JP2009292637A - シート後処理装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

シート後処理装置及びこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数ユニットに跨るシートジャムが発生した際に、操作者によるユニットの強引な引き出しを防ぎ、装置の耐久性を高めたシート後処理装置を提供する。
【解決手段】装置フレームと、端綴じユニットと中綴じユニットと中折りユニットと裁断ユニットのうち少なくとも一つのユニットを有する後処理部と、後処理部から後処理されたシート束を受けて積載収納する収納部と、後処理部を構成するユニットUを装置フレームから引き出す引出手段172と、引出手段172を覆うカバー位置と引出手段を露出する退避位置の間で移動自在なカバー部材180と、ユニットからはみ出した状態のシートジャムを検知するジャム検知手段と、を備え、ジャム検知手段がシートジャムを検知した場合、カバー手段180をユニットの引出手段172を覆うカバー位置に移動させる。
【選択図】図32

Description

本願発明は、例えば複写機や印字装置等の画像形成装置から次々に送られてくるシートを順次受け取ってこれを束状に処理し、このシート束に対して端綴じ処理、穿孔処理、中綴じ中折り処理等の後処理を施すシート後処理装置、及びそのシート後処理装置を備えた画像形成装置に関する。
近年、例えば複写機や印字装置、ファクシミリ等の画像形成装置における処理の高速化が進んでおり、その画像形成装置で画像形成されて搬送されてくるシートに対し、綴じ処理や穿孔処理等の所定の後処理を行うシート後処理装置にも高速化が要求されている。しかし、高速化を進めた結果として、装置内の各機能部の劣化頻度も高まってきている。そのため、装置内部のメンテナンス時や、シートジャム等の不具合発生時の対応が容易になるよう、シート後処理装置内部では機能毎にユニットを構成し、このユニット全体を装置外に取り出して交換・修理ができる構造となっている。従って、シートジャムが発生した場合にも、操作者はジャムが発生したユニットを装置外に引き出し、そこからジャムシートを取り除くことで容易に装置を正常な状態に復帰させることができる。
ただし、シートジャムを引き起こしたシートが、1つのユニット内に全て収まっている状態であれば、上記のようにユニットを装置外に引き出して容易にジャムシートを取り除くことができる。しかし、シートが1つのユニットに収まらずに他のユニットや装置内の他の部位に跨った状態で装置が停止してしまうことがある。このような場合に、操作者がシートの一部が収まったユニットを引き出すと、シートは裂けて破損してしまうことになる。その上、破損したシートが装置内部に飛散したり、そのまま残留したりすることになり、その後の装置の動作に悪影響を及ぼす危険性があった。
そこで、従来のシート後処理装置では、上記のようにシートがユニット外に跨った状態でシートジャムが発生した場合に、自動的にユニットを装置外に引き出すことができないようにロックする機構が採用されている。
しかしながら、上記した従来のシート後処理装置では、操作者が自動的にロックされたことに気付かずに無理にユニットを引き出す動作を続けると、ロック機構の破損や装置フレームの歪み等、装置の損傷につながる恐れがあった。
そこで本発明は、上記状況に鑑みて、画像形成装置やシート後処理装置内部でユニット外に跨った状態でのシートジャムが発生した場合に、操作者によるユニットの強引な引き出しを防ぎ、装置の耐久性を高めたシート後処理装置、及びそのシート後処理装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
このため、本発明は、装置フレームと、画像形成装置から前記装置フレーム内に送出されてくるシートを束状に集積してシート束の端部に綴じ処理を施す端綴じユニットと、前記画像形成装置から前記装置フレーム内に送出されてくるシートを束状に集積してシート束の中央部に綴じ処理を施す中綴じユニットと、前記中綴じ処理されたシート束に中折り処理を施す中折りユニットと、前記中折り処理されたシート束の小口端を裁断する裁断ユニットの内、少なくとも一つのユニットを備えた後処理部と、前記後処理部から後処理されたシート束を受けて積載収納する少なくとも1つの収納部と、前記後処理部を構成する前記ユニットの内、少なくとも一つのユニットを前記装置フレームから引き出す引出手段と、前記引出手段を覆うカバー位置と前記引出手段を露出する退避位置の間で移動自在なカバー部材と、前記後処理部内で、前記ユニットからはみ出した状態のシートジャムを検知するジャム検知手段と、を備え、前記ジャム検知手段が前記シートジャムを検知した場合、前記カバー手段を前記ユニットの引出手段を覆うカバー位置に移動させることを特徴とするシート後処理装置を提供する。
ここで、前記ユニットからはみ出したシートが当該ユニット内に収まったことが前記ジャム検知手段により検知された場合には、前記カバー手段を前記カバー位置から前記退避位置へ移動させるようにする。
また、前記後処理部を構成する各ユニットの動作後において、前記ジャム検知手段が前記シートジャムを検知した場合にも、前記カバー手段を前記カバー位置から前記退避位置へと移動させるようにする。
また、前記引出手段は、一方の端に手動操作可能な操作部を有し他方の端に前記装置フレームと係合する係合部を有する揺動自在な引出手段を備えるのが好適である。
そして、本発明はさらに、シート上に画像を形成する画像形成部と、上記の前記シート後処理装置と、により構成された画像形成装置を提供する。
本発明によれば、複数ユニットに跨るシートジャムが発生した際に、ユニットをロックすることなくカバー部材で引出手段を覆うだけの構成としたため、操作者が強引にユニットを引き出すことを防ぎ、シートの破損や装置の損傷を防止することが可能となる。
以下図示の本発明の好適な実施の態様に基づいて本発明を詳述する。図1は本発明に係わる画像形成装置Aと後処理装置Bを備えた画像形成システムを示す全体構成図であり、図2は後処理装置Bの詳細構成の説明図であり、図3はその要部の説明図である。
[画像形成システムの構成]
図1に示す画像形成システムは画像形成装置Aと後処理装置(シート処理装置;以下同様)Bとから構成されている。そして画像形成装置Aの排紙口3に後処理装置Bの搬入口23が連結され、画像形成装置Aで画像形成されたシートを後処理装置Bでステープル綴じしてスタックトレイ21及びサドルトレイ22に収納するように構成されている。
[画像形成装置の構成]
画像形成装置Aについて図1に従って説明する。この画像形成装置Aは、給紙部1からシートを画像形成部2に送り、画像形成部2でシートに印刷した後、排紙口3から排出するように構成されている。給紙部1は複数サイズのシートが給紙カセット1a、1bに収納してあり、指定されたシートを1枚ずつ分離して画像形成部2に給送する。画像形成部2は例えば静電ドラム4と、その周囲に配置された印字ヘッド(レーザ発光器)5と現像器6と、転写チャージャ7と定着器8が配置されている。画像形成装置2は、静電ドラム4上にレーザ発光器5で静電潜像を形成し、これに現像器6でトナーを付着し、転写チャージャ7でシート上に画像を転写し、定着器8で加熱定着し画像形成する。このように画像形成されたシートは排紙口3から順次搬出される。図示9は循環経路であり、定着器8から表面側に印刷したシートを、スイッチバック経路10を介して表裏反転した後、再び画像形成部2に給送してシートの裏面側に印刷する両面印刷の経路である。このように両面印刷されたシートはスイッチバック経路10で表裏反転された後排紙口3から搬出される。
図示11は画像読取装置であり、プラテン12上にセットした原稿シートをスキャンユニット13で走査し、図示しない光電変換素子で電気的に読み取る。この画像データは画像処理部で例えばデジタル処理された後、データ記憶部14に転送され、前記レーザ発光器5に画像信号を送る。また、図示15は原稿送り装置であり、スタックトレイ16に収容した原稿シートをプラテン12に給送するフィーダ装置である。
上記構成の画像形成装置Aには図30に示す制御部(コントローラ)150が設けられている。画像形成装置Aのコントロールパネル18から画像形成条件、例えばシートサイズ指定、カラー・モノクロ印刷指定、プリント部数指定、片面・両面印刷指定、拡大・縮小印刷指定などの印刷条件が設定される。一方、画像形成装置Aには上記スキャンユニット13で読み取った画像データ或いは外部のネットワークから転送された画像データがデータ貯蔵部17に蓄積される。データ貯蔵部17から画像データはバッファメモリ19に転送され、このバッファメモリ19から順次レーザ発光器5にデータ信号が移送されるように構成されている。
上記コントロールパネル18からは上述の片面/両面印刷、拡大/縮小印刷、モノクロ/カラー印刷などの画像形成条件と同時に後処理条件も入力指定される。この後処理条件は例えば「プリントアウトモード」「綴じ仕上げモード」「冊子仕上げモード」などが選定される。
[後処理装置の構成]
後処理装置Bは、画像形成装置Aの排紙口3から画像形成されたシートを受け入れ、(i)このシートをスタックトレイ21に収容するか(前述の「プリントアウトモード」)、(ii)排紙口3からのシートを束状に部揃えしてステープル綴じした後、スタックトレイ(第1スタックトレイ)21に収納するか(前述の「綴じ仕上げモード」)、(iii)排紙口3からのシートを束状に部揃えしてその中央をステープル綴じした後、冊子状に折り畳んでサドルトレイ(第2スタックトレイ)22に収納(前述の「冊子仕上げモード」)する為以下のように構成されている。
後処理装置Bのケーシング(装置フレーム)20には搬入口23aが設けられ、この搬入口23aは画像形成装置Aの排紙口3に連結されている。そしてケーシング20内には搬入口23aからのシートを部揃え集積して綴じ仕上げする第1処理部BX1と、搬入口23aからのシートを部揃え集積して冊子仕上げする第2処理部BX2が設けられている。第1処理部BX1と搬入口23aとの間には第1搬入経路P1が、また第2処理部BX2と搬入口23aとの間には第2搬入経路P2がそれぞれ設けられ、搬入口23aからのシートを第1処理部BX1と第2処理部BX2に振り分けて案内するようになっている。搬入口23aには、搬入ローラ23と、シートセンサS1と上記第1又は第2搬入経路P1、P2にシートを振り分ける経路切換手段(フラッパ部材)24が設けられている。
第1搬送経路P1にはパンチユニット60と処理トレイ29との間に「バッファ経路P3」が設けられている。このバッファ経路P3は処理トレイ29上に部揃え集積したシート束にステープル綴じ等の後処理を施す際、この後処理動作中にシート搬入口23aに送られた後続シートを一時的に滞留させる。このため第1搬送経路P1には処理トレイ29に至る経路上流側に図1に示すようにケーシング20の鉛直方向にバッファ経路P3が分岐して配置されている。そして第1搬送経路P1からのシートをスイッチバックさせてこの経路に滞留させるようになっている。従って処理トレイ29に部揃え集積したシート束に後処理(後述の端綴じ処理)を施す際に、搬入口に送られる後続シートを一時的に滞留させ、処理トレイ29の処理シートが搬出された後、この経路の後続シートをトレイ29に移送することが可能となる。
上記第1搬入経路P1はケーシング20で構成される装置ハウジングの上部に略々水平方向に配置され、この第1搬入経路P1の下流側に第1処理部BX1が、その下流側にスタックトレイ21が配置されている。また上記第2搬入経路P2はケーシング20の下部に略々鉛直方向に配置され、この第2搬入経路P2の下流側に第2処理部BX2が配置され、その下流側にサドルトレイ22が配置されている。尚上記第1搬入経路P1には搬入口23と第1処理部BX1の間に後述するパンチユニット60が配置さている。上記第2搬入経路P2には、第2処理部BX2とサドルトレイ22との間に後述するトリマユニット(裁断ユニット)90が配置されている。
上記第1搬入経路P1には経路出口端に排紙ローラ25と排紙口25xが設けられ、この排紙口25xには排紙センサS2が配置され、この第1搬入経路P1を通過するシートを検出してジャム検出とシートの通過枚数をカウントするように構成されている。そしてこの排紙口25xの下流側に段差を形成して下記の処理トレイ29が配置されている。また、上記第2搬入経路P2には搬送ローラ27が設けられ、その下流側に段差を形成して後述する集積ガイド45が配置されている。
[第1処理部の構成]
上述の第1処理部BX1は、第1搬入経路P1に配置された処理トレイ29と、この処理トレイ29に配置された端綴じユニット31と、アライニング手段51で構成されている。
[処理トレイの構造]
処理トレイ29は合成樹脂プレートなどで形成され、シートを積載支持するシート支持面29aを備えている。このシート支持面29aは排紙口25xの下流側に段差を形成して配置され排紙口25xからのシートを積載収納するようになっている。図示のシート支持面29aは、シートの排紙方向長さより短い長さ寸法に形成され、排紙口25xからのシートの後端部を支持し、シート先端部はスタックトレイ21の最上シートの上に支持(ブリッジ支持)するようになっている。
上記処理トレイ29には、シート端規制手段32が設けられ、排紙口25xからのシート後端(又は先端であっても良い)を突き当てて整列する。そして処理トレイ29の上方にはトレイ上に搬入したシートをシート端規制手段32に移送するスイッチバックローラ(第1の摩擦回転体;以下同様)26(可動ローラ26a、固定ローラ26b)と、アライニング手段51と、サイド整合手段34が配置されている。以下各構成について説明する。
[シート端規制手段の構成]
上記処理トレイ29には、搬入されたシートの先後端の一端縁を位置決めするシート端規制手段32が配置されている。図4に示すシート端規制手段32は、シートの後端縁を突き当て規制するシート端面規制面32aと、最上シートの上紙面を位置規制するシート上面規制面32bを有するストッパ部材で構成されている。このシート端規制手段32は処理トレイ29の後端縁に配置され、後述するスイッチバックローラ26とアライニング手段51で移送されるシートの後端縁を突き当て規制して、予め設定されている後処理位置(綴じ位置;以下同様)にシートを位置決めする。このときシート上面規制面32bは先端がカールしたシートの反り返り面を規制し、シート端面規制面32aでシート端縁を位置規制するようになっている。
図示のシート端面規制面32aとシート上面規制面32bは、樹脂、金属板などで一体形成されたストッパ部材で構成されているがこの両規制面は個別の部材で形成することも可能である。図示のシート端規制手段32は、シート幅方向のセンターに固定ストッパ部材32Aが、シート左右端部に第1,第2可動ストッパ部材32B、32Cが、それぞれ所定間隔で配置され、これ等の複数のストッパ部材で構成されている。尚、図示32sはシート先端のカールを矯正するために各ストッパ部材に取り付けられた板バネである。
このようにシート左右端部に位置する第1,第2可動ストッパ部材32B、32Cはシートサイズに応じて位置移動するようになっている。このため処理トレイ29の底面壁に右スライド部材38aと左スライド部材38bがシート幅方向に移動可能に嵌合支持されている。そしてこの左右のスライド部材38a、38bに第1可動ストッパ部材32Bと第2可動ストッパ部材32Cが固定されている。この左右のスライド部材38a、38bは後述するようにシートサイドを整合する整合板34L、34Rに連動するように連結されている。
上述のように構成されたシート端規制手段32は、少なくともシート上面規制面32bがシート積載方向に上下動可能に構成されている。これは後述するシート束搬出手段100で処理トレイ29上のシート束をトレイから搬出する際に、このシート束搬出手段100でトレイ29上のシート束を上方に持ち上げることがあり、このシート束の上方移動に追従してシート上面規制面32bを上方移動させるためである。
このため図4に示すように上記固定ストッパ部材32Aは処理トレイ29の底壁に揺動可能に軸支持され、付勢バネ33で図示下方に付勢支持されている。また第1,第2可動ストッパ部材32B、32Cは上記左右のスライド部材38a、38bにそれぞれ弾性変形可能(図示32α部位)に取り付けられている。
[シート移送手段の構成]
上述の処理トレイ29には排紙口25xから搬入されたシートを前述のシート端規制手段32に案内するシート移送手段(スイッチバックローラ)26が配置されている。このシート移送手段26は排紙口25xから処理トレイ29に搬出されたシートをシート端規制手段32に移送するローラ、ベルトなどの摩擦回転体で構成される。以下図示のスイッチバックローラ機構に従ってこれを説明する。
上記スイッチバックローラ26は図5に示すように処理トレイ29の上方に配置され、
処理トレイ上の最上シートを正逆方向に搬送するように構成されている。そしてこのスイッチバックローラ26は処理トレイ29上のシートと接する作動位置(図5(c)の状態)と、このシートの上方に離間した待機位置(図5(b)の状態)との間で上下動するように昇降支持アーム28に軸支持されている。つまりこの昇降支持アーム28は、装置フレーム(不図示)に揺動回転軸28aで揺動可能に軸支持され、この揺動回転軸28aにはピニオン28pを介して昇降モータ(アーム駆動手段;以下同様)MYが連結されている。尚上記昇降支持アーム28には図示しないポジションセンサが配置され、昇降支持アーム28の位置を検出して待機位置と作動位置との間で昇降制御するようになっている。
上記昇降支持アーム28に軸支持された可動側のスイッチバックローラ26aは、図示しない正逆転モータに伝動手段を介して連結され、処理トレイ29上に搬入されたシートを排紙方向及びその反対方向に正逆転するようになっている。そこで上記スイッチバックローラ26aのローラ回転軸26zは図5(a)に示すように昇降支持アーム28に形成した長溝28uに軸承され、シート積載方向(図5(a)上下方向)に上下動可能に軸支持されている。そしてこの可動側のスイッチバックローラ26aには紙面接触センサSsが設けられている。尚図示28zはローラ回転軸26zを常時下方に付勢する板バネであり、スイッチバックローラ26aが下降する際に軸が浮き上がって紙面接触センサSsの誤作動を防止するためである。
「紙面接触センサ」
上記スイッチバックローラ26aには、上記長溝28uに沿って上下動するローラ回転軸26zを位置検出する紙面接触センサSsが設けられている。この紙面接触センサSsは上述の昇降支持アーム28に固定配置され、スイッチバックローラ26aが処理トレイ上の最上シートに当接した接触圧で長溝28u内を移動(上方移動)するローラ回転軸26zを位置検出するように構成されている。このため昇降支持アーム28には、揺動回転軸28aと異なる位置に回転中心o1を有するセンサレバー30が設けられ、このセンサレバー30の先端部にローラ回転軸26zが軸連結されている。そしてセンサレバー30の後端部に形成されたセンサフラグ30fを検出するホトセンサで紙面接触センサSsが構成されている。
このように構成されたスイッチバックローラ26aは、昇降モータMYで昇降支持アーム28を上下揺動することによって処理トレイ上方の待機位置(図5(b))と、処理トレイ上に搬入されたシートと接する作動位置(図5(c))との間で上下動することとなる。そして上記昇降支持アーム28に配置された紙面接触センサSsで処理トレイ29上に搬入されたシートにスイッチバックローラ26aが当接するのを検出することとなる。
「制御手段の構成」
そこで上記昇降モータMYを制御する制御手段165は次のように構成されている。昇制御手段165は後述する制御CPU160で構成され、昇降支持アーム28を待機位置と作動位置との間で昇降制御する。まずこの制御手段165は昇降支持アーム28に配置されているポジションセンサ(不図示)で待機位置に静止されている。そして前述の排紙口25xから搬出されるシートの先端をシートセンサS2で検出し、シート先端が直下を過ぎった見込み時間の後、昇降モータMYを図5(a)反時計方向に回転する。すると昇降支持アーム28は揺動回転軸28aを中心に図5(a)反時計方向に回転する。これによってスイッチバックローラ26aのローラ回転軸26zは長溝28uで支持されているので昇降支持アーム28と略々同一の速度で待機位置(図5(b))から作動位置(図5(c))に降下する。このときスイッチバックローラ26aに連結されているセンサレバー30は昇降支持アーム28と同一速度で同一方向に移動(下降)している。
このとき昇制御手段165は、昇降支持アーム28の下降速度(昇降モータMYの回転速度)Vaを可動側のスイッチバックローラ26aが長溝28u内を自重で落下する速度(自由落下速度)Vrより等しいかそれより遅く(Va≦Vr)なるように設定してある。これは長溝28u内を自由落下するスイッチバックローラ26aより昇降支持アーム28の下降速度Vaを早くするとローラが不安定となりリバウンドなどで紙面接触センサSsが誤作動するのを防止するためである。つまりスイッチバックローラ26aの落下する速度Vrを昇降支持アーム28の速度で制限して緩やかに下降させることによって紙面接触センサSsのチャタリングなどの誤検出を防止する。
次に上記スイッチバックローラ26aの周面が処理トレイ29上の最上シートの上に当接するとスイッチバックローラ26aは最上シートの上に静止するが、昇降支持アーム28は同一方向に揺動して降下する。このとき紙面接触センサSsはセンサレバー30が中央の回転中心o1を中心に時計方向(図5(c)矢示方向)に揺動する。すると紙面接触センサSsがセンサレバー30を検知して「ON」する。この紙面接触センサSsの検知信号で昇降モータMYを停止する。このように制御することによってスイッチバックローラ26aは処理トレイ29上に積載されているシートの集積量の大小に関係なく常に一定の圧接力(例えば自重)Ptで最上シートに当接する(図5(c)参照)。
このスイッチバックローラ26aの作動位置への降下と相前後して制御手段165は正逆転モータ(不図示)を駆動してスイッチバックローラ26aを正逆転させる。すると排紙口25xから処理トレイ29の最上シートの上に搬入されたシートは一定の搬送力を受けて、排紙方向及び排紙反対方向に移送される。尚、図示の装置は排紙口25xからのシートを排紙口から排紙方向に搬送するときは、スイッチバックローラ26aを図示時計方向に回転し、シート先端を処理トレイ29に引き込む。そしてシート後端が排紙口25xを通過した後は、このスイッチバックローラ26aを逆転させてシート端規制手段32側にスイッチバック搬送する。このシート搬送の過程でシートとスイッチバックローラ26aとは処理トレイ上のシートの積載量に拘わらず一定の押圧力で係合し、予め設定された所定の搬送力をシートに付与することとなる。
「アライニング機構」
処理トレイ29上には上述のスイッチバックローラ26aと共にシートをシート端規制手段32に移送するアライニング機構(アライニング手段)51が備えられている。このアライニング手段51は、図6(a)に示すように排紙口25xの直下に配置され処理トレイ29に搬入されたシートの後端を掻き込んでシート端規制手段32に向けて移送する摩擦回転体52で構成されている。
摩擦回転体52はゴム質材、スポンジ(多孔性発泡体)その他のローラ、ベルトなどの回転体で構成され、トレイ上の最上シートと係合してその摩擦力で所定方向に移送する。図示の摩擦回転体52は処理トレイ29上に集積されたシートの積載量に応じて上下動するように構成されている。このため装置フレーム(不図示)に揺動回転軸53で回動自在に軸支持した昇降支持アーム54に摩擦回転体(ローラ)52が軸受け支持されている。この揺動回転軸53には駆動ピニオン53pが取付けられ、この駆動ピニオン53pにステッピングモータMCが連結されている。そして上記駆動ピニオン53pと揺動回転軸53との間にはトルクリミッタ(不図示)が内蔵されている。従って昇降支持アーム54は、これに取り付けられた摩擦回転体52が処理トレイ29上の最上シートに当接すると、その反力でトルクリミッタが空転し、常に一定の圧力で最上シートと係合する。
このため、処理トレイ29上に集積されたシートの積載量の大小に拘わらず摩擦回転体52はその最上シートの上に係合し、この位置で昇降支持アーム54は停止する。そしてこの昇降支持アーム54は最上シートの上に停止した後、図示しないトルクリミッタが空転して所定の押圧力を摩擦回転体52に付加する。尚、上記揺動回転軸53には遊動プーリが軸支持され、このプーリに図示しない駆動モータが連結されている。そしてこの駆動モータの回転力をプーリからベルトなどで摩擦回転体52に伝達している。このように構成された摩擦回転体52は、図6(b)(c)に示す作動位置で図6反時計方向に回転し処理トレイ上に搬入されたシートをシート端規制手段32に向けて移送するようになっている。
上述の昇降支持アーム54には摩擦回転体52の上流側に搬入ガイド54aが、下流側に搬出ガイド54bが取り付けられている。そして搬入ガイド54aは摩擦回転体52にシート先端を案内するガイド形状に、搬出ガイド54bは摩擦回転体52とシート端規制手段32との間に位置して、このシート端規制手段32にシート先端を案内するガイド形状にそれぞれ構成されている。
「搬入ガイド」
上記搬入ガイド54aは図6(a)に示すように昇降支持アーム54に一体形成され、摩擦回転体52の周面方向にシート先端を案内するようにシート搬入側が高く摩擦回転体側が低くなるように傾斜したテーパ面54a1が設けられている。従って前述のスイッチバックローラ26aでシート端規制手段32に向けて送られたシートの後端がカールして反り上がっていてもこのテーパ面54a1に沿って摩擦回転体52に案内されることとなる。この搬入ガイド54aは昇降支持アーム54に一体形成されているため処理トレイ上のシートの積載量に応じて上方に持ち上げられることとなる。このように摩擦回転体52に一体に搬入ガイド54aを形成したのは、回転体のローラ径を小さく(小型化のため)形成すると後端がカールしたシートはローラに巻き込まれてジャムする。そこで搬入ガイドで案内する際に、シートの積載量に応じてガイド面(上述のテーパ面)とローラ周面との角度関係が変化してジャムを引き起こす。このような不具合を解決するために摩擦回転体52と搬入ガイド54aとを一体化してシート積載量に応じて上下動するように構成してある。
「搬出ガイド」
上記搬出ガイド54bは摩擦回転体52で送られたシートの後端側を上方からガイドしてシート端規制手段32に案内するガイド面54b1を備えている。この搬出ガイド54bも搬入ガイド54aと同様に昇降支持アーム54に一体形成され、摩擦回転体52と一体に構成してある。従って処理トレイ上のシートの積載量に応じて上方に繰り上がることとなる。
そこで上記搬入ガイド54aと搬出ガイド54bとは、図6(d)に示すように処理トレイ29の最上シートに対して、搬入ガイド54aと最上シートとの間隔(L1)は搬出ガイド54bと最上シートとの間隔(L2)より、大きく(L1>L2)設定されている。
「キッカー手段の構成」
また上記搬入ガイド54aは、その上流側に配置されたキッカー手段55と協働して排紙口25xからのシートを摩擦回転体52に案内するようになっている。このキッカー手段55について説明する。上述したように、排紙口25xと処理トレイ29との間には段差が形成され、そして排紙口25xからスイッチバックローラ26aで送られたシートの後端は処理トレイ29上に落下する。そこで排紙口25xにはキッカー手段55が設けられている。
このキッカー手段55は図6(a)に示すように回転軸56で装置フレームに取付けられた基端揺動レバー55aと先端キックレバー55bとで構成されている。この基端揺動レバー55aの回転軸56には駆動モータ57が歯車で連結されている。また先端キックレバー55bの先端に回動可能に軸連結されている。そして図6(e)及び(f)に示すように回転軸56は駆動モータ57によって所定回転角度で揺動し、この回転軸56に歯車、ベルトを介して先端キックレバー55bの軸支点55b1が連結されている。そこで図6(e)破線位置(待機位置)のキッカー手段55は駆動モータ57を同図時計方向に回転すると基端揺動レバー55aは同図矢示a方向(反時計方向)に揺動する。このとき先端キックレバー55bは回転軸56と歯車、ベルト連結されているため同図矢示b方向(時計方向)に回転する。従って駆動モータ57を正回転(図示時計方向回転)することによってキッカー手段55は図6(e)破線状態から実線状態に移動し、このとき排紙口25xからのシート後端を下方の処理トレイ29上に殴打する。
そして後述する制御CPU160は排紙口25xの排紙センサS2をシート後端が通過した検知信号でシート後端が排紙ローラ25を通過するタイミングで駆動モータ57に通電してシート後端をトレイ上に蹴落とす。このキッカー手段55で落下させたシート後端を上述の搬入ガイド54aで摩擦回転体52に案内するように配置されている。
[サイド整合手段の構成]
上記処理トレイ29にはシートを幅寄せ整合するサイド整合手段34が配置されている。このサイド整合手段34は排紙口25xから処理トレイ29に搬入されたシートのセンターを基準に位置合わせするセンター基準と、シートの左右一側縁を基準に位置合わせするサイド基準のいずれかが採用される。図4に示す斜視図及び図7、図8に示す動作状態図に従って説明する。
サイド整合手段34は図4に示すように、処理トレイ29上のシートの左側縁と係合する左整合板34Lと、シートの右側縁と係合する右整合板34Rとで構成される。この左右の整合板34L、34Rはそれぞれ処理トレイのシート支持面29aに形成されているガイド溝(図4参照)に嵌合支持され、シート幅方向に位置移動可能になっている。そして処理トレイ29の底部には図7に示すようにガイド溝に沿って一対のプーリ35が配置され、このプーリ35にベルト36が架け渡してある。このベルト36に左右の整合板34L,34Rが固定されている。また上記プーリ35の一方にはシフトモータMZ1、MZ2が連結してある。
このような構成で左右一対形成されている左整合板34Lと右整合板34Rとは、それぞれのシフトモータMZ1,MZ2の駆動でシート幅方向左右に位置移動する。そこで、左右のシフトモータMZ1,MZ2を同期して反対方向に同一量回転駆動することによって処理トレイ上に搬入されたシートをセンター基準で整合することが可能となる。図7(a)は大サイズシートを整合する状態を、(b)は中サイズシートを整合する状態を示している。また図8(c)は小サイズシートを整合する状態を示している。一方処理トレイ上にセンター基準で整合したシート束は、左右のシフトモータMZ1,MZ2を同一方向に同一量回転駆動することによってシートをオフセットすることが可能となる。図8(d)は大サイズシートをオフセット移動する場合を示す。このように大サイズシートを所定量オフセットするのは後処理位置がシートコーナに偏っている場合(後述するコーナステープル)に後処理手段31を装置側方に移動する必要があり、装置の大型化をもたらす。そこで処理トレイ29上に集積されたシート束を所定量オフセットすることによってコーナ綴じなどの後処理を可能とする。これによって装置の小型コンパクト化が達成される。
[整合板と可動ストッパの連動機構]
上述のように構成された左右一対の整合板34L,34Rは、前述したシート端規制手段32と次のように連動している。また、前述のシート端規制手段32は左可動ストッパ(第2可動ストッパ部材)32Cと、右可動ストッパ(第1可動ストッパ部材)32Bを備えている。この左右の可動ストッパ32B,32Cは、処理トレイ29にシート幅方向に移動可能に嵌合支持された左右のスライド部材38a、38bに連結されている。
そこで、上記左右の可動ストッパ32B,32Cは、左右の整合板34L,34Rに図7(a)に示すように連結スプリング37で連結されている。つまり右可動ストッパ32Bを備えた右スライド部材38aは連結スプリング37aで連結され、左可動ストッパ32Cを備えた左スライド部材38bは連結スプリング37bで連結されている。そしてシート幅方向に左右整合板34L,34RはストロークLS1間で往復動する。これに対して左右の可動ストッパ32B,32CはストロークLS2間で従動運動する。このため左右の可動ストッパ32B,32Cには図示しない止め部材が処理トレイ29側に配置してある。
そして上記ストロークLS1、LS2はLS1>LS2に設定してあり、左右の整合板34L,34Rの移動に連動して左右の可動ストッパ32B,32Cは、この止め部材に突き当るまで同一量ずつ移動する。可動ストッパ32B,32Cは止め部材に突き当たった後はこの位置に停止し、整合板34L,34Rは更に移動する。このとき両者間を連結する連結スプリング37a,37bが伸びる(伸張する)こととなる。従って左右の整合板34L,34Rはシートサイズに応じたストロークLS1間で位置移動し、可動ストッパ32B,32CはストロークLS2間で移動する。このように左右の可動ストッパ32B,32Cのストロークを短く設定したのはシート中央に後述するシート束搬出手段100が配置されているためである。
上述のようにシート端規制手段32を構成する左右の可動ストッパ32B,32Cをサイド整合手段34に連動させ、この両者の移動ストロークを異ならせる場合に、図示実施形態では連結スプリング37を用いる形態について説明したが、左右の整合板34L,34Rと左右の可動ストッパ32B,32Cとは「滑り伝動機構」或いは「減速伝動機構」を用いても良い。
「滑り伝動機構」の場合は、左右の整合板34L,34Rと左右の可動ストッパ32B,32Cとを滑り摩擦クラッチで連結し、左右の可動ストッパ32B,32Cが止め部材に突き当たった後はクラッチ板が滑り運動するように構成する。また「減速伝動機構」は左右の整合板34L,34Rと左右の可動ストッパ32B,32Cとを歯車伝動機構で連結し、このとき整合板34L,34RはストロークLS1で移動し、可動ストッパ32B,32CはストロークLS2で移動するように歯車比を設定する。
上記サイド整合手段34の制御について説明する。尚上述の左右の整合板34L,34Rには、予め設定したホームポジションにポジションセンサが配置され、装置起動時には左右の整合板34L,34Rはホームポジションに位置している。そこで後述する制御CPU160は画像形成装置Aから画像形成されるシートのサイズ情報を受信し、この情報に基づいて制御手段166は左右の整合板34L,34Rを所定の待機位置に位置させる。この待機位置は処理トレイ29に送られるシートの幅サイズから所定量離れた位置(整合可能な移動幅を形成する位置)に設定されている。そこで制御CPU160は排紙口25xから搬出されたシートの後端が処理トレイ上に搬入される見込み時間の後(排紙センサS2からタイマ時間経過後)左右のシフトモータMZ1,MZ2を反対方向に所定量ずつ同期回転する。すると処理トレイ上に搬入されたシートは幅寄せ整合される。
「コーナステープルモード」
また制御CPU160は、後述するステープル手段(端綴じユニット)31で処理トレイ上に部揃え集積したシート束を綴じ合わせる際に、左右の整合板34L,34Rをシート幅方向に所定量移動してオフセットするように構成されている。これは、シートコーナを綴じる際にステープル手段31をこの位置に移動する装置構成の場合には、装置がシート幅方向に大型化する。このため図示の装置はコーナステープルモードのときには左右の整合板34L,34RのシフトモータMZ1,MZ2を同一方向に同一量駆動することによって処理トレイ上のシート束をオフセットする。
[シート束搬出手段の構成]
上記処理トレイ29には処理済みシート束を下流側のスタックトレイ21に搬出するシート束搬出手段100が配置されている。このシート束搬出手段100は、上記処理トレイ29の底部に配置され、シート支持面29aの上方に突出してシート束と係合するシート係合部材105と、このシート係合部材105を搭載支持するキャリア部材110とで構成されている。図9はシート束搬出手段100の斜視構成を示す説明図であり、図10は平面構成を示す説明図、図12は駆動機構の説明図である。
シート束搬出手段100は図9及び図13に示すように、シート係合部材105とキャリア部材110と、係合部材駆動手段127とキャリア部材駆動手段114で構成されている。シート係合部材105は可動グリッパ105aと固定グリッパ105bとで構成されている。またキャリア部材110は、シート係合部材105を搭載し、処理トレイ29の基端部(後処理位置)から先端部(束搬出位置)に往復動するように構成されている。以下各構成について説明する。
「シート係合部材」
シート係合部材105は、処理トレイ上に集積されたシート束の後端縁と係合する突起片、グリッパなどの係合部材で構成され、処理トレイ29のシート支持面29aに形成されたガイド溝29G内に配置されている。図10に示すように処理トレイ29には処理位置とこの処理トレイ29の下流側に配置されているスタックトレイ21との間にガイド溝29Gがシート束搬出方向(以下単に「束搬出方向」という)に形成されている。図示のものはシート幅方向に距離を隔てて2つのガイド溝29G1,29G2が形成され、この左右のガイド溝29G1、29G2それぞれにシート係合部材105が以下のように配置されている。
図示のシート係合部材105は、処理トレイ29上のシート束の後端縁をグリップして搬出するグリッパ機構で構成されている。図9及び図13に示すように可動グリッパ105aと固定グリッパ105bがピボットピン(連結軸)106で互いに揺動するように連結されている。そして可動・固定両グリッパ間には付勢スプリング107が設けられ、可動グリッパ105aの先端ニップ部105axと固定グリッパ105bの先端ニップ部105bxとが常時圧接するようになっている(図13(a)参照)。
そこで上記固定グリッパ105bは、キャリア部材110に形成した案内溝115に搬出方向に位置移動可能に嵌合支持されている。また上記可動グリッパ105aの後端部はキャリア部材110に内蔵した走行ベルト116に連結スプリング117で連結されている。従って、後述するキャリア部材110の走行ベルト116が図13左方向に移動すると固定グリッパ105bと可動グリッパ105aはその先端ニップ部105ax、105bxが圧接した状態でシート束搬出方向に移動する(図13(a)の状態)。この走行ベルト116が図13右側に逆送されると可動グリッパ105aはピボットピン106を中心に時計方向に揺動し、先端ニップ部105axは固定グリッパ105bの先端ニップ部105bxから離間してニップ解除される(図13(b)の状態)。
「キャリア部材」
次に上述のシート係合部材(以下「グリッパ部材(手段)」という)105を搭載支持するキャリア部材110について説明する。図9及び図13に示すようにこのキャリア部材110は、グリッパ部材(手段)105を担持する適宜形状のフレーム部材で構成され、処理トレイ29に形成したガイド溝29Gに沿ってシート束搬出方向に移動可能に支持されている。
その支持構造について説明すると、キャリア部材110の後端部110bは図10に示すスライド部材119に沿って直線的に往復動するように支持されている。またキャリア部材110の先端部110aは下記のループ案内溝29Gaに沿ってループを描いて往復動する。これによってキャリア部材110に搭載されるグリッパ部材(手段)105は、処理トレイ上に突出した上部パスで待機位置から搬出位置に移動し、シート束をスタックトレイ21に搬出した後は処理トレイ内に没した下部パスで待機位置に復帰するようになっている。図示111はキャリア部材110の先端部に設けられたガイドピンであり、ループ案内溝29Gaに嵌合されている。
「スライド部材」
上記スライド部材119は、図10に示すように処理トレイ29の底部に配置されたガイドレール121に嵌合支持され、ガイド溝29Gと同一方向(図10上下方向)に所定ストロークで往復動可能に支持されている。このスライド部材119には駆動回転軸125が装架され、この駆動回転軸125にキャリア部材110の後端部110bが軸連結されている。この軸連結の状態を図13に示すが、キャリア部材110は、その後端部110bの駆動回転軸125でシート束搬出方向に所定ストロークで往復動するように連結され、同時にその先端部110aはこの駆動回転軸125を中心に揺動可能となる。なお、上記スライド部材119には後述する駆動アーム(クランク部材)126が連結され、この駆動アーム(クランク部材)126によって所定ストローク間を往復動する。また、上記駆動回転軸125には後述する走行ベルト116の駆動プーリが連結され、この駆動回転軸125に係合部材駆動手段127が連結されている。
「ループ案内溝」
上記ガイド溝29Gの左右側壁には互いに対向するループ案内溝29Gaが形成されている(図10参照)。このループ案内溝29Gaに上記キャリア部材110の先端部110aに形成したガイドピン111が嵌合支持されている。このループ案内溝29Gaは、図11に示すように処理トレイのシート支持面29aに沿って上部走行パス113aと下部走行パス113bを有するループ形状に構成されている。そして上記ガイドピン111は待機位置から搬出位置に上部走行パス113aに沿って移動(往路)し、搬出位置から待機位置に下部走行パス113bに沿って移動(復路)する。
上述のようにスライド部材119とループ案内溝29Gaに支持されたキャリア部材110は図11に示すように待機位置からスタックトレイ21側に移動するときにはガイドピン111が上部走行パス113aに倣ってキャリア部材110は略々水平姿勢で移動する。また、スタックトレイ21から待機位置に復帰するときにはガイドピン111が下部走行パス113bに倣ってキャリア部材110は傾斜した状態で移動する。
また、図11に示すようにガイド溝29Gにはシート係合部材(可動グリッパ部材)105aに設けられたガイドピン108を案内するループ溝112が形成されている。このループ溝112に沿って可動グリッパ105aと固定グリッパ105bが移動する。
そして後述するように上記キャリア部材110に搭載されたシート係合部材(グリッパ部材)105は、キャリア部材110のガイドピン111が上部走行パス113aに案内されてシート束搬出方向に移動するときにはシート係合部材(グリッパ部材)105は処理トレイ29の上方に突出した作動姿勢となり、ガイドピン111が下部走行パス113bに案内されて待機位置に移動するときにはシート係合部材(グリッパ部材)105はガイド溝内に没入した待機姿勢となるようになっている。この状態を図15乃至図17に従って後述する。
このように構成されたキャリア部材110には、図13に示すようにシート束搬出方向前後に一対のプーリ130a、130bが設けられ、このプーリ間に走行ベルト116が架け渡してある。そして一方の駆動プーリ130bは前述の駆動回転軸125に軸支持されている。従ってこの駆動回転軸125の回転でシート係合部材(グリッパ部材)105は、キャリア部材110と重畳する基端格納位置(後述する図15(a)の状態)とキャリア部材110からシート束搬出方向に突出した先端搬出位置(後述する図17(h)の状態)との間で移動可能に構成されている。
「シート係合部材の搭載構造」
上述のキャリア部材110は処理トレイ29の底部に配置され、その上部にシート係合部材(グリッパ部材)105が搭載されている。シート係合部材(グリッパ部材)105は前述したように固定グリッパ105bの上部に可動グリッパ105aがピボットピン106で連結されている。そこでこの固定グリッパ105bは、キャリア部材110にシート束搬出方向に位置移動可能に支持されている。図示115はキャリア部材110に形成されたスライド案内溝で、この案内溝115に固定グリッパ105bが嵌合支持されている。また可動グリッパ105aはピボットピン106で固定グリッパ105bに揺動可能に支持されているが、その後端部はキャリア部材110に内蔵した走行ベルト116に連結スプリング117で連結されている。上記キャリア部材110と、シート係合部材(グリッパ部材)105とは、図12及び図13に示すようにそれぞれキャリア駆動手段114と係合部材駆動手段127を備えている。
「キャリア駆動手段」
上記キャリア部材110は、図10に示すように、駆動回転軸125でスライド部材119に連結(結合)されている。そこで図13に概念化して示すようにスライド部材119には軸ピン122が一体形成され、この軸ピン122に駆動アーム126が嵌合されている。この駆動アーム126はクランク部材で装置フレームに軸承された揺動軸131を中心に揺動するように駆動モータMHに連結されている。そして駆動アーム126と軸ピン122とはスリット(長穴)連結されている。従って駆動モータMHで駆動アーム126を所定角度前後動するとスライド部材119は所定ストロークで前後に往復動する。この駆動アーム126の前後動でキャリア部材110の後端部110bは直線軌跡で前後動し、その先端部110aはループ案内溝29Gaに沿ってループ軌跡で前後動することとなる。このようにキャリア部材110には、処理トレイ29に沿ってこのキャリア部材110をシート束搬出方向に位置移動するキャリア駆動手段114を備えている。
「係合部材駆動手段」
シート係合部材(グリッパ部材)105を構成する固定グリッパ105bと可動グリッパ105aは、互いにピボットピン106で連結されている。そして固定グリッパ105bはキャリア部材110にスライド案内溝115に沿ってシート束搬出方向に前後動可能に支持されている。また可動グリッパ105aの後端部はキャリア部材110の走行ベルト116に連結スプリング117で連結されている(以上図13参照)。そこで図13に概念的に示すようにキャリア部材110に設けられた走行ベルト116には、その駆動プーリ130bに駆動モータMEが連結されている。この駆動モータMEは正逆転可能なモータで構成され、これを正方向に回転すると走行ベルト116は図13左方向に移動する。この走行ベルト116の移動に従動して可動・固定クリッパ105a、105bは、スライド案内溝115に沿って待機位置から搬出位置に移動(束搬出方向)する。
また駆動モータMEを逆方向に回転すると図13(b)に示すように可動・固定クリッパ105a、105bは搬出位置から待機位置に移動(復帰方向)する。これと共に走行ベルト116が待機位置からその後方側に更に移動すると、連結スプリング117は駆動プーリ130bに倣って時計方向に移動する。この駆動プーリ130bの後退動作で連結スプリング117では可動グリッパ105aの後端部を下方に引っ張ることとなる。このとき可動グリッパ105aはピボットピン106を中心に時計方向に回転し、先端のニップ部105axは上方に拡開される(図13(b)参照)。このようにシート係合部材(グリッパ部材)105は、キャリア部材110に沿ってこのシート係合部材(グリッパ部材)105をシート束搬出方向に位置移動する係合部材駆動手段127を備えている。
「シート係合部材の動作」
上述のように構成されたシート係合部材(グリッパ部材)105の動作について説明する。グリッパ手段(グリッパ部材)105は、その制御手段の構成については後述するが、「第1待機位置Gp1」「第2待機位置Gp2」「ニップ位置Gp3」「束搬出位置Gp4」「ニップ解除位置Gp5」「第1待機位置Gp1」の順に移動するように制御される。
「第1待機状態」
後述する制御手段167は、装置起動時の「イニシャル動作」(後述する)でグリッパ手段(グリッパ部材;以下同様)105を図15(a)に示す第1待機位置Gp1に移動する。この第1待機位置Gp1ではグリッパ手段105は処理トレイ29のガイド溝29G内に没入した待機姿勢となる。この姿勢で処理トレイ29上に搬入されたシートは同図(b)に示すようにシート端規制手段32に突き当て整合される。従ってこの姿勢で処理トレイ29上に排紙口25xからシートが部揃え集積され、予め設定されているシート束の処理位置に後処理が施される。
「グリッパ手段の後退動作」
制御手段167は画像形成装置Aからのジョブ終了信号を受けてグリッパ手段105を後方側の第2待機位置Gp2に向けて後退させる。この為制御手段167は前述の駆動アーム126の駆動モータMHを所定量逆回転させる。この第2待機位置Gp2に向けて後退する過程でグリッパ手段105は、そのキャリア部材110のガイドピン111が前述のループ案内溝29Gaの下部走行パス113bから上部走行パス131aに移行する。そして、その可動グリッパ105aはシート支持面29aの上方に突出する(図15(c)参照)。このときシート先端は可動グリッパ105aで上方に押し上げられるが、シート端規制手段32は同図(d)に示すように弾性変形してシート先端に追随して上方に湾曲変形する。これによってグリッパ手段105の円滑な運動が保証される。
「第2待機位置状態」
次いで制御手段167は駆動アーム126の駆動モータMHを所定量逆回転させた後、これを停止する。そして制御手段167はキャリア部材110に設けられた駆動プーリ130bの駆動モータMEを時計方向(図13(a)(b)参照)に回転する。すると可動グリッパ105aは図15(c)のニップ姿勢から図16(e)のニップ解除姿勢に移行する。この状態でグリッパ手段105は第2待機位置Gp2に位置づけられる。
「ニップ動作」
次に制御手段167は、駆動アーム126の駆動モータMHを正方向に回転し、キャリア部材110を束搬出方向に移動する。この駆動制御と同時に制御手段167はキャリア部材110の駆動プーリ130bを時計方向(図13(a)(b)参照)に回転する。このときキャリア部材110の移動速度Vcに対して走行ベルト116の移動速度Vbを調節することによってグリッパ手段105を静止させることが可能となる。つまり処理トレイ上のシートに対してグリッパ手段105をキャリア部材110の移動方向と反対方向に移動することによってシートから見るとグリッパ手段105は静止した状態となる。例えば速度VcとVbを同一速度にすると(Vc=−Vb)となり、グリッパ手段105は静止した状態となる。これによってグリッパ手段105によるグリップ動作を確実に行うことが出来る。
次に制御手段167は、駆動アーム126の駆動モータMHの正方向回転を継続するのと同時にキャリア部材110の駆動プーリ130bを反時計方向(図13(a)(b)参照)に回転する。すると図13(a)(b)で説明したように、走行ベルト116の移動で連結スプリング117が緩んで可動グリッパ105aは付勢スプリング107で固定グリッパ105bに圧接される。このとき処理トレイ上のシート束の後端部をニップする。この状態を図16(f)に示す。
「束搬出位置移動」
制御手段167は、キャリア部材110の駆動プーリ130bを停止し、駆動アーム126の駆動モータMHの正方向回転を継続する。するとグリッパ手段105にニップされたシート束は処理トレイ29に沿って図16(f)の状態が同図(g)の状態に移送される。この同図(g)の状態にシート束が搬出位置に移送された状態で、制御手段167はキャリア部材110の駆動プーリ130bを反時計方向に回転する。すると走行ベルト116に連結された固定・可動グリッパ105a、105bは図17(h)の状態にキャリア部材110から処理トレイ上方に突出する。これによってシート束後端はスタックトレイ21上に搬出され、その先端はトレイ上の最上シートの上に収納される。
「ニップ解除状態」
次に制御手段167は駆動アーム126の駆動モータMHを一時的に停止する。するとキャリア部材110はループ案内溝29Gaを落下する。するとグリッパ手段105は図17(i)の状態にトレイ上の最上シートの上に落下する。そこで制御手段167は駆動アーム126の駆動モータMHを逆回転する。するとキャリア部材110はループ案内溝29Gaの下部走行パス113bに沿って第1待機位置側に復帰する。このときグリッパ手段105にニップされたシート束はトレイ側壁に阻止されてニップ解除される(図17(j)の状態)。
「復帰状態」
更に、制御手段167は駆動アーム126の駆動モータMHの回転を継続してキャリア部材110を束搬出位置Gp4から第1待機位置Gp1に復帰させる。するとグリッパ手段105は図17(k)の状態に処理トレイ29のガイド溝29G内に没した状態に復帰する。
[トレイ排紙口の安全機構]
上述の処理トレイ29には、スタックトレイ21にシート束を搬出する出口端(以下「トレイ排紙口」という)29xに以下の安全機構135が配置される。この安全機構135は、トレイ排紙口29xに配置された「異物検出手段137」と、この異物検出手段137からの検出情報に基づいて後処理手段(ステープル手段)31の動作を禁止する「制御手段」とで構成されている。
上記異物検出手段137は、トレイ排紙口29xを開閉する遮蔽部材133と、この遮蔽部材133の位置を検出する位置検知センサStで構成されている。まず遮蔽部材133は前述の処理トレイ29の出口端(トレイ排紙口)29xに配置され、そのシート支持面29aの上方に形成される排紙開口を開閉するようになっている。図示の遮蔽部材133はトレイ支持面上の最上シートと当接するシャッタ板で構成され、その自重で常時最上シートの上に当接して開口を遮蔽するようになっている。このように出口端(トレイ排紙口)29xに遮蔽部材133を設けたのは、処理トレイ上に異物、例えば事務用具などが後処理部に進入、或いは使用者が不用意に手指を進入させるのを防止するためである。
この遮蔽部材133は処理トレイ29上へのシート集積、或いは後処理したシート束をスタックトレイ21に搬出するシート束搬出の妨げとならないように上下可能に装置フレーム(図示のものは外装ケーシング20)に上下動可能に取り付けられている。そしてこの遮蔽部材133は、処理トレイ29上に集積するシートに紙詰まり(ジャム)が発生したとき、或いは後処理手段(ステープル手段)31に針詰まりなどの動作不良が発生したときには、上方に開口してジャム処理するようになっている。
上述のように外装ケーシング20の排紙開口を開閉するように上下動可能に構成された遮蔽部材133には、その開閉状態を検出する位置検知センサStが設けられている。このため遮蔽部材133に被検出部(センサフラグ)134が設けられ、この被検出部134を検知するセンサアクチュエータSeを備えたセンサ手段138(図示のものはマイクロスイッチ)が装置フレーム側に配置されている。このセンサ手段138の検知信号は後述する制御手段168に転送され、後処理手段(ステープル手段)31の動作を禁止するようになっている。
そこで、遮蔽部材133は、処理トレイ29上のシート積載量に応じてその高さ位置が異なり、シート積載量が少ないときには低い位置に、また積載量が多いときには高い位置となる。このときセンサ手段138が遮蔽部材133の一定の高さ位置を検出して後処理手段31の動作を許容又は禁止するように構成すると次の不具合が生ずる。処理トレイ上に積載する最大許容厚さを大きく設定すると、これに伴ってセンサ手段138で検出する遮蔽部材133の高さ位置も高い位置に設定しなければならない(低い位置に設定すると正常動作時に後処理手段の動作が禁止される)。このため、処理トレイ上に数枚程度のシートが積載された状態で遮蔽部材133を上方に持ち上げる異常操作がなされたとき、センサ手段138が遮蔽部材133を検出しないで後処理手段31が動作する不具合が発生する。
上述の不具合を解決するため図示の装置は、(i)センサ手段138の検出位置を積載するシート束厚さに応じて高さ調整するか、又は(ii)センサ手段138で複数の高さ位置を検出して積載するシート束厚さに応じて後処理動作を禁止するか否か判別するかいずれかの方法を採用する。以下各構成について説明する。
(i)センサ手段138の検出位置を積載するシート束厚さに応じて高さ調整する実施形態。図18に示すようにセンサ手段138を構成するマイクロスイッチは装置フレーム20にシート積載方向に沿って上下動可能にガイドレール(不図示)などで支持されている。そしてこのマイクロスイッチを搭載したセンサブラケット140にはラック歯車141が設けられ、このラック歯車141にはステッピングモータMTに連結されたピニオン142が歯合している。従ってステッピングモータMTを回転動することによってセンサ手段138はシート積載方向に上下動可能となり、センサ手段138のアクチュエータSeは遮蔽部材133に配置されている被検出部134を検出する高さ位置を異ならせることとなる。
(ii)センサ手段138で複数の高さ位置を検出する実施形態。前述のようにシート積載方向に上下動可能に構成されている遮蔽部材133には図19に示すように高さ位置の異なる複数の被検出部134が第1フラグ134a、第2フラグ134b、第3フラグ134cの順に配置されている。そして後述する制御手段168は、この複数の被検出部134a〜134cを検出するセンサ手段138からの信号に基づいて後処理動作を禁止するか否か判別する。
「制御手段」
制御手段168は後述する制御CPU160で構成されている。上記実施形態(i)における制御手段168は、画像形成装置Aから処理トレイ29に集積されるシート枚数を例えば画像テータから取得する。そして予め設定されている標準紙厚さから処理トレイ29に集積されるシート束厚さを算出する。このシート束厚さに応じて前述のセンサ手段(マイクロスイッチ)138の高さ位置を設定する。このマイクロスイッチの高さ位置はステッピングモータMTに設定する高さ位置に応じた電源パルスを供給する。すると、センサ手段138のアクチュエータSeは処理トレイ29上に部揃え集積されるシート束の厚さに応じた高さ位置で前述の遮蔽部材133の被検出部(フラグ)134を検知することとなる。
このように構成することによって遮蔽部材133が処理トレイ29に集積されるシート束の厚さ以上に持ち上げられたときその被検出部134をセンサ手段138が検知することとなる。尚この場合センサ手段138の高さ位置は部揃え集積されるシート束の厚さより若干高いに設定する。そして制御手段168はセンサ手段138が遮蔽部材133の被検出部134を検出したとき後処理手段31の処理動作を禁止するように構成されている。
上記実施形態(ii)における制御手段168は、前述の第1フラグ134aをセンサ手段138が検出したとき、処理トレイ上に積載されているシート束の束厚さと予め設定されている各フラグ134a〜134cの高さ位置を比較し、フラグの高さ位置が高いときには「異常」と判断して後処理手段31の処理動作を禁止するように構成する。このため、制御手段168は処理トレイ29に搬出されるシートの枚数を検出する計数カウンタと、そのカウント数からシート束厚さを算出する演算手段(不図示)を備えている。そして制御手段168は第1フラグ134aをセンサ手段138が検出したとき、予め設定されている第1フラグの高さ位置と処理トレイ上に積載されているシート束の束厚さとを比較して判別する。次いで第2フラグ134bをセンサ手段138が検出したとき、予め設定されている第2フラグの高さ位置と処理トレイ上に積載されているシート束の束厚さとを比較して「異常か否かを」判別する。同様に第3フラグ134cについて「異常か否かを」判別する。
尚この場合の「異常判別」は、処理トレイ上に積載されているシート束の厚さと、予め設定されているフラグの検出位置(高さ位置)とを比較して、遮蔽部材133が処理トレイ29の最上シートの上方に持ち上げられた状態を「異常」として判別するように構成する。また、上記第1、第2、第3フラグ134a、134b、134cの検出結果を記憶手段に記憶し、センサ手段138からの信号が第1フラグの信号であるか、第2、第3フラグの信号であるかを識別するようにする。
このように構成することによって、初期状態からセンサ手段138が1回目の検知信号を発したときには、処理トレイ上に積載されているシート束の束厚さと第1フラグ134aの高さ位置とを比較し、2回目の検知信号のときにはシート束の束厚さと第2フラグ134bの高さ位置のように順次判別する。これによって処理トレイ29上に集積されたシート束の厚さに応じて段階的に遮蔽部材133の開閉状態を検出して「異常」判別することが可能となる。
[端縁綴じステープルユニットの構成]
上記後処理手段(ステープル手段)31は図28(a)に示すようにドライバ70とクリンチャ75とで構成されている。ドライバ70は綴じ位置にセットされたシート束にステープル針を刺入するヘッド部材70aと、ステープル針を収容したカートリッジ71と、ドライブカム77と、このドライブカム77を駆動するステープルモータMDとで構成されている。クリンチャ75はシート束に刺入されたステープル針の先端を折り曲げるための折曲げ溝75aで構成されている。そして端綴じユニット(後処理手段)31は、ドライバ70とクリンチャ75とはユニットフレームに一体に取り付けられている。ヘッド部材70aは図28(a)上下方向にドライブカム77で往復動し、内部にフォーマ73、ベンディングブロック74が内蔵されている。尚、このフォーマ73及びベンディングブロック74の構造は後述する中綴じステープルユニット40と同一であるためその構造は図29に従って後述する。
[パンチユニットの構成]
前述の第1搬入経路P1には、搬入ローラ23と排紙ローラ25との間にパンチユニット60が配置され、第1搬入経路P1を通過するシートにファイル穴を穿孔するようになっている。このパンチユニット60の構成を図20に従って説明する。パンチユニット60は、パンチ部材62と刃受部材(ダイ)63と、駆動カム64と、駆動モータMXで構成されている。パンチ部材62はユニットフレーム61にシート幅方向に間隔を隔てて複数配置され、穿孔方向に上下動可能に軸受け支持されている。そして各パンチ部材62は駆動カム64(スライド溝カム、偏心回転カムなど)に歯合され、駆動モータMXに連結した駆動カム64で上下動することによってファイル穴を穿孔する。また、刃受部材63は第1搬入経路P1を通過するシートを挟んでパンチ部材62に対向配置されている。
上記ユニットフレーム61はシート幅方向に位置移動可能に装置フレーム(不図示)に支持されている。これは第1搬入経路P1に送られたシートの側端縁とパンチ位置とを位置合わせするためである。つまり第1搬入経路P1に送られるシートは、シート自体の寸法誤差、或いは幅方向の位置ズレ(左右偏り)、或いは左右いずれかに傾いた状態(右スキュ、左スキュ)で送られて来る。このときシートの側端縁位置に関係なくパンチ穴を形成するとファイリングするときにシート端縁が不揃いとなる。そこで以下の位置決め機構が必要となる。
[位置決め機構]
上述のパンチユニット(後処理手段)60とシート端縁との相対位置を合致させる位置決め機構は、シート端検出手段67と位置決め手段68とで構成される。シート端検出手段67は処理位置に送られたシートの側縁を検出するセンサ手段66で構成され、位置決め手段68はその検出情報に基づいてシートと後処理手段60との相対位置を位置移動するように構成されている。
「シート端検出手段」
上記シート端検出手段67は図20に示すように処理位置に送られたシートの左右一方の側端縁を検出するセンサ手段66と、このセンサ手段66を予め設定された初期位置からシート幅方向に位置移動するシフト手段69とで構成される。センサ手段66は、互いに対向配置された一対の発光素子66aと受光素子66bで構成し、シートサイズに応じて、その側縁を検出する位置に配置する。図示のものはシートサイズがJIS規格A4サイズとB5サイズである関係からA4検知センサS4aとB5検知センサS5bを、それぞれシート側縁を検出する位置に配置してある。そしてこのセンサ手段66はパンチ部材62を支持するユニットフレーム61に配置してある。
「位置決め手段」
上述のようにパンチ部材62とセンサ手段66を搭載したユニットフレーム61はシート幅方向に位置移動可能にガイドレール(不図示)に支持されている。そしてこのユニットフレーム61にはラック歯車61Rが設けてあり、このラック歯車61Rに歯合するピニオン61Pに駆動モータMXが連結してある。これによりユニットフレーム61はステッピングモータ(駆動モータ)MXの正逆転に寄りシート幅方向左右に位置移動可能となる。
「センサ位置制御手段」
センサ位置制御手段169は後述する制御CPU160で構成される。このセンサ位置制御手段169は上記ユニットフレーム61を、予め設定されているホームポジションからシート幅方向左右に位置移動するように上記ステッピングモータMXのドライバ回路と電気的に接続されている。そこでセンサ位置制御手段169は、処理位置に搬送されたシートを上記センサ手段66が上記初期位置(ホームポジション)のとき、(i)シート検知したときには上記センサ手段66をシート幅方向外側(図21(c)右左方向)に位置移動してシート端縁を検出する。また、(ii)シート検知しないときには上記センサ手段66をシート幅方向内側(図21(b)右左方向)に位置移動してシート端縁を検出するように構成されている。
このシート端縁の位置検出はセンサ手段66が「OFFからON」又は「ONからOFF」に変化したとき、この位置をシート端縁と判断し、上記ユニットフレーム61を停止する。するとユニットフレーム61に搭載されている後処理手段(パンチ部材)62はシートの端縁から設定されている距離位置にパンチ穴を穿孔するようにセンサ手段66とパンチ部材62との位置関係が設定されている。
[第2処理部の構成]
前述の第2処理部BX2は前述のように第2搬入経路P2に配置された集積ガイド45と、この集積ガイド45に配置された中綴じステープルユニット40と、折り処理機構(中折りユニット)44とで構成されている。以下この集積ガイド45、中綴じステープルユニット40、折り処理機構44の順に説明する。
[集積ガイド]
上記集積ガイド45は、前述の第2搬入経路P2の下流側に連続して配置され、搬入口23aからのシートを立位姿勢で順次上方に積載収納するように構成されている。特に図示の集積ガイド45は、ケーシング20を縦断するように略々鉛直方向に配置され、シートを立位姿勢で集積するように構成され、これによって装置を小型コンパクトに構成している。また、図示の集積ガイド45は中央で屈曲したガイドプレートで構成され、この集積ガイド45は内部に最大サイズシートを収納する長さ形状に形成され、後述する中綴じステープルユニット40と折り処理機構44を配置する側に突出するように湾曲又は屈曲した形状に構成されている。そして集積ガイド45にはシート先端を規制する先端ストッパ43が設けられ、この先端ストッパ43はシートサイズ(排紙方向の長さ)に応じて位置移動するようになっている。
[中綴じステープルユニット]
上述の集積ガイド45には中綴じステープルユニット(以下「中綴じユニット」という)40が配置され、この集積ガイド45に部揃え集積されたシート束の中央部をステープル綴じするようになっている。その構成を図29(a)(b)に基づいて説明する。この中綴じステープルユニット40はドライバ70とクリンチャ75とで構成されている。ドライバ70は綴じ位置にセットされたシート束にステープル針を刺入するヘッド部材70aと、ステープル針を収容したカートリッジ71と、ドライブカム77と、このドライブカム77を駆動するステープルモータMDとで構成されている。上記ドライバ70はフレームのヘッド部材70aに図29(b)に示すようにドライバ部材72とフォーマ73とベンディングブロック74が上下にこの順に内蔵されている。そしてドライバ部材72とフォーマ73とは上死点と下死点との間で上下往復動するようにヘッド部材70aに上下摺動自在に支持され、ベンディングブロック74は直線状のステープル針をコの字状に折り曲げる成形型としてヘッド部材70aに固定されている。
またフレームにはステープル針を内蔵したカートリッジ71が内部に装着され、上記ベンディングブロック74にステープル針を順次供給する。上記ドライバ部材72とフォーマ73とはフレームに揺動自在に取り付けられたドライブレバー76に連結され、上死点と下死点との間で上下駆動される。上記フレームにはドライブレバー76を上下駆動する蓄勢スプリング(不図示)が設けられ、この蓄勢スプリングに蓄力するドライブカム77と、このドライブカム77を駆動するステープルモータMDが設けられている。
上述のドライバ70とシート束を挟んで対向する位置にクリンチャ75が配置されている。図示のクリンチャ75はドライバ70と分離した構造体で構成され、ドライバ70でシート束に刺入されたステープル針の針先を折り曲げる。このためクリンチャ75はステープル針の先端を折り曲げる折曲げ溝(アンビル)75aを備えている。特に図示のクリンチャ75は集積ガイド45に集積されたシート束の幅方向2個所以上に複数の折曲げ溝75a1、75a2が設けられ、この位置に移動するドライバ70でシート幅方向の複数個所をステープル綴じすることを特徴としている。このように構成することによって集積ガイド45上に支持されたシート束に対してクリンチャ75を移動することなく固定した状態で左右2個所をステープル綴じすることができる。
この他、クリンチャ75としてはステープル針の針先を折り曲げるウイング部材(不図示)を設け、このウイング部材をドライバ70でシート束に刺入される針先と連動(同期)して揺動回転させる構成を採用することも可能である。この場合はクリンチャ75のフレームに一対の折曲げウイングをコの字状の針両端に対向する位置に揺動可能に軸支持する。そしてドライバ70でステープル針をシート束に刺入する動作に連動して一対の折曲げウイングを揺動させる。この一対のウイングの揺動でステープル針の針先端はシート束の裏面に沿ってフラットな状態で折り曲げられる。つまり前述の折曲げ溝で折り曲げると針先端はU字状に折り曲げられた状態(メガネクリンチ)となり、後述のウイング部材で折り曲げると針先端は直線的に折り曲げられた状態(フラットクリンチ)となる。本発明はそのいずれの構成も採用可能である。
このような構成によってヘッド部材70aに内蔵されたドライバ部材72とフォーマ73はステープルモータMDの回転でドライブカム77が蓄勢性スプリングを介してドライブレバー76を上方の上死点から下方の下死点に押下する。このドライブレバー76の下降動作でこれに連結されたドライバ部材72とフォーマ73が上死点から下死点に移動する。ドライバ部材72はコの字状に折り曲げられたステープル針の背部を押下するように板状部材で構成され、フォーマ73は図29(b)に示すようにコの字状の部材で構成されベンディングブロック74との間でステープル針をコの字状に折り曲げる。つまり前述のカートリッジ71からステープル針がベンディングブロック74に供給され、この直線状のステープル針をフォーマ73とベンディングブロック74との間でコの字状にプレス成型する。次いでこのコの字状に折り曲げられたステープル針をドライバ部材72がシート束に向けて勢いよく押下することによって針をシート束に刺入する。
[折り処理機構]
上述の中綴じステープルユニット40の下流側に配置された折り位置にはシート束を折り合わせる折ロール手段46とこの折ロール手段46のニップ位置にシート束を挿入する折ブレード47が備えられている。折ロール手段46は図27に示すように互いに圧接したロール46a、46bで構成され、各ロールは略々最大シートの幅長さに形成されている。
上記一対の折ロール46a、46bはゴムローラなどの各的摩擦係数の大きい材料で形成されている。これはゴムなどの軟質材によってシートを折曲げながら回転方向に移送する為であり、ゴム質材をライニング加工することによって形成しても良い。この折ロール46a、46bには凹凸形状に形成されシート値幅方向にギャップが形成してある。このギャップは後述する折ブレード47の凹凸と一致するように配置してあり、折ブレード先端がロールニップ間に進入し易いように配慮してある。つまり一対の互いに圧接した折ロール46a、46bにはシート幅方向に間隙(ギャップ)を有する凹凸形状に形成され、この間隙にシートのステープル綴じ個所と、同様に凹凸形状に形成した折ブレード47の刃先が進入するようになっている。
次に上述の折ロール手段46でシートを折り合わせる動作を図27(a)乃至(d)に従って説明する。この一対の折ロール46a、46bは前記集積ガイド45の湾曲又は屈曲した突出側に位置し、集積ガイド45に支持されたシート束を挟んで対向する位置にナイフエッジを有する折ブレード47が設けられている。この折ブレード47は図27(a)の待機位置から同図(c)のニップ位置との間で往復動可能に装置フレームに支持されている。
そこで前記集積ガイド45に束状に支持されたシート束は同図(a)の状態で先端ストッパ43に係止され、その折り目位置をステープル綴じされた状態で折り位置に位置決めされる。このシート束のセット終了信号を得て、駆動制御手段(後述のシート束折り動作制御部164d;以下同様)は、クラッチ手段をOFFする。
そこで駆動制御手段164dは折ブレード47を待機位置からニップ位置に向かって所定速度で移動する。そこで図27(b)の状態にシート束は折り目位置を折ブレード47によって屈曲されロール間に挿入される。このとき折ロール46aと46bは折ブレード47によって移動するシートに連なって従動回転する。そして駆動制御手段164dはシート束が所定のニップ位置に到達する見込み時間の後、ブレード駆動モータ(不図示)を停止し、折ブレード47を同図(c)の位置で静止させる。これと前後して駆動制御手段164dはクラッチ手段をON状態に切換えて折ロール46a、46bを駆動回転する。するとシート束は繰り出し方向(同図左側)に送り出される。その後、駆動制御手段164dは同図(d)の状態に折ロール46a、46bによるシート束の繰り出しと並行してニップ位置に位置する折ブレード47を待機位置に向けて移動復帰させる。
このように折り合わされたシート束は、まず一対の折ロール46a、46b間に喰え込まれる際に、ロール表面と接するシートが回転するロールによってロール間に引き込まれることがない。つまり折ロール46a、46bは挿入される(押し込まれる)シートに追随(従動)して回転するため、ロールと接するシートのみが先に巻き込まれることがない。またこの挿入されるシートにロールが追随して従動回転するため、ロール表面とこれと接するシートが擦れることがなく、画像擦れを招くことがない。
[トリマユニット]
前述の折り処理機構44の下流側にはサドルトレイ(第2スタックトレイ;以下同様)22に折シートを案内するシート移送経路(以下「排紙経路」という)85が設けられ、折り処理機構44で冊子状に折り合わせたシート束をサドルトレイ22に搬出する。そこで排紙経路85にはトリマユニット90が配置されている。このトリマユニット90は折り処理機構44で折り合わせた折シートの小口部を所定量カットして断裁揃えする。つまり折り処理機構44で複数枚のシート束を中央で冊子状に折り合わせる(マガジン折)と、折り合わせ先端部(小口部)が不揃いとなり、この小口部を所定量カットすることによってシート端縁を揃えて仕上げる。
上記トリマユニット90の構成は、種々の構造が知られているので詳述しないが例えばシート束の端縁を断裁する切断刃(平板状切断刃或いは円盤状回転刃と、この切断刃を駆動するカッタモータと、シート束の断裁縁を押圧保持する断裁縁プレス手段で構成される。図示のものは排紙経路85にユニットフレーム91を設け、このユニットフレーム91に切断刃92と加圧部材(不図示)が上下動するように配置されている。そしてこの切断刃92と加圧部材はシート幅方向に位置し、上方の待機位置から下方の切断位置に下降する際にシート束を加圧部材で押圧保持し、切断刃92で断裁するように構成されている。
そこで上記排紙経路(シート移送経路)85には、折り処理機構44から折シート束をトリマユニット90の切断位置に移送する「搬送機構」と、この切断位置に折シートを位置決めする「位置決め機構」が配置されている。
「搬送機構」
上記搬送機構は折シート束をニップして搬送する搬送ローラ対93で構成されている。この搬送ローラ対93は、排紙経路85を挟んで互いに圧接した一対のローラで構成され、その一方は固定ローラ、他方は可動ローラで互いに圧接、離間可能になっている。図示のものはこの搬送ローラ対93として、排紙経路85に前方搬送ローラ対93aと後方搬送ローラ対93bが設けてある。この前方、後方両搬送ローラ対93a、93bの間隔は折シート束の搬送方向長さより短く設定されている。そして両搬送ローラ対の可動ローラ93a1、93b1は同一の支持フレーム95に装架され、支持フレーム95は図22に示すように装置フレーム(不図示)に対して上下動するようにガイドレールで支持されている。従って排紙経路85に沿って前後に配置された搬送ローラ対93aと93bは固定ローラ93a2、93b2に対して可動ローラ93a1、93b1が圧接離間するように配置されている。図示MFは支持フレーム95を上下動するシフトモータである。尚上記可動ローラ93a1、93b1には図示しない加圧スプリングが設けてあり、固定ローラと所定の圧力で圧接している。
「駆動機構」
また、上記前方搬送ローラ対93aと後方搬送ローラ対93bは図22(b)に示す駆動機構によってそれぞれ同一周速度で回転する。前述の折ロール手段46を構成する折ロール46aと46bの回転を上記後方搬送ローラ対93bと前方搬送ローラ対93aに作動するように伝動ベルトで連結されている。図示MGはその駆動モータである。
「位置決め機構」
上記位置決め機構は、上述の搬送ローラ対93で移送される折シート束を所定の断裁位置に位置決めセットするレジスト手段96で構成されている。このレジスト手段96は折シート束の位置決めと同時にその姿勢を矯正する為、以下のように構成されている。レジスト手段96は折シート束の先端縁を突当て規制して搬送方向と逆方向に所定量後退させる規制ストッパで構成されている。図示の規制ストッパはシート搬送方向前後に揺動する揺動アーム部材97で構成されている。この揺動アーム部材97は図22(a)に示す排紙経路85から退避した姿勢(待機位置)と、図24(c)に示す排紙経路85に沿って折シート束を後退させた姿勢(作動位置)との間で揺動するように軸承され、その基端部には作動ソレノイドSL1が設けられている。
上記揺動アーム部材97と作動ソレノイドSl1を搭載したフレーム(ストッパフレームと云う)97Uは搬送方向前後に位置移動可能に装置フレームに取付けられ、このストッパフレーム97Uを位置移動するストッパシフトモータMJが設けられている。従って揺動アーム部材97は折シート束の長さサイズに応じてストッパシフトモータMJの回転制御で搬送方向前後に位置移動される。
「付勢ガイド部材」
上記揺動アーム部材97で折シート束を後退動する際には、前述の搬送ローラ対93は折りシート束のニップを解除し、可動ローラ93a1、93b1は折シート束から離間した状態に制御される(後述の「ストッパ位置制御手段」参照)。このとき排紙経路中の折シート束はフリーの状態となり、揺動アーム部材97の衝撃で位置ズレすることがある。そこで排紙経路85には揺動アーム部材(規制ストッパ)97でシートを所定量後退させる際にシートに前進方向の変位力を付与する付勢ガイド部材98が配置されている。この付勢ガイド部材98は折シート束と接するプレート部材、シュー部材などで構成され、後退動する折シート束にブレーキ作用を及ぼすようになっている。図示の付勢ガイド部材98は前述の支持フレーム95に揺動自在に軸支持された折シートの上紙面を自重で押圧するガイド片で構成されている。
「先端検知センサ」
上記排紙経路85には所定の断裁位置に折シート束が到達したのを検出する先端検知センサShが配置されている。この先端検知センサShは排紙経路85を搬送方向に移動するシート先端と係合するセンサフラグ86と、このセンサフラグ86の位置を検出するセンサ素子87で構成されている。
「ストッパ位置制御手段」
後述の制御CPU160で構成される制御手段170は、折り処理機構44から送られる折シート束の長さサイズ情報(例えば画像形成手段から転送される情報)に応じて上記揺動アーム部材97を位置移動する。つまり折シート束が例えばJIS規格A4サイズのときには図示「A4」位置に、B5サイズのときには図示「B5」位置にストッパシフトモータMJで位置移動する。このとき揺動アーム部材97は待機姿勢に保持され、同時に搬送ローラ対93は圧接状態に保持されている(ホームポジション)。
そこで制御手段170は、折シート束が断裁位置に到達したのを先端検知センサShで検知し、その検知信号で搬送ローラ対93の回転を停止し、同時に前記シフトモータMFを起動して.折シート束のニップを解除する。このとき付勢ガイド部材98はその自重で折シート束を押圧した状態を維持している。
次に制御手段170は、先端検知センサShの先端検知信号から所定時間経過後に作動ソレノイドSL1を起動する。これによって揺動アーム部材97は図22(a)の待機位置から時計方向に回転して図24(c)の作動位置に移動する。この揺動アーム部材97の移動に伴って折シート束は後退動する。このとき折シート束は付勢ガイド部材98のブレーキ作用を受けてその先端縁は揺動アーム部材97に倣ってスキュ修正される。つまり折シート束が斜行して傾いた状態で断裁位置に送られても、この断裁位置に位置決めされる際に姿勢矯正されることとなる。
更に、図示の装置は上述の搬送ローラ対93と付勢ガイド部材98との位置関係を次のように配置している。前記排紙経路85には、レジスト手段の上流側に複数シートを折合わせる折り処理機構44を配置する。そしてこの折り処理機構44は折合わせ端を移送方向前方に向けて移送するように構成する。また、この排紙経路85には、折シート束の後端縁を断裁揃えする断裁手段(断裁刃)92を配置する。そしてこの断裁手段92の下流側に付勢ガイド部材98と、搬送ローラ対93と、規制ストッパ97とがこの順に配置されている。そこで搬送ローラ対93は折シートの折合わせた先端部を押圧する位置に、付勢ガイド部材98は折シートの中央部を押圧する位置に配置してある。これは折シート束を断裁揃えする際に、背折部をローラ対で挟圧し、同時にシート中央部が迫り上がるのを加圧ガイド(前述の付勢ガイド部材98)で防止するためである。
上記搬送ローラ対93はシートから離反したニップ解除位置とシートをニップするニップ位置との間で移動可能に構成されている。上記制御手段は、(1)上記搬送ローラ対をニップ解除位置に移動した後、(2)上記ストッパ部材を後退動させてシートを所定量後退させ、このとき(3)上記付勢ガイドでシートを前進方向に付勢してシート先端を上記ストッパ部材に偏奇する。
[収納部]
前述のケーシング20の側壁にはスタックトレイ21とサドルトレイ22が図2に示すように上下に配置され、スタックトレイ21は第1処理部BX1から綴じ処理されたシート束を収納するように処理トレイ29の下流側に配置されている。サドルトレイ22は排紙口22xを備え、第2処理部BX2から冊子状に処理されたシート束を収納するように集積ガイド45の下流側に配置されている。そしてスタックトレイ21は処理トレイ29の出口端(トレイ排紙口)29xに連結されるように隣接され、サドルトレイ22は集積ガイド45に折り処理機構44とトリマユニット90を介して下流側に配置されている。
[スタックトレイの昇降機構]
上記スタックトレイ21の構成について図25に従って説明する。このスタックトレイ(以下「昇降トレイ」という)21はシートの積載量に応じて上下昇降するように構成されている。昇降トレイ21はシートを積載するトレイ形状に構成され、ケーシング20の側壁から装置外部に突出するように構成されている。このためトレイ基端部21aは図25に示すように上下2個所にガイドコロ21rが設けてあり、このガイドコロ21rが装置フレーム(不図示)に設けた昇降ガイド21uに嵌合支持されている。
そして昇降トレイ21の底部には昇降モータMSが搭載され、この昇降モータMSに減速機構を介して駆動ピニオン21pが連結されている。一方上記昇降ガイド21uを備えた装置フレームにはラック歯車20hがシート積載方向(図25上下方向)に配置され、このラック歯車20hに駆動ピニオン21pが歯合している。また昇降モータMSは正逆転可能なモータで構成され、その駆動軸には回転量を検出するエンコーダ(不図示)が設けられている。また、上記昇降トレイ21には積載された最上シートの高さ位置を検出するレベルセンサSrが設けられている。従って、昇降トレイ21は、昇降モータMSを所定回転正逆転することによってシート積載方向(図25上下方向)に位置移動することとなる。そして昇降トレイ21の高さ位置を上記レベルセンサSrで検出し、その検出結果に基づいて昇降モータMSを正逆方向に回転駆動する。この昇降モータMSの回転量は上記エンコーダで検出する。
[レベルセンサの構成]
上記レベルセンサSrは図25に示すようにアームレバー58と、このアームレバー58の位置を検出するセンサで構成され、上記アームレバー58には作動ソレノイドSL2が連結されている。そして昇降制御手段164はこのアームレバー58を排紙指示信号で上下動する。排紙指示信号は、排紙センサS2から、例えばシート後端通過信号からこのシートがスタックトレイ21に到達する見込み時間の経過後のタイミング、また、前述の束搬出手段の作動信号からシート束の後端がスタックトレイ21に到達した見込み時間の経過後のタイミング信号でスタックトレイ21を上下動する。
[昇降制御手段]
上述の昇降モータMSを制御する昇降制御手段(後述の制御CPU160)164は次のように構成されている。まず、排紙口25xからシートをスタックトレイ上に移送する制御モードについて説明すると、排紙口25xからシートは「ストレート排紙モード」、「ブリッジ搬出モード」、「処理束搬出モード」で搬出される。この搬出モードは例えば画像形成装置Aの後処理モード設定時に選定される。
そして上記「ストレート排紙モード」は、画像形成されたシートを排紙口25xから後処理することなく直接搬出する。このモードのときには搬入口23aに送られたシートは第1搬入経路P1に送られ、排紙ローラ25、排紙センサS2を経て処理トレイ29上に搬送される。この処理トレイ29上にはスイッチバックローラ26aがシート支持面29aに配置されている従動ローラ26bと圧接した状態で排紙方向(図26(a)時計方向)に回転している。従って排紙口25xからのシートは処理トレイ29上に搬出され、このトレイ上に準備されているスイッチバックローラ26a、26bで昇降トレイ21上に送られ、その最上シートの上に集積される。
上記「ブリッジ搬出モード」は、画像形成されたシートに後処理を施すために排紙口25xから処理トレイ29上に部揃え集積する。このモードのときには搬入口23aに送られたシートは第1搬入経路P1に送られ、排紙ローラ25、排紙センサS2を経て処理トレイ29に搬送される。この処理トレイ29にはシート端規制手段32と、スイッチバックローラ26aと、アライニング手段51と、サイド整合手段34が準備されている。そして排紙口25xからのシートは処理トレイ29上の最上シートの上に束状に集積される。上記「処理束搬出モード」は、処理トレイ上に部揃え集積され端綴じステープル手段31で綴じ処理されたシート束を処理トレイ29から昇降トレイ21に搬出する。このため処理トレイ29には前述のシート束搬出手段100が配置されている。
そこで昇降制御手段164は、昇降トレイ21収納されている最上シートと処理トレイ29のシート支持面29aとの高低差Hを、上記「ストレート排紙モード」のときには第1の高さ位置H1に設定する。また、上記「ブリッジ搬出モード」のときには第2の高さ位置H2に設定し、上記「処理束搬出モード」のときには第3の高さ位置H3に設定する。このときの高低差Hは、第1第2第3の高さ位置の順に大きくなる(H1<H2<H3)ように設定する。この高さ位置の制御は前述したようにレベルセンサSrでトレイ上の最上シートの位置を検出し、その検知信号を基準に昇降モータMSを所定量回転して高低差Hを設定する。
上記第1の高さ位置H1は、最上シートとシート支持面29aとの高低差が実質的にゼロとなるように設定する。つまりシート支持面29aに送られた排紙シートがスムーズに最上シートの上に搬入されるように設定する。このとき最上シートの後端がカールして迫り上がっていること、制御誤差で最上シートが上方に位置していること、を考慮してシート支持面29aに対して最上シートが若干低くなるように設定する。
このような配慮と同時に処理トレイ29をシート搬入の都度、シート1枚の厚さ分だけ降下させる制御は困難である。そこで通常処理トレイ29は排紙口25xからのシート搬出が数回繰り返されたのを上述のレベルセンサSrで検出してトレイを繰り下げるように構成する。このため第1の高さ位置H1は、例えば5mm〜10mmに設定する。
上記第2の高さ位置H2は、処理トレイ29上にシートを部揃え集積する際に、最上シートとシート支持面29aとの高低差が少なくとも積載されるシート束の束厚さ相当分か、これより若干大きく設定する。これは両者の高低差を実質的にゼロとなるように設定すると排紙口25xから搬出されたシート徐々にその上に積み上がるため、集積上層部のシートは搬入の都度その最上シートを連れ送りして位置ズレさせる問題が生ずる。この位置ズレの問題と同時に昇降トレイ21を排紙方向先方が高くなるように傾斜させて配置した場合(図26(b)参照)処理トレイ29に集積されたシート束は排紙方向先端側が上方に迫り上がった状態に湾曲する。この湾曲で束状に部揃え集積つれたシートの後端縁(綴じ処理端)が不揃いとなり、この状態で綴じ処理するとシート端縁が前後に位置ズレして不揃いとなる。
そこで第2の高さ位置H2は、第1の高さ位置H1より大きい高低差に形成し、この高低差は処理トレイのシート支持面29a上に許容最大量のシート束が積載された場合の湾曲による処理端縁の位置ズレ量から実験的に究明する。図示の第2の高さ位置H2は、10mm〜30mm程度に設定してある。
上記第3の高さ位置H3は、最上シートとシート支持面29aとの高低差が予め設定されている許容最大量のシート束の厚さ相当分より十分大きく設定する。つまり前述の処理トレイ29に部揃え集積され綴じ処理を施されたシート束を昇降トレイ21上に搬出するときには、最上シートとシート支持面29aとの高低差H3は少なくとも許容最大量のシート束の厚さ相当分より大きく設定する。この場合に図示の装置は処理トレイ29からシート束をグリッパ部材(手段)105でグリップして搬出する構造を採用している。これは処理トレイ29のシート支持面29aからシート束を落下させて収納すると整列状態が悪くなる。そこでシート束の後端部をグリッパ部材(手段)105でグリップしてシート後端が昇降トレイ21上の最上シートの上にランディングする直前でグリップ解除することによって整列状態を保持する為である。図示の装置は第3の高さ位置H3を30mm〜50mmに設定してある。
尚上述の昇降制御手段164は、「処理束搬出モード」のとき昇降トレイ21を第2高さ位置から第3高さ位置に移動する際に、(i)前記ステープル手段31の動作完了信号、若しくはこの信号で前記キャリア部材110がシート搬出方向に移動開始するタイミング信号で上記昇降モータMSを起動して第2高さ位置から第3高さ位置に移動するように制御するか、又は(ii)前記ステープル手段31の動作完了信号から綴じ処理済みのシート束が昇降トレイ21に到達し、シート後端が最上シートの上に落下する直前に昇降モータMSを起動して第2高さ位置から第3高さ位置に移動するように制御する。
また昇降制御手段164は、前記グリップ解除手段を、処理トレイ29のシート支持面29aと昇降トレイ21との間の高低差(上記第3高さ位置H3)をシート束の後端が落下する過程でグリッパ部材(手段)105のグリップを解除するように制御する。従ってシート束は最上シートの上に小さい落差で緩やかに落下して集積される。これによって昇降トレイ21上に集積されたシートの整列性を維持することが出来る。
[制御構成の説明]
上述した画像形成システムの制御構成を図30のブロック図に従って説明する。図1に示す画像形成システムは画像形成装置Aの制御部(以下「本体制御部」という)150と後処理装置Bの制御部(以下「後処理制御部」という)160を備えている。本体制御部150は画像形成制御部151と給紙制御部152と入力部153を備えている。そしてこの入力部153に設けられたコントロールパネル18から「画像形成モード」「後処理モード」の設定を行う。画像形成モードは前述したように、プリントアウト部数、シートサイズ、カラー・モノクロ印刷、拡大・縮小印刷、両面・片面印刷、その他の画像形成条件を設定する。そして本体制御部150はこの設定された画像形成条件に応じて画像形成制御部151及び給紙制御部152を制御し、所定のシートに画像形成した後本体排紙口3からシートを順次搬出する。
これと同時にコントロールパネル18からの入力で後処理モードが設定される。この後処理モードは、例えば「プリントアウトモード」「ステープル綴じ仕上げモード」「シート束折り仕上げモード」等に設定される。そこで本体制御部150は後処理制御部160に後処理の仕上げモードとシート枚数、部数上方と綴じモード(1個所止綴じか2個所以上複数綴じか)情報を転送する。これと同時に本体制御部150は画像形成の終了毎にジョブ終了信号を後処理制御部160に転送する。
後処理制御部160は、指定された仕上げモードに応じて後処理装置Bを動作させる制御CPU161と、動作プログラムを記憶したROM162と、制御データを記憶するRAM163を備えている。そしてこの制御CPU161は、搬入口23aに送られたシートの搬送を実行するシート搬送制御部164aと、シートの集積動作を実行するシート集積動作制御部164bと、シート綴じ処理を実行する綴じ動作制御部164cと、シートの束折り動作を実行するシート束折り動作制御部164dを備えている。
上記シート搬送制御部164aは前述の第1搬入経路P1の搬入ローラ23、排紙ローラ25の駆動モータ(不図示)の制御回路に連結され、またこの搬入経路に配置されたシートセンサS1からの検知信号を受信するように構成されている。また、上記シート集積動作制御部164bは、処理トレイ29にシートを集積するために前記スイッチバックローラ26aの正逆転モータ、シート端規制部材のシフトモータの駆動回路に結線されている。更に上記綴じ動作制御部164cは、処理トレイ29の端綴じユニット31と集積ガイド45の中綴じステープルユニット40に内蔵された駆動モータMDの駆動回路に結線されている。
上記シート束折り動作制御部164dは、前記折ロール46a、46bを駆動回転する駆動モータの駆動回路と、クラッチ手段の駆動回路に結線されている。またこのシート束折り動作制御部164dは前述の第2搬入経路P2の搬送ローラ27及び集積ガイド45の先端ストッパ43を所定位置に移動制御するシフト手段の制御回路に結線され、これらの経路に配置したシートセンサから検知信号を受信するように結線されている。
上述のように構成された制御部は後処理装置Bに次の処理動作を実行させる。
「プリントアウトモード」
このモードでは画像形成装置Aは一連の文書を例えば第1ページから画像形成し、本体排紙口3から順次フェースダウンで搬出し、第1搬入経路P1に送られたシートは排紙ローラ25に導かれる。そこで排紙口25xでシート先端を検出した信号でシート先端が処理トレイ29のスイッチバックローラ26aに到達する見込み時間の後、シート搬送制御部164aはスイッチバックローラ26aを上方待機位置からトレイ上に降下し、このローラを図2時計方向に回転する。すると処理トレイ29上に進入したシートはこのスイッチバックローラ26aでスタックトレイ21に向けて搬出され、このトレイ上に収納される。このように順次後続するシートをスタックトレイ21に搬出し、このトレイ上に堆積収納する。
従ってこのプリントアウトモードでは画像形成装置Aで画像形成されたシートは後処理装置Bの第1搬入経路P1を経て、スタックトレイ21に収容され、例えばフェースダウンの姿勢で1ページから順次nページの順に上方に積載収納されることとなる。
「ステープル綴じ仕上げモード」
このモードでは画像形成装置Aは前述のモードと同様に一連の文書を第1ページからnページの順に画像形成し、フェースダウンの状態で本体排紙口3から搬出し、第1搬入経路P1に送られたシートは排紙ローラ25に導かれる。そこで排紙口25xでシート先端を検出した信号でシート先端が処理トレイ29のスイッチバックローラ26aに到達する見込み時間の後、シート搬送制御部164aはスイッチバックローラ26aを上方待機位置からトレイ上に降下し、このスイッチバックローラ26aを図2時計方向に回転する。次いでシート搬送制御部164aはシート後端が処理トレイ29上に搬入した見込み時間の後スイッチバックローラ26aを図2反時計方向に回転駆動する。すると排紙口25xから進入したシートは処理トレイ29上にスイッチバック搬送される。このシート搬送を繰り返すことによって処理トレイ29に一連のシートがフェースダウンの状態で束状に集積される。
尚上述の処理トレイ29上へのシートの集積の都度、制御CPU161はサイド整合手段34を動作させ集積するシートの幅方向位置を整合させる。次いで制御CPU161は画像形成装置Aからのジョブ終了信号で端綴じユニット31を動作させ処理トレイ上に集積されたシート束の後端縁を綴じ合わせる。このステープル動作の後、制御CPU161はシート束搬出手段100を移動する。するとステープル綴じされたシート束はスタックトレイ21に搬出収納される。これによって画像形成装置Aで画像形成した一連のシートをステープル綴じしてスタックトレイ21に収納することとなる。
[後処理ユニット]
前述のように、本発明のシート後処理装置では、後処理手段として図31に示すように、ケーシング20内に端綴じユニット31(U1)、中綴じユニット40(U2)、中折りユニット44(U3)、トリマユニット90(U4)が配置されている。そして、上記の各ユニットU1〜U4は、それぞれユニットごと装置外に取り出し可能に設けられている。図31に各ユニットの区分けを示す。各ユニットU1〜U4は、図31の破線で区切られた部分ごと取り出すことができるようになっている。また、各ユニットU1〜U4にはそれぞれ、操作者が容易に装置外へ引き出せるよう図32(a)に示すような引出部172が設けられている。
「引出部」
引出部172は、図32に示すように、操作者の引出部172の操作を可能にするための取手部材173と、ユニットUを装置フレーム内に位置決め固定するためのロック部材174と、ユニットUに固定される固定部材175と、固定部材175に挿入されて固定される支持軸176とから構成される。ロック部材174には両端に軸穴174Aが設けられ、この軸穴174Aには支持軸176が挿入されており、ロック部材174はこの支持軸176回りに回転自在となっている。また、取手部材173の下面はロック部材174の上面に固定されているため、取手部材173もロック部材174とともに支持軸176回りに回転自在に設けられる。ロック部材174には図32に示すように先端に傾斜部174Bと、さらにロック溝174Cが設けられている。通常、このロック溝174Cが、装置フレーム20に固定されるガイド177に設けられたロック軸178に係合されて、ユニットUが装置フレーム20内に位置決め固定されている。なお、図32において符号20Aは装置フレーム20に設けられたフロントカバーを示している。
そこで、ジャム処理時等にユニットUを引き出す場合は、操作者はロック軸178からロック溝174Cの係止が外れる方向に取手部材173を回転させ、ユニットUの固定を解除した上で取手部材173によりユニットUを水平に引き出す。逆にユニットUを装置フレーム20内に収納する場合は、取手部材173を把持してユニットUを装置フレーム20内に水平にスライドさせて押し込む。すると、ロック部材174はその先端に設けられた傾斜部174Bがロック軸178上に乗り上げる。これによりロック部材174と取手部材173は支持軸176回りに回転して最終的にはロック溝174Cとロック軸178が係合し、ユニットUは装置フレーム20に位置決め固定される。
[ジャム検知センサ]
ジャム検知センサ171は、各ユニットU1〜U4に配置されている。図31に各センサ位置を示す。端綴じユニットU1にはジャム検知センサ171A、中綴じユニットU2にはジャム検知センサ171B、中折りユニットU3にはジャム検知センサ171C、トリマユニットU4にはジャム検知センサ171Dが配置されている。このジャム検知センサ171は、シートジャムが発生した際に、ジャムシートが複数ユニットに跨って存在するか一つのユニット内に収まっているかを検知する。
[カバー部材]
図32に示すように上記各ユニットU1〜U4の引出部172上部には、カバー部材180が配置されている。カバー部材180は例えば平板上の部材からなり、ジャム検知センサ171の出力に基づき、各ユニットU1〜U4の引出部172を覆う位置(カバー位置)と露出させる位置(退避位置)に出没自在に構成されている。この出没動作は、制御CPU161が制御するソレノイドにより行われる。
以下、カバー部材180の動作についてさらに詳しく説明する。図33にカバー部材180の動作の流れを示す。まず、シートジャムが発生した場合、装置の表示部において操作者にそれを報知すると共に、ジャム検知センサ171がジャムシートの位置を検知する。そこで制御CPU161は、ジャムシートが一つのユニット内に収まっているか否かを判断する(ステップS1)。ジャムシートが一つのユニット内に収まっている場合(YESの場合)は、操作者はフロントカバー20Aを開き、引出部172によりユニットを引き出し、ジャムシートを取り除く(ステップS7)。
一方、ステップS1においてジャムシートが一つのユニット内に収まっていない場合(NOの場合)、カバー部材180を駆動してカバー位置に移動させる(ステップS2)。こうすることにより、操作者がシートジャムを解消しようとフロントカバー20Aを開けても、ユニットの引出部172がカバー部材180により覆われているため、ユニットを引き出すことができなくなる。次いで、操作者の手動あるいは自動でシートジャムが発生しているユニットの搬送機構(搬送ローラ等)を作動させ(ステップS3)、ジャムシートが一つのユニット内に収まるようにする。そこで再度、ジャムシートが一つのユニット内に収まっているか否かを判断する(ステップS4)。一つのユニット内に収まっていない場合(NOの場合)は、シートジャムが解消されていないため、やむを得ず操作者がジャム処理を行えるように、あるいは修理等に対応できるようにカバー部材180を退避位置に移動させる(ステップS5)。ステップS4において、ジャムシートが一つのユニット内に収まっている場合(YESの場合)は、カバー部材180を退避位置に移動させる(ステップS6)。これにより操作者は引出部172によりユニットを引き出してジャムシートを取り除くことができる(ステップS7)。
上記のように構成したため、本発明によれば、複数ユニットに跨るシートジャムが発生した際に、ユニットをロックすることなくカバー部材で引出手段を覆うだけの構成としたため、操作者が強引にユニットを引き出すことを防ぎ、シートの破損や装置の損傷を防止することが可能となる。
本発明に係わる画像形成システムの全体構成図。 図1のシステムにおける後処理装置(シート取扱い装置)の全体構成図 図2の後処理装置の要部説明図。 処理トレイの後端規制手段と整合手段の構成説明図。 処理トレイの排紙機構の説明図であり、(a)はスイッチバックローラの構成を、(b)はスイッチバックローラの待機状態を、(c)はスイッチバックローラのシート係合状態を示す説明図。 処理トレイのシートアライニング機構の説明図であり、(a)はその全体構成を示す説明図、(b)はシート積載量が少ない状態を、(c)はシート積載量が多い状態を示す。(d)は搬入ガイドと搬出ガイドの位置関係を、(e)はキック手段の構成を示し、(f)はその駆動機構を示す説明図。 処理トレイにおける後端規制手段の位置移動機構を示し、(a)は大サイズシート(b)は中サイズシートの規制状態を示す説明図。 処理トレイにおける後端規制手段の位置移動機構を示し、(c)は小サイズシートの規制状態を、(d)は大サイズシートのオフセット状態を示す説明図。 シート束搬出手段の全体構成を示す斜視図。 シート束搬出手段の平面構造を示す説明図。 シート束搬出手段のガイド機構の説明図、 シート束搬出手段の駆動機構の説明図。 シート束搬出手段のグリップ機構の説明図であり、(a)はシート束をニップした状態を、(b)はシート束をニップ解除した状態の説明図。 シート束搬出手段のグリップ機構の説明図であり、(c)はシート束をスタックトレイに搬出した状態の説明図。 シート束搬出手段の動作状態説明図であり、(a)は第1待機位置状態、(c)は第2待機位置に後退する初期状態を示す。 シート束搬出手段の動作状態説明図であり、(e)は第2待機位置の状態、(f)はシート束をニップした状態、(g)はシート束を搬出する状態を示す。 シート束搬出手段の動作状態説明図であり、(h)はシート束をスタックトレイ上に移送した状態を、(i)はシート束をスタックトレイ上に搬出する状態を、(j)はシート束をスタックトレイ上に積載した直後の状態を、(k)は第1待機位置に復帰した状態を示す。 (a)は処理トレイにおける束手段搬出口の安全機構を示す説明図であり、(b)はそのA−A線断面図を示す。 処理トレイにおける束手段搬出口の安全機構を示し、図18と異なる実施形態の説明図。 図3の装置におけるパンチユニットの位置決め機構の説明図。 図20のパンチユニットの位置決め機構における位置決め状態の説明図。 (a)図3の装置におけるトリマユニットの全体構成の説明図であり、(b)は駆動系の説明図。 図22のトリマユニットにおける位置決め状態の説明図であり、(a)はシート束が搬送された状態を、(b)はシート束の加圧ローラを解除した状態を示す。 図22のトリマユニットにおける位置決め状態の説明図であり、(c)はシート束を位置決めするレジスト修正状態を、(d)はシート束を断裁する状態を示す。 図3の装置におけるスタックトレイの昇降機構の説明図。 図3の装置におけるスタックトレイの昇降状態の説明図であり、(a)は排紙経路からスタックトレイにシートを収納する状態を、(b)は排紙経路から処理トレイにシートを部揃え集積する状態を、(c)は処理トレイからスタックトレイ上にシート束を搬出する状態を示す。 図2の装置における折りロール機構の説明図であり、(a)はシート束を集積した状態を、(b)は折りブレードで折りロールにシート束を挿入した状態を、(c)は折りロールで折り合わせる初期状態を、(d)は折りロールでシート束を折り合わせた状態を示す。 図2の装置における端綴じステープル手段の説明図であり、(a)はその全体構成を、(b)はシート幅方向への移動機構を示す。 図2の装置における中綴じステープル手段の説明図であり、(a)はその全体構成を、(b)はアンビル部の説明図。 図1の画像形成システムにおける制御構成のブロック図。 図1の後処理装置の各ユニットとジャム検知センサの位置を示す説明図。 図1の後処理装置のカバー部材と引出部の説明図であり、(a)はその構成を示す斜視図、(b)は取っ手部材とロック部材の形状を示す斜視図。 図1の後処理装置のカバー部材の動作を示すフローチャート。
符号の説明
20 ケーシング(装置フレーム)
20A フロントカバー
21 スタックトレイ(昇降トレイ)
22 サドルトレイ
22x 排紙口
23a 搬入口
23 搬入ローラ
25 排紙ローラ
25x 排紙口
26 スイッチバックローラ
26a 可動ローラ
26b 従動ローラ
26z ローラ回転軸
27 搬送ローラ
28 昇降支持アーム
28a 揺動回転軸
29 処理トレイ
29a シート支持面
29x 出口端(トレイ排紙口)
29G ガイド溝
31 端綴じユニット(後処理手段)
32 シート端規制手段
34 サイド整合手段
40 中綴じステープルユニット(中綴じユニット)
44 折り処理機構(中折りユニット)
45 集積ガイド
51 アライニング手段
55 キックレバー(キッカー手段)
60 パンチユニット
70 ドライバ
85 シート移送経路(排紙経路)
90 トリマユニット(裁断ユニット)
95 支持フレーム
96 レジスト手段
97 揺動アーム部材(規制ストッパ)
97U ストッパフレーム
98 付勢ガイド部材
100 シート束搬出手段
105 シート係合部材(グリッパ部材)
105a 可動グリッパ
105b 固定グリッパ
106 ピボットピン(連結軸)
107 付勢スプリング
110 キャリア部材
111 ガイドピン
114 キャリア駆動手段
125 駆動回転軸
126 駆動アーム(クランク部材)
127 係合部材駆動手段
150 制御部(コントローラ)A
161 制御CPU
171 ジャム検知センサ
172 引出部
173 取手部材
174 ロック部材
174A 軸穴
174B 傾斜部
174C ロック溝
175 固定部材
176 支持軸
177 ガイド
178 ロック軸
180 カバー部材

Claims (5)

  1. 装置フレームと、
    画像形成装置から前記装置フレーム内に送出されてくるシートを束状に集積してシート束の端部に綴じ処理を施す端綴じユニットと、前記画像形成装置から前記装置フレーム内に送出されてくるシートを束状に集積してシート束の中央部に綴じ処理を施す中綴じユニットと、前記中綴じ処理されたシート束に中折り処理を施す中折りユニットと、前記中折り処理されたシート束の小口端を裁断する裁断ユニットの内、少なくとも一つのユニットを備えた後処理部と、
    前記後処理部から後処理されたシート束を受けて積載収納する少なくとも1つの収納部と、
    前記後処理部を構成する前記ユニットの内、少なくとも一つのユニットを前記装置フレームから引き出す引出手段と、
    前記引出手段を覆うカバー位置と前記引出手段を露出する退避位置の間で移動自在なカバー部材と、
    前記後処理部内で、前記ユニットからはみ出した状態のシートジャムを検知するジャム検知手段と、を備え、
    前記ジャム検知手段が前記シートジャムを検知した場合、前記カバー手段を前記ユニットの引出手段を覆うカバー位置に移動させることを特徴とするシート後処理装置。
  2. 前記ユニットからはみ出したシートが当該ユニット内に収まったことが前記ジャム検知手段により検知された場合には、前記カバー手段を前記カバー位置から前記退避位置へ移動させることを特徴とする請求項1に記載のシート後処理装置。
  3. 前記後処理部を構成する各ユニットの動作後において、前記ジャム検知手段が前記シートジャムを検知した場合、前記カバー手段を前記カバー位置から前記退避位置へと移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート後処理装置。
  4. 前記引出手段は、一方の端に手動操作可能な操作部を有し他方の端に前記装置フレームと係合する係合部を有する揺動自在な引出手段を備えた請求項1乃至3の何れかの項に記載のシート後処理装置。
  5. シート上に画像を形成する画像形成部と、請求項1乃至4の何れかの項に記載の前記シート後処理装置と、により構成された画像形成装置。
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