JP5393117B2 - 送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法 - Google Patents

送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法 Download PDF

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Description

本発明は、送電線に発生した事故(例えば地絡事故、短絡事故など)による事故点の標定を可能とする送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法に関するものである。
送電線事故点標定装置として、例えば下記特許文献1に示されたものがある。この特許文献1に示された送電線事故点標定装置では、送電線の実測データに基づいて電流分流比またはインピーダンスを瞬時値毎に求めるとともに、事故発生後所定期間の電流分流比等を平均化する電流分流比/インピーダンス演算部および、求められた平均化電流分流比等に基づいて地絡事故/短絡事故の事故点を標定する事故標定部を備える構成が開示されている。
特開2004−215478号公報
送電線に事故があった場合、送電線事故点標定装置を用いて送電線の事故点を標定するとともに、事故発生後速やかにメンテナンス要員が現場に駆けつけ、最終的な事故点の特定処理を行う必要がある。このため、メンテナンス要員が効率よく作業を行う上で、送電線事故点標定装置には、より高い標定精度が求められることになる。
一方、上記特許文献1に示される送電線事故点標定装置では、電流分流比法またはインピーダンス法でありながら地絡事故の事故点を高精度で標定できるようにするということが記載されている。
しかしながら、上記特許文献1の送電線事故点標定装置は、事故電圧・事故電流そのものを用いて計算する手法であるため、事故点抵抗などの影響を受けやすく、標定演算結果の精度は依然として改善されないという課題があった。
また、上記特許文献1を初めとする従来の送電線事故点標定装置では、送電線に分岐線がある場合、分岐線から流出入する電流の影響を受け、事故点標定演算の精度が劣化するという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、分岐線のある送電線にも適用することができ、高精度な事故点標定精度を可能とする送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる送電線事故点標定装置は、電圧回転ベクトルの変化分、電流回転ベクトルの変化分、および回転ベクトル起動電圧を要素に含む回転ベクトル変化分等価回路を用いて、標定対象の送電線における事故点を標定する送電線事故点標定装置において、前記送電線の自端側にて計測された自端電圧瞬時値データに基づき、前記回転ベクトル変化分等価回路の自端側における前記電圧回転ベクトルの変化分である自端電圧回転ベクトル変化分を算出する第1の算出部と、前記送電線の自端側にて計測された自端電流瞬時値データに基づき、前記回転ベクトル変化分等価回路の自端側における前記電流回転ベクトルの変化分である自端電流回転ベクトル変化分を算出する第2の算出部と、前記自端電圧回転ベクトル変化分、前記自端電流回転ベクトル変化分、および前記送電線における自端から相手端までの第1のインピーダンスを用いて、前記回転ベクトル変化分等価回路の自端側における前記回転ベクトル起動電圧である自端回転ベクトル起動電圧を算出する第3の算出部と前記自端回転ベクトル起動電圧の変化分である自端回転ベクトル起動電圧変化分を算出する第4の算出部と、前記相手端にて計測され、自端側に送信された相手端電圧瞬時値データに基づき、前記回転ベクトル変化分等価回路の相手端側における前記電圧回転ベクトルの変化分である相手端電圧回転ベクトル変化分を算出する第5の算出部と、前記相手端にて計測され、自端側に送信された相手端電流瞬時値データに基づき、前記回転ベクトル変化分等価回路の相手端側における前記電流回転ベクトルの変化分である相手端電流回転ベクトル変化分を算出する第6の算出部と、前記自端電圧回転ベクトル変化分、前記自端電流回転ベクトル変化分、および、前記自端側の計測地点から所定距離離れた前記送電線上の仮想地点である想定点までの第2のインピーダンスを用いて前記想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧として算出された自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値と、前記相手端電圧回転ベクトル変化分、前記相手端電流回転ベクトル変化分、および、前記相手端側の計測地点から前記想定点までの第3のインピーダンスを用いて前記想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧として算出された相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値と、に基づいて事故点を標定する事故点演算部と、を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる送電線事故点標定装置によれば、自端電圧回転ベクトル変化分、自端電流回転ベクトル変化分、および、自端側の計測地点から所定距離離れた送電線上の仮想地点である想定点までの第2のインピーダンスを用いて、想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧として算出された自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値と、相手端電圧回転ベクトル変化分、相手端電流回転ベクトル変化分、および、相手端側の計測地点から想定点までの第3のインピーダンスを用いて、想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧として算出された相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値と、に基づいて事故点を標定するようにしているので、高精度な事故点標定精度を得ることができるという効果が得られる。
また、本発明にかかる送電線事故点標定装置によれば、送電線上に1以上の分岐線路がある場合、当該分岐線路の送電線からの第1の分岐点における回転ベクトル変化分電圧を自端電圧回転ベクトル変化分または相手端電圧回転ベクトル変化分として適用するとともに、当該第1の分岐点に隣接する第2の分岐点における回転ベクトル変化分電流を自端電流回転ベクトル変化分または相手端電流回転ベクトル変化分として適用することにより、隣接する分岐点間の事故点を標定することができるという効果が得られる。
(はじめに)
本願発明者は、スパイラルベクトル理論における回転ベクトル変化分等価回路に関する知見に基づき、分岐線のある送電線に対しても適用可能な送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法を導き出すに至った。以下、添付図面を参照し、本発明にかかる送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(用語の定義)
本発明にかかる送電線事故点標定装置および送電線事故点標定方法のベースとなるスパイラルベクトル理論については、世の中には充分に浸透していない状況である。そこで、先ず、本明細書で用いる用語について定義しておく。
・送電線事故点標定装置:送電線(架空送電線・ケーブルなど)における事故点を標定する装置である。
・回転ベクトル:回転ベクトルは、複素数平面上において反時計周りに回転する動的フェーザであり、実測値は回転ベクトルの実数部である。なお、最近の交流理論では、交流波を余弦関数で模擬することが一般的に行われる(従来の交流理論では、交流波を正弦関数で模擬していた)。
・電圧回転ベクトル:電圧状態変数であり、その実数部は実測された電圧瞬時値である。
・電流回転ベクトル:電流状態変数であり、その実数部は実測された電流瞬時値である。
・回転ベクトル変化分:1または数サイクル時間前後2つの回転ベクトルの差分成分である。回転ベクトル変化分は、回転ベクトルと同様、実数部と虚数部を持ち、複素数の状態変数である。
・電圧回転ベクトル変化分:電圧状態変数であり、基準時点における電圧回転ベクトルと、基準時点から1または数サイクル前の時点における電圧回転ベクトルとの差分成分である。
・電流回転ベクトル変化分:電流状態変数であり、基準時点における電流回転ベクトルと、1または数サイクル前の時点における電流回転ベクトルとの差分成分である。
・想定事故点:事故の発生を仮定した送電線上の仮想点
・仮想電源:事故前の電圧振幅を有し、想定事故点に挿入される仮想的な電源
・回転ベクトル変化分等価回路:電圧回転ベクトル変化分、電流回転ベクトル変化分および仮想電源により構成された回路である。なお、定常状態において、回転ベクトル変化分等価回路は存在せず、事故などにより系統の状態が変化した場合に出現する。
・自端回転ベクトル起動電圧:自端の回転ベクトル電圧と自端の回転ベクトル電流と自端から相手端までのインピーダンスを用いて計算された起動電圧である。なお、この起動電圧は、回転ベクトル変化分等価回路における、仮想電源の電圧値(仮想電源電圧)そのものである。
・自端回転ベクトル起動電圧振幅:自端回転ベクトル起動電圧の絶対値である。
・自端回転ベクトル変化分起動電圧:自端から相手端までのインピーダンス、実測の回転ベクトル変化分、および回転ベクトル変化分等価回路を利用して計算された変化分起動電圧である。
・自端回転ベクトル変化分起動電圧振幅:自端回転ベクトル変化分起動電圧の絶対値である。
・自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧:自端における電圧回転ベクトル変化分および電流回転ベクトル変化分、ならびに自端から想定事故点までのインピーダンスを用いて計算した回転ベクトル変化電圧である。
・自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅:自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の絶対値である。
・相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧:相手単における電圧回転ベクトル変化分および電流回転ベクトル変化分、ならびに相手端から想定事故点までのインピーダンスを用いて計算した回転ベクトル変化電圧である。
・相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅:相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の絶対値である。
・距離係数k:0−100%の係数である。k=0%は自端,k=100%は相手端である。
・両端想定事故点演算処理:距離係数kを変化させて、様々なインピーダンスを想定し、自端想定事故点回転ベクトル電圧振幅および相手端想定事故点回転ベクトル電圧振幅をそれぞれ計算し、計算した各曲線の交点に対応する距離係数kを事故点までの距離係数とする演算処理をいう。
・両端想定事故点収束演算処理:両端想定事故点演算処理において、両曲線の交点の前後における距離係数を新たな可変範囲に設定するとともに、距離係数の増分幅を縮小し、両曲線の交点を求める処理を繰り返し行うことにより、事故点に対応する距離係数kの標定精度を高めるための処理をいう。
・電気学会EAST10モデル系統:日本国において定められたモデル系統であり、電力系統を模擬するための代表的なモデル系統である。
・短絡事故:AB相間事故、BC相間事故、AC相間事故、ABC相間事故等などの相間事故である。なお、回路には零相成分が存在しない。
・地絡事故:A相接地、B相接地、C相接地、AB相接地、BC相接地、AC相接地、ABC相接地等による接地事故である。短絡事故とは異なり、回路に零相成分が存在する。
(装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる送電線事故点標定装置の構成を示す図である。図1において、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置1は、自端電圧・電流計測・A/D変換部2、第1の算出部としての自端電圧回転ベクトル変化分算出部3、第2の算出部としての自端電流回転ベクトル変化分算出部4、第3の算出部としての自端回転ベクトル起動電圧算出部5、第4の算出部としての自端回転ベクトル変化分起動電圧算出部6、自端区内事故判別部7、相手端電圧・電流時系列データ受信部8、第5の算出部としての相手端電圧回転ベクトル変化分算出部9、第6の算出部としての相手端電流回転ベクトル変化分算出部10、事故点演算部11、インターフェース12、記憶部13、遠方送信部14を備えている。ここで、送電線事故点標定装置1は、送電線の保護区間の一端(自端)に設置される装置であり、送電線の保護区間の他端(相手端)には、これと同等の送電線事故点標定装置(相手端装置15として図示)が配置されている。
(各構成部の機能)
つぎに、図1に示した各構成部の機能について説明する。なお、ここでは概略機能の説明に留め、各部の詳細な機能については、後述のフローチャートのところで説明する。
自端電圧・電流計測・A/D変換部2は、装置配置端に設置された計器用変圧器であるPT16および装置配置端近傍の送電線に設置された変流器であるCT13を用いて、装置配置端における系統電圧および送電線に流れる電流を計測するとともに、計測された電圧(計測電圧)および電流(計測電流)に対し、基準波1周期を4N(Nは正の整数)等分した各々のサンプルタイミングでサンプリングすることで得られる時系列のデジタルデータ(自端電圧瞬時値データおよび自端電流瞬時値データ)を生成する。
自端電圧回転ベクトル変化分算出部3は、自端電圧・電流計測・A/D変換部2が生成した電圧瞬時値データを用いて、自端の各相における電圧回転ベクトルの変化分を演算し、自端電流回転ベクトル変化分算出部4は、自端電圧・電流計測・A/D変換部2が生成した電流瞬時値データを用いて、自端の各相における電流回転ベクトルの変化分を演算する。
自端回転ベクトル起動電圧算出部5は、電圧瞬時値データおよび電流瞬時値データを用いて、それぞれ演算される電圧回転ベクトル、電流回転ベクトル、ならびに、自端から相手端までのインピーダンス(第1のインピーダンス)を用いて、自端から相手端を見たときの回転ベクトル起動電圧である自端回転ベクトル起動電圧を算出する。
自端回転ベクトル変化分起動電圧算出部6は、自端電圧回転ベクトル変化分算出部3および自端電流回転ベクトル変化分算出部4が生成した自端電圧回転ベクトル変化分および自端電流回転ベクトル変化分、ならびに、第1のインピーダンスを用いて、自端から相手端を見たときの回転ベクトル起動電圧の変化分である自端回転ベクトル変化分起動電圧を算出する。
自端区内事故判別部7は、自端回転ベクトル変化分起動電圧の振幅値と、自端回転ベクトル起動電圧の振幅値とに基づき、電力系統に生じた事故が区内事故(保護区内事故)であるか、区外事故(保護区外事故)であるかを判別する。
相手端電圧・電流時系列データ受信部8は、通信回線を経由して、相手端装置15が計測・生成した電圧・電流時系列データ(相手端電圧瞬時値データおよび相手端電流瞬時値データ)を受信する。
相手端電圧回転ベクトル変化分算出部9は、受信した相手端の電圧瞬時値データを用いて、相手端の各相における電圧回転ベクトルの変化分(相手端電圧回転ベクトル変化分)を演算し、相手端電流回転ベクトル変化分算出部10は、受信した相手端の電流瞬時値データを用いて、相手端の各相における電流回転ベクトルの変化分(相手端電流回転ベクトル変化分)を演算する。
事故点演算部11は、想定した事故点(想定事故点)に関し、自端データに基づいて計算した回転ベクトル変化分電圧を表す振幅曲線(自端想定事故点回転ベクトル電圧振幅曲線:第1の曲線)と、相手端データに基づいて計算した回転ベクトル変化分電圧を表す振幅曲線(相手端想定事故点回転ベクトル電圧振幅曲線:第2の曲線)との両曲線の交点に対応する距離係数kを事故点までの距離係数とする演算処理を行うとともに、事故点の標定精度を高めるための演算を行う。
インターフェース12は、上述の演算結果を外部装置等に出力する出力機能を提供する。記憶部13は、上述の各種演算結果を保持するための記憶機能を提供する。遠方送信部14は、自端にて計測・生成した電圧・電流時系列データ(自端電圧・電流時系列データ)を相手端装置15に送信するための機能や、自端装置から離れた地点にいる監視員等に所要の情報を伝送するための伝送機能を提供する。
つぎに、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置の動作説明に必要な図1〜図6の各図面について説明する。図2は、送電線事故点標定装置の動作を示すフローチャートである。また、図3は、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置の標定対象である電力系統をモデル化した図であり、より詳細には、図3(a)は標定対象のモデル系統図であり、図3(b),(c)は電気回路の重ね合わせの定理によって図3(a)を2つの等価回路に分けた図であり、(b)は電源・負荷を含む定常回路図、(c)は回転ベクトル変化分等価回路(「故障成分回路」とも呼ばれている)図である。図4は、図3(c)の回路をより具体化した等価回路図であり、特に、短絡事故の場合の等価回路を示すものである。図5は、想定事故点の演算処理の概念を示す等価回路図である。図6は、事故点に対応する距離係数kの算出処理の概念を示す図である。
図4において、各記号の意味はつぎのとおりである。
M:自端母線
N:相手端母線
1:送電線インピーダンス
M:M母線背後インピーダンス
N:N母線背後インピーダンス
F:事故点
Δv:回転ベクトル変化分電圧
Δi:回転ベクトル変化分電流
F:回転ベクトル起動電圧(仮想電源電圧)
なお、上記において、相手端には相手端母線Nを設定しているが、確実な起動を行うため、送電線のインピーダンスを5%上乗せ設定するような手法を用いてもよい。
また、定常状態においては、回転ベクトル変化分等価回路は存在しないが、系統状態が事故などによって変化した場合、仮想電源電圧が生じて、電圧回転ベクトル変化分と電流回転ベクトル変化分とが現れる。ただし、事故が発生してから1または数サイクルを経ると、各回転ベクトル変化分は消失する。なお、回転ベクトル変化分等価回路における仮想電源は、想定事故点に挿入される仮想電源として設定されるが、この仮想電源の振幅は、仮想電源が挿入される当該想定事故点における事故前の電圧振幅値が設定される。
また、図5において、各記号の意味はつぎのとおりである。
M:自端母線
N:送電線末端母線
1:自端において測定された回転ベクトル電圧(自端回転ベクトル電圧)
Δv1:自端において測定された回転ベクトル変化分電圧(自端回転ベクトル電圧)
1:自端において測定された回転ベクトル電流(自端回転ベクトル電圧)
Δi1:自端において測定された回転ベクトル変化分電流(自端回転ベクトル電圧)
2:相手端において測定された回転ベクトル電圧(自端回転ベクトル電圧)
Δv2:相手端において測定された回転ベクトル変化分電圧(自端回転ベクトル電圧)
2:相手端において測定された回転ベクトル電流(自端回転ベクトル電圧)
Δi2:相手端において測定された回転ベクトル変化分電流(自端回転ベクトル電圧)
F:事故点
F:自端において算出された回転ベクトル起動電圧(自端回転ベクトル起動電圧)
つぎに、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置の動作について、図1〜図6の各図面を参照して説明する。
(ステップS101,S102)
ステップS101,S102では、本フローにおける処理に必要な変数M,Pに関する初期値が設定される。なお、これらの変数の持つ意味については後述する。
(ステップS103)
ステップS103では、自端電圧・電流計測・A/D変換部2によって、時系列のデジタルデータ(自端電圧瞬時値データおよび自端電流瞬時値データ)が生成される。これらの瞬時値データのうち、自端電圧瞬時値データは、フーリエ変換式を用いて次式のように表すことができる。
Figure 0005393117
即ち、自端電圧瞬時値データは、電圧基本波成分と複数の電圧高調波成分より構成される。ここで、上記(1)式における各記号の意味は、次のとおりである。
V:基本波電圧振幅
ω:基本波角速度
θ:基本波電圧初期位相
k:k次高調波電圧振幅
ωk:k次高調波電圧角速度
φk:k次高調波電圧初期位相
M:正の整数
なお、これ以降においては、説明を簡潔なものとするため、上記電圧高調波成分を省略して表記する。このとき、上記電圧瞬時値を電圧回転ベクトル(自端電圧回転ベクトル)で表すと、次式のようになる。
Figure 0005393117
ここで、自端電圧・電流計測・A/D変換部2が生成した自端電圧瞬時値データは、上記(2)式の実数部に代入される。なお、虚数部については演算によって求めるが、この点については後述する。
また、自端電流瞬時値データおよび自端電流瞬時値データに基づく電流回転ベクトル(自端電流回転ベクトル)については、電圧のときと同様、フーリエ変換式を用いて、次式のように表すことができる。
Figure 0005393117
ここで、上記(3)式における各記号の意味は、次のとおりである。
I:基本波電流振幅
ω:基本波角速度
θ:基本波電流初期位相
k:k次高調波電流振幅
ωk:k次高調波電流角速度
θk:k次高調波電流初期位相
M:正の整数
また、上記(3)式に示した自端電流回転ベクトルは、次式のように実数部と虚数部とに分離して表すことができる。
Figure 0005393117
ここで、自端電圧・電流計測・A/D変換部2が生成した自端電流瞬時値データは、上記(4)式の実数部に代入される。また、虚数部については演算によって求めるが、この点については後述する。
(ステップS104)
ステップS104では、自端回転ベクトル起動電圧算出部5によって、自端から相手端側を見たときの回転ベクトル起動電圧である自端回転ベクトル起動電圧を算出する。この自端回転ベクトル起動電圧は、図4に示した電力系統モデルの等価回路に基づき、次式によって表すことができる。
Figure 0005393117
ここで、上記(5)式における記号の意味は、つぎのとおりである。
F:自端回転ベクトル起動電圧
v:自端電圧回転ベクトル
i:自端電流回転ベクトル
1:相手端までのインピーダンス(正相インピーダンス)
なお、下付文字(サフィックス)の「re」、「im」は、実数部、虚数部を表している。
また、上記(5)式の実数部と虚数部とをそれぞれ分離すると、次式が得られる。
Figure 0005393117
さらに、次式を用いて自端回転ベクトル起動電圧の振幅値(自端回転ベクトル起動電圧振幅)を算出する。
Figure 0005393117
なお、自端回転ベクトル起動電圧振幅は、次式で計算することもできる。この式の利点は、積分計算により、回路中の高調波成分の影響を低減することができる点にある。
Figure 0005393117
上記(8)式において、Nは、基準波の1周期を4N(Nは正の整数)等分したサンプリング手法を使用した場合におけるNである。例えば、N=3に設定すれば、サンプリング間隔は、360/(4×3)=30度となる。
(ステップS105)
ステップS105では、自端電圧回転ベクトル変化分算出部3によって、自端電圧回転ベクトルの変化分が算出される。この自端電圧回転ベクトル変化分は、時刻tの自端電圧回転ベクトルと、時刻tよりも1または数サイクル前の自端電圧回転ベクトルとの差分値として、次式を用いて計算される。なお、基準波の1サイクル時間T0は、例えば、基準周波数が60Hzの系統では、T0=1/60=0.0166667秒であり、基準周波数が50Hzの系統では、T0=1/50=0.02秒である。
Figure 0005393117
上記(9)式において、実数部には、計測された自端電圧瞬時値データが代入される。一方、虚数部には、例えば次式を用いて計算された値が代入される。
Figure 0005393117
(ステップS106)
ステップS106では、自端電流回転ベクトル変化分算出部4によって、自端電流回転ベクトルの変化分が算出される。この自端電流回転ベクトル変化分は、上記(9)式に示した自端電圧回転ベクトル変化分と同様、次式を用いて算出することができる。
Figure 0005393117
また、上記(11)式において、実数部には計測された自端電圧瞬時値データが代入され、虚数部には、例えば次式を用いて計算された値が代入される。
Figure 0005393117
(ステップS107)
ステップS107では、事故が発生している否かの判定処理が行われる。この判定処理は、例えば、現在の電流値と1サイクル前の電流値との差分値を所定の整定値と比較することによって行うことができる。ここで、事故が発生していないと判定した場合(ステップS107,No)、ステップS103の処理に戻り、事故が発生していると判定した場合(ステップS107,Yes)、ステップS108に移行する。
(ステップS108)
ステップS108では、自端回転ベクトル変化分起動電圧算出部6により、ステップS105にて算出された自端電圧回転ベクトル変化分およびステップS106にて算出された自端電流回転ベクトル変化分を用いて、自端回転ベクトル起動電圧の変化成分である自端回転ベクトル変化分起動電圧が算出される。この自端回転ベクトル変化分起動電圧は、次式で表される。
Figure 0005393117
また、上記(13)式の実数部と虚数部とをそれぞれ分離すると、次式が得られる。
Figure 0005393117
さらに、次式を用いて自端回転ベクトル変化分起動電圧の振幅値(自端回転ベクトル変化分起動電圧振幅)を算出する。
Figure 0005393117
なお、自端回転ベクトル変化分起動電圧振幅は、次式で計算することもできる。この式の利点は、積分計算により、回路中の高調波成分の影響を低減することができる点にある。
Figure 0005393117
(ステップS109)
ステップS109では、ステップS107で判定した事故が、区内事故であるか否かの判定処理が行われる。この判定処理は、次式を用いて判定することができる。ここで、区内事故ではない判定した場合(ステップS109,No)、ステップS103の処理に戻り、区内事故であると判定した場合(ステップS109,Yes)、ステップS110に移行する。
Figure 0005393117
なお、上記の処理では、ステップS107にて事故の有無を判定し、ステップS109にて区内事故の有無を判定するようにしているが、ステップS107の処理を省略し、ステップS109の処理のみで事故(区内事故)の有無を判定してもよい。この場合、事故がない場合でも、ステップS108の処理が実行されるが、1ステップの処理であるため、計算時間に与える影響は小さい。
(ステップS110)
ステップS110では、相手端電圧・電流時系列データ受信部8によって、相手端装置15が計測・生成した相手端電圧・電流時系列データの受信処理が行われる。
(ステップS111)
ステップS111では、相手端電圧回転ベクトル変化分算出部9によって、相手端電圧回転ベクトル変化分が算出される。この相手端電圧回転ベクトル変化分は、時刻tの相手端電圧回転ベクトルと、時刻tよりも1または数サイクル前の相手端電圧回転ベクトルとの差分値として、上記(9)式と同様に次式を用いて計算される。
Figure 0005393117
上記(18)式において、実数部には受信した相手端電圧瞬時値データが代入される。一方、虚数部には、例えば次式を用いて計算された値が代入される。
Figure 0005393117
(ステップS112)
ステップS112では、相手端電流回転ベクトル変化分算出部10によって、相手端電流回転ベクトルの変化分が算出される。この相手端電流回転ベクトル変化分は、上記(18)式に示した相手端電圧回転ベクトル変化分と同様、次式を用いて算出することができる。
Figure 0005393117
上記(20)式において、実数部には受信した相手端電流瞬時値データが代入される。一方、虚数部には、例えば次式を用いて計算された値が代入される。
Figure 0005393117
(ステップS113〜S117)
ステップS113〜S117では、事故点を推定するための演算処理が行われる。なお、各処理の詳細は以下のとおりである。
まず、距離係数kを、次式のように定義する。
Figure 0005393117
例えば、kmax=100とすれば、一単位の抵抗成分およびインダクタンス成分は次式で示される。
Figure 0005393117
したがって、自端(自端側の計測地点)と、自端から所定距離離れた送電線上の一地点である想定点(想定事故点)までのインピーダンス(第2のインピーダンス)における抵抗およびインダクタンスは、次式で与えられる。
Figure 0005393117
同様に、相手端(相手端側の計測地点)と、相手端から想定事故点までのインピーダンス(第3のインピーダンス)における抵抗およびインダクタンスは、次式で与えられる。
Figure 0005393117
なお、距離係数kの可変処理は、ステップS113,S116,S117で行われる。
ステップS114では、自端想定事故点回転ベクトル変化分の電圧振幅値が算出される。
自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧は、ステップS105にて算出された自端電圧回転ベクトル変化分およびステップS106にて算出された自端電流回転ベクトル変化分、ならびに上記(24)式で表される想定事故点までの抵抗およびインダクタンスを用いて次式で表される。
Figure 0005393117
したがって、自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値(自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅)は、上記(26)式の実数部および虚数部の値を用いて、次式のように算出することができる。
Figure 0005393117
なお、自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅は、次式で計算することもできる。この式の利点は、積分計算により、回路中の高調波成分の影響を低減することができる点にある。
Figure 0005393117
同様に、ステップS115では、相手端想定事故点回転ベクトル変化分の電圧振幅値が算出される。
相手端想定事故点回転ベクトル変化分電流は、ステップS105にて算出された自端電圧回転ベクトル変化分およびステップS106にて算出された電流回転ベクトル変化分、ならびに上記(25)式で表される想定事故点までの抵抗およびインダクタンスを用いて次式で表される。
Figure 0005393117
したがって、相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値(相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅)は、上記(29)式の実数部および虚数部の値を用いて、次式のように算出することができる。
Figure 0005393117
なお、相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅は、次式で計算することもできる。この式の利点は、積分計算により、回路中の高調波成分の影響を低減することができる点にある。
Figure 0005393117
以下、ステップS116では、終了条件が判定され、ステップS117では、距離係数kの増分処理が行われる。全ての距離係数に対する計算が終了すると、ステップS118に移行する。
(ステップS118〜S121)
ステップS118〜S121では、照合回数Mおよびサンプリング点指定変数Pに基づき、想定事故点の確定処理が行われる。この処理は、想定事故の確度を高め、誤起動の防止を図るための処理である。なお、各処理の詳細は以下のとおりである。
ステップS118では、事故点演算部11によって、自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅を表す曲線と、相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅を表す曲線とに交点があるか否かの判定処理が実行される。
ここで、自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅をvF1(k)、相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅をvF2(k)で表すと、両曲線に交点があるか否かの判定処理は、次の2式に基づいて実行される(図6参照)。
Figure 0005393117
Figure 0005393117
なお、上記(32)式および(33)式における各記号の意味は、次のとおりである。
vF1(kn) :距離係数knにおける自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅
vF2(kn) :距離係数knにおける相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅
vF1(kn+1):距離係数kn+1における自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅
vF2(kn+1):距離係数kn+1における相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅
上記(32)式および(33)式を満足する場合、両曲線に交点があることが分かる。この場合、事故点に対応する距離係数を、例えば次式に基づいて算出することができる。
Figure 0005393117
(34)式は、両曲線が交わる前後の距離係数の中点を事故点に対応する距離係数とすることを意味しており、両曲線の交点を求めることなく事故点に対応する距離係数を算出することができるので、事故点標定を簡易な処理とすることができる。なお、本実施の形態の処理では、想定事故の確度を高めるため、ステップS120,S121の処理が追加されている。すなわち、両曲線に交点がある場合(ステップS118,Yes)、照合回数Mの値を増分し(ステップS120)、照合回数Mが所定の整定値Msetになるまで(ステップS121)、上記処理を反復実施する。なお、整定値Msetとして、3などの数値が選ばれる。
なお、照合回数Mが変更され、再度の判定処理が行われる場合(ステップS121,No)、サンプリング点指定変数Pが増分され(ステップS102)、ステップS103〜S120の処理が繰り返される。
例えば、M=1のときの処理が、サンプリング位相30度のデータを用いたとした場合、M=2では、サンプリング位相60度(N=3の場合)のデータが用いられ、M=3では、サンプリング位相90度(N=3の場合)のデータが用いられる。整定値Mset=3の場合、これらの全てのサンプリング位相において、ステップS118の条件を満足するときに、ステップS122の処理に移行することになる。
一方、上記(32)式または(33)式の少なくとも一つを満足しない場合(ステップS118,No)、照合回数Mをリセットし(ステップS119)、ステップS103〜S120の処理を再度実行する。
(ステップS122)
ステップS122では、距離係数kの最適化処理が行われる。この処理は、事故点に対応する距離係数の標定精度を高めるための処理である。この最適化処理では、幾つかの手法が考えられるが、例えば、両曲線の交点の前後の距離係数を両端とする区間[kn,n+1]を新たな可変範囲に設定するとともに、次式で行われていた距離係数の増分幅を縮小しつつ、両曲線の交点があるか否かの判定処理を繰り返し行えばよい。
Figure 0005393117
なお、本フローでは、ステップS111,S113,S114に示しているように、kminからkmaxまで変化する距離係数kの値を、増分値(kmin−kmax)/100で可変するようにしている。
例えばkmin=0km、kmax=100kmとすれば、増分値は1km幅であり、事故点を1kmの幅で標定することができる。また、例えば想定事故点が自端から80km(kn=80km)と90km(kn+1=90km)との間にあると推定された場合、例えばkmin=kn=80km、kmax=kn+1=90kmに設定(変更)すれば、増分値が0.1km(100m)幅となって、事故点を100mの幅で標定することができる。なお、この処理を、計測精度等に応じて適宜繰り返し行うようにすれば、事故点の標定精度を高めることが可能となる。
つぎに、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置に関し、送電線に分岐線がある場合の事故点標定演算の概念について図7の図面を参照して説明する。ここで、図7は、送電線に分岐線路がある場合の回転ベクトル変化分等価回路を示す図である。
図7において、各記号の意味はつぎのとおりである。
M:自端母線
N:相手端母線
M:M母線背後インピーダンス
N:N母線背後インピーダンス
F:事故点
1:分岐点1と分岐点2との間のインピーダンス(既知)
11:M母線と分岐点1との間のインピーダンス(既知)
12:分岐点1の分岐インピーダンス(既知)
21:N母線と分岐点2との間のインピーダンス(既知)
22:分岐点2の分岐インピーダンス(既知)
ΔvM:自端により測定された回転ベクトル変化分電圧(既知)
ΔiM:自端により測定された回転ベクトル変化分電流(既知)
ΔVN:相手端により測定された回転ベクトル変化分電圧(既知)
ΔiN:相手端により測定された回転ベクトル変化分電流(既知)
Δv1:分岐点1の回転ベクトル変化分電圧
Δi1:分岐点1の回転ベクトル変化分電流
Δv2:分岐点2の回転ベクトル変化分電圧
Δi2:分岐点2の回転ベクトル変化分電流
ここで、図7の分岐点1における回転ベクトル変化分電圧および回転ベクトル変化分電流は、それぞれ次式のように表される。
Figure 0005393117
Figure 0005393117
同様に、図7の分岐点2における回転ベクトル変化分電圧および回転ベクトル変化分電流も、それぞれ次式のように表される。
Figure 0005393117
Figure 0005393117
図7において、分岐点1と分岐点2との間の等価回路は、図5に示した等価回路図と同等である。したがって、上述した手法を適用することで、分岐線路がある場合の事故点標定演算処理が可能となる。
なお、図7にでは、分岐線路が2つの場合を一例として示したが、1つの場合、あるいは3つ以上の場合にも、上記手法が適用可能であることは無論である。
(シミュレーション結果)
つぎに、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置に対して行ったシミュレーション結果について、図8〜図14の各図面を参照して説明する。
図8は、日本国において代表的な電気学会EAST10モデル系統(50Hz系統)を示す図である。( )内の番号はノード番号を表し、< >内の番号はブランチ番号を示している。いま、このモデル系統において、ノード21に送電線事故点標定装置を配置するものとし、ノード21からノード11に向かう2回送電線のノード21から40%の距離A点に、1回送電線のAB相短絡事故を発生させる。このとき、ノード21(自端)およびノード11(相手端)で計測された電圧・電流を用いて事故点標定のシミュレーションを行うものとする。
図9は、本シミュレーションにおける自端三相電圧波形を示す図である。なお、この三相電圧波形は、送電線事故点標定装置が配置された配置端(自端)におけるものである。本シミュレーションではAB相短絡事故を発生させているため、図9に示されるように、ノード21で測定された各電圧波形では、C相(一点鎖線)の電圧に比べてA相(実線)・B相(破線)の電圧が小さくなっている。
図10は、本シミュレーションにおける自端三相電流波形を示す図である。なお、この三相電流波形は、送電線事故点標定装置が配置された配置端(自端)におけるものである。本シミュレーションではAB相短絡事故を発生させているため、図10に示されるように、ノード21で測定された各電流波形では、C相(一点鎖線)の電流に比べてA相(実線)・B相(破線)の電流が大きくなっている。
図11は、本シミュレーションにおける相手端三相電圧波形を示す図である。なお、この三相電圧波形は、送電線事故点標定装置が配置された配置端(相手端)におけるものである。本シミュレーションではAB相短絡事故を発生させているため、図11に示されるように、ノード11で測定された各電圧波形では、C相(一点鎖線)の電圧に比べてA相(実線)・B相(破線)の電圧が小さくなっている。
図12は、本シミュレーションにおける相手端三相電流波形を示す図である。なお、この三相電圧波形は、送電線事故点標定装置が配置された配置端(相手端)におけるものである。本シミュレーションではAB相短絡事故を発生させているため、図12に示されるように、ノード11で測定された各電流波形では、C相(一点鎖線)の電流に比べてA相(実線)・B相(破線)の電流が大きくなっている。
図13は、本シミュレーションにおける事故起動電圧波形を示す図である。図13の実線部の波形に示されるように、事故直後の3/4サイクル(15ms)の期間において、AB相回転ベクトル変化分起動電圧振幅は、事故直前の1サイクル前におけるAB相回転ベクトル起動電圧振幅よりも大きく、事故が起動されていることが分かる。
図14は、本シミュレーションにおける想定事故点収束演算波形を示す図である。図10において、中太実線で示す波形は自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅(vF1)であり、細実線で示す波形は相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅(vF2)である。なお、各振幅値は、事故発生後の半サイクル(10ms)時点の想定事故点収束演算図である。
図14の波形によれば、自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅(vF1)と相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅(vF2)とが、k=40%のところで交わっており、事故点を正しく標定することができている。
なお、図14において、両曲線の交点である事故点に対応する自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅(相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅でも同じ)は、当該事故点における事故前電圧振幅(事故点事故前電圧振幅)に対応している。この事実は偶然ではなく、回転ベクトル変化分等価回路が正しいことを実証している。
また、事故点抵抗がある場合、自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅(vF1)および相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧振幅(vF2)の波形は、上下に対称的に上下する。したがって、両曲線の交点を事故点とする本実施の形態の送電線事故点標定装置は、事故点抵抗の影響を受けないことが分かる。
以上説明したように、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置によれば、自端電圧回転ベクトル変化分、自端電流回転ベクトル変化分、および、自端側の計測地点から所定距離離れた送電線上の仮想地点である想定点までの第2のインピーダンス用いて、想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧として算出された自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値と、相手端電圧回転ベクトル変化分、相手端電流回転ベクトル変化分、および、相手端側の計測地点から想定点までの第3のインピーダンス用いて、想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧として算出された相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値と、に基づいて事故点を標定するようにしているので、事故点抵抗の影響を受けることのない標定を行うことができ、送電線における事故点の高精度な標定が可能となる。
また、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置によれば、送電線上に1以上の分岐線路がある場合、当該分岐線路の送電線からの分岐点における回転ベクトル変化分電圧を自端電圧回転ベクトル変化分または相手端電圧回転ベクトル変化分として適用するとともに、当該分岐点における回転ベクトル変化分電流を自端電流回転ベクトル変化分または相手端電流回転ベクトル変化分として適用することにより、自端と分岐点との間の事故点、相手端と前記分岐点との間の事故点、または、一の分岐線路の分岐点と、当該一の分岐線路に隣接する他の分岐線路の分岐点との間の事故点を標定することすることができるので、送電線に分岐線路がある場合であっても、高精度な事故点標定演算が可能となる。
なお、本実施の形態では、説明を簡潔に行うため、短絡事故の計算式を用いてきた。また、シミュレーション結果も、AB相間の短絡事故を一例として説明してきた。しかしながら、本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置は、短絡事故の場合に限定されるものではない。上述した手法と同様な考え方および手順、ならびにスパイラルベクトル理論における地絡事故の計算式を用いることにより、地絡事故に適用可能な送電線事故点標定装置を構成することができる。
以上のように、本発明にかかる送電線事故点標定装置は、分岐線のある送電線にも適用することができ、高精度な事故点標定精度を可能とする送電線事故点標定装置として有用である。
本発明の実施の形態にかかる送電線事故点標定装置の構成を示す図である。 送電線事故点標定装置の動作を示すフローチャートである。 本実施の形態にかかる送電線事故点標定装置の標定対象である電力系統をモデル化した図である。 図3(c)の回路をより具体化した等価回路図である。 想定事故点の演算処理の概念を示す等価回路図である。 事故点に対応する距離係数kの算出処理の概念を示す図である。 送電線に分岐線路がある場合の回転ベクトル変化分等価回路を示す図である。 日本国において代表的な電気学会EAST10モデル系統(50Hz系統)を示す図である。 シミュレーションにおける自端三相電圧波形を示す図である。 シミュレーションにおける自端三相電流波形を示す図である。 シミュレーションにおける相手端三相電圧波形を示す図である。 シミュレーションにおける相手端三相電流波形を示す図である。 シミュレーションにおける事故起動電圧波形を示す図である。 シミュレーションにおける想定事故点収束演算波形を示す図である。
符号の説明
1 送電線事故点標定装置(自端装置)
2 自端電圧・電流計測・A/D変換部
3 自端電圧回転ベクトル変化分算出部(第1の算出部)
4 自端電流回転ベクトル変化分算出部(第2の算出部)
5 自端回転ベクトル起動電圧算出部(第3の算出部)
6 自端回転ベクトル変化分起動電圧算出部(第4の算出部)
7 自端区内事故判別部
8 相手端電圧・電流時系列データ受信部
9 相手端電圧回転ベクトル変化分算出部(第5の算出部)
10 相手端電流回転ベクトル変化分算出部(第6の算出部)
11 事故点演算部
12 インターフェース
13 記憶部
14 遠方送信部
15 送電線事故点標定装置(相手端装置)

Claims (11)

  1. 電圧回転ベクトルの変化分、電流回転ベクトルの変化分、および回転ベクトル起動電圧を要素に含む回転ベクトル変化分等価回路を用いて、標定対象の送電線における事故点を標定する送電線事故点標定装置において、
    前記送電線の自端側にて計測された自端電圧瞬時値データに基づき、前記回転ベクトル変化分等価回路の自端側における前記電圧回転ベクトルの変化分である自端電圧回転ベクトル変化分を算出する第1の算出部と、
    前記送電線の自端側にて計測された自端電流瞬時値データに基づき、前記回転ベクトル変化分等価回路の自端側における前記電流回転ベクトルの変化分である自端電流回転ベクトル変化分を算出する第2の算出部と、
    前記自端電圧回転ベクトル変化分、前記自端電流回転ベクトル変化分、および前記送電線における自端から相手端までの第1のインピーダンスを用いて、前記回転ベクトル変化分等価回路の自端側における前記回転ベクトル起動電圧である自端回転ベクトル起動電圧を算出する第3の算出部と
    前記自端回転ベクトル起動電圧の変化分である自端回転ベクトル起動電圧変化分を算出する第4の算出部と、
    前記相手端にて計測され、自端側に送信された相手端電圧瞬時値データに基づき、前記回転ベクトル変化分等価回路の相手端側における前記電圧回転ベクトルの変化分である相手端電圧回転ベクトル変化分を算出する第5の算出部と、
    前記相手端にて計測され、自端側に送信された相手端電流瞬時値データに基づき、前記回転ベクトル変化分等価回路の相手端側における前記電流回転ベクトルの変化分である相手端電流回転ベクトル変化分を算出する第6の算出部と、
    前記自端電圧回転ベクトル変化分、前記自端電流回転ベクトル変化分、および、前記自端側の計測地点から所定距離離れた前記送電線上の仮想地点である想定点までの第2のインピーダンスを用いて前記想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧として算出された自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値と、前記相手端電圧回転ベクトル変化分、前記相手端電流回転ベクトル変化分、および、前記相手端側の計測地点から前記想定点までの第3のインピーダンスを用いて前記想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧として算出された相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値と、に基づいて事故点を標定する事故点演算部と、
    を備えたことを特徴とする送電線事故点標定装置。
  2. 前記事故点演算部は、前記自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値の変化を表す第1の曲線と、前記相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値の変化を表す第2の曲線との交点を事故点として決定することを特徴とする請求項1に記載の送電線事故点標定装置。
  3. 前記事故点演算部は、前記自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値の変化を表す第1の曲線と、前記相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値の変化を表す第2の曲線とが交差する前後の距離係数の平均値を事故点として決定することを特徴とする請求項1に記載の送電線事故点標定装置。
  4. 前記自端回転ベクトル起動電圧の振幅値と、前記自端回転ベクトル起動電圧変化分の振幅値と、に基づき、保護区内における事故の有無を判別する区内事故判別部を備え、
    前記事故点演算部は、前記区内事故判別部が区内事故有りと判別した場合に、事故点標定に関する演算処理を実行することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の送電線事故点標定装置。
  5. 前記送電線上に1以上の分岐線路がある場合、
    前記分岐線路の前記送電線からの分岐点における回転ベクトル変化分電圧を前記自端電圧回転ベクトル変化分または前記相手端電圧回転ベクトル変化分として適用するとともに、前記分岐点における回転ベクトル変化分電流を前記自端電流回転ベクトル変化分または前記相手端電流回転ベクトル変化分として適用することにより、前記自端と前記分岐点との間の事故点、前記相手端と前記分岐点との間の事故点、または、一の分岐線路の分岐点と、当該一の分岐線路に隣接する他の分岐線路の分岐点との間の事故点を標定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の送電線事故点標定装置。
  6. 前記事故点を標定する演算処理を複数回行うための照合回数が設定され、
    前記事故点演算部は、前記照合回数分の異なるサンプル点でサンプリングされた計測電圧および計測電流に基づいて前記演算処理を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の送電線事故点標定装置。
  7. 前記事故点演算部は、前記事故点を決定する際に、前記想定点の可変範囲を絞り込みつつ、前記想定点の可変幅を小さく可変することを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の送電線事故点標定装置。
  8. 電圧回転ベクトルの変化分、電流回転ベクトルの変化分、および回転ベクトル起動電圧を要素に含む回転ベクトル変化分等価回路を用いて、標定対象の送電線における事故点を標定する送電線事故点標定方法において、
    前記送電線の自端側における自端電圧瞬時値データに基づき、前記回転ベクトル変化分等価回路の自端側における前記電圧回転ベクトルの変化分である自端電圧回転ベクトル変化分を算出する第1ステップと、
    前記自端側における自端電流瞬時値データに基づき、前記回転ベクトル変化分等価回路の自端側における前記電流回転ベクトルの変化分である自端電流回転ベクトル変化分を算出する第2ステップと、
    前記自端電圧回転ベクトル変化分、前記自端電流回転ベクトル変化分、および前記送電線における自端から相手端までの第1のインピーダンスを用いて、前記回転ベクトル変化分等価回路の自端側における前記回転ベクトル起動電圧である自端回転ベクトル起動電圧を算出する第3ステップと
    前記自端回転ベクトル起動電圧の変化分である自端回転ベクトル起動電圧変化分を算出する第4ステップと、
    前記送電線の相手端側における相手端電圧瞬時値データに基づき、前記回転ベクトル変化分等価回路の相手端側における前記電圧回転ベクトルの変化分である相手端電圧回転ベクトル変化分を算出する第5ステップと、
    前記自端側における相手端電流瞬時値データに基づき、前記回転ベクトル変化分等価回路の相手端側における前記電流回転ベクトルの変化分である相手端電流回転ベクトル変化分を算出する第6ステップと、
    前記自端電圧回転ベクトル変化分、前記自端電流回転ベクトル変化分、および、前記自端側の計測地点から所定距離離れた前記送電線上の仮想地点である想定点までの第2のインピーダンス用いて前記想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧として算出された自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値と、前記相手端電圧回転ベクトル変化分、前記相手端電流回転ベクトル変化分、および、前記相手端側の計測地点から前記想定点までの第3のインピーダンス用いて前記想定点に事故が生じたと仮定したときの回転ベクトル変化分電圧として算出された相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値と、に基づいて事故点を標定する第7ステップと、
    を含むことを特徴とする送電線事故点標定方法。
  9. 前記第7ステップでは、前記自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値の変化を表す第1の曲線と、相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値の変化を表す第2の曲線との交点を事故点として決定する処理が行われることを特徴とする請求項8に記載の送電線事故点標定方法。
  10. 前記第7ステップでは、前記自端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値の変化を表す第1の曲線と、前記相手端想定事故点回転ベクトル変化分電圧の振幅値の変化を表す第2の曲線とが交差する前後の距離係数の平均値を事故点として決定する処理が行われることを特徴とする請求項8に記載の送電線事故点標定方法。
  11. 前記送電線上に1以上の分岐線路がある場合、
    前記分岐線路の前記送電線からの分岐点における回転ベクトル変化分電圧を前記自端電圧回転ベクトル変化分または前記相手端電圧回転ベクトル変化分として適用するとともに、前記分岐点における回転ベクトル変化分電流を前記自端電流回転ベクトル変化分または前記相手端電流回転ベクトル変化分として適用することにより、前記自端と前記分岐点との間の事故点、前記相手端と前記分岐点との間の事故点、または、一の分岐線路の分岐点と、当該一の分岐線路に隣接する他の分岐線路の分岐点との間の事故点を標定することを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の送電線事故点標定方法。
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