JP2009300104A - 送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法 - Google Patents

送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】送電線事故点標定装置において、事故点標定精度を改善すること。
【解決手段】回転ベクトル変化分起動電圧の振幅値と回転ベクトル起動電圧の振幅値とに基づいて保護区内における事故の有無を判別する。区内事故有りと判別された場合、計測地点から所定距離離れた送電線上の一地点である想定点の位置を逐次可変しつつ、電圧回転ベクトル、電流回転ベクトルおよび想定点までのインピーダンスを用いて算出された想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値と、電圧回転ベクトル変化分、電流回転ベクトル変化分および想定点までのインピーダンスを用いて算出された想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値とを比較し、逐次可変された全ての想定点において想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値が想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値よりも大きいとき、当該想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値の最小地点を事故点として決定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、送電線の地絡事故/短絡事故による事故点の標定を可能とする送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法に関するものである。
送電線事故点標定装置として、例えば下記特許文献1に示されたものがある。この特許文献1に示された送電線事故点標定装置では、流送電線の実測データに基づいて電流分流比またはインピーダンスを瞬時値毎に求めるとともに、事故発生後所定期間の電流分流比等を平均化する電流分流比/インピーダンス演算部および、求められた平均化電流分流比等に基づいて地絡事故/短絡事故の事故点を標定する事故標定部を備える構成が開示されている。
特開2004−215478号公報
送電線に事故があった場合、送電線事故点標定装置を用いて送電線の事故点を標定するとともに、事故発生後速やかにメンテナンス要員が現場に駆けつけ、最終的な事故点の特定処理を行う必要がある。このため、メンテナンス要員が効率よく作業を行う上で、送電線事故点標定装置には、より高い標定精度が求められることになる。
一方、上記特許文献1に示される送電線事故点標定装置では、電流分流比法またはインピーダンス法でありながら地絡事故の事故点を高精度で標定できるようにするということが記載されている。
しかしながら、上記特許文献1の送電線事故点標定装置は、事故電圧・事故電流そのものを用いて計算する手法であるため、事故点抵抗などの影響を受けやすく、標定計算結果の精度は依然として改善されないという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、事故点標定精度を改善した送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる送電線事故点標定装置は、事故点標定対象の送電線を含む電力系統にて計測された計測電圧および計測電流をサンプリングすることで得られる電圧瞬時値データおよび電流瞬時値データを生成する電圧・電流計測・A/D変換部と、前記電圧瞬時値データを用いて算出される電圧回転ベクトル、前記電流瞬時値データを用いて算出される電流回転ベクトル、および前記送電線における計測範囲末端までのインピーダンスを用いて前記計測範囲末端での起動電圧を算出する回転ベクトル起動電圧算出部と、前記電圧回転ベクトルの変化分を算出する電圧回転ベクトル変化分算出部と、前記電流回転ベクトルの変化分を算出する電流回転ベクトル変化分算出部と、前記電圧回転ベクトル変化分、前記電流回転ベクトル変化分、および前記計測範囲末端までのインピーダンスを用いて前記計測範囲末端での変化分起動電圧を算出する回転ベクトル変化分起動電圧算出部と、前記回転ベクトル変化分起動電圧の振幅値と、前記回転ベクトル起動電圧の振幅値とに基づき、保護区内における事故の有無を判別する区内事故判別部と、前記区内事故判別部が区内事故有りと判別した場合に、前記計測電圧の計測地点から所定距離離れた前記送電線上の一地点である想定点の位置を逐次可変しつつ、前記電圧回転ベクトル、前記電流回転ベクトル、および前記想定点までのインピーダンスを用いて前記想定点に事故が生じた仮定したときの回転ベクトル電圧として算出された想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値と、前記電圧回転ベクトル変化分、前記電流回転ベクトル変化分、および前記想定点までのインピーダンスを用いて前記想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧として算出された想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値とを比較し、前記逐次可変された全ての想定点において、前記想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値が、前記想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値よりも大きいときに、当該想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値が最も小さい地点を事故点として決定する想定事故点収束演算部と、を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる送電線事故点標定装置によれば、回転ベクトル変化分起動電圧の振幅値と回転ベクトル起動電圧の振幅値とに基づいて保護区内における事故の有無を判別し、区内事故有りと判別された場合に、計測地点から所定距離離れた送電線上の一地点である想定点の位置を逐次可変しつつ、電圧回転ベクトル、電流回転ベクトルおよび想定点までのインピーダンスを用いて算出された想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値と、電圧回転ベクトル変化分、電流回転ベクトル変化分および想定点までのインピーダンスを用いて算出された想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値とを比較し、逐次可変された全ての想定点において、想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値が想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値よりも大きいとき、当該想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値の最小地点を事故点として決定するようにしているので、事故点抵抗の影響を受けることのない標定を行うことができ、事故点標定精度の更なる改善が可能になるという効果を奏する。
(はじめに)
本願発明者は、スパイラルベクトル理論における回転ベクトル変化分等価回路に関する知見に基づき、以下に開示する送電線事故点標定装置を導き出すに至った。以下、添付図面を参照し、本発明に好適な送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法にかかる実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(用語の定義)
本発明にかかる送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法のベースとなるスパイラルベクトル理論については、世の中には充分に浸透していない状況である。そこで、先ず、本明細書で用いる用語について定義しておく。
・送電線事故点標定装置:送電線(架空送電線・ケーブルなど)における事故点を標定する装置である。
・回転ベクトル:回転ベクトルは、複素数平面上において反時計周りに回転する動的フェーザであり、実測値は回転ベクトルの実数部である。なお、最近の交流理論では、交流波を余弦関数で模擬することが一般的に行われる(従来の交流理論では、交流波を正弦関数で模擬していた)。
・電圧回転ベクトル:電圧状態変数であり、その実数部は実測された電圧瞬時値である。
・電流回転ベクトル:電流状態変数であり、その実数部は実測された電流瞬時値である。
・回転ベクトル変化分:1サイクル時間前後2つの回転ベクトルの差分成分である。回転ベクトル変化分は、回転ベクトルと同様、実数部と虚数部を持ち、複素数の状態変数である。
・電圧回転ベクトル変化分:電圧状態変数であり、現時点における電圧回転ベクトルと、1サイクル前時点における電圧回転ベクトルとの差分成分である。
・電流回転ベクトル変化分:電流状態変数であり、現時点における電流回転ベクトルと、1サイクル前時点における電流回転ベクトルとの差分成分である。
・回転ベクトル変化分等価回路:電圧回転ベクトル変化分、電流回転ベクトルおよび仮想電源により構成された回路である。
・回転ベクトル起動電圧:自端の回転ベクトル電圧と回転ベクトル電流と計測範囲末端(送電線末端)までのインピーダンスを用いて計算された起動電圧である。
・回転ベクトル起動電圧振幅:回転ベクトル起動電圧の絶対値である。
・回転ベクトル変化分起動電圧:計測範囲末端までのインピーダンス、実測の回転ベクトル変化分、および回転ベクトル変化分等価回路を利用して計算された変化分起動電圧である。
・回転ベクトル変化分起動電圧振幅:回転ベクトル変化分起動電圧の絶対値である。
・想定事故点回転ベクトル電圧:電圧回転ベクトルと電流回転ベクトルと想定点までのインピーダンスを用いて計算した回転ベクトル電圧である。
・想定事故点回転ベクトル電圧振幅:想定事故点における回転ベクトル電圧の絶対値である。
・想定事故点回転ベクトル変化分電圧:電圧回転ベクトル変化分と電流回転ベクトル変化分と想定点までのインピーダンスを用いて計算した回転ベクトル電圧である。
・想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅:想定事故点における回転ベクトル変化分電圧の絶対値である。
・距離係数k:0−100%の係数である。k=0%は自端,k=100%は計測範囲末端である。
・想定事故点収束演算:距離係数kを変化させて、様々なインピーダンスを想定し、想定事故点回転ベクトル電圧振幅を計算し、その中に想定事故点回転ベクトル電圧振幅の絶対値が最も小さくなる地点に対応する距離係数kを事故点までの距離係数とする。
・電気学会EAST10モデル系統:日本国において定められたモデル系統であり、電力系統を模擬するための代表的なモデル系統である。
・短絡事故:AB相間事故、BC相間事故、AC相間事故、ABC相間事故等などの相間事故である。なお、回路には零相成分が存在しない。
・地絡事故:A相接地、B相接地、C相接地、AB相接地、BC相接地、AC相接地、ABC相接地等による接地事故である。短絡事故とは異なり、回路に零相成分が存在する。
(装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる送電線事故点標定装置の構成を示す図である。図1において、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置1は、電圧・電流計測・A/D変換部2、回転ベクトル起動電圧算出部3、電圧回転ベクトル変化分算出部4、電流回転ベクトル変化分算出部5、回転ベクトル変化分起動電圧算出部6、区内事故判別部7、想定事故点収束演算部8、インターフェース9、記憶部10、および遠方送信部11を備えている。
(各構成部の機能)
つぎに、図1に示した各構成部の機能について説明する。なお、ここでは概略機能の説明に留め、各部の詳細な機能については、後述のフローチャートのところで説明する。
電圧・電流計測・A/D変換部2は、装置配置端に設置された計器用変圧器であるPT12および送電線に設置された変流器であるCT13を用いて、装置配置端における系統電圧および送電線に流れる電流を計測するとともに、計測された電圧(計測電圧)および電流(計測電流)に対し、基準波1周期を4N(Nは正の整数)等分した各々のサンプルタイミングでサンプリングすることで得られる時系列のデジタルデータ(電圧瞬時値データおよび電流瞬時値データ)を生成する。
回転ベクトル起動電圧算出部3は、電圧・電流計測・A/D変換部2が生成した電圧瞬時値データおよび電流瞬時値データを用いて、それぞれ演算される電圧回転ベクトル、電流回転ベクトル、ならびに、計測範囲末端15までのインピーダンスを用いて計測範囲末端15における回転ベクトル起動電圧を算出する。
電圧回転ベクトル変化分算出部4は、電圧瞬時値データを用いて各相における電圧回転ベクトルの変化分を演算し、電流回転ベクトル変化分算出部5は、電流瞬時値データを用いて各相における電流回転ベクトルの変化分を演算する。
回転ベクトル変化分起動電圧算出部6は、電圧回転ベクトル変化分算出部4および電流回転ベクトル変化分算出部5が生成した電圧回転ベクトル変化分および電流回転ベクトル変化分、ならびに、計測範囲末端15までのインピーダンスを用いて、計測範囲末端15における回転ベクトル起動電圧の変化成分である回転ベクトル変化分起動電圧を算出する。
区内事故判別部7は、回転ベクトル変化分起動電圧の振幅値と、回転ベクトル起動電圧の振幅値とに基づき、電力系統に生じた事故が区内事故(保護区内事故)であるか、区外事故(保護区外事故)であるかを判別する。想定事故点収束演算部8は、想定された事故点の標定精度を高めるための収束演算を行う。インターフェース9は、上述の演算結果を外部装置等に出力する出力機能を提供する。記憶部10は、上述の各種演算結果を保持するための記憶機能を提供する。遠方送信部11は、例えば送電線事故点標定装置から離れた地点にいる監視員等に所要の情報を伝送するための伝送機能を提供する。
つぎに、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置の動作について、図1〜図5の各図面を参照して説明する。ここで、図2は、送電線事故点標定装置の動作を示すフローチャートである。また、図3は、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置の標定対象である電力系統をモデル化した図であり、より詳細には、図3(a)は標定対象のモデル系統図であり、図3(b),(c)は電気回路の重ね合わせの定理によって図3(a)を2つの等価回路に分けた図であり、(b)は電源・負荷を含む定常回路図、(c)は回転ベクトル変化分等価回路(「故障成分回路」とも呼ばれている)図である。さらに、図4は、図3(c)の回路をより具体化した等価回路図であり、特に、短絡事故の場合の等価回路を示すものである。また、図5は、想定事故点の収束演算の概念を示した等価回路図である。
図4において、各記号の意味はつぎのとおりである。
M:自端母線
N:送電線末端母線
1:送電線インピーダンス
M:背後インピーダンス
F:事故点
Δv:自端において測定された回転ベクトル変化分電圧
Δi:自端において測定された回転ベクトル変化分電流
F:回転ベクトル変化分等価回路電源電圧(仮想電源電圧)
なお、上記において、計測範囲の末端として送電線末端母線Nを設定しているが、確実な起動を行うため、送電線のインピーダンスを5%上乗せ設定するような手法を用いてもよい。
また、定常状態においては、回転ベクトル変化分等価回路は存在しないが、系統状態が事故などによって変化した場合、仮想電源電圧が生じて、電圧回転ベクトル変化分と電流回転ベクトル変化分とが現れる。ただし、事故が発生してから1サイクルを経ると、各回転ベクトル変化分は消失する。なお、回転ベクトル変化分等価回路における仮想電源は、事故想定点に挿入される仮想電源として設定されるが、この仮想電源の振幅は、仮想電源が挿入される当該事故想定点における事故前の電圧振幅値が設定される。
また、図5において、各記号の意味はつぎのとおりである。
M:自端母線
N:送電線末端母線
V:自端において測定された回転ベクトル電圧
Δv:自端において測定された回転ベクトル変化分電圧
i:自端において測定された回転ベクトル電流
Δi:自端において測定された回転ベクトル変化分電流
F:事故点
つぎに、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置の動作について、図1〜図5の各図面を参照して説明する。ここで、図2は、送電線事故点標定装置の動作を示すフローチャートである。
(ステップS101,S102)
ステップS101,S102では、本フローにおける処理に必要な変数M,Pに関する初期値が設定される。なお、これらの変数の持つ意味については後述する。
(ステップS103)
ステップS103では、電圧・電流計測・A/D変換部2によって、時系列のデジタルデータ(電圧瞬時値データおよび電流瞬時値データ)が生成される。これらの瞬時値データのうち、電圧瞬時値データは、フーリエ変換式を用いて次式のように表すことができる。
Figure 2009300104
即ち、電圧時系列瞬時値は、電圧基本波成分と複数の電圧高調波成分より構成される。ここで、上記(1)式における各記号の意味は、次のとおりである。
V:基本波電圧振幅
ω:基本波角速度
θ:基本波電圧初期位相
k:k次高調波電圧振幅
ωk:k次高調波電圧角速度
φk:k次高調波電圧初期位相
M:正の整数
なお、これ以降においては、説明を簡潔なものとするため、上記電圧高調波成分を省略して表記する。このとき、上記電圧瞬時値を電圧回転ベクトルで表すと、次式のようになる。
Figure 2009300104
ここで、電圧・電流計測・A/D変換部2が生成した電圧瞬時値データは、上記(2)式の実数部に代入される。なお、虚数部については演算によって求めるが、この点については後述する。
また、電流瞬時値データおよび電流瞬時値データに基づく電流回転ベクトルについては、電圧のときと同様、フーリエ変換式を用いて、次式のように表すことができる。
Figure 2009300104
ここで、上記(3)式における各記号の意味は、次のとおりである。
I:基本波電流振幅
ω:基本波角速度
θ:基本波電流初期位相
k:k次高調波電流振幅
θk:k次高調波電流角速度
θk:k次高調波電流初期位相
M:正の整数
Figure 2009300104
なお、電圧・電流計測・A/D変換部2が生成した電流瞬時値データは、上記(4)式の実数部に代入される。また、虚数部については演算によって求めるが、この点については後述する。
(ステップS104)
ステップS104では、回転ベクトル起動電圧算出部3によって、計測範囲末端15までの回転ベクトル起動電圧が算出される。この回転ベクトル起動電圧は、図4に示した電力系統モデルの等価回路に基づき、次式によって表すことができる。
Figure 2009300104
ここで、上記(5)式における記号の意味は、つぎのとおりである。
F:回転ベクトル起動電圧
v:電圧回転ベクトル
i:電流回転ベクトル
I:計測範囲末端までのインピーダンス
なお、下付文字(サフィックス)の「re」、「im」は、実数部、虚数部を表している。
また、上記(5)式の実数部と虚数部とをそれぞれ分離すると、次式が得られる。
Figure 2009300104
さらに、次式を用いて回転ベクトル起動電圧の振幅値(回転ベクトル起動電圧振幅)を算出する。
Figure 2009300104
なお、回転ベクトル起動電圧振幅は、次式で計算することもできる。この式の利点は、積分計算により、回路中の高調波成分の影響を低減することができる点にある。
Figure 2009300104
上記(8)式において、Nは、基準波の1周期を4N(Nは正の整数)等分したサンプリング手法を使用した場合におけるNである。例えば、N=3に設定すれば、サンプリング間隔は、360/(4×3)=30度となる。
(ステップS105)
ステップS105では、電圧回転ベクトル変化分算出部4によって、電圧回転ベクトルの変化分が算出される。この電圧回転ベクトル変化分は、時刻tの電圧回転ベクトルと、時刻tよりも1サイクル前の電圧回転ベクトルとの差分値として、次式を用いて計算される。なお、基準波の1サイクル時間T0は、例えば、基準周波数が60Hzの系統では、T0=1/60=0.0166667秒であり、基準周波数が50Hzの系統では、T0=1/50=0.02秒である。
Figure 2009300104
上記(9)式において、実数部には、計測された電圧瞬時値が代入される。一方、虚数部には、例えば次式を用いて計算された値が代入される。
Figure 2009300104
(ステップS106)
ステップS106では、電流回転ベクトル変化分算出部5によって、電流回転ベクトルの変化分が算出される。この電流回転ベクトル変化分は、上記(9)式に示した電圧回転ベクトル変化分と同様、次式を用いて算出することができる。
Figure 2009300104
また、上記(11)式において、実数部には計測された電圧瞬時値が代入され、虚数部には、例えば次式を用いて計算された値が代入される。
Figure 2009300104
(ステップS107)
ステップS107では、事故が発生している否かの判定処理が行われる。この判定処理は、例えば、現在の電流値と1サイクル前の電流値との差分値を所定の整定値と比較することによって行うことができる。ここで、事故が発生していないと判定した場合(ステップS107,No)、ステップS103の処理に戻り、事故が発生していると判定した場合(ステップS107,Yes)、ステップS108に移行する。
(ステップS108)
ステップS108では、回転ベクトル変化分起動電圧算出部6により、ステップS105にて算出された電圧回転ベクトル変化分およびステップS106にて算出された電流回転ベクトル変化分を用いて、計測範囲末端15までの回転ベクトル起動電圧の変化成分である回転ベクトル変化分起動電圧が算出される。この回転ベクトル変化分起動電圧は、次式で表される。
Figure 2009300104
また、上記(13)式の実数部と虚数部とをそれぞれ分離すると、次式が得られる。
Figure 2009300104
さらに、次式を用いて回転ベクトル変化分起動電圧の振幅値(回転ベクトル変化分起動電圧振幅)を算出する。
Figure 2009300104
なお、回転ベクトル変化分起動電圧振幅は、次式で計算することもできる。この式の利点は、積分計算により、回路中の高調波成分の影響を低減することができる点にある。
Figure 2009300104
(ステップS109)
ステップS109では、ステップS107で判定した事故が、区内事故であるか否かの判定処理が行われる。この判定処理は、次式を用いて判定することができる。ここで、区内事故ではない判定した場合(ステップS109,No)、ステップS103の処理に戻り、区内事故であると判定した場合(ステップS109,Yes)、ステップS110に移行する。
Figure 2009300104
なお、上記の処理では、ステップS107にて事故の有無を判定し、ステップS109にて区内事故の有無を判定するようにしているが、ステップS107の処理を省略し、ステップS109の処理のみで事故(区内事故)の有無を判定してもよい。この場合、事故がない場合でも、ステップS108の処理が実行されるが、1ステップの処理であるため、計算時間に与える影響は小さい。
(ステップS110〜S114)
ステップS110〜S114では、事故点を推定するための演算処理が行われる。なお、各処理の詳細は以下のとおりである。
まず、距離係数kを、次式のように定義する。
Figure 2009300104
例えば、kmax=100とすれば、一単位の抵抗成分およびインダクタンス成分は次式で示される。
Figure 2009300104
したがって、短絡事故想定点の抵抗およびインダクタンスは、次式で与えられる。
Figure 2009300104
なお、距離係数kの可変処理は、ステップS110,S113,S114で行われる。
ステップS111では、想定事故点回転ベクトルの電圧振幅値(想定事故点回転ベクトル電圧)が算出される。まず、想定事故点回転ベクトル電圧の実数部および虚数部は、ステップS103にて算出された電圧回転ベクトルおよび電流回転ベクトル、ならびに上記で示した事故想定点の抵抗およびインダクタンスを用いて、次式で表すことができる。
Figure 2009300104
したがって、想定事故点回転ベクトル電圧は、次式のようにを算出することができる。
Figure 2009300104
なお、想定事故点回転ベクトル電圧は、次式で計算することもできる。この式の利点は、積分計算により、回路中の高調波成分の影響を低減することができる点にある。
Figure 2009300104
ステップS112では、想定事故点回転ベクトル変化分の電圧振幅値(想定事故点回転ベクトル変化分電圧)が算出される。まず、想定事故点回転ベクトル変化分電圧の実数部および虚数部は、ステップS105にて算出された電圧回転ベクトル変化分およびステップS106にて算出された電流回転ベクトル変化分、ならびに上記で示した事故想定点の抵抗およびインダクタンスを用いて、次式で表すことができる。
Figure 2009300104
したがって、想定事故点回転ベクトル変化分電圧は、次式のようにを算出することができる。
Figure 2009300104
なお、想定事故点回転ベクトル変化分電圧は、次式で計算することもできる。この式の利点は、積分計算により、回路中の高調波成分の影響を低減することができる点にある。
Figure 2009300104
なお、ステップS113では終了条件が判定され、ステップS114では、距離係数kの増分処理が行われる。全ての距離係数に対する計算が終了すると、ステップS115に移行する。
(ステップS115〜S118)
ステップS115〜S118では、照合回数Mおよびサンプリング点指定変数Pに基づく、想定事故点の確定処理が行われる。この処理は、想定事故点の確度(推定精度)を高め、誤起動の防止を図るための処理である。なお、各処理の詳細は以下のとおりである。
ステップS115では、次式に基づき、全ての距離係数kにおける判定処理を実行する。
Figure 2009300104
ここで、全ての距離係数kにおいて、上記(27)式を満足する場合(ステップS115,Yes)、照合回数Mの値を増分し(ステップS116)、照合回数Mが所定の整定値Msetになるまで(ステップS118)、上記処理を反復実施する。なお、整定値Msetとして、3などの数値が選ばれる。
なお、照合回数Mが変更され、再度の判定処理が行われる場合(ステップS118,No)、サンプリング点指定変数Pが増分され(ステップS102)、ステップS103〜S117の処理が繰り返される。
例えば、M=1のときの処理が、サンプリング位相30度のデータを用いたとした場合、M=2では、サンプリング位相60度(N=3の場合)のデータが用いられ、M=3では、サンプリング位相90度(N=3の場合)のデータが用いられる。整定値Mset=3の場合、これらの全てのサンプリング位相において、ステップS115の条件を満足するときに、ステップS119の処理に移行することになる。
一方、一つの距離係数kにおいて、上記(27)式を満足しない場合(ステップS115,No)、照合回数Mをリセットし(ステップS116)、ステップS103〜S117の処理を再度一から実行する。
(ステップS119)
ステップS119では、距離係数kの最適化処理が行われる。この処理では、想定事故点回転ベクトル電圧振幅の最も小さいポイントを最適化処理の中心点とし、一定幅の範囲で距離係数kの可変処理を行う。幾つかの計算手法が考えられるが、例えば、距離係数kの増分値および推定範囲を可変し、当該範囲の最小値から最大値までの間の電圧振幅の最も小さいポイントを事故点とする処理を繰り返し行えばよい。
なお、本フローでは、ステップS111,S113,S114に示しているように、kminからkmaxまで変化する距離係数kの値を、増分値(kmin−kmax)/100で可変するようにしている。
例えばkmin=0km、kmax=100kmとすれば、増分値は1km幅であり、事故点を1kmの幅で標定することができる。また、想定事故点が自端から、例えば85kmの距離と推定された場合、例えばkmin=80km、kmax=90kmに設定(変更)すれば、増分値が0.1km(100m)幅となって、事故点を100mの幅で標定することができる。なお、この処理を、計測精度等に応じて適宜繰り返し行うようにすれば、事故点の標定精度を高めることが可能となる。
(シミュレーション結果)
つぎに、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置に対して行ったシミュレーション結果について、図6〜図10の図面を参照して説明する。
図6は、日本国において代表的な電気学会EAST10モデル系統(50Hz系統)を示す図である。( )内の番号はノード番号を表し、< >内の番号はブランチ番号を示している。いま、このモデル系統において、ノード21に送電線事故点標定装置を配置するものとし、ノード21からノード11に向かう2回送電線のノード21から30%の距離A点に、1回送電線のAB相短絡事故を発生させる。このとき、ノード21で計測された電圧・電流を用いて事故点標定のシミュレーションを行うものとする。
図7は、本シミュレーションにおける三相電圧波形を示す図である。なお、この三相電圧波形は、送電線事故点標定装置を配置した配置点におけるものである。本シミュレーションではAB相短絡事故を発生させているため、図7に示されるように、ノード21で測定された各電圧波形では、C相(一点鎖線)の電圧に比べてA相(実線)・B相(破線)の電圧が小さくなっている。
図8は、本シミュレーションにおける三相電流波形を示す図である。なお、この三相電圧波形は、送電線事故点標定装置を配置した配置点におけるものである。本シミュレーションではAB相短絡事故を発生させているため、図8に示されるように、ノード21で測定された各電流波形では、C相(一点鎖線)の電流に比べてA相(実線)・B相(破線)の電流が大きくなっている。
図9は、本シミュレーションにおける事故起動電圧波形を示す図である。図9の実線部の波形に示されるように、事故直後の3/4サイクル(15ms)の期間において、AB相回転ベクトル変化分起動電圧振幅は、事故直前の1サイクル前におけるAB相回転ベクトル起動電圧振幅よりも大きく、事故が起動されていることが分かる。
図10は、本シミュレーションにおける想定事故点収束演算波形を示す図である。図10において、実線部で示す波形は想定事故点回転ベクトル電圧振幅であり、破線部で示す波形は想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅であり、それぞれ距離係数kに対する振幅値の変化を示している。なお、各振幅値は、事故発生後の半サイクル(10ms)時点の想定事故点収束演算図である。
図10の波形から、つぎのことが明らかとなる。
(1)まず、全ての範囲において、想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅は、想定事故点回転ベクトル振幅よりも大きくなっている。このことは、系統が現在事故中であることを意味する。
(2)想定事故点回転ベクトル電圧振幅の一番小さいポイントは事故点である。図10ではk=30%を示しており、事故点を正しく標定することができている。
また、図10に示すように、想定事故点回転ベクトル電圧振幅の最小振幅点(事故点)に対応する想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅は、事故点事故前電圧振幅に対応している(図9の破線部における事故前の振幅値を参照)。この事実は偶然ではなく、回転ベクトル変化分等価回路が正しいことを実証している。なお、事故点抵抗がある場合、電圧振幅は、本ケースのように零にならないが、電圧振幅の最小ポイントが事故点であることには変わらない。つまり、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置は、事故点抵抗の影響を受けないことが分かる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置によれば、回転ベクトル変化分起動電圧の振幅値と回転ベクトル起動電圧の振幅値とに基づいて保護区内における事故の有無を判別し、区内事故有りと判別された場合に、計測地点から所定距離離れた送電線上の一地点である想定点の位置を逐次可変しつつ、電圧回転ベクトル、電流回転ベクトルおよび想定点までのインピーダンスを用いて算出された想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値と、電圧回転ベクトル変化分、電流回転ベクトル変化分および想定点までのインピーダンスを用いて算出された想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値とを比較し、逐次可変された全ての想定点において、想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値が想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値よりも大きいとき、当該想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値の最小地点を事故点として決定するようにしているので、事故点抵抗の影響を受けることのない標定を行うことができ、送電線における事故点の高精度な標定が可能となる。
なお、本実施の形態では、説明を簡潔に行うため、短絡事故の計算式を用いてきた。また、シミュレーション結果も、AB相間の短絡事故を一例として説明してきた。しかしながら、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置は、短絡事故の場合に限定されるものではない。上述した手法と同様な考え方および手順、ならびにスパイラルベクトル理論における地絡事故の計算式を用いることにより、地絡事故に適用可能な送電線事故点標定装置を構成することができる。
以上のように、本発明にかかる送電線事故点標定装置は、事故点標定精度を改善することができる発明として有用である。
本発明の実施の形態にかかる送電線事故点標定装置の構成を示す図である。 送電線事故点標定装置の動作を示すフローチャートである。 本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置の標定対象である電力系統をモデル化した図である。 図3(c)の回路をより具体化した等価回路図である。 想定事故点の収束演算の概念を示した等価回路図である。 日本国において代表的な電気学会EAST10モデル系統(50Hz系統)を示す図である。 シミュレーションにおける三相電圧波形を示す図である。 シミュレーションにおける三相電流波形を示す図である。 シミュレーションにおける事故起動電圧波形を示す図である。 シミュレーションにおける想定事故点収束演算波形を示す図である。
符号の説明
1 送電線事故点標定装置
2 電圧・電流計測・A/D変換部
3 回転ベクトル起動電圧算出部
4 電圧回転ベクトル変化分算出部
5 電流回転ベクトル変化分算出部
6 回転ベクトル変化分起動電圧算出部
7 区内事故判別部
8 想定事故点収束演算部
9 インターフェース
10 記憶部
11 遠方送信部

Claims (6)

  1. 事故点標定対象の送電線を含む電力系統にて計測された計測電圧および計測電流をサンプリングすることで得られる電圧瞬時値データおよび電流瞬時値データを生成する電圧・電流計測・A/D変換部と、
    前記電圧瞬時値データを用いて算出される電圧回転ベクトル、前記電流瞬時値データを用いて算出される電流回転ベクトル、および前記送電線における計測範囲末端までのインピーダンスを用いて前記計測範囲末端での起動電圧を算出する回転ベクトル起動電圧算出部と、
    前記電圧回転ベクトルの変化分を算出する電圧回転ベクトル変化分算出部と、
    前記電流回転ベクトルの変化分を算出する電流回転ベクトル変化分算出部と、
    前記電圧回転ベクトル変化分、前記電流回転ベクトル変化分、および前記計測範囲末端までのインピーダンスを用いて前記計測範囲末端での変化分起動電圧を算出する回転ベクトル変化分起動電圧算出部と、
    前記回転ベクトル変化分起動電圧の振幅値と、前記回転ベクトル起動電圧の振幅値とに基づき、保護区内における事故の有無を判別する区内事故判別部と、
    前記区内事故判別部が区内事故有りと判別した場合に、
    前記計測電圧の計測地点から所定距離離れた前記送電線上の一地点である想定点の位置を逐次可変しつつ、
    前記電圧回転ベクトル、前記電流回転ベクトル、および前記想定点までのインピーダンスを用いて前記想定点に事故が生じた仮定したときの回転ベクトル電圧として算出された想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値と、前記電圧回転ベクトル変化分、前記電流回転ベクトル変化分、および前記想定点までのインピーダンスを用いて前記想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧として算出された想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値とを比較し、前記逐次可変された全ての想定点において、前記想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値が、前記想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値よりも大きいときに、当該想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値が最も小さい地点を事故点として決定する想定事故点収束演算部と、
    を備えたことを特徴とする送電線事故点標定装置。
  2. 前記想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値と、前記想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値との比較処理を複数回行うための照合回数が設定され、
    前記想定事故点収束演算部は、前記照合回数分の異なるサンプル点でサンプリングされた計測電圧および計測電流に基づいて前記比較処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の送電線事故点標定装置。
  3. 前記想定事故点収束演算部は、前記事故点を決定する際に、前記想定点の可変範囲を絞り込みつつ、前記想定点の可変幅が小さくなるように可変することを特徴とする請求項1または2に記載の送電線事故点標定装置。
  4. 標定対象の送電線を含む電力系統にて計測された計測電圧および計測電流をサンプリングすることで得られる電圧瞬時値データおよび電流瞬時値データを生成する第1ステップと、
    前記電圧瞬時値データを用いて演算される電圧回転ベクトル、前記電流瞬時値データを用いて演算される電流回転ベクトル、および前記送電線における計測範囲末端までのインピーダンスを用いて前記計測範囲末端での回転ベクトル起動電圧を算出する第2ステップと、
    前記電圧瞬時値データを用いて電圧回転ベクトル変化分を算出する第3ステップと、
    前記電流瞬時値データを用いて電流回転ベクトル変化分を算出する第4ステップと、
    前記電圧回転ベクトル変化分、前記電流回転ベクトル変化分、および前記計測範囲末端までのインピーダンスを用いて前記計測範囲末端での回転ベクトル変化分起動電圧を算出する第5ステップと、
    前記回転ベクトル変化分起動電圧の振幅値と、前記回転ベクトル起動電圧の振幅値とに基づき、保護区内における事故の有無を判別する第6ステップと、
    前記第6ステップにて区内事故有りと判別された場合に、前記計測電圧の計測地点から所定距離離れた地点である想定点の位置を逐次可変しつつ、前記電圧回転ベクトル、前記電流回転ベクトル、および前記想定点までのインピーダンスを用いて前記想定点に事故が生じた仮定したときの回転ベクトル電圧である想定事故点回転ベクトル電圧、ならびに、前記電圧回転ベクトル変化分、前記電流回転ベクトル変化分、および前記想定点までのインピーダンスを用いて前記想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧である想定事故点回転ベクトル変化分電圧を算出する第7ステップと、
    前記想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値と、前記想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値とを比較し、前記逐次可変された全ての想定点において、前記想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値が、前記想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値よりも大きいときに、当該想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値が最も小さい地点を事故点として決定する第8ステップと、
    を含むことを特徴とする送電線事故点標定方法。
  5. 前記想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値と、前記想定事故点回転ベクトル電圧の振幅値との比較処理を複数回行うための照合回数が設定され、
    前記第8ステップでは、前記照合回数分の異なるサンプル点でサンプリングされた計測電圧および計測電流に基づいて前記比較処理が行われることを特徴とする請求項4に記載の送電線事故点標定方法。
  6. 前記第8ステップでは、前記事故点を決定する際に、前記想定点の可変範囲を縮小方向に可変しつつ、前記想定点の可変幅が小さくなるように可変する処理が行われることを特徴とする請求項4または5に記載の送電線事故点標定方法。
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