を割り振り、トラック番号選択によりユーザーに表示するストリームの選択が可能になる。
本実施形態において字幕やテロップなどの情報は、プライマリーオーディオビデオPRMAV内の副映像SUBPTで表示する方法とアドバンストサブタイトルADSBTで表示する方法の2通りが存在する。本実施形態では前記アドバンストサブタイトルADSBTのタイムラインTMLE上でのマッピングは、例えばプライマリーオーディオビデオPRMAVなどのマッピング状況と関わりなく単独にオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI上でマッピング定義することができる。その結果、字幕やテロップなどの情報をプライマリーオーディオビデオPRMAV内の副映像SUBPTとアドバンストサブタイトルADSBTを同時に表示できるばかりでなく表示開始/終了のタイミングをそれぞれ独自に設定できる。またどちらか一方のみを選別して表示することも可能となりそれによる字幕やテロップの表示能力を大幅に向上させることができる。
図21において、プライマリーオーディオビデオPRMAVに対応した部分はP-EVOBという形で一本の帯で表示されているが、実はこの中にはメインビデオトラックMANVD、メインオーディオトラックMANAD、サブビデオトラックSUBVD、サブオーディオトラックSUBAD、副映像トラックSUBPTが含まれ、それぞれが複数のトラックから構成されるとともに表示の時にはそれぞれ1つずつのトラック(ストリーム)が選別されて表示されている。また同様にセカンダリービデオセットSCDVSではS-EVOBでの帯として記載されているが、それはサブビデオトラックSUBVDやサブオーディオトラックSUBADが含まれ、それぞれ1トラック(1ストリーム)ずつ選択されて表示される構造となっている。もしタイトルタイムラインTMLE上で唯一プライマリーオーディオビデオPRMAVのみがオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI上にマッピングされている場合には本実施形態では以下のルールを規定し再生制御処理の容易性を確保している。
・メインビデオストリームMANVDは、必ずオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI上にマッピングされ、再生されなければならない。
・メインオーディオストリームMANADのうち1トラック(1ストリーム)もオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI上にマッピングされ再生される(ただし再生しなくてもよい)。本実施形態はそれに関わらず、メインオーディオストリームMANADがオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI上にマッピングされないことも許容する。
・タイトルタイムラインTMLE上にマッピングされたサブビデオストリームSUBVDはユーザーへの表示が前提とされるが、(ユーザー選択などにより)必ずしも表示しなくても良い。
・タイトルタイムラインTMLE上にマッピングされたサブオーディオストリームSUBADのうちの1トラック(1ストリーム)はユーザーへの表示が前提とされるが、(ユーザー選択などにより)必ずしも表示しなくても良い。
また、タイトルタイムラインTMLE上でプライマリーオーディオビデオPRMAVとサブスティテュートオーディオビデオSBTAVがオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI上に同時にマッピングされ両者が有効(アクティブ)な状態にある場合には、本実施形態では以下のルールを規定し再生制御処理の容易性と信頼性を確保している。
・プライマリーオーディオビデオPRMAVのメインビデオストリームMANVDの代わりにセカンダリーオーディオビデオSCDAV内のメインビデオストリームMANVDを再生表示することができる。
・プライマリーオーディオビデオPRMAVのメインオーディオストリームMANADに代わってサブスティテュートオーディオビデオSBTAD内のメインオーディオストリームMANADを再生表示することができる。
・サブビデオストリームSUBVDを上記メインビデオストリームMANVDと同時に再生することができるが、必ずしも同時に再生する必要はない。
・サブオーディオストリームSUBADの内の1個を上記メインオーディオストリームMANADと同時に再生出力できるが、必ずしも再生出力する必要はない。
もし、プライマリーオーディオビデオPRMAVとサブスティテュートオーディオSBTADがタイトルタイムラインTMLE上に同時にマッピングされ同時に表示される場合には、本実施形態では以下のルールを規定し、アドバンストコンテンツ再生部内ADVPLの制御処理の容易性と信頼性を確保している。
・プライマリーオーディオビデオPRMAV内におけるメインビデオMANVDは、オブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI内にマッピングされ、必ず再生されなければならない。
・プライマリーオーディオビデオPRMAV内におけるメインオーディオストリームMANADに代わって、サブスティテュートオーディオSBTAD内のメインオーディオストリームMANADを再生することができる。
・サブビデオストリームSUBVDは、同時に表示することを前提としているが、(ユーザー選択などにより)必ずしも表示しなくても良い。
・サブオーディオSUBADにおいては、(複数トラックのうち)1トラック(1ストリーム)を表示することが前提となっているが、(ユーザー選択などにより)必ずしも表示しなくても良い。
プライマリーオーディオビデオPRMAVとセカンダリーオーディオビデオSCDAVが、オブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI内でタイトルタイムラインTMLE上に同時にマッピングされていた場合には、本実施形態では以下のルールを規定しアドバンストコンテンツ再生部ADVPLの処理の簡素化と信頼性向上を確保している。
・プライマリーオーディオビデオPRMAV内のメインビデオストリームMANVDは、必ず再生されなければならない。
・メインオーディオストリームMANADのうちの1トラック(1ストリーム)は表示することが前提とされるが、(ユーザー選択などにより)必ずしも表示しなくても良い。
・プライマリーオーディオビデオPRMAV内におけるサブビデオストリームSUBVDとサブオーディオストリームSUBADに代わって、セカンダリーオーディオビデオSCDAV内におけるサブビデオストリームSUBVDとサブオーディオストリームSUBADを再生することができる。セカンダリーオーディオビデオSCDAV内でのセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトデータS-EVOBの中にサブオーディオストリームSUBADとサブビデオストリームSUBVDが多重化されて記録されている場合には、サブオーディオストリームSUBADのみが再生することを禁止している。
本実施形態におけるタイトルタイムラインTMLEの単位の取り方について以下に説明を行う。
本実施形態におけるタイトルタイムラインTMLEは、映像(ビデオ)情報のフレームやフィールドの表示タイミングに同期した時間刻みを持ち、この時間刻みのカウント数でタイトルタイムラインTMLE上の時刻を設定するところに大きな特徴がある。例えばNTSC系ではインターレース表示の場合には1秒間に60フィールドと30フレームを持っている。従って、本実施形態におけるタイトルタイムラインTMLEの最小時間刻みの長さを1秒間に60分割し、その時間刻み(ユニット)のカウント数でタイトルタイムラインTMLE上の時刻を設定する。またNTSC系のプログレッシブ表示では1秒間に60フィールド=60フレームが存在し、前記の時間刻みに合致している。またPAL系は50Hz系となっており、インターレース表示では1秒間に50フィールド/25フレーム存在し、プログレッシブ表示では1秒間に50フィールド=50フレーム存在している。この50Hz系の映像の場合には、1秒間にタイトルタイムラインTMLEを50等分し、各等分された1個の間隔(1/50秒)を基準としたカウント数でタイトルタイムラインTMLE上の時刻/タイミングを設定する。このようにタイトルタイムラインTMLEの基準長さ(最小時間単位)を映像のフィールドやフレームの表示タイミングに同期して設定することにより、各映像間の同期合わせタイミング表示制御が容易となるばかりでなく、現実的に意味のある範囲内での最高精度の時間設定が可能となる。
本実施形態において基本的には上記カウント数でタイトルタイムラインTMLE上の時刻/タイミングを設定するが、同一タイトル内の表示時間が長時間に亘る場合に時間換算が容易なようにプレイリストPLLST内でのタイトルタイムラインTMLE上の時間情報を“時間、分、秒とカウント値(HH:MM:SS:FF)”を用いて表現する。上記の表現形式において、“HH”は時間単位を表し“00”〜“23”の値を入れることができる。また“MM”は分単位を表し、“00”〜“59”の値を入れることができる。さらに“SS”は秒単位を表し“00”〜“59”の値を入れることができる。最後に“FF”は上記カウント数(プログレッシブ表示の場合にはフレーム数、インターレース表示の場合にはフィールド数)を表し、50Hz系の映像(例えばPAL系)の場合には“00”〜“49”の値が入り、60Hz系の映像(例えばNTSC系)の場合には“00”〜“59”の値が入る。上記表現方法を採用することにより、タイトルタイムラインTMLE上の経過時間を容易に把握することができる。
上述したように本実施形態では映像(ビデオ)のフィールドやフレームに合わせて時間刻みを設定しており、60Hz系での1個の時間単位は1/60秒であり、50Hz系での1個の時間刻みの単位は1/50秒となっているが、この各時間刻み位置(時刻)で全ての表示オブジェクトの切替わり(表示開始、または表示終了、または別画面への切替わり)のタイミングを行うように制御がなされる。すなわち本実施形態ではあらゆる表示オブジェクトの表示期間が前記タイトルタイムラインTMLE上の時間刻み(1/60秒または1/50秒)に合わせて設定される。音声情報のフレーム間隔は、前記映像(ビデオ)のフレーム/フィールド間隔とは異なる場合が多い。この場合にはオーディオ情報の再生/終了タイミングは、タイトルタイムラインTMLE上での各刻み間隔に合わせて切り上げしたタイミングで表示期間(表示開始/終了時刻)が設定される。それにより、タイトルタイムラインTMLE上での複数の音声オブジェクトの表示間での出力の重なり(オーバーラップ)を回避することが可能となる。
また、アドバンストアプリケーションADAPL情報の表示タイミングがタイトルタイムラインTMLEの刻み間隔と異なる場合、(例としてアドバンストアプリケーションADAPLが1秒間に24フレーム持ち、それを60Hz系のタイトルタイムラインTMLE上で表示期間を表す場合には)アドバンストアプリケーションADPALの表示タイミングをそれぞれ切り上げ処理し、60Hz系の(時間刻みが1/60秒)のタイトルタイムラインTMLEに表示タイミング(表示開始/終了時刻)を合わせる。
本実施形態において、アドバンストアプリケーションADAPLのタイトルタイムラインTMLE上の有効期間は、プリスクリプト期間、マークアップ表示期間とポストスクリプト期間の3つの期間に分けることができる。前記マークアップ表示期間は、アドバンストアプリケーションADAPLのマークアップMRKUPの情報に基づきタイトルタイムラインTMLEの各時間刻みに対応して表示する期間を表す。前述したプリスクリプト期間は前記マークアップ表示期間に先行し、アドバンストアプリケーションADAPLの画面を表示する準備期間として利用される。前記ポストスクリプト期間は前記マークアップ表示期間の直後に設定され、アドバンストアプリケーションADAPLの各表示オブジェクトの表示直後の終了期間(例えばメモリーリソースの解放処理に使用される期間)として利用される。また本実施形態ではそれに限らず、プリスクリプト期間はアドバンストアプリケーションADAPL表示に先立つ事前の制御処理時間(例えばゲームのユーザーに与えられた持ち点をクリアする)として使用することもできる。またポストスクリプト期間では、前記アドバンストアプリケーションADAPLの再生直後のコマンド処理(例えばゲームのユーザーの持ち点のポイントアップ処理)などに使用することもできる。
次に前述したマークアップ表示期間内での画面について説明を行う。例えば、図20の表示画面を例とした場合、本実施形態では例えば映像表示中にストップボタン34を押すと映像が静止すると共に、ストップボタン34の形状や色が変化するなどの画面表示を変更することができる。それは、図1〜3の“技術的工夫を行った結果得られる新たな効果”欄に記載の“1〕ユーザーアクションに対する柔軟かつ印象的なリアクションを行う”内の“1.1)ボタン選択や実行指示した時にアニメーションやイメージが変化して応答する”の効果を意味している。上記の例のように図20の表示画面自身が大きく変更される場合には、アドバンストアプリケーションADAPL内での対応するマークアップMRKUPが別のマークアップMRKUPに遷移する。このようにアドバンストアプリケーションADAPLの表示画面内容を設定するマークアップMRKUPを別のマークアップMRKUPに遷移させることにより、見た目の画面表示を大幅に変更させることができる。すなわち、本実施形態においてマークアップ表示期間中に異なる画面に合わせて複数のマークアップMRKUPを設定し、画面の切り替えに合わせて対応するマークアップを切替える(その切り替え処理はスクリプトSCRPTで記述された方法で切替えられる)。従って本実施形態において、マークアップMRKUP表示期間中でのタイトルタイムラインTMLE上でのマークアップページの開始タイミングは、前記複数存在するマークアップ内での最初に表示するマークアップMRKUP情報の表示開始タイミングと一致し、タイトルタイムラインTMLE上でのマークアップページの終了タイミングは、前記複数存在するマークアップMRKUP内での最後のマークアップMRKUPの表示終了タイミングと一致する。このようなマークアップページの遷移(表示画面内でのアドバンストアプリケーションADAPL部分での表示画面の変化)の方法として、本実施形態では以下の2つの遷移モデルを規定している。
最初に上げる遷移方法はマークアップページのソフトシンク遷移(ジャンプモデル)であり、この遷移タイミングではユーザーに表示する画面上においてタイトルタイムラインTMLEの時間の流れが停止することがない。すなわち、前記マークアップページの切替えタイミングは前述したタイトルタイムラインTMLEの刻み位置(時刻)とタイミングが一致し、前のマークアップページの終了タイミングと次のマークアップページ(アドバンストアプリケーションADAPLの表示画面)の開始タイミングとが、タイトルタイムラインTMLE上で一致する。これらを可能とするために、本実施形態において前のマークアップページを終了させるために必要な時間(例えばデータキャッシュDTCCH内での割当てられたメモリ空間の開放に使われる時間など)と次のマークアップページを表示している時間をオーバーラップさせる。さらに前のマークアップページの表示期間中にオーバーラップして次のマークアップページの表示準備期間が設定される。前記マークアップページのソフトシンク遷移(ジャンプ)は、タイトルタイムラインTMLEに同期したアドバンストアプリケーションADAPLまたは、アドバンストサブタイトルADSBTに対して使用することができる。
次に他の遷移方法として本実施形態では、マークアップページのハードシンク遷移(ジャンプ)も規定している。一般的にはユーザーに表示する画面上ではタイトルタイムラインTMLE上での時間変化が生じ(タイトルタイムラインTMLE上でのカウントアップが行われ)、それに同期して例えばプライマリーオーディオビデオPRMAVの画面が変化する。例えばタイトルタイムラインTMLE上での時間が止まった(タイトルタイムラインTMLE上でのカウント値が固定された)場合には、対応してプライマリーオーディオビデオPRMAVの画面が止まり静止画面としてユーザーに表示される。本実施形態におけるマークアップページのハードシンク遷移(ジャンプ)が起きた時には上記のタイトルタイムラインTMLE上での時間が止まった(タイトルタイムラインTMLE上でのカウント値が固定された)期間が生じる。前記、マークアップページのハードシンク遷移(ジャンプ)においては、タイトルタイムライン(TMLE)上での見かけ上の切替え前のマークアップページの終了タイミング時刻と、次のマークアップページのタイトルタイムラインTMLE上での再生開始タイミングは一致する。前記遷移の場合には、前に表示したマークアップページの終了期間と次のマークアップページを表示するために必要な準備期間とが、オーバーラップすることはない。そのため、前記遷移期間中ではタイトルタイムラインTMLE上の時間の流れが一時的に止まり、例えばプライマリーオーディオビデオPRMAVなどのオブジェクトの表示が一時的に停止される。前記、マークアップページのハードシンク遷移(ジャンプ)処理は、本実施形態においてはアドバンストアプリケーションADAPLのみ使用される。それにより例えばアドバンストサブタイトルADSBTの表示画面の切替え時には、タイトルタイムラインTMLEの時間上の時間変化が止まることなく(例えばプライマリーオーディオビデオPRMAVが停止することなく)アドバンストサブタイトルADSBTの画面変化を行うことが可能となる。
前記、マークアップページで指定されるアドバンストアプリケーションADAPLや、アドバンストサブタイトルADSBTなどの画面の切替えは、本実施形態においてはフレーム単位での画面の切替えを行う。例えばインターレース表示において1秒間のフレーム数とフィールド数が異なるが、常にフレーム単位でアドバンストアプリケーションADAPLやアドバンストサブタイトルADSBTの画面の切替えを行うように制御することにより、インターレース/プログレッシブに関わらず同じタイミングで切替え処理が行えるため制御が容易となる。すなわち直前のフレーム表示タイミングで次のフレームに必要な画面の準備を開始させる。そして次のフレームの表示タイミングまでに準備を完了させるとともに、次のフレームの表示タイミングに合わせて画面を表示する。例えばNTSCのインターレース表示の場合、60Hz系なのでタイトルタイムラインTMLEの時間刻みの間隔は1/60秒になっている。また、この場合には1秒間に30フレーム表示されるため、タイトルタイムラインTMLEの2単位(2個の刻みの境界位置)の間隔でフレームの表示タイミングが設定される。従って、例えば、n番目のタイトルタイムラインTMLE上のカウント値に画面を表示しようと思えばその2カウント前のn−2のタイミングで次のフレームの表示準備の開始を行い、タイトルタイムラインTMLEのカウントnの段階で準備したグラフィックフレーム(アドバンストアプリケーションADAPLに関係した各種画面をまとめて表示する画面を本実施形態ではグラフィックフレームと呼ぶ)を表示する。本実施形態ではそのようにフレーム単位でのグラフィックフレームの準備と表示を設定することで、ユーザーに対して連続的にグラフィカルフレームの切替えを表示することができ、ユーザーに違和間を与えないというメリットがある。
図21に示したプレイリストPLLST内に記述されるオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI内にプレゼンテーションクリップエレメントと呼ばれるエレメントのリスト情報が記載される。前記、各種プレゼンテーションクリップエレメントと、それに対応した表示・使用対象となるオブジェクト名との関係を図22に示す。
図22に示すように、オブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI内で記述されるプライマリーオーディオビデオクリップエレメントPRAVCPは、プライマリーオーディオビデオPRMAVに関するオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIを説明している。また、サブスティテュートオーディオビデオクリップSBAVCPは、サブスティテュートオーディオビデオSBTAVのオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIの説明をしている。また、セカンダリーオーディオビデオクリップエレメントSCAVCPは、セカンダリーオーディオビデオSCDAVのオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIの説明をしている。またサブスティテュートオーディオクリップエレメントSBADCPは、サブスティテュートオーディオSBTADのオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIを説明している。オブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI内におけるアドバンストサブタイトルセグメントエレメントADSTSGは、アドバンストサブタイトルADSBTに関するマークアップMRKUPSに関する情報が記載されている。また、オブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI内におけるアプリケーションセグメントエレメントAPPLSGは、アドバンストアプリケーションADAPLのマークアップMRKUPとスクリプトSCRPTに関する情報が記載されている。前記再生・使用対象となる各オブジェクトに関するオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIの中には、タイトルタイムラインTMLE上の各オブジェクトの有効な期間(表示期間もしくは、その準備期間や終了処理期間も含む)に関する情報が記載されている。タイトルタイムラインTMLE上での前記有効期間は、タイトルタイムラインTMLE上での開始時間(時刻)と終了時間(時刻)により規定される。各クリップエレメントにおいて、タイトルタイムラインTMLE上における開始時間(時刻)と終了時間(時刻)は、titleTimeBegin属性とtitleTimeEnd属性により規定されている。すなわち各クリップエレメント内で個々に前記titleTimeBegin属性情報とtitleTimeEnd属性情報が記録され、タイトルタイムラインTMLE上においてtitleTimeBegin属性で記述された時刻から対応したオブジェクトの表示が開始され、titleTimeEnd属性で記述された時刻で表示が終了される。アドバンストサブタイトルセグメントエレメントADSTSGとアプリケーションセグメントエレメントAPPLSGを除くプライマリーオーディオビデオクリップエレメントPRAVCPとセカンダリーオーディオビデオクリップエレメントSCAVCP、サブスティテュートオーディオビデオクリップエレメントSBAVCP及びサブスティテュートオーディオクリップエレメントSBADCPにおいては各オブジェクトが記録されている開始位置から算出した表示経過時間を意味するclipTimeBeginにより、プライマリーオーディオビデオPRMAVやセカンダリーオーディオビデオSCDAV、サブスティテュートオーディオビデオSBATAV、サブスティテュートオーディオSBTADの表示が開始される。すなわち前述したtitleTimeBegin属性とtitleTimeEnd属性は、タイトルタイムラインTMLE上での時刻情報を意味し、前述したclipTimeBeginは各オブジェクト内での単独の時間経過を意味し、前記titleTimeBegin属性と前記clipTimeBeginの各時刻間での同期合わせをすることにより異なる複数のオブジェクトを同一のタイトルタイムラインTMLE上で同期して表示させることができる。
本実施形態では各種表示オブジェクトの表示期間と、前述したtitleTimeBegin、titleTimeEnd、clipTimeBeginとの間には以下の関係を設定することで、表示タイミングの矛盾を発生せず表示処理の精度を向上させることができる。
・titleTimeBegin<titleTimeEnd
・titleTimeEnd≦[タイトルの表示期間]
・clipTimeBegin+titleTimeEnd−titleTimeBegin≦[表示オブジェクトの表示期間]
更に本実施形態において下記の条件を設定することにより、表示精度を向上させている。
・各プライマリーオーディオビデオクリップエレメントPRAVCPの有効期間が互いにタイトルタイムラインTMLE上でオーバーラップしてはならない。
・各セカンダリーオーディオビデオクリップエレメントSCAVCPの有効期間が互いにタイトルタイムラインTMLE上でオーバーラップしてはならない。
・各サブスティテュートオーディオクリップエレメントSBADCPの有効期間が互いにタイトルタイムラインTMLE上でオーバーラップしてはならない。
・セカンダリーオーディオビデオクリップエレメントSCAVCPの有効期間とサブスティテュートオーディオクリップエレメントSBADCPの有効期間が互いにタイトルタイムラインTMLE上でオーバーラップしてはならない。
図14で示したように、プレイリストPLLSTからはプライマリービデオセットPRMVSのタイムマップPTMAP、セカンダリービデオセットSCDVSのタイムマップSTMAP、マニュフェストMNFSTとアドバンストサブタイトルADSBTのマニュフェストMNFSTSを参照する。
具体的には図22に示すように、プライマリーオーディオビデオクリップエレメントPRAVCP内で参照するファイル名としてプライマリービデオセットPRMVSのタイムマップファイルPTMAPのファイル名とその保存場所がプライマリーオーディオビデオクリップエレメントPRAVCP内に記述されている。同様にセカンダリービデオセットSCDVSのタイムマップファイルSTMAPのファイル名とその保存場所は、セカンダリーオーディオビデオクリップエレメントSCAVCP内に記述されている。さらにセカンダリービデオセットSCDVSのタイムマップファイルSTMAPのファイル名と保存場所はサブスティテュートオーディオクリップエレメントSBADCP内、又はサブスティテュートオーディオビデオクリップエレメントSBAVCP内に記述されている。またアドバンストサブタイトルADSBTのマニュフェストファイルMNFSTSのファイル名とその保存場所がアドバンストサブタイトルセグメントエレメントADSTSG内に記述されており、アドバンストアプリケーションADAPLのマニュフェストファイルMNFSTのファイル名とその保存場所はアプリケーションセグメントエレメントAPPLSG内に記述されている。
また、図22に示したオブジェクトの再生・使用時にインデックスとして参照されるファイルが保存している場所は図12に記載されているが、再度確認のため図22の前記オブジェクトが元々記録されている欄に記述した。
なお本実施形態において情報記憶媒体DISC内にプレイリストPLLSTのみ記録させ、前記プレイリストPLLSTからネットワークサーバーNTSRVまたはパーシステントストレージPRSTR内に記録された再生・使用対象となる各種オブジェクトを指定できる。
各クリップエレメント内に記述され、オブジェクトの再生・使用時にインデックスとして参照されるファイルは図22に示すように、各種記録媒体(ネットワークサーバーNTSRVを含む)内に記録することができる。前記、各クリップエレメント内に記述されるファイルの保存場所指定方法を図23に示す。すなわち、ネットワークサーバーNTSRV内にファイルが保存されている場合には、図23に示すようにHTTPサーバーまたはHTTPSサーバーのアドレスを、“ http:… ”または“ https:… ”により記述する。本実施形態において、各クリップエレメント内で記述されるファイル保存場所指定情報(URI:Uniform Resource Identifier)の記述範囲は1024バイト以下で記述しなければならない。また情報記憶媒体DISCや、ファイルキャッシュFLCCH(データーキャッシュDTCCH)やパーシステントストレージPRSTR内にこれらが記録されている場合には、データファイルとしてファイル保存場所を指定する。
図23で示した、情報記憶媒体DISCや、ファイルキャッシュFLCCH(データーキャッシュDTCCH)や、パーシステントストレージPRSTR内に各ファイルが保存されている場合、媒体メディアを識別する必要がある。本実施形態では各種クリップエレメント内で図24に示すようなパス指定記述方法を採用することにより媒体メディアを識別できるようにしているところに特徴がある。
本実施形態において、パーシステントストレージPRSTRに対して2種類の記録メディアを視野に入れている。最初のものは固定形パーシステントストレージPRSTRであり、本実施形態においては情報記録再生装置1内について1台のパーシステントストレージドライブ3のみを規定する。また、他のものは携帯形パーシステントストレージPRSTRであり、本実施形態においては情報記録再生装置1内では、1以上(複数可)を装備することが可能としている。ファイルへのパス指定記述においては、図24に示すような記述方法を規定し、この内容がプレイリストPLLST内の各種クリップエレメント内に記述される。すなわち、情報記憶媒体DISC内にファイルが記録されている場合には、 File:///dvddisc/ と記述し、ファイルキャッシュFLCCH(データキャッシュDTCCH)内にファイルが記載されている場合には、パス指定記述方法として File:///filecache/ とする。また、固定形パーシステントストレージPRSTR内にファイルが記録されている場合には、パス指定記述方法として File:///required/ とする。また、携帯形パーシステントストレージPRSTR 内にファイルが記録されている場合にはパス指定記述方法として、File:///additional/ とする。また情報記憶媒体DISCやファイルキャッシュFLCCH(データキャッシュDTCCH)またはパーシステントストレージPRSTR内に各種ファイルが記録される場合には、各記録メディア内で図13に示すファイル構造を形成し、それぞれの対応したディレクトリの下に各ファイルが記録される。
図21に示したプレイリストPLLSTに関する情報が記録されているプレイリストファイルPLLSTの中でのデータ構造を図25に記載する。このプレイリストファイルPLLSTは、図13に示すようにアドバンストコンテンツディレクトリADVCTの下に直接プレイリストファイルPLLSTの形で記録される。前記プレイリストファイルPLLST内は、管理情報と各表示オブジェクト間の同期合わせ情報及び初期時のシステム構造に関する情報(データキャッシュDTCCH内で使用するメモリ空間の事前割付など)に関する情報が記載されている。前記プレイリストファイルPLLSTは、XMLに基づく記述方法により記載される。前記プレイリストファイルPLLST内の概略データ構造を図25に示す。
図25における < Playlist[プレイリスト]… > と < /Playlist > で囲まれた領域をプレイリストエレメントと呼ぶ。前記プレイリストエレメント内の情報としては、構造情報CONFGIとメディア属性情報MDATRIとタイトル情報TTINFOが前記の順番で記載される。本実施形態において、プレイリストエレメント内の各種エレメントの配置順番は、図15に示す情報記録再生装置1内のアドバンストコンテンツ再生部ADVPLにおける映像表示開始前の動作手順に対応して設定されている。すなわち、図16に示すアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内のデータキャッシュDTCCH内での使用するメモリ空間の割付作業が再生準備の段階で最も必要となる。そのため、プレイリストエレメント内で構造情報エレメントCONFGIが最初に記述される。次に各表示オブジェクト内の情報の属性に応じて図16内のプレゼンテーションエンジンPRSENの準備がなされる必要がある。そのため、構造情報エレメントCONFGIの後ろかつタイトル情報エレメントTTINFOの前に前記メディア属性情報エレメントMDATRIが記述される必要がある。このようにデータキャッシュDTCCHとプレゼンテーションエンジンPRSENの準備が整った後、タイトル情報エレメントTTINFOに記載された情報に従いアドバンストコンテンツ再生部ADVPLが表示処理を開始する。そのため、各準備に必要な情報の後に(最後の位置に)タイトル情報エレメントTTINFOが配置される。
本実施形態においてプレイリストエレメントPLLST内のデータ構造として、プレイリストエレメントPLLST内の最初の位置に構造情報CONFGIが記載されているところに大きな特徴がある。それにより、プレイリストPLLSTで共通に使用するシステム内の条件(各パラメーター)設定が先行でき、起動時の再生開始までの時間を短縮化できる。また更に、メディア属性情報MDATRIとタイトル情報TTINFOを分離記述したところにも特徴がある。それにより、異なるタイトル間で同一の属性情報を共有化でき、記述文章量の節約とデコーダー内パラメーター設定等の処理の簡素化が図れるという効果が生じる。また、メディア属性情報MDATRIがタイトル情報TTINFOより先行した場所に記述されているところに次なる特徴がある。その結果、デコーダー内パラメーター設定等の処理を先行させる事で起動時の再生開始までの時間の短縮化が図れる。
図25における最初の行は“以下の文がXML記述方式により記載される”ということを宣言する定義文章であり、 “ < ?xml ” と “ ? > ”の間にxml属性情報XMATRIの情報が記載される構造となっている。
前記xml属性情報XMATRI内の情報内容を図26(a)に示す。
前記xml属性情報XMATRIの情報はXMLの対応バージョン情報と子関係にある別のXMLを参照しているか否かを示す情報が記載されている。前記子関係にある別のXMLを参照しているか否かを示す情報は“yes”と“no”で記述され、子関係にある別のXMLをこの対象とする記載文章の中に直接参照している場合は“no”、別のXMLをこのXML文章内で直接参照せず単独XMLとして存在する場合は“yes”を記述する。XMLの宣言文として、例えばXMLの対応バージョン番号が1.0で別のXMLを参照せず単独のXMLとして存在する場合には図26(a)の記載例として、 “< ?xml version = ‘1.0’ standalone =‘yes’ ? > ” を記述する。
プレイリストエレメントの範囲を規定するプレイリストエレメントタグ内の記載文章は、“ <Playlist ” に続き、プレイリストタグの名前空間定義情報PLTGNMとプレイリスト属性情報PLATRIを記述し、最後に “ > ” で閉じてプレイリストエレメントタグを形成する。前記プレイリストエレメントタグ内の記載情報を図26(b)に記載する。本実施形態においてプレイリストファイルPLLST内に存在するプレイリストエレメントの数は1個を原則としているが、特殊な場合には複数のプレイリストエレメントが記載可能なようになっている。その場合、プレイリストファイルPLLST内に複数のプレイリストエレメントタグが記載される可能性があるので、各プレイリストエレメント毎の識別が可能なように、プレイリストタグの名前空間定義情報PLTGNMを “ < Playlist ”の直後に記述する。また、プレイリスト属性情報PLATRI内の情報はアドバンストコンテンツバージョン番号の整数部の値MJVERNと、アドバンストコンテンツバージョン番号情報の小数点以下の値MNVERN及び、前記プレイリストエレメント内における前記プレイリストに関する付加情報(名前など)PLDSCIの情報がこの順番に記載される。例えば、記載例としてアドバンストコンテンツバージョン番号が“1.0”の場合にはアドバンストコンテンツバージョン番号の整数部の値MJVERNは“1”、アドバンストコンテンツバージョン番号の小数点以下の値MNVERNは“0”の値が入り、プレイリストPLLSTに関する付加情報をstringとする。イリストタグの名前空間定義情報PLTGNMをhttp://www.dvdforum.org/HDDVDVideo/Playlistとした場合には、プレイリストエレメントタグ内の記述文章は、
“< Playlist xmlns = ‘http://www.dvdforum.org/HDDVDVideo/Playlist
majorVersion = ‘1’
minorVersion = ‘0’
description = string >”となる。
更に図26(b)に示すように、プレイリスト属性情報PLATRI内には一般的によく使われるテキストフォーマットで記述されるプレイリスト名PLDPNMが、displayName属性情報として記述される。本実施形態におけるアドバンストコンテンツ再生部ADVPLは、情報記憶媒体DISCのディスク名として前記プレイリスト名PLDPNMをユーザーに表示することができる。また、前記プレイリスト名PLDPNMはプレイリストタグ内での記述を省くことができる。更にプレイリストコンテンツのタイプ情報PLTYPEとして、“Advanced”又は“Interoperable”のいずれかの値を記述することができる。本実施形態において、録画再生が可能なアドバンストビデオレコーディング規格に基づいてユーザーが録画・編集した映像コンテンツをアドバンストコンテンツADVCTの一部として再生することができる。その場合には、前記ユーザーが録画・編集した映像コンテンツを“インターオペラブルコンテンツ”として設定することで、前記プレイリストPLLST内での再生が可能となる。この場合には、前記プレイリストコンテンツのタイプ情報PLTYPEの値として“Interoperable”の値が記載される。それ以外の一般的なアドバンストコンテンツADVCTの映像情報の場合には、前記プレイリストコンテンツのタイプ情報PLTYPEの値として“Advanced”の値が記述される。本実施形態において、プレイリストタグ内の情報として前記プレイリストコンテンツのタイプ情報PLTYPEの記載を省くことが可能である。この場合には、デフォルト値である“Advanced”の値がプレイリストコンテンツのタイプ情報PLTYPEの値として自動設定される。
図15に示す情報記録再生装置1内のアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内では、前記プレイリストエレメントタグ内に記述されたアドバンストコンテンツバージョン番号を最初に再生し、アドバンストコンテンツ再生部ADVPLがサポートしているバージョン番号の範囲内にあるか否かを判断する。
もし、アドバンストコンテンツバージョン番号が、サポート範囲を超えた場合にはアドバンストコンテンツ再生部ADVPLは、ただちに再生処理を停止する必要がある。そのため、本実施形態ではプレイリスト属性情報PLATRI内では最も先行した位置にアドバンストコンテンツバージョン番号の情報が記載されている。
本実施形態におけるプレイリストPLLST内に記載される各種情報は、図27と図28に示すような階層構造を有している。
前述したプレイリストファイルPLLST内に記録されている情報においてプレイリストエレメント内に含まれるタイトル情報TTINFOは、図27(b)に示すように < TitleSet > と < /TitleSet >に挟まれたタイトルセットエレメントにより記述される。この前記タイトルセットエレメントはプレイリストPLLST内で定義されたアドバンストコンテンツADVCTのタイトルセットに関係した情報が記述される。前記タイトルセットエレメント内には1以上のタイトルエレメント情報TTELEMが順番に記載され、各タイトルに関する管理情報がそれぞれ対応したタイトルエレメント情報TTELEM内に記録されている。図21の例ではタイトル#1〜#3までの3個のタイトルを持っており、それに対応させて図27(b)でもタイトル#1に関するタイトルエレメント情報TTELEMからタイトル#3に関するタイトルエレメント情報TTELEMまでを記述しているが、それに限らず1以上任意数まで各タイトルに関するタイトルエレメント情報TTELEMを記述することができる。各タイトルエレメント情報TTELEMに対応したタイトル毎にそれぞれ独自にタイトルタイムラインTMLEが設定される。各タイトル毎のタイトルタイムラインTMLEの表示期間は、前記タイトルエレメント情報TTELEM内のtitleDulation属性情報(タイトルタイムラインTMLE上でのタイトル全体の時間的な長さ情報TTDUR)内に記載される。前記タイトルセットエレメント内で記述される各タイトルエレメント情報TTELEMの記載順番に従い、各対応するタイトルの番号が設定される。図27(b)に示すように、タイトルセットエレメント内に最初に記述するタイトルエレメント情報TTELEMに対応したタイトルのタイトル番号を1と設定する。本実施形態において、前記タイトルセットエレメント内に記述可能なタイトルエレメント情報TTELEMの数(1個のプレイリストPLLST内で定義できるタイトル数)は、512以下にしている。そのようにタイトル数の上限値を設定することにより、アドバンストコンテンツ再生部ADVPLでの処理が発散するのを防止している。各タイトルエレメント情報TTELEM内に記載される情報は、オブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI、リソースインフォメーションRESRCI、プレイバックシーケンスインフォメーションPLSQIとトラックナビゲーションインフォメーションTRNAVIが前記記載した順番に記録される。またオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI内には、各表示オブジェクト内のストリーム(トラック)の番号を設定したトラックナンバーアサイメントインフォメーションの情報が含まれている。前記オブジェクトマッピングインフォーメーションOBMAPI内には、図28で説明するように各種クリップエレメントのリストが記述されている。また前述した表示クリップエレメント内での各トラック番号の設定情報を表すトラックナンバーアサイメントインフォメーションに関するリストが前記オブジェクトマッピングインフォーメーションOBMAPI内に記述されている。本実施形態ではビデオ情報や、オーディオ情報や副映像情報などの各再生オブジェクトが複数のストリームを持つことが可能となっており、各ストリーム毎に別々のトラックを対応づけ、それと共にトラック番号を設定することにより表示オブジェクト内での再生ストリームの識別が可能となっている。このようにトラックナンバーアサイメントエレメントのリストを設定することで、各表示オブジェクト内で含まれるストリーム数と個々のストリーム間の識別が可能となる。リソースインフォメーションRESRCI内ではタイトルエレメント情報TTELEM内におけるリソースエレメントのリストが説明されている。トラックナビゲーションインフォメーションTRNAVI内では、トラックナビゲーションリストエレメントに関する情報が記述されている。また、プレイバックシーケンスインフォメーションPLSQI内では、同一タイトル内での映像内容の分割に対応したチャプターの先頭位置を表すチャプターリストエレメントの情報が記載されている。
図27(c)に示すようにタイトルエレメント情報TTELEM内でのオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIと、リソースインフォメーションRESRCI、プレイバックシーケンスインフォメーションPLSQI、トラックナビゲーションインフォメーションTRNAVIの配列順は、情報記録再生装置1内のアドバンストコンテンツ再生部ADVPL(図15参照)の処理手順に対応している。すなわち、タイトルエレメント情報TTELEM内の最初の場所に同一タイトル内で使用されるアドバンストアプリケーションADAPLとアドバンストサブタイトルADSBTの情報が記載されたオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIの情報が記載される。アドバンストコンテンツ再生部ADVPLは最初に記録されているオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIの中から同一タイトル内で使用されるアドバンストアプリケーションADAPLとアドバンストサブタイトルADSBTの内容を最初に把握する。図12の説明のところで説明したようにアドバンストアプリケーションADAPLとアドバンストサブタイトルADSBTの情報は、ユーザーへの表示に先立ちファイルキャッシュFLCCH(データキャッシュDTCCH)内に事前に保存されている必要がある。そのため、情報記録再生装置1内でのアドバンストコンテンツ再生部ADVPLでは、再生に先立ってどのようなアドバンストアプリケーションADAPLとアドバンストサブタイトルADSBTがタイトル内で設定され、それぞれがどのタイミングでファイルキャッシュFLCCH(データキャッシュDTCCH)内に事前格納しておくかについての情報が必要となる。アドバンストコンテンツ再生部ADVPLは次にリソースインフォメーションRESRCIを読み取り、アドバンストアプリケーションADAPLやアドバンストサブタイトルADSBTのファイルキャッシュFLCCH(データキャッシュDTCCH)内の格納タイミングを知ることができる。従ってリソースインフォメーションRESRCIがオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIの後ろに記述されることでアドバンストコンテンツ再生部ADVPLが処理しやすくなる。また、ユーザーがアドバンストコンテンツADVCTを再生する時に見たい映像を即座に移動できやすいようにプレイバックシーケンスインフォメーションPLSQIが重要となるため、リソースインフォメーションRESRCIの後ろにプレイバックシーケンスインフォメーションPLSQIが配置されている。トラックナビゲーションインフォメーションTRNAVIはユーザーへの表示直前に必要な情報なので、タイトルエレメント情報TTELEM内で最後の場所に記述される。
図27(c)に示すようにタイトルエレメント情報TTELEM内タイトルエレメントタグ内の最初にタイトルのID情報TTIDIを記述する事で
1)タイトル情報TTINFO内に複数のタイトルエレメント情報TTELEMが記述でき、(異なるタイトル毎に対応した再生管理情報としてタイトルエレメント情報TTELEMがそれぞれ設定される)。
さらに
2)タイトルエレメントタグ内の最初に記述されたタイトルのID情報TTIDIの内容を解読する事でタイトル情報TTINFO内の各タイトルエレメント情報TTELEMを即座に識別でき、プレイリストPLLST内の内容判別処理の高速化が図れる。
また、本実施形態においてタイトルエレメント情報TTELEM内で記述する内容の関連する情報同士をそれぞれまとめてグルーピングして互いに近い位置に記述した。各グループ名としてオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI、リソースインフォメーションRESRCI、プレイバックシーケンスインフォメーションPLSQI、トラックナビゲーションインフォメーションTRNAVIと名付ける。それによりプレイリストマネージャーPLMNG(図32参照)内でのプレイリストPLLSTの内容解読処理の簡素化と高速化が図れる。
本実施形態において、各タイトルエレメント情報TTELEMの開始を表すタイトルエレメントタグ内に記載されている情報を図28に示す。前記タイトルエレメントタグ内には、各タイトルの識別を行うためのタイトルのID情報TTIDが最初に記載される。次にタイトル番号情報TTNUMが記述される。本実施形態においてタイトル情報TTINFOの中に図28(b)に示すように複数のタイトルエレメント情報TTELEMを記述することができる。前記タイトル情報TTINFO内の最初から記述されるタイトルエレメント情報TTELEMに対し、記述順に従ってタイトル番号が設定され、このタイトル番号が前記タイトル番号情報TTNUM内に記述される。また、タイトルエレメント情報TTELEMで管理されるタイトルのタイプ(種類)に関してタイトルタイプ情報TTTYPEが記述される。本実施形態において、前記タイトルタイプ情報TTTYPEとして“Advanced”、“Original”及び“UserDefined”の3種類のタイプ情報の値を設定することができる。本実施形態において、ユーザーが録画・編集・再生が可能なアドバンストビデオレコーディングフォーマットで記録された映像情報をアドバンストコンテンツADVCTの一部として活用することができる。前記アドバンストビデオレコーディングフォーマットで記録された映像情報をインターオペーラブルコンテンツと呼ぶ。前記インターオペーラブルコンテンツに関するオリジナルタイトル(録画直後で編集を行う前の状態のインターオペーラブルコンテンツ)に対するタイトルタイプ情報TTTYPEを“Original”と設定する。また、前記インターオペーラブルコンテンツに関してユーザーが編集した後の(ユーザーにより定義された(Defineded))タイトルに対するタイトルタイプ情報TTTYPEを“UserDefined”と設定する。また、それ以外のアドバンストコンテンツADVCTに関しては“Advanced”と設定する。本実施形態においては、タイトル属性情報TTATRI内に前記タイトルタイプ情報TTTYPEの記述を省略することができる。この場合には、デフォルト値である“Advanced”の値が自動的に設定される。次に選択属性情報が記述される。この選択属性情報は、指定されたタイトルがユーザーオペレーションによる対応が可能か否かの選択情報を表す。例えば図15に示すシステムの場合、ユーザーが大画面テレビモニター15に向かい、(図示していないが)リモコンによる画面操作(例えば早送りFFや巻戻しFR)を行う場合がある。このようにユーザーが指示する処理をユーザーオペレーションと言い、そのユーザーオペレーションに対応してタイトルが処理されるか否かを表すのが前記選択属性情報(セレクタブルアトリビューション)に対応する。この情報は“true”か“false”どちらかの単語を記入する。例えば対応したタイトルの映像内容がコマーシャルCM44や上映予告41などユーザーに早送りされては困る場合には、対応したタイトル全体がユーザーオペレーション禁止にすることができる。この場合には前記選択属性情報を“false”とし、対応したタイトルをユーザーオペレーション禁止とし、ユーザーによる早送りや巻戻しなどの要求を拒否できる。またこの値が“true”の場合にはユーザーのオペレーションに対応し、ユーザーのリクエストに応じ巻戻しや早送りなどの処理(ユーザーオペレーション)を行うことができる。本実施形態において、前記選択属性(セレクタブルアトリビューション)の情報としてデフォルト値を“true”(ユーザーオペレーションの対応可能)に設定している。アドバンストコンテンツ再生部ADVPL(図15参照)は前記選択属性情報に基づきタイトルの再生処理方法が大きく変わる。従って前記選択属性情報をタイトルのID情報TTIDの直後で他の情報よりも先行した位置に配置することにより、アドバンストコンテンツ再生部ADVPL処理の利便性を向上させることができる。本実施形態においてはタイトルエレメントタグ内で、前記選択属性情報の記述を省くことが可能である。記載が省かれた場合には、デフォルト値の“true”として設定される。
フレームレート情報は画面表示する映像の1秒間のフレーム数を表し、タイトルタイムラインTMLEの基準時間間隔に対応する。図21で説明したように、本実施形態ではタイトルタイムラインTMLEとして、50Hz系(1秒間にタイトルタイムラインTMLE上で50カウント分だけカウントアップされる)と、60Hz系(1秒間にタイトルタイムラインTMLE上で60カウント分だけカウントアップされる)の2方式が設定可能としている。例えばNTSCにおけるインターレース表示の場合には、1秒間に30フレーム(60フィールド)が表示される。この場合には60Hz系に対応し、タイトルタイムラインの1刻みの間隔(1カウントの時間間隔)が1/60秒となる。本実施形態において、タイトルタイムラインTMLEに準拠したクロックをメディアクロックと呼び、マークアップMRKUP毎に設定されるクロックであるページクロックと区別される。更に本実施形態では、マークアップMRKUP内で指定されるアドバンストアプリケーションADAPL実行時に定義されるアプリケーションクロックが存在する。前記ページクロックと前記アプリケーションクロックの基準周波数は互いに等しくチッククロックの周波数と呼ぶ。本実施形態では前記タイトルタイムラインTMLEに対応したメディアクロックと前記チッククロックが独自に設定可能にした所に大きな特徴がある。それにより例えば、プライマリーオーディオビデオPRMAVの映像情報に対する高速再生や巻戻し再生などの特殊再生を行っている最中にアドバンストアプリケーションADAPLで定義されたアニメーションに対して上記チッククロック(アプリケーションクロック)に基づく標準速度再生を行うことができ、ユーザーに対する表現形式を大幅に向上させることができる。前記マークアップページ内で使われるチッククロックの周波数情報TKBASEを“tickBase = ”の直後に記述する。前記マークアップMRKUP内で使われるチッククロックの周波数情報TKBASEの値は上記フレームレート(1秒間のフレーム数)情報として記述された値以下の値として設定されなければならない。それにより、チッククロックに基づくアドバンストアプリケーションADAPLの実行(アニメーションの表示など)をタイトルタイムラインTMLEに合わせて(メディアクロックと矛盾が起きないように)スムーズに表示することが可能となるばかりでなく、アドバンストコンテンツ再生部ADVPL内の回路構造の簡素化を図ることができる。本実施形態においてタイトルの属性情報TTATRI内に前記マークアップ内で使われるチッククロックの周波数情報TKBASEの記述を省くことができる。この場合には、チッククロックの周波数TKBASEの値としてはデフォルト値であるフレームレート(1秒間のフレーム数)情報の値に自動的に一致される。タイトルタイムラインTMLE上でのタイトル全体の時間的な長さ情報TTDURは、対応したタイトル上でのタイトルタイムラインTMLEの全体の長さを表している。タイトルタイムラインTMLE上でのタイトル全体の時間的な長さ情報TTDURは、フレームレート(1秒間のフレーム数)情報に対応した50Hz系もしくは60Hz系のトータルカウント数で記述される。例えば該当するタイトルの全体の表示時間がn秒の場合にはタイトルタイムラインTMLE上でのタイトル全体の時間的な長さ情報TTDURとしてはトータルカウント数として60nまたは50nの値が入る。本実施形態において全ての再生オブジェクトの終了時間は、前記タイトルタイムラインTMLE上でのタイトル全体の時間的な長さ情報TTDURより小さくならなければならない。このようにタイトルタイムラインTMLE上でのタイトル全体の時間的な長さ情報TTDURはタイトルタイムラインTMLE上の時間刻み間隔に依存するため、この情報をフレームレート情報の後ろに配置することでアドバンストコンテンツ再生部ADVPLのデータ処理のし易さを向上させている。
次のパレンタルレベル情報は再生対応したタイトルのパレンタルレベルを示している。
前記パレンタルレベルの値は8以下の数字を記入する。本実施形態において、前記タイトルエレメントタグ内でこの情報を省くことも可能である。デフォルト値としての値は“1”として設定される。
このタイトル終了後に表示されるべきタイトルの番号情報を表すonEnd情報は、現在のタイトルが終了した後、次に再生すべきタイトルに関するタイトル番号の情報が記載される。前記タイトル番号に記入される値が“0”の時は、タイトル終了後にポーズ(終了画面を表示したまま)となる。デフォルト値としてはこの値は“0”に設定される。またタイトルエレメントタグ内でこの情報の記載を省くことも可能であり、その場合にはデフォルト値の“0”に設定される。
前記情報記録再生装置1が表示するタイトル名情報であるdisplayNameは、対応するタイトルの名前がテキストフォーマットで記述される。ここに記載された情報が情報記録再生装置1のタイトル名として表示することができる。また、この情報はタイトルエレメントタグ内で省くことも可能である。更にタイトルの初期状態におけるメニュー言語情報DEFLNGは、対応するタイトルに関するメニューを表示する時の初期状態における言語(日本語、英語など)を示している。前記の値はISO-639内で定義された言語名を表すコード(two-letter・lowercase・symbols)から構成される。図51に示すプロファイルパラメーターの中で設定されたメニュー言語(menuLanguage)に合致したタイトル内でのアプリケーションセグメントAPPLSGに関する記述(定義)が前記プレイリストPLLST内に存在しない場合には、前記タイトルの初期状態におけるメニュー言語情報DEFLNG(defaultLanguage)で設定された値(言語)に基づくアプリケーションセグメントAPPLSGが有効となる。このように前記情報を活用することにより、複数の言語に基づいてアプリケーションセグメントAPPLSGが複数設定された場合の最適なアプリケーションセグメントAPPLSGの選択抽出が容易となる。前記タイトルの初期状態におけるメニュー言語情報DEFLNGは、タイトルの属性情報TTATRI内での記述を省略することができる。更にタイトルに関する付加情報(description)の欄には、前記タイトルに関する付加情報がテキストフォーマットで記載される。前記情報はタイトルエレメントタグ内で記載を省略することが可能となる。前記情報記録再生装置1が表示するタイトル名情報(displayName)とタイトルに関する付加情報(description)は、アドバンストコンテンツ再生部ADVPLの再生用処理を行う上での本質的な情報ではないので、タイトルの属性情報TTATRI内で後ろの場所に記録される。最後にタイトルエレメントに対応したファイル保存場所URI記述形式XMBASEは、XMLに準拠したURI(ユニフォームリソースインフォメーション)に関する記述形式フォーマット(XML_BASE)を示している。
タイトルエレメントタグの具体的な情報例として例えばタイトルの識別用ID情報を“Ando”とし、60Hz系でのタイトル全体の時間的な長さが80000の場合には、
記述例:< Title = ‘Ando’titleDuration = ‘80000’>と記載される。
60Hz系においては、1秒間にタイトルタイムラインTMLEのカウント数が60カウントアップされるので前記80000の値は80000÷60÷60 ≒ 22分に対応する。
タイトルエレメント情報TTELEM内の情報は、図27(c)に示す各表示クリップエレメントのリストで記述されるオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPIと、タイトルリソースエレメントが記録されているリソースインフォメーションRESRCIと、チャプターリストエレメントが記載されているプレイバックシーケンスインフォメーションPLSQIとトラックリストナビゲーションリストエレメントで記載されるトラックナビゲーションインフォメーションTRNAVIから構成されている。前記表示クリップエレメントは、図28(c)に示すようにプライマリーオーディオビデオクリップPRAVCPとサブスティテュートオーディオビデオクリップSBAVCP、サブスティテュートオーディオクリップSBADCP、セカンダリーオーディオビデオクリップSCAVCP、アドバンストサブタイトルセグメントADSTSGとアプリケーションセグメントAPPLSGで記述される。前記表示クリップエレメントは、タイトル内のオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI内に記述される。また、前記表示クリップエレメントは各エレメンタリーストリームに対応してトラックナンバーアサイメントインフォメーションの一部として記述される。
プレイバックシーケンスインフォメーションPLSQIは図28(d)に示すようにチャプターリストエレメントのリストとして記載される。
プレイバックシーケンスインフォメーションPLSQI内でのチャプターリストエレメントは、タイトル内のチャプター構造を記述している。チャプターリストエレメントはチャプターエレメント(図28(d)に示すように<Chapter title Time Begin >タグから始まる各行)のリストとして記述されている。チャプターリスト内で最初に記述されたチャプターエレメントの番号を“1”とし、それぞれ各チャプターエレメントの記述順番に応じて各チャプター番号が設定される。1個のチャプターリスト(タイトル)内でのチャプター数は512以下と設定し、アドバンストコンテンツ再生部ADVPLでの処理時の発散を防いでいる。各チャプターエレメント内でのtitleTimeBegin属性(“<Chapter title Time Begin > = ”以降に記載される情報)は、タイトルタイムライン上での各チャプターの開始位置を示す時刻情報(タイトルタイムラインTMLE上でのカウント数)を表している。前記各チャプターの開始位置を示す時刻情報は、時・分・秒・フレーム数を表した“HH:MM:SS:FF”により表示される。このチャプターの終了位置は次のチャプターの開始位置で表される。また、最後のチャプターの終了位置に関してはタイトルタイムラインTMLE上の最後の値(カウント値)として解釈される。各チャプターのタイトルタイムラインTMLE上での開始位置を表す時刻情報(カウント値)は、各チャプター番号の増加(インクリメント)に対応して単調に増加するように設定されなければならない。このように設定することにより各チャプターの再生順に従った順次ジャンプアクセス制御が容易となる。チャプターエレメント毎の付加情報は、人が理解し易いようにテキストフォーマットで記述される。また前記チャプターエレメント毎の付加情報は、チャプターエレメントタグ内での記述を省くことができる。更に、“displayName = ”の直後に対応チャプター名を人が理解し易いテキストフォーマットで記述することができる。アドバンストコンテンツ再生部ADVPL(図15参照)は、前記対応チャプター名情報を各チャプター毎の名前として、大画面TVモニター15上に表示することができる。また、前記対応チャプター名情報は、前記チャプターエレメントタグ内での記述を省くことができる。
前述した図12で定義された各種再生表示オブジェクトのアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内でのデータの流れを図29に示す。
図15に示す情報記録再生装置1内のアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内の構造を図16に示した。図29における情報記憶媒体DISC、パーシステントストレージPRSTR、ネットワークサーバーNTSRVはそれぞれ図16の対応するものに一致する。図29におけるストリーミングバッファーSTRBUFとファイルキャッシュFLCCHを総称してデータキャッシュDTCCHと呼び、図16のデータキャッシュDTCCHに対応する。図29におけるプライマリービデオプレーヤーPRMVP、セカンダリービデオプレーヤーSCDVP、メインビデオデコーダーMVDEC、メインオーディオデコーダーMADEC、サブピクチャーデコーダーSPDEC、サブビデオデコーダーSVBEC、サブオーディオデコーダーSADEC、アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN及びアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLは、図16におけるプレゼンテーションエンジンPRESENに含まれる。また、アドバンストコンテンツ再生部ADVPL内での各種再生表示オブジェクトデーターの流れを管理する部分が図16におけるナビゲーションマネージャーNVMNGであり、各種アドバンストコンテンツADVCTの保存場所とアドバンストコンテンツ再生部ADVPL間のデータの仲介をする部分が図16におけるデータアクセスマネージャーDAMNGになる。
図12に示すように再生オブジェクトの再生時にはプライマリービデオセットPRMVSのデータは情報記憶媒体DISCに記録されている必要がある。
本実施形態においてプライマリービデオセットPRMVSは、高解像度の映像情報をも取り扱うことができる。従って、プライマリービデオセットPRMVSのデータ転送レートが非常に高くなる危険性がある。ネットワークサーバーNTSRVから直接再生を試みた場合もしくはネットワークライン上での一時的なデータ転送レートの低下が生じた場合に、ユーザーに対する連続的な映像表現が中断される危険がある。また図47に示すようにパーシステントストレージPRSTRとしてSDカードSDCDやUSBメモリーUSBM、USBHDD、NASなど多様な情報記憶媒体を想定しており、パーシステントストレージPRSTRとして使用される情報記憶媒体によってはデータ転送レートの低い場合も想定される。従って、本実施形態において高解像度の映像情報をも取り扱うことのできるプライマリービデオセットPRMVSが前記情報記憶媒体DISCのみに記録可能にすることにより高解像度のプライマリービデオセットPRMVSのデータに対しても中断することなく、ユーザーへの連続表示を保証することができる。このように情報記憶媒体DISCから読み出されたプライマリービデオセットPRMVSは、プライマリービデオプレーヤーPRMVP内へ転送される。プライマリービデオセットPRMVS内ではメインビデオMANVD、メインオーディオMANAD、サブビデオSUBVD、サブオーディオSUBADと副映像SUBPTが2048単位のパックとして多重化されて記録されている。それぞれのパックは再生時に分割され、メインビデオデコーダーMVDEC、メインオーディオデコーダーMADEC、サブビデオデコーダーSVDEC、サブオーディオデコーダーSADECとサブピクチャーデコーダーSPDEC内でデコード処理される。セカンダリービデオセットSCDVSのオブジェクトは情報記憶媒体DISCかパーシステントストレージPRSTRから直接再生されるルートと、一時データキャッシュDTCCHに保存された後データキャッシュDTCCHから再生される方法との2種類の方法を本実施形態では認めている。前述した最初の方法においては、情報記憶媒体DISCまたはパーシステントストレージPRSTRに記録されたセカンダリービデオセットSCDVSが直接セカンダリービデオプレーヤーSCDVPに転送され、メインオーディオデコーダーMADEC、サブビデオデコーダーSVDECまたはサブオーディオデコーダーSADECによりデコード処理される。また前述した2番目の方法としてセカンダリービデオセットSCDVSは情報記憶媒体DISC、パーシステントストレージPRSTR、ネットワークサーバーNTSRVのいずれに記録されている場合もデータキャッシュDTCCH内に一度記録され、データキャッシュDTCCHからセカンダリービデオプレーヤーSCDVPへ送られる。この時情報記憶媒体DISCまたはパーシステントストレージPRSTR内に記録されているセカンダリービデオセットSCDVSは、データキャッシュDTCCH内のファイルキャッシュFLCCHに記録されるが、ネットワークサーバーNTSRVに記録されているセカンダリービデオセットSCDVSはストリーミングバッフアーSTRBUFに一時保存される。情報記憶媒体DISCまたはパーシステントストレージPRSTRからのデータ転送に対しては大幅にデータ転送レートが低下することはない。しかし、ネットワークサーバーNTSRVから送られてくるオブジェクトデーターのデータ転送レートはネットワーク事情で一時的に大幅に低下する危険性がある。従ってネットワークサーバーNTSRVから送られてくるセカンダリービデオセットSCDVSに対しては、ストリーミングバッファーSTRBUFに記録することでシステム的なネットワーク上のデータ転送レートの低下をバックアップすると共にユーザー表示時の連続再生を保証できるようにしている。また、本実施形態ではそれに限らずネットワークサーバーNTSRV内に記録されたセカンダリービデオセットSCDVSのデータをパーシステントストレージPRSTRに保存することもできる。その後、パーシステントストレージPRSTRからセカンダリービデオプレーヤーSCDVPにセカンダリービデオセットSCDVSの情報を転送し、再生表示することも可能である。
図12に示すように、アドバンストアプリケーションADAPLとアドバンストサブタイトルADSBTの情報はオブジェクトの記録場所によらず、全て一時的にデータキャッシュDTCCH内のファイルキャッシュFLCCH内に保存するようにしている。それによりプライマリービデオセットPRMVSや、セカンダリービデオセットSCDVSとの同時再生時の図15に示す情報記録再生部内における光学ヘッドのアクセス回数を減らし、ユーザーへの連続表示を保証することができる。このようにファイルキャッシュFLCCH内に一時保存されたアドバンストアプリケーションADAPLは、アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENに送られ、ユーザーへの表示処理がなされる。また、ファイルキャッシュFLCCH内に保存されたアドバンストサブタイトルADSBTの情報はアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLに転送され、ユーザーに表示される。
図16に示したアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内のデータアクセスマネージャーDAMNG内の構造を図30に示す。
本実施形態におけるデータアクセスマネージャーDAMNGは、パーシステントストレージPRSTR、ネットワークサーバーNTSRVおよび情報記憶媒体DISC内に記録された各種再生オブジェクトのアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内へのやりとりを制御する場所である。データアクセスマネージャーDAMNGはディスクマネージャーDKMNG、パーシステントストレージマネージャーPRMNGとネットワークマネージャーNTMNGから構成される。始めにディスクマネージャーDKMNGの動作説明を行う。本実施形態においてディスクマネージャーDKMNGは情報記憶媒体DISCから情報を読取り、アドバンストコンテンツ再生部ADVPL内の各種内部モジュールへデータを転送する時のデータ制御を行う。ディスクマネージャーDKMNGは本実施形態における情報記憶媒体DISCに対し、API(アプリケーションインターフェース)のコマンドに従い情報記憶媒体DISC内に記録された各種ファイルの再生を行う。本実施形態において、情報記憶媒体DISCへの情報の書込み機能は前提としていない。
パーシステントストレージマネージャーPRMNGは、パーシステントストレージPRSTRとアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内の各種内部モジュールとの間のデータ転送を制御している。パーシステントストレージマネージャーPRMNGも前述したディスクマネージャーDKMNGと同様、APIのコマンドセットに対応して、パーシステントストレージPRSTR内のファイルアクセス制御(ファイルの読取り制御)を行う。本実施形態におけるパーシステントストレージPRSTRは、記録と再生機能を前提としている。
ネットワークマネージャーNTMNGは、ネットワークサーバーNTSRVとアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内における内部モジュールとの間のデータ転送制御を行う。ネットワークマネージャーNTMNGはネットワークサーバーNTSRVに対するAPIセットのコマンドに基づきファイルアクセス制御(ファイルの読取り制御)を行う。本実施形態において、ネットワークサーバーNTSRVはネットワークサーバーNTSRVからのファイルダウンロードを通常サポートするだけでなく、ネットワークサーバーNTSRVへのファイルアップロードもサポートできる。
さらに、本実施形態においては、ネットワークマネージャーNTMNGが、プレゼンテーションエンジンPRSENへ送る各種再生オブジェクトのプロトコルレベルでのアクセス制御機能まで管理している。また、図29に示すようにセカンダリービデオセットSCDVSがネットワークサーバーNTSRVからストリーミングバッファーSTRBUFを返してセカンダリービデオプレーヤーSCDVPへのデータ転送制御を行うことができる。これらの制御もネットワークマネージャーNTMNGが制御・管理している。
図16に示したアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内のデータキャッシュDTCCH内の構造を図31に示す。
本実施形態においてデータキャッシュDTCCHは、テンポラルなデータの一時保存場所として下記に述べる2種類の領域に分割される。最初の領域はファイルキャッシュFLCCHであり、ファイルデーターに対する一時保管場所(テンポラルバッファー)として使われる。また、次の領域として本実施形態ではストリーミングデーターに対する一時保管場所として使用されるストリーミングバッファーSTRBUFを定義することができる。図29に示すように本実施形態においては、ストリーミングバッファーSTRBUFにはネットワークサーバーNTSRVから転送されたセカンダリービデオセットSCDVSが一時保存可能な形となっている。また前記ストリーミングバッファーSTRBUF内にはセカンダリービデオセットSCDVSに含まれるサブスティテュートオーディオSBTAD、サブスティテュートオーディオビデオSBTAV、またはセカンダリーオーディオビデオSCDAVが一時的に記録される。プレイリストPLLST内のリソースインフォメーションRESRCIの中のストリーミングバッファーSTRBUFに関する情報記述欄の中にデータキャッシュDTCCH内に割当てられるストリーミングバッファーSTRBUF領域に関する情報(ストリーミングバッファーSTRBUF領域のサイズやストリーミングバッファーSTRBUF領域として割り付けられるメモリー空間上のアドレス範囲など)が記載される。
また、アドバンストコンテンツADVCTの再生起動処理(スタートアップシーケンス)中に前記データキャッシュDTCCHの割当て作業(ファイルキャッシュFLCCHに割当てるデータサイズとストリーミングバッファーSTRBUFに割当てるデータサイズの割付処理)がなされる。本実施形態において前記データキャッシュDTCCH内のデータサイズは、64MB以上あることを前提としている。64MB以上を前提とすることによりアドバンストアプリケーションADAPLやアドバンストサブタイトルADSBTのユーザーへの表示処理をスムーズに行うことを保証している。
本実施形態においてアドバンストコンテンツADVCT再生時の再生における起動処理時(スタートアップシーケンス)に、前述したデータキャッシュDTCCH内の割付作業(ファイルキャッシュFLCCHとストリーミングバッファーSTRBUFの割当てメモリサイズの設定など)の変更が行われる。プレイリストファイルPLLST内に前記ストリーミングバッファーSTRBUFに割当てるべきメモリサイズ情報が記述されている。もし、ストリーミングバッファーSTRBUFのサイズがプレイリストPLLST内に表示されていない場合には、ストリーミングバッファーSTRBUFに割当てられるメモリサイズは“0”とみなされる。図27に示すプレイリストファイルPLLST内の構造情報CONFGI内で記述されるストリーミングバッファーSTRBUFのサイズ情報はパックサイズ(論理ブロックサイズまたは論理セクタサイズ)を単位として記述される。本実施形態において1パックサイズと1論理ブロックサイズと1論理セクタサイズは全て一致し、2048バイト(約2キロバイト)となる。例えば前述した構造情報CONFGI内で記述されるストリーミングバッファーサイズが1024と記述された場合には、実際にデータキャッシュDTCCH内で割当てられるストリーミングバッファーSTRBUFのメモリー空間上のサイズは、1024 × 2 = 2048キロバイトとなる。また、ストリーミングバッファーSTRBUFの最小サイズは0バイトと規定してある。本実施形態においてプライマリービデオセットPRMVS内に含まれるプライマリーエンハンストビデオオブジェクトP-EVOBやセカンダリービデオセットSCDVS内に含まれるセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトS-EVOBは、それぞれパック単位のストリームが論理ブロック(論理セクタ)毎に記録されている。従って本実施形態においてストリーミングバッファーSTRBUFのサイズ情報をパックサイズ(論理ブロックサイズまたは論理セクタサイズ)を単位として記述することにより、各ストリームパックへのアクセス制御を容易にするという効果がある。
ファイルキャッシュFLCCHは、データアクセスマネージャーDAMNGを経由して外部から取込まれたアドバンストコンテンツADVCTのデータを一時保存する場所として利用され、図31に示すようにナビゲーションマネージャーNVMNGとプレゼンテーションエンジンPRSENの両方が使用することができる。
図31に示すように本実施形態では、ストリーミングバッファーSTRBUFはプレゼンテーションエンジンPRSENのみが使用するメモリ空間になっている。図29に示すように本実施形態では、ストリーミングバッファーSTRBUFはセカンダリービデオセットSCDVSのデータが記録され、セカンダリービデオプレーヤーSCDVPにおけるセカンダリービデオプレイバックエンジンSVPBENにより使用することができる。セカンダリービデオプレーヤーSCDVPは、ネットワークマネージャーNTMNG(図30に示すデータアクセスマネージャーDAMNG内に存在する)に要求を出し、セカンダリービデオセットSCDVS内のセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトデーターS-EVOBの少なくとも一部をネットワークサーバーNTSRVから読取り、前記ストリーミングバッファーSTRBUFに一時保存する。その後、ストリーミングバッファーSTRBUF内に一時保存されたセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトデーターS-EVOBをセカンダリービデオプレーヤーSCDVPが読取り、図39に示すセカンダリービデオプレーヤーSCDVP内のデマルチプレクサDEMUXへデータ転送しデコーダーエンジンDCDEN内でデコーダー処理が施される。
図16に示したアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内のナビゲーションマネージャーMVMNGの内部構造を図32に示す。本実施形態においてナビゲーションマネージャーNVMNGは、パーサーPARSER、プレイリストマネージャーPLMNG、アドバンストアプリケーションマネージャーADAMNG、ファイルキャッシュマネージャーFLCMNGとユーザーインターフェースエンジンUIENGの5つの主要な機能モジュールから構成される。
本実施形態においては、プレイリストマネージャーPLMNGまたはアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGからのリクエストに応じ、アドバンストナビゲーションファイル(図13に示すアドバンストナビゲーションディレクトリADVNV内のマニュフェストファイルMNFST、マークアップファイルMRKUPとスクリプトファイルSCRPT)を図32に示すパーサーPARSERが解読し内容の分析処理を行う。パーサーPARSERは前記分析結果に基づき、各種必要な情報を各機能モジュールへ送る。
図32に示したプレイリストマネージャーPLMNG内では以下に示す処理を行う。
・図16に示すアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内のプレゼンテーションエンジンPRSENとAVレンダラーAVRNDを始めとする全ての再生制御モジュールの初期化
・タイトルタイムラインTMLE制御(タイトルタイムラインTMLEに同期した各表示オブジェクトの同期化処理やユーザー表示時でのタイトルタイムラインTMLEの一時停止や早送り制御など)
・ファイルキャッシュFLCCH(データキャッシュDTCCH)内でのリソースマネージメント
・アドバンストコンテンツ再生部ADVPL内のプレゼンテーションエンジンPRSENとAVレンダラーAVRNDを始めとした再生表示制御モジュールの管理
・プレイヤーシステムのインターフェース処理
本実施形態において、図32に示したプレイリストマネージャーPLMNGがプレイリストファイルPLLST内に記述された内容に基づき初期処理を行う。具体的な内容として、図31に示したデータキャッシュDTCCH内のファイルキャッシュFLCCHに割当てられるメモリ空間サイズとストリーミングバッファーSTRBUFとして割当てられるメモリ空間内のデータサイズをプレイリストマネージャーPLMNGが変更する。アドバンストコンテンツADVCTの再生表示時には前記プレイリストマネージャーPLMNGが各再生制御モジュールに対して必要な再生表示情報を転送処理している。例として、プライマリービデオマネージャーPRMVPに対しては、プライマリーエンハンストビデオオブジェクトデータP-EVOBの再生期間中にプライマリービデオセットPRMVSのタイムマップファイルPTMAPを送信する。また、アドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGに対し、マニュフェストファイルMNFSTをプレイリストマネージャーPLMNGからデータ転送する。
プレイリストマネージャーPLMNGは以下の3つの制御を行う。
1) アドバンストアプリケーションADAPLからの要求に応じ、タイトルタイムラインTMLEの進行処理を行う。図21の説明の所で、アドバンストアプリケーションADAPL再生時のハードシンクジャンプによりマークアップページ遷移が生じる場合の説明を行った。例えば図20の例を用いて説明する。本編31とコマーシャル用の別画面32を同時に表示している最中にユーザーがアドバンストアプリケーションADAPLに含まれるヘルプアイコン33を押した場合に対応して、画面の下側に表示されているアドバンストアプリケーションADAPLにより構成される画面内容の変更(マークアップページの遷移)が生じる場合がある。この時、次に表示される画面の下側に表示されている内容(次に表示されるマークアップページ)の準備に所定の時間が必要なことがある。このような場合には次のマークアップページの準備が完了するまでの間にプレイリストマネージャーPLMNGがタイトルタイムラインTMLEの進行を止め、映像や音声を静止状態にすることがある。これらの処理をプレイリストマネージャーPLMNGが行う。
2) 各種再生表示制御モジュールからの再生状況の再生表示処理状況(ステータス)の制御、その具体的な例として、本実施形態においてはプレイリストマネージャーPLMNGが各部署の進行状況を把握し、異常が生じた時の対応処理を行う。
3) 現行のプレイリストPLLSTにおけるデフォルト状態での再生表示スケジュール管理
タイトルタイムラインTMLEに同期して表示される各種表示オブジェクトが連続した(シームレスな)再生の必要性に限らず、本実施形態においてプレイリストマネージャーPLMNGは、プライマリービデオプレーヤーPRMVPやセカンダリービデオプレーヤーSCDVPなどの再生表示モジュールの監視を行っている。また、タイトルタイムラインTMLEに同期して再生表示される各種表示オブジェクトが連続した(シームレスな)再生表示が不可能になった場合には、前記同期して表示・再生されるオブジェクトとタイトルタイムラインTMLE上での時刻(時間)との間の再生タイミングの調整をプレイリストマネージャーPLMNGが行いユーザーに対して違和感を与えない表示制御を行うことができる。
ナビゲーションマネージャーNVMNG内のプレイリストマネージャーPLMNGは、プレイリストPLLST内のオブジェクトマッピングインフォメーションOBMAPI内にあるリソースインフォメーションRESRCIの読み出しと解析を行う。プレイリストマネージャーPLMNGは、読出したリソースインフォメーションRESRCIをファイルキャッシュFLCCHに転送する。タイトルタイムラインTMLEの進行に合わせて、リソースマネージメントテーブルに基づきファイルキャッシュマネージャーFLCMNGがリソースファイルをロードまたは消去処理をするように前記プレイリストマネージャーPLMNGからファイルキャッシュマネージャーFLCMNGに指示する。
ナビゲーションマネージャーNVMNGにおけるプレイリストマネージャーPLMNGは、アドバンストアプリケーションマネージャーADAMNG内のプログラミングエンジンPRGENに対し、再生表示制御に関係する各種のコマンド(API)を発生させ、プレイリストマネージャーPLMNGが前記プログラミングエンジンPRGENの制御を行う。前記プレイリストマネージャーPLMNGから発生する各種コマンド(API)の例として、セカンダリービデオプレーヤーSCDVP(図38)に対して制御を行うコマンドや、オーディオミキシングエンジンADMXEN(図42)に対する制御コマンド及びイフェクトオーディオEFTADの処理に関するAPIコマンドなどを発行する。
また、プレイリストマネージャーPLMNGは、アドバンストアプリケーションマネージャーADAMNG内のプログラミングエンジンPRGENに対するプレイヤーシステムAPIコマンドも発行する。これらのプレイヤーシステムAPIコマンドは、システムインフォメーションにアクセスするコマンドなどが挙げられる。
本実施形態において、図32に示すアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGの機能について説明を行う。前記アドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGは、アドバンストコンテンツADVCTの全ての再生表示処理に関する制御を行う。また更に前記アドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGは、アドバンストアプリケーションADAPLのマークアップMRKUPやスクリプトSCRPTの情報に関連して、連携作業として図34に示すアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENの制御も行う。図32に示すようにアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGはディクレラティブエンジンDECENとプログラミングエンジンPRGENから構成される。
前記ディクレラティブエンジンDECENは、アドバンストアプリケーションADAPLにおけるマークアップMRKUPに対応して、アドバンストコンテンツADVCTの宣言処理の管理及び制御を行う。前記ディクレラティブエンジンDECENは、以下の項目に対し対応する。
1、アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN(図34)の制御
・グラフィックオブジェクト(アドバンストアプリケーションADAPL)とアドバンストテキスト(アドバンストサブタイトルADSBT)のレイアウト処理
・グラフィックオブジェクト(アドバンストアプリケーションADAPL)とアドバンストテキスト(アドバンストサブタイトルADSBT)の表示スタイル制御
・グラフィックプレイン(アドバンストアプリケーションADAPLに関係した表示)の表示予定に合わせた表示タイミング制御とイフェクトオーディオEFTADの再生時のタイミング制御
2、メインビデオMANVDの制御処理
・プライマリーオーディオビデオPRMAVにおけるメインビデオMANVDの属性制御
図43に示すようにメインビデオプレインMNVDPL内でのメインビデオMANVDの画面サイズは、アドバンストアプリケーションADAPL内のAPIコマンドにより設定される。この場合、ディクレラティブエンジンDECENがアドバンストアプリケーションADAPL内に記述されたメインビデオMANVDの画面サイズと画面配置場所情報に対応して前記メインビデオMANVDの表示制御を行う。
3、サブビデオSUBVDの制御
・プライマリーオーディオビデオPRMAV内またはセカンダリーオーディオビデオSCDAV内のサブビデオSUBVDの属性制御
図43に示すようにサブビデオプレインSBVDPL内でのサブビデオSUBVDの画面サイズは、アドバンストアプリケーションADAPL内のAPIコマンドにより設定される。この場合、ディクレラティブエンジンDECENがアドバンストアプリケーションADAPL内に記述されたサブビデオSUBVDの画面サイズと画面配置場所情報に対応して前記サブビデオSUBVDの表示制御を行う。
4、スケジュール管理されたスクリプトコール
・アドバンストアプリケーションADAPL内で記述されたタイミングエレメントの実行に対応してスクリプトコールのタイミングを制御する。
本実施形態においてプログラミングエンジンPRGENは、APIセットコールや、アドバンストコンテンツADVCTのある種の制御などの各種イベントに対応した処理を管理する。また前記プログラミングエンジンPRGENにより、標準的にはリモコン操作処理などのユーザーインターフェースイベントが取り扱われる。前記ユーザーインターフェースイベントUIEVTなどにより、ディクレラティブエンジンDECEN内で定義されたアドバンストアプリケーションADAPLの処理変更や、アドバンストコンテンツADVCTの処理変更などをすることができる。
ファイルキャッシュマネージャーFLCMNGは、以下の事柄に対応して処理する。
1、プライマリーエンハンストビデオオブジェクトセットP-EVOBS内に多重化されているアドバンストアプリケーションADAPLに関するパックやアドバンストとサブタイトルADSBTに関するパックを抜き出し、ソースファイルとしてまとめてファイルキャッシュFLCCH内にリソースファイルとして保存する。前記、プライマリーエンハンストビデオオブジェクトセットP-EVOBS内に多重化されたアドバンストアプリケーションADAPLに対応したパックやアドバンストサブタイトルADSBTに対応したパックは図39に示すデマルチプレクサDEMUXにより、抽出される。
2、情報記憶媒体DISC、ネットワークサーバーNTSRVまたはパーシステントストレージPRSTR内に記録されている各種ファイルを、ファイルキャッシュFLCCH内にリソースファイルとして保存する。
3、プレイリストマネージャーPLMNGやアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGのリクエストに応じ過去に前記各種データーソースからファイルキャッシュFLCCHに転送したソースファイルの再生を行う。
4、ファイルキャッシュFLCCH内におけるファイルシステム管理処理を行う。
前述したように、プライマリーエンハンストビデオオブジェクトセットP-EVOBS内に多重化され、プライマリービデオプレーヤーPRMVP内のデマルチプレクサDEMUXで抜き出されたアドバンストアプリケーションADAPLに関係したパックの処理を前記ファイルキャッシュマネージャーFRCMNGで行うが、この時にプライマリーエンハンストビデオオブジェクトセットP-EVOBS内に含まれているアドバンストストリームパック内のプレゼンテーションストリームヘッダは外され、アドバンストストリームデーターとしてファイルキャッシュFLCCH内に記録される。また、プレイリストマネージャーPLMNGやアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGの要請に応じて情報記憶媒体DISC、ネットワークサーバーNTSRVやパーシステントストレージPRSTR内に保存されていたリソースファイルの獲得もファイルキャッシュマネージャーFLCMNGが行う。
ユーザーインターフェースエンジンUIENGには、図32に示すようにリモートコントロールコントローラーRMCCTR、フロントパネルコントローラーFRPCTR、ゲームパッドコントローラーGMPCTR、キーボードコントローラーKBDCTR、マウスコントローラーMUSCTRやカーソルマネージャーCRSMNGが含まれる。本実施形態において、フロントパネルコントローラーFRPCTRとリモートコントロールコントローラーRMCCTRのうちいずれか一方はサポートされなければならない。また、本実施形態において、カーソルマネージャーCRSMNGは必須となり、画面上でのユーザー処理としてはパーソナルコンピューターと同様のカーソル利用が前提となる。それ以外の各種コントローラーについては本実施形態ではオプション扱いとする。図32に示したユーザーインターフェースエンジンUIENG内の各種コントローラーは、実際の対応したデバイス(マウスやキーボードなど)が使用可能かどうかを検出するとともにユーザーオペレーションのイベントを監視している。前記のユーザー入力処理が行われると、その情報がユーザーインターフェースイベントUIEVTとアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNG内のプログラミングエンジンPRGENへ情報が伝わる。また、カーソルマネージャーCRSMNGはカーソルの形状と画面上のカーソル位置の制御を行う。また、前記カーソルマネージャーCRSMNGはユーザーインターフェースエンジンUIENG内で検出された動き情報に対応し、図43に示すカーソルプレインCRSRPLのアップデートを行う。
図15に示す情報記録再生装置1内のアドバンストコンテンツ再生部ADVPLが処理する状態は、サスペンドステートSPDST、ポーズステートPSEST、ファストステートFASTST/スロウステートSLOWST/フォワードステートFWDST/リバースステートRVCST、スタートアップステートSTUPST/アップデートステートUPDTST、ストップステートSTOPST、プレイバックステートPBKST、プレジャンプステートPRJSTとポストジャンプステートPOJSTの8つの状態が存在する。前記アドバンストコンテンツ再生部ADVPLが持つ状態間の状態遷移図を図32に示す。これらの状態遷移図に示された各状態の制御は図16に示すようにアドバンストコンテンツ再生部ADAPL内でのナビゲーションマネージャーNVMNGが制御する。例えば図15に示したシステム例の場合、ユーザーがリモコンにより大画面テレビモニター15へ向かい、リモコンを操作すると無線データ18が情報記録再生装置1内の無線LAN制御部7-1を介しアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内に入力される。アドバンストコンテンツ再生部ADVPL内のナビゲーションマネージャーNVMNGに上記ユーザーオペレーションUOPEの情報が入力されると、図32に示すようにリモートコントロールコントローラーRMCCTRが作動し、ユーザーインターフェースイベントUIEVTとしてアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGに入力される。アドバンストアプリケーションマネージャーADAMNG内ではユーザーが指定した画面上の位置に対応して、ユーザー指定内容を解読しパーサーPARSERに通知する。パーサーPARSERはアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGからの通知に対応し、図32に示す各ステートへの遷移を行う。図32に示すように各状態遷移が起きると、パーサーPARSERはプレイリストマネージャーPLMNGで解析されたプレイリストPLLSTの情報に対応し、最適な処理の制御を行う。以下に各状態(ステート)の動作内容について説明を行う。
A) スタートアップステートSTUPST/アップデートステートUPDTST
アドバンストコンテンツ再生部ADVPLが起動処理またはアップデート処理を開始すると、アドバンストコンテンツ再生部ADVPLはスタートアップステートSTUPST/アップデートステートUPDTSTに遷移される。スタートアップステートSTUPST/アップデートステートUPDTSTが通常に完了すると、アドバンストコンテンツ再生部ADVPLはプレイバックステートPBKSTへ遷移する。
B) プレイバックステートPBKST
プレイバックステートPBKSTはアドバンストコンテンツADVCTの通常速度での再生状態を意味する。すなわち、前記アドバンストコンテンツ再生部ADVPLがプレイバックステートPBKSTにある時には、通常の再生速度でタイトルタイムラインTMLEに沿った処理がなされる。
C) ストップステートSTOPST
ストップステートSTOPSTは、アドバンストコンテンツ再生部ADVPLが終了状態になったことを意味し、この時にはタイトルタイムラインTMLEの時間軸に合わせた処理は行われず、またあらゆるアプリケーション処理も停止状態にある。
D) ポーズステートPSEST
ポーズステートPSESTは一時停止の状態を表す。この時には一時的にタイトルタイムラインTMLEの時間進行(タイトルタイムラインTMLE上のカウントアップ)は一時的に停止された状態にある。
E) ファストFASTST /スロウSLOWST /フォワードFWDST /リバースRVCSTステート
ファストステートFASTSTは動画の高速再生モードを意味し、スロウステートSLOWSTは動画のゆっくりした再生モードを表し、フォワードステートFWDSTは通常の再生方向に沿った再生情報で、同一タイトル内への全方向へのジャンプ(特定の時間経過後の再生位置にアクセスする)の処理も含まれる。リバースステートRVCSTは通常の再生方向に対する逆方向の再生(巻戻し)を意味し特定時間前へのジャンプ再生なども含まれる。アドバンストコンテンツ再生部ADVPLが前記ステート上にある時には、タイトルタイムラインTMLE上の時間進み(カウント変化状況)は、それぞれの再生ステートに合わせてタイトルタイムラインTMLE上の時刻変化(カウントアップ/カウントダウン)の処理が行われる
F) プレジャンプステートPRJST
プレジャンプステートPRJSTは、再生中コンテンツ(タイトル)の終了処理を意味している。本実施形態において、アドバンストアプリケーションADAPLにより画面上に各種制御用ボタンを表示するがユーザーがその中でジャンプをクリックするとアドバンストコンテンツ再生部ADVPLはプレジャンプステートPRJSTへ遷移する。アドバンストアプリケーションADAPLにより表示された“ジャンプボタン”で指定されたジャンプ先は異なるタイトル先にジャンプする場合や、同一タイトル内においてもタイトルタイムラインTMLEで指定された時刻(カウント値)と大きく異なる場合が有る。現在画面上に表示されているアドバンストアプリケーションADVPLが、移動先に対応したタイトルタイムラインTMLE時刻(カウント値)上では使用されない(有効期限が切れている)場合が有る。この場合には現在画面上に表示されているアドバンストアプリケーションADAPLの終了処理が必要となる。従って本実施形態においてはプレジャンプステートPRJST内において、移動先のタイトルタイムラインTMLEの時刻(カウント値)を調べ、有効期間の切れているアドバンストアプリケーションADAPLの終了処理や、新たに(ジャンプ前の画面には無かった)有効期間となるアドバンストアプリケーションADAPLの表示準備処理を行う。その後アドバンストコンテンツ再生部ADVPLは、ポストジャンプステートPOJSTへ遷移される。
G) ポストジャンプステートPOJST
ポストジャンプステートPOJSTは次のコンテンツ(タイトル)のローディング処理モードを表す。図21に示すように各タイトル毎にそれぞれ独自のタイトルタイムラインTMLEが設定されている。プレジャンプステートPRJSTにおいて、例えばタイトル#2の再生途中にプレジャンプステートPRJSTに遷移するとタイトル#2のタイトルタイムラインTMLEの時間進行が停止され、例えばポストジャンプステートにおいてPOJST次のタイトル#3の再生準備がなされる場合にはタイトルタイムラインTMLEが#2のものからタイトル#3に対応したタイトルタイムラインTMLEに移動する。ポストジャンプステートPOJSTにおいては、例えばデータキャッシュDTCCHのメモリ空間の設定や前記設定されたデータキャッシュDTCCH内へのアドバンストアプリケーションADAPLのローディング処理などの準備が行われる。これら一連の準備が終了するとアドバンストコンテンツ再生部ADVPLはプレイバックステートPBKSTへ遷移する。
H) サスペンドステートSPDST
サスペンドステートSPDSTは、アドバンストコンテンツ再生部ADVPLが待機状態にあることを意味する。この状態においてはタイトルタイムラインTMLEの時間進行は一時停止されると共に、各種再生表示オブジェクトも表示待機の状態にある。この状態の例として、例えば図15において、大画面テレビモニター15上にはスタンダードコンテンツSTDCTのみが表示され、アドバンストコンテンツADVCTが非表示の状態などの時、この状態になる。
ユーザーが情報記憶媒体DISCを情報記録再生装置1内の情報記録再生部2内に挿入するとアドバンストコンテンツ再生部ADVPLはスタートアップステートSTUPSTになり、それと共にイニシャル状態としてのアップデートステートUPDTSTに入る。その後通常の場合にはすぐにプレイバックステートPBKSTに遷移し、アドバンストコンテンツADVCTの表示モードに入る。この時例えばユーザーがスタンダードコンテンツSTDCTに切替えた場合、アドバンストコンテンツ再生部ADVPLはサスペンドステートSPDSTに遷移される。また再びユーザーが、アドバンストコンテンツADVCTの再生を開始するとプレイバックステートPBKSTに遷移する。次にユーザーが別の画面(タイトル)への画面遷移を支持するとプレジャンプステートPRJSTを経てポストジャンプステートPOJSTに遷移した後、ユーザーが指定したタイトルのプレイバックステートPBKSTに遷移される。ここで、ユーザーが再生時にポーズボタンを押すとポーズステートPSESTに遷移され、その後高速送りをユーザーが指定するとファストステートへ遷移される。その後ユーザーが情報記録再生装置1を終了させるとストップステートSTOPSTに遷移する。このような形でユーザーオペレーションUOPEに対応してアドバンストコンテンツ再生部ADVPLの状態遷移が起こる。
図16に示すアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内のプレゼンテーションエンジンPRSENの内部構造を図34に示す。
まず初めにプレゼンテーションエンジンPRSENの位置づけを説明する。各種記録媒体に記録されたアドバンストコンテンツADVCTは、図16に示すようにデータアクセスマネージャーDAMNGを通過した後、プレゼンテーションエンジンPRSENを経てAVレンダラーAVRNDへデータ転送される。この時の制御をナビゲーションマネージャーNVMNGが行う。すなわち前記プレゼンテーションエンジンPRSENは、ナビゲーションマネージャーNVMNGから発生される制御コマンドに対応し各種表示オブジェクトに対応した再生表示データをデコード処理し、その結果をAVレンダラーAVRNDへ転送する。図34に示すようにプレゼンテーションエンジンPRSENは、6種類の主な処理機能モジュールと1種類のグラフィックバッファーメモリで構成される。前記6種類の主な機能モジュールは、アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN、フォントレンダリングシステムFRDSTM、アドバンストサブタイトルプレーヤーASBPL、セカンダリービデオプレーヤーSCDVP、プライマリービデオプレーヤーPRMVPとデコーダーエンジンDCDENから構成される。また、前記グラフィックバッファーメモリはピクセルバッファーPIXBUFが対応する。例えばテキストイメージや、PNGイメージなどのようなピクセルイメージを保存するグラフィックメモリとして前記ピクセルバッファーPIXBUFが共有利用される。
図34に示すように前記ピクセルバッファーPIXBUFはアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN、フォントレンダリングシステムFRDSTM及びアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLで共用される。すなわち、後述するようにアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENでは、アドバンストアプリケーションADAPLに関するイメージ画像(例えば図20に示すヘルプアイコン33からFFボタン38に至る一連の画面イメージ)を作成するが、その時に前記イメージ画像の一時保存場所として前記ピクセルバッファーPIXBUFを利用する。同様、フォントレンダリングシステムFRDSTMでフォントに合わせたテキスト情報を作成するが、その特定指定されたフォント形状のテキスト情報であるイメージ画像も一時的に前記ピクセルバッファーPIXBUFを一時保存場所として共有利用される。またアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLで、例えばアドバンストサブタイトルADSBTの字幕情報を作った場合、そのイメージ画像も同様に前記ピクセルバッファーPIXBUFに一時格納できる。
図12に示すように本実施形態において、再生表示オブジェクトは4種類存在し、それらの再生表示オブジェクトのアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内でのデータの流れを図29に記述されている。図34と前述した図29の関係を以下に説明する。
まず初めにプライマリービデオセットPRMVSについて説明する。図29に示すように、情報記憶媒体DISCに記録されたプライマリービデオセットPRMVSは直接プライマリービデオプレーヤーPRMVPに転送され、各種デコーダーでデコード処理される。これに対応して図34を用いて説明すると、情報記憶媒体DISCに記録されたプライマリービデオセットPRMVSはデータアクセスマネージャーDAMNGを経由し、プライマリービデオプレーヤーPRMBVPを経た後デコーダーエンジンDCDENでデコードされAVレンダラーAVRNDで画像合成される。
次にセカンダリービデオセットSCDVSについて説明する。図29に示すように、情報記憶媒体DISCまたはパーシステントストレージPRSTRに記録されたセカンダリービデオセットSCDVSは、セカンダリービデオプレーヤーSCDVPを経由し各種デコーダーでデコード処理される。これに対応して図34を用いて説明すると、セカンダリービデオセットSCDVSはデータアクセスマネージャーDAMNGを経由し、セカンダリービデオプレーヤーSCDVPで処理された後デコーダーエンジンDCDENでデコード処理され、AVレンダラーAVRNDで画像合成される。また、図29に示すようにネットワークサーバーNTSRV内に記録されているセカンダリービデオセットSCDVSはストリーミングバッファーSTRBUFを経由し、セカンダリービデオプレーヤーSCDVPへ到達するようになっている。これに対応して図34を用いて説明すると、ネットワークサーバーNTSRVに記録されたセカンダリービデオセットSCDVSは、データキャッシュDTCCH内のストリーミングバッファーSTRBUF(図示していないが)で一時保存された後、データキャッシュDTCCH内のストリーミングバッファーSTRBUFからデータがセカンダリービデオプレーヤーSCDVPへ送られデコーダーエンジンDCDENでデコードされた後AVレンダラーAVRNDで画像構成される。
次にアドバンストアプリケーションADAPLについて説明する。図29に示すように、アドバンストアプリケーションADAPLは一時的にファイルキャッシュFLCCHに一時保存された後、アドバンストエレメントプレゼンテーションエンジンAEPENへ転送される。これに対応して図34を用いて説明すると、アドバンストアプリケーションADAPLは、一時保存されたファイルキャッシュFLCCHからアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN転送され、前記アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN内でイメージ画像として構成された後、AVレンダラーAVRNDで画像合成される。
最後にアドバンストサブタイトルADSBTについて説明する。図29に示すように、アドバンストサブタイトルADSBTは必ずファイルキャッシュFLCCH内に一時保存された後、アドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLへ転送される。これに対応して図34を用いて説明すると、ファイルキャッシュFLCCH内に保存されたアドバンストサブタイトルADSBTは、アドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLでテキスト内容を表現したイメージ画像に変換され、AVレンダラーAVRND上で画像合成される。特に指定されたフォント形式で画面に表示したい場合には図13に示すようにアドバンストエレメントディレクトリADVEL内に保存されたフォントファイルFONTを利用し、そのデータを使いファイルキャッシュFLCCH内に保存されたアドバンストサブタイトルADSBTがフォントレンダリングシステムFRDSTM内で指定されたフォント形式での文字画像(イメージ画像)に変換された後、AVレンダラーAVRNDで画像合成される。本実施形態においては、フォントレンダリングシステムFRDSTMで作成した独自のフォント形式の文字画像(イメージ画像)がピクセルバッファーPIXBUFに一時保存され、そのイメージ画像はアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLを経由してAVレンダラーAVRNDへ転送される。
図16に示すように本実施形態において、アドバンストコンテンツ再生部ADVPL内にはプレゼンテーションエンジンPRSENが存在する。図34に示すプレゼンテーションエンジンPRSEN内のアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENの内部構造を図35に示す。
本実施形態においてアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENは、以下に述べる2種類の再生表示ストリーム(再生表示オブジェクト)をAVレンダラーAVRNDへ転送する。AVレンダラーAVRNDへ転送する再生表示ストリームの1つは、図43に示すグラフィックプレインGRPHPL上で表示されるフレームイメージである。また、次の再生表示ストリームはイフェクトオーディオストリームEFTADが対応する。図35に示すように、アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENは、サウンドデコーダーSNDDEC、グラフィックスデコーダーGHCDECとレイアウトマネージャーLOMNGから構成される。
アドバンストアプリケーションADAPL内におけるイフェクトオーディオEFTAD(図12参照)情報は、事前に一時保管されたファイルキャッシュFLCCH内からサウンドデコーダーSNDDECに転送され、前記サウンドデコーダーSNDDEC内でデコードされた後AVレンダラーAVRND内でオーディオミキシングされる。また、アドバンストアプリケーションADAPL内のイメージ画像を構成する個々の静止画IMAGE(図12参照)は、一時保管されたファイルキャッシュFLCCHからグラフィックデコーダーGHCDEC内でビットマップ上のイメージ画像(の構成要素)に変換される。さらにレイアウトマネージャーLOMNGでサイズ変換(スケーラーの処理)を行い、静止画IMAGE毎にレイアウト上の合成をされてイメージ画像が形成された後、AVレンダラーAVRNDで画像構成される。
図20に示した例を用いて上記の処理の説明を行う。図20に示すように、アドバンストアプリケーションADAPLに対応してヘルプアイコン33、ストップボタン34、プレイボタン35、FRボタン36、ポーズボタン37およびFFボタン38に対応した個々の静止画像情報がファイルキャッシュFLCCH内に保存されている。グラフィックレコーダーGHCDEC内では前記個々の静止画像をデコーダー処理によりビットマップ上のイメージ画像(の構成要素)に変換する。次にレイアウトマネージャーLOMNGにより前記ヘルプアイコン33の位置やストップボタン34の位置などが設定され、ヘルプアイコン33からFFボタン38までの画像の並びとして構成されるイメージ画像がレイアウトマネージャーLOMNG内で作成される。このレイアウトマネージャーLOMNGで作成されたヘルプアイコン33からFFボタン38までの一連のイメージ画像がAVレンダラーAVRNDで他の画像と合成される。
サウンドデコーダーSNDDECはファイルキャッシュFLCCHからWAVファイルを読取り、連続的にAVレンダラーAVRNDへリニアPCMの形で連続的に出力を行う。図32に示すように、ナビゲーションマネージャーNVMNG内にプログラミングエンジンPRGENが存在する。この前記プログラムエンジンPRGENからプレゼンテーションエンジンPRSENに対してAPIコマンドが発行されるが、そのAPIコマンドをトリガーとして前記データ処理が行われる。
グラフィックデコーダーGHCDECは、ファイルキャッシュFLCCH内に保存されたグラフィックデータのデコード処理を行う。本実施形態において取り扱うイメージ画像(の構成要素)は、MNGイメージ、PNGイメージ、またはMPEGイメージなどを取り扱う。これらイメージ画像に関する情報が記録されたイメージファイルは前記グラフィックデコーダーGHCDEC内でデコードされると共に前記デコードされたイメージ画像(の構成要素)は、図34に示すピクセルバッファーPIXBUF内に一時保存される。その後一時保存されたイメージ画像(の構成要素)は、レイアウトマネージャーLOMNGからリクエストを受けて前記レイアウトマネージャーLOMNGへ転送される。
本実施形態において、前記アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENで扱うイメージ画像は図43に示すグラフィックプレインGRPHPL上の表示画面を構成する。これらグラフィックプレインGRPHPL上のイメージ画像を作成し、AVレンダラーAVRNDへ合成のため転送する処理を行うのがレイアウトマネージャーLOMNGである。図43に示すグラフィックプレインGRPHPL内の表示画面(イメージ画像の構成要素)毎にそれぞれ対応したレイアウト情報が存在しており、グラフィックプレインGRPHPL内の画面内容が変化する毎に対応した異なるレイアウトインフォメーションが存在し、そのレイアウトインフォメーションに基づきレイアウトマネージャーLOMNG内でレイアウト設定される。このレイアウト情報は図32に示すように、ナビゲーションマネージャーNVMNG内のアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGに含まれるディクレラティブエンジンDECENから発行される前記レイアウトインフォメーションがレイアウトマネージャーLOMNGに転送される。前記レイアウトマネージャーLOMNG内には、グラフィックスサーフェスGRPHSFと呼ばれるメモリーを内蔵しており、グラフィックプレインGRPHPL上のイメージ画像を作成する時に利用される。グラフィックプレインGRPHPL内に複数の画像(イメージ画像の構成要素)を配置する場合には、前記レイアウトマネージャーLOMNGが個々にグラフィックデコーダーGHCDECを起動させ、それぞれのイメージ画像の構成要素毎のデコードをさせた後フレームイメージ(イメージ画像)としてそれぞれのイメージ画像の構成要素毎の配置設定を行う。図34に示すようにプレゼンテーションエンジンPRSEN内にフォントレンダリングシステムFRDSTMが存在し、指定されたフォント形式による文字情報をイメージ画像に変換するということを説明したが、この特定のフォントによる表示を行う場合には、前記レイアウトマネージャーLOMNGから前記フォントレンダリングシステムFRDSTMを動かし、テキスト情報をフレームイメージ(イメージ画像)に変換しグラフィックプレインGRPHPL上に配置することもできる。本実施形態では図43に示すようにグラフィックプレインGRPHPL上のイメージ画像全体または個々のイメージ画像の構成要素を半透明とし、その下側に存在するサブピクチャープレインSBPCPLやサブビデオプレインSBVDPLまたはメインビデオプレインMNVDPLの映像が透けて見えるように設定することができる。上記グラフィックプレインGRPHPL内の各イメージ画像の構成要素(またはイメージ画像全体)の下側の面に対する透明度をアルファ値で定義される。もしこのようにアルファ値が設定された場合には、そのアルファ値に応じて半透明な形としてグラフィックプレインGRPHPL上の指定された場所に配置するように前記レイアウトマネージャーLOMNGが設定する。
本実施形態におけるプレゼンテーションエンジンPRSENにおけるグラフィックプロセスモデルを図36に示す。
グラフィックプロセスを行う前にアドバンストアプリケーションADAPLの情報は、本実施形態では予めファイルキャッシュFLCCH内に圧縮された形で(コンプレッションフォームCMPFRM)記録されている。また、前記グラフィックプロセスにより作成されたグラフィックイメージ(イメージ画像)は、後述するように図43のグラフィックプレインGRPHPL上に表示される。また前記グラフィックプレインGRPHPL上においては図44に示すようにカンバス座標CNVCRDが定義され、前記カンバス座標CNVCRD上に各デコード後のグラフィックイメージ(アニメーションを含むイメージ画像)が配置される。
1)図36の実施形態では、ファイルキャッシュFLCCH内に(a)(b)(c)の3種類のグラフィックオブジェクトがコンプレッションフォームCMPFRM(圧縮された形)で事前に記録されている。また、ファイルキャッシュFLCCH内に“ABC”の例に示すようにアドバンストアプリケーションADAPLのテキスト情報も記録することができる。
2)図35に示すグラフィックデコーダーGHCDECにより図36(1)に示す圧縮された(a)(b)(c)の情報がデコード処理されてイメージ画像(ピクセルイメージPIXIMG)に変換され、その結果がピクセルバッファーPIXBUF内に保存される(図36(2))。また同様にファイルキャッシュFLCCH内に記録されたテキスト情報“ABC”は、フォントレンダリングシステムFRDSTMによりイメージ画像(ピクセルイメージPIXIMG)に変換され、ピクセルバッファーPIXBUF内に記録される。図32に示すように本実施形態では、ナビゲーションマネージャーNVMNG内にマウスコントローラーMUSCTRもサポートしている。前記マウスコントローラーMUSCTRを経由し、ユーザーがマウスにより図形を描画する場合、各線の始点と終点位置の座標としてラインオブジェクトの形で図形入力されるが、前記ラインオブジェクトはマウスコントローラーMUSCTRを経由しAPIコマンドの形で前述したカンバス座標CNVCRD上にイメージ画像(ピクセルイメージPIXIMG)として描かれる。前記ラインオブジェクトとして描かれたイメージ画像(ピクセルイメージPIXIMG)も同様にピクセルバッファーPIXBUF内に記録される。
3)前記一時保存されたデコード後の各種イメージ画像(ピクセルイメージPIXIMG)は、図35のレイアウトマネージャーLOMNG内によりグラフィックサーフェスGRPHSF上(グラフィックプレインGRPHPL上)での配置位置と表示サイズが設定される。図36(3)に示すように同一グラフィックサーフェスGRPHSF上(グラフィックプレインGRPHPL上)に(a)(b)(c)の図面とテキストイメージ“ABC”及びAPIコマンドにより描かれた図形が重なって表示されている。本実施形態においては、各イメージ画像(ピクセルイメージPIXIMG)に対し透明度を規定することで重なった部分の裏側の図形が透けて見えるようになっている。前記各イメージ画像(ピクセルイメージPIXIMG)毎の半透明度をアルファ値(アルファインフォメーション)で定義する。前記レイアウトマネージャーLOMNGでは、各イメージ画像(ピクセルイメージPIXIMG)毎にアルファ値を計算し、重なっている部分において裏側が透けて見えるように設定することができる。図36(3)の例においては(a)(b)のアルファ値を40%(40%透過する)にしている。
4)このように合成したグラフィックサーフェスGRPHSF上(グラフィックプレインGRPHPL上)のイメージ画像(フレームイメージ)は、レイアウトマネージャーLOMNGからAVレンダラーAVRNDへ送られる。
図15に示すように情報記録再生装置1内にアドバンストコンテンツ再生部ADVPLが存在する。前記アドバンストコンテンツ再生部ADVPL内には、図16に示すようにプレゼンテーションエンジンPRSENが存在する。またその中に図34に示すようにアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLが存在している。以下に前記アドバンストサブタイトルプレーヤーASBPL内の構造を説明する。
図43に示すように、表示画面上にサブピクチャーやアドバンストサブタイトルADSBTを表示するサブピクチャープレインSBPCPLが存在するが、前記アドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLは、前記サブピクチャープレインSBPCPLに表示するサブタイトルイメージを出力する。前記アドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLは図37に示すように、パーサーPARSER、ディクレラティブエンジンDECENとレイアウトマネージャーLOMNGから構成されている。また、アドバンストサブタイトルADSBTはアドバンストアプリケーションADAPLのサブセットとして位置づけられる。従って、アドバンストアプリケーションマネージャーADAMNG(図32参照)とアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN(図34参照)のサブセットモジュールを前記アドバンストサブタイトルプレーヤーASBPL内に持っている。すなわち図34に示すようにアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLとアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENが同一のピクセルバッファーPIXBUFを共有している。また図37に示すようにアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPL内のレイアウトマネージャーLOMNGが図35に示すようにアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN内のレイアウトマネージャーLOMNGと共用し、またアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPL内のディクレラティブエンジンDECENが図32に示すようにアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNG内のディクレラティブエンジンDECENを共有している。
まず初めにアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPL内のパーサーPARSERはデータキャッシュDTCCH内のファイルキャッシュFLCCH内に格納されているアドバンストサブタイトルのマークアップファイルMRKUPSを読取り、その内容の解析を行う。その解析結果をディクレラティブエンジンDECENへ転送する。前記ディクレラティブエンジンDECENは、アドバンストサブタイトルADSBTのレイアウトや表示形式(スタイル)、表示タイミングに関するプレゼンテーションインフォメーションを管理する。タイトルタイムラインTMLE上の時間進行に合わせてサブタイトルイメージ(テロップ文字のイメージなど)を作成するため、ディクレラティブエンジンDECENは各種コマンドをレイアウトマネージャーLOMNGに転送する。前記ディクレラティブエンジンDEDENから送られるコマンド情報に合わせて、前記レイアウトマネージャーLOMNGはプレゼンテーションエンジンPRSEN内のフロントレンダリングシステムFRDSTMを動かしてテキストイメージ(イメージ画像)を作成する。その後サブピクチャーフレームイメージ(サブピクチャープレインSBPCPL)内における適切な位置に、前記作成したテキストイメージ(イメージ画像)を配置する。その時、前記作成されたテキストイメージ(イメージ画像)はピクセルバッファーPIXBUF上に記録されると共に、レイアウトマネージャーLOMNGによりサブピクチャープレインSBPCPL上にレイアウト処理される。そして、その結果のイメージ画像(フレームイメージ)をサブピクチャープレインSBPCPL上に出力する。
図34に示すようにフォントレンダリングシステムFRDSTMはプレゼンテーションエンジンPRSEN内に存在し、アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENや、アドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLからのリクエストに応じテキストイメージ(イメージ画像)を作成する。前記フォントレンダリングシステムFRDSTM内の構造を図38に示す。
フォントレンダリングシステムFRDSTMは、フォントエンジンFONTENを内蔵したデコーダーDECDERとラステライザーRSTRZとフォントキャッシュFONTCCから構成される。ファイルキャッシュFLCCHから読み出されたアドバンストサブタイトルADSBT情報あるいはアドバンストアプリケーションADAPL情報がフォントエンジンFONTENを利用してデコーダーDECDER内によりテキストのイメージ(イメージ画像)が作られる。作成されたテキストイメージ(イメージ画像)のサブピクチャープレインSBPCPL(図43参照)内での表示サイズがラステライザーRSTRZ内のスケーラーSCALERにより設定される。その後、前記作成されたテキストイメージ(イメージ画像)の透明度がアルファマップジェネレーションAMGRTにより指定される。前記作成されたテキストイメージ(イメージ画像)は、必要に応じてフォントキャッシュFONTCC内に一時保存され、必要なタイミングでフォントキャッシュFONTCCからテキストイメージ(イメージ画像)が読み出されて画像表示される。前記アルファマップジェネレーションAMGRTにより作成されたテキストイメージ(イメージ画像)の透明度が規定される。その結果、テキストイメージの重なった部分の下にあるサブビデオプレインSBVDPLまたはメインビデオプレインMNVDPLの(図43参照)の映像を透けて見ることができる。
本実施形態において前記アルファマップジェネレーションAMGRTでは、その前段にあるデコーダーDECDERで作成されたテキストイメージ(イメージ画像)全体の透明度を均一に設定できるばかりでなく、前記テキストイメージ(イメージ画像)内の透明度を部分的に変化させることもできる。本実施形態においては、デコーダーDECDERによりテキストキャラクターからテキストイメージ(イメージ画像)に変換する段階でピクセルバッファーPIXBUFを使うこともできる。本実施形態において前記フォントレンダリングシステムFRDSTMがサポートするフォントタイプは、基本的にオープンタイプ(従来一般的に使われるフォントタイプ)である。しかし、それに限らず図13に示したアドバンストエレメントディレクトリADVELの下にあるフォントファイルFONTを利用して、前記フォントファイルFONTに対応したフォントタイプの形でテキストイメージを作成することもできる。
図16に示すようにアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内にプレゼンテーションエンジンPRSENが存在し、前記プレゼンテーションエンジンPRSEN内にセカンダリービデオプレーヤーSCDVPが存在する(図34参照)。図39を用い本実施形態におけるセカンダリービデオプレーヤーSCDVP内構造説明を行う。
図12に示すようにセカンダリービデオセットSCDVSにはサブスティテュートオーディオビデオSBTAV、サブスティテュートオーディオSBTAD、とセカンダリーオーディオビデオSCDAVが含まれるが、これらの再生処理を行う部分が前記セカンダリービデオプレーヤーSCDVPである。前記セカンダリービデオセットSCDVSの再生表示オブジェクトは、情報記憶媒体DISC、ネットワークサーバーNTSRVおよびパーシステントストレージPRSTRのいずれ内に保存しておくことができる。図20に示す表示画面例のようにプライマリービデオセットPRMVSとセカンダリービデオセットSCDVSとを同時に同一画面上に表示する場合には、前記セカンダリービデオセットSCDVSの表示再生オブジェクトを事前にファイルキャッシュFLCCH内に保存し、セカンダリービデオセットSCDVSからは前記ファイルキャッシュFLCCHから再生する必要がある。例えば同一の情報記憶媒体DISC内にプライマリービデオセットPRMVSとセカンダリービデオセットSCDVSが異なる場所に記録されている場合、両者を同時に再生しようとすると図15に示す情報記録再生装置1内の情報記録再生部2の中に存在する光学ヘッド(図示していないが)がプライマリービデオセットPRMVSの記録場所とセカンダリービデオセットSCDVSの記録場所間を交互のアクセス制御の繰返しが必要となり、光学ヘッドのアクセス時間の影響で両者を同時に連続再生することが難しくなる。それを回避するため本実施形態ではセカンダリービデオセットSCDVSをファイルキャッシュFLCCH内に保存しておき、情報記録再生部2内の光学ヘッドはプライマリービデオセットPRMVSのみを再生できるようにする。その結果、光学ヘッドのアクセス回数が大幅に低減しプライマリービデオセットPRMVSとセカンダリービデオセットSCDVSとを連続に同一画面上に表示することが可能となる。また、ネットワークサーバーNTSRV内に記録されたセカンダリービデオセットSCDVSをセカンダリービデオプレーヤーSCDVPで再生処理する場合には、セカンダリービデオプレーヤーSCDVP内のデマルチプレクサDEMUXにデータを転送する前に、事前にデータキャッシュDTCCH内のストリーミングバッファーSTRBUF内にセカンダリービデオセットSCDVSを保存しておく必要がある(図29参照)。それにより、ネットワーク経路の転送レートの変動が生じても転送するデータの枯渇を防止することができる。基本的にはネットワークサーバーNTSRV内に保存されたセカンダリービデオセットSCDVSは、データキャッシュDTCCH内のストリーミングバッファーSTRBUF内に事前に保存されるが、本実施形態ではそれに限らずセカンダリービデオセットSCDVSのデータサイズが小さい場合には、データキャッシュDTCCH内のファイルキャッシュFLCCH内に保存することもできる。この場合には、データキャッシュDTCCH内のファイルキャッシュFLCCHからセカンダリービデオセットSCDVSがデマルチプレクサDEMUXへ転送される。図39に示すようにセカンダリービデオプレーヤーSCDVPは、セカンダリービデオプレイバックエンジンSVPBENとデマルチプレクサDEMUXから構成される。図12に示すようにセカンダリービデオセットSCDVS内にはメインオーディオMANADとメインビデオMANVDがパック単位で多重化され、データが記録される(サブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADについてもパック単位で多重化され記録されている)。デマルチプレクサDEMUXで、それらのデータをパック毎に分割しデコーダーエンジンDCDENに転送する。すなわちデマルチプレクサDEMUXで抽出されたサブピクチャーパックSP_PCKはサブピクチャーデコーダーSPDECに転送され、サブオーディオパックAS_PCKはサブオーディオデコーダーSADECに転送され、サブビデオパックVS_PCKはサブビデオデコーダーSVDECに転送され、メインオーディオパックAM_PCKはメインオーディオデコーダーMADECに転送されるとともにメインビデオVM_PCKにはメインビデオデコーダーMVDEDに転送される。
図39に示すセカンダリービデオプレイバックエンジンSVPBENは、セカンダリービデオプレーヤーSCDVPにおける全ての機能モジュールの制御処理を行う。このセカンダリービデオプレイバックエンジンSVPBENの制御は図32に示すナビゲーションマネージャーNVMNG内のプレイリストマネージャーPLMNGからのリクエストに応じて処理を行う。セカンダリービデオセットSCDVSの再生表示を行う場合には、図14に示すようにプレイリストPLLSTがセカンダリービデオセットSCDVSのタイムマップSTMAPを参照することを既に説明した。前記セカンダリービデオプレイバックエンジンSVPBENは、前記セカンダリービデオセットSCDVSのタイムマップSTMAPファイルを再生すると共に内容解析を行い、セカンダリーエンハンストビデオオブジェクトデーターS-EVOBの最適な再生開始位置を算出し、情報記録再生部2(図15参照)内の光学ヘッドに対するアクセス指示を行う。
セカンダリービデオプレーヤーSCDVP内のデマルチプレクサDEMUXは、セカンダリーエンハンストビデオオブジェクトデーターS-EVOBストリームを再生し、各パック毎に分割し、前述したようにデコーダーエンジンDCDEN内の各種デコーダーにパック単位でデータを転送する。デマルチプレクサDEMUXがデコーダーエンジンDCDENに各パックを転送する時には、デコーダーエンジンDCDEN内に含まれる標準クロックのシステムクロックタイミング(SCRタイミング)に合わせ、各パック内に記述されたDTS(デコーディングタイムスタンプ)のタイミングで各種デコーダーへ転送される。
図15に示すアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内には、図16に示すようにプレゼンテーションエンジンPRSENが存在する。図34に示すように前記プレゼンテーションエンジンPRSEN内にプライマリービデオプレーヤーPRMVPが存在するが、その内部構造を図40に示す。
本実施形態においてプライマリービデオプレーヤーPRMVPは、プライマリービデオセットPRMVSの再生に対応している。前記プライマリービデオセットPRMVSは情報記憶媒体DISC内にのみ保存される。図40に示すようにプライマリービデオプレーヤーPRMVPは、DVDプレイバックエンジンDPBKENとデマルチプレクサDEMUXから構成される。図12に示すようにプライマリービデオセットPRMVSの各種のデータータイプには、メインビデオMANVDから副映像SUBPTに至る各種のデータータイプが存在する。デマルチプレクサDEMUXはそれらの各種のデータータイプに応じてデコーダーエンジンDCDEN内の対応したデコーダーに接続されている。すなわち、プライマリーエンハンストビデオオブジェクトデーターP-EVOB内に存在するサブピクチャーパックSP_PCKは、サブピクチャーデコーダーSPDEC内へ転送され、サブオーディオパックAS_PCKはサブオーディオデコーダーSADECに転送され、サブビデオパックVS_PCKはサブビデオデコーダーSVDECに転送され、メインビデオパックAM_PCKはメインオーディオデコーダーMADECに転送されるとともに、メインビデオパックVM_PCKは、メインビデオデコーダーMADECへ転送される。
図32に示すように、ナビゲーションマネージャーNVMNG内にはプレイリストファイルPLLSTの内容を解析するプレイリストマネージャーPLMNGが存在する。前記プレイリストマネージャーPLMNGからの要求に対応して、プライマリービデオプレーヤーPRMVP内のあらゆる機能モジュールの制御に対応する部分が図40に示すDVDプレイバックエンジンDPBKENである。まず、前記DVDプレイバックエンジンDPBKENはプレイバックに関する管理情報(図13に示すプレイリストファイルPLLSTとビデオタイトルセットインフォメーションファイルADVTSI)の内容を解析し、プライマリービデオセットディレクトリPRMAVの下にあるタイムマップファイルPTMAPを利用し、プライマリーエンハンストビデオオブジェクトデーターP-EVOB内の再生開始位置へアクセス制御する。また、それのみならず前記DVDプレイバックエンジンDPBKENは例えばマルチアングル、オーディオ、サブピクチャーのトラック(ストリーム)切替え、サブビデオSUBVDやサブオーディオSUBADを用いた2画面同時再生などプライマリービデオセットPRMVSの特殊な再生機能の制御も行う。
デマルチプレクサDEMUXは、プライマリーエンハンストビデオオブジェクトデーターP-EVOB内に分散配置されている各種ストリーム(パック)データを、プライマリービデオプレーヤーPRMVPに接続されているデコーダーエンジンDCDEN内の対応したデコーダーへ転送しデコード処理をさせる。図示していないが、プライマリーエンハンストビデオオブジェクトデーターP-EVOB内の各パックPCK内にはDTS(デコーディングタイムスタンプ)の情報が含まれており、システムクロック(SCR)のタイミングに合わせ、指定されたDTSの時刻に各パック情報を各種デコーダーへ送り込んでいる。マルチアングルストリームに対しては、プライマリービデオセットのタイムマップファイルPTMAP内の情報またはナビゲーションパックNV_PCKの情報に対応して、情報記憶媒体DISC内に記録されたプライマリーエンハンストビデオオブジェクトデーターP-EVOBのインターリーブドブロック内の適正なデータを再生する処理をデマルチプレクサDEMUXが対応している。
図16に示すように本実施形態におけるアドバンストコンテンツ再生部ADVPL内にプレゼンテーションエンジンPRSENが存在し、図34に示すようにプレゼンテーションエンジンPRSEN内にデコーダーエンジンDCDENが存在する。前記デコーダーエンジンDCDEN内は図41に示すようにサブオーディオデコーダーSADEC、サブビデオデコーダーSVDEC、メインオーディオデコーダーMADEC、メインビデオデコーダーMVDECとサブピクチャーデコーダーSPDECの5種類のデコーダーから構成されている。また、各デコーダーにはそれぞれサブオーディオバッファーSABUF、サブビデオバッファーSVBUF、メインオーディオバッファーMABUF、メインビデオバッファーMVBUFとサブピクチャーバッファーSPBUFが存在する。また、サブビデオデコーダーSVDECとメインビデオデコーダーMVDEC及びサブピクチャーデコーダーSPDECには、画面上の表示サイズと表示場所を設定するスケーラーSCALERが付属されている。各デコーダーはプライマリービデオプレーヤーPRMVP内のDVDプレイバックエンジンDPBKENと接続されるとともにその制御を受けるばかりでなく、またセカンダリービデオプレーヤーSCDVP内のセカンダリービデオプレイバックエンジンSVPBENと接続されるとともにその制御を受ける。
プライマリービデオセットPRMVSとセカンダリービデオセットSCDVSは図12内のデータータイプ欄に記載された各種のデータを持っている。
プライマリービデオセットPRMVSに含まれる各データは、プライマリービデオプレーヤーPRMVP内のデマルチプレクサDEMUXからそれぞれ5種類のストリームに分離されて出力される。各ストリームの処理方法について以下に説明する。メインビデオMANVDのデータが記録されているメインビデオパックVM_PCKは、メインビデオバッファーMVBUFを経由しメインビデオデコーダーMVDEC内でデコード処理される。また、メインオーディオMANADのデータが記録されたメインオーディオパックAM_PCKは、メインオーディオバッファーMABUFを経由し、メインオーディオデコーダーMADEC内でデコード処理される。また、サブビデオSUBVDのデータが記録されたサブビデオパックVS_PCKは、サブビデオバッファーSVBUFを経由し、サブビデオデコーダーSVDEC内でデコード処理される。また、サブオーディオSUBADのデータが記録されたサブオーディオパックAS_PCKは、サブオーディオバッファーSABUFを経由し、サブオーディオデコーダーMADEC内でデコード処理される。最後に副映像SUBPTのデータが記録された副映像パックSP_PCKは、サブビデオバッファーSVBUFを経由し、サブピクチャーデコーダーSPDEC内でデコード処理される。
同様にセカンダリービデオセットSCDVSに含まれる各データは、セカンダリービデオプレーヤーSCDVP内のデマルチプレクサDEMUXからそれぞれ4種類のストリームに分離され出力される。各ストリームの処理方法について以下に説明する。サブスティテュートオーディオSBTADまたはサブスティテュートオーディオビデオSBTAV内に含まれるメインオーディオMANADのデータが記録されたメインオーディオパックAM_PCKは、メインオーディオバッファーMABUFを経由し、メインオーディオデコーダーMADEC内でデコード処理される。また、サブスティテュートオーディオビデオSBTAV内のメインビデオMANVDのデータが記録されたメインビデオパックVM_PCKは、メインビデオバッファーMVBUFを経由し、メインビデオデコーダーMVDEC内でデコード処理される。また、セカンダリーオーディオビデオSCDAV内のサブビデオSUBVDのデータが記録されたサブビデオパックVS_PCKは、サブビデオバッファーSVBUFを経由し、サブビデオデコーダーSVDEC内でデコード処理される。最後にセカンダリーオーディオビデオSCDAV内のサブオーディオSUBADのデータが記録されたサブオーディオパックAS_PCKはサブオーディオバッファーSABUFを経由し、サブオーディオデコーダーSADEC内でデコード処理される。
図41に示すプライマリービデオプレーヤーPRMVP内のDVDプレイバックエンジンDPBKEN、またはセカンダリービデオプレーヤーSCDVP内のセカンダリービデオプレイバックエンジンSVPBENからのリクエストに対応して、サブピクチャーデコーダーSPDECはサブピクチャーストリームのデコード処理を行う。図43の所で表示画面上の各画面レイヤーについて説明してあるが、前記サブピクチャーデコーダーSPDECの出力はサブピクチャープレインSBPCPL上に表示される。また、本実施形態においては前記サブピクチャープレインSBPCPL内では副映像SUBPTと、アドバンストサブタイトルADSBTのデコード結果を共通に(2者択一的に)表示する。前記アドバンストサブタイトルADSBTは、図34に示すアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPL内でデコード処理され出力される。
サブオーディオデコーダーSADECは、サブオーディオSUBADと呼ばれるオーディオストリームのデコーディングを処理する。本実施形態においてサブビデオデコーダーSVDECは、最大2チャンネルまでの対応を可能とすると共にサンプルレートを48kHz以下にしている。このようにサブオーディオデコーダーSADECの性能を低く抑えることにより、デコーダーエンジンDCDEN内の製造コストを安く抑えることができる。また、前記サブオーディオデコーダーSADECから出力されるオーディオストリームは、サブオーディオストリームSUBADと呼ばれている。
サブビデオデコーダーSVDECは、サブビデオSUBVDと呼ばれるビデオストリームのデコード処理をサポートする。前記サブビデオデコーダーSVDECは、SD(スタンダードデフィニション)の解像度のサポートを必須とし、オプションとしてHD(ハイデフィニション)の解像度もサポート可能にしている。前記サブビデオデコーダーSVDECから出力されるデータは、サブビデオプレインSBVDPL(図43参照)上に表示される。
サブビデオデコーダーSVDECの出力側に存在するスケーラーSCALERは以下の3種類の機能を持っている。
1)出力に必要なディスプレイ解像度に合わせて、サブビデオSUBVDの解像度を変化させる。図15に示す大画面テレビモニター15に出力される時の理想的なサブビデオSUBVDの解像度が決まっている場合、どのような大画面テレビモニター15の解像度にも対応するように前記スケーラーSCALERによりデコードされたサブビデオSUBVDの解像度変化を行う。
2)表示するアスペクト比に合わせたスケーリング機能
大画面テレビモニター15に表示される画面のアスペクト比が元々サブビデオSUBVDで表示すべきアスペクト比と異なっていた場合には、アスペクト比変換を行い大画面テレビモニター15に最適な形で表示するような処理を行う。
3)APIコマンドに基づくスケーリング処理
図43に示した例のように、サブビデオSUBVDとしてコマーシャル用の別画面32を同一画面上の一部に表示する場合、アドバンストアプリケーションADAPLに基づくAPIコマンドにより、前記コマーシャル用の別画面32(サブビデオSUBVD)のサイズを設定することができる。このように本実施形態ではAPIコマンドに基づき、前記スケーラーSCALER内で最適な表示画面サイズを設定する。この場合には元々設定されていたサブビデオSUBVDのアスペクト比は、変わらず全体のサイズのみが変化される形となる。
本実施形態においてメインオーディオデコーダーMADEC内は、7.1チャンネルまでのマルチチャンネルオーディオとサンプリングレート192kHzまでの音声に対してデコードをサポートする。前記、メインオーディオデコーダーMADECでデコードされたデータをメインオーディオMANADと呼ぶ。
メインビデオデコーダーMVDECは、HD(ハイデフィニション)の解像度をサポートすることができ、デコードされた映像情報はメインビデオMANVDと呼ばれている。このようにメインビデオデコーダーMVDECで高解像度のデコードを可能とすることによりユーザー要求に応じた高画質を可能とする。さらにそれと平行してサブビデオデコーダーSVDECを持つことで、同時に2画面表示が可能になるばかりでなく、サブビデオデコーダーSVDECのデコード能力を制限することにより、デコーダーエンジンDCDENの価格を抑えることができる。前記メインビデオデコーダーMVDECでデコードされた画面は、メインビデオプレインMNVDPL(図43参照)上に表示される。メインビデオデコーダーMVDECはメインビデオMANVDをデコードするが、本実施形態においてデコード後の映像の表示サイズは、アパーチャーAPTR(図44参照)と呼ばれるグラフィックプレインGRPHPL(図43参照)上のサイズと一致しなければならない。また、本実施形態ではナビゲーションマネージャーNVMNGから与えられるポジションインフォメーションPOSITIとスケールインフォメーションSCALEIに対応し(図45参照)、デコード後のメインビデオMANVDはスケーラーSCALERにより、前記アパーチャーAPTR上の適正なサイズにスケーリングされるとともに前記アパーチャーAPTR上の適正な位置に配置される。また、前記ナビゲーションマネージャーNVMNGから転送されるスケール情報の中には、メインビデオプレインMNVDPLの画面の枠を表示する枠部分の色に対する情報も含まれる。本実施形態においては、前記枠組みの色はデフォルト状態において、“0,0,0”(黒色)として設定されている。
メインビデオデコーダーMVDECの出力側に存在するスケーラーSCALERは、以下に述べる3種類の機能を持っている。
1)出力に必要なディスプレイ解像度に合わせて、メインビデオMANVDの解像度を変化させる。図15に示す大画面テレビモニター15に出力される時の理想的なメインビデオMANVDの解像度が決まっている場合、どのような大画面テレビモニター15(図15参照)にも対応するように前記スケーラーSCALERによりデコードされたサブビデオSUBVDメインビデオMANVDを行う。
2)表示するアスペクト比に合わせたスケーリング機能
大画面テレビモニター15に表示される画面のアスペクト比が元々メインビデオMANVDで表示すべきアスペクト比と異なった場合、大画面テレビモニター15に最適な形で表示するようにアスペクト比の変換処理を行う。
3)APIコマンドに基づくスケーリング処理
図43に示すようにメインビデオMANVD(本編31)を表示する場合、アドバンストアプリケーションADAPLに対応したAPIコマンドによりメインビデオMANVD(本編31)のサイズを指定することができる。このようにAPIコマンドに基づき、前記スケーラーSCALER内で最適な画面サイズを設定する場合には、元々設定されていたメインビデオMANVDのアスペクト比は、元のまま変わらずに全体のサイズのみが変化される(APIコマンドによっては特定のアスペクト比への変換は許されない)ことになる。この場合デフォルト状態において、メインビデオMANVDはフルスクリーンに表示されるように設定されている。例えばアスペクト比が4:3の場合にはワイド画面に表示すると幅が狭くなるので、ワイド画面上の中央部に幅の狭い表示画面が表示される。また、特にアパーチャーAPTRのサイズを「1920×1080」もしくは「1280×720」と設定した場合(ワイド画面対応)には、ワイド画面全体に表示される。
図15に示すように情報記録再生装置1内にはアドバンストコンテンツ再生部ADVPLが存在するが、図16に示すように前記アドバンストコンテンツ再生部ADVPL内には、AVレンダラーAVRNDが存在する。前記AVレンダラーAVRNDは図42に示すように、グラフィックレンダリングエンジンGHRNENとオーディオミキシングエンジンADMXENから構成されている。グラフィックレンダリングエンジンGHRNENは、図16に示すナビゲーションマネージャーNVMNGとプレゼンテーションエンジンPRSENから来る情報を元にグラフィックプレインGRPHPL(図43参照)上での画像の合成処理を行う。また、前記オーディオミキシングエンジンADMXENでは、プレゼンテーションエンジンPRSENから来る音声情報(PCMストリーム)を合成し、合成された音声情報を出力する。
ユーザーに表示する画面は図43で詳しく説明するように、カーソルプレインCRSRPL、グラフィックプレインGHRHPL、サブピクチャープレインSBPCPL、サブビデオプレインSBVDPLとメインビデオプレインMDVDPLの5プレインから構成されており、前記グラフィックレンンダリングエンジンGHRNEN上で前記5プレインを合成処理する。図42に示すプレゼンテーションエンジンPRSENは、グラフィックプレインGHRHPL、サブピクチャープレインSBPCPL、サブビデオプレインSBVDPLとメインビデオプレインMNVDPLの各プレイン上の画像を作成し、グラフィックレンダリングエンジンGHRNENへ転送する。前記グラフィックレンダリングエンジンGHRNEN内では新たにカーソルプレインCRSRPLを作成する。前記グラフィックレンダリングエンジンGHRNEN内でカーソルイメージCRSIMGを作成するとともにナビゲーションマネージャーNVMNGから送られてくるカーソルのカーソルイメージCRSIMGの位置情報に基づいてカーソルプレインCRSRPL上にカーソルイメージCRSIMGを配置する。その結果、前記グラフィックレンダリングエンジンGHRNENは、ナビゲーションマネージャーNVMNGからの制御情報に基づき前記5プレインを合成処理した後、合成した画像をビデオ信号として出力する。
オーディオミキシングエンジンADMXENは、プレゼンテーションエンジンPRSENから送られてくる最大3種類までのリニアPCMストリームを同時に受取り、音声合成することができる。その時、前記オーディオミキシングエンジンADMXENは、ナビゲーションマネージャーNVMNGから与えられるミキシングレベル情報に基づき前記リニアPCMストリーム毎の音量設定をした後出力する。
図43に示すように本実施形態において表示画面上では画面がカーソルプレインCRSRPL、グラフィックプレインGRPHPL、サブピクチャープレインSBPCPL、サブビデオプレインSBVDPLとメインビデオプレインMNVDPLの5画面レイヤーから構成されている。本実施形態において、カーソルプレインCRSRPLである1画面レイヤーは、AVレンダラーAVRND内のグラフィックレンダリングエンジンGHRNEN(図45参照)内で作成される。また、図43におけるグラフィックプレインGRPHPL、サブピクチャープレインSBPCPL、サブビデオプレインSBVDPLとメインビデオプレインMNVDPLの4画面レイヤーはプレゼンテーションエンジンPRSEN(図45参照)内で作成される。前記グラフィックレンダリングエンジンGHRNENに入力されるプレゼンテーションエンジンPRSEN内で作成されるグラフィックプレインGRPHPL、サブピクチャープレインSBPCPL、サブビデオプレインSBVDPLとメインビデオプレインMNVDPLの4画面レイヤーのフレームレートはそれぞれ独自に設定することが可能となっている。すなわち、プレゼンテーションエンジンPRSEN内のアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENから出力される映像のフレームレートとアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLから出力される映像のフレームレートとセカンダリービデオプレーヤーSCDVPから出力される映像のフレームレート及び、プライマリービデオプレーヤーPRMVPから出力される映像のフレームレートがそれぞれ独自のフレームレートを持つことが可能となっている。図43に示すメインビデオプレインMNVDPLは、図45または図34に示すプライマリービデオプレーヤーPRMVPからデコーダーエンジンDCDENを経由しスケーラーSCALERを経た後の出力として得られる。また、サブビデオプレインSBVDPLの画面レイヤーはセカンダリービデオプレーヤーSCDVPからデコーダーエンジンDCDENを経た後スケーラーSCALERの出力として作成される。また、サブビデオプレインSBVDPLは、図45または図34に示すアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLの出力またはサブピクチャーデコーダーSPDECからスケーラーSCALERを経た画面のいずれかが選択されて作成される。グラフィックプレインGRPHPLとアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENの出力として得られる。
以下に図43の例を用いてグラフィックプレインGRPHPL内の領域定義について説明する。図43の下側に示す合成画面はユーザーが見る画面のフルサイズ画面を現している。テレビの画面に対するワイド画面や標準画面などにより最適に表示すべき画面寸法サイズ(解像度)が異なる。本実施形態ではこのユーザーに表示すべき最適な画面サイズをグラフィックプレインGRPHPLで定義する。すなわち、グラフィックプレインGRPHPL上でユーザーに表示する最適な画面サイズ(走査線の数とドット数で設定されるが、このユーザーに表示される最適な画面サイズ(画素数)をグラフィックプレインGRPHPL上のアパーチャーAPTR(グラフィック領域)サイズとして定義する。従って、ユーザーに表示する画面が高解像度の画面の場合には、グラフィックプレインGRPHPL上でのアパーチャーAPTR(グラフィック領域)のサイズが大きくなり、ユーザーに表示すべき画面サイズ(解像度)が従来の標準サイズの場合には、アパーチャーAPTR(グラフィック領域)のサイズが解像度(トータル画素数)に比例して小さくなる。もし、図43に示した例と異なり、ユーザー画面上前面に亘りプライマリーオーディオビデオPRMAVのメインビデオMANVDをフル画面で表示した場合には、このメインビデオプレインMNVDPL上の画面サイズがグラフィックプレインGRPHPL上でのアパーチャーAPTR(グラフィック領域)のサイズに完全に一致する。図43に示すように、合成画面の下側領域にヘルプアイコン33からFFボタン38までに至るアドバンストアプリケーションADAPLをまとめて表示する場合には、アパーチャーAPTR(グラフィック領域)内で前記アドバンストアプリケーションADAPLをまとめて表示する領域(アプリケーション領域APPRGN)を定義したほうが表示制御し易くなる。このため本実施形態ではアドバンストアプリケーションADAPLに含まれる複数のエレメントをまとめて表示する領域としてアプリケーション領域APPRGNを定義することができる。本実施形態においては、グラフィックプレインGRPHPL上のアパーチャーAPTR(グラフィック領域)内に複数のアプリケーション領域APPRGNを設定することができる。以下の内容の詳細については図44を用いて詳細に説明する。
図43に合成画面の画面サイズに合わせてグラフィックプレインGRPHPL上にアパーチャーAPTR(グラフィック領域)が設定できることを説明した。また前記アパーチャーAPTR(グラフィック領域)内に1以上のアドバンストアプリケーションADAPLをまとめて表示する領域として、1以上のアプリケーション領域APPRGNが設定できることを説明した。図44を用いて、より詳細な説明を行う。
グラフィックプレインGRPHPLは、カンバスと呼ばれる座標系(カンバス座標CNVCRD)を定義することができる。本実施形態において、グラフィックプレインGRPHPL上に画面合成することができる四角い領域が、前記カンバス座標CNVCRD内に定義することができる。この四角い領域をアパーチャーAPTR(グラフィック領域)と呼ぶ。前記カンバス座標CNVCRDにおけるグラフィック領域の原点位置(0,0)と前記アパーチャーAPTR(グラフィック領域)の端点(原点)の位置が本実施形態では一致させている。従ってカンバス座標CNVCRDにおいて、アパーチャーAPTR(グラフィック領域)の端点(原点)の位置は(0,0)となる。アパーチャーAPTR(グラフィック領域)のX軸とY軸の単位はそれぞれ画素数単位で識別される。例えばユーザーに表示する画面の画素数が1920×1080の場合には、それに対応したアパーチャーAPTR(グラフィック領域)のもう一方の端の位置の(1920,1080)を定義することができる。前記アパーチャーAPTR(グラフィック領域)のサイズは、プレイリストPLLST内で定義される。本実施形態においてアドバンストアプリケーションADSBTは、独自の座標系を設定することができる。前記独自の座標系は、四角い領域で前記カンバス座標CNVCRD内に設定することができ、前記四角い領域はアプリケーション領域APPRGNと呼ぶ。各アドバンストアプリケーションADAPLは、それぞれ少なくとも1個のアプリケーション領域APPRGNを持つことができる。また、前記アプリケーション領域APPRGNの設定場所は前記カンバス座標CNVCRD上のX、Y座標値により指定することができる。すなわち図44に示すようにアプリケーション領域APPRGN#1のアパーチャーAPTRグラフィック領域)の配置場所はアプリケーション領域APPRGN#1の端点(原点)のカンバス座標CNVCRD内でのカンバス座標CNVCRD座標値で設定される。
本実施形態では前記アプリケーション領域APPRGN内にアドバンストアプリケーションADAPL内の複数のエレメント(アプリケーションエレメント又はチャイルドエレメント)として特定の静止画IMAGEなどを配置することができる。前記アプリケーション領域内の各エレメントの配置場所を示す方法として、前記アプリケーション領域APPRGN内の独立した座標系のX、Y値を定義することができる。すなわち図44に示すように、アプリケーション領域APPRGN#1内に独自のアプリケーション領域内座標系を持ち、前記アプリケーション領域内座標値として前記エレメントの配置場所を指定することができる。例えば図44に示すように、アプリケーション領域APPRGN#1のサイズが原点(0,0)から(x2,y2)まで規定されていた場合、エレメント例として白抜き四角の部分を配置する時に(x1,y1)の座標により、前記白抜き四角のアプリケーション領域APPRGN内の位置を指定することができる。このように複数の前記エレメントは、独自な座標系(アプリケーション領域内座標)により配置することができ、前記エレメントの一部が前記アプリケーション領域APPRGNからはみ出してもよい。この場合にはアパーチャーAPTR(グラフィック領域)内に配置されたアプリケーション領域APPRGN内の中に含まれるエレメント部分のみがユーザーに対して表示される。
図42に示したAVレンダラーAVRND内のグラフィックレンダリングエンジンGHRNEN内の詳細構造と図34に示したプレゼンテーションエンジンPRSEN内の各種エンジンとプレーヤーとの関係を図45に示す。
本実施形態において図43に示すようにユーザーに表示する画面は、5つの画面レイヤーから構成され、それらの各画面レイヤーの画像はオーバーレイコントローラーOVLCTRで合成される。また本実施形態においては、オーバーレイコントローラーOVLCTRへ入力される各画面レイヤーにおけるフレームレート(1秒間に表示される画面の数)を、それぞれ各画面レイヤー毎に独自に設定できるところに本実施形態の大きな特徴がある。それによりフレームレートの制約を受けることなく、各画面レイヤー毎の最適なフレームレートが設定でき、ユーザーに対してより効果的な画面を表示することができる。
図43に示すメインビデオプレインMNVDPLに関しては、プライマリービデオプレーヤーPRMVPの出力動画とセカンダリービデオプレーヤーSCDVPの出力動画の中のサブスティテュートオーディオビデオSBTAVのうち、いずれか一方が選択されクロマインフォメーションCRMIを考慮された後、デコーダーエンジンDCDEN内のメインビデオデコーダーMVDEC内でデコード処理される。その後、スケーラーSCALERにより画面サイズと表示画面位置が設定され、オーバーレイコントローラーOVLCTRに入力される。
サブビデオプレインSBVDPLにおいては、プライマリービデオプレーヤーPRMVPから出力されたサブビデオSUBVDかセカンダリープレーヤーSCDVPから出力されたサブビデオSUBVDを、クロマインフォメーションCRMIを考慮した上でデコーダーエンジンDCDEN内のサブビデオデコーダーSVDECに入力される。そこでデコードされた出力動画は、スケーラーSCALERにより表示サイズと画面上の表示位置が設定された後クロマイフェクトCRMEFTの処理を行い、オーバーレイコントローラーOVLCTRに入力される。この時サブビデオプレインSBVDPLは、下側のメインビデオプレインMNVDPLを表示できるようにする透明度を表すアルファーインフォメーションに対応して、半透明な形でオーバーレイコントローラーOVLCTRに入力することができる。
サブピクチャープレインSBPCPLに表示される映像は、アドバンストサブタイトルADSBTかプライマリーオーディオビデオPRMAVの副映像SUBPTのいずれかが表示される。すなわちアドバンストサブタイトルADSBTはアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPL内のレイアウトマネージャーLOMNGで表示画面サイズと表示位置が設定された後、スイッチSWITCHへ入力される。また、プライマリーオーディオビデオPRMAVの副映像SUBPTはプライマリービデオプレーヤーPRMVPからデコーダーエンジンDCDEN内のサブピクチャーデコーダーSPDEC内に副映像SUBPTが入力され、そこでデコードされた後スケーラーSCALERにより表示画面サイズと表示位置画面サイズが設定される。その後同様にスイッチSWITCHに入力される。本実施形態では、図45に示すようにスイッチSWITCHによる選択処理によりアドバンストサブタイトルADSBTかプライマリーオーディオビデオPRMAV内の副映像SUBPTのいずれか一方が選択され、オーバーレイコントローラーOVLCTRへ入力される。
グラフィックプレインGRPHPLについては、アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN内のレイアウトマネージャーLOMNGで表示サイズと表示位置が設定された後、直接オーバーレイコントローラーOVLCTRに入力される。
カーソルプレインCRSRPLに対してはナビゲーションマネージャーNVMNG内のカーソルマネージャーCRSMNGによりカーソルイメージCRSIMGとカーソルの表示位置を示すポジションインフォメーションPOSITIが出力され、オーバーレイコントローラーOVLCTR内でカーソルの画面レイヤーが作成される。以下に各画面レイヤー毎の詳細な説明を行う。
カーソルプレインCRSRPLは、本実施形態の映像合成モデルにおいては、5画面レイヤー存在する中で最も上側に存在する画面レイヤーを表し、グラフィックレンダリングエンジンGHRNEN内で画面が作成される。カーソルプレインCRSRPLの解像度はグラフィックプレインGRPHPL上のアパーチャーAPTR(グラフィック領域)の解像度と一致する(図43の説明文章を参照のこと)。前述したように、前記カーソルプレインCRSRPLはグラフィックレンダリングエンジンGHRNEN内のオーバーレイコントローラーOVLCTR内で作成・管理される。ナビゲーションマネージャーNVMNG内に存在するカーソルマネージャーCRSMNGは、カーソルイメージCRSIMGを作成し前記オーバーレイコントローラーOVLCTRへ転送する。また、前記カーソルマネージャーCRSMNGは画面上のカーソル位置を表すポジションインフォメーションPOSITIの情報を管理作成し、前記オーバーレイコントローラーOVLCTRに転送するとともに、ユーザー入力に対応し常に前記カーソルのポジションインフォメーションPOSITIをタイムリーにアップデートし、オーバーレイコントローラーOVLCTRに転送する。デフォルト(初期状態)におけるカーソルイメージCRSIMGとその位置を表すX,Y座標(hotspotXY)は、各アドバンストコンテンツ再生部ADVPLに依存する。本実施形態においてデフォルト(初期状態)におけるカーソル位置(X,Y)は、(0,0)(原点位置)に設定される。前記カーソルイメージCRSIMGとその位置を示すポジションインフォメーションPOSITIはアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNG内のプログラミングエンジンPRGEN(図32参照)からのAPIコマンドによりアップデートされる。本実施形態において、前記カーソルイメージCRSIMGの最大解像度を256×256ピクセル(画素)に設定する。この数値を設定することにより、ある程度表現力のあるカーソルイメージCRSIMGを表現できるとともに、無駄な解像度設定を防ぐことでカーソル表示処理速度を早くすることができる。また、前記カーソルイメージCRSIMGのファイルフォーマットはPMG(8ビットカラー表現)により設定される。また、本実施形態において前記カーソルイメージCRSIMGは、APIコマンドにより完全に画面上に表示される状態かまたは完全に透明で画面上には見えない状態かのいずれかに切替えることができる。カーソルマネージャーCRSMNGから送られるポジションインフォメーションPOSITIに応じて、前記オーバーレイコントローラーOVLCTR内でカーソルプレインCRSRPL上にカーソルイメージCRSIMGが配置される。それとともにオーバーレイコントローラーOVLCTRによりカーソルプレインCRSRPLよりも下側の画面レイヤーの画面に対する半透明の状態を示すアルファーミックスの設定(アルファインフォメーションに基づく透明度の設定)を行うことができる。
本実施形態の映像合成モデルにおいてグラフィックプレインGRPHPLにおいては、グラフィックレンダリングエンジンGHRNEN内で作成する上から2番目の画面レイヤーに相当する。図32に示すナビゲーションマネージャーNVMNG内のアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGからの制御を受けて、図45に示すアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENによりグラフィックプレインGRPHPLの画面が作成される。図32に示すナビゲーションマネージャーNVMNG内のアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNGが、図35に示すアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN内のグラフィックデコーダーGHCDECとフォントレンダリングシステムFRDSTMを動かしてグラフィックプレインGRPHPLの画面の一部を作成する。最終的にはアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN内のレイアウトマネージャーLOMNGによりグラフィックプレインGRPHPLの合成画面を作成する。前記レイアウトマネージャーLOMNGによりそこから出力される画面(フレーム)の出力ビデオサイズとその表示場所が設定される。前記レイアウトマネージャーLOMNGから出力されるフレームレート(1秒間に変化する画面数)は、例えばメインビデオMANVDやサブビデオSUBVDなどの映像のフレームレートに関わりなく独自に設定することができる。また本実施形態では、アニメーションなどグラフィックイメージの連続としてアニメーションイフェクトを表示することもできる。
図35に示すレイアウトマネージャーLOMNGでグラフィックプレインGRPHPL上の画面設定をする時には個々の構成画面に対してアルファーインフォメーション(アルファー値)の条件を設定することはできない。本実施形態においては、グラフィックプレインGRPHPL内の各グラフィックイメージ(個々の構成画面)単位でアルファー値を設定することはできず、グラフィックプレインGRPHPL全体でのアルファー値を設定することができる。従って下の画面に対する透明度(アルファー値)はグラフィックプレインGRPHPL上至るところで一定に設定される。
本実施形態における映像合成モデルにおいてサブピクチャープレインSBPCPLは、グラフィックレンダリングエンジンGHRNENで作成される上から3番目の画面レイヤーに対応している。前記サブピクチャープレインSBPCPLは、アドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLまたはデコーダーエンジンDCDEN内のサブピクチャーデコーダーSPDECにより作成される(図45参照)。プライマリービデオセットPRMVSは指定された表示フレームサイズを持った副映像SUBPTイメージを含んでいる。前記副映像SUBPTのイメージの表示サイズが指定された場合には、サブピクチャーデコーダーSPDECは前記副映像SUBPTイメージを直接スケーラーSCALERによるサイズ変更をせずに直接グラフィックレンダリングエンジンGHRNENへ転送される。例えば図43の説明で示したように、合成画面の表示サイズがグラフィックプレインGRPHPL上のアパーチャーAPTR(グラフィック領域)のサイズで規定されており、メインビデオプレインMNVDPL上のメインビデオMANVDが合成画面上にフル画面で表示された場合には、メインビデオMANVDの表示サイズは前記アパーチャーAPTR(グラフィック領域)のサイズと一致する。この場合、副映像SUBPTの表示サイズは前記アパーチャーAPTR(グラフィック領域)のサイズにより自動的に副映像SUBPTの表示サイズが決まる。このような場合には、前述したようにサブピクチャーデコーダーSPDECの出力画面(フレーム)がスケーラーSCALERの処理をせずに直接グラフィックレンダリングエンジンGHRNENへ転送される。逆に図43に示すように、メインビデオプレインMAVDPL上の本編31の表示サイズがアパーチャーAPTR(グラフィック領域)のサイズよりも大幅に小さい場合には、対応して副映像SUBPTのフレームサイズも変える必要がある。このように副映像SUBPTイメージの適正な表示サイズが設定されない場合には、サブピクチャーデコーダーSPDECの後ろに存在するスケーラーSCALERが前記アパーチャーAPTR(グラフィック領域)の最適な表示サイズと表示位置が設定され、その後グラフィックレンダリングエンジンGHRLENへ転送される。しかし本実施形態では上記に限らず、前期副映像の表示適正サイズがわからない(存在しない)場合には、前記副映像SUBPTを前記アパーチャーAPTR(グラフィック領域)における左上に詰めて表示することもできる。本実施形態においては、図45に示すようにサブピクチャープレインSBPCPLのグラフィックレンダリングエンジンGHRNENに転送する画面のフレームレートは、ビデオ出力のフレームレートとは関わりなく独自に設定することができる。このように副映像SUBPTやアドバンストサブタイトルADSBT、あるいはアドバンストアプリケーションADAPLを表示する前記サブピクチャープレインSBPCPLやグラフィックプレインGRPHPLのフレームレートをメインビデオプレインMNVDPLやサブビデオプレインSBVDPLのフレームレートと関わりなく独自に設定することで、プレゼンテーションエンジンPRSENの処理の効率化を図ることができる。何故ならメインビデオプレインMNVDPLやサブビデオプレインSBVDPLは1秒間に50ないしは60フィールド変化するが、サブピクチャープレインSBPCPLやグラフィックプレインGRPHPLで表示される画面は比較的画面変化の速度が遅く、例えばグラフィックプレインGRPHPLで表示される画面は10秒間同じ画面が表示されることがある。この時に前記ビデオプレインに合わせて1秒間に50ないしは60フィールドに合わせたフレームレートで画像をAVレンダラーAVRNDに転送する場合にはアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENやアドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLの付加が重くなりすぎるため、フレーム転送レートを独自に設定することで両者の負担を大幅に低減することができる。また、アドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLは、アドバンストアプリケーションADAPLのサブセットに対応したサブピクチャープレインSBPCPLの画面を提供することができる。前述したように各画面レイヤーを合成した合成画面を作成するオーバーレイコントローラーOVLCTRに転送するサブピクチャープレインSBPCPLは、アドバンストサブタイトルプレーヤーASBPLかサブピクチャーデコーダーSPDECの出力のうち、どちらか一方のみが使われる。本実施形態ではナビゲーションマネージャーNVMNGから転送されるオーバーレイインフォメーションOVLYIに基づき、プレゼンテーションエンジンPRSENから供給されるサブピクチャープレインSBPCPLに表示される画面がグラフィックレンダリングエンジンGHRNEN内のスイッチモジュールSWITCHにより選択される。本実施形態においてサブピクチャープレインSBPCPLに表示される画面も透明度を設定することができ、その下に存在するサブピクチャープレインSBPCPLやメインビデオプレインMNVDPLの画面が透けて見えるように設定することができる。本実施形態ではサブピクチャープレインSBPCPLに対し、透明度を表すアルファー値(アルファーインフォメーション)を設定することができ、サブピクチャープレインSBPCPL内の至るところで同一のアルファー値(アルファーインフォメーション)が設定される。
本実施形態の映像合成モデルについて、サブビデオプレインSBVDPLはグラフィックレンダリングエンジンGHRNENから合成される上から4番目の画面レイヤーに相当する(図43参照)。前記サブビデオプレインSBVDPLは、デコーダーエンジンDCDEN内のサブビデオデコーダーSVDEC内でデコードされた映像が表示される。ナビゲーションマネージャーNVMNGから送られるスケールインフォメーションSCALEIとポジションインフォメーションPOSITIに基づき、サブビデオデコーダーSVDECの出力側に存在するスケーラーSCALERによりサブビデオプレインSBVDPL上の副映像SUBPT画面のサイズと表示位置が設定され、最終的な表示ビデオサイズとしてスケーラーSCALERから出力される(図45参照)。デフォルト(初期値)において、前記スケールインフォメーションSCALEIで示されるスケーリングレーシオは1(縮小されずアパーチャーAPTR(グラフィック領域)サイズ全体に表示される)と設定される。また、デフォルト(初期値)においては前記ポジションインフォメーションPOSITIの情報としてはX方向のポジションは“0”、Y方向のポジションも“0”(アパーチャーAPTR(グラフィック領域)の原点位置)に設定される。また、アルファー値は100%透過するように設定される。また、本実施形態においてはそれに限らずアルファー値としては、100%表示される(透明度0%)と設定することもできる。前記のアルファー値及びスケールインフォメーションSCALEI、ポジションインフォメーションPOSITIの値は、APIコマンドにより変更することができる。もし、新しいタイトルを表示する場合には、前記の値はデフォルト値(初期値)に設定される。本実施形態において、サブビデオプレインSBVDPLの出力フレームレートはアドバンストコンテンツ再生部ADVPLの映像出力のフレームレート(メインビデオプレインMNVDPLにおけるフレームレート)とは関係なく独自に設定することができる。それにより、例えばサブビデオプレインSBVDPLのフレームレートを落とすことでネットワークサーバーNTSRVから転送される時のローディング時の連続性を保証することができる。前記サブビデオSUBVDストリームにおいてクロマインフォメーションCRMIが設定された場合には、グラフィックレンダリングエンジンGHRNEN内においてクロマイフェクトCRMEFTによりサブビデオSUBVD内の映像オブジェクトの輪郭抽出をすることができる。映像において例えば青い背景上に移った人の映像があった場合、クロマキーの処理をすることにより青色部分を透明にし、青以外の色で構成された人物などを不透明にし、青色部分に別の画面を重ねる処理が可能となる。例えば、図43の各画面レイヤー説明図を用いた例の場合、例えばメインビデオプレインMNVDPLの画面をアパーチャーAPTR(グラフィック領域)のサイズにフル画面表示し、その1部に重ねてサブビデオプレインSBVDPL上の画面を重ねて表示した場合を考える。この時、サブビデオプレインSBVDPL上の画面が青色背景上に特定の人物が移されている映像があった場合、クロマカラーを青色に設定して、青色の部分だけを透明とすることによりサブビデオプレインSBVDPL上の人物のみを後ろ側のメインビデオプレインMNVDPL上の映像と重ねて表示することができる。このようにクロマキー(クロマイフェクトCRMEFT)の技術を利用することにより、サブビデオプレインSBVDPL上の特定オブジェクトに対し輪郭抽出し、背景色を透明にして後ろ側のメインビデオプレインMNVDPLと重ねる処理などができる。このように本実施形態においては、セカンダリービデオプレーヤーSCDVPまたはプライマリービデオプレーヤーPRMVPに対応したサブビデオプレーヤーモジュールに対し、前記クロマインフォメーションCRMIを適用することができる。前記クロマイフェクトCRMEFTからの出力映像に対しては、2つのアルファー値(アルファーインフォメーション)が設定される。すなわち、一方のアルファー値は100%可視の状態であり、裏側に存在するサブビデオプレインSBVDPLの映像は見えない。前記の例では青色の背景の中に存在する青とは異なる色を持ったオブジェクト(人物)などがそれに対応する。また、もう一方のアルファー値は100%透過するように設定され、前記の例では青色の背景部分がそれに対応する。その部分は100%透過となり、下側に存在するメインビデオプレインMNVDPLの画面が透けて見える。本実施形態においてはそれに限らずアルファー値として100%と0%の中間の値を設定することができる。最も下側に存在するメインビデオプレインMNVDPLと重なるサブビデオプレインSBVDPL内の映像の各位置のアルファー値(アルファーインフォメーション)の中間の値は、ナビゲーションマネージャーNVMNGから転送されるオーバーレイインフォメーションOVLYIにより設定され、その値に基づきグラフィックレンダリングエンジンGHRNEN内のオーバーレイコントローラーOVLCTRにより設定される。
本実施形態の映像合成モデルにおいて、メインビデオプレインMNVDPLはグラフィックレンダリングエンジンGHRNEN内で合成される最も下側に存在する画面レイヤーに対応する。前記メインビデオプレインMNVDPLの映像は、デコーダーエンジンDCDEN内のメインビデオデコーダーMVDECによりデコードされた映像で構成される。ナビゲーションマネージャーNVMNGから転送されるスケールインフォメーションSCALEIとポジションインフォメーションPOSITIに基づき、メインビデオデコーダーMVDECの出力段に配置されたスケーラーSCALERにより、メインビデオプレインMNVDPL上の表示画面サイズと表示位置が設定される。メインビデオプレインMNVDPL上のメインビデオ画面のデフォルト(初期値)におけるサイズと表示場所はアパーチャーAPTR(グラフィック領域)のサイズと一致する。本実施形態におけるアパーチャーAPTR(グラフィック領域)のサイズ情報は、図25に示すようにプレイリストPLLSTファイル内の構造情報CONFGI内に規定され、画面のアスペクト比が元の状態で保持された形で指定される。例えばメインビデオプレインMNVDPL上に表示される映像のアスペクト比が4:3であり、グラフィックプレインGRPHPL上で規定されるアパーチャーAPTR(グラフィック領域)のアスペクト比が16:9で指定された場合、メインビデオプレインMNVDPLの映像の前記アパーチャーAPTR(グラフィック領域)内での表示位置は、表示画面の高さが前記アパーチャーAPTR(グラフィック領域)と一致し、画面の横方向においてはアパーチャーAPTR(グラフィック領域)の中央位置にフル画面に対して幅の狭い画面が表示される。前記プレイリストファイルPLLST内の構造情報CONFGIで指定されたビデオの表現色とメインビデオプレインMNVDPLで設定された表現色が異なった場合には、前記メインビデオプレインMNBDPLにおけるデフォルト(初期値)における表示色条件を前記構造情報CONFGIに変換処理を行わず、元々のデフォルト時の色を使用する。メインビデオプレインMNVDPL内における映像の表示サイズ、表示位置、および表示色、アスペクト比などの値はAPIコマンドにより変更することが可能である。プレイリストPLLST内の新たな別のタイトルに移動する場合には、移動前において前記映像サイズ、映像表示位置、表示色やアスペクト比などの情報はデフォルト(初期値)に設定される。その後、次のタイトルの再生開始時に前記映像サイズ、表示位置、表現色とアスペクトレシオなどの値がプレイリストPLLSTで設定された指定値に変更される。
本実施形態において情報記録再生装置1内にアドバンストコンテンツ再生部ADVPLが存在する(図15参照)が、図16に示すように前記アドバンストコンテンツ再生部ADVPL内にAVレンダラーAVRNDが存在し、図42に示すように前記AVレンダラーAVRND内にオーディオミキシングエンジンADMXENが存在する。前記オーディオミキシングエンジンADMXENとその前段に存在するプレゼンテーションエンジンPRSEN間の関係を示す音声ミキシングモデルを図46に示す。
本実施形態において、オーディオミキシングエンジンADMXENに入力されるオーディオストリームは、イフェクトオーディオEFTADとサブオーディオSUBADとメインオーディオMANADの3種類のオーディオストリーム(図12参照)が存在する。前記3種類のオーディオストリームにおいて、イフェクトオーディオEFTADは図46におけるアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN内のサウンドデコーダーSNDDECの出力として与えられる。また、前記サブオーディオストリームSUBADはデコーダーエンジンDCDEN内のサブオーディオデコーダーSADECの出力として与えられ、メインオーディオストリームMANADは前記デコーダーエンジンDCDEN内のメインオーディオデコーダーMADECの出力として与えられる。本実施形態において、前記各種オーディオストリーム間のサンプル周波数は一致している必要はなく、それぞれのオーディオストリーム毎に異なるサンプリング周波数(サンプルレート)を持つことが許容される。これら3種類の異なるサンプリング周波数を持ったオーディオストリームを合成するにあたって、オーディオミキシングエンジンADMXEN内にはそれぞれのオーディオストリームに対応したサンプリングレートコンバーターSPRTCVが存在している。すなわち、前記サンプリングレートコンバーターSPRTCVは各種オーディオデコーダー(SNDDEC、SADEC、MADEC)の出力時のサンプル周波数(サンプリングレート)を最終的な音声出力のサンプリング周波数(サンプルレート)に統一する働きを持っている。本実施形態において図46に示すように、ナビゲーションマネージャーNVMNGからミキシングレベルインフォメーションMXLVIの情報がオーディオミキシングエンジンADMXEN内のサウンドミキサーSNDMIXへ向けて転送され、その転送された情報に基づき前記サウンドミキサーSNDMIX内で前記3種類のオーディオストリームの合成時のミキシングレベルが設定される。その後の最終的なオーディオ出力AOUTの出力ダイナミックレンジは各種アドバンストコンテンツ再生部ADVPLによりそれぞれ独自に設定が可能となる。
本実施形態の音声ミキシングモデルにおける3種類のオーディオストリームの対応方法及び内容について以下に説明を行う。
イフェクトオーディオストリームEFTAD(図12参照)は、基本的にユーザーがグラフィカルボタンをクリックした時に使われるオーディオストリームである。図20を用いて使用例を説明する。図20に示すように、アドバンストアプリケーションADAPLが画面上に表示され、その中にヘルプアイコン33が表示されているが、例えばユーザーがヘルプアイコン33をクリック(指定)した時にユーザーに対してヘルプアイコン33をクリックしたことを示す一つの手段として、ヘルプアイコン33を押した直後に特定の音声が出力され、ユーザーにヘルプアイコン33をクリックしたことを明示することが可能となる。このようにクリックしたことを知らせる効果音が前記イフェクトオーディオEFTADに対応する。本実施形態において前記イフェクトオーディオEFTADはシングルチャンネル(モノラル)又はステレオチャンネル(2チャンネル)のWAVフォーマットをサポートしている。本実施形態においてナビゲーションマネージャーNVMNGから送られるコントロールインフォメーションCTRLIの情報内容に応じて、アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN内のサウンドデコーダーSNDDECでイフェクトオーディオストリームEFTADを発生した後、オーディオミキシングエンジンADMXEN内に転送される。また、このイフェクトオーディオストリームEFTADの音源はファイルキャッシュFLCCH内にWAVファイルとして事前に保存されており、アプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPEN内のサウンドデコーダーSNDDECが前記WAVファイルを読取り、リニアPCMの形に変換し、オーディオミキシングエンジンADMXENへ転送する。本実施形態において、イフェクトオーディオEFTADは2以上のストリームを同時に表示することはできない。本実施形態において例えば1個のイフェクトオーディオストリームEFTADを表示している間に次のイフェクトオーディオストリームEFTADの表示出力を要求された場合、次に指定されたイフェクトオーディオEFTADストリームが優先されて出力される。図20を用い、具体的な例として説明を行うと例えばユーザーがFFボタン38を押していた場合を考える。イフェクトボタン38を押した時にはユーザーに表示するためにそれに対応したイフェクトオーディオEFTADが例えば数秒間鳴り続ける場合を考える。ユーザーがFFボタン38を押した直後にイフェクトオーディオEFTADが鳴り終わる前にプレイボタン35を押した場合、FFボタン38のイフェクトオーディオEFTADが鳴り終らない段階でプレイボタン35を押したことを示すイフェクトオーディオEFTADが変わって出力されるようになる。そうすることによって、ユーザーが画面上に表示されたアドバンストアプリケーションADAPLの複数のイメージオブジェクトを続けて押した時にユーザーに対するクイックなレスポンスを表示することができユーザーの使いやすさを大幅に向上させることができる。
本実施形態においてサブオーディオストリームSUBADは、セカンダリーオーディオビデオSCDAVにおけるサブオーディオストリームSUBADとプライマリーオーディオビデオPRMAVにおけるサブオーディオストリームSUBADの2つのサブオーディオストリームSUBADをサポートする。
セカンダリーオーディオビデオSCDAVは、タイトルタイムラインTMLEに対して同期して表示することも、非同期な形で表示することもできる。もし、前記セカンダリーオーディオビデオSCDAVがサブビデオSUBVDとサブオーディオSUBADの両方を含む場合には、セカンダリーオーディオビデオSCDAVがタイトルタイムラインTMLEに同期していようがいまいが、前記サブビデオSUBVDと前記サブオーディオSUBADは互いに同期していなければならない。プライマリーオーディオビデオPRMAVにおけるサブオーディオSUBADに対してはタイトルタイムラインTMLEと同期していなければならない。また、本実施形態においてはサブオーディオストリームSUBADのエレメンタリーストリーム内のメタデーター制御情報も前記サブオーディオデコーダーSADECで処理される。
本実施形態においてメインオーディオストリームMANADは、サブスティテュートオーディオビデオSBTAV内のメインオーディオビデオMANAD、サブスティテュートオーディオ内SBTADのメインオーディオストリームMANADとプライマリーオーディオビデオPRMAV内のメインオーディオストリームMANADの3種類のメインオーディオストリームMANADが存在する。前記各異なる再生表示オブジェクト内に含まれる全てのメインオーディオストリームMANADは、タイトルタイムラインTMLEに同期していなければならない。
本実施形態におけるネットワークサーバーNTSRVとパーシステントストレージPRSTRメモリからのデータ供給モデルを図47に示す。
本実施形態においてはパーシステントストレージPRSTR内にアドバンストコンテンツファイルADVCTを保存することができる。また、ネットワークサーバーNTSRV内にはプライマリービデオセットPRMVSを除くアドバンストコンテンツADVCTを保存しておくことができる。本実施形態において、図47のデータアクセスマネージャーDAMNG内のネットワークマネージャーNTMNGとパーシステントストレージマネージャーPRMNGは、前記アドバンストコンテンツADVCTに関する各種ファイルへのアクセス処理を行う。更に前記ネットワークマネージャーNTMNGは、プロトコルレベルでのアクセス機能を持っている。ネットワークサーバーNTSRVやパーシステントストレージPRSTRからネットワークマネージャーNTMNG、パーシステントストレージマネージャーPRMNGを介して、アドバンストアプリケーションADAPLに関するアドバンストストリームファイルを直接入手する時の制御をナビゲーションマネージャーNVMNG内のファイルキャッシュマネージャーFLCMNGが行う。前記パーサーPARSERはアドバンストコンテンツ再生部ADVPLの起動時において、プレイリストファイルPLLSTの中身を直接読取ることはできる。前記プレイリストファイルPLLSTは、情報記憶媒体DISCに入っていることが前提とされるが、本実施形態においてそれに限らず前記プレイリストファイルPLLSTがパーシステントストレージPRSTRやネットワークサーバーNTSRVなどに保存され、そこから直接プレイリストファイルPLLSTを読取ることも可能である。本実施形態においてはアドバンストナビゲーションファイル(図13参照)に示すアドバンストナビゲーションディレクトリADVNVの下に存在し、ネットワークサーバーNTSRVやパーシステントストレージPRSTRから得られるマニュフェストファイルMNFST、マークアップファイルMRKUPおよびスクリプトファイルSCRPTなどのファイルをナビゲーションマネージャーNVMNG内のパーサーPARSERが直接再生することはできない。
つまり、本実施形態においてはアドバンストナビゲーションADVNV (内のマニュフェストファイルMNFST、マークアップファイルMRKUPおよびスクリプトファイルSCRPTなどのファイル)をパーサーPARSERが再生する場合には事前にファイルキャッシュFLCCH内に1度記録され、その後ファイルキャッシュFLCCHから前記アドバンストナビゲーションADVNVを前記パーサーPARSERが再生することを前提としている。プレゼンテーションエンジンPRSEN内のアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENが使用するアドバンストエレメントADVEL(図13に示す静止画ファイルIMAGE、イフェクトオーディオファイルEFTAD、フォントファイルFONT及びその他のファイルOTHERなどのファイル)は、事前にファイルキャッシュFLCCHに保存されていることを前提としている。すなわち前記アドバンストエレメントADVELは、事前にネットワークサーバーNTSRVやパーシステントストレージマネージャーPRMNGからアドバンストコンテンツADVCTをアクセスマネージャーDAMNGに介してアドバンストコンテンツADVCTをファイルキャッシュFLCCH内に事前保存し、アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENは前記ファイルキャッシュFLCCH内に保存されたアドバンストエレメントADVELを読取る。またプレゼンテーションエンジンPRSEN内にあるアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENは、ネットワークサーバーNTSRVやパーシステントストレージPRSTR内にある各種ファイルをファイルキャッシュFLCCHにコピーする制御を行う。前記アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENはナビゲーションマネージャーNVMNG内のファイルキャッシュマネージャーFLCMNGを動かして、ファイルキャッシュFLCCH内に必要なファイル(や必要な情報の中で足りないファイル)を保存させる。それに応じファイルキャッシュマネージャーFLCMNGは、ファイルキャッシュFLCCH内に保存されているリストを表すファイルキャッシュテーブルの内容を確認し、アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENから要求されたファイルが前記ファイルキャッシュFLCCH内に一時保存されているかどうかの確認を行う。本実施形態において、前記説明したようにプレゼンテーションエンジンPRSEN内のアドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENがナビゲーションマネージャーNVMNG内のファイルキャッシュマネージャーFLCMNGを動かして必要なアドバンストコンテンツADVCTをファイルキャッシュFLCCH内に事前保存するように説明を行った。しかし、本実施形態はそれに限らず例えばナビゲーションマネージャーNVMNG内のプレイリストマネージャーPLMNGがプレイリストPLLST内のリソースインフォメーションRESRCIの内容を解読し、その結果をパーサーPASERに報告して、パーサーPARSERが前記リソースインフォメーションRESRCIに基づきファイルキャッシュマネージャーFLCMNGを動かして事前に必要なアドバンストコンテンツADVCTをファイルキャッシュFLCCH内に保存することもできる。その結果、ファイルキャッシュFLCCH内に必要なファイルが全て一時保存されている場合にはファイルキャッシュマネージャーFLCMNGは、必要なファイルデーターをファイルキャッシュFLCCHから直接アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENに転送処理を行う。また逆に前記ファイルキャッシュFLCCH内に必要な全てのファイルが存在していない場合には、ファイルキャッシュマネージャーFLCMNGは元々あった場所(ネットワークサーバーNTSRVまたはパーシステントストレージPRSTR内)から必要なファイルを読取り、前記ファイルキャッシュFLCCHに転送する。その後、必要なファイルデーターを前記アドバンストアプリケーションプレゼンテーションエンジンAAPENへ転送する。セカンダリービデオプレーヤーSCDVPは、例えばセカンダリービデオセットのタイムマップファイルSTMAP(図13参照)やセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトファイルS-EVOBのセカンダリービデオセットファイルSCDVSをネットワークサーバーNTSRVやパーシステントストレージPRSTRからネットワークマネージャーNTMNGやパーシステントストレージマネージャーPRMNGを介してファイルキャッシュFLCCHへ転送させる。ネットワークサーバーNTSRVから読み取ったセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトS-EVOBデータは、一時的にストリーミングバッファー内に保存される。その後ストリーミングバッファーSTRBUFから前記保存したセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトS-EVOBをセカンダリービデオプレーヤーSCDVP内のセカンダリービデオプレイバックエンジンSVPBENが再生する。また、ストリーミングバッファーSTRBUF内に保存されたセカンダリーエンハンストビデオオブジェクトS-EVOBの一部はセカンダリービデオプレーヤーSCDVP内のデマルチプレクサDEMUX内に転送され、デマルチプレクス処理される。
本実施形態においてアドバンストコンテンツADVCTの再生時には、あらゆるユーザー入力イベントがアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNG内のプログラミングエンジンPRGENにより最初に処理される。本実施形態におけるユーザー入力ハンドリングモデルを図48に示す。
例えばキーボードやマウスあるいはリモコンなどの各種ユーザーインターフェースドライブで発生されるユーザーオペレーションUOPEの信号は図32に示すようにユーザーインターフェースエンジンUIENG内の各種デバイスコントローラーモジュール(例えばリモートコントロールコントローラーRMCCTR、キーボードコントローラーKBDCTRやマウスコントローラーMUSCTRなど)によりユーザーインターフェースイベントUIEVTとして入力される。すなわち、ユーザーオペレーションUOPEの信号は、図48に示すようにユーザーインターフェースエンジンUIENGを介し、ユーザーインターフェースイベントUIEVTとしてアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNG内のプログラミングエンジンPRGEN内に入力される。各種スクリプトSCRPTの実行を対応するECMA(エクマ)スクリプトプロセッサECMASPがアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNG内のプログラミングエンジンPRGEN内に存在する。本実施形態においてアドバンストアプリケーションマネージャーADAMNG内のプログラミングエンジンPRGEN内には図48に示すようにアドバンストアプリケーションのスクリプトADAPLSの保存場所とデフォルトイベントハンドラースクリプトDEVHSPの保存場所がある。本実施形態におけるユーザー入力イベントの一覧表を図49に示す。前記図49に示すように、例えば画面上でカーソルを移動させるなどの簡単な操作またはそれらの簡単な操作の組合せをユーザー入力イベントと呼び、早送り再生を行うなどの一連の操作の組合せ処理をインプットハンドラーと呼ぶ。また前記ユーザー入力イベントやインプットハンドラーに対応してバーチャルキーコード(インプットハンドラーコード)が設定されている。本実施形態においてプログラミングエンジンPRGEN内に図49に示したデフォルトインプットハンドラーコードやユーザー入力イベントに対応したバーチャルキーコードの情報がデフォルトイベントハンドラースクリプトDEVHSP内に予め記録されている。またネットワークサーバーNTSRVや情報記憶媒体DISC、パーシステントストレージPRSTRから取り込んだアドバンストアプリケーションADAPLのスクリプトファイルSCRPT(図13参照)内に記録された情報が図48に示すようにプログラミングエンジンPRGEN内のアドバンストアプリケーションのスクリプト記録領域ADAPLS内に記録される。 ECMA(エクマ)スクリプトプロセッサECMASPがユーザーインターフェースイベントUIEVTを受取るとそのユーザーインターフェースイベントUIEVT内に含まれるイベントハンドラーコード(デフォルトインプットハンドラーコードまたはユーザー入力イベントに対応したバーチャルキーコード)を解析し、ユーザーインターフェースイベントUIEVT内に記述されたイベントハンドラーコードがアドバンストアプリケーションのスクリプト記録領域ADAPLS内に全て登録されているイベントハンドラーコードに対応しているかどうかの検索を行う。もしユーザーインターフェースイベントUIEVT内に記述された全てのイベントハンドラーコードがアドバンストアプリケーションのスクリプト記録領域ADAPLS内に登録されたイベントハンドラーコードに該当していた場合にはECMA(エクマ)スクリプトプロセッサECMASPは直ちにその内容に応じた実行処理を開始する。もし、前記ユーザーインターフェースイベントUIEVT内に記述されたイベントハンドラーコードがアドバンストアプリケーションのスクリプト記録領域ADAPLS内に登録されていないイベントハンドラーコードが存在した場合には、ECMA(エクマ)スクリプトプロセッサECMASPは、デフォルトイベントハンドラースクリプトDEVHSP内を検索し、対応したイベントハンドラーコードが存在するか否かを調べる。デフォルトイベントハンドラースクリプトDEVHSP内に不足したイベントハンドラーコードに対する情報が全て存在していた場合には、ECMA(エクマ)スクリプトプロセッサECMASPはアドバンストアプリケーションのスクリプト記録領域ADAPLSとデフォルトイベントハンドラースクリプトDEVHSP内に登録されているイベントハンドラーコードを利用し、ユーザーインターフェースイベントUIEVTの内容に従い実行処理を行う。もし、前記デフォルトイベントハンドラースクリプトDEVHSP内にもユーザーインターフェースイベントUIEVT内に含まれるイベントハンドラーコードが登録されていない場合にはECMA(エクマ)スクリプトプロセッサECMASPは、前記ユーザーインターフェースイベントUIEVTの内容を無視し、ユーザーインターフェースイベントUIEVTの実行を無効とする。
図48の説明文内で記述したイベントハンドラーとイベントハンドラーコードの内容を図49に示す。図49の内容は図48のデフォルトイベントハンドラースクリプトDEVHSP内に事前に登録されたイベントハンドラーやバーチャルキーコードの内容を表し、図48で説明したユーザーイベントハンドラーが図49のデフォルトインプットハンドラーに対応し、図48で説明したデフォルトイベントハンドラーコードが図49のバーチャルキーコードに対応する。図49におけるインストラクションとは前記バーチャルキーコードに対応した実行内容を表し、具体的な内容は機能概要により説明する。
図49に示すようにデフォルトインプットハンドラーを持っているイベントは、15種類のバーチャルキーコードに対応している。バーチャルキーコードが“VK_PLAY”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“playHandler”、値は“0xFA”であり、標準速度再生時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_PAUSE”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“pauseHandler”、値は“0xB3”であり、一時停止/再生時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_FF”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“fastForwardHandler”、値は“0xC1”であり、早送り再生時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_FR”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“fastReverseHandler”、値は“0xC2”であり、高速巻戻し再生時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_SF”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“slowForwardHandler”、値は“0xC3”であり、ゆっくり再生の時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_SR”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“slowReverseHandler”、値は“0xC4”であり、ゆっくり巻戻しの時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_STEP_PREV”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“stepPreviousHandler”、値は“0xC5”であり、前のステップに戻る時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_STEP_NEXT”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“stepNextHandler”、値は“0xC6”であり、次のステップへ飛ぶ時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_SKIP_PREV”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“skipPreviousHandler”、値は“0xC7”であり、前のチャプターを再生する時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_SKIP_NEXT”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“skipNextHandler”、値は“0xC8”であり、次のチャプターを再生する時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_SUBTITLE_SWITCH”の場合、デフォルトイン
プットハンドラーは“switchSubtitleHandler”、値は“0xC9”であり、サブタイトルの表示有無の設定を行う。次にバーチャルキーコードが“VK_SUBTITLE”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“changeSubtitleHandler”、値は“0xCA”であり、サブタイトルトラックの変更時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_CC”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“showClosedCaptionHandler”、値は“0xCB”であり、クローズドキャプションの表示をする時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_ANGLE”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“changeAngleHandler”、値は“0xCC”であり、アングルの切替え時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_AUDIO”の場合、デフォルトインプットハンドラーは“changeAudioHandler”、値は“0xCD”でありオーディオトラックの切替えをする時に設定する。
また、デフォルトインプットハンドラーを持っていないイベントについても、バーチャルキーコードに対しての値、インストラクションを設定することができる。バーチャルキーコードが“VK_MENU”の場合、値は“0xCE”であり、メニュー表示時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_TOP_MENU”の場合、値は“0xCF”であり、トップメニューの表示をする時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_BACK”の場合、値は“0xD0”であり、前の画面に戻る又は再生開始位置に戻る時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_RESUME”の場合、値は“0xD1”であり、メニューからの戻り時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_LEFT”の場合、値は“0x25”であり、カーソルを左にずらす時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_UP”の場合、値は“0x26”であり、カーソルを上に上げる時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_RIGHT”の場合、値は“0x27”であり、カーソルを右にずらす時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_DOWN”の場合、値は“0x28”であり、カーソルを下に下げる時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_UPLEFT”の場合、値は“0x29”であり、カーソルを左上に上げる時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_UPRIGHT”の場合、値は“0x30”であり、カーソルを右上に上げる時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_DOWNLEFT”の場合、値は“0x31”であり、カーソルを左下に下げる時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_DOWNRIGHT”の場合、値は“0x32”であり、カーソルを右下に下げる時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_TAB”の場合、値は“0x09”であり、タブ使用時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_A_BUTTON”の場合、値は“0x70”であり、Aボタン押下時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_B_BUTTON”の場合、値は“0x71”であり、Bボタン押下時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_C_BUTTON”の場合、値は“0x72”であり、Cボタン押下時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_D_BUTTON”の場合、値は“0x73”であり、Dボタン押下時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_ENTER”の場合、値は“0x0D”であり、OKボタン押下時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_ESC”の場合、値は“0x1B”であり、キャンセル時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_0”の場合、値は“0x30”であり“0”と設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_1”の場合、値は“0x31”であり、“1”と設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_2”の場合、値は“0x32”であり、“2”と設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_3”の場合、値は“0x33”であり、“3”と設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_4”の場合、値は“0x34”であり、“4”と設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_5”の場合、値は“0x35”であり、“5”と設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_6”の場合、値は“0x36”であり、“6”と設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_7”の場合、値は“0x37”であり、“7”と設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_8”の場合、値は“0x38”であり、“8”と設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_9”の場合、値は“0x39”であり、“9”と設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_MOUSEDOWN”の場合、値は“0x01”であり、指定エレメントを入力不可能とする(非最前面に移す)時に設定する。次にバーチャルキーコードが“VK_MOUSEUP”の場合、値は“0x02”であり、指定エレメントを入力可能とする(最前面に移す)時に設定する。
現行DVD-Videoまたは本実施形態におけるスタンダードコンテンツSTDCTにおいて、システム的に利用するパラメーターを設定するものとしてSPRM(システムパラメーター)が定義されている。しかし、本実施形態においてアドバンストコンテンツナビゲーションでは前記SPRM(システムパラメーター)は使用されず、前記SPRM(システムパラメーター)に変わるものとして図50〜図53に至るシステムパラメーターが設定される。アドバンストコンテンツADVCT再生時においてはAPIコマンド処理により前記SPRM(システムパラメーター)の値を知ることができる。本実施形態におけるシステムパラメーターは、下記の4種類のパラメーターを設定することができる。前記システムパラメーターは情報記録再生装置1内のアドバンストコンテンツ再生部ADVPL毎にそれぞれ設定される。図50に示すプレイヤーパラメーターは、各情報記録再生装置1毎に共通して設定することができる。図51に示すプロファイルパラメーターは、ユーザープロファイルのデータを示している。図52に示すプレゼンテーションパラメーターは、画面上の表示状態を示している。また、図53に示すレイアウトパラメーターは、映像表示時のレイアウト(図43参照)に関するパラメーターを意味している。
本実施形態において前記システムパラメーターは、図16におけるデータキャッシュDTCCH内にテンポラリーに設定するが、それに限らず図32に示すナビゲーションマネージャーNVMNG内のパーサーPARSER内に設定されているテンポラリーメモリー(図示していないが)内に設定することもできる。以下に各図面毎の説明を行う。
図50は、本実施形態におけるプレイヤーパラメーターの一覧である。
本実施形態においてプレイヤーパラメーターは、プレイヤーパラメーターオブジェクトと、データーキャッシュオブジェクトの2個のオブジェクトからなる。前記プレイヤーパラメーターとは、図15に示す情報記録再生装置1内のアドバンストコンテンツ再生部ADVPLが映像再生処理を行う上で必要とされる一般的なパラメーター情報を意味する。前記プレイヤーパラメーターの中でネットワークダウンロードやパーシステントストレージPRSTRからデータキャッシュDTCCHへのデータ転送に関わらない一般的なパラメーター情報がプレイヤーパラメーターに属する。本実施形態における前記アドバンストコンテンツ再生部ADVPL内での処理は、前記データキャッシュDTCCHへのデータ転送処理を前提としている。前記アドバンストコンテンツ再生部ADVPLが必要とされるパラメーター情報として、前記データキャッシュへのデータ転送処理に必要なパラメーターがデータキャッシュに対応したプレイヤーパラメーターとして定義される。
プレイヤーパラメーターオブジェクト内には、13個のプレイヤーパラメーターが設定されている。プレイヤーパラメーターの内容として“majorVersion”については、対応規格書のバージョン番号の正数値を意味する。“minorVersion”については、対応規格書のバージョン番号の小数点以下の数字を意味する。“videoCapabilitySub”については、サブビデオの表示可能を意味する。“audioCapabilityMain”については、メインオーディオの表示可能を意味する。“audioCapabilitySub”については、サブオーディオの表示可能を意味する。“audioCapabilityAnalog”については、アナログオーディオの表示可能を意味する。“audioCapabilityPCM”については、PCMオーディオの表示可能を意味する。“audioCapabilitySPDIF”については、S/PDIFオーディオの表示可能を意味する。“regionCode”については、リージョンコードを意味する。前記リージョンコードとは地球上を6つの地域に分け、各地域毎にリージョンコード番号を設定したものを意味する。映像再生時には前記リージョンコード番号に合致した地域でのみ再生表示を許可することができる。“countryCode”については、国コードを意味する。“displayAspectRatio”については、アスペクト比を意味する。前記アスペクト比とは、ユーザーに表示する映像画面の縦横比のことである。“currentDisplayMode”については、表示モードを意味する。“networkThroughput”については、ネットワークスループットを意味する。前記ネットワークスループットとは、ネットワークを経由しネットワークサーバーNTSRVから転送されるデータの転送レートのことである。
また、データーキャッシュオブジェクト内には“dataCacheSize”が設定され、その内容としてデーターキャッシュサイズを意味する。
図51は、本実施形態におけるプロファイルパラメーターの一覧である。
本実施形態においてプロファイルパラメーターは、プロファイルパラメーターオブジェクトからなる。前記プロファイルパラメーターとは、図15に示す情報記録再生装置1内のアドバンストコンテンツ再生部ADVPLにより処理される画面の表示形式に関するパラメーターを意味する。プロファイルパラメーターオブジェクト内には4個のプロファイルパラメーターが設定されている。プロファイルパラメーターの内容として“parentalLevel”とは、例えばアダルトビデオや暴力/残虐シーンが盛込まれた映像など子供に見せられない映像に対し、子供に見せられるレベルを規定したパラメーターを意味している。上記パラメーターを利用することにより例えばパレンタルレベルが高い映像を子供に見せる場合には、子供が見れる部分だけ編集した映像を表示することが可能となる。“menuLanguage”については、メニュー言語を意味する。“initialAudioLanguage”については、初期時のオーディオ言語を意味する。“initialSubtitleLanguage”については、初期時のサブタイトル言語を意味する。
図52は、本実施形態におけるプレゼンテーションパラメーターの一覧である。
実施形態においてプレゼンテーションパラメーターは、図15に示す情報記録再生装置1内のアドバンストコンテンツ再生部ADVPLで処理される表示画面や表示音声に関するパラメーターを意味し、プレイリストマネージャーPLMNGオブジェクトと、オーディオミキシングエンジンADMXENオブジェクトとデータキャッシュDTCCHオブジェクトの3個のオブジェクトからなる。前記プレイリストマネージャーPLMNGオブジェクトとは、図32に示すナビゲーションマネージャーNVMNG内のプレイリストマネージャーPLMNG内での処理に必要なパラメーターである。また、オーディオミキシングエンジンADMXENオブジェクトは図42に示すAVレンダラーAVRND内のオーディオミキシングエンジンADMXEN内での処理に必要なパラメーターであり、データキャッシュDTCCHオブジェクトは図31に示すデータキャッシュDTCCH内のストリーミングバッファーSTRBUF内での処理に必要なパラメーター(データーキャッシュ)に分類することができる。
プレイリストマネージャーPLMNGオブジェクト内には11個のプレイリストマネージャーPLMNGが設定されている。プレイリストマネージャーPLMNGの内容として、“playlist”についての説明を以下に行う。プレイリストファイルPLLSTには、ファイル名に番号が付加できるようになっており、プレイリストファイルPLLSTを編集または更新した場合には、過去の付加番号のうち最も値の高い番号より“1”値の高い番号を付加して保存することで最新のプレイリストファイルPLLSTができる構造になっている。アドバンストコンテンツ再生部ADVPLが再生すべきプレイリストファイルPLLSTの付加番号を前記パラメーターに設定することでユーザーが望む最適なプレイリストPLLSTに基づき映像再生することが可能となる。本実施形態はそれに限らず他の実施形態としてタイトルID(titleId)とタイトルタイムライン上の経過時間(titleElapsedTime)と組み合せることにより、ユーザーが最後に再生中断した場所(最後に再生を終了させた場所)の記録に利用することもできる。“titleId”については、再生中断した時の(最後に再生した)タイトルの識別情報(タイトルID)を記録することにより、ユーザーが再び再生開始した時に前回再生中断したタイトルから再生を開始できるようにする。“titleElapsedTime”については、タイトルタイム上の経過時間を意味する。 “currentVideoTrack”については、メインビデオのトラック番号を意味する。“currentAudioTrack”については、メインオーディオのトラック番号を意味する。“currentSubtitleTrack”についてはサブタイトルのトラック番号を意味する。“selectedAudioLanguage”とはユーザーが選択し、再生時に音声出力される言語(日本語JA、英語ENなど)を意味する。“selectedAudioLanguageExtension”については、選択されたオーディオ言語の拡張領域を意味する。“selectedSubtitleLanguage” とはユーザーが選択し、再生時に出力されるサブタイトルの言語(日本語JP、英語ENなど)を意味する。“selectedSubtitleLanguageExtension”については、選択されたサブタイトル言語の拡張領域を意味する。“selectedApplicationGroup”とはユーザーが選択し、再生時に出力されるアプリケーショングループの言語(日本語JP、英語ENなど)を意味する。例えば図20に示したヘルプアイコン33に表示される文字が“ヘルプ”と表示するか“Help”と表示するかの表示言語識別を表している。
また、オーディオミキシングエンジンADMXENオブジェクト内には10個のオーディオミキシングエンジンADMXENが設定されている。オーディオミキシングエンジンADMXENの内容として、“volumeL”については、左側チャンネルの音量を意味する。“volumeR”については、右側チャンネルの音量を意味する。“volumeC”については、中央チャンネルの音量を意味する。“volumeLS”については、左側サラウンドチャンネルの音量を意味する。“volumeRS”については、右側サラウンドチャンネルの音量を意味する。“volumeLB”については、左後ろ側のチャンネルの音量を意味する。“volumeRB”については、右後ろ側のチャンネルの音量を意味する。“volumeLFE”については、サブウーハーチャンネルの音量を意味する。“mixSubXtoX”については、サブオーディオのダウンミックス係数(パーセンテージ)を意味する。例えば図20に示すようにメインビデオMANVDにより表示された本編31とサブビデオSUBVDにより表示されたコマーシャル用の別画面32を同時に表示する場合、本編31に対応したメインオーディオMANADとコマーシャル用の別画面32に対応したサブオーディオSUBADを同時に音声出力する必要が発生する。その時のメインオーディオMANAD音量に対するサブオーディオSUBVDの出力音量比をサブオーディオのダウンミックス係数と言う。“mixEffectXtoX”については、サブイフェクトオーディオのダウンミックス係数(パーセンテージ)を意味する。例えば図20に示すようにメインビデオMANVD表示中にユーザーがアドバンストアプリケーションADAPLで構成される各種アイコン33〜38を押すことがある。ユーザーが前記アドバンストアプリケーションADAPL内の各エレメント(アイコン)の実行を指示したことを表す効果音がサブイフェクトオーディオの一例を意味する。この場合、本編31に対応したメインオーディオMANADと同時に前記サブイフェクトオーディオを音声出力する必要が起きる。この時のメインオーディオMANAD音量に対するサブイフェクトオーディオの出力音量比をサブイフェクトオーディオのダウンミックス係数と言う。
また、データキャッシュDTCCHオブジェクト内には“streamingBufferSize”が設定され、その内容としてストリーミングバッファーサイズを意味する。ネットワークサーバーNTSRVから転送されたセカンダリービデオセットSCDVSのデータは一時的にストリーミングバッファーSTRBUF内に格納される。これを可能にするには予めデータキャッシュDTCCH内のストリーミングバッファーSTRBUFのサイズを割当てておく必要があるが、この時必要なストリーミングバッファーSTRBUFサイズはプレイリストファイルPLLST内の構造情報CONFGI内に規定されている。
図53は、本実施形態におけるレイアウトパラメーターの一覧である。本実施形態においてレイアウトパラメーターは、プレゼンテーションエンジンPRSENオブジェクトからなる。前記レイアウトパラメーターとは、図15に示す情報記録再生装置1内のアドバンストコンテンツ再生部ADVPLにより処理され、ユーザーに表示される画面上のレイアウトに関係するパラメーターを意味する。
プレゼンテーションエンジンPRSENオブジェクト内には16個のプレゼンテーションエンジンPRSENが設定されている。プレゼンテーションエンジンPRSENの内容として、“mainVideo.x”については、メインビデオの原点位置のX座標値を意味する。“mainVideo.y”については、メインビデオの原点位置のY座標値を意味する。“mainVideoScaleNumerator”については、メインビデオのスケーリング値の分子の値を意味する。“mainVideoScaleDenominator”については、メインビデオのスケーリング値の分母の値を意味する。“mainVideoCrop.x”については、サブビデオ表示領域のX座標値を意味する。“mainVideoCrop.y”については、サブビデオ表示領域のY座標値を意味する。“mainVideoCrop.width”については、サブビデオ表示領域の幅を意味する。“mainVideoCrop.height”については、サブビデオ表示領域の高さを意味する。“subVideo.x”については、サブビデオの原点位置のX座標値を意味する。“subVideo.y”については、サブビデオの原点位置のY座標値を意味する。“subVideoScaleNumerator”については、サブビデオスケーリング値の分子を意味する。“subVideoScaleDenominator”については、サブビデオスケーリング値の分母を意味する。“subVideoCrop.x”については、サブビデオ表示領域のX座標値を意味する。“subVideoCrop.y”については、サブビデオ表示領域のY座標値を意味する。“subVideoCrop.width”については、サブビデオ表示領域の幅を意味する。“subVideoCrop.height”については、サブビデオ表示領域の高さを意味する。
本実施形態の技術を採用することにより、
1.柔軟かつ多様な表現力(PC画面ライク)
2.ネットワークアクション
3.映像関連情報の加工容易性と加工後情報の送信容易性
の要求を充分満たすことが可能となる。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
情報記憶媒体は、
ナビゲーションマネージャーを具備した情報記録再生装置もしくは情報再生装置により再生される情報記憶媒体であって、
前記ナビゲーションマネージャー内に存在するプレイリストマネージャーにより、少なくとも一部が解読されるプレイリストが記録されている領域を備える。
[2]
情報再生装置は、
アドバンスドコンテンツを再生するアドバンストコンテンツ再生部を具備する。
[3]
上記[2]に記載の情報再生装置は、
情報記録再生部と、
パーシステントストレージドライブとネットワーク制御部の少なくとも一方と、
を具備し、
前記アドバンストコンテンツ再生部は、ナビゲーションマネージャー及びAVレンダラーを含む。
[4]
情報再生方法は、
ナビゲーションマネージャー及びAVレンダラーを含むアドバンストコンテンツ再生部と、情報記録再生部と、パーシステントストレージドライブ及びネットワーク制御部の少なくとも一方とを具備する情報再生装置に適用される情報再生方法であって、
前記ナビゲーションマネージャーとAVレンダラーにより情報を再生する。
[5]
情報再生プログラムは、
情報記録再生装置もしくは情報再生装置のプレイリストマネージャーにより、少なくとも一部が解読されるプレイリストに関する情報を含む。
1…情報記録再生装置、2…情報記録再生部、3…パーシステントストレージドライブ、4…録画再生処理部、5…メインCPU、6…ハードディスク装置、7−1,7−2,7−3…無線LAN制御部、8…ネットワーク制御部、9…データマネージャー、11…ルーター、12…光ケーブル、13…ディスプレイ、14…キーボード、15…大画面テレビモニター、16−1,16−2…スピーカー、21…映像表示部、24…映像処理部

Claims (3)

  1. アドバンスドコンテンツを再生するアドバンストコンテンツ再生部を具備したことを特徴とする情報再生装置。
  2. 情報記録再生部と、
    パーシステントストレージドライブとネットワーク制御部の少なくとも一方と、
    を具備し、
    前記アドバンストコンテンツ再生部は、ナビゲーションマネージャー及びAVレンダラーを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
  3. ナビゲーションマネージャー及びAVレンダラーを含むアドバンストコンテンツ再生部と、情報記録再生部と、パーシステントストレージドライブ及びネットワーク制御部の少なくとも一方とを具備する情報再生装置に適用される情報再生方法であって、
    前記ナビゲーションマネージャーとAVレンダラーにより情報を再生することを特徴とする情報再生方法。
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