JP2009299454A - 防音扉 - Google Patents
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Abstract
【課題】 強度を保持しながら簡単な構造で遮音性能を得ることができる防音扉を提供する。
【解決手段】 本発明の防音扉1は、本体部材11の下端面に、深さが40mm以上の複数の孔12が下端面の長手方向に沿って一定の距離離間して形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明の防音扉1は、本体部材11の下端面に、深さが40mm以上の複数の孔12が下端面の長手方向に沿って一定の距離離間して形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、防音扉に関する。
一般に、扉と床面との間には、数ミリ程度ではあるが隙間が存在しており、室内外の音は、この隙間を通過して外部、又は内部に漏れてしまっている。この音漏れを低減するために、例えば、扉の下部と床面との隙間を遮断するための弾性シールを設け、この弾性シールを昇降自在とするドアボトムの閉鎖装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、かかる弾性シールを有する装置は、構成が複雑であり、また、隙間を完全にふさぐことができないため、十分に音漏れを防ぐことができなかった。
そこで、扉本体の下端面に溝を設けた扉が知られている(例えば、特許文献2参照)。この扉は、扉本体の下端面に溝を設けるという比較的簡単な構造であり、機械的な構造が不要である上、設計変更等の必要もなく、既存の扉に容易に適用することができる。
しかしながら、特許文献2に記載された扉では、下端面に溝が設けられていることで扉の厚さ、材質によっては強度を保持することができない場合があるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、強度を保持しながら簡単な構造で遮音性能を得ることができる防音扉を提供することにある。
本発明の防音扉は、本体の下端面に、深さが40mm以上の複数の孔が下端面の長手方向に沿って一定の距離離間して形成されていることを特徴とする。
深さが40mm以上の複数の孔が下端面の長手方向に沿って一定の距離離間して形成されていることで、孔に入射された音波を、孔の内壁で何回も反射せしめ分散させた後に孔から出射させることが可能であり、簡単な構造で遮音性能を得ることができる。
前記孔が、その深さが90mm〜160mmとなるように形成されていることが好ましい。この範囲であることで、より広い周波数帯域で遮音効果を得ることができる。
前記孔の内面には、吸音材を設けることが好ましく、また、凹凸面を形成することも好ましい。これらの内面構造とすることで、孔に入射した音を吸収・又は凹凸面で分散することができ、結果としてより高い遮音効果を得ることができる。
本発明によれば、扉の下部に孔を設けるという簡単な構造によって、扉の強度を保持しながら遮音性能を得ることができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明の防音扉を、図1〜図5を用いて説明する。なお、図1〜図5において、同一の構成要素には、同一の参照符号を付してある。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る防音扉の模式的正面図及び下面図であり、図2は、図1のA−Aエ線(図1参照)における模式的断面図である。図1に示すように、防音扉1は、扉本体を構成する本体部材11からなる。本体部材11は、下端面が床面と隙間を設けて設置されて前後方向に開閉するものである。本体部材11の下端面には、孔12が、本体部材11の下端面の長手方向に沿って一列になるように一定の距離(例えば8mm)離間して複数形成されている。このように、列設された孔12により、各孔12に入射された音波を、孔12の内壁で何回も反射せしめ分散させた後に孔12から出射させることが可能であり、これにより扉下部を通過する音波を低減させている。即ち、簡単な構造で十分な遮音性能を得ることができる。かつ、一定の距離離間した孔12を設けることで、本体部材11が強度の低い材料からなる場合であっても強度を保つことが可能である。
孔12について、以下具体的に説明する。孔12は、その形状、大きさや深さは扉の大きさ等にあわせて適宜設定することができる。孔12の開口の形状としては、略円形状、略楕円形状、多角形状などが挙げられる。孔12の開口部の大きさは、10〜30mmが好ましい。10mmより小さいと遮音性能を得ることができず、また、30mmより大きいと扉の強度を保持しにくい。従って、この範囲であることで、扉の強度を保持しながら優れた遮音性能を得ることができる。また、孔12の深さは40mm以上である。40mmより浅いと遮音性能を得ることができないからである。このように40mm以上の深さの孔12を設けることで、扉の強度を保持しながら優れた遮音性能を得ることができる。好ましくは孔12の深さは40mm以上160mm以下である。孔12の深さが160mmより深いと扉の強度を保持しにくい場合もあるからである。従って、この範囲であることで、扉の強度を十分に保持しながら、遮音性能を得ることができる。特に、孔12の深さは90〜160mmがより好ましい。この範囲であれば、より広い波長領域において遮音性能を得ることができるからである。本実施形態では、孔12の開口は略円形状であり、その直径が20mm、孔12の深さは90mmである。また、本実施形態においては孔12は内径が深さ方向において一定であるように設けたが、一定でなくてもよい。
本発明の防音扉1を構成する本体部材11は、木製のものであれば、孔12を切削により形成しやすいが、扉の厚さ方向に直接音が振動して通過し難いものであれば、金属製のものでも、木製のものでもよい。
第1の実施形態においては、本体部材11をそのまま防音扉1としているが、防音扉1の構造は、特に限定されない。例えば、本発明の第2の実施形態である防音扉の概略を示す模式的断面図である図3に示すように、この本体部材11の表面に化粧合板等を接合し、これを防音扉2としてもよい。即ち、図3に示す防音扉2では、前述した防音扉1とは、複数の板材を積層した点が異なっており、本体部材11の両側に積層板13及び化粧板14を積層している。かかる構成にすることで、孔12を設けてもより十分な強度を得ることができる。この場合、防音扉1に用いる部材の材料は限定されず、桐などの一般木材及び集成材から構成する。また、防音扉2本体の四辺を人工合板等の補強部材で覆った構造でもよい。さらに、積層板の層数や、防音扉2本体の構造や材料等も特に限定されない。
以下、本発明の第3及び第4の実施形態を図4(a)及び(b)に示す。図4(a)は本発明の第3の実施形態の防音扉の孔の内面構造を説明するための防音扉の模式的断面図であり、(b)は、本発明の第4の実施形態の防音扉の孔の内面構造を説明するための防音扉の模式的断面図である。図4(a)に示す第3の実施形態の防音扉3では、図1に示した防音扉1とは、本体部材11の孔12の内面を吸音材15で覆った点が異なる。本実施形態では、孔12の内面に吸音材15を用いたことで、音が吸音材15で吸収され、遮音性能をさらに高めることができる。このような吸音材15としては、例えば、ガラス繊維、フェルト、あるいはゴム、エラストマー、樹脂等が挙げられる。特に、防音性の高いゴムやエラストマー等が好ましい。また、本実施形態においては、孔12の内面全体に吸音材15を設けたが、例えば底部にのみ吸音材15を設けてもよい。
第4の実施形態である図4(b)に示す防音扉4では、図1に示した防音扉1とは、本体部材11の孔12の内面を凹凸面としても形成した点が異なっている。本実施形態では、孔12の内面を凹凸面とすることで、音が孔12で複雑に反射され、遮音性能をさらに高めることができる。このような凹凸面は、孔12内部の表面形状を利用して形成することができる。例えば、本体部材11の材料を木材とし、この木材を粗削り等して孔12を形成すれば、その孔12の内面が凹凸面となる。このように孔12内部の表面形状を利用するほかに、孔12の内面を所定の表面処理によって形成してもよい。さらに、孔12の内面を凹凸面とし、その上から吸音材15により被覆すれば、より遮音効果を高めることが可能である。
これらの本発明の第1〜第4の実施の形態で示した各防音扉1〜4は、壁面の所定の位置に設置される。図5は、防音扉の設置状態を示すための模式図である。図5に示すように、第1の実施形態の防音扉1は、壁面5の所定の位置に設けられた開口部である設置部51に、床面52に対して所定の距離D(例えば15mm)離間した状態で蝶番53等の前後方向に防音扉1を開閉自在に保持する保持部材により固定されて設置される。この場合に、防音扉1と床面52との間を通過する騒音は、本体部材11に設けられた孔12により3dB以上遮音されるので、例えば、外の音が部屋の内部に伝わりにくい。また、防音扉1と床面52との間には部材を設ける必要がなく、遮音性能を得ることができる。即ち、防音扉1と床面52との間にはいかなる部材もなく、防音扉1の孔12の開口と床面52とは対向して開口全体を介して前記床面に開放された空間を有している。
このような防音扉1について、実施例を用いて詳細に説明する。
以下、波動音響シミュレーション手法を用いて、本体部材11の下端面に孔12を設けた防音扉1の遮音効果を各条件で導出した。
(1)シミュレーション方法
シミュレーションは、波動音響シミュレーション手法の一つである時間領域有限差分法(FDTD)法を用いた。シミュレーションは、(2)で述べるシミュレーション条件の他、音圧、粒子速度点の間隔は25mm、算出時間間隔は0.005msecとし、解析時間40msecという条件で行った。
シミュレーションは、波動音響シミュレーション手法の一つである時間領域有限差分法(FDTD)法を用いた。シミュレーションは、(2)で述べるシミュレーション条件の他、音圧、粒子速度点の間隔は25mm、算出時間間隔は0.005msecとし、解析時間40msecという条件で行った。
(2)シミュレーション条件
二室間において、扉の下部のみを音が通過し伝搬する状況を想定した。初めに、図6に示すような扉下部に何も加工しない通常の扉において、音波が伝搬してくるレベルを求めた。次に、図7(a)〜(i)に示すように各本体部材11の下面に異なるサイズの孔12(孔12の深さ:40、90、160mm、孔12の直径10、20、30mm)を設けた場合において、音波が伝搬するレベル(単位:dB)を求めた。
二室間において、扉の下部のみを音が通過し伝搬する状況を想定した。初めに、図6に示すような扉下部に何も加工しない通常の扉において、音波が伝搬してくるレベルを求めた。次に、図7(a)〜(i)に示すように各本体部材11の下面に異なるサイズの孔12(孔12の深さ:40、90、160mm、孔12の直径10、20、30mm)を設けた場合において、音波が伝搬するレベル(単位:dB)を求めた。
そして、両者のレベル差から、本体部材11の下面に孔12を設けた場合の遮音効果を算出した。即ち、マイナスのレベル差があれば、本体部材11の下部に孔12を設けることで遮音効果があることを示す。
想定した音場を図8に示す。二室間の伝搬経路は、扉下部の隙間のみとした。音源は、図8に示すように第一室にあると想定し、また、受音点が第二室にあると想定した。なお、これらの位置は室内のどこであっても結果にほとんど影響を及ぼさないものである。
(3)シミュレーション結果
図9(a)〜(i)は、図7(a)〜(i)に示す孔を設けた扉のオクターブバンド毎のレベル差を示すグラフであり、どの周波数帯に効果があるかを示しており、値がマイナスであるほど、レベル減衰があることを示す。図10(a)〜(i)は、図7(a)〜(i)に示す孔を設けた扉のレベル差の周波数特性を示すグラフであり、どの周波数に効果があるかを示す。図11(a)〜(i)は、図7(a)〜(i)に示す孔を設けた扉の受音位置のインパルス応答波形を示すグラフであり、音波の時間的変化を示すものである。
図9(a)〜(i)は、図7(a)〜(i)に示す孔を設けた扉のオクターブバンド毎のレベル差を示すグラフであり、どの周波数帯に効果があるかを示しており、値がマイナスであるほど、レベル減衰があることを示す。図10(a)〜(i)は、図7(a)〜(i)に示す孔を設けた扉のレベル差の周波数特性を示すグラフであり、どの周波数に効果があるかを示す。図11(a)〜(i)は、図7(a)〜(i)に示す孔を設けた扉の受音位置のインパルス応答波形を示すグラフであり、音波の時間的変化を示すものである。
図9(a)〜(i)によれば、周波数によっては若干レベルが上昇するものがあったとしても、それぞれ総合値(図中右端「OA値」)は、全てマイナスの値となり、孔を設けることによって総合的に音が減衰したことがわかった。また、図7(a)(d)(g)の孔12の深さが40mmの場合には、孔12の直径に関わらず周波数が1kHzの音波についてレベルが上昇したが、特に2kHzの音波についてはレベルが大幅に減少した。これら以外の場合、即ち孔の深さが90〜160mmである場合においては、ほぼ全ての周波数帯域において5dB以下ではあるがレベルが減少した。特に、図7(e)孔の直径が20mm、深さが90mmの場合には、全ての周波数においてレベルが減少し、最も好ましかった。
また、図10(a)〜(i)によれば、全ての場合において、1kHz以上で減衰の効果があることが分かった。図11(a)〜(i)によれば、全ての場合において、孔を設けない扉に比べて音波の振幅が小さく、音が小さくなっていることが分かった。
以上の結果から、本体部材11の下面に孔12を設けることで、遮音効果があることが分かった。特に、実施形態1にかかる扉においては、最も遮音効果が高いことが分かった。
1〜4 防音扉
11 本体部材
12 孔
13 積層板
14 化粧板
15 吸音材
11 本体部材
12 孔
13 積層板
14 化粧板
15 吸音材
Claims (4)
- 扉本体の下端面に、深さが40mm以上の複数の孔が下端面の長手方向に沿って一定の距離離間して形成されていることを特徴とする防音扉。
- 前記孔が、その深さが90mm〜160mmとなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の防音扉。
- 前記孔の内面に、吸音材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の防音扉。
- 前記孔の内面に、凹凸面を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防音扉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009116947A JP2009299454A (ja) | 2008-05-14 | 2009-05-13 | 防音扉 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012067548A (ja) * | 2010-09-27 | 2012-04-05 | Sona:Kk | 建物開閉部の遮音構造並びにその構造に用いる開閉物、建材及び遮音器 |
CN103266841A (zh) * | 2013-05-27 | 2013-08-28 | 金陵科技学院 | 一种隔声门 |
JP2017210720A (ja) * | 2016-05-23 | 2017-11-30 | 清水建設株式会社 | ドアシステム |
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2009
- 2009-05-13 JP JP2009116947A patent/JP2009299454A/ja active Pending
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